説明

自動車アンダーコート材用の(メタ)アクリル系重合体の製造方法

【課題】低温焼付条件下においても基材への十分な接着性を発揮し、貯蔵安定性が実用上問題ないプラスチゾル組成物からなる自動車アンダーコート材を与える、(メタ)アクリル系重合体の製造方法を提供する。
【解決手段】メタクリロイル基を有する単量体を含む単量体成分(W)を重合する工程(1)と、該工程(1)で得られた重合体の存在下で、(メタ)アクリロイル基を有する単量体を含む単量体成分(X)を重合する工程(2)と、該工程(2)で得られた重合体の存在下で、(メタ)アクリロイル基を有する単量体を含む単量体成分(Y)を重合する工程(3)と、該工程(3)で得られた重合体の存在下で、塩基性窒素原子を有する単量体を含む単量体成分(Z)を重合する工程(4)とを順次有する製法であり、単量体成分(X)の質量割合、単量体成分(Y)が重合した重合体のSp値等を特定の範囲とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車アンダーコート材に用いられる(メタ)アクリル系重合体を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性重合体の微粒子を可塑剤に分散させてなるペースト状の材料はプラスチゾルと総称され、特に塩化ビニル系重合体を用いたプラスチゾルは塩ビゾルとして、種々の産業分野で長年に亘り広く利用されている。しかしながら、塩ビゾルは、低温で焼却するとダイオキシンが発生する等の環境問題を生起させる。そこで、環境負荷の低減を図るため、アクリル系重合体微粒子を用いたアクリル系プラスチゾルが提案されており(特許文献1等参照。)、特に、自動車アンダーコート材においてその実用化が進んでいる。
【0003】
自動車アンダーコート材は、一般に、粉体状樹脂(重合体粒子)、可塑剤、フィラー等の他、塗膜をボディー基材に強く接着させるための接着成分を含有する。接着成分としては、ブロックイソシアネートが広く用いられている。ブロックイソシアネートは、ある程度の熱履歴を受けることで、ブロック材が解離し、接着性が発現する。そのため、自動車アンダーコート材は、塗工後に焼付けラインで焼き付けられることで、ボディー基材に強く接着する。
【0004】
一方、近年、二酸化炭素の排出量削減が社会的要請となってきている。そのため、二酸化炭素の排出量削減を達成するための手法の一つとして、焼付けラインの低温化が進められている。
しかしながら、接着成分としてブロックイソシアネートを用いた自動車アンダーコート材は、例えば80℃程度の低温焼付条件下では、ブロック材の脱離が不十分であり、その結果、得られる接着性も不十分となる傾向があった。
【0005】
接着成分を用いることなく、基材に接着するアクリル系プラスチゾルとして、塩基性窒素原子を有する、又はブロックイソシアネートを官能基として有するアクリル系重合体粒子の製造方法が開示されている(特許文献2参照。)。特許文献2に開示されているアクリル系重合体粒子は、120℃×20分、あるいは140℃×20分といった現在採用されている焼付条件においては、接着性と40℃における貯蔵安定性とを両立したものであり、実用上十分な性能を示す。しかしながら、低温焼付条件での接着性には、改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第00/01748号パンフレット
【特許文献2】国際公開第08/090906号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、例えば80℃程度の低温焼付条件下においても基材への十分な接着性を発揮し、貯蔵安定性が実用上問題ないプラスチゾル組成物からなる自動車アンダーコート材を与える、(メタ)アクリル系重合体の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、プラスチゾル組成物に用いる(メタ)アクリル系重合体粒子を多段重合で製造する際において、重合体粒子の各層の質量比や溶解度パラメーター等を調整するとともに、最外層を構成する単量体として塩基性窒素原子を有する単量体を用いることで、上記課題を解決できることを見出した。
【0009】
本発明の第1の自動車アンダーコート材用の(メタ)アクリル系重合体の製造方法は、メタクリロイル基を有する単量体を含む単量体成分(W)を重合する工程(1)と、該工程(1)で得られた重合体の存在下で、(メタ)アクリロイル基を有する単量体を含む単量体成分(X)を重合する工程(2)と、該工程(2)で得られた重合体の存在下で、(メタ)アクリロイル基を有する単量体を含む単量体成分(Y)を重合する工程(3)と、該工程(3)で得られた重合体の存在下で、塩基性窒素原子を有する単量体を含む単量体成分(Z)を重合する工程(4)とを順次有し、
