自動車ボディー表面コーティング保護用品
【課題】自動車のボディー表面にコーティング処理をする際の作業の簡略化を実現する自動車ボディー表面コーティング保護用品を提供する。
【解決手段】周囲にバネ材１から成る枠部２と、この枠部の内側に布、化学繊維または、樹脂シートから成るパネル部材３を形成した領域Ａと、前記パネル部材の少なくとも一辺に、布、化学繊維または、樹脂シートから成る張り出し部４と一体にし、前記張り出し部は前記自動車のカウルトップベンチレータールーバー全体を覆う領域Ｂと、前記張り出し部の端部は、前記自動車のボンネットの裏面に収納する領域Ｃとを有することで課題を解決する。
【解決手段】周囲にバネ材１から成る枠部２と、この枠部の内側に布、化学繊維または、樹脂シートから成るパネル部材３を形成した領域Ａと、前記パネル部材の少なくとも一辺に、布、化学繊維または、樹脂シートから成る張り出し部４と一体にし、前記張り出し部は前記自動車のカウルトップベンチレータールーバー全体を覆う領域Ｂと、前記張り出し部の端部は、前記自動車のボンネットの裏面に収納する領域Ｃとを有することで課題を解決する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、自動車のボディー表面にコーティング処理をする際の作業の簡略化を実現する自動車ボディー表面コーティング保護用品に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
自家用車をはじめ、営業車など、軽自動車から小型普通車、ワンボックスの車両に至るまで、自動車車両の表面には車両のボディーを保護したり、車両の色彩を際立てる目的に各種正面処理（コーティング）がなされている。
【０００３】
一方、表面処理を行うには、車両のボディー部分、即ち、金属材料で構成されるシャーシなどには、表面コート処理を行う前には、表面の細かな傷を除去するためにコンパウンド(微粒子の研磨剤)を用いた下準備処理が行われている。
【０００４】
【特許文献１】特開平５−８６３７号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、前述する背景技術に記載するように、表面処理を行う金属部分以外の樹脂材料から成るカウルトップベンチレータールーバーには、表面の細かな傷を除去するためにコンパウンド(微粒子の研磨剤)を用いた下準備処理を行う際に、コンパウンドに含まれる微粒子が上記の樹脂材料に付着すると、樹脂材料の表面の細かな凹凸のくぼみに入り込むおそれがあり、更には入り込んでしまった微粒子を除去することは大きな労力を必要とする上に、完全に除去することが難しいのが現状であるため、下準備処理に用いる微粒子が付着しないように、カウルトップベンチレータールーバーにはマスキングテープなどを用いて被覆をして下準備処理を行っているのが現状である。
【０００６】
また、マスキングテープを用いた保護作業を行うための準備と、処理後のマスキングテープの撤去作業にも大変な手間と労力が取られる上に、マスキングテープはその都度の使い切りの消耗品になってしまうと言うのが実情でもある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記目的を達成するために請求項１に係る発明は、周囲にバネ材から成る枠部と、この枠部の内側に布、化学繊維または、樹脂シートから成るパネル部材を形成した領域Ａと、前記パネル部材の少なくとも一辺に、布、化学繊維または、樹脂シートから成る張り出し部とを一体にし、前記張り出し部は前記自動車のカウルトップベンチレータールーバー全体を覆う領域Ｂと、前記張り出し部の端部は、前記自動車のボンネットの裏面に収納する領域Ｃとを有することを特徴としている。
【０００８】
また、請求項２に係る発明は、パネル部材は自動車のフロントガラス対向面に一時的固定用吸盤を取り付けて成ることを特徴とするものである。
【０００９】
また、請求項３に係る発明は、パネル部材の横幅寸法Ｗ１と、張り出し部の横幅寸法Ｗ２とはＷ１≦Ｗ２の関係であることを特徴とするものである。
【００１０】
