説明

自動車等の走行制御装置

【課題】 自動車のアクセル装置とブレーキの踏み間違いが多発しており、それを他の弊害を生じることなく、取付が容易で、かつ安価に達成できる自動車の制御装置が望まれていた。
【解決手段】 アクセル装置の踏込み角度に応じ、弾性反発手段による踏込み力の急激な増加を体感させることによる第1の警告認知手段と、音、光、振動等による警告装置による第2の警告認知手段と、エンジン停止スイッチによる第3の警告認知・停止手段とを設けた自動車の制御装置を提供する。又、アクセルペダルの上面に、簡単に取付けることが出来る。特にヒューズ型回路接続チップを適用することで回路接続が極めて容易となったことである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車、又は電気自動車、又はハイブリット自動車(以下「自動車等」という)の走行制御装置、特にアクセルペダルをブレーキペダルと間違って踏込みすぎ、暴走するのを防止するための走行制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車等のアクセルペダルとブレーキペダルを踏み間違え暴走する事故が頻繁に発生しており、特に無段変速機付自動車等、いわゆるオートマティック車で頻発している。この種の事故はほとんど人身事故となっており、したがって車社会の大きな社会問題としてクローズアップされており、確実なる解決が強く望まれている。この種の事故を防止するための装置は以前より提案されている。
【0003】
しかるに、特開昭61−190134号においては、アクセルペダルの踏み力又は踏み込み速度が検出レベルを超えたとき強制的に走行不能の状態まですることが述べられているが、現実の走行においては、ある検出レベルを人間が理解しておくことは困難であり、特にレンターカーの場合など運転者が変わるため、検出レベルの管理は不可能であり、又最大の問題は、運転者自身が自分のエンジン停止検出レベルがわからないため、急に加速をかけたときに、強めに踏み込んだり、早く踏み込んだりしてしまうと、予想もせずエンジン停止状態に陥ってしまうことであった。
【0004】
そうなると運転時突如としてエンジン停止状態となってしまうため、後続車が接近している場合などは追突事故を起こしたり、追越し時は緊張状態のため、過度の踏込みを行うことが多く、前後の車と衝突事故を起こす原因となったり、また、通常の走行状態でも、エンジン停止が予想に反して起きると事故になってしまう、例えば坂道や雪道、悪路等においては反って自動車等が凶器と化す可能性があった。
【0005】
また、常時、圧力スイッチ等のセンサーを使用しているが、もしセンサーが故障したときは、踏み込み過ぎても停止せず、重要な運転制御がセンサーという一部品の性能に頼ることになり、走行上生命線となる常時の制御系等に設けることは自動車等の信頼性を著しく低下させるものとなっていた。この欠点のため現実に使用することは困難であり、課題の解決策となりうるものでなかった。したがって実行されておらず相変わらず事故は絶えていなかった。
【0006】
また、特開平5−256170に示された構造においては、更にセンサーやアクチュエーターを多用しているため、これらの一つでも故障すると前述の引用例と同様の欠点を有している。
【0007】
また、自動車等の進行方向に障害物検出手段を設けて、スロットルを閉じる条件とする構成となっているが、障害物検出手段は現実の使用においては必ずしも全ての障害物を検出することが困難なため、反って誤認識を起こし、反対に事故原因を作りかねないこととなっていた。
すなわち、極めて低い位置にある障害物や飛び出してくる障害物や斜め方向から接近してくる障害物等をすべて検出することは困難であり、実用上は障害物検出手段の信号を頼りに重要な運転制御をコントロールすることは反って危険であったのである。
しかも構造が複雑なため、保守が大変でかつ、製作コストが高い欠点を有していた。
【先行技術文献】
【0008】
【特許文献1】特開昭61−190134号
【特許文献2】特開平5−256170号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そのため上述した如く、それらの従来技術は実用に供されていないため、相変わらず、アクセルとブレーキの踏み間違いによる重要事故は日本だけでも2002年には、6,844件も発生しており、世界的にみると非常に多く膨大な事故例の報告が、ほぼ毎日、なされてきているのである。
【0010】
運転者は通常の走行時は、アクセル装置を車速に応じ軽く踏込み運転しているが、アクセル装置をブレーキと間違った場合は、思いっきり最大位置まで踏込んでしまい暴走状態に陥り、気が動転し、誤認識しているため、さらに踏み続ける操作を続けてしまい、衝突等の重大事故となってしまうのである。したがって機械的手段をいくら加えても、運転者が誤認識に気がつく段階を多段階に設けることが重要で、強制的停止は別の事故を引き起こすこととなるのである。
又最近、アクセルペダルがフロアマットに引っかかり、アクセルペダルの復帰が不可能なケースが事故原因として問題視されている。
その時、アクセルペダルが復帰せず、その状態でブレーキペダルを、同時に踏み込んだ時は、必ずブレーキを優先する制御システムが望まれている。
更に、近年、地球の温暖化問題より、電気自動車又はハイブリット自動車が開発されており、これらは、エンジン、又は駆動モーター(以下総称して「エンジン」と呼ぶ)で走行するが、これらの自動車等においても、同様の課題が重要視されている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
自動車、電気自動車、ハイブリット自動車(以下「自動車等」と呼ぶ)の運転席の床面前方に設置したアクセル装置には、踏込んでない原点位置Aへ常に復帰する復帰手段を有し、前記アクセル装置は自動車等のエンジン、又は駆動モーター(以下「エンジン」と呼ぶ)と連動しており、原点位置Aから踏込んで、旋回角度が大きくなり、弾性反発位置Bとなると、運転者の足に弾性反発手段により、弾性反発力を付加することにより、過度の踏込み位置に来たことを運転者の足に体感させることにより誤動作を認知させる第1の警告認知手段と、
【0012】
更に弾性反発位置B以上に旋回角度が大きくなると警告信号位置Cとなり、該警告信号位置Cで警告スイッチが感知することにより警告装置が作動し、運転者に音、光、振動のいずれか一つ若しくはそれらの組合せによる警告信号を運転者に認知させる第2の警告認知手段と、
【0013】
更に旋回角度が大きくなり、エンジン停止位置Dまで旋回角度が達すると、エンジン停止スイッチが感知した信号により、エンジン制御コンピュータ、点火装置、燃料インジェクタ、又は燃料ポンプのいずれか一つ、若しくはそれらの組合せのいずれかの電源供給を切断、又はそれらへの電源電圧、電流のいずれか、又は両方を降下させることにより、エンジンを停止させる第3の警告認知停止手段を設けることを特徴とする自動車等の走行制御装置を提供する。
【0014】
自動車等の運転席の床面前方に設置したアクセル装置には、踏込んでない原点位置Aへ常に復帰する復帰手段を有し、前記アクセル装置は自動車等のエンジンと連動しており、原点位置Aから踏込んで、前記アクセル装置の最大旋回角度に到達し、
更に踏み込むとアクセルペダルの上面に設置されたペダル取付式警告停止装置のばね等の弾性反発手段を圧縮することにより弾性反発位置Bとなり、運転者の足に該弾性反発手段により弾性反発力を付加することにより、過度の踏込み位置に来たことを運転者の足に体感させることにより誤動作を認知させる第1の警告認知手段と、
【0015】
更に弾性反発位置B以上に踏み込むと警告信号位置Cとなり、該警告信号位置Cで警告スイッチが感知することにより警告装置が作動し、運転者に音、光、振動のいずれか一つ若しくはそれらの組合せによる警告信号を運転者に認知させる第2の警告認知手段と、
【0016】
更に警告信号位置より、更に踏み込みエンジン停止位置Dまで達すると、エンジン停止スイッチが感知した信号により、エンジン制御コンピュータ、点火装置、燃料インジェクタ、又は燃料ポンプのいずれか一つ、若しくはそれらの組合せのいずれかの電源供給を切断、又はそれらへの電源電圧、電流のいずれか、又は両方を降下させることにより、エンジンを停止させる第3の警告認知停止手段を設けたことを特徴とする自動車等の走行制御装置を提供する。
【0017】
警告スイッチは、ペダル取付式警告停止装置内に設けることなく、アクセル装置の旋回により作動する任意の位置に設置することにより、最大旋回角度以下、又はフルスロットル位置以下の踏込角度から、エンジン停止位置D以下、又はアイドリング位置以下の範囲の任意の踏込位置で警告信号を発することを特徴とする請求項1、又は2記載の自動車等の走行制御装置を提供する。
【0018】
ペダル取付式警告停止装置において、ペダル取付式警告停止装置の外周全体、及び/又は警告スイッチの外周全体、及び/又はアクセル作動スイッチ等の電気・電子装置を、ゴム製、合成樹脂製、布製等の防水・防塵カバーで、密封、又は略密封することにより防水・防塵等の保護機能を付与することを特徴とする請求項2、又は請求項3記載の自動車等の走行制御装置を提供する。
【0019】
前記弾性反発手段Bがアクセルの踏込みにより作動したときは、弾性反発手段Bに、予め初期反発力Mpを与えておき、それまでの復帰手段による反発力に対し、反発力の断続的変化を与えることを特徴とする請求項1又は請求項2、又は請求項3、又は請求項4記載の自動車等の走行制御装置を提供する。
【0020】
自動車等の運転席の床面前方に設置したアクセル装置には、踏込んでない原点位置Aへ常に復帰する復帰手段を有し、前記アクセル装置は自動車等のエンジンと連動しており、原点位置Aから超えて踏込むと、アクセル装置作動状態であることを感知するアクセル作動感知手段を有し、該アクセル作動感知手段の感知によりタイマーが作動開始し、第1設定時間経過により、音声接点が作動し、ボイスアナンシエータ信号又はアクセル認識音信号等の音声等を発生させることにより運転者にアクセルによる加速中であることを知らせ、ブレーキとの踏み間違いを認識させると共に、タイマーが作動開始後、第2設定時間経過すると、第2の音声接点が作動し、第2の音声等により運転者に、警告停止系又はアイドリング指令系を不使用とする音声等を発生し、第2の音声等が停止後、回路選択スイッチが作動し、警告停止回路系又はアイドリング指令系を不使用とすることを特徴とする請求項1、又は請求項2、又は請求項3、又は請求項4、又は請求項5記載の自動車等の走行制御装置を提供する。
【0021】
自動車等の走行制御装置において、臨界速度Va以上の走行速度において、エンジン停止スイッチを不動作とするか、又はアイドリングスイッチを不動作とするか、及び/又は警告スイッチを不動作とすることを特徴とする請求項1、又は請求項2、又は請求項3、又は請求項4、又は請求項5、又は請求項6記載の自動車等の走行制御装置を提供する。
【0022】
自動車等の走行制御装置において、エンジン停止スイッチが作動すると、エンジン停止リレーのコイルが励磁され、接点が切替りエンジン停止となると共に、同時に、エンジン停止保持リレーが励磁され、エンジン停止状態が保持されることにより、走行時の慣性で再度、エンジンが作動しないように構成したことを特徴とする請求項1、又は請求項2、又は請求項3、又は請求項4、又は請求項5、又は請求項6、又は請求項7記載の自動車等の走行制御装置を提供する。
