説明

自動車用ウィングサポート

本発明は、自動車用のウィングサポートに関するものであり、自動車のウィングに固定する手段を装着する上部(18)と、自動車の構造(14)の部品に固定する手段を装着する下部(16)とを備えている。ウィングサポートの上部は、両側で上部に延伸すると共に二つの横方向に水平なウィング(32A、32B)を接続する、二つの平行する柱(26A、26B)によって下部に接続されている。二つの横方向に水平なウィングは、下部によって支持される二つの横方向に垂直な端部を接続しており、下部の二つの領域は、二つの横方向に垂直な端部を垂直に延伸して、横方向に延伸する状態で相互に接合している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の分野に関し、更に具体的には、自動車用ウィングサポートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車の前部ウィング用の支持機構を提供するように設計した装置は、周知のことである。これらの装置の大半は、下部が車両のシャーシの堅固な部分に取り付けられ、上部がウィングを保持するアタッチメントを装着する、大型の線形構造から成っている。しかし、特許出願2003−118639号では、幾つかの個々の支持機構から形成できる構造を示しており、各支持機構はほぼV字状のプレートから成り、プレートの上面にフランジアタッチメントを備え、前部と後部の下面は車両のシャーシに取り付けられている。
【0003】
これらの個々の支持機構には、線形構造に相応して比較的軽量であるという長所がある。しかし、それらにはまだいくつかの短所と限界がある。特に、個々の支持機構それぞれの強度は全ての方向において均一でなく、力吸収に関しても容量に限界がある。
【0004】
本発明の目的は、従って、前述の短所の解決を支援する自動車用ウィングサポートであり、それは、自動車のウィングに取り付けるための手段を装着する上部と、自動車の構造部に取り付けるための手段を装着する下部とを備えており、前記上部は、前記下部に、前記上部の両側に延伸する二つの横方向に平行なアップライト及び二つの横方向に水平なフランジを接合するために下降する第一の下部湾曲接続部によって接続しており、二つの横方向に水平なフランジは、第二の下部湾曲接続部によって、前記下部に支持される二つの横方向に垂直な端部に接合しており、前記下部の、前記二つの横方向に垂直な端部を垂直に延伸している二つのゾーンが、横方向に延伸し互いに接合している。
【0005】
従って、このトリガーガード形状のウィングサポートは、垂直及び横方向のストレスの両方に耐えることができる。
【0006】
利点としては、前記下部が、縦方向に強化する手段を備えていることである。
【0007】
前記縦方向に強化する手段は、前記下部によって支持されると共に前記二つの横方向に垂直な端部を延伸する縦方向の端部を備えることができる。
【0008】
好ましいことに、前記第一と第二の湾曲接続部は、前記ウィングサポートを強固にするために、より厚いゾーンを備えている。
【0009】
従って、衝突を吸収する能力が、完全に制御されると共に著しく増大する。
【0010】
ウィングサポートは、前記上部に対して垂直であり且つ前記横方向に垂直なアップライトを、それらの高さの少なくとも一部において相互に接続させる、垂直縦方向壁も備えることができる。
【0011】
従って、Y方向及び/又はZ方向における取付方法が可能となる。
【0012】
優れていることに、前記下部は、前記上部に対して横方向に延伸するゾーンを有する、ほぼ三角形状となっている。
【0013】
前記下部の下に配置されたリブシステムも備えているウィングサポートは、優れていることに、粘弾性のプラスチック材料からできた単一のピースから形成されている。
本発明の特徴と利点は、添付する図面を参照しながら、引用事項としての非限定的な下記の説明から明らかになると思われる。
【実施例】
【0014】
図1は、本発明に準じる二つのウィングサポート12に取り付けられたウィング10を備える自動車の前部の内部図であって、各々が自動車のシャーシの同じ堅固な部分、例えば、側面部材14に取り付けられている。
【0015】
全体的にブリッジ形状であるこれらのウィングサポートは、各々一つの部品だけ用いて三つの異なる機能を満たすという利点がある。これらの機能は下記の通りである。
− 変形を最小限にする剛性(Y及びZ方向におけるウィングアタッチメントのレベルで、両方向に所定の力を印加)
− 力がウィングアタッチメントのレベル及びサポートの最上部で印加される時の全ての破壊又は破壊の開始を防ぐ強度(Y及びZ方向におけるウィングアタッチメントのレベルで、両方向に所定の力を印加)
