自動車内装材の取付構造
【課題】 自動車内装材のボス部にクリップを容易に装着することができる自動車内装材の取付構造の提供。
【解決手段】 自動車内装材Gの裏面にボス部Bを突設して、該ボス部をクリップCを介して車体P側に穿設された取付孔Hに係止することにより、自動車内装材を車体に取り付ける自動車内装材の取付構造において、上記クリップは、外面に取付孔の孔縁に係止する係止肩2を有するJ字状の基体1を備え、該基体の内面側に基体の先端3方向に伸びる弾性片4を一体に立設して、該弾性片の先端部に上記ボス部に開設された係合孔22に係合する一対の係合腕5a・5bを形成し、且つ、基体の後端部にボス部の先端に引っ掛かる引掛片6を形成して、該基体の引掛片をボス部の先端に引っ掛けながら回転させて、上記一対の係合腕をボス部の係合孔に係合することを特徴とする。
【解決手段】 自動車内装材Gの裏面にボス部Bを突設して、該ボス部をクリップCを介して車体P側に穿設された取付孔Hに係止することにより、自動車内装材を車体に取り付ける自動車内装材の取付構造において、上記クリップは、外面に取付孔の孔縁に係止する係止肩2を有するJ字状の基体1を備え、該基体の内面側に基体の先端3方向に伸びる弾性片4を一体に立設して、該弾性片の先端部に上記ボス部に開設された係合孔22に係合する一対の係合腕5a・5bを形成し、且つ、基体の後端部にボス部の先端に引っ掛かる引掛片6を形成して、該基体の引掛片をボス部の先端に引っ掛けながら回転させて、上記一対の係合腕をボス部の係合孔に係合することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、樹脂ガーニッシュなどの自動車内装材を車体に取り付ける取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種取付構造は、具体的には図示しないが、自動車内装材の裏面にボス部を一体に突設して、該ボス部をクリップを介して車体側に穿設された取付孔に係止することにより、自動車内装材を車体に取り付けようとするもので、これに供されるクリップは、合成樹脂の一体成形品で、U字状の基体を備え、該U字状の基体を画成する一方の側壁をストレート形状に成形して、その内面途中に上記ボス部に開設された係合孔に係合する係合爪を形成し、同他方の側壁を該一方の側壁から若干開き気味に成形して、その外面途中に上記車体の取付孔の孔縁に係止する係止肩を形成する一方、U字状の基体の内側に上記一方の側壁と共働してボス部を両側から挾持する挾持片を平行に立設して、該挾持片の一方の側壁と対向する内面先端にボス部の係合孔に係合する係合爪を同様に形成する構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そして、実際に、自動車内装材を車体に取り付ける場合には、まず、クリップのU字状基体を画成する一方の側壁と上記挾持片の間に自動車内装材のボス部を差し込むと、当該一方の側壁と挾持片に形成されている各係合爪がボス部の係合孔に両側から係合するので、この状態を得て、そのまま、クリップを車体側に穿設されている取付孔内に挿入すると、特に、U字状の基体を画成する開き気味の他方の側壁が内方へ撓みながら取付孔を通過して、外方に突出する自身の係止肩を取付孔の孔縁に弾性的に係止するので、これにより、自動車内装材が車体側に取り付けられることとなる。
【特許文献1】意匠登録第1067403号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、従来の取付構造の下では、自動車内装材を車体側にワンタッチで取り付けられる利点を有するものではあるが、反面、クリップのU字状基体を画成する一方の側壁と挾持片の間にボス部を差し込む場合には、近接して対峙する各係合爪を外側に押し広げながら強制的に差し込まなければならないので、作業に相当大きな力が要求されて大変となる嫌いがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、斯かる従来の取付構造が抱える課題を有効に解決するために開発されたもので、請求項1記載の発明は、自動車内装材の裏面にボス部を突設して、該ボス部をクリップを介して車体側に穿設された取付孔に係止することにより、自動車内装材を車体に取り付ける自動車内装材の取付構造において、上記クリップは、外面に取付孔の孔縁に係止する係止肩を有するJ字状の基体を備え、該基体の内面側に基体の先端方向に伸びる弾性片を一体に立設して、該弾性片の先端部に上記ボス部に開設された係合孔に係合する一対の係合腕を形成し、且つ、基体の後端部にボス部の先端に引っ掛かる引掛片を形成して、該基体の引掛片をボス部の先端に引っ掛けながら回転させて、上記一対の係合腕をボス部の係合孔に係合することを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1を前提として、一方の係合腕の先端縁にボス部の係合孔の孔縁に引っ掛かるロック爪を形成したことを