自動車用ハンガー
【課題】自動車のハッチゲートに簡単に装着できて、ハンガーが落ち難いこと。
【解決手段】自動車のハッチゲート51を開いた状態で、本体601のストライカー604をキャッチロックに装着する。続いて、前記固定装置605の固定アーム651を回転させて鍵状の端部653を押し上げ、当該端部653をハッチゲート51の端部に押し付ける。この状態で、ロック機構654により固定アーム651の回転を固定する。端部652とハッチゲート51との間は、弾性部材653の介在により多少の寸法ずれが吸収され、且つ、ハッチゲート51に傷がつくのを防止できる。これにより、ストライカー604及び固定装置605により、当該自動車用ハンガー600が強固に3点支持される。ハンガーを穴に吊るせば、ウエットスーツ等を簡単に吊るすことができ、落ちることがない。
【解決手段】自動車のハッチゲート51を開いた状態で、本体601のストライカー604をキャッチロックに装着する。続いて、前記固定装置605の固定アーム651を回転させて鍵状の端部653を押し上げ、当該端部653をハッチゲート51の端部に押し付ける。この状態で、ロック機構654により固定アーム651の回転を固定する。端部652とハッチゲート51との間は、弾性部材653の介在により多少の寸法ずれが吸収され、且つ、ハッチゲート51に傷がつくのを防止できる。これにより、ストライカー604及び固定装置605により、当該自動車用ハンガー600が強固に3点支持される。ハンガーを穴に吊るせば、ウエットスーツ等を簡単に吊るすことができ、落ちることがない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハッチバックの自動車に装着してウエットスーツ等を手軽に引っ掛けることができる自動車用ハンガーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車でサーフィンに出かけた場合、ウエットスーツ等はハンガーに引っ掛けて自動車のハッチバックのハッチゲートの端部に引っ掛けることが多かった。なお、自動車用のハンガーに関する先行技術文献は、その殆どが例えば特許文献1に開示のような座席背面に装着するものであり、ウエットスーツを引っ掛けるのに適したものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09−075170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ウエットスーツをハンガーに吊るしてハッチゲートに引っ掛けるのは、引っ掛かり部分がハッチゲートに殆どないので難しい上、平面的な部分に引っ掛けるとすぐに地面に落ちてしまうという問題点があった。この発明は、このような課題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の自動車用ハンガーは、複数の穴若しくは突起又はフックが設けられた棒状の本体と、その中央に設けられ且つ自動車のハッチゲートのキャッチロックに係合するストライカーと、本体の前記ストライカーの両側に設けられた固定装置とを備えたことを特徴とする。
【0006】
また、本発明の自動車用ハンガーは、上記発明において、前記本体にハンドを設けたことを特徴とする。また、本発明の自動車用ハンガーは、上記発明において、前記ハンドは、本体との連結部において軸中心に回転し且つ位置決め可能であることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の自動車用ハンガーは、上記発明において、前記ハンドは、本体の両側から下方に折り曲げられたアームの端部に設けられていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の自動車用ハンガーは、上記発明において、前記固定装置は、摩擦面を有するストッパーと、当該ストッパーを一端に設け且つ前記本体に対して略直角方向に位置すると共に長さ方向に山を有するレールと、当該レールの前記ストッパーと反対側に設けたハンドルと、前記本体に設けられ且つその回転軸に前記レールの山に係合する凹凸を有するレバーとからなることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の自動車用ハンガーは、上記発明において、更に、ハッチゲートの油圧シリンダーのピストンロッドに被せられ且つピストンロッド先端のジョイントを嵌め入れる凹部を内側面に形成すると共にその末端部が油圧シリンダーの端部と当接する本体と、ピストンロッドに被せた本体を固定する固定手段とを備えたことを特徴とする。更に、前記ストライカーは、前記キャッチロックに対する係合部分がバーを介して本体に上方に位置することを特徴とする。更に、前記ハンドは、本体に対して着脱自在であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の自動車用ハンガーは、自動車のハッチゲートのキャッチロックを利用してここにストライカーを介して本体を取り付け、この本体に複数の穴や突起等が設けられているから、ウエットスーツ等を吊るしたハンガー等を簡単に引っ掛けることができ、落ちることがない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の実施の形態1に係る自動車用ハンガーを示す平面図である。
【図2】固定装置を示す説明図である。
【図3】ハンドの構造を示す平面図である。
【図4】図3に示したハンドの側面図である。
【図5】ストライカーを示す説明図である。
【図6】キャッチロックの一例を示す説明図である。
【図7】この自動車用ハンガーの使用方法を示す説明図である。
【図8】自動車用ハンガーの装着状態を示す説明図である。
【図9】自動車用ハンガーの装着状態を示す説明図である。
【図10】自動車用ハンガーの使用状態を示す説明図である。
【図11】この発明の実施の形態2にかかる自動車用ハンガーを示す平面図である。
【図12】この発明の実施の形態3にかかる自動車用ハンガーを示す平面図である。
【図13】この発明の実施の形態4にかかる自動車用ハンガーを示す平面図である。
【図14】この発明の実施の形態4にかかる自動車用ハンガーを示す平面図である。
【図15】この発明の実施の形態1〜4にかかる自動車用ハンガーの付属品を示す説明図である。
【図16】この発明の実施の形態1〜4にかかる自動車用ハンガーの付属品を示す説明図である。
【図17】この発明の実施の形態1〜4にかかる自動車用ハンガーの付属品を示す説明図である。
