自動連続ランダム・アクセス分析システム及びその構成要素
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体試験サンプルを分析するための自動分析システム及び方法に関する。すなわち、本発明は、複数の検定、特にヘテロジニアス免疫学的検定法またはホモジニアス免疫学的検定法、あるいはその両方を同時に実行できる連続ランダム・アクセス・システムに関する。さらには、本発明はそのようなシステムに組み込まれ、そのようなシステムによって使用される様々な構成要素に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】サンプルの化学試験、免疫化学試験、及び生物学試験用の様々な周知の臨床アナライザが利用可能だが、新しいレベルのサービスの提供を求める臨床研究所での需要が増大しているため、臨床技術は急速に変化している。このような新しいレベルのサービスは、労務費等の操業費用を削減するために、より費用効果が高くなければならず、患者の入院期間を短縮すると共に、外来治療の効率を向上するために試験結果のターンアラウンド・タイムを短縮しなければならない。分析装置及び手順を近代化するには、臨床研究所に課された増大する課題を満たすように作業ステーションを統合する必要がある。
【0003】一般に、試験サンプルの分析には、一つ又は複数のアナライトに関する試験サンプルと一つ又は複数の試薬との反応が関与し、各試験サンプルに関して分析を選択的に実行することが望まれることが多い。しかし、ボリューム・スループットに関する要求だけでなく様々な分析の数及び頻度に関する厳しい要求も臨床研究所に課されるため、正確な分析結果と、高スループットと、複数試験メニューによる使い勝手と、低試薬消費量とを組み合わせることができる自動分析システムを提供する必要がある。
【0004】通常、試験サンプルの分析には、試験サンプル及び一つ又は複数の試薬を備えた反応混合物を形成することが含まれており、反応混合物は次いで、試験サンプルの一つ又は複数の特性に関して、ある装置によって分析される。自動臨床アナライザが信頼できるのであれば、技術者が実行すべき作業が少なくなるので、研究所の手順効率が向上する。自動臨床アナライザは、結果を極めて迅速に提供し、同時に、オペレータ又は技術者の誤りを回避することが多く、従って様々な試験に関する正確さ及び反復性を特徴としている。現在、研究所のルーチン試験に利用可能な自動臨床アナライザは、様々なオペレーティング・ステーションの間で液体サンプルの容器を輸送するように設計された輸送システム又はコンベア・システムを含む。例えば、試験サンプルを含む反応チューブ又はキュベットは、試薬充填ステーション、混合ステーション、反応形成ステーション、検出ステーション、分析ステーション等を通過することができる。しかし、そのような輸送システムは、輸送が一方向であり、反応チューブ又はキュベットが、装置内に挿入された後、分析が行われる前にアクセスなしで通過させなければならないという点で融通性がない。
【0005】様々な異なる検定ステップを伴う方法を利用するが、通常検定プロセス中に反応混合物の光学的変化の検出及び測定に依存するAbbott IMx(R) アナライザや Abbott TDx(R) アナライザ(Abbott Laboratories, Abbott Park, Illinois, USA )等の自動免疫検定法アナライザが提供されている。例えば、単一波長又は複数波長の蛍光を使用する多数の周知の技術には、ホモジニアス免疫検定法技術を使用する蛍光偏光免疫学的検定法 (FPIA)、ヘテロジニアス免疫学的検定法技術等を使用 する微粒子酵素免疫学的検定法(MEIA)を含む。Abbott IMx(R) アナライザ上で使用されるもの等のMEIA技術は、より高い感度を必要とする高分子量及び低分子量のアナライトに使用され、Abbott TDx(R) アナライザ上で使用されるもの等のFPIA技術は主として、より低い分子量のアナライトに使用される。表面蛍光測定器は、MEIA検定で生成される蛍光生成物を定量化するために使用されるが、蛍光偏光光学システムはFPIA検定での抗体とのトレーサ結合の度合いを定量化するために使用される。試験サンプルは、Abbott IMx(R) アナライザ及びAbbott TDx(R) アナライザでは、分注プローブと、サンプルを処理できるように位置決めする回転カルーセルを含むロボット・アームによって自動的に処理される。これらの器具は小形卓上用アナライザであり、完全に自動化された容易な免疫学的検定法試験機能を、定型免疫学的検定法及び特殊免疫学的検定法の両方に提供する。これらの異方性方法によって放射能処分問題が解消され、試薬の貯蔵寿命が延び、同時に複数の異なる検定の様々な要件が満たされる。
【0006】上記で説明した一方向専用システムのように、試験サンプルを容器に装填して連続的試験を得る代わりに、バッチ・ア ナライザと呼ばれることが多いAbbott IMx(R) アナライザ及びAbbott TDx(R) アナライザでは、複数のサンプルを分析することができ、かつ次の反応混合物を形成するために試験サンプルにアクセスすることができる。しかし、そのようなバッチ・アナライザでは一度に一種類の分析しかできない。ランダム・アクセス・アナライザでは、複数の試験サンプルを分析できるだけでなく、複数のアナライトを各試験サンプルから分析することができる。現在利用可能な連続アナライザ及びランダム・アクセス・アナライザの他の共通的な特徴は、分注のために様々な試薬を装置自体の内部に含め、あるいは装置の近くに配置することである。バルク形態の液体試薬が、試験サンプルに対して実行すべき様々な種類の試験用に選択され、装置中又は装置の近くに貯蔵される。実行すべき試験の種類に応じて異なる試薬を混合できるように、ポンプ等の試薬供給装置が、弁、制御機構、及びピペット機構と共に、これらの自動化アナライザに含まれている。Abbott IMx(R) アナライザは、試験サンプルの分析に必要な全てのステップを自動的に実行し、検定を完了まで走らせることができて結果が有効なものになるようにするためのサブシステムの多数の検査を含む。MEIA方式での蛍光強度の定量化及びFPIA方式での偏光と、最終的なデータ縮小とは、アナライザ上で完全に自動化されている。結果は、アナライザによって印刷され、研究所のコンピュータによる自動データ収集用の適当な手段を介してアクセスすることができる。 ホモジニアス検定を実行するための自動分析装置、試験サンプルセル中の抗原と抗体との反応によって形成されて光散乱中心を形成する沈殿物の検出、及び免疫学的結合反応を検出する方法及び装置も当技術分野で知られている。そのような装置及び方法は例えば、抗体によって吸収される光を使用することによって抗原−抗体反応の前後に抗体を含む液体媒体の光吸収を測定するステップと、吸収の差を計算するステップとを含む。このように、結合の有無は、結合反応が抗体の濃度を減らし、そのことが液体媒体の光吸収に影響を及ぼすという事実に基づいて検出することができる。ホモジニアス検定を実行する方法及び装置に典型的なように、これらの手順は、次の分析のために固相を反応混合物から分離することを必要としない。
【0007】ヘテロジニアス検定も、サンプル・アナライザを使用して、例えばサンプル中の蛍光粒子によって蛍光状態が発生するように光源をサンプル上に集束することによって液体試験サンプル中の比較的少量の臨床的に重要な化合物を定量化することによって知られている。蛍光状態の強度は、光ビームの強度とサンプル中の蛍光粒子の濃度の関数である。検出器は、光子が、光ビームによって励起されると粒子の蛍光放出を形成することを感知する。固相材料をサンプルに導入するには、その後に、次の分析のために固相を反応混合物から分離する必要があり、そうしないと、蛍光放出を検出して測定することができなくなる。
【0008】最近、様々なホモジニアス検定及びヘテロジニアス検定を同じサンプルに対して選択的にかつランダム・アクセス的に実行するための装置及び方法が提案されている。そのような装置及び方法は複数の液体サンプルの分析を行い、各サンプルは、ホモジニアス検定技術とヘテロジニアス検定技術の両方を使用して少なくとも一つのアナライトに関して分析される。
【0009】自動分析器具内の流体が検定手順中に実行され得る精度及び正確さは、そのような器具によって流体を吸入し吐出できる精度及び正確さと密接に関係している。器具内のシリンジ及び同様な装置は、そのような吸入ステップ及び吐出ステップを提供できるが、以前に提案されたそのようなシリンジの性能は、シリンジ中の気泡の存在によってひどく低下することが多い。そのようなシリンジの既存の構成及び設計は一般に、そのような気泡を除去する効率的な手段を有していない。例えば、突然シリンジをタッピングする等の、様々な比較的非効率的で厄介な手動技術が、シリンジから気泡を流出させるために使用されている。従って、精密で正確な吸入ステップ、吐出ステップ、及び気泡流出ステップを提供し、同時に、気泡を流体システムから自動的に完全に流出させることによって以前に発生していた問題を回避するためのシリンジ又は同様な装置を含む流体システムが依然として必要である。
【0010】従来技術の大部分はバッチ対自動システムだったので、以前は、分析システムの光学アセンブリ内の蛍光灯の寿命に対して、ランプ・ターンオン時間を短くすると共に遮断待機時間を長くするというような要求は出なかった。しかし、連続ランダム・アクセス分析システム内での現在の使用状況では、光源手段は応答をよくするために迅速なターンオン機能が可能でなければならない。以前、そのような光源手段の暖機時間は最大で1分以上であり、マルチプロセス自動連続ランダム・アクセス分析システム内で許容できるものであった。過去の一つの代替方法は、光源手段を待機中にオンのままにするものであった。これによってランプ源の寿命は大幅に短くなるが、光源手段を非常に短いサイクルで再始動できない場合、自動連続ランダム・アクセス分析システム内でランプを完全に遮断することは許容できない。光学アセンブリ内の光源手段に遮断中に加熱環境を与える解決策が開発された。
【0011】光学システム内でタングステン・フィラメントを使用する従来のアナライザは一般に、システムがバッチ処理を使用していたため、非使用期間中完全にランプをオフにする。自動連続ランダム・アクセス分析システムでは、タングステン・フィラメント・ランプの性能を含め、光学システムに迅速にアクセスできる必要がある。しかし、タングステン・フィラメントが常にオンのままになっている場合、ランプの寿命は非常に短くなる。タングステン・ランプをオフにすることは、例えば、FPIA読取りの前に長い暖機時間を課すことによってFPIAランプの安定性を保証するために、かなりの暖機時間が必要である。この待機時間は1バッチ当たり一度しか発生しないので、ランプの寿命は一般に、大きな影響を受けない。しかし、自動連続ランダム・アクセス分析システムの連続アクセス性のために、FPIA光学読取り器は短時間で利用可能である必要がある。方法が変更されないので、ランプはやむを得ずオンのままになり、ランプの寿命はたったの数日程度と短くなる。従って、これらの従来の方法の代替方法が提案されている。
【0012】電子装置制御ステップ・モータの様々な機能は、簡単なモータの動きにBIT制御を使用している。しかし、そのような制御では、ランピング及びエラー検出を有していないという犠牲を伴うPAL型装置が必要であった。過去に使用されたこのような簡単なモータ運動では、追加のマイクロプロセッサ、あるいは特殊目的のモータ制御装置ないしは集積回路が、複雑な運動とランピングおよびエラー検出を提供できることが必要であった。現在、ランピングやエラー検出等のこのような更に複雑な運動は、並列データ・バス又は直列ポートを必要とするマイクロプロセッサ又は特殊目的のモータ制御集積回路によって実行されている。
【0013】コストのかかる試薬がシステム容器から蒸発するのを減らすための従来の方法では、手動操作を使用して試薬容器にキャップをかぶせると共に、液体アクセス・サイクル中に開いたままにされ、次いで開放力を除去することによって再密封される様々な他の再閉鎖容器キャップを使用していた。試薬の蒸発を最小限に抑えることができるコンピュータ制御ロボット装置が手動介入の必要性を代替するような装置及び方法が提案されている。
【0014】現在、診断業界は依然として、カートリッジ、試薬パック、およびサンプル容器を手動でバッチ式半自動器具に装填する必要がある幾つかのシステムを日常的に使用している。自動連続ランダム・アクセス分析システム診断の容量及び信頼性要件のために、これらの品目を個別に手動で装填することは更に複雑である。カートリッジ等の管状部品を送り、開放端を上向きにしてカートリッジを配向する一般原則を組み込んだ自動フィーダが、そのような診断では必要である。複数のカートリッジの自動カートリッジ・フィーダ・ホッパは、複数のカートリッジがカートリッジ・パッケージング・システムからホッパ・フィーダ・システムに直接装填され、カートリッジを手動で個別に送ることが不要になり、自動診断システム内での信頼性が保証されるので、オペレータの時間及びエラーが大幅に節約される。更に、そのような分析システムと共に使用される反応容器のハンドリング及び装填を容易にするための様々なハンドリング及び装填手段を提供する必要がある。
【0015】以前提案された分析器具は周波数コンバータ方式を使用しているが、そのような方式はゼロ信号を読み取ることができず、適度な雑音抵抗しか提供しない。特に、そのような器具には比率測定を実施するための複雑な回路が必要である。従って、以前に提案されたそのようなアナライザでは、様々な処理作業ステーション及び搬送手段及びデータ収集システムを共用してホモジニアス検定とヘテロジニアス検定を共に連続ランダム・アクセス的に同時に実行し、改良された雑音性能をもつ比率測定を実施するための自動分析システムが構想されていないので、これらの機能と、現代の臨床研究所の増大するニーズとを満たすのに十分な融通性をもつ自動分析システムを提供する必要がある。
【0016】したがって、前述したこのような自動アナライザでは、様々な処理作業ワークステーション及び移送手段を共通に使用してホモジニアス検定及びヘテロジニアス検定の両方を同時に、連続的かつランダム・アクセス的に実行するための自動分析システムが構想されていないので、これらの特徴と、現在臨床研究所の増大するニーズとを満たすのに十分な柔軟性を有する自動分析システムを提供する必要がある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の自動分析システムは、二つ以上の検定を複数の試験サンプルに対して同時に、連続的かつランダム・アクセス的に実行することができる。特に、本発明の自動免疫学的検定法分析システム装置は、異なる検定群を別々の変更可能なソフトウェア・モジュールを介して走らせるマイクロプロセッサ・ベースの統合サブアセンブリ・システムとみなすことができる。このマイクロプロセッサ・ベースのシステムは、二つの自由度をもつロボット・アーム分注器と2方向回転カルーセルを使用してサンプルを処理する。インキュベーション、洗浄、及び標本希釈等の重大な検定ステップは、器具によって自動的にスケジュールどおりに実行される。
【0018】本発明によれば、複数の液体サンプルの複数の検定を同時に行うことができる自動連続及びランダム・アクセス分析システムが提供され、該システムによって、複数の液体サンプル用に様々な検定をスケジューリングする方法を実施することが可能になる。本発明のシステムは、キッティング手段を介して、検定反応シーケンスを開始せずに液体サンプルと試薬とを別々に反応容器に移送することによって、使捨て単位量を生成することができる。キッティングされた複数の単位量がキッティング手段から処理領域に移送され、処理領域で、反応容器中で各独立のサンプル毎にアリコートが一つ又は複数の液体試薬と数回混合されて、独立の反応混合物を形成する。そのようなキッティング及び混合の独立したスケジューリングは、複数の反応混合物のインキュベーション中に同時にかつ独立して行われる。
【0019】本発明のシステムは、スケジューリングされた複数の検定を、それらが提示された任意の順序で実行することができる。インキュベートされた反応混合物は、事前にスケジューリングされた少なくとも二つの検定手順によって独立かつ個別に分析される。
【0020】本発明の自動連続ランダム・アクセス分析システム装置は、同心円状に取り付けられ、試薬をキッティングし、サンプルと混合するのに適した移送分注手段によって操作される、サンプル・カップ・カルーセル、試薬パック・カルーセル、及び試薬容器カルーセルを含むフロント・エンド・カルーセル・アセンブリから構成されている。キッティングされて分注された反応容器は、それを処理作業ステーション4に移送するための手段を提供する移送ステーションを介して移送される。処理作業ステーション4は、温度を維持するための調整された環境を含み、試薬の混合及びインキュベーションのためのタイミングを提供する。インキュベートされた反応混合物を分析するために、使捨て単位量手段中の様々なサンプル及びキッティングされた試薬用にスケジューリングされた少なくとも二つの検定手順装置が提供されている。使捨て単位量反応容器は、移送ステーションを操作することによって処理カルーセルから取り外される。移送ステーションは、使捨て可能反応容器をシステムから取り外すための手段を含む。
【0021】本発明の他の利点及び新規な特徴は、以下の説明で一部が述べられ、当業者には、以下のことを調査する際に明らかになり、あるいは本発明を実施することによって知ることができる。本発明の目的及び利点は、全ての等価物を含む、以下の明細書及び添付の請求の範囲で更に具体的に指摘される典型的な組み合わせによって得ることができる。
【0022】定義以下の定義を本発明に適用することができる。
【0023】「試験サンプル」の語は、本明細書では、アナライトを含む可能性がある材料を指す。試験サンプルを源から得たまま、あるいは前処理の後に使用して、サンプルの特性を変更することができる。試験サンプルは、血液、唾液、目の水晶体の液、脳脊髄液、汗、尿、乳汁、腹水、滑液、羊水等を含む生理流体等の生物学的源から得ることができる。試験サンプルは、血液から血漿を準備する、粘性流体を希釈する等、使用前に前処理することができる。処理の方法は、妨害成分の濾過、蒸発、濃縮、不活化、試薬の付加等を含むことができる。生理流体の他に、環境検定又は食品生産検定を実施するための水、食品等の他の液体サンプルを使用することができる。アナライトを含む可能性がある固体材料を試験サンプルとして使用することもできる。一部の例では、液体媒体を形成し、又はアナライトを解放するように固体試験サンプルを変更すると有利である。
【0024】「アナライト」又は「所望のアナライト」の語は、本明細書では、少なくとも一つのエピトープ又は結合部位を有する、検出又は測定すべき化合物又は組成を指す。アナライトは、自然に発生する結合部材が存在する対象の物質であっても、結合部材を準備する対象の物質であってもよい。アナライトは、毒素、有機化合物、タンパク質、殺虫剤、微生物、アミノ酸、核酸、ホルモン、ステロイド、ビタミン、麻薬(治療目的で投与されるものと、不正な目的で投与されるもの)、ウィルス粒子、上記の物質の内のどれかの代謝物質又は抗体を含むがこれらに限らない。「アナライト」の語は、抗原物質、ハプテン、抗体、高分子、それらの組合せも含む。
【0025】「アナライト類似体」の語は、本明細書では、アナライト特有の結合部材に交差活性する物質を指す。ただし、このような物質の交差活性は、アナライト自体の交差活性より程度が大きい場合も小さい場合もある。アナライト類似体は、当該アナライトに共通する少なくとも一つのエピトープ部位を有するかぎり、修飾されたアナライトと、アナライト分子の分解された部分又は合成部分を含むことができる。アナライト類似体の一例は、アナライト類似体がアナライト特有の結合部材に結合できるように全分子アナライトの少なくとも一つのエピトープを複製する合成ペプチド・シーケンスである。
【0026】「結合部材」の語は、本明細書では、結合対、すなわち一つの分子が化学的手段又は物理的手段を介して特定的に第2の分子に結合する二つの異なる分子の部材を指す。抗原及び抗体結合対部材の他に、他の結合対の例としては、ビオチン及びアビジン、カルボヒドラーゼ及びレシチン、相補的ヌクレオチド・シーケンス、相補的ペプチド・シーケンス、エフェクタ分子及びリセプタ分子、酵素補因子及び酵素、酵素阻害剤及び酵素、ペプチド・シーケンス及び該シーケンス又はタンパク質全体に特有の抗体、高分子酸及び塩基、染料及びタンパク質結合剤、ペプチド及び特有のタンパク質結合剤(例えば、リボヌクレアーゼ、Sペプチド、及びリボヌクレアーゼSタンパク質)等を含むがこれらに限らない。さらに、結合対は、最初の結合部材の類似体、例えばアナライト類似体や、組換体技術又は分子工学によって作られた結合部材である部材を含むことができる。結合部材が免疫反応体の場合は、例えばモノクロナール抗体又はポリクロナール抗体、組換型タンパク質又は組換型抗体、キメラ抗体、前記のものの混合物又は断片や、結合部材として使用するための適切性が当業者によく知られている抗体、ペプチド、ヌクレオチドの調合物であってよい。
【0027】「検出可能部分」の語は、本明細書では、検出可能な物理的特性又は化学的特性を有し、結合部材に標識して共役体を形成するために使用できる化合物又は従来の検出可能な薬品群を指す。そのような検出可能な薬品群は、酵素、酵素基質、補欠分子族、又は助酵素等の酵素的に活性な群、スピン標識、蛍光団及び発蛍光団、発色団及び色原体、化学発光団や生物発光団等の発光団、ビオチンやアビジン等の特定的に結合可能な配位子、電気活性種、放射性同位元素、毒素、麻薬、ハプテン、DNA、RNA、多糖、ポリペプチド、リポソーム、着色粒子、着色極微粒子であってよいが、これらに限るものではない。
【0028】「連続アクセス」の語は、本明細書では、本発明の自動分析システムが実行中の検定に割り込まずに本発明の自動分析システムに追加試験サンプル又は試薬を付加する能力を指す。
【0029】「ランダムアクセス」の語は、本明細書では、スケジューリングされた複数の検定を、本発明の自動分析システム中に提示された順序で同時に実行する、本発明の自動分析システムの能力を指す。
【0030】「同時」の語は、本明細書では、二つ以上のスケジューリングされた検定を独立かつ同時に実行する本発明の自動分析システムの能力を指す。
【0031】「キッティング」の語は、本明細書では、検定反応シーケンスを開始せずに試験サンプル及び試薬を別々に反応容器に移送することによって使捨て単位量を生成する本発明の自動分析システムの能力を指す。
【0032】「quat」の語は、本明細書では、抗体又は抗原でない材料を使用して、例えばMEIAカートリッジのマトリクス上のサンプルからアナライトを捕獲する検定用のポリカチオン材料溶液を指す。本発明のシステムでは、試験処理中の、反応混合物を反応容器から移送する前に、quatがマトリクスに吐出される。
【0033】「フレキシブル・プロトコル」の語は、本発明によって処理できる様々な異なる検定プロトコルを指す。この例には、1ステップ及び2ステップのサンドイッチ及び競合検定フォーマットで構成されたMEIAフォーマット、処理カルーセルへの移送の前にフロント・エンド・カルーセル上でMEIAフォーマットとFPIAフォーマットの両方用のサンプル処理を開始する能力を含む活動処理次数、可変インキュベーション期間、光学式読取りフォーマット、ならびに洗浄シーケンスが含まれる。これは、一部の従来の技術、すなわち、検定構成(すなわち、1ステップ・フォーマット対2ステップ・フォーマット)、活動度次数、インキュベーション・タイミング、及び他の類似のプロトコルが器具によって固定された厳密な「ロック・ステップ」フォーマットに全ての検定プロトコルを従わせる知られたランダム・アクセス・システムと対照的である。
【0034】スケジューラ本発明によれば、システム・スケジューラは、システム上で走るように命令された全ての試験から、システムの機械的資源用の作業負荷を生成して最適化する。スケジューラの主要な目標は、システムが処理すべき試験が残っている間はシステムの資源休止状態にならないようにすることである。各資源を使用状態にしておけば、器具が試験を実行するのに必要な時間が最小限に抑えられる。
【0035】スケジューリング・プロセスの高レベルの目的は、資源休止時間を最小限に抑えてシステムの試験スループットを増加させるために、(1)試験がキッティングされる前に、試験での各活動が適切にスケジューリングされるにようにすることと、(2)最初にスケジューリングされた実行時間より前に各試験活動を実行しようとすることの二つのステップに分けることができる。
【0036】試験をシステムで実行する前に試験のスケジューリングを可能にするために、各試験の検定プロトコルは、スケジューリング・プロセスで使用されるいくつかのタイミング・パラメータを含む。試験の各活動は、該活動がどの資源を必要とするかと、これらの資源が必要とされる期間を決定するために使用される時間値を含む。試験の各活動は、インキュベーション期間によって他の活動に結合することもできる。このようなインキュベーション期間は、検定の化学的性質によって指定され、スケジューラが二つの活動を実行する間に経過しなければならない時間の長さを求める上で助けになる。検定プロトコル中の各インキュベーション期間は、各活動を実行する間に経過しなければならない最小時間及び最大時間を規定する。これらの限界は、スケジューリング・プロセスでは、活動のインキュベーション・ウィンドウと呼ばれている。
【0037】本発明のシステムでは、オペレータは器具上でのサンプルの配置を選択することによって、試験が器具上で走るように準備された順序を選択する。ピペット・ステーションの最も近くに配置されたサンプルは、器具上で最初に走るように準備されたサンプルである。蒸発を防ぐために、試験の活動によって使用される全ての資源が、試験の検定プロトコルに規定された必要な時間に利用可能になることをスケジューラが保証するまで、試験は準備されない。特定の試験の準備は、すでに器具中に存在する他の試験の活動が、前者の試験に対する活動によって必要とされる時間にスケジューリングされた資源を有するときは必ず延期される。器具のサンプル準備領域は、すでに器具に存在する試験に矛盾せずに試験をスケジューリングできるようになるまで休止状態のままである。試験を適切にスケジューリングできるようになると、試験が準備され、処理領域に移される。
【0038】スケジューリング・プロセスの第2のステップは、資源の遊休時間と資源の作業負荷を実行するのに必要な時間を共に最小限に抑えるように各システム資源の作業負荷を最適化することである。試験が処理領域内に移された後、スケジューラは各資源用の既存のスケジュールを最適化する。スケジューラは所定の間隔で、各資源の次の作業間隔を調べる。この間隔に遊休時間がある場合、スケジューラは、活動が、許可されたインキュベーション・ウィンドウ内に残るという条件で、遊休時間を排除するように資源の作業負荷を再構成することによって遊休時間を最小限に抑えようとする。この間隔の最適化が完了すると、この作業負荷セクションは、資源によって指定された時間に実行される。
【0039】スケジューラは、走るように命令された試験を有するサンプルが器具上にある限り、サンプルの準備を継続する。資源の作業負荷の最適化は、システムに移送された全ての試験が処理を終了するまで継続する。
【0040】スタット処理本発明のシステムによって、ユーザによってスタットサンプルとして識別された特定のサンプルの特別な優先的取扱いが可能になる。スタットサンプルとは、本発明のシステムによって定義されたように、器具が最も短い時間で処理しなければならないサンプルである。スタットサンプルの特殊な取扱いは、フロント・サンプル入口領域と器具の処理領域との両方で行われる。
【0041】本発明のシステムでは、オペレータが、器具上でのサンプルの配置を選択することによって、試験が器具上で走るように準備された順序を選択する。分注ステーションの最も近くに置かれたサンプルは、器具上で最初に走るように準備されたサンプルである。このサンプル準備パターンは、ユーザが器具上にスタット試験を配置すると必ず割り込まれる。スタット試験が命令されると必ず、システムは現在のサンプル上での試験の準備を終了し、次いでスタットサンプルに直接移って該サンプルの試験を全て準備する。蒸発を防ぐために、処理領域での試験の活動が適切にスケジューリングされないうちは試験に関するサンプル準備は開始しない。
【0042】システム・スケジューリング・アルゴリズムもスタット処理用に修正される。通常の試験に使用されるスケジューリング・アルゴリズムは、各時間毎に器具で処理される試験の数を最大限にしようとする。これは、試験活動の間に十分な時間を許容して他の試験の活動がこの間隔中に実行できるようにすることによって行われる。スタット試験に使用されるスケジューリング方法は、この一つの試験を最も短い時間で処理しようとする。スタット試験の各活動は、試験の検定定義で定義されたできるだけ早い実行時間にスケジューリングされる。試験の全ての活動が保証されると、試験のサンプル準備が開始する。スタットサンプルに関する全ての試験が準備された後、システムは、スタットを処理する前に処理していたサンプルに戻る。
【0043】スタット試験は、資源の作業負荷に休止時間があるときに処理領域で特殊な配慮を受ける。スケジューラは、所定の間隔で、システムの処理領域中の各資源に割り振られた作業の次の間隔を調べる。この間隔中に休止時間がある場合、スケジューラは資源の作業負荷を再構成することによって該時間を最小限に抑えようとする。現在スケジューリングされているより早く実行できるこの資源用にスケジューリングされた試験活動は、その検定プロトコルで定義されたように、休止時間を満たすように前方に移される。スタット試験活動は作業負荷において前方に移すべき第1の候補であり、そうすることによってさらに、器具でスタット試験を処理するのに必要な時間が短縮される。
【0044】システムスタット試験ハンドリング・アルゴリズムは、1時間当たりの器具の全体的な試験のスループットに悪影響を与えずに、スタット試験を最小時間で処理できるように示されている。
【0045】本発明の自動分析システムは、当技術分野で知られた様々な検出システムを使用して様々な検定を実行することができ、エンド・ポイント反応分析及び反応速度分析等の分光測光吸収検定、比濁検定、(米国特許第4,496,293号及び米国特許第4,743,561号に記載され、引用によって本明細書に合体されたもの等の)放射エネルギー減衰検定、イオン捕獲検定、比色検定、蛍光定量検定、電気化学検出システム、電位差測定システム、電流検出システム、ならびに免疫検定法を含むがこれらに限るものではない。免疫検定法は、使用される検出可能部分の量を測定し、試験サンプルに存在するアナライトの量に相関させることができる競争免疫学的検定法、サンドイッチ免疫学的検定法、抗体生成性免疫学的検定法等を含むが、これらに限るものではない。
【0046】一般に、Abbott Spectrum 臨床アナライザやAbbott Spectrum シリーズII臨床アナライザ(Abbott Laboratories, Abbott Park, IL, USA )上で実行されるもの等の分光測光検定では、検定溶剤での判定すべきアナライトとアナライトに特有の試薬システムの間の相互作用によって、検定溶剤の透過特性の検出可能な変化がもたらされる。透過特性の変化は、知られた強度の光ビームを検定溶剤を通過させたときに検定溶剤によって特定の波長帯内で吸収又は散乱される光の量を指す。検定溶剤の透過特性の変化は、既知の強度を有する単色光を検定溶剤を通過させ、透過又は散乱した光の強度と入射光の強度との比を求めることによって測定する。ほとんど全てのアナライトが特定の波長のエネルギーを吸収し、あるいは検定溶剤中で特定の試薬システムと相互作用して、検定溶剤の透過特性の検出可能な変化をもたらす。これらの特性によって、多数の特定の分光測光検定が開発された。検定溶剤中のアナライトの測度として検定溶剤の透過特性の変化の測定に依存する分光測光検定は、例えば検定溶剤の濁度が変化すると検定溶剤の色が変化する検定、すなわち比濁検定を含む。
【0047】比色検定では、検定溶剤の透過特性の変化は一般に、検定溶剤の吸光度と呼ばれ、判定すべきアナライトとアナライトに特有の試薬システムとの相互作用による検定溶剤の色の変化に依存する。検定溶剤の吸光度は、検定溶剤中のアナライトの濃度に関連する。比色検定は、検定溶剤中で特定の当該アナライトと相互作用して検定溶剤の透過特性、特に色の検出可能な変化をもたらすことができる発色試薬システムを使用する。特定のアナライトの判定で有用な多数の発色試薬システムが開発され市販されている。
【0048】比濁検定の原則は、光が検定溶剤を通過するときに粉体によって散乱又は遮断される光の量を判定することである。比濁検定では、当該アナライトがアナライトに特有の試薬システムと相互作用して、検定溶剤中で混濁粒子を形成する。公知の強度を有する光ビームを検定溶剤を通過させると、アナライト試薬システムの相互作用によって形成される混濁粒子は入射光を遮断又は散乱し、それによって検定溶剤を介して透過される光の強度が低下する。比濁検定での透過特性の変化は、検定溶剤を介して透過される光の強度の低下を指し、粒子の浮遊物質によって散乱又は遮断される入射光の量に関連し、存在する粒子の数とそのような粒子の断面積に依存する。
【0049】ネフェロ検定は、所望のアナライトが配位子に特有の試薬システムと相互作用して検定溶剤中で混濁粒子を形成するという点で比濁検定に類似している。ネフェロ検定でも、検定溶剤の透過特性の変化が混濁粒子によって散乱又は遮断される入射光の量に関連するが、検定溶剤を介して透過される光の強度が測定される比濁検定と異なり、散乱又は遮断される光は検定溶剤に入射する光に対してある角度で測定される。従って、ネフェロ検定では、透過特性の変化は、検定溶剤に入射する光の強度と、入射光に対してある角度で散乱される光の強度の差を指す。比濁検定及びネフェロ検定は、効果的な発色試薬システムがないために匹敵する比色検定がないタンパク質等のアナライト の判定のために、血液、尿、髄液等の分析で使用される。Yoe 及びKlimman のPhotoelectric Chemical Analysis.Vol. II: Nephelometry, Wiley & Sons, Inc., New York, 1929は、様々なネフェロ検定を記載している。分光測光検定を本発明の自動分析システム上で実行するために使用できる様々な試薬及び試薬システムは、米国特許第5,037,738号に記載され、引用によって本明細書に合体されたような、グルコースと尿素の同時判定用のものを含むが、これに限るものではない。カルシウムとリンの同時判定、コレステロールとトリグリセリドの同時判定、イソ酵素の判定、血液アンモニア・レベルの判定等は、装置上で本発明の方法によって実行することができる。
【0050】通常、蛍光定量検定では、検定溶剤中のアナライトが化学的又は免疫学的に蛍光錯体又は共役体に形質転換され、それによって検定溶剤の蛍光特性に検出可能な変化がもたらされる。検定溶剤の蛍光特性の変化を測定するには、蛍光団の励起波長帯内の波長の単色光によってもたらされる蛍光錯体又は共役体特性を励起し、蛍光団の放出波長帯内の波長での放出光の強度を測定する。放出光の蛍光強度は、アナライトの濃度に関連する。しかし、判定すべき配位子がサンプル中に存在するタンパク質やリン酸塩等の非蛍光干渉物質と錯体を形成するとき、あるいは判定すべき配位子を含むサンプルがフィルタとして働くのに十分な色を有し、それによって放出される蛍光の強度が低下するとき、検定溶剤によって放出される蛍光の強度が阻害されることがある。蛍光定量検定の感度及び特異性を最大限にするために、これらの阻害因子が存在する場合、分析の前に非蛍光干渉物質又は着色材料を除去しておき、あるいはサンプルの第2のアリコートに追加される内部標準を使用して、該内部標準を含むアリコートによって検定手順全体を実行してそのような因子の存在を補償することによって解消しなければならないことを留意されたい。
