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自動車構造
説明

自動車構造

【課題】交差点などでアイドリングする時にエンジンが停止した場合でも、室内温度の急激な変化が起きにくく、室内環境をほぼ一定に保つことのできる自動車構造を提供すること。
【解決手段】車室空間4に臨んで車体1の前後方向に延在するフレーム20を備える自動車構造10において、フレーム20の内部に、温度調整用の流体を循環させる流体パイプ30を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車構造に関する。詳しくは、交差点などでアイドリングする時にエンジンが停止する自動車または電気自動車等に適した自動車構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車の燃費を向上させる施策として、交差点などでアイドリングする時にエンジンが自動的に停止する、いわゆるアイドリングストップ車が知られている。また、エンジンを搭載しない電気自動車も登場している。
【0003】
このような燃費対策車を含め、自動車の構造(車体構造)には、さまざまな要求が存在する。例えば、フロントピラーは、太いと前方視界が非常に悪くなってしまう。そのため、できるだけ細くしたいという要求がある。しかし同時に、フロントピラーは、前方から衝突した場合に大きな衝撃を受ける。そのため、これに耐えうる強度を備えなければならないという要求がある。この要求を両立させるため、フロントピラーの断面を閉じた断面構造(閉断面構造)にすることが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−150752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、交差点などでアイドリングする時にエンジンが停止する自動車の場合、エンジンが停止すると、エンジンにより回転されるコンプレッサが停止するため、エアコンも止まる。
エアコンを止めないためには、バッテリの電力を用いてコンプレッサを回転させなければならない。コンプレッサを回転させるには大きな電力が必要であり、バッテリの容量を増やさなければならず、重量が増える結果、燃費を大幅に悪化させる。
【0006】
エンジンが停止してエアコンも止まると、夏季には、車室内の温度が急激に上昇し、室内環境が悪化する。同様に、冬季には、車室内の温度が急激に低下し、室内環境が悪化する。
【0007】
エンジンを搭載しない電気自動車の場合は、エアコンを運転すると、自動車の走行に必要不可欠な電力の一部を消費するため、1回の充電で走行できる距離に大きく影響する。そのため、アイドリングストップ車の場合と同様に、例えば交差点などで自動車が停止した時にエアコンを止めることは、走行可能距離を延ばすうえで有効である。
しかし、その場合は、車室内の温度が急激に変化して、室内環境が悪化する。
【0008】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、交差点などでアイドリングする時にエンジンが停止した場合でも、室内温度の急激な変化が起きにくく、室内環境をほぼ一定に保つことのできる自動車構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の自動車構造は、車室空間(例えば、後述の車室空間4)に臨んで車体(例えば、後述の車体1)の前後方向に延在するフレーム(例えば、後述のフレーム20)を備える自動車構造(例えば、後述の自動車構造10)において、前記フレームの内部に、温度調整用の流体を循環させる流体流路(例えば、後述の流体パイプ30)を備える。
【0010】
この発明によれば、交差点などでアイドリングする時にエンジンが停止した場合でも、車室空間に臨むフレームの内部に温度調整用の流体が通っているため、室内温度の急激な変化が起きにくく、室内環境をほぼ一定に保つことができる。
【0011】
この場合、前記流体流路はパイプで構成され、前記フレームは、前記流体流路用のパイプを含む複数のパイプ(例えば、後述の流体パイプ30、構造材パイプ40、輪郭パイプ50)を組み合わせて構成されることが好ましい。
【0012】
この発明によれば、何枚かの鉄板を溶接することでフレームの閉断面構造を作る場合に比べて、フランジがないため太さが細くなり、溶接代が不要であるため重量が軽くなり、強度も強くなり、そのうえ流体パイプも一体に構成することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、交差点などでアイドリングする時にエンジンが停止した場合でも、車室空間に臨むフレームの内部に温度調整用の流体が通っているため、室内温度の急激な変化が起きにくく、室内環境をほぼ一定に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態に係る自動車構造を示す概略的斜視図である。
