説明

自動車用燃料供給システム

【課題】天然ガス、水素、GTLなどの新燃料で走る自動車は、排気清浄性と高効率性のゆえに地球温暖化や大気公害の防止やエネルギー資源多様化の観点から、早い実用化と普及が待望されている。しかし、現行のガソリンや軽油などの供給スタンドのように燃料そのものを流し込んで給油する方式では、各燃料毎に厳しい安全規制を満たす供給設備を多数配備しなければならず、普及に不可欠である流通インフラ整備が困難となる課題がある。
【解決手段】そこで、供給スタンドでは燃料を流し込む供給はせず予め燃料を充填した燃料容器の交換操作で給油する方式において、燃料容器、固定、配管、計測などを規格化して給油操作の安全性を改善し供給スタンド設備の簡素化を実現し、さらに、移動体通信等のIT技術によって自動車と供給スタンド間の需給情報を緊密化し供給スタンドの燃料在庫量を削減し安全性を向上すると共に、複数の燃料の取り扱いを可能にする考案を行った。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新燃料自動車の普及の妨げになっている燃料供給スタンドの数が少ないという流通インフラ整備問題を解決するために、燃料供給スタンドでの移送充填操作をなくしさらに貯蔵量を厳しい規制を受けない少量に限定することによって安全性を向上し、設置に必要な設備の簡素化と設置面積の縮減を図り、燃料供給スタンドの設置を容易にすることによって、その配備を促進し、自動車ユーザーが何処でも何時でも燃料供給サービスを受けられるようにする燃料供給システムに関する。さらに、そのシステムを発展させて、電気自動車に電力を供給するシステム、供給対象を自動車以外にも広げるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
21世紀初頭の現在、陸上交通、運輸の主役である自動車は、化石燃料である石油から製造されたガソリン(GO)または軽油(DO)を主な燃料としている。しかしながら、これらの燃料は早晩、資源枯渇の問題に直面することになる。さらに、大気汚染及び地球温暖化等の深刻な環境問題の一因ともなっている。
【0003】
これらの資源、環境問題の解決に役立つクリーンな自動車用燃料として、液化石油ガス(LPG)、圧縮天然ガス(CNG)、エタノール、エタノール混合ガソリン、菜種油等の植物油を改質した油を軽油に混ぜたバイオディーゼル油(BDF)等が一部利用されているが、全燃料消費量に占める割合は極めて小さい。基本的な実用技術の開発が進み量産技術開発段階に入った燃料電池自動車用の燃料として、高圧タンクに貯蔵される圧縮水素ガス、断熱タンクに極低温状態で貯蔵される液化水素、改質反応によって水素を生成する貯蔵が容易な各種の炭化水素燃料、水素を吸蔵又は化学結合によって多量に含有し容易に放出できる各種の有機又は無機物質などが研究開発されている。
【0004】
具体的な例を示す。日本での2002年時における国内総自動車登録台数は7千万台強である。そのうち、ガソリン及び軽油以外の燃料で走行している自動車台数は少なく、その中で比較的多いLPG車とCNG車を合計しても3万台の半ばに過ぎず、その割合は0.05%に達していない。米国では、トウモロコシを発酵させたエタノールをガソリンに混合したガソホール(Gasohol)燃料が自動車に用いられているが、エタノールの消費量は全ガソリン消費量の1%強に過ぎない。EUでは、菜種油、ひまわり油等を変成したバイオオイルを軽油に混入したバイオディーゼル油(BDF)の積極的普及が計られている。ドイツとフランスのバイオオイル生産量はそれぞれ軽油消費量の3%弱と1.3%弱である。ブラジルでは、サトウキビ残渣を発酵させるエタノール生産を国策として進めており、ガソリンに22%混ぜることが義務付けられている。このように、ブラジルを除けば、いずれの国においても、自動車用燃料の主力はガソリンと軽油であり、その他の燃料は各国の資源事情に対応して1〜2種の燃料が使われているが、その消費量は極めて少ない。
【0005】
ジメチルエーテル(DME)、合成ガソリン(GTL)、さらに、圧縮水素ガス(CHG)、液化水素(LH)等は、石油以外の原料から作られる点で資源的に期待され、また排気がクリーンという点で環境的にも優れた自動車用燃料として有望視されており、一部運行実証試験が進められている。しかしながら、ガソリン、軽油以外の燃料が社会の中へ広く普及していく途上には、解決しなければならない共通した問題が横たわっている。その問題とは、それぞれの燃料を供給する給油取扱所、いわゆるガソリンスタンドに相当する設備を多数かつ周密に配備すること、すなわち燃料供給のためのインフラ整備である。〔0004〕に記したように、ガソリン、軽油以外には、せいぜい先行した1〜2種の燃料が限界で、さらなる他の燃料では極めて困難である。
【0006】
すなわち、ガソリン、軽油以外の次世代燃料の社会的普及、実用的普及を阻害する重要な要因として、ガソリンスタンドに相当する給油取扱所が少なく、燃料供給が地域的、時間的に制約され、自動車の魅力である自由な走行が制約制限されている。
【0007】
例えば、主流燃料のガソリン、軽油給油取扱所は日本全国で約6万箇所ある。しかし、タクシー等に利用されているLPGの給油取扱所は全国で約1900箇所(非特許的文献1参照)と極めて少なく、さらに営業時間も限定されることから、走行地域及び走行時間帯が制限される。すなわち、燃料供給所の整備状況の差が利便性の良否を決める主要な一原因となり、LPG車等の新燃料車の普及を阻害している。
【0008】
例えば水戸市では、LPG給油取扱所は4箇所と少なく、営業時間も限定されているため、LPG車を自家用として利用するには相当不便である。また、水戸から東京へ行く場合、国道沿いにあるLPG給油取扱所は1箇所しかなく、燃料残量と時刻に神経質にならざるを得ない。さらに、東名高速道路を利用して大阪に行く場合、名古屋でしか給油できないので、これは、ガソリン、軽油を燃料とする自動車の自由度に比べると強い制約となり、現状の給油取扱所の配置状況では、LPG自動車は路線と運行スケジュールが決まっているタクシー、市街地配送車等の営業用自動車以外の用途には向いていないと結論せざるを得ない。しかしながら、現在タクシーの全国総台数は約24万台であり、市街地配送車はクロネコヤマト便で3千台と国内総自動車台数7千万台に比べると非常に少なく、資源と環境問題の解決に資するにはほど遠く、さらなる新燃料自動車の利用拡大を図る必要がある。