【0023】
自動車等の走行制御装置において、アイドリングスイッチに当たると、アイドリングリレーのコイルが励磁されアイドリング状態になると共に、同時にアイドリング保持リレーのコイルが励磁され、アイドリング状態を強制的に保持することにより、アイドリング状態を保持し続けることにより、衝撃を緩和することを特徴とする請求項1、又は請求項2、又は請求項3、又は請求項4、又は請求項5、又は請求項6、又は請求項7記載の自動車等の走行制御装置を提供する。
【0024】
自動車等の走行制御装置において、アクセルペダルが踏み込まれたまま、ブレーキペダルが踏まれると、ブレーキ作動感知手段141が感知し、アクセルとブレーキが同時作動状態となると、アイドリング指令が発信され、エンジンは強制的にアイドリング状態となることを特徴とする請求項1、又は請求項2、又は請求項3、又は請求項4、又は請求項5、又は請求項6、又は請求項7、又は請求項8、又は請求項9記載の自動車等の走行制御装置を提供する。
【0025】
イグニッションスイッチの下流側回路は、ヒューズボックスに連結され、各スリットの少なくとも一つ〜複数のスリットに、ヒューズ型回路接続チップを挿入し接続することで、警告停止回路系13を接続できることを特徴とする請求項1、又は請求項2、又は請求項3、又は請求項4、又は請求項5、又は請求項6、又は請求項7、又は請求項8、又は請求項9、又は請求項10記載の自動車等の走行制御装置を提供する。
【発明の効果】
【0026】
本発明は次の多くの効果を有するもので、
(1)現代の高度に発達したハイテク機器の多用に惑わされることなく最も確実で、応答の速いマン・マシンシステムという基本的構成により、アクセルの踏み間違えという最大の課題を、他の弊害を生じることなく、しかも安価に、解決した画期的装置及び方法を提供するものである。
【0027】
(2)本発明構造は、構造が極めて単純であるため、新車に対しては当然であるが、中古車に対しても容易に取付けることができる。すなわちコンピュータ等の高度な電子回路を交換、改造することなく、取付することができる。
【0028】
(3)警告スイッチ7、警告装置8、エンジン停止スイッチ9、又はペダル取付式警告停止装置102は小さいため、運転席前方の空間内に容易に取付ができるためである。
【0029】
(4)電子部品がないことは湿気に強く、寿命が長く、故障の原因となりにくい。
【0030】
(5)部品点数が少ないので、同様に故障し難く、製作コスト取付コストを極めて安価にすることができる。
【0031】
(6)運転者は第2の工程、第3の工程と事前に感知でき通常運転に戻れ、更に第4の工程でエンジンが停止するか、又はアイドリング状態となるので、3段階の認知をすることができる。
【0032】
(7)操作が従来の運転操作通りで良いため、お年寄り、女性、及び初心者等のブレーキの踏み間違いを起こしやすい運転者が、本発明の警報停止回路系13に対する認識がほとんどなくても、戸惑うことなく運転できるため、極めて目的にかなっており事故防止に多大な貢献をすることができる。
【0033】
(8)エンジン15を起動せずに、電気回路のみを導通した状態で、アクセル装置5、101を踏込むことにより、警告スイッチ7、111、及びエンジン停止スイッチ9、112の作動を停車状態で確認することができるため、学習しやすく、安全にテストすることができる。
【0034】
(9)通常運転時に本装置用コンピュータ等の特別の装置の荷電が必要ないため本発明装置による消費電力がきわめて少ない。
【0035】
(10)警告スイッチ7、111、エンジン停止スイッチ9、112の検出位置を簡単に変更調整できる。
【0036】
(11)アクセル装置5とスロットル装置15aとの連結をアクセルワイヤー5cで行う、いわゆるアクセルワイヤー仕様車でも、アクセルワイヤー仕様、以外の自動車等にも適用できる。
【0037】
(12)電気配線が簡単で、配線が少ないので、既存車に対しても簡単に配線取付ができる。
【0038】
(13)請求項3に示すように、警告スイッチ111をベース板104と上板108の間でなく、アクセルアーム101rの下部に配置し、アクセルアーム101rの旋回により警告信号を発生するように構成すると、警告信号は、アクセルアーム101rの任意の旋回位置で、発生することが出来、フルスロットル位置より早めに警告信号のみを発生させることもできる。
【0039】
(14)例えば燃費節約の目的で、早めに警告を発生させることにより運転者に踏込み過ぎを早めに知らせて、その効果を発生することができる。
【0040】
(15)ペダル取付式警告停止装置102の外周全体を、例えば、ゴム製、合成樹脂製、布製等の防水・防塵カバー115で、密封、又は略密封とすることによりペダル取付式警告停止装置102の故障を大幅に防止でき、信頼性の高い装置を提供することができる。
【0041】
(16)ペダル取付式警告停止装置102は、アクセル装置101を全く取り外すことなく、ペダル取付式警告停止装置102をアクセルペダル101pの上面に取付ることにより、機械的取付け作業は完了する。
【0042】
(17)従って、ペダル取付式警告停止装置102は、取付時間は実施例6の約3分の1位の20分〜40分位まで大幅に短縮できる。
【0043】
(18)ペダル取付式警告停止装置102は、自動車等整備工場等の整備技師の専門的技術を必要とすることなく、一般者が容易に取付を行うことができる。
【0044】
(19)ペダル取付式警告停止装置102の最大の利点は、各車種による異なるアクセル装置の形状を気にすることなく、すべての車種に対し、同一形状で適合することが可能である画期的な構造を提供するものである。
【0045】
(20)アクセル作動感知手段の作動信号によりボイスアナンシエータ信号又はアクセル認識音等の音声等により運転者に、アクセルを踏んでいること、又は本装置を不使用とすることを認識させ、暴走する事前に間違いを予知できる極めて大きな効果を発揮することが出来る。
【0046】
(21)臨界速度Va以上となるとエンジン停止スイッチ9、又は112の信号を不動作として回路切断リレー74を介して、警告停止回路系13を不使用とするように構成すると、高速走行時での予期せぬ停止による問題を回避することが出来る。
【0047】
(22)エンジン停止スイッチが切断位置になったとしても、エンジンが慣性により回されて、再度自動的にエンジンが作動することがある。
そうなるとエンジン停止の目的を達成できないため、エンジン停止状態を保持するように構成することにより安全性を高めることが出来る。
(23)リモート式のイグニッションボタンにより起動するタイプの車は、イグニッションキーがないため、エンジン停止スイッチを作動させても、エンジンを停止できないように構成されている。この場合は、エンジン停止でなく、アイドリング状態を保持することにより、衝突を緩和することができる。
【0048】
(24)ヒューズ型回路接続チップ151を挿入し接続することで、従来の市販車に対し、一般者でも容易に回路接続できることとなり、極めて実際的で、技術者に依頼することなく出来、価格的にも極めて安価に適用することが可能となったのである。
従って、今社会問題となっているアクセルブレーキ踏み間違い事故の撲滅に、大きく貢献できる突破口を作ったことである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の全体概略構成図である。
【図2】本発明実施例の回路の結線図である。
【図3】本発明実施例の別の回路の結線図である。
【図4】本発明実施例の別の回路の結線図である。
【図5】アクセル装置の原点位置の状態図である。
【図6】アクセル装置の弾性反発位置の状態図である。
【図7】アクセル装置の警報位置の状態図である。
【図8】アクセル装置のエンジン停止位置の状態図である。
【図9】アクセル装置の機械的停止限界の状態図である。
【図10】警告スィッチ、エンジン停止スィッチの別の実施例を示す状態図である。
【図11】アクセル装置の旋回位置を重ねた説明図である。
【図12】弾性反発手段の実施例の断面図である。
【図13】弾性反発手段の別の実施例の断面図である。
【図14】アクセル装置の旋回角度と旋回曲げモーメントの関係を示す説明図である。
【図15】本発明実施例の操作工程を示すブロック図である。
【図16】アクセル−スロットル連動式の自動車等、及び本発明の実施例6をあわせて設置した全体概略構成図である。
【図17】図16中のアクセル装置部の拡大図である。
【図18】図16中のスロットル装置部の拡大図である。
【図19】アクセル装置の旋回角度と旋回曲げモーメントの関係を示す説明図である。
【図20】実施例2の全体概略構成図である。
【図21】ペダル取付式警告停止装置102の概略斜視図である。
【図22】ペダル取付式警告停止装置102の正面図である。
【図23】図22のA−A断面図である。
【図24】通常運転領域である最大旋回位置まで踏み込まれた状態図である。
【図25】上板108が、警告スイッチ111に接触した状態図である。
【図26】上板108が、エンジン停止スイッチ112に接触した状態図である。
【図27】警告スイッチ111をアクセルアームの下部に配置した状態図である。
【図28】防水・防塵カバー115をペダル取付式警告停止装置に設けた構造図である。
【図29】図28のB−B断面図である。
【図30】防水・防塵カバー115を電気・電子装置等に設けた構造図である。
【図31】実施例3の正面図である。
【図32】図31のC−C断面図である。
【図33】防水・防塵カバー115を電気・電子装置等に設けた構造図である。
【図34】実施例5の音声警告系を示すブロック図である。
【図35】実施例6の高速時不使用とする作動系のブロック図である。
【図36】実施例7のエンジン停止保持機能の作動ブロック図である。
【図37】実施例7のエンジン停止保持機能の詳細回路図である。
【図38】実施例8のアイドリング保持機能の作動ブロック図である。
【図39】実施例8のアイドリング保持機能の詳細回路図である。
【図40】実施例9の全体概略構成図である。
【図41】実施例9の作動ブロック図である。
【図42】実施例9の電気回路図である。
【図43】実施例10の全体概略構成図である。
【図44】実施例10のペダル取付式の全体概略構成図である。
【図45】実施例10のブレーキ優先式ペダル取付式の全体概略構成図である。
【図46】実施例10のヒューズボックスを示す斜視図である。
【図47】実施例10の電気回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本発明は、発明の効果に前述した如く、すなわち、自動車等は、本来人間が五感により運転しているものであり、その感覚に訴えるのが一番確実で応答が早いという原点に帰り、多用されるコンピュータ回路や計器、センサー、アクチュエーター等の繊細な機器を頼って自動車等のコントロールをするのではなく、むしろマン・マシンシステムとして捉え直し、人間の操作時の感覚による判断を重要視し、それを機器と組み合わせたところに、実は盲点ともいえる画期的な構成があることに気付いたものである。
【0051】
なお、本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。以下図面に基づいて詳細を説明する。