一方、特許文献１には自動車用日除けカバーを提供するものとして、自動車１の前方窓２を覆う前方窓被覆部３と、側方窓４を覆う側方窓被覆部５とが連接され、前方窓被覆部３に自動車１のボンネット６の蓋７に挟むボンネット係止部８が、側方窓被覆部５に自動車１の両側面のドア９に挟むドア係止部１０が形成され、前記前方窓被覆部３、側方窓被覆部５、後方窓被覆部１４の内側に、自動車１に吸着固定するための吸盤１８を二以上設け、それらの吸盤１８をゴム紐１９で連結したことを特徴とする記載がある。
【００１１】
この特許文献１では、自動車用日除けカバーであり、ボンネット係止部８、ドア係止部１を利用することで、前方窓や側方窓を外側から被覆して直射日光の侵入を確実に遮蔽することができ、しかも自動車への装着が容易で、風に飛ばされることなく確実に固定できる自動車用日除けカバーを目的とする。
【００１２】
本願発明は、周囲にバネ材から成る枠部と、この枠部の内側に布、化学繊維または、樹脂シートから成るパネル部材を形成した領域Ａと、前記パネル部材の少なくとも一辺に、布、化学繊維または、樹脂シートから成る張り出し部とを一体にし、前記張り出し部は前記自動車のカウルトップベンチレータールーバー全体を覆う領域Ｂと、前記張り出し部の端部は、前記自動車のボンネットの裏面に収納する領域Ｃとを有している。
【００１３】
そして、自動車のカウルトップベンチレータールーバー全体を覆うための表面処理作業時の被覆に用いることができ、前記バネ材により(張り出し部を含む)パネル部材を小さく折りたためると言う特徴を持ち、展開して使用する際には、バネ材によりパネルが突っ張った状態となり、吸盤によりフロントガラスに一時的な固定をする際にも容易に行えるなどの進歩性を持っている。
【００１４】
また、更にはパネル部材の横幅寸法Ｗ１と、張り出し部との横幅寸法Ｗ２との寸法関係をＷ１≦Ｗ２とすることで、自動車の横幅寸法が異なる軽自動車から小型普通車に至るまでをひとつの自動車ボディー表面コーティング保護用品で補える点で、特許文献１には開示されていない特徴を有している。
【図面の簡単な説明】
【００１５】
【図１】本発明の全体のイメージを説明する平面図。
【図２】自動車における被覆箇所を説明するイメージ図。
【図３】パネルをフロントガラスに装着する手順を説明する図。
【図４】パネルを小さく折りたたんだ保管時のイメージ図。
【図５】自動車の側面から見た、パネル部材の一辺の張り出し部の状態を説明する図。
【図６】今までの作業を説明するイメージ図。
【発明を実施するための形態】
【００１６】
図１は本願発明の自動車ボディー表面コーティング保護用品の平面図である。図１に示すように、周囲にバネ材１から成る枠部２と、この枠部２の内側に布、化学繊維または、樹脂シートから成るパネル部材３を形成した領域Ａと、前記パネル部材３の少なくとも一辺に、布、化学繊維または、樹脂シートから成る張り出し部４とを一体にし、前記張り出し部４は前記自動車２０のカウルトップベンチレータールーバー５全体を覆う領域Ｂと、前記張り出し部４の端部９は、前記２０のボンネット６の裏面に収納する領域Ｃとを有することを特徴としている。
【００１７】
また、パネル部材３の横方向(図面を描画する紙面の左右方向)には、パネル部材３よりも少し幅広(２３ａ、２３ｂ)寸法を持った張り出し部が、パネル部材と一体的に縫製された格好となっている。そして、パネル部材３には、吸盤８が取り付けられるようにハトメなどを用いた穴２２が数か所開けてあり、この穴２２に吸盤８をつけて、更にはこの吸盤８により自動車２０のフロントガラス２１に一時的に固定して使用するものである。
【００１８】
図１の自動車ボディー表面コーティング保護用品７では、パネル部材３の印刷表示部面の裏面とフロントガラス２１が当接する格好となり、更にはパネル部材３の裏面に吸盤８の吸着面８ａが位置する関係で取り付けられている。
吸盤８はパネル部材３にあけられた穴２２に挿入する形で取り付けられているが、吸盤８をパネル部材３に取り付ける手段や数量については特に制約はなく、パネル部材３がフロントガラス２１に固定できる常識の範囲で使われることは言うまでもない。また、パネル部材３の印刷表示部と書かれた場所には、適宜作業中、処理中と言った表示を印刷することで、作業内容を周囲に知らせることもできる。
