自動車シート用のダンパ及びこのダンパを具備した自動車シート
【課題】自動車シートの緩慢な特定の動作に対する抵抗をあまり増大させない一方、自動車シートの急激な特定の動作に対する抵抗を急激に増大させることができる自動車シート用のダンパ及びこのダンパを具備した自動車シートを提供すること。
【解決手段】ダンパ5は、座部に固定されている支軸21と、支軸21に回転自在に支持されていると共に背もたれの座部に対するA及びB方向の回動により支軸21の軸心28を中心としてA及びB方向に揺動される揺動体22と、揺動体22に対してR1方向に回転自在であって揺動体22との間で隙間を形成している回転体24と、隙間に配されている流動体と、揺動体22に装着されている蓋体26と、揺動体22のB方向の揺動を回転体24のR1方向の回転力として回転体24に伝達する一方、揺動体22のA方向の揺動に基づいて前記伝達を解除する伝達手段27とを具備している。
【解決手段】ダンパ5は、座部に固定されている支軸21と、支軸21に回転自在に支持されていると共に背もたれの座部に対するA及びB方向の回動により支軸21の軸心28を中心としてA及びB方向に揺動される揺動体22と、揺動体22に対してR1方向に回転自在であって揺動体22との間で隙間を形成している回転体24と、隙間に配されている流動体と、揺動体22に装着されている蓋体26と、揺動体22のB方向の揺動を回転体24のR1方向の回転力として回転体24に伝達する一方、揺動体22のA方向の揺動に基づいて前記伝達を解除する伝達手段27とを具備している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車シートの動作によるエネルギを吸収して、自動車シートの急加速による急激な動作をなくし得る自動車シート用のダンパ及びこのダンパを具備した自動車シートに関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2002−321553号公報
【0003】
例えば特許文献1においては、自動車のシートに固定されたハウジングと、自動車のシートが回動自在に設置されるシャーシに対して固定されていると共にハウジング内に回転自在に収容されており、ハウジングの内面と協働して隙間を形成する隙間形成部材と、隙間に配されたシリコン系未加硫ゴムとを具備しており、ハウジングと隙間形成部材との相対的な回転によりシリコン系未加硫ゴムのせん断を生じさせる自動車シート用のダンパが提案されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、斯かる自動車シート用のダンパでは、自動車のシートに固定されたハウジングと自動車のシャーシに固定された隙間形成部材との相対的な回転に基づいてシリコン系未加硫ゴムのせん断を生じさせるようになっているために、ハウジングと隙間形成部材との相対的な回転速度をより高めることが困難であり、而して、自動車シートの緩慢な動作に対する抵抗をあまり増大させない一方、自動車シートの急激な動作に対する抵抗を急激に増大させ難い。
【0005】
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、自動車シートの緩慢な特定の動作に対する抵抗をあまり増大させない一方、自動車シートの急激な特定の動作に対する抵抗を急激に増大させることができる自動車シート用のダンパ及びこのダンパを具備した自動車シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の自動車シート用のダンパは、自動車シートの動作により揺動される揺動体と、この揺動体に対して回転自在であって揺動体との間で隙間を形成している回転体と、隙間に配されている流動体と、揺動体の一方の揺動方向の揺動を回転体の回転力として回転体に伝達する一方、揺動体の他方の揺動方向の揺動に基づいて前記伝達を解除する伝達手段とを具備しており、伝達手段は、自動車シートに固定される固定体と、揺動体の揺動方向と同方向に移動自在に固定体に保持されている大径ギヤと、揺動方向と同方向に伸びて固定体に設けられていると共に大径ギヤに歯合しているラックギヤと、大径ギヤよりも小径であって回転体に固着されており、揺動体の一方の揺動方向の揺動に基づいて大径ギヤが接近して当該大径ギヤに歯合すると共に揺動体の他方の揺動方向の揺動に基づいて大径ギヤが離反して前記歯合が解除される小径ギヤと、揺動体に設けられていると共に大径ギヤの小径ギヤに対する一定量以上の離反を禁止する離反禁止体とを具備している。
【0007】
本発明の自動車シート用のダンパによれば、特に、伝達手段が揺動体の揺動方向と同方向に移動自在に固定体に保持されている大径ギヤと、大径ギヤよりも小径であって回転体に固着されており、揺動体の一方の揺動方向の揺動に基づいて大径ギヤが接近して当該大径ギヤに歯合すると共に揺動体の他方の揺動方向の揺動に基づいて大径ギヤが離反して前記歯合が解除される小径ギヤとを具備しているために、揺動体の揺動に対して小径ギヤの回転速度をより高めることができて主に当該小径ギヤの回転速度に依存して流動体にせん断抵抗を生じさせることができると共に大径ギヤ及び小径ギヤのギヤ比との関連で大径ギヤの反力を大きくすることができ、而して、自動車シートの緩慢な動作に対する抵抗をあまり増大させない一方、自動車シートの急激な動作に対する抵抗を急激に増大させることができる。また、この自動車シート用ダンパによれば、特に、伝達手段は、前記大径ギヤ及び小径ギヤと、揺動体に設けられていると共に大径ギヤの小径ギヤに対する一定量以上の離反を禁止する離反禁止体を具備しているために、伝達手段をより簡単に且つ安価に構成し得、回転体と小径ギヤとの間にいわゆるクラッチ機構等を介在させる必要をなくすことができて小径ギヤをより回転体に近接させることができ、ダンパ自体の小型化をも図り得る。
【0008】
本発明の自動車シート用のダンパの好ましい例では、固定体は、自動車シートの座部に固定されるようになっており、揺動体は、自動車シートの背もたれの座部に対する回動により揺動されるようになっている。この例によれば、自動車シートの座部に対して回動自在(跳ね上げ自在)にされた背もたれの回動エネルギを吸収して、背もたれの跳ね上げ時又はその戻し時の衝撃、背もたれのアンロック時の急制動による急激な跳ね上げ及び跳ね上げられた背もたれの急加速による急激な戻り等をなくし得る。
【0009】
本発明の自動車シート用のダンパの好ましい他の例では、固定体は、自動車シートの座部を自動車のシャーシに対して昇降可能に連結している自動車シートのリフト機構に固定されるようになっており、揺動体は、座部の昇降により揺動されるようになっている。この他の例によれば、自動車のシャーシに対して昇降自在にされた自動車シートの座部の上昇エネルギ又は下降エネルギを吸収して、座部の上昇時又は下降時の衝撃や急激な上昇又は下降をなくし得る。
【0010】
本発明の自動車シート用のダンパの好ましい例では、固定体は、揺動体に隣接している本体と、本体に画されていると共に大径ギヤ及び小径ギヤを収容しているギヤ収容部と、本体のギヤ収容部を画している部位に設けられていると共に大径ギヤを揺動方向と同方向に案内する案内溝とを具備している。
【0011】