【実施例1】
【0052】
図1から図15は、本発明の実施例1を示すもので、
図1は本発明の実施例1の全体概略構成図を示すものである。
車体1の運転席の床面2の前方には、支持ブラケット3が、例えばボルト等の着脱可能な固定手段3aで固定され、該支持ブラケット3には、支点軸4を介して、アクセル装置5が、固定されており、該支点軸4を中心にしてアクセル装置5が旋回可能に取付けられており、アクセル装置5は復帰手段6により常に原点位置Aに復帰するようになっている。該復帰手段6は通常、バネ等の弾性体若しくは油圧装置等で構成されており、その構造は、旋回復帰力を与えるものであればいずれでも良い。
【0053】
前記アクセル装置5の一部に設けられた少なくとも1つ、又は複数で構成されるストライカ手段5aは、前記アクセル装置5の旋回により移動し、警告スイッチ7、及び/又はエンジン停止スイッチ9に接触し、夫々の作動を行うよう構成されている。
【0054】
もちろん、前記アクセル装置5は旋回によらず、スライド等の移動機構でストライカ手段5aを移動させても良い。(図示せず。)
【0055】
一方、バッテリー10のマイナス極10aは、アースαに連結され,プラス極10bは、イグニッションスィッチ11に連結され、該イグニッションスィッチ11により電気回路の電源オン及びエンジンの起動、停止が行われる。
【0056】
前記イグニッションスィッチ11は、回路選択スィッチ12を介して本図では、一方は直接エンジン制御コンピュータ14に連結され、他方は本発明の警告停止回路系13内に設けられた警告スィッチ7に連結され、該警告スィッチ7は、音、光振動のいずれか一つもしくはそれらの組合せによる警告信号を運転者に認知させる第2の認知手段である警告装置8に連結される。
【0057】
更に前記警告停止回路系13内に分岐して設けられたエンジン停止スィッチ9に連結され、該エンジン停止スィッチ9は、本実施例では自動車等の作動をコントロールするエンジン制御コンピュータ14に連結されている。
もちろん該エンジン停止スィッチ9は、別の本発明の実施例では点火装置、燃料インジェクタ、燃料ポンプ又はエンジン制御コンピュータの何れかひとつ、あるいはそれらの組合せのいずれかの電源供給を切断するように連結しても良い。
【0058】
また、前記アクセル装置5はエンジン15のスロットル装置15aに、例えばアクセルワイヤー5cにより連結されており、エンジン制御コンピュータ14よりは、本図では、エンジン15に組み込まれている点火装置16及び燃料インジェクタ17に連結され、更に燃料タンク18に設けられた燃料ポンプ19に信号が連結され、エンジンの作動、停止を制御している。したがって、前記エンジン停止スィッチ9により前記エンジン制御コンピュータ14に供給する電源を切断することによりエンジン15を停止することができる。もちろん前記エンジン停止スィッチ9は、本発明の別の実施例ではエンジン制御コンピュータ14、点火装置16、燃料インジェクタ17、又は燃料ポンプ19の何れかひとつ、あるいはそれらの組合せの回路を切断することにより、エンジン15を停止させても良い。
【0059】
また、車体1あるいは、運転席の床面2のいずれかの部分には、弾性反発手段20が固定されており、前記アクセル装置5が後述する一定の角度旋回又は、移動することにより該アクセル装置5の一部、あるいは同様の機能を果たす該アクセル装置5の連動部5bが、該弾性反発手段20に接触し、前記アクセル装置5に、強い反発力を負荷するように構成されている。
【0060】
前記復帰手段6はアクセル装置5とアクセルワイヤー5cにより連結された前記スロットル装置15a部分に設けても良い。
【0061】
さらに、少なくとも1つ、又は複数で構成されるストライカ手段5a、警告スィッチ7及びエンジン停止スィッチ9は、必ずしもアクセル装置5の部分でなく、前記スロットル装置15a部分に設けても良い、その場合は、同一の機能を果たすものであれば、別の形態の装置で構成しても良い。
【0062】
図2は、本発明の結線の一つの実施例を示す結線図である。
バッテリー10のプラス極10bはイグニッションスィッチ11に連結され、次に回路選択スィッチ12に連結される。該回路選択スィッチ12は、本図の状態では警告停止回路系13に導通しており、警告スィッチ7及びエンジン停止スィッチ9に連結されている。
該回路選択スィッチ12は、警告停止回路系13を使用せず通常の自動車等として使いたい場合の選択が出来るために設けられているものであって、本発明に必須のものではない。
【0063】
本図の状態では前記警告スィッチ7は開放位置7aとなっている。前記アクセル装置5が旋回して、前記警告スィッチ7が接触位置7bに切替ると警告装置8に導通される。該警告装置8は、音、光、振動のいずれか、又はその組合せの警報を発信し、第2の認知手段となっている。
【0064】
次にエンジン停止スィッチ9は本図の状態ではエンジン制御コンピュータ14に導通される接触位置9aとなっており運転状態となっている。前記アクセル装置5が更に旋回して、前記エンジン停止スィッチ9が切断位置9bに切替ると本実施例では、エンジン制御コンピュータ14への電源は切断され、エンジン15を停止し、車体1の暴走を防止する。したがってエンジン15の停止による第3の認知手段となっている。
この場合に、警告装置8は作動し続けても、停止させてもそのどちらでも良い。
【0065】
図3は本発明の結線の第2の実施例を示す結線図である。
この回路においては、回路選択スィッチ12と連結する警告停止回路系13の内部には警告停止回路系13の作動を示すランプ等の視覚指示装置30が設けられている。また警告装置8はブザー等の音又は振動の発生装置8aとランプ等の視覚指示装置31が並列に設けられている。またエンジン停止スィッチ9とエンジン制御コンピュータ14の間にはランプ等の視覚指示装置31が設けられ、前記警告停止回路系13の作動によりエンジン14が停止したことを知らせる第3の認知手段の一つとなっている。
【0066】
図4は本発明の結線の第3の実施例を示す結線図である。
この回路においては、エンジン停止スィッチ9は本図の状態ではエンジン制御コンピュータ14に導通される接触位置9aとなっており運転状態となっている。前記アクセル装置5が更に旋回して、前記エンジン停止スィッチ9が切替位置9bに切替るとエンジン制御コンピュータ14への電源は抵抗体32を経由して供給される。該抵抗体32により、電圧又は電流のいずれか又は両方がエンジン制御コンピュータ14の維持電圧若しくは維持電流未満に低減されるよう構成されている。
【0067】
その結果前記エンジン制御コンピュータ14は停止状態となり、同様の効果を発揮することが出来るのである。例えば電圧の場合で例示すると通常、3〜7ボルト以下に電圧降下させると前記エンジン制御コンピュータ14は停止状態となり、エンジン15を停止し、車体1の暴走を防止する。したがってエンジン15の停止による別の第3の認知手段となっている。もちろん、本発明の別の実施例として、エンジン制御コンピュータ14、点火装置16、燃料インジェクタ17、あるいは燃料ポンプ19のいずれか一つ、あるいはそれらの組合せのいずれかの電源電圧、電流のいずれか、あるいは両方を降下させて、エンジン15を停止させても良い。
また、前記エンジン停止スィッチ9の作動により、自動車等のブレーキ灯を点灯させエンジン停止状態であることを表示しても良い。
【0068】
次に本発明を作動工程に沿って説明する。
図5はアクセル装置5を踏んでいない原点位置Aを示しており、アクセル装置5は復帰手段6により常にこの位置に復帰するようになっている。この原点位置Aでは旋回角度は0度である。復帰手段6は通常、バネ等の弾性体若しくは油圧装置等で構成されている。
【0069】
図5〜図6の間の状態は第1の工程である通常運転領域であり自動車等は、前記警告停止回路系13の作動とは関連なく通常の走行を行っている状態である。
【0070】
次にアクセル装置5が踏まれて図6の状態になると、アクセル装置5に設けられた押え部5bが弾性反発手段20に接触する。その状態ではストライカ手段5aはいずれにも接触していないが、この状態になるとアクセル装置5は弾性反発手段20の反発力により急激に踏込み力が大きくなるため、運転者は足への反発力で過度の踏込み位置に来たことを確実に、感知することができ、第1の認知手段となっており、第2の工程を示している。この位置は、弾性反発位置Bであり、旋回角度はθ1である。
【0071】
したがって、従来の特開昭61−190134号と異なり、運転者は自らの感触で過度の踏み込みを知り、暴走状態に入ることを事前に知り、エンジン停止をすることなく、低速の通常運転状態に復帰できるのである。
【0072】
この踏込み力の変化は、本発明のすべての実施例において次の旋回曲げモーメントの状態を構成することにより、現実的に運転者がその異変を認知でき、スムースに通常運転に復帰できることを発見することが出来た。
【0073】
図7の状態になると押え部5bは弾性反発手段20を更に圧縮し反発力が大きくなると共に、前記ストライカ手段5aは警告スィッチ7に接触する状態となる。
運転者は反発力の増加と共に警告スィッチ7が接触位置7bに切替ることにより警告装置8が、音、光、振動のいずれか、又はその組合せの警報を発信し、第2の認知手段となっており、第3の工程を示している。この旋回位置は警告信号位置Cであり、弾性反発位置Bよりの旋回角度はθ2である。
【0074】
図8の状態になると押え部5bは弾性反発手段20を更に圧縮し反発力が大きくなると共に、前記ストライカ手段5aは警告スィッチ7及びエンジン停止スィッチ9に接触し、回路が前記切断位置9bに切替るとエンジン制御コンピュータ14への電源は切断され、エンジン15を停止し、車体1の暴走を防止する。したがってエンジンの停止による第3の認知手段となっている第4の工程を示している。この旋回位置はエンジン停止位置Dであり、θ1よりの旋回角度はθ3である。
【0075】
なお、前記エンジン停止位置Dは、自動車等の最大速度を出す、いわゆる「フルスロットル」といわれるスロットル弁全開位置と等しくしても良いし、若干低く設定して、具体的にはフルスロットルに対し、同一〜マイナス3度以内の角度とし最大出力で暴走する前に余裕を持たせても早めにエンジン停止させてもよい。
また、エンジン出力を重視して、スロットル弁全開位置を超える旋回角度に、前記エンジン停止位置Dを設定し、フルスロットルの出力を出した角度を超えた位置で、エンジン停止をさせても良い。この場合は、フルスロットル位置の旋回角度よりプラス0〜3度位に設定する。
【0076】
図9の状態になると押え部5bは弾性反発手段20を更に圧縮し、例えばアクセル装置5の端部5dが車体1又は床2に接触し機械的停止限界となった状態を示している。
この状態では反発力が最大となり、既にエンジン15は停止しており、車体1の暴走を防止している。この旋回位置はEであり、θ3よりの旋回角度はθ4である。
なお、機械的停止限界は、アクセル装置5以外に設けても良い。
【0077】
図10は本発明の別の実施例を示すもので、ストライカ手段27は近接スィッチ用の例えば磁石等のストライカとなっており、警告スィッチ28及び、又はエンジン停止スィッチ29を近接スィッチとした別の実施例を示すものである。
【0078】
