説明

自動車後部における重要保安部品の設置構造

【課題】車両後部に重要保安部品を設置可能とする。
【解決手段】自動車の後部にバッテリ3の設置領域が設定されている。バッテリ3の前面位置には設置領域の前壁を成すリアクロスメンバ51と前壁パネル52とが設けられ、後面位置には後壁を成すロアバックパネル6が設けられている。バッテリ3の上方位置には上部補強部材32がリアクロスメンバ51とロアバックパネル6とを架け渡すよう配設されており、ロアバックパネル6が後方から受けた荷重を前方のリアクロスメンバ51へ伝達分散する。ロアバックパネル6の後方にはリアバンパ補強部材8が設けられ、ロアバックパネル6の後面には、リアバンパ補強部材8が後方から受けた荷重を上部補強部材32に効率よく伝達する荷重伝達部材163が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車後部において、バッテリ等の重要保安部品を設置する設置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
駆動源として電動機を用いるハイブリッド自動車において、車両後部にバッテリを設置するものが従来知られている。例えば下記特許文献1には、車両後部のフロアパネルの掘り込み空間にバッテリを設置する構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−254850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、車両後部は後面衝突を受けた場合(以下、後突時という)の変形領域であり、例えばバッテリのように特に損傷から保護すべき部品(重要保安部品)は従来の構造ではこのような場所に設置できないという問題があった。
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、車両後部に重要保安部品を設置可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る自動車後部における重要保安部品の設置構造は次の手段をとる。
本発明の第1の発明に係る自動車後部における重要保安部品の設置構造は、自動車後部において重要保安部品の設置領域が設定されており、前記重要保安部品の下方位置において該重要保安部品を一体的状態に載置固定する支持部材が配設されており、前記重要保安部品の車両前後方向の前面位置には前記設置領域の前壁が前記支持部材の前端部位置に配設され、前記重要保安部品の車両前後方向の後面位置には前記設置領域の後壁が前記支持部材の後端部位置に配設され、前記重要保安部品の上方位置において該後壁と前記前壁との間に上部強度部材が架け渡されて配設されていることを特徴とする。
この構成によれば、後突時に車両後方から後壁に入力された荷重を上部強度部材が前壁に伝達することにより前方へ分散する。これにより後壁の前方移動が抑制され、重要保安部品の設置領域の圧縮変形が抑制される。したがって、後突時の安全性能を確保しつつ車両後部に重要保安部品を設置することが可能である。
【0007】
本発明の第2の発明に係る自動車後部における重要保安部品の設置構造は、第1の発明に係る自動車後部における重要保安部品の設置構造であって、前記後壁の後方位置にリアバンパ補強部材が車両幅方向に配設されており、前記後壁の前記上部強度部材が架け渡された箇所と前記リアバンパ補強部材との間には、前記リアバンパ補強部材が車両後方から受けた荷重を前記上部強度部材に伝達する荷重伝達部材が配設されていることを特徴とする。
この構成によれば、後突時に車両後方から入力された荷重を上部強度部材に効率的に伝達することができる。
【0008】
本発明の第3の発明に係る自動車後部における重要保安部品の設置構造は、第1又は第2の発明に係る自動車後部における重要保安部品の設置構造であって、自動車の後輪を支持するリアサスペンションメンバが車両幅方向に配設されており、前記設置領域は該リアサスペンションメンバの車両前後方向の後方位置に設定されており、前記前壁と前記リアサスペンションメンバとは車両前後方向で見て離間した配置状態にあって該両者の間に空間部が形成されており、該空間部の一部又は全部を詰める介装部材が配設されていることを特徴とする。
この構成によれば、後突時に車両後方から前壁に荷重が伝達入力されて前壁が前方に空走しようとする場合でも、介装部材の存在によりこの空走が抑制される。これにより、重要保安部品の設置領域の前方への変形を抑制することができる。
【0009】
本発明の第4の発明に係る自動車後部における重要保安部品の設置構造は、第3の発明に係る自動車後部における重要保安部品の設置構造であって、前記重要保安部品の下方位置に配設された支持部材は車両前後方向に延びる下部強度部材であり、前記介装部材は前記リアサスペンションメンバに取り付けられた別体形成の部材であり、前記支持部材の前端部と前記介装部材の後端部とは車両前後方向で対向して配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、後突時に車両後方から入力された荷重を下部強度部材が後壁側から前壁側に伝達することにより前方へ分散する。これにより後壁の前方移動を抑制し、重要保安部品の設置領域の圧縮変形を抑制することができる。
