説明

自動車用空調装置のフィルタ

【課題】本発明は、冬季における空調作動時において、車室内空気への加湿を行なわずに、ビタミン類等の有効成分を空気中に放出させて、乗員が感じる乾燥感を抑制することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る自動車用空調装置のフィルタは、自動車用空調装置の空気通路内に設置するフィルタにおいて、空気中に放出される有効成分4と、空気中の水分を吸脱着する機能を有した蓄湿材1とがろ材10に担持されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用空調装置に設置するフィルタに関し、特に冬場に空調の作動によって車室内の空気が乾燥しがちになるところ、その乾燥によって乗員が不快と感じることを抑制するフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用空調装置は、冬場において、通常、外気を取り込み、所望の温度となるようにヒータで空気を加熱してから車室内に吹き出させる。一方、窓曇り防止の観点から加湿は行なわない。
【0003】
しかし、冬場の外気は、気温が低いために絶対湿度が低く、快適な温度まで空気を加熱すると、相対湿度がかなり低くなってしまう。したがって、自動車運転中に車室内の空気が乾燥し、乗員が不快を感じることがあった。
【0004】
ところで、一般的にビタミン類は、皮膚より吸収されると、皮膚の水分を保つコラーゲンの形成に寄与する、とされている。
【0005】
そこで、ビタミン類等の機能を発揮する成分を皮膚に吸収させるために、当該有効成分を担持したフィルタをエアコンに採用する技術が開示されている(例えば、特許文献1段落0003を参照。)。特許文献1には、機能性部材であるフィルタと、該フィルタに空気を通過させる空気送出手段と、該フィルタに通過する空気を加湿する加湿手段と、を有することを特徴とする環境改質装置の発明の開示がある(特許文献1の請求項39を参照。)。さらに、フィルタに担持等されている担持成分は水分の存在(通過する空気の湿度)に応じて放出される量が変化し、フィルタを通過する空気に含まれる水分に伴って担持成分が放出されるので(特許文献1の段落0121を参照。)、フィルタに含有される担持成分の放出量は、空気の湿度の調節によって制御できるとの開示がある(特許文献1の段落0033を参照。)。
【0006】
【特許文献1】特開2006−045491号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上のように、加湿手段を設けずに単にビタミン類をフィルタに担持させただけでは、フィルタを通過する空気の絶対湿度量とフィルタに配したビタミン類の放出量とには相関関係があるため、冬季など空気が乾燥し乗員が保湿効果を得たいときにビタミン類を充分に放出できず、乗員が潤い感を得にくいという問題がある。
【0008】
一方、自動車用空調装置においては、特許文献1に開示された技術のように、空気を加湿する加湿手段を設けると、窓曇りが生じてしまうので安全性の確保のために、特許文献1に開示された技術を採用することができない。
【0009】
そこで、本発明の目的は、冬季における空調作動時において、車室内空気への加湿を行なわずに、ビタミン類等の有効成分を空気中に放出させて、乗員が感じる乾燥感を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、フィルタにビタミン類等の有効成分を担持させるとともに、絶対湿度量が小さい冬季において空調非作動時では空気中の水分を蓄湿し、一方空調作動時には蓄えた水分を徐々に放出する蓄湿材を当該フィルタに担持させることで、低湿度下においてもビタミン類等の有効成分を容易に放出させることが可能であることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明に係る自動車用空調装置のフィルタは、自動車用空調装置の空気通路内に設置するフィルタにおいて、空気中に放出される有効成分と、空気中の水分を吸脱着する機能を有した蓄湿材とがろ材に担持されていることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る自動車用空調装置のフィルタでは、前記有効成分と前記蓄湿材とが混合された状態で前記ろ材に担持されていることが好ましい。蓄湿材から放出された水分がその近くに存在する有効成分に作用し、加湿せずとも効率的に有効成分の放出を補助することができる。ここで、前記ろ材は、フィルタの厚さ方向に沿って前記有効成分及び前記蓄湿材が分散して担持されているか、或いは、前記ろ材の表面に前記有効成分及び前記蓄湿材が担持されている、いずれの形態でもよい。
【0012】