本発明の自動車シート用のダンパの好ましい例では、離反禁止体は、固定体に向かって突出して揺動体に設けられていると共に小径ギヤよりも揺動方向に関して一方側に配されて当該小径ギヤとの間で隙間をもって大径ギヤを挟んでおり、揺動体の他方の揺動方向の揺動に基づいて大径ギヤに滑接して当該大径ギヤを他方の揺動方向と同方向に移動させて、小径ギヤと大径ギヤとの一定量以上の離反を禁止するようになっている一方、揺動体の一方の揺動方向の揺動に基づいて大径ギヤから離反するようになっている。
【0012】
本発明の自動車シート用のダンパの好ましい例では、流動体は、低粘度の粘性体からなる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、自動車シートの緩慢な特定の動作に対する抵抗をあまり増大させない一方、自動車シートの急激な特定の動作に対する抵抗を急激に増大させることができる自動車シート用のダンパ及びこのダンパを具備した自動車シートを提供し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本発明の実施の形態の例を、図に示す例に基づいて更に詳細に説明する。尚、本発明はこれら例に何等限定されないのである。
【実施例】
【0015】
図1から図12において、本例の自動車シート1は、座部2及び背もたれ3と、背もたれ3を座部2にA及びB方向に回動自在に連結した連結機構4と、座部2及び連結機構4に取り付けられたダンパ5と、座部2をシャーシ6に昇降自在に連結したリフト機構7と、リフト機構7に取り付けられたダンパ8とを具備している。尚、背もたれ3は、ばね等からなる付勢手段(図示せず)により座部2に対してB方向に向かって付勢されている。また、自動車シート1には、背もたれ3の座部2に対するA方向の回動状態を解除自在に維持するいわゆるロック機構(図示せず)が備えられている。
【0016】
連結機構4は、座部2に回転自在に連結されていると共に背もたれ3に固定されている連結アーム11を具備している。
【0017】
リフト機構7は、例えば図1及び図11に示すように、座部2及びシャーシ6に夫々設けられた連結部12及び13と、連結部12及び13の夫々に対して回転自在に連結された連結アーム14とを具備している。尚、座部2は、連結アーム14のシャーシ6側の連結部13の軸心を中心としたC及びD方向の回転により昇降されるようになっている。
【0018】
ダンパ5は、例えば図2から図4に示すように、座部2に固定されている支軸21と、支軸21に回転自在に支持されていると共に背もたれ3の座部2に対するA及びB方向の回動により支軸21の軸心28を中心としてA及びB方向に揺動される揺動体22と、揺動体22に対してR1方向に回転自在であって揺動体22との間で隙間23を形成している回転体24と、隙間23に配されている流動体25と、揺動体22に装着されている蓋体26と、揺動体22のB方向の揺動を回転体24のR1方向の回転力として回転体24に伝達する一方、揺動体22のA方向の揺動に基づいて前記伝達を解除する伝達手段27とを具備している。
【0019】
支軸21の一端には座部2が、支軸21の他端には伝達手段27が夫々固定されており、支軸21の両端間には連結アーム11及び揺動体22が回転自在に装着されている。
【0020】
揺動体22は、支軸21が配されている貫通孔31を有した本体32と、本体32を連結アーム11に固定している固定軸33と、本体32に画されていると共に回転体24を収容する回転体収容部34とを具備している。固定軸33と回転体収容部34とは、互いに貫通孔31を間にして配されている。揺動体22は、固定軸33及び連結アーム11を介して背もたれ3に固定されている。
【0021】
回転体収容部34を画している本体32の内面35には、回転体24に向かって凹状である中央凹部36と、中央凹部36を中心として設けられていると共に回転体24に向かって凸状である同心の複数の円弧状の凸部37とが形成されている。
【0022】
回転体24は、中央凹部36に向かって凸状であると共に中央凹部36にR1方向に回転自在に嵌合された中央凸部41と、複数の円弧状の凸部37に向かって凹状であって凸部37が隙間23をもって配されると共に中央凸部41を中心として設けられた同心の複数の円筒状の凹部42とを具備している。回転体24は、そのR1方向の回転により揺動体22と協働して流動体25のせん断による抵抗を生じさせるようになっている。尚、回転体24の回転軸心45から支軸21の軸心28までの距離L1は、固定軸33の軸心46から支軸21の軸心28までの距離L2よりも長い。
【0023】
流動体25は、シリコンオイル等の粘性体からなり、斯かる粘性体は、例えば3万センチストークス(cSt)から100万センチストークスの粘度を有しており、好ましくは3万センチストークスから30万センチストークスの粘度を有しており、より好ましくは3万センチストークスから5万センチストークスの低粘度を有している。
【0024】
蓋体26は、略六角形状の外周51を有していると共に中央部に貫通孔52が設けられており、外周51には、当該外周51に対して相補的な形状の本体32の内周53が圧着されており、貫通孔52には、回転体24がR1方向に回転自在に挿通されている。斯かる蓋体26は、流動体25の隙間23からの漏れを防止している。
【0025】
伝達手段27は、支軸21に固定されている固定体61と、A及びB方向に移動自在に固定体61に保持されている大径ギヤ62と、A及びB方向に伸びて固定体61に設けられていると共に大径ギヤ62に歯合しているラックギヤ63と、大径ギヤ62よりも小径であって回転体24に固着されており、揺動体22のB方向の揺動に基づいて大径ギヤ62が接近して当該大径ギヤ62に歯合すると共に揺動体22のA方向の揺動に基づいて大径ギヤ62が離反して前記歯合が解除される小径ギヤ64と、揺動体22に設けられていると共に大径ギヤ62の小径ギヤ64に対する一定量以上の離反を禁止する離反禁止体65とを具備している。
【0026】
支軸21を介して座部2に固定されている固定体61は、揺動体22に隣接している扇形の本体71と、本体71に画されていると共に大径ギヤ62及び小径ギヤ64を収容しているギヤ収容部72と、本体71のギヤ収容部72を画している部位に設けられていると共に大径ギヤ62をA及びB方向に案内する案内溝73とを具備している。ギヤ収容部72は、回転体24に隣接して配されている。
【0027】
大径ギヤ62は、小径ギヤ64よりも大きな径を有しているギヤ本体75と、ギヤ本体75に設けられていると共に案内溝73に滑接して当該案内溝73にA及びB方向に案内される案内ピン76とを具備している。
【0028】
ラックギヤ63は、ギヤ収容部72に配されて本体71に固着されており、A及びB方向に移動される大径ギヤ62にR2方向の回転力を与えるようになっている。
【0029】
小径ギヤ64は、大径ギヤ62よりも小さな径を有していると共に回転軸心45が中心となるように回転体24に固定されている。斯かる小径ギヤ64は、揺動体22のA方向の揺動により回転体24を介してA方向に移動されて大径ギヤ62に対して離反される一方、揺動体22のB方向の揺動により回転体24を介してB方向に移動されて大径ギヤ62に対して接近されるようになっている。尚、小径ギヤ64の回転速度は大径ギヤ62に対して約6.55倍であってもよい。