【図18】この発明の実施の形態5に係る自動車用ハンガーを示す説明図である。
【図19】アーム部の差込口の拡大図である。
【図20】ロックボタンの構造を示す断面図である。
【図21】ロックボタンの構造を示す断面図である。
【図22】この発明の実施の形態6に係る自動車用ハンガーを示す平面図である。
【図23】固定装置の拡大図である。
【図24】ストライカーを示す斜視図である。
【図25】この自動車用ハンガーをハッチゲートに対して取り付けた状態を示す説明図である。
【図26】固定装置の別の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1に係る自動車用ハンガーを示す平面図である。この自動車用ハンガー100は、硬質の樹脂製であり、平板棒または短冊形状である本体1と、この本体1の両側に下方に折り曲げられたアーム部2を備え、当該アーム部2の両端にシャワー等を保持するハンド3が設けられている。また、本体1の中央裏側には、自動車のハッチゲート51のキャッチロック50に対して係合固定されるU字形状又は四角環状のストライカー4が設けられている。また、本体1のストライカー4を中心とした両側には、ハッチゲート51に当該自動車用ハンガー100を固定するための固定装置5が設けられている。また、本体1には、ウエットスーツを掛けたハンガー52を取り付ける複数の穴6が設けられている。この穴6の代わりに又は当該穴6と共に、アーム部2の上端部に突起を櫛歯状に設けても良い。この突起は、アーム部2の板状平面と同じ方向に設けられ、ハンガー52を引っ掛けるのに好適なものとなる。また、突起の場合、ハンガー52を自由な位置に引っ掛けることができる。
【0013】
図2は、固定装置を示す説明図である。この固定装置5は、自動車のハッチゲート51に対して押し付けられる円柱形状のストッパー10と、当該ストッパー10に設けられ且つ本体1に対して略直角に設けられたレール11と、当該レール11の前記ストッパー10とは反対側に設けられた円柱形状のハンドル12と、レール11を本体1に対する所定位置で固定する位置決めレバー13とを備えている。前記ストッパー10は、円柱部材の周囲にゴム製の摩擦層14を設け、その表面に複数の凸部15を成形した構成である。なお、ゴムに代えてシリコン樹脂等を用いてもよい。また、凸部15の形状は四角形状に限定されず、ハッチゲート51に対して摩擦力を効果的に生じさせることができれば、例えば半球状でもよい。
【0014】
前記レール11は、本体1の裏側に設けた挿通部16に通され、本体1に対して略直角方向に位置する。また、レール11の長さ方向の中央には複数の山17が形成される。前記レバー13の回転軸18は本体1に設けた方形の穴19の内側に軸支されており、また当該回転軸18のレバー13と反対側には前記レール11の山17に係合する凹凸20が設けられている。前記ハンドル12は、前記ストッパー10と略同形状の円柱形状である。このハンドル12の表面には、手が滑らない程度の摩擦力を与えておくのが好ましく、例えば表面にゴムやシリコンのコーティングをするのが好ましい。また、図示しないが、表面に前記ストッパー10と同様の複数の凸部を形成してもよい。
【0015】
この固定装置5は、レバー13を上げると回転軸18の凹凸20とレール11の山17との係合が外れ、ハンドル12を持ってレール11を上下に移動できる。レール11を移動して、ストッパー10を自動車のハッチゲート51の一部に押し当て、その状態でレバー13を下げると、回転軸18の凹凸20とレール11の山17とが係合してレール11が当該位置にて固定される。なお、山17は、断面が三角形でも半円形でも良い。
【0016】
図3は、ハンドの構造を示す平面図である。図4は、図3に示したハンドの側面図である。このハンド3は、本体1の端部に対して回転機構25を介して取り付けられている。この回転機構25は、所定の回転角度毎に位置が固定されるような構造とするのが好ましい。例えば、噛み合いクラッチのような構造にするのが好ましい。このハンド3は、半円状のフィンガー26が対向して設けられ、フィンガー26の一端からはレバー27が湾曲状態で延出しており、また、レバー27の根元で互いのフィンガー26同士が軸で固定されている。レバー27は、筐体28内に収められており、レバー27とレバー27との間にはスプリング29が介装される。筐体28の両側にはプッシュボタン30が設けられ、各プッシュボタン30の底部が筐体内で各レバー27に当接している。
【0017】
プッシュボタン30を指で挟んで両側から押すと、プッシュボタン30の底部がレバー27を押し下げ、これによりフィンガー26が軸を中心として開く。プッシュボタン30から手を離すとスプリング29の作用によりレバー27が開き、これによりフィンガー26が閉じる。また、回転機構25は、例えば噛み合いクラッチで構成され、軸方向にハンド3を引くことで噛み合いが外れ、所定角度回転させてハンド3を戻すとクラッチが噛み合ってその回転位置でハンド3が固定される。なお、回転機構25は、噛み合いクラッチ構造に限定されず、所定回転角度で位置決めできれば、別の公知の構造であってもよい。
【0018】
図5は、ストライカーを示す説明図である。このストライカー4は金属製のU字形状又は四角環状の部材であり、金属プレート35に対して足36の端部が溶接され、この金属プレート35が本体1の裏面に対して固定されている。当該ストライカー4は、自動車のハッチゲート51に設けられる一般的なストライカーと同じ形状である。このストライカー4は、図6に示すような、ハッチゲート51の端部に設けられている一般的なキャッチロック50のU字溝53に対して入り込み、U字溝53内部に設けられている鍵状のロックプレート54により係合/ロックされる。キャッチロック50によるロックは、ハッチゲート51のノブ(図示省略)を引くことで解除される。
【0019】
図7は、この自動車用ハンガーの使用方法を示す説明図である。図8及び図9は、自動車用ハンガーの装着状態を示す説明図である。自動車のハッチゲート51を開いた状態で、本体1のストライカー4をキャッチロック50に装着する。続いて、前記固定装置5によりハッチゲート51に対して本体1を固定する。具体的には、前記固定装置5のレバー13を開放し前記ハンドル12を押し上げ、ストッパー10をハッチゲート51の端部に押し付ける。この状態で、レバー13を閉じてストッパー10を前記位置にて固定する。これにより、ストライカー4及び固定装置5のストッパー10により、当該自動車用ハンガー100が強固に3点支持される。
【0020】