【0009】
しかしながら、新燃料自動車を資源、環境問題の解決に資する程度に社会的普及と展開を図るためには、現在のガソリンスタンドに相当する当該新燃料のための供給取扱所を新たに全国的に整備する必要があるが、それは極めて困難である。
【0010】
燃料電池や内燃機関を動力変換装置とする水素燃料自動車に関しては、上記の給油取扱所が少ないという問題を克服するために、特願平11−95200号公報(特許文献1)では、自動車の燃料残量を自動的にチェックし、残量が予め定めた量を下回ると自動的にガス欠警告が発せられると共に、カーナビゲーション装置を利用して最寄の水素供給スタンドを表示し、ガス欠を未然に防止する考案を開示している。この考案は、給油取扱所の数を増やすことを目指すのではなく、数少ない水素供給スタンドの個々の利便性を高めることによって新燃料の流通インフラ整備問題に寄与しようとしている。
【0011】
供給スタンド配備の難しさは、現行のガソリン及び軽油を取り扱いっているガソリンスタンド(SS)に要求されている設備と土地面積を考えれば容易に理解できる。何時でも給油できるように約1万リットル以上の貯蔵タンク(貯槽)、安全性を確保するために給油ノズルとメーター等から成るディスペンサー、さらに、防火壁、警報、消火等の設備、さらに最低20mx15m程度以上の土地が法律で要求されるため、設置には多額の資金が必要である。ガソリンと軽油以外の給油は、液化石油ガス(LPG)、液化又は圧縮天然ガス等はそれぞれ専用の給油取扱所で行われている。これらの給油取扱所では、可燃性の危険物、さらに燃料によっては高圧ガス取扱設備としての技術基準を満足する設計、製作、据付工事がなされ、操業、維持管理は資格経験者によってなされ、それらの性能検査も定期的に実施しなければならない。このように、高額な設備費、運営管理等の人権費、さらに土地費等が必要であることが、新燃料の供給スタンドの開業を阻み、さらに経営を困難にしている。
【0012】
土地面積や技術基準は、自動車への給油時、タンクローリー車等からの貯槽への充填時、大量貯蔵設備に対する地震や経年変化や誤操作等に起因する事故時に予想される火災・爆発等の災害から公衆を守る観点等から決められている。そのため、燃料供給スタンドに必要な土地面積が大きくなり、その設置を困難にしている。
【0013】
給油時の具体的な操作は、常温常圧で液体状態であるガソリン、軽油、メタノール、エタノール、エタノール混合ガソリン、合成ガソリン等は、予めタンクローリー等で運ばれ貯槽に受け入れられていた燃料を、ポンプ、蒸気圧または重力で加圧し、計量器を経て、自動車の燃料供給口に差し込んだ給油ノズルより、大気圧下で自動車の燃料タンクへ流し込んで供給している。LPG、DME等の常温加圧条件で液体状態である燃料は、給油ノズルを自動車の給油口へ耐圧性を有するカプラで接続して、加圧状態で流し込まれている。液化天然ガス、液化水素等の低温で液体状態である燃料は、低温用耐圧カプラで接続して、予冷等で生ずる気化ガスに留意しつつ自動車の断熱タンクへ流し込まれる。圧縮天然ガス(CNG)、圧縮水素ガス(CHG)等の高圧ガス状態で給油される燃料は、貯蔵設備内のガス状燃料を圧縮機で加圧するか、液状燃料の気化圧力で加圧し、緊急停止装置を経て自動車の充填口に接続された高圧用カプラを通じて自動車の耐圧燃料タンクに充填される。特に、ポンプ、蒸気圧等で加圧移送する場合、漏洩・噴出等が生じる可能性があるので、規制の要求する安全対策が不可欠となる。
【0014】
すなわち、これらの給油取扱所では、可燃性の危険物である液体又は気体燃料をタンクローリー等で運んできてポンプ等で加圧して貯蔵用タンクに多量に貯蔵し、自動車へ給油するときにはポンプ等で汲み上げ自動車等の燃料タンクに直接注入する。この方式では、多量の燃料貯蔵と燃料と直接を直接取り扱、漏出・噴出と火災・爆発したりする可能性を考慮して、離隔距離及び構造・設備に関する技術的基準を満たさなければならない。その結果、燃料供給スタンドの設置には用地面積、漏洩警報・消火設備等の安全対策、供給スタンド及び貯槽の保安検査、充填作業・設備保守運転・緊急時対応に当たる保安監督・保安要員の選任等の義務があるため、現状のスタイルの補給スタンドの建設・運営は容易ではない。
【0015】
一方、容器に充填されたLPGを取扱う販売取扱所の技術的保安的な基準は、燃料の充填操作をしないこと及び取扱量を規制値未満に限定することにより、ガソリン、軽油、LPG、天然ガス燃料の給油取扱所に比べて大幅に緩和されている(非特許的文献2)。
【0016】
さらに、LPGをローリー車で1トン未満の貯槽へ供給する場合に関しては、保安距離は1.5m以下、火気からの離隔距離は2m以下となり、大幅に緩和されている(非特許的文献3)
【0017】
前々節〔0015〕を参考とすれば、供給スタンドにおいて充填操作を行わなければ危険性は大幅に低減し、スタンド設備は大幅に簡略化出来る可能性があることが分かる。また、前節〔0016〕を参考とすれば、供給スタンド内における貯蔵量を少量に維持管理できれば危険性は大幅に低減し、供給スタンドに要求される設置面積を大幅に縮小出来る可能性があることが分かる。しかし、充填操作と大容量貯槽を必要とする従来の燃料供給スタンドでは、これらの可能性はない。
【特許文献1】特願平11−95200号広報
【非特許的文献1】
LPガス読本、日本LPガス団体協議会、平成15年3月刊、p.36
【非特許的文献2】
高圧ガス保安法
【非特許的文献3】
液化石油ガスの保安及び取引の適正化に関する法律(液石法)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
