説明

自動輝度制限回路

【目的】 ブラウン管のホワイトバランスが合わなくなることを防止しうる自動輝度制限回路を提供することを目的とする。
【構成】 映像信号を増幅する増幅部20と、能動素子によって画面のコントラストを調整するコントラスト調整部20と、増幅部10及びコントラスト調整部20の出力を制御してブラウン管の映像信号レベル及びコントラストを自動的に調整する制御部30とよりなる。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案はブラウン管の自動輝度制限回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来はブラウン管の輝度を手動で調整していたが、ブラウン管の輝度が増加するとブラウン管に入力される映像信号レベルが大きくなり白色及び黒色レベルが 明るくなるのでブラウン管のホワイトバランスが合わなくなる問題点があった。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本考案は前記のような従来の問題点を解決するものであり、本考案の目的は、ブラウン管に印加される映像信号レベルとコントラストが分離されるようにした後ブラウン管のアノード側に印加される高圧によって制御されるようにすることによりブラウン管のホワイトバランスが合わなくなることを防止すると同時に画面の輝度調整性能を向上せしめることができる自動輝度制限回路を提供することにある。
【0004】
前記の目的を達成するための本考案の特徴は、映像信号を増幅する増幅手段と、能動素子を通じて画面のコントラストを調整するコントラスト調整手段とが具備された回路において、前記増幅手段及びコントラスト調整手段の出力側間に構成され、ブラウン管のアノード側に印加される高圧が制御素子を通して前記増幅手段及びコントラスト調整手段の出力を制御させる制御手段を有することを特徴とする自動輝度制限回路にある。
【0005】
【実施例】
以下、本考案の実施例を添付図面によって詳細に説明する。
図は本考案の実施例を説明するための回路図であり、増幅部10は電源B+ と入力端子I1 の映像信号がバイアス抵抗R3 −R11及び雑音除去用コンデンサC1と接続されたトランジスタQ2 −Q5 を通して増幅されて差動増幅用トランジスタQ2 のコレクタ側から出力端子O1 後端のブラウン管のカソード側に印加されるように構成したのであり、コントラスト調整部20は電源B+ が抵抗R1 ,R2 及び可変抵抗VR1を通してトランジスタQ1 を駆動させて画面のコントラストを調整するように構成してある。
【0006】
そして、制御部30はフライバックトランスFBTの2次側から出力端子O1 後端に印加される高圧がバイアス抵抗R13−R16とダイオードD2 を通してトランジスタQ6 ,Q7 を駆動させて増幅部10とコントラスト調整部20を制御するように構成してある。また、符号D1 ,R12はフライバックトランスFBTの2次側に接続された整流用ダイオード及び抵抗である。
【0007】
このように構成された本考案の作用効果を述べると次の通りである。
本考案の回路図にて、電源B+ が各バイアス抵抗R3 −R8 を通してトランジスタQ2 −Q4 を“ターンオン”させることによって入力端子I1 に印加された映像信号が差動増幅用トランジスタQ2 ,Q3 を通して増幅され、出力端子O1 の後端のブラウン管のカソード側に印加される。この際電源B+ がバイアス抵抗R1 とコントラスト調整用可変抵抗VR1を通してトランジスタQ1 を“ターンオン”させた後電源B+ が抵抗R9 ,R2 とトランジスタQ1 を通して接地へ流れることによって画面のコントラストが可変抵抗VR1の調整によって調整される。
【0008】
これと同時にトランジスタQ5 のベース側に低電圧が印加されてPNP形トランジスタQ5 を“ターンオン”させることによってトランジスタQ5 を通して増幅された電源B+ が雑音除去用コンデンサC1を通して差動増幅用トランジスタQ3 のバイアス電圧を安定させ、この際、抵抗R12を通してフライバックトランスFBTの2次側に誘起された電源B+ が整流用ダイオードD1 を通して整流した後出力端子O2 後端のブラウン管のアノード側に高圧を印加せしめることによって、ブラウン管の正常的な画面が再生される。ここで、ブラウン管画面の輝度が増加されると、フライバックトランスFBTを通って出力端子O2 後端に印加される高圧が増加されることによってトランジスタQ6 のベース側に定電圧が誘起されてトランジスタQ6 を“ターンオン”させた後、電源B+ が抵抗R14,R13とトランジスタQ6 を通してトランジスタQ7 を“ターンオン”させ接点Dに印加された電源B+ がトランジスタQ7 と抵抗R16とを通して接地へ流れ、コントラスト調整用トランジスタQ1 に印加される電源B+ が減少される。又、これによって、ブラウン管の輝度を自動的に減少させることができ、この際、使用者が可変抵抗VR1を調整すると画面の輝度を手動的にも調整できる。
【0009】
これと同時に、トランジスタQ5 を通して増幅された電源B+ が抵抗R11を通って接地に流され差動増幅用トランジスタQ3 のバイアス電圧を監視せしめることによって出力端子O1 と接続されたブラウン管のカソード側に印加される映像信号レベルが自動的に減少されブラウン管のホワイトバランスが自動的に調整されることによって正常的な画面が再生されうる。
【0010】
従って、ブラウン管の画面の輝度が増加されると、コントラスト調整部20と増幅部10の出力が自動的に減少されることによってブラウン管の輝度とホワイトバランスを自動的に調整することができるので、本考案はブラウン管のABL (AUTO BEAM LIMIT)回路と接続されて使用することができる。
【0011】
【考案の効果】
前述の様に、本考案は、ブラウン管のアノード側に印加される高圧がブラウン管のカソード側に印加される映像信号レベルとコントラスト調整部を制御するように構成したものであり、画面の輝度調整性能を向上せしめたブラウン管の自動輝度の制限回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の回路図である。
【符号の説明】
10 増幅部
20 コントラスト調整部
30 制御部
1 入力端子
1 ,O2 出力端子
1 −R6 抵抗
VR1 可変抵抗
1 −Q7 トランジスタ
1 ,D2 ダイオード
FBT フライバックトランス
+ 電源