前記単量体成分(X)および前記単量体成分(Y)の合計質量に対する前記単量体成分(X)の質量割合が86.1〜88.8質量%であり、
前記単量体成分(Y)が重合した重合体のSp値が20.34〜20.45(J/cm1/2であり、
前記単量体成分(W)と前記単量体成分(X)と前記単量体成分(Y)と前記単量体成分(Z)の合計質量に対する前記単量体成分(Z)の質量割合が19.5〜21.5質量%である。
【0010】
本発明の第2の自動車アンダーコート材用の(メタ)アクリル系重合体の製造方法は、メタクリロイル基を有する単量体を含む単量体成分(W)を重合する工程(1)と、該工程(1)で得られた重合体の存在下で、(メタ)アクリロイル基を有する単量体を含む単量体成分(X)を重合する工程(2)と、該工程(2)で得られた重合体の存在下で、(メタ)アクリロイル基を有する単量体を含む単量体成分(Y)を重合する工程(3)と、該工程(3)で得られた重合体の存在下で、塩基性窒素原子を有する単量体を含む単量体成分(Z)を重合する工程(4)とを順次有し、
前記単量体成分(X)および前記単量体成分(Y)の合計質量に対する前記単量体成分(X)の質量割合が79.9〜82.6質量%であり、
前記単量体成分(Y)が重合した重合体のSp値が20.09〜20.28(J/cm1/2であり、
前記単量体成分(W)と前記単量体成分(X)と前記単量体成分(Y)と前記単量体成分(Z)の合計質量に対する前記単量体成分(Z)の質量割合が19.5〜21.5質量%である。
【0011】
本発明の第3の自動車アンダーコート材用の(メタ)アクリル系重合体の製造方法は、メタクリロイル基を有する単量体を含む単量体成分(W)を重合する工程(1)と、該工程(1)で得られた重合体の存在下で、(メタ)アクリロイル基を有する単量体を含む単量体成分(X)を重合する工程(2)と、該工程(2)で得られた重合体の存在下で、連鎖移動剤を用いて(メタ)アクリロイル基を有する単量体を含む単量体成分(Y)を重合する工程(3)と、該工程(3)で得られた重合体の存在下で、塩基性窒素原子を有する単量体を含む単量体成分(Z)を重合する工程(4)とを順次有し、
前記単量体成分(X)および前記単量体成分(Y)の合計質量に対する前記単量体成分(X)の質量割合が79.9〜82.6質量%であり、
前記単量体成分(Y)が重合した重合体のSp値が20.29〜20.35(J/cm1/2であり、
前記単量体成分(Y)の全モル数に対する前記連鎖移動剤のモル数が0.10〜0.40モル%であり、
前記単量体成分(W)と前記単量体成分(X)と前記単量体成分(Y)と前記単量体成分(Z)の合計質量に対する前記単量体成分(Z)の質量割合が19.5〜21.5質量%である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の製造方法によれば、例えば80℃程度の低温焼付条件下においても基材への十分な接着性を発揮し、貯蔵安定性が実用上問題ない自動車アンダーコート材を与える(メタ)アクリル系重合体を製造できる。製造された(メタ)アクリル系重合体は、自動車アンダーコート材用の原料として最適である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の(メタ)アクリル系重合体の製造方法は、メタクリロイル基を有する単量体を含む単量体成分(W)を重合する工程(1)と、該工程(1)で得られた重合体の存在下で、(メタ)アクリロイル基を有する単量体を含む単量体成分(X)を重合する工程(2)と、該工程(2)で得られた重合体の存在下で、(メタ)アクリロイル基を有する単量体を含む単量体成分(Y)を重合する工程(3)と、該工程(3)で得られた重合体の存在下で、塩基性窒素原子を有する単量体を含む単量体成分(Z)を重合する工程(4)とを順次有する。
以下、本発明について、第1〜3実施形態を例示して、詳細に説明する。
【0014】
(1)第1実施形態
[工程(1)]
工程(1)では、1種類の単量体または2種類以上の単量体の混合物からなる単量体成分(W)を重合する。該単量体成分(W)は、メタクリロイル基を有する単量体を少なくとも含む。
メタクリロイル基を有する単量体としては、工業的に入手可能なものを用いることが好ましい。具体的には、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート等が挙げられ、1種以上を使用できる。なかでも工業的に入手が容易であるため、メチルメタクリレートを用いることが好ましい。単量体成分(W)は、メタクリロイル基を有する単量体以外の単量体を含んでもよい。