【0051】一般に、ホモジニアス及びヘテロジニアス免疫学的検定は、結合部材対の第1の結合部材が特定的に結合部材対の第2の結合部材に結合する能力に依存し、検出可能な部分で標識付けされたそのような結合部材の一方を備えた共役体を使用してそのような結合の程度が決定される。例えば、そのような結合対部材がアナライトとそのようなアナライトの抗体である場合、結合の程度は、アナライトとの結合反応に関与していることも関与していないこともある共役体に存在する検出可能な部分の量によって決定され、検出され測定された検出可能な部分の量は、試験サンプルに存在するアナライトの量と相関させることができる。
【0052】ホモジニアス免疫学的検定は通常、試験サンプルから得たアナライトと、アナライトの抗体上の限られた数のレセプタ結合部位用のトレーサの間の競合を伴う競合免疫学的検定フォーマットで実行される。トレーサは検出可能な部分で標識付けされたアナライト又はその類似体を備え、試験サンプル中のアナライトの濃度が、特定的に抗体と結合するトレーサの量を決定する。そのような結合によって生成されるトレーサ−抗体共役体の量は定量的に測定することができ、試験サンプル中に存在するアナライトの量に反比例する。例えば、本明細書に記載した蛍光分免疫検定等の、そのような決定を下すための蛍光偏光技術は、蛍光によって標識付けされた化合物が、線形に偏光された光によって励起されると、回転速度に反比例する偏光の程度を有する蛍光を放出するという原則に基づいている。ある蛍光レベルを有するトレーサ抗体共役体等の分子は、線形に偏光された蛍光分子で励起されたとき、光が吸収されてから放出されるまでの間、回転を抑制される。「自由な」トレーサ分子(すなわち抗体に拘束されない)が線形に偏光された光によって励起されると、その回転は、対応するトレーサ−抗体共役体よりはるかに高速になり、分子がよりランダムに配向され、従って放出される光が偏光される。従って、平面偏光が前述の試薬を含む溶剤を通過するとき、蛍光偏光応答が検出され、試験サンプル中に存在するアナライトの量と相関する。
【0053】本発明の自動分析システム上で蛍光偏光検定を実行する ために使用できる様々な蛍光化合物は、引用によって本明細 書に編入された米国特許第4,510,251号及び米国 特許第4,614,823号に記載されたようなアミノフル オレセイン、引用によって本明細書に編入された米国特許第 4,420,568号及び米国特許第4,593,089号に記載されたようなトリアジニルアミノフルオレセイン、引用によって本明細書に編入された米国特許第4,668,640号に記載されたようなカルボキシフルオレセイン等を含むが、これらに限るものではない。
【0054】ヘテロジニアス免疫学的検定は通常、自由種及び結合種を形成するように、検出可能な部分で標識付けされた、アナライト、アナライトの類似体、又はアナライトの抗体を備えた標識付き試薬又はトレーサを伴う。そのような種の一つ中のトレーサの量を、試験サンプルに存在するアナライトの量に相関させるには、最初に自由種を結合種から分離しておかなければならない。これは、抗体、アナライト、アナライトの類似体等の、結合反応の結合関与物のうちの一つの直接固定化に固相材料を使用して、当技術分野で知られた方法によって行うことができる。ここで、結合関与物の一つは、当技術分野で知られた方法によって、試験チューブ、ビーズ、粒子、微粒子、繊維状材料のマトリックス等の固相材料上で固定化される。
【0055】ヘテロジニアス免疫学的検定は、上記で説明した競合免疫学的検定フォーマットで実行することができ、例えば、抗体を固相材料に固定化することができ、それによって分離時に、そのような固相材料に結合されたトレーサの量を検出して、試験サンプルに存在するアナライトの量に相関させることができる。固相材料を使用する他の形のヘテロジニアス免疫学的検定法はサンドイッチ免疫学的検定法と呼ばれ、例えば抗原を含む試験サンプルを、抗原を結合することができ固相材料上で固定化される抗体や他の物質等のタンパク質と接触させることを伴う。固相材料は通常、検出可能な部分で標識付けされた第2の抗原又は抗体で処理される。第2の抗原又は抗体は次いで、固相材料上の対応する抗原又は抗体に結合され、結合されていない材料を除去するための一つ又は複数の洗浄ステップの後に、検出可能な部分(例えば、検出可能な部分は酵素であり、そのような酵素用の基質を付加する)に反応して色の変化をもたらす発色物質等の指示材料に結合される。次いで、色の変化が検出され、試験サンプルに存在する抗原又は抗体の量に相関付けされる。
【0056】例えば、本発明の自動分析システムによって実行できるヘテロジニアス免疫学的検定は、競合免疫学的検定法フォーマットでも、サンドイッチ免疫学的検定法フォーマットでも、固相材料として微粒子を使用する、Clinical Chemistry, Volume 34, No. 9, P.1726-1732 (1988)に記載された微粒子捕獲酵素免疫学的検定法である。
【0057】微粒子希釈剤にスクロースを使用すると、微粒子の中和密度が達成されることも分かっている。この方法は、微粒子の沈殿をなくす最適なスクロース濃度を決定することを伴う。中和密度を達成するのに必要なスクロース濃度は検定特有であり、微粒子ロット特有である。この手法には、溶剤中でスクロースを分解して希釈剤の密度を増やすことを伴う。希釈剤の密度と微粒子の密度とが等しいとき、微粒子は浮遊状態になる。密度中和は、メトリザミド又はメトリゾ酸、あるいはその両方を使用することによって行うこともできる。
【0058】結合種と自由種の分離は、MEIAカートリッジのガラス繊維マトリックス上で微粒子を捕獲することによって行う。このプロセスは、ガラス繊維の微粒子に対する高い親和力に依存する。微粒子はガラス繊維の表面に不可逆的に付着し、非特定的に結合された材料は、マトリックスを洗浄することによって効果的に除去することができる。マトリックスは、本明細書に記載された検定プロトコルの光学定量化相中に、微粒子に対する正確に配置された機械的支持も提供する。
【0059】サンドイッチ免疫学的検定法を実行する際に、試験サンプル中のアナライトに抗体を被覆した微粒子は、所望のアナライトを含む試験サンプルによってインキュベートされて、試験サンプルから得たアナライトを含む捕獲複合体を形成する。酵素であることが好ましい、検出可能な部分で標識付けされたアナライトの抗体を備えた共役体は次いで、捕獲複合体によってインキュベートされ、第2のサンドイッチ複合体を形成する。競合免疫学的検定法を実行する際に、試験サンプル中のアナライトに抗体を被覆した微粒子は、当該アナライトと、酵素であることが好ましい検出可能な部分で標識付けされたアナライト又はその類似体を備えた共役体とを含む試験サンプルによってインキュベートされる。結合されていない共役体の除去はMEIAカートリッジのガラス繊維マトリックスによって行われる。ここで、検出可能な部分は酵素であり、検出可能な信号を提供できる酵素用の基質が付加され、それによって提供される信号が測定され、試験サンプルに存在するアナライトの量に相関される。競合MEIAフォーマット及びサンドイッチMEIAフォーマットで使用される酵素−基質系はアルカリホスファターゼ及び4メチルウンベリフェリルリン酸塩(MUP)であることが好ましい。ただし、当技術分野で知られた他の酵素−基質系を使用することもできる。
【0060】本発明の自動分析システムによって使用されるMEIAカートリッジは、微粒子−アナライト複合体を保持して固定化するための反応ウェルを備えている。この反応ウェルは、入口と、上記で説明したように微粒子−アナライト複合体を保持して固定化する繊維マトリックス上に位置決めされたある量のサンプル及び検定反応混合物を保持するための手段を有する。繊維マトリックスは、微粒子の平均直径より大きな平均離間距離を有する繊維から構成される。平均繊維離間距離は10ミクロンより大きいことが好ましい。
【0061】反応ウェルはさらに、繊維マトリックスを介したサンプル及び検定反応混合物の流れを強めるように繊維マトリックスの下に位置決めされた吸収剤材料を備えている。吸収剤材料は、繊維が主として繊維マトリックスの下部表面に垂直な平面に存在する繊維材料であることが好ましい。吸収剤材料は繊維マトリックスと流体連通する。一般に、吸収剤材料は繊維マトリックスの下部表面と物理的に接触する。従って、反応ウェルの内側は、全体的に、吸収剤材料と繊維マトリックスの間の流体連通を維持するような寸法にされ、あるいはそうするための位置決め手段を含む。反応ウェルの底部に位置するスパイクを使用して、吸収剤材料を強制的に繊維マトリックスの下部表面と接触させることができることが好ましい。免疫学的検定の実行中は、吸収剤材料に吸収された液体によって吸収剤材料中で変位されるガスを大気に通気することも好ましい。
【0062】上記で説明した免疫学的検定法によれば、通常、臨床濃度範囲をカバーする知られた濃度のアナライトの標準溶剤が、検定すべき試験サンプルと同様に調合されて検定される。このブランク検定は、標準曲線の基準である知られた濃度に対応する一連の信号測定を提供する。未知のサンプルに対応する光信号は、ブランク曲線又は標準曲線から得た解釈を介して濃度値で相関付けされる。
【0063】本発明による複数の試験サンプルの分析を行う自動分析方法は、試薬パック、試験サンプル容器、及び反応容器を、メイン・カルーセルの同心カルーセル上に導入することによって達成される。試験サンプル容器は、試験サンプルを保持するための試験チューブ、キュベット、真空チューブ等であってよい。試験サンプルと試薬パックから得た特定の試薬を移送することによって反応容器を移送しキッティングして、所定の試験の準備を行うように、試薬パック及び試験サンプル容器は、識別されて、夫々反応容器に整列される。サンプルが様々な試薬にほとんど混合されて反応混合物を形成した後、試験サンプル及び一つ又は複数の試薬を含む反応容器を、インキュベーションのために調整された環境条件が存在する処理カルーセルに移送する。全ての検定処理ステップが完了すると、反応混合物が同定され、読取りの前に次の調合を行うために別々のカートリッジ・ホイール又はカルーセル上に位置決めされた、例えば、蛍光偏光免疫学的検定法読取り装置や微粒子酵素免疫学的検定法カートリッジのうちの少なくとも一つに移送される。処理された試験サンプルが読み取られて読取り値が算出され、結果として得られたデータが記録ないし印刷される。
【0064】自動免疫学的検定分析システムの方法は、同心円的に独立に回転可能な試薬パック・カルーセル、反応容器カルーセル、及び試験サンプル容器カルーセルから成るメイン・カルーセル・アセンブリを備えた自立型完全自動連続ランダム・アクセス器具を使用することによって達成される。メイン・カルーセル・アセンブリは、所定の試験スケジュールに従って自動的に試験サンプル及び試薬を反応容器に移送してキッティングするためのブーム・アームによって操作される移送ピペットを備えている。メイン・カルーセル・アセンブリは、試薬パック及び試験サンプル用のバー・コード読取り装置を備えており、試薬パック・カルーセル及び試験サンプル容器カルーセルと、反応容器を、ピペット移送動作のために整列させる機能を有する。実行すべき検定がスケジューリングされた後、反応容器、試薬パック、及び試験サンプル容器が夫々、移送ピペット・アクセス位置にあると判定されるまで、反応容器カルーセル、試薬パック・カルーセル、及び試験サンプル容器カルーセルが回転する。移送ピペットは次いで、試験サンプルを試験サンプル容器から移送し、実行すべき検定に応じて、試薬パックから得た試薬が反応容器に移送される。次いで、反応容器カルーセルを移送機構と接触させて反応容器を移送ステーションに引き込む移送ステーション位置まで反応容器が回転する。次いで、移送機構によって反応容器が処理カルーセル上に装填される。
【0065】本発明の自動分析システムによる蛍光偏光免疫学的検定法(FPIA)を実行する際、処理カルーセルのために稼働される第2の移送分注装置によって様々な分注活動が実行され、反応容器が、例えばFPIA試薬を適切に分注されたときにFPIA処理ステーションの読取りステーションにくるように処理カルーセルが回転し、反応容器上でFPIA判定読取りが行われる。次いで、読取り反応容器が移送ステーションにくるように処理カルーセルが回転する。反応容器が再び移送ステーションと接触して移送される。移送ステーションが回転して、反応容器を解放容器開口部に押し込む。
【0066】本発明の自動分析システムによって実行される微粒子酵素免疫学的検定法(MEIA)の場合、メイン・カルーセル・アセンブリで完了することができるMEIA用の様々な分注活動の後に、FPIAプロセスで説明したように、反応容器が処理カルーセルに移送される。分注は、処理カルーセルで行うことも、二つのカルーセルの間で共同で行うこともできる。MEIAを完了するには、第2の移送ピペットによって、反応混合物を反応容器からカートリッジ・カルーセル上のMEIAカートリッジのマトリックスに移送する。マトリックスは、MUP(すでに定義した)等の緩衝剤及び基質、又は当技術分野で知られた他の適当な基質によって洗浄される。次いで、MEIAカートリッジがMEIA処理アセンブリに位置決めされ、MEIA判定が行われるようにカートリッジ・カルーセルが回転する。FPIA反応容器に関して説明したように、MEIA反応容器は廃棄物容器内に排出される。MEIAカートリッジは、適当なイジェクタ・ステーションにあるイジェクタによって、カートリッジ・ホイルから廃棄物容器内に独立に排出される。
【0067】本発明の自動分析システムに、上記で説明した二つの異なる分析技術のFPIA及びMEIAを組み込むことが好ましい。しかし、本発明のシステムには、二つより多くの異なる分析技術を組み込むことができる。これらの方法は相補的であり、共通の装置及び手順ステップを共用する。FPIAは一般に、低分子量のアナライト用に選択される方法であり、MEIAは、より高い感度を必要とする低分子量のタンパク質ホルモン、抗体、アナライト等の分子用に選択される方法である。これらの二つの技術は、オペレータ制御パネル、分注ブームアセンブリ、流体システム、空気液体試薬ヒータ、プリンタ、バー・コード・リーダ、及びステップ・モータを含むシステム・コンポーネントを共用する。システム・コンポーネントをそのように共用することによって、EPIA機能とMEIA機能を兼ね備えるにもかかわらず、小型の器具が可能になる。
【0068】(米国特許第4,269,511号に記載され、引用によって本明細書に合体されたもののような)FPIA光学システムは、電気的に切り替えられる水晶である偏光フィルタを使用して、小さな寸法を維持し、複雑で場合によって信頼できない可動部品を避けている。本発明の自動分析システムを使用して FPIA検定を実行する際、FPIA試薬パックは通常、検出可能な部分に結合されたアナライト又はその類似体、そのアナライトに特有の抗体、及び標本前処理試薬を備えたトレーサを含む。好ましいFPIAフォーマットでは、判定中のアナライトが、アナライト及びトレーサの一部又はいくつかの部分に特有の抗体上の限られた数の結合部位を求めてトレーサと競合する。トレーサの検出可能な部分成分は、フルオレセイン、アミノフルオレセイン、カルボキシフルオレセイン、フルオレセインアミン等から成る部類から選択された蛍光部分であることが好ましく、カルボメチル−アミノメチル−フルオレセイン、カルボキシエチルアミノメチル−カルボキシフルオレセイン、6−カルボキシフルオレセイン、5−カルボキシフルオレセイン、スクシニルアミノメチル−フルオレセイン、チオユリアーアミノフルオレセイン、メトキシトリアノリルフルオレセイン、アミノフルオレセイン等であることがさらに好ましい。
【0069】他の実施例では、FPIAフォーマットは、上下以外の配向を必要としない、フルオレセイン偏光及び吸収検定技術に適した特有の丸いプラスチック製の反応キュベットを使用する。このプラスチック製キュベットは、光学式読取り領域の全体にわたって低い複屈折と、再生可能な吸収読取り値を可能にする厳しい寸法公差の物理特性を有する。複屈折は、異常光線が材料を通過する際の遅延の度合いとして定義されている。遅延の度合いが大きければ大きいほど、複屈折のレベルが大きくなる。異常光線の遅延は、誘発される応力の大きさ及び方向に依存する。従って、線形に偏光された光線を、誘発された応力をもつ材料を通過させると、光線の偏光が解消する。キュベットを蛍光偏光測定に使用するには、最低限の応力を発生させる条件下でキュベットを準備することが重要である。キュベットの形状は、自動医療診断計器に特有のフルイディクスを使用してプラスチックの疎水性効果を最低限に抑えるように設計されている。
【0070】MEIAの結果は、酵素で標識付けされた共役体の作用によって発蛍基質が転化されるときに発生する蛍光率を定量することによって判定することができる。例えば、競合MEIA又はサンドイッチMEIAを実行する際、微粒子上の特定的に結合されたアルカリ・フォスファターゼは、発蛍基質MUPをマトリックスに付加することによって検出される。アルカリ・フォスファターゼは、MUPの無機リン酸塩及び蛍光4−メチルウンベリフェロン(4−MU)への加水分解において触媒作用をする。4−MUの低濃度の蛍光を検出するように設計されたMEIA光学アセンブリ前面蛍光定量器によって、波長367での4−MUPの蛍光による干渉なしで、離脱された4−MUが検出される。レンズと光学フィルタのシステムは、水銀ランプからのフィルタされた光(波長=365)をマトリックスの表面に集束し、4−MUから放出される蛍光(波長=448)を光電子増倍管に集束する。FPIA光学アセンブリと同様に、MEIA光学システムは小型であり、可動部を有していない。約5%の励起光が光ダイオードによって検出され、蛍光データを正規化することができ、かつ励起光の強度を電球の有効寿命にわたって5%以内に維持するために電球電源で使用される制御信号を生成することができる。MEIAポストプロセッサは線形回帰分析を使用して4−MU蛍光の複数の連続判定から得たデータを、微粒子に特定的に結合されたアルカリ・フォスファターゼ共役体の濃度に比例する率に変換する。
【0071】MEIAフォーマットは、マルチポジションMEIA補助カルーセル及び処理カルーセルと、微粒子試薬、アルカリ・フォスファターゼ共役体、及び場合によっては、実行中の検定に特有の希薄緩衝剤を含むMEIA試薬パックによって実行することができる。微粒子は、検定中に混濁液から沈殿しない傾向があるので、容易に分注することができる。ポリスチレン・ラテックス微粒子の有効な表面積は、商業的な免疫学的検定法で一般に使用されている大直径のポリスチレン・ビード(例えば4分の1インチ・ビーズ)の表面積より数倍大きい。このように表面積が大きく、アナライトと微粒子の表面上の捕獲分子との間の拡散距離が非常に小さいので、実施中の多数のMEIA方法で使用されている捕獲相は数分内に平衡状態に達し、非常に短いタイム・フレームでカルーセルを試験サンプルで一杯にすることができる。
【0072】FPIAと異なり、MEIA等のヘテロジニアス免疫学的検定には、上記で説明した分離ステップが必要である。特に、試験サンプルによって微粒子をインキュベートした後、上記で説明したようにMEIAカートリッジに含まれるマトリックスに移送することによって微粒子を反応混合物から分離する。マトリックスは、検定の次の光学式読取り相の間、正確に配置された機械的支持を微粒子に提供する。この正確に配置された機械的支持、すなわちカートリッジは、カミング手段によって読取り装置から所定の間隔で補助カルーセル内に取り付けられている。
【0073】
【発明の実施の形態】本発明による自動免疫学的検定分析システムの好ましい実施例を、本発明のシステム装置及びプロセスに関して特に重要な構成要素と共に示す。図面はシステムの様々な構成要素を駆動して制御するための機械的及び電気的要素を全て示しているわけではない。そのような省略された要素はどれも、システムの動作モードとサンプルの処理及び分析結果の判定に使用される様々な構成要素及び関連プロセスとに関して本明細書に提示した情報の知識を有する当業者によって容易に実現できる様々な知られた形を有することができる。
【0074】図面を参照すると、図1及び図2は本発明の自動免疫学的検定法分析システム装置の等角図である。図1のシステム装置は、技術者が使用するシステム装置を提示しており、図2は構成要素部品を取り外したフレーム及び及びキャビネットの等角図を示す。本発明のシステム装置は図1の符号2によって全体的に識別されている。システム装置2は、スケジューリングされた試験をサンプルと共に反応容器内にキッティングするための第1の移送ピペット機構6によって操作される露出したフロント・エンド・カルーセル4を有する。システムは、格納コンパートメント及び廃棄物コンパートメントにアクセスするためのアクセス・パネルと共に、コンピュータ画面8及びコンピュータ・キーボード10を備えている。システム装置 12は、それを必要に応じて研究所構内で移動するためのローラ14を備えている。システムは電源要件を除いて完全な自立型なので、システム装置12はローラ14を介して自由に移動することができる。
【0075】図2では、システム装置の実質的に全ての機能構成要素を取り外したシステム装置2キャビネット・フレーム16が示されている。制御環境ゾーン18は、フロント・エンド・カルーセル4とは逆に、光から遮蔽されて空気流と温度が厳しく調整された動作時に密閉される装置である。フロント・エンド・カルーセル4は、移送ポート20を介して制御環境ゾーン18と連通している。フロント・エンド・カルーセル4は、サポート・プラットフォーム22上に載ったアルミニウム製ベース・プレートに取り付けられ、第1の移送ピペット機構は手段24上に取り付けられている。
【0076】図3の断面平面図は、機能構成要素システム装置のプロセス・フローを示すために該装置の相対位置と共にある程度詳細に該装置を提示している。例えば、サンプル・カップ26は、試薬パック・カルーセル32及び反応容器カルーセル36と共にフロント・エンド・カルーセル4内に同心円的に取り付けられたサンプル・カップ・カルーセル28上に取り付けられている。試薬パック・カルーセルは試薬パック30を備え、反応容器カルーセル36は反応容器34を備えている。フロント・エンド・カルーセル4は試薬パック・カルーセル32及びサンプル・カルーセル28を自動的に識別するための作動可能なバー・コード読取り装置38を有する。様々なサンプル及び試薬の移送の間に必要に応じて洗浄を行うための洗浄カップ40が第1の移送ピペット機構6に提供されている。第1の移送ピペット機構6は、様々な試薬パック液体材料及びサンプルを反応容器34内にキッティングする際に使用される。試薬及びサンプルは、ポンプ手段を含む第1の移送ピペット機構6の手段を介して適切にキッティングされる。様々なカルーセルは、分注ステーションでのキッティングのために回転され整列される。キッティングされた反応容器34は反応容器カルーセル36によって、移送ステーション42に移送するのに適した位置に位置決めされる。反応容器34は移送手段を介して移送ステーション42に移送される。次いで、移送ステーション42が回転し、反応容器をプロセス・カルーセル46上に移動する。図のように、処理カルーセルはステップ・モータ48によって駆動され、第2の移送ピペット機構50によって操作される。FPIA手順及びMEIA手順は共に、システム装置を処理カルーセル46まで使用する。処理カルーセル46は、キッティングされ、分注され、適切に反応した試薬サンプルのFPIA分析を反応容器34から直接読み取るためのFPIA処理電球52及び54を含む。調整環境ゾーン18は、移送ステーション42及び処理カルーセル46を含み、キャビネット空気循環ファン56による温度調整の下での空気循環によるFPIA処理を行う。第2の移送ピペット機構50用の洗浄カップ58が提供されている。第2の移送ピペット50は、インキュベーション条件及びタイミング条件下にある試薬を、FPIA処理用のFPIA試験計画反応容器34中のサンプルに付加する(分注)ために使用される。MEIA処理では、第2の移送ピペット50を使用して、カートリッジ・ホイル・カルーセル64上に取り付けられたMEIAカートリッジ68に反応混合物を付加する前に試薬をサンプルに付加することもできる。MEIA試薬を混合されたサンプルのMEIAカートリッジ68への移送は、第2の移送ピペット50の機能によるものである。モータ60はカートリッジ・ホイル64を駆動する。MEIAカートリッジを自動的に送り、カートリッジ・ホイル64上に位置決めするカートリッジ・ホッパ66の操作を介して、カートリッジ・ホイル64にMEIAカートリッジ68が提供される。処理領域は、第2の移送ピペット機構50及びヒータ・ポンプ44を含む。カートリッジ・ホイル・カルーセル64はさらに、MEIA緩衝剤ヒータ及びディスペンサ70、MUPヒータ及びディスペンサ・プローブ72、ならびにMEIA読取り装置74によって操作される。MEIA読取りが完了した後に、カートリッジ・イジェクタ62によってMEIAカートリッジがカートリッジ・ホイル64から取り外される。
【0077】本明細書に記載したように第1の移送ピペット機構6及び第2の移送ピペット機構50を使用すると、特定の検定に関して夫々のサンプル及び試薬の量が誤っている場合に誤った負の結果を防ぐように試験サンプル及び試薬が分注されるようにするための安全な機構が提供されることを理解されたい。
【0078】システム装置の作動可能な要素を詳細に検討するものとして、図4Aは、フロント・エンド・カルーセル4の各要素の分離断面正面図を提示している。図4B及び図4Cは、軸37に沿って旋回して開閉するカバー手段31を含む試薬パックを示す。リターン・ノッチ付きドライブ・アーム35を使用して、カバー接触表面33との接触によってカバー手段31が開閉される。
【0079】図5は、様々なカルーセルを取り外したメイン・カルーセル4の駆動システム及び案内システムの要素の分離部分平面図を提示する。図5では、サンプル・カップ・カルーセル・ステップ・モータ76が、取付けばね78を取り付けられた状態で示されている。試薬パック・カルーセル・モータ80も取付けばね82と共に示されている。反応容器カルーセル・モータ84及び取付けばね86は二つの内側カルーセル、すなわちサンプル・カップ・カルーセル28及び試薬パック・カルーセル32の外側に位置決めされている。サンプル・カップ・カルーセル28及び引張りばね90にローラ・ガイド88が提供されている。試薬パック・カルーセルは、ローラ・ガイド92及び引張り手段94を備えている。反応容器ローラ・ガイド96もばね要素98を備えており、このガイドとこれらの様々なばね要素の目的は、別々のステップ・モータによって動かされたときに同心円カルーセルの非常に限定されたトラッキングを維持することである。
【0080】ランピング機能及びエラー検出機能を備えた非マイクロプロセッサ・ベース・ステップ・モータ制御装置を提示する。制御は、プログラム可能なシーケンサ/制御装置集積回路によって実行される。この装置は、基本速度、最終速度、加速度、及びステップ数を使用してプロフィールを計算することによってプログラムされる。プロフィールは、対称的でも非対称的でもよく、様々なエラー検出機構を組み込むことができる。すべてのモータ運動シーケンス及びエラー検出機構は、ハードウェアに固着され、入力BITの状況を変更するだけで実施/開始することができる。
【0081】ステップ・モータ及び線形アクチュエータは、自動連続ランダム・アクセス分析システムでのように、正確な回転又は線形運動、あるいはその両方を必要とする様々な応用分野で使用されている。ステップ・モータは、二相永久磁石モータであり、巻線の極性が変化するたびに離散的な角運動を提供する。
【0082】このようなモータ用の制御駆動回路は、PALを、出力を緩衝する高電流ドライバと共に使用することによってデジタル的に実施することができる。例えば、現代のシステムは、あらゆる広範な応用分野用のステップ・モータを管理して制御するうえでのエラー検出技術及びエラー訂正技術が必要であることを示している。
【0083】本発明によって、プログラム可能/制御装置集積回路によって制御が実行される、ランピング及びエラー検出を備えた非マイクロプロセッサ・ベース・ステップ・モータ制御装置が提供される。この装置は、基本速度、最終速度、加速度、及びステップ数を使用してプロフィールを計算することによってプログラムされる。
【0084】本発明の方法及び装置によって提供される機能は、ステップ・パルス、方向制御、電力制御、終了状況、ホーム状況、及びエラー状況である。プロフィールは、モータ又は機械の位置を検出するためのセンサを使用することによって組み込むことができる様々なエラー検出機構を含めて、対称的でも非対称的でもよい。すべてのモータ運動シーケンス及びエラー検出機構は、ハードウェアに固着され、入力BITの状況を変更するだけで実施/開始することができる。入力BITの状況を変更することによるそのような単純な修正によって、システムのハードウェア要件は大幅に少なくなる。
【0085】例えば、搬送機構、Rアクセス・イジェクタ、トラップ・ドア、シャトル等の機構をインデクサによって駆動することができる。速度及び加速度プロフィールは、ハードウェアに固着することができる。プロフィールには、基本速度、最終速度、加速度、及び総ステップ数が必要である。プロフィールは線形階段状であり、対称的でも非対称的でもよい。プロフィール全体で利用可能な階段ステップの最大数は40である。インデクサが動作を開始するには一つの入力BITが必要である。実行される動作は以下のように定義される。
【0086】ホームでない場合は、ホーム・センサが見つかるまで、所定の基本速度でホームに向かって移動する。
【0087】ホームの場合、所定のステップ数だけ単調増加し、固定された時間だけ遅延し、次いで所定のステップ数だけ元に戻る。
【0088】インデクサは、上記で定義したモータ運動の完了時にアサートされる一つの出力BITを有する。このBITは、新しいモータ運動コマンドが要求されるまでアサートされたままである。インデクサは、ステップBIT、方向BIT、及び電力ハイ/ローBITを、選択されたモータ・ドライブに提供する。ホーム・フラグ出力は、適当なモータ運動を検出して判定できるように、インデクサに送られる。
【0089】3つのフロント・エンドカルーセル、サンプル・カップ・カルーセル28、試薬パック・カルーセル32、及び反応容器カルーセル36を含むフロント・エンド・カルーセル4は例えば、以下の能力を含むことができる。サンプル・カップ・カルーセル28は、真空血液収集チューブ等の60本の血液収集チューブ、又は1ピースとして射出成形された90個のサンプル・カップを保持することができ、かつ独立型ベース据付けを備えることができる。独立型ベース据付けは、技術者がサンプルを保持し、サンプル・カップ内に分注するのに適している。試薬パック・カルーセル32は20個の異なる試薬パック30を備えることができる。反応容器カルーセル36は90個の反応容器34を備えることができる。
【0090】図6に示した処理カルーセル46は分離断面側面図である。一つの反応容器34は静止位置又は非作動位置にあり、第2の反応容器はFPIA読取り用の位置にある。処理カルーセル46は、様々な反応容器34を分注動作、読取り、又はカルーセルへの及びカルーセルからの移送に対してタイムリーに移動するために2方向の運動が可能である。反応容器34の直径及び寸法に応じて、処理カルーセル46上で最大約36個以上の反応容器34を一度に処理することができる。
【0091】図7の第1の移送ピペット機構6は、プローブ・アーム104、プローブ106、及びプローブ・チップ108を垂直方向に移動する移送ピペットZ軸モータ102を含む。これ に対して、移送ピペットR軸モータ100はプローブ・アーム104、プローブ調整手段106、及びプローブ・チップ108を水平に駆動する。第1の移送ピペット機構6は、「サンプル・プローブ・アーム機構」と呼ばれることもあり、サンプル・カップ26と試薬パック30と試薬容器34と洗浄カップ40の間でプローブを移動する。洗浄カップ40は第1のピペッタ機構6プローブの内側表面及び外側表面を洗浄するために使用される。第1の移送ピペット機構は、二つのステップ・モータ・ドライバによるZ軸及びR軸に沿ったラックピニオン駆動手段である。電力が失われたときにZ軸位置を保持し、それによってシステム装置への損傷を回避するためにブレーキが設けられている。例えば、第1の移送ピペット機構は、約3インチのX軸移動距離と約11−1/2インチのR軸移動距離を有するように設計することができる。
【0092】第1の移送ピペット機構6と第2の移送ピペット機構50は、全体的なシステム装置機能及び設計では密接に関係しており、移動距離及び寸法の違いが唯一の実質的な違いである。どちらの装置も図8の概略側面図に示したプローブ・アーム回路110を有する。この概略図は、R軸モータ100及びZ軸モータ102を上部PCB112及びR軸ホーム・センサ114に関して示している。下部PCB116は、様々な要素を接続するコイル・ケーブル120を含むZ軸ホーム・センサ118に関して示されている。
【0093】本発明による気泡流出吸入吐出シリンジは、シリンジが流体を吸入して吐出する際の精度及び正確さに依存するプロセスにおいて流体が使用されるような自動分析システム又はその他の応用分野で使用することができる。気泡を流体系から自動的に完全に流出させ得るシリンジは、そのような精度及び正確さを達成して維持することができる。本発明によるシリンジは、ピストンがシールを介して締まりばめボア内で往復運動し、ボアが、閉鎖された端部を有し、ボア及びピストンが、流体入口手段及び流体出口手段と連通する環を形成するように構成される。流体はピストンの周りの環内に導入され、気泡を環から流出させる十字流を形成する。十字流が発生している間、ピストンがボア内で往復運動する。この往復運動によって、ピストンとボアとの間の環に高流体速度が発生する。高流体速度によって、ピストン又はボア壁に付着している気泡が除去される。ピストンは、完全内側伸張位置に達すると、ボア端部に非常に近くなり、こうして、ボア上に付着した気泡が除去され、外側伸張位置へのピストンの引抜き時に流出される。
【0094】様々な分注機構に自動バブル・フラッシング及び流体を提供するシリンジ122の様々な要素は、図9A、図9B、及び図9Cの様々な図に提示されている。検定を正確に実行する診断計器の能力は、シリンジ、すなわち分注が試薬及びサンプルを吸入して吐出する精度に強く依存している。シリンジの精度は、その内部に小さな気泡が存在することによって大幅に低下する。残念なことに、気泡はあまりにも頻繁に発生し、除去又は回避するのが困難である。シリンジ122は気泡を流体 システムから自動的に完全に流し出すことによってこれらの問題を回避する。シリンジ122は、ピストン124がシール126を介して往復運動して締りばめボア128に入るように構成されている。ボアの端部130は閉鎖されている。ピストン124は、閉鎖されたボア端部130の形状を近似するピストン端部132を有する。ボアの二つのポートは、1800離れてシールの近くに位置しており、流体入口134及び流体出口136から構成されている。ピストン124とボア128との間に間隙138が存在する。圧力管路希釈剤は流体入口134に導入される。流体はピストン124の両側面の周りの間隙138に流れ込み、次いで流体出口136に流れ込む。 十字流が発生している間、ピストン124はボア128内部で往復運動する。この往復運動によって、ピストン124とボア128との間の間隙138に高流体流速が発生する。高流速によって、ピストン124又はボア壁に付着している気泡は除去される。ピストン124の内向きストロークによってこの除去された気泡は十字流領域に押し流され、該領域でシリンジから排出される。ピストン端部132及びボア端部130は類似の球形を有する。ピストン124は、内向きに最大限に延びたとき、ボア端部130に非常に近くなる。ボア端部130上に付着している気泡は破壊され除去される。同様に、ピストンは外向きに最大限に延びたとき、端部がシール126と同一平面にくる。十字流を発生させながらピストンを往復運動させるシーケンスは、システム装置によって自動的に何度でも実行することができる。