本発明に係る自動車用空調装置のフィルタでは、前記有効成分と前記蓄湿材とが隣り合わせの状態で前記ろ材に担持されていることが好ましい。蓄湿材から放出された水分が隣り合わせに存在する有効成分に作用し、加湿せずとも効率的に有効成分の放出を補助することができる。さらに本発明に係る自動車用空調装置のフィルタでは、前記ろ材に、前記蓄湿材が前記有効成分よりも空気流れ方向の上流側に担持されていることがより好ましい。蓄湿材から放出された水分が空気流れによって有効成分のところまで移動して作用することとなる。ここで、前記ろ材は、2層以上に重ねられた構造を有するろ材であり、空気流れ方向の上流側の層に前記蓄湿材が担持され、かつ、空気流れ方向の下流側の層に前記有効成分が担持されている形態としてもよい。ろ材を2層以上の構造とすることで、有効成分と蓄湿材のそれぞれの寿命に合わせて交換が可能となる。或いは、前記ろ材は、フィルタの空気流れ方向の上流側の表面に前記蓄湿材が担持され、かつ、空気流れ方向の下流側の表面に前記有効成分が担持されている形態としてもよい。
【0013】
本発明に係る自動車用空調装置のフィルタでは、前記蓄湿材は、ゼオライト、シリカゲル、活性炭、ベントナイト、セピオライト、紙又はパルプフェルト、或いはこれらの組み合わせであることが好ましい。これらはフィルタ素材への担持が比較的容易であること或は比較的安価であることから、好ましい。
【0014】
本発明に係る自動車用空調装置のフィルタでは、前記有効成分が、カテキン類、ビタミン類、タンニン類、天然保湿成分因子、植物由来の製油又はヒアルロン酸類或いはこれらの組み合わせであることが好ましい。これらの有効成分が、乗員の感じる乾燥感を抑制することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、フィルタにビタミン類等の有効成分と蓄湿材を担持させたので、冬季における空調作動時において、車室内空気への加湿を行なわずに、ビタミン類等の有効成分を空気中に放出させて、皮膚より吸収することで、乗員が感じる乾燥感を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。また、本発明は、以下に示す実施形態に限定されるものでない。なお、同一部材・同一部位には同一符号を付した。
【0017】
図1は第1形態に係る自動車用空調装置のフィルタの概略図であり、(a)はプリーツ状に織ったフィルタの形状を説明するための側面図、(b)はAの部分拡大断面図である。なお、図1(b)においてろ材10についてはその表面形状のみを線で表した。図1に示すように本実施形態に係る自動車用空調装置のフィルタ100は、自動車用空調装置の空気通路内に設置するフィルタにおいて、有効成分4と、空気中の水分を吸脱着する機能を有した蓄湿材1とがろ材10に担持されている。
【0018】
フィルタ100は、車室内の空気の清浄化のために設置される。その基材となるろ材10は、例えば、パルプを原料としたろ紙又はポリエチレン繊維などの合成繊維で構成される不織布である。大きな塵においては、ろ材10の構成繊維間の隙間で引掛けて捕捉され、花粉などの小さな粒子は、粒子が繊維と衝突又は接触したとき、粒子と繊維との間に働く分子間引力によって捕捉される。
【0019】
有効成分4は、カテキン類、ビタミン類、タンニン類、天然保湿成分因子、植物由来の製油又はヒアルロン酸類或いはこれらの組み合わせであることが好ましい。ここで、有効成分4はセラミック体2に担持され、有効成分4を担持したセラミック体2がさらにろ材10に担持されていることが好ましい。有効成分4とセラミック体2との質量比は、例えば1/10〜10/1とすることが好ましく、1/3〜3/1とすることがより好ましい。有効成分4とセラミック体2との質量比が1/10より小さいと有効成分4に対してセラミック体2が必要以上に含有されることとなるので経済的な無駄が生じ、或いは、有効成分4が少なすぎる場合があり、一方、有効成分4とセラミック体2との質量比が10/1より大きいと、セラミックでの保持ができず、有効成分4の安定性が低下する場合がある。
【0020】
セラミック体2は微粒子であることが好ましく、有効成分4が微粒子の表面乃至は内部に担持されている。微粒子の平均粒子径は、例えば20μm以下、殊に15μm以下に制御することが好ましい。下限については、特に限定はないが、1μm前後、さらにはサブミクロン(0.1μm)のオーダーとすることも可能である。
【0021】
カテキン類は、茶由来のカテキンである。カテキン類として特に重要性の高いものは、カテキン類の濃度を高めた茶由来のカテキン製剤である。茶由来のカテキンの主たる成分は、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレート、エピカテキン、エピカテキンガレート等である。個々の成分に単離することは必ずしも必要ではないので、これらの混合物からなる茶カテキン製剤をそのまま好適に用いることが出来る。市販の茶由来のカテキン製剤にはカテキンの純度を規定した製品として、30%品、50%品、60%品、70%品、80%品、90%品などがあり、目的に応じて使用できる。特に90%品は、抗酸化力の強いエピガロカテキンガレートが主成分となっている。
