説明

自動車

【課題】車体の車幅方向下部を構成するロッカパネルと、ロッカパネルに固定され、それを覆うロッカモールとを有し、ロッカモールの下端部がロッカパネルの下端部よりも下方に位置している自動車において、昇降装置によって自動車を上昇させる際、その昇降装置のアームがロッカモールの下端部に干渉しないようにする。
【解決手段】昇降装置11のアーム13の先端部をロッカパネル2とロッカモール8の下方の空間に差し込み、アームとそのアームの先端部に設けられた受け部材15とを上昇させて自動車を持ち上げる際に、受け部材によって受け止められる自動車の部位であるジャッキアップポイントPを、ロッカモールよりも車幅方向中心CL側であって、ロッカパネルの下方に形成し、アームがロッカモールの下端部に干渉しないように、ジャッキアップポイントPの下面22は、そのポイントP以外のロッカモール部分19の下面よりも下方に位置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体のほぼ前後方向に延びていて、該車体の車幅方向各側部の下部を構成するロッカパネルと、該ロッカパネルに固定され、かつ該ロッカパネルに沿って延びていると共に、当該ロッカパネルの車幅方向外側面の少なくとも一部を覆うロッカモールとを有し、該ロッカモールの下端部は、前記ロッカパネルの下端部よりも下方に位置している自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
車体の車幅方向各側部の下部を、骨格部材としてのロッカパネルにより構成することは従来より周知である(特許文献1参照)。また、自動車の外観を高めるため、ロッカパネルの車幅方向外側面の少なくとも一部を、ロッカモールによって覆うことも従来より広く知られている。
【0003】
図4は、従来の自動車の概略側面図であり、図5は図4に示した自動車の概略平面図である。また、図6は図4のVI−VI線に沿って切断した概略拡大断面図であって、後述する昇降装置を付加した図であり、図7は、昇降装置のアームを上昇させたときの図6と同様な断面図である。図4及び図5における符号Frは自動車の前進方向を示し、図5乃至図7における符号Wは自動車の車幅方向を示している。さらに、符号CLは、車体1の車幅方向中心を示している。本明細書における「前」又は「後」なる文言は、前進方向Frを基準とした前後を意味する。これらは、後に説明する図8乃至図10、図1及び図2においても同様とする。
【0004】
図4に示すように、車体1の車幅方向各側部に形成されたドア開口には、サイドドア20,21が開閉自在に配置されているが、図6及び図7には、サイドドア20,21の図示は省略してある(図8乃至図10、図1及び図2においても同じ)。
【0005】
図6に示したように、一般にメインボデーとも称せられている車体1は、自動車の前進方向Frに見て左右対称に構成され、該車体1の車幅方向Wにおける各側部の下部は、その車体1のほぼ前後方向に延びているロッカパネル2によって構成されている。各ロッカパネル2は、車内側に位置するインナパネル3とそのインナパネル3よりも車幅方向車外側に位置するアウタパネル4とを有し、両パネル3,4の上部の合せフランジ部5は、スポット溶接によって互いに一体に固着され、下部の合せフランジ部6もスポット溶接により一体に固着されている。インナパネル3とアウタパネル4は、例えば鋼板により構成されている。
【0006】
各ロッカパネル2のインナパネル3には、車体1の床面を構成するフロアパネル7のフランジ部がそれぞれスポット溶接により固着されていて、このフロアパネル7も例えば鋼板により構成されている。
【0007】
各ロッカパネル2には、例えば樹脂により構成されたロッカモール8がそれぞれ固定され、これらのロッカモール8は、例えば図示していないクリップ又はボルトなどによって、各ロッカパネル2のアウタパネル4に固定されている。図4及び図6から判るように、各ロッカモール8は、ロッカパネル2に沿って、車体1のほぼ前後方向に延びていて、各ロッカパネル2の車幅方向外側面の少なくとも一部を覆っている。
【0008】
図4乃至図7に示した自動車の各ロッカモール8は、図6及び図7から明らかなように、その下端部9が、各ロッカパネル2の下端部10よりも下方に位置している。ロッカモール8の下端部9を、このような低い位置に設定することにより、自動車の見た目上の車高を低くすることができ、自動車の外観を向上させることができる。