【0010】
本発明の第5の発明に係る自動車後部における重要保安部品の設置構造は、第1から第4までのいずれかの発明に係る自動車後部における重要保安部品の設置構造であって、前記重要保安部品はその上面において前記上部強度部材と連結具により連結されて支持されていることを特徴とする。
この構成によれば、本発明を構成するにあたり、設置構造の重量増を抑えることができる。
【0011】
本発明の第6の発明に係る自動車後部における重要保安部品の設置構造は、第5の発明に係る自動車後部における重要保安部品の設置構造であって、前記連結具は棒状に形成され、その一端及び他端にそれぞれ第1及び第2のねじ部を有し、該第1及び第2のねじ部は互いに巻き方向が逆でかつ同軸に形成され、該第1及び第2のねじ部の間には該第2のねじ部よりも径の大きい六角柱形状を有する鍔部が形成されており、前記第1のねじ部は前記重要保安部品の上面に螺合し、前記第2のねじ部には締結ナットが螺合し、前記上部強度部材が該締結ナットと前記鍔部とにより挟持されて締結されていることにより前記重要保安部品の上面と前記上部強度部材との前記連結がなされることを特徴とする。
この構成によれば、重要保安部品の上面と上部強度部材とを連結するにあたり、重要保安部品と上部強度部材との間隔のばらつきを吸収可能である。
【0012】
本発明の第7の発明に係る自動車後部における重要保安部品の設置構造は、第1から第6までのいずれかの発明に係る自動車後部における重要保安部品の設置構造であって、前記重要保安部品の車両幅方向の左右両側位置に前記設置領域の左右各側壁が配設されており、該左右各側壁と前記前壁との間に筋交い部材がそれぞれ架け渡されて配設されていることを特徴とする自動車後部における重要保安部品の設置構造。
この構成によれば、後突時に後方から前壁に入力された荷重を筋交い部材が左右の側壁に伝達することにより前方へ分散することができる。これにより、重要保安部品の設置領域の前方への変形を抑制することができる。
【発明の効果】
【0013】
第1の発明によれば、後突時に車両後方から入力された荷重を前方へ分散し、重要保安部品の設置領域の変形を抑制することにより、後突時の安全性能を確保しつつ車両後部に重要保安部品を設置することが可能である。
第2の発明によれば、後突時の重要保安部品の設置領域の圧縮変形を抑制することができる。
第3の発明によれば、後突時の重要保安部品の設置領域の前方への変形を抑制することができる。
第4の発明によれば、後突時の重要保安部品の設置領域の圧縮変形を更に抑制することができる。
第5の発明によれば、本発明を構成するにあたり、設置構造の重量増を抑えることができる。
第6の発明によれば、重要保安部品の上面と上部強度部材とを連結するにあたり、重要保安部品と上部強度部材との間隔のばらつきを吸収可能である。
第7の発明によれば、重要保安部品の設置領域の前方への変形を更に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施形態に係るバッテリ設置構造を示す斜視図である。
【図2】図1のバッテリ設置構造をII−II線で切断して示す断面図である。
【図3】連結ボルトを示す斜視図である。
【図4】連結ボルトを示す断面図である。
【図5】第2の実施形態に係るバッテリ設置構造を示す斜視図である。
【図6】図5のバッテリ設置構造を示す平面図である。
【図7】図5のバッテリ設置構造を図6のVII−VII線で切断して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を説明する。
図1には、電動機を駆動源として用いるハイブリッド電気自動車において、車両後部のラゲージ空間下に設けられたバッテリ3を設置するための構造(バッテリ設置構造1)が示されている。設置されるバッテリ3は、電動機の電源となる電池セルを複数内蔵したものである。
【0016】
車両下部の骨格を構成する中空の閉断面構造を有する強度部材として、リアサイドメンバ4,4とリアクロスメンバ51とを備えている。
リアサイドメンバ4,4は、車両の左右両側に配設された、車両前後方向に延びる部材である。各リアサイドメンバ4,4は、前側と後側の2部材から構成されており、前部部材41,41の後端部41a,41aと後部部材42,42の前端部42a,42aとがスポット溶接により連結接続されて構成されている。
リアクロスメンバ51は、左右のリアサイドメンバ4,4を架け渡すようにして配設された車両幅方向に延びる部材であり、その中間部は前方に湾曲している。リアクロスメンバ51は、左右の両端51a,51aが、リアサイドメンバ4,4の前部部材の後端部41a,41aに対しスポット溶接により固定されている。