【0095】流体は、シリンジ122の流体出口136を離れた後、管継手、チューブの全長、他の管継手を通過してプローブ106に入り、プローブ・チップ108から流出しなければならない。試薬の吸入及び吐出が実際に行われるのはプローブ・チップ108である。シリンジとプローブ・チップの間に閉じ込められた気泡も性能を低下させるので、シリンジから押し流された気泡が止まる場所があってはならない。従って、シリンジとプローブとの間の配管上で死空間のない間継手を使用する必要がある。
【0096】本発明の気泡流出吸入吐出シリンジの作動時には、休止位置又はホーム位置からのピストンの初期引込み速度は、ピストンが完全引込み位置に接近する際の速度より遅い。ボアの端部に対するピストン動作のこの種の操作は、ボア内の高真空及び気泡形成を回避する。一方、ボアの端部に形成された気泡の除去を促進するために、ピストンをホーム位置から高速で引き抜くことができる。そのような気泡流出手順の後に、弁を閉鎖して吸入を完了することができる。しかし、シリンジを吐出に使用する場合、吐出を目的として測定された量の液体のために弁を開放することができる。
【0097】特に、自動気泡流出シリンジ装置の図9Dに示した部分 断面側面図は、完全に引き抜かれた位置から締まりばめボア128内のホーム位置までの行路のある位置におけるピストン124を提示している。ピストン124は、ばねで通常の位置にポリエチレン製ウェア・リング133により固定及び支持されるシール126を介して往復運動する。シール126は、ポリエチレン製ウェア・リング上のOリングから構成されている。図9Eによるボア端部への行路の終わり近く、すなわちホーム位置にある往復ピストンを含む自動気泡流出シリンジのシリンジ・ボア端部の分離断面図は、ボア130内の完全に引き込まれた位置にあるピストン124の想像図も示している。ピストン124が完全に引き込まれたとき、ピストン先端132は入口131及び出口136の断面流をわずかに越える。ピストン124がホーム位置137にあるとき、ピストン端部132はボア端部130に非常に近くなる。
【0098】シリンジ122の構成は、長さ約8.3インチ、幅約3.5インチ、奥行き約2.7インチであってよいが、これに限るものではない。線形アクチュエータ125はフレーム123に 据え付けられている。アクチュエータ・モータは、相親ネジ 133がねじ込まれるナット手段127を回転させる。親ね じ133は、軸受け131が底部側に据え付けられたカプラ 129にクランプ止めされている。軸受け131はフレーム 123中の溝を走る。カプラ129は、軸受け131によって回転可能に拘束されているので、線形アクチュエータ・モータ125が、ナットと、カプラ129内にクランプ止めされたピストン124とを回転させるときに往復運動し、従ってピストン124はシール126を介して往復運動する。本発明の気泡流出吸入吐出シリンジは、気泡を流体系から自動的に完全に流出させることによって、流体の吐出及び吸入の精度及び正確さにおいて非効率性をもたらす恐れのある気泡の除去も行う。気泡流出操作を実行するには、弁を開放し、ピストン124をそのフル・ストロークを介して少なくとも一度、好ましくは約5ストロークから約10ストロークだけ往復運動させる。流体は、ピストン124の両側の周りを流れ、又はボアを横切って流れ、次いで流体出口136に再収束する。この十字流パターンはシール126の領域中の気泡を流体出口136から流出させる。ピストンとボアの間の隙間は小さく、好ましい実施例によれば、約0.002インチから約0.008インチである。ピストン124が往復運動すると、ピストン124とボア128との間の環138で非常に高い流速が発生する。このような非常に高い流速によって、ボア128中の気泡はシール領域まで流され、該シール領域で、十字流によってシリンジ122から流出する。死空間のない管継手が、シリンジ122と先端解放手段の間に位置決めされ、シリンジ122から流出する気泡が連通管に沿って先端から流出する際に付着する場所がないようになっている。
【0099】一実施例では、圧力下の脱イオン水が、シリンジ122の流体入口134に供給される。この水は、二方電磁弁を通過し、ピストン先端が完全に引き抜かれたときにピストン・ボアの一方の側に流れ、あるいはボアを横切って流れる。例えば、何らかの流量要件時に弁を開放すると、流体はこの入口134から、ピストンの両側の周り、すなわち環138を流れ、あるいはボアを横切って流れ、流体出口136から流出する。流体は次いで、導管手段を介して、端部が開放された先端に流れる。弁を閉鎖すると、ピストンの往復運動によって、先端で流体が吸入又は吐出される。
【0100】他の実施例では、流体入口134と流体出口136が約180°離れており、シール126とボア端部130との間においてシールの近くに位置している。加圧された流体が一方の口に導入される。流体はそのような口を介して、ピストンの両側の周り、すなわちピストンとボアによって形成された環を流れ、対向する口に流れ込み、あるいはボアを横切って流れる。この十字流は、シールの近くの領域から気泡を流出させる。十字流が発生している間、ピストンはボアの内側で往復運動し、ピストンの内向きストロークが、除去された気泡を十字流の方へ押し、気泡がシリンジから流し出される。他の実施例では、ピストン124はボア端部130の端部構成と類似の端部構成、すなわち類似の球形を有する。ピストン124が完全内側伸張位置に達すると、ピストンはボア端部130に非常に近くなる。ボア端部130に付着している気泡が除去される。ピストン124が完全外側伸張位置に達すると、ピストンの端部がシール126と同一平面上にくる。従って、ピストンの円錐形端部は流体入口と流体出口との間にあり、ピストンの先端に付着している気泡は十字流によって流し出される。十字流が発生している間にピストン124を往復運動させるこのシーケンスは、いつでも器具によって実行することができる。
【0101】本発明の自動気泡流出シリンジは、シリンジを手動で操作するか、それとも自動器具で操作するかにかかわらず、多数の医療診断計器及び装置で見られるような流体の厳密な吸入及び吐出、厳密な分析分注、ならびに様々な量の液体、特に少量の液体の厳密な操作が必要とされる同様な状況を含むが、これらに限らない、流体の厳密な操作が望まれるどのような状況でも使用できることを理解されたい。また、シリンジの第2の下流弁を含めることによって、シリンジは精密な容積式ポンプに変化する。
【0102】本発明の他の実施例によれば、流体が吸入され吐出される際の精度及び正確さに依存するプロセスで流体が使用される自動分析システム又はその他の応用分野で使用できる気泡流出吸入吐出装置が提供される。特に、本発明の装置はシリンジ状の装置であり、流体の厳密で正確な操作を実行できるように、全ての又は実質的に全ての気泡を流体系から自動的に流出させる能力を有する。シリンジは、ピストンがシールを介して締まりばめボア内で往復運動し、ボアが、閉鎖された端部を有し、ボアとピストンが、流体入口及び流体出口手段と連通する環を形成するように構成されている。流体はピストンの周りの環内に導入され、気泡を環から流出させる十字流を形成する。十字流が発生している間、ピストンがボア内で往復運動する。この往復運動によって、ピストンとボアとの間の環に高流体速度が発生する。高流体速度によって、ピストン又はボア壁に付着している気泡が除去される。ピストンは、完全内側伸張位置に達すると、ボア端部に非常に近くなり、従って、ボアに付着した気泡が除去され、ピストンの外側伸張位置への引抜き時に流し出される。同様に、ピストンが完全外側伸張位置に達すると、十字流がピストンの球形端部から気泡を流し出す。
【0103】本発明のシリンジは、本明細書に詳細に記載したシステム等の、二つ以上の検定を複数の試験サンプルに対して連続ランダム・アクセス的に同時に実行できる自動分析システムで特に有用である。特に、本発明の自動免疫学的検定分析システム装置は、別々の変更可能なソフトウェア・モジュールを介して実行される異なる検定群を含むマイクロプロセッサ・ベース集積サブアセンブリ・システムとみなすことができる。このマイクロ・プロセッサ・ベース・システムは、二つの自由度をもつロボット・アーム分注器と双方向回転カルーセルとを使用してサンプルを処理する。インキュベーション、洗浄、標本希釈等の重大な検定ステップは、器具によって自動的にスケジュールどおりに実行される。
【0104】本発明によれば、複数の液体サンプルに対する複数の検定を同時に実行できる自動連続ランダム・アクセス分析システムが提供され、複数の液体サンプルに対して様々な検定がスケジューリングされるような方法を実行できるようにする。本発明は、キッティング手段を介して、検定反応シーケンスを開始せずに液体サンプル及び試薬を別々に反応容器に搬送することによって使捨て単位量を生成することができる。複数のキッティングされた使捨て単位量がキッティング手段から処理領域に搬送され、該領域において、反応容器中で、一つ以上の液体試薬を含む独立した各サンプル毎に異なる時間にアリコートが混合され、独立した反応混合物が形成される。そのようなキッティング及び混合のスケジューリングは、複数の反応混合物のインキュベーション中に行われる。そのようなキッティング及び混合の独立したスケジューリングは、複数の反応混合物のインキュベーション中に同時にかつ独立して行われる。
【0105】少なくとも二つの異なる種類の検定を同時に実行するための自動連続ランダム・アクセス分析システムを完成するには、複数の使用法を有し、様々な取扱い装置を必要とする、反応容器装置が必要である。連続ランダム・アクセス機能を有する自動分析システムを提供するという要求は、反応容器及び様々な反応容器ハンドリング装置を利用することによって満たされる。
【0106】図10A、図10B、図10C、及び図10DでMEIAスケジューリング又はFPIAスケジューリングに関して反応容器34について詳細に論じる。図10A及び図10BはFPIAキッティングの使用を提示しており、図10Aの平面図及び図10Bの両方でキュベット140が図示されている。S試薬はウェル142に置かれるが、T試薬トレーサはウェル144に、P試薬ポッパはウェル146に置かれる。ウェル150及び152は様々な試薬、緩衝剤、ないし希釈剤を装置に提供するために働くことができる。サンプルはウェル148に置かれ、事前希釈剤はウェル154に置かれる。必要な試薬をサンプルと共に反応容器に入れる際に移送ピペッタを使用することをキッティングと呼ぶ。様々な必要な試薬等をサンプルと共に単一の反応容器に入れることを分注と呼ぶ。
【0107】図10C及び図10Dの平面図及び側面図に示したMEIA反応容器は夫々、ウェル156中の予備希釈剤、ウェル158中に置かれた微粒子材料、反応ウェル166中に直接入れられた共役体、ウェル162中の検定希釈剤、ウェル164中のサンプルを含む。緩衝剤ウェルは168であり、予備希釈剤ウェルは170である。キッティングが完了した後、メイン・カルーセル又は処理カルーセルで、両方のカルーセルの分注機構を使用して、次のFPIA分注ステップ及びMEIA分注ステップを多数実行することができる。これが可能なのは、キッティングされた反応容器は、キッティングされた後直ちに移送ステーションに移送され、従って調整された温度環境に存在する処理カルーセルに移送されるからである。
【0108】二つの反応容器34を据え付けられた反応容器装填ストリップ175の図10Eの部分等角図は、レッジ・カットアウト179で分離された連続ストリップ上部ハンドリング・レッ ジ・セグメント177を示している。各レッジ・セグメント 177は、連続ストリップ壁181の下部にある反応容器据付け手段182と同時に起こる。反応容器据付け手段182は、夫々上に二重フィン・セット187を有する柔軟なレッグ部 183を各反応容器の据付けのために備えている。二重フィ ン・セット187は、ストリップ連続壁181及びレッグ部183の平面から垂直に突き出ている。レッグ部183は、柔軟であり、二重フィン・セット187と組み合わせられることによって、反応容器装填装置ストリップ上に据え付けられたときに反応容器をしっかり保持し、反応容器カルーセルに挿入されたときに容器を開放することができる。
【0109】反応容器34が据え付けられた反応容器装填装置ストリップ175の平面図が、図10Gに示されている。図10Gの平面図中の反応容器34は、図10Aに示したFPIA利用向けに単純にすることだけを目的として識別された反応容器の様々なチャンバを備えている。図10Cに示したMEIA利用を図10Gに関して提示することもできることは極めて明らかである。反応容器34は、FPIA利用向けに識別された壁152内に反応容器据付け手段182を挿入することによって反応容器装填装置ストリップ175上に据え付けられる。同じ壁が、MEIA利用では168として識別されている。反応容器装填装置ストリップは、ストリップ連続壁181を弧状にして反応容器カルーセルの湾曲の半径に対応させることによって、複数の反応容器を一度に反応容器カルーセル内に装填するために使用される。一つの連続ストリップ壁181に取り付けられた十個の反応容器が図10Gに示されている。しかし、反応容器装填装置ストリップ175の長さを拡張して、十個より多くの反応容器を収容し、あるいは同じ長さのストリップ又はこれより短いストリップ上に十個より少ない反応容器を据え付けることができる。
【0110】反応容器装填装置は、反応容器を反応容器カルーセル上に装填するために最大で十個より多くの反応容器を一度に保持する半硬質プラスチック製ストリップで構成されている。オペレータは、カルーセルの半径に一致する弧状にストリップを湾曲させる。次いで、半硬質プラスチック製ストリップ上に据え付けられた十個より多くの反応容器がカルーセル上の夫々のスロット内に挿入される。複数の反応容器が反応容器装填装置ストリップと共にカルーセル上の所定の位置に配置され、次いで再使用又は破棄のために除去される。
【0111】単位量使捨て反応容器は、複数の反応容器を使用する、一般に各検定毎に一つの反応容器が必要な少なくとも二つの異なる形態の検定を複数の試験サンプルに対して連続ランダム・アクセス的に同時に実行できる自動連続ランダム・アクセス分析システムで重要な役割を果たす。特に、自動免疫学的検定分析システム装置は、別々で変更可能なソフトウェア・モジュールを介して実行される異なる検定群を含むマイクロプロセッサ・ベース集積サブ・アセンブリ・システムとみなすことができる。このマイクロプロセッサ・ベース・システムは、二つの自由度をもつロボット・アーム分注器と双方向回転カルーセルとを使用してサンプルを処理する。インキュベーション、洗浄、標本希釈等の重大な検定ステップは、器具によって自動的にスケジュールどおりに実行される。複数の装置中のそのような反応容器を操作し、反応容器カルーセル内に装填するための手段は、オペレータがシステムを一様にかつ連続的に操作する上で特に有用である。本発明によれば、そのようなハンドリング装填手段は、反応容器開口部に挿入可能な、離間された反応容器開口部の形のくぼみを含む上部平面を有する半硬質プラスチック製平面カバーを備えた反応容器装填装置である。反応容器カルーセル上と実質的に同じ湾曲寸法及び反応容器位置決め間隔を有する反応容器装填装置が事前成形される。反応容器装填装置は、少なくとも一つの反応容器ウエル及び反応容器のキュベットにはまるローダの反応容器開口部くぼみからの追加くぼみ又は突起を備えている。反応容器装填装置は、複数の反応容器を一度に反応容器カルーセル内に装填する機能を備えると共に、反応容器カルーセルへの装填前、装填中、及び装填後に複数の反応容器用のダスト・カバー手段を提供する。特に、反応容器装填装置は、自動システムが反応容器を装填して使用する前にカバーを提供する。反応容器ウエル突起とキュベット突起は、反応容器への挿入を容易にすると共に、反応容器が反応容器カルーセル上の平面にはまった後に反応容器から容易に取り外せるように、突起が反応容器装填装置の平面から垂直に延びるような寸法を有する。
【0112】二つの反応容器34を据え付けられた反応容器装填装置450の図10Fの部分等角図は、連続表面又はダスト・カバー手段を備える反応容器装填装置の平面452を示す。反応容器装填手段450の平面452は、反応容器開放端部にはまるのに適した反応容器装填装置挿入くぼみ454を離間させている。反応容器挿入くぼみは、反応容器の少なくとも一つのウエルにはまるように離間された更にくぼんだ突起手段456を備える。反応容器挿入くぼみ454は、反応容器キュベット140にはめこむための追加くぼみ突起458を有する。反応容器装填装置450の平面452は、反応容器装填装置450の平面452の外側パラメータを形成する連続張出しリム 460を有する。連続張出しリム460は、反応容器装填装置の平面452に平行な実質的に平坦な表面461で終端する。反応容器装填装置450の湾曲長の各端部には、張出しハンドリング・フィン462及び464がある。これらの張出しハンドリング・フィンによって反応容器装填装置450の引抜き及び操作が可能になる。これは図10Hに更に明確に示されている。
【0113】十個の反応容器計数手段を有する反応容器装填装置450の平面図を図10Hに示してある。図10Hの平面図中の隠線表示で示した反応容器34は、図10Aに示したFPIA利用向けに単純化することだけを目的として識別された反応容器34の様々なチャンバを提示している。図10Cに示したMEIA利用を図10Gに関して提示することもできることは極めて明らかである。反応容器34は、反応容器装填装置の平面452と、対応する反応容器ウエル取付突起456及び反応容器キュベット取付突起458とを挿入することによって反応容器装填装置450上に据え付けられる。反応容器装填装置は、反応容器カルーセルの湾曲の半径に対応する反応容器装填装置450への下向き圧力によって、複数の反応容器を一度に反応容器カルーセル内に装填するために使用される。例えば、図10Gに示したように、一つの連続反応容器装填装置に十個の反応容器を取り付けることができる。しかし、反応容器装填装置450の長さを拡張して、十個より多くの反応容器を収容し、あるいは同じ長さの反応容器装填装置又はこれより短い反応容器装填装置上に十個より少ない反応容器を据え付けることができる。
【0114】反応容器装填装置は例えば、十個以上の反応容器を一度に反応容器カルーセル上に装填するために十個以上の反応容器挿入くぼみ454を有することが好ましい半硬質プラスチック製平面452を備えている。ローダが反応容器カルーセルの寸法に適合するように事前成形されているので、オペレータはローダを成形する上で極端に注意する必要がない。この点に関して、反応容器装填装置450は、ローダ上に据え付けられた反応容器を反応容器カルーセルに挿入して装填する「ドロップイン」タイプである。複数の反応容器が反応容器カルーセル上の所定の位置にはめ込まれ、反応容器装填装置は次いで再使用のために取り外され、あるいは破棄することができる。反応容器装填装置は、本明細書に記載したように使用されるまでダスト・カバー保護を維持するために反応容器カルーセル内に装填された反応容器上に据え付けたままにすることもできる。
【0115】ほこり又はその他の汚染物質は例えば、検定性能に影響を及ぼすので、事前にパッケージ詰めされた反応容器が据え付けられた反応容器装填装置は、製造の時点から、反応容器が汚染を排除する反応容器カルーセル内に実際に装填されるまで、反応容器用のほこり又は汚染物質のカバーを備える。対応する位置に据え付けられた反応容器を含む反応容器装填装置は、反応容器カルーセルの夫々のスロットに挿入された後、反応容器が反応容器カルーセル上の所定の位置にはまるまで反応容器装填装置上部平面に対する圧力によって押し付けられる。反応容器及びカルーセルからの反応容器装填装置の取外しは、反応容器カルーセル中の所定の位置にはまっている反応容器を固定する反応容器装填装置上の張出しハンドリング・フィンを上向きに引っ張ることによって容易に行える。反応容器カルーセル中の所定の位置にはまっている反応容器から反応容器装填装置を取り外すのに必要な力は、反応容器カルーセル中の適所にはまっている反応容器を保持する力より小さい。このように必要な力が少ないのは、一つには、反応容器挿入くぼみの構造によるものであり、特に、反応容器装填装置を反応容器から容易に取り外せるようにするだけでなく、反応容器装填装置を反応容器に容易に挿入できるようにする、突起の基部から突起の端部までの小さな断面積を提供する反応容器ウエル継手突起及び反応容器キュベット継手突起による。
【0116】反応容器装填装置ストリップを使用することによって、オペレータは、各反応容器を個別に操作して反応容器カルーセルに挿入するのではなく、複数の反応容器を一度に装填することによって、かなり時間を節約できる。一般に、反応容器カルーセルは一度に90個以上の反応容器を保持する。
【0117】オペレータを更に助けるものとして、反応容器を事前にパッケージ詰めして、取外し可能な半硬質操作ストリップ上に据え付けることができ、これによってオペレータが複数の反応容器をパッケージから取り外す時間が効率化され、反応容器を迅速に反応容器カルーセル内に装填できるようになる。反応容器は、反応容器カルーセルの夫々のスロットに挿入された後、反応容器カルーセル上の所定の位置にはまるまでストリップ上部に対する圧力によって押し付けられる。反応容器及びカルーセルからのストリップの取外しは、反応容器カルーセル中の所定の位置にはまっている反応容器を固定しているストリップを単に上向きに引っ張ることによって行う。
【0118】移送ステーション42は装置及び処理機能において主要な役割を果たす。図11では、移送ステーション42の移送要素が反応容器移送突起部172によって反応容器34に係合している状態の断面図が示されている。移送アーム173は反応容器カルーセル36の反応容器要素間で突き出ており、移送ステーション42の回転によって、反応容器移送突起部172と 係合する。移送アーム駆動歯車174によって、移送アーム 173ラック歯車176は、移送アーム173を移送ステーション42に出入りするように移動する。移送ステーション42は回転軸178を有する。第11A図では、反応容器がフロント・エンド・カルーセル4上に取り付けられるものとして想像線で示されており、反応容器カルーセル36は反応容器移送突起部172によって移送アーム173と係合している。想像の反応容器180は、移送操作手段、すなわち移送突起部172を有しており、これによって、移送カルーセルの移送アーム 173は、反応容器180移送突起部172と係合するように係合手段又はピック184を位置決めすることができる。図11中の反応容器34は移送ステーションに載っている状態で示されており、移送ステーション42はフロント・エンド・カルーセル4と処理カルーセル46の間で反応容器34を移動する。移送ステーション42は、廃棄される反応容器34を処理カルーセル46か廃棄物排出ステーション(図示せず)に移動する。移送ステーション42はステップ・モータ駆動装置によって駆動され、精密線形ボール・ベアリング及び回転ボール・ベアリングの軸によって支持される。
【0119】処理カルーセル46は例えば36個の反応容器34を保持し、カルーセル直径約12.5インチを有する。処理カルーセル46は移送ステーション42と第2の移送ピペット機構50と分注のポイントとFPIA読取り装置処理52の間で反応容器34を移送する。処理カルーセル46はステップ・モータによって駆動され、高さ制御と、ふぞろいな形状のカルーセル要素によって発生する半径方向の移動の制御用の3本のホイールによって支持されている。
【0120】第2の移送ピペット機構50は、処理カルーセル46上の反応容器34中のウェル間でピペット・プローブを移動し、かつ補助カルーセル64上のMEIAカートリッジ68へ及び洗浄カップ58へ該プローブを移動する。軸ステップ・モータ駆動装置を介したラック・ピニオン駆動装置は、R軸とZ軸の両方上で正確な駆動を行う。例えば、Z軸上の移動距離は約3インチであってよく、R軸上の移動距離は約4.5ないし5.0インチであってよい。
【0121】補助カルーセル64は例えば、32個のMEIAカートリッジ68を保持し、直径約9.5インチを有する。補助カルーセル64は、第2の移送ピペッタ機構ピペット・ポイント、MUP調合ステーション72、MEIA洗浄ステーション、ならびにMEIA読取り装置74及びMEIAカートリッジ排出ポイント62を含む様々なステーション間でMEIAカートリッジ68を移動する。補助カルーセル64はステップ・モータによって駆動され、3つのホイルによって支持されている。補助カルーセル64をこれらの機能に対して所望の幾何学的関係に維持するために、一つのホイールはカートリッジ挿入ポイントでのZ軸高さ制御位置に、第2のホイールはピペット・ポイントに、第3のホイールはMEIA読取り装置に位置している。
【0122】MEIAカートリッジ68はカートリッジ・ホッパ66に装填され、カートリッジ・ホッパ66はMEIAカートリッジ68を補助カルーセル64に送る。MEIAカートリッジ68の自動送りは、MEIA読取りで必要とされる、補助カルーセル64へのカートリッジ68の適切な高さ調整によって行われる。カートリッジ・ホッパ66はカートリッジ68を個別に補助カルーセル64に送り、自動手段によってカートリッジ68の配向の軸を水平から垂直に変更する。MEIAカートリッジ68の取外しは、イジェクション・ロッドを介して動作し、MEIAカートリッジ68を補助カルーセル64から押し出して固体廃棄物容器内に落とす、イジェクタ62を使用することによって行われる。
【0123】緩衝剤供給ステーションを図14に示す。図14は装置の断面平面図であり、キャビネット・フレーム16、部分フロント・エンド・カルーセル4、及び電源要素192を、希釈剤システム又は緩衝剤加圧手段194と共に示している。処理された液体及び固体廃棄物を受け取るための固体廃棄物198容器及び液体廃棄物200容器のみならず、供給ボトル196もフレーム16の下部キャビネットに取り付けられている。
【0124】制御環境ゾーンは、自動連続ランダム・アクセス分析システム内でのインキュベーション及び化学反応のために必要である。適当な化学反応に最適な、インキュベーション及び反応ゾーン内の使捨て容器、薬品、小配管、機構等の温度を制御するために制御環境ゾーンにおいて温度制御が維持されている。温度制御は、空気流及び空気温度を熱力学的作動流体として使用することによって達成される。空気やガスは液体槽ほど急速に熱を伝導しないが、空気には、漏れ、蒸発、汚染等の関連する問題がない。
【0125】制御環境ゾーンは、異なる試薬及び量の薬品を備えたカルーセルを含み、従って、処理カルーセルのすぐ上流での大きな圧力降下によって、加熱された空気を強制的に一つの通路を通過させる特殊な温度制御方法を必要とする。通路の圧力降下は、カルーセルが完全に装填されているかいないかにかかわらず、空気がカルーセルの下を通過する際に受ける圧力降下より大きい。従って、加熱された空気は、カルーセルの空の位置に存在するギャップ内に優先的に入り込むのではなくカルーセルの周りに均等に分配される。制御環境内の空気流制御は、カルーセルの頂部表面の上に最小空気流を提供する。頂部上の開放された容器によって露出した液面の上を低速で移動する空気は、高速で移動する空気より蒸発が少ない。しかし、総空気流は制御環境ゾーン内で比較的多く、カルーセル下部に沿った空気流は乱流と層流が組み合わされたものになることがある。温度の変動を最小限に抑えるには、合理的に高いターンオーバ・レート及び空気流が必要である。
【0126】環境空気流温度調整システムを示す概略図を図15Aに示す。このシステムでは、投入空気204が流入し、高温の空気がエギゾースト206から排出される。空気流202は矢印で示されており、調整された環境空気流214は少なくとも一つのヒータ要素及びファン要素210を備えている。空気の温度を調整するために少なくとも一つの温度センサ212が提供されており、空気流202制御と相関させることができる。
【0127】補給空気204が入り、高温空気がイグゾースト206から出る、環境空気流温度制御システムを示す概略図が図15Aに示されている。空気流202は矢印で示されており、制御環境空気流概略図214は、少なくとも一つのヒータ要素208及びファン要素210を備えている。少なくとも一つの温度センサ212が空気温度の制御のために備えられており、空気流202の制御と相関付けることができる。
【0128】連続分析システムの反応ゾーン及びインキュベーション・ゾーンの温度制御を行うには、加熱された空気流を使用して、最も重要な処理カルーセル46を含む環境ゾーン18を制御する。FPIA手順とMEIA手順は共に、処理カルーセル46を共通に介し、かつ含むシステム装置を使用する。温度制御のために空気が再循環されない制御環境空気流概略図214が図15Bに示されている。空気流202はファン要素210によって活動化され、適当なエア・フィルタ・システムを含む空気入口205に入り、空気ヒータ要素208を通過する。空気流202は、器具の基部プレートに備えられた導管手段を通過させられる。空気は、導管から出ると、分析すべきサンプル、必要な試薬、及びプロセスで使用される使捨て品目を含むカルーセルの下側に向かう。空気は、カルーセルの近辺を離れた後、制御環境ゾーン18内で循環させられる。
【0129】加熱された空気が処理カルーセルに向けられると、その温度がセンサ212によってサンプルされる。センサ212の出力は制御装置によって監視され、制御装置が、システムに追加熱量が必要であると判定すると、電力をヒータ要素208に印加する固体リレーを働かせる。熱を効率的に空気に伝導するために空気流202の通路に一つ以上のヒータ要素208が位置している。排気導管206によって、空気は導管中の複数の開口部を制御された方法で通過することができる。ファン要素210が、加熱された空気をシステム全体に行き渡らせる間に、流体系で使用されるヒータ・ブロックに冷却流体を提供することによってシステムの流体を冷却するために、制御環境ゾーン18内の最も重大な温度制御領域から下流にある空気入口207から大気が導入される。空気入口207を介したこの大気導入は、排気導管206と、制御環境ゾーン及び排気導管206と連通する様々な出口との近くで行われる。
【0130】制御環境ゾーン18は、空気を正しい温度に加熱して大量の空気をゾーンの最も重大な領域に加えることによって、所望の温度に維持される。熱は、一般に乱流を発生させる空気を使用して重大な領域への対流によって伝導され、従って、このようにして重大な領域をできるだけ迅速にある温度に至らせることができる。あまり重大でない領域は下流であり、あまり強制的でない条件、すなわち低速に移動する空気流の下で加熱される。重大な領域で乱流が発生することに加えて、制御環境ゾーン18内では総空気流が比較的多く、空気は完全に排気されて、図15Aに示したシステムの一部再循環とは異なり、空気のいかなる部分も再使用されない。
【0131】完全に装填されたカルーセルと一部装填されたカルーセルとを取り扱う際に発生する恐れがある問題は、カルーセルのすぐ上流での大きな圧力降下によって、加熱された空気がある通路を強制的に通過するようにすることによって解決される。通路の圧力降下は、カルーセルが完全に装填されているかいないかにかかわらず、空気がカルーセルの下を通過する際に受ける圧力降下より大きい。従って、空気は、カルーセルの空の位置に存在するギャップに優先的に入り込むのではなくカルーセルの周りに均等に分配される。
【0132】MEIAカートリッジ68を図16の側面図に示す。MEIAカートリッジ68は、ロート・スロート216及びカートリッジ開口部218を有する。MEIAカートリッジ68は支持マトリックス材料222を含む。
【0133】図17の側面図にMEIAカートリッジ68及びカートリッジ・ホッパ66を示す。MEIAカートリッジはカートリッジ・ホッパ66中に水平方向に位置決めされており、V字形カートリッジ・ホッパ66の底部からカートリッジ・シャトル222を介して一つずつ操作される。カートリッジ・フィーダはカートリッジ・カム・ブロック224と、補助カルーセル64に挿入するために垂直方向に位置合わせされたMEIA カートリッジ68を提供するためのカートリッジ配向ピン228及びカートリッジ配向ピン230を介して機能するカートリッジ配向シュート226とを有する。配向ピン228及び230を、MEIAカートリッジ・フィーダ・カートリッジ配向機構の分離断面側面図である図18Aに示す。MEIAカートリッジ68は、図18Aの拡大図では、カートリッジ配向ピン228及びカートリッジ配向ピン230と係合された状態と係合解除された状態とで示されている。カートリッジ配向ピン230はMEIAカートリッジ68のベース236に当たる位置232での係合位置で示されているが、カートリッジ配向ピン228はロート・スロート・ピン216の係合位置234で示されている。これらのピンを係合位置から引き抜くと、MEIAカートリッジ68がまず底部から解放され、すなわちカートリッジ配向ピン230が引き抜かれ、従ってカートリッジ・ロート・スロート216でカートリッジ配向ピン228と係合しているカートリッジの頂部が解放される前に、カートリッジ68の底部が重力によって落下できる。配向ピンの丸い又は半円形の保持表面によって、MEIAカートリッジの底部を解放し、ロート・スロート部216をカートリッジ配向ピン228から外すことができる。垂直方向に位置合わせされたMEIAカートリッジ68は次いで、図17に示すように、挿入カム手段227の作用によって補助カルーセル64内に調整された高さに挿入される。
【0134】自動連続ランダム・アクセス分析システム用のカートリッジ・フィーダ装置は、例えばMEIA検定において、単独で、直立して、カートリッジをカルーセルに挿入するフィーダ手段が必要なときに、使用されるカートリッジを送る機構を提供する。ホッパ・ローダ及びフィーダは、丸い端縁及び凹部を有する軸方向に整列された接触表面を含むカートリッジ接触手段を使用して各カートリッジを、接触手段中で、接触表面と、外側カートリッジ壁に隣接して位置決めされた拡張アーム又はリングとの間に配向する。接触手段は、両端部からカートリッジと接触し、両端部に同時に係合する。カートリッジは次いで、フィーダ手段に落とされる。カートリッジが落ちる際に、カートリッジの底部端部が下部カルーセル送り手段に向かって自由落下すると共に、開放された端部にあるカートリッジのくぼみ内に突き出る接触手段上に瞬間的にぶら下がる。カートンから、配向装置に結合されたカートリッジ・ホッパ送り手段内にカートリッジを送るための特定の開放手段を有するパッケージングの組み合わせによって、自動連続ランダム・アクセス分析システムのニーズが完全に満たされる。
【0135】MEIAカートリッジ・フィーダ・カートリッジ配向機構215の分離断面側面図が図18Bに示されている。MEIAカートリッジ68は、各ピンの一端に設けられたカップ状部の中央輪郭部である配向接触手段237及び配向手段239によって係合モードで示されている。カートリッジ配向接触手段237は係合位置233で示されており、配向手段239は係合位置231で示されている。これらの配向接触手段をMEIAカートリッジ68との係合から引き抜く際に、カートリッジ68は、係合配向手段239によってまず底部から解放され、従って、カートリッジ68の底部が重力によって落下し、次いでカートリッジの頂部が係合位置231及び係合配向手段239から解放される。配向手段239はカートリッジ・ロート・スロート216に位置決めされ、従って、カートリッジが配向手段239から離れる前に配向接触手段237によって係合を解除しておく必要がある。配向手段239は、カートリッジの外側容器壁に隣接して突き出て、従って配向手段239とカートリッジ・ロート・スロート216の構成との間にセミフォーム・フィットを形成する、アーム部材又はリング部材から離間しているカートリッジ・アクセス・ヘッドと軸方向に整列されて突き出る半円錐形係合ヘッドからなる。配向手段237によってカートリッジの底部が解放されたときに配向手段239とカートリッジ・ロート・スロート216の構造とがそのようにおおよそ調和することによって、配向手段239の解放からカートリッジ68を瞬間的に遅延させ、従ってカートリッジ68の底部を最初に落下させることができる。配向手段239の丸い又は半円形の保持表面によって、MEIAカートリッジの底部を解放し、ロート・スロート部216を配向手段239から取り外すことができる。垂直に整列されたMEIAカートリッジ68は次いで、図17に示した挿入カム手段227の動作によって補助カルーセル64内の制御高さまで挿入される。