以上に述べたように、資源の効率的利用、環境汚染の低減の観点から有力視されているLPG、天然ガス、さらに、低硫黄化軽油、メタノール、エタノール、バイオ軽油、エタノールを混合するバイオオイル、圧縮天天然ガス、液化天然ガス、ジメチルエーテル(DME)、フィッシャートロプシュ反応合成ガソリン(GTL)、圧縮水素、液化水素等の新燃料の普及が期待されるが、それぞれの燃料毎に、供給スタンドに係わるインフラ整備問題が解決されなければ、それぞれの燃料の広範な社会普及はあり得ない。
【0019】
さらに、同じ名称で呼ばれる燃料でも、複数の品目に対応しなければならない可能性がある。たとえば、燃料低硫黄化軽油では、精製規格及び酸化窒素対策に応じて複数のグレードに対応しなければならない。天然ガスも、液化、圧縮、ナノカーボン又はゼオライト吸蔵等、貯蔵状態や貯蔵原理に応じて取り扱い技術と設備は異なってくる。
【0020】
その上、上記の多くの燃料では、相互に混合する混合燃料が提案されている。例えば、エタノールを混合したガソリンでは、バイオ原料から製造したエタノールを3,10,20%混合したものはE3、E10,E20と呼ばれ、E3とE10は通常のガソリンエンジン車で使用出来るが、それ以上の濃度となるとアルミ材質の腐食が生じるので腐食対策を施したエンジンでないと使えない。他に、エタノールを混合した軽油、バイオオイルを混合した軽油(BDF、B10等)等があり、さらにこれらの混合比率は技術的要因、及び税制上の要因に応じて設定される。従って、現行の給油スタンド方式では、給油設備を燃料毎に複数系統設置するか、供給スタンドを燃料毎に建設するか、定量的に混合する設備を設置するかなどの対応が必要となり、多額の設置コストや広大な設置土地が必要になり、普及展開には難しい問題が立ち塞がっている。
【0021】
さらに水素を燃料とする水素燃焼内燃機関や燃料電池を動力変換装置とする自動車では、液化、圧縮、吸蔵合金貯蔵、カーボンナノファイバーなどの吸着貯蔵、有機及び無機化合液状化合物等が提案されている。これらの貯蔵方式に応じて、貯蔵設備、給油機器、給油操作や保安設備は大きく異なるものになる。
【0022】
すなわち、現在の供給取扱所のようなガソリンスタンド方式での燃料供給インフラ整備では、膨大な数のスタンド、燃料の詳細に応じた多様な設備、そのための設置面積、資金とメンテナンス体制が膨大になってしまう。従って、現実的には限定された少数の燃料しか社会的普及は望めない。その際、資源及び環境面から最適な燃料が選択される保証はなく、先行逃げ切り型の決着となり真の問題解決の糸口を失わせる。すなわち、供給インフラ問題の解決は極めて困難且つ重要な課題である。
【0023】
そのため、現行の地域又は時期を限定した試験的運行を主とする施策では、その後の展開が難しく、結果的に新しい燃料の真の淘汰に役立たない。一方、これからの人類は、これらの多様な燃料の中から適材を見出し、産地と消費地の地理的な適所、時代が要請する適時に、最適な燃料を利用しつつ持続可能な地球社会を構築していかなければならない。
【0024】
しかしながら、上記のように、それぞれの燃料毎に、貯蔵槽、移送ポンプ配管系、供給ノズル・計量器等からなり、十分な安全性を担保する技術基準を満たす設備を備えた充填供給スタンドを、現在のガソリンスタンドのように多数広域にくまなく配備することは極めて困難である。
【0025】
今後、多種の新しい燃料が社会的に受け入れられ、資源問題、環境問題に実効ある規模の展開を果たして行くには、上記の供給スタンドを社会の中に多数分散配備は不可欠である。
【0026】
ガソリン、石油等の液体状燃料と比べると、新しい燃料は容易に高圧ガス状となり易い性質を持つものが多く、特にスタンドでの燃料供給時に、燃料が漏洩又は噴出する危険性が高くなる。そのため、設備、安全及び技術に関する規制はより厳しくなり、設置面積もより広く要求される。その結果、スタンドの設置には多額の費用が必要となる。さらに、新しい燃料毎に輸送・貯蔵・充填・供給スタンド設備を多重に設備しなければならない。
【0027】
本発明は、新燃料自動車の普及の大きな障害となっている燃料供給スタンドの流通インフラ整備問題を解決するために、スタンドの役割を簡便化し設備費の低減化を図り新燃料自動車の普及を容易することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0028】
本発明は、上記目標を達成するためにインフラ整備に莫大な費用を伴う現行ガソリンスタンド相当の設備を設けることなく燃料供給が出来るシステムを構築したものである。
【0029】
まず、発明した燃料供給ステムの基本構想を記す。
【0030】
ガソリンスタンドに相当する燃料供給スタンドの全国的な配備を実現するためには、必要設備を簡素にし、必要面積を縮減することが有効である。〔0014〕〜〔0017〕に記したように、スタンドにおける充填操作をなくし且つ貯蔵量を小規模することによって、安全性が確保され種々の規制や基準が大幅に緩和されるため、インフラ設備の軽減と設置面積の縮減を可能にする。
【0031】
燃料供給スタンドの役割を予め燃料を充填した燃料容器の交換機能に限定し、規格化された交換操作のみを行う方式とすることによって、供給現場での燃料の注入や移送等の充填操作に伴う危険性を排除し、さらに燃料貯蔵量を大幅に低減することによって、保安に係わる設備と設置面積に関する規制を大幅に緩和し、供給スタンド設置に要するコストと用地を低減し、流通インフラ整備を容易にする。交換操作を規格化するために、仕様を規格化した燃料容器、すなわち規格化燃料容器を導入する。燃料在庫量を大幅に低減するために、自動車側の需要をIT技術を用いて常時把握し燃料充填所より燃料を充填した規格化燃料容器を供給スタンドへジャストインタイムに配送する方式とする。
【0032】
規格化燃料容器への燃料の充填は、技術基準を満たし安全が確保されている燃料充填所で行なう。充填された規格化燃料容器は、燃料配送便によって容器容器スタンドに配送される。容器交換スタンドの在庫量は、通信機能とシステム全体を監視する燃料管制センターによって常に少量に維持される。