【0009】
ところで、整備工場などにおいて、自動車を修理し、又は点検する際、例えば図5に示したような昇降装置11を用いて自動車を上方に持ち上げてから所定の作業を行うのが普通である。図5に示した昇降装置11は、車体1の車幅方向各側方に位置する一対の支柱12と、その各支柱12から突出した一対のアーム13,14と、その各アーム13,14の先端部に設けられた受け部材15,16とを有している。各一対のアーム13は、各支柱12に設けられた図示していない駆動装置によって、図5に二点鎖線で示した退避位置と、実線で示した使用位置との間を水平方向に揺動すると共に、上下方向に昇降し得るように各支柱12に支持されている。また、図6及び図7に示すように、各受け部材15の下部にはおねじが形成され、そのおねじが各アーム13の先端部に形成されたねじ孔にねじ込まれていて、各受け部材15を手で回すことによって、その受け部材15を各アーム13に対して昇降させることができる。他方のアーム14と、その先端部に設けられた受け部材16も全く同様に構成されている。
【0010】
自動車を上昇させるには、図5に二点鎖線で示した退避位置にあった各アーム13,14を、前述の駆動装置によって矢印A方向に回動させる。これにより、各アーム13は、図6に矢印Aで示すように、ロッカパネル2及びロッカモール8と、床面25との間の空間に差し込まれ、各アーム13が使用位置にもたらされる。他方のアーム14も全く同様にして使用位置に移動する。
【0011】
次いで、前述の駆動装置の作動により、アーム13とその先端部に設けられた受け部材15が、図7に矢印Bで示すように上方に持ち上げられ、これによって受け部材15は、ロッカパネル2のインナパネル3に固着された鋼板より成るステー17に係合する。このとき、ステー17の下端は、受け部材15の上面に形成された溝18に嵌合して、受け部材15がステー17に対して位置決めされる。引き続き受け部材15が上昇することによって、自動車の全体が上方に持ち上げられる。他方の受け部材16も、全く同様にしてアーム14と共に上昇して、ロッカパネル2に固着された図示していないステーに係合して、自動車を上方に持ち上げる。このようにして自動車の全体を最上方位置に持ち上げることができるので、作業者は楽に所定の作業を行うことができる。
【0012】
ところで、前述のように、昇降装置11のアーム13,14の先端部をロッカパネル2とロッカモール8の下方の空間に差し込み、そのアーム13,14と当該アーム13,14の先端部に設けられた受け部材15,16とを上昇させて自動車を持ち上げる際に、受け部材15,16によって受け止められる自動車の部位は、一般にジャッキアップポイントと称せられている。図6及び図7に示した従来の自動車においては、そのジャッキアップポイントPが、ロッカパネル2に固着されたステー17と、そのステーと同じく構成された図示していないステーとによって構成されている。上昇する各受け部材15,16が、ロッカパネル2に固着された各ステーに係合して、自動車の全体を上方に持ち上げるのである。このように従来の自動車には、ステー17が設けられているのであるが、かかるステー17を設けた理由は以下のとおりである。
【0013】
図8及び図9は、図6及び図7に示したステー17が設けられていない点を除き、図6及び図7と同じく構成された自動車と昇降装置11を示す断面図である。この自動車の場合も、これを上昇させるときは、図8に示したアーム13と受け部材15を、矢印Aで示すようにロッカパネル2の下方にもたらし、次いで図9に矢印Bで示すように、アーム13と受け部材15を上昇させればよい。このとき、図8及び図9に示したロッカパネル2には、図7に示したステー17が設けられていないので、受け部材15を、ロッカパネル2の下部に当接させて自動車を上昇させることになるが、ロッカモール8の下端部9は、図8に示したように、ロッカパネル2の下端部10よりも下方に位置しているので、アーム13が上昇したとき、図9に示したように、そのアーム13がロッカモール8の下端部9に干渉し、該モール8を変形させ、ないしは破損させてしまうおそれがある。
【0014】
そこで、従来は図6及び図7に示したように、ロッカパネル2のインナパネル3に、そのロッカパネル2の下端部10よりも下方に突出したステー17、及びこれと同じく構成された図示していないステーを固着し、受け部材15,16を図7に示したように上昇させたとき、受け部材15,16によってステー7の下端部を受け止め、各アーム13,14がロッカモール8に干渉しないようにしているのである。