また、この溶接箇所を補強するための筋交いブレース53が設けられている。筋交いブレース53はパイプ状に形成された金属製の強度部材であり、リアクロスメンバ51とリアサイドメンバ4,4(の後部部材42,42)の上面を斜めに架け渡すように、一端部53a,53aが左右のリアサイドメンバ4,4の後部部材42,42に、他端部53b,53bがリアクロスメンバ51にそれぞれ固定されている。筋交いブレース53が斜めに架け渡されることで、筋交いブレース53,53、リアサイドメンバ4,4、リアクロスメンバ51の3部材は上面視において三角形を構成する位置関係をなしている。これにより、車両が後面衝突を受けたとき(以下、後突時という)にリアクロスメンバ51に後方から荷重が入力されても、リアサイドメンバ4,4に対する溶接が破断することが防止される。
なお後述するが、リアサイドメンバ4,4とリアクロスメンバ51との接続箇所の下部には、後輪を支持するサスペンションメンバ2がサスペンションマウント23を介して連結されている。
【0017】
車体後部の床部ないし後壁を成すパネルは、リアクロスメンバ51と左右のリアサイドメンバ4,4とロアバックパネル6とに囲まれた範囲において下方に窪んだ空間(以下、掘り込み空間という)を形成するように設けられている。
掘り込み空間の後壁はロアバックパネル6の下部が構成している。ロアバックパネル6は車体の下部後壁を成すパネル部材であり、車両幅方向に亘って設けられて左右のリアサイドメンバ4,4後端42b,42bと互いに固定されている。
掘り込み空間の前壁をなす前壁パネル52は、リアクロスメンバ51から斜め後方に垂下するように一体的に形成されている。本発明でいう前壁はこのリアクロスメンバ51と前壁パネルの両者が相当する。
掘り込み空間の底部パネル7bと左右側壁パネル7c,7cは、更にその左右両側に延びる部分7a,7aと共に一体のリアフロアパネル7として形成され、リアサイドメンバ4,4(の後部部材42,42)に対して固定されている。本発明でいう側壁はリアサイドメンバ4,4と側壁パネル7c,7cの両者が相当する。底部パネル7bは、前縁部7dが前壁パネル52の下縁部と溶接により連続的に接続固定されている。底部パネル7bと左右側壁パネル7c,7cは、後縁部7eが折り曲げられてロアバックパネル6の下縁部前面に対して溶接により固定されている。
【0018】
次に、掘り込み空間を形成する構造を補強する構成について説明する。
前記のラゲージ空間を有効に活用するために、バッテリのみならず車両に用いる様々な部品をラゲージ空間ではなく上記の掘り込み空間内に収容させたいという需要がある。本実施形態では車両駆動のためのバッテリ3を設置する領域が、掘り込み空間の内部に設定されている。図1には設置されるバッテリ3の外形が仮想線で示されている。バッテリ3は損傷から保護されるべき重要保安部品であるため、バッテリの設置構造1を以下のように構成することにより、後突時における掘り込み空間の変形を抑制しバッテリ3を保護する。
掘り込み空間における上部及び下部には、それぞれの箇所を補強する上部補強部材32,32と下部補強部材31,31が設けられている。上部補強部材32,32と下部補強部材31,31は、それぞれ左右に並行して2本ずつ車両前後方向に延びるよう配設されており、いずれも断面がいわゆるハット型とされた金属製の強度部材である。バッテリ3は、この上部補強部材32,32と下部補強部材31,31との(上下方向についての)間に設置され、これら4本の部材に対してそれぞれ前後2箇所においてボルトにより固定されている。すなわち上部補強部材32,32と下部補強部材31,31は、上述の通り掘り込み空間をなす構造の補強部材であるとともに、バッテリ3を上下において支持するための支持部材でもある。なお、上部補強部材32,32との固定に用いるボルト(連結ボルト33)は特徴的なものを用いているため、これに関する詳細を後述する。
上部補強部材32,32は、掘り込み空間の前壁上部(リアクロスメンバ51の上面)と後壁パネル(ロアバックパネル6)とを架け渡すように配設されており、それぞれに対してボルトにより締結固定されている。上部補強部材32,32の前端部32a,32aは、リアクロスメンバ51の上部に対して、ボルトにより上下に締結されて固定されている。また上部補強部材32,32の後端部32b,32bは、ロアバックパネル6の後面側に設けられた橋渡し補強部材63,63と共に、ロアバックパネル6に対してボルトにより前後に締結されて固定されている。
下部補強部材31,31は、掘り込み空間の底部パネル7bの直上に配設され、前端31a,31a及び後端31b,31bに形成されたフランジ部が、それぞれ掘り込み部の前壁パネル52及び後壁パネル(ロアバックパネル6)の下部に溶接されて一体的に固定されている。
以上に述べたように、車両前後方向に延びる部材は、左右のリアサイドメンバ4,4(の後部部材)、左右の上部補強部材32,32、及び左右の下部補強部材31,31の計6本存在し、これらがバッテリ3を上下左右において取り囲むように配設されている。特に、車両幅方向で見ると、2本ずつ設けられた上部補強部材32,32と下部補強部材31,31は、左右のリアサイドメンバ4,4の間においてほぼ均等な位置に配置されている。
【0019】
次にバッテリ3と上部補強部材32,32との固定について説明する。