【0030】
斯かる固定体61は、案内溝73の中央部79が当該案内溝73の両端部80a及び80bよりも下方に位置するように座部2に固定されている。斯かる固定体61によれば、小径ギヤ64が端部80a側から中央部79に至るまで低速でB方向に移動される場合には、大径ギヤ62がその自重に基づいて小径ギヤ64よりも高速でB方向に移動され得るので、背もたれ3のB方向の回動初期においては当該回動が低速であれば流動体25のせん断による抵抗を生じさせず、また、小径ギヤ64が端部80a側から中央部79に至るまで大径ギヤの自重に基づくB方向の移動よりも高速でB方向に移動される場合には、背もたれ3のB方向の回動初期においても流動体25のせん断による抵抗を生じさせ得る。また、斯かる固定体61によれば、小径ギヤ64が中央部79から端部80b側に向かってB方向に移動される場合には、大径ギヤ62の自重に基づくB方向の移動は生じず、小径ギヤ64が大径ギヤ62に歯合し当該大径ギヤ62を押しながらB方向に移動させるので、背もたれ3のB方向の回動後期においては流動体25のせん断による抵抗を生じさせ得る。
【0031】
離反禁止体65は、固定体61に向かって突出して本体32に一体的に設けられていると共に小径ギヤ64よりもB方向側に配されて当該小径ギヤ64との間で隙間78をもって大径ギヤ62を挟んでおり、揺動体22のA方向の揺動に基づいて大径ギヤ62に滑接してA方向に移動させて、小径ギヤ64と大径ギヤ62との一定量以上の離反を禁止するようになっている一方、揺動体22のB方向の揺動に基づいて大径ギヤ62から離反するようになっている。尚、伝達手段27は、本例では、離反禁止体65に加えて、離反禁止体65と同様に構成されていると共に小径ギヤ64よりもA方向側に配された離反禁止体65aをも具備しており、斯かる離反禁止体65aをも具備している場合には、例えば小径ギヤ64と離反禁止体65との間の大径ギヤ64を除いて小径ギヤ64と離反禁止体65aとの間に大径ギヤ62を配することにより、揺動体22のA方向の揺動を回転体24のR1方向の回転力として回転体24に伝達する一方、揺動体22のB方向の揺動により前記伝達を解除するように伝達手段27の構成を簡単に変更することができる。
【0032】
ダンパ8は、例えば図5及び図6に示すように、連結部13に固定されている支軸81と、支軸81に回転自在に支持されていると共に連結アーム14の連結部13に対するC及びD方向の回動により支軸81の軸心28を中心としてC及びD方向に揺動される揺動体82と、揺動体82に対してR1方向に回転自在であって揺動体82との間で隙間83を形成している回転体84と、隙間83に配されている流動体85と、揺動体82に装着されている蓋体86と、揺動体82のD方向の揺動を回転体84のR1方向の回転力として回転体84に伝達する一方、揺動体82のC方向の揺動に基づいて前記伝達を解除する伝達手段87とを具備している。
【0033】
支軸81、揺動体82、回転体84、流動体85、蓋体86及び伝達手段87は、支軸21、揺動体22、回転体24、流動体25、蓋体26及び伝達手段27と夫々略同様に構成されているので、以下図に適宜同符号を付してこれらの詳細な説明を省略する。尚、伝達手段87の大径ギヤ62は、伝達手段87の小径ギヤ64と離反禁止体65aとの間に隙間78をもって配されている。また、流動体85は、流動体25の粘度と同一の粘度を必ずしも有している必要はなく、自動車シート1の重量等に応じた所望の粘度に設定される。更に、伝達手段87の固定体61は、案内溝73の端部80bが中央部79及び端部80aよりも下方に位置し且つ端部80aが中央部79及び端部80bよりも上方に位置するように連結部13に固定されており、このように固定されることで、伝達手段87の小径ギヤ64が端部80b側から端部80a側に向かってD方向に移動される場合には、伝達手段87の大径ギヤ62の自重に基づくB方向の移動は生じず、小径ギヤ64が大径ギヤ62に歯合し当該大径ギヤ62を押しながらD方向に移動させるので、連結アーム14のD方向の回動初期から直ちに流動体85のせん断による抵抗を生じさせ得る。
【0034】
以上の自動車シート1を背もたれ3のA方向の回動により図1に示す状態から図7に示す状態にする場合には、背もたれ3のA方向の回動が連結アーム11を介して伝達される揺動体22が支軸21の軸心28を中心としてA方向に揺動され、揺動後、ダンパ5は図8に示すような状態となる。斯かる場合において、小径ギヤ64が揺動体22の揺動と共にA方向に移動されて大径ギヤ62から離反されるので、回転体24にR1方向の回転は生じず、従って、流動体25のせん断による抵抗は生じない。
【0035】
背もたれ3のB方向の回動により自動車シート1を図7に示す状態から図1に示す状態にする場合には、背もたれ3のB方向の回動が連結アーム11を介して伝達される揺動体22が支軸21の軸心28を中心としてB方向に揺動され、揺動後、ダンパ5は図2に示すような状態となる。斯かる場合において、小径ギヤ64が揺動体22の揺動と共にB方向に移動されて大径ギヤ62が接近して当該大径ギヤ62に歯合し、更に小径ギヤ64がB方向に移動されることにより当該小径ギヤ64によって大径ギヤ62を押してB方向に移動させ、移動される大径ギヤ62がラックギヤ63上を走行しながらR2方向に回転され、この回転により小径ギヤ64がR1方向に回転されるので、小径ギヤ64が固定された回転体24にR1方向の回転が生じ、従って、流動体25のせん断による抵抗が生じる。ここで、伝達手段27は、大径ギヤ62の回転を小径ギヤ64に伝達するので、小径ギヤ64の回転速度を高めることができて当該回転速度に依存して流動体25のせん断抵抗を生じさせることができ、而して、背もたれ3に小さなB方向の回動力が加えられる場合には流動体25のせん断による抵抗をあまり生じさせない一方、背もたれ3に大きなB方向の回動力が加えられる場合には流動体25のせん断による抵抗を急激に増大させることができる。
【0036】
背もたれ3のB方向の回動により自動車シート1を図1に示す状態から図9に示す状態にする場合には、自動車シート1を図7に示す状態から図1に示す状態にする場合と同様に、流動体25のせん断抵抗が生じる。尚、自動車シート1が図9に示す状態にある場合には、ダンパ5は図10に示すような状態となる。
【0037】
背もたれ3のA方向の回動により自動車シート1を図9に示す状態から図1に示す状態にする場合には、自動車シート1を図1に示す状態から図7に示す状態にする場合と同様に、流動体25のせん断抵抗は生じない。
【0038】
連結アーム14のC方向の回動により自動車シート1を上昇させて図1に示す状態から図11に示す状態にする場合には、連結アーム14からC方向の回動が伝達される揺動体82が支軸81の軸心28を中心としてC方向に揺動され、揺動後、ダンパ8は図12に示すような状態となる。斯かる場合において、伝達手段87の小径ギヤ64が揺動体82の揺動と共にC方向に移動されて伝達手段87の大径ギヤ62から離反されるので、回転体84にR1方向の回転は生じず、従って、流動体85のせん断による抵抗は生じない。
【0039】