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 映像信号を増幅する増幅手段と、能動素子によって画面のコントラストを調整するコントラスト調整手段と、前記増幅手段及びコントラスト調整手段の出力を制御してブラウン管の映像信号レベル及びコントラストを自動的に調整する制御手段とよりなり、ブラウン管ビーム電流が限界値を超過して出力された際のブラウン管のアノード側に印加される高圧電圧の増加によって前記制御手段の能動素子がターンオンされて前記限界値を超過したブラウン管ビーム電流は接地へ流され、その結果前記コントラスト調整手段のコントラスト調整用能動素子に印加される電源B+ 電圧が減らされブラウン管ビーム電流が自動的に減らされる構成とされ、これと同時に前記増幅手段の能動素子によって増幅された電源B+ 電圧が前記増幅手段の他の能動素子のバイアス電圧を減少させることによってブラウン管カソードに印加される映像信号のレベルが自動的に減少されブラウン管のホワイトバランスが自動的に調整される構成とされたことを特徴とする自動輝度制限回路。
【請求項2】 前記増幅手段は電源B+ 電圧がバイアス抵抗R3 −R8 及びコンデンサC1を介してトランジスタQ2 −Q4 を駆動するように構成すると共に入力端子I1 に印加された映像信号が差動増幅用トランジスタQ2 −Q4 によって増幅されるように構成し、かつ電源B+ 電圧がバイアス抵抗R8 −R10を介してトランジスタQ5 を駆動させトランジスタQ3 のバイアス電圧が安定するように構成した請求項1記載の自動輝度制限回路。
【請求項3】 前記コントラスト調整手段は電源B+ 電圧がバイアス抵抗R1 ,R2 及び可変抵抗VR1を介してトランジスタQ1 を駆動させることによって画面のコントラストが調整されるように構成された請求項1記載の自動輝度制限回路。
【請求項4】 抵抗R12とフライバックトランスFBT及びダイオードD1を介してブラウン管のアノード側に高圧電圧を印加する電源B+ 電圧がバイアス抵抗R13−R16及びダイオードD2 を介してトランジスタQ6 ,Q7 を連続駆動させることによって前記コントラスト調整手段と増幅手段とのトランジスタQ1,Q5 が自動的に制御されるように構成した請求項1,2又は3記載の自動輝度制限回路。

【図1】
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【公開番号】実開平7−1664
【公開日】平成7年(1995)1月10日
【考案の名称】自動輝度制限回路
【国際特許分類】
【出願番号】実願平6−1601
【出願変更の表示】特願平1−175381の変更
【出願日】平成1年(1989)7月6日
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)