自動車用デントリインホースメントおよび自動車用フード
【課題】製造性を落とさずにビードを設定した自動車用デントR/Fとフードの提供。
【解決手段】一般部12と複数の足部14を有するデントR/F10とそれを備えたフード30において、少なくとも1つの足部は、該少なくとも1つの足部の正面視で、付け根16と着地点18とが左右方向にオフセットしているか、または付け根16と着地点18とが左右方向にオフセットしていないが付け根16と着地点18との間で左右方向にくねった、左右方向曲がり足部14Aとされている。左右方向曲がり足部14Aには、該左右方向曲がり足部の面と直交する方向に凸とされ該左右方向曲がり足部14Aの正面視で型抜き方向に直線状に延びる直線状ビード20Aが少なくとも1つ形成されている。直線状ビード20Aとすることにより型抜き方向にアンダーカットが生じず、型抜きすることができる。工程や型を追加することなくビードを設定できるので、製造性が低下しない。
【解決手段】一般部12と複数の足部14を有するデントR/F10とそれを備えたフード30において、少なくとも1つの足部は、該少なくとも1つの足部の正面視で、付け根16と着地点18とが左右方向にオフセットしているか、または付け根16と着地点18とが左右方向にオフセットしていないが付け根16と着地点18との間で左右方向にくねった、左右方向曲がり足部14Aとされている。左右方向曲がり足部14Aには、該左右方向曲がり足部の面と直交する方向に凸とされ該左右方向曲がり足部14Aの正面視で型抜き方向に直線状に延びる直線状ビード20Aが少なくとも1つ形成されている。直線状ビード20Aとすることにより型抜き方向にアンダーカットが生じず、型抜きすることができる。工程や型を追加することなくビードを設定できるので、製造性が低下しない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用デントリインホースメント(以下、デントリインホースメントを「デントR/F」ともいう、なお、R/FはReinforcement の略である)およびそれを備えた自動車用フードに関し、デントR/Fの製造性を低下させずにデントR/Fの左右に曲がった足部にビードをプレス成形で形成した自動車用デントリインホースメントおよびそれを備えた自動車用フードに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、自動車フード前端部におけるアウタパネルとインナパネルとの間に介在され、アウタパネルのへこみ(以下、へこみを「デント」ともいう)や変形を抑制するデントR/Fを開示している。
図13の従来例に示すように、デントR/F10Pは、フードのアウタパネルと接着などにより固定される一般部12Pと、一般部12Pとの付け根16Pからインナパネルへの着地点18Pまで下方または斜め下方に延びる足部14Pと、を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−185996号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、デントR/Fには歩行者保護性能とデント抑制性能が要求される。歩行者保護性能は、歩行者との接触または衝突時に歩行者がアウタパネル上に倒れ込んできた時にアウタパネルを下方に変形させやすくして歩行者を保護する性能である。デント抑制性能は、通常時に人がアウタパネル上に手をついたりアウタパネルが比較的小さい荷重を受けた時にアウタパネルがへこむことを抑制する性能である。通常、歩行者保護性能とデント抑制性能は互いに背反する。
【0005】
歩行者保護性能を向上させるには、図14の比較例(比較例は従来公知ではない、以下、同じ)に示すように、デントR/F10Pの足部14Pを足部の沿面方向に左右にくねらせたり、図15の比較例に示すように足部の沿面方向に付け根16Pと着地点18Pとを左右にオフセットさせて、足部14Pの上下方向変形荷重を低下させることが有効である。
デント抑制性能を向上させるには、比較例である図16の(イ)に示すように、足部14Pに足部14Pの左右方向くねりに合わせて足部沿面方向に左右にくねらせたビード20Pを形成して、足部14Pの上下方向剛性を高めることが有効である。
【0006】
しかし、足部14Pに左右方向にくねらせたビード20Pを形成すると、比較例である図16の(ロ)に示すように一対の型50P、52Pの型抜き方向Dにアンダーカット2Pが発生し、凸ビードと該凸ビード方向に移動しようとする型とが干渉し、比較例である図16の(ハ)に示すように型が抜けなくなる。
型抜けの問題を無くすには、足部14Pのビード20Pの形成を上下型とは別の横型を用いて足部14Pおよび一般部12Pのプレスとは別工程で行うことが必要となる。しかし、これは工程数および型数の増加を伴い、デントR/F10Pの製造性を低下させる。
【0007】
本発明の目的は、足部正面視で左右に曲がった足部を有し該足部にビードがプレス成形された自動車用デントR/Fおよびそれを含む自動車用フードであって、自動車用デントR/Fの製造性を低下させることなくビードが設定された自動車用デントR/Fおよびそれを備えた自動車用フードを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 上記課題を解決する、または上記目的を達成する本発明の自動車用デントR/Fは、フードのアウタパネルとインナパネルとの間に介在され、アウタパネルに固定される一般部と、該一般部との付け根を構成する一端部とインナパネルへの着地点を構成する他端部を有する複数の足部と、を有し、型抜き方向が足部の側面視にて足部の沿面方向成分を含む方向に設定され少なくとも一方の型が他方の型に対して相対的に移動される一対の型でプレス成形される。
複数の足部のうちの少なくとも1つの足部は、該少なくとも1つの足部の正面視で、付け根と着地点とが左右方向にオフセットしているか、または付け根と着地点とが左右方向にオフセットしていないが付け根と着地点との間で左右方向にくねった、左右方向曲がり足部とされている。
該左右方向曲がり足部には、該左右方向曲がり足部の面(足部の正面視で前面)と直交する方向に凸とされ該左右方向曲がり足部の正面視で型抜き方向に直線状に延びる直線状ビードが少なくとも1つ形成されている。
【0009】
(2) 上記(1)の自動車用デントR/Fにおいて、直線状ビードは、フルビードまたはハーフビードからなる。左右方向曲がり足部には、直線状ビードが、該左右方向曲がり足部の正面視で、該左右方向曲がり足部の幅方向に少なくとも1つ、該左右方向曲がり足部の長手方向の少なくとも一部に、形成されている。
【0010】
(3) 上記課題を解決する、または上記目的を達成する本発明の自動車用フードは、アウタパネルと、インナパネルと、上記(1)または(2)の自動車用デントR/Fと、を備えている。
【発明の効果】
【0011】
上記(1)の自動車用デントR/Fによれば、つぎの効果が得られる。
足部の正面視で足部が左右方向曲がり足部とされているので、足部の上下方向変形荷重が低減し、アウタパネルから荷重を受けた時に容易に変形して反力をやわらげ、歩行者保護性能が向上する。
足部に足部の面と直交する方向に凸とされた、型抜き方向に直線状に延びる直線状ビードが形成されているので、足部の剛性が向上し、通常時のアウタパネルのデントを抑制するデント抑制性能が向上する。
ビードが足部正面視で型抜き方向に直線状に延びているので、ビードを設けても型抜き方向にアンダーカットが生じない。したがって、ビードと干渉するなく型抜きすることができ、デントR/Fのプレス成形にビード形成のための別工程を追加したり横型を設ける必要がない。よって、デントR/Fの製造性は低下しない。