連結アーム14のD方向の回動により自動車シート1を下降させて図11に示す状態から図1に示す状態にする場合には、連結アーム14からD方向の回動が伝達される揺動体82が支軸81の軸心28を中心としてD方向に揺動され、揺動後、ダンパ8は図5に示すような状態となる。斯かる場合において、伝達手段87の小径ギヤ64が揺動体82の揺動と共にD方向に移動されて伝達手段87の大径ギヤ62が接近して当該大径ギヤ62に歯合し、更に小径ギヤ64がD方向に移動されることにより当該小径ギヤ64によって大径ギヤ62を押してB方向に移動させ、移動される大径ギヤ62がラックギヤ63上を走行しながらR2方向に回転され、この回転により小径ギヤ64がR1方向に回転されるので、小径ギヤ64が固定された回転体84にR1方向の回転が生じ、従って、流動体85のせん断による抵抗が生じる。ここで、伝達手段87は、伝達手段27と同様に、小径ギヤ64の回転速度を高めることができて当該回転速度に依存して流動体85のせん断抵抗を生じさせることができる。
【0040】
本例の自動車シート1のダンパ5によれば、自動車シート1の動作により揺動される揺動体22と、揺動体22に対して回転自在であって揺動体22との間で隙間23を形成している回転体24と、隙間23に配されている流動体25と、揺動体22のB方向の揺動を回転体24の回転力として回転体24に伝達する一方、揺動体22のA方向の揺動に基づいて前記伝達を解除する伝達手段27とを具備しており、伝達手段27は、自動車シート1に固定される固定体61と、A及びB方向に移動自在に固定体61に保持されている大径ギヤ62と、A及びB方向に伸びて固定体61に設けられていると共に大径ギヤ62に歯合しているラックギヤ63と、大径ギヤ62よりも小径であって回転体24に固着されており、揺動体22のB方向の揺動に基づいて大径ギヤ62が接近して当該大径ギヤ62に歯合すると共に揺動体22のA方向の揺動に基づいて大径ギヤ62が離反して前記歯合が解除される小径ギヤ64と、揺動体22に設けられていると共に大径ギヤ62の小径ギヤ64に対する一定量以上の離反を禁止する離反禁止体65とを具備しているために、揺動体22の揺動に対して小径ギヤ64の回転速度をより高めることができて当該小径ギヤの回転速度に依存して流動体25にせん断抵抗を生じさせることができると共に大径ギヤ62及び小径ギヤ64のギヤ比との関連で大径ギヤ62の反力を大きくすることができ、而して、自動車シート1の緩慢な動作に対する抵抗をあまり増大させない一方、自動車シート1の急激な動作に対する抵抗を急激に増大させることができ、また、伝達手段27をより簡単に且つ安価に構成し得、回転体24と小径ギヤ64との間にいわゆるクラッチ機構等を介在させる必要をなくすことができて小径ギヤ64をより回転体24に近接させることができ、ダンパ5自体の小型化をも図り得る。尚、本例の自動車シート1のダンパ8によっても、上述のような構成を具備しているために、ダンパ5と同等の効果を奏し得る。
【0041】
尚、本例の自動車シート1の伝達手段は、連結アーム11及び固定体61に代えて、例えば図13及び図14に示すように、背もたれ3に固定されていると共に座部にA及びB方向に回転自在に取り付けられた連結アーム11aと、案内溝73の端部80aが中央部79及び端部80bよりも下方に位置し且つ端部80bが中央部79及び端部80aよりも上方に位置するように座部2に固定される固定体61aとを具備していてもよく、斯かる固定体61aを具備する場合には、小径ギヤ64が端部80a側から端部80b側に向かってB方向に移動される際、大径ギヤ62の自重に基づくB方向の移動は生じず、小径ギヤ64が大径ギヤ62に歯合し当該大径ギヤ62を押しながらB方向に移動させるので、背もたれ3のB方向の回動初期から直ちに流動体25のせん断による抵抗を生じさせ得る。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施の形態の例の全体説明図である。
【図2】図1に示す例のダンパの説明図である。
【図3】図2に示すダンパの断面説明図である。
【図4】図2に示すダンパの一部省略説明図である。
【図5】図1に示す例の他のダンパの説明図である。
【図6】図5に示す他のダンパの断面説明図である。
【図7】図1に示す例の動作説明図である。
【図8】図2に示すダンパの動作説明図である。
【図9】図1に示す例の動作説明図である。
【図10】図2に示すダンパの動作説明図である。
【図11】図1に示す例の動作説明図である。
【図12】図1に示す例の他のダンパの動作説明図である。
【図13】本発明の実施の形態の他の例の全体説明図である。
【図14】図13に示す例のダンパの説明図である。
【符号の説明】
【0043】
1 自動車シート
2 座部
3 背もたれ
5、8 ダンパ
6 シャーシ
7 リフト機構
21、81 支軸
22、82 揺動体
23、83 隙間
24、84 回転体
25、85 流動体
26、86 蓋体
27、87 伝達手段
61、61a 固定体
62 大径ギヤ
63 ラックギヤ
64 小径ギヤ
65、65a 離反禁止体
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車シートの動作によるエネルギを吸収して、自動車シートの急加速による急激な動作をなくし得る自動車シート用のダンパ及びこのダンパを具備した自動車シートに関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2002−321553号公報
【0003】
例えば特許文献1においては、自動車のシートに固定されたハウジングと、自動車のシートが回動自在に設置されるシャーシに対して固定されていると共にハウジング内に回転自在に収容されており、ハウジングの内面と協働して隙間を形成する隙間形成部材と、隙間に配されたシリコン系未加硫ゴムとを具備しており、ハウジングと隙間形成部材との相対的な回転によりシリコン系未加硫ゴムのせん断を生じさせる自動車シート用のダンパが提案されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、斯かる自動車シート用のダンパでは、自動車のシートに固定されたハウジングと自動車のシャーシに固定された隙間形成部材との相対的な回転に基づいてシリコン系未加硫ゴムのせん断を生じさせるようになっているために、ハウジングと隙間形成部材との相対的な回転速度をより高めることが困難であり、而して、自動車シートの緩慢な動作に対する抵抗をあまり増大させない一方、自動車シートの急激な動作に対する抵抗を急激に増大させ難い。
【0005】
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、自動車シートの緩慢な特定の動作に対する抵抗をあまり増大させない一方、自動車シートの急激な特定の動作に対する抵抗を急激に増大させることができる自動車シート用のダンパ及びこのダンパを具備した自動車シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の自動車シート用のダンパは、自動車シートの動作により揺動される揺動体と、この揺動体に対して回転自在であって揺動体との間で隙間を形成している回転体と、隙間に配されている流動体と、揺動体の一方の揺動方向の揺動を回転体の回転力として回転体に伝達する一方、揺動体の他方の揺動方向の揺動に基づいて前記伝達を解除する伝達手段とを具備しており、伝達手段は、自動車シートに固定される固定体と、揺動体の揺動方向と同方向に移動自在に固定体に保持されている大径ギヤと、揺動方向と同方向に伸びて固定体に設けられていると共に大径ギヤに歯合しているラックギヤと、大径ギヤよりも小径であって回転体に固着されており、揺動体の一方の揺動方向の揺動に基づいて大径ギヤが接近して当該大径ギヤに歯合すると共に揺動体の他方の揺動方向の揺動に基づいて大径ギヤが離反して前記歯合が解除される小径ギヤと、揺動体に設けられていると共に大径ギヤの小径ギヤに対する一定量以上の離反を禁止する離反禁止体とを具備している。