【図2】図1のフレームにおける流体パイプを示す斜視図である。
【図3】図1のフレームの作り方を示す概略的断面図である。
【図4】図1のフレームの左フロントピラー部および左ルーフ部を車両左側から見た側面図である。
【図5】図4のA−A線、B−B線、C−C線に沿った断面図である。
【図6】従来のフレームの断面構造を、図5に対応させて示す断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る自動車構造を示す概略的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る自動車構造10を示す概略的斜視図である。この自動車構造10は、エンジンルーム2がフロントにあり、ルーフがボディのほぼ後端まで延びて、テールゲート3を有する形式の自動車(車体)1に適用したものである。
この自動車1は、エンジンルーム2の後方からテールゲート3付近までの広い車室空間4を有する。
エンジンルーム2内にはエアコン(図示省略)の熱交換器5が配置される。
【0016】
自動車構造10は、車室空間4に臨んで車体1の前後方向に延在するフレーム20を備える。そして、フレーム20の内部に、温度調整用の流体を循環させる流体流路30を備える。
【0017】
フレーム20は、車体1の前端左側から左側のフロントピラーに至る左フェンダー部21、左フェンダー部21に連なり左側のフロントピラーを通る左フロントピラー部22、左フロントピラー部22に連なり左側のルーフの後端に至る左ルーフ部23、左ルーフ部23に連なり後側のルーフの右端に至る後ルーフ部24、テールゲート3に配置されるテールゲート部25、後ルーフ部24に連なり右側のルーフの前端に至る右ルーフ部26、右ルーフ部26に連なり右側のフロントピラーを通る右フロントピラー部27、右フロントピラー部27に連なり車体1の前端右側に至る右フェンダー部28、を備える。
【0018】
フレーム20のテールゲート部25は、後ルーフ部24の左端からテールゲート3の左側を通る左テールゲート部25a、左テールゲート部25aの下端に連なりテールゲート3の下側を通る下テールゲート部25b、下テールゲート部25bの右端に連なりテールゲート3の右側を通って後ルーフ部24の右端に至る右テールゲート部25c、を備える。
【0019】
流体流路30は、この実施形態では、車体1の前端付近に配置されるエアコン(図示省略)の熱交換器5に接続される。
流体流路30は、熱交換器5の左側から左側のフロントピラーに至る左フェンダー部31、左フェンダー部31に連なり左側のフロントピラーを通る左フロントピラー部32、左フロントピラー部32に連なり左側のルーフの後端に至る左ルーフ部33、左ルーフ部33に連なり後側のルーフの右端に至る後ルーフ部34、テールゲート3に配置されるテールゲート部35、後ルーフ部34に連なり右側のルーフの前端に至る右ルーフ部36、右ルーフ部36に連なり右側のフロントピラーを通る右フロントピラー部37、右フロントピラー部37に連なり熱交換器5の右側に至る右フェンダー部38、を備える。
【0020】
流体流路30のテールゲート部35は、後ルーフ部34の左端からテールゲート3の左側を通る左テールゲート部35a、左テールゲート部35aの下端に連なりテールゲート3の下側を通る下テールゲート部35b、下テールゲート部35bの右端に連なりテールゲート3の右側を通って後ルーフ部34の右端に至る右テールゲート部35c、を備える。
【0021】
流体流路30は、図2に示すように、パイプで構成される。流体流路としての流体パイプ30の断面形状は、例えば、円形、楕円形、多角形、その他任意の形状のものでよい。
流体パイプ30の断面形状は、図2に示すように、複数のパイプ30a、30b、30cが一体に構成された複合パイプの形状でもよい。
【0022】
流体パイプ30は、温度調整用の流体を循環させるため、その材質は、例えばエアコンのクーラント(冷媒)や水を通しても錆びない金属製かまたはプラスチック製である。
流体パイプ30の後ルーフ部34と左テールゲート部35aとの連結部、および後ルーフ部34と右テールゲート部35cとの連結部は、テールゲートを開閉するため柔軟性が必要である。そのため、これらの連結部は、柔軟性のあるプラスチック製である。
【0023】
フレーム20は、図3に示すように、流体パイプ30を含む複数のパイプを組み合わせて構成される。
フレーム20は、車体に必要な強度を確保するための構造材である。そのため、フレーム20は、主要な構造材としてハイテン材からなる構造材パイプ40を備える。構造材パイプ40は、例えば丸パイプである。
【0024】
フレーム20は、つぎのようにして作られる。
まず、図3(a)に示すように、フレーム20の輪郭を構成するための輪郭パイプ50を用意する。輪郭パイプ50は、例えば丸パイプである。輪郭パイプ50は、構造材パイプ40に比べて強度が強くない材料でよい。