近接スィッチでは、警告スィッチ28及びエンジン停止スィッチ29の故障を少なくすることが出来信頼性が更に高まり、加えて感知能力が高いため位置調整も精密にでき、更にコスト的にも安価に構成できる利点を有している。
【0079】
図11は図5から図9の状態を重ねて示した旋回状態の説明図であり、旋回角度に関して述べると原点位置Aより弾性反発位置Bまでの角度θ1は、各自動車等で操作のしやすい範囲が選ばれている。
【0080】
発明者は通常の人間の足の最も動かしやすい角度を人間工学的に探求し、それに適合する最適角度とすることとした。通常人間の下肢の脛に対し、足底面は、脛を鉛直とした場合、直角の位置より、上方には、約15度が、運動可能角度である。
また、直角の位置より下方には、約20度が運動可能角度であることを見出した。
従って、その合計運動可能角度は、約35度であり、それほど大きな角度ではないことに着目した。
従って、角度θ1の最小値は、前記合計運動可能角度の約1/3である10度とした。
これは、これ以下の角度とすると通常運転範囲が極めて狭くなり実際の車では速度の可変操作が難しくなることを発見した。
【0081】
次に、日本で使用されている実用自動車等の41車種について調査したデータでも、原点位置Aよりスロットル弁が全開になるまでの角度は、最小値は角度8度の車が1車種だけあり、更に41車種中10車種が10度であった。
上述の10度以下の車は、合計11車種で、これは調査した41車種の全体の26.8%を占め、10度を超え15度以下の車は、22車種であり全体の53.7%を占め、15度を超える車は8車種であり全体の19.5%であった。
そしてθ1の最大値は23度であった。
【0082】
なお念のために記述すると、上記の自動車等の機能を示す角度のデータである人間工学的なデータ及び実用自動車等の解析データは、カタログや一般公知の文献、インターネット情報には、一切発表されていない。したがって具体的に効果のある角度は想起できるものでなく、机上の想像では、発見されない重要な要素である。
しかしこれほどまでに発達、成熟した自動車等技術においては、極めて重要な機能的変化を示す情報であって、日本、世界の産業上の発達が望まれる分野における進歩的な開発の着眼点となりうるのである。
従来例はこうした探求がなく、弾性反発位置Bの角度が明記されてなかったり、全く自動車等の実態に合ってない角度となっていたりする。
【0083】
従って、前述の運動可能角度と実用車のデータより、顕著な効果のある角度として、角度θ1の最小値は10度とした。
また角度θ1の最大値は、前記合計運動可能角度35度より若干小さい30度とした。これは更にθ2とθ3を考慮し、操作範囲を約35度程度とすることにより操作性の優れた装置を提供するためである。
θ1が、余り大きすぎると通常運転領域が不必要に広くなり、応答性が悪くなり操作性が極端に悪くなって、足に力が入りにくくなってしまうため、本発明では、角度θ1の最大値は30度とした。これは、前記合計運動可能角度を考慮した極めて合理的な角度である。更に望ましい範囲は、10度〜25度である。
【0084】
次に弾性反発位置Bより警告信号位置Cまでの角度θ2は、踏込み過ぎを警告信号により知らせる役割であり、したがって弾性反発位置Bに対し、マイナス3度〜+5度とすることにより弾性反発位置Bの旋回角度に踏込んだ事をすぐに音、光、振動等で知らせる効果がある。あまり早く警告信号を出すと、いたずらに通常運転領域を狭くしてしまいスロットル全開にしにくくなるためである。
また、θ2が、余り大きすぎると警告信号の発信が遅れ効果が減少する。従って、最大値は+5度までが最適でありこれ以上の範囲は効果が極端に減少する。
更に望ましくはマイナス2度〜+4度の範囲である。角度θ2をマイナスとしても認知手段の順番が変わるだけで作動上は問題とならない。
【0085】
次に弾性反発位置Bよりエンジン停止位置Dまでの角度θ3は、弾性反発位置Bより強制的なエンジン停止までの角度である。したがって0度以下とすると弾性反発位置B以下で停止してしまうため、角度θ3の最小値は、弾性反発位置Bと同一とした。
また、θ3が、余り大きすぎると暴走の停止が遅れるため最大値は5度とした。さらに望ましくは1〜5度の範囲である。
【0086】
また前述のごとく前記エンジン停止位置Dを、スロットル装置全開位置より若干低く設定することもできる。具体的には同一〜マイナス3度以内の角度とし最大出力で暴走する前に余裕を持たせて早めにエンジンを停止させる。
これは、フルスロットルに対して、最大出力に到ることなく余裕を持たせて早めにエンジンを停止させても良い。
【0087】
またエンジン出力を重視して、スロットル装置全開位置を超える旋回角度に、前記エンジン停止位置Dを設定し、フルスロットルの出力を出した角度を超えた位置で、エンジン停止をさせても良い。この場合は、前記エンジン停止位置Dは、フルスロットル位置の旋回角度に対し、同一〜3度以下の範囲に設定する。同様に、実施例7−1、又は、実施例7−2においても、最大旋回角度、即ちフルスロットル位置を超えてからペダル取付式警告停止装置102が作動するように構成されている。
【0088】
なお、エンジン停止位置Dより、機械的限界位置Eまでの角度θ4は、余り小さすぎるとエンジン停止信号が出ずに機械的限界で止まってしまうが、これは構造上の遊び角度であるため数値的重要性は厳密ではない。
【0089】
図12はアクセル装置5の旋回角度θと旋回曲げモーメントMの関係を図示した説明図であり、原点位置Aから弾性反発位置Bまでの旋回角度θに対する旋回曲げモーメントMは、復帰手段6のモーメントバネ定数K1により比例的に変化する。
【0090】
発明者は、通常の人間の足の踏込み荷重を人間工学的に測定し、それに適合する踏込み力を最適値とすることとした。
測定によると、踏込まずにただ足を置いただけでも、多くの実測値において、足の重量により自然に踏込み力が0.75〜0.85kg発生することが確認された。
【0091】
次に、踏込み力の最大値は、体重近くまでなるがこれは、自動車等の運転操作には重要な要素とはならずむしろ健康上の理由による最大値が問題になるのである。医学上では、自動車等での踏込み力の繰返し動作では、約12〜15kgが最大値で、それ以上では、筋肉痛等の原因となりうることが分かった。
今仮にK1=2.0kg・cm/度とすると、旋回角度が15度の場合は、K1=2×15=30kg・cmとなるのである。
足の掛かる旋回半径を仮に16cmとすると、踏込み力F=30/16=1.88kgとなるのである。
K1の最小値は本発明では、K1=1.0kg・cm/度とした。
その場合の踏込み力F=1×15/16=0.94kgとなるのである。
【0092】
従って、この値以下では、実際運転において軽すぎて、元に戻すためには、足の荷重を0にするまで足を上げたり、また復帰手段6が摩擦力に負け、戻らなくなる危険性がある。またあまりにも軽く弾性反発位置Bまで行ってしまうため、通常運転範囲までの力の変化があまりにも小さく敏感すぎて運転が不安定になるためである。
摩擦力に負け戻らなくなる危険性があり、また他の自動車等とのバランスが取れず暴走気味となってしまうのである。
K1の最大値は本発明では、K1=6.0kg・cm/度とした。旋回半径を仮に16cmとすると、これは、踏込み力F=90/16=5.6kgとなる。
【0093】
この値以上では、通常運転時の踏込み力が大きくなりすぎ、硬くて操作性が極端に悪くなることと、また他の自動車等に乗換えた場合踏込み力のレベルが合わず操作の互換性が悪くなるためである。
【0094】
次に、日本で使用されている実用自動車等41車種について調査したデータでも、例えば通常運転範囲の角度θ1を15度とすると、その踏込み力Fの実測データの最小値は、3.0kgであった。これをK1に換算すると3.2kg・cm/度であった。
また、踏込み力Fの実測データの最大値は、4.2kgであった。これをK1に換算すると4.5kg・cm/度であった。
従って、これらのデータよりも、本発明のK1=1.0〜6.0kg・cm/度が最適範囲であることを証明できた。
【0095】
それに対し弾性反発位置Bを超えたときの弾性反発手段20による旋回曲げモーメントMは、弾性反発手段20のモーメントバネ定数K2による反発力が付加され、踏込み力が急激に大きくなり、運転者は感覚的に異常状態になったことを確実に、感知できる。
【0096】
今仮にK1を4.5kg・cm/度、θ1を15度、θ2を3度とすると、K1による18度での踏込み力は、4.5×18/16=5.1kgであり、K2を30kg・cm/度とすると、30×116=5.6kgとなり、その合計踏込み力は5.1+5.6=10.7kg、約2倍以上の踏込み力を体感するため異常状態にきたことを容易に感知することができる。
【0097】
K2の最小値は本発明では、K2=6.0kg・cm/度とした。
この値以下では、実際運転においては差が感じられず正確に、異常状態を感知することが困難となるからである。これは、踏込み力で言うと、K1による踏込み力を前述の5.1kgとするとK2による踏込み力6×116=1.13kgとなり、合計踏込み力は、5.1+1.13=6.23kgであり、5.1kgに対し、僅かに増加しただけであるため効果がないためである。
【0098】
K2の最大値は本発明では、K2=60.0kg・cm/度とした。
これは、踏込み力で言うと、K1による踏込み力を前述の5.1kgとするとK2による踏込み力60×116=11.25kgとなり、合計踏込み力は、5.1+11.25=16.35kgであり、非常に大きな荷重変化で、感知はしやすいものの、だんだん硬くて旋回の操作がしにくくなるためであり、硬くて操作性が悪くなり運転者の足の負担を掛けさせ健康上これ以上は、好ましくないためである。
望ましくはK2=10〜60kg・cm/度である。
【0099】
このように踏込み力の大きな変化が運転者に、誤操作を感知させる効果を発揮し、それに着目することで極めて簡単に、しかも確実に、また、安価な構造と取付、改造が容易な装置で、異常運転状態を運転者に感知させ、誤操作を防止することができることを、発明者は数多くの実験と実走行テストを繰返し最適なモーメントバネ定数を発見することができたのである。
【0100】
なお前述と同様に、念のために記述すると、上記の自動車等の機能を示す踏込み力のデータである人間工学的なデータ及び実用自動車等の解析データは、カタログや一般公知の文献、インターネット情報には、一切発表されていない。したがって具体的に効果のある踏込み力は想起できるものでなく、机上の想像では、発見されない重要な要素である。
しかしこれほどまでに発達、成熟した自動車等技術においては、極めて重要な機能的変化を示す情報であって、日本、世界の産業上の発達が望まれる分野における進歩的な開発の着眼点となりうるのである。
【0101】
従って、従来例では、これらの探求がなく、モーメントバネ定数K2又は踏込み力も記入されてなかったり、もしくは全く自動車等の実態にあってない異常に小さい値、又は足を痛めるくらいの大きな値となっており、それは自動車等の実態とかけ離れた観念論であリ、産業上の発展に繋がらない。
【0102】
本発明は、前述のごとく自動車等の実際の操作に数値的な最適値を求め、現実に画期的な、自動車等の走行制御装置及び方法を提供するものであって、その技術分野における通常の知識を有する位の一般的常識では、想起できない具体性のある発明なのである。
【0103】