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、自動車内装材の裏面にボス部を突設して、該ボス部をクリップを介して車体側に穿設された取付孔に係止することにより、自動車内装材を車体に取り付ける自動車内装材の取付構造において、上記クリップは、外面に取付孔の孔縁に係止する係止肩を有するJ字状の基体を備え、該基体の内面側に基体の先端方向に延びる弾性片を一体に立設して、該弾性片の先端部に上記ボス部に開設された係合孔に係合する係合腕を形成し、且つ、基体の後端縁にボス部の先端に引っ掛かるロック爪を形成して、上記係合腕をボス部の係合孔に係入しながら回転させて、該ロック爪をボス部の先端に引っ掛けることを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項3を前提として、係合腕の先端部にボス部の係合孔の孔縁に食い付く段差部を形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
依って、請求項1記載の発明にあっては、自動車内装材のボス部にクリップを装着する時には、従来の如く、ボス部で近接して対峙する両側壁の各係合爪を外方へ押し広げながら強制的に差し込まなくとも、単に、基体の引掛片をボス部の先端に引っ掛けながら、基体を回転させて、一対の係合腕をボス部の係合孔に係合するだけで装着することが可能となるので、装着作業が頗る容易となる。
【0010】
請求項2記載の発明にあっては、一対の係合腕をボス部の係合孔に係合した場合には、一方の係合腕の先端縁に形成されているロック爪がボス部の係合孔の孔縁に引っ掛かるので、クリップの基体がボス部から不用意に抜け外れる心配がない。
【0011】
請求項3記載の発明にあっては、自動車内装材のボス部にクリップを装着する時には、従来の如く、ボス部で近接して対峙する両側壁の各係合爪を外方へ押し広げながら強制的に差し込まなくとも、単に、係合腕をボス部の係合孔に係入しながら、基体を回転させて、基体のロック爪をボス部の先端に引っ掛けるだけで装着することが可能となるので、装着作業が頗る容易となる。
【0012】
請求項4記載の発明にあっては、最終的に、係合腕がボス部の係合孔に係合した場合には、係合腕の先端部に形成されている段差部がボス部の係合孔の孔縁に食い付くので、やはり、クリップの基体がボス部から不用意に抜け外れる心配がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、引掛片をボス部の先端に引っ掛けるか、或いは、係合腕をボス部の係合孔に係入しながら、基体をボス部側に回転させるだけで、一対の係合腕がボス部の係合孔に係合するか、或いは、ロック爪がボス部の先端に引っ掛かることにより、自動車内装材のボス部にクリップをスナップ嵌合的に装着せんとするものである。
【実施例1】
【0014】
以下、本発明を図示する各好適な実施例に基づいて詳述すれば、第一実施例に係る取付構造も、従来と同様に、図1に示す如く、樹脂ガーニッシュなどの自動車内装材Gの裏面にボス部Bを一体に突設して、該ボス部BをクリップCを介して車体パネルP側に穿設された取付孔Hに係止させることにより、該自動車内装材Gを車体パネルPに取り付けることを目的として開発されたものであるが、特徴とするところは、以下の構成を採用した点にある。
【0015】
そこで、まず、クリップCから説明すると、当該クリップCは、合成樹脂の一体成形品で、図2にも示す如く、従来と異なり、J字状を呈する基体1を備え、該基体1の外面中程に上記車体パネルPの取付孔Hに係止する係止肩2を形成すると共に、その内面側に基体1の拡大先端部3方向に伸びる弾性片4を一体に立設して、該弾性片4の内面側先端部に後述するボス部Bに開設された係合孔22に係合する一対の係合腕5a・5bを水平に平行する状態をもって形成し、且つ、基体1の後端部にボス部Bの先端部背面に引っ掛かる引掛片6を起立する状態をもって形成する構成となっている。
【0016】
尚、上記した一対の係合腕5a・5bに関しては、その上側のものを長寸の薄肉形状となし、下側のものを短寸の厚肉形状となして、該上下の係合腕5a・5bの間隔をボス部Bの係合孔22を画成する上下縁に弾性的に係合できる巾寸法となしているが、特に、上側の係合腕5aの先端縁に対しては、ボス部Bの係合孔22の孔縁に背面側から引っ掛かる比較的小さなロック爪7を形成するものとする。図中、8は、基体1の内面下部から底面にかけて突設された誤装着防止用の傾斜壁である。
【0017】
又、自動車内装材Gのボス部Bは、板状を呈して、その両側縁に上記J字状の基体1が装着される側にのみ伸びる巾広なガイド壁21を有するもので、該各ガイド壁21の間にクリップCの基体1を装着するものであるが、その中央部に上記一対の係合腕5a・5bを係合する係合孔22を開設すると共に、下端縁に上記した誤装着防止用の傾斜壁8と相似するテーパー面部23を形成する構成となっている。尚、上記係合孔22の下側内面に対しては、基体1が装着される側に向かって下り傾斜する斜面24を積極的に付与するものとする。