【0025】
つぎに、図3(b)に示すように、輪郭パイプ50を変形させて、構造材パイプ40および流体パイプ30を配置するための外側に開いた凹所51、52を、所定の位置に成形する。
このとき、完成後のフレーム20に後述するサイドパネル60を取り付けるための取り付け部53も、所定の位置に成形する。
【0026】
つぎに、図3(c)に示すように、別に用意した構造材パイプ40および流体パイプ30を、対応する凹所51、52に配置する。これを金型で囲った状態で、輪郭パイプ50の内圧を高くすることで膨らませながら、金型で設定される最終形状まで成形(バルーン成形)する。
これにより、輪郭パイプ50の所定位置の凹所51、52に、構造材パイプ40および流体パイプ30が別々に内包されて一体に構成されたフレーム20が得られる。すなわち、フレーム20は、3本のパイプ(構造材パイプ40、流体パイプ30および輪郭パイプ50)で構成される。
【0027】
このようにして得られるフレーム20は、例えば、左フロントピラー部22および左ルーフ部23が一体に構成される。同様に、右フロントピラー部27および右ルーフ部26が一体に構成される。
左フェンダー部21および右フェンダー部28は、それぞれ別々に構成されてよい。
テールゲート部25の左テールゲート部25a、下テールゲート部25bおよび右テールゲート部25cは、一体に構成されてもよい。
【0028】
図4は、フレーム20の左フロントピラー部22および左ルーフ部23を、車両左側から見た側面図である。
図5(a)は、図4のA−A線に沿った左フロントピラー部22の車両後方から見た断面図であり、この部分に取り付けられる左ピラーパネル61も同時に図示する。
図5(b)は、図4のB−B線に沿った左ルーフ部23の車両後方から見た断面図であり、ドアが位置するこの部分に取り付けられる左サイドパネル62も同時に図示する。
図5(c)は、図4のC−C線に沿った左ルーフ部23の車両後方から見た断面図であり、この部分に取り付けられる左リアサイドパネル63も同時に図示する。
【0029】
図5(a)、(b)、(c)に示すように、フレーム20の左フロントピラー部22および左ルーフ部23では、車室空間4側(図中右側)に流体パイプ30が配置され、外側のパネル側(図中左側)に構造材パイプ40が配置される。
左フロントピラー部22における輪郭パイプ50の取り付け部53には、左ピラーパネル61が取り付けられる。
左ルーフ部23における輪郭パイプ50の取り付け部53には、左サイドパネル62および左リアサイドパネル63が取り付けられる。
左ピラーパネル61、左サイドパネル62および左リアサイドパネル63は、いずれも鉄板ではなく樹脂板であり、溶接ができないため、ねじ65を用いてねじ留めする。
【0030】
図示してないが、フレーム20の右フロントピラー部27および右ルーフ部26でも、同様に、車室空間4側に流体パイプ30が配置され、外側のパネル側に構造材パイプ40が配置される。
輪郭パイプ50の取り付け部53に、外側のパネルをねじ留めすることも同様である。
【0031】
図6(a)、(b)、(c)は、従来広く利用されているフレーム120の断面構造を、図5(a)、(b)、(c)に対応させて示す断面図である。
図6(a)は、図4のA−A線に沿った従来の左フロントピラー部122の車両後方から見た断面図であり、この部分に取り付けられる左ピラーパネル161も同時に図示する。
図6(b)は、図4のB−B線に沿った従来の左ルーフ部123の車両後方から見た断面図であり、ドアが位置するこの部分に取り付けられる左サイドパネル162も同時に図示する。
図6(c)は、図4のC−C線に沿った従来の左ルーフ部123の車両後方から見た断面図であり、この部分に取り付けられる左リアサイドパネル163も同時に図示する。
【0032】
図6(a)、(b)、(c)に示すような従来のフレーム120の断面構造の場合は、閉断面構造ではあっても、パイプで構成したものではない。
すなわち、フレーム120の長手方向に沿って延びる何枚かの鉄板を溶接することで、さまざまな断面形状の閉断面構造を作っていた。
そのため、断面構造にフランジが残る場合があり、これにより、フレーム120の太さが太くなる。また、溶接するためには溶接代が必要であり、これにより、フレーム120の重量が重くなる。さらに、溶接は点で接合しているので、もともと一体の構造物に比べて、フレーム120の強度が落ちる。
【0033】
これに対して、図5(a)、(b)、(c)に示すフレーム20の場合は、3本のパイプ(構造材パイプ40、流体パイプ30および輪郭パイプ50)で構成される。これにより、フレーム20の場合は、フランジがないため太さが細くなり、溶接代が不要であるため重量が軽くなり、強度も強くなり、そのうえ流体パイプ30も一体に構成することができる。
【0034】
次に、上記のように構成された自動車構造10の作用について説明する。
