説明

自動車用ウェザーストリップ

【課題】芯金無しのウェザーストリップの全体の寸法を小さくし軽量化を図ると共にウェザーストリップに対するフランジの脱着を容易にする。
【解決手段】芯金無しのウェザーストリップ1のトリム部2を車内側トリム構成体4と車外側トリム構成体5から構成し、車内側トリム構成体4及び車外側トリム構成体5の内壁面から、少なくとも1対のリップ6及び8、並びに7及び9をほぼ対向して斜め上方に向けて突設し、車内側トリム構成体4と車外側トリム構成体5との間の径Lをトリム部2の開口部19に向かって徐々に縮径させ、且つフランジ12に突起14が形成されている側のリップ7を車外側トリム構成体5の内壁面w2から突設する上端位置と、リップ9を車外側トリム構成体5の内壁面w2から突設する上端位置との間の間隔を短くする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車用ウェザーストリップに関する。より詳細には、本発明は芯金を不要としたにも係わらずフランジに対する締め付け力を保持向上させた自動車用ウェザーストリップに関する。
本発明は自動車用ウェザーストリップの構造に関する発明なので、ウェザーストリップを製造する原料には特段に制約を受けず、天然又はEPDMを含む各種合成ゴム、熱可塑性合成樹脂、熱可塑性エラストマー或いはそれらの混合物から適宜選択される。
さらに、本発明の自動車用ウェザーストリップは、ドア−、テールゲート、トランクリッド等自動車の各種開口部に適用することができる。
【背景技術】
【0002】
自動車用のウェザーストリップは、自動車のボディーサイド、ドア、サイドウィンドー、トランクリッド、テールゲート等、いわゆる開口部に取り付けて、シール性の保持、車体微振動、ガラスの揺動を防止すると共に、車体部位の緩衝を目的とするものである。さらに、自動車用のウェザーストリップは、自動車の寸法ばらつきや建て付けのばらつきも吸収し、組み立て作業性が容易であることが要求される。
【0003】
図5は、従来の代表的なウェザーストリップの断面図である。従来の代表的なウェザーストリップは、主として、車内側トリム構成体4と車外側トリム構成体5から構成されるトリム部2と一体に成形された中空状のシール部3から構成されている。トリム部2は、開口部周縁のフランジ12に保持され且つフランジ12を挟持・固定するための部材である。トリム部2と一体に成形された中空状のシール部3は、開口部19の縁部と弾接して、変形することにより、前述したシール性の保持、車体微振動、ガラスの揺動を防止すると共に、車体部位の緩衝等ウェザーストリップ本来の機能を奏功するための部材である。トリム部2の内壁面には、リップ6、7、及び8、9が、それぞれ、ほぼ対向してトリム部2と一体に突設されていて、フランジ12に弾接されている。リップ6、7,及び8、9は、フランジ12に弾接することにより、トリム部2が直接フランジ12に衝接するのを防止する緩衝機能と、水、砂塵、塵埃等が車内へ侵入するのを防止する機能を奏功する。18はトリム部2に内蔵されている金属製芯金である。金属製芯金18は無垢の板金ではなく、全面に小さな透孔や、長円形の穴を形成することにより軽量化と可撓性を付与し、自由に曲げ作業が可能なようになっている。図5のウェザーストリップをフランジ12に装着するには、金属製芯金18の可撓性を利用してトリム部2を外側に広げてフランジ12に挿入し、次いで金属製芯金18の可撓性を利用してトリム部2を内側に広げてフランジ12を締め付けることによりトリム部2のフランジ12への取り付け状態を安定状態に保持していた。
【0004】
金属製芯金入りウェザーストリップには多種多様なタイプがあるが、図5に示したような標準タイプで長さ1000mm、総質量173g、金属製芯金の質量64gである。即ち、従来の長さ1000mm、総質量173gの芯金入りウェザーストリップの金属製芯金が占める質量は約37%である。
【0005】
ところで、近年、自動車の質量を軽減することが至上命題となってきている。従って、従来の金属製芯金入りウェザーストリップは、フランジへの締結力は優れているが、金属製芯金の質量がウェザーストリップの総質量の約37%も占める点が欠点となっている。その解決策の一つとして、金属製芯金を使用しないウェザーストリップの研究開発が盛んであり且つ実用化段階に入っている。金属製芯金を使用しないウェザーストリップの場合の最も難しい解決すべき課題は、どのようにしてトリム部のフランジに対する締結力を高め且つ維持するかということである。
【0006】
従来、この解決手段として、特許文献1は、両面接着テープを使用する方法を提案している。即ち、特許文献1は、トランクルームの開口周縁のボディーフランジを開口内向に張出し、その開閉体側のフランジ面にウェザーストリップの帯板状取付部を両面テープで接着することで組付容易化を図り、取付部に長手方向に連続する芯線を埋設することで軽量化と伸び防止を図ることが記載されている。そして、段落0012は、芯線として、スチールコ−ド、合成繊維コード、無機繊維コード等を例示している。さらに、段落0025には「上記構成のウェザーストリップ1は、トランクルーム3の開口周縁における内向フランジ4の外側フランジ面4bに両面テープ14により貼着する。この際、まず、フランジ面4bに仮貼着し、取付位置を確認した後、ローラなどにより中空シール部12側から圧着させて本貼着する。仮貼着時に組付け不具合が発生したときでも、両面テープ14は再貼付性が良好なので、直ぐに取り外して修正できる。」と記載されている。これらの記載から、特許文献1に記載された従来技術は下記の欠点を有している。