工程(1)の重合方法としては乳化重合が好ましい。
使用する重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウムの過硫酸塩が工業的に入手容易であるため好ましい。
【0015】
単量体成分(W)の量は、後述する単量体成分(X)と単量体成分(Y)と単量体成分(Z)と該単量体成分(W)の合計質量に対する質量割合として、5.0〜6.0質量%の範囲であることが好ましい。
【0016】
[工程(2)]
工程(2)では、工程(1)で得られた重合体の存在下において、1種類の単量体または2種類以上の単量体の混合物からなる単量体成分(X)を添加して、重合する。該単量体成分(X)は、(メタ)アクリロイル基を有する単量体を少なくとも含む。
(メタ)アクリロイル基を有する単量体としては、工業的に入手可能なものを用いることができる。具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート等の直鎖アルキルアルコールの(メタ)アクリレート類等を挙げられ、1種以上を使用できる。これらのうちメチルメタクリレートは、容易に入手でき、工業的実用化の点から好ましい。単量体成分(X)は、(メタ)アクリロイル基を有する単量体以外の単量体を含んでもよい。
ここで、(メタ)アクリレートは、アクリレートとメタクリレートの総称である。
また、工程(2)は、乳化剤を使用した乳化重合であることが好ましい。
【0017】
単量体成分(X)の量は、単量体成分(W)と単量体成分(X)と後述する単量体成分(Y)および単量体成分(Z)との合計質量に対する質量割合として、60.0〜65.0質量%の範囲であることが好ましい。
【0018】
[工程(3)]
工程(3)では、工程(2)で得られた重合体の存在下において、1種類の単量体または2種類以上の単量体の混合物からなる単量体成分(Y)を添加して、重合する。該単量体成分(Y)は、(メタ)アクリロイル基を有する単量体を少なくとも含む。
単量体成分(Y)としては、工業的に入手可能な(メタ)アクリロイル基を有する単量体を用いることができる。具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート等の直鎖アルキルアルコールの(メタ)アクリレート類等を挙げられ、1種以上を使用できる。単量体成分(Y)は、必要に応じて、(メタ)アクリロイル基を有する単量体以外の単量体(例えばN−ビニルイミダゾール等の複素環を有するビニル化合物等。)を含んでもよい。
単量体成分(Y)は、得られた(メタ)アクリル系重合体を用いたプラスチゾルの貯蔵安定性が良好になる傾向があることから、メチルメタクリレートを98質量%以上含むことが好ましい。
また、工程(3)は、乳化剤を使用した乳化重合であることが好ましい。
【0019】
単量体成分(Y)の量は、単量体成分(W)と単量体成分(X)と単量体成分(Y)と後述する単量体成分(Z)との合計質量に対する質量割合として、9.0〜14.0質量%の範囲であることが好ましい。
【0020】
また、単量体成分(X)と単量体成分(Y)の合計質量に対する単量体成分(X)の質量割合(以下、[X/(X+Y)]×100と表記する場合もある。)は、本実施形態では、下記式(1)に示すように、86.1質量%以上88.8質量%以下であることが必要である。[X/(X+Y)]×100の値が86.1質量%以上であると、得られた(メタ)アクリル系重合体を用いたプラスチゾルの例えば80℃程度の低温焼付条件下での接着性が良好になる傾向があり、88.8質量%以下であると、得られた(メタ)アクリル系重合体を用いたプラスチゾルの貯蔵安定性が良好になる傾向がある。
【0021】
【数1】

【0022】
また、この場合、単量体成分(Y)が重合した重合体の溶解度パラメーター(Sp値)が、20.34(J/cm1/2以上20.45 (J/cm1/2 であることが必要である。
ここで、Sp値は、重合体を構成する単量体単位(構成単位)のSp値(Sp(Ui))から、下記式(2)によって求められる。Sp(Ui)は、「polymer Engineering and Science,Vol.14,147(1974)」に記載されているFedorsの方法にて求めることができる。
表1に、代表的な単量体単位のSp値(Sp(Ui))を示す。
【0023】
【数2】

式(2)中、Miは単量体単位i成分のモル分率を示し、ΣMi=1である。
【0024】
【表1】

【0025】