【0007】
本発明の自動車シート用のダンパによれば、特に、伝達手段が揺動体の揺動方向と同方向に移動自在に固定体に保持されている大径ギヤと、大径ギヤよりも小径であって回転体に固着されており、揺動体の一方の揺動方向の揺動に基づいて大径ギヤが接近して当該大径ギヤに歯合すると共に揺動体の他方の揺動方向の揺動に基づいて大径ギヤが離反して前記歯合が解除される小径ギヤとを具備しているために、揺動体の揺動に対して小径ギヤの回転速度をより高めることができて主に当該小径ギヤの回転速度に依存して流動体にせん断抵抗を生じさせることができると共に大径ギヤ及び小径ギヤのギヤ比との関連で大径ギヤの反力を大きくすることができ、而して、自動車シートの緩慢な動作に対する抵抗をあまり増大させない一方、自動車シートの急激な動作に対する抵抗を急激に増大させることができる。また、この自動車シート用ダンパによれば、特に、伝達手段は、前記大径ギヤ及び小径ギヤと、揺動体に設けられていると共に大径ギヤの小径ギヤに対する一定量以上の離反を禁止する離反禁止体を具備しているために、伝達手段をより簡単に且つ安価に構成し得、回転体と小径ギヤとの間にいわゆるクラッチ機構等を介在させる必要をなくすことができて小径ギヤをより回転体に近接させることができ、ダンパ自体の小型化をも図り得る。
【0008】
本発明の自動車シート用のダンパの好ましい例では、固定体は、自動車シートの座部に固定されるようになっており、揺動体は、自動車シートの背もたれの座部に対する回動により揺動されるようになっている。この例によれば、自動車シートの座部に対して回動自在(跳ね上げ自在)にされた背もたれの回動エネルギを吸収して、背もたれの跳ね上げ時又はその戻し時の衝撃、背もたれのアンロック時の急制動による急激な跳ね上げ及び跳ね上げられた背もたれの急加速による急激な戻り等をなくし得る。
【0009】
本発明の自動車シート用のダンパの好ましい他の例では、固定体は、自動車シートの座部を自動車のシャーシに対して昇降可能に連結している自動車シートのリフト機構に固定されるようになっており、揺動体は、座部の昇降により揺動されるようになっている。この他の例によれば、自動車のシャーシに対して昇降自在にされた自動車シートの座部の上昇エネルギ又は下降エネルギを吸収して、座部の上昇時又は下降時の衝撃や急激な上昇又は下降をなくし得る。
【0010】
本発明の自動車シート用のダンパの好ましい例では、固定体は、揺動体に隣接している本体と、本体に画されていると共に大径ギヤ及び小径ギヤを収容しているギヤ収容部と、本体のギヤ収容部を画している部位に設けられていると共に大径ギヤを揺動方向と同方向に案内する案内溝とを具備している。
【0011】
本発明の自動車シート用のダンパの好ましい例では、離反禁止体は、固定体に向かって突出して揺動体に設けられていると共に小径ギヤよりも揺動方向に関して一方側に配されて当該小径ギヤとの間で隙間をもって大径ギヤを挟んでおり、揺動体の他方の揺動方向の揺動に基づいて大径ギヤに滑接して当該大径ギヤを他方の揺動方向と同方向に移動させて、小径ギヤと大径ギヤとの一定量以上の離反を禁止するようになっている一方、揺動体の一方の揺動方向の揺動に基づいて大径ギヤから離反するようになっている。
【0012】
本発明の自動車シート用のダンパの好ましい例では、流動体は、低粘度の粘性体からなる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、自動車シートの緩慢な特定の動作に対する抵抗をあまり増大させない一方、自動車シートの急激な特定の動作に対する抵抗を急激に増大させることができる自動車シート用のダンパ及びこのダンパを具備した自動車シートを提供し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本発明の実施の形態の例を、図に示す例に基づいて更に詳細に説明する。尚、本発明はこれら例に何等限定されないのである。
【実施例】
【0015】
図1から図12において、本例の自動車シート1は、座部2及び背もたれ3と、背もたれ3を座部2にA及びB方向に回動自在に連結した連結機構4と、座部2及び連結機構4に取り付けられたダンパ5と、座部2をシャーシ6に昇降自在に連結したリフト機構7と、リフト機構7に取り付けられたダンパ8とを具備している。尚、背もたれ3は、ばね等からなる付勢手段(図示せず)により座部2に対してB方向に向かって付勢されている。また、自動車シート1には、背もたれ3の座部2に対するA方向の回動状態を解除自在に維持するいわゆるロック機構(図示せず)が備えられている。
【0016】
連結機構4は、座部2に回転自在に連結されていると共に背もたれ3に固定されている連結アーム11を具備している。
【0017】
リフト機構7は、例えば図1及び図11に示すように、座部2及びシャーシ6に夫々設けられた連結部12及び13と、連結部12及び13の夫々に対して回転自在に連結された連結アーム14とを具備している。尚、座部2は、連結アーム14のシャーシ6側の連結部13の軸心を中心としたC及びD方向の回転により昇降されるようになっている。
【0018】
ダンパ5は、例えば図2から図4に示すように、座部2に固定されている支軸21と、支軸21に回転自在に支持されていると共に背もたれ3の座部2に対するA及びB方向の回動により支軸21の軸心28を中心としてA及びB方向に揺動される揺動体22と、揺動体22に対してR1方向に回転自在であって揺動体22との間で隙間23を形成している回転体24と、隙間23に配されている流動体25と、揺動体22に装着されている蓋体26と、揺動体22のB方向の揺動を回転体24のR1方向の回転力として回転体24に伝達する一方、揺動体22のA方向の揺動に基づいて前記伝達を解除する伝達手段27とを具備している。
【0019】
支軸21の一端には座部2が、支軸21の他端には伝達手段27が夫々固定されており、支軸21の両端間には連結アーム11及び揺動体22が回転自在に装着されている。
【0020】
揺動体22は、支軸21が配されている貫通孔31を有した本体32と、本体32を連結アーム11に固定している固定軸33と、本体32に画されていると共に回転体24を収容する回転体収容部34とを具備している。固定軸33と回転体収容部34とは、互いに貫通孔31を間にして配されている。揺動体22は、固定軸33及び連結アーム11を介して背もたれ3に固定されている。
【0021】
回転体収容部34を画している本体32の内面35には、回転体24に向かって凹状である中央凹部36と、中央凹部36を中心として設けられていると共に回転体24に向かって凸状である同心の複数の円弧状の凸部37とが形成されている。
【0022】