イ。ウェザーストリップをフランジに装着する作業は、本来、単一動作(ワン・アクション)で完了されるべきである。然しながら、特許文献1に記載されたような両面粘着テープを使用する方法は、両面粘着テープの片面を剥離し接着した後、他方の面を剥離して接着する作業を不可欠としており、その結果、作業コストを引き上げるという欠点を有している。
ロ。本来単純作業であるべきウェザーストリップをフランジに装着する作業に、両面粘着テープという余計な部材を必要とし、これが、部品コストを引き上げるという欠点を有している。
ハ。仮貼着後、取付位置を確認した後、ローラなどにより中空シール部側から圧着させて本貼着するという煩わしい工程を必要とし、作業コストを引き上げるという欠点を有している。
ニ。軽量化のために、従来ウェザーストリップに使用していた芯金を不要としたのも係わらず、スチールコ−ド、合成繊維コード、無機繊維コード等芯線として必須部材としており、真の意味で軽量化とは言えない。また余計な部材を必要とし、これが、部品コストを引き上げるという欠点を有している。
【0007】
特許文献2は、「車両のドア開口周縁に沿って取付けられるウェザーストリップの取付構造であって、前記ウェザーストリップは、断面略U字状又はJ字状の金属芯金レスのトリム部と、スポンジ状又は軟質のゴム弾性を有する材料によって構成されるとともに、前記トリム部の一方の側壁から突出するように一体的に設けられ、ドア開閉時にドア周縁が押付けられる中空状のシ−ル部とを備え、前記トリム部が前記ドア開口周縁のフランジに嵌合保持されるよう構成するとともに、前記トリム部の一方の側壁の先端部分が前記ドア開口周縁の前記フランジよりも車外側に設けられた係合凸部にて係合されるような構成したことを特徴とするウェザーストリップの取付構造」を記載している。
【0008】
特許文献2が記載しているウェザーストリップの取付構造は、下記の諸点で特殊な構造である。
イ。トリム部の車内側側壁17が、車外側側壁18よりも極端に短いこと。
ロ。トリム部の車外側側壁18の先端部分がドア開口周縁のフランジ21よりも車外側に設けられた係合凸部34にて係合されること。
ハ。通常、トリム部の車内側側壁17及び車外側側壁18の内面にそれぞれ対向して突設されている。突起31が、車外側側壁18の内面に5個のみ突設されている。だけで、車内側側壁17の先端にはリップ部41が一個形成されているだけである。
ニ。フランジ(21、61,91,101)には段差部(35,77)又は拡径部(72,81)を設けている。(請求項4〜6)。
以上を総覧すると、特許文献2に記載されているウェザーストリップの取付構造は、フランジに段差部又は拡径部を設けているが、通常、トリム部の車内側側壁及び車外側側壁の内面にそれぞれ対向して突設されているべき突起(リップ)が、車外側側壁内面に複数個、他方車内側側壁先端にはリップ部が一個形成されているだけであるので、ウェザーストリップのフランジに対する取り付けが確実に保障されていない。
【0009】
特許文献3は、概略、芯金無しのウェザーストリップにおいて、トリム部の車内側側壁、車外側側壁の内面に、第1車外側フランジ保持リップと第2車外側フランジ保持リップ及び第1車内側フランジ保持リップと第2車内側フランジ保持リップを、それぞれ、ほぼ対向して底壁方向に斜めに形成し、第1車内側フランジ保持リップの先端と第2車内側フランジ保持リップの先端は、それぞれ第1車外側フランジ保持リップの先端と第2車外側フランジ保持リップの先端よりもトリム部の奥側に延設された自動車用ウェザーストリップを開示している。然しながら、特許文献3に記載されている。自動車用ウェザーストリップのフランジの先端はフラットである。そのために、第1車内側フランジ保持リップの先端と第2車内側フランジ保持リップの先端は、それぞれ第1車外側フランジ保持リップの先端と第2車外側フランジ保持リップの先端よりもトリム部の奥側に延設しただけでは、フランジがトリムから脱落するのを完全に防止することは不可能である。
【0010】
特許文献4は、断面略U字状のトリム本体と、該トリム本体の内側に互いに対向配設され、フランジ等の取付部に取付けるための右保持片と左保持片とを有すると共に、上記右保持片及び左保持片は、上記トリム本体の内側の入口側に設けた一対の1次リップを有してなり、またトリム本体の内側の奥側には右保持片又は左保持片の少なくとも一方に2次リップを有し、かつ上記2次リップは上記1次リップの先端部を仮係合しておくための係合凹部を有していることを特徴とするオープニングトリムを開示している。特許文献4に記載されているオープニングトリムをフランジに嵌着するには、フランジをトリムの開口部から挿入し、2次リップをU字状トリムの底辺方向へ押し上げ、それにより2次リップに仮係合されていた1対の1次リップの仮係合を外し、フランジに弾圧させる構造になっている。この場合、2次リップは、右保持片又は左保持片の少なくとも一方に設けてある。従って、2次リップが1個の場合は、フランジをトリムの開口部から挿入しても、フランジを弾圧するのは1個の2次リップと、2個の1次リップとなり、フランジへの弾圧力は弱くなる。