【0012】
上記(2)の自動車用デントR/Fにおいて、ビードはフルビードでもハーフビードでもよい。ここで、「フルビード」とはビード山部のビード幅方向両側に縦壁(斜め方向に延びる縦壁でもよい)をもつビードであり、「ハーフビード」とはビード山部のビード幅方向片側にのみ縦壁(斜め方向に延びる縦壁でもよい)をもつビードである。ハーフビードの縦壁と足部の縁部との間の部分はフランジとみなせるので、ハーフビードを「フランジ」と云ってもよい。
上記(2)の自動車用デントR/Fによれば、左右方向曲がり足部の幅方向におけるビードの数を選定することにより、および/または、左右方向曲がり足部の長手方向におけるビード長さを選定することにより、足部の剛性を所望の値に設定できる。
左右方向曲がり足部のオフセットおよび/またはくねりを選定することよって、足部の上下方向変形荷重を調整でき、ビードの数、長さを選定することによって、足部の剛性を調整できるので、歩行者保護性能とデント抑制性能をそれぞれの所望値に近づけることができる。
【0013】
上記(3)の自動車用フードによれば、デントR/Fの構造を選定することによりアウタパネルの歩行者保護性能とデント性能の双方を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施例に係る自動車用デントR/Fの左右方向曲がり足部とその近傍部の一対の型による成形途中の断面図である。
【図2】本発明の一実施例に係る自動車用デントR/Fの左右方向曲がり足部とその近傍部の正面図である。
【図3】本発明の一実施例に係る自動車用デントR/Fの、直線状ビードが形成された左右方向曲がり足部の第1の態様の正面図である。
【図4】本発明の一実施例に係る自動車用デントR/Fの、直線状ビードが形成された左右方向曲がり足部の第2の態様の正面図である。
【図5】本発明の一実施例に係る自動車用デントR/Fの、直線状ビードが形成された左右方向曲がり足部の第3の態様の正面図である。
【図6】本発明の一実施例に係る自動車用デントR/Fの、直線状ビードが形成された左右方向曲がり足部の第4の態様の正面図である。
【図7】本発明の一実施例に係る自動車用デントR/Fの、直線状ビードが形成された左右方向曲がり足部の第5の態様の正面図である。
【図8】本発明の一実施例に係る自動車用デントR/Fの、直線状ビードが形成された左右方向曲がり足部の第6の態様の正面図である。
【図9】本発明の一実施例に係る自動車用デントR/Fの、左右方向曲がり足部とその近傍の斜視図である。
【図10】本発明の一実施例に係る自動車用デントR/Fの正面図である。
【図11】本発明の一実施例に係る自動車用デントR/Fの平面図である。
【図12】本発明の一実施例に係る自動車用デントR/Fを含む、本発明の自動車用フードの前部の断面図である。
【図13】従来例に係る自動車用デントR/Fの斜視図である。
【図14】比較例に係る自動車用デントR/Fにおける足部の一態様の正面図である。
【図15】比較例に係る自動車用デントR/Fにおける足部のもう一つの態様の正面図である。
【図16】(イ)は図15の比較例の足部に左右に曲がったビードを形成した場合の足部の正面図、(ロ)は(イ)のA−A線断面図、(ハ)は(ロ)でアンダーカットが生じて型が抜けなくなることを示す拡大断面図、である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明の一実施例に係る自動車用デントR/Fおよびそれを備えた自動車用フードを、図1−図12を参照して説明する。
図中、矢印「FR」は自動車に組み付け時でのデントR/F前方を示し、「UP」は自動車に組み付けられた時のデントR/Fの上方を示し、「RL」は自動車に組み付けられた時のデントR/Fの左右方向を示す。
【0016】
まず、本発明の自動車用デントR/F10の構成を説明する。
図10−図12に示すように、本発明のデントR/F10は、自動車のフード30の前部でアウタパネル32とインナパネル34との間に介在される。
図9−図12に示すように、デントR/F10は、アウタパネル32に固定される一般部12と、一般部12との付け根16を構成する一端部とインナパネル34への着地点18を構成する他端部を持つ複数の足部14と、を有する。足部14はアウタパネル32にかかる荷重を足部14を介してインナパネル34に伝達する。アウタパネル32にかかる荷重は、歩行者と自動車との衝突時に歩行者がアウタパネル32に倒れ込んできた時やアウタパネル32に衝突してきた時の荷重の他、通常時に人がアウタパネル32に手をついたりアウタパネル32が軽い荷重や軽い衝撃を受けた時の荷重を含む。
【0017】
一般部12はアウタパネル32の下面に沿って延び、複数箇所にて、接着部36で接着剤38によりアウタパネル32に接着され固定される。一般部12には、重量軽減用の孔や、接着剤溜め用の凹部や、剛性を出すためのリブが、プレス成形により形成される。
足部14は、付け根16で一般部12に接続し、付け根16で折れ曲がって一般部12から離れる方向に斜め下方に延びる。図10、図11は一般部12の自動車前後方向前端部に4ヵ所、自動車前後方向後端部に2ヵ所、足部14が形成された例を示している。ただし、足部14の数、位置は図10、図11の例に限るものではない。
【0018】
図11、図12の例では、一般部12の前端部に設けられた足部14は自動車前方下方に斜めに延び、一般部12の後端部に設けられた足部14は自動車後方下方に斜めに延びている。足部14は足部14の下端で自動車前後方向に折れ曲がって自動車前後方向に短く延びる。一般部12の前端部に設けられた足部14の下端は前方に向かって延び、一般部12の後端部に設けられた足部14の下端は後方に向かって延びる。足部14の下端の自動車前後方向に短く延びる部分の下面はインナパネル34に着地してインナパネル34への着地点18を構成し、該着地点18で足部14はインナパネル34に固定または当接される。足部14の着地点18とインナパネル34との固定は、デントR/F10とインナパネル34が金属部材である場合はスポット溶接などにより、デントR/F10とインナパネル34との一方がFRPである場合は接着やねじ手段などによる。
【0019】
デントR/F10は、一般部12と足部14を含む平板状のブランク材を、一対の型50、52間でプレス成形することにより製造される。プレス成形では一般部12と足部14は1回の型50、52の接近、離反ストロークで成形される。図1では、一対の型50、52のうち足部14の成形型部分のみが示してあるが、足部14の成形型部分は一般部12の成形型部分に一体につながっている。
【0020】
一対の型50、52の型抜き方向Dは、足部14(後述する左右方向曲がり足部14A)の側面視で、足部14の沿面方向成分を含む方向(以下、単に「沿面方向」ともいう)に一方の型が他方の型に対して相対的にスライドするように設定されている。相対的スライドでは、一対の型50、52が互いに逆方向に移動してもよいし、または一方の型が固定で他方の型が一方の型に対してスライドしてもよい。一対の型50、52は、上型50と下型52を含み、上型50が可動型で下型52が固定型である。ただし、一対の型50、52が、型抜き方向Dが互いに逆方向に設定された可動型であってもよい。
【0021】