バッテリ3はその上面において、この上部補強部材32,32と連結ボルト33により連結されて支持されている。この連結ボルト33が本発明でいう連結具に相当する。2本の上部補強部材32,32は、それぞれ車両前後方向の2箇所において上記の連結ボルト33を挿通する孔を有している。
【0020】
連結ボルト33は、図3及び図4に示されるように、棒状に形成されており、その一端及び他端にそれぞれ第1及び第2のねじ部33a,33bを有している。この第1及び第2のねじ部33a,33bは、互いに巻き方向が逆でかつ同軸に形成されている。また、この第1及び第2のねじ部33a,33bの間には、これら第1及び第2のねじ部33a,33bよりも径の大きい六角柱形状を有する鍔部33cが形成されている。この六角柱形状の鍔部33cにおける上記連結ボルト33の他端側(第2のねじ部33b側)を向いた面には、略小半球形状に突起したディンプル33dが複数設けられている。また、この鍔部と第1のねじ部との間には、他の部分よりも細く括れて剪断され易くなっている括れ部33eが形成されている。
【0021】
上記連結ボルト33の一端に形成された第1のねじ部33aは、図4に良く示されているように、前記バッテリ3の上面に埋め込まれた埋め込みナット34に螺合されている。また、この連結ボルト33の他端に形成された第2のねじ部33bは、まず前記の上部補強部材32,32に形成された孔に通され、その上から締結ナット35が螺合されている。前記の上部補強部材32,32が、連結ボルト33の鍔部33cに形成されたディンプル33dと締結ナット35とにより挟持されて、締結されている。このようにして、バッテリ3の埋め込みナット34と、連結ボルト33と、締結ナット35との構成により、バッテリ3上面と上部補強部材32,32が連結される。
【0022】
次に、掘り込み空間後部に関して、ロアバックパネル6に設けられた構造について説明する。
ロアバックパネル6には、これを補強する2つのロアバック補強部材61,62(ロアバックリインフォース)及び2つの橋渡し補強部材63,63が設けられている。
ロアバック補強部材61,62は、共に車両幅方向に延びる長手の強度部材である。第1のロアバック補強部材61は、ロアバックパネル6上部の前面に張られて設けられており、ロアバックパネル6とともに中空の閉断面構造を形成している。第2のロアバック補強部材62は、ロアバックパネル6の上下方向中央部の後面において、前面側に固定された左右のリアサイドメンバ4,4の後端部42b,42b位置の間を延びるように張られて設けられている。第2のロアバック補強部材62の中央部62aは、ロアバックパネル6と共に閉断面構造を形成している。
橋渡し補強部材63,63は、第1のロアバック補強部材61と第2のロアバック補強部材62により形成された閉断面構造部分を上下に架け渡すように、両者に対して一体的に設けられている。2つの橋渡し補強部材63,63が架け渡す位置は、ロアバックパネル6の前面に固定された左右の各上部補強部材32,32の後端をカバーする位置に設定されている。
【0023】
次に、掘り込み空間前方に設けられている構造について説明する。
掘り込み空間の前方には、自動車の後輪を支持するリアサスペンションメンバ2が配設されている。リアサスペンションメンバ2は、左右のサイド部21,21と、この両サイド部21,21を車両幅方向に架け渡すクロス部22とを備えている。なお、リアサスペンションメンバ2のその他の部分は図1には省略されている。両サイド部21,21は、左右の端部21a,21aから、互いに内側へ向かって湾曲する湾曲部21b,21bを経て、車両前方向へと延びている。クロス部22は、その左右両端がそれぞれ左右の各サイド部21,21の湾曲部21b,21bを架け渡すように設けられている。左右の各サイド部21,21の端部21a,21aには、車両フレームと連結するためのサスペンションマウント23が設けられている。リアサスペンションメンバ2の全体は、この左右のサスペンションマウント23を介して、前記の左右の各リアサイドメンバ4,4の前部部材41,41の後端部41a,41aの下側に対して連結されている。
【0024】
リアサスペンションメンバ2のクロス部22には、ダイナミックダンパ24が取り付けられている。ダイナミックダンパ24はリアサスペンションメンバ2の振動を吸収する制振作用を示す部材であり騒音振動対策のために取り付けられている。リアサスペンションメンバ2は、上記のクロス部22が掘り込み空間の前壁パネル52に対して車両前後方向で見て離間した配置状態となるように配設されており、図2に良く示されているように、両者の間には空間部Sが形成されている。ダイナミックダンパ24は、この空間部Sの一部を詰めるように介装されている。特に本実施形態において、上記クロス部22上におけるダイナミックダンパ24の配設位置は、その後端24aが下部補強部材31,31の前端31a,31aに対して車両前後方向に関して対向するような位置に配設されている。
【0025】
以上のように構成される第1の実施形態は、以下のような作用効果を奏する。