【0011】
特許文献5は、従来の芯金(芯金)が内蔵された従来タイプのオープニングトリムであり、上記[0003]〜[0005]に記載した欠点を有している。
【0012】
特許文献5及び6は、従来の芯金(芯金)が内蔵された従来タイプのオープニングトリムであり、上記[0003]〜[0005]に記載した欠点を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2001−18732号公開公報
【特許文献2】特開2004−98888号公開公報
【特許文献3】特開2008−230258号公開公報
【特許文献4】特開平10−181467号公開公報
【特許文献5】特開平7−277097号公開公報
【特許文献6】特開平11−151992号公開公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
発明が解決しようとする第1の課題は、芯金無しの自動車用ウェザーストリップを余計な付帯部材を必要とせず、且つ、一動作(ワン・アクション)でフランジに装着でき、フランジに対する締付力を向上させ、もってコストダウンと自動車の軽量化に資することである。
【0015】
発明が解決しようとする第2の課題は、芯金無しの自動車用ウェザーストリップのソリッド部の開口部にフランジを挿入する際に必要な挿入力を低減化すると共に、ウェザーストリップ全体の軽量化を図ることである。
【0016】
発明が解決しようとする第3の課題は、芯金無しの自動車用ウェザーストリップのソリッド部の開口部にフランジを挿入した際のフランジの保持力を増強させることである。
【0017】
発明が解決しようとする第4の課題は、芯金無しの自動車用ウェザーストリップにおいて、ソリッド部の開口部に挿入されたフランジを引き抜く力が加わっても抜けを防止することである。
【0018】
発明が解決しようとする第5の課題は、芯金無しの自動車用ウェザーストリップにおいて、フランジに嵌着した後、突発的な衝撃が加わってもフランジから脱着せず、望ましい挿入位置を保持させ、他方ブレーキオイルの交換等整備時には、抜け易くすることである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記課題は、下記の各項に記載する手段により解決することができる。
1.自動車の開口部周縁に突設されたフランジに嵌着されるほぼU字形のトリム部2と、トリム部と一体に成形され自動車の開口部の縁部と弾接して変形することによりシール機能を発揮する中空状のシール部とから主として構成され、芯金無しの自動車用ウェザーストリップであって、
前記トリム部が車内側トリム構成体と車外側トリム構成体から構成されていて、前記トリム部の車内側トリム構成体の内壁面から1対のリップ及び車外側トリム構成体の内壁面から、1対のリップが、それぞれほぼ対向して斜め上方に向けて突設されている自動車用ウェザーストリップにおいて、
前記フランジが、軸、及び軸と一体に軸の上端の少なくとも1方の端部に突設された所定の形状の突起から構成されていること、
前記車内側トリム構成体と車外側トリム構成体との間の径が、前記トリム部の開口部に向かって徐々に縮径していること、
一対のリップの組合わせの内、少なくとも、前記フランジの前記突起のある側のリップの組み合わせにおいて、上方のリップを車外側トリム構成体の内壁面から突設する上端位置と、下方のリップを車外側トリム構成体の内壁面から突設する上端位置との間の間隔を、フランジに引き抜く力が負荷された際、前記リップの頭頂部が前記フランジの突起により押圧されて前記リップを下降させ、前記リップの頭頂部と当接させ、前記リップからの抜けを防止するような距離とすることを特徴とする自動車用ウェザーストリップ。
【0020】
2.前記1項において、車内側トリム構成体の外側面を含む垂線と前記開口部を含む水平線及び前記車外側トリム構成体の外側面を含む垂線と前記開口部を含む水平線とが形成する角度を0〜13度の範囲に設定する。
【0021】
3.前記1又は2項において、前記リップのそれぞれの頭頂部と前記フランジの外側面とが形成する角度を30〜45度の範囲に設定する。
【0022】
4.前記1〜3項のいずれか1項において、前記フランジを、軸、及び軸と一体に軸の上端の少なくとも1方の端部に突設された所定の形状の突起とから構成し、突起の面は、下方に向かう従って、徐々に傾斜させて、面の下端が上端より、トリム部の車内側トリム構成体又は車外側トリム構成体の内壁面に向けて迫り出しているような形状にする。
【0023】
5.前記1〜4項のいずれか1項において、前記フランジを、軸、及び軸と一体に軸の上端の少なくとも1方の端部に突設された所定の形状の突起とから構成し、突起の面は、下方に向かう従って、徐々に傾斜させて、面の下端が上端より、トリム部の車内側トリム構成体又は車外側トリム構成体の内壁面に向けて迫り出しているような形状にし、突起が形成された端部と対向する端部を面取り構造にする。
【0024】
6.前記1〜5項のいずれか1項において、自動車用ウェザーストリップを、天然又はEPDMを含む各種合成ゴム、熱可塑性合成樹脂、熱可塑性エラストマー或いはそれらの混合物から成る群から選択された原料で製造する。