複数の足部14のうちの少なくとも1つの足部は、該少なくとも1つの足部の、自動車に組み付けた状態で自動車前後方向に見た水平方向の正面視(以下、足部の正面視という)で、図2、図3、図6−図8に示すように、付け根16と着地点18とが左右方向にオフセットしているか、または、図4、図5に示すように、付け根16と着地点18とが左右方向にオフセットしていないが付け根16と着地点18との間で左右方向にくねった、左右方向曲がり足部14Aとされている。左右方向曲がり足部14A以外の足部14は足部14の正面視で鉛直方向に直線状に延びる直線状足部14Bである。左右方向曲がり足部14Aも直線状足部14Bも、足部14の面と直交する方向には、図1に示すように、屈曲するかまたは屈曲してもよい。
【0022】
左右方向曲がり足部14Aおよび直線状足部14Bには、足部14の正面視で上下方向に延びるビード20が形成されている。ビード20は足部14の正面視での前面と直交する方向に手前側に向かって凸であり、プレス成形によって足部14のビード20を構成する壁面を足部14のビード20を構成しない面に対して屈曲させることにより、足部14に一体に形成されている。ビード20形成部分以外の部分から立ち上がるビード20の縦壁は足部14のビード20形成部分以外の部分に対して直交かまたは斜めに立ち上がっている。ビード20のサイズ、たとえば凸の高さ、幅、長さは自由に選定されてよい。
【0023】
ビード20は、足部14の幅方向に、フルビード20Fまたはハーフビード20Hからなる。ここで、フルビード20Fとは、ビード20の幅方向両側に足部14の面から直交または斜交する方向に立ち上がる縦壁をもつビードであり、ハーフビード20Hとはビード20の幅方向片側にのみ足部14の面から直交または斜交する方向に立ち上がる縦壁をもつビードである。ハーフビード20Hの縦壁と足部14の縁部との間の部分はフランジを構成するので、ハーフビード20Hをフランジと云ってもよい。
【0024】
ビード20には、足部14の正面視で型抜き方向D(一対の型が上下型の場合は上下方向)に直線状に延びるビード20Aと、型抜き方向Dに対して左右方向にくねりあるいは斜めに延びる左右方向曲がりビード20Bと、がある。
【0025】
左右方向曲がり足部14Aは直線状ビード20Aを少なくとも1つ含む。
左右方向曲がり足部14Aにビード20が複数形成される場合には、少なくとも1つのビード20は直線状ビード20Aとされる。左右方向曲がり足部14Aには、直線状ビード20A以外に、左右方向曲がりビード20Bが形成されてもよい。
直線状足部14Bにビード20が形成される場合には、ビード20は、通常、直線状ビード20Aとされる。
【0026】
左右方向曲がり足部14Aにおいて、直線状ビード20は、該左右方向曲がり足部14Aの幅方向に少なくとも1つ形成されており、該左右方向曲がり足部14Aの長手方向の少なくとも一部に形成されている。
【0027】
図2、図9−図11の例では、上型が可動型で下型が固定型である場合において、左右方向曲がり足部14Aに、上部がハーフビード20Hからなり下部がフルビード20Fからなる直線状ビード20Aと、その右側にハーフビード20Hからなる左右方向曲がりビード20Bが形成されている。左右方向曲がりビード20Bと直線状ビード20Aとの左右方向間隔は、一定かまたは上方に向かって広くなるように設定されている。これは、ビード形成時に型抜き方向Dにアンダーカットが生じないようにして型抜きを可能にするためである。
図2、図9−図11の例では、直線状足部14Bに直線状ビード20Aが形成されているが、直線状足部14Bの直線状ビード20Aはハーフビード20Hでもフルビード20Fでもよい。図示例はハーフビード20Hの場合を示している。
【0028】
図2、図9−図11の例では、左右方向曲がり足部14Aの長手方向中央部より下側に、かつ、フルビード20Fからなる直線状ビード20Aの左側に、ハーフビード20Hからなり直線状ビード20Aに対して斜めに延びる斜めビード20Bが形成されているが、直線状ビード20Aと斜めビード20Bとの間の、ビード以外の部分は、上方にいくにしたがってビード凸方向と反対方向に傾斜しているので、型抜き方向Dにビード20が消失し、上型の上方への型抜きが可能となっている。
【0029】
図3−図8は、左右方向曲がり足部14Aの左右方向オフセットまたは曲がり方のとり得る種々の態様と、左右方向曲がり足部14Aに形成された直線状ビード20Aのとり得る種々の態様を示している。以下、順に説明する。
【0030】
図3−図5は左右方向曲がり足部14Aの種々の態様を示す。
図3の態様では、足部14は、足部14の正面視で付け根16と着地点18とが左右方向にオフセットしている。足部14の外形は付け根16と着地点18との間で足部14の正面視で直線状に延びていてもよいし、あるいはくねっていてもよい。付け根16と着地点18とが左右方向にオフセットすることによって、アウタパネル32に荷重がかかって足部14が変形する時に足部14の変形軌跡に干渉物、たとえばインナパネル34から上方に突出するストライカ(図示せず)の端部など、があっても、それを避けて足部14が変形することができ、足部14が干渉物に底付きしてデントR/F10の歩行者保護性能を低下させることを抑制することができる。
ビード20は足部14の正面視で上下方向に直線状に延びる直線状ビード20Aからなる。
ビード20はビード全長にわたってフルビード20Fからなるか、または足部縁部でビードの縦壁が無くなる部分ではハーフビード20Hからなる。図3ではビード上端部がハーフビード20Hとなっている。
【0031】
図4の態様では、足部14は、足部14の正面視で、付け根16と着地点18とが左右方向にオフセットしていないが、足部14の付け根16と着地点18との間の部分が左右に1回くねっている。くねらせ量Sは適宜に選定してよい。
ビード20は足部14の正面視で上下方向に直線状に延びる直線状ビード20Aからなる。
図4ではビード20の上下方向中央部で部分的にハーフビード20Hとなっている。
【0032】
図5の態様では、足部14は、足部14の正面視で、付け根16と着地点18とが左右方向にオフセットしていないが、足部14の付け根16と着地点18との間の部分が左右に2回以上くねった左右方向曲がり足部14Aとなっている。くねりの回数は自由である。くねらせ量は図4の態様と同様に自由に選定してよい。
ビード20は足部14の正面視で上下方向に直線状に延びる直線状ビード20Aからなる。
図5ではビード20の上下方向中間部で部分的に2ヵ所ハーフビード20Hとなっている。
【0033】
図6−図8はビード20の設け方の種々の態様を示す。
図6の態様では、足部14は、左右方向曲がり足部14Aからなる。たとえば、足部14は、足部14の正面視で、付け根16と着地点18とが左右方向にオフセットしておりかつ付け根16と着地点18との間の部分が左右方向に1回曲がっている。
ビード20は足部14の正面視で上下方向に直線状に延びる直線状ビード20Aからなる。
直線状ビード20Aはフルビード20Fでもよいし、ハーフビード20Hでもよいし、フルビード20Fとハーフビード20Hの混在でもよい。
図6の態様では、ビード20は足部14の上部でハーフビード20Hまたはフランジとなっており、足部14の上部以外の部分でフルビード20Fとなっている。したがって、ビード20はビード長手方向にフルビード20Fとハーフビード20Hが混在したビードとなっている。
【0034】
図7の態様では、足部14は、左右方向曲がり足部14Aからなる。たとえば、足部14は、足部14の正面視で、付け根16と着地点18とが左右方向にオフセットしておりかつ付け根16と着地点18との間の部分が左右方向に1回曲がっている。