【0033】
燃料管制センターは、容器交換スタンドの容器在庫数を常時一定量確保するために、在庫量のモニターと燃料充填所及び燃料輸送便との緊密な連絡を固定及び移動通信回線によって行う。同時に、同通信回線で結ばれている個々の自動車ユーザーの運行状況や燃料残量等のデータをモニターし、ユーザーに対して随時に随所で規格化燃料容器の交換が可能で且つ最適な容器交換スタンドの位置に関する情報を提供する。
【0034】
次に、システムの具体的構成及び機能について記す。
【0035】
システム全体は、通信網で結ばれた容器交換スタンド、燃料充填所、燃料配送便、燃料管制センター、及び同センターと同通信網で結ばれた個々の自動車から構成される。
【0036】
燃料管制センターは、容器交換スタンドの在庫量等を始めとして本発明に係わる燃料供給システム全体を管理すると共に、同センターと移動体通信回線によって結ばれた各自動車の燃料残量、現在位置及び目的地等の運行に関する情報の把握とモニター機能、同時に、燃料受給が可能な容器交換スタンドの位置情報を自動車ユーザーへリアルタイムで知らせる機能を有し、各ユーザーに随時に随所で必要燃料を必要量供給できるシステムを現行のIT技術で構築する。
【0037】
自動車の排気量、車種及び走行距離に対応した容量、寸法、形状の規格化、取扱燃料の特性と使用圧力に対応した材質、構造、機能に関する規格化、自動車内収納部と規格化燃料容器の相互位置決め方式及び固定部の規格化、交換操作のためのグリップの規格化、燃料配管接続の数量、口径、位置及び口金等の規格化、内圧、温度、燃料残存量等の測定センサーの性能仕様と信号線接続コネクターの規格化をそれぞれ行い、さらに、規格化燃料容器に充填出来る燃料の種類、上限量、最高使用圧力等の容器設計データ、風袋、耐圧試験等の検査データ、及び充填時の容器重量、圧力等の燃料充填データを規格化した表示法で自動的に読取りと書込みが出来るICタグ又はバーコード方式の荷札機能を備えた規格化燃料容器を採用する。
【0038】
カセット式容器交換、すなわち、自動車に搭載した使用済規格化燃料容器の取外しと保管ラック中の充填済規格化燃料容器の搭載を迅速、正確、且つ安全に行うことができるアシスト機器又は自動化ロボットを装備し、自動車側の燃料需要と在庫供給体制を常時調整し維持できる管理システムの導入によって燃料貯蔵量を安全規制値以下に制限し、安全及び取扱いに関する設備を簡素化した容器交換スタンドを配備する。
【0039】
規格化燃料容器を保管には、充填できる燃料の種別及びその充填量等のデータを容器に取付けたICタグ又はバーコード等の荷札より読出す機能、及び充填燃料の状態量(重量、圧力、温度等)を検知し表示する機能、それらの諸データを燃料管制センター等へ送信する機能、さらに、排気施設、消火施設等十分な安全設備を有し、自動的または半自動的に充填済規格化燃料容器と使用済規格化燃料容器を収納できる機能と構造を持たせた規格化燃料容器用の保管ラックを用いる。保管ラックは、小さな設置面積に効率的に収納できるように、て容器を立てた状態で保管する縦型(円形回転式、蛇行式)と、水平に寝かせた水平型(昇降式)を配備する。
【0040】
手動、半自動、又は自動的に規格化燃料容器をカセット式交換するための装置であって、使用済規格化燃料容器を自動車から取外し、次いで、保管ラック中の充填済み容器からユーザー予約内容と一致する容器を取出し自動車に搭載する一連の操作を迅速、正確且つ容易に行うために、容器重量を平衡補償し小さな力で垂直及び水平方向の移動が出来るアシスト機器(以降、容器交換アシスト機器と記す)、又は交換操作を自動的に実施できるロボット(以降、容器交換ロボットと記す)を容器交換スタンドに装備する。
【0041】
燃料の規格化燃料容器への充填操作に要求される技術基準及び法規制を満たす設備を有する充填所であって、充填した燃料及び容器の情報を規格化方式で荷札に書込み、同時に燃料管制センター等の指示又は適切と判断した容器配送便に受渡すことができ、さらにその情報を燃料管制センター及び容器交換スタンドに発信することが出来る燃料充填所を組み合わせる。
【0042】
通信回線で結ばれた燃料管制センターの指示に従って、1箇所又は複数の燃料充填所と複数の容器交換スタンドの間での充填済及び使用済規格化燃料容器の配送と回収を行い、必要に応じて衛星位置検知システム(GPS)等によって位置情報を発信出来る貨物自動車便を容器配送便として組み合わせる。
【0043】
携帯電話、双方向カーナビゲーションシステム又は衛星通信等の移動体通信回線及び固定電話、インターネット、光ファイバ又は有線放送等の固定通信回線を単独又は複数を組み合わせる通信手段で、個々の自動車を含む燃料供給システム全体の情報を収集管理し、各容器交換スタンドの充填済規格化燃料容器の在庫情報をモニターし、必要に応じて燃料充填所又は容器配送便に指示して容器交換スタンドの燃料在庫量を常時適正に管理し、さらに自動車の運行情報及び自動車ユーザーの要請に応じて、燃料残存量、走行可能距離及び燃料供給可能な位置にある容器交換スタンドの情報をリアルタイムで提供することによって、各ユーザーが随時に随所で容器交換の予約が出来る機能を有し、燃料供給体制を効率的且つ安定に維持する役割を担う燃料管制センターを中核システムとして採用する。
【0044】
自動車ユーザーが、手動又は自動的操作によって燃料残量、現在位置、目的地等の運行に関する情報を送信し、燃料管制センター又は容器交換スタンド等より送信される燃料供給可能な容器交換スタンドの位置情報及び誘導情報を受信し、カーナビゲーション装置等のディスプレー画面に数値、図表及び道路地図上の画像情報として認識出来、また音声情報としても受信出来る車載通信機器を採用する。
【0045】