【００１９】
また、特に図示はしないが、吸盤８とパネル部材３との間にフェルトや樹脂などの柔らかい材質でできたスペーサを配置することで、ハトメ部が直接自動車２０に接触した場合の緩衝材として作用するので配置する場合もある。
なお、図１描画中の一点鎖線１０で囲まれた箇所で、パネル部材３と張り出し部４とが縫製にて一体化されている。
【００２０】
そして、パネル部材３と張り出し部４の横幅寸法については、図中２３ａ、２３ｂに示すように、パネル部材の横幅寸法Ｗ１と、張り出し部の横幅寸法Ｗ２とはＷ１≦Ｗ２の関係になっていることから、パネル部材３をフロントガラス２１に吸盤８で一時的に固定した時に、対象となる自動車２０の大きさが例えば軽自動車と普通車との車両の横幅寸法が異なった場合でも、張り出し部４がパネル部材３よりも幅広であることから、車両の幅寸法に関係なく殆どんどの自動車２０に対応できる。
【００２１】
なお、ボンネット６の下に収まる張り出し部４の領域Ｃの幅寸法Ｗ２は、軽自動車、普通車のボンネット６の横幅寸法より広めになる場合があっても、張り出し部４の材質が布、化学繊維または、樹脂シートから成っていることから、柔軟にボンネット６の横幅に合わせることができるので、張り出し部４の領域Ｃをボンネット６の下に収めることができ、張り出し部４の領域Ｂは確実にカウルトップベンチレータールーバー５を被膜することができる。
【００２２】
ここで、図２に示すように実際の自動車２０の覆いを必要とする被覆箇所について説明する。図２はフロントガラス２１とボンネット６の間に注目した描画で、自動車２０のワイパー３０ａ、３０ｂが存在する場所、即ちカウルトップベンチレータールーバー５の位置を説明するためのイメージ図である。カウルトップベンチレータールーバー５はワイパー３０ａ、３０ｂが存在する場所であり、樹脂から構成され、自動車２０の室内への空気を取り込む換気口でもある。
【００２３】
カウルトップベンチレータールーバー５は硬質、軟質の樹脂を用いて形成されているために、自動車２０シャーシの表面コーティングを行う際、特にコーティング処理の下地処理で、液状のコンパウンド剤が樹脂部に付着してしまうと、樹脂表面の凹凸にコンパウンド剤が付着することにより樹脂部分が白濁して汚れてしまうと、コンパウンドは完全に除去できないために、コンパウンドの付着を防止する必要がある。
【００２４】
本願発明はこのカウルトップベンチレータールーバー５を被うための覆いとして開発されたもので、図６に示すように従来の被覆方法と全く思想を異にした作業手法を有している。図６に示す従来の方法では、図中の囲みの部分であるカウルトップベンチレータールーバー５も含めてマスキングテープなどのマスキング処理が必要であることから、本来の下地処理を行う前にマスキングを施すことが必要であり、また、処理が終わった後にはマスキングを撤去しなければならなかった。
【００２５】
また更にはマスキング処理に用いるマスキングテープは消耗品であるため、一回の処理に用いるマスキングに使用するマスキングテープの量は微々たるものであっても、処理台数が増えればその分マスキングテープの消耗も増えてしまう。
【００２６】
その点、本発明の自動車ボディー表面コーティング保護用品７は、何度でも繰り返して使えることから消耗品の扱いにはならいばかりでなく、バネ材１によりパネル部材３と張り出し部４を小さく折りたため(図４参照)保管時にも場所をとらず、持ち運びを行う時にも軽量でコンパクトに扱え、実際の作業時には大きく広げた格好に展開して使用できると言う大きな特徴を有している。
【００２７】
そして、広げた格好に展開して使用する際にはバネ材１によりパネル部材３が突っ張ることで吸盤８によりフロントガラス２１に一時的に固定する場合でも、パネル部材３がしっかりと略平面の板状を保持できるので、フロントガラス２１に固定し易く作業性を向上させることから作業に要する時間と能率コストの削減も行うことができる。
【００２８】