− サポートが、直角および50°の角度における低い衝突エネルギーによって折れるのを防ぎ、また衝突重量が破壊後に低い値に移行することを制限する、ウィングアタッチメントのレベルにおける衝突と呼ばれるエネルギーに対応した、所定の高さにおける所定重量の倒壊による沈みに対する抵抗。
【0016】
このウィングサポートの実施例1を、図2及び3に示す。
【0017】
後述する説明においてトリガーガードと呼ばれるこのサポート12は、破損自在の粘弾性プラスチック材料を成形することにより製作され、一方では、その下部又はプレート16を介して車両のシャーシの堅固な部品14に取り付けられ、他方では、その上部の水平部分又はプラットフォーム80を介してウィング10の端部に取り付けられている、一体型の部品である。ほぼ三角形状の(すなわち、プラットフォームに対し横方向に延伸する)堅固な下部は、一つ以上のリベット、例えば、三つのポップリベット20を用いて車両のシャーシ構造に取り付けられるように設計されている。上部は、取付手段、例えば、ナット24で保持された締結クランク22によって、水平方向にウィングに取り付けられている。
【0018】
トリガーガードの上部とその下部との間は、二つの平行する垂直なアップライト26A、26Bによって接続され、二つの平行する垂直なアップライトの上端は、上部湾曲接続部28A、28Bを介してプラットフォーム18の両側で延伸し、二つの平行する垂直なアップライトの下端は、第一の下部湾曲接続部30A、30Bを介して二つの横方向に水平なフランジ32A、32Bに接合しており、二つの横方向に水平なフランジは、第二の下部湾曲接続部34A、34Bを介して、プレート16によって支持される二つの横方向に垂直な端部36A、36Bに接合している。これらの二つの垂直な端部は、これもまたプレートによって支持される縦方向の端部38を介して延伸し接合しているため、横方向±Yのストレスに対し、トリガーガードを強化することが可能となる。垂直端部に続いて形成される、この縦方向の端部は、トリガーガードが車両の側面部材14に組み込まれる際に、垂直方向±Zからの衝突に対してトリガーガードのプレート16を補強する役目も果たす。垂直方向±Zからの衝突に対するトリガーガードの剛性はまた、トリガーガードの両側に配置した横方向に垂直なアップライト28A、28Bの存在によっても得られる。
【0019】
図4に示す各トリガーガードの動きは、歩行者衝突ゾーン(ヘッドランプ、フードヒンジなど)の影響を受けるボンネットの又は周囲の要素のトリガーガードと衝突せずにフランジが下降することができるように、必然的に算出される。従って、下部湾曲接続部は、より厚い面取りゾーン40A、40B; 42A、42Bも備えているので、Y及びZ方向の力に対して部品を強化することができる。より厚い面取りゾーンは、所定のエネルギーによるトリガーガードの破壊を最適化することにより、歩行者衝突への抵抗機能を持つことができる。具体的には、歩行者が衝突した場合に、トリガーガードは、これらの面取りゾーンを接続する水平フランジ32A、32Bにおいて、次に上部湾曲接続部28A、28Bとの接合部であるプラットフォーム18の弱いゾーン18A、18Bにおいて連続的に屈する前に、衝突により生じたエネルギーを吸収できるように下降又は崩壊しなければならない。
【0020】
特にプラスチック製ウィングに更に好適な、本発明によるウィングサポートの実施例2を、図5及び6に示す。
【0021】
ウィングサポートは、基本的に同じ構成要素を備えているため、同じ参照番号を用いている。しかし本代替事例では、ウィングの取り付けが垂直方向に実施されるので、トリガーガードは、プラットフォーム18に対して垂直であり、平行して垂直なアップライト26A、26Bを、その高さの少なくとも一部において相互に接続させると共に、クランプ/ナットアセンブリの代わりに締結ネジ46を受けるように設計されている、垂直縦方向壁44も備えている。同様に、車両のシャーシ構造14に対する取り付けは、一つ以上のリベット、好ましくは単一の中心リベット48によって行われる。前述のように、下部又はプレート16が、本代替事例ではリベット48の位置によって二つの部品38A、38Bに分かれている縦方向の端部を支持しているため、±Y方向のストレスに対しトリガーガードを強化し、そのベースを補強することができる。加えて、トリガーガードの下部の下に配置されたリブ50のシステムにより、製造ラインにとって好ましいX方向において強化されたアセンブリを得ることができる。
【0022】