ビード20は足部14の正面視で上下方向に直線状に延びる直線状ビード20Aからなる。ビード20は足部14の上部でハーフビード20Hまたはフランジとなっており、足部14の上部以外の部分でフルビード20Fとなっている。
直線状ビード20Aの長手方向の途中に、ハーフビード20Hからなる斜めに延びる左右方向曲がりビード20Bが合流している。ビード20が紙面手前側に凸となっている場合は、直線状ビード20Aと斜めに延びるハーフビード20Hとの間の部分は紙面奥側にビード20よりへこんでいるので、その部分を成形する上型部分が上方に型抜きできるためには、ハーフビードの山部の合流部位が紙面奥側に後退するように足部14が前後方向に傾斜している必要がある。ただし、ビード20が紙面奥側に凸となってている場合は、上型はそのまま上方に型抜きできる。
【0035】
図8の態様では、足部14は、左右方向曲がり足部14Aからなる。たとえば、足部14は、足部14の正面視で、付け根16と着地点18とが左右方向にオフセットしておりかつ付け根16と着地点18との間の部分が左右に1回曲がっている。
ビード20は足部14の正面視で上下方向に直線状に延びる直線状ビード20Aからなる。ビード20はビード20の幅方向に1本または複数本ある。図8は、ビード20がビード20の幅方向に2本ある場合を示している。
ビード20が、足部14の長手方向一端部から足部14の長手方向の途中まで延び、該途中でビード20が終わっていてもよい。図8の左側のビードは、ビード長手方向にフルビード20Fとハーフビード20Hの混在からなる。
ビード20は図8の右側のビードのように足部14の長手方向の途中部分だけに設けられてもよい。
【0036】
本発明の自動車用フード30は、アウタパネル32と、インナパネル34と、アウタパネル32とインナパネル34との間に設けられたデントR/F10と、を備える。本発明の自動車用フード30のデントR/F10の構成は、上記の本発明の自動車用デントR/F10の構成に準じる。
【0037】
つぎに、本発明の作用、効果を説明する。
従来の問題が本発明のデントR/F10によりどのようように解決されるかを説明する。
まず、足部14が足部の正面視で付け根16と着地点18が左右にオフセットされるかまたは付け根16と着地点18との間で左右にくねらせた左右方向曲がり足部14Aとされる(図2−図8)。足部14を車両前後方向にくねらせると、型抜き方向Dにアンダーカットが生じて、型抜きができなくなるおそれがあるので、足部14を車両前後方向にくねらせる場合はアンダカットが生じないように足部14の前後方向の傾斜角度を設定しかつビード高さを設定する必要がある。
【0038】
左右方向曲がり足部14Aとすることにより、左右方向曲がり足部14Aの変形荷重が低減する。その結果、該左右方向曲がり足部14A近傍のアウタパネル部分に歩行者が衝突した時に左右方向曲がり足部とされていない場合よりも足部14は小さな荷重で変形でき、その反力としての歩行者への衝撃力も小さくなり、歩行者保護性能が向上する。また、足部14の形状の自由度が増し、足部14が他部品、たとえばストライカなどの部品と接触することを回避できるなどの効果もある。
【0039】
足部14が足部の正面視で左右方向曲がり足部14Aとされると、左右方向曲がり足部14Aとした足部14の剛性が低下する。その結果、通常時において比較的小さい荷重によってもアウタパネル32がへこんでデントし、足部14のアウタパネルデント抑制性能が低下する。
【0040】
左右方向曲がり足部14Aのデント抑制性能を向上するためには、左右方向曲がり足部14Aに該足部14Aと平行な型抜き方向Dに対して左右方向に屈曲するビード20を形成することが考えられる。図16の(イ)は、足部14Pに足部14Pのくねりに合わせて足部沿面方向に左右にくねらせたビード20Pを形成して、足部14Pの上下方向剛性を高めた場合を示している。
【0041】
ビード20形成の作用、効果としては、足部14の上下方向剛性が向上し、デント抑制性能が向上する。
その他に、デントR/F10の単品精度出しや搬送時の取り扱いが容易になる。また、フードの閉力の伝達効率や強度も向上する。
【0042】
しかし、図16の(イ)に示すように、足部14Pに平行なビード20Pを形成すると、図16の(ロ)、(ハ)に示すように、製品に型抜き方向Dにアンダーカット2Pが生じ、ビード20Pのプレス成形後に型抜きできなくなる。そのため、左右にくねったビード20Pを形成しようとすると、横方向にストロークされる横型を用いたビードのプレス成形工程を追加する必要があり、工程数の増加や型数の増加が必要になる。これによって、製造性が低下する。
【0043】
本発明では、左右方向曲がり足部14Aに、該左右方向曲がり足部14Aの正面視で型抜き方向Dに直線状に延び、左右方向曲がり足部14Aの面と直交する方向に凸となる直線状ビード20Aが、少なくも1つ形成されている。左右方向曲がり足部14Aには直線状ビード20A以外に左右方向曲がりビード20Bも形成されてもよいが、左右方向曲がりビード20Bが形成される場合は図10に示すように左右方向曲がりビード20Bと直線状ビード20Aとの間隔が型抜き方向Dに拡がっているか、足部14の面が型抜き方向Dからビード20の凸と反対側に傾斜している必要がある。
【0044】
直線状ビード20Aの形成の作用効果としては、アンダーカットが無くなる。これによって、ビード20Aの型抜きが可能になる。したがって、工程数や型数を増加させることなく、すなわち製造性を低下させることなく、ビード20を左右方向曲がり足部14Aにプレス成形でき、デント性能を向上させることができる。
【0045】
左右方向曲がり足部14を幅方向にくねらせることにより、足部14の変形荷重を所望の値に低減でき、左右方向曲がり足部14Aに形成したビード20の本数や長さを選定することにより、足部14の剛性を所望の値に高めることができる。これによって、歩行者保護性能とデント抑制性能をそれぞれの所望値に近づけることができる。
【0046】
本発明の自動車用フード30の作用、効果は、上記の本発明のデントR/F10の作用、効果に準じる。また、本発明の自動車用フード30では、デントR/F10の構造、たとえば左右方向曲がり足部14Aのくねり量やオフセット量、ビード20の本数や長さを選定することにより、アウタパネル32の歩行者保護性能とデント性能の双方を向上できる。
【符号の説明】
【0047】
10 デントR/F
12 一般部
14 足部
14A 左右方向曲がり足部
16 付け根
18 着地点
20 ビード
20A 直線状ビード
20F フルビード
20H ハーフビードまたはフランジ
30 フード
32 アウタパネル 34 インナパネル
50、51 一対の型
D 型抜き方向
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用デントリインホースメント(以下、デントリインホースメントを「デントR/F」ともいう、なお、R/FはReinforcement の略である)およびそれを備えた自動車用フードに関し、デントR/Fの製造性を低下させずにデントR/Fの左右に曲がった足部にビードをプレス成形で形成した自動車用デントリインホースメントおよびそれを備えた自動車用フードに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、自動車フード前端部におけるアウタパネルとインナパネルとの間に介在され、アウタパネルのへこみ(以下、へこみを「デント」ともいう)や変形を抑制するデントR/Fを開示している。