【0022】
ビタミン類は、ビタミン、ビタミン誘導体、ビタミンに近い働きをするビタミン様物質から選択できる。
【0023】
ビタミンは、微量で体内の代謝に重要な働きをしているもので、現在13種類の化合物がビタミンと呼ばれている。例としてアスコルビン酸、レチノール、d-l-トコフェロール、パントテン酸、ニコチン酸アミド、ビオチン、フィトナジオン、葉酸が挙げられる。特に アスコルビン酸が好ましい。
【0024】
さらにビタミンの有効性や使用性を改善する目的で、様々な誘導体も開発されている。主なビタミンの誘導体を示す。アスコルビルエチル、アスコルビルグルコシド、(アスコルビル/コレステリル)リン酸ナトリウム、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸カリウム、アスコルビルメチルシラノールペクチン、アスコルビルリン酸(Mg/K)、アスコルビルリン酸(Mg/Na)、アスコルビルリン酸(Mg/亜鉛)、アスコルビルリン酸Ca、アスコルビルリン酸Na、リン酸アスコルビルMg、リン酸アスコルビル3Na、リン酸アスコルビルアミノプロピル、アスコルビン酸Ca、アスコルビン酸Mg、アスコルビン酸テトラヘキシルデシル、アスコルビン酸ポリペプチド、アスコルビン酸硫酸2Na、ステアリン酸アスコルビル、テトラ2−ヘキシルデカン酸L−アスコルビル、キトサンアスコルビン酸、パンテニルエチル、パントテン酸アミドMEA、パントテン酸ポリペプチド、ジカルボエトキシパントテン酸エチル、リン酸トコフェロール2Na、ジカプリル酸ピリドキシン、リン酸ピリドキサール、ニコチン酸ヘキシル、ニコチン酸トコフェロール、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸メチルなどである。特にアスコルビン酸の誘導体、例えばアスコルビルリン酸Ca、アスコルビルリン酸Mg、アスコルビルリン酸Naが好ましい。
【0025】
ビタミンに近い働きをするビタミン様物質には、例えばビタミンPがある。ビタミンPは、ヘスペリジン、ルチンなどの総称であり、古くからその毛細血管の強化,血管透過性の抑制などの作用が知られている。しかし、その欠乏症が明らかになっていないことからビタミンからはずされている。
【0026】
ビタミン類としてはアスコルビン酸及びアスコルビン酸の誘導体が特に好ましい。
【0027】
タンニン類は、市販の精製されたタンニン酸を用いることが出来る。また五倍子、没食子などタンニン酸含有天然植物の抽出物またはその半精製物をそのまま用いることも出来る。ピロガロール、没食子酸、没食子酸エステルも用いる事が出来る。タンニン類としては、タンニン酸が特に好ましい。
【0028】
天然保湿因子は、本発明では広く天然の保湿作用を持つ成分と定義し、主なものを以下に例示する。ヒアルロン酸及びその塩からなるヒアルロン酸類、アミノ酸、ポリアミノ酸、アミノ酸系界面活性剤、ピロリドンカルボン酸及びその塩、N−アセチルグルコサミン、動植物性多糖類、コエンザイムQ10、ライスパウダー、ゼラチン、オリゴ糖、単糖類、サポニン類、植物性ぺプタイド、リン脂質、セリシン、アルブミン、コンドロイチン、セラミド、コラーゲン、キチン並びにキトサンなどが挙げられる。
【0029】
ヒアルロン酸塩としては、ヒアルロン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0030】
好ましいアミノ酸としては、フェニルアラニン、グリシン、プロリン、システイン、リシン、テアニン、セリン、アスパラギン酸、バリン、ロイシン、イソロイシン、リジン、グルタミン、アルギニン、エラグ酸等がある。好ましいポリアミノ酸としては、ポリリジン、ポリグルタミン酸等が挙げられる。ピロリドンカルボン酸及びその塩としては、ピロリドンカルボン酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等が挙げられる。N−アセチルグルコサミンは、糖の一種で、キチンを原料に作られるものが挙げられる。
【0031】
動植物性多糖類としては、(1)植物性多糖類として、種子多糖類であるグアーガム、ローカストビーンガム、クインスシードガム、海藻多糖類であるカラギーナン、アルギン酸、樹脂多糖類であるアラビアガム、トラガカントガム等が挙げられ、(2)動物性多糖類として、魚のはらわた、魚の鱗などから抽出されるコラーゲンペプチドがある。オリゴ糖としては、キシロビオース、トレハロース等が挙げられる。単糖類としては、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース等が挙げられる。
【0032】