また、前記ハンド3は回転機構25により自在に回転するので、例えばシャワーヘッド55を取り付ける場合、ハンド3の環が略上向きになるように回転させ、その位置で固定する。そして、ハンド3のプッシュボタン30を押してフィンガー26を開き、シャワーヘッド55を掴む。
【0021】
また、ウエットスーツ56は適当なハンガー52に掛け、図10に示すように、そのハンガーの先のフック57を本体1の穴6に入れる。これにより、ウエットスーツ56が本体1に吊り下げられる。また、図10に示すように、前記穴6にS字フック58を取り付けることもできる。このS字フック58には、ウエットスーツ56以外にも、様々なものを吊り下げることができる。
【0022】
(実施の形態2)
図11は、この発明の実施の形態2にかかる自動車用ハンガーを示す平面図である。この自動車用ハンガー200は、実施の形態1にかかる自動車用ハンガー100と略同様の構成であるが、本体1の両側のハンド3を省略した点に特徴がある。このため、本体1は直線形状となる。その他の構成及び作用・効果は、実施の形態1の自動車用ハンガー100と同じであるから、その説明を省略する。
【0023】
この自動車用ハンガー200は、シンプルな構成なので収納や取り扱いが容易であり、上記実施の形態1の自動車用ハンガー100と同様にウエットスーツ56等を簡単に自動車に掛けることができる。
【0024】
(実施の形態3)
また、図12に示すように、実施の形態1の自動車用ハンガー100の本体1に設けた穴6に代えて、先端に頭を有する突起60を設けても良い(自動車用ハンガー300)。ウエットスーツ56を掛けたハンガー52のフック57は、この突起60に対して引っ掛けられる。なお、図示しないが、穴6や突起60以外に、フックを用いることもできる。また、穴6、突起60及びフックの組み合わせは自由に設定できる。その他の構成及び作用・効果は、実施の形態1の自動車用ハンガー100と同じであるから、その説明を省略する。また、この突起60は、アーム部2の上端部に櫛歯状に設けても良い。
【0025】
(実施の形態4)
また、図13に示すように、実施の形態1の自動車用ハンガー100の固定装置5のハンドル61を連結した構造にしてもよい(自動車用ハンガー400)。このように、ハンドル61を連結することで、当該ハンドル61を掴んでレール11を動かすだけでストッパー10をハッチゲート51の端部に押し付けることができる。その他の構成及び作用・効果は、実施の形態1の自動車用ハンガー100と同じであるから、その説明を省略する。なお、穴6の代わりに又は当該穴6と共に、アーム部2の上端部に突起を櫛歯状に設けても良い。この突起は、アーム部2の板状平面と同じ方向に設けられ、ハンガー52を引っ掛けるのに好適なものとなる。また、突起の場合、ハンガー52を自由な位置に引っ掛けることができる。
【0026】
また、図14に示すように、実施の形態3の自動車用ハンガー300の固定装置5のストッパー62を連結した構造にしてもよい(自動車用ハンガー450)。なお、このストッパー62は、本体1の装着時に当該ストッパー62がハッチゲート51のキャッチロック50に干渉しないように、中央部63が正面側に曲げられている。このように、ストッパー62を連結することで、ストッパー62の剛性が高まるので、本体1を強固にハッチゲート51に対して固定できる。その他の構成及び作用・効果は、実施の形態1の自動車用ハンガー100と同じであるから、その説明を省略する。なお、突起60を、アーム部2の上端部に櫛歯状に設けても良い。
【0027】
図15は、この発明の実施の形態1〜4にかかる自動車用ハンガーの付属品を示す説明図である。この付属品である補強器具80は、上記実施の形態1〜4の自動車用ハンガーを用いてウエットスーツのような重量物を吊るしたとき、ハッチゲート51がその重さで閉じてしまうのを防止するものである。ハッチゲート51と開口部73との間には、油圧シリンダー70が渡されており、この油圧シリンダー70は、ピストンロッド71の先端のボールジョイント72を介してハッチゲート51に取り付けられている。
【0028】
この補強器具80は、その本体81が樹脂製であり円筒形を軸方向に切った構造となる。また、内側面の中央には軸方向に谷部82が形成され、折り曲げやすくなっている。更に、本体81の一端近傍の内側面にはボールジョイント72が嵌るように凹部83が周方向に形成されている。本体81の外側には、先端がボール形状の固定用の突起84と、複数の穴86を有するバンド85とが設けられている。なお、油圧シリンダー70の長さは車種によって異なるため、本体81の末端部87は、カッターナイフや鋸等により切断可能になっている。ユーザは、この自動車用ハンガーを用いる車の油圧シリンダー70のピストンロッド71の長さを測定し、それに合わせて本体81の長さを調節する。
【0029】
この補強器具80の装着状態を図中点線で示す。まず、本体81を開いた状態でピストンロッド71に被せ、閉じる。このとき、凹部83がボールジョイント72に嵌るようにする。そして、バンド85の穴86を突起84に係合させ、本体81をピストンロッド71に被せた状態で保持する。この状態で本体81の末端部87は、油圧シリンダー70の端部74に当接する。このようにすれば、ハッチゲート51が閉じる方向に移動しようとしても、ピストンロッド71が動かなくなるため、自動車用ハンガーに重量物を吊るしても、ハッチゲート51が閉じてしまうことはない。
【0030】
図16及び図17は、この発明の実施の形態1〜4にかかる自動車用ハンガーの付属品を示す説明図である。上記自動車用ハンガーは、ストライカー4を取り外して、別のストライカー90を装着できるようにできる。このストライカー90は、キャッチロック91が長方形の穴にストライカー90を差し込むような形式の自動車に用いる。ストライカー90の上部には、キャッチロック91への係合部分となる四角の環状部92が形成され、この環状部92がキャッチロック91の穴93に挿入される。環状部92は、キャッチロック91内部のフック(図示省略)により係止される。環状部92は、バー94により取付部95に接続される。取付部95は、本体1を両側から挟むようなクリップ形状である。取付部95は、本体1を挟むように当該本体1に装着され、蝶ボルト96により固定される。このようにすれば、バー94により環状部92の位置を上方に変更でき、異なる形式のキャッチロック91に対して上記自動車用ハンガーを装着できる。
【0031】
また、上記ストライカー90は、図17(a)に示すように、取付部97が蝶ボルト96を通す穴を有する平板状であっても良い。更に、図17(b)に示すように、係合部分である環状部92の代わりに、鍵部98としてもよい。