【0136】MEIAカートリッジ・イジェクタ62の側面図を図19に示す。カートリッジ・イジェクタ62はイジェクタ・ロッド240を介して機能し、手動又は自動駆動手段242によって駆動することができる。排出されるMEIAカートリッジは、イジェクション通路を介して固形廃棄物198容器に排出される。
【0137】図29Bのカートリッジ・ホッパ66の側面断面図は、カートリッジ68をカートリッジ・ホッパ66内にアンロードするように位置決めされたカートリッジ・カートン480と共に示されている。カートリッジ・カートン480は、アンローディング・ローラ・ピン484上で休止している。カートリッジ・カートンが最大に開いたアンロード・モード時の想像図が示されており、カートリッジ・カートンは再び休止してローラ・ピン484によって案内される。ローラ・ピン484に対するカートン上のわずかに下向きの力は、想像図481に示した最大開放位置を達成する。カートリッジ・カートン480は、ローラ・ピン484と組み合わされた開放及びアンロードを容易にするための様々なブレーク・オープン又はタブ開口部482を有する。図29Bのカートリッジ・ホッパ66においては、一方の壁の構成は、上部の垂直壁及び傾斜壁と、ホッパ・カートリッジ解放開口部に至る下部の傾斜壁とからなるが、対向側の壁は、その対向側の壁がホッパ・カートリッジ解放開口部 486への傾斜方向に向かう水平レベルまでの内側傾斜壁を含む一部上部垂直構造で構成されている。両方の壁の下部はホッパ・カートリッジ解放開口部486に対してほとんど同じ角度の送りタイプ構造を形成している。カートリッジ・カートン480は、任意の数のカートリッジを含むように設計できるが、ホッパ及びローラ・ピン480の位置の環境内における操作には約100個のカートン容量が適している。
【0138】カートリッジ・ホッパ66の第2の実施例が、カートリッジがホッパに装填され、カートリッジ・カートンがアンロード後にローラ・ピン484上に位置決めされた、分離側面断面図で図30Bに示されている。カートリッジ・カートンのブレーク・オープン又は開放ゾーンは、アンロードのために開く。カートリッジ・ホッパは、ホッパ・カートリッジ解放開口部 486に対して対称的な壁位置及び角度を有する。図31Bに示した断面側面図は、図30Bの線B−Bに沿って得たものである。この側面断面図は、ホッパの頂部にあるわずかに幅の広いカートリッジ送りゾーン、ローラ・ピン484、所定の位置にあるカートリッジ68、及びホッパ・カートリッジ解放開口部486を示す。
【0139】カートリッジ・ホッパの他の実施例が、送り手段の残りから取り外し自在な独立型ホッパ488の等角図として図32Bで示されている。この独立型ホッパ488は、装填のために容易に取り外すことができる。ホッパは、オペレータの検査用に透明な壁部を介してカートリッジの利用の可能性の表示494を提供する。独立型ホッパは、図29B及び図30Bに示したように複数のカートリッジをカートン480から装填する際に、ローラ・ピン484を使用してホッパを支持するために取り付けられた独立型ベース又はプラットフォーム492を有する。
【0140】ローラ・ピン484は、自立カートン・ブレーク・オープン482を使用するカートリッジ・カートン480と組み合わされたブレーキング・ローラ・ピンとみなすことができる。リップ・タブ等の他のカートン開放機構を部分開放又は完全開放のために使用しながら、依然としてローラ・ピン484を使用して、開放された、あるいは部分的に開放されたカートリッジ・カートン480をホッパ中で位置決めすることができる。ローラ・ピン484は明らかに、開放するように位置決めされたカートンの運動に対して最小の摩擦動作しか与えず、従ってカートンは手動の力の必要なしに完全開放を達成することができる。カートンは、多数のカートリッジをランダムな配向で収容する。従って、カートンは多数のカートリッジを同じランダムな配向でホッパに入れる。しかし、そのようなランダム配向は、配向のためにどちらの端部に対しても機能できる同じ配向手段 237及び239を有するカートリッジ配向機構215に関しては問題とならない。
【0141】本発明は、改良された雑音性能を有する比率測定を実施して、本明細書に記載した自動連続ランダム・アクセス分析システム等の自動分析システムの簡単な通信及び操作を可能にするデータ収集システムを提供する。特に、このデータ収集システムはデジタル信号処理及び単一チップ・アナログ・デジタル変換器を使用して雑音性能を向上する電子ファームウェアを備えている。システムはデジタル・マイクロコントローラ手段と組み合わされて、通信及び操作を簡単にする。
【0142】FPIAオプティクス・アナログ信号がDSPA/Dチップに提供され、該チップはコンピュータと通信する光信号プロセッサ8ビット・デジタル・マイクロコントローラに直列バス信号を送る。デジタル・マイクロコントローラは、高電圧PMT電源及びFPIAタングステン・ランプ電源によってFPIAオプティクスへの直列バスを介して通信し、FPIAオプティクスと電子通信を行う。外部MEIAオプティクス・アナログ信号がDSP−A/Dチップに提供され、該チップは光信号プロセッサ8ビット・デジタル・マイクロコントローラに直列バス信号を送る。デジタル・マイクロコントローラは、高電圧 PMT電源水銀ランプ電源との直列バスを介して通信を行う。高電圧PMT電源MEIA水銀ランプ電源はMEIAオプティクスと電子通信を行う。
【0143】システムはFPIAサブシステム内でも機能して、データの収集とデジタル・フォーマットへの変換を行う。ここで、PM高電圧サンプル蛍光強度が垂直偏光及び水平偏光によって励起されて液晶制御を行い、MEIA読取り装置サブシステムは、水銀ランプ強度レベル及びサンプル蛍光強度レベル、ならびにPMT高電圧を収集してデジタル・フォーマットに変換する。 装置の光信号プロセッサのボックス・ダイアグラムを図20R>0に提示する。FPIAオプティック248はDSP A/D250に送られ、DSP A/D250は光信号プロセッサ8ビット・マイクロコントローラ254からの直列バス信号252も送る。コントローラ254は256を介してコンピュータ要素に接続されている。MEIAオプティクス258からの信号はDSP A/D要素260に送り込まれる。DSPA/D要素260はコントローラ254からの直列バス信号262も送る。信号は、高電圧電源266からの264と、マイクロコントローラ254とオプティクス電源ボード270Aとの間の通信を行う直列バス268を介してFPIAオプティクスに送られる。FPIAタングステン電球電源FPIA 270は、FPIAオプティクス272と電気的に連絡している。信号は、直列バス268を介してマイクロコントローラ254及び水銀電球電源MEIA280と連絡する高電圧電源276からの274を介してMEIAオプティクスに送られる。MEIA水銀電球電源280は、282を介してMEIAオプティクスとも電気的に連絡している。
【0144】FPIA光学システム284の概略図を図2121に示す。FPIA光学システム284は、光を励起フィルタ294内に導入するためにヒート・レフレクタ288、アパーチャ290、及びヒート・アブソーバ292を介してレンズ293に光を集束するタングステン・ハロゲン・ソース電球286を有する。光エネルギーは次いで、ビームの一部を偏光子298及び液晶300に提供するビーム・スプリッタ296と接触する。光は引き続き別のレンズ301に入り、その後に、FPIA反応混合物を含むキュベット140上に集束される。光はレンズ手段303を介してキュベットから放出され、その後に、放出フィルタ302に入る。放出フィルタ302からの反射光は偏光子304を通過し、その後に、集束レンズ306に向かい、光電子増倍管308に送り込まれるように集束される。ビーム・スプリッタ296は、最初の源からの光の一部をレンズ310を介して分割し、基準検出器312内に送り込む。基準検出器312はタングステン・ハロゲン・ソース電球を制御する。
【0145】FPIA読取りシーケンス314の概略図を図22に提示する。FPIA読取りシーケンス314は、カルーセル移動時間318及びカルーセル停止時間320に分割された読取り前時間316を有する。二次読取り間隔340は、水平二次読取り342、A/D変換器停止時間344、及び液晶活動化時間346に分割されている。垂直二次読取り間隔は348で識別されており、A/D変換器停止時間350を含む。液晶緩和時間が352で示されている。液晶緩和時間352は前読取り時間シーケンスで示されている。さらに、高電圧停止時間324が、シナー状態の電球328とフル・バーン状態の電球330を示す電球停止時間326によって示されている。FPIA読取りシーケンスの活動は、読取り準備334、電球がフル・バーン状態である読取りパラメータ336、及び電球停止時間及び液晶緩和時間352中の収集結果338で例示されたスケジューリング・ウィンドウ332による活動を提供する。
【0146】図24Aは、MEIAシステム光学アセンブリ364の概略図である。MEIA光源は水銀電球364によって提供される。水銀電球364は、励起フィルタ362を介してフィルタ・リフレクタ360に光を送り、その後、光はレンズ358を介してMEIAカートリッジ68内に送られる。反射された蛍光は、広帯域放出フィルタ370及び低帯域放出フィルタ372を通過した後、フィルタ360を介して光電子増倍管374に送り返される。水銀電球364からの光エネルギの一部はフィルタ360を直接通過して帯域フィルタ368に至り、その後に光ダイオード366に影響を及ぼす。
【0147】迅速なフル・バーンレスポンスを必要とする自動連続ランダム・アクセス分析システム内での蛍光灯の寿命を延ばすための装置及び方法を提示する。光源手段の待機中における遮断時間が長くなったので、クイック・スタートアップ・フル・バーンレスポンスが必要である。光源手段の待機中における遮断は寿命及び有用性を長持ちさせる。複数分析システム環境内では、多岐な自動システムの様々なプログラムされた動作の遅延を排除するために光源手段のフル・バーンスタートアップ又はターン・オンを1秒以下にする必要がある。蛍光灯の寿命は、装置がランプを連続的にオン・モードのままにしておくのではなく非使用期間中にランプを遮断する能力によって延びる。
【0148】図24Bは、図24Aで提示された様々な要素を含むMEIA光学アセンブリ364の概略図である。図24Bは、特にランプの遮断時に、水銀ソース・ランプ364を約70℃の一定最小温度に維持するためのヒータ・ブロック363も提示している。水銀ソース・ランプ364を高温に維持することによって、ランプ内の水銀は蒸気状態に維持され、それによって約1秒より短いスタートアップ時間又は暖機時間が提供される。水銀ソース・ランプ364は必要に応じて、自動連続ランダム・アクセス分析システムによって自動的に活動化される。水銀ソース・ランプ364は、システム・プログラミング及びコンピュータ機能によって電子的に活動化され停止される。装置全体が非使用期間中に水銀ソース・ランプ364を遮断できるので、水銀ソース・ランプ364の寿命サイクルが延びる。なぜなら、水銀を蒸気状態に維持するのに十分な温度に水銀ソース・ランプ364を維持できるため、水銀ソース・ランプ364を1秒より短い時間内に再活動化してフル・バーン状態にすることができるからである。
【0149】複数の待機時間を必要とする連続ランダム・アクセス分析システムでタングステン・フィラメント・ランプの寿命を向上するための装置及び方法は、光学測定装置中のランプ電流又は輝度のコンピュータ制御を使用してランプ寿命を向上する装置構成要素及び電子回路の構成によって達成される。タングステン・ランプは、できるだけ長い寿命を提供し、同時に、短時間で完全な輝度を達成できなければならない。タングステン・フィラメント・ランプのシマー・バーン・サイクルを使用すると、一定フル・バーン方式と比べてランプの寿命が向上し、自動連続ランダム・アクセス分析システムや、複数のフル・バーン・モード及び待機モードを必要とするその他の臨床アナライザ又は特殊薬品アナライザ内のFPIA手順に適切な約1秒以下の短い暖機時間又はフル・バーン時間も提供される。
【0150】図21のFPIA光学システム284及び図22のFPIA読取りシーケンス314は明らかに、少なくとも二つの分析システムが同じ器具内に組み込まれた連続ランダム・アクセス分析システムにおいて、寿命が長く信頼性のあるフル・バーン・タングステン・ハロゲン・ソース・ランプ286が必要であることを示している。定義によって二つ以上のシステムの内の一つだけであるFPIA検定システムは、様々な時間の間待機モードになるが、現代の計器の高スループット要件のために、FPIA光学システム284は約1秒以下でフル・バーンを達成できるタングステン・ハロゲン・ソース・ランプ286をもたなければならない。FPIA読取りのしきい値は、フル・バーン・タングステン・ハロゲン・ランプ・ソース286又は事前に設計された経過時間を基準とすることができる。タングステン・ハロゲン・ランプ・ソース286がフル・バーンのままにされた場合、そのようなタングステン・ハロゲン・ソース・ランプの現在の光源は、平均寿命が5時間しかない。平均寿命が短いだけでなく、タングステン・ハロゲン・ソース・ランプが古くなるにつれて、ソース・ランプの強度又は輝度が低下する傾向がある。そのような強度の低下はFPIA読取り装置システムでは重大である。というのは、タンスグテン・ハロゲン・ソース・ランプ286が、FPIA光学システムで必要とされる適当な波長を生成するには上限の輝度又は温度で点灯しなければならないからである。シマー・バーン・サイクルをタングステン・ハロゲン・ソース・ランプ286に使用すると、ランプが待機期間中に高温に維持され、従ってランプを短い暖機内、すなわち1秒以下でフル・バーンにすることができる。
【0151】タングステン・ハロゲン・ソース・ランプ286は一般に、連続ランダム・アクセス分析システム内で長時間、低強度又はシマー条件で操作される。このシマー低強度は、ランプの寿命にさほど害を及ぼさずにランプを高温に維持するように選択される。FPIA読取り要求は、分析システムのスケジューラによって、読取りを開始する数秒前に発行される。ランプが熱的にその作動点に近いので、読取りに備えて強度をフル・バーンに変更するのに適当な時間が存在する。読取りが完了した後、ランプはシマーに戻り、新しい読取り要求が発行されるまでこの状態を維持する。従って、待機中でも、一定フル・バーンと比べてタングステン・ハロゲン・ソース・ランプ要素の寿命が向上する。
【0152】このようなフル・バーンとシマー・バーン待機モードの間の循環方式は、従来のシステムとは大幅に異なっている。主な逸脱は、フル・バーン・モードとシマー・バーン・モードの循環のために読取り間隔中にランプ強度がわずかに低下することである。一連の動作に関する線形基準検出器と比率データ収集サブシステムを共に必要とする補償方式に対する依存が高まっている。基準検出器/データ収集システムの組合せによって良好な補償を提供するには、停止時間をデフォルトで、良好な雑音性能を得るのに必要な放射強度とする。最小放射強度が確認された時点でFPIA読取りを開始することができる。この最小強度は、幾分弱いが、FPIAオプティクス雑音プロトコルの結果に基づき少なくとも約90%以上にすべきである。補償技術が不適当であることが分かり、不安定な光輝度は許容できない場合、フル・バーンが達成された後、長時間経って、ランプが完全に安定するまで読取りを行うことはできない。
【0153】MEIA読取りシーケンスの概略図を図25R>5に示す。図25で、MEIA読取りシーケンス376は、カルーセル 移動時間380及びカルーセル停止時間382を含む読取り 前時間378を有する。高電圧停止時間が、シマー状態の電球388とフル・バーン状態の電球390を示す電球停止時間 386に一致するグラフ384によって示されている。MEIA読取りシーケンス376は、読取り準備394、読取りパラメータ396、及び収集結果398を含むスケジューリング・ウィンドウ392による活動を有する。実際のMEIA読取 りシーケンス376は、二次読取り402及びドウェル時間 404を有する二次読取り間隔400を含む。MEIA読取りシーケンス376の他のセグメントは、番号3ないし(N−1)によって示された追加二次読取り412と、二次読取り番号N−416を含む部分二次読取り間隔414とを含む、二次読取り408及びドウェル時間410を含む二次読取り間隔406によって示されている。次の可能な事前読取り時間を418で示す。
【0154】診断試験及び検定で使用される試薬の蒸発を制御するための装置及び方法は、複数の容器を、蒸気的密封状態から、システムがアクセスできる完全開放状態にする装置によって提供される。逆に、この装置は複数の容器を閉鎖して、蒸気的密封状態にする。この装置及び方法は、容器の閉鎖システムの開放加速度も制御して、汚染された液体の滴を容器内にランダムに噴射することによる汚染の恐れを低減する。容器を含む試薬又は液体は、装置によって開放され再密封されて、容器が開放状態である時間が最小限に抑えられ、従って蒸発が最小限に抑えられ、同時にアクセス性が最大限になる。
【0155】自動連続ランダム・アクセス分析システムで使用される試薬の蒸発を制御するための装置及び方法は、複数の容器を、蒸気的密封状態から、システムがアクセスできる完全開放状態にする。この装置はまた、開放及び閉鎖手段を介して、複数の容器を閉鎖して蒸気的密封状態にする。この容器の閉鎖システム、例えばフリップ・トップ・キャップの開放加速度は、液体の滴を容器内にランダムに噴射することによる汚染の恐れを低減するように制御される。
【0156】現在、試薬容器は、出荷シールが開放された後に、蒸発を制御できるようにする隔壁設計を有する。このシステムは、クロス汚染を発生させるという大きな欠点がある。容器閉鎖の手動操作、すなわち隔壁キャップの使用は、コストのかかる試薬の汚染及び蒸発率の両方において不十分である。自動連続ランダム・アクセス分析システム内では、手動介入の必要を代替し、蒸発を最小限に抑える、コンピュータ制御ロボット開放閉鎖ステーションが必要である。開閉ステーションと、試薬容器開口部上のカバー・キャップ手段とを含む装置は、隔壁システムと異なり、プローブと容器との間に汚染を広げにくく、同時に、蒸発を最小限に抑える。自動再閉鎖機能がキャップに組み込まれていないそれ自体の設計をもつ、開放されたままのシステムを同様の閉鎖と共に使用すると、そのような開放されたままの装置が有効になる。しかし、自動連続ランダム・アクセス分析システムの動作確実性要件では、キャップを開放して、開放したままに保持し、日々の開閉用のソフト閉鎖、又は遮断期間中のハード閉鎖、又は例えば、容器が試薬を含む場合のハンドリングのためのキャップのハード閉鎖の、一つ又は二つの閉鎖レベルに強制的に再閉鎖するシステムを使用することができる。 本発明による装置は、液体容器を開放して再密封し、容器が開放状態になる時間を最小限に抑え、従って蒸発を最小限に抑え、同時に、アクセス性を最大限にする。この装置は、密封された容器を開放する際に現在の手動方法における典型的な飛行滴によるクロス汚染の可能性を最小限に抑える。このシステムの方法は、容器の蒸発差の変動に適応し、容器を適切に開放して閉鎖し、同時に蒸発シールを維持する。装置は、一回の運動で、人間の二本の指と同じ動作を実行し、これによって一つ以上の密封された容器を巧みに開放して再閉鎖する。
【0157】試薬を使用して流体を分析する診断システムは、この流体又は試薬の濃度が正しいかどうかに依存する。従って、貯蔵容器からのこの流体の蒸発を最小限に抑えることが重要である。流体を除去する前に、容器は開閉ステーションの下に移動され、次いでステーションは容器の閉鎖状態を開放する。流体が迅速に取り出され、開閉ステーションは、プロセスで次に流体が必要とされるまで容器を密封し続ける。
【0158】図29Aの平面図で、試薬容器450を含む試薬パック30は、試薬容器開口部452がカバー・キャップ手段454によって閉鎖された試薬容器450を提示している。試薬容器450は、試薬パック壁456と開放バルク液体容器460内に維持される。試薬パック壁456は、フロント・カルーセルの試薬カルーセルに挿入するのに適した構成を試薬パックに与える。試薬容器450及び開放バルク液体容器460は、試薬パック容器据付け安定化表面458によって試薬パック30内に維持される。図30Aの側面断面図は、図29Aの断面A−Aに沿って得られた断面であり、開放及びロック・バック位置、開放されているがロック・バックされていない位置、試薬容器開口部452を閉鎖キャッピングする位置を含むカバー・キャップ手段454の複数の位置を示す。図31Aの等角図は、試薬容器450、カバー手段31、接触表面33、及び試薬容器開口部452を提示している。カバー・キャップ手段454は、試薬容器開口部452にはまりこむキャップ部材 462を露出する開放位置で示されており、該手段454が閉鎖位置にあるときには、離間されたリング部材464と共に、蒸発密封された試薬容器450を提供する。
【0159】開閉ステーションが図32Aの斜視側面図と、図33の異なる斜視側面図とに示されている。開放閉鎖ステーション464は、ハウジング466と、その上に据え付けられた駆動モータ468とを備えている。開閉ステーション464のハウジング466は、カバー・キャップ手段454を開放し、あるいは閉鎖するために試薬容器450を開閉ステーション464に移動する試薬カルーセルより上の位置に据え付けて固定するための据付け手段470を有する。
【0160】図32Aでは、カバー・キャップ手段454と接触して該手段をピボット476の周りで旋回させ、該手段454を垂直位置まで開放する開放ピン472によってカバー・キャップ手段454が開放されている。弁の形をした三つのヘッドからなる試薬パック閉鎖アクティベータ474は、試薬容器450を開放するために開放ピン472が押し下げられ、カバー・キャップ手段454の一部に当たっている間は、非活動位置にある。カルーセルは、図32A中の容器450を開放ピン472から試薬パック閉鎖アクティベータ474の下に移動する。該アクティベータは、一実施例では、ゆっくり動いて、開放されたカバー・キャップ手段454に当たり、該手段が内部ばね手段によってロックされる閉鎖位置から離れ、更に垂直位置を越えるように該手段を押し続ける。
【0161】図33で閉鎖位置で示された試薬容器450は、試薬パック閉鎖アクチュエータ部材474の下にも位置決めされている。閉鎖を目的とした開放試薬容器は再び移動され、部分的に下降された開放ピン472又は部分的に下降された試薬パック閉鎖アクチュエータ474に接触させられる。該ピン472又はアクチュエータ474は、ゆっくり移動して、開放さればねロックされたカバー・キャップ手段454に当たり、ばねによる負荷を圧倒してカバー・キャップ手段454を部分閉鎖状態に戻す。該手段は次いで、試薬容器450上のソフト閉鎖位置まで押される。所望ならば、任意選択で、試薬パック閉鎖アクチュエータ部材(弁部材)を、ソフト閉鎖されたカバー・キャップ手段と更にきつく接触させ、該手段をハード閉鎖位置に押し付けることもできる。
【0162】任意選択で、カバー・キャップ手段454は、図31Aに示したように、各試薬容器450毎に個別であっても、図32A及び図33に示したように、ギャング・タイプのカバー・キャップ手段であってもよい。開放閉鎖ステーション464は、個別に機能して個別の試薬容器を開放するように動作することができ、あるいはそれより多くの場合、共同で全ての試薬容器450、すなわちカバー・キャップ手段454を開放するように動作することができる、三つの開放ピン472及び三つの試薬パック閉鎖アクチュエータ弁型部材474を有する。カバー・キャップ手段は、各試薬容器450毎に個別であり、あるいは結合されて、複数の試薬容器450をカバーする拡張されたカバー・キャップ手段を提供する。
【0163】本発明の装置、ソフトウェア、ハードウェア、及び処理技術を使用することによって複数の自動検定分析システムが実現可能であり、これらのシステムは、フェリチン、クレアチニン・キナーゼMIB(CK−MB)、ジゴキン、フェニトイン、フェノバルビタール、カルバマゼオピン、バンコマイシン、バルプロ酸、キニジン、黄体化ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、エストラジオール、プロゲステロン、lgE、ビタミンB2マイクログロブリン、グリコシル・ヘモグロビン(Gly.Hb)、コルチゾール、ジギトキシン、N−アセチルプロカインアミド(NAPA)、プロカインアミド、風疹−lgG、風疹−lgM、トキソプラズマ症lgG(Toxo-lgG)、トキソプラズマ症lgM(Toxo-lgM)、テストステロン、サリチル酸、アセトアミノフェン、B型肝炎表面抗原(HBsAg)、アンチB型肝炎コア抗原 lgG lgM(Anti-HBC)、ヒト免疫不全ウィルス1及び2(HIV1及び2)、ヒトT細胞白血病ウィルス1及び2(HTLV)、B型肝炎エンベロープ抗原(HBeAg )、アンチB型肝炎エンベロープ抗原(Anti-HBe)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、チロキシン(T4)、トータル・トリオードチロニン(Total T3)、フリー・トリオードチロニン(Free T3)、癌胎児性抗原(CEA)、及びアルファ・フェタ・プロテイン(AFP)のメニューを含むが、これらに限るものではない。
【0164】オペレータの最小の関与によって試薬を一貫して迅速に再混濁させて連続的に混合するには、試薬カルーセルに新しい試薬パックを追加するたびに、及び器具動作中に定期的に、試薬を自動的に混合する。この自動混合は、試薬カルーセルが非対称的な休止を含めて前後に移動することによって行うことができ、約1分ないし2分で完了する。カルーセルの加速、速度、移動距離、及び休止の非対称性は、器具上で使用されるフィル・ボリュームの範囲にわたって泡立ちせずかつ気泡が形成されずに最も迅速に試薬が再混濁するように最適化されている。
【0165】自動試薬混合は以下の利益を提供する。オペレータは、格納されていた試薬を、器具上に配置する前に(例えば、反転又は振混ぜによって)手動で混合する必要がない。これによって、より短い時間でかつオペレータのより少ない関与で試薬を器具上に装填することができる。自動混合では、反転等の手動混合の場合より試薬が泡立ちし、あるいは気泡を形成する傾向が弱い。泡立ち及び気泡の形成は、器具の機能に有害であり、検定性能に悪影響を及ぼす。自動混合によって、試薬は常に、十分に混合され、かつ一貫して混合されるようになる。器具の動作中に時々自動混合を行えば、試薬が一貫して混濁し、オペレータが定期的に試薬パックを取り外して試薬を混合する必要がなくなる。場合によっては、混合の始めに存在する気泡を自動混合で散逸することができる。本発明によるキッティング活動及び処理活動の詳細な説明を、以下のFPIA手順、フェノバルビタール検定用の処理活動のシステムの説明、及びCEA検定用のMEIA手順で提示する。
【0166】以下の説明が本発明の自動分析システムの好ましい方法に関与する様々な機能及びステップの概要を構成しており、該機能及び方法が、当業者にも理解されるように、器具上で実行中の検定の特定のメニューに応じて、様々な種類の数学的アルゴリズム及び関連するコンピュータ・ソフトウェアを使用して実施されることを理解されたい。
【0167】FPIA用のキッティング領域活動及び処理領域活動の説明フェノバルビタール検定用のキッティング領域A.仮定1.サンプルを装填するときアナライザはスタンバイ/レディ・モードである。システムは前に初期設定されている(全てのモータがホーム位置にあり、シリンジ及びポンプが洗浄されており、全ての電子機器及びセンサが検査済みである)。
【0168】2.廃棄物が空になっており、希釈剤、MEIA緩衝剤、 MUP、及びQuatバルク・リキッド消耗品の容積が十分かどうかに関して検査済みである。
【0169】3.全ての消耗品在庫ファイルが更新済みである。
【0170】B.準備ステップ1.ユーザが空の反応容器(RV)をRVカルーセルに装填する。
【0171】2.試薬パックを装填するには、ユーザはまず、フロント・エンドカルーセルを休止しておかなければならない。システムは現試験のキッティングを完了し、試験を処理領域に移す。
【0172】3.ユーザが試薬カルーセル・カバーを開け、試薬パックを試薬カルーセル内に装填し、試薬カルーセル・カバーを閉じ、次いでフロント・エンドを再開する。
【0173】4.器具は自動的に、装填された全ての試薬パックを走査し、試薬状況を検証する。
【0174】(a)各試薬パックは、試薬カルーセルの回転によって試薬パック・バーコード読取り装置の前に位置決めされる。
(b)試薬パック・バーコード読取り装置は、バーコードを読み取って検定タイプ及びカルーセル位置を識別する。
(c)バーコードが読取り不能な場合、システムはバーコードの指定変更を要求する。
(d)バーコードが良好であり、あるいは指定変更が完了した場合、システムはシステム在庫を検査する。ユーザは、パックが空又は無効であり、あるいは古いことが分かった場合は通知を受ける。試薬パックは、良好であることが分かった後、使用可能な状態になる。
【0175】C.試験の要求1.ユーザは一つ又は複数の患者サンプル用の試験又は試験群を要求するための二つのオプションを有する。
【0176】(a)ユーザは試験要求ロードリストをホスト・コンピュータからダウンロードして、命令リストを作成することができる。
(b)ユーザは試験要求に入り、あるいはシステム上で直接命令リストを作成する。
【0177】2.(バーコードなしの)サンプル・カップを使用する場合、以下のことが行われる。
【0178】(a)ユーザが命令リストで、サンプルを置くべきセグメントID及び位置番号を探す。
(b)ユーザが、参照されたセグメントの位置にサンプル・カップを装填する。
(c)ユーザが患者サンプルを血液収集チューブからサンプル・カップに移送する。
(d)セグメントがサンプル・カルーセル内に配置される。
(e)サンプルが装填されたことが器具に示される。
(f)器具が消耗品在庫、廃棄物状況、較正状況等を検査する。
(g)サンプル・カルーセルがセグメントをセグメント識別読取り装置まで回転する。
(h)器具がセグメント識別を読み取る。
【0179】3.(バーコード付きの)一次チューブを使用する場合、以下のことが行われる(2種類のキャリアがチューブ用に使用される。一方の種類は高さ75mmのチューブに使用され、他方の種類は高さ100mmのチューブに使用される)。
【0180】(a)ユーザがサンプル・カルーセル上で次に利用可能なセグメント位置に一次チューブを装填する。
(b)サンプルを走らせることが可能であることが器具に示される。
(c)器具が消耗品在庫、廃棄物状況、較正状況等を検証する。
【0181】D.試験のスケジューリング1.ピペッタにサンプルが提供されると、システムはその処理用サンプルに関して命令された試薬をスケジューリングしようとする。サンプルに対して命令された各試験は別々にスケジューリングされる。
【0182】(b)システムは、在庫(試薬パック、カートリッジ、緩衝剤、MUP)システム資源、試験完了するためのサンプル時間が適当かどうかを検査する。
(c)システムは、命令リスト上の試験の較正又は順番が妥当かどうかを検査する。
(d)全ての試験要件が満たされている場合、試験が処理向けにスケジューリングされる。
(e)満たされていない試験要件がある場合、その試験要求が例外リストに移される。試験要件が満たされた後、試験要求がユーザによって命令リストに戻される。
【0183】2.ある試験がスケジューリングされると、システムはその試験を処理リストに移し、そのサンプルに対して命令された他の試験をスケジューリングしようとする。
【0184】3.現サンプル用の全ての試験がキッティングされると、システムはサンプル・カルーセル上の次のサンプルに進む。
E.試験のキッティング1.試験はスケジューリングされた後、ただちにキッティングされる(ただちに試験を処理カルーセル上に移送して検定のタイミング要件内で処理できることを、スケジューラが保証するまで試験はキッティングされない)。
【0185】2.RVがピペット軸位置で検出されるまでRVカルーセルが時計回りに回転する。
【0186】3.命令された試験用の試薬パックがアクチュエータ位置にくるまで、試薬パック・カルーセルが回転する。アクチュエータが試薬カートリッジ・キャップを開け、次いで、命令された試験用の試験パックがピペット軸位置にくるまで試薬パック・カルーセルが回転する。全ての分注ステップが完了した後、試薬パック・カルーセルが再びアクチュエータ位置まで回転し、そこで試薬カートリッジ・キャップが閉じる。
【0187】4.サンプル・カップ(又は一次チューブ)がピペット軸位置にくるまでサンプル・カルーセルが回転する。
【0188】5.ピペットは使用されないときは常に“HOME”位置にある(ピペットR軸が洗浄ステーション上に止まり、ピペットZ軸がZクリア位置にくる)。
【0189】6.サンプルのキッティング(a)サンプルの吸入(i)シリンジが“X”uLの空気を“X”ul/秒の率で吸入する。
(ii)ピペットR軸がサンプル・カップ上に移動する。
(iii)ピペットZ軸がZ軸上方位置に下降する。
(iv)LLSが使用可能にされ、現在液体が検出されていないことを確認される。
(v)流体が検出され、あるいはZ−Asp限界に達する(流体が検出されたと仮定される)まで、ピペットZ軸が一定速度で下降する。
(vi)システムが、流体が検出されたZ高さ位置と、Z高さ/容積テーブルに基づき、ウェル中の液体の容積を算出し、分注記述に指定された容積と比較する。十分な容積がウェルに存在する場合、吸入シーケンスが開始される(十分な容積が存在しない場合、試験が打ち切られ、試験要求が例外リストに移される。例外リストは、完了できない試験をオペレータに通知する)。
(vii)必要とされるサンプルの総容積が吸入されるまで、以下のことが同時に行われる。
【0190】(1)ピペットZ軸モータが“X”ステップ/秒の率で移動する。
(2)シリンジモータが“X”uLを“X”ul/秒の率で吸入する。
(3)LLSが検査され、まだ液体中にあるプローブに対して、液位センス(LLS)が使用可能にされていることを確認する。ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
(4)ピペットR軸がRVサンプル・ウェル上に移動する。
(5)ピペットZ軸がRVサンプル・ウェル内の吐出位置まで下降する。
(6)シリンジが“X”uLのサンプルを“X”ul/秒の率で吐出する。
(7)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
【0191】(b)プローブの事後洗浄プローブが、汚染がなくなるように洗浄される。
(キッティング領域と処理領域の両方での)分注活動の後に必ずプローブの事後洗浄が行われ、ある液体吸入から他の液体吸入への持越しが最小限に抑えられることを理解されたい。場合によっては、必要に応じて分注活動の前にプローブの事前洗浄を行い、次の液体吸入の妥当性を保証することができる。この検定の説明では、事後洗浄だけを使用すると仮定する。
【0192】(i)まずプローブの内部が洗浄される。
【0193】(1)ピペットR軸が廃棄物領域上に移動する。
(2)ピペットZ軸が廃棄物領域内の適切な位置まで下降する。
(3)洗浄弁が、検定プロトコルに指定された時間中だけ開く。
(4)洗浄弁が閉じる。
(5)ピペットZ軸がZクリア軸まで上昇する。
【0194】(ii)次に、プローブの外側が清掃される。
【0195】(1)ピペットR軸が洗浄カップ上に移動する。
(2)ピペットZ軸が洗浄カップ内の廃棄物位置まで下降する。
(3)洗浄弁が、検定プロトコルに指定された時間中だけ開く。
(4)洗浄弁が閉じる。
【0196】(iii)ピペットが“HOME”位置に戻る。
【0197】7.ポッパのキッティング(「ポッパ」は、1985年1月8日に発行された米国特許出願第4,492,762号で論じられかつ請求され、引用によって本明細書に合体されたもの等の、一般に検定における妨害物質を除去する物質として定義される。
【0198】(a)ポッパの吸入(i)シリンジが“X”uLの空気を“X”ul/秒の率で吸入する。