各自動車の目的地等の運行情報及び位置情報を受信した燃料管制センターは、容器交換スタンドの位置及び在庫情報を基に評価プログラムを作動させ、各自動車ユーザーが利用可能な容器交換スタンドを抽出しその情報をユーザーに知らせる機能、さらにユーザーは推奨されたスタンドから容器交換スタンドを選定し、同時に容器交換スタンドへの到着時間、補給燃料種別と量を通報して予約出来る機能、さらに、カーナビシステム等を援用して自動車を所在場所より容器交換スタンドへ案内誘導する機能を有するシステムを採用する。
【0046】
すなわち、新燃自動車の普及に対して共通の障害、となっている燃料供給スタンドのインフラ設備の配備展開が容易になる上記システムを採用する。
【0047】
規格化燃料容器の保管とカセット式交換操作に役割を限定し且つ燃料在庫量を制限することによって、安全及び技術基準・法規制に係わる必要設備の簡素化を図った容器交換スタンドを在来のガソリンスタンドに併設、或いは、コンビニエンスストア、郵便局、宅配便拠点、鉄道駅、集合住宅、その他主幹線道路沿いのサービスエリア等に多数配備することができる。
【0048】
容器交換スタンド又は燃料充填所において自動車より取り外した使用済規格化燃料容器の重量を計測し、荷札より読み取った充填時容器重量データを参照して、燃料消費量を算出・確定し、自動車ユーザー又は燃料供給契約者に、電子マネー又はキャッシュカードシステム等を通じて課金する会計システムを採用する。
【0049】
上記の構成要素からなる燃料供給システムを、幹線道路に沿って複数配備し、各燃料通信管制センター間の連携を行うことによって、システムの広域化を図る。
【0050】
規格化燃料容器の型式、仕様は、燃料の貯蔵時の物理的化学的特性、供給時に生じる状態変化に応じて、異なってくる。まず、常温、常圧又は低加圧状態で液体である燃料、すなわちガソリン、軽油、灯油、メタノール(MeOH)、エタノール(EtOH)、エタノール混合燃料(E3,E5,E20)、バイオジーゼル油、合成ガソリン(GTL)、液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル(DME)などに用いる規格化燃料容器は、現行の容器とほぼ同じ仕様であり、主として外形、寸法、センサー、接続、荷札機能関連の仕様が規格化される。常温加圧状態で貯蔵される圧縮天然ガス(CNG)、圧縮水素(CNG)用の規格化燃料容器は現行の耐圧容器をベースに規格化され、液化天然ガス(LNG)、液化水素(LH)等の規格化燃料容器は現行の断熱容器を規格化することによって容易に開発できる。
【0051】
各種の水素又はメタン吸蔵物質が、軽く小さな貯蔵容器の実現のために開発されている。水素では、各種の水素吸蔵合金、カーボン及びグラファイトナノ構造物質、アルミニウム又はナトリウムなどの金属アラネート類が開発されている。従って、これらの物質を内臓し、水素の吸収、放出時の反応熱処理用配管と吸蔵物質の粉末化対策を施した規格化燃料容器を開発することができる。メタンを吸蔵するゼオライト系物質を用いれば、常温低圧のメタン用の規格化燃料容器を開発できる。従って、水素又はメタンを充填し、常温近辺で温度を変化させるか、小さな圧力を変化させて、水素又はメタンを吸蔵、放出できる規格化燃料容器を組み合わせることができる。
【0052】
有機系又は無機系の各種の水素含有化合物の溶液または水溶液から、水素を発生させる技術が開発されている。容器に充填した溶液を必要に応じて取り出し、水素分離反応器に供給して発生させ、水素を燃料とする内燃機関又は燃料電池を動力とする自動車に供給することによって、長い航続距離を実現できる。有機系物質としては、12個の水素を有するシクロヘキサンを6個の水素を含むベンゼンに化学変化させて、水素を発生させる技術が開発されている。この系統の物質の組み合わせとしては、デカリン/ナフタレン、メチルシクロヘキサン/キシレン、メチルデカリン/メチルナフタレン等が開発されている。これらを用いれば、体積と重量が小さな燃料容器を実現できる。その容器を、規格化燃料容器とすることは可能である。すなわち、シクロヘキサンなどの水素含有物質が充填された規格化燃料容器より、水素含有物質を流出させ、水素分離反応器に供給して水素を発生させる。ベンゼンなどの反応残渣液は、規格化燃料容器に戻して混合液としてもよいことが分かっているので、シクロヘキサン濃度が低くなった時点で容器交換スタンドで規格化燃料容器を交換することになる。回収された使用済み規格化燃料容器は、燃料充填所などにおいてベンゼンなどの残渣液をシクロヘキサンに化学変化させるか、又は残渣液を排出しシクロヘキサンを充填すればよい。
【0053】
無機系水素含有物質としては、錯体水素化物が開発されている。代表例としては、ナトリウムホウ素水素化物(NaBH)のアルカリ水溶液(ボロハイドライド)が開発されており、実用的に5重量%を超える水素が得られる。残渣液として、NaBOの水溶液であるので有機系と同様に規格化燃料容器の処置を行えばよい。
【0054】
燃料を電気、規格化燃料容器を規格化電池、充填を充電と読みかえるシステムを構築して電気自動車へ適用する。
【0055】
(自動車以外への多様な需要先へ対応するシステム)各種燃料及び電力を必要とする自動車以外のエネルギー需要先へそれらを供給出来るシステムを構築し多様なユーザーに対応する。
【発明の効果】
【0056】
上述したように本発明のシステムの容器交換スタンドに保管される燃料量は、燃料管制センターの管理下で常に最小限に維持管理される。すなわち、Just−in−time(トヨタ方式)で管理されるため、燃料保管量は常にある一定量以下に保たれる。また、規格化燃料容器を採用し、燃料供給をその容器交換で行う方法を採用することによって燃料供給スタンド安全性が各段に向上する。そのため燃料容器交換スタンドの設置に関する安全及び技術基準が緩和され、燃料供給スタンドの設置が従来に比べて遥かに容易になり、各新燃料自動車の普及の共通の障害となっていた燃料供給スタンドのインフラ整備問題を一挙に解決することになる。
【0057】