ここで図３によりパネル部材３をフロントガラス２１に装着する手順を説明する。通常は図４に示すように小さく折りたためて保管もできるが、実際の処理時には展開して使用することとなる。図３(ａ)は装着前の自動車２０のフロントガラス２１を示しておりパネル部材３即ち領域Ａをコーティング処理の下地処理時に一時的に固定する場所である。
【００２９】
図３（ｂ）は自動車２０のフロントガラス２１に自動車ボディー表面コーティング保護用品７のパネル部材３を吸盤８により一時的に固定した状態を示している。ここでは、領域Ｂと領域Ｃを持つ張り出し部４がボンネット６上に露出された状態となっている。そして更に図３（ｃ）では、領域Ｂはワイパー３０ａ、３０ｂがあるカウルトップベンチレータールーバー５全体を覆うこととなり、領域Ｃは自動車２０のボンネット６の下、エンジンルーム内に自動車ボディー表面コーティング保護用品７からの張り出し部４の端部９を収めた後の様子を示している。
【００３０】
ここで注目したいのは、図３(ａ)から図３(ｃ)へと自動車ボディー表面コーティング保護用品７を取り付ける際に、非常に簡単な段取りでカウルトップベンチレータールーバー５を覆うことができる点にあり、また更にはカウルトップベンチレータールーバー５から撤収するのも非常に簡単に取り去られる点にもある。図３(ｃ)に描画するように、カウルトップベンチレータールーバー５が隠れているか否かは、ワイパー３０ａ、３０ｂを点線で描画していることで一目瞭然に覆い作業ができていることが見て取れる。
【００３１】
上述する内容は図５に示す自動車の側面から見たパネル部材３(領域Ａ)と張り出し部４(領域Ｂと領域Ｃ)の状態を説明する図からも分かるように、パネル部材３はフロントガラス２１上に吸盤８で一時的に固定され、パネル部材３の一辺にある張り出し部４の領域Ｂは、カウルトップベンチレータールーバー５を跨ぐ格好で覆われ、領域Ｃは自動車２０のボンネット６の下に収める張り出し部４の端部９は自動車２０のエンジンルーム内に収まった状態でボンネット６を閉めることにより、領域Ａと領域Ｃとでカウルトップベンチレータールーバー５全体を領域Ｂにより覆うことができる。
【００３２】
以上のことから、図６に示すような従来の方法に変えて表面コート処理を行う前の表面の細かな傷を除去するためにコンパウンド(微粒子の研磨剤)を用いた下準備処理を行う際の被覆を実現することができ、従来ではマスキングテープを用いることで発生していた施工処理の手間やマスキングテープが使い捨てとなるなどの消耗品の発生を大幅に削減することができる。
【００３３】
また、パネル部３には印刷表示ができる十分なスペースがあることから、作業や処理をしている現状を周囲に知らせることで、作業の誤認も防ぐことができる。なお、印刷表示する内容は、単に現状の処理内容に留まらず、点検中、車内清掃完了、安全整備済みと言った、作業全体の安全確認を表示したり、車種や呼称、作業工場名などと言った宣伝や広告を目的とした表示をすることもできる。
【符号の説明】
【００３４】
１・・・バネ材
２・・・枠部
３・・・パネル部材
４・・・張り出し部
５・・・カウルトップベンチレータールーバー
６・・・ボンネット
７・・・保護用品
８・・・吸盤
８ａ・・吸盤の吸着面
９・・・張り出し部の端部
１０・・縫製部分
２０・・自動車
２１・・フロントガラス
２２・・穴(パネル部材の吸盤取付け用)
３０ａ、３０ｂ・・ワイパー
【技術分野】
【０００１】
本発明は、自動車のボディー表面にコーティング処理をする際の作業の簡略化を実現する自動車ボディー表面コーティング保護用品に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
自家用車をはじめ、営業車など、軽自動車から小型普通車、ワンボックスの車両に至るまで、自動車車両の表面には車両のボディーを保護したり、車両の色彩を際立てる目的に各種正面処理（コーティング）がなされている。
【０００３】
一方、表面処理を行うには、車両のボディー部分、即ち、金属材料で構成されるシャーシなどには、表面コート処理を行う前には、表面の細かな傷を除去するためにコンパウンド(微粒子の研磨剤)を用いた下準備処理が行われている。
【０００４】