【0018】
依って、斯かる第一実施例の取付構造の下で、実際に、自動車内装材Gを車体パネルPに取り付ける場合には、まず、上記した傾斜壁8とテーパー面部23とを方向的に一致させながら、図3に示す如く、クリップCの基体1の後端部に形成されている引掛片6をボス部Bの先端部背面に引っ掛けながら、基体1自体の上部をボス部B側に回転すると、図4に示す如く、上記一対の係合腕5a・5bがボス部Bの係合孔22に係合するので、これにより、クリップCが自動車内装材Gのボス部Bにスナップ嵌合的に装着される。
【0019】
従って、第一実施例にあって、自動車内装材Gのボス部BにクリップCを装着する時には、従来の如く、ボス部Bで近接して対峙する両側壁の各係合爪を外方へ押し広げながら強制的に差し込まなくとも良いので、装着作業が頗る容易となると共に、斯かる装着状態の下では、図示する如く、上側の係合腕5aに形成されたロック爪7がボス部Bの係合孔22の孔縁に背面側からしっかりと引っ掛かることとなるので、クリップC自体がボス部Bから誤って抜け外れることもない。
【0020】
又、一対の係合腕5a・5bをボス部Bの係合孔22に係合する場合には、既述した如く、係合孔22の下側内面には基体1が装着される側に向かって下り傾斜する斜面24が付与されているので、特に、下側の係合腕5bを係合孔22内に差し込む時には、スムーズに係入されることとなる。
【0021】
そこで、後は、斯かる装着状態のまま、クリップCを車体パネルPの取付孔H内に挿入すれば、図5に示す如く、該クリップCのJ字状を呈する基体1が内方へ撓みながら通過して、その外面に形成された係止肩2を取付孔Hの孔縁に弾性的に係止するので、これにより、自動車内装材Gが車体パネルP側にワンタッチで取り付けられることとなる。
【実施例2】
【0022】
次に、第二実施例に係る取付構造を説明すると、該第二実施例のものは、基本的には、上記した第一実施例をそのまま踏襲するものであるが、異なるところは、図6・図7に示す如く、弾性片4の先端部に形成される一対の係合腕5a・5bの内、その上側のものを短寸の厚肉形状となし、下側のものを長寸の薄肉形状となして、該下側の係合腕5bの先端縁にロック爪7を形成する構成となした点にある。
【0023】
依って、この第二実施例の取付構造の下でも、クリップCをボス部Bに装着する場合には、同様に、傾斜壁8とテーパー面部23とを方向的に一致させながら、図6に示す如く、クリップCの基体1の後端部に形成されている引掛片6をボス部Bの先端部背面に引っ掛けながら、基体1自体の上部をボス部B側に回転するだけで、図7に示す如く、上記一対の係合腕5a・5bがボス部Bの係合孔22に係合するので、これにより、クリップCが自動車内装材Gのボス部Bにスナップ嵌合的に装着されることとなる。
【0024】
従って、第二実施例にあっても、自動車内装材Gのボス部BにクリップCを装着する時には、従来の如く、ボス部Bで近接して対峙する両側壁の各係合爪を外方へ押し広げながら強制的に差し込まなくとも良いので、装着作業が頗る容易となると共に、斯かる装着状態の下では、図示する如く、今度は、下側の係合腕5bに形成されたロック爪7がボス部Bの係合孔22の孔縁に背面側からしっかりと引っ掛かることとなるので、クリップC自体がボス部Bから誤って抜け外れることもない。尚、その他の構成・作用効果に関しては、全て、上記第一実施例と同様であるので、ここでは、その説明を省略する。
【実施例3】
【0025】
更に、第三実施例に係る取付構造を説明すると、該第三実施例のものも、基本的には、上記した第一実施例を踏襲するものであるが、異なるところは、図8・図9に示す如く、クリップCの基体1の内面側に立設される弾性片4の先端部に斜め上方に伸びる1本の係合腕9を形成して、該係合腕9の先端部内面にボス部Bの係合孔22の孔縁に食い付く段差部10を形成する一方、基体1の下端縁にボス部Bの先端縁背面に引っ掛かる比較的小さなロック爪11を形成する構成となした点にある。尚、この場合には、傾斜壁8は設けないものとする。
【0026】
依って、この第三実施例の取付構造の下で、クリップCをボス部Bに装着する場合には、今までとは逆に、図10に示す如く、まず、先に、上記1本の係合腕9をボス部Bの係合孔22に係入しながら、基体1自体の下部をボス部B側に回転すると、図11に示す如く、上記ロック爪11がボス部Bの先端縁背面に自動的に引っ掛かるので、これにより、クリップCが自動車内装材Gのボス部Bにスナップ嵌合的に装着されることとなる。
【0027】
従って、第三実施例にあっても、自動車内装材Gのボス部BにクリップCを装着する時には、従来の如く、ボス部Bで近接して対峙する両側壁の各係合爪を外方へ押し広げながら強制的に差し込まなくとも良いので、装着作業が頗る容易となると共に、斯かる装着状態の下では、図示する如く、最終的には、係合腕9の段差部10がボス部Bの係合孔22の孔縁に強固に食い付くこととなるので、クリップC自体がボス部Bから誤って抜け外れることもない。尚、第三実施例の場合も、その他の構成・作用効果に関しては、全て、上記した第一実施例と同様であるので、ここでは、その説明を省略する。