【0032】
(実施の形態5)
図18は、この発明の実施の形態5に係る自動車用ハンガーを示す説明図である。図19は、アーム部の差込口の拡大図である。この自動車用ハンガーは、アーム部2が着脱可能な構造である点に特徴があり、その他の構造は実施の形態1に係る自動車用ハンガー100と同じであるので、その説明を省略する。このアーム部2は、実施の形態1と同じ構造であって、更に前記本体1の端部1aに対して差し込むことで装着が可能である。本体1とアーム部2の差込口501との間には、砂等が入っても挿入に問題のない程度の間隙を確保することが好ましく、例えば1mm以上3mm以下とするのが好ましい。挿入口501の上下には、ロックボタン502が設けられている。
【0033】
図20及び図21は、ロックボタン502の構造を示す断面図である。このロックボタン502は、本体1の端部1aの両側に設けた凹部1cに入る半円形の凸部503と、この凸部503を先端に有し且つ中央を軸に回転し他端には押しボタン504が形成されると共に、差込口501の筐体との間に板バネ505が配置されている。板バネ505の作用により通常は前記凸部503が差込口501の内部に突出しているが、本体1の端部1aを挿入することで、当該端部1aの斜面1bが凸部503に当たって当該凸部503を押込み、そのまま差し込むことで凸部503が端部1aの凹部1cに嵌る。これにより、アーム部2が本体1に装着される。一方、ボタン504を押すことにより凹部1cと凸部503との係合が外れてアーム部2を本体1から取り外すことができる。
【0034】
本体1に対してアーム部2を装着可能にすることで使用状況に応じて自動車ハンガー500の形態を変更できる。例えば、シャワーヘッド等の掴む必要がある物を用いない場合はアーム部2が不要となるので、アーム部2を取り外して本体1のみで用いることができる。なお、本実施の形態に示したアーム部2の着脱構造は、実施の形態2〜4の自動車用ハンガーにも適用できる。
【0035】
(実施の形態6)
図22は、この発明の実施の形態6に係る自動車用ハンガーを示す平面図である。図23は、固定装置の拡大図である。この自動車用ハンガー600は、硬質の樹脂製であり、平板棒または短冊形状である本体601を有し、この本体601の両端には回転する固定装置605が設けられている。本体601には、ウエットスーツを掛けたハンガー52を取り付ける複数の穴6が設けられている。固定装置605は、本体601の端部に回転自在に設けられた短冊形状の固定アーム651であり、その端部652は鍵状になり端縁にはゴム等の弾性部材653が装着されている。本体601に対する軸支部分には、所定の回転角度でロックできるロック機構654が設けられている。具体的には、先端に爪655を有する回転可能なフック656と、当該フック656の爪655と係合する本体端部の半円部分に形成した複数の歯657とから構成される。フック656は、図示しないコイルバネにより爪655が歯657に対して付勢されている。この穴6の代わりに又は当該穴6と共に、アーム部2の上端部に突起を櫛歯状に設けても良い。
【0036】
固定アーム650の端部には、上記実施の形態5にて開示した着脱機構によりアーム部602が装着される。このアーム部602の構造は、実施の形態5のものと同じであるからその説明を省略する。また、本体601の中央裏側には、自動車のハッチゲート51のキャッチロック50に対して係合固定されるストライカー604がもうけられている。このストライカー604は、図24に示すような、四角形状の穴641を設けた板状部材642を折り曲げて形成した構造である。
【0037】
図25は、この自動車用ハンガーをハッチゲートに対して取り付けた状態を示す説明図である。自動車のハッチゲート51を開いた状態で、本体601のストライカー604をキャッチロック50に装着する。続いて、前記固定装置605によりハッチゲート51に対して本体601を固定する。具体的には、前記固定装置605の固定アーム651を回転させて鍵状の端部653を押し上げ、当該端部653をハッチゲート51の端部に押し付ける。この状態で、ロック機構654により固定アーム651の回転を固定する。端部652とハッチゲート51との間は、弾性部材653の介在により多少の寸法ずれが吸収され、且つ、ハッチゲート51に傷がつくのを防止できる。これにより、ストライカー604及び固定装置605により、当該自動車用ハンガー600が強固に3点支持される。この自動車用ハンガー600によれば、固定装置605が簡単な構造になり且つ全体として薄くすることができる。
【0038】
図26は、上記固定装置の別の例を示す説明図である。このように、上記自動車用ハンガー600において固定アーム651の端部に板状の回転部材661を設けても良い。この回転部材661の端縁にはゴム等の弾性部材663が設けられている。弾性部材は、軸662を中心として回転可能であるので、ハッチゲート51の形状に対して適宜回転するから、固定アーム651の端部がハッチゲート51に対して確実に押し当てられる。
【符号の説明】
【0039】
100 自動車用ハンガー
1 本体
2 アーム部
3 ハンド
4 ストライカー
5 固定装置
6 穴
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハッチバックの自動車に装着してウエットスーツ等を手軽に引っ掛けることができる自動車用ハンガーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車でサーフィンに出かけた場合、ウエットスーツ等はハンガーに引っ掛けて自動車のハッチバックのハッチゲートの端部に引っ掛けることが多かった。なお、自動車用のハンガーに関する先行技術文献は、その殆どが例えば特許文献1に開示のような座席背面に装着するものであり、ウエットスーツを引っ掛けるのに適したものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09−075170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ウエットスーツをハンガーに吊るしてハッチゲートに引っ掛けるのは、引っ掛かり部分がハッチゲートに殆どないので難しい上、平面的な部分に引っ掛けるとすぐに地面に落ちてしまうという問題点があった。この発明は、このような課題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の自動車用ハンガーは、複数の穴若しくは突起又はフックが設けられた棒状の本体と、その中央に設けられ且つ自動車のハッチゲートのキャッチロックに係合するストライカーと、本体の前記ストライカーの両側に設けられた固定装置とを備えたことを特徴とする。
