説明

自動車用マット

【課題】ズレ防止性に優れる自動車用マットであって、自動車床面のファーストカーペット上の所定の位置に敷設しようとする場合、スムーズな位置調節が可能な自動車用マットを提供する。
【解決手段】モノフィラメントで構成されたループ状パイル糸を用いて編成又は織成されたパイル編物又はパイル織物からなり、前記ループ状パイル糸63がカットされており、そのカット端63aが自動車床面のファーストカーペット70を係止する係止部として突出する裏張り材53がマット本体52裏面側に取り付けられた自動車用マット51において、前記パイル編物又はパイル織物からなる裏張り材53のループ状パイル糸63は一方方向に傾斜しており、前記ループ状パイル糸63が、該自動車用マット51を自動車床面に敷設したとき、自動車のフロント方向に向かって傾斜して突出するように前記裏張り材53がマット本体52の裏面側に取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ズレ防止機能に優れる自動車用マットに関する。詳細には、該自動車用マットを自動車床面のファーストカーペット上の所定の位置に敷設しようとする場合、スムーズな位置調節が可能な自動車用マットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車床面や建物床面に敷設されるカーペット1の多くは、図7に示すように、フェルトや不織布などの繊維シート2にパイル糸3を打ち込むと共に、前記パイル糸3の抜け止めのためにプレコート層4を設けた繊維基材5と、この繊維基材5裏面に形成したバッキング6とから構成されていた。
【0003】
ところが近年、自動車床面のファーストカーペット上に敷設されるマットは、自動車のハイブリッド化に伴い、軽量化、低コスト化が求められるようになってきている。その他の建物などの分野においても、省資源、省エネルギー化の流れの中で、カーペットに対する軽量化、低コスト化の克服は、大変に重要な課題となっている。
【0004】
一方、快適性の要求の高まりの中で、自動車室内の静粛性に対する要求もあり、自動車床面に敷設されるマットに対しても、そのような性能が求められるようになった。
【0005】
しかしながら従来の自動車用マット1にあっては、繊維基材5裏面に形成されているバッキング6が、ポリ塩化ビニルなどの未発砲の合成樹脂層からなるので重く、しかも該バッキング6は音の透過を遮断する遮音層として作用するので、自動車内や建物内に伝播まはた発生して当該マット1に衝突した騒音は、前記バッキング6に跳ね返されてしまい、室内に反響してしまうという欠点があった。
【0006】
そこで本発明者は、このような事情に鑑み、軽く、しかも吸音性に優れる自動車用マットを特許文献1において提案している。このマットは、繊維基材の裏面側に繊維質シートを樹脂成分で固めた繊維質バッキングを形成したことを特徴とするものである(特許文献1参照)。
【0007】
ところがこのマットは、裏面がフェルトなどの繊維質バッキングからなるので、自動車床面のファーストカーペット上に敷設したとき、突掛かりがなく滑りやすいという不具合があった。
【0008】
そこで、本発明者は、ズレ防止性に優れる自動車用マットを提案している(特許文献2)、図8に示すように、このマット11は、表面と裏面とを有する経編み緯糸挿入編物の前記表面と裏面とを接続するループ状経糸をカットした編物12が繊維質バッキング13裏面側に一体化されており、前記編物12のループ状経糸14のカット端14aが、該カーペットを敷設する床面を係止する係止部として突出していることを特徴とするものである。
【0009】
さらに、本発明者は、このマット11において、熱接着性繊維16を構成繊維として含む繊維質シート15を編物12に積層してこれらを絡合処理することで、繊維質シート15の熱接着性繊維16を編物22に絡み合わせて一体化し、その上で加熱処理することで繊維質シート15に含まれる熱接着性繊維16が熱融着して樹脂成分となり繊維質シート15が固められると共に、編物12と絡み合う熱接着性繊維16も同様に熱融着して樹脂成分となり、両者の一体性を高め、さらに編物12のカットされたループ状経糸14も樹脂成分でその基部(根本部分)が固められ、経糸14のカット端14aの強度も高くなり、床面への食い込み性、ズレ防止性も向上するようにしたものも提案している。
【0010】