仮に、K2とK1の変化率Rで表現すると、K2/K1の変化率R=K2/K1で表現され、最小値ではR=6/6=1.0となり、最大値では、R=60/1.0=60となり、このモーメントバネ定数の変化率Rで発明の範囲を限定することもできるのである。
【0104】
図13は弾性反発手段20の一つの実施例を示すもので、アクセル装置5の一部と接触するヘッド部21は例えばゴム、硬質ゴム、スポンジ、空気圧力具、合成樹脂、油圧圧力具等の材料で構成された変形部22に固着され、該変形部22の下部は取付板23がボルト等の固定手段24により着脱自在に床2等に固定されている。
但し、取外しができれば、溶接、リベット留め等の完全固定でも良い。
【0105】
図14は弾性反発手段20の別の実施例を示すもので、アクセル装置5の一部と接触するヘッド部21は例えばコイルバネ、皿バネ等の機械部品である変形部22で構成された実施例を示すものである。
【0106】
図15は本発明の制御方法を示したブロック図である。
【0107】
エンジンの停止状態である始動位置ではアクセル装置5は原点位置にありイグニッションスィッチ11で電源オン及びエンジンが始動し始め、第1の工程である通常運転領域となる。
【0108】
ブレーキと間違えて更に踏込んだ場合は、第2の工程となり、弾性反発手段20にアクセル装置5が当ると反発力が急激に大きくなり、感知することにより運転者が踏込み力を減少すると、通常運転領域若しくは原点位置に戻ることができ、暴走を防止することができる。
【0109】
更に踏込むと第3の工程である警告スィッチ7が作動すると警告装置8が警報を発するため、運転者は異常を感知し、通常運転領域若しくは原点位置に戻すことができ、暴走を防止することができる。
【0110】
更に踏込むと第4の工程であるエンジン停止スィッチ9が作動するとエンジン制御コンピュータ14、点火装置16、燃料インジェクタ17、又は燃料ポンプ19への電源が切断されるか、若しくは、電圧又は電流のいずれか又は両方がそれらの維持電圧若しくは維持電流未満に低減され、エンジンは停止し、暴走を防止することができる。
更に踏込むとアクセル装置は機械的停止限界となり踏込み限界となる。
以上述べた構成により、本発明は、前述した多くの利点を有する画期的な装置及び方法を実現することができた。
【0111】
図16、図17、図18は、アクセルワイヤ仕様以外のアクセル−スロットル装置連動式の自動車等に適用したものである。
【0112】
アクセルワイヤ5cの代りにアクセル位置発信器51と、スロットル装置15aには、受信モータ52が設けられ連結信号53を介して連結されている。
【0113】
図17はアクセル装置部を示しており、支点軸4の一方の端部には、アクセル位置発信器51が固定具51aを介して支持ブラケット3に固定され、アクセルの旋回位置を、連結信号53によりスロットル装置15aの受信モータ52に伝達している。
【0114】
図18はスロットル装置部を示しており、スロットル装置15aの回転軸15bの一方の端部には、受信モータ52が設けられ、その受信モータ52の反対側には、リミットスイッチ54が伝達軸55を介して設けられている。
【実施例2】
【0115】
本実施例は、画期的なペダル取付式警告停止装置を示すものである。
実際の自動車等の床2に、実施例1の弾性反発手段20を、固定手段24により取付固定する場合に、自動車等の床2は、本体構造として重量を削減するため、約0.5〜3mmの板厚で構成されている。また鍍金や塗装等の被覆が施されているため、完成された床2に後から、溶接やロー付け等の溶接接合が困難な難点を有している。
また、ボルト、止めネジ等のネジ接合とすると、ネジ部より水の浸入等が発生し、ネジ部から錆等が発生し、また、室外と室内の気密性が失われる等の欠点を有している。
【0116】
すなわち、床に対しボルト、ナット、止めネジ、接着、溶接、ロー付、等の固定手段24を用いることなく、各種類の自動車等に対し、警告停止装置の取付を可能とした現実的手段を提供するものである。
【0117】
又、各車種ごとにアクセル装置の形状が異なることと、取付けボルトの配置が異なることより、それぞれのアクセル装置に適合する数多くの形状のアクセル・警告装置を製作する必要があった。
従って、製作上の難点と取付時間の大幅な短縮を可能とした画期的構造が、実施例2と実施例3である。
【0118】
以下図面に従って実施例2を説明すると、
図20は、実施例3の全体概略構成図を示すものである。
自動車等1の床2には、アクセル装置101が取付けられている。該アクセル装置10 1のアクセルアーム101rは、アクセル装置101内のアクセル位置発信機101a に結合され、アクセルペダル101pの踏込み状態により、アクセル装置101内のバ ネ等の復帰手段101bを押えながら、図20のスロットル装置15aの開度を調節で きるよう構成されている。
【0119】
図21は、ペダル取付式警告停止装置102の概略斜視図を示すものである。
アクセルペダル101pの上面には、ペダル取付式警告停止装置102が、押え爪、又は止めボルト、若しくは止めバンド等の固定具103により取付取外し自在に固定されており、該固定具103は、ペダル取付式警告停止装置102のベース板104に溶接、ねじ止め、又は、接着等の固定手段により固定されている。
【0120】
ベース板104の両端部には、蝶番105が、夫々固定されており、前側板106と後側板107が、蝶番105を介して旋回可能に結合されている。前側板106と後側板107の夫々の上端には同様に、蝶番105が、夫々固定されており、蝶番105を介して上板108が旋回可能に結合されている。
従ってベース板104と、上板108とは、平行四辺形を形成しており、夫々の蝶番105を支点として前側板106と後側板107が同一角度旋回し、ベース板104に対し、上板108が常に平行になるよう制限されて、上下に移動可能に構成されている。
【0121】
図22は、図21の正面図を示す。ベース板104と上板108の間には、バネ、ゴム製、合成樹脂製の弾性体等の弾性反発手段109が設けられ、上板108に対し上方に反発力を与えている。
ベース板104の一端には、角度調整部110が設けられており、角度調整部110には、ネジ等の角度調整具110aにより前側板106を押えることにより、バネ等の弾性反発手段109の反発力を調節できるよう構成されている。例えば、弾性反発手段109を自由長さに解放した状態が109aとすると、角度調整具110aにより押えられた撓みによる反発力が図19に示すプリセット反発力Mpとなるのである。
ベース板104と上板108の間には、更に、警告スイッチ111とエンジン停止スイッチ112が、配置され、ベース板104に対し止めネジ等の取付具113により固定されている。
【0122】
これらの警告スイッチ111とエンジン停止スイッチ112は、その底面にライナー114を挿入することにより、高さ方向の位置を適切に調整することができる。
図23は、図22のA−A断面図を示しており、アクセルペダル101pの上面には、ペダル取付式警告停止装置102が、押え爪、又は止めネジ、若しくは止めバンド等の固定具103により取付取外し自在に固定されている。ペダル取付式警告停止装置102のベース板104には、固定具103が溶接、ねじ止め、又は、接着等の固定手段で固定されており、アクセルペダル101pに取付取外し自在に取付けられている。
【0123】
図24は、2点鎖線で示す踏込みの原点位置Aより、通常運転領域である最大旋回位置まで踏み込まれた状態を示すもので、例えばアクセル装置101の一部に設けられた停止手段101cに接触するまで旋回した状態を示しており、通常運転領域であるフルスロットル位置、又は最大旋回位置となっている。
図19に示すように復帰手段101bは、踏込みによりバネ定数K1による反発力が発生するが、プリセット反発力Mpが大きいため、上板108は、ベース板104に対し移動していない。
従って、警告スイッチ111とエンジン停止スイッチ112は、作動していない。
【0124】
更に踏込まれて弾性反発手段109が撓みを生じると弾性反発位置Bとなる。
図25は、さらに踏み込まれて弾性反発手段109が撓みを生じ、上板108が、警告スイッチ111に接触し、警告信号位置Cとなり、警告信号8が発せられる。
図26は、更に踏み込まれて、上板108が、エンジン停止スイッチ112に接触した状態を示しており、エンジン停止位置Dとなり、前述のエンジン停止信号が発生され、エンジン停止となり本発明の目的であるアクセルとブレーキの踏み間違い事故が防止できるのである。
【0125】
図27は、実施例2の変形実施例として、警告スイッチ111をベース板104と上板108の間でなく、例えば図27の如く、アクセルアーム101rの下部に配置し、アクセルアーム101rの旋回により警告信号を発生するように構成している。
即ち、最大旋回角度以下、又はフルスロットル位置以下の踏込角度から、エンジン停止位置D又はアイドリング指令位置以下の範囲の任意の踏込位置で警告信号を発することができる。
例えば燃費節約の目的で、最大旋回角度以下、又はフルスロットル位置以下の踏込角度で、警告を発生させることにより運転者に燃費削減位置を早めに知らせて、その効果を発揮することができる。
【0126】
図28は、ペダル取付式警告停止装置102を塵埃や水等による故障を防止するため防水・防塵カバー115を設けたものである。
ペダル取付式警告停止装置102の外周全体を、例えば、ゴム製、合成樹脂製、布製、樹脂含浸紙製の防水・防塵カバー115で、密封、又は略密封とすることによりペダル取付式警告停止装置102の故障を大幅に防止でき、信頼性の高い装置を提供することができるのである。
【0127】
図29は、図28の断面B−Bを示しており、図示の如く、ペダル取付式警告停止装置102の外周全体を、例えば、ゴム製、合成樹脂製、布製、樹脂含浸紙製等の防水・防塵カバー115で、密封、又は略密封としている。
【0128】
図30は、警告スイッチ111をベース板104と上板108の間でなく、アクセルアーム101rの下部に配置し、アクセルアーム101rの旋回により警告信号を発生するように構成している。
又、アクセル作動感知レバー122、アクセル作動感知手段123を配置したものである。
そして、ペダル取付式警告停止装置102の外周全体、及び/又は警告スイッチ111、及び/又はアクセル作動感知手段123の外周全体を、前述のゴム製、合成樹脂製、布製、樹脂含浸紙等のカバー115で、密封、又は略密封としたものである。したがって、すべての電気・電子装置を防水・防塵構造とすることができ、装置の故障を大幅に防止でき、信頼性の高い装置を提供することができるのである。
【実施例3】
【0129】
図31は、実施例2の別の形態である実施例3のパンタグラフ式昇降機構を示している。
上板108の下面には連結耳116が溶接等の固定手段により設けられており、連結軸117を介して連結アーム118の一端が、上板108に回転自在に固定されている。
同様に、ベース板104の上面には連結耳116が溶接等の固定手段により設けられており、連結軸117を介して、もう一方の連結アーム119の一端が、回転自在に固定されている。連結アーム118と連結アーム119は、中央部において結合軸120により、お互いに旋回自在に結合されている。
【0130】
連結アーム118の他端は、連結軸117を介して、ベース板104の上面に溶接等の固定手段により設けられた長孔付連結耳121に結合されており、長孔121a内を摺動可能に結合されている。