この構成によれば、バッテリ3の設置領域を含む車両後部の掘り込み空間の底部パネル7b上において、設置領域下部を補強する下部補強部材31,31が車両前後方向に延びるように設けられている。このため、後突時この底部パネル7b等、掘り込み空間下部構造の車両前後方向の圧縮変形が規制される。特に、この下部補強部材31,31はバッテリ3を一体的状態に載置固定する支持部材であるとともに、バッテリ3の前後方向長さよりも長い部材である。このため、後突時に掘り込み空間はこの下部補強部材31,31の長さより小さく圧縮変形されにくい。
また、バッテリ3の上方位置においてリアクロスメンバ51とロアバックパネル6との間に車両前後方向に延びる上部補強部材32,32が架け渡されて配設されている。このため、後突時にロアバックパネル6が後方から荷重を受けた場合、上部補強部材32,32がロアバックパネル6を支持し、ロアバックパネル6の前方への変形が規制される。
これらの下部補強部材31,31及び上部補強部材32,32により、掘り込み空間の圧縮変形が抑制される。
【0026】
さらに本実施形態の構成によれば、上部補強部材32,32と下部補強部材31,31は、それぞれ2本ずつ設けられており、その配設位置は車両幅方向で見て左右のリアサイドメンバ4,4の間において均等な位置に設定されている。このように車両前後方向に延びる強度部材をバッテリ3の上下各側において均等配置することにより、後突時に後方から伝達される荷重はロアバックパネル6から、左右のリアサイドメンバ4,4、左右の上部補強部材32,32、及び左右の下部補強部材31,31に効率よく分散されて入力される。すなわち、上側においてはリアサイドメンバ4,4と上部補強部材32,32の計4本、下側においてはリアサイドメンバ4,4と下部補強部材31,31の計4本に効率よく分散される。
特に上記の上側の4本の部材については、ロアバックパネル6を補強する第2のロアバック補強部材62と2本の橋渡し補強部材63,63がロアバックパネル6の後面上においてこれら4本の部材の後端位置をカバーするように張られて設けられている。これにより、第2のロアバック補強部材62と2本の橋渡し補強部材63,63が、後突時に後方から伝達された荷重を4本の部材に分散して伝達する。したがって、ロアバックパネル6の掘り込み空間内への進入が抑えられることで、掘り込み空間の圧縮変形が抑制される。
【0027】
また、左右のリアサイドメンバ4,4とリアクロスメンバ51との間に筋交いブレース53がそれぞれ架け渡されて配設されている。このため、後突時に上部補強部材32,32からリアクロスメンバ51に入力された荷重の一部を、この筋交いブレース53が左右各側壁に伝達して逃がす。これにより、リアクロスメンバ51のリアサイドメンバ4,4との溶接箇所が破断から保護されて、掘り込み空間の前壁の一部をなすリアクロスメンバ51の前方移動が規制される。したがって、バッテリ設置構造1の移動に伴う変形量がさらに低減される。
【0028】
さらにこの構成によれば、掘り込み空間の前方にリアサスペンションメンバ2が配設されており、このリアサスペンションメンバ2にはその振動を吸収する制振部材としてダイナミックダンパ24が取り付けられている。リアサスペンションメンバ2は左右のサイド部21に架け渡されているクロス部22が掘り込み空間の前壁パネル52に対して車両前後方向で見て離間した配置状態となるよう配設されており、ダイナミックダンパ24はこのクロス部22と前壁パネル52との間に形成された空間部Sの一部を詰めるように介装されている。この介装されたダイナミックダンパ24の存在により、前壁パネル52は後突時に後方から荷重を受けた場合に前方への空走量が抑えられる。したがって、前壁パネル52の前方への空走が規制され、前壁パネル52の移動によるバッテリ設置構造1の変形量が抑えられる。よって、バッテリ設置構造1の移動に伴う変形量が低減される。
またダイナミックダンパ24の配設位置は、その後端24aが掘り込み空間の下部に設けられた下部補強部材31,31の前端31a,31aに対して車両前後方向に関して対向する位置となるように設定されている。これにより、特に下部補強部材31,31の前方への空走量が抑えられる。また、ダイナミックダンパ24が下部補強部材31,31からの荷重を早期に受け止めることにより、下部補強部材31,31による掘り込み空間の補強が有効なものとなる。
また、上記のように介装部材としてリアサスペンションメンバ2の制振作用を示すダイナミックダンパ24を兼用した構成としたので、専用の介装部材を追加する必要がなく、車両の重量増を抑えることができる。
【0029】
さらにこの構成によれば、掘り込み空間の底部パネル7bにおいて車両前後方向に形成された下部補強部材31,31の前端31a,31a及び後端31b,31bは、前記前壁パネル52の後面及び前記ロアバックパネル6(後壁パネル)の前面に対して、それぞれ一体的状態にスポット溶接されて固定されている。このため、下部補強部材31,31に載置固定されたバッテリ3が自動車の走行中に上下方向に振動した場合、この溶接箇所には剪断方向成分の力が作用するため亀裂が生じにくい。一方、本発明の実施形態と異なり、下部補強部材31,31が底部パネル7bの上面に対してスポット溶接されているのみの構成であれば、上下方向の振動によってその溶接箇所には剥離方向成分の力のみが作用するためスポット溶接打点の亀裂が生じ易い。したがって、本実施形態の構成によれば、下部補強部材31,31がバッテリ3の上下振動から受ける上下方向の振動荷重を前壁パネル52及びロアバックパネル6により支えることが可能である。このため、底部パネル7bの薄板化が可能である。