【実施例4】
【0028】
最後に、第四実施例に係る取付構造を説明すると、該第四実施例のものは、上記した第三実施例をそのまま踏襲するものであるが、異なるところは、図12・図13に示す如く、上記1本の係合腕9の下面からボス部Bの係合孔22の孔縁に引っ掛かるロック腕12を一体に延設する構成となした点にある。
【0029】
依って、この第四実施例の取付構造の下でも、クリップCをボス部Bに装着する場合には、図12に示す如く、まず、先に、上記1本の係合腕9をロック腕12を伴ってボス部Bの係合孔22に係入しながら、基体1自体の下部をボス部B側に回転すると、図13に示す如く、上記ロック爪11がボス部Bの先端縁背面に自動的に引っ掛かるので、これにより、クリップCが自動車内装材Gのボス部Bにスナップ嵌合的に装着されることとなる。
【0030】
従って、第四実施例にあっても、自動車内装材Gのボス部BにクリップCを装着する時には、従来の如く、ボス部Bで近接して対峙する両側壁の各係合爪を外方へ押し広げながら強制的に差し込まなくとも良いので、装着作業が頗る容易となると共に、斯かる装着状態の下では、図示する如く、係合腕9の段差部10の食い付きに加えて、ロック腕12がボス部Bの係合孔22の孔縁に背面側からしっかりと引っ掛かることとなるので、クリップC自体がボス部Bから誤って抜け外れることを一層効果的に防止できる。尚、第四実施例の場合も、その他の構成・作用効果に関しては、全て、上記した第一実施例と同様であるので、ここでは、その説明を省略する。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明に係る取付構造は、自動車内装材のボス部にクリップを小さな力で簡単に装着できるので、自動車の樹脂ガーニッシュなどを車体に取り付ける場合には、頗る好都合なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第一実施例に係る取付構造を示す要部分解斜視図である。
【図2】第一実施例に係る取付構造に供されるクリップを示す縦断面図である。
【図3】同クリップの引掛片をボス部の先端部背面に引っ掛けた状態を示す要部断面図である。
【図4】同クリップをボス部に装着した状態を示す要部断面図である。
【図5】自動車内装材を車体パネルに取り付けた状態を示す要部断面図である。
【図6】第二実施例に係る取付構造に供されるクリップの引掛片をボス部の先端部背面に引っ掛けた状態で示す要部断面図である。
【図7】同クリップをボス部に装着した状態を示す要部断面図である。
【図8】第三実施例に係る取付構造に供されるクリップを示す斜視図である。
【図9】同クリップを示す縦断面図である。
【図10】同クリップの係合腕をボス部の係合孔に係入した状態で示す要部断面図である。
【図11】同クリップをボス部に装着した状態を示す要部断面図である。
【図12】第四実施例に係る取付構造に供されるクリップの係合腕をボス部の係合孔に係入した状態で示す要部断面図である。
【図13】同クリップをボス部に装着した状態を示す要部断面図である。
【符号の説明】
【0033】
G 自動車内装材
B ボス部
C クリップ
P 車体パネル(車体)
H 取付孔
1 基体
2 係止肩
3 拡大先端部
4 弾性片
5a 上側の係合腕
5b 下側の係合腕
6 引掛片
7 ロック爪
8 傾斜壁
9 係合腕
10 段差部
11 ロック爪
12 ロック腕
21 ガイド壁
22 係合孔
23 テーパー面部
24 斜面
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、樹脂ガーニッシュなどの自動車内装材を車体に取り付ける取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種取付構造は、具体的には図示しないが、自動車内装材の裏面にボス部を一体に突設して、該ボス部をクリップを介して車体側に穿設された取付孔に係止することにより、自動車内装材を車体に取り付けようとするもので、これに供されるクリップは、合成樹脂の一体成形品で、U字状の基体を備え、該U字状の基体を画成する一方の側壁をストレート形状に成形して、その内面途中に上記ボス部に開設された係合孔に係合する係合爪を形成し、同他方の側壁を該一方の側壁から若干開き気味に成形して、その外面途中に上記車体の取付孔の孔縁に係止する係止肩を形成する一方、U字状の基体の内側に上記一方の側壁と共働してボス部を両側から挾持する挾持片を平行に立設して、該挾持片の一方の側壁と対向する内面先端にボス部の係合孔に係合する係合爪を同様に形成する構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そして、実際に、自動車内装材を車体に取り付ける場合には、まず、クリップのU字状基体を画成する一方の側壁と上記挾持片の間に自動車内装材のボス部を差し込むと、当該一方の側壁と挾持片に形成されている各係合爪がボス部の係合孔に両側から係合するので、この状態を得て、そのまま、クリップを車体側に穿設されている取付孔内に挿入すると、特に、U字状の基体を画成する開き気味の他方の側壁が内方へ撓みながら取付孔を通過して、外方に突出する自身の係止肩を取付孔の孔縁に弾性的に係止するので、これにより、自動車内装材が車体側に取り付けられることとなる。