(ii)ピペットR軸が試薬パック中のポッパ試薬ボトル上に移動する。
(iii)ピペットZ軸がZ上方位置まで下降する。
(iv)LLSが使用可能にされ、現在液体が検出されていないことが確認される。
(v)流体が検出され、あるいはZ吸入下(Z−Asp)限に達する(流体が検出されたと仮定される)まで、ピペットZ軸が一定速度で下降する。
(vi)システムが、流体が検出されたZ高さ位置と、Z高さ/容積テーブルに基づき、ウェル中の液体の容積を算出し、分注記述に指定された容積と比較する。十分な容積がウェルに存在する場合、吸入シーケンスが開始される(十分な容積が存在しない場合、試験が打ち切られ、試験要求が例外リストに移される)。
(vii)必要とされるポッパの総容積が吸入されるまで、以下のことが同時に行われる。
【0199】(1)ピペットZ軸モータが“X”ステップ/秒の率で下降する。
(2)シリンジが“X”uLを“X”ul/秒の率で吸入する。
(3)LLSが検査され、プローブがまだ液体中にあることが確認される。
(4)LLSが使用可能にされる。
(5)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
(6)ピペットR軸がRV試薬1ウェル上に移動する。
(7)ピペットZ軸がRV試薬1ウェル内の吐出位置まで下降する。
(8)シリンジが“X”uLのポッパを“X”ul/秒の率で吐出する。
(9)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
【0200】(b)プローブの事後洗浄プローブが再び、第6節(サンプルのキッティング)で説明したように、汚染がなくなるように洗浄される。
【0201】8.抗血清のキッティング(a)抗血清の吸入(i)シリンジが“X”uLの空気を“X”ul/秒の率で吸入する。
(ii)ピペットR軸が試薬パック中の抗血清試薬ボトル上に移動する。
(iii)ピペットZ軸がZ上方位置まで下降する。
(iv)LLSが使用可能にされ、現在液体が検出されていないことが確認される。
(v)流体が検出され、あるいはZ−Asp限界に達する(流体が検出されたと仮定される)まで、ピペットZ軸が一定速度で下降する。
(vi)システムが、流体が検出されたZ高さ位置と、Z高さ/容積テーブルに基づき、ウェル中の液体の容積を算出し、分注記述に指定された容積と比較する。十分な容積がウェルに存在する場合、吸入シーケンスが開始される(十分な容積が存在しない場合、試験が打ち切られ、試験要求が例外リストに移される。)。
(vii)必要とされる抗血清の総容積が吸入されるまで、以下のことが同時に行われる。
【0202】(1)ピペットZ軸モータが“X”ステップ/秒の率で下降する。
(2)シリンジが“X”マイクロ・リットル(uL)を“X”ul/秒の率で吸入する。LLSが検査され、プローブがまだ液体中にあることが確認される。
(3)LLSが使用可能にされる。
(4)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
(5)ピペットR軸がRV試薬2ウェル上に移動する。
(6)ピペットZ軸がRV試薬2ウェル内の吐出位置まで下降する。
(7)シリンジが“X”uLの抗血清を“X”ul/秒の率で吐出する。
(8)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
【0203】(b)プローブの事後洗浄プローブが再び、第6節(サンプルのキッティング)で説明したように、汚染がなくなるように洗浄される。
【0204】9.トレーサのキッティング(a)トレーサの吸入(i)シリンジが“X”uLの空気を“X”ul/秒の率で吸入する。
(ii)ピペットR軸が試薬パック中のトレーサ試薬ボトル上に移動する。
(iii)ピペットZ軸がZ上方位置まで下降する。
(iv)LLSが使用可能にされ、現在液体が検出されていないことが確認される。
(v)流体が検出され、あるいはZ−Asp限界に達する(流体が検出されたと仮定される)まで、ピペットZ軸が一定速度で下降する。
(vi)システムが、流体が検出されたZ高さ位置と、Z高さ/容積テーブルに基づき、ウェル中の液体の容積を算出し、分注記述に指定された容積と比較する。十分な容積がウェルに存在する場合、吸入シーケンスが開始される(十分な容積が存在しない場合、試験が打ち切られ、試験要求が例外リストに移される。)。
(vii)必要とされるトレーサの総容積が吸入されるまで、以下のことが同時に行われる。
【0205】(1)ピペットZ軸モータが“X”ステップ/秒の率で下降する。
(2)シリンジが“X”uLを“X”ul/秒の率で吸入する。
(3)LLSが検査され、プローブがまだ液体中にあることが確認される。
(4)LLSが使用可能にされる。
(5)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
(6)ピペットR軸がRV試薬3ウェル上に移動する。
(7)ピペットZ軸がRV試薬2ウェル内の吐出位置まで下降する。
(8)シリンジが“X”uLのトレーサを“X”ul/秒の率で吐出する。
(9)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
【0206】(b)プローブの事後洗浄プローブが再び、第6節(サンプルのキッティング)で説明したように、汚染がなくなるように洗浄される。
【0207】F.処理領域への反応容器(RV)の移送1.RVカルーセルが移送ステーションまで回転する。
【0208】2.空位置が移送ステーションに整列するように処理カルーセルが回転する。
【0209】3.移送機構O軸がサンプル入口領域まで回転する。
【0210】4.移送機構R軸がRVをつかみ、移送機構内に引き込む。
【0211】5.RVが処理カルーセル上の空位置に整列するように移送機構O軸が回転する。
【0212】6.RVが処理カルーセルに装填される。
【0213】フェノバルビタール用のFPIA処理領域のシステムの説明A.温度平衡時間及び蒸発ウィンドウが満了するのを待つ。
【0214】B.第1のピペット活動(希釈されたサンプル及びポッパを備えたサンプル・ブランクの準備)
1.検定ファイルの指定に応じてインキュベーション・タイマがセットされる。
【0215】2.希釈剤の正確な吸入。以下の活動が同時に実行される。
【0216】(a)シリンジが“X”uLを“X”ul/秒の率で吸入する。
(b)洗浄弁が開く。
(c)“n”秒間待つ。
(d)洗浄弁が閉じる。
【0217】3.サンプルの吸入(a)ピペットR軸がRVサンプル・ウェル上に移動する。
(b)LLSが使用可能にされ、現在液体が検出されていないことが確認される。
(c)流体が検出され、あるいはZ−Asp限界に達する(流体が検出されたと仮定される)まで、ピペットZ軸が一定速度で下降する。
(d)システムが、流体が検出されたZ高さ位置と、Z高さ/容積テーブルに基づき、ウェル中の液体の容積を算出し、分注記述に指定された容積と比較する。十分な容積がウェルに存在する場合、吸入シーケンスが開始される(十分な容積が存在しない場合、試験が打ち切られ、試験要求が例外リストに移される)。
(e)必要とされるサンプルの総容積が吸入されるまで、以下のことが同時に行われる。
【0218】(i)ピペットZ軸モータが“X”ステップ/秒の率で移動する。
(ii)シリンジモータが“X”uLのサンプルを“X”ul/秒の率で吸入する。
(iii)LLSが検査され、プローブがまだ液体中にあることが確認される。
(iv)LLSが使用可能にされる。
(v)ピペットZ軸がZ上方位置まで上昇する。
【0219】4.希釈剤/サンプルがRV事前希釈ウェルに吐出される。
【0220】(a)ピペットR軸がRV事前希釈ウェル上に移動する。
(b)ピペットZ軸がRV事前希釈ウェル内の吐出位置まで下降する。
(c)シリンジが“X”uLの希釈剤/サンプルを“X”ul/秒の率で吐出する。
(d)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
【0221】5.プローブの事後洗浄プローブが再び、第6節(サンプルのキッティング)で説明したように、汚染がなくなるように洗浄される。
【0222】6.希釈剤の正確な吸入。以下の活動が同時に実行される。
【0223】(a)シリンジが“X”uLを“X”ul/秒の率で吸入する。
(b)洗浄弁が開く。
(c)“n”秒間待つ。
(d)洗浄弁が閉じる。
【0224】7.ポッパの吸入(a)ピペットR軸がRV試薬(ポッパ)ウェル上に移動する。
(b)LLSが使用可能にされ、現在液体が検出されていないことが確認される。
(c)流体が検出され、あるいはZ吸入下(Z−Asp)限に達する(流体が検出されたと仮定される)まで、ピペットZ軸が一定速度で下降する。
(d)システムが、流体が検出されたZ高さ位置と、Z高さ/容積テーブルに基づき、ウェル中の液体の容積を算出し、分注記述に指定された容積と比較する。十分な容積がウェルに存在する場合、吸入シーケンスが開始される(十分な容積が存在しない場合、試験が打ち切られ、試験要求が例外リストに移される。)。
(e)必要とされるポッパの総容積が吸入されるまで、以下のことが同時に行われる。
【0225】(i)ピペットZ軸モータが“X”ステップ/秒の率で下降する。
(ii)シリンジが“X”uLを“X”ul/秒の率で吸入する。
(iii)LLSが検査され、プローブがまだ液体中にあることが確認される。
(iv)LLSが使用可能にされる。
(v)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
【0226】8.希釈されたサンプルの吸入(a)ピペットR軸がRV事前希釈ウェル上に移動する。
(b)LLSが使用可能にされ、現在液体が検出されていないことが確認される。
(c)流体が検出され、あるいはZ吸入下(Z−Asp)限に達する(流体が検出されたと仮定される)まで、ピペットZ軸が一定速度で下降する。
(d)システムが、流体が検出されたZ高さ位置と、Z高さ/容積テーブルに基づき、ウェル中の液体の容積を算出し、分注記述に指定された容積と比較する。十分な容積がウェルに存在する場合、吸入シーケンスが開始される(十分な容積が存在しない場合、試験が打ち切られ、試験要求が例外リストに移される)。
(e)必要とされる希釈されたサンプルの総容積が吸入されるまで、以下のことが同時に行われる。
【0227】(i)ピペットR軸モータが“X”ステップ/秒の率で下降する。
(ii)シリンジが“X”uLを“X”ul/秒の率で吸入する。
(iii)LLSが検査され、プローブがまだ液体中にあることが確認される。
(iv)LLSが使用可能にされる。
(v)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
【0228】11.希釈されたサンプル/ポッパ希釈剤がRVキュベットに吐出される。
【0229】(a)ピペットR軸がRVキュベット位置上に移動する。
(b)ピペットZ軸がRVキュベット内の吐出位置まで下降する。
(c)シリンジが“X”uLの希釈されたサンプル/ポッパ/希釈剤を“X”uL/秒の率で吐出する。
(d)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
【0230】12.プローブの事後洗浄プローブが再び、第6節(サンプルのキッティング)で説明したように、汚染がなくなるように洗浄され、第1のピペット活動が完了する。
【0231】C.ブランク読取りの準備インキュベーション・タイマが満了すると、以下の活動が開始される。
【0232】1.FPIA読取り装置が、読取りを行えるように準備される。電球強度がシマー状態からフル・バーン状態になる。
【0233】2.光電子増倍管(PMT)利得が設定される。
【0234】D.ブランク読取り(背景)
1.検定ファイルの指定に応じてインキュベーション・タイマがセットされる。
【0235】2.RVが読取りステーションにくるように、処理カルーセルが回転する。
【0236】3.水平強度が“X.XX”秒間読み取られる。
【0237】4.垂直読取りのために結晶がフリップされる。
【0238】5.結晶が沈殿するまで“n”秒間待つ。
【0239】6.垂直強度が“X.XX”秒間読み取られる。
【0240】7.光学マイクロプロセッサによって生読取り値が正規読取り値(光度検出器電球衝突強度)に変換される。
【0241】8.背景読取り値が記憶される。
【0242】9.システムがBLANK1を算出して、ブランク読取りを完了する。
【0243】10.次の活動は、インキュベーション・タイマが満了したときに開始される。
【0244】E.第2のピペット活動(希釈されたサンプルとポッパとトレーサと抗血清の間の反応用)
1.検定ファイルの指定に応じてインキュベーション・タイマがセットされる。
【0245】2.希釈剤の正確な吸入。
【0246】(a)以下の活動が同時に実行される。
【0247】(i)シリンジが“X”uLを“X”ul/秒の率で吸入する。
(ii)洗浄弁が開く。
(iii)“n”秒間待つ。
(iv)洗浄弁が閉じる。
【0248】3.抗血清の吸入(i)ピペットR軸がRV試薬2(血清)ウェル上に移動する。
(ii)LLSが使用可能にされ、現在液体が検出されていないことが確認される。
(iii)流体が検出され、あるいはZ−Asp限界に達する(流体が検出されたと仮定される)まで、ピペットZ軸が一定速度で下降する。
(iv)システムが、流体が検出されたZ高さ位置と、Z高さ/容積テーブルに基づき、ウェル中の液体の容積を算出し、分注記述に指定された容積と比較する。十分な容積がウェルに存在する場合、吸入シーケンスが開始される(十分な容積が存在しない場合、試験が打ち切られ、試験要求が例外リストに移される)。
(v)必要とされる抗血清の総容積が吸入されるまで、以下のことが同時に行われる。
【0249】(1)ピペットZ軸モータが“X”ステップ/秒の率で移動する。
(2)シリンジモータが“X”uLのサンプルを“X”ul/秒の率で吸入する。
(3)LLSが検査され、プローブがまだ液体中にあることが確認される。
(4)LLSが使用可能にされる。
(5)ピペットZ軸がZ上方位置まで上昇する。
【0250】4.トレーサの吸入(a)シリンジが“X”uLの空気を“X”ul/秒の率で吸入する。
(b)ピペットR軸がRV試薬3(トレーサ)ウェル上に移動する。
(c)LLSが使用可能にされ、現在液体が検出されていないことが確認される。
(d)流体が検出され、あるいはZ−Asp限界に達する(流体が検出されたと仮定される)まで、ピペットZ軸が一定速度で下降する。
(e)システムが、流体が検出されたZ高さ位置と、Z高さ/容積テーブルに基づき、ウェル中の液体の容積を算出し、分注記述に指定された容積と比較する。十分な容積がウェルに存在する場合、吸入シーケンスが開始される(十分な容積が存在しない場合、試験が打ち切られ、試験要求が例外リストに移される。)。
(f)必要とされるトレーサの総容積が吸入されるまで、以下のことが同時に行われる。
【0251】(i)ピペットZ軸モータが“X”ステップ/秒の率で下降する。
(ii)シリンジが“X”uLを“X”ul/秒の率で吸入する。
(iii)LLSが検査され、プローブがまだ液体中にあることが確認される。
(iv)LLSが使用可能にされる。
(v)ピペットZ軸がZ上方位置まで上昇する。
【0252】5.希釈されたサンプルの吸入(a)ピペットR軸がRV事前希釈ウェル上に移動する。
(b)LLSが使用可能にされ、現在液体が検出されていないことが確認される。
(c)流体が検出され、あるいはZ−Asp限界に達する(流体が検出されたと仮定される)まで、ピペットZ軸が一定速度で下降する。
(d)システムが、流体が検出されたZ高さ位置と、Z高さ/容積テーブルに基づき、ウェル中の液体の容積を算出し、分注記述に指定された容積と比較する。十分な容積がウェルに存在する場合、吸入シーケンスが開始される(十分な容積が存在しない場合、試験が打ち切られ、試験要求が例外リストに移される。)。
(e)必要とされる希釈されたサンプルの総容積が吸入されるまで、以下のことが同時に行われる。
【0253】(1)ピペットZ軸モータが“X”ステップ/秒の率で下降する。
(2)シリンジが“X”uLを“X”ul/秒の率で吸入する。
(3)LLSが検査され、プローブがまだ液体中にあることが確認される。
(4)LLSが使用可能にされる。
(5)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
【0254】6.希釈されたサンプル/トレーサ/アスピレート/抗血清/希釈剤がRVキュベットに吐出される。
【0255】(a)ピペットR軸がRVキュベット上に移動する。
(b)ピペットZ軸がRVキュベット中の吐出位置まで下降する。
(c)シリンジが“X”uLの希釈されたサンプル/トレーサ/アスピレート/抗血清/希釈剤を“X”ul/秒の率で吐出する。
(d)ピペットZ軸がZ上方位置まで上昇する。
【0256】7.プローブの事後洗浄プローブが再び、第6節(サンプルのキッティング)で説明したように、汚染がなくなるように洗浄され、第2のピペット活動が完了する。
【0257】8.次の活動は、インキュベーション・タイマが満了したときに開始される。
【0258】E.最終読取りの準備1.FPIA読取り装置が読取りを行えるように準備される。電球強度がシマー状態からフル・バーン状態になる。
【0259】2.PMT利得が設定される。
【0260】F.最終読取り1.RVが読取りステーションにくるように、処理カルーセルが回転する。
【0261】2.水平強度が“X.XX”秒間読み取られる。
【0262】3.垂直読取りのために結晶がフリップされる。
【0263】4.結晶が沈殿するまでシステムが“n”秒だけ遅延する。
【0264】5.垂直強度が“X.XX”秒間読み取られる。
【0265】6.光学マイクロプロセッサによって生読取り値が正規読取り値(光度検出器電球衝突強度)に変換される。
【0266】7.読取り値が記憶される。
【0267】8.システムがNET光度(l)及びミリ偏光(mP)を算出する。
【0268】9.mP値が較正曲線に適合され、濃度結果が求められる。
【0269】G.RVの取外し(この活動は、資源を使用していないときに行われる。以下のことが同時に実行される)
1.空位置が移送ステーションに整列するように処理カルーセルが回転する。移送機構O軸が処理カルーセルに移動する。
【0270】2.RVが移送機構R軸によってつかまれ、移送機構内に引き込まれる。
【0271】3.RVが廃棄物容器に整列するように移送機構O軸が回転する。
【0272】4.RVが廃棄物容器内に押し込まれる。
【0273】MEIA用のキッティング領域活動及び処理領域活動の説明CEA検定用のキッティング領域システムの説明A.仮定1.サンプルを装填するときアナライザはスタンバイ/レディ・モードである。システムは前に初期化されている(全てのモータがホーム位置にあり、シリンジ及びポンプがパージされており、全ての電子機器及びセンサが検査済みである)。
【0274】2.廃棄物が空になっており、希釈剤、MEIA緩衝剤、MUP、及びQuatバルク・リキッド消耗品の容積が十分かどうかに関して検査済みである。
【0275】3.カートリッジがホッパに配置済みであり、必要に応じ、補助カルーセルへの充填に利用できる(MEIA検定のみ)。
【0276】4.全ての消耗品在庫ファイルが更新済みである。
【0277】B.準備ステップ1.ユーザが空のRVをRVカルーセルに装填する。
【0278】2.試薬パックを装填するには、ユーザはまず、フロント・エンドカルーセルを休止しておかなければならない。システムは現試験のキッティングを完了し、試験を処理領域に移す。
【0279】3.ユーザが試薬カルーセルを開け、試薬パックを試薬カルーセルに装填し、試薬カルーセル・カバーを閉じ、次いでフロント・エンドを再開する。
【0280】4.器具は自動的に、装填された全ての試薬パックを走査し、試薬状況を検証する。
【0281】5.各試薬パックは、試薬カルーセルの回転によって試薬パック・バーコード読取り装置の前に位置決めされる。
【0282】6.試薬パック・バーコード読取り装置は、バーコードを読み取って検定タイプ及びカルーセル位置を識別する。バーコードが読取り使用可能な場合、システムはバーコードの指定変更を要求する。
【0283】7.バーコードが良好であり、あるいは指定変更が完了した場合、システムはシステム在庫を検査する。ユーザは、パックが空又は無効であり、あるいは古いことが分かった場合は通知を受ける。試薬パックは、良好であることが分かった後、使用可能な状態になる。
【0284】C.試験の要求1.ユーザは一つ又は複数の患者サンプル用の試験又は試験群を要求するための二つのオプションを有する。
【0285】(a)ユーザは試験要求ロードリストをホスト・コンピュータからダウンロードして、命令リストを作成することができる。
(b)ユーザは試験要求に入り、あるいはシステム上で直接命令リストを作成する。
【0286】2.(バーコードなしの)サンプル・カップを使用する場合、以下のことが行われる。
【0287】(a)ユーザが命令リストで、サンプルを置くべきセグメントID及び位置番号を探す。
(b)ユーザが、参照されたセグメントの位置にサンプル・カップを装填する。
(c)ユーザが患者サンプルを血液収集チューブからサンプル・カップに移送する。
(d)セグメントがサンプル・カルーセル内に配置される。
(e)サンプルが装填されたことが器具に示される。
(f)器具が消耗品在庫、廃棄物状況、検定較正等を検査する。
(g)サンプル・カルーセルがセグメントをセグメント識別読取り装置まで回転する。
(h)器具がセグメント識別を読み取る。
【0288】3.(バーコード付きの)一次チューブを使用する場合、以下のことが行われる。
【0289】(a)ユーザがサンプル・カルーセル上で次に利用可能なセグメント位置に一次チューブを装填する(2種類のキャリアが一次チューブに使用される。一方の種類は高さ75mmのチューブに使用され、他方の種類は高さ100mmのチューブに使用される)。
(b)サンプルを走らせることが可能であることが器具に示される。
(c)器具がセグメントをセグメント識別読取り装置に回転させる。
【0290】D.試験のスケジューリング1.ピペッタにサンプルが提供されると、システムはその処理用サンプルに関して命令された試薬をスケジューリングしようとする。サンプルに対して命令された各試験が別々にスケジューリングされる。
【0291】(a)システムは、在庫(試薬パック、カートリッジ、緩衝剤、MUP)、システム資源、試験を完了するためのサンプル時間が適当かどうかを検査する。
(b)システムは、命令リスト上の試験の較正又は順番が妥当かどうかを検査する。
(c)全ての試験要件が満たされている場合、試験が処理向けにスケジューリングされる。
(d)満たされていない試験要件がある場合、試験要求が例外リストに移される。試験要件が満たされた後、試験要求がユーザによって命令リストに戻される。
【0292】2.ある試験がスケジューリングされると、システムはその試験を処理リストに移し、そのサンプルに対して命令された他の試験をスケジューリングしようとする。
【0293】3.現サンプル用の全ての試験がキットされると、システムはサンプル・カルーセル上の次のサンプルに進む。
【0294】E.試験のキッティング1.試験はスケジューリングされた後、ただちにキットされる(ただちに試験を処理カルーセル上に移送して検定のタイミング要件内で処理できることを、スケジューラが保証するまで試験はキットされない)。
【0295】2.RVがピオエット軸位置で検出されるまで、RVカルーセルが時計回りに回転する。
【0296】3.命令された試験用の試薬パックがアクチュエータ位置にくるまで、試薬パック・カルーセルが回転する。アクチュエータが試薬カートリッジ・キャップを開け、次いで、命令された試験用の試験パックがピペット軸位置にくるまで、試薬パック・カルーセルが回転する。全ての分注ステップが完了した後、試薬パック・カルーセルが再びアクチュエータ位置まで回転し、そこで試薬カートリッジ・キャップが閉じる。
【0297】4.サンプル・カップ(又はプライマリ・チューブ)がピペット軸位置にくるまで、サンプル・カルーセルが回転する。
【0298】5.ピペットは使用されないときは常に“HOME”位置にある(ピペットR軸が洗浄ステーション上に止まり、ピペットZ軸がZクリア位置にくる)。
【0299】6.サンプルのキッティング(a)サンプルの吸入(i)シリンジが“X”uLの空気を“X”ul/秒の率で吸入する。
(ii)ピペットR軸がサンプル・カップ上に移動する。
(iii)ピペットZ軸がZ上方位置まで下降する。
(iv)ピペットZ軸がZ−LLS位置まで下降する。
(v)LLSが使用可能にされ、現在液体が検出されていないことを確認される。
(vi)流体が検出され、あるいはZ−Asp限界に達する(流体が検出されたと仮定される)まで、ピペットZ軸が一定速度で下降する。
(vii)システムが、流体が検出されたZ高さ位置と、Z高さ/容積テーブルに基づき、ウェル中の液体の容積を算出し、分注記述に指定された容積と比較する。十分な容積がウェルに存在する場合、吸入シーケンスが開始される(十分な容積が存在しない場合、試験が打ち切られ、試験要求が例外リストに移される)。
(viii)必要とされるサンプルの総容積が吸入されるまで、以下のことが同時に行われる。
【0300】(1)ピペットZ軸モータが“X”ステップ/秒の率で下降する。
(2)シリンジが“X”uLを“X”ul/秒の率で吸入する。
(3)LLSが検査され、プローブがまだ液体中にあることが確認される。
(4)LLSが使用可能にされる。
(5)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
(6)ピペットR軸がRVサンプル・ウェル上に移動する。
(7)ピペットZ軸がRVサンプル・ウェル内の吐出位置まで下降する。
(8)シリンジが“X”uLのサンプルを“X”ul/秒の率で吐出する。
(9)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
【0301】(b)プローブの事後洗浄プローブが、汚染がなくなるように洗浄される。キッティング領域と処理領域の両方でのピペット活動の後には一般にプローブの事後洗浄が行われ、ある液体吸入から他の液体吸入への持越しが最小限に抑えられることを理解されたい。場合によっては、必要に応じてピペット活動の前にプローブの事前洗浄を行い、次の液体吸入の妥当性を保証することができる。この検定の説明では、事後洗浄だけを使用すると仮定する。
【0302】(i)まずプローブの内部が洗浄される。
【0303】(1)ピペットR軸が廃棄物領域上に移動する。
(2)ピペットZ軸が廃棄物領域内の適切な位置まで下降する。
(3)洗浄弁が、検定プロトコルに指定された時間中だけ開く。
(4)洗浄弁が閉じる。
【0304】(ii)ピペットZ軸がZクリア軸まで上昇する。
(iii)次に、プローブの外側が清掃される。
【0305】(1)ピペットR軸が洗浄カップ上に移動する。
(2)ピペットZ軸が洗浄カップ内の廃棄物位置まで下降する。
(3)洗浄弁が、検定プロトコルに指定された時間中だけ開く。
(4)洗浄弁が閉じる。
(5)ピペットが“HOME”位置に戻る。
【0306】7.微粒子のキッティング(a)微粒子の吸入(微粒子は、最も高価なMEIA試薬なので、容積を節約するために、RVインキュベーション・ウェル内に直接分注される)。
【0307】(i)シリンジが“X”uLの空気を“X”ul/秒の率で吸入する。
(ii)ピペットR軸が試薬パック中の微粒子試薬ボトル上に移動する。
(iii)ピペットZ軸がZ上方位置まで下降する。
(iv)ピペットZ軸がZ−LLS位置まで下降する。
(v)LLSが使用可能にされ、現在液体が検出されていないことが確認される。
(vi)流体が検出され、あるいはZ−Asp限界に達する(流体が検出されたと仮定される)まで、ピペットZ軸が一定速度で下降する。
(vii)システムが、流体が検出されたZ高さ位置と、Z高さ/容積テーブルに基づき、ウェル中の液体の容積を算出し、分注記述に指定された容積と比較する。十分な容積がウェルに存在する場合、吸入シーケンスが開始される(十分な容積が存在しない場合、試験が打ち切られ、試験要求が例外リストに移される。)。
(viii)必要とされる微粒子の総容積が吸入されるまで、以下のことが同時に行われる。
【0308】(1)ピペットZ軸モータが“X”ステップ/秒の率で下降する。
(2)シリンジが“X”uLを“X”ul/秒の率で吸入する。
(3)LLSが検査され、プローブがまだ液体中にあることが確認される。
【0309】(ix)LLSが使用可能にされる。
(x)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
(xi)ピペットR軸がRVインキュベーション・ウェル上に移動する。
(xii)ピペットZ軸がRVインキュベーション・ウェル内の吐出位置まで下降する。
(xiii)シリンジが“X”uLの微粒子を“X”ul/秒の率で吐出する。ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
【0310】(b)プローブの事後洗浄プローブが再び、第6節(サンプルのキッティング)で説明したように、汚染がなくなるように洗浄される。
【0311】8.共役体のキッティング(a)共役体の吸入(共役体、特殊洗浄流体、ないし標本希釈剤は、容積要件に応じてRV試薬ウェル又はRV事前希釈ウェル内に分注される)
(i)シリンジが“X”uLの空気を“X”ul/秒の率で吸入する。
(ii)ピペットR軸が試薬パック中の共役体試薬ボトル上に移動する。
(iii)ピペットZ軸がZ上方位置まで下降する。
(iv)ピペットZ軸がZ−LLS位置まで下降する。
(v)LLSが使用可能にされ、現在液体が検出されていないことが確認される。
(vi)流体が検出され、あるいはZ−Asp限界に達する(流体が検出されたと仮定される)まで、ピペットZ軸が一定速度で下降する。
(vii)システムが、流体が検出されたZ高さ位置と、Z高さ/容積テーブルに基づき、ウェル中の液体の容積を算出し、分注記述に指定された容積と比較する。十分な容積がウェルに存在する場合、吸入シーケンスが開始される(十分な容積が存在しない場合、試験が打ち切られ、試験要求が例外リストに移される。)。
(viii)必要とされる共役体の総容積が吸入されるまで、以下のことが同時に行われる。
【0312】(1)ピペットZ軸モータが“X”ステップ/秒の率で下降する。
(2)シリンジが“X”uLを“X”ul/秒の率で吸入する。
(3)LLSが検査され、プローブがまだ液体中にあることが確認される。
【0313】(ix)LLSが使用可能にされる。
(x)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
(xi)ピペットR軸がRV試薬ウェル上に移動する。
(xii)ピペットZ軸がRVr試薬ウェル内の吐出位置まで下降する。
(xiii)シリンジが“X”uLの共役体を“X”ul/秒の率で吐出する。
(xiv)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
【0314】(b)プローブの事後洗浄プローブが再び、第6節(サンプルのキッティング)で説明したように、汚染がなくなるように洗浄される。
【0315】9.MEIA緩衝剤のキッティング(a)RV緩衝剤ウェルが緩衝剤キッティング・ステーションにあるMEIA緩衝剤ディスペンサの下にくるようにRVカルーセルが回転する。
(b)“X”uLのMEIA緩衝剤が“X”ul/秒の率で緩衝剤ウェル内に吐出される。
【0316】F.処理領域へのRVの移送1.RVカルーセルが移送ステーションまで回転する。
【0317】2.空位置が移送ステーションに整列するように処理カルーセルが回転する。
【0318】3.移送機構O軸がサンプル入口領域まで回転する。
【0319】4.移送機構R軸がRVをつかみ、移送機構内に引き込む。
【0320】5.RVが処理カルーセル上の空位置に整列するように移送機構O軸が回転する。
【0321】6.RVが処理カルーセル上に装填される。
【0322】CEA用のMEIA処理領域のシステムの説明A.システムは、温度平衡時間及び蒸発ウィンドウが満了するのを待つ。
【0323】B.第1のピペット活動(微粒子/サンプルの反応)
1.検定ファイルの指定に応じてインキュベーション・タイマがセットされる。
2.MEIA緩衝剤の吸入(a)RVが分注ステーションにくるように処理カルーセルが回転する。
(b)シリンジが“X”uLを“X”ul/秒の率で吸入する。
(c)ピペットR軸がRV緩衝剤ウェル上に移動する。
(d)ピペットZ軸がRV緩衝剤ウェル上のZ上方位置まで下降する。
(e)ピペットZ軸がZ−LLS位置まで下降する。
(f)LLSが使用可能にされ、現在液体が検出されていないことが確認される。
(g)流体が検出され、あるいはZ−Asp限界に達する(流体が検出されたと仮定される)まで、ピペットZ軸が一定速度で下降する。
(h)システムが、流体が検出されたZ高さ位置と、Z高さ/容積テーブルに基づき、ウェル中の液体の容積を算出し、分注記述に指定された容積と比較する。十分な容積がウェルに存在する場合、吸入シーケンスが開始される(十分な容積が存在しない場合、試験が打ち切られ、試験要求が例外リストに移される。)。
【0324】(i)必要とされるMEIA緩衝体の総容積が吸入されるまで、以下のことが同時に行われる。
【0325】(1)ピペットZ軸モータが“X”ステップ/秒の率で下降する。
(2)シリンジが“X”uLを“X”ul/秒の率で吸入する。
(j)LLSが検査され、プローブがまだ液体中にあることが確認される。
(k)LLSが使用可能にされる。
(l)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
【0326】3.サンプルの吸入(a)ピペットR軸がRVサンプル・ウェル上に移動する。
(b)ピペットZ軸がZ−LLS位置まで下降する。
(c)LLSが使用可能にされ、現在液体が検出されていないことを確認される。
(d)流体が検出され、あるいはZ−Asp限界に達する(流体が検出されたと仮定される)まで、ピペットZ軸が一定速度で下降する。
(e)システムが、流体が検出されたZ高さ位置と、Z高さ/容積テーブルに基づき、ウェル中の液体の容積を算出し、分注記述に指定された容積と比較する。十分な容積がウェルに存在する場合、吸入シーケンスが開始される(十分な容積が存在しない場合、試験が打ち切られ、試験要求が例外リストに移される)。
(f)必要とされるサンプルの総容積が吸入されるまで、以下のことが同時に行われる。
【0327】(1)ピペットZ軸モータが“X”ステップ/秒の率で移動する。
(2)シリンジモータが“X”uLのサンプルを“X”ul/秒の率で吸入する。
(g)LLSが検査され、プローブがまだ液体中にあることが確認される。
(h)LLSが使用可能にされる。
(i)ピペットZ軸がZ上方位置まで上昇する。
【0328】4.インキュベーション・ウェル中の微粒子にMEIA緩衝剤が付加される。
【0329】(a)ピペットZ軸がRVインキュベーション・ウェル内の吐出位置まで下降する。
(b)シリンジが“X”uLのMEIA緩衝剤及びサンプルを“X”ul/秒の率で吐出する。
(c)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
【0330】5.プローブの事後洗浄プローブが再び、第6節(サンプルのキッティング)で説明したように、汚染がなくなるように洗浄される。
【0331】C.カートリッジの装填(この活動は、資源が使用されていないときに行われる)
1.予約された位置がフィーダの下にくるように補助カルーセルを移動する。
【0332】2.トラップ・ドア機構を循環させてカルーセルにせん光灯を装填する。
【0333】3.シャトル機構を循環させて(次のタブ装填のために)トラップ・ドア上に別のMEIAカートリッジを装填する。
【0334】4.インキュベーション・タイマを検査する。該タイマが満了すると、次の分注を開始する。
【0335】D.第2のピペット活動(マトリックスへの反応混合物の移送)
1.検定ファイルの指定に応じてインキュベーション・タイマがセットされる。