例えば、夏季に、車体1の前端付近に配置されるエアコンを運転すると、熱交換器5からクーラントが流体パイプ30を循環する。この場合、熱交換器5は、冷凍サイクルの蒸発器(エバポレータ)であり、熱交換器5内のクーラントは、冷房機能用のクーラントである。
【0035】
熱交換器5内のクーラントは、熱交換器5の循環路入口から流体パイプ30の左フェンダー部31に流入し、左フロントピラー部32を通って左ルーフ部33の後端に至る。ここで、クーラントは、後ルーフ部34と、左テールゲート部35aとに分流する。左テールゲート部35aから下テールゲート部35bを通って右テールゲート部35cを流れたクーラントは、右ルーフ部36の後端で、後ルーフ部34を通って流れたクーラントと合流する。その後、クーラントは、右ルーフ部36、右フロントピラー部37および右フェンダー部38を通って、熱交換器5の循環路出口から熱交換器5内に戻る。
【0036】
このような流体パイプ30におけるクーラントの循環は、車室空間4を冷房するためのクーラントの通常の使用と両立する。例えば、熱交換器(蒸発器)5において通常の使用をした後のクーラントを、流体パイプ30に循環させてもよい。または、熱交換器(蒸発器)5において通常の使用をする前のクーラントを、流体パイプ30に循環させてもよい。さらに、熱交換器(蒸発器)5のクーラントを、熱交換器(蒸発器)5内と、流体パイプ30の循環とに、分岐させ、合流させてもよい。
【0037】
このような流体パイプ30を備えた自動車1を走行させて、交差点などでアイドリングする時にエンジンが停止した場合は、エアコンも止まる。
ところが、流体パイプ30内には冷房用のクーラントが存在する。エアコンが止まることで、それまで流体パイプ30内を循環していたクーラントの流れは止まるが、周囲を冷やす機能は瞬時に失われることはなく、しばらく持続する。この時間は、交差点などでアイドリングする時にエンジンが停止している時間に比べれば、十分に長い。
【0038】
そのため、車室内の温度上昇が抑えられて、室内温度の急激な変化が起きにくく、室内環境をほぼ一定に保つことができる。
【0039】
例えば、冬季に、車体1の前端付近に配置されるエアコンを運転すると、熱交換器5からクーラントが流体パイプ30を循環する。この場合、熱交換器5は、冷凍サイクルの凝縮器(コンデンサ)であり、熱交換器5内のクーラントは、暖房機能用のクーラントである。
蒸発器の場合と、凝縮器の場合とで、熱交換器5の循環路入口および循環路出口が互いに反対側にあってもよい。以下、反対側にあるものとして説明する。
【0040】
熱交換器5内のクーラントは、熱交換器5の循環路入口から流体パイプ30の右フェンダー部38に流入し、右フロントピラー部37を通って右ルーフ部36の後端に至る。ここで、クーラントは、後ルーフ部34と、右テールゲート部35cとに分流する。右テールゲート部35cから下テールゲート部35bを通って左テールゲート部35aを流れたクーラントは、左ルーフ部33の後端で、後ルーフ部34を通って流れたクーラントと合流する。その後、クーラントは、左ルーフ部33、左フロントピラー部32および左フェンダー部31を通って、熱交換器5の循環路出口から熱交換器5内に戻る。
【0041】
このような流体パイプ30におけるクーラントの循環は、車室空間4を暖房するためのクーラントの通常の使用と両立する。例えば、熱交換器(凝縮器)5において通常の使用をした後のクーラントを、流体パイプ30に循環させてもよい。または、熱交換器(凝縮器)5において通常の使用をする前のクーラントを、流体パイプ30に循環させてもよい。さらに、熱交換器(凝縮器)5のクーラントを、熱交換器(凝縮器)5内と、流体パイプ30の循環とに、分岐させ、合流させてもよい。
【0042】
このような流体パイプ30を備えた自動車1走行させて、交差点などでアイドリングする時にエンジンが停止した場合は、エアコンも止まる。
ところが、流体パイプ30内には暖房用のクーラントが存在する。エアコンが止まることで、それまで流体パイプ30内を循環していたクーラントの流れは止まるが、周囲を暖める機能は瞬時に失われることはなく、しばらく持続する。この時間は、交差点などでアイドリングする時にエンジンが停止している時間に比べれば、十分に長い。
【0043】
そのため、車室内の温度低下が抑えられて、室内温度の急激な変化が起きにくく、室内環境をほぼ一定に保つことができる。
【0044】
第1実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)車室空間4に臨んで車体1の前後方向に延在するフレーム20の内部に、温度調整用の流体を循環させる流体パイプ30を備えるため、交差点などでアイドリングする時にエンジンが停止した場合でも、室内温度4の急激な変化が起きにくく、室内環境をほぼ一定に保つことができる。
【0045】