単量体成分(Y)が重合した重合体のSp値が20.34(J/cm1/2以上であると、得られた(メタ)アクリル系重合体を用いたプラスチゾルの貯蔵安定性が良好になる傾向があり、20.45(J/cm1/2以下であると、得られた(メタ)アクリル系重合体を用いたプラスチゾルの低温焼付条件下での接着性が良好になる傾向がある。
なお、単量体成分(Y)が重合した重合体のSp値とは、単量体成分(Y)のみを重合して得られる重合体のSp値(計算値)である。
【0026】
[工程(4)]
工程(4)では、工程(3)で得られた重合体の存在下において、1種類の単量体または2種類以上の単量体の混合物からなる単量体成分(Z)を添加して、重合する。該単量体成分(Z)は、単量体として塩基性窒素原子を有する単量体を少なくとも含む。このような単量体として、具体的には、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の脂肪族アミノ(メタ)アクリレート;脂環式アミノ(メタ)アクリレート、N−ビニルイミダゾール、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルイミダゾリン、N−ビニルピロリドン等の複素環を有するビニル化合物;ビニルアニリン、ビニルベンジルアミン、アリルアミン、アミノスチレン等を挙げることができる。この中で複素環を有するビニル化合物が、少量の添加で基材との接着性を発現することから好ましく用いられる。特に、N−ビニルイミダゾールのような、窒素原子上の非共有電子対の立体障害が小さい複素環を有するビニル化合物が最も好ましい。特に、N−ビニルイミダゾールが好ましい。単量体成分(Z)は、必要に応じて、塩基性窒素原子を有する単量体以外の単量体を含んでもよい。このような単量体としては、例えば、単量体成分(Y)を構成する単量体として先に例示したような工業的に入手可能な(メタ)アクリロイル基を有する単量体が挙げられる。
単量体成分(Z)が少なくとも塩基性窒素原子を有する単量体を含有することにより、基材とプラスチゾル組成物の接着性を向上させることができる。
単量体成分(Z)を重合する際には、連鎖移動剤を添加して分子量を調整することが好ましい。連鎖移動剤の例としては、チオグリコール酸オクチル等のチオグリコール酸エステル類が好ましい。
また、工程(4)は、乳化剤を使用した乳化重合であることが好ましい。
【0027】
本実施形態では、単量体成分(W)と単量体成分(X)と単量体成分(Y)と単量体成分(Z)の合計質量に対する単量体成分(Z)の質量割合が19.5〜21.5質量%である。この質量割合が19.5質量%以上であれば、得られた(メタ)アクリル系重合体を用いたプラスチゾルの低温焼付条件下での接着性が良好になる傾向がある。21.5質量%以下であれば、得られた(メタ)アクリル系重合体を用いたプラスチゾルの貯蔵安定性が良好になる傾向がある。
【0028】
上述の工程(1)〜(4)を経た多段重合により、(メタ)アクリル系重合体を製造した後、(メタ)アクリル系重合体を粒子として回収する。回収方法としては、スプレードライ法などの公知の方法を選択することができる。スプレードライ法で(メタ)アクリル系重合体粒子(以下、重合体粒子という場合もある。)を回収する方法によれば、一次粒子同士が強固に結合せず、緩く凝集している状態を容易に形成しやすく、分散性に優れた重合体粒子が得られやすい。
【0029】
このようにして得られた重合体粒子を公知の可塑剤に分散させることにより、自動車アンダーコート材として用いられるプラスチゾル組成物とすることができる。
可塑剤としては、具体的には、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル系可塑剤等が挙げられ、1種以上を使用できる。この中でも、相溶性、経済性、入手のしやすさの観点から、ジイソノニルフタレートを主成分として用いることが好ましい。
【0030】
プラスチゾル組成物は、炭酸カルシウムを含有することが好ましい。炭酸カルシウムを含有することによって、自動車アンダーコート材として被膜を形成する際において、被膜のタックを抑制できる傾向にある。また、プラスチゾル組成物の原料コストを低減することができる。
【0031】
プラスチゾル組成物は、当該組成物の機能を損なわない範囲において、必要に応じて、他の添加剤を含有してもよい。具体的には、酸化チタン、カーボンブラック等の顔料、さらに消泡剤、防黴剤、防臭剤、抗菌剤、界面活性剤、滑剤、紫外線吸収剤、香料、レベリング剤、減粘剤、希釈剤等各種添加剤を例示することができる。