【0030】
さらにこの構成によれば、バッテリ3は下部補強部材31,31に載置固定されるのみならず、その上面において上部補強部材32,32と連結ボルト33により連結されて支持されている。このようにバッテリ3の上下に配された複数の部材がバッテリ3を支持することで、各部材に必要なバッテリ3の支持剛性を抑えることができる。したがって、本発明を構成するにあたり、バッテリ設置構造1の重量増を抑えることができる。
また、バッテリ3の上面と上部補強部材32,32とを連結する連結ボルト33に剪断され易い括れ部33eが形成されている。このため、後突時においてバッテリ3と上部補強部材32,32とが異なる動きをしようとすると連結ボルト33の括れ部33eが剪断される。特に本実施形態においてはバッテリ3が下部補強部材31,31に固定されており、後方から上部補強部材32,32と下部補強部材31,31とに伝達される荷重の差により両部材の前方移動量が異なる場合、上記の剪断によりバッテリ3に無理な荷重がかからない。
また、連結ボルト33の第2のねじ部33bに対して締結ナット35を螺合させると、両者の間に生じる摩擦のため締結ナット35の回転に伴って連結ボルト33も同じ方向に回転し始める。ここで、連結ボルト33の第1及び第2のねじ部33a,33bは互いに巻き方向が逆に形成されているため、この連結ボルト33の回転は第1のねじ部33aとバッテリ3の埋め込みナット34との螺合を解く方向に寄与し、この連結ボルト33は鍔部33cが上部補強部材32,32に接するまで移動する。したがって、バッテリ3の上面と上部補強部材32,32とを連結するにあたり、バッテリ3と上部補強部材32,32との間隔のばらつきを吸収可能である。
【0031】
(第2の実施形態)
次に、図5から図7までを参照しながら、本発明を実施するための第2の形態について説明する。
第2の実施形態は、第1の実施形態において、主にロアバックパネル6の後側の構造を変更した実施形態である。なお第2の実施形態のうち、下部補強部材31,31、上部補強部材32,32等、前記の第1の実施形態から実質的な変更を要しない部分については、第1の実施形態と同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0032】
ロアバックパネル6の後面には、これを補強するためのロアバック補強部材(ロアバックリインフォース)が設けられている。ロアバック補強部材は、第1の実施形態における第2の後部補強部材62(図1参照)と同様の金属製の強度部材であり、車両幅方向に延びるようにロアバックパネル6の後面に張られている。ロアバックパネル6後面上においてロアバック補強部材が張られる位置は、ロアバックパネル6前面に固定されているリアサイドメンバ4,4及び上部補強部材32,32の後端位置(計4箇所)を全てカバーするような位置(範囲)に設定されている。
このロアバック補強部材とは別に、ロアバックパネル6の後側には、車両幅方向に延びるリアバンパ補強部材(リアバンパリインフォース)が設けられている。なお図示されないが、リアバンパ補強部材の後側にはこれを覆うようにリアバンパが取り付けられている。すなわちリアバンパ補強部材はこのリアバンパをその内側において補強する部材である。リアバンパ補強部材は、矩形断面のパイプ部材が3つ上下に積み重ねられて一体的に結合したような構造を有する金属製の強度部材であり、その全体形状は中間部が後方に湾曲した形状である。リアバンパ補強部材の耐力は、後方からの荷重により前方に撓むことはあっても座屈はしない耐力に設定されている。
リアバンパ補強部材は、左右両端部がそれぞれリアバンパアームを介してロアバックパネル6(に張られた前記のロアバック補強部材)の後面に固定されている。その固定位置はロアバックパネル6前面に固定された左右の各リアサイドメンバ4,4の後端位置に対応させて設定されている。各リアバンパアームは、車両幅方向に複数枚並んだ金属板によりリアバンパ補強部材とロアバックパネル6とを前後に連結する構造とされている。なおリアバンパアームの前後方向の耐力は、リアサイドメンバ4,4の耐力の8割程度に設定されている。
【0033】
図6及び図7に示されるように、ロアバックパネル6とリアバンパ補強部材との間には、2つの荷重伝達部材(荷重伝達リインフォース)が設けられている。荷重伝達部材は、後方から入力された荷重を上部補強部材32,32に伝達するために設けられている。荷重伝達部材は金属製の強度部材であり、中空の箱型構造を有しており外形は後方に向かってすぼまっている。荷重伝達部材は、ロアバックパネル6(に張られた前記のロアバック補強部材)の後面に固定されており、その固定位置はロアバックパネル6前面に固定されている上部補強部材32,32の後端位置に対応させて設定されている。また荷重伝達部材は、後方からの荷重が早期に入力されるよう、後端がリアバンパ補強部材の近傍まで延びるように設けられている。なお荷重伝達部材の前後方向の耐力は、上部補強部材32,32の耐力の8割程度に設定されている。