図13の従来例に示すように、デントR/F10Pは、フードのアウタパネルと接着などにより固定される一般部12Pと、一般部12Pとの付け根16Pからインナパネルへの着地点18Pまで下方または斜め下方に延びる足部14Pと、を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−185996号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、デントR/Fには歩行者保護性能とデント抑制性能が要求される。歩行者保護性能は、歩行者との接触または衝突時に歩行者がアウタパネル上に倒れ込んできた時にアウタパネルを下方に変形させやすくして歩行者を保護する性能である。デント抑制性能は、通常時に人がアウタパネル上に手をついたりアウタパネルが比較的小さい荷重を受けた時にアウタパネルがへこむことを抑制する性能である。通常、歩行者保護性能とデント抑制性能は互いに背反する。
【0005】
歩行者保護性能を向上させるには、図14の比較例(比較例は従来公知ではない、以下、同じ)に示すように、デントR/F10Pの足部14Pを足部の沿面方向に左右にくねらせたり、図15の比較例に示すように足部の沿面方向に付け根16Pと着地点18Pとを左右にオフセットさせて、足部14Pの上下方向変形荷重を低下させることが有効である。
デント抑制性能を向上させるには、比較例である図16の(イ)に示すように、足部14Pに足部14Pの左右方向くねりに合わせて足部沿面方向に左右にくねらせたビード20Pを形成して、足部14Pの上下方向剛性を高めることが有効である。
【0006】
しかし、足部14Pに左右方向にくねらせたビード20Pを形成すると、比較例である図16の(ロ)に示すように一対の型50P、52Pの型抜き方向Dにアンダーカット2Pが発生し、凸ビードと該凸ビード方向に移動しようとする型とが干渉し、比較例である図16の(ハ)に示すように型が抜けなくなる。
型抜けの問題を無くすには、足部14Pのビード20Pの形成を上下型とは別の横型を用いて足部14Pおよび一般部12Pのプレスとは別工程で行うことが必要となる。しかし、これは工程数および型数の増加を伴い、デントR/F10Pの製造性を低下させる。
【0007】
本発明の目的は、足部正面視で左右に曲がった足部を有し該足部にビードがプレス成形された自動車用デントR/Fおよびそれを含む自動車用フードであって、自動車用デントR/Fの製造性を低下させることなくビードが設定された自動車用デントR/Fおよびそれを備えた自動車用フードを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 上記課題を解決する、または上記目的を達成する本発明の自動車用デントR/Fは、フードのアウタパネルとインナパネルとの間に介在され、アウタパネルに固定される一般部と、該一般部との付け根を構成する一端部とインナパネルへの着地点を構成する他端部を有する複数の足部と、を有し、型抜き方向が足部の側面視にて足部の沿面方向成分を含む方向に設定され少なくとも一方の型が他方の型に対して相対的に移動される一対の型でプレス成形される。
複数の足部のうちの少なくとも1つの足部は、該少なくとも1つの足部の正面視で、付け根と着地点とが左右方向にオフセットしているか、または付け根と着地点とが左右方向にオフセットしていないが付け根と着地点との間で左右方向にくねった、左右方向曲がり足部とされている。
該左右方向曲がり足部には、該左右方向曲がり足部の面(足部の正面視で前面)と直交する方向に凸とされ該左右方向曲がり足部の正面視で型抜き方向に直線状に延びる直線状ビードが少なくとも1つ形成されている。
【0009】
(2) 上記(1)の自動車用デントR/Fにおいて、直線状ビードは、フルビードまたはハーフビードからなる。左右方向曲がり足部には、直線状ビードが、該左右方向曲がり足部の正面視で、該左右方向曲がり足部の幅方向に少なくとも1つ、該左右方向曲がり足部の長手方向の少なくとも一部に、形成されている。
【0010】
(3) 上記課題を解決する、または上記目的を達成する本発明の自動車用フードは、アウタパネルと、インナパネルと、上記(1)または(2)の自動車用デントR/Fと、を備えている。
【発明の効果】
【0011】
上記(1)の自動車用デントR/Fによれば、つぎの効果が得られる。
足部の正面視で足部が左右方向曲がり足部とされているので、足部の上下方向変形荷重が低減し、アウタパネルから荷重を受けた時に容易に変形して反力をやわらげ、歩行者保護性能が向上する。
足部に足部の面と直交する方向に凸とされた、型抜き方向に直線状に延びる直線状ビードが形成されているので、足部の剛性が向上し、通常時のアウタパネルのデントを抑制するデント抑制性能が向上する。
ビードが足部正面視で型抜き方向に直線状に延びているので、ビードを設けても型抜き方向にアンダーカットが生じない。したがって、ビードと干渉するなく型抜きすることができ、デントR/Fのプレス成形にビード形成のための別工程を追加したり横型を設ける必要がない。よって、デントR/Fの製造性は低下しない。
【0012】
上記(2)の自動車用デントR/Fにおいて、ビードはフルビードでもハーフビードでもよい。ここで、「フルビード」とはビード山部のビード幅方向両側に縦壁(斜め方向に延びる縦壁でもよい)をもつビードであり、「ハーフビード」とはビード山部のビード幅方向片側にのみ縦壁(斜め方向に延びる縦壁でもよい)をもつビードである。ハーフビードの縦壁と足部の縁部との間の部分はフランジとみなせるので、ハーフビードを「フランジ」と云ってもよい。
上記(2)の自動車用デントR/Fによれば、左右方向曲がり足部の幅方向におけるビードの数を選定することにより、および/または、左右方向曲がり足部の長手方向におけるビード長さを選定することにより、足部の剛性を所望の値に設定できる。
左右方向曲がり足部のオフセットおよび/またはくねりを選定することよって、足部の上下方向変形荷重を調整でき、ビードの数、長さを選定することによって、足部の剛性を調整できるので、歩行者保護性能とデント抑制性能をそれぞれの所望値に近づけることができる。
【0013】
上記(3)の自動車用フードによれば、デントR/Fの構造を選定することによりアウタパネルの歩行者保護性能とデント性能の双方を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施例に係る自動車用デントR/Fの左右方向曲がり足部とその近傍部の一対の型による成形途中の断面図である。
【図2】本発明の一実施例に係る自動車用デントR/Fの左右方向曲がり足部とその近傍部の正面図である。
【図3】本発明の一実施例に係る自動車用デントR/Fの、直線状ビードが形成された左右方向曲がり足部の第1の態様の正面図である。
【図4】本発明の一実施例に係る自動車用デントR/Fの、直線状ビードが形成された左右方向曲がり足部の第2の態様の正面図である。
【図5】本発明の一実施例に係る自動車用デントR/Fの、直線状ビードが形成された左右方向曲がり足部の第3の態様の正面図である。
【図6】本発明の一実施例に係る自動車用デントR/Fの、直線状ビードが形成された左右方向曲がり足部の第4の態様の正面図である。
【図7】本発明の一実施例に係る自動車用デントR/Fの、直線状ビードが形成された左右方向曲がり足部の第5の態様の正面図である。
【図8】本発明の一実施例に係る自動車用デントR/Fの、直線状ビードが形成された左右方向曲がり足部の第6の態様の正面図である。
【図9】本発明の一実施例に係る自動車用デントR/Fの、左右方向曲がり足部とその近傍の斜視図である。
【図10】本発明の一実施例に係る自動車用デントR/Fの正面図である。
【図11】本発明の一実施例に係る自動車用デントR/Fの平面図である。