同様な構造を有する敷物がその後も多数提案されている(例えば特許文献3及び4参照)。すなわち図9に示すように、ループパイルを有するネット状ラッセル編地22からなり、前記ラッセル編地の前記ループパイルを頂上近傍でカットし、そのカット端が該敷物21を敷設する床面を係止する係止部として突出している裏張り材22を敷物21の裏面に取り付けたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2003−019067号公報
【特許文献2】特開2003−102611号公報
【特許文献3】特開2006−175126号公報
【特許文献4】特開2009−247662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところが、従来の自動車用マットは、自動車床面のファーストカーペット上に敷設したとき、該自動車用マットの裏面側に取り付けた編物のカットパイルのカット端がファーストカーペット内に入り込んでアンカーとして作用し、優れたズレ防止性を発揮するのであるが、前記カットパイルはランダム方向に傾斜されて、全方向にズレ防止性が発揮されるようになっている。
【0013】
このため、これらの自動車用マットを自動車床面のファーストカーペット上の所定の位置に敷設しようとする場合、該自動車用マットの全方向へのズレ防止性が却って邪魔になり、スムーズな位置調節ができないという不具合があった。また、自動車用マットを自動車床面に敷設する作業は、屈み込んで行うため、その位置調節は煩雑な作業でもあった。
【0014】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、ズレ防止性に優れる自動車用マットであって、自動車床面のファーストカーペット上の所定の位置に敷設しようとする場合、スムーズな位置調節が可能な自動車用マットを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、モノフィラメントで構成されたループ状パイル糸を用いて編成又は織成されたパイル編物又はパイル織物からなり、前記ループ状パイル糸がカットされており、そのカット端が自動車床面のファーストカーペットを係止する係止部として突出する裏張り材がマット本体裏面側に取り付けられた自動車用マットにおいて、
前記パイル編物又はパイル織物からなる裏張り材のループ状パイル糸は一方方向に傾斜しており、前記ループ状パイル糸が、該自動車用マットを自動車床面に敷設したとき、自動車のフロント方向に向かって傾斜して突出するように前記裏張り材がマット本体の裏面側に取り付けられていることを特徴とする自動車用マットをその要旨とした。
【0016】
請求項2に記載の発明は、パイル編物又はパイル織物からなる裏張り材におけるループ状パイル糸が、該自動車用マットを自動車床面に敷設したときに、自動車のフロント方向に向かう程に高密度となるように設けられていることを特徴とする自動車用マットをその要旨とした。
【発明の効果】
【0017】
本発明の自動車用マットにあっては、マット本体の裏面側に取り付けた裏張り材におけるループ状パイル糸が一方方向に傾斜しており、前記ループ状パイル糸が、該自動車用マットを自動車床面に敷設したとき、自動車のフロント方向に向かって傾斜して突出するように前記裏張り材がマット本体の裏面側に取り付けられていることから、該自動車用マットを自動車床面に敷設した後、自動車の運転中に運転者または乗員によって自動車の進行方向(フロント側方向)に荷重が加わったときには、前記裏張り材のカットされたループ状パイル糸のカット端が自動車床面(カーペット)内部に入り込んで、前記カット端が床面(カーペット)を係止することで、該自動車用マットのズレを確実に防止するようになっている。
【0018】
一方、この自動車用マットを自動車床面のファーストカーペット上の所定の位置に敷設しようとする場合、該自動車用マットを自動車のリア方向に引っ張るときには、前記裏張り材におけるループ状パイル糸のカット端がファーストカーペットを係止しないため、スムーズな位置調節ができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の自動車用マットの表面側から見た斜視図。
【図2】本発明の自動車用マットの裏面側から見た斜視図。
【図3】本発明の自動車用マットの要部拡大断面図。
【図4】図2に示す裏張り材の要部拡大平面図。
【図5】本発明の自動車用マットを自動車床面のファーストカーペット上に敷設したときの形態を示す断面図。