プラスチゾル組成物における各成分の配合比率は、重合体粒子100質量部に対して、可塑剤が150〜250質量部、炭酸カルシウムが200〜300質量部の範囲であることが好適である。
【0032】
プラスチゾル組成物を調製する際には、例えば、ポニーミキサー(Pony mixer)、チェンジキャンミキサー(Change−can mixer)、ホバートミキサー(Hobert mixer)、プラネタリーミキサー、バタフライミキサー、らいかい機、ニーダー等の公知の装置を用いることができる。
【0033】
プラスチゾル組成物を自動車アンダーコート材として用いて、被膜を形成する方法としては、スプレーコーティング法、ナイフコーティング法、刷毛塗り塗装法等により、基材上に塗工膜を形成し、これを焼き付ける方法を挙げることができる。焼付け温度は適宜設定できるが、該プラスチゾル組成物によれば、例えば80〜100℃の低温での焼付けが可能である。
【0034】
(2)第2実施形態
第2実施形態では、工程(2)で重合する単量体成分(X)と、工程(3)で重合する単量体成分(Y)との合計質量に対する単量体成分(X)の質量割合は、下記式(3)に示すように、79.9質量%以上82.6質量%以下であり、単量体成分(Y)が重合した重合体のSp値は、20.09(J/cm1/2以上20.28(J/cm1/2以下である。
ここで、[X/(X+Y)]×100が79.9質量%以上であると、得られた(メタ)アクリル系重合体を用いたプラスチゾルの低温焼付条件下での接着性が良好になる傾向がある。一方、82.6質量%以下であると、得られた(メタ)アクリル系重合体を用いたプラスチゾルの貯蔵安定性が良好になる傾向がある。
【0035】
【数3】

【0036】
また、単量体成分(Y)が重合した重合体のSp値が、20.09(J/cm1/2以上であれば、得られた(メタ)アクリル系重合体を用いたプラスチゾルの貯蔵安定性が良好になる傾向がある。一方、20.28(J/cm1/2以下であると、得られた(メタ)アクリル系重合体を用いたプラスチゾルの低温焼付条件下での接着性が良好な傾向がある。
【0037】
その他については、第1実施形態と同様にして(メタ)アクリル系重合体を製造し、重合体粒子を得て、低温焼付条件下での接着性と貯蔵安定性とを備え、自動車アンダーコート材として好適に用いられるプラスチゾル組成物とすることができる。
【0038】
(3)第3実施形態
第3実施形態では、工程(2)で重合する単量体成分(X)と、工程(3)で重合する単量体成分(Y)との合計質量に対する単量体成分(X)の質量割合は、上記式(3)に示したように、79.9質量%以上82.6質量%以下である。単量体成分(Y)が重合した重合体のSp値は、20.29 (J/cm1/2以上20.35 (J/cm1/2以下である。
そして、本実施形態では、工程(3)で連鎖移動剤を用い、その使用量を単量体成分(Y)の全モル数(100モル%)に対して、下記式(4)に示すように、0.10モル%以上0.40モル%以下として、重合する。
ここで、単量体成分(Y)が重合した重合体のSp値が20.29(J/cm1/2以上であると、得られた(メタ)アクリル系重合体を用いたプラスチゾルの貯蔵安定性が良好になる傾向がある。一方、20.35(J/cm1/2以下であると、得られた(メタ)アクリル系重合体を用いたプラスチゾルの低温焼付条件下での接着性が良好になる傾向がある。
また、工程(3)における連鎖移動剤量が、単量体成分(Y)の全モル数に対して0.10モル%以上であれば、得られた(メタ)アクリル系重合体を用いたプラスチゾルの低温焼付条件下での接着性が良好になる傾向がある。一方、0.40モル%以下であると、得られた(メタ)アクリル系重合体を用いたプラスチゾルの貯蔵安定性が良好になる傾向がある。連鎖移動剤としては、チオグリコール酸オクチル等のチオグリコール酸エステル類が好ましい。
【0039】
【数4】

【0040】
その他については、第1実施形態と同様にして(メタ)アクリル系重合体を製造し、重合体粒子を得て、低温焼付条件下での接着性と貯蔵安定性とを備え、自動車アンダーコート材として好適に用いられるプラスチゾル組成物とすることができる。
【0041】
以上説明した第1〜第3実施形態によれば、多段重合により、単量体成分(W)を核とし、単量体成分(X)からなるコア、単量体成分(Y)からなる重合体層(Y)、単量体成分(Z)からなる最外層(Z)が順次形成された3層構造の重合体粒子が得られる。