【特許文献１】特開平５−８６３７号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、前述する背景技術に記載するように、表面処理を行う金属部分以外の樹脂材料から成るカウルトップベンチレータールーバーには、表面の細かな傷を除去するためにコンパウンド(微粒子の研磨剤)を用いた下準備処理を行う際に、コンパウンドに含まれる微粒子が上記の樹脂材料に付着すると、樹脂材料の表面の細かな凹凸のくぼみに入り込むおそれがあり、更には入り込んでしまった微粒子を除去することは大きな労力を必要とする上に、完全に除去することが難しいのが現状であるため、下準備処理に用いる微粒子が付着しないように、カウルトップベンチレータールーバーにはマスキングテープなどを用いて被覆をして下準備処理を行っているのが現状である。
【０００６】
また、マスキングテープを用いた保護作業を行うための準備と、処理後のマスキングテープの撤去作業にも大変な手間と労力が取られる上に、マスキングテープはその都度の使い切りの消耗品になってしまうと言うのが実情でもある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記目的を達成するために請求項１に係る発明は、周囲にバネ材から成る枠部と、この枠部の内側に布、化学繊維または、樹脂シートから成るパネル部材を形成した領域Ａと、前記パネル部材の少なくとも一辺に、布、化学繊維または、樹脂シートから成る張り出し部とを一体にし、前記張り出し部は前記自動車のカウルトップベンチレータールーバー全体を覆う領域Ｂと、前記張り出し部の端部は、前記自動車のボンネットの裏面に収納する領域Ｃとを有することを特徴としている。
【０００８】
また、請求項２に係る発明は、パネル部材は自動車のフロントガラス対向面に一時的固定用吸盤を取り付けて成ることを特徴とするものである。
【０００９】
また、請求項３に係る発明は、パネル部材の横幅寸法Ｗ１と、張り出し部の横幅寸法Ｗ２とはＷ１≦Ｗ２の関係であることを特徴とするものである。
【００１０】
一方、特許文献１には自動車用日除けカバーを提供するものとして、自動車１の前方窓２を覆う前方窓被覆部３と、側方窓４を覆う側方窓被覆部５とが連接され、前方窓被覆部３に自動車１のボンネット６の蓋７に挟むボンネット係止部８が、側方窓被覆部５に自動車１の両側面のドア９に挟むドア係止部１０が形成され、前記前方窓被覆部３、側方窓被覆部５、後方窓被覆部１４の内側に、自動車１に吸着固定するための吸盤１８を二以上設け、それらの吸盤１８をゴム紐１９で連結したことを特徴とする記載がある。
【００１１】
この特許文献１では、自動車用日除けカバーであり、ボンネット係止部８、ドア係止部１を利用することで、前方窓や側方窓を外側から被覆して直射日光の侵入を確実に遮蔽することができ、しかも自動車への装着が容易で、風に飛ばされることなく確実に固定できる自動車用日除けカバーを目的とする。
【００１２】
本願発明は、周囲にバネ材から成る枠部と、この枠部の内側に布、化学繊維または、樹脂シートから成るパネル部材を形成した領域Ａと、前記パネル部材の少なくとも一辺に、布、化学繊維または、樹脂シートから成る張り出し部とを一体にし、前記張り出し部は前記自動車のカウルトップベンチレータールーバー全体を覆う領域Ｂと、前記張り出し部の端部は、前記自動車のボンネットの裏面に収納する領域Ｃとを有している。
【００１３】
そして、自動車のカウルトップベンチレータールーバー全体を覆うための表面処理作業時の被覆に用いることができ、前記バネ材により(張り出し部を含む)パネル部材を小さく折りたためると言う特徴を持ち、展開して使用する際には、バネ材によりパネルが突っ張った状態となり、吸盤によりフロントガラスに一時的な固定をする際にも容易に行えるなどの進歩性を持っている。
【００１４】
また、更にはパネル部材の横幅寸法Ｗ１と、張り出し部との横幅寸法Ｗ２との寸法関係をＷ１≦Ｗ２とすることで、自動車の横幅寸法が異なる軽自動車から小型普通車に至るまでをひとつの自動車ボディー表面コーティング保護用品で補える点で、特許文献１には開示されていない特徴を有している。
【図面の簡単な説明】
【００１５】
【図１】本発明の全体のイメージを説明する平面図。