【図6】本発明の自動車用マットの別形態を示す平面図。
【図7】従来のカーペットを示す要部拡大断面図。
【図8】従来のカーペットの別例を示す要部拡大断面図。
【図9】従来のカーペットのさらに別の例を示す要部拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の自動車用マットを図面に従ってさらに詳しく説明する。本発明の自動車用マット51は、図1〜図4に示すように、マット本体52とこのマット本体52の裏面側に取り付けた裏貼り材53とからなる。マット本体52は、不織布、紙、布、フェルトあるいはこれらの複合物からなる基布54にパイル糸55を所定のボリュームで略U字状となるように打ち込み、抜け止めのためのプレコート56を施したものである。尚、本発明における基布54は、パイル糸55を打ち込まない基布54のみからなる形態を採ることもできる。
【0021】
また、マット本体52を構成する基布54には、例えばチタン、セリウム、亜鉛、銅といった光触媒粒子表面をフッ素系多孔質層で被覆した抗菌性防臭粒子を繊維表面に付着させた抗菌性防臭繊維を含ませたもの、あるいは従来公知の抗菌剤をバインダーと共にシートの構成繊維表面に塗布または散布して付着させたものを用いることができる。この場合、マット本体52は抗菌性を有するようになり、室内の悪臭を効率よく吸収しこれを分解または吸着除去するようになる。
【0022】
また、マット本体52を構成する基布54には、図3に示すように導電性繊維を含んでいて静電気の空中放電機能を有する放電紙56を積層すると共に、これら放電紙56と基布54の積層物に導電性繊維を含むパイル糸55aを略U字状となるように打ち込んでなるものを用いることもできる。
【0023】
この場合、人が該自動車用マット51に接触したとき、人体に帯電した静電気をパイル糸55aに含まれる導電性繊維が瞬時に自動車用マット51側へと導き、自動車用マット51内の放電紙56によって空中放電されるようになる。また、静電気の一部は、放電紙56を経由してパイル糸55aに含まれる導電性繊維を通じて空中放電されるようになる。
【0024】
尚、上記放電紙56及びパイル糸55aに含まれる導電性繊維としては、特に限定されず、例えば炭素繊維、金属繊維、導電性セラミック繊維などの無機繊維、合成繊維を主材とし、この繊維表面に銅や銀、アルミニウムなどの金属をメッキしたメッキ繊維、繊維表面に銅や銀、アルミニウムなどの金属を練り込んだもの、あるいは繊維成分中に導電性を有する樹脂を含ませた繊維などを用いることができる。
【0025】
裏張り材53は、本発明の最大の特徴をなすものであり、モノフィラメントで構成されたループ状パイル糸を用いて編成又は織成されたパイル編物又はパイル織物からなる。モノフィラメントで構成されたループ状パイル糸を用いて編成又は織成されたパイル編物又はパイル織物としては、例えばモノフィラメントで構成されたループ状パイル糸を用いて編成された経編(ラッセル編地)であって、前記ループ状パイル糸を先端でカットした編物、モノフィラメントで構成されたループ状パイル糸を用いて編成された表面と裏面とを有する経編緯糸入編物(ダブルラッセル編地)であって、前記表面と裏面とを接続するループ状パイル糸をカットした編物、モノフィラメントで構成されたループ状パイル糸を用いて織成された二重織物の表織物と裏織物とを結合するループ状パイル糸をカットして分離した表織物又は裏織物、モノフィラメントで構成されたループ状パイル糸を用いて織成されたパイル織物のループ状パイル糸を先端でカットした織物を挙げることができる。
【0026】
パイル編物又はパイル織物からなる裏張り材53のカットされたループ状パイル糸63のカット端63aは、パイル編物又はパイル織物から突出し、例えば図5に示すように該自動車用マット51を自動車床面(ファーストカーペット)上に敷設し、これに荷重が加わったときに、そのカット端63aが自動車床面(ファーストカーペット)70内部に入り込み、これを係止する係止部として作用するようになっている。
【0027】
裏張り材53を構成するパイル編物又はパイル織物に用いるループ状パイル糸63として、太く硬めのモノフィラメントで構成されている。具体的にはポリエチレンモノフィラメント、ポリエステルモノフィラメント、ポリアミドモノフィラメントなどが望ましく、その繊度は100デニール以上、好ましくは300デニール以上である。また、1本限らず、複数本のモノフィラメントを束ねたものをループ状パイル糸63として用いることもできる。