特に、第1実施形態では、単量体成分(X)および単量体成分(Y)の合計質量に対する単量体成分(X)の質量割合が86.1〜88.8質量%であってコアが厚く、重合体層(Y)が薄い。重合体層(Y)の厚さは、得られた(メタ)アクリル系重合体を用いたプラスチゾル組成物の貯蔵安定性と相関があり、重合体層(Y)が薄い場合には、貯蔵安定性が低下する傾向にある。そこで、第1実施形態では、重合体層(Y)のSp値を20.34〜20.45(J/cm1/2と大きくすることによって、貯蔵安定性を高めている。
これに対して、第2および第3実施形態では、単量体成分(X)および単量体成分(Y)の合計質量に対する単量体成分(X)の質量割合が79.9〜82.6質量%であってコアが第1実施形態よりも薄く、重合体層(Y)が厚い。この場合、得られた(メタ)アクリル系重合体を用いたプラスチゾルの低温焼付条件での接着性が低下する傾向にある。そこで、第2実施形態では、重合体層(Y)のSp値を20.09〜20.28(J/cm1/2と小さくすることによって、溶融性を高め、低温焼付条件での接着性を向上させている。一方、第3実施形態では、重合体層(Y)を形成する工程(3)において、適切な量の連鎖移動剤を用いることによって、重合体層(Y)の質量平均分子量を小さくすることによって、貯蔵安定性を維持しつつ、溶融性を高めて低温焼付条件での接着性を向上させている。
このように、3層構造の重合体粒子の各層の質量比や、重合体層(Y)のSp値、質量平均分子量等を調整することで、上述の貯蔵安定性および接着性の両立を可能としている。
【実施例】
【0042】
以下、本発明について実施例を用いて具体的に説明する。なお、各例中、「部」との記載は、「質量部」を意味する。
[実施例1]
表2および3に示す各単量体成分(W)〜(Z)により、アクリル系重合体微粒子(A1)を製造した。各工程の詳細を以下に示す。
(工程(1))
温度計、窒素ガス導入管、攪拌棒、滴下漏斗及び冷却管を装備した1リットルの4つ口フラスコに、純水68gを入れ、60分間十分に窒素ガスを通気し、純水中の溶存酸素を置換した。窒素ガス通気を停止した後、単量体成分(W)として、メチルメタクリレート3.3gとn−ブチルメタクリレート2.5gの混合物を入れ、200rpmで攪拌しながら80℃に昇温した。内温が80℃に達した時点で、2gの純水に溶解した過硫酸カリウム0.05gを一度に添加し、重合を開始した。そのまま80℃にて攪拌を60分継続し、単量体成分Wが重合した重合体粒子の分散液を得た。
【0043】
(工程(2))
引き続きこの粒子分散液に対して、単量体成分(X)に乳化剤と水を加えたモノマー乳化液(メチルメタクリレート36.0g、t−ブチルメタクリレート34.0g、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(花王(株)製、商品名:ペレックスO−TP)0.6g及び純水35gを混合攪拌して乳化したもの)を3.5時間かけて滴下し、引き続き80℃にて1時間攪拌を継続して、第一滴下重合体分散液を得た。
【0044】
(工程(3))
引き続きこの第一滴下重合体分散液に対して、単量体成分(Y)に乳化剤と水を加えたモノマー乳化液(メチルメタクリレート9.9g、N‐ビニルイミダゾール0.1g、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(花王(株)製、商品名:ペレックスO−TP)0.1g及び純水5gを混合攪拌して乳化したもの)を0.5時間かけて滴下し、引き続き80℃にて1時間攪拌を継続して、第二滴下重合体分散液を得た。
【0045】
(工程(4))
引き続きこの第二滴下重合体分散液に対して、単量体成分(Z)に連鎖移動剤と乳化剤と水を加えたモノマー乳化液(メチルメタクリレート13.6g、i−ブチルメタクリレート6.4g、N‐ビニルイミダゾール2.1g、チオグリコール酸オクチル 0.08g、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(花王(株)製、商品名:ペレックスO−TP)0.2g及び純水10gを混合攪拌して乳化したもの)を1.0時間かけて滴下し、引きき80℃にて1時間攪拌を継続して、第三滴下重合体分散液を得た。
【0046】
(重合体粒子の回収)
得られた第三滴下重合体分散液を室温まで冷却した後、スプレードライヤー(大川原化工機(株)製、L−8型)を用いて、入口温度150℃、出口温度65℃、アトマイザ回転数20000rpmにて噴霧乾燥し、アクリル系重合体微粒子(A1)を得た。
【0047】
(プラスチゾル組成物の調製)
炭酸カルシウム(NS200:日東粉化工業製)200部、炭酸カルシウム(CCR:白石工業製)50部と、可塑剤としてジイソノニルフタレート((株)ジェイプラス製)200部を計量し、真空ミキサーARV−200((株)シンキー製)にて10秒間大気圧(0.1MPa)で混合した後、2.7kPaに減圧し、170秒間混合して、炭酸カルシウムと可塑剤の混練物を得た。