【0025】
7.前記1〜6項のいずれか1項において、前記フランジを金属または合成樹脂で製造する。
【0026】
8.前記6項において、前記合成樹脂を、複合強化ポリプロピレンとする。
【0027】
9.前記1〜7のいずれか1項に記載した自動車用ウェザーストリップを、ドア−、テールゲート、又はトランクリッド用として使用する。
【発明の効果】
【0028】
請求項1に記載した発明により「自動車の開口部周縁に突設されたフランジ12に嵌着されるほぼU字形のトリム部2と、トリム部2と一体に成形され自動車の開口部の縁部と弾接して変形することによりシール機能を発揮する中空状のシール部3とから主として構成され、芯金無しの自動車用ウェザーストリップ1であって、
前記トリム部2が車内側トリム構成体4と車外側トリム構成体5から構成されていて、前記トリム部2の車内側トリム構成体4及び車外側トリム構成体5の内壁面から、少なくとも1対のリップ6、7及び8、9が、それぞれほぼ対向して斜め上方に向けて突設されている自動車用ウェザーストリップ1において、 前記フランジ12が、軸13、及び軸13と一体に軸13の上端の少なくとも1方の端部に突設された所定の形状の突起14から構成されていること、
前記車内側トリム構成体4と車外側トリム構成体5との間の径Lが、前記トリム部2の開口部19に向かって徐々に縮径していること、
リップ7及び9、並びにリップ6及び8の組合わせの内、少なくとも前記フランジ12に前記突起14が形成されている側のリップ7及び9の組み合わせにおいて、リップ7を車外側トリム構成体5の内壁面から突設する上端位置と、リップ9を車外側トリム構成体5の内壁面w2から突設する上端位置との間の間隔k1を、フランジ12に引き抜く力が負荷された際、前記リップ7の頭頂部7’が前記フランジ12の突起14により押圧されて前記リップ7を下降させ、前記リップ9の頭頂部9’と当接させ、前記リップ7からの抜けを防止するような距離であることを特徴とする自動車用ウェザーストリップ1が提供されるので、下記に例示される効果を奏功する。
イ。芯金を使用しないので、近年の自動車開発で重要な至上課題の一つである質量の軽減化に資することができる。
ロ。肉薄化により、フランジを挿入する際に必要な力が低減され、且つトリム自体の軽量化に資する。
ハ。車内側トリム構成体4と車外側トリム構成体5との間の径Lが、トリム部2の開口部19に向かって徐々に縮径しているので、フランジを保持する力が向上し、突発的な衝撃が加わっても、望ましい挿入位置を保持させ、他方、ソリッド部である車内側トリム構成体4及び車外側トリム構成体5の横方向又は斜め下方向から圧縮すると、フランジ12の突起14と嵌合してるリップ7の頭頂部7’が車内側トリム構成体4又は車外側トリム構成体5の内側面に向かって弾発し、フランジ12の突起14から外れ易くなり、たとえば、ブレーキオイルの交換時等整備時に抜けやすくなり、整備の作業効率の向上に資する。
ニ。前記リップ7及び9、並びにリップ6及び8の組合わせの内、少なくとも前記フランジ12に前記突起14が形成されている側のリップ7及び9の組み合わせにおいて、リップ7を車外側トリム構成体5の内壁面w2から突設する上端位置P1と、リップ9を車外側トリム構成体5の内壁面w2から突設する上端位置P2との間の間隔k1を短くしたので、フランジ12に引き抜く力が負荷された際、前記リップ7の頭頂部7’が前記フランジ12の突起14により押圧されて前記リップ7を下降させ、前記リップ9の頭頂部9’と当接させ、前記リップ7からの抜けが防止される。
【0029】
請求項2に記載した発明により、車内側トリム構成体4の外側面と車内側トリム構成体4の外側面を含む垂線VL及び前記車外側トリム構成体5の外側面前記車外側トリム構成体5の外側面を含む垂線VLとが形成する角度θ1を0〜13度の範囲に設定したので、請求項1に記載した発明の構成要件である「車内側トリム構成体4と車外側トリム構成体5との間の径Lが、トリム部2の開口部19に向かって徐々に縮径していること」が確保され、且つ、前記請求項1の効果(ハ)が確実に奏功される。
【0030】
請求項3に記載した発明により、リップ6及び8,並びに7及び9のそれぞれの頭頂部6’及び8’,並びに7’及び9’とフランジ12の軸13の外壁面側面20,21とが形成する角度θ2を30〜45度の範囲に設定したので、リップ6及び8,並びに7及び9のそれぞれの頭頂部6’及び8’,並びに7’及び9’が、フランジ12の軸13の外側面20,21から常時非接触の状態にあり、前記請求項1の効果(ハ)及び前記請求項2に記載した発明による効果の他に、車内側トリム構成体4及び車外側トリム構成体5の両側から圧縮力を負荷すると、リップ6及び8,並びに7及び9のそれぞれの頭頂部6’及び8’,並びに7’及び9’がフランジ12から脱離し易くなり、且つ脱離する距離も大きくなり、フランジ12が外れ易くなり、たとえば、ブレーキオイルの交換時等整備時に抜けやすくなり、整備の作業効率の向上に資する。
【0031】
請求項4に記載した発明により、フランジ12を、軸13、及び軸13と一体に軸13の上端の少なくとも1方の端部に突設された所定の形状の突起14とから構成し、突起14の垂直面15は、下方に向かう従って、徐々に傾斜させて、垂直面15の下端が上端より、トリム部2の車内側トリム構成体4又は車外側トリム構成体5の内壁面に向けて迫り出しているような形状にしたので、フランジ12を、トリム部2のリップ6,7及び8,9が形成する空間部に挿入する際に、容易に挿入することができる。