【図12】本発明の一実施例に係る自動車用デントR/Fを含む、本発明の自動車用フードの前部の断面図である。
【図13】従来例に係る自動車用デントR/Fの斜視図である。
【図14】比較例に係る自動車用デントR/Fにおける足部の一態様の正面図である。
【図15】比較例に係る自動車用デントR/Fにおける足部のもう一つの態様の正面図である。
【図16】(イ)は図15の比較例の足部に左右に曲がったビードを形成した場合の足部の正面図、(ロ)は(イ)のA−A線断面図、(ハ)は(ロ)でアンダーカットが生じて型が抜けなくなることを示す拡大断面図、である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明の一実施例に係る自動車用デントR/Fおよびそれを備えた自動車用フードを、図1−図12を参照して説明する。
図中、矢印「FR」は自動車に組み付け時でのデントR/F前方を示し、「UP」は自動車に組み付けられた時のデントR/Fの上方を示し、「RL」は自動車に組み付けられた時のデントR/Fの左右方向を示す。
【0016】
まず、本発明の自動車用デントR/F10の構成を説明する。
図10−図12に示すように、本発明のデントR/F10は、自動車のフード30の前部でアウタパネル32とインナパネル34との間に介在される。
図9−図12に示すように、デントR/F10は、アウタパネル32に固定される一般部12と、一般部12との付け根16を構成する一端部とインナパネル34への着地点18を構成する他端部を持つ複数の足部14と、を有する。足部14はアウタパネル32にかかる荷重を足部14を介してインナパネル34に伝達する。アウタパネル32にかかる荷重は、歩行者と自動車との衝突時に歩行者がアウタパネル32に倒れ込んできた時やアウタパネル32に衝突してきた時の荷重の他、通常時に人がアウタパネル32に手をついたりアウタパネル32が軽い荷重や軽い衝撃を受けた時の荷重を含む。
【0017】
一般部12はアウタパネル32の下面に沿って延び、複数箇所にて、接着部36で接着剤38によりアウタパネル32に接着され固定される。一般部12には、重量軽減用の孔や、接着剤溜め用の凹部や、剛性を出すためのリブが、プレス成形により形成される。
足部14は、付け根16で一般部12に接続し、付け根16で折れ曲がって一般部12から離れる方向に斜め下方に延びる。図10、図11は一般部12の自動車前後方向前端部に4ヵ所、自動車前後方向後端部に2ヵ所、足部14が形成された例を示している。ただし、足部14の数、位置は図10、図11の例に限るものではない。
【0018】
図11、図12の例では、一般部12の前端部に設けられた足部14は自動車前方下方に斜めに延び、一般部12の後端部に設けられた足部14は自動車後方下方に斜めに延びている。足部14は足部14の下端で自動車前後方向に折れ曲がって自動車前後方向に短く延びる。一般部12の前端部に設けられた足部14の下端は前方に向かって延び、一般部12の後端部に設けられた足部14の下端は後方に向かって延びる。足部14の下端の自動車前後方向に短く延びる部分の下面はインナパネル34に着地してインナパネル34への着地点18を構成し、該着地点18で足部14はインナパネル34に固定または当接される。足部14の着地点18とインナパネル34との固定は、デントR/F10とインナパネル34が金属部材である場合はスポット溶接などにより、デントR/F10とインナパネル34との一方がFRPである場合は接着やねじ手段などによる。
【0019】
デントR/F10は、一般部12と足部14を含む平板状のブランク材を、一対の型50、52間でプレス成形することにより製造される。プレス成形では一般部12と足部14は1回の型50、52の接近、離反ストロークで成形される。図1では、一対の型50、52のうち足部14の成形型部分のみが示してあるが、足部14の成形型部分は一般部12の成形型部分に一体につながっている。
【0020】
一対の型50、52の型抜き方向Dは、足部14(後述する左右方向曲がり足部14A)の側面視で、足部14の沿面方向成分を含む方向(以下、単に「沿面方向」ともいう)に一方の型が他方の型に対して相対的にスライドするように設定されている。相対的スライドでは、一対の型50、52が互いに逆方向に移動してもよいし、または一方の型が固定で他方の型が一方の型に対してスライドしてもよい。一対の型50、52は、上型50と下型52を含み、上型50が可動型で下型52が固定型である。ただし、一対の型50、52が、型抜き方向Dが互いに逆方向に設定された可動型であってもよい。
【0021】
複数の足部14のうちの少なくとも1つの足部は、該少なくとも1つの足部の、自動車に組み付けた状態で自動車前後方向に見た水平方向の正面視(以下、足部の正面視という)で、図2、図3、図6−図8に示すように、付け根16と着地点18とが左右方向にオフセットしているか、または、図4、図5に示すように、付け根16と着地点18とが左右方向にオフセットしていないが付け根16と着地点18との間で左右方向にくねった、左右方向曲がり足部14Aとされている。左右方向曲がり足部14A以外の足部14は足部14の正面視で鉛直方向に直線状に延びる直線状足部14Bである。左右方向曲がり足部14Aも直線状足部14Bも、足部14の面と直交する方向には、図1に示すように、屈曲するかまたは屈曲してもよい。
【0022】
左右方向曲がり足部14Aおよび直線状足部14Bには、足部14の正面視で上下方向に延びるビード20が形成されている。ビード20は足部14の正面視での前面と直交する方向に手前側に向かって凸であり、プレス成形によって足部14のビード20を構成する壁面を足部14のビード20を構成しない面に対して屈曲させることにより、足部14に一体に形成されている。ビード20形成部分以外の部分から立ち上がるビード20の縦壁は足部14のビード20形成部分以外の部分に対して直交かまたは斜めに立ち上がっている。ビード20のサイズ、たとえば凸の高さ、幅、長さは自由に選定されてよい。
【0023】
ビード20は、足部14の幅方向に、フルビード20Fまたはハーフビード20Hからなる。ここで、フルビード20Fとは、ビード20の幅方向両側に足部14の面から直交または斜交する方向に立ち上がる縦壁をもつビードであり、ハーフビード20Hとはビード20の幅方向片側にのみ足部14の面から直交または斜交する方向に立ち上がる縦壁をもつビードである。ハーフビード20Hの縦壁と足部14の縁部との間の部分はフランジを構成するので、ハーフビード20Hをフランジと云ってもよい。
【0024】
ビード20には、足部14の正面視で型抜き方向D(一対の型が上下型の場合は上下方向)に直線状に延びるビード20Aと、型抜き方向Dに対して左右方向にくねりあるいは斜めに延びる左右方向曲がりビード20Bと、がある。
【0025】
左右方向曲がり足部14Aは直線状ビード20Aを少なくとも1つ含む。
左右方向曲がり足部14Aにビード20が複数形成される場合には、少なくとも1つのビード20は直線状ビード20Aとされる。左右方向曲がり足部14Aには、直線状ビード20A以外に、左右方向曲がりビード20Bが形成されてもよい。
直線状足部14Bにビード20が形成される場合には、ビード20は、通常、直線状ビード20Aとされる。
【0026】
左右方向曲がり足部14Aにおいて、直線状ビード20は、該左右方向曲がり足部14Aの幅方向に少なくとも1つ形成されており、該左右方向曲がり足部14Aの長手方向の少なくとも一部に形成されている。
【0027】