【特許文献1】意匠登録第1067403号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、従来の取付構造の下では、自動車内装材を車体側にワンタッチで取り付けられる利点を有するものではあるが、反面、クリップのU字状基体を画成する一方の側壁と挾持片の間にボス部を差し込む場合には、近接して対峙する各係合爪を外側に押し広げながら強制的に差し込まなければならないので、作業に相当大きな力が要求されて大変となる嫌いがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、斯かる従来の取付構造が抱える課題を有効に解決するために開発されたもので、請求項1記載の発明は、自動車内装材の裏面にボス部を突設して、該ボス部をクリップを介して車体側に穿設された取付孔に係止することにより、自動車内装材を車体に取り付ける自動車内装材の取付構造において、上記クリップは、外面に取付孔の孔縁に係止する係止肩を有するJ字状の基体を備え、該基体の内面側に基体の先端方向に伸びる弾性片を一体に立設して、該弾性片の先端部に上記ボス部に開設された係合孔に係合する一対の係合腕を形成し、且つ、基体の後端部にボス部の先端に引っ掛かる引掛片を形成して、該基体の引掛片をボス部の先端に引っ掛けながら回転させて、上記一対の係合腕をボス部の係合孔に係合することを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1を前提として、一方の係合腕の先端縁にボス部の係合孔の孔縁に引っ掛かるロック爪を形成したことを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、自動車内装材の裏面にボス部を突設して、該ボス部をクリップを介して車体側に穿設された取付孔に係止することにより、自動車内装材を車体に取り付ける自動車内装材の取付構造において、上記クリップは、外面に取付孔の孔縁に係止する係止肩を有するJ字状の基体を備え、該基体の内面側に基体の先端方向に延びる弾性片を一体に立設して、該弾性片の先端部に上記ボス部に開設された係合孔に係合する係合腕を形成し、且つ、基体の後端縁にボス部の先端に引っ掛かるロック爪を形成して、上記係合腕をボス部の係合孔に係入しながら回転させて、該ロック爪をボス部の先端に引っ掛けることを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項3を前提として、係合腕の先端部にボス部の係合孔の孔縁に食い付く段差部を形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
依って、請求項1記載の発明にあっては、自動車内装材のボス部にクリップを装着する時には、従来の如く、ボス部で近接して対峙する両側壁の各係合爪を外方へ押し広げながら強制的に差し込まなくとも、単に、基体の引掛片をボス部の先端に引っ掛けながら、基体を回転させて、一対の係合腕をボス部の係合孔に係合するだけで装着することが可能となるので、装着作業が頗る容易となる。
【0010】
請求項2記載の発明にあっては、一対の係合腕をボス部の係合孔に係合した場合には、一方の係合腕の先端縁に形成されているロック爪がボス部の係合孔の孔縁に引っ掛かるので、クリップの基体がボス部から不用意に抜け外れる心配がない。
【0011】
請求項3記載の発明にあっては、自動車内装材のボス部にクリップを装着する時には、従来の如く、ボス部で近接して対峙する両側壁の各係合爪を外方へ押し広げながら強制的に差し込まなくとも、単に、係合腕をボス部の係合孔に係入しながら、基体を回転させて、基体のロック爪をボス部の先端に引っ掛けるだけで装着することが可能となるので、装着作業が頗る容易となる。
【0012】
請求項4記載の発明にあっては、最終的に、係合腕がボス部の係合孔に係合した場合には、係合腕の先端部に形成されている段差部がボス部の係合孔の孔縁に食い付くので、やはり、クリップの基体がボス部から不用意に抜け外れる心配がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、引掛片をボス部の先端に引っ掛けるか、或いは、係合腕をボス部の係合孔に係入しながら、基体をボス部側に回転させるだけで、一対の係合腕がボス部の係合孔に係合するか、或いは、ロック爪がボス部の先端に引っ掛かることにより、自動車内装材のボス部にクリップをスナップ嵌合的に装着せんとするものである。
【実施例1】
【0014】