同様に、連結アーム119の他端は、連結軸117を介して、上板108の下面に溶接等の固定手段により設けられた長孔付連結耳121に結合されており、長孔121a内を摺動可能に結合されている。
【0131】
図32は、図31のC−C断面図を示しており、これらの機構が、ペダル取付式警告停止装置102の両側側面に設けられている。
アクセルペダル101pの上面には、ペダル取付式警告停止装置102が、押え爪、又は止めネジ、若しくは止めバンド等の固定具103により取付取外し自在に固定されており、ペダル取付式警告停止装置102のベース板104には、固定具103が溶接、ねじ止め、又は、接着等の固定手段で固定されている。
ベース板104と上板108の間には、バネ、ゴム製、合成樹脂製の弾性体等の弾性反発手段109が設けられ、上板108に対し上方に反発力を与えている。
【0132】
図31に示すように、ベース板104の一端には、角度調整部110が設けられており、角度調整部110には、ネジ等の角度調整具110aにより上板108を押えることにより、バネ等の弾性反発手段109の反発力を調節できるよう構成されている。例えば、弾性反発手段109を自由長さに解放した状態が109aとすると、角度調整具110aにより押えられた撓みによる反発力が図19に示すプリセット反発力Mpとなるのである。
ベース板104と上板108の間には、更に、警告スイッチ111とエンジン停止スイッチ112が、配置され、ベース板104に対し止めネジ等の取付具113により固定されている。
これらの警告スイッチ111とエンジン停止スイッチ112は、その底面にライナー114を挿入することにより、高さ方向の位置を適切に調整することができる。
このように構成することにより、上板108が踏込み力により下方に移動すると、実施例3と同様な機能を発揮できるのである。
【0133】
図33は、実施例3でのエンジン停止位置の状態を示しており、加えて警告スイッチ111をベース板104と上板108の間でなく、例えば図33の如く、アクセルアーム101rの下部に配置し、アクセルアーム101rの旋回により警告信号を発生するように構成している。
即ち、最大旋回角度以下、又はフルスロットル位置以下の踏込角度から、エンジン停止位置D又はアイドリング指令位置以下の範囲の任意の踏込位置で警告信号を発することができる。
【0134】
例えば燃費節約の目的で、最大旋回角度以下、又はフルスロットル位置以下の踏込角度で、警告を発生させることにより運転者に燃費削減位置を早めに知らせて、その効果を発揮することができる。
と共に、アクセル作動感知レバー122、アクセル作動感知手段123を配置したものである。
【0135】
そして、ペダル取付式警告停止装置102の外周全体、及び/又は警告スイッチ111、及び/又はアクセル作動感知手段117の外周全体を、前述のゴム製、合成樹脂製、布製、樹脂含浸紙製等のカバー115で、密封、又は略密封としたものである。したがって、すべての電気・電子装置を防水・防塵構造とすることができ、装置の故障を大幅に防止でき、信頼性の高い装置を提供することができるのである。
もちろん、アクセル作動感知レバー122、アクセル作動感知手段123を設けない構成も可能であることは言うまでもない。
【0136】
また、上板108が上下に移動可能であれば、実施例2、又は実施例3の全体の形態を六角形に構成したり、ベース板104と上板108を円弧状に形成した板バネとしても良いし、上下スライド式ガイドを設け上板を上下動させても良く、種々の機構が考えられる。(図示せず)
【0137】
これらの実施例2、実施例3では、ペダル取付式警告停止装置102は、アクセル装置101を全く取り外すことなく、ペダル取付式警告停止装置102をアクセルペダル101pの上面に取付ることにより、機械的取付作業は完了し、その後、図20に示す如く、電気配線を行うことにより完了する。
【0138】
従って実施例1では、取付時間が1〜2時間掛かっていたが、本実施例の構造により取付時間は約3分の1位の20分〜40分位まで大幅に短縮できる。また、自動車等整備工場等の整備技師の専門的技術を必要とすることなく、一般者が容易に取付を行うことができる。また、最大の利点は、各車種による異なるアクセル装置の形状を気にすることなく、すべての車種に対し、同一形状で適合することが可能である極めて、画期的な構造を提供するものである。
【実施例4】
【0139】
本実施例は、例えば図19に示すように、弾性反発手段に、プリセット反発力Mpを予め与えておき、弾性反発位置Bまで旋回すると、プリセット反発力Mpにより反発力が断続的に増加することにより、運転者にとって、踏み間違いの認識を更に際立って体感させることが出来る。
【0140】
この様な構成は、実際上極めて有効である。運転者は踏み間違い時は、気が動転しているので、実際は、踏込み力の連続的変化では、たとえ荷重が大きくなっても気付かないことが多いことが、実験により確かめられたからである。
従ってこの実施例は、前記弾性反発手段による警告機能を強化した重要な実施例である。その形態例を、実施例2の図21、又は実施例3の図31に示す。
【実施例5】
【0141】
本実施例は、安全性をさらに高める構成となっている。
図30に示すように、アクセル装置作動状態であることを感知するアクセル作動感知手段123を有し、アクセルに足を乗せて僅かに作動させると、該アクセル作動感知手段123の感知により、図34に示すようにタイマーが作動開始し、第1設定時間経過により、音声接点が作動し、第1のボイスアナンシエータ信号又は第1のアクセル認識音信号(以下「音声等」という)の第1の音声等を作動させることにより運転者に「アクセルによる加速中」であることを知らせ、ブレーキとの踏み間違いを認識させる。そのため運転者は今アクセルを踏んでいることが分かるため、暴走する事前に間違いを予知できる極めて大きな効果を発揮することが出来る。
【0142】
更にタイマーが、第2設定時間経過によりタイマーが作動開始後、第2の音声接点が作動し、第2の音声等により運転者に、「警告停止系又はアイドリング指令系を不使用とする」音声等を発生し、第2の音声停止後、回路選択スイッチ12が作動し、警告停止回路系又はアイドリング指令系を不使用とする。
【0143】
「警告停止回路系13を不使用」としたことを音声等により、予知させることが出来る。このことは、警告停止回路系13が、いつ作動しなくなったかを運転者に予知させる重要な認識信号となるのである。
【0144】
このように構成することにより、踏み間違いの最も発生する自動車等の始動時に、警告停止系を使用し、始動時以降の通常運転時には、警告停止回路系13が働かないように構成されるので、高速走行時の予期せぬエンジン停止を防ぐことが出来るのである。
前記アクセル作動感知手段123は、運転者がアクセルより足を離すと、必ずリセットされ、アクセル装置5が原点位置Aより僅かでも踏まれると、その都度アクセル作動感知手段123が、作動を開始するように構成される。
ここで、前記第1設定時間は、最小0秒から最大3秒以下に設定され、前記第2設定時間は、最小3秒から最大20秒以下に設定されることが望ましい。
【0145】
また、ボイスアナンシエータ信号又はアクセル認識音よりの音声等がうるさくないように、前記アクセル作動感知手段123が自動車等の加速側に作動したときは音声等を発生し、前記アクセル作動感知手段123が自動車等の減速側に作動したときは音声等を発生しないように構成し、無駄な信号を排除し、加速中のみ知らせるように構成することが望ましい。
【0146】
ボイスアナンシエータ装置の音声等は、例えば「アクセルです」、又は「警告停止回路系を不使用とします」と女性、男性の心地よい声で知らせることが良い。またアクセル認識音の信号は耳に心地よい音楽等を用いるもので、前記アクセル作動感知手段123が、増加方向の作動時は何度でも発生するようにしても良く、減少方向の作動時は、鳴らさないように設定する。また、実施例1、又は実施例2、又は実施例3においても同様に適用することができる。
【0147】
この実施例は極めて重要な効果を発揮するもので、アクセルの踏み間違い事故の90%以上は、駐車場等での発信時に発生していることに着目したものである。
人間はそれまでの歩行状態から自動車等に乗込んだ発信時に間違いを犯すことが多く、特に別のことに気を取られていたときや、ミスを犯して気が動転したときに起こすことが多いことが知られている。
また駐車場でバックするときに、体を右方向に向けて発進したときに、無意識に足がブレーキからアクセルに移動していることに気付かず発進し、動転して更に踏込むこともある。
【0148】
特に運転に自信のない高齢者や女性の事故が多発している。従ってアクセルの踏み間違いは極めて人間のメンタル要素が高いのであって、アクセル踏込み開始時に、音声で何度も知らせることが極めて重要なのである。何度も鳴ることはうるさいことであるが、それによって「うるさい」と感じれば間違いに気付くのである。
人間が間違いを認識することにより事故を防止することは、運転操作の原点であり、人間の心理的側面まで踏込んだ発明は従来になくこの実施例は、実用的、画期的な踏み間違い防止装置を提供するものである。
【0149】
又、一方では高速時での走行時に、自動車等が緊急停止すると、急停止の衝撃が起きたり、追突事故の発生も考えられなくはない。
従って本実施例は、実施例1、2、3に対し更に実際的な適用範囲の縮減を図ることにより更なる利点を付加したものである。
【実施例6】
【0150】
この実施例は、高速走行時における安全性を、更に高める制御装置を提供するものであり、図35は、本実施例の操作工程を示すブロック図である。
前述の如く、アクセルの踏み間違い事故は、ほとんどが、発信時に発生しており、ある程度走行した高速走行時には、既にアクセルとブレーキの位置の認識が出来ている。
一方、高速走行時に、自動車等のエンジンを緊急停止すると、慣性が大きいため急停止の衝撃が起きたり、後続車の追突事故も考えられる。
そうすると反って危険性が考えられるため本実施例は、それを考慮に入れた更に安全な制御装置、制御装置を提供するものであり、人間の誤動作の特徴である踏み間違い時は、ブレーキと勘違いしているため一気に限界まで踏込む特性に着目したものである。
【0151】
然るに自動車等の走行状態を詳細に観察すると、停止時からアクセルの踏込みに合わせて連続的に速度が上昇してくるため、例えアクセルをブレーキと踏み間違えたとしても、一気に高速走行状態に至ることはない。
従ってエンジンの緊急停止が起きると衝撃の大きい高速走行時は、例えば、臨界速度Va=5〜50Km/時以上の速度でこの問題が発生する。 発信時に、人が間違えてアクセルを一気に踏み込んだ場合は、臨界速度Va=5〜50Km/時未満で、エンジン停止位置Dまで踏込んでいるため、エンジン停止スイッチ9、又は29、又は112が作動状態となっており、エンジン停止信号が発信されエンジンは停止する。
【0152】
例えば、図16、図35に示すミッション装置70に対し、連結軸72を介して速度制御接点付速度計71が取付けてあり、該速度制御接点付速度計71に連結された速度信号回路73は、回路切断リレー74に連結されている。
速度制御接点付速度計71が、図35に示す臨界速度Va未満の状態では、エンジン停止スイッチ9、又は112により回路切断リレー74が作動し、エンジン停止となるように制御する。