続いてこれにアクリル系重合体微粒子(A1)100部を加えて、真空ミキサーにて10秒間大気圧下(0.1MPa)で混合した後、2.7kPaに減圧し、110秒間混合して、プラスチゾル組成物を得た。
得られたプラスチゾル組成物の貯蔵安定性(増粘率)、接着強度、接着破断面について、以下のとおり評価、観察した。
結果を表4に示す。
【0048】
[貯蔵安定性(増粘率)]
プラスチゾル組成物の初期粘度(α)と、該プラスチゾル組成物を40℃雰囲気下で10日間保管した後の粘度(β)を測定し、αおよびβから下記式(5)により増粘率(%)を求めた。得られた増粘率から、以下の基準により貯蔵安定性を評価した。
なお、粘度測定では、得られたプラスチゾル組成物を25℃の恒温槽で2時間保温した後、BH型粘度計(ローターNo.7)((株)東京計器製)を用いて、回転数20rpmで回転させ、1分後の粘度(単位:Pa・s)を測定した。
【0049】
【数5】

A:30%未満
B:30%以上100%未満
C:100%以上、測定不可、あるいはゲル化
【0050】
[接着強度]
25mm×140mm×0.8mmのカチオン電着版(日本ルートサービス(株)製)を上下2枚用い、25mmの長さでオーバーラップさせ、オーバーラップした間に25mm×25mmの面積で厚さ3mmになるようにプラスチゾル組成物を充填し、80℃×30分の低温焼付条件にて加熱したものを試験片とした。該試験片を用いて25℃の雰囲気下で、引張速度50mm/min.で剪断接着強度を測定した。
A:0.6MPa以上
B:0.3以上0.6MPa未満
C:0.3MPa未満
【0051】
[接着破断面]
上記接着強度を測定した後の接着破断面の様子を目視で観察した。
A:凝集破壊している(CF)。
B:薄膜でプラスチゾル組成物が基材表面に残っている(SCF)。
C:基材とプラスチゾル組成物の間で界面剥離している(AF)。
【0052】
[実施例2〜5、比較例1〜5]
表2および3に示す構成(各単量体成分、乳化剤、連鎖移動剤、純水)とした以外は、実施例1と同様の手順により、アクリル系重合体微粒子(A2)〜(A10)を製造した。
その後、実施例1と同様にしてプラスチゾル組成物を調製し、同様に評価、観察した。評価結果を表4に示す。
【0053】
【表2】

【0054】
MMA:メタクリル酸メチル(三菱レイヨン(株)製)
nBMA:メタクリル酸n−ブチル(三菱レイヨン(株)製)
iBMA:メタクリル酸i−ブチル(三菱レイヨン(株)製)
tBMA:メタクリル酸t−ブチル(三菱レイヨン(株)製)
Nvimd:N−ビニルイミダゾール(BASF社製)
OTG:チオグリコール酸オクチル(淀化学工業(株)製)
ペレックスOTP:ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(花王(株)製)
【0055】
【表3】

【0056】
【表4】

【0057】
実施例1は、[X/(X+Y)]×100が87.5質量%であり、単量体成分(Y)のSp値が20.37(J/cm1/2である例である。請求項1の範囲に相当し、貯蔵安定性と接着性は実用レベルにあった。
実施例2は、実施例1において単量体成分(Y)のSp値を20.42(J/cm1/2に上げた例である。請求項1に範囲に相当し、貯蔵安定性が良好だった。
実施例3は、[X/(X+Y)]×100が81.3質量%であり、単量体成分(Y)のSp値が20.12(J/cm1/2の例である。請求項2の範囲に相当し、貯蔵安定性と接着性に優れていた。
実施例4は、[X/(X+Y)]×100が81.3質量%であり、単量体成分(Y)のSp値が20.32(J/cm1/2であり、連鎖移動剤を単量体成分(Y)の全モル数に対して0.13モル%用いた例である。請求項3の範囲に相当し、接着性と貯蔵安定性のバランスに優れていた。
実施例5は、実施例4の連鎖移動剤量を増やした例である。実施例4同様、請求項3の範囲に相当し、接着性と貯蔵安定性に優れていた。
比較例1は、[X/(X+Y)]×100が87.5質量%であるが、単量体成分(Y)のSp値が20.32(J/cm1/2と低い例である。貯蔵安定性が低位であった。
比較例2は、[X/(X+Y)]×100が81.3質量%であるが、単量体成分(Y)のSp値が20.32(J/cm1/2と高い例である。貯蔵安定性には優れるが、接着性が低位であった。
比較例3は、[X/(X+Y)]×100は76.5質量%と低い例である。貯蔵安定性は良好だったが、接着性が低位だった。