【0006】
また、本発明の自動車用ハンガーは、上記発明において、前記本体にハンドを設けたことを特徴とする。また、本発明の自動車用ハンガーは、上記発明において、前記ハンドは、本体との連結部において軸中心に回転し且つ位置決め可能であることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の自動車用ハンガーは、上記発明において、前記ハンドは、本体の両側から下方に折り曲げられたアームの端部に設けられていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の自動車用ハンガーは、上記発明において、前記固定装置は、摩擦面を有するストッパーと、当該ストッパーを一端に設け且つ前記本体に対して略直角方向に位置すると共に長さ方向に山を有するレールと、当該レールの前記ストッパーと反対側に設けたハンドルと、前記本体に設けられ且つその回転軸に前記レールの山に係合する凹凸を有するレバーとからなることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の自動車用ハンガーは、上記発明において、更に、ハッチゲートの油圧シリンダーのピストンロッドに被せられ且つピストンロッド先端のジョイントを嵌め入れる凹部を内側面に形成すると共にその末端部が油圧シリンダーの端部と当接する本体と、ピストンロッドに被せた本体を固定する固定手段とを備えたことを特徴とする。更に、前記ストライカーは、前記キャッチロックに対する係合部分がバーを介して本体に上方に位置することを特徴とする。更に、前記ハンドは、本体に対して着脱自在であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の自動車用ハンガーは、自動車のハッチゲートのキャッチロックを利用してここにストライカーを介して本体を取り付け、この本体に複数の穴や突起等が設けられているから、ウエットスーツ等を吊るしたハンガー等を簡単に引っ掛けることができ、落ちることがない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の実施の形態1に係る自動車用ハンガーを示す平面図である。
【図2】固定装置を示す説明図である。
【図3】ハンドの構造を示す平面図である。
【図4】図3に示したハンドの側面図である。
【図5】ストライカーを示す説明図である。
【図6】キャッチロックの一例を示す説明図である。
【図7】この自動車用ハンガーの使用方法を示す説明図である。
【図8】自動車用ハンガーの装着状態を示す説明図である。
【図9】自動車用ハンガーの装着状態を示す説明図である。
【図10】自動車用ハンガーの使用状態を示す説明図である。
【図11】この発明の実施の形態2にかかる自動車用ハンガーを示す平面図である。
【図12】この発明の実施の形態3にかかる自動車用ハンガーを示す平面図である。
【図13】この発明の実施の形態4にかかる自動車用ハンガーを示す平面図である。
【図14】この発明の実施の形態4にかかる自動車用ハンガーを示す平面図である。
【図15】この発明の実施の形態1〜4にかかる自動車用ハンガーの付属品を示す説明図である。
【図16】この発明の実施の形態1〜4にかかる自動車用ハンガーの付属品を示す説明図である。
【図17】この発明の実施の形態1〜4にかかる自動車用ハンガーの付属品を示す説明図である。
【図18】この発明の実施の形態5に係る自動車用ハンガーを示す説明図である。
【図19】アーム部の差込口の拡大図である。
【図20】ロックボタンの構造を示す断面図である。
【図21】ロックボタンの構造を示す断面図である。
【図22】この発明の実施の形態6に係る自動車用ハンガーを示す平面図である。
【図23】固定装置の拡大図である。
【図24】ストライカーを示す斜視図である。
【図25】この自動車用ハンガーをハッチゲートに対して取り付けた状態を示す説明図である。
【図26】固定装置の別の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1に係る自動車用ハンガーを示す平面図である。この自動車用ハンガー100は、硬質の樹脂製であり、平板棒または短冊形状である本体1と、この本体1の両側に下方に折り曲げられたアーム部2を備え、当該アーム部2の両端にシャワー等を保持するハンド3が設けられている。また、本体1の中央裏側には、自動車のハッチゲート51のキャッチロック50に対して係合固定されるU字形状又は四角環状のストライカー4が設けられている。また、本体1のストライカー4を中心とした両側には、ハッチゲート51に当該自動車用ハンガー100を固定するための固定装置5が設けられている。また、本体1には、ウエットスーツを掛けたハンガー52を取り付ける複数の穴6が設けられている。この穴6の代わりに又は当該穴6と共に、アーム部2の上端部に突起を櫛歯状に設けても良い。この突起は、アーム部2の板状平面と同じ方向に設けられ、ハンガー52を引っ掛けるのに好適なものとなる。また、突起の場合、ハンガー52を自由な位置に引っ掛けることができる。
【0013】
図2は、固定装置を示す説明図である。この固定装置5は、自動車のハッチゲート51に対して押し付けられる円柱形状のストッパー10と、当該ストッパー10に設けられ且つ本体1に対して略直角に設けられたレール11と、当該レール11の前記ストッパー10とは反対側に設けられた円柱形状のハンドル12と、レール11を本体1に対する所定位置で固定する位置決めレバー13とを備えている。前記ストッパー10は、円柱部材の周囲にゴム製の摩擦層14を設け、その表面に複数の凸部15を成形した構成である。なお、ゴムに代えてシリコン樹脂等を用いてもよい。また、凸部15の形状は四角形状に限定されず、ハッチゲート51に対して摩擦力を効果的に生じさせることができれば、例えば半球状でもよい。
【0014】
前記レール11は、本体1の裏側に設けた挿通部16に通され、本体1に対して略直角方向に位置する。また、レール11の長さ方向の中央には複数の山17が形成される。前記レバー13の回転軸18は本体1に設けた方形の穴19の内側に軸支されており、また当該回転軸18のレバー13と反対側には前記レール11の山17に係合する凹凸20が設けられている。前記ハンドル12は、前記ストッパー10と略同形状の円柱形状である。このハンドル12の表面には、手が滑らない程度の摩擦力を与えておくのが好ましく、例えば表面にゴムやシリコンのコーティングをするのが好ましい。また、図示しないが、表面に前記ストッパー10と同様の複数の凸部を形成してもよい。