2.緩衝剤の吸入。
【0336】(a)RVが分注位置にくるように処理カルーセルが移動する。
(b)シリンジが“X”uLの空気を“X”ul/秒の率で吸入する。
(c)ピペットR軸がRV緩衝剤ウェル上に移動する。
(d)ピペットZ軸がZ上方位置まで下降する。
(e)ピペットZ軸がZ−LLS位置に下降する。
(f)LLSが使用可能にされ、現在液体が検出されていないことを確認される。
(g)流体が検出され、あるいはZ−Asp限界に達する(流体が検出されたと仮定される)まで、ピペットZ軸が一定速度で下降する。
(h)システムが、流体が検出されたZ高さ位置と、Z高さ/容積テーブルに基づき、ウェル中の液体の容積を算出し、分注記述に指定された容積と比較する。十分な容積がウェルに存在する場合、吸入シーケンスが開始される(十分な容積が存在しない場合、試験が打ち切られ、試験要求が例外リストに移される)。
(i)必要とされる緩衝剤の総容積が吸入されるまで、以下のことが同時に行われる。
【0337】(1)ピペットZ軸モータが“X”ステップ/秒の率で移動する。
(2)シリンジモータが“X”uLのサンプルを“X”ul/秒の率で吸入する。
【0338】(j)LLSが検査され、プローブがまだ液体中にあることが確認される。
(k)LLSが使用可能にされる。
(l)ピペットZ軸がZ上方位置まで上昇する。
【0339】3.反応混合物の吸入(a)ピペットR軸がRVインキュベーション・ウェル上に移動する。
(b)ピペットZ軸がZ−LLS位置まで下降する。
(c)LLSが使用可能にされ、現在液体が検出されていないことが確認される。
(d)流体が検出され、あるいはZ−Asp限界に達する(流体が検出されたと仮定される)まで、ピペットZ軸が一定速度で下降する。
(e)システムが、流体が検出されたZ高さ位置と、Z高さ/容積テーブルに基づき、ウェル中の液体の容積を算出し、分注記述に指定された容積と比較する。十分な容積がウェルに存在する場合、吸入シーケンスが開始される(十分な容積が存在しない場合、試験が打ち切られ、試験要求が例外リストに移される)。
(f)必要とされる反応混合物の総容積が吸入されるまで、以下のことが同時に行われる。
【0340】(1)ピペットZ軸モータが“X”ステップ/秒の率で下降する。
(2)シリンジが“X”uLを“X”ul/秒の率で吸入する。
【0341】(g)LLSが検査され、プローブがまだ液体中にあることが確認される。
(h)LLSが使用可能にされる。
(i)ピペットZ軸がZ上方位置まで上昇する。
【0342】4.マトリクス上での反応混合物の吐出(a)以下のことは、反応混合物の吸入(上記)と同時に実行される。
【0343】(i)カートリッジが分注ステーションにくるように補助カルーセルが移動する。
(ii)ピペットR軸がMEIAカートリッジ(マトリクス)表面上に移動する。
(iii)ピペットZ軸がマトリクス吐出位置まで下降する。
(iv)シリンジが“X”uLの反応混合物を“X”ul/秒の率で吐出する。
(v)反応混合物がマトリクスによって吸収されるまで、システムは“X”秒だけ遅延する。
【0344】5.マトリクスの緩衝剤の洗浄(a)シリンジが“X”uLの緩衝剤を“X”ul/秒の率で吐出する。
(b)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
【0345】6.プローブの事後洗浄プローブが再び、第6節(サンプルのキッティング)で説明したように、汚染がなくなるように洗浄される。
【0346】7.インキュベーション・タイマが満了すると、次の活動が開始する。
【0347】E.第3のピペット活動(共役体の付加)
1.検定ファイルの指定に応じてインキュベーション・タイマがセットされる。
2.共役体の吸入。
【0348】(a)RVが分注位置にくるように処理カルーセルが移動する。
(b)シリンジが“X”uLの空気を“X”ul/秒の率で吸入する。
(c)ピペットR軸がRV試薬1(共役体)ウェル上に移動する。
(d)ピペットZ軸がZ上方位置まで下降する。
(e)LLSが使用可能にされ、現在液体が検出されていないことを確認される。
(f)流体が検出され、あるいはZ−Asp限界に達する(流体が検出されたと仮定される)まで、ピペットZ軸が一定速度で下降する。
(g)システムが、流体が検出されたZ高さ位置と、Z高さ/容積テーブルに基づき、ウェル中の液体の容積を算出し、分注記述に指定された容積と比較する。十分な容積がウェルに存在する場合、吸入シーケンスが開始される(十分な容積が存在しない場合、試験が打ち切られ、試験要求が例外リストに移される)。
(h)必要とされる共役体の総容積が吸入されるまで、以下のことが同時に行われる。
【0349】(i)ピペットZ軸モータが“X”ステップ/秒の率で下降する。
(ii)シリンジが“X”uLのサンプルを“X”ul/秒の率で吸入する。
【0350】(i)LLSが検査され、プローブがまだ液体中にあることが確認される。
(j)LLSが使用可能にされる。
(k)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
【0351】3.共役体の吐出(同時に実行される)
(a)カートリッジが分注ステーションにくるように補助カルーセルが移動する。
(b)ピペットR軸がMEIAカートリッジ(マトリクス)表面上に移動する。
(c)ピペットZ軸がマトリクス吐出位置まで下降する。
(d)シリンジが“X”uLの共役体を“X”ul/秒の率で吐出する。
(e)ピペットZ軸がZクリア軸まで移動する。
(f)反応混合物がマトリクスによって吸収されるまで 「X」秒だけ待つ。
【0352】4.プローブの事後洗浄プローブが再び、第6節(サンプルのキッティング)で説明したように、汚染がなくなるように洗浄される。
【0353】F.RVの取外し(この活動は、資源を使用していないときに行われる)
1.以下のことが同時に実行される)
(a)空位置が移送ステーションにくるように処理カルーセルが回転する。
(b)移送機構O軸が処理カルーセルに移動する。
【0354】2.RVが移送機構R軸によってつかまれ、移送機構内に引き込まれる。
【0355】3.RVが廃棄物容器に整列するように移送機構O軸が回転する。
【0356】4.RVが廃棄物容器内に押し込まれる。
【0357】5.インキュベーション・タイマを検査する。該タイマが満了すると、次の活動が開始する。
【0358】G.MEIA読取りの準備1.電球強度がシマー状態からフル・バーン状態になる。
【0359】2.PMT利得が設定される。
【0360】H.マトリクスの洗浄1.カートリッジがマトリクス洗浄ステーションにくるように、補助カルーセルが回転する。
【0361】2.検定ファイル中でカートリッジの洗浄用に指定された全ての緩衝剤が吐出されるまで、以下のステップが繰り返される。
【0362】(a)“X”uLの加熱されたMEIA緩衝剤が50uLサイクルで“X”ul/秒の率でマトリクス上に吐出される。
(b)“n”秒だけ待つ。
I.MUPの吐出1.カートリッジが読取りステーションにくるように、補助カルーセルが回転する。
【0363】2.加熱MUP50uLを“X”ul/秒の率でマトリックスに吐出される。
【0364】3.“n”秒だけ待つ。
J.MEIA読取り1.カートリッジが読取りステーションにくるように、補助カルーセルが回転する。
【0365】2.検定ファイルに指定された数のマイクロ読取り値が得られるまで、以下のステップが繰り返される(通常8回)。
【0366】(a)“X.XX”秒だけ読み取られる。
(b)“X.XX”秒だけ待つ。
【0367】3.読取り装置が休止状態に戻る。
(a)電球強度がシマー状態になる。
(b)PMT利得が設定される。
【0368】4.光学マイクロプロセッサによって正規読取り値が正規読取り値(光度検出器電球衝突強度)に変換される。
【0369】5.システムによって正規読取り値対時間から率が算出される。
【0370】6.定量的検定の場合、この率が較正曲線に適合され、濃度結果が求められる。
【0371】7.定性的検定の場合、サンプル率がインデックス率又は切捨て率と比較されて、サンプルが正かそれとも負か(反応性かそれとも非反応性か)が判定される。
K.RVの取外し(この活動は、資源を使用していないときに行われる)
1.カートリッジがイジェクタ・ステーションにくるように補助カルーセルが回転する。
【0372】2.イジェクタが循環して、カートリッジを廃棄物容器に入れる。
【0373】本発明の自動免疫学的検定分析システムによって取り扱うことができる検定に典型的な概略反応シーケンスを図26、図27、及び図28に提示する。図2626には、T4検定のFPIAシーケンス420が提示されており、ステップ1で、チロキシン結合タンパク質(TBP)424によって結合されたT4がT4変位剤426と反応してTBP428と非結合T4(430)を生成している。ステップ2で、T4(430)がT4抗体432に付加されて反応生成物434を生成する (T4抗体−T4複合体)。ステップ3で、T4抗体T4複合体434がT4トレーサ(蛍光)436で処理されて蛍光偏光測定可能反応生成物438を生成する。
【0374】図27には、1ステップサンドイッチMEIA判定(フェリチン)用の概略反応シーケンス440が提示されている。ステップ1及びステップ2でアンチフェリチン・アルカリ・フォスファターゼ共役体がフェリチン・サンプル444とアンチフェリン微粒子446が混合されてフェリチン抗体−抗原−抗体複合体448を生成している。ステップ3で、抗体−抗原−抗体複合体448が4−メチルウンベリフェリルリン酸塩(MUP)450と反応して、蛍光を発するメチルウンベルフェロン(MU)を生成している。MU生成率が測定される。
【0375】図28には、2ステップ・サンドイッチMEIA用の概略反応シーケンス456がHTSH検定に関して提示されている。アンチhTSH特有微粒子458がHTSHサンプル460に付加されて反応生成物HTSH抗体−抗原複合体462を提供している。ステップ2ないしステップ4で、複合体462がアンチhTSHアルカリ・フォスファターゼ464と組合わされてhTSH抗体−抗原−抗体複合体466を生成している。ステップ5で、複合体466がMUP450と反応して、蛍光を発するMUを生成している。MU生成率が測定される。
【0376】本発明の実施例によれば、自動免疫学的検定分析システムは、多数の検定を連続的に実行するための、オペレータによるランダム・アクセスが可能な装置、ソフトウェア、ハードウェア、及びプロセス技術を提供する。スケジューリングされた試験に応じてメイン・カルーセル又は処理カルーセルでのキッティング操作及び分注操作にカルーセル・ピペッタ技術を使用すると、従来は達成できなかったスケジューリングの柔軟性がもたらされる。本発明のシステムによって、夫々の装置及びプロセス要件に分かれる前に共通のメイン・カルーセル、移送ステーション、第1のキッティング及び分注プローブ、ならびに処理カルーセルと、第2の分注ブローブとを使用して、イミュノプレシピテーション技術でも競合免疫学的検定技術でも共通のキッティング及び分注が可能になる。キャビネット処分供給材料と、スケジューリング、試験、キッティング、及び分注用の共通のコンピュータ・ネットワークも共用される。
【0377】システム上でのオペレータの最小限の入力及び取扱いで複数の検定を実行することができ、直接説明していないが上記の本発明の開示及び請求の範囲にかんがみて当業者には明らかな他のプロセス及び検定にシステムを使用できることが理解されよう。本発明の特定の実施例を開示したが、以下の請求の範囲に記載された本発明の仕様及び範囲の教示から逸脱することなく、本発明の装置及び方法に様々な変更及び適応を加えられることも理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【図1】システム・キャビネット、露出したフロント・エンド・カルーセル、コンピュータ画面、及びキーボードを示す自動分析システムの等角図である。
【図2】自動分析システム装置フレーム及びキャビネットの等角図である。
【図3】自動分析システム装置を詳細にかつ相対位置で示すためにコンポーネント・カバーを取り外した自動分析システムの断面平面図である。
【図4A】フロント・エンド・カルーセルの要素の分離部分断面での、自動分析システムの正面図である。
【図4B】自動分析システムと共に使用するための試薬パック及び試薬パック・カバー手段の斜視側面図である。
【図4C】自動分析システムと共に使用するための試薬パック及び試薬パック・カバー手段の部分端面図である。
【図5】取り外された自動分析システムのフロント・エンド・カルーセルの駆動要素及び案内要素の分離部分断面平面図である。
【図6】一方がFPIA読取り用の所定の位置にある、二つの反応容器を含む、自動分析システムの処理カルーセルの分離断面側面図である。
【図7】自動分析システムのプローブ、プローブ・アーム、及びピペッタの分離等角図である。
【図8】自動分析システムのプローブ・アーム配線センサ手段の概略側面図である。
【図9A】自動分析システムの自動バブル・フラッシングシリンジ装置の断面側面図である。
【図9B】内径端部に向かう移動距離の終り近くに往復ピストンを含む自動バブル・フラッシングシリンジのシリンジ内径端部の分離断面側面図である。
【図9C】線9B−9Bに沿った自動バブル・フラッシングシステムシリンジのピストン及び内径の分離断面端面図である。
【図9D】自動分析システムの自動気泡流出シリンジ装置の部分断面立面図である。
【図9E】ボア端部への行程の終わり付近にある往復ピストンと、外側伸張位置へのピストンの引抜きを示すボア内の想像位置とを含む、自動気泡流出シリンジのシリンジ・ボア部分の部分断面図である。
【図10A】自動分析システムと共に使用する反応容器の平面図であり、反応容器コンパートメントには適宜、FPIA処理用に符号を付けてある。
【図10B】自動分析システムと共に使用する反応容器の側面図であり、反応容器コンパートメントには適宜、FPIA処理用に符号を付けてある。
【図10C】反応容器の平面図であり、MEIA処理用に符号を付けて提示してある。
【図10D】反応容器の側面図であり、MEIA処理用に符号を付けて提示してある。
【図10E】容器を保持する装置と、他の容器を取り付けるための手段とを示す反応容器装填装置の部分等角図である。
【図10F】二つの反応容器が据え付けられたローダと、他の反応容器を据え付けるための手段とを示す反応容器装填装置の部分等角図である。
【図10G】十個の反応容器が据え付けられた、反応容器カルーセルの半径に一致する弧状に設けられた反応容器装填装置の平面図である。
【図10H】反応容器カルーセルの半径に一致する弧状線形寸法を有する反応容器装填装置の平面図であり、ローダには二個の反応容器が据え付けられており、八個の追加反応容器を据え付けることができる。
【図11】メイン・カルーセルから移送ステーションへの移送のために反応容器と係合する自動分析システムの移送要素の断面側面図である。
【図12】自動分析システムの移送ステーションの斜視側面図である。
【図13】自動分析システムの制御環境部分を示す分離断面平面図である。
【図14】自動分析システムの水ないし緩衝剤の供給ステーションと液体及び固体の廃棄物容器を示す図1及び図2の下部キャビネットの断面平面図である。
【図15A】自動分析システムのシステム制御環境空気流温度制御システムを示す概略図である。
【図15B】空気が再循環されない、自動分析システムの環境空気流及び温度制御の他の実施例を示す概略図である。
【図16】自動分析システムと共に使用するためのMEIAカートリッジの部分断面側面図である。
【図17】自動分析システムのMEIAカートリッジ・フィーダの断面側面図である。
【図18A】自動分析システムのMEIAカートリッジ・フィーダ・カートリッジ配向ピン機構の分離側面断面図である。
【図18B】自動分析システムのMEIAカートリッジ・フィーダ/カートリッジ配向機構の第2の実施例の部分側面断面図である。
【図19】自動分析システムのMEIAカートリッジ・イジェクタの分離側面断面図である。
【図20】自動分析システムの光信号プロセッサのボックス・ダイアグラムである。
【図21】自動分析システムのFPIA光学システムの概略図である。
【図22】自動分析システムのFPIA読取りシーケンスの概略図である。
【図23】自動分析システムのMEIAカートリッジカルーセル、MEIAカートリッジ、及びMEIA読取り装置の分離側面断面図である。
【図24A】自動分析システムのMEIAシステム光学アセンブリの概略図である。
【図24B】加熱手段によって光源が遮断期間中に一定の最小温度に維持される、自動連続ランダム・アクセス分析システムのMEIA光学アセンブリの概略図である。
【図25】自動分析システムのMEIA読取りシーケンスの概略図である。
【図26】自動分析システム上で実行されるT4に関するFPIAの概略反応シーケンスである。
【図27】自動分析システム上で実行される1ステップ・サンドイッチMEIAの概略反応シーケンスである。
【図28】自動分析システム上で実行される2ステップ・サンドイッチMEIAの概略反応シーケンスである。
【図29A】カバーの付いた試薬容器を有する試薬パックの平面図である。
【図29B】複数のカートリッジを収容するカートリッジ・ホッパと協働して係合された、様々な想像開放位置に示された分割開放カートリッジ・カートンの部分側面断面図である。
【図30A】図29Aの断面A−Aに沿って得られたもので、様々な開放位置及び閉鎖位置でのカバー手段を示す図29Aの線A−Aに沿って得られた側面断面図を提示する。
【図30B】カートリッジをホッパに投入するように位置決めされた分割開放カートリッジ・カートンを含むカートリッジ・ホッパの他の実施例の部分側面断面図である。
【図31A】開放試薬容器キャッピング手段の概略図である。
【図31B】図30Bのカートリッジ・ホッパの部分断面端面図である。
【図32A】蓋が開放された試薬パック中の試薬容器を含む試薬容器蓋開閉ステーションの斜視側面図である。
【図32B】カートリッジをカートリッジ・カートンから装填するのに適した取外しモードのカートリッジ・ホッパを示す自立カートリッジ・ホッパの他の実施例の等角図である。
【図33】試薬パックの試薬容器が、試薬パックの蓋が閉鎖された開閉ステーションの要素の下側にある、図32Aの斜視側面図と異なる斜視側面図である。
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体試験サンプルを分析するための自動分析システム及び方法に関する。すなわち、本発明は、複数の検定、特にヘテロジニアス免疫学的検定法またはホモジニアス免疫学的検定法、あるいはその両方を同時に実行できる連続ランダム・アクセス・システムに関する。さらには、本発明はそのようなシステムに組み込まれ、そのようなシステムによって使用される様々な構成要素に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】サンプルの化学試験、免疫化学試験、及び生物学試験用の様々な周知の臨床アナライザが利用可能だが、新しいレベルのサービスの提供を求める臨床研究所での需要が増大しているため、臨床技術は急速に変化している。このような新しいレベルのサービスは、労務費等の操業費用を削減するために、より費用効果が高くなければならず、患者の入院期間を短縮すると共に、外来治療の効率を向上するために試験結果のターンアラウンド・タイムを短縮しなければならない。分析装置及び手順を近代化するには、臨床研究所に課された増大する課題を満たすように作業ステーションを統合する必要がある。
【0003】一般に、試験サンプルの分析には、一つ又は複数のアナライトに関する試験サンプルと一つ又は複数の試薬との反応が関与し、各試験サンプルに関して分析を選択的に実行することが望まれることが多い。しかし、ボリューム・スループットに関する要求だけでなく様々な分析の数及び頻度に関する厳しい要求も臨床研究所に課されるため、正確な分析結果と、高スループットと、複数試験メニューによる使い勝手と、低試薬消費量とを組み合わせることができる自動分析システムを提供する必要がある。
【0004】通常、試験サンプルの分析には、試験サンプル及び一つ又は複数の試薬を備えた反応混合物を形成することが含まれており、反応混合物は次いで、試験サンプルの一つ又は複数の特性に関して、ある装置によって分析される。自動臨床アナライザが信頼できるのであれば、技術者が実行すべき作業が少なくなるので、研究所の手順効率が向上する。自動臨床アナライザは、結果を極めて迅速に提供し、同時に、オペレータ又は技術者の誤りを回避することが多く、従って様々な試験に関する正確さ及び反復性を特徴としている。現在、研究所のルーチン試験に利用可能な自動臨床アナライザは、様々なオペレーティング・ステーションの間で液体サンプルの容器を輸送するように設計された輸送システム又はコンベア・システムを含む。例えば、試験サンプルを含む反応チューブ又はキュベットは、試薬充填ステーション、混合ステーション、反応形成ステーション、検出ステーション、分析ステーション等を通過することができる。しかし、そのような輸送システムは、輸送が一方向であり、反応チューブ又はキュベットが、装置内に挿入された後、分析が行われる前にアクセスなしで通過させなければならないという点で融通性がない。
【0005】様々な異なる検定ステップを伴う方法を利用するが、通常検定プロセス中に反応混合物の光学的変化の検出及び測定に依存するAbbott IMx(R) アナライザや Abbott TDx(R) アナライザ(Abbott Laboratories, Abbott Park, Illinois, USA )等の自動免疫検定法アナライザが提供されている。例えば、単一波長又は複数波長の蛍光を使用する多数の周知の技術には、ホモジニアス免疫検定法技術を使用する蛍光偏光免疫学的検定法 (FPIA)、ヘテロジニアス免疫学的検定法技術等を使用 する微粒子酵素免疫学的検定法(MEIA)を含む。Abbott IMx(R) アナライザ上で使用されるもの等のMEIA技術は、より高い感度を必要とする高分子量及び低分子量のアナライトに使用され、Abbott TDx(R) アナライザ上で使用されるもの等のFPIA技術は主として、より低い分子量のアナライトに使用される。表面蛍光測定器は、MEIA検定で生成される蛍光生成物を定量化するために使用されるが、蛍光偏光光学システムはFPIA検定での抗体とのトレーサ結合の度合いを定量化するために使用される。試験サンプルは、Abbott IMx(R) アナライザ及びAbbott TDx(R) アナライザでは、分注プローブと、サンプルを処理できるように位置決めする回転カルーセルを含むロボット・アームによって自動的に処理される。これらの器具は小形卓上用アナライザであり、完全に自動化された容易な免疫学的検定法試験機能を、定型免疫学的検定法及び特殊免疫学的検定法の両方に提供する。これらの異方性方法によって放射能処分問題が解消され、試薬の貯蔵寿命が延び、同時に複数の異なる検定の様々な要件が満たされる。
【0006】上記で説明した一方向専用システムのように、試験サンプルを容器に装填して連続的試験を得る代わりに、バッチ・ア ナライザと呼ばれることが多いAbbott IMx(R) アナライザ及びAbbott TDx(R) アナライザでは、複数のサンプルを分析することができ、かつ次の反応混合物を形成するために試験サンプルにアクセスすることができる。しかし、そのようなバッチ・アナライザでは一度に一種類の分析しかできない。ランダム・アクセス・アナライザでは、複数の試験サンプルを分析できるだけでなく、複数のアナライトを各試験サンプルから分析することができる。現在利用可能な連続アナライザ及びランダム・アクセス・アナライザの他の共通的な特徴は、分注のために様々な試薬を装置自体の内部に含め、あるいは装置の近くに配置することである。バルク形態の液体試薬が、試験サンプルに対して実行すべき様々な種類の試験用に選択され、装置中又は装置の近くに貯蔵される。実行すべき試験の種類に応じて異なる試薬を混合できるように、ポンプ等の試薬供給装置が、弁、制御機構、及びピペット機構と共に、これらの自動化アナライザに含まれている。Abbott IMx(R) アナライザは、試験サンプルの分析に必要な全てのステップを自動的に実行し、検定を完了まで走らせることができて結果が有効なものになるようにするためのサブシステムの多数の検査を含む。MEIA方式での蛍光強度の定量化及びFPIA方式での偏光と、最終的なデータ縮小とは、アナライザ上で完全に自動化されている。結果は、アナライザによって印刷され、研究所のコンピュータによる自動データ収集用の適当な手段を介してアクセスすることができる。 ホモジニアス検定を実行するための自動分析装置、試験サンプルセル中の抗原と抗体との反応によって形成されて光散乱中心を形成する沈殿物の検出、及び免疫学的結合反応を検出する方法及び装置も当技術分野で知られている。そのような装置及び方法は例えば、抗体によって吸収される光を使用することによって抗原−抗体反応の前後に抗体を含む液体媒体の光吸収を測定するステップと、吸収の差を計算するステップとを含む。このように、結合の有無は、結合反応が抗体の濃度を減らし、そのことが液体媒体の光吸収に影響を及ぼすという事実に基づいて検出することができる。ホモジニアス検定を実行する方法及び装置に典型的なように、これらの手順は、次の分析のために固相を反応混合物から分離することを必要としない。
【0007】ヘテロジニアス検定も、サンプル・アナライザを使用して、例えばサンプル中の蛍光粒子によって蛍光状態が発生するように光源をサンプル上に集束することによって液体試験サンプル中の比較的少量の臨床的に重要な化合物を定量化することによって知られている。蛍光状態の強度は、光ビームの強度とサンプル中の蛍光粒子の濃度の関数である。検出器は、光子が、光ビームによって励起されると粒子の蛍光放出を形成することを感知する。固相材料をサンプルに導入するには、その後に、次の分析のために固相を反応混合物から分離する必要があり、そうしないと、蛍光放出を検出して測定することができなくなる。
【0008】最近、様々なホモジニアス検定及びヘテロジニアス検定を同じサンプルに対して選択的にかつランダム・アクセス的に実行するための装置及び方法が提案されている。そのような装置及び方法は複数の液体サンプルの分析を行い、各サンプルは、ホモジニアス検定技術とヘテロジニアス検定技術の両方を使用して少なくとも一つのアナライトに関して分析される。
【0009】自動分析器具内の流体が検定手順中に実行され得る精度及び正確さは、そのような器具によって流体を吸入し吐出できる精度及び正確さと密接に関係している。器具内のシリンジ及び同様な装置は、そのような吸入ステップ及び吐出ステップを提供できるが、以前に提案されたそのようなシリンジの性能は、シリンジ中の気泡の存在によってひどく低下することが多い。そのようなシリンジの既存の構成及び設計は一般に、そのような気泡を除去する効率的な手段を有していない。例えば、突然シリンジをタッピングする等の、様々な比較的非効率的で厄介な手動技術が、シリンジから気泡を流出させるために使用されている。従って、精密で正確な吸入ステップ、吐出ステップ、及び気泡流出ステップを提供し、同時に、気泡を流体システムから自動的に完全に流出させることによって以前に発生していた問題を回避するためのシリンジ又は同様な装置を含む流体システムが依然として必要である。
【0010】従来技術の大部分はバッチ対自動システムだったので、以前は、分析システムの光学アセンブリ内の蛍光灯の寿命に対して、ランプ・ターンオン時間を短くすると共に遮断待機時間を長くするというような要求は出なかった。しかし、連続ランダム・アクセス分析システム内での現在の使用状況では、光源手段は応答をよくするために迅速なターンオン機能が可能でなければならない。以前、そのような光源手段の暖機時間は最大で1分以上であり、マルチプロセス自動連続ランダム・アクセス分析システム内で許容できるものであった。過去の一つの代替方法は、光源手段を待機中にオンのままにするものであった。これによってランプ源の寿命は大幅に短くなるが、光源手段を非常に短いサイクルで再始動できない場合、自動連続ランダム・アクセス分析システム内でランプを完全に遮断することは許容できない。光学アセンブリ内の光源手段に遮断中に加熱環境を与える解決策が開発された。
【0011】光学システム内でタングステン・フィラメントを使用する従来のアナライザは一般に、システムがバッチ処理を使用していたため、非使用期間中完全にランプをオフにする。自動連続ランダム・アクセス分析システムでは、タングステン・フィラメント・ランプの性能を含め、光学システムに迅速にアクセスできる必要がある。しかし、タングステン・フィラメントが常にオンのままになっている場合、ランプの寿命は非常に短くなる。タングステン・ランプをオフにすることは、例えば、FPIA読取りの前に長い暖機時間を課すことによってFPIAランプの安定性を保証するために、かなりの暖機時間が必要である。この待機時間は1バッチ当たり一度しか発生しないので、ランプの寿命は一般に、大きな影響を受けない。しかし、自動連続ランダム・アクセス分析システムの連続アクセス性のために、FPIA光学読取り器は短時間で利用可能である必要がある。方法が変更されないので、ランプはやむを得ずオンのままになり、ランプの寿命はたったの数日程度と短くなる。従って、これらの従来の方法の代替方法が提案されている。
【0012】電子装置制御ステップ・モータの様々な機能は、簡単なモータの動きにBIT制御を使用している。しかし、そのような制御では、ランピング及びエラー検出を有していないという犠牲を伴うPAL型装置が必要であった。過去に使用されたこのような簡単なモータ運動では、追加のマイクロプロセッサ、あるいは特殊目的のモータ制御装置ないしは集積回路が、複雑な運動とランピングおよびエラー検出を提供できることが必要であった。現在、ランピングやエラー検出等のこのような更に複雑な運動は、並列データ・バス又は直列ポートを必要とするマイクロプロセッサ又は特殊目的のモータ制御集積回路によって実行されている。
【0013】コストのかかる試薬がシステム容器から蒸発するのを減らすための従来の方法では、手動操作を使用して試薬容器にキャップをかぶせると共に、液体アクセス・サイクル中に開いたままにされ、次いで開放力を除去することによって再密封される様々な他の再閉鎖容器キャップを使用していた。試薬の蒸発を最小限に抑えることができるコンピュータ制御ロボット装置が手動介入の必要性を代替するような装置及び方法が提案されている。
【0014】現在、診断業界は依然として、カートリッジ、試薬パック、およびサンプル容器を手動でバッチ式半自動器具に装填する必要がある幾つかのシステムを日常的に使用している。自動連続ランダム・アクセス分析システム診断の容量及び信頼性要件のために、これらの品目を個別に手動で装填することは更に複雑である。カートリッジ等の管状部品を送り、開放端を上向きにしてカートリッジを配向する一般原則を組み込んだ自動フィーダが、そのような診断では必要である。複数のカートリッジの自動カートリッジ・フィーダ・ホッパは、複数のカートリッジがカートリッジ・パッケージング・システムからホッパ・フィーダ・システムに直接装填され、カートリッジを手動で個別に送ることが不要になり、自動診断システム内での信頼性が保証されるので、オペレータの時間及びエラーが大幅に節約される。更に、そのような分析システムと共に使用される反応容器のハンドリング及び装填を容易にするための様々なハンドリング及び装填手段を提供する必要がある。
【0015】以前提案された分析器具は周波数コンバータ方式を使用しているが、そのような方式はゼロ信号を読み取ることができず、適度な雑音抵抗しか提供しない。特に、そのような器具には比率測定を実施するための複雑な回路が必要である。従って、以前に提案されたそのようなアナライザでは、様々な処理作業ステーション及び搬送手段及びデータ収集システムを共用してホモジニアス検定とヘテロジニアス検定を共に連続ランダム・アクセス的に同時に実行し、改良された雑音性能をもつ比率測定を実施するための自動分析システムが構想されていないので、これらの機能と、現代の臨床研究所の増大するニーズとを満たすのに十分な融通性をもつ自動分析システムを提供する必要がある。
【0016】したがって、前述したこのような自動アナライザでは、様々な処理作業ワークステーション及び移送手段を共通に使用してホモジニアス検定及びヘテロジニアス検定の両方を同時に、連続的かつランダム・アクセス的に実行するための自動分析システムが構想されていないので、これらの特徴と、現在臨床研究所の増大するニーズとを満たすのに十分な柔軟性を有する自動分析システムを提供する必要がある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の自動分析システムは、二つ以上の検定を複数の試験サンプルに対して同時に、連続的かつランダム・アクセス的に実行することができる。特に、本発明の自動免疫学的検定法分析システム装置は、異なる検定群を別々の変更可能なソフトウェア・モジュールを介して走らせるマイクロプロセッサ・ベースの統合サブアセンブリ・システムとみなすことができる。このマイクロプロセッサ・ベースのシステムは、二つの自由度をもつロボット・アーム分注器と2方向回転カルーセルを使用してサンプルを処理する。インキュベーション、洗浄、及び標本希釈等の重大な検定ステップは、器具によって自動的にスケジュールどおりに実行される。
【0018】本発明によれば、複数の液体サンプルの複数の検定を同時に行うことができる自動連続及びランダム・アクセス分析システムが提供され、該システムによって、複数の液体サンプル用に様々な検定をスケジューリングする方法を実施することが可能になる。本発明のシステムは、キッティング手段を介して、検定反応シーケンスを開始せずに液体サンプルと試薬とを別々に反応容器に移送することによって、使捨て単位量を生成することができる。キッティングされた複数の単位量がキッティング手段から処理領域に移送され、処理領域で、反応容器中で各独立のサンプル毎にアリコートが一つ又は複数の液体試薬と数回混合されて、独立の反応混合物を形成する。そのようなキッティング及び混合の独立したスケジューリングは、複数の反応混合物のインキュベーション中に同時にかつ独立して行われる。
【0019】本発明のシステムは、スケジューリングされた複数の検定を、それらが提示された任意の順序で実行することができる。インキュベートされた反応混合物は、事前にスケジューリングされた少なくとも二つの検定手順によって独立かつ個別に分析される。
【0020】本発明の自動連続ランダム・アクセス分析システム装置は、同心円状に取り付けられ、試薬をキッティングし、サンプルと混合するのに適した移送分注手段によって操作される、サンプル・カップ・カルーセル、試薬パック・カルーセル、及び試薬容器カルーセルを含むフロント・エンド・カルーセル・アセンブリから構成されている。キッティングされて分注された反応容器は、それを処理作業ステーション4に移送するための手段を提供する移送ステーションを介して移送される。処理作業ステーション4は、温度を維持するための調整された環境を含み、試薬の混合及びインキュベーションのためのタイミングを提供する。インキュベートされた反応混合物を分析するために、使捨て単位量手段中の様々なサンプル及びキッティングされた試薬用にスケジューリングされた少なくとも二つの検定手順装置が提供されている。使捨て単位量反応容器は、移送ステーションを操作することによって処理カルーセルから取り外される。移送ステーションは、使捨て可能反応容器をシステムから取り外すための手段を含む。
【0021】本発明の他の利点及び新規な特徴は、以下の説明で一部が述べられ、当業者には、以下のことを調査する際に明らかになり、あるいは本発明を実施することによって知ることができる。本発明の目的及び利点は、全ての等価物を含む、以下の明細書及び添付の請求の範囲で更に具体的に指摘される典型的な組み合わせによって得ることができる。
【0022】定義以下の定義を本発明に適用することができる。