【0028】
また、裏張り材53を構成するパイル編物又はパイル織物の目の形態は任意であるが、例えば図1〜図4に示すように亀甲状、菱形状、角状などのネット状が好ましい。
【0029】
また、裏張り材53を構成するパイル編物又はパイル織物のループ状パイル糸63表面には導電性材料からなる導電層を形成することもできる。例えば導電層は、カーボン粉や金属粉などの導電性粉末を塗料に混合したものをループ状パイル糸63表面にコーティングするなどして形成することができる。このようなループ状パイル糸63を適用することで、該パイル糸63が補強されると共に、パイル糸63表面に形成された導電層により、静電気を吸収する機能が生じ、人体に帯電した静電気をより効果的に吸収除去できるという効果を奏することになる。
【0030】
また、本発明の自動車用マットにおけるパイル編物又はパイル織物からなる裏張り材53のループ状パイル糸63は一方方向に傾斜している。例えば図4に示す例では、2本のモノフィラメントを地糸で構成されるベース編地に菱形状に編み込んでループ状パイル糸63が形成されており、そのループ状パイル糸63の先端をカットすることで、2本のカット端63aが編成方向に傾斜すると共に各カット端63aが略V字状に開いた状態になっている。尚、カット端63aを確実に一定方向に傾斜させるため、先端をカットしたループ状パイル糸を有するパイル編物又はパイル織物(先端をカットしていないループ状パイル糸を有するパイル編物又はパイル織物でもよい)をそのカット端(ループ状パイル糸)を下側にして熱板上に置き、上方から斜め方向に押圧しながら熱処理することで、前記カット端(ループ状パイル糸)を一定方向に傾斜させると共にその形状を固定することもできる。
【0031】
本発明の自動車用マットの裏張り材53は、そのループ状パイル糸63がランダム方向ではなく、一方方向にのみ傾斜しており、その傾斜方向が、該自動車用マットを自動車床面に敷設したとき、自動車のフロント方向に向かって傾斜して突出するように、前記裏張り材53をマット本体52の裏面側に取り付けるのである。このような構成としたことから、自動車の運転中に運転者または乗員によって、図5中黒塗りや印に示す方向、すなわち自動車の進行方向(フロント側方向)に荷重が加わったときに、同じ方向にカット端63aが斜めに傾斜して突出しているカット端63aが確実に自動車床面(カーペット)70内に入り込み、該自動車用マット51のズレを防止するようになる。また、図5中白抜き矢印に示す自動車の進行方向に向かう方向(フロント側方向)とは逆の方向(リア側方向)には、カット端63aが係止部として作用しないため、簡単に該自動車用マット51を移動させることができ、自動車用マット51の取り外し、位置決めを簡単に行うことができるようになっている。
【0032】
また、別の形態としては、図6に示すように、ループ状パイル糸が一方方向にのみ傾斜するパイル編物又はパイル織物からなる裏張り材であって、ループ状パイル糸の密度が細かい裏張り材53aとループ状パイル糸の密度が粗い裏張り材53bとを用意し、自動車用マットを自動車床面に敷設したときに、自動車のフロント側に位置するマット本体の部分にループ状パイル糸の密度が細かい裏張り材53aを取り付け、リア側に位置するマット本体の部分にループ状パイル糸の密度が粗い裏張り材53bを取り付けて、該自動車用マットを自動車床面に敷設したときに、自動車のフロント方向に向かう程に高密度となるように設けることもできる。
【0033】
自動車用マットを自動車床面に敷設したときに、自動車のフロント側に位置する部分には、大きな荷重が加わることから、ループ状パイル糸の密度が細かい裏張り材53aを配置することで、その荷重に十分に答えることができるようになる。一方、リア側に位置する部分には、余り大きな荷重が加わることはないことから、ループ状パイル糸の密度が粗い裏張り材53bを配置することで、十分にその荷重に対応することができ、しかもループ状パイル糸の密度が粗い分だけ、ファーストカーペットとの摩擦力は小さいので、自動車用マットを自動車床面のファーストカーペット上の所定の位置に敷設しようとする場合、該自動車用マットの位置調節がよりスムーズとなる。
【0034】
また、図1〜図4に示す例では、裏張り材53には繊維層57が積層されており、該繊維層57側から裏張り材52側へニードリング処理することで、前記繊維層57が裏張り材52に一体化されている。