このように機能を限定し優れた安全性を有するスタンドは、従来のガソリンスタンドに併設することが可能だけでなく、コンビニエントストア、郵便局、宅配便拠点、鉄道駅等にも容易に設置することが出来るので、全国的に多数を網羅した配備する状況を作り出ことが容易に可能になる。また自動車使用者は、通信網にて結ばれた燃料管理センターから常時与えられる燃料残存量及び最寄りの容器交換スタンドに関する位置情報のもとに、随時に随所で燃料供給のサービスが受けられる。
【0058】
このシステムは全ての燃料に共通に適用可能なことから、これを社会インフラとして整備しておけば、新燃料の採用も容易であり、また複数の燃料種を同時に採用することも容易に可能である。また、将来の資源枯渇や環境問題にも配慮したエネルギー資源の活用やバイオマス等化石燃料以外の新しいエネルギー源の利用においても、目的に応じた燃料種を自由に選択することが可能となる。
【0059】
また、電気自動車に電力を供給するシステムとしても適用可能である。さらに、このシステムは自動車以外の燃料供給システムを必要とする他の分野にも広く展開出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0060】
以下、本発明の実施の形態として、実施例を図1〜図6に説明する。
【0061】
本システムは、図1に示すように、燃料管制センター30、容器交換スタンド40、燃料充填所70、容器配送便80から構成され、各自動車20へ燃料供給サービスを行う。移動する容器配送便及び自動車は、図2に示すように、複数の携帯電話サービス、衛星通信、双方カーナビシステム、航法・位置把握システムGPS等を利用する通信機器を有し、インターネット等の移動体通信網91と結ばれる。さらに、燃料管制センター、容器交換スタンド、燃料充填所は、ADSL、光ファイバ、有線テレビ等の通信回線を組み合わせたインターネット等の固定通信網92で結ばれている。また燃料管制センター同士も同様にインターネット等の固定通信網で相互に結ばれる。
【0062】
以下、上記構成の動作を説明する。燃料管制センター30は、双方向固定通信網92を利用して、それぞれの容器交換スタンド40の充填済規格化燃料容器100(図4に示す)の燃料種別ごとの在庫数量をモニターし、常に適正に規定した在庫量を確保するよう燃料充填所50及び容器配送便80に指令する。一方、同センターは、各自動車20の燃料残量、燃料種別、現在位置、目的地等の運行状況をモニターし、必要に応じて各自動車の運転者に燃料補給の必要性を通報すると共に、受給可能な容器交換スタンド40の位置情報を双方向移動通信網91でリアルタイムに知らせる。運転者はこれらの情報を元に最適な容器交換スタンド40を見つけることができ、さらに予約することが出来る。このシステムによって、各自動車は随時に随所で適合する燃料を受給するサービスを受けることが出来る。
【0063】
自動車運転者が受けることの出来るサービスの実施例を図3に従って説明する。
【0064】
自動車運転者は、目的地をカーナビ上に入力することによって、燃料補給の必要性及び燃料残量と過去の走行データから予測される走行可能距離に関する情報を得ることが出来る。また、補給が必要と判断される場合には、交換可能な容器交換スタンドに関する情報を得ることが出来る。
【0065】
また、自動車運転者は、燃料残量が一定量以下(例えば10%)になると警告によってそれを知ることが出来る。
【0066】
自動車運転者は、給油希望エリアを入力することによって、走行可能距離内のエリアで利用可能ないくつかの容器交換スタンドの位置情報がカーナビ上で得られる。運転者は、その中から容器交換スタンドを選択して予約ボタンを押すことによって予約が出来る。
【0067】
自動車運転者は、予約後、案内ボタンを押すことによって、予約した容器交換スタンドにカーナビによって自動的に案内される。
【0068】
容器交換スタンドで容器交換の実施例を以下に説明する。
【0069】
容器交換スタンドの構成を図5−a と図5−b に示す。前者は、容器を水平に収蔵する保管ラック51と平行移動型容器交換ロボット61の組み合わせの例を示したものであり、規格化燃料容器100を水平且つ平行に移動する。後者は、縦置き型燃料保管ラック52と回転腕型容器交換ロボット62を組み合わせた例である。縦置型容器保管ラック52と平行移動型容器交換ロボット61の組み合わせが構造的に最も基本的組み合わせである。なお、容器交換スタンドはその他のタイプ51 水平置昇降式容器保管ラック52,縦置2列式容器保管ラック52、縦置き蛇行型容器保管ラック53、縦置き回転円筒型容器保管ラック54(図4参照)も状況に応じて利用する。
【0070】
以下に容器交換の手順の例を示す。
【0071】
容器交換スタンド40では、自動車の車種、型式、規格化燃料容器型式及び補給燃料種別と量を確認し、準備した充填済み規格化容器の型式、燃料種別と量を比較確認する。自動車を燃料交換のための指定位置に停車させる。自動車積載の使用済み規格化燃料容器(以降、空容器と記す)を取り外す。そのために、所定の手順で給油弁、燃料供給弁、オフガス弁107を開閉する。容器を自動車に固定している固定装置を開放する。カプラ108,109,110の締結装置を開放出来る状態にする。圧力、温度、燃料残量等の容器の現状センサーのコネクタ111を開放する。安全確認のための漏洩及び締結を確認する安全保安センサーのコネクタ112を開放する。これらのセンサーの種類、仕様は燃料種別、充填条件、規制法規等に応じて詳細は異なる。空容器を、自動又は半自動的に作動する燃料交換ロボット又は容器重量をバランスさせる機能を主とする容器交換アシスト器具を使って取り出す。容器重量計測・IC荷札情報読取・書込センサー63を用いて、容器の重量を計測すると共に、前回充填情報、容器情報をバーコード又はIC荷札105より読み取る。空容器は、空容器ラック53に保管する。次いで、充填済み規格化燃料容器を、容器保管ラック53より取り出し、容器の重量を計測すると共に、充填情報、容器情報をバーコード又はIC荷札105より読み取る。必要に応じて容器を水平とし、自動車の所定の容器位置へ収納する。空容器取り外し時の手順をほぼ逆に遂行する。容器状態量及び保安センサーの信号コネクタ111,112を締結する。燃料関係配管のカプラ108,109,110を締結した状態で、差込量を確認した後に、弁をわずかに開けて、容器内の燃料を流通させ漏洩の有無を確認する。燃料関係の弁を開閉し、容器交換作業を終える。