【0034】
以上のように構成される第2の実施形態は、第1の実施形態の作用効果の他に、以下のような作用効果を奏する。
本実施形態の構成によれば、上部補強部材32,32と下部補強部材31,31は、それぞれ2本ずつ設けられており、その配設位置は車両幅方向で見て左右のリアサイドメンバ4,4の間において均等な位置に設定されている。このように車両前後方向に延びる強度部材をバッテリ3の上下各側において均等配置することにより、後突時に後方から伝達される荷重がロアバックパネル6から車両幅方向に関して効率よく分散されて前方に伝達される。すなわち、上側についてはリアサイドメンバ4,4と上部補強部材32,32の計4本、下側についてはリアサイドメンバ4,4と下部補強部材31,31の計4本に効率よく分散されて入力される。
また、ロアバックパネル6とリアバンパ補強部材との間には、荷重伝達部材が設けられており、その固定位置はロアバックパネル6前面に固定されている上部補強部材32,32の後端位置に対応させて設定されている。よって、後突時に後方からの荷重を受けたリアバンパ補強部材は撓んでその荷重の一部を荷重伝達部材に伝達し、さらにこの荷重伝達部材が上部補強部材32,32に荷重を伝達する。したがって、掘り込み空間の上部を補強する上部補強部材32,32に効率よく荷重を伝達することができる。特に本実施形態においては、後方からリアバンパ補強部材に入力された荷重の一部はリアバンパアームが前方のリアサイドメンバ4,4へと伝達する。このため、上記の荷重伝達部材の構成により、リアサイドメンバ4,4と上部補強部材32,32の計4本の部材のうちリアサイドメンバ4,4の負担を軽減することができ、より効率よく荷重が分散されて伝達される。
【0035】
さらに本実施形態の構成によれば、リアバンパ補強部材の耐力は後方から受ける荷重に対して前方に座屈しない耐力に設定されている。これによりリアバンパ補強部材は後突時に後方から入力された荷重を車両幅方向に分散させる作用を示す。例えば、後方からリアバンパ補強部材の中央部に荷重を受けた場合においてはその荷重の一部は左端部や右端部にも伝達され、また左端部に荷重を受けた場合においてもその荷重の一部は中央部や右端部にも伝達される。したがって、多様な後突態様に対して安全性能を確保できる。
また、ロアバックパネル6後面上においてロアバック補強部材が張られる位置は、ロアバックパネル6前面に固定されているリアサイドメンバ4,4及び上部補強部材32,32の後端位置を全てカバーするような位置に設定されている。これにより、後突時に後方からロアバックパネル6に荷重が伝達入力された場合において、その荷重がロアバックパネル6上において偏って分布しているときでも、ロアバック補強部材がこの荷重をリアサイドメンバ4,4と上部補強部材32,32に再分散して伝達することにより偏りを補正する。
【0036】
なお、本発明に係る自動車後部構造におけるバッテリ設置構造1は、上記の第1、第2の実施形態に限定されるものではなく、その他各種の形態で実施できるものである。
上記の第1及び第2の実施形態の上部補強部材32,32と下部補強部材31,31はそれぞれ2本ずつ設けられていたが何本であっても良い。ただしその配設位置は車両幅方向で見て左右のリアサイドメンバ4,4の間において均等な位置に設定されていることが望ましい。
上記の第2の実施形態の荷重伝達部材163はロアバックパネル6側に固定されているものであったが、リアバンパ補強部材8側に固定してもよい。この場合、リアバンパ補強部材8の前面における荷重伝達部材の固定位置は、後方から荷重を受けて前方に移動したときに上部補強部材32,32に荷重を伝達可能となる位置に設定する。また、リアバンパアーム81と同様に、ロアバックパネル6とリアバンパ補強部材8の両者に対して固定しても良い。
上記の第2の実施形態のバッテリ3は上部補強部材32,32に対して固定されていないものであったが、第1の実施形態の連結ボルト33により連結固定しても良い。
上記の第1の実施形態において、リアサスペンションメンバ2とリアクロスメンバ51の間の空間部Sを詰める介装部材は、リアサスペンションメンバ2の振動を吸収するダイナミックダンパ24であった。しかしこの介装部材は、リアサスペンションメンバ2及びリアクロスメンバ51の双方と異なる機能を有する別体形成の部材であれば、いかなる部材でも良い。また、上記の実施形態における介装部材はリアサスペンションメンバ2とリアクロスメンバ51の間の空間部Sの一部を詰めるものであったが、この空間部Sの全部を詰めるものであっても良い。また上記実施形態における介装部材はリアサスペンションメンバ2に取り付けられていたが、リアクロスメンバ51に取り付けられていても良く、またこれらのいずれとも異なる部材に対して取り付けられていても良い。