図2、図9−図11の例では、上型が可動型で下型が固定型である場合において、左右方向曲がり足部14Aに、上部がハーフビード20Hからなり下部がフルビード20Fからなる直線状ビード20Aと、その右側にハーフビード20Hからなる左右方向曲がりビード20Bが形成されている。左右方向曲がりビード20Bと直線状ビード20Aとの左右方向間隔は、一定かまたは上方に向かって広くなるように設定されている。これは、ビード形成時に型抜き方向Dにアンダーカットが生じないようにして型抜きを可能にするためである。
図2、図9−図11の例では、直線状足部14Bに直線状ビード20Aが形成されているが、直線状足部14Bの直線状ビード20Aはハーフビード20Hでもフルビード20Fでもよい。図示例はハーフビード20Hの場合を示している。
【0028】
図2、図9−図11の例では、左右方向曲がり足部14Aの長手方向中央部より下側に、かつ、フルビード20Fからなる直線状ビード20Aの左側に、ハーフビード20Hからなり直線状ビード20Aに対して斜めに延びる斜めビード20Bが形成されているが、直線状ビード20Aと斜めビード20Bとの間の、ビード以外の部分は、上方にいくにしたがってビード凸方向と反対方向に傾斜しているので、型抜き方向Dにビード20が消失し、上型の上方への型抜きが可能となっている。
【0029】
図3−図8は、左右方向曲がり足部14Aの左右方向オフセットまたは曲がり方のとり得る種々の態様と、左右方向曲がり足部14Aに形成された直線状ビード20Aのとり得る種々の態様を示している。以下、順に説明する。
【0030】
図3−図5は左右方向曲がり足部14Aの種々の態様を示す。
図3の態様では、足部14は、足部14の正面視で付け根16と着地点18とが左右方向にオフセットしている。足部14の外形は付け根16と着地点18との間で足部14の正面視で直線状に延びていてもよいし、あるいはくねっていてもよい。付け根16と着地点18とが左右方向にオフセットすることによって、アウタパネル32に荷重がかかって足部14が変形する時に足部14の変形軌跡に干渉物、たとえばインナパネル34から上方に突出するストライカ(図示せず)の端部など、があっても、それを避けて足部14が変形することができ、足部14が干渉物に底付きしてデントR/F10の歩行者保護性能を低下させることを抑制することができる。
ビード20は足部14の正面視で上下方向に直線状に延びる直線状ビード20Aからなる。
ビード20はビード全長にわたってフルビード20Fからなるか、または足部縁部でビードの縦壁が無くなる部分ではハーフビード20Hからなる。図3ではビード上端部がハーフビード20Hとなっている。
【0031】
図4の態様では、足部14は、足部14の正面視で、付け根16と着地点18とが左右方向にオフセットしていないが、足部14の付け根16と着地点18との間の部分が左右に1回くねっている。くねらせ量Sは適宜に選定してよい。
ビード20は足部14の正面視で上下方向に直線状に延びる直線状ビード20Aからなる。
図4ではビード20の上下方向中央部で部分的にハーフビード20Hとなっている。
【0032】
図5の態様では、足部14は、足部14の正面視で、付け根16と着地点18とが左右方向にオフセットしていないが、足部14の付け根16と着地点18との間の部分が左右に2回以上くねった左右方向曲がり足部14Aとなっている。くねりの回数は自由である。くねらせ量は図4の態様と同様に自由に選定してよい。
ビード20は足部14の正面視で上下方向に直線状に延びる直線状ビード20Aからなる。
図5ではビード20の上下方向中間部で部分的に2ヵ所ハーフビード20Hとなっている。
【0033】
図6−図8はビード20の設け方の種々の態様を示す。
図6の態様では、足部14は、左右方向曲がり足部14Aからなる。たとえば、足部14は、足部14の正面視で、付け根16と着地点18とが左右方向にオフセットしておりかつ付け根16と着地点18との間の部分が左右方向に1回曲がっている。
ビード20は足部14の正面視で上下方向に直線状に延びる直線状ビード20Aからなる。
直線状ビード20Aはフルビード20Fでもよいし、ハーフビード20Hでもよいし、フルビード20Fとハーフビード20Hの混在でもよい。
図6の態様では、ビード20は足部14の上部でハーフビード20Hまたはフランジとなっており、足部14の上部以外の部分でフルビード20Fとなっている。したがって、ビード20はビード長手方向にフルビード20Fとハーフビード20Hが混在したビードとなっている。
【0034】
図7の態様では、足部14は、左右方向曲がり足部14Aからなる。たとえば、足部14は、足部14の正面視で、付け根16と着地点18とが左右方向にオフセットしておりかつ付け根16と着地点18との間の部分が左右方向に1回曲がっている。
ビード20は足部14の正面視で上下方向に直線状に延びる直線状ビード20Aからなる。ビード20は足部14の上部でハーフビード20Hまたはフランジとなっており、足部14の上部以外の部分でフルビード20Fとなっている。
直線状ビード20Aの長手方向の途中に、ハーフビード20Hからなる斜めに延びる左右方向曲がりビード20Bが合流している。ビード20が紙面手前側に凸となっている場合は、直線状ビード20Aと斜めに延びるハーフビード20Hとの間の部分は紙面奥側にビード20よりへこんでいるので、その部分を成形する上型部分が上方に型抜きできるためには、ハーフビードの山部の合流部位が紙面奥側に後退するように足部14が前後方向に傾斜している必要がある。ただし、ビード20が紙面奥側に凸となってている場合は、上型はそのまま上方に型抜きできる。
【0035】
図8の態様では、足部14は、左右方向曲がり足部14Aからなる。たとえば、足部14は、足部14の正面視で、付け根16と着地点18とが左右方向にオフセットしておりかつ付け根16と着地点18との間の部分が左右に1回曲がっている。
ビード20は足部14の正面視で上下方向に直線状に延びる直線状ビード20Aからなる。ビード20はビード20の幅方向に1本または複数本ある。図8は、ビード20がビード20の幅方向に2本ある場合を示している。
ビード20が、足部14の長手方向一端部から足部14の長手方向の途中まで延び、該途中でビード20が終わっていてもよい。図8の左側のビードは、ビード長手方向にフルビード20Fとハーフビード20Hの混在からなる。
ビード20は図8の右側のビードのように足部14の長手方向の途中部分だけに設けられてもよい。
【0036】
本発明の自動車用フード30は、アウタパネル32と、インナパネル34と、アウタパネル32とインナパネル34との間に設けられたデントR/F10と、を備える。本発明の自動車用フード30のデントR/F10の構成は、上記の本発明の自動車用デントR/F10の構成に準じる。
【0037】
つぎに、本発明の作用、効果を説明する。
従来の問題が本発明のデントR/F10によりどのようように解決されるかを説明する。
まず、足部14が足部の正面視で付け根16と着地点18が左右にオフセットされるかまたは付け根16と着地点18との間で左右にくねらせた左右方向曲がり足部14Aとされる(図2−図8)。足部14を車両前後方向にくねらせると、型抜き方向Dにアンダーカットが生じて、型抜きができなくなるおそれがあるので、足部14を車両前後方向にくねらせる場合はアンダカットが生じないように足部14の前後方向の傾斜角度を設定しかつビード高さを設定する必要がある。
【0038】