【0072】
これらの交換操作は、容器を持ち上げるアシストのみを機械に頼る手動方式、法令等に規定された操作を人間化確認作業する半自動方式、または全ての操作をロボットが自動的に行う全自動方式を採用する。
【0073】
燃料使用量は、空容器重量と荷札105、より読み取った容器風袋から算出し、自動車運行者へ課金する。
【0074】
以下燃料容器の交換予約及び決済についてその実施例を説明する。
【0075】
規格化燃料容器の交換予約及び支払は会員登録制とし、予約や決済はETCカード、Edyカードまたは電子ワレットのような会員カードで行なう。
【0076】
会員は全国どこでも入会時契約した料金でサービスを受けことが出来る。
【0077】
予約して容器交換スタンドに到着するとポイントサービス(マイレージ)の特典が受けられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】システム全体の実施例を示す構成図である。
【図2】車載機器の実施例を示す構成図である。
【図3】燃料給油サービスの実施例を示すフローチャートである。
【図4】規格化燃料容器の実施例を示す概略図である。
【図5−a】容器交換スタンドの実施例であり、水平移動型手動アシスト機器を用いる例の構成図である。
【図5−b】容器交換スタンドの実施例であり、回転型ロボットを用いる例の構成図である。
【図6】燃料容器ラックの実施例であり、a)水平置き昇降型ラック、b)縦置き回転円筒型ラック、c)横置き2列型ラック、d)横置き蛇行型ラックのそれぞれの例の図である。
【符号の説明】
20 自動車
30 燃料通信管制センター
40 容器交換スタンド
50 容器保管ラック
51 水平置昇降式容器保管ラック
52 縦置2列式容器保管ラック
53 縦置き蛇行型容器保管ラック
54 縦置き回転円筒型容器保管ラック
55 空容器保管ラック
60 容器交換ロボット
61 平行移動型容器交換ロボット
62 回転型容器交換ロボット
63 横型容器重量計測台(IC荷札情報読取り書込みセンサー付き)
64 縦型容器重量計測台(IC荷札情報読取り書込みセンサー付き)
65 ガイドレール
66 容器操作ハンド
70 燃料充填所
80 容器配送便
81 容器物流
90 通信網
91 移動体通信網
92 固定通信網
100 規格化燃料容器
101 容器端栓
102 交換操作グリップ
103 銘板
104 残量ゲージ
105 自動読取書込荷札
106 容器保管ラックソケット
107 車載位置決固定ソケット
108 燃料充填管カプラ
109 燃料送出管カプラ
110 気化残気管カプラ
111 センサー信号コネクタ
112 安全保安信号コネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外形と寸法、自動車への搭載固定と配管接続、充填燃料の情報表示、圧力や温度などの計測等を規格化した燃料容器(以降、規格化燃料容器と記す)を規格化した交換操作(以降、カセット式交換操作)によって自動車への燃料供給を行うシステムであって、規格化燃料容器の在庫量を制限し機能を交換操作に限定することにより設備を簡素化した燃料供給スタンド(以降、容器交換スタンドと記す)、規格化燃料容器へ燃料を充填する燃料充填所、それらの間で配送を受け持つ容器配送便、及びこれらと通信回線によって結ばれている燃料管制センターから構成され、主として燃料管制センターよりの指示に従って容器交換スタンドの燃料貯蔵量を最小限に抑え且つ在庫切れを起こさないように管理し、更に同センターは移動体通信回線によって結ばれた各自動車の燃料残量、現在位置及び目的地等の運行情報を把握し、燃料供給が可能な容器交換スタンドの位置情報を運転者へリアルタイムで知らせる機能を有し、個々の自動車ユーザーが何時でも何処でも燃料供給を受けることが出来る燃料供給システム
【請求項2】
自動車の排気量、車種及び走行距離に対応した容量、寸法、形状の規格化、取扱燃料の特性と使用圧力に対応した材質、構造の規格化、自動車内収納部と規格化燃料容器の相互位置決めと固定方式の規格化、燃料配管接続の規格化、内圧、温度、残存量等の測定センサーコネクターの規格化をそれぞれ行い、さらに、規格化燃料容器に充填出来る燃料の種類、上限量、最高使用圧力等の容器設計データ、風袋、耐圧試験等の検査データ、及び充填時の容器重量、圧力等の燃料充填データを規格化した表示法で自動的に読取りと書込みが出来る荷札機能を備えた規格化燃料容器を用いて燃料を供給する〔請求項1〕記載の燃料供給システム
【請求項3】
カセット式容器交換、すなわち、自動車に搭載した使用済規格化燃料容器の取外しと保管ラック中の充填済規格化燃料容器の搭載を迅速、正確、且つ安全に行うためのアシスト機器又は自動化ロボットを装備し、燃料の需要と供給を常時調整出来る管理システムを導入して燃料貯蔵量を安全規制値以下に制限し、安全及び取扱いに関する設備を簡素化した容器交換スタンドを配備する〔請求項1〕記載の燃料供給システム
【請求項4】
手動、半自動、又は自動的に規格化燃料容器をカセット式交換するための装置であって、使用済の規格化燃料容器を自動車から取外し、次いで、保管ラック中の充填済みの規格化燃料容器から自動車ユーザーと取り交わした予約内容と一致する容器を取出し自動車に搭載する一連の操作を迅速、正確且つ容易に行うために、容器重量を平衡補償し小さな力で垂直及び水平方向の移動が出来るアシスト機器(以降、容器交換アシスト機器と記す)、又は交換操作を自動的に実施出来るロボット(以降、容器交換ロボットと記す)を容器交換スタンドに装備する〔請求項1〕記載の燃料供給システム
【請求項5】
燃料の規格化燃料容器への充填操作に要求される技術基準及び法規制を満たす設備を有する充填所であって、充填した燃料及び容器の情報を規格化方式で荷札に書き込み、同時に燃料管制センター等の指示又は適切と判断した容器配送便に受け渡すことが出来、さらにその情報を燃料管制センター及び容器交換スタンドに発信することが出来る燃料充填所を利用する〔請求項1〕記載の燃料供給システム