比較例4は、[X/(X+Y)]×100が81.3質量%、単量体成分(Y)のSp値は20.32(J/cm1/2であるが、連鎖移動剤量が0.65モル%と多い例である。接着性は良好であるが、貯蔵安定性が低位になった。
比較例5は、[X/(X+Y)]×100が81.3質量%であるが、単量体成分(Y)のSp値が20.05(J/cm1/2と低い例である。この場合、接着性は良好になったが、貯蔵安定性は低位であった。
【0058】
各例の結果より、本実施例の製造方法より得られる(メタ)メタクリル系重合体を用いることによって、焼付温度が80℃と低くても接着性が良好で、かつ実用レベルの貯蔵安定性を備えたプラスチゾル組成物を得ることができる。よって、本発明の製造方法の工業的意義は大きい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メタクリロイル基を有する単量体を含む単量体成分(W)を重合する工程(1)と、該工程(1)で得られた重合体の存在下で、(メタ)アクリロイル基を有する単量体を含む単量体成分(X)を重合する工程(2)と、該工程(2)で得られた重合体の存在下で、(メタ)アクリロイル基を有する単量体を含む単量体成分(Y)を重合する工程(3)と、該工程(3)で得られた重合体の存在下で、塩基性窒素原子を有する単量体を含む単量体成分(Z)を重合する工程(4)とを順次有し、
前記単量体成分(X)および前記単量体成分(Y)の合計質量に対する前記単量体成分(X)の質量割合が86.1〜88.8質量%であり、
前記単量体成分(Y)が重合した重合体のSp値が20.34〜20.45(J/cm1/2であり、
前記単量体成分(W)と前記単量体成分(X)と前記単量体成分(Y)と前記単量体成分(Z)の合計質量に対する前記単量体成分(Z)の質量割合が19.5〜21.5質量%である、自動車アンダーコート材用の(メタ)アクリル系重合体の製造方法。
【請求項2】
メタクリロイル基を有する単量体を含む単量体成分(W)を重合する工程(1)と、該工程(1)で得られた重合体の存在下で、(メタ)アクリロイル基を有する単量体を含む単量体成分(X)を重合する工程(2)と、該工程(2)で得られた重合体の存在下で、(メタ)アクリロイル基を有する単量体を含む単量体成分(Y)を重合する工程(3)と、該工程(3)で得られた重合体の存在下で、塩基性窒素原子を有する単量体を含む単量体成分(Z)を重合する工程(4)とを順次有し、
前記単量体成分(X)および前記単量体成分(Y)の合計質量に対する前記単量体成分(X)の質量割合が79.9〜82.6質量%であり、
前記単量体成分(Y)が重合した重合体のSp値が20.09〜20.28(J/cm1/2であり、
前記単量体成分(W)と前記単量体成分(X)と前記単量体成分(Y)と前記単量体成分(Z)の合計質量に対する前記単量体成分(Z)の質量割合が19.5〜21.5質量%である、自動車アンダーコート材用の(メタ)アクリル系重合体の製造方法。
【請求項3】
メタクリロイル基を有する単量体を含む単量体成分(W)を重合する工程(1)と、該工程(1)で得られた重合体の存在下で、(メタ)アクリロイル基を有する単量体を含む単量体成分(X)を重合する工程(2)と、該工程(2)で得られた重合体の存在下で、連鎖移動剤を用いて(メタ)アクリロイル基を有する単量体を含む単量体成分(Y)を重合する工程(3)と、該工程(3)で得られた重合体の存在下で、塩基性窒素原子を有する単量体を含む単量体成分(Z)を重合する工程(4)とを順次有し、
前記単量体成分(X)および前記単量体成分(Y)の合計質量に対する前記単量体成分(X)の質量割合が79.9〜82.6質量%であり、
前記単量体成分(Y)が重合した重合体のSp値が20.29〜20.35(J/cm1/2であり、
前記単量体成分(Y)の全モル数に対する前記連鎖移動剤のモル数が0.10〜0.40モル%であり、
前記単量体成分(W)と前記単量体成分(X)と前記単量体成分(Y)と前記単量体成分(Z)の合計質量に対する前記単量体成分(Z)の質量割合が19.5〜21.5質量%である、自動車アンダーコート材用の(メタ)アクリル系重合体の製造方法。

【公開番号】特開2012−12538(P2012−12538A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−152339(P2010−152339)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【出願人】(000006035)三菱レイヨン株式会社 (2,875)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】