サポニン類は、茶、カンゾウ、ニンジン、チクセツニンジン、ダイズ、サイコ、アマチャヅル、ヘチマ、オンジ、キキョウ、セネガ、バクモンドウ、モクツウ、チモ、ゴシツ、サンキライ等に含まれる植物由来のものが挙げられる。植物ペプタイドとしては、加水分解小麦末、大豆蛋白加水分解物、エンドウのペプタイド等が挙げられる。
【0033】
リン脂質は、複合脂質の一種で、リン酸基と通常窒素を含む他の原子団とをもった脂質であり、卵黄、天然バター、小麦及びトウモロコシの胚芽、大豆などに比較的多く含まれるものである。セリシンは、絹糸に含まれる蛋白質の一種である。アルブミンは、生物体中に広く分布する蛋白質の一種で、動物性では卵アルブミン、血清アルブミン等が挙げられる。植物性では、小麦に含まれるロイコシン、大豆に含まれるレグメリン等が挙げられる。コンドロイチンは、魚類由来、植物性由来のものが挙げられる。セラミドは、動物性、植物性由来のものが挙げられる。コラーゲンは、動物性、植物性由来のものがあり、加熱したゼラチンや酵素分解したコラーゲンペプチドも使用できる。
【0034】
キチンは、カニやエビなどの甲殻または昆虫の表皮、菌、藻類、下等動物などに含まれる多糖類である。キトサンは、キチンをN−脱アセチル化して得たものである。
【0035】
天然保湿因子としては、ヒアルロン酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸、システイン、アスパラギン酸、コラーゲンペプチド、N−アセチルグルコサミンが特に好ましい。
【0036】
有効成分4として、乳酸菌、クエン酸及びアミノ酸系界面活性剤も含むことが出来る。
【0037】
植物由来の精油は、抗微生物性、消臭性、抗アレルギー性、抗酸化性、抗炎症性、リラクゼーション性、アロマテラピー性、保湿性、有害小生物忌避作用のうちの少なくとも一種の性質を有する次に例示するような植物由来の有効成分である。例えば、精油関係、生薬関係、その他の成分が挙げられる。精油関係としては、アニス、アミリス、アンジェリカ、アンブレッドシード、イモーテル、イランイラン、イニュラ、ウインターグリーン、エストラゴン、エレミ、オリガナム、オレンジ、カミツレ、カユプテ、ガーリック、カルダモン、ガルバナム、カンファー、キャットニップ、キャラウェイ、キャロットシード、グアヤックウッド、クミン、クラリセージ、クローブ、グレープフルーツ、ケード、コリアンダー、サイプレス、サンダルウッド、サントリナ、シダー、シダーウッド、シトロネラ、シナモン、ジャスミン、ジュニパー、ジンジャー、スターアニス、スプルース、セージ、セイボリー、ゼラニウム、セロリ、セントジョンズ、タイム、タジェット、タナセタム、タラゴン、タンジェリン、ツーヤ、ティートリー、ディル、テレビン、ニアウリ、ナツメグ、ネロリ、バイオレット、パイン、バジル、パセリ、バーチ、パチュリー、ハニーサックル、バーベナ、ペニーロイヤル、バラ、パルマローザ、ヒソップ、ピメント、ファー、フェンネル、プチグレン、ブラックペッパー、フランキンセンス、ベチバー、ベンソイン、ミント、ベルガモット、ライムブロッサム、マージョラム、マートル、マンダリン、メリッサ、ミルラ、ヤロー、ユーカリ、ライム、ラパンジン、ラベンダー、リツェアクベパ、レモン、レモングラス、ローズウッド、ローズマリー、ローレル由来の有効成分が挙げられる。生薬関係としては、アオキ、アオギリ、アカネ、アカメガシワ、アセンヤク、アロエ、アンズ、イカリソウ、イタドリ、イチイ、イチジク、イノコズチ、ウコン、エビスグサ、エンジュ、オウギ、オウゴン、オウバク、オウレン、オオバコ、オケラ、オタネニンジン、オトギリソウ、カキ、カギカズラ、カキドオシ、カノコソウ、カラシナ、カラスビシャク、カリン、カワラヨモギ、カンゾウ、キカラスウリ、キキョウ、キササゲ、ギシギシ、キハダ、キバナオウギ、キンミズヒキ、クコ、クジン、クズ、クチナシ、クロモジ、クワ、ケイガイ、ケイヒ、ゲンノショウコ、ゴオオウ、コガネバナ、ゴシュユ、サイコ、サジオモダカ、サネブトナツメ、サルトリイバラ、サンシュユ、サンショウ、ジオウ、シコン、シソ、シャクヤク、ジャノヒゲ、ショウガ、シロナンテン、スイカズラ、スオウ、スギナ、セリ、センキュウ、センブリ、ダイオウ、ダイダイ、タラノキ、タンジン、タンポポ、チモ、チョウジ、チンピ、ツヅラフジ、ツルドクダミ、ツワブキ、トウキ、ドクダミ、トリカブト、ナツメグ、ナルコユリ、ナンテン、ニガキ、ニワトコ、ニンニク、ノイバラ、ハクセンビ、ハッカ、ハトムギ、ハナスゲ、ハナミョウガ、ハブソウ、ハマスゲ、ハマボウフウ、ヒキオコシ、ビャクシ、ヒルガオ、ビワ、ビンロウ、ブクリョウ、フジバカマ、ベニバナ、ボタン、マオウ、マタタビ、ミシマサイコ、ムクゲ、メハジキ、モモ、ヤマノイモ、ユキノシタ、ヨモギ、リンドウ、レンギョウ、霊芝由来の有効成分が挙げられる。その他としては、イチョウ葉、エゴノキ、カフィライム、カワラヨモギ、柑橘類種子、グァバ茶、クマザサ、コーヒー豆、ステビア、大豆、タケ、タデ、ナナカマド、ナンキョウ、ネギ類、ピメンタ、ヒノキ、ヒノキチオール、フィットンチッド、ブドウ果皮、ペッパー、ホオノキ、ホコッシ、モウソウチク、モミガラ、ヤマブシタケ、ワサビ由来の有効成分が挙げられる。また植物由来の精油として、青葉アルコール(CHCHCH=CHCHCHOH)、青葉アルデヒド(CHCHCH=CHCHCHO)も含まれる。