【請求項6】
通信回線で結ばれた燃料管制センターの指示に従って、1箇所又は複数の燃料充填所と複数の容器交換スタンドの間での充填済及び使用済の規格化燃料容器の配送と回収を行い、必要に応じて衛星位置検知システム(GPS)等によって位置情報を発信出来る貨物自動車便(以降、容器配送便と記す)を用いる〔請求項1〕記載の燃料供給システム
【請求項7】
携帯電話、双方向カーナビゲーションシステム又は衛星通信等の移動体通信回線及び固定電話、インターネット、光ファイバ又は有線放送等の固定通信回線を単独又は複数を組み合わせる通信手段で、個々の自動車を含む燃料供給システム全体の情報を収集管理し、各容器交換スタンドの充填済の規格化燃料容器の在庫情報をモニターし、必要に応じて燃料充填所又は容器配送便に指示して容器交換スタンドの燃料在庫量を常時適正に管理し、さらに自動車の運行情報及び自動車ユーザーの要請に応じて、燃料残存量、走行可能距離及び燃料供給可能な位置にある容器交換スタンドの情報をリアルタイムで提供することによって、各自動車ユーザーが随時に随所で容器交換の予約が出来る機能を有し、燃料供給体制を効率的且つ安定に維持する役割を担う燃料管制センターを中核とする〔請求項1〕記載の燃料供給システム
【請求項8】
自動車ユーザーが、手動又は自動的操作によって燃料残量、現在位置、目的地等の運行に関する情報を送信し、燃料管制センター又は容器交換スタンド等より送信される燃料供給可能な容器交換スタンドの位置情報及び誘導情報を受信し、カーナビゲーション装置等のディスプレー画面に数値、図表及び道路地図上の画像情報として認識出来、また音声情報としても受信出来る車載通信機器を用いる〔請求項1〕記載の燃料供給システム
【請求項9】
各自動車の目的地等の運行情報及び位置情報を受信した燃料管制センターは、容器交換スタンドの位置及び在庫情報を基に評価プログラムを作動させ、各自動車ユーザーが利用可能な容器交換スタンドを抽出しその情報をユーザーに知らせる機能、さらにユーザーは推奨されたスタンドから容器交換スタンドを選定し、同時に容器交換スタンドへの到着時間、補給燃料種別と量を通報して予約出来る機能、さらに、カーナビシステム等を援用して自動車を現在地より容器交換スタンドへ案内誘導する機能を有する〔請求項1〕記載の燃料供給システム
【請求項10】
規格化燃料容器の保管とカセット式交換操作に役割を限定し且つ燃料在庫量を制限することによって、安全及び技術基準・法規制に係わる必要設備の簡素化を図った容器交換スタンドを在来のガソリンスタンドに併設、或いは、コンビニエンスストア、郵便局、宅配便拠点、鉄道駅、集合住宅、その他主幹線道路沿いのサービスエリア等に多数配備することによって、随時に随所で各種の燃料を供給する〔請求項1〕記載の燃料供給システム
【請求項11】
容器交換スタンド又は燃料充填所において自動車より取り外した使用済の規格化燃料容器の重量を計測し、荷札より読み取った充填時容器重量データを参照して、燃料消費量を算出・確定し、自動車ユーザー又は燃料供給契約者に、電子マネー又はキャッシュカードシステム等を通じて課金する会計システムを組み合わせる〔請求項1〕記載の燃料供給システム
【請求項12】
主幹線道路に沿って複数箇所に配備された燃料管制センターを中核とした所掌地域を広域に展開し、また同センター間の連携によって燃料供給サービスを広域化し、自動車運転者が随所で随時に燃料を受給出来る〔請求項1〕に記載した燃料供給システム
【請求項13】
ガソリン、軽油の他、液化天然ガス(LNG)、灯油、圧縮天然ガス(CNG)、ハイドレード化天然ガス、液化石油ガス(LPG)、メタノール、エタノール、各種の混合比のエタノール混合燃料、さらに今後実用化が期待出来るジメチルエーテル(DME)、DME混合軽油、圧縮水素、液化水素、等の新しい燃料又はそれらを改質した燃料で走行する内燃機関又は燃料電池を動力変換装置とする自動車に対応する規格化燃料容器及び付帯設備を用いる〔請求項1〕記載の燃料供給システム
【請求項14】
水素又はメタン吸蔵物質を内臓し得るように反応熱処理と吸蔵体粉末化の対策を施した規格化燃料容器に水素又はメタンを充填し、温度又は圧力を変化させて水素又はメタンを取り出し、水素又はメタン燃焼内燃機関又は燃料電池を動力変換装置とする自動車に対応できる規格化燃料容器及び付帯設備を用いる〔請求項1〕記載の燃料供給システム
【請求項15】
規格化燃料容器に有機系又は無機系の水素含有化合物の溶液または水溶液を充填し、必要に応じて水素含有化合物を水素分離反応器に供給して発生する水素を燃料とする内燃機関又は燃料電池を動力とする自動車に対応する規格化燃料容器及び付帯設備を用いる〔請求項1〕記載の燃料供給システム
【請求項16】
燃料を電気、燃料容器を電池、充填を充電と読みかえる〔請求項1から12〕に記載の電力供給システム
【請求項17】
各種燃料及び電力を必要とする自動車以外のエネルギー需要先へそれらを供給出来る〔請求項1から17〕に記載の燃料及び電力供給システム

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5−a】
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【図5−b】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−168706(P2006−168706A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−291670(P2005−291670)
【出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【出願人】(304045402)
【出願人】(504366626)
【出願人】(504366718)
【Fターム(参考)】