【0015】
ところが、車体1のロッカパネル2にステー17を固着すると、次に示す欠点を免れない。
【0016】
一般に、図6に示したフロアパネル7と、その車幅方向各側部に固着されたロッカパネル2との組立体は、アンダーボデーと称せられている。その際、自動車の製造コストを低減する目的で、異なった車種の自動車に対して、同じ形態のアンダーボデーを用いることが行われている。図6に示した自動車のアンダーボデーと同じ形態のアンダーボデーを、他の車種の自動車のアンダーボデーとしても用いるのである。アンダーボデーを共通化するのである。
【0017】
ところで、前述のように、図6に示した自動車のロッカモール8は、その下端部9が、ロッカパネル2の下端部10よりも下方に位置している。これに対し、図10の(a)に示すように、下端部9がロッカパネル2の下端部10よりも上方に位置したロッカモール8を有する自動車も存在する。かかる自動車の場合に、図6に示したステー17をロッカパネル2に固着すると、そのステーが自動車の側方から見えてしまい、その外観が低下する。従って、図10の(a)に示した自動車の場合には、図6に示したステー17は設けられていない。この場合、昇降装置11によって自動車を持ち上げるには、アーム13,14と受け部材15,16を、図10の(a)に矢印Aで示すように、ロッカパネル2の下方にもたらし、次いで図10の(b)に矢印Bで示すように、アーム13,14と受け部材15,16を上昇させ、その受け部材15,16をロッカパネル2の下部に当接させて、自動車を上昇させることになるが、このとき、ロッカモール8の下端部9は、ロッカパネル2の下端部10よりも上方に位置しているので、アーム13,14がロッカモール8に干渉することはない。
【0018】
上述のように、図6に示した自動車のアンダーボデーを構成するロッカパネル2にはステー17が固着され、図10に示した自動車のアンダーボデーを構成するロッカパネル2にはステーは設けられていない。このため、図6及び図10に示したアンダーボデーのロッカパネル2とフロアパネル7の構造が全く同じであったとしても、図6に示した車種のアンダーボデーと同じ形態のアンダーボデーを、図10に示した車種のアンダーボデーとして用いることはできない。ステー17の有無により、アンダーボデーを共通化することができないのである。これにより、自動車のコストを思うように下げることはできない。
【0019】
【特許文献1】特開2003−95143号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明の目的は、上述した従来の欠点を除去した自動車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、車体のほぼ前後方向に延びていて、該車体の車幅方向各側部の下部を構成するロッカパネルと、該ロッカパネルに固定され、かつ該ロッカパネルに沿って延びていると共に、当該ロッカパネルの車幅方向外側面の少なくとも一部を覆うロッカモールとを有し、該ロッカモールの下端部は、前記ロッカパネルの下端部よりも下方に位置している自動車において、昇降装置のアームの先端部を前記ロッカパネルとロッカモールの下方の空間に差し込み、該アームと当該アームの先端部に設けられた受け部材とを上昇させて自動車を持ち上げる際に、該受け部材によって受け止められる自動車の部位であるジャッキアップポイントを、前記ロッカモールの下端部よりも車幅方向中心側であって、前記ロッカパネルの下方に位置するロッカモール部分に形成し、前記昇降装置のアームと受け部材とを上昇させて自動車を上方に持ち上げるとき、該アームが前記ロッカモールの下端部に干渉しないように、該受け部材に対向する前記ジャッキアップポイントの下面は、当該ジャッキアップポイントの前後のロッカモール部分の下面よりも下方であって、前記ロッカモールの下端部よりも上方に位置していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、昇降装置のアームとそのアームの先端部に設けられた受け部材を上昇させて自動車を持ち上げるとき、該アームがロッカモールに干渉することを防止できる。しかも、ジャッキアップポイントが車体ではなく、その車体のロッカパネルに固定されたロッカモールに設けられているので、或る車種の自動車と他の車種の自動車のロッカモールの形態が異なっていても、両車種の自動車のアンダーボデーを共通化することが可能となり、自動車の製造コストを確実に低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態例を図面に従って詳細に説明する。