【0038】
セラミック体2は微粒子である。微粒子は、表面積が大きく担持物質を担持させやすい。セラミック体2は、珪酸系であるコロイダルシリカ、ケイ酸カルシウム、エチルシリケート、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム、アルミナ系であるアルミン酸カルシウム、β−アルミナ、ベーマイト、アルミナゾル、リン酸系であるリン酸カルシウム、リン酸アルミニウム及びリン酸マグネシウムからなる無機素材からなることが好ましい。なお、セラミック体2の代わりにセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロース及びポリビニルアルコールからなる有機素材とからなる群から選択された有機材料系微粒子を使用してもよい。
【0039】
なお、セラミック体2は、微粒子形態のみならず、微粒子以外の薄膜形態、成形体などの形態でも同様な効果を発揮する可能性があることを付記する。
【0040】
空気中の水分を吸脱着する機能を有した蓄湿材1には、多孔質構造や層間構造を有する保水量の大きな無機物、多孔質構造を有する有機物、繊維構造を有する有機物など、或はこれら組み合わせを用いることができる。前記無機物としては、ゼオライト、シリカゲル、活性炭、ベントナイト、セピオライトなどが挙げられる。多孔質を有する有機物としては、ウレタン、エチレン酢酸ビニル、フェノールなどの樹脂発泡体が挙げられる。繊維構造を有する有機物としては、ポリエステル、ナイロン、アクリル、レーヨン、麻、綿、ウール、紙、パルプフェルトなどが挙げられる。これらの物質は、相対湿度が大きくなれば蓄湿率が大きくなり、一方、相対湿度が小さくなれば蓄湿率が小さくなるという挙動を示すため、空調の作動によって乾燥した空気がフィルタに供給されると蓄湿率が下がることに伴って水分を放出する。このうちゼオライト、シリカゲル、活性炭、ベントナイト、セピオライト、紙又はパルプフェルトは、フィルタ素材への担持が比較的容易であること或は比較的安価であることから、好ましい。特にゼオライトは、相対湿度の変化に伴って蓄湿率が大きく変化するのでより好ましい。有効成分4と蓄湿材1との質量比は、例えば1/5〜5/1とすることが好ましく、1/3〜3/1とすることがより好ましい。有効成分4と蓄湿材1との質量比が1/5より小さいと、有効成分4の量に対して蓄湿材1が必要以上に含有されていることとなるので経済的な無駄があるか或いは有効成分4の量が不足する事態が生じやすく、一方、有効成分4と蓄湿材1との質量比が5/1より大きいと、有効成分4の量に対して蓄湿材1から放出される水分量が少ない場合がある。
【0041】
本実施形態に係る自動車用空調装置のフィルタでは、有効成分4と蓄湿材1とが混合された状態でろ材10に担持されていることが好ましい。蓄湿材1から放出された水分3がその近くに存在する有効成分4に作用し、加湿せずとも効率的に有効成分4の放出を補助することができる。このとき、蓄湿材1から放出された水分は、効率よく近くにある有効成分4に作用するため、加湿によって水分量を多くせずとも充分に有効成分4に作用するだけの水分量を満たしている。
【0042】
有効成分4と蓄湿材1とが混合された状態でろ材10に担持されている形態としては、図1に示すようにフィルタ100の厚さ方向に沿って有効成分4及び蓄湿材1が分散して担持されている形態がある。このような形態のフィルタ100は、例えば、ろ材10を抄紙する際にろ材10を構成する繊維原料に有効成分4及び蓄湿材1を添加し、抄紙することで製造できる。なお、有効成分4はセラミック体2に担持されていることが好ましい。
【0043】
図2は、第2形態に係る自動車用空調装置のフィルタ200のAの部分拡大断面図である。有効成分4と蓄湿材1とが混合された状態でろ材10に担持されている形態としては、図2に示すように、ろ材10の表面に有効成分4及び蓄湿材1が担持されている形態であってもよい。このような形態のフィルタ200は、例えば、ろ材10を抄紙した後、ろ材10の表面に有効成分4及び蓄湿材1をふりかけ、固定することで製造できる。固定方法としては、例えば、接着剤(バインダー)による固定方法又は繊維の融着による固定方法がある。なお、有効成分4はセラミック体2に担持されていることが好ましい。
【0044】