【0015】
この固定装置5は、レバー13を上げると回転軸18の凹凸20とレール11の山17との係合が外れ、ハンドル12を持ってレール11を上下に移動できる。レール11を移動して、ストッパー10を自動車のハッチゲート51の一部に押し当て、その状態でレバー13を下げると、回転軸18の凹凸20とレール11の山17とが係合してレール11が当該位置にて固定される。なお、山17は、断面が三角形でも半円形でも良い。
【0016】
図3は、ハンドの構造を示す平面図である。図4は、図3に示したハンドの側面図である。このハンド3は、本体1の端部に対して回転機構25を介して取り付けられている。この回転機構25は、所定の回転角度毎に位置が固定されるような構造とするのが好ましい。例えば、噛み合いクラッチのような構造にするのが好ましい。このハンド3は、半円状のフィンガー26が対向して設けられ、フィンガー26の一端からはレバー27が湾曲状態で延出しており、また、レバー27の根元で互いのフィンガー26同士が軸で固定されている。レバー27は、筐体28内に収められており、レバー27とレバー27との間にはスプリング29が介装される。筐体28の両側にはプッシュボタン30が設けられ、各プッシュボタン30の底部が筐体内で各レバー27に当接している。
【0017】
プッシュボタン30を指で挟んで両側から押すと、プッシュボタン30の底部がレバー27を押し下げ、これによりフィンガー26が軸を中心として開く。プッシュボタン30から手を離すとスプリング29の作用によりレバー27が開き、これによりフィンガー26が閉じる。また、回転機構25は、例えば噛み合いクラッチで構成され、軸方向にハンド3を引くことで噛み合いが外れ、所定角度回転させてハンド3を戻すとクラッチが噛み合ってその回転位置でハンド3が固定される。なお、回転機構25は、噛み合いクラッチ構造に限定されず、所定回転角度で位置決めできれば、別の公知の構造であってもよい。
【0018】
図5は、ストライカーを示す説明図である。このストライカー4は金属製のU字形状又は四角環状の部材であり、金属プレート35に対して足36の端部が溶接され、この金属プレート35が本体1の裏面に対して固定されている。当該ストライカー4は、自動車のハッチゲート51に設けられる一般的なストライカーと同じ形状である。このストライカー4は、図6に示すような、ハッチゲート51の端部に設けられている一般的なキャッチロック50のU字溝53に対して入り込み、U字溝53内部に設けられている鍵状のロックプレート54により係合/ロックされる。キャッチロック50によるロックは、ハッチゲート51のノブ(図示省略)を引くことで解除される。
【0019】
図7は、この自動車用ハンガーの使用方法を示す説明図である。図8及び図9は、自動車用ハンガーの装着状態を示す説明図である。自動車のハッチゲート51を開いた状態で、本体1のストライカー4をキャッチロック50に装着する。続いて、前記固定装置5によりハッチゲート51に対して本体1を固定する。具体的には、前記固定装置5のレバー13を開放し前記ハンドル12を押し上げ、ストッパー10をハッチゲート51の端部に押し付ける。この状態で、レバー13を閉じてストッパー10を前記位置にて固定する。これにより、ストライカー4及び固定装置5のストッパー10により、当該自動車用ハンガー100が強固に3点支持される。
【0020】
また、前記ハンド3は回転機構25により自在に回転するので、例えばシャワーヘッド55を取り付ける場合、ハンド3の環が略上向きになるように回転させ、その位置で固定する。そして、ハンド3のプッシュボタン30を押してフィンガー26を開き、シャワーヘッド55を掴む。
【0021】
また、ウエットスーツ56は適当なハンガー52に掛け、図10に示すように、そのハンガーの先のフック57を本体1の穴6に入れる。これにより、ウエットスーツ56が本体1に吊り下げられる。また、図10に示すように、前記穴6にS字フック58を取り付けることもできる。このS字フック58には、ウエットスーツ56以外にも、様々なものを吊り下げることができる。
【0022】
(実施の形態2)
図11は、この発明の実施の形態2にかかる自動車用ハンガーを示す平面図である。この自動車用ハンガー200は、実施の形態1にかかる自動車用ハンガー100と略同様の構成であるが、本体1の両側のハンド3を省略した点に特徴がある。このため、本体1は直線形状となる。その他の構成及び作用・効果は、実施の形態1の自動車用ハンガー100と同じであるから、その説明を省略する。
【0023】
この自動車用ハンガー200は、シンプルな構成なので収納や取り扱いが容易であり、上記実施の形態1の自動車用ハンガー100と同様にウエットスーツ56等を簡単に自動車に掛けることができる。
【0024】
(実施の形態3)
また、図12に示すように、実施の形態1の自動車用ハンガー100の本体1に設けた穴6に代えて、先端に頭を有する突起60を設けても良い(自動車用ハンガー300)。ウエットスーツ56を掛けたハンガー52のフック57は、この突起60に対して引っ掛けられる。なお、図示しないが、穴6や突起60以外に、フックを用いることもできる。また、穴6、突起60及びフックの組み合わせは自由に設定できる。その他の構成及び作用・効果は、実施の形態1の自動車用ハンガー100と同じであるから、その説明を省略する。また、この突起60は、アーム部2の上端部に櫛歯状に設けても良い。
【0025】
(実施の形態4)
また、図13に示すように、実施の形態1の自動車用ハンガー100の固定装置5のハンドル61を連結した構造にしてもよい(自動車用ハンガー400)。このように、ハンドル61を連結することで、当該ハンドル61を掴んでレール11を動かすだけでストッパー10をハッチゲート51の端部に押し付けることができる。その他の構成及び作用・効果は、実施の形態1の自動車用ハンガー100と同じであるから、その説明を省略する。なお、穴6の代わりに又は当該穴6と共に、アーム部2の上端部に突起を櫛歯状に設けても良い。この突起は、アーム部2の板状平面と同じ方向に設けられ、ハンガー52を引っ掛けるのに好適なものとなる。また、突起の場合、ハンガー52を自由な位置に引っ掛けることができる。
【0026】