以下、本発明を図示する各好適な実施例に基づいて詳述すれば、第一実施例に係る取付構造も、従来と同様に、図1に示す如く、樹脂ガーニッシュなどの自動車内装材Gの裏面にボス部Bを一体に突設して、該ボス部BをクリップCを介して車体パネルP側に穿設された取付孔Hに係止させることにより、該自動車内装材Gを車体パネルPに取り付けることを目的として開発されたものであるが、特徴とするところは、以下の構成を採用した点にある。
【0015】
そこで、まず、クリップCから説明すると、当該クリップCは、合成樹脂の一体成形品で、図2にも示す如く、従来と異なり、J字状を呈する基体1を備え、該基体1の外面中程に上記車体パネルPの取付孔Hに係止する係止肩2を形成すると共に、その内面側に基体1の拡大先端部3方向に伸びる弾性片4を一体に立設して、該弾性片4の内面側先端部に後述するボス部Bに開設された係合孔22に係合する一対の係合腕5a・5bを水平に平行する状態をもって形成し、且つ、基体1の後端部にボス部Bの先端部背面に引っ掛かる引掛片6を起立する状態をもって形成する構成となっている。
【0016】
尚、上記した一対の係合腕5a・5bに関しては、その上側のものを長寸の薄肉形状となし、下側のものを短寸の厚肉形状となして、該上下の係合腕5a・5bの間隔をボス部Bの係合孔22を画成する上下縁に弾性的に係合できる巾寸法となしているが、特に、上側の係合腕5aの先端縁に対しては、ボス部Bの係合孔22の孔縁に背面側から引っ掛かる比較的小さなロック爪7を形成するものとする。図中、8は、基体1の内面下部から底面にかけて突設された誤装着防止用の傾斜壁である。
【0017】
又、自動車内装材Gのボス部Bは、板状を呈して、その両側縁に上記J字状の基体1が装着される側にのみ伸びる巾広なガイド壁21を有するもので、該各ガイド壁21の間にクリップCの基体1を装着するものであるが、その中央部に上記一対の係合腕5a・5bを係合する係合孔22を開設すると共に、下端縁に上記した誤装着防止用の傾斜壁8と相似するテーパー面部23を形成する構成となっている。尚、上記係合孔22の下側内面に対しては、基体1が装着される側に向かって下り傾斜する斜面24を積極的に付与するものとする。
【0018】
依って、斯かる第一実施例の取付構造の下で、実際に、自動車内装材Gを車体パネルPに取り付ける場合には、まず、上記した傾斜壁8とテーパー面部23とを方向的に一致させながら、図3に示す如く、クリップCの基体1の後端部に形成されている引掛片6をボス部Bの先端部背面に引っ掛けながら、基体1自体の上部をボス部B側に回転すると、図4に示す如く、上記一対の係合腕5a・5bがボス部Bの係合孔22に係合するので、これにより、クリップCが自動車内装材Gのボス部Bにスナップ嵌合的に装着される。
【0019】
従って、第一実施例にあって、自動車内装材Gのボス部BにクリップCを装着する時には、従来の如く、ボス部Bで近接して対峙する両側壁の各係合爪を外方へ押し広げながら強制的に差し込まなくとも良いので、装着作業が頗る容易となると共に、斯かる装着状態の下では、図示する如く、上側の係合腕5aに形成されたロック爪7がボス部Bの係合孔22の孔縁に背面側からしっかりと引っ掛かることとなるので、クリップC自体がボス部Bから誤って抜け外れることもない。
【0020】
又、一対の係合腕5a・5bをボス部Bの係合孔22に係合する場合には、既述した如く、係合孔22の下側内面には基体1が装着される側に向かって下り傾斜する斜面24が付与されているので、特に、下側の係合腕5bを係合孔22内に差し込む時には、スムーズに係入されることとなる。
【0021】
そこで、後は、斯かる装着状態のまま、クリップCを車体パネルPの取付孔H内に挿入すれば、図5に示す如く、該クリップCのJ字状を呈する基体1が内方へ撓みながら通過して、その外面に形成された係止肩2を取付孔Hの孔縁に弾性的に係止するので、これにより、自動車内装材Gが車体パネルP側にワンタッチで取り付けられることとなる。
【実施例2】
【0022】
次に、第二実施例に係る取付構造を説明すると、該第二実施例のものは、基本的には、上記した第一実施例をそのまま踏襲するものであるが、異なるところは、図6・図7に示す如く、弾性片4の先端部に形成される一対の係合腕5a・5bの内、その上側のものを短寸の厚肉形状となし、下側のものを長寸の薄肉形状となして、該下側の係合腕5bの先端縁にロック爪7を形成する構成となした点にある。
【0023】
依って、この第二実施例の取付構造の下でも、クリップCをボス部Bに装着する場合には、同様に、傾斜壁8とテーパー面部23とを方向的に一致させながら、図6に示す如く、クリップCの基体1の後端部に形成されている引掛片6をボス部Bの先端部背面に引っ掛けながら、基体1自体の上部をボス部B側に回転するだけで、図7に示す如く、上記一対の係合腕5a・5bがボス部Bの係合孔22に係合するので、これにより、クリップCが自動車内装材Gのボス部Bにスナップ嵌合的に装着されることとなる。
【0024】