【0032】
請求項5に記載した発明により、フランジ12を、軸13、及び軸13と一体に軸13の上端の少なくとも1方の端部に突設された所定の形状の突起14とから構成し、突起14の垂直面15は、下方に向かう従って、徐々に傾斜させて、垂直面15の下端が上端より、トリム部2の車内側トリム構成体4又は車外側トリム構成体5の内壁面に向けて迫り出しているような形状にし、突起14が形成された端部と対向する端部16を面取り構造にしたので、フランジ12をトリム部2のリップ6,7及び8,9が形成する空間部に挿入する際に容易に挿入することができる。
【0033】
請求項6に記載した発明により、請求項1〜5のいずれか1項に記載した自動車用ウェザーストリップを、天然又はEPDMを含む各種合成ゴム、熱可塑性合成樹脂、熱可塑性エラストマー或いはそれらの混合物から成る群から選択された原料で製造されるので、自動車用ウェザーストリップの材料の選択の幅が広くなる。
【0034】
請求項7に記載した発明により、請求項1〜6のいずれか1項に記載した自動車用ウェザーストリップにおいて、フランジ12を金属または合成樹脂で製造するので、従来金属に限定されていたフランジ12の材料の選択の幅が広くなる。
【0035】
請求項8に記載した発明により、請求項1〜7のいずれか1項に記載した自動車用ウェザーストリップ1のフランジ12を複合強化ポリプロピレンで製造するので、従来の金属製フランジに比べて軽量化され、さらに、請求項1に記載した発明の効果の一つである芯金無しによる質量の軽減化と相乗的に作用して、自動車全体の質量の軽減化に資することができる。
【0036】
請求項9に記載した発明により、請求項1〜8のいずれか1項に記載した自動車用ウェザーストリップが、ドア−、テールゲート、又はトランクリッド用等汎用性がある自動車用ウェザーストリップが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施例1の全体構造を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例1の部材の寸法を示す断面図である。
【図3】本発明の実施例2の全体構造を示す断面図である。
【図4】本発明で使用するフランジの1例を示す断面図である。
【図5】従来の自動車用ウェザーストリップの一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、発明を実施するための最良の形態を実施例として記載する。
【実施例1】
【0039】
図1は、本発明の実施例1の全体構造を示す断面図である。図2は、実施例1の各構成部材の寸法を示す断面図である。
【0040】
図1において、1は本発明による芯金無しの自動車用ウェザーストリップの一例を示す断面図である。本発明による芯金無しの自動車用ウェザーストリップ1は、自動車の開口部周縁に突設されたフランジ12に嵌着されるほぼU字形のトリム部2と、トリム部2と一体に成形され自動車の開口部の縁部と弾接して変形することによりシール機能を発揮する中空状のシール部3とから主として構成されている。トリム部2は、車内側トリム構成体4と車外側トリム構成体5から構成されていて、前記トリム部2の車内側トリム構成体4及び車外側トリム構成体5の内壁面から、少なくとも1対のリップ6及び7、並びに8及び9が、それぞれほぼ対向して斜め上方に向けて突設されている。
【0041】
前記車内側トリム構成体4と車外側トリム構成体5との間の径Lは、前記トリム部2の開口部19に向かって徐々に縮径していて、いわゆる口閉じ形状になっている。この縮径構造は、前記車内側トリム構成体4の外側面を含む垂線VLと前記開口部19を含む水平線HL、及び前記車外側トリム構成体5の外側面を含む垂線VLと前記開口部19を含む水平線HLとが形成する角度(θ1)を0度〜13度の範囲、好ましくは5〜7度の範囲に設定することによって形成される。角度(θ1)が13度以上の場合、開口部9の開口度が小さすぎて、フランジ12を開口部19に挿入するのに要する挿入力が大きくなり、且つ、一旦挿入したフランジ12を、例えば、ブレーキオイルの交換等後続整備時等にフランジ12を抜く必要がある場合、抜け難くなるので好ましくない。逆に、角度(θ1)が5度未満の場合、開口部9の開口度が大きくなり、フランジ12を開口部9へ挿入し易くなるが、一旦挿入したフランジ12が、トリム全体に突発的な力が加わると、フランジ12がずれたり、離脱する恐れがあるので好ましくない。本発明では、車内側トリム構成体4の外側面を含む垂線VLと前記開口部19を含む水平線HL、及び前記車外側トリム構成体5の外側面を含む垂線VLと開口部19を含む水平線HLとが形成する角度θ1を0〜13度の範囲に設定することにより、車内側トリム構成体4と車外側トリム構成体5との間の径Lを、トリム部2の開口部19に向かって徐々に縮径することを確保することが可能となった。
【0042】