【0024】
図1及び図2は本例の自動車と、その自動車を昇降させる昇降装置11を示す、図6及び図7と同様な断面図である。ここに示した自動車の基本構成と、その外観、及び昇降装置11の構成は、図4乃至図7に示した自動車及び昇降装置と変わりはない。すなわち、本例の自動車も、車体1のほぼ前後方向に延びていて、該車体1の車幅方向各側部の下部を構成するロッカパネル2と、該ロッカパネル2に固定され、かつ該ロッカパネル2に沿って延びていると共に、当該ロッカパネル2の車幅方向外側面の少なくとも一部を覆うロッカモール8とを有し、該ロッカモール8の下端部9は、ロッカパネル2の下端部10よりも下方に位置している。
【0025】
図1乃至図3においては、図4乃至図7に示した自動車及び昇降装置と同一の部分に対して、図4乃至図7に付した符号と同一の符号を付してある。これにより同一部分は明らかであるため、同一部分についてのこれ以上の説明は省略する。また、以下の説明においても、必要に応じて、図5を参照して、図5に示した自動車と昇降装置が、本例の自動車と昇降装置であるとして説明を進めることにする。
【0026】
本例の自動車が従来の自動車と異なるところは、図1に矢印Aで示したように、昇降装置11のアーム13の先端部をロッカパネル2とロッカモール8の下方の空間に差し込み、次いで図2に矢印Bで示したように、アーム13と当該アーム13の先端部に設けられた受け部材15とを上昇させて自動車を持ち上げる際に、受け部材15によって受け止められる自動車の部位であるジャッキアップポイントPが、ロッカモール8に形成されていて、図6及び図7に示したステー17は設けられていない点である。このジャッキアップポイントPは、ロッカモール8の下端部9よりも車幅方向中心CLの側であって、ロッカパネル2の下方に位置するロッカモール8の部分に形成されている。かかるジャッキアップポイントPは、特に図3に示すように、該ジャッキアップポイントPの前後のロッカモール8の部分19よりも板厚が厚くなったブロック状に形成されている。より具体的には、図2に示すように、昇降装置11のアーム13と受け部材15とを上昇させて自動車を上方に持ち上げるとき、該アーム13がロッカモール8の下端部9に干渉しないように、受け部材15に対向するジャッキアップポイントPの下面22が、当該ジャッキアップポイントPの前後のロッカモール部分19の下面よりも下方に位置している。その際、このジャッキアップポイントPの下面22は、ロッカモール8の下端部9よりも上方に位置している。また、本例のロッカモール8は、受け部材15の上面に形成された溝18に係合する位置決め突起23を有しているので、この位置決め突起23の下面と、その位置決め突起23に隣接するジャッキアップポイントPの下面部分とが、受け部材15に対向するジャッキアップポイントPの下面22となる。図2に示すように、本例の自動車においては、溝18の底面を含めた受け部材15の上面の全体が、ジャッキアップポイントPの下面22に当接して、その受け部材15の上昇により、自動車が上方に持ち上げられるが、受け部材15の上面の一部だけが、ジャッキアップポイントPの下面22に当接して自動車が持ち上げられるように構成することもできる。また位置決め突起23を省略し、ジャッキアップポイントPの下面22を、例えば平坦に形成することもできる。
【0027】
図5に示した他方の受け部材16が上昇したとき、その受け部材16に受け止められるジャッキアップポイントも上述したジャッキアップポイントPと全く同様に構成されている。
【0028】
上述のように、ジャッキアップポイントPは、その下面22が、ジャッキアップポイントPの前後のロッカモール部分19の下面よりも下方に位置しているので、ロッカモール8の下端部9がロッカパネル2の下端部10よりも低くなってはいるが、自動車を持ち上げる際に、アーム13がロッカモール8の下端部9に干渉することを阻止できる。
【0029】