また、本実施形態に係る自動車用空調装置のフィルタでは、有効成分4と蓄湿材1とが隣り合わせの状態でろ材10に担持されていることが好ましい。蓄湿材1から放出された水分3が隣り合わせに存在する有効成分4に作用し、加湿せずとも効率的に有効成分4の放出を補助することができる。このとき、蓄湿材1から放出された水分は、効率よく隣り合わせに存在する有効成分4に作用するため、加湿によって水分量を多くせずとも充分に有効成分4に作用するだけの水分量を満たしている。ここで本実施形態に係る自動車用空調装置のフィルタでは、ろ材10に、蓄湿材1が有効成分4よりも空気流れ方向の上流側に担持されていることがより好ましい。蓄湿材1から放出された水分3が空気流れ23によって有効成分4のところまで移動して作用することとなる。
【0045】
図3は、第3形態に係る自動車用空調装置のフィルタ300のAの部分拡大断面図である。蓄湿材1が有効成分4よりも空気流れ方向の上流側に担持されている形態のフィルタとしては、例えば、図3に示すように、ろ材10が2層以上に重ねられた構造を有するろ材10a,10bであり、空気流れ方向23の上流側の層10aに蓄湿材1が担持され、かつ、空気流れ方向23の下流側の層10bに有効成分4が担持されている形態である。空気流れ方向23を利用して、蓄湿材1から放出された水分3を効率よく有効成分4に作用させることができ、加湿によって水分量を多くせずとも充分に有効成分4に作用するだけの水分量を満たしている。また、蓄湿材1と有効成分4のそれぞれの寿命に応じて交換が可能となる。
【0046】
図4は、第4形態に係る自動車用空調装置のフィルタ400のAの部分拡大断面図である。蓄湿材1が有効成分4よりも空気流れ方向の上流側に担持されている形態のフィルタとしては、例えば、図4に示すように、フィルタの空気流れ方向23の上流側のろ材10の表面に蓄湿材1が担持され、かつ、空気流れ方向23の下流側のろ材10の表面に有効成分4が担持されている形態である。図3で示した自動車用空調装置のフィルタ300と同様に、空気流れ方向23を利用して、蓄湿材1から放出された水分3を効率よく有効成分4に作用させることができ、加湿によって水分量を多くせずとも充分に有効成分4に作用するたけの水分量を満たしている。
【0047】
本実施形態に係る自動車用空調装置のフィルタでは、上記の形態においていずれも、ろ材10への有効成分4の担持量が5〜50g/mであることが好ましく、5〜30g/mであることがより好ましい。またろ材10への蓄湿材1の担持量が5〜50g/mであることが好ましく、5〜30g/mであることがより好ましい。蓄湿材1が冬季の車両使用時に水分を適度に放出し、それに伴い適度な有効成分4が車室内に供給される。有効成分4、蓄湿材1とも、担持量が5g/mより少ないと効果がなく、50g/mより多いと通気抵抗の上昇など、フィルタとしての実用化が困難になる。合計の添着量が10〜50g/mが特に望ましい。
【0048】
図5に、車両用空調装置の構成例を示す概略図を示した。車両用空調装置1000は、空気通路を形成するケース26に、空気流れ発生手段(例えばブロア)20、本実施形態に係る自動車用空調装置のフィルタ100、エバポレータ25、ヒータコア28と、を備える。空気流れ発生手段20を作動させることで空気通路に空気流れ23が形成される。すなわち、インテークドア21の切り替えにより車室外空気又は車室内空気が空気通路内に取り込まれ、その空気流れ22がブロア20に吸気される。続いて本実施形態に係る自動車用空調装置のフィルタ100及びエバポレータ25に空気流れ23がブロア20によって吐出され、浄化され熱交換された空気流れ34がエアミックスドア27の切り替えによって、空気流れ35若しくは空気流れ36となる。空気流れ35は冷房運転時の空気流れである。一方、空気流れ36は、ヒータコア28によって加熱される。
【0049】
本実施形態に係る自動車用空調装置のフィルタに担持された蓄湿材1は、空調非作動時に、ケース26内の空気の水分を吸収する。そして、冬季において、空調作動時に蓄湿率が低下することに伴い、吸収した水分を放出する。
【0050】
本実施形態に係る自動車用空調装置のフィルタについて、本発明の効果を奏する範囲で形態に適宜変更を加えても、本発明の範囲内である。
【実施例】
【0051】
(蓄湿材の蓄湿量の検討)
まず、蓄湿材としてゼオライト(東ソー製、ゼオラムA−3 粉末タイプ)とシリカゲル(A型)(大江化学製、DU型)について、周囲環境の相対湿度と蓄湿量との関係を調べた。シャーレ内に粒状の蓄湿材1.0gを置き、試験温度を25℃と一定にした上で、湿度を20%RH、50%RH、90%RHとして、それぞれの環境内に24時間放置した後、質量を測定した。結果を図6に示した。なお、蓄湿量とは、絶乾の蓄湿材の質量に対して、水分がどの程度含まれているかという概念であり、数1で示される。
(数1)
蓄湿量(質量%)=蓄湿材に含まれている水分の質量/蓄湿材の絶乾質量×100
【0052】