図7に示す代替実施例では、同一のウィングのトリガーガードが、接合ストラップ52A、52Bによって相互に接続されているので、車両の構造部分に取り付けることができる単一部品54を形成できる。トリガーガードの数は、もちろん3つに限定されず、車両構造に依存する。
【0023】
図1に示すような独立した、すなわち、相互に接続していない又は車両構造に直接取り付けられていないトリガーガードの使用は、図7の構造と異なり、一つのトリガーガードだけを交換することが可能となる。
【0024】
また、このトリガーガードの設計により、車両環境の定義に基づいて、垂直アップライト26A、26B及び面取りゾーン40A、40B、及び42Aと42Bの高さを調整することができ、よってこのタイプの部品を所定の車両に適応させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】自動車の前部の詳細を概略的に示す。
【図2】本発明に準じるウィングサポートの第一の典型的な実施形態を示す図である。
【図3】本発明に準じるウィングサポートの第一の典型的な実施形態を示す図である。
【図4】破壊後の図2と3のウィングサポートを図示する。
【図5】本発明に準じるウィングサポートの第二の典型的な実施形態を示す図である。
【図6】本発明に準じるウィングサポートの第二の典型的な実施形態を示す図である。
【図7】別の代替実施形態を図示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のウィング(10)に取り付けるための手段(22、 24; 46)を装着する上部(18)と、自動車の構造部(14)に取り付けるための手段(20; 48)を装着する下部(16)とを備える自動車用ウィングサポートであって、前記上部は、前記下部に、前記上部の両側で延伸する二つの横方向に平行なアップライト(26A、26B)及び二つの横方向に水平なフランジ(32A、32B)を接合するために下降する第一の下部湾曲接続部(30A、30B)によって接続しており、二つの横方向に水平なフランジ(32A、32B)は、第二の下部湾曲接続部(34A、34B)によって、前記下部に支持される二つの横方向に垂直な端部(36A、36B)に接合しており、前記下部の、前記二つの横方向に垂直な端部を垂直に延伸している二つのゾーンが、横方向に延伸し互いに接合している、自動車用ウィングサポート。
【請求項2】
前記の第一と第二の下部湾曲接続部は、前記のウィングサポートを強化するために、より厚いゾーン(40A、40B; 42A、42B)を備えていることを特徴とする、請求項1に記載のウィングサポート。
【請求項3】
前記下部が、縦方向に強化する手段(38)を備えていることを特徴とする、請求項1に記載のウィングサポート。
【請求項4】
前記の縦方向に強化する手段は、前記下部によって支持されると共に前記二つの横方向に垂直な端部を延伸する縦方向の端部(38)を備えていることを特徴とする、請求項3に記載のウィングサポート。
【請求項5】
前記縦方向の端部は、前記下部によって支持される二つの部分(38A、38B)からできており、各部分が、横方向に垂直な端部を縦方向に延伸していることを特徴とする、請求項4に記載のウィングサポート。
【請求項6】
前記上部に対して垂直であると共に、前記横方向に垂直なアップライトを、その高さの少なくとも一部において相互に接続させる、垂直縦方向壁(44)を備えていることを特徴とする、請求項1又は4に記載のウィングサポート。
【請求項7】
前記下部が、前記上部に対して横方向に延伸するゾーンを有する、ほぼ三角形状であることを特徴とする、請求項1又は4に記載のウィングサポート。
【請求項8】
前記下部の下に配置されたリブシステム(50)も備えていることを特徴とする、請求項1又は4に記載のウィングサポート。
【請求項9】
粘弾性のプラスチック材料から形成されていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のウィングサポート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−525916(P2009−525916A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−553806(P2008−553806)
【出願日】平成19年2月9日(2007.2.9)
【国際出願番号】PCT/FR2007/050772
【国際公開番号】WO2007/090997
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(508242975)ランジェ フランス (1)
【出願人】(503041797)ルノー・エス・アー・エス (286)
【Fターム(参考)】