また、図14に示すように、実施の形態3の自動車用ハンガー300の固定装置5のストッパー62を連結した構造にしてもよい(自動車用ハンガー450)。なお、このストッパー62は、本体1の装着時に当該ストッパー62がハッチゲート51のキャッチロック50に干渉しないように、中央部63が正面側に曲げられている。このように、ストッパー62を連結することで、ストッパー62の剛性が高まるので、本体1を強固にハッチゲート51に対して固定できる。その他の構成及び作用・効果は、実施の形態1の自動車用ハンガー100と同じであるから、その説明を省略する。なお、突起60を、アーム部2の上端部に櫛歯状に設けても良い。
【0027】
図15は、この発明の実施の形態1〜4にかかる自動車用ハンガーの付属品を示す説明図である。この付属品である補強器具80は、上記実施の形態1〜4の自動車用ハンガーを用いてウエットスーツのような重量物を吊るしたとき、ハッチゲート51がその重さで閉じてしまうのを防止するものである。ハッチゲート51と開口部73との間には、油圧シリンダー70が渡されており、この油圧シリンダー70は、ピストンロッド71の先端のボールジョイント72を介してハッチゲート51に取り付けられている。
【0028】
この補強器具80は、その本体81が樹脂製であり円筒形を軸方向に切った構造となる。また、内側面の中央には軸方向に谷部82が形成され、折り曲げやすくなっている。更に、本体81の一端近傍の内側面にはボールジョイント72が嵌るように凹部83が周方向に形成されている。本体81の外側には、先端がボール形状の固定用の突起84と、複数の穴86を有するバンド85とが設けられている。なお、油圧シリンダー70の長さは車種によって異なるため、本体81の末端部87は、カッターナイフや鋸等により切断可能になっている。ユーザは、この自動車用ハンガーを用いる車の油圧シリンダー70のピストンロッド71の長さを測定し、それに合わせて本体81の長さを調節する。
【0029】
この補強器具80の装着状態を図中点線で示す。まず、本体81を開いた状態でピストンロッド71に被せ、閉じる。このとき、凹部83がボールジョイント72に嵌るようにする。そして、バンド85の穴86を突起84に係合させ、本体81をピストンロッド71に被せた状態で保持する。この状態で本体81の末端部87は、油圧シリンダー70の端部74に当接する。このようにすれば、ハッチゲート51が閉じる方向に移動しようとしても、ピストンロッド71が動かなくなるため、自動車用ハンガーに重量物を吊るしても、ハッチゲート51が閉じてしまうことはない。
【0030】
図16及び図17は、この発明の実施の形態1〜4にかかる自動車用ハンガーの付属品を示す説明図である。上記自動車用ハンガーは、ストライカー4を取り外して、別のストライカー90を装着できるようにできる。このストライカー90は、キャッチロック91が長方形の穴にストライカー90を差し込むような形式の自動車に用いる。ストライカー90の上部には、キャッチロック91への係合部分となる四角の環状部92が形成され、この環状部92がキャッチロック91の穴93に挿入される。環状部92は、キャッチロック91内部のフック(図示省略)により係止される。環状部92は、バー94により取付部95に接続される。取付部95は、本体1を両側から挟むようなクリップ形状である。取付部95は、本体1を挟むように当該本体1に装着され、蝶ボルト96により固定される。このようにすれば、バー94により環状部92の位置を上方に変更でき、異なる形式のキャッチロック91に対して上記自動車用ハンガーを装着できる。
【0031】
また、上記ストライカー90は、図17(a)に示すように、取付部97が蝶ボルト96を通す穴を有する平板状であっても良い。更に、図17(b)に示すように、係合部分である環状部92の代わりに、鍵部98としてもよい。
【0032】
(実施の形態5)
図18は、この発明の実施の形態5に係る自動車用ハンガーを示す説明図である。図19は、アーム部の差込口の拡大図である。この自動車用ハンガーは、アーム部2が着脱可能な構造である点に特徴があり、その他の構造は実施の形態1に係る自動車用ハンガー100と同じであるので、その説明を省略する。このアーム部2は、実施の形態1と同じ構造であって、更に前記本体1の端部1aに対して差し込むことで装着が可能である。本体1とアーム部2の差込口501との間には、砂等が入っても挿入に問題のない程度の間隙を確保することが好ましく、例えば1mm以上3mm以下とするのが好ましい。挿入口501の上下には、ロックボタン502が設けられている。
【0033】
図20及び図21は、ロックボタン502の構造を示す断面図である。このロックボタン502は、本体1の端部1aの両側に設けた凹部1cに入る半円形の凸部503と、この凸部503を先端に有し且つ中央を軸に回転し他端には押しボタン504が形成されると共に、差込口501の筐体との間に板バネ505が配置されている。板バネ505の作用により通常は前記凸部503が差込口501の内部に突出しているが、本体1の端部1aを挿入することで、当該端部1aの斜面1bが凸部503に当たって当該凸部503を押込み、そのまま差し込むことで凸部503が端部1aの凹部1cに嵌る。これにより、アーム部2が本体1に装着される。一方、ボタン504を押すことにより凹部1cと凸部503との係合が外れてアーム部2を本体1から取り外すことができる。
【0034】
本体1に対してアーム部2を装着可能にすることで使用状況に応じて自動車ハンガー500の形態を変更できる。例えば、シャワーヘッド等の掴む必要がある物を用いない場合はアーム部2が不要となるので、アーム部2を取り外して本体1のみで用いることができる。なお、本実施の形態に示したアーム部2の着脱構造は、実施の形態2〜4の自動車用ハンガーにも適用できる。
【0035】
(実施の形態6)
図22は、この発明の実施の形態6に係る自動車用ハンガーを示す平面図である。図23は、固定装置の拡大図である。この自動車用ハンガー600は、硬質の樹脂製であり、平板棒または短冊形状である本体601を有し、この本体601の両端には回転する固定装置605が設けられている。本体601には、ウエットスーツを掛けたハンガー52を取り付ける複数の穴6が設けられている。固定装置605は、本体601の端部に回転自在に設けられた短冊形状の固定アーム651であり、その端部652は鍵状になり端縁にはゴム等の弾性部材653が装着されている。本体601に対する軸支部分には、所定の回転角度でロックできるロック機構654が設けられている。具体的には、先端に爪655を有する回転可能なフック656と、当該フック656の爪655と係合する本体端部の半円部分に形成した複数の歯657とから構成される。フック656は、図示しないコイルバネにより爪655が歯657に対して付勢されている。この穴6の代わりに又は当該穴6と共に、アーム部2の上端部に突起を櫛歯状に設けても良い。