図6を参照すると、相対湿度が高いほど蓄湿量が増加することがわかった。ゼオライトとシリカゲルを比較すると、ゼオライトの方が、相対湿度の変化に対して、吸湿量の変化が大きいことがわかった。また、相対湿度が下がることで、蓄湿材から水分が放出されるため、この挙動を利用すれば、水分蒸発装置等の加熱装置を使用しなくても、水分を環境中に放出させることができることがわかる。
【0053】
図7に、熊谷地方の2007年1月1日の温湿度データを一例として示した。夜間では気温が低くかつ相対湿度が高く、昼間では気温が高くかつ相対湿度が低いことがわかった。当該環境下に蓄湿材が置かれれば、車を使用する頻度の高い昼間において蓄湿材が水分を放出し、一方夜間において水分を吸収する挙動を示すことが予測される。
【0054】
(蓄湿材を含むフィルタの水分の徐放及び吸湿特性の検討)
次にフィルタに蓄湿材を含ませて、環境中の湿度の変化に対してフィルタの質量がどのように変化をするかを調査した。
【0055】
実施例1として、フィルタのサイズを185×176×28mm、プリーツ数を19個、フィルタの表面積を0.2m、添加するビタミン剤として(化1)に示すリン酸アスコルビルMg(APM)を1.44g(フィルタ単位面積あたり7.2g/m)、リン酸アスコルビルMgの担持体となるアルミナ系セラミック体を0.6g(フィルタ単位面積あたり3.0g/m)、蓄湿材としてゼオライトを1.62g(フィルタ単位面積あたり8.1g/m)、フィルタに蓄湿材及びセラミック体をフィルタに接着するためのバインダーを2.34g(フィルタ単位面積あたり11.7g/m)としたフィルタを作製した。
【化1】

【0056】
比較例1として、フィルタのサイズを185×176×28mm、プリーツ数を19個、フィルタの表面積を0.2m、添加するビタミン剤としてリン酸アスコルビルMg(APM)を1.44g(フィルタ単位面積あたり7.2g/m)、リン酸アスコルビルMgの担持体となるアルミナ系セラミック体を0.6g(フィルタ単位面積あたり3.0g/m)、フィルタに蓄湿材及びセラミック体をフィルタに接着するためのバインダーを2.34g(フィルタ単位面積あたり11.7g/m)としたフィルタを作製した。なお、蓄湿材は添加しなかった。
【0057】
次に2台の恒湿恒温槽を用意し、一方(A槽)を温度10℃、相対湿度40%RHとし、他方(B槽)を温度0℃、相対湿度70%RHと設定した。実施例1のフィルタと比較例1のフィルタを、まずA槽に5時間入れ、次いでB槽に17時間入れた。時折各フィルタを取り出して質量を測定し、フィルタ質量の変化を調べた。結果を図8に示した。図8を参照すると、実施例1のフィルタは、温度10℃、相対湿度40%RHの条件(昼間を想定)では、水分を徐放するためフィルタの質量が徐々に減少する。一方、温度0℃、相対湿度70%RHの条件(夜間を想定)では、水分を吸収するためフィルタの質量が徐々に増加する(もとに戻る)。しかし、比較例1のフィルタは、温度10℃、相対湿度40%RHの条件(昼間を想定)と温度0℃、相対湿度70%RHの条件(夜間を想定)を問わず、フィルタの質量変化はほとんどなく、水分の徐放性はなかった。
【0058】
(安定化ビタミンCの揮発挙動)
次にフィルタから放出される安定化ビタミンCの挙動について調査した。
【0059】
実施例2として、フィルタのサイズを215×190×10mm、プリーツ数を50個、フィルタの表面積を0.19m、APMを担持したアルミナ系セラミックとバインダーの混合物の総量を30.0g/mとし、蓄湿材としてゼオライトを5.0g/mとしてフィルタを作製した。ここで、APMを担持したアルミナ系セラミックとバインダーの混合物のうち、APMを担持したアルミナ系セラミックの量は5.70g/m相当であり、そのうち、APMの量は0.71g/m相当である。
【0060】
比較例2として、実施例2において、ゼオライトを添加しなかった以外は同様にしてフィルタを作製した。
【0061】
次に恒湿恒温槽を用意し、温度25℃、相対湿度40%RHの条件において、APMの放出量を測定した。結果を図9に示した。実施例2は、0.140mg/Hrであり、比較例2は、0.08mg/Hrであった。したがって、実際に、実施例2のフィルタのほうが、APMの放出量が多いことが確認できた。
【0062】
実施例2と比較例2のフィルタを用いて、絶対湿度によるビタミンCの揮発量の依存性
を調べた。結果を図9に示す。冬においては絶対湿度は6〜7g/kgであり、春秋においては7〜9g/kgであり、夏においては15g/kg以上である。実施例2のフィルタは、蓄湿材としてゼオライトを含んでいるため、冬においても充分なビタミンCの放出量を確保することができた。
【0063】
このようにゼオライトを含んだフィルタはAPMの放出量が多いことから、比較的安価なゼオライトを含ませる一方、比較的高価なAPMの添着量を抑制しても充分な揮発量を確保することができ、コスト面に有利である。
【0064】