【図２】自動車における被覆箇所を説明するイメージ図。
【図３】パネルをフロントガラスに装着する手順を説明する図。
【図４】パネルを小さく折りたたんだ保管時のイメージ図。
【図５】自動車の側面から見た、パネル部材の一辺の張り出し部の状態を説明する図。
【図６】今までの作業を説明するイメージ図。
【発明を実施するための形態】
【００１６】
図１は本願発明の自動車ボディー表面コーティング保護用品の平面図である。図１に示すように、周囲にバネ材１から成る枠部２と、この枠部２の内側に布、化学繊維または、樹脂シートから成るパネル部材３を形成した領域Ａと、前記パネル部材３の少なくとも一辺に、布、化学繊維または、樹脂シートから成る張り出し部４とを一体にし、前記張り出し部４は前記自動車２０のカウルトップベンチレータールーバー５全体を覆う領域Ｂと、前記張り出し部４の端部９は、前記２０のボンネット６の裏面に収納する領域Ｃとを有することを特徴としている。
【００１７】
また、パネル部材３の横方向(図面を描画する紙面の左右方向)には、パネル部材３よりも少し幅広(２３ａ、２３ｂ)寸法を持った張り出し部が、パネル部材と一体的に縫製された格好となっている。そして、パネル部材３には、吸盤８が取り付けられるようにハトメなどを用いた穴２２が数か所開けてあり、この穴２２に吸盤８をつけて、更にはこの吸盤８により自動車２０のフロントガラス２１に一時的に固定して使用するものである。
【００１８】
図１の自動車ボディー表面コーティング保護用品７では、パネル部材３の印刷表示部面の裏面とフロントガラス２１が当接する格好となり、更にはパネル部材３の裏面に吸盤８の吸着面８ａが位置する関係で取り付けられている。
吸盤８はパネル部材３にあけられた穴２２に挿入する形で取り付けられているが、吸盤８をパネル部材３に取り付ける手段や数量については特に制約はなく、パネル部材３がフロントガラス２１に固定できる常識の範囲で使われることは言うまでもない。また、パネル部材３の印刷表示部と書かれた場所には、適宜作業中、処理中と言った表示を印刷することで、作業内容を周囲に知らせることもできる。
【００１９】
また、特に図示はしないが、吸盤８とパネル部材３との間にフェルトや樹脂などの柔らかい材質でできたスペーサを配置することで、ハトメ部が直接自動車２０に接触した場合の緩衝材として作用するので配置する場合もある。
なお、図１描画中の一点鎖線１０で囲まれた箇所で、パネル部材３と張り出し部４とが縫製にて一体化されている。
【００２０】
そして、パネル部材３と張り出し部４の横幅寸法については、図中２３ａ、２３ｂに示すように、パネル部材の横幅寸法Ｗ１と、張り出し部の横幅寸法Ｗ２とはＷ１≦Ｗ２の関係になっていることから、パネル部材３をフロントガラス２１に吸盤８で一時的に固定した時に、対象となる自動車２０の大きさが例えば軽自動車と普通車との車両の横幅寸法が異なった場合でも、張り出し部４がパネル部材３よりも幅広であることから、車両の幅寸法に関係なく殆どんどの自動車２０に対応できる。
【００２１】
なお、ボンネット６の下に収まる張り出し部４の領域Ｃの幅寸法Ｗ２は、軽自動車、普通車のボンネット６の横幅寸法より広めになる場合があっても、張り出し部４の材質が布、化学繊維または、樹脂シートから成っていることから、柔軟にボンネット６の横幅に合わせることができるので、張り出し部４の領域Ｃをボンネット６の下に収めることができ、張り出し部４の領域Ｂは確実にカウルトップベンチレータールーバー５を被膜することができる。
【００２２】
ここで、図２に示すように実際の自動車２０の覆いを必要とする被覆箇所について説明する。図２はフロントガラス２１とボンネット６の間に注目した描画で、自動車２０のワイパー３０ａ、３０ｂが存在する場所、即ちカウルトップベンチレータールーバー５の位置を説明するためのイメージ図である。カウルトップベンチレータールーバー５はワイパー３０ａ、３０ｂが存在する場所であり、樹脂から構成され、自動車２０の室内への空気を取り込む換気口でもある。
【００２３】