従って、第二実施例にあっても、自動車内装材Gのボス部BにクリップCを装着する時には、従来の如く、ボス部Bで近接して対峙する両側壁の各係合爪を外方へ押し広げながら強制的に差し込まなくとも良いので、装着作業が頗る容易となると共に、斯かる装着状態の下では、図示する如く、今度は、下側の係合腕5bに形成されたロック爪7がボス部Bの係合孔22の孔縁に背面側からしっかりと引っ掛かることとなるので、クリップC自体がボス部Bから誤って抜け外れることもない。尚、その他の構成・作用効果に関しては、全て、上記第一実施例と同様であるので、ここでは、その説明を省略する。
【実施例3】
【0025】
更に、第三実施例に係る取付構造を説明すると、該第三実施例のものも、基本的には、上記した第一実施例を踏襲するものであるが、異なるところは、図8・図9に示す如く、クリップCの基体1の内面側に立設される弾性片4の先端部に斜め上方に伸びる1本の係合腕9を形成して、該係合腕9の先端部内面にボス部Bの係合孔22の孔縁に食い付く段差部10を形成する一方、基体1の下端縁にボス部Bの先端縁背面に引っ掛かる比較的小さなロック爪11を形成する構成となした点にある。尚、この場合には、傾斜壁8は設けないものとする。
【0026】
依って、この第三実施例の取付構造の下で、クリップCをボス部Bに装着する場合には、今までとは逆に、図10に示す如く、まず、先に、上記1本の係合腕9をボス部Bの係合孔22に係入しながら、基体1自体の下部をボス部B側に回転すると、図11に示す如く、上記ロック爪11がボス部Bの先端縁背面に自動的に引っ掛かるので、これにより、クリップCが自動車内装材Gのボス部Bにスナップ嵌合的に装着されることとなる。
【0027】
従って、第三実施例にあっても、自動車内装材Gのボス部BにクリップCを装着する時には、従来の如く、ボス部Bで近接して対峙する両側壁の各係合爪を外方へ押し広げながら強制的に差し込まなくとも良いので、装着作業が頗る容易となると共に、斯かる装着状態の下では、図示する如く、最終的には、係合腕9の段差部10がボス部Bの係合孔22の孔縁に強固に食い付くこととなるので、クリップC自体がボス部Bから誤って抜け外れることもない。尚、第三実施例の場合も、その他の構成・作用効果に関しては、全て、上記した第一実施例と同様であるので、ここでは、その説明を省略する。
【実施例4】
【0028】
最後に、第四実施例に係る取付構造を説明すると、該第四実施例のものは、上記した第三実施例をそのまま踏襲するものであるが、異なるところは、図12・図13に示す如く、上記1本の係合腕9の下面からボス部Bの係合孔22の孔縁に引っ掛かるロック腕12を一体に延設する構成となした点にある。
【0029】
依って、この第四実施例の取付構造の下でも、クリップCをボス部Bに装着する場合には、図12に示す如く、まず、先に、上記1本の係合腕9をロック腕12を伴ってボス部Bの係合孔22に係入しながら、基体1自体の下部をボス部B側に回転すると、図13に示す如く、上記ロック爪11がボス部Bの先端縁背面に自動的に引っ掛かるので、これにより、クリップCが自動車内装材Gのボス部Bにスナップ嵌合的に装着されることとなる。
【0030】
従って、第四実施例にあっても、自動車内装材Gのボス部BにクリップCを装着する時には、従来の如く、ボス部Bで近接して対峙する両側壁の各係合爪を外方へ押し広げながら強制的に差し込まなくとも良いので、装着作業が頗る容易となると共に、斯かる装着状態の下では、図示する如く、係合腕9の段差部10の食い付きに加えて、ロック腕12がボス部Bの係合孔22の孔縁に背面側からしっかりと引っ掛かることとなるので、クリップC自体がボス部Bから誤って抜け外れることを一層効果的に防止できる。尚、第四実施例の場合も、その他の構成・作用効果に関しては、全て、上記した第一実施例と同様であるので、ここでは、その説明を省略する。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明に係る取付構造は、自動車内装材のボス部にクリップを小さな力で簡単に装着できるので、自動車の樹脂ガーニッシュなどを車体に取り付ける場合には、頗る好都合なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第一実施例に係る取付構造を示す要部分解斜視図である。
【図2】第一実施例に係る取付構造に供されるクリップを示す縦断面図である。
【図3】同クリップの引掛片をボス部の先端部背面に引っ掛けた状態を示す要部断面図である。
【図4】同クリップをボス部に装着した状態を示す要部断面図である。
【図5】自動車内装材を車体パネルに取り付けた状態を示す要部断面図である。
【図6】第二実施例に係る取付構造に供されるクリップの引掛片をボス部の先端部背面に引っ掛けた状態で示す要部断面図である。
【図7】同クリップをボス部に装着した状態を示す要部断面図である。
【図8】第三実施例に係る取付構造に供されるクリップを示す斜視図である。
【図9】同クリップを示す縦断面図である。
【図10】同クリップの係合腕をボス部の係合孔に係入した状態で示す要部断面図である。