また、フィルタの利用に伴ってAPMの添着量が減少しても、ゼオライトを含ませて放出量を多くすることができるので、フィルタ寿命を伸ばすことができる。
【0065】
(肌の保湿度に与える影響)
実施例2と比較例2のフィルタを用いて、乗員A,B,C及びDの肌(腕、目の付近、頭部)への影響を調べた。車内環境は25℃、40%RHとした。結果を図10に示した。実施例2では、ビタミンCが放出されているので、比較例2と比べると乗員の肌の保湿度が向上し、通常の保湿度の範囲に入ることが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】第1形態に係る自動車用空調装置のフィルタの概略図であり、(a)はプリーツ状に織ったフィルタの形状を説明するための側面図、(b)はAの部分拡大断面図である。
【図2】第2形態に係る自動車用空調装置のフィルタのAの部分拡大断面図である。
【図3】第3形態に係る自動車用空調装置のフィルタ300のAの部分拡大断面図である。
【図4】第4形態に係る自動車用空調装置のフィルタ400のAの部分拡大断面図である。
【図5】車両用空調装置の構成例を示す概略図を示した。
【図6】蓄湿材としてゼオライトとシリカゲル(A型)について、周囲環境の相対湿度と蓄湿量との関係を示すグラフである。
【図7】熊谷地方の2007年1月1日の温湿度データを示すグラフである。
【図8】温度・湿度環境を変化させたときのフィルタの質量変化の推移を示すグラフである。
【図9】実施例2と比較例2のフィルタの絶対湿度によるビタミンCの放出量の依存性を示した。
【図10】実施例2と比較例2のフィルタを用いて、乗員A,B,C及びDの肌(腕、目の付近、頭部)への影響を調べた結果を示す。
【符号の説明】
【0067】
1 蓄湿材
2 セラミック体
3 水分
4 有効成分
10,10a,10b ろ材
20 ブロア
21 インテークドア
22,23,34,35,36 空気流れ
25 エバポレータ
26 ケース
27 エアミックスドア
28 ヒータコア
100,200,300,400 フィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車用空調装置の空気通路内に設置するフィルタにおいて、
空気中に放出される有効成分と、空気中の水分を吸脱着する機能を有した蓄湿材とがろ材に担持されていることを特徴とする自動車用空調装置のフィルタ。
【請求項2】
前記有効成分と前記蓄湿材とが混合された状態で前記ろ材に担持されていることを特徴とする請求項1に記載の自動車用空調装置のフィルタ。
【請求項3】
前記ろ材は、フィルタの厚さ方向に沿って前記有効成分及び前記蓄湿材が分散して担持されているか、或いは、前記ろ材の表面に前記有効成分及び前記蓄湿材が担持されていることを特徴とする請求項2に記載の自動車用空調装置のフィルタ。
【請求項4】
前記有効成分と前記蓄湿材とが隣り合わせの状態で前記ろ材に担持されていることを特徴とする請求項1に記載の自動車用空調装置のフィルタ。
【請求項5】
前記ろ材に、前記蓄湿材が前記有効成分よりも空気流れ方向の上流側に担持されていることを特徴とする請求項4に記載の自動車用空調装置のフィルタ。
【請求項6】
前記ろ材は、2層以上に重ねられた構造を有するろ材であり、空気流れ方向の上流側の層に前記蓄湿材が担持され、かつ、空気流れ方向の下流側の層に前記有効成分が担持されていることを特徴とする請求項5に記載の自動車用空調装置のフィルタ。
【請求項7】
前記ろ材は、フィルタの空気流れ方向の上流側の表面に前記蓄湿材が担持され、かつ、空気流れ方向の下流側の表面に前記有効成分が担持されていることを特徴とする請求項5に記載の自動車用空調装置のフィルタ。
【請求項8】
前記蓄湿材は、ゼオライト、シリカゲル、活性炭、ベントナイト、セピオライト、紙、又はパルプフェルト、或いはこれらの組み合わせであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7に記載の自動車用空調装置のフィルタ。
【請求項9】
前記揮発性有効成分が、カテキン類、ビタミン類、タンニン類、天然保湿成分因子、植物由来の製油又はヒアルロン酸類或いはこれらの組み合わせであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8に記載の自動車用空調装置のフィルタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−12572(P2009−12572A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−175426(P2007−175426)
【出願日】平成19年7月3日(2007.7.3)
【出願人】(500309126)株式会社ヴァレオサーマルシステムズ (282)
【出願人】(501021678)株式会社セラフト (17)
【Fターム(参考)】