カウルトップベンチレータールーバー５は硬質、軟質の樹脂を用いて形成されているために、自動車２０シャーシの表面コーティングを行う際、特にコーティング処理の下地処理で、液状のコンパウンド剤が樹脂部に付着してしまうと、樹脂表面の凹凸にコンパウンド剤が付着することにより樹脂部分が白濁して汚れてしまうと、コンパウンドは完全に除去できないために、コンパウンドの付着を防止する必要がある。
【００２４】
本願発明はこのカウルトップベンチレータールーバー５を被うための覆いとして開発されたもので、図６に示すように従来の被覆方法と全く思想を異にした作業手法を有している。図６に示す従来の方法では、図中の囲みの部分であるカウルトップベンチレータールーバー５も含めてマスキングテープなどのマスキング処理が必要であることから、本来の下地処理を行う前にマスキングを施すことが必要であり、また、処理が終わった後にはマスキングを撤去しなければならなかった。
【００２５】
また更にはマスキング処理に用いるマスキングテープは消耗品であるため、一回の処理に用いるマスキングに使用するマスキングテープの量は微々たるものであっても、処理台数が増えればその分マスキングテープの消耗も増えてしまう。
【００２６】
その点、本発明の自動車ボディー表面コーティング保護用品７は、何度でも繰り返して使えることから消耗品の扱いにはならいばかりでなく、バネ材１によりパネル部材３と張り出し部４を小さく折りたため(図４参照)保管時にも場所をとらず、持ち運びを行う時にも軽量でコンパクトに扱え、実際の作業時には大きく広げた格好に展開して使用できると言う大きな特徴を有している。
【００２７】
そして、広げた格好に展開して使用する際にはバネ材１によりパネル部材３が突っ張ることで吸盤８によりフロントガラス２１に一時的に固定する場合でも、パネル部材３がしっかりと略平面の板状を保持できるので、フロントガラス２１に固定し易く作業性を向上させることから作業に要する時間と能率コストの削減も行うことができる。
【００２８】
ここで図３によりパネル部材３をフロントガラス２１に装着する手順を説明する。通常は図４に示すように小さく折りたためて保管もできるが、実際の処理時には展開して使用することとなる。図３(ａ)は装着前の自動車２０のフロントガラス２１を示しておりパネル部材３即ち領域Ａをコーティング処理の下地処理時に一時的に固定する場所である。
【００２９】
図３（ｂ）は自動車２０のフロントガラス２１に自動車ボディー表面コーティング保護用品７のパネル部材３を吸盤８により一時的に固定した状態を示している。ここでは、領域Ｂと領域Ｃを持つ張り出し部４がボンネット６上に露出された状態となっている。そして更に図３（ｃ）では、領域Ｂはワイパー３０ａ、３０ｂがあるカウルトップベンチレータールーバー５全体を覆うこととなり、領域Ｃは自動車２０のボンネット６の下、エンジンルーム内に自動車ボディー表面コーティング保護用品７からの張り出し部４の端部９を収めた後の様子を示している。
【００３０】
ここで注目したいのは、図３(ａ)から図３(ｃ)へと自動車ボディー表面コーティング保護用品７を取り付ける際に、非常に簡単な段取りでカウルトップベンチレータールーバー５を覆うことができる点にあり、また更にはカウルトップベンチレータールーバー５から撤収するのも非常に簡単に取り去られる点にもある。図３(ｃ)に描画するように、カウルトップベンチレータールーバー５が隠れているか否かは、ワイパー３０ａ、３０ｂを点線で描画していることで一目瞭然に覆い作業ができていることが見て取れる。
【００３１】
上述する内容は図５に示す自動車の側面から見たパネル部材３(領域Ａ)と張り出し部４(領域Ｂと領域Ｃ)の状態を説明する図からも分かるように、パネル部材３はフロントガラス２１上に吸盤８で一時的に固定され、パネル部材３の一辺にある張り出し部４の領域Ｂは、カウルトップベンチレータールーバー５を跨ぐ格好で覆われ、領域Ｃは自動車２０のボンネット６の下に収める張り出し部４の端部９は自動車２０のエンジンルーム内に収まった状態でボンネット６を閉めることにより、領域Ａと領域Ｃとでカウルトップベンチレータールーバー５全体を領域Ｂにより覆うことができる。
【００３２】