図2は、実施例1の各構成部材の寸法を示す断面図である。図1及び2に示したように、前記トリム部2の車内側トリム構成体4の内壁面w1から2個のリップ6及び8が、車外側トリム構成体5の内壁面w2から、2個のリップ7及び9が、それぞれほぼ対向して斜め上方に向けて突設されている。2個のリップ6及び8、並びに7及び9の組合わせの内、少なくとも、前記フランジ12の前記突起14のある側のリップ7及び9の組合わせにおいて、上方のリップ7を車外側トリム構成体5の内壁面w2から突設する上端位置p1と、下方のリップ9を車外側トリム構成体5の内壁面w2から突設する上端位置p2との間の間隔を、フランジに引き抜く力が負荷された際、前記リップ7の頭頂部7’が前記フランジ12の突起14により押圧されて前記リップ7を下降させ、前記下方のリップ9の頭頂部9’と当接させ、前記上方のリップ7からの抜けを防止するような距離とすることが好ましい。本発明では、上方のリップ7を車外側トリム構成体5の内壁面w2から突設する上端位置p1と、下方のリップ9を車外側トリム構成体5の内壁面w2から突設する上端位置p2との間の間隔をk1を3.6mmとした。この距離は、従来の同種のトリムに比べて約20%小さくなっている。
【0043】
尚、本発明では、車内側トリム構成体4の内壁面w1から突設された2個のリップ6及び8、即ち、前記フランジ12の前記突起14が無い側のリップ6及び8の場合、上方のリップ6をトリム構成体4の内壁面w1から突設する上端位置と、下方のリップ8をトリム構成体4の内壁面w1から突設する上端位置との間の間隔は特段に限定されないが、前記車外側トリム構成体5のリップ7を車外側トリム構成体5の内壁面w2から突設する上端位置p1と、下方のリップ9を車外側トリム構成体5の内壁面w2から突設する上端位置p2との間の間隔と同じにすることが好ましい。
【0044】
このように、リップ7及び9、並びにリップ6及び8の組合わせの内、少なくとも前記フランジ12に前記突起14が形成されている側のリップ7及び9の組み合わせにおいて、リップ7を車外側トリム構成体5の内壁面から突設する上端位置と、リップ9を車外側トリム構成体5の内壁面w2から突設する上端位置との間の間隔k1を、従来技術に比べて短くしたので、フランジ12に引き抜く力が負荷された際、前記リップ7の頭頂部7’が前記フランジ12の突起14により押圧されて前記リップ7を下降させ、前記リップ9の頭頂部9’と当接させ、前記リップ7からの抜けが防止される。
【0045】
車外側トリム構成体5の最大幅の箇所P4の幅k2の長さは特段に限定されないが、本発明では、k2を3mmとした。この距離は、従来の同種のトリムに比べて約11%小さくなっている。尚、本発明のトリム部2は線対称なので、車内側トリム構成体4の最大幅に関するこの説明は割愛する。
【0046】
車外側トリム構成体5の最大幅の箇所P4と車外側トリム構成体5の最下端部P3との間の長さk3は特段に限定されないが、本発明では、k3を10mmとした。この距離は、従来の同種のトリムに比べて約10%小さくなっている。尚、本発明のトリム部2は線対称なので、車内側トリム構成体4に関するこの説明は割愛する。
【0047】
実施例1及び2におけるフランジ12の幅fは特段に限定されないが、本実施例では、fを12.1mmとした。この長さは、従来の同種のトリムに比べて約10%小さくなっている。
【0048】
上述したように、本発明のトリム部2は、従来の同種のトリムに比べて全体の肉厚を約10%小さくすることにより、小型化及び軽量化を図り、フランジ12を挿入するのに必要な挿入力の低減化を奏功するものである。
【実施例2】
【0049】
図3は、本発明の実施例2の全体構造を示す断面図である。図3において、図1及び2と同じ部品には同じ符号を付してある。図1及び2で示した実施例1と、図3で示す実施例2の相違点は、リップ6及び8、並びに7及び9のそれぞれの頭頂部6’及び8’、並びに7’及び9’が、フランジ12の軸13の壁面20及び21と非接触の状態で、それぞれ車内側トリム構成体4及び車外側トリム構成体5の内壁面に向かって反撥状態にあることである。
【0050】
図3において、リップ6及び8、並びに7及び9のそれぞれの頭頂部6’及び8’、並びに7’及び9’とフランジ12の軸13の外壁面20及び21とが形成する角度θ2を30〜45度の範囲に設定した。角度θ2が30度以下の場合、リップ7がフランジ12の突起14を乗り越えることができず、逆に45度以上の場合、リップ6及び8が、車内側トリム構成体4の内壁面w1と接触し、リップ7及び9が、車外側トリム構成体5の内壁面w2と接触し、所期の効果を期待できないので好ましくない。
【0051】
リップ6及び8,並びに7及び9のそれぞれの頭頂部6’及び8’,並びに7’及び9’とフランジ12の軸13の外壁面側面20,21とが形成する角度θ2を30〜45度の範囲に設定したので、リップ6及び8,並びに7及び9のそれぞれの頭頂部6’及び8’,並びに7’及び9’が、フランジ12の軸13の外側面20,21と常時非接触の状態にあり、車内側トリム構成体4及び車外側トリム構成体5の両側から圧縮力を負荷すると、リップ6及び8,並びに7及び9のそれぞれの頭頂部6’及び8’,並びに7’及び9’がフランジ12から脱離し易くなり、且つ脱離する距離も大きくなり、フランジ12が外れ易くなり、たとえば、ブレーキオイルの交換時等整備時に抜けやすくなり、整備の作業効率の向上に資する。
【0052】