【0035】
繊維層57は、通気性を確保しながら、しかも裏張り材53の強度を高めて取り扱い性を向上させると共に、敷物としたとき、該敷物に適度な腰を造り出す機能を有する層である。この繊維層57は熱接着性繊維を含む形態を採ることができ、この場合、表装材52との間を接着する接着剤として機能するようになる。
【0036】
繊維層57に含ませる熱接着性繊維としては、例えば高融点重合体を芯成分、低融点重合体を鞘成分に配した芯鞘型複合繊維からなるものを好ましいものとして挙げることができる。特に、高融点重合体の融点と低融点重合体の融点との差が15℃以上であることが好ましく、20℃以上であることがさらに好ましい。高融点重合体/低融点重合体の組み合わせとしては、ポリエステル/ポリオレフィン、高融点ポリエステル/低融点ポリエステル、ポリアミド/ポリオレフィン、高融点ポリアミド/低融点ポリアミド、ポリプロピレン/ポリエチレン、高融点ポリエチレン/低融点ポリエチレン等が挙げられる。
【0037】
また繊維層57には、カーボン繊維や金属繊維などの導電性繊維を含ませることができ、静電気を空中放電させる機能を持つ前述の表装材52と組合わせたとき、該繊維層57自体に静電気を吸収する機能が生じ、人体に帯電した静電気をより効果的に吸収除去できるという効果を奏することになる。図示の例では、カーボン繊維64と熱熱接着性繊維を繊維層57の構成繊維中に含ませたものを採用した。
【0038】
尚、本発明の自動車用マットは、図面に示した例に限定されず、例えば、裏張り材や敷物を構成する繊維層に撥水剤、抗菌剤、防ダニ剤、防かび剤及びフタロシアニン化合物の少なくとも1種を含ませて、撥水性、抗菌性、防ダニ性及び防かび性といった性能を付与するなど、特許請求の範囲に記載した範囲で自由に変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0039】
52・・・マット本体
53・・・裏張り材
54・・・基布
55・・・パイル
57・・・繊維層
63・・・ループ状パイル糸
63a・・・カット端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノフィラメントで構成されたループ状パイル糸を用いて編成又は織成されたパイル編物又はパイル織物からなり、前記ループ状パイル糸がカットされており、そのカット端が自動車床面のファーストカーペットを係止する係止部として突出する裏張り材がマット本体裏面側に取り付けられた自動車用マットにおいて、
前記パイル編物又はパイル織物からなる裏張り材のループ状パイル糸は一方方向に傾斜しており、前記ループ状パイル糸が、該自動車用マットを自動車床面に敷設したとき、自動車のフロント方向に向かって傾斜して突出するように前記裏張り材がマット本体の裏面側に取り付けられていることを特徴とする自動車用マット。
【請求項2】
パイル編物又はパイル織物からなる裏張り材におけるループ状パイル糸が、該自動車用マットを自動車床面に敷設したときに、自動車のフロント方向に向かう程に高密度となるように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の自動車用マット。
【請求項3】
裏張り材には繊維層が積層され、該繊維層側から裏張り材側へニードリング処理することで、前記繊維層が前記裏張り材に一体化されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車用マット。
【請求項4】
裏張り材のループ状パイル糸表面に導電性材料からなる導電層が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の自動車用マット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−183101(P2012−183101A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46553(P2011−46553)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(000149664)株式会社大和 (35)
【出願人】(592083993)株式会社八千代 (34)
【出願人】(592084004)株式会社祥永 (34)
【Fターム(参考)】