以上のことから、図６に示すような従来の方法に変えて表面コート処理を行う前の表面の細かな傷を除去するためにコンパウンド(微粒子の研磨剤)を用いた下準備処理を行う際の被覆を実現することができ、従来ではマスキングテープを用いることで発生していた施工処理の手間やマスキングテープが使い捨てとなるなどの消耗品の発生を大幅に削減することができる。
【００３３】
また、パネル部３には印刷表示ができる十分なスペースがあることから、作業や処理をしている現状を周囲に知らせることで、作業の誤認も防ぐことができる。なお、印刷表示する内容は、単に現状の処理内容に留まらず、点検中、車内清掃完了、安全整備済みと言った、作業全体の安全確認を表示したり、車種や呼称、作業工場名などと言った宣伝や広告を目的とした表示をすることもできる。
【符号の説明】
【００３４】
１・・・バネ材
２・・・枠部
３・・・パネル部材
４・・・張り出し部
５・・・カウルトップベンチレータールーバー
６・・・ボンネット
７・・・保護用品
８・・・吸盤
８ａ・・吸盤の吸着面
９・・・張り出し部の端部
１０・・縫製部分
２０・・自動車
２１・・フロントガラス
２２・・穴(パネル部材の吸盤取付け用)
３０ａ、３０ｂ・・ワイパー
【特許請求の範囲】
【請求項１】
周囲にバネ材から成る枠部と、この枠部の内側に布、化学繊維または、樹脂シートからなるパネル部材を形成した領域Ａと、前記パネル部材の少なくとも一辺に、布、化学繊維または、樹脂シートから成る張り出し部とを一体にし、 前記張り出し部は前記自動車のカウルトップベンチレータールーバー全体を覆う領域Ｂと、前記張り出し部の端部は、前記自動車のボンネットの裏面に収納する領域Ｃとを有することを特徴とする自動車ボディー表面コーティング保護用品。
【請求項２】
請求項１記載のパネル部材は自動車のフロントガラス対向面に一時的固定用吸盤を取り付けて成ることを特徴とする自動車ボディー表面コーティング保護用品。
【請求項３】
請求項１記載のパネル部材の横幅寸法Ｗ１と、張り出し部の横幅寸法Ｗ２とはＷ１≦Ｗ２の関係であることを特徴とする自動車ボディー表面コーティング保護用品。
【請求項１】
周囲にバネ材から成る枠部と、この枠部の内側に布、化学繊維または、樹脂シートからなるパネル部材を形成した領域Ａと、前記パネル部材の少なくとも一辺に、布、化学繊維または、樹脂シートから成る張り出し部とを一体にし、 前記張り出し部は前記自動車のカウルトップベンチレータールーバー全体を覆う領域Ｂと、前記張り出し部の端部は、前記自動車のボンネットの裏面に収納する領域Ｃとを有することを特徴とする自動車ボディー表面コーティング保護用品。
【請求項２】
請求項１記載のパネル部材は自動車のフロントガラス対向面に一時的固定用吸盤を取り付けて成ることを特徴とする自動車ボディー表面コーティング保護用品。
【請求項３】
請求項１記載のパネル部材の横幅寸法Ｗ１と、張り出し部の横幅寸法Ｗ２とはＷ１≦Ｗ２の関係であることを特徴とする自動車ボディー表面コーティング保護用品。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公開番号】特開２０１１−１１０４４５（Ｐ２０１１−１１０４４５Ａ）
【公開日】平成２３年６月９日（２０１１．６．９）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−２６６１８２（Ｐ２００９−２６６１８２）
【出願日】平成２１年１１月２４日（２００９．１１．２４）
【出願人】（５０９０４７１００）株式会社ＡＭＧ (3)
【出願人】（５０９３２３９２３）習志野エンジニアリング株式会社 (1)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年６月９日（２０１１．６．９）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年１１月２４日（２００９．１１．２４）
【出願人】（５０９０４７１００）株式会社ＡＭＧ (3)
【出願人】（５０９３２３９２３）習志野エンジニアリング株式会社 (1)
【Ｆターム（参考）】
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