【0023】「試験サンプル」の語は、本明細書では、アナライトを含む可能性がある材料を指す。試験サンプルを源から得たまま、あるいは前処理の後に使用して、サンプルの特性を変更することができる。試験サンプルは、血液、唾液、目の水晶体の液、脳脊髄液、汗、尿、乳汁、腹水、滑液、羊水等を含む生理流体等の生物学的源から得ることができる。試験サンプルは、血液から血漿を準備する、粘性流体を希釈する等、使用前に前処理することができる。処理の方法は、妨害成分の濾過、蒸発、濃縮、不活化、試薬の付加等を含むことができる。生理流体の他に、環境検定又は食品生産検定を実施するための水、食品等の他の液体サンプルを使用することができる。アナライトを含む可能性がある固体材料を試験サンプルとして使用することもできる。一部の例では、液体媒体を形成し、又はアナライトを解放するように固体試験サンプルを変更すると有利である。
【0024】「アナライト」又は「所望のアナライト」の語は、本明細書では、少なくとも一つのエピトープ又は結合部位を有する、検出又は測定すべき化合物又は組成を指す。アナライトは、自然に発生する結合部材が存在する対象の物質であっても、結合部材を準備する対象の物質であってもよい。アナライトは、毒素、有機化合物、タンパク質、殺虫剤、微生物、アミノ酸、核酸、ホルモン、ステロイド、ビタミン、麻薬(治療目的で投与されるものと、不正な目的で投与されるもの)、ウィルス粒子、上記の物質の内のどれかの代謝物質又は抗体を含むがこれらに限らない。「アナライト」の語は、抗原物質、ハプテン、抗体、高分子、それらの組合せも含む。
【0025】「アナライト類似体」の語は、本明細書では、アナライト特有の結合部材に交差活性する物質を指す。ただし、このような物質の交差活性は、アナライト自体の交差活性より程度が大きい場合も小さい場合もある。アナライト類似体は、当該アナライトに共通する少なくとも一つのエピトープ部位を有するかぎり、修飾されたアナライトと、アナライト分子の分解された部分又は合成部分を含むことができる。アナライト類似体の一例は、アナライト類似体がアナライト特有の結合部材に結合できるように全分子アナライトの少なくとも一つのエピトープを複製する合成ペプチド・シーケンスである。
【0026】「結合部材」の語は、本明細書では、結合対、すなわち一つの分子が化学的手段又は物理的手段を介して特定的に第2の分子に結合する二つの異なる分子の部材を指す。抗原及び抗体結合対部材の他に、他の結合対の例としては、ビオチン及びアビジン、カルボヒドラーゼ及びレシチン、相補的ヌクレオチド・シーケンス、相補的ペプチド・シーケンス、エフェクタ分子及びリセプタ分子、酵素補因子及び酵素、酵素阻害剤及び酵素、ペプチド・シーケンス及び該シーケンス又はタンパク質全体に特有の抗体、高分子酸及び塩基、染料及びタンパク質結合剤、ペプチド及び特有のタンパク質結合剤(例えば、リボヌクレアーゼ、Sペプチド、及びリボヌクレアーゼSタンパク質)等を含むがこれらに限らない。さらに、結合対は、最初の結合部材の類似体、例えばアナライト類似体や、組換体技術又は分子工学によって作られた結合部材である部材を含むことができる。結合部材が免疫反応体の場合は、例えばモノクロナール抗体又はポリクロナール抗体、組換型タンパク質又は組換型抗体、キメラ抗体、前記のものの混合物又は断片や、結合部材として使用するための適切性が当業者によく知られている抗体、ペプチド、ヌクレオチドの調合物であってよい。
【0027】「検出可能部分」の語は、本明細書では、検出可能な物理的特性又は化学的特性を有し、結合部材に標識して共役体を形成するために使用できる化合物又は従来の検出可能な薬品群を指す。そのような検出可能な薬品群は、酵素、酵素基質、補欠分子族、又は助酵素等の酵素的に活性な群、スピン標識、蛍光団及び発蛍光団、発色団及び色原体、化学発光団や生物発光団等の発光団、ビオチンやアビジン等の特定的に結合可能な配位子、電気活性種、放射性同位元素、毒素、麻薬、ハプテン、DNA、RNA、多糖、ポリペプチド、リポソーム、着色粒子、着色極微粒子であってよいが、これらに限るものではない。
【0028】「連続アクセス」の語は、本明細書では、本発明の自動分析システムが実行中の検定に割り込まずに本発明の自動分析システムに追加試験サンプル又は試薬を付加する能力を指す。
【0029】「ランダムアクセス」の語は、本明細書では、スケジューリングされた複数の検定を、本発明の自動分析システム中に提示された順序で同時に実行する、本発明の自動分析システムの能力を指す。
【0030】「同時」の語は、本明細書では、二つ以上のスケジューリングされた検定を独立かつ同時に実行する本発明の自動分析システムの能力を指す。
【0031】「キッティング」の語は、本明細書では、検定反応シーケンスを開始せずに試験サンプル及び試薬を別々に反応容器に移送することによって使捨て単位量を生成する本発明の自動分析システムの能力を指す。
【0032】「quat」の語は、本明細書では、抗体又は抗原でない材料を使用して、例えばMEIAカートリッジのマトリクス上のサンプルからアナライトを捕獲する検定用のポリカチオン材料溶液を指す。本発明のシステムでは、試験処理中の、反応混合物を反応容器から移送する前に、quatがマトリクスに吐出される。
【0033】「フレキシブル・プロトコル」の語は、本発明によって処理できる様々な異なる検定プロトコルを指す。この例には、1ステップ及び2ステップのサンドイッチ及び競合検定フォーマットで構成されたMEIAフォーマット、処理カルーセルへの移送の前にフロント・エンド・カルーセル上でMEIAフォーマットとFPIAフォーマットの両方用のサンプル処理を開始する能力を含む活動処理次数、可変インキュベーション期間、光学式読取りフォーマット、ならびに洗浄シーケンスが含まれる。これは、一部の従来の技術、すなわち、検定構成(すなわち、1ステップ・フォーマット対2ステップ・フォーマット)、活動度次数、インキュベーション・タイミング、及び他の類似のプロトコルが器具によって固定された厳密な「ロック・ステップ」フォーマットに全ての検定プロトコルを従わせる知られたランダム・アクセス・システムと対照的である。
【0034】スケジューラ本発明によれば、システム・スケジューラは、システム上で走るように命令された全ての試験から、システムの機械的資源用の作業負荷を生成して最適化する。スケジューラの主要な目標は、システムが処理すべき試験が残っている間はシステムの資源休止状態にならないようにすることである。各資源を使用状態にしておけば、器具が試験を実行するのに必要な時間が最小限に抑えられる。
【0035】スケジューリング・プロセスの高レベルの目的は、資源休止時間を最小限に抑えてシステムの試験スループットを増加させるために、(1)試験がキッティングされる前に、試験での各活動が適切にスケジューリングされるにようにすることと、(2)最初にスケジューリングされた実行時間より前に各試験活動を実行しようとすることの二つのステップに分けることができる。
【0036】試験をシステムで実行する前に試験のスケジューリングを可能にするために、各試験の検定プロトコルは、スケジューリング・プロセスで使用されるいくつかのタイミング・パラメータを含む。試験の各活動は、該活動がどの資源を必要とするかと、これらの資源が必要とされる期間を決定するために使用される時間値を含む。試験の各活動は、インキュベーション期間によって他の活動に結合することもできる。このようなインキュベーション期間は、検定の化学的性質によって指定され、スケジューラが二つの活動を実行する間に経過しなければならない時間の長さを求める上で助けになる。検定プロトコル中の各インキュベーション期間は、各活動を実行する間に経過しなければならない最小時間及び最大時間を規定する。これらの限界は、スケジューリング・プロセスでは、活動のインキュベーション・ウィンドウと呼ばれている。
【0037】本発明のシステムでは、オペレータは器具上でのサンプルの配置を選択することによって、試験が器具上で走るように準備された順序を選択する。ピペット・ステーションの最も近くに配置されたサンプルは、器具上で最初に走るように準備されたサンプルである。蒸発を防ぐために、試験の活動によって使用される全ての資源が、試験の検定プロトコルに規定された必要な時間に利用可能になることをスケジューラが保証するまで、試験は準備されない。特定の試験の準備は、すでに器具中に存在する他の試験の活動が、前者の試験に対する活動によって必要とされる時間にスケジューリングされた資源を有するときは必ず延期される。器具のサンプル準備領域は、すでに器具に存在する試験に矛盾せずに試験をスケジューリングできるようになるまで休止状態のままである。試験を適切にスケジューリングできるようになると、試験が準備され、処理領域に移される。
【0038】スケジューリング・プロセスの第2のステップは、資源の遊休時間と資源の作業負荷を実行するのに必要な時間を共に最小限に抑えるように各システム資源の作業負荷を最適化することである。試験が処理領域内に移された後、スケジューラは各資源用の既存のスケジュールを最適化する。スケジューラは所定の間隔で、各資源の次の作業間隔を調べる。この間隔に遊休時間がある場合、スケジューラは、活動が、許可されたインキュベーション・ウィンドウ内に残るという条件で、遊休時間を排除するように資源の作業負荷を再構成することによって遊休時間を最小限に抑えようとする。この間隔の最適化が完了すると、この作業負荷セクションは、資源によって指定された時間に実行される。
【0039】スケジューラは、走るように命令された試験を有するサンプルが器具上にある限り、サンプルの準備を継続する。資源の作業負荷の最適化は、システムに移送された全ての試験が処理を終了するまで継続する。
【0040】スタット処理本発明のシステムによって、ユーザによってスタットサンプルとして識別された特定のサンプルの特別な優先的取扱いが可能になる。スタットサンプルとは、本発明のシステムによって定義されたように、器具が最も短い時間で処理しなければならないサンプルである。スタットサンプルの特殊な取扱いは、フロント・サンプル入口領域と器具の処理領域との両方で行われる。
【0041】本発明のシステムでは、オペレータが、器具上でのサンプルの配置を選択することによって、試験が器具上で走るように準備された順序を選択する。分注ステーションの最も近くに置かれたサンプルは、器具上で最初に走るように準備されたサンプルである。このサンプル準備パターンは、ユーザが器具上にスタット試験を配置すると必ず割り込まれる。スタット試験が命令されると必ず、システムは現在のサンプル上での試験の準備を終了し、次いでスタットサンプルに直接移って該サンプルの試験を全て準備する。蒸発を防ぐために、処理領域での試験の活動が適切にスケジューリングされないうちは試験に関するサンプル準備は開始しない。
【0042】システム・スケジューリング・アルゴリズムもスタット処理用に修正される。通常の試験に使用されるスケジューリング・アルゴリズムは、各時間毎に器具で処理される試験の数を最大限にしようとする。これは、試験活動の間に十分な時間を許容して他の試験の活動がこの間隔中に実行できるようにすることによって行われる。スタット試験に使用されるスケジューリング方法は、この一つの試験を最も短い時間で処理しようとする。スタット試験の各活動は、試験の検定定義で定義されたできるだけ早い実行時間にスケジューリングされる。試験の全ての活動が保証されると、試験のサンプル準備が開始する。スタットサンプルに関する全ての試験が準備された後、システムは、スタットを処理する前に処理していたサンプルに戻る。
【0043】スタット試験は、資源の作業負荷に休止時間があるときに処理領域で特殊な配慮を受ける。スケジューラは、所定の間隔で、システムの処理領域中の各資源に割り振られた作業の次の間隔を調べる。この間隔中に休止時間がある場合、スケジューラは資源の作業負荷を再構成することによって該時間を最小限に抑えようとする。現在スケジューリングされているより早く実行できるこの資源用にスケジューリングされた試験活動は、その検定プロトコルで定義されたように、休止時間を満たすように前方に移される。スタット試験活動は作業負荷において前方に移すべき第1の候補であり、そうすることによってさらに、器具でスタット試験を処理するのに必要な時間が短縮される。
【0044】システムスタット試験ハンドリング・アルゴリズムは、1時間当たりの器具の全体的な試験のスループットに悪影響を与えずに、スタット試験を最小時間で処理できるように示されている。
【0045】本発明の自動分析システムは、当技術分野で知られた様々な検出システムを使用して様々な検定を実行することができ、エンド・ポイント反応分析及び反応速度分析等の分光測光吸収検定、比濁検定、(米国特許第4,496,293号及び米国特許第4,743,561号に記載され、引用によって本明細書に合体されたもの等の)放射エネルギー減衰検定、イオン捕獲検定、比色検定、蛍光定量検定、電気化学検出システム、電位差測定システム、電流検出システム、ならびに免疫検定法を含むがこれらに限るものではない。免疫検定法は、使用される検出可能部分の量を測定し、試験サンプルに存在するアナライトの量に相関させることができる競争免疫学的検定法、サンドイッチ免疫学的検定法、抗体生成性免疫学的検定法等を含むが、これらに限るものではない。
【0046】一般に、Abbott Spectrum 臨床アナライザやAbbott Spectrum シリーズII臨床アナライザ(Abbott Laboratories, Abbott Park, IL, USA )上で実行されるもの等の分光測光検定では、検定溶剤での判定すべきアナライトとアナライトに特有の試薬システムの間の相互作用によって、検定溶剤の透過特性の検出可能な変化がもたらされる。透過特性の変化は、知られた強度の光ビームを検定溶剤を通過させたときに検定溶剤によって特定の波長帯内で吸収又は散乱される光の量を指す。検定溶剤の透過特性の変化は、既知の強度を有する単色光を検定溶剤を通過させ、透過又は散乱した光の強度と入射光の強度との比を求めることによって測定する。ほとんど全てのアナライトが特定の波長のエネルギーを吸収し、あるいは検定溶剤中で特定の試薬システムと相互作用して、検定溶剤の透過特性の検出可能な変化をもたらす。これらの特性によって、多数の特定の分光測光検定が開発された。検定溶剤中のアナライトの測度として検定溶剤の透過特性の変化の測定に依存する分光測光検定は、例えば検定溶剤の濁度が変化すると検定溶剤の色が変化する検定、すなわち比濁検定を含む。
【0047】比色検定では、検定溶剤の透過特性の変化は一般に、検定溶剤の吸光度と呼ばれ、判定すべきアナライトとアナライトに特有の試薬システムとの相互作用による検定溶剤の色の変化に依存する。検定溶剤の吸光度は、検定溶剤中のアナライトの濃度に関連する。比色検定は、検定溶剤中で特定の当該アナライトと相互作用して検定溶剤の透過特性、特に色の検出可能な変化をもたらすことができる発色試薬システムを使用する。特定のアナライトの判定で有用な多数の発色試薬システムが開発され市販されている。
【0048】比濁検定の原則は、光が検定溶剤を通過するときに粉体によって散乱又は遮断される光の量を判定することである。比濁検定では、当該アナライトがアナライトに特有の試薬システムと相互作用して、検定溶剤中で混濁粒子を形成する。公知の強度を有する光ビームを検定溶剤を通過させると、アナライト試薬システムの相互作用によって形成される混濁粒子は入射光を遮断又は散乱し、それによって検定溶剤を介して透過される光の強度が低下する。比濁検定での透過特性の変化は、検定溶剤を介して透過される光の強度の低下を指し、粒子の浮遊物質によって散乱又は遮断される入射光の量に関連し、存在する粒子の数とそのような粒子の断面積に依存する。
【0049】ネフェロ検定は、所望のアナライトが配位子に特有の試薬システムと相互作用して検定溶剤中で混濁粒子を形成するという点で比濁検定に類似している。ネフェロ検定でも、検定溶剤の透過特性の変化が混濁粒子によって散乱又は遮断される入射光の量に関連するが、検定溶剤を介して透過される光の強度が測定される比濁検定と異なり、散乱又は遮断される光は検定溶剤に入射する光に対してある角度で測定される。従って、ネフェロ検定では、透過特性の変化は、検定溶剤に入射する光の強度と、入射光に対してある角度で散乱される光の強度の差を指す。比濁検定及びネフェロ検定は、効果的な発色試薬システムがないために匹敵する比色検定がないタンパク質等のアナライト の判定のために、血液、尿、髄液等の分析で使用される。Yoe 及びKlimman のPhotoelectric Chemical Analysis.Vol. II: Nephelometry, Wiley & Sons, Inc., New York, 1929は、様々なネフェロ検定を記載している。分光測光検定を本発明の自動分析システム上で実行するために使用できる様々な試薬及び試薬システムは、米国特許第5,037,738号に記載され、引用によって本明細書に合体されたような、グルコースと尿素の同時判定用のものを含むが、これに限るものではない。カルシウムとリンの同時判定、コレステロールとトリグリセリドの同時判定、イソ酵素の判定、血液アンモニア・レベルの判定等は、装置上で本発明の方法によって実行することができる。
【0050】通常、蛍光定量検定では、検定溶剤中のアナライトが化学的又は免疫学的に蛍光錯体又は共役体に形質転換され、それによって検定溶剤の蛍光特性に検出可能な変化がもたらされる。検定溶剤の蛍光特性の変化を測定するには、蛍光団の励起波長帯内の波長の単色光によってもたらされる蛍光錯体又は共役体特性を励起し、蛍光団の放出波長帯内の波長での放出光の強度を測定する。放出光の蛍光強度は、アナライトの濃度に関連する。しかし、判定すべき配位子がサンプル中に存在するタンパク質やリン酸塩等の非蛍光干渉物質と錯体を形成するとき、あるいは判定すべき配位子を含むサンプルがフィルタとして働くのに十分な色を有し、それによって放出される蛍光の強度が低下するとき、検定溶剤によって放出される蛍光の強度が阻害されることがある。蛍光定量検定の感度及び特異性を最大限にするために、これらの阻害因子が存在する場合、分析の前に非蛍光干渉物質又は着色材料を除去しておき、あるいはサンプルの第2のアリコートに追加される内部標準を使用して、該内部標準を含むアリコートによって検定手順全体を実行してそのような因子の存在を補償することによって解消しなければならないことを留意されたい。
【0051】一般に、ホモジニアス及びヘテロジニアス免疫学的検定は、結合部材対の第1の結合部材が特定的に結合部材対の第2の結合部材に結合する能力に依存し、検出可能な部分で標識付けされたそのような結合部材の一方を備えた共役体を使用してそのような結合の程度が決定される。例えば、そのような結合対部材がアナライトとそのようなアナライトの抗体である場合、結合の程度は、アナライトとの結合反応に関与していることも関与していないこともある共役体に存在する検出可能な部分の量によって決定され、検出され測定された検出可能な部分の量は、試験サンプルに存在するアナライトの量と相関させることができる。
【0052】ホモジニアス免疫学的検定は通常、試験サンプルから得たアナライトと、アナライトの抗体上の限られた数のレセプタ結合部位用のトレーサの間の競合を伴う競合免疫学的検定フォーマットで実行される。トレーサは検出可能な部分で標識付けされたアナライト又はその類似体を備え、試験サンプル中のアナライトの濃度が、特定的に抗体と結合するトレーサの量を決定する。そのような結合によって生成されるトレーサ−抗体共役体の量は定量的に測定することができ、試験サンプル中に存在するアナライトの量に反比例する。例えば、本明細書に記載した蛍光分免疫検定等の、そのような決定を下すための蛍光偏光技術は、蛍光によって標識付けされた化合物が、線形に偏光された光によって励起されると、回転速度に反比例する偏光の程度を有する蛍光を放出するという原則に基づいている。ある蛍光レベルを有するトレーサ抗体共役体等の分子は、線形に偏光された蛍光分子で励起されたとき、光が吸収されてから放出されるまでの間、回転を抑制される。「自由な」トレーサ分子(すなわち抗体に拘束されない)が線形に偏光された光によって励起されると、その回転は、対応するトレーサ−抗体共役体よりはるかに高速になり、分子がよりランダムに配向され、従って放出される光が偏光される。従って、平面偏光が前述の試薬を含む溶剤を通過するとき、蛍光偏光応答が検出され、試験サンプル中に存在するアナライトの量と相関する。
【0053】本発明の自動分析システム上で蛍光偏光検定を実行する ために使用できる様々な蛍光化合物は、引用によって本明細 書に編入された米国特許第4,510,251号及び米国 特許第4,614,823号に記載されたようなアミノフル オレセイン、引用によって本明細書に編入された米国特許第 4,420,568号及び米国特許第4,593,089号に記載されたようなトリアジニルアミノフルオレセイン、引用によって本明細書に編入された米国特許第4,668,640号に記載されたようなカルボキシフルオレセイン等を含むが、これらに限るものではない。
【0054】ヘテロジニアス免疫学的検定は通常、自由種及び結合種を形成するように、検出可能な部分で標識付けされた、アナライト、アナライトの類似体、又はアナライトの抗体を備えた標識付き試薬又はトレーサを伴う。そのような種の一つ中のトレーサの量を、試験サンプルに存在するアナライトの量に相関させるには、最初に自由種を結合種から分離しておかなければならない。これは、抗体、アナライト、アナライトの類似体等の、結合反応の結合関与物のうちの一つの直接固定化に固相材料を使用して、当技術分野で知られた方法によって行うことができる。ここで、結合関与物の一つは、当技術分野で知られた方法によって、試験チューブ、ビーズ、粒子、微粒子、繊維状材料のマトリックス等の固相材料上で固定化される。
【0055】ヘテロジニアス免疫学的検定は、上記で説明した競合免疫学的検定フォーマットで実行することができ、例えば、抗体を固相材料に固定化することができ、それによって分離時に、そのような固相材料に結合されたトレーサの量を検出して、試験サンプルに存在するアナライトの量に相関させることができる。固相材料を使用する他の形のヘテロジニアス免疫学的検定法はサンドイッチ免疫学的検定法と呼ばれ、例えば抗原を含む試験サンプルを、抗原を結合することができ固相材料上で固定化される抗体や他の物質等のタンパク質と接触させることを伴う。固相材料は通常、検出可能な部分で標識付けされた第2の抗原又は抗体で処理される。第2の抗原又は抗体は次いで、固相材料上の対応する抗原又は抗体に結合され、結合されていない材料を除去するための一つ又は複数の洗浄ステップの後に、検出可能な部分(例えば、検出可能な部分は酵素であり、そのような酵素用の基質を付加する)に反応して色の変化をもたらす発色物質等の指示材料に結合される。次いで、色の変化が検出され、試験サンプルに存在する抗原又は抗体の量に相関付けされる。
【0056】例えば、本発明の自動分析システムによって実行できるヘテロジニアス免疫学的検定は、競合免疫学的検定法フォーマットでも、サンドイッチ免疫学的検定法フォーマットでも、固相材料として微粒子を使用する、Clinical Chemistry, Volume 34, No. 9, P.1726-1732 (1988)に記載された微粒子捕獲酵素免疫学的検定法である。
【0057】微粒子希釈剤にスクロースを使用すると、微粒子の中和密度が達成されることも分かっている。この方法は、微粒子の沈殿をなくす最適なスクロース濃度を決定することを伴う。中和密度を達成するのに必要なスクロース濃度は検定特有であり、微粒子ロット特有である。この手法には、溶剤中でスクロースを分解して希釈剤の密度を増やすことを伴う。希釈剤の密度と微粒子の密度とが等しいとき、微粒子は浮遊状態になる。密度中和は、メトリザミド又はメトリゾ酸、あるいはその両方を使用することによって行うこともできる。
【0058】結合種と自由種の分離は、MEIAカートリッジのガラス繊維マトリックス上で微粒子を捕獲することによって行う。このプロセスは、ガラス繊維の微粒子に対する高い親和力に依存する。微粒子はガラス繊維の表面に不可逆的に付着し、非特定的に結合された材料は、マトリックスを洗浄することによって効果的に除去することができる。マトリックスは、本明細書に記載された検定プロトコルの光学定量化相中に、微粒子に対する正確に配置された機械的支持も提供する。
【0059】サンドイッチ免疫学的検定法を実行する際に、試験サンプル中のアナライトに抗体を被覆した微粒子は、所望のアナライトを含む試験サンプルによってインキュベートされて、試験サンプルから得たアナライトを含む捕獲複合体を形成する。酵素であることが好ましい、検出可能な部分で標識付けされたアナライトの抗体を備えた共役体は次いで、捕獲複合体によってインキュベートされ、第2のサンドイッチ複合体を形成する。競合免疫学的検定法を実行する際に、試験サンプル中のアナライトに抗体を被覆した微粒子は、当該アナライトと、酵素であることが好ましい検出可能な部分で標識付けされたアナライト又はその類似体を備えた共役体とを含む試験サンプルによってインキュベートされる。結合されていない共役体の除去はMEIAカートリッジのガラス繊維マトリックスによって行われる。ここで、検出可能な部分は酵素であり、検出可能な信号を提供できる酵素用の基質が付加され、それによって提供される信号が測定され、試験サンプルに存在するアナライトの量に相関される。競合MEIAフォーマット及びサンドイッチMEIAフォーマットで使用される酵素−基質系はアルカリホスファターゼ及び4メチルウンベリフェリルリン酸塩(MUP)であることが好ましい。ただし、当技術分野で知られた他の酵素−基質系を使用することもできる。
【0060】本発明の自動分析システムによって使用されるMEIAカートリッジは、微粒子−アナライト複合体を保持して固定化するための反応ウェルを備えている。この反応ウェルは、入口と、上記で説明したように微粒子−アナライト複合体を保持して固定化する繊維マトリックス上に位置決めされたある量のサンプル及び検定反応混合物を保持するための手段を有する。繊維マトリックスは、微粒子の平均直径より大きな平均離間距離を有する繊維から構成される。平均繊維離間距離は10ミクロンより大きいことが好ましい。
【0061】反応ウェルはさらに、繊維マトリックスを介したサンプル及び検定反応混合物の流れを強めるように繊維マトリックスの下に位置決めされた吸収剤材料を備えている。吸収剤材料は、繊維が主として繊維マトリックスの下部表面に垂直な平面に存在する繊維材料であることが好ましい。吸収剤材料は繊維マトリックスと流体連通する。一般に、吸収剤材料は繊維マトリックスの下部表面と物理的に接触する。従って、反応ウェルの内側は、全体的に、吸収剤材料と繊維マトリックスの間の流体連通を維持するような寸法にされ、あるいはそうするための位置決め手段を含む。反応ウェルの底部に位置するスパイクを使用して、吸収剤材料を強制的に繊維マトリックスの下部表面と接触させることができることが好ましい。免疫学的検定の実行中は、吸収剤材料に吸収された液体によって吸収剤材料中で変位されるガスを大気に通気することも好ましい。
【0062】上記で説明した免疫学的検定法によれば、通常、臨床濃度範囲をカバーする知られた濃度のアナライトの標準溶剤が、検定すべき試験サンプルと同様に調合されて検定される。このブランク検定は、標準曲線の基準である知られた濃度に対応する一連の信号測定を提供する。未知のサンプルに対応する光信号は、ブランク曲線又は標準曲線から得た解釈を介して濃度値で相関付けされる。
【0063】本発明による複数の試験サンプルの分析を行う自動分析方法は、試薬パック、試験サンプル容器、及び反応容器を、メイン・カルーセルの同心カルーセル上に導入することによって達成される。試験サンプル容器は、試験サンプルを保持するための試験チューブ、キュベット、真空チューブ等であってよい。試験サンプルと試薬パックから得た特定の試薬を移送することによって反応容器を移送しキッティングして、所定の試験の準備を行うように、試薬パック及び試験サンプル容器は、識別されて、夫々反応容器に整列される。サンプルが様々な試薬にほとんど混合されて反応混合物を形成した後、試験サンプル及び一つ又は複数の試薬を含む反応容器を、インキュベーションのために調整された環境条件が存在する処理カルーセルに移送する。全ての検定処理ステップが完了すると、反応混合物が同定され、読取りの前に次の調合を行うために別々のカートリッジ・ホイール又はカルーセル上に位置決めされた、例えば、蛍光偏光免疫学的検定法読取り装置や微粒子酵素免疫学的検定法カートリッジのうちの少なくとも一つに移送される。処理された試験サンプルが読み取られて読取り値が算出され、結果として得られたデータが記録ないし印刷される。
【0064】自動免疫学的検定分析システムの方法は、同心円的に独立に回転可能な試薬パック・カルーセル、反応容器カルーセル、及び試験サンプル容器カルーセルから成るメイン・カルーセル・アセンブリを備えた自立型完全自動連続ランダム・アクセス器具を使用することによって達成される。メイン・カルーセル・アセンブリは、所定の試験スケジュールに従って自動的に試験サンプル及び試薬を反応容器に移送してキッティングするためのブーム・アームによって操作される移送ピペットを備えている。メイン・カルーセル・アセンブリは、試薬パック及び試験サンプル用のバー・コード読取り装置を備えており、試薬パック・カルーセル及び試験サンプル容器カルーセルと、反応容器を、ピペット移送動作のために整列させる機能を有する。実行すべき検定がスケジューリングされた後、反応容器、試薬パック、及び試験サンプル容器が夫々、移送ピペット・アクセス位置にあると判定されるまで、反応容器カルーセル、試薬パック・カルーセル、及び試験サンプル容器カルーセルが回転する。移送ピペットは次いで、試験サンプルを試験サンプル容器から移送し、実行すべき検定に応じて、試薬パックから得た試薬が反応容器に移送される。次いで、反応容器カルーセルを移送機構と接触させて反応容器を移送ステーションに引き込む移送ステーション位置まで反応容器が回転する。次いで、移送機構によって反応容器が処理カルーセル上に装填される。
【0065】本発明の自動分析システムによる蛍光偏光免疫学的検定法(FPIA)を実行する際、処理カルーセルのために稼働される第2の移送分注装置によって様々な分注活動が実行され、反応容器が、例えばFPIA試薬を適切に分注されたときにFPIA処理ステーションの読取りステーションにくるように処理カルーセルが回転し、反応容器上でFPIA判定読取りが行われる。次いで、読取り反応容器が移送ステーションにくるように処理カルーセルが回転する。反応容器が再び移送ステーションと接触して移送される。移送ステーションが回転して、反応容器を解放容器開口部に押し込む。
【0066】本発明の自動分析システムによって実行される微粒子酵素免疫学的検定法(MEIA)の場合、メイン・カルーセル・アセンブリで完了することができるMEIA用の様々な分注活動の後に、FPIAプロセスで説明したように、反応容器が処理カルーセルに移送される。分注は、処理カルーセルで行うことも、二つのカルーセルの間で共同で行うこともできる。MEIAを完了するには、第2の移送ピペットによって、反応混合物を反応容器からカートリッジ・カルーセル上のMEIAカートリッジのマトリックスに移送する。マトリックスは、MUP(すでに定義した)等の緩衝剤及び基質、又は当技術分野で知られた他の適当な基質によって洗浄される。次いで、MEIAカートリッジがMEIA処理アセンブリに位置決めされ、MEIA判定が行われるようにカートリッジ・カルーセルが回転する。FPIA反応容器に関して説明したように、MEIA反応容器は廃棄物容器内に排出される。MEIAカートリッジは、適当なイジェクタ・ステーションにあるイジェクタによって、カートリッジ・ホイルから廃棄物容器内に独立に排出される。
【0067】本発明の自動分析システムに、上記で説明した二つの異なる分析技術のFPIA及びMEIAを組み込むことが好ましい。しかし、本発明のシステムには、二つより多くの異なる分析技術を組み込むことができる。これらの方法は相補的であり、共通の装置及び手順ステップを共用する。FPIAは一般に、低分子量のアナライト用に選択される方法であり、MEIAは、より高い感度を必要とする低分子量のタンパク質ホルモン、抗体、アナライト等の分子用に選択される方法である。これらの二つの技術は、オペレータ制御パネル、分注ブームアセンブリ、流体システム、空気液体試薬ヒータ、プリンタ、バー・コード・リーダ、及びステップ・モータを含むシステム・コンポーネントを共用する。システム・コンポーネントをそのように共用することによって、EPIA機能とMEIA機能を兼ね備えるにもかかわらず、小型の器具が可能になる。
【0068】(米国特許第4,269,511号に記載され、引用によって本明細書に合体されたもののような)FPIA光学システムは、電気的に切り替えられる水晶である偏光フィルタを使用して、小さな寸法を維持し、複雑で場合によって信頼できない可動部品を避けている。本発明の自動分析システムを使用して FPIA検定を実行する際、FPIA試薬パックは通常、検出可能な部分に結合されたアナライト又はその類似体、そのアナライトに特有の抗体、及び標本前処理試薬を備えたトレーサを含む。好ましいFPIAフォーマットでは、判定中のアナライトが、アナライト及びトレーサの一部又はいくつかの部分に特有の抗体上の限られた数の結合部位を求めてトレーサと競合する。トレーサの検出可能な部分成分は、フルオレセイン、アミノフルオレセイン、カルボキシフルオレセイン、フルオレセインアミン等から成る部類から選択された蛍光部分であることが好ましく、カルボメチル−アミノメチル−フルオレセイン、カルボキシエチルアミノメチル−カルボキシフルオレセイン、6−カルボキシフルオレセイン、5−カルボキシフルオレセイン、スクシニルアミノメチル−フルオレセイン、チオユリアーアミノフルオレセイン、メトキシトリアノリルフルオレセイン、アミノフルオレセイン等であることがさらに好ましい。
【0069】他の実施例では、FPIAフォーマットは、上下以外の配向を必要としない、フルオレセイン偏光及び吸収検定技術に適した特有の丸いプラスチック製の反応キュベットを使用する。このプラスチック製キュベットは、光学式読取り領域の全体にわたって低い複屈折と、再生可能な吸収読取り値を可能にする厳しい寸法公差の物理特性を有する。複屈折は、異常光線が材料を通過する際の遅延の度合いとして定義されている。遅延の度合いが大きければ大きいほど、複屈折のレベルが大きくなる。異常光線の遅延は、誘発される応力の大きさ及び方向に依存する。従って、線形に偏光された光線を、誘発された応力をもつ材料を通過させると、光線の偏光が解消する。キュベットを蛍光偏光測定に使用するには、最低限の応力を発生させる条件下でキュベットを準備することが重要である。キュベットの形状は、自動医療診断計器に特有のフルイディクスを使用してプラスチックの疎水性効果を最低限に抑えるように設計されている。
【0070】MEIAの結果は、酵素で標識付けされた共役体の作用によって発蛍基質が転化されるときに発生する蛍光率を定量することによって判定することができる。例えば、競合MEIA又はサンドイッチMEIAを実行する際、微粒子上の特定的に結合されたアルカリ・フォスファターゼは、発蛍基質MUPをマトリックスに付加することによって検出される。アルカリ・フォスファターゼは、MUPの無機リン酸塩及び蛍光4−メチルウンベリフェロン(4−MU)への加水分解において触媒作用をする。4−MUの低濃度の蛍光を検出するように設計されたMEIA光学アセンブリ前面蛍光定量器によって、波長367での4−MUPの蛍光による干渉なしで、離脱された4−MUが検出される。レンズと光学フィルタのシステムは、水銀ランプからのフィルタされた光(波長=365)をマトリックスの表面に集束し、4−MUから放出される蛍光(波長=448)を光電子増倍管に集束する。FPIA光学アセンブリと同様に、MEIA光学システムは小型であり、可動部を有していない。約5%の励起光が光ダイオードによって検出され、蛍光データを正規化することができ、かつ励起光の強度を電球の有効寿命にわたって5%以内に維持するために電球電源で使用される制御信号を生成することができる。MEIAポストプロセッサは線形回帰分析を使用して4−MU蛍光の複数の連続判定から得たデータを、微粒子に特定的に結合されたアルカリ・フォスファターゼ共役体の濃度に比例する率に変換する。