しかも、ジャッキアップポイントPが、車体1ではなく、ロッカパネル2に固定されたロッカモール8に形成されているので、或る車種の自動車と他の車種の自動車のロッカモールの形態が異なっていても、両車種の自動車のアンダーボデーを共通化することができる。例えば、図1に示したロッカモール8と図10に示したロッカモール8の形態は異なっているが、図1に示したアンダーボデーにも、図10に示したアンダーボデーにも、図6に示したステー17が設けられていないので、図1及び図10に示した各車種の自動車のアンダーボデーを共通化することができるのである。これにより、自動車の製造コストを低減することができる。
【0030】
さらに、ブロック状に形成されたジャッキアップポイントPの下面22は、ロッカモール8の下端部9よりも上方に位置しているので、通常は、車体の車幅方向外方から、ジャッキアップポイントPを目視することはできない。このため、ブロック状のジャッキアップポイントPが設けられていても、自動車の外観が低下することはない。それとは逆に、ジャッキアップポイントPの下面22は、そのポイントPの前後のロッカモール部分19の下面よりも下方に位置していて、そのジャッキアップポイントPが下方に突出しているので、ジャッキアップポイントPを覗き込めば、その位置を容易に視認することができる。これにより、ジャッキアップポイントPと受け部材15とを楽に位置決めすることができる。
【0031】
また、図1乃至図3に示したブロック状のジャッキアップポイントPと、その他のモールの部分とを一体に成形して、一部品より成るロッカモール8を製造することもできるし、ブロック状のジャッキアップポイントPと、その他のモールの部分とを別々に成形し、しかる後、ブロック状のジャッキアップポイントPを、その他のモールの部分に、接着剤又はその他の連結手段によって接合してロッカモール8を製造することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】自動車のアンダーボデーと、これに固定されたロッカモールと、昇降装置とを示す、図6と同様な概略断面図である。
【図2】昇降装置によって自動車を上昇させるときの様子を示す概略断面図である。
【図3】ロッカモールを斜め下方から見たときの斜視図である。
【図4】自動車の概略側面図である。
【図5】自動車と昇降装置の概略平面図である。
【図6】図4のIV−IV線に沿って切断した従来の自動車の概略拡大断面図である。
【図7】図6に示した自動車を昇降装置によって上昇させるときの様子を示す概略断面図である。
【図8】ステーを有していない従来の自動車を示す、図6と同様な断面図である。
【図9】図8に示した自動車を昇降装置によって上昇させるときの不具合を示す概略断面図である。
【図10】図6に示したロッカモールとは形態の異なるロッカモールを有する自動車と、その自動車を上昇させるときの様子を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 車体
2 ロッカパネル
8 ロッカモール
9,10 下端部
11 昇降装置
13,14 アーム
15,16 受け部材
19 ロッカモール部分
22 下面
CL 中心
P ジャッキアップポイント
W 車幅方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体のほぼ前後方向に延びていて、該車体の車幅方向各側部の下部を構成するロッカパネルと、該ロッカパネルに固定され、かつ該ロッカパネルに沿って延びていると共に、当該ロッカパネルの車幅方向外側面の少なくとも一部を覆うロッカモールとを有し、該ロッカモールの下端部は、前記ロッカパネルの下端部よりも下方に位置している自動車において、
昇降装置のアームの先端部を前記ロッカパネルとロッカモールの下方の空間に差し込み、該アームと当該アームの先端部に設けられた受け部材とを上昇させて自動車を持ち上げる際に、該受け部材によって受け止められる自動車の部位であるジャッキアップポイントを、前記ロッカモールの下端部よりも車幅方向中心側であって、前記ロッカパネルの下方に位置するロッカモール部分に形成し、前記昇降装置のアームと受け部材とを上昇させて自動車を上方に持ち上げるとき、該アームが前記ロッカモールの下端部に干渉しないように、該受け部材に対向する前記ジャッキアップポイントの下面は、当該ジャッキアップポイントの前後のロッカモール部分の下面よりも下方であって、前記ロッカモールの下端部よりも上方に位置していることを特徴とする自動車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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