本発明の自動車用ウェザーストリップは、天然又はEPDMを含む各種合成ゴム、熱可塑性合成樹脂、熱可塑性エラストマー或いはそれらの混合物から成る群から選択された原料で製造され、特段に材料は限定されない。たとえば、サントプレン(登録商標)等熱可塑性エラストマー(TPE)を使用すると、加硫工程を必要としないので、天然又はEPDMを含む各種合成ゴムに比べて、加硫装置、加硫材料が不要となり、総コストの低減化につながる。
【0053】
図4は、本発明で使用するフランジ12の一例を示す断面図である。本発明で使用するフランジ12は、軸13と、軸13と一体に軸13の上端の少なくとも1方の端部に突設された所定の形状の突起14とから構成されている。フランジ12の軸13と、突起14等の寸法は特段に限定されないが、軸13の幅は、たとえば、2.4mm、突起14が軸13が張り出している部分の長さk4は、たとえば、0.8mm、幅k5は、たとえば、0.8mmが好ましい。また、突起14の垂直面15は、下方に向かう従って、徐々に傾斜させて、垂直面15の下端が上端より、トリム部2の車内側トリム構成体4又は車外側トリム構成体5の内壁面に向けて迫り出している。ような形状にすることが好ましい。このような形状にすることにより、フランジ12を、トリム部2のリップ6,7及び8,9が形成する空間部に挿入する際に、容易に挿入することができる。この場合、突起14の垂直面15の傾斜角度θは特段に限定されないが、たとえば、4°程度である。
【0054】
さらに、フランジ12の軸13の他方の上端部16は、面取りをすることが好ましい。このようにフランジ12の軸13の他方の上端部16を面取りすることにより、フランジ12を、トリム部2のリップ6,7及び8,9が形成する空間部に挿入する際に、容易に挿入することができる。
【0055】
本発明の自動車用ウェザーストリップに使用するフランジの材料は、金属または合成樹脂で製造する。ただし、フランジ12を合成樹脂、たとえば、複合強化ポリプロピレンで製造することにより、従来の金属製フランジに比べて軽量化されるので、好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0056】
以上詳述した本発明の芯金無しタイプの自動車用ウェザーストリップは、従来のタイプのウェザーストリップに比べて大幅に肉薄化したので、フランジを挿入する際に必要な力が低減され且つトリム自体の軽量化に資し、車内側トリム構成体と車外側トリム構成体との間の径が、トリム部の開口部に向かって徐々に縮径しているので、フランジを保持する力が向上し、突発的な衝撃が加わっても、望ましい挿入位置を保持させ、他方、ソリッド部である車内側トリム構成体及び車外側トリム構成体の横方向又は斜め下方向から圧縮すると、フランジの突起と嵌合してるリップの頭頂部が車内側トリム構成体又は車外側トリム構成体の内壁面に向かって弾発し、フランジの突起から外れ易くなり、たとえば、ブレーキオイルの交換時等整備時に抜けやすくなり、整備の作業効率を向上させ、さらに、本発明の自動車用ウェザーストリップは、リップのそれぞれの上下間の間隔を小さくしたので、フランジを引き抜く際に、リップの頭頂部がフランジの突起と嵌合してリップを下降させ、リップの頭頂部と当接させ、リップがフランジから脱着するのが防止されるという従来の従来のタイプのウェザーストリップを陵駕する効果を奏功するので、芯金無しタイプの自動車用ウェザーストリップの性能を改良し、その用途を拡大し、作業性を向上させ、コストダウンと自動車の軽量化に資することができる。
【符号の説明】
【0057】
1 自動車用ウェザーストリップ
2 トリム部
3 中空状のシール部
4 車内側トリム構成体
5 車外側トリム構成体
6,7,8,9 リップ
6’,7’,8’,9’ リップ頭頂部
12 フランジ
13 フランジ12の軸
14 突起
15 突起14の垂直面
16 フランジ12の軸13の他方の上端部
17 フランジ12の上底面
18 金属製芯金
19 トリム部2の開口部
20 フランジ12の軸13の壁面
21 フランジ12の軸13の壁面
L 車内側トリム構成体4と車外側トリム構成体5との間の径
VL 車内側トリム構成体4の外側面を含む垂線、
k1 リップ7の上端位置P1とリップ9の上端位置P2との間の距離
k2 車外側トリム構成体5の最大幅の箇所P4の幅
k3 車外側トリム構成体5の最大幅の箇所P4と車外側トリム構成体5の最 下端部P3との間の長さ
k4 突起14の軸13が張り出している部分の長さ
k5 突起14の垂直面15の長さ
P1 リップ7を車外側トリム構成体5の内壁面w2から突設する上端位置
P2 リップ9を車外側トリム構成体5の内壁面w2から突設する上端位置
P3 車外側トリム構成体5の最下端部
P4 車外側トリム構成体5の最大幅の箇所
f フランジ12の幅
θ1 車内側トリム構成体4の外側面を含む垂線VLと開口部19を含む水平 線HL、及び車外側トリム構成体5の外側面を含む垂線VLと開口部19 を含む水平線HLとが形成する角度、
θ2 リップ7及び9のそれぞれの頭頂部7’及び9’とフランジ12の軸13 の外壁面20及び21とが形成する角度
w1 車内側トリム構成体4の内壁面