(2)フレーム20は、流体パイプ30を含む複数のパイプを組み合わせて構成されるため、何枚かの鉄板を溶接することでフレームの閉断面構造を作る場合に比べて、フランジがないため太さが細くなり、溶接代が不要であるため重量が軽くなり、強度も強くなり、そのうえ流体パイプ30も一体に構成することができる。
【0046】
<第2実施形態>
図7は、本発明の第2実施形態に係る自動車構造10を示す概略的斜視図である。この自動車構造10は、第1実施形態とほぼ同様のものである。
そのため、第1実施形態と同様の部分には、第1実施形態で用いた符号と同じ符号を付けて示すことで、重複した説明を省略する。
【0047】
流体パイプ30は、この実施形態では、車体1の前端付近に配置されるエンジン冷却用のラジエータ6に接続される。
流体パイプ30は、ラジエータ6の左側から左側のフロントピラーに至る左フェンダー部31、左フェンダー部31に連なり左側のフロントピラーを通る左フロントピラー部32、左フロントピラー部32に連なり左側のルーフの後端に至る左ルーフ部33、左ルーフ部33に連なり後側のルーフの右端に至る後ルーフ部34、テールゲート3に配置されるテールゲート部35、後ルーフ部34に連なり右側のルーフの前端に至る右ルーフ部36、右ルーフ部36に連なり右側のフロントピラーを通る右フロントピラー部37、右フロントピラー部37に連なり熱交換器5の右側に至る右フェンダー部38、を備える。
【0048】
流体パイプ30のテールゲート部35は、後ルーフ部34の左端からテールゲート3の左側を通る左テールゲート部35a、左テールゲート部35aの下端に連なりテールゲート3の下側を通る下テールゲート部35b、下テールゲート部35bの右端に連なりテールゲート3の右側を通って後ルーフ部34の右端に至る右テールゲート部35c、を備える。
【0049】
次に、上記のように構成された自動車構造10の作用について説明する。
例えば、冬季に、エンジンを暖機運転すると、ラジエータ6からエンジン冷却用の水(湯)が流体パイプ30を循環する。
【0050】
ラジエータ6内の水(湯)は、ラジエータ6の循環路入口から流体パイプ30の左フェンダー部31に流入し、左フロントピラー部32を通って左ルーフ部33の後端に至る。ここで、水(湯)は、後ルーフ部34と、左テールゲート部35aとに分流する。左テールゲート部35aから下テールゲート部35bを通って右テールゲート部35cを流れた水(湯)は、右ルーフ部36の後端で、後ルーフ部34を通って流れた水(湯)と合流する。その後、水(湯)は、右ルーフ部36、右フロントピラー部37および右フェンダー部38を通って、ラジエータ6の循環路出口からラジエータ6内に戻る。
【0051】
このような流体パイプ30を備えた自動車1を走行させて、交差点などでアイドリングする時にエンジンが停止した場合は、暖機運転が十分でない場合には、ヒータの吹き出し温度がすぐにも低下する。
ところが、流体パイプ30内には湯が存在する。エンジンが停止することで、それまで流体パイプ30内を循環していた湯の流れは止まるが、周囲を暖める機能は瞬時に失われることはなく、しばらく持続する。この時間は、交差点などでアイドリングする時にエンジンが停止している時間に比べれば、十分に長い。
【0052】
そのため、車室内の温度低下が抑えられて、室内温度の急激な変化が起きにくく、室内環境をほぼ一定に保つことができる。
【0053】
このように、流体パイプ30に、エンジン冷却用のラジエータ6の水(湯)を循環させる自動車構造10は、例えば寒冷地など、年間を通じて冷房機能を使用することがほとんどない地域で用いられる自動車に適用することが好ましい。
【0054】
第2実施形態によれば、上記の効果と同様の効果がある。
【0055】
なお、上記の実施形態では、自動車構造10を、交差点などでアイドリングする時にエンジンが停止する自動車または電気自動車に適用して説明したが、ハイブリッド車に適用することも可能である。
【符号の説明】
【0056】
1…自動車(車体)
4…車室空間
10…自動車構造
20…フレーム
30…流体パイプ(流体流路)
40…構造材パイプ
50…輪郭パイプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室空間に臨んで車体の前後方向に延在するフレームを備える自動車構造において、
前記フレームの内部に、温度調整用の流体を循環させる流体流路を備える、自動車構造。
【請求項2】
前記流体流路はパイプで構成され、前記フレームは、前記流体流路用のパイプを含む複数のパイプを組み合わせて構成される、請求項1に記載の自動車構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−35498(P2013−35498A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175113(P2011−175113)
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】