回転体24は、中央凹部36に向かって凸状であると共に中央凹部36にR1方向に回転自在に嵌合された中央凸部41と、複数の円弧状の凸部37に向かって凹状であって凸部37が隙間23をもって配されると共に中央凸部41を中心として設けられた同心の複数の円筒状の凹部42とを具備している。回転体24は、そのR1方向の回転により揺動体22と協働して流動体25のせん断による抵抗を生じさせるようになっている。尚、回転体24の回転軸心45から支軸21の軸心28までの距離L1は、固定軸33の軸心46から支軸21の軸心28までの距離L2よりも長い。
【0023】
流動体25は、シリコンオイル等の粘性体からなり、斯かる粘性体は、例えば3万センチストークス(cSt)から100万センチストークスの粘度を有しており、好ましくは3万センチストークスから30万センチストークスの粘度を有しており、より好ましくは3万センチストークスから5万センチストークスの低粘度を有している。
【0024】
蓋体26は、略六角形状の外周51を有していると共に中央部に貫通孔52が設けられており、外周51には、当該外周51に対して相補的な形状の本体32の内周53が圧着されており、貫通孔52には、回転体24がR1方向に回転自在に挿通されている。斯かる蓋体26は、流動体25の隙間23からの漏れを防止している。
【0025】
伝達手段27は、支軸21に固定されている固定体61と、A及びB方向に移動自在に固定体61に保持されている大径ギヤ62と、A及びB方向に伸びて固定体61に設けられていると共に大径ギヤ62に歯合しているラックギヤ63と、大径ギヤ62よりも小径であって回転体24に固着されており、揺動体22のB方向の揺動に基づいて大径ギヤ62が接近して当該大径ギヤ62に歯合すると共に揺動体22のA方向の揺動に基づいて大径ギヤ62が離反して前記歯合が解除される小径ギヤ64と、揺動体22に設けられていると共に大径ギヤ62の小径ギヤ64に対する一定量以上の離反を禁止する離反禁止体65とを具備している。
【0026】
支軸21を介して座部2に固定されている固定体61は、揺動体22に隣接している扇形の本体71と、本体71に画されていると共に大径ギヤ62及び小径ギヤ64を収容しているギヤ収容部72と、本体71のギヤ収容部72を画している部位に設けられていると共に大径ギヤ62をA及びB方向に案内する案内溝73とを具備している。ギヤ収容部72は、回転体24に隣接して配されている。
【0027】
大径ギヤ62は、小径ギヤ64よりも大きな径を有しているギヤ本体75と、ギヤ本体75に設けられていると共に案内溝73に滑接して当該案内溝73にA及びB方向に案内される案内ピン76とを具備している。
【0028】
ラックギヤ63は、ギヤ収容部72に配されて本体71に固着されており、A及びB方向に移動される大径ギヤ62にR2方向の回転力を与えるようになっている。
【0029】
小径ギヤ64は、大径ギヤ62よりも小さな径を有していると共に回転軸心45が中心となるように回転体24に固定されている。斯かる小径ギヤ64は、揺動体22のA方向の揺動により回転体24を介してA方向に移動されて大径ギヤ62に対して離反される一方、揺動体22のB方向の揺動により回転体24を介してB方向に移動されて大径ギヤ62に対して接近されるようになっている。尚、小径ギヤ64の回転速度は大径ギヤ62に対して約6.55倍であってもよい。
【0030】
斯かる固定体61は、案内溝73の中央部79が当該案内溝73の両端部80a及び80bよりも下方に位置するように座部2に固定されている。斯かる固定体61によれば、小径ギヤ64が端部80a側から中央部79に至るまで低速でB方向に移動される場合には、大径ギヤ62がその自重に基づいて小径ギヤ64よりも高速でB方向に移動され得るので、背もたれ3のB方向の回動初期においては当該回動が低速であれば流動体25のせん断による抵抗を生じさせず、また、小径ギヤ64が端部80a側から中央部79に至るまで大径ギヤの自重に基づくB方向の移動よりも高速でB方向に移動される場合には、背もたれ3のB方向の回動初期においても流動体25のせん断による抵抗を生じさせ得る。また、斯かる固定体61によれば、小径ギヤ64が中央部79から端部80b側に向かってB方向に移動される場合には、大径ギヤ62の自重に基づくB方向の移動は生じず、小径ギヤ64が大径ギヤ62に歯合し当該大径ギヤ62を押しながらB方向に移動させるので、背もたれ3のB方向の回動後期においては流動体25のせん断による抵抗を生じさせ得る。
【0031】
離反禁止体65は、固定体61に向かって突出して本体32に一体的に設けられていると共に小径ギヤ64よりもB方向側に配されて当該小径ギヤ64との間で隙間78をもって大径ギヤ62を挟んでおり、揺動体22のA方向の揺動に基づいて大径ギヤ62に滑接してA方向に移動させて、小径ギヤ64と大径ギヤ62との一定量以上の離反を禁止するようになっている一方、揺動体22のB方向の揺動に基づいて大径ギヤ62から離反するようになっている。尚、伝達手段27は、本例では、離反禁止体65に加えて、離反禁止体65と同様に構成されていると共に小径ギヤ64よりもA方向側に配された離反禁止体65aをも具備しており、斯かる離反禁止体65aをも具備している場合には、例えば小径ギヤ64と離反禁止体65との間の大径ギヤ64を除いて小径ギヤ64と離反禁止体65aとの間に大径ギヤ62を配することにより、揺動体22のA方向の揺動を回転体24のR1方向の回転力として回転体24に伝達する一方、揺動体22のB方向の揺動により前記伝達を解除するように伝達手段27の構成を簡単に変更することができる。
【0032】
ダンパ8は、例えば図5及び図6に示すように、連結部13に固定されている支軸81と、支軸81に回転自在に支持されていると共に連結アーム14の連結部13に対するC及びD方向の回動により支軸81の軸心28を中心としてC及びD方向に揺動される揺動体82と、揺動体82に対してR1方向に回転自在であって揺動体82との間で隙間83を形成している回転体84と、隙間83に配されている流動体85と、揺動体82に装着されている蓋体86と、揺動体82のD方向の揺動を回転体84のR1方向の回転力として回転体84に伝達する一方、揺動体82のC方向の揺動に基づいて前記伝達を解除する伝達手段87とを具備している。
【0033】
支軸81、揺動体82、回転体84、流動体85、蓋体86及び伝達手段87は、支軸21、揺動体22、回転体24、流動体25、蓋体26及び伝達手段27と夫々略同様に構成されているので、以下図に適宜同符号を付してこれらの詳細な説明を省略する。尚、伝達手段87の大径ギヤ62は、伝達手段87の小径ギヤ64と離反禁止体65aとの間に隙間78をもって配されている。また、流動体85は、流動体25の粘度と同一の粘度を必ずしも有している必要はなく、自動車シート1の重量等に応じた所望の粘度に設定される。更に、伝達手段87の固定体61は、案内溝73の端部80bが中央部79及び端部80aよりも下方に位置し且つ端部80aが中央部79及び端部80bよりも上方に位置するように連結部13に固定されており、このように固定されることで、伝達手段87の小径ギヤ64が端部80b側から端部80a側に向かってD方向に移動される場合には、伝達手段87の大径ギヤ62の自重に基づくB方向の移動は生じず、小径ギヤ64が大径ギヤ62に歯合し当該大径ギヤ62を押しながらD方向に移動させるので、連結アーム14のD方向の回動初期から直ちに流動体85のせん断による抵抗を生じさせ得る。