【図11】同クリップをボス部に装着した状態を示す要部断面図である。
【図12】第四実施例に係る取付構造に供されるクリップの係合腕をボス部の係合孔に係入した状態で示す要部断面図である。
【図13】同クリップをボス部に装着した状態を示す要部断面図である。
【符号の説明】
【0033】
G 自動車内装材
B ボス部
C クリップ
P 車体パネル(車体)
H 取付孔
1 基体
2 係止肩
3 拡大先端部
4 弾性片
5a 上側の係合腕
5b 下側の係合腕
6 引掛片
7 ロック爪
8 傾斜壁
9 係合腕
10 段差部
11 ロック爪
12 ロック腕
21 ガイド壁
22 係合孔
23 テーパー面部
24 斜面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車内装材の裏面にボス部を突設して、該ボス部をクリップを介して車体側に穿設された取付孔に係止することにより、自動車内装材を車体に取り付ける自動車内装材の取付構造において、上記クリップは、外面に取付孔の孔縁に係止する係止肩を有するJ字状の基体を備え、該基体の内面側に基体の先端方向に伸びる弾性片を一体に立設して、該弾性片の先端部に上記ボス部に開設された係合孔に係合する一対の係合腕を形成し、且つ、基体の後端部にボス部の先端に引っ掛かる引掛片を形成して、該基体の引掛片をボス部の先端に引っ掛けながら回転させて、上記一対の係合腕をボス部の係合孔に係合することを特徴とする自動車内装材の取付構造。
【請求項2】
一方の係合腕の先端縁にボス部の係合孔の孔縁に引っ掛かるロック爪を形成したことを特徴とする請求項1記載の自動車内装材の取付構造。
【請求項3】
自動車内装材の裏面にボス部を突設して、該ボス部をクリップを介して車体側に穿設された取付孔に係止することにより、自動車内装材を車体に取り付ける自動車内装材の取付構造において、上記クリップは、外面に取付孔の孔縁に係止する係止肩を有するJ字状の基体を備え、該基体の内面側に基体の先端方向に延びる弾性片を一体に立設して、該弾性片の先端部に上記ボス部に開設された係合孔に係合する係合腕を形成し、且つ、基体の後端縁にボス部の先端に引っ掛かるロック爪を形成して、上記係合腕をボス部の係合孔に係入しながら回転させて、該ロック爪をボス部の先端に引っ掛けることを特徴とする自動車内装材の取付構造。
【請求項4】
係合腕の先端部にボス部の係合孔の孔縁に食い付く段差部を形成したことを特徴とする請求項3記載の自動車内装材の取付構造。
【請求項1】
自動車内装材の裏面にボス部を突設して、該ボス部をクリップを介して車体側に穿設された取付孔に係止することにより、自動車内装材を車体に取り付ける自動車内装材の取付構造において、上記クリップは、外面に取付孔の孔縁に係止する係止肩を有するJ字状の基体を備え、該基体の内面側に基体の先端方向に伸びる弾性片を一体に立設して、該弾性片の先端部に上記ボス部に開設された係合孔に係合する一対の係合腕を形成し、且つ、基体の後端部にボス部の先端に引っ掛かる引掛片を形成して、該基体の引掛片をボス部の先端に引っ掛けながら回転させて、上記一対の係合腕をボス部の係合孔に係合することを特徴とする自動車内装材の取付構造。
【請求項2】
一方の係合腕の先端縁にボス部の係合孔の孔縁に引っ掛かるロック爪を形成したことを特徴とする請求項1記載の自動車内装材の取付構造。
【請求項3】
自動車内装材の裏面にボス部を突設して、該ボス部をクリップを介して車体側に穿設された取付孔に係止することにより、自動車内装材を車体に取り付ける自動車内装材の取付構造において、上記クリップは、外面に取付孔の孔縁に係止する係止肩を有するJ字状の基体を備え、該基体の内面側に基体の先端方向に延びる弾性片を一体に立設して、該弾性片の先端部に上記ボス部に開設された係合孔に係合する係合腕を形成し、且つ、基体の後端縁にボス部の先端に引っ掛かるロック爪を形成して、上記係合腕をボス部の係合孔に係入しながら回転させて、該ロック爪をボス部の先端に引っ掛けることを特徴とする自動車内装材の取付構造。
【請求項4】
係合腕の先端部にボス部の係合孔の孔縁に食い付く段差部を形成したことを特徴とする請求項3記載の自動車内装材の取付構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−132592(P2006−132592A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−319806(P2004−319806)
【出願日】平成16年11月2日(2004.11.2)
【出願人】(000124096)株式会社パイオラックス (331)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月2日(2004.11.2)
【出願人】(000124096)株式会社パイオラックス (331)
【Fターム(参考)】
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