臨界速度Va以上となるとエンジン停止スイッチ9、又は112の信号を不動作として回路切断リレー74は作動しないように構成すると、前述の高速走行時での問題は回避することが出来るのである。
【0153】
臨界速度Vaは、速度制御接点付速度計71の接点を可変とすることにより、適切な速度に設定することが可能である。
従って、通常走行時は、エンジン停止スイッチ9、又は112の作動位置まで踏込まなかった場合は、エンジン停止信号は作動せず、又臨界速度Va以上の走行時もエンジンの予期せぬ停止は起こらないのである。
この場合、警告スイッチ7、又は警告スイッチ111もエンジン停止スイッチと同様不動作としても良い。
【0154】
前述の如く、速度制御接点付速度計71が、臨界速度Va未満の状態では、警告スイッチ7、又は111により警告装置が作動し、更に踏込むとエンジン停止スイッチ9、又は112によりエンジン停止となるように制御する。
臨界速度Va以上となるとエンジン停止スイッチ9、又はエンジン停止スイッチ112の信号を不動作として回路切断リレー74を介して、警告停止回路系13を不使用とするように構成すると、前述の高速走行時での問題は回避することが出来るのである。
【実施例7】
【0155】
実施例7の作動ブロック図を、図36に示す。本実施例では、第4の工程のエンジン停止スイッチ13に当たるとエンジン停止リレー131が作動し、エンジンが停止することは同様であるが、同時にエンジン停止保持リレー132が作動し、エンジン停止状態を保持し続ける。
【0156】
運転者が次の動作として、回路選択スイッチ12をオフすると、前記エンジン停止保持リレーは、解除され、再度オンする「リセット動作」を行うと警告停止回路系13が、作動可能に復帰するよう構成されている。
そして、次にイグニッションスイッチ11をオンすることにより、エンジンは、再始動することができる。
これは、エンジン停止スイッチが切断位置9bになったとしても、エンジンが慣性により回されて、再度自動的にエンジンが作動することがある。
そうなると一旦エンジンが停止しても、再度起動されるので、エンジン停止の目的を達成できないため、エンジン停止状態を保持するように構成されたものである。
【0157】
実施例7の詳細回路図の1例を図37に示す。
エンジン停止スイッチ9は、エンジン作動時は接点9aに接続されているが、切断位置9bになった場合には、エンジン停止リレー131のコイルが励磁され、接点は、131bに切換えられ、コンピューター14への回路が切断されエンジン停止となる。
一旦9bとなると、同時に、エンジン停止保持リレー132のコイルが励磁され、132aの位置より、132bの位置に切り替えられる。それによりエンジン停止状態が保持される。
【0158】
運転者が次の動作として、回路選択スイッチ12をオフすると、エンジン停止保持リレー132のコイルの励磁が解除されるため132aの位置に復帰する。
再度オンする「リセット動作」を行うと警告停止回路系13が、復帰し作動可能になるよう構成されている。
そして、次にイグニッションスイッチ11をオンすることにより、エンジンは、再始動することができる。
【実施例8】
【0159】
実施例8の作動ブロック図を図38に示す。
最近の自動車等の発展により、イグニッションキーを用いないで、リモート式のイグニッションボタンにより起動するタイプの車が開発されている。
このタイプにおいては、イグニッションキーがないため、エンジン停止スイッチ9を作動させても、エンジン15を停止できないように構成されている。
この場合においては、エンジン停止でなく、アイドリング状態を保持することにより、衝突を緩和することができる。
【0160】
実施例8の作動ブロック図を図38に示す。
本実施例では、第4の工程のアイドリングスイッチ133が切替えられると、アイドリング指令が発信され、アイドリングリレーによりアイドリング状態となる。と同時にアイドリング保持リレーが励磁され、アイドリング状態を継続する。
運転者が次の動作として、回路選択スイッチ12をオフすると前記アイドリング保持リレーは、解除される。再度オンする「リセット動作」を行うとアイドリング回路系は、通常の状態に復帰するよう構成されている。
このように構成することで、エンジン停止ではないが、アイドリング状態を続けるため、衝撃を緩和できるのである。
【0161】
図39は、その作動回路図を示したものである。
アイドリングスイッチ133の接続が接点133aより、接点133bに切り替わると、アイドリングリレー134のコイルが励磁され、接続が134aの位置より、134bの位置に切替えられ、アクセル旋回角度センサー136は強制的にアイドリング位置となるためエンジンは、アイドリング状態となる。
【0162】
同時に、アイドリング保持リレー135のコイルが励磁され、接続が135aの位置より、135bの位置に切り替えられる。それによりアイドリング状態が保持される。
運転者が次の動作として、回路選択スイッチ12をオフすると、アイドリング保持リレー135のコイルの励磁が解除されるため135aの位置に復帰し、同時にアイドリングリレー134も復帰し、アイドリング状態を解除する。
再度オンする「リセット動作」を行うとアイドリング回路系が、復帰し再度初期状態となる。
そして、次にイグニッションスイッチ11をオンすることにより、エンジンは、再始動することができる。
【0163】
図16、及び図18のリミットスイッチ54内、又はスロットル装置15aの内部にアイドリングスイッチ133を設置することが出来る。
【0164】
このように構成すると、イグニッションボタンにより起動するタイプの車においても、エンジン停止ではなく、アイドリング状態とすることにより、衝突による衝撃を大幅に軽減することが出来るのである。
【実施例9】
【0165】
図40は、実施例9の全体概略構成図を示すものである。
自動車等1の床2には、アクセル装置101と、ブレーキ装置140が取付けられている。該アクセル装置101には、アクセル作動感知レバー122を介して、アクセル作動感知手段123が設けられている。又、ブレーキ装置140にもブレーキ作動感知手段141が設けられている。
【0166】
図41は、実施例9の作動ブロック図を示す。
エンジン停止の状態から、走行を開始するために、まずブレーキペダルを踏み、その状態でイグニッションスイッチ11をONするとエンジンが回転し、アイドリング状態となる。
アクセルペダルを踏むと、加速され、第1の工程である通常運転領域となり、走行する。
又、アクセルペダルを踏むと、アクセル作動感知手段123がアクセル踏込み中であることを感知する。
【0167】
次に、アクセルペダルが踏み込まれたまま、ブレーキペダルが踏まれると、ブレーキ作動感知手段141が、感知し、アクセルとブレーキが同時作動状態となると、その信号によりアイドリング指令が発信され、エンジンは強制的にアイドリング状態となる。
アクセル装置の作動は解除され、ブレーキペダルを踏み続けると、自動車は減速される。
【0168】
その後、更に深くアクセルペダルを踏込むと、機械的停止限界に当たり、次に第2の工程である弾性反発位置となり、以後、前記実施例1〜実施例8と同様の第3の工程、第4の工程の作動状態となる。
【0169】
図42は、実施例9の電気回路図を示す。
ブレーキペダルが踏み込まれるとエンジン制御コンピュータ14に接続されたブレーキ作動感知手段141の接点は、141bに接触し、電流は、アイドリングリレー134に流れ、コイルが励磁されて、接点134bに切替りアイドリング状態となるのである。
この場合は、アイドリング保持リレー135には電流が流れないように回路構成されているのでアイドリング状態の保持は行われない。
このように機能することで、アクセルペダルが、フロアーマットに引っかかった時の安全性を保持し、一般に「ブレーキ・オーバーライド・システム」といわれるアクセルよりブレーキが優先される、更なる安全機能を提供することができる。
【実施例10】
【0170】
本発明の実施例1〜9は、極めて優れた安全制御回路であるが、難点としては、従来の自動車に取付ける場合は、既存の制御回路に、警告停止回路系13を接続する時は、専門的技術を有する自動車整備技術者等により回路接続する必要があるため、自動車整備工場等に、依頼することとなり、一般者が簡単な部品取付け作業で回路接続をすることが困難であった。
本実施例10は、この回路接続を、ヒューズボックス150に着目し、そのスリット150aを利用することにより、一般者でも現実的に可能となった、極めて画期的な回路接続構造を提供するものである。
【0171】
本発明の実施例10を図面をもとに説明する。
図43は、実施例10の接続構造を図16の全体概略構成図に適用した全体概略構成図である。
図44は、実施例10の接続構造を図20の全体概略構成図に適用した全体概略構成図である。
図45は、実施例10の接続構造を図40の全体概略構成図に適用した全体概略構成図である。
図46は、実施例10のヒューズボックス式接続を示す概略斜視図である。
図47は、実施例10の回路結線図の一例である。
【0172】
イグニッションスイッチ11の下流側回路は、ヒューズボックス150に連結され、各スリット150aごとに分岐配線されている。
図46、図47に示す如く、その詳細構造は、通常ヒューズボックス150のスリット150aに対し、自動車の各機器の過電流等による機器故障を防止するため、ヒューズ150bが、挿入接続されている。本実施例は、この構造に着目したものである。
【0173】
図46のごとく、イグニッションスイッチ11の下流側回路は、ヒューズボックス150に連結され、各スリット150aの少なくとも一つ〜複数のスリット150aに、ヒューズ型回路接続チップ151を挿入し接続することで、警告停止回路系13を接続できることを発見したものである。
【0174】
図47のごとく、ヒューズ型回路接続チップの一方の回路151aは、外付けヒューズ152を介して回路選択スイッチ12に接続されている。
ヒューズ型回路接続チップの他方の回路151bは、回路選択スイッチ12の下流から、エンジン制御コンピュータ14に接続されている。
【0175】
このように構成することで、前述のように従来の市販車に対し、一般者でも容易に回路接続できることとなり、極めて実際的で、技術者に依頼することなく出来、価格的にも極めて安価に適用することが可能となったのである。
このことは、今社会問題となっているアクセルブレーキ踏み間違い事故の撲滅に、大きく寄与できる突破口を作ったことである。
[変形実施例]
【0176】
この発明は次のように変形して実施することを含むものである。
(1)前述のように、機械的限界に当たった後に、警告スイッチ111、及び/又はエンジン停止スイッチ112を作動させてもよい。
【0177】
(2)警告信号位置Cを省略し、弾性反発位置Bより旋回角度が増大すると、次の工程、位置を、エンジン停止位置Dとなるように構成することもできる。
【0178】
(3)警告スイッチ7、111、及び/又はエンジン停止スイッチ9、112に代えてその機能を、リミットスイッチ54内に設けてもよい。
【0179】
(4)警告スィッチ7、111、及び/又はエンジン停止スィッチ9、112を前記近接スィッチ等以外の有接点、又は無接点スィッチ等にして構成する。
【0180】
(5)弾性反発手段20は、実施例に示す床2以外のいずれに固定しても良い。