【0034】
以上の自動車シート1を背もたれ3のA方向の回動により図1に示す状態から図7に示す状態にする場合には、背もたれ3のA方向の回動が連結アーム11を介して伝達される揺動体22が支軸21の軸心28を中心としてA方向に揺動され、揺動後、ダンパ5は図8に示すような状態となる。斯かる場合において、小径ギヤ64が揺動体22の揺動と共にA方向に移動されて大径ギヤ62から離反されるので、回転体24にR1方向の回転は生じず、従って、流動体25のせん断による抵抗は生じない。
【0035】
背もたれ3のB方向の回動により自動車シート1を図7に示す状態から図1に示す状態にする場合には、背もたれ3のB方向の回動が連結アーム11を介して伝達される揺動体22が支軸21の軸心28を中心としてB方向に揺動され、揺動後、ダンパ5は図2に示すような状態となる。斯かる場合において、小径ギヤ64が揺動体22の揺動と共にB方向に移動されて大径ギヤ62が接近して当該大径ギヤ62に歯合し、更に小径ギヤ64がB方向に移動されることにより当該小径ギヤ64によって大径ギヤ62を押してB方向に移動させ、移動される大径ギヤ62がラックギヤ63上を走行しながらR2方向に回転され、この回転により小径ギヤ64がR1方向に回転されるので、小径ギヤ64が固定された回転体24にR1方向の回転が生じ、従って、流動体25のせん断による抵抗が生じる。ここで、伝達手段27は、大径ギヤ62の回転を小径ギヤ64に伝達するので、小径ギヤ64の回転速度を高めることができて当該回転速度に依存して流動体25のせん断抵抗を生じさせることができ、而して、背もたれ3に小さなB方向の回動力が加えられる場合には流動体25のせん断による抵抗をあまり生じさせない一方、背もたれ3に大きなB方向の回動力が加えられる場合には流動体25のせん断による抵抗を急激に増大させることができる。
【0036】
背もたれ3のB方向の回動により自動車シート1を図1に示す状態から図9に示す状態にする場合には、自動車シート1を図7に示す状態から図1に示す状態にする場合と同様に、流動体25のせん断抵抗が生じる。尚、自動車シート1が図9に示す状態にある場合には、ダンパ5は図10に示すような状態となる。
【0037】
背もたれ3のA方向の回動により自動車シート1を図9に示す状態から図1に示す状態にする場合には、自動車シート1を図1に示す状態から図7に示す状態にする場合と同様に、流動体25のせん断抵抗は生じない。
【0038】
連結アーム14のC方向の回動により自動車シート1を上昇させて図1に示す状態から図11に示す状態にする場合には、連結アーム14からC方向の回動が伝達される揺動体82が支軸81の軸心28を中心としてC方向に揺動され、揺動後、ダンパ8は図12に示すような状態となる。斯かる場合において、伝達手段87の小径ギヤ64が揺動体82の揺動と共にC方向に移動されて伝達手段87の大径ギヤ62から離反されるので、回転体84にR1方向の回転は生じず、従って、流動体85のせん断による抵抗は生じない。
【0039】
連結アーム14のD方向の回動により自動車シート1を下降させて図11に示す状態から図1に示す状態にする場合には、連結アーム14からD方向の回動が伝達される揺動体82が支軸81の軸心28を中心としてD方向に揺動され、揺動後、ダンパ8は図5に示すような状態となる。斯かる場合において、伝達手段87の小径ギヤ64が揺動体82の揺動と共にD方向に移動されて伝達手段87の大径ギヤ62が接近して当該大径ギヤ62に歯合し、更に小径ギヤ64がD方向に移動されることにより当該小径ギヤ64によって大径ギヤ62を押してB方向に移動させ、移動される大径ギヤ62がラックギヤ63上を走行しながらR2方向に回転され、この回転により小径ギヤ64がR1方向に回転されるので、小径ギヤ64が固定された回転体84にR1方向の回転が生じ、従って、流動体85のせん断による抵抗が生じる。ここで、伝達手段87は、伝達手段27と同様に、小径ギヤ64の回転速度を高めることができて当該回転速度に依存して流動体85のせん断抵抗を生じさせることができる。
【0040】
本例の自動車シート1のダンパ5によれば、自動車シート1の動作により揺動される揺動体22と、揺動体22に対して回転自在であって揺動体22との間で隙間23を形成している回転体24と、隙間23に配されている流動体25と、揺動体22のB方向の揺動を回転体24の回転力として回転体24に伝達する一方、揺動体22のA方向の揺動に基づいて前記伝達を解除する伝達手段27とを具備しており、伝達手段27は、自動車シート1に固定される固定体61と、A及びB方向に移動自在に固定体61に保持されている大径ギヤ62と、A及びB方向に伸びて固定体61に設けられていると共に大径ギヤ62に歯合しているラックギヤ63と、大径ギヤ62よりも小径であって回転体24に固着されており、揺動体22のB方向の揺動に基づいて大径ギヤ62が接近して当該大径ギヤ62に歯合すると共に揺動体22のA方向の揺動に基づいて大径ギヤ62が離反して前記歯合が解除される小径ギヤ64と、揺動体22に設けられていると共に大径ギヤ62の小径ギヤ64に対する一定量以上の離反を禁止する離反禁止体65とを具備しているために、揺動体22の揺動に対して小径ギヤ64の回転速度をより高めることができて当該小径ギヤの回転速度に依存して流動体25にせん断抵抗を生じさせることができると共に大径ギヤ62及び小径ギヤ64のギヤ比との関連で大径ギヤ62の反力を大きくすることができ、而して、自動車シート1の緩慢な動作に対する抵抗をあまり増大させない一方、自動車シート1の急激な動作に対する抵抗を急激に増大させることができ、また、伝達手段27をより簡単に且つ安価に構成し得、回転体24と小径ギヤ64との間にいわゆるクラッチ機構等を介在させる必要をなくすことができて小径ギヤ64をより回転体24に近接させることができ、ダンパ5自体の小型化をも図り得る。尚、本例の自動車シート1のダンパ8によっても、上述のような構成を具備しているために、ダンパ5と同等の効果を奏し得る。
【0041】
尚、本例の自動車シート1の伝達手段は、連結アーム11及び固定体61に代えて、例えば図13及び図14に示すように、背もたれ3に固定されていると共に座部にA及びB方向に回転自在に取り付けられた連結アーム11aと、案内溝73の端部80aが中央部79及び端部80bよりも下方に位置し且つ端部80bが中央部79及び端部80aよりも上方に位置するように座部2に固定される固定体61aとを具備していてもよく、斯かる固定体61aを具備する場合には、小径ギヤ64が端部80a側から端部80b側に向かってB方向に移動される際、大径ギヤ62の自重に基づくB方向の移動は生じず、小径ギヤ64が大径ギヤ62に歯合し当該大径ギヤ62を押しながらB方向に移動させるので、背もたれ3のB方向の回動初期から直ちに流動体25のせん断による抵抗を生じさせ得る。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施の形態の例の全体説明図である。
【図2】図1に示す例のダンパの説明図である。
【図3】図2に示すダンパの断面説明図である。
【図4】図2に示すダンパの一部省略説明図である。