【符号の説明】
【0037】
1 バッテリ設置構造
2 リアサスペンションメンバ
24 ダイナミックダンパ
3 バッテリ
31 下部補強部材
32 上部補強部材
33 連結ボルト
34 埋め込みナット
35 締結ナット
36 固定板
4 リアサイドメンバ
51 リアクロスメンバ
52 前壁パネル
53 筋交いブレース
6 ロアバックパネル
61 第1のロアバック補強部材
62 第2のロアバック補強部材
63 橋渡し補強部材
162 ロアバック補強部材(第2の実施形態)
163 荷重伝達補強部材(第2の実施形態)
7 リアフロアパネル
7b 底部パネル
7c 側壁パネル
8 リアバンパ補強部材
81 リアバンパアーム
S 空間部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車後部において重要保安部品の設置領域が設定されており、
前記重要保安部品の下方位置において該重要保安部品を一体的状態に載置固定する支持部材が配設されており、
前記重要保安部品の車両前後方向の前面位置には前記設置領域の前壁が前記支持部材の前端部位置に配設され、
前記重要保安部品の車両前後方向の後面位置には前記設置領域の後壁が前記支持部材の後端部位置に配設され、
前記重要保安部品の上方位置において該後壁と前記前壁との間に上部強度部材が架け渡されて配設されていることを特徴とする自動車後部における重要保安部品の設置構造。
【請求項2】
請求項1に記載の自動車後部における重要保安部品の設置構造であって、
前記後壁の後方位置にリアバンパ補強部材が車両幅方向に配設されており、
前記後壁の前記上部強度部材が架け渡された箇所と前記リアバンパ補強部材との間には、前記リアバンパ補強部材が車両後方から受けた荷重を前記上部強度部材に伝達する荷重伝達部材が配設されていることを特徴とする自動車後部における重要保安部品の設置構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の自動車後部における重要保安部品の設置構造であって、
自動車の後輪を支持するリアサスペンションメンバが車両幅方向に配設されており、
前記設置領域は該リアサスペンションメンバの車両前後方向の後方位置に設定されており、
前記前壁と前記リアサスペンションメンバとは車両前後方向で見て離間した配置状態にあって該両者の間に空間部が形成されており、該空間部の一部又は全部を詰める介装部材が配設されていることを特徴とする自動車後部における重要保安部品の設置構造。
【請求項4】
請求項3に記載の自動車後部における重要保安部品の設置構造であって、
前記重要保安部品の下方位置に配設された支持部材は車両前後方向に延びる下部強度部材であり、
前記介装部材は前記リアサスペンションメンバに取り付けられた別体形成の部材であり、
前記支持部材の前端部と前記介装部材の後端部とは車両前後方向で対向して配置されていることを特徴とする自動車後部における重要保安部品の設置構造。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれかに記載の自動車後部における重要保安部品の設置構造であって、
前記重要保安部品はその上面において前記上部強度部材と連結具により連結されて支持されていることを特徴とする自動車後部における重要保安部品の設置構造。
【請求項6】
請求項5に記載の自動車後部における重要保安部品の設置構造であって、
前記連結具は棒状に形成され、その一端及び他端にそれぞれ第1及び第2のねじ部を有し、
該第1及び第2のねじ部は互いに巻き方向が逆でかつ同軸に形成され、
該第1及び第2のねじ部の間には該第2のねじ部よりも径の大きい六角柱形状を有する鍔部が形成されており、
前記第1のねじ部は前記重要保安部品の上面に螺合し、前記第2のねじ部には締結ナットが螺合し、
前記上部強度部材が該締結ナットと前記鍔部とにより挟持されて締結されていることにより前記重要保安部品の上面と前記上部強度部材との前記連結がなされることを特徴とする自動車後部における重要保安部品の設置構造。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれかに記載の自動車後部における重要保安部品の設置構造であって、
前記重要保安部品の車両幅方向の左右両側位置に前記設置領域の左右各側壁が配設されており、
該左右各側壁と前記前壁との間に筋交い部材がそれぞれ架け渡されて配設されていることを特徴とする自動車後部における重要保安部品の設置構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−14312(P2013−14312A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−287632(P2011−287632)
【出願日】平成23年12月28日(2011.12.28)
【出願人】(000110321)トヨタ車体株式会社 (1,272)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】