【0181】
(6)アクセル装置5とスロットル装置15aとの連結をアクセルワイヤー5cで行うアクセルワイヤー仕様車でも、アクセルワイヤー仕様以外の前述のアクセル−スロットル装置連動式の自動車等にも適用できる。
【0182】
(7)本発明は、オートマティック仕様車のほか、ギヤチェンジ仕様車に、適用することができる。
【0183】
(8)本発明は、通常のガソリン自動車の他、電気自動車、ハイブリット自動車にもエンジン、又は駆動モーターを制御することで適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0184】
本発明の活用例としては、以上説明したように、自動車等の走行制御装置、特にアクセルペダルをブレーキペダルと間違って踏込みすぎ、暴走をするのを防止するという安全上の重要機能を新車、既存車すべてに対しても簡単に、安価に適用できる極めて産業上の利用価値の高い自動車等の走行制御装置を提供することができ、特にヒューズ型回路接続チップの発明により大きな事故撲滅効果と、産業の発展に寄与することができる。
【符号の説明】
【0185】
1 車体
2 床
3 支持ブラケット
3a 固定手段
4 支点軸
5 アクセル装置
5a ストライカ手段
5b 押付部
5c アクセルワイヤー
5d 端部
6 復帰手段
7 警告スィッチ
8 警告装置
8a 音又は振動の発生装置
8b 視覚指示装置
9 エンジン停止スィッチ
10 バッテリー
11 イグニッションスィッチ
12 回路選択スィッチ
13 警告停止回路系
14 エンジン制御コンピュータ
15 エンジン
15a スロットル装置
16 点火装置
17 燃料インジェクタ
18 燃料タンク
19 燃料ポンプ
20 弾性反発手段
21 ヘッド部
22 変形部
23 取付板
24 固定手段
27 ストライカ手段
28 警告スィッチ
29 エンジン停止スィッチ
30,31 視覚指示装置
32 抵抗体
51 アクセル位置発信器
51a、52a固定具
52 受信モータ
53 連結信号
54 リミットスイッチ
55 伝達軸
56 アイドリングスイッチ
70 ミッション装置
71 速度制御接点付速度計
72 連結軸
73 速度信号回路
74 回路切断リレー
101 アクセル装置
101r アクセルアーム
101a アクセル位置発信機
101b 復帰手段
101c 停止手段
101p アクセルペダル
102 ペダル取付式警告停止装置
103 固定具
104 ベース板
105 蝶番
106 前側板
107 後側板
108 上板
109 弾性反発手段
109a 解放した状態
110 角度調整部
110a 角度調整具
111 警告スイッチ
112 エンジン停止スイッチ
113 取付具
114 ライナー
115 防水・防塵カバー
116 連結耳
117 連結軸
118、119 連結アーム
120 結合軸
121 長孔付連結耳
121a 長孔
122 アクセル作動感知レバー
123 アクセル作動感知手段
131 エンジン停止リレー
131a 接点
131b 接点
132 エンジン停止保持リレー
132a 接点
132b 接点
133 アイドリングスイッチ
133a 接点
133b 接点
134 アイドリングリレー
134a 接点
134b 接点
135 アイドリング保持リレー
135a 接点
135b 接点
136 アクセル旋回角度センサー
140 ブレーキ装置
141 ブレーキ作動感知手段
141b 接点
150 ヒューズボックス
150a スリット
150b ヒューズ
151 ヒューズ型回路接続チップ
151a ヒューズ型回路接続チップの一方の回路
151b ヒューズ型回路接続チップの他方の回路
152 外付けヒューズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車、電気自動車、ハイブリット自動車(以下「自動車等」と呼ぶ)の運転席の床面前方に設置したアクセル装置には、踏込んでない原点位置Aへ常に復帰する復帰手段を有し、前記アクセル装置は自動車等のエンジン、又は駆動モーター(以下「エンジン」と呼ぶ)と連動しており、原点位置Aから踏込んで、旋回角度が大きくなり、弾性反発位置Bとなると、運転者の足に弾性反発手段により、弾性反発力を付加することにより、過度の踏込み位置に来たことを運転者の足に体感させることにより誤動作を認知させる第1の警告認知手段と、
更に弾性反発位置B以上に旋回角度が大きくなると警告信号位置Cとなり、該警告信号位置Cで警告スイッチが感知することにより警告装置が作動し、運転者に音、光、振動のいずれか一つ若しくはそれらの組合せによる警告信号を運転者に認知させる第2の警告認知手段と、
更に旋回角度が大きくなり、エンジン停止位置Dまで旋回角度が達すると、エンジン停止スイッチが感知した信号により、エンジン制御コンピュータ、点火装置、燃料インジェクタ、又は燃料ポンプのいずれか一つ、若しくはそれらの組合せのいずれかの電源供給を切断、又はそれらへの電源電圧、電流のいずれか、又は両方を降下させることにより、エンジンを停止させる第3の警告認知停止手段を設けることを特徴とする自動車等の走行制御装置。
【請求項2】
自動車等の運転席の床面前方に設置したアクセル装置には、踏込んでない原点位置Aへ常に復帰する復帰手段を有し、前記アクセル装置は自動車等のエンジンと連動しており、原点位置Aから踏込んで、前記アクセル装置の最大旋回角度に到達し、
更に踏み込むとアクセルペダルの上面に設置されたペダル取付式警告停止装置のばね等の弾性反発手段を圧縮することにより弾性反発位置Bとなり、運転者の足に該弾性反発手段により弾性反発力を付加することにより、過度の踏込み位置に来たことを運転者の足に体感させることにより誤動作を認知させる第1の警告認知手段と、
更に弾性反発位置B以上に踏み込むと警告信号位置Cとなり、該警告信号位置Cで警告スイッチが感知することにより警告装置が作動し、運転者に音、光、振動のいずれか一つ若しくはそれらの組合せによる警告信号を運転者に認知させる第2の警告認知手段と、
更に警告信号位置より、更に踏み込みエンジン停止位置Dまで達すると、エンジン停止スイッチが感知した信号により、エンジン制御コンピュータ、点火装置、燃料インジェクタ、又は燃料ポンプのいずれか一つ、若しくはそれらの組合せのいずれかの電源供給を切断、又はそれらへの電源電圧、電流のいずれか、又は両方を降下させることにより、エンジンを停止させる第3の警告認知停止手段を設けたことを特徴とする自動車等の走行制御装置。
【請求項3】
警告スイッチは、ペダル取付式警告停止装置内に設けることなく、アクセル装置の旋回により作動する任意の位置に設置することにより、最大旋回角度以下、又はフルスロットル位置以下の踏込角度から、エンジン停止位置D以下、又はアイドリング位置以下の範囲の任意の踏込位置で警告信号を発することを特徴とする請求項1、又は2記載の自動車等の走行制御装置。
【請求項4】
ペダル取付式警告停止装置において、ペダル取付式警告停止装置の外周全体、及び/又は警告スイッチの外周全体、及び/又はアクセル作動スイッチ等の電気・電子装置を、ゴム製、合成樹脂製、布製等の防水・防塵カバーで、密封、又は略密封することにより防水・防塵等の保護機能を付与することを特徴とする請求項2、又は請求項3記載の自動車等の走行制御装置。
【請求項5】
前記弾性反発手段Bがアクセルの踏込みにより作動したときは、弾性反発手段Bに、予め初期反発力Mpを与えておき、それまでの復帰手段による反発力に対し、反発力の断続的変化を与えることを特徴とする請求項1又は請求項2、又は請求項3、又は請求項4記載の自動車等の走行制御装置。
【請求項6】
自動車等の運転席の床面前方に設置したアクセル装置には、踏込んでない原点位置Aへ常に復帰する復帰手段を有し、前記アクセル装置は自動車等のエンジンと連動しており、原点位置Aから超えて踏込むと、アクセル装置作動状態であることを感知するアクセル作動感知手段を有し、該アクセル作動感知手段の感知によりタイマーが作動開始し、第1設定時間経過により、音声接点が作動し、ボイスアナンシエータ信号又はアクセル認識音信号等の音声等を発生させることにより運転者にアクセルによる加速中であることを知らせ、ブレーキとの踏み間違いを認識させると共に、タイマーが作動開始後、第2設定時間経過すると、第2の音声接点が作動し、第2の音声等により運転者に、警告停止系又はアイドリング指令系を不使用とする音声等を発生し、第2の音声等が停止後、回路選択スイッチが作動し、警告停止回路系又はアイドリング指令系を不使用とすることを特徴とする請求項1、又は請求項2、又は請求項3、又は請求項4、又は請求項5記載の自動車等の走行制御装置。
【請求項7】
自動車等の走行制御装置において、臨界速度Va以上の走行速度において、エンジン停止スイッチを不動作とするか、又はアイドリングスイッチを不動作とするか、及び/又は警告スイッチを不動作とすることを特徴とする請求項1、又は請求項2、又は請求項3、又は請求項4、又は請求項5、又は請求項6記載の自動車等の走行制御装置。
【請求項8】
自動車等の走行制御装置において、エンジン停止スイッチが作動すると、エンジン停止リレーのコイルが励磁され、接点が切替りエンジン停止となると共に、同時に、エンジン停止保持リレーが励磁され、エンジン停止状態が保持されることにより、走行時の慣性で再度、エンジンが作動しないように構成したことを特徴とする請求項1、又は請求項2、又は請求項3、又は請求項4、又は請求項5、又は請求項6、又は請求項7記載の自動車等の走行制御装置。
【請求項9】
自動車等の走行制御装置において、アイドリングスイッチに当たると、アイドリングリレーのコイルが励磁されアイドリング状態になると共に、同時にアイドリング保持リレーのコイルが励磁され、アイドリング状態を強制的に保持することにより、アイドリング状態を保持し続けることにより、衝撃を緩和することを特徴とする請求項1、又は請求項2、又は請求項3、又は請求項4、又は請求項5、又は請求項6、又は請求項7記載の自動車等の走行制御装置。
【請求項10】
自動車等の走行制御装置において、アクセルペダルが踏み込まれたまま、ブレーキペダルが踏まれると、ブレーキ作動感知手段が感知し、アクセルとブレーキが同時作動状態となると、アイドリング指令が発信され、エンジンは強制的にアイドリング状態となることを特徴とする請求項1、又は請求項2、又は請求項3、又は請求項4、又は請求項5、又は請求項6、又は請求項7、又は請求項8、又は請求項9記載の自動車等の走行制御装置。
【請求項11】
イグニッションスイッチの下流側回路は、ヒューズボックスに連結され、各スリットの少なくとも一つ〜複数のスリットに、ヒューズ型回路接続チップを挿入し接続することで、警告停止回路系13を接続できることを特徴とする請求項1、又は請求項2、又は請求項3、又は請求項4、又は請求項5、又は請求項6、又は請求項7、又は請求項8、又は請求項9、又は請求項10記載の自動車等の走行制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【公開番号】特開2013−43625(P2013−43625A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193323(P2011−193323)
【出願日】平成23年8月19日(2011.8.19)
【出願人】(503335892)
【Fターム(参考)】