【図5】図1に示す例の他のダンパの説明図である。
【図6】図5に示す他のダンパの断面説明図である。
【図7】図1に示す例の動作説明図である。
【図8】図2に示すダンパの動作説明図である。
【図9】図1に示す例の動作説明図である。
【図10】図2に示すダンパの動作説明図である。
【図11】図1に示す例の動作説明図である。
【図12】図1に示す例の他のダンパの動作説明図である。
【図13】本発明の実施の形態の他の例の全体説明図である。
【図14】図13に示す例のダンパの説明図である。
【符号の説明】
【0043】
1 自動車シート
2 座部
3 背もたれ
5、8 ダンパ
6 シャーシ
7 リフト機構
21、81 支軸
22、82 揺動体
23、83 隙間
24、84 回転体
25、85 流動体
26、86 蓋体
27、87 伝達手段
61、61a 固定体
62 大径ギヤ
63 ラックギヤ
64 小径ギヤ
65、65a 離反禁止体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車シートの動作により揺動される揺動体と、この揺動体に対して回転自在であって揺動体との間で隙間を形成している回転体と、隙間に配されている流動体と、揺動体の一方の揺動方向の揺動を回転体の回転力として回転体に伝達する一方、揺動体の他方の揺動方向の揺動に基づいて前記伝達を解除する伝達手段とを具備しており、伝達手段は、自動車シートに固定される固定体と、揺動体の揺動方向と同方向に移動自在に固定体に保持されている大径ギヤと、揺動方向と同方向に伸びて固定体に設けられていると共に大径ギヤに歯合しているラックギヤと、大径ギヤよりも小径であって回転体に固着されており、揺動体の一方の揺動方向の揺動に基づいて大径ギヤが接近して当該大径ギヤに歯合すると共に揺動体の他方の揺動方向の揺動に基づいて大径ギヤが離反して前記歯合が解除される小径ギヤと、揺動体に設けられていると共に大径ギヤの小径ギヤに対する一定量以上の離反を禁止する離反禁止体とを具備している自動車シート用のダンパ。
【請求項2】
固定体は、自動車シートの座部に固定されるようになっており、揺動体は、自動車シートの背もたれの座部に対する回動により揺動されるようになっている請求項1に記載の自動車シート用のダンパ。
【請求項3】
固定体は、自動車シートの座部を自動車のシャーシに対して昇降可能に連結している自動車シートのリフト機構に固定されるようになっており、揺動体は、座部の昇降により揺動されるようになっている請求項1に記載の自動車シート用のダンパ。
【請求項4】
固定体は、揺動体に隣接している本体と、本体に画されていると共に大径ギヤ及び小径ギヤを収容しているギヤ収容部と、本体のギヤ収容部を画している部位に設けられていると共に大径ギヤを揺動方向と同方向に案内する案内溝とを具備している請求項1から3のいずれか一項に記載の自動車シート用のダンパ。
【請求項5】
離反禁止体は、固定体に向かって突出して揺動体に設けられていると共に小径ギヤよりも揺動方向に関して一方側に配されて当該小径ギヤとの間で隙間をもって大径ギヤを挟んでおり、揺動体の他方の揺動方向の揺動に基づいて大径ギヤに滑接して当該大径ギヤを他方の揺動方向と同方向に移動させて、小径ギヤと大径ギヤとの一定量以上の離反を禁止するようになっている一方、揺動体の一方の揺動方向の揺動に基づいて大径ギヤから離反するようになっている請求項1から4のいずれか一項に記載の自動車シート用のダンパ。
【請求項6】
流動体は、低粘度の粘性体からなる請求項1から5のいずれか一項に記載の自動車シート用のダンパ。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載された自動車シート用のダンパを具備した自動車シート。
【請求項1】
自動車シートの動作により揺動される揺動体と、この揺動体に対して回転自在であって揺動体との間で隙間を形成している回転体と、隙間に配されている流動体と、揺動体の一方の揺動方向の揺動を回転体の回転力として回転体に伝達する一方、揺動体の他方の揺動方向の揺動に基づいて前記伝達を解除する伝達手段とを具備しており、伝達手段は、自動車シートに固定される固定体と、揺動体の揺動方向と同方向に移動自在に固定体に保持されている大径ギヤと、揺動方向と同方向に伸びて固定体に設けられていると共に大径ギヤに歯合しているラックギヤと、大径ギヤよりも小径であって回転体に固着されており、揺動体の一方の揺動方向の揺動に基づいて大径ギヤが接近して当該大径ギヤに歯合すると共に揺動体の他方の揺動方向の揺動に基づいて大径ギヤが離反して前記歯合が解除される小径ギヤと、揺動体に設けられていると共に大径ギヤの小径ギヤに対する一定量以上の離反を禁止する離反禁止体とを具備している自動車シート用のダンパ。
【請求項2】
固定体は、自動車シートの座部に固定されるようになっており、揺動体は、自動車シートの背もたれの座部に対する回動により揺動されるようになっている請求項1に記載の自動車シート用のダンパ。
【請求項3】
固定体は、自動車シートの座部を自動車のシャーシに対して昇降可能に連結している自動車シートのリフト機構に固定されるようになっており、揺動体は、座部の昇降により揺動されるようになっている請求項1に記載の自動車シート用のダンパ。
【請求項4】
固定体は、揺動体に隣接している本体と、本体に画されていると共に大径ギヤ及び小径ギヤを収容しているギヤ収容部と、本体のギヤ収容部を画している部位に設けられていると共に大径ギヤを揺動方向と同方向に案内する案内溝とを具備している請求項1から3のいずれか一項に記載の自動車シート用のダンパ。
【請求項5】
離反禁止体は、固定体に向かって突出して揺動体に設けられていると共に小径ギヤよりも揺動方向に関して一方側に配されて当該小径ギヤとの間で隙間をもって大径ギヤを挟んでおり、揺動体の他方の揺動方向の揺動に基づいて大径ギヤに滑接して当該大径ギヤを他方の揺動方向と同方向に移動させて、小径ギヤと大径ギヤとの一定量以上の離反を禁止するようになっている一方、揺動体の一方の揺動方向の揺動に基づいて大径ギヤから離反するようになっている請求項1から4のいずれか一項に記載の自動車シート用のダンパ。
【請求項6】
流動体は、低粘度の粘性体からなる請求項1から5のいずれか一項に記載の自動車シート用のダンパ。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載された自動車シート用のダンパを具備した自動車シート。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−117027(P2006−117027A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−304867(P2004−304867)
【出願日】平成16年10月19日(2004.10.19)
【出願人】(000103644)オイレス工業株式会社 (384)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月19日(2004.10.19)
【出願人】(000103644)オイレス工業株式会社 (384)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]