【0036】
固定アーム650の端部には、上記実施の形態5にて開示した着脱機構によりアーム部602が装着される。このアーム部602の構造は、実施の形態5のものと同じであるからその説明を省略する。また、本体601の中央裏側には、自動車のハッチゲート51のキャッチロック50に対して係合固定されるストライカー604がもうけられている。このストライカー604は、図24に示すような、四角形状の穴641を設けた板状部材642を折り曲げて形成した構造である。
【0037】
図25は、この自動車用ハンガーをハッチゲートに対して取り付けた状態を示す説明図である。自動車のハッチゲート51を開いた状態で、本体601のストライカー604をキャッチロック50に装着する。続いて、前記固定装置605によりハッチゲート51に対して本体601を固定する。具体的には、前記固定装置605の固定アーム651を回転させて鍵状の端部653を押し上げ、当該端部653をハッチゲート51の端部に押し付ける。この状態で、ロック機構654により固定アーム651の回転を固定する。端部652とハッチゲート51との間は、弾性部材653の介在により多少の寸法ずれが吸収され、且つ、ハッチゲート51に傷がつくのを防止できる。これにより、ストライカー604及び固定装置605により、当該自動車用ハンガー600が強固に3点支持される。この自動車用ハンガー600によれば、固定装置605が簡単な構造になり且つ全体として薄くすることができる。
【0038】
図26は、上記固定装置の別の例を示す説明図である。このように、上記自動車用ハンガー600において固定アーム651の端部に板状の回転部材661を設けても良い。この回転部材661の端縁にはゴム等の弾性部材663が設けられている。弾性部材は、軸662を中心として回転可能であるので、ハッチゲート51の形状に対して適宜回転するから、固定アーム651の端部がハッチゲート51に対して確実に押し当てられる。
【符号の説明】
【0039】
100 自動車用ハンガー
1 本体
2 アーム部
3 ハンド
4 ストライカー
5 固定装置
6 穴
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の穴若しくは突起又はフックが設けられた棒状の本体と、
その中央に設けられ且つ自動車のハッチゲートのキャッチロックに係合するストライカーと、
前記本体の端部に回転自在に設けられた固定アーム、当該固定アームを所定角度でロックするロック機構からなる前記ハッチゲートに対する固定装置と、
を備えたことを特徴とする自動車用ハンガー。
【請求項2】
更に、前記固定アームの端部に回転部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の自動車用ハンガー。
【請求項3】
前記固定アームの端部に半円形状のフィンガーを対向して有するハンドを設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車用ハンガー。
【請求項4】
ハンドは、所定の回転角度毎に位置が固定できる回転機構を介して前記本体の端部に取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載の自動車用ハンガー。
【請求項5】
更に、前記ハンドは、本体に対して着脱自在であることを特徴とする請求項3又は4に記載の自動車用ハンガー。
【請求項1】
複数の穴若しくは突起又はフックが設けられた棒状の本体と、
その中央に設けられ且つ自動車のハッチゲートのキャッチロックに係合するストライカーと、
前記本体の端部に回転自在に設けられた固定アーム、当該固定アームを所定角度でロックするロック機構からなる前記ハッチゲートに対する固定装置と、
を備えたことを特徴とする自動車用ハンガー。
【請求項2】
更に、前記固定アームの端部に回転部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の自動車用ハンガー。
【請求項3】
前記固定アームの端部に半円形状のフィンガーを対向して有するハンドを設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車用ハンガー。
【請求項4】
ハンドは、所定の回転角度毎に位置が固定できる回転機構を介して前記本体の端部に取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載の自動車用ハンガー。
【請求項5】
更に、前記ハンドは、本体に対して着脱自在であることを特徴とする請求項3又は4に記載の自動車用ハンガー。
【図2】
【図6】
【図10】
【図11】
【図1】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図6】
【図10】
【図11】
【図1】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
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【図14】
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【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2011−126534(P2011−126534A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−22833(P2011−22833)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【分割の表示】特願2010−189154(P2010−189154)の分割
【原出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(508376627)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【分割の表示】特願2010−189154(P2010−189154)の分割
【原出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(508376627)
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