左右方向曲がり足部14Aとすることにより、左右方向曲がり足部14Aの変形荷重が低減する。その結果、該左右方向曲がり足部14A近傍のアウタパネル部分に歩行者が衝突した時に左右方向曲がり足部とされていない場合よりも足部14は小さな荷重で変形でき、その反力としての歩行者への衝撃力も小さくなり、歩行者保護性能が向上する。また、足部14の形状の自由度が増し、足部14が他部品、たとえばストライカなどの部品と接触することを回避できるなどの効果もある。
【0039】
足部14が足部の正面視で左右方向曲がり足部14Aとされると、左右方向曲がり足部14Aとした足部14の剛性が低下する。その結果、通常時において比較的小さい荷重によってもアウタパネル32がへこんでデントし、足部14のアウタパネルデント抑制性能が低下する。
【0040】
左右方向曲がり足部14Aのデント抑制性能を向上するためには、左右方向曲がり足部14Aに該足部14Aと平行な型抜き方向Dに対して左右方向に屈曲するビード20を形成することが考えられる。図16の(イ)は、足部14Pに足部14Pのくねりに合わせて足部沿面方向に左右にくねらせたビード20Pを形成して、足部14Pの上下方向剛性を高めた場合を示している。
【0041】
ビード20形成の作用、効果としては、足部14の上下方向剛性が向上し、デント抑制性能が向上する。
その他に、デントR/F10の単品精度出しや搬送時の取り扱いが容易になる。また、フードの閉力の伝達効率や強度も向上する。
【0042】
しかし、図16の(イ)に示すように、足部14Pに平行なビード20Pを形成すると、図16の(ロ)、(ハ)に示すように、製品に型抜き方向Dにアンダーカット2Pが生じ、ビード20Pのプレス成形後に型抜きできなくなる。そのため、左右にくねったビード20Pを形成しようとすると、横方向にストロークされる横型を用いたビードのプレス成形工程を追加する必要があり、工程数の増加や型数の増加が必要になる。これによって、製造性が低下する。
【0043】
本発明では、左右方向曲がり足部14Aに、該左右方向曲がり足部14Aの正面視で型抜き方向Dに直線状に延び、左右方向曲がり足部14Aの面と直交する方向に凸となる直線状ビード20Aが、少なくも1つ形成されている。左右方向曲がり足部14Aには直線状ビード20A以外に左右方向曲がりビード20Bも形成されてもよいが、左右方向曲がりビード20Bが形成される場合は図10に示すように左右方向曲がりビード20Bと直線状ビード20Aとの間隔が型抜き方向Dに拡がっているか、足部14の面が型抜き方向Dからビード20の凸と反対側に傾斜している必要がある。
【0044】
直線状ビード20Aの形成の作用効果としては、アンダーカットが無くなる。これによって、ビード20Aの型抜きが可能になる。したがって、工程数や型数を増加させることなく、すなわち製造性を低下させることなく、ビード20を左右方向曲がり足部14Aにプレス成形でき、デント性能を向上させることができる。
【0045】
左右方向曲がり足部14を幅方向にくねらせることにより、足部14の変形荷重を所望の値に低減でき、左右方向曲がり足部14Aに形成したビード20の本数や長さを選定することにより、足部14の剛性を所望の値に高めることができる。これによって、歩行者保護性能とデント抑制性能をそれぞれの所望値に近づけることができる。
【0046】
本発明の自動車用フード30の作用、効果は、上記の本発明のデントR/F10の作用、効果に準じる。また、本発明の自動車用フード30では、デントR/F10の構造、たとえば左右方向曲がり足部14Aのくねり量やオフセット量、ビード20の本数や長さを選定することにより、アウタパネル32の歩行者保護性能とデント性能の双方を向上できる。
【符号の説明】
【0047】
10 デントR/F
12 一般部
14 足部
14A 左右方向曲がり足部
16 付け根
18 着地点
20 ビード
20A 直線状ビード
20F フルビード
20H ハーフビードまたはフランジ
30 フード
32 アウタパネル 34 インナパネル
50、51 一対の型
D 型抜き方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フードのアウタパネルとインナパネルとの間に介在され、
アウタパネルに固定される一般部と、前記一般部との付け根を構成する一端部およびインナパネルへの着地点を構成する他端部を有する複数の足部と、を有し、
型抜き方向が前記足部の側面視にて足部の沿面方向成分を含む方向に設定され少なくとも一方の型が他方の型に対して相対的に移動される一対の型でプレス成形される、
自動車用デントリインホースメントであって、
前記複数の足部のうちの少なくとも1つの足部は、該少なくとも1つの足部の正面視で、前記付け根と前記着地点とが左右方向にオフセットしているか、または前記付け根と着地点とが左右方向にオフセットしていないが前記付け根と着地点との間で左右方向にくねった、左右方向曲がり足部とされており、
前記左右方向曲がり足部には、該左右方向曲がり足部の面と直交する方向に凸とされ該左右方向曲がり足部の正面視で前記型抜き方向に直線状に延びる直線状ビードが少なくとも1つ形成されている、
自動車用デントリインホースメント。
【請求項2】
前記直線状ビードは、フルビードまたはハーフビードからなり、
前記左右方向曲がり足部には、前記直線状ビードが、該左右方向曲がり足部の正面視で、該左右方向曲がり足部の幅方向に少なくとも1つ、該左右方向曲がり足部の長手方向の少なくとも一部に、形成されている、請求項1記載の自動車用デントリインホースメント。
【請求項3】
アウタパネルと、インナパネルと、請求項1または請求項2記載の自動車用デントリインホースメントと、を備えた自動車用フード。
【請求項1】
フードのアウタパネルとインナパネルとの間に介在され、
アウタパネルに固定される一般部と、前記一般部との付け根を構成する一端部およびインナパネルへの着地点を構成する他端部を有する複数の足部と、を有し、
型抜き方向が前記足部の側面視にて足部の沿面方向成分を含む方向に設定され少なくとも一方の型が他方の型に対して相対的に移動される一対の型でプレス成形される、
自動車用デントリインホースメントであって、
前記複数の足部のうちの少なくとも1つの足部は、該少なくとも1つの足部の正面視で、前記付け根と前記着地点とが左右方向にオフセットしているか、または前記付け根と着地点とが左右方向にオフセットしていないが前記付け根と着地点との間で左右方向にくねった、左右方向曲がり足部とされており、
前記左右方向曲がり足部には、該左右方向曲がり足部の面と直交する方向に凸とされ該左右方向曲がり足部の正面視で前記型抜き方向に直線状に延びる直線状ビードが少なくとも1つ形成されている、
自動車用デントリインホースメント。
【請求項2】
前記直線状ビードは、フルビードまたはハーフビードからなり、
前記左右方向曲がり足部には、前記直線状ビードが、該左右方向曲がり足部の正面視で、該左右方向曲がり足部の幅方向に少なくとも1つ、該左右方向曲がり足部の長手方向の少なくとも一部に、形成されている、請求項1記載の自動車用デントリインホースメント。
【請求項3】
アウタパネルと、インナパネルと、請求項1または請求項2記載の自動車用デントリインホースメントと、を備えた自動車用フード。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2013−107461(P2013−107461A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252993(P2011−252993)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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