w2 車外側トリム構成体5の内壁面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の開口部周縁に突設されたフランジ(12)に嵌着されるほぼU字形のトリム部(2)と、トリム部(2)と一体に成形され自動車の開口部の縁部と弾接して変形することによりシール機能を発揮する中空状のシール部(3)とから主として構成され、芯金無しの自動車用ウェザーストリップ(1)であって、
前記トリム部(2)が車内側トリム構成体(4)と車外側トリム構成体(5)から構成されていて、前記トリム部(2)の車内側トリム構成体(4)の内壁面(w1)から1対のリップ(6)及び(8)が、車外側トリム構成体(5)の内壁面(w2)から、1対のリップ(7)及び(9)が、それぞれほぼ対向して斜め上方に向けて突設されている自動車用ウェザーストリップ(1)において、
前記フランジ(12)が、軸(13)、及び軸(13)と一体に軸(13)の上端の少なくとも1方の端部に突設された所定の形状の突起(14)から構成されていること、
前記車内側トリム構成体(4)と車外側トリム構成体(5)との間の径(L)が、前記トリム部(2)の開口部(19)に向かって徐々に縮径していること、
前記リップ(7)及び(9)、並びにリップ(6)及び(8)の組合わせの内、少なくとも前記フランジ(12)に前記突起(14)が形成されている側のリップ(7)及び(9)の組み合わせにおいて、リップ(7)を車外側トリム構成体(5)の内壁面(w2)から突設する上端位置(P1)と、リップ(9)を車外側トリム構成体(5)の内壁面(w2)から突設する上端位置P2との間の間隔(k1)を、フランジ(12)に引き抜く力が負荷された際、前記リップ(7)の頭頂部(7’)が前記フランジ(12)の突起(14)により押圧されて前記リップ(7)を下降させ、前記リップ(9)の頭頂部(9’)と当接させ、前記リップ(7)からの抜けを防止するような距離である、ことを特徴とする自動車用ウェザーストリップ(1)。
【請求項2】
前記車内側トリム構成体(4)の外側面と車内側トリム構成体(4)の外側面を含む垂線(VL)及び前記車外側トリム構成体(5)の外側面と前記車外側トリム構成体(5)の外側面を含む垂線(VL)とが形成する角度(θ1)を0度〜13度の範囲に設定したことを特徴とする請求項1に記載した自動車用ウェザーストリップ(1)。
【請求項3】
前記リップ(6)、(7)、(8)及び(9)のそれぞれの頭頂部(6’)、(7’)、(8’)及び(9’)と前記フランジ(12)の外側面とが形成する角度(θ2)を30〜45度の範囲に設定したことを特徴とする請求項1又は2に記載した自動車用ウェザーストリップ(1)。
【請求項4】
前記フランジ(12)を、軸(13)、及び軸(13)と一体に軸(13)の上端の少なくとも1方の端部に突設された所定の形状の突起(14)とから構成し、突起(14)の垂直面(15)は、下方に向かう従って、徐々に傾斜させて、垂直面(15)の下端が上端より、トリム部(2)の車内側トリム構成体(4)又は車外側トリム構成体(5)の内壁面に向けて迫り出しているような形状にしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載した自動車用ウェザーストリップ(1)。
【請求項5】
前記フランジ(12)を、軸(13)、及び軸(13)と一体に軸(13)の上端の少なくとも1方の端部に突設された所定の形状の突起(14)とから構成し、突起(14)の面(15)は、下方に向かうに従って、徐々に傾斜させて、垂直面(15)の下端が上端より、トリム部(2)の車内側トリム構成体(4)又は車外側トリム構成体(5)の内壁面に向けて迫り出しているような形状にし、突起(14)が形成された端部と対向する端部(16)を面取り構造にしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載した自動車用ウェザーストリップ(1)。
【請求項6】
天然又はEPDMを含む各種合成ゴム、熱可塑性合成樹脂、熱可塑性エラストマー或いはそれらの混合物から成る群から選択された原料で製造したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載した自動車用ウェザーストリップ。
【請求項7】
前記フランジ(12)を金属または合成樹脂で製造したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載した自動車用ウェザーストリップ。
【請求項8】
前記合成樹脂が、複合強化ポリプロピレンである請求項7に記載した自動車用ウェザーストリップ。
【請求項9】
ウェザーストリップが、ドア−、テイルゲート、又はトランクリッド用である請求項1〜8のいずれか1項に記載した自動車用ウェザーストリップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−63684(P2013−63684A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202487(P2011−202487)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000167820)広島化成株式会社 (65)
【出願人】(000002967)ダイハツ工業株式会社 (2,560)
【Fターム(参考)】