【0071】MEIAフォーマットは、マルチポジションMEIA補助カルーセル及び処理カルーセルと、微粒子試薬、アルカリ・フォスファターゼ共役体、及び場合によっては、実行中の検定に特有の希薄緩衝剤を含むMEIA試薬パックによって実行することができる。微粒子は、検定中に混濁液から沈殿しない傾向があるので、容易に分注することができる。ポリスチレン・ラテックス微粒子の有効な表面積は、商業的な免疫学的検定法で一般に使用されている大直径のポリスチレン・ビード(例えば4分の1インチ・ビーズ)の表面積より数倍大きい。このように表面積が大きく、アナライトと微粒子の表面上の捕獲分子との間の拡散距離が非常に小さいので、実施中の多数のMEIA方法で使用されている捕獲相は数分内に平衡状態に達し、非常に短いタイム・フレームでカルーセルを試験サンプルで一杯にすることができる。
【0072】FPIAと異なり、MEIA等のヘテロジニアス免疫学的検定には、上記で説明した分離ステップが必要である。特に、試験サンプルによって微粒子をインキュベートした後、上記で説明したようにMEIAカートリッジに含まれるマトリックスに移送することによって微粒子を反応混合物から分離する。マトリックスは、検定の次の光学式読取り相の間、正確に配置された機械的支持を微粒子に提供する。この正確に配置された機械的支持、すなわちカートリッジは、カミング手段によって読取り装置から所定の間隔で補助カルーセル内に取り付けられている。
【0073】
【発明の実施の形態】本発明による自動免疫学的検定分析システムの好ましい実施例を、本発明のシステム装置及びプロセスに関して特に重要な構成要素と共に示す。図面はシステムの様々な構成要素を駆動して制御するための機械的及び電気的要素を全て示しているわけではない。そのような省略された要素はどれも、システムの動作モードとサンプルの処理及び分析結果の判定に使用される様々な構成要素及び関連プロセスとに関して本明細書に提示した情報の知識を有する当業者によって容易に実現できる様々な知られた形を有することができる。
【0074】図面を参照すると、図1及び図2は本発明の自動免疫学的検定法分析システム装置の等角図である。図1のシステム装置は、技術者が使用するシステム装置を提示しており、図2は構成要素部品を取り外したフレーム及び及びキャビネットの等角図を示す。本発明のシステム装置は図1の符号2によって全体的に識別されている。システム装置2は、スケジューリングされた試験をサンプルと共に反応容器内にキッティングするための第1の移送ピペット機構6によって操作される露出したフロント・エンド・カルーセル4を有する。システムは、格納コンパートメント及び廃棄物コンパートメントにアクセスするためのアクセス・パネルと共に、コンピュータ画面8及びコンピュータ・キーボード10を備えている。システム装置 12は、それを必要に応じて研究所構内で移動するためのローラ14を備えている。システムは電源要件を除いて完全な自立型なので、システム装置12はローラ14を介して自由に移動することができる。
【0075】図2では、システム装置の実質的に全ての機能構成要素を取り外したシステム装置2キャビネット・フレーム16が示されている。制御環境ゾーン18は、フロント・エンド・カルーセル4とは逆に、光から遮蔽されて空気流と温度が厳しく調整された動作時に密閉される装置である。フロント・エンド・カルーセル4は、移送ポート20を介して制御環境ゾーン18と連通している。フロント・エンド・カルーセル4は、サポート・プラットフォーム22上に載ったアルミニウム製ベース・プレートに取り付けられ、第1の移送ピペット機構は手段24上に取り付けられている。
【0076】図3の断面平面図は、機能構成要素システム装置のプロセス・フローを示すために該装置の相対位置と共にある程度詳細に該装置を提示している。例えば、サンプル・カップ26は、試薬パック・カルーセル32及び反応容器カルーセル36と共にフロント・エンド・カルーセル4内に同心円的に取り付けられたサンプル・カップ・カルーセル28上に取り付けられている。試薬パック・カルーセルは試薬パック30を備え、反応容器カルーセル36は反応容器34を備えている。フロント・エンド・カルーセル4は試薬パック・カルーセル32及びサンプル・カルーセル28を自動的に識別するための作動可能なバー・コード読取り装置38を有する。様々なサンプル及び試薬の移送の間に必要に応じて洗浄を行うための洗浄カップ40が第1の移送ピペット機構6に提供されている。第1の移送ピペット機構6は、様々な試薬パック液体材料及びサンプルを反応容器34内にキッティングする際に使用される。試薬及びサンプルは、ポンプ手段を含む第1の移送ピペット機構6の手段を介して適切にキッティングされる。様々なカルーセルは、分注ステーションでのキッティングのために回転され整列される。キッティングされた反応容器34は反応容器カルーセル36によって、移送ステーション42に移送するのに適した位置に位置決めされる。反応容器34は移送手段を介して移送ステーション42に移送される。次いで、移送ステーション42が回転し、反応容器をプロセス・カルーセル46上に移動する。図のように、処理カルーセルはステップ・モータ48によって駆動され、第2の移送ピペット機構50によって操作される。FPIA手順及びMEIA手順は共に、システム装置を処理カルーセル46まで使用する。処理カルーセル46は、キッティングされ、分注され、適切に反応した試薬サンプルのFPIA分析を反応容器34から直接読み取るためのFPIA処理電球52及び54を含む。調整環境ゾーン18は、移送ステーション42及び処理カルーセル46を含み、キャビネット空気循環ファン56による温度調整の下での空気循環によるFPIA処理を行う。第2の移送ピペット機構50用の洗浄カップ58が提供されている。第2の移送ピペット50は、インキュベーション条件及びタイミング条件下にある試薬を、FPIA処理用のFPIA試験計画反応容器34中のサンプルに付加する(分注)ために使用される。MEIA処理では、第2の移送ピペット50を使用して、カートリッジ・ホイル・カルーセル64上に取り付けられたMEIAカートリッジ68に反応混合物を付加する前に試薬をサンプルに付加することもできる。MEIA試薬を混合されたサンプルのMEIAカートリッジ68への移送は、第2の移送ピペット50の機能によるものである。モータ60はカートリッジ・ホイル64を駆動する。MEIAカートリッジを自動的に送り、カートリッジ・ホイル64上に位置決めするカートリッジ・ホッパ66の操作を介して、カートリッジ・ホイル64にMEIAカートリッジ68が提供される。処理領域は、第2の移送ピペット機構50及びヒータ・ポンプ44を含む。カートリッジ・ホイル・カルーセル64はさらに、MEIA緩衝剤ヒータ及びディスペンサ70、MUPヒータ及びディスペンサ・プローブ72、ならびにMEIA読取り装置74によって操作される。MEIA読取りが完了した後に、カートリッジ・イジェクタ62によってMEIAカートリッジがカートリッジ・ホイル64から取り外される。
【0077】本明細書に記載したように第1の移送ピペット機構6及び第2の移送ピペット機構50を使用すると、特定の検定に関して夫々のサンプル及び試薬の量が誤っている場合に誤った負の結果を防ぐように試験サンプル及び試薬が分注されるようにするための安全な機構が提供されることを理解されたい。
【0078】システム装置の作動可能な要素を詳細に検討するものとして、図4Aは、フロント・エンド・カルーセル4の各要素の分離断面正面図を提示している。図4B及び図4Cは、軸37に沿って旋回して開閉するカバー手段31を含む試薬パックを示す。リターン・ノッチ付きドライブ・アーム35を使用して、カバー接触表面33との接触によってカバー手段31が開閉される。
【0079】図5は、様々なカルーセルを取り外したメイン・カルーセル4の駆動システム及び案内システムの要素の分離部分平面図を提示する。図5では、サンプル・カップ・カルーセル・ステップ・モータ76が、取付けばね78を取り付けられた状態で示されている。試薬パック・カルーセル・モータ80も取付けばね82と共に示されている。反応容器カルーセル・モータ84及び取付けばね86は二つの内側カルーセル、すなわちサンプル・カップ・カルーセル28及び試薬パック・カルーセル32の外側に位置決めされている。サンプル・カップ・カルーセル28及び引張りばね90にローラ・ガイド88が提供されている。試薬パック・カルーセルは、ローラ・ガイド92及び引張り手段94を備えている。反応容器ローラ・ガイド96もばね要素98を備えており、このガイドとこれらの様々なばね要素の目的は、別々のステップ・モータによって動かされたときに同心円カルーセルの非常に限定されたトラッキングを維持することである。
【0080】ランピング機能及びエラー検出機能を備えた非マイクロプロセッサ・ベース・ステップ・モータ制御装置を提示する。制御は、プログラム可能なシーケンサ/制御装置集積回路によって実行される。この装置は、基本速度、最終速度、加速度、及びステップ数を使用してプロフィールを計算することによってプログラムされる。プロフィールは、対称的でも非対称的でもよく、様々なエラー検出機構を組み込むことができる。すべてのモータ運動シーケンス及びエラー検出機構は、ハードウェアに固着され、入力BITの状況を変更するだけで実施/開始することができる。
【0081】ステップ・モータ及び線形アクチュエータは、自動連続ランダム・アクセス分析システムでのように、正確な回転又は線形運動、あるいはその両方を必要とする様々な応用分野で使用されている。ステップ・モータは、二相永久磁石モータであり、巻線の極性が変化するたびに離散的な角運動を提供する。
【0082】このようなモータ用の制御駆動回路は、PALを、出力を緩衝する高電流ドライバと共に使用することによってデジタル的に実施することができる。例えば、現代のシステムは、あらゆる広範な応用分野用のステップ・モータを管理して制御するうえでのエラー検出技術及びエラー訂正技術が必要であることを示している。
【0083】本発明によって、プログラム可能/制御装置集積回路によって制御が実行される、ランピング及びエラー検出を備えた非マイクロプロセッサ・ベース・ステップ・モータ制御装置が提供される。この装置は、基本速度、最終速度、加速度、及びステップ数を使用してプロフィールを計算することによってプログラムされる。
【0084】本発明の方法及び装置によって提供される機能は、ステップ・パルス、方向制御、電力制御、終了状況、ホーム状況、及びエラー状況である。プロフィールは、モータ又は機械の位置を検出するためのセンサを使用することによって組み込むことができる様々なエラー検出機構を含めて、対称的でも非対称的でもよい。すべてのモータ運動シーケンス及びエラー検出機構は、ハードウェアに固着され、入力BITの状況を変更するだけで実施/開始することができる。入力BITの状況を変更することによるそのような単純な修正によって、システムのハードウェア要件は大幅に少なくなる。
【0085】例えば、搬送機構、Rアクセス・イジェクタ、トラップ・ドア、シャトル等の機構をインデクサによって駆動することができる。速度及び加速度プロフィールは、ハードウェアに固着することができる。プロフィールには、基本速度、最終速度、加速度、及び総ステップ数が必要である。プロフィールは線形階段状であり、対称的でも非対称的でもよい。プロフィール全体で利用可能な階段ステップの最大数は40である。インデクサが動作を開始するには一つの入力BITが必要である。実行される動作は以下のように定義される。
【0086】ホームでない場合は、ホーム・センサが見つかるまで、所定の基本速度でホームに向かって移動する。
【0087】ホームの場合、所定のステップ数だけ単調増加し、固定された時間だけ遅延し、次いで所定のステップ数だけ元に戻る。
【0088】インデクサは、上記で定義したモータ運動の完了時にアサートされる一つの出力BITを有する。このBITは、新しいモータ運動コマンドが要求されるまでアサートされたままである。インデクサは、ステップBIT、方向BIT、及び電力ハイ/ローBITを、選択されたモータ・ドライブに提供する。ホーム・フラグ出力は、適当なモータ運動を検出して判定できるように、インデクサに送られる。
【0089】3つのフロント・エンドカルーセル、サンプル・カップ・カルーセル28、試薬パック・カルーセル32、及び反応容器カルーセル36を含むフロント・エンド・カルーセル4は例えば、以下の能力を含むことができる。サンプル・カップ・カルーセル28は、真空血液収集チューブ等の60本の血液収集チューブ、又は1ピースとして射出成形された90個のサンプル・カップを保持することができ、かつ独立型ベース据付けを備えることができる。独立型ベース据付けは、技術者がサンプルを保持し、サンプル・カップ内に分注するのに適している。試薬パック・カルーセル32は20個の異なる試薬パック30を備えることができる。反応容器カルーセル36は90個の反応容器34を備えることができる。
【0090】図6に示した処理カルーセル46は分離断面側面図である。一つの反応容器34は静止位置又は非作動位置にあり、第2の反応容器はFPIA読取り用の位置にある。処理カルーセル46は、様々な反応容器34を分注動作、読取り、又はカルーセルへの及びカルーセルからの移送に対してタイムリーに移動するために2方向の運動が可能である。反応容器34の直径及び寸法に応じて、処理カルーセル46上で最大約36個以上の反応容器34を一度に処理することができる。
【0091】図7の第1の移送ピペット機構6は、プローブ・アーム104、プローブ106、及びプローブ・チップ108を垂直方向に移動する移送ピペットZ軸モータ102を含む。これ に対して、移送ピペットR軸モータ100はプローブ・アーム104、プローブ調整手段106、及びプローブ・チップ108を水平に駆動する。第1の移送ピペット機構6は、「サンプル・プローブ・アーム機構」と呼ばれることもあり、サンプル・カップ26と試薬パック30と試薬容器34と洗浄カップ40の間でプローブを移動する。洗浄カップ40は第1のピペッタ機構6プローブの内側表面及び外側表面を洗浄するために使用される。第1の移送ピペット機構は、二つのステップ・モータ・ドライバによるZ軸及びR軸に沿ったラックピニオン駆動手段である。電力が失われたときにZ軸位置を保持し、それによってシステム装置への損傷を回避するためにブレーキが設けられている。例えば、第1の移送ピペット機構は、約3インチのX軸移動距離と約11−1/2インチのR軸移動距離を有するように設計することができる。
【0092】第1の移送ピペット機構6と第2の移送ピペット機構50は、全体的なシステム装置機能及び設計では密接に関係しており、移動距離及び寸法の違いが唯一の実質的な違いである。どちらの装置も図8の概略側面図に示したプローブ・アーム回路110を有する。この概略図は、R軸モータ100及びZ軸モータ102を上部PCB112及びR軸ホーム・センサ114に関して示している。下部PCB116は、様々な要素を接続するコイル・ケーブル120を含むZ軸ホーム・センサ118に関して示されている。
【0093】本発明による気泡流出吸入吐出シリンジは、シリンジが流体を吸入して吐出する際の精度及び正確さに依存するプロセスにおいて流体が使用されるような自動分析システム又はその他の応用分野で使用することができる。気泡を流体系から自動的に完全に流出させ得るシリンジは、そのような精度及び正確さを達成して維持することができる。本発明によるシリンジは、ピストンがシールを介して締まりばめボア内で往復運動し、ボアが、閉鎖された端部を有し、ボア及びピストンが、流体入口手段及び流体出口手段と連通する環を形成するように構成される。流体はピストンの周りの環内に導入され、気泡を環から流出させる十字流を形成する。十字流が発生している間、ピストンがボア内で往復運動する。この往復運動によって、ピストンとボアとの間の環に高流体速度が発生する。高流体速度によって、ピストン又はボア壁に付着している気泡が除去される。ピストンは、完全内側伸張位置に達すると、ボア端部に非常に近くなり、こうして、ボア上に付着した気泡が除去され、外側伸張位置へのピストンの引抜き時に流出される。
【0094】様々な分注機構に自動バブル・フラッシング及び流体を提供するシリンジ122の様々な要素は、図9A、図9B、及び図9Cの様々な図に提示されている。検定を正確に実行する診断計器の能力は、シリンジ、すなわち分注が試薬及びサンプルを吸入して吐出する精度に強く依存している。シリンジの精度は、その内部に小さな気泡が存在することによって大幅に低下する。残念なことに、気泡はあまりにも頻繁に発生し、除去又は回避するのが困難である。シリンジ122は気泡を流体 システムから自動的に完全に流し出すことによってこれらの問題を回避する。シリンジ122は、ピストン124がシール126を介して往復運動して締りばめボア128に入るように構成されている。ボアの端部130は閉鎖されている。ピストン124は、閉鎖されたボア端部130の形状を近似するピストン端部132を有する。ボアの二つのポートは、1800離れてシールの近くに位置しており、流体入口134及び流体出口136から構成されている。ピストン124とボア128との間に間隙138が存在する。圧力管路希釈剤は流体入口134に導入される。流体はピストン124の両側面の周りの間隙138に流れ込み、次いで流体出口136に流れ込む。 十字流が発生している間、ピストン124はボア128内部で往復運動する。この往復運動によって、ピストン124とボア128との間の間隙138に高流体流速が発生する。高流速によって、ピストン124又はボア壁に付着している気泡は除去される。ピストン124の内向きストロークによってこの除去された気泡は十字流領域に押し流され、該領域でシリンジから排出される。ピストン端部132及びボア端部130は類似の球形を有する。ピストン124は、内向きに最大限に延びたとき、ボア端部130に非常に近くなる。ボア端部130上に付着している気泡は破壊され除去される。同様に、ピストンは外向きに最大限に延びたとき、端部がシール126と同一平面にくる。十字流を発生させながらピストンを往復運動させるシーケンスは、システム装置によって自動的に何度でも実行することができる。
【0095】流体は、シリンジ122の流体出口136を離れた後、管継手、チューブの全長、他の管継手を通過してプローブ106に入り、プローブ・チップ108から流出しなければならない。試薬の吸入及び吐出が実際に行われるのはプローブ・チップ108である。シリンジとプローブ・チップの間に閉じ込められた気泡も性能を低下させるので、シリンジから押し流された気泡が止まる場所があってはならない。従って、シリンジとプローブとの間の配管上で死空間のない間継手を使用する必要がある。
【0096】本発明の気泡流出吸入吐出シリンジの作動時には、休止位置又はホーム位置からのピストンの初期引込み速度は、ピストンが完全引込み位置に接近する際の速度より遅い。ボアの端部に対するピストン動作のこの種の操作は、ボア内の高真空及び気泡形成を回避する。一方、ボアの端部に形成された気泡の除去を促進するために、ピストンをホーム位置から高速で引き抜くことができる。そのような気泡流出手順の後に、弁を閉鎖して吸入を完了することができる。しかし、シリンジを吐出に使用する場合、吐出を目的として測定された量の液体のために弁を開放することができる。
【0097】特に、自動気泡流出シリンジ装置の図9Dに示した部分 断面側面図は、完全に引き抜かれた位置から締まりばめボア128内のホーム位置までの行路のある位置におけるピストン124を提示している。ピストン124は、ばねで通常の位置にポリエチレン製ウェア・リング133により固定及び支持されるシール126を介して往復運動する。シール126は、ポリエチレン製ウェア・リング上のOリングから構成されている。図9Eによるボア端部への行路の終わり近く、すなわちホーム位置にある往復ピストンを含む自動気泡流出シリンジのシリンジ・ボア端部の分離断面図は、ボア130内の完全に引き込まれた位置にあるピストン124の想像図も示している。ピストン124が完全に引き込まれたとき、ピストン先端132は入口131及び出口136の断面流をわずかに越える。ピストン124がホーム位置137にあるとき、ピストン端部132はボア端部130に非常に近くなる。
【0098】シリンジ122の構成は、長さ約8.3インチ、幅約3.5インチ、奥行き約2.7インチであってよいが、これに限るものではない。線形アクチュエータ125はフレーム123に 据え付けられている。アクチュエータ・モータは、相親ネジ 133がねじ込まれるナット手段127を回転させる。親ね じ133は、軸受け131が底部側に据え付けられたカプラ 129にクランプ止めされている。軸受け131はフレーム 123中の溝を走る。カプラ129は、軸受け131によって回転可能に拘束されているので、線形アクチュエータ・モータ125が、ナットと、カプラ129内にクランプ止めされたピストン124とを回転させるときに往復運動し、従ってピストン124はシール126を介して往復運動する。本発明の気泡流出吸入吐出シリンジは、気泡を流体系から自動的に完全に流出させることによって、流体の吐出及び吸入の精度及び正確さにおいて非効率性をもたらす恐れのある気泡の除去も行う。気泡流出操作を実行するには、弁を開放し、ピストン124をそのフル・ストロークを介して少なくとも一度、好ましくは約5ストロークから約10ストロークだけ往復運動させる。流体は、ピストン124の両側の周りを流れ、又はボアを横切って流れ、次いで流体出口136に再収束する。この十字流パターンはシール126の領域中の気泡を流体出口136から流出させる。ピストンとボアの間の隙間は小さく、好ましい実施例によれば、約0.002インチから約0.008インチである。ピストン124が往復運動すると、ピストン124とボア128との間の環138で非常に高い流速が発生する。このような非常に高い流速によって、ボア128中の気泡はシール領域まで流され、該シール領域で、十字流によってシリンジ122から流出する。死空間のない管継手が、シリンジ122と先端解放手段の間に位置決めされ、シリンジ122から流出する気泡が連通管に沿って先端から流出する際に付着する場所がないようになっている。
【0099】一実施例では、圧力下の脱イオン水が、シリンジ122の流体入口134に供給される。この水は、二方電磁弁を通過し、ピストン先端が完全に引き抜かれたときにピストン・ボアの一方の側に流れ、あるいはボアを横切って流れる。例えば、何らかの流量要件時に弁を開放すると、流体はこの入口134から、ピストンの両側の周り、すなわち環138を流れ、あるいはボアを横切って流れ、流体出口136から流出する。流体は次いで、導管手段を介して、端部が開放された先端に流れる。弁を閉鎖すると、ピストンの往復運動によって、先端で流体が吸入又は吐出される。
【0100】他の実施例では、流体入口134と流体出口136が約180°離れており、シール126とボア端部130との間においてシールの近くに位置している。加圧された流体が一方の口に導入される。流体はそのような口を介して、ピストンの両側の周り、すなわちピストンとボアによって形成された環を流れ、対向する口に流れ込み、あるいはボアを横切って流れる。この十字流は、シールの近くの領域から気泡を流出させる。十字流が発生している間、ピストンはボアの内側で往復運動し、ピストンの内向きストロークが、除去された気泡を十字流の方へ押し、気泡がシリンジから流し出される。他の実施例では、ピストン124はボア端部130の端部構成と類似の端部構成、すなわち類似の球形を有する。ピストン124が完全内側伸張位置に達すると、ピストンはボア端部130に非常に近くなる。ボア端部130に付着している気泡が除去される。ピストン124が完全外側伸張位置に達すると、ピストンの端部がシール126と同一平面上にくる。従って、ピストンの円錐形端部は流体入口と流体出口との間にあり、ピストンの先端に付着している気泡は十字流によって流し出される。十字流が発生している間にピストン124を往復運動させるこのシーケンスは、いつでも器具によって実行することができる。
【0101】本発明の自動気泡流出シリンジは、シリンジを手動で操作するか、それとも自動器具で操作するかにかかわらず、多数の医療診断計器及び装置で見られるような流体の厳密な吸入及び吐出、厳密な分析分注、ならびに様々な量の液体、特に少量の液体の厳密な操作が必要とされる同様な状況を含むが、これらに限らない、流体の厳密な操作が望まれるどのような状況でも使用できることを理解されたい。また、シリンジの第2の下流弁を含めることによって、シリンジは精密な容積式ポンプに変化する。
【0102】本発明の他の実施例によれば、流体が吸入され吐出される際の精度及び正確さに依存するプロセスで流体が使用される自動分析システム又はその他の応用分野で使用できる気泡流出吸入吐出装置が提供される。特に、本発明の装置はシリンジ状の装置であり、流体の厳密で正確な操作を実行できるように、全ての又は実質的に全ての気泡を流体系から自動的に流出させる能力を有する。シリンジは、ピストンがシールを介して締まりばめボア内で往復運動し、ボアが、閉鎖された端部を有し、ボアとピストンが、流体入口及び流体出口手段と連通する環を形成するように構成されている。流体はピストンの周りの環内に導入され、気泡を環から流出させる十字流を形成する。十字流が発生している間、ピストンがボア内で往復運動する。この往復運動によって、ピストンとボアとの間の環に高流体速度が発生する。高流体速度によって、ピストン又はボア壁に付着している気泡が除去される。ピストンは、完全内側伸張位置に達すると、ボア端部に非常に近くなり、従って、ボアに付着した気泡が除去され、ピストンの外側伸張位置への引抜き時に流し出される。同様に、ピストンが完全外側伸張位置に達すると、十字流がピストンの球形端部から気泡を流し出す。
【0103】本発明のシリンジは、本明細書に詳細に記載したシステム等の、二つ以上の検定を複数の試験サンプルに対して連続ランダム・アクセス的に同時に実行できる自動分析システムで特に有用である。特に、本発明の自動免疫学的検定分析システム装置は、別々の変更可能なソフトウェア・モジュールを介して実行される異なる検定群を含むマイクロプロセッサ・ベース集積サブアセンブリ・システムとみなすことができる。このマイクロ・プロセッサ・ベース・システムは、二つの自由度をもつロボット・アーム分注器と双方向回転カルーセルとを使用してサンプルを処理する。インキュベーション、洗浄、標本希釈等の重大な検定ステップは、器具によって自動的にスケジュールどおりに実行される。
【0104】本発明によれば、複数の液体サンプルに対する複数の検定を同時に実行できる自動連続ランダム・アクセス分析システムが提供され、複数の液体サンプルに対して様々な検定がスケジューリングされるような方法を実行できるようにする。本発明は、キッティング手段を介して、検定反応シーケンスを開始せずに液体サンプル及び試薬を別々に反応容器に搬送することによって使捨て単位量を生成することができる。複数のキッティングされた使捨て単位量がキッティング手段から処理領域に搬送され、該領域において、反応容器中で、一つ以上の液体試薬を含む独立した各サンプル毎に異なる時間にアリコートが混合され、独立した反応混合物が形成される。そのようなキッティング及び混合のスケジューリングは、複数の反応混合物のインキュベーション中に行われる。そのようなキッティング及び混合の独立したスケジューリングは、複数の反応混合物のインキュベーション中に同時にかつ独立して行われる。
【0105】少なくとも二つの異なる種類の検定を同時に実行するための自動連続ランダム・アクセス分析システムを完成するには、複数の使用法を有し、様々な取扱い装置を必要とする、反応容器装置が必要である。連続ランダム・アクセス機能を有する自動分析システムを提供するという要求は、反応容器及び様々な反応容器ハンドリング装置を利用することによって満たされる。
【0106】図10A、図10B、図10C、及び図10DでMEIAスケジューリング又はFPIAスケジューリングに関して反応容器34について詳細に論じる。図10A及び図10BはFPIAキッティングの使用を提示しており、図10Aの平面図及び図10Bの両方でキュベット140が図示されている。S試薬はウェル142に置かれるが、T試薬トレーサはウェル144に、P試薬ポッパはウェル146に置かれる。ウェル150及び152は様々な試薬、緩衝剤、ないし希釈剤を装置に提供するために働くことができる。サンプルはウェル148に置かれ、事前希釈剤はウェル154に置かれる。必要な試薬をサンプルと共に反応容器に入れる際に移送ピペッタを使用することをキッティングと呼ぶ。様々な必要な試薬等をサンプルと共に単一の反応容器に入れることを分注と呼ぶ。
【0107】図10C及び図10Dの平面図及び側面図に示したMEIA反応容器は夫々、ウェル156中の予備希釈剤、ウェル158中に置かれた微粒子材料、反応ウェル166中に直接入れられた共役体、ウェル162中の検定希釈剤、ウェル164中のサンプルを含む。緩衝剤ウェルは168であり、予備希釈剤ウェルは170である。キッティングが完了した後、メイン・カルーセル又は処理カルーセルで、両方のカルーセルの分注機構を使用して、次のFPIA分注ステップ及びMEIA分注ステップを多数実行することができる。これが可能なのは、キッティングされた反応容器は、キッティングされた後直ちに移送ステーションに移送され、従って調整された温度環境に存在する処理カルーセルに移送されるからである。
【0108】二つの反応容器34を据え付けられた反応容器装填ストリップ175の図10Eの部分等角図は、レッジ・カットアウト179で分離された連続ストリップ上部ハンドリング・レッ ジ・セグメント177を示している。各レッジ・セグメント 177は、連続ストリップ壁181の下部にある反応容器据付け手段182と同時に起こる。反応容器据付け手段182は、夫々上に二重フィン・セット187を有する柔軟なレッグ部 183を各反応容器の据付けのために備えている。二重フィ ン・セット187は、ストリップ連続壁181及びレッグ部183の平面から垂直に突き出ている。レッグ部183は、柔軟であり、二重フィン・セット187と組み合わせられることによって、反応容器装填装置ストリップ上に据え付けられたときに反応容器をしっかり保持し、反応容器カルーセルに挿入されたときに容器を開放することができる。
【0109】反応容器34が据え付けられた反応容器装填装置ストリップ175の平面図が、図10Gに示されている。図10Gの平面図中の反応容器34は、図10Aに示したFPIA利用向けに単純にすることだけを目的として識別された反応容器の様々なチャンバを備えている。図10Cに示したMEIA利用を図10Gに関して提示することもできることは極めて明らかである。反応容器34は、FPIA利用向けに識別された壁152内に反応容器据付け手段182を挿入することによって反応容器装填装置ストリップ175上に据え付けられる。同じ壁が、MEIA利用では168として識別されている。反応容器装填装置ストリップは、ストリップ連続壁181を弧状にして反応容器カルーセルの湾曲の半径に対応させることによって、複数の反応容器を一度に反応容器カルーセル内に装填するために使用される。一つの連続ストリップ壁181に取り付けられた十個の反応容器が図10Gに示されている。しかし、反応容器装填装置ストリップ175の長さを拡張して、十個より多くの反応容器を収容し、あるいは同じ長さのストリップ又はこれより短いストリップ上に十個より少ない反応容器を据え付けることができる。
【0110】反応容器装填装置は、反応容器を反応容器カルーセル上に装填するために最大で十個より多くの反応容器を一度に保持する半硬質プラスチック製ストリップで構成されている。オペレータは、カルーセルの半径に一致する弧状にストリップを湾曲させる。次いで、半硬質プラスチック製ストリップ上に据え付けられた十個より多くの反応容器がカルーセル上の夫々のスロット内に挿入される。複数の反応容器が反応容器装填装置ストリップと共にカルーセル上の所定の位置に配置され、次いで再使用又は破棄のために除去される。
【0111】単位量使捨て反応容器は、複数の反応容器を使用する、一般に各検定毎に一つの反応容器が必要な少なくとも二つの異なる形態の検定を複数の試験サンプルに対して連続ランダム・アクセス的に同時に実行できる自動連続ランダム・アクセス分析システムで重要な役割を果たす。特に、自動免疫学的検定分析システム装置は、別々で変更可能なソフトウェア・モジュールを介して実行される異なる検定群を含むマイクロプロセッサ・ベース集積サブ・アセンブリ・システムとみなすことができる。このマイクロプロセッサ・ベース・システムは、二つの自由度をもつロボット・アーム分注器と双方向回転カルーセルとを使用してサンプルを処理する。インキュベーション、洗浄、標本希釈等の重大な検定ステップは、器具によって自動的にスケジュールどおりに実行される。複数の装置中のそのような反応容器を操作し、反応容器カルーセル内に装填するための手段は、オペレータがシステムを一様にかつ連続的に操作する上で特に有用である。本発明によれば、そのようなハンドリング装填手段は、反応容器開口部に挿入可能な、離間された反応容器開口部の形のくぼみを含む上部平面を有する半硬質プラスチック製平面カバーを備えた反応容器装填装置である。反応容器カルーセル上と実質的に同じ湾曲寸法及び反応容器位置決め間隔を有する反応容器装填装置が事前成形される。反応容器装填装置は、少なくとも一つの反応容器ウエル及び反応容器のキュベットにはまるローダの反応容器開口部くぼみからの追加くぼみ又は突起を備えている。反応容器装填装置は、複数の反応容器を一度に反応容器カルーセル内に装填する機能を備えると共に、反応容器カルーセルへの装填前、装填中、及び装填後に複数の反応容器用のダスト・カバー手段を提供する。特に、反応容器装填装置は、自動システムが反応容器を装填して使用する前にカバーを提供する。反応容器ウエル突起とキュベット突起は、反応容器への挿入を容易にすると共に、反応容器が反応容器カルーセル上の平面にはまった後に反応容器から容易に取り外せるように、突起が反応容器装填装置の平面から垂直に延びるような寸法を有する。
【0112】二つの反応容器34を据え付けられた反応容器装填装置450の図10Fの部分等角図は、連続表面又はダスト・カバー手段を備える反応容器装填装置の平面452を示す。反応容器装填手段450の平面452は、反応容器開放端部にはまるのに適した反応容器装填装置挿入くぼみ454を離間させている。反応容器挿入くぼみは、反応容器の少なくとも一つのウエルにはまるように離間された更にくぼんだ突起手段456を備える。反応容器挿入くぼみ454は、反応容器キュベット140にはめこむための追加くぼみ突起458を有する。反応容器装填装置450の平面452は、反応容器装填装置450の平面452の外側パラメータを形成する連続張出しリム 460を有する。連続張出しリム460は、反応容器装填装置の平面452に平行な実質的に平坦な表面461で終端する。反応容器装填装置450の湾曲長の各端部には、張出しハンドリング・フィン462及び464がある。これらの張出しハンドリング・フィンによって反応容器装填装置450の引抜き及び操作が可能になる。これは図10Hに更に明確に示されている。
【0113】十個の反応容器計数手段を有する反応容器装填装置450の平面図を図10Hに示してある。図10Hの平面図中の隠線表示で示した反応容器34は、図10Aに示したFPIA利用向けに単純化することだけを目的として識別された反応容器34の様々なチャンバを提示している。図10Cに示したMEIA利用を図10Gに関して提示することもできることは極めて明らかである。反応容器34は、反応容器装填装置の平面452と、対応する反応容器ウエル取付突起456及び反応容器キュベット取付突起458とを挿入することによって反応容器装填装置450上に据え付けられる。反応容器装填装置は、反応容器カルーセルの湾曲の半径に対応する反応容器装填装置450への下向き圧力によって、複数の反応容器を一度に反応容器カルーセル内に装填するために使用される。例えば、図10Gに示したように、一つの連続反応容器装填装置に十個の反応容器を取り付けることができる。しかし、反応容器装填装置450の長さを拡張して、十個より多くの反応容器を収容し、あるいは同じ長さの反応容器装填装置又はこれより短い反応容器装填装置上に十個より少ない反応容器を据え付けることができる。
【0114】反応容器装填装置は例えば、十個以上の反応容器を一度に反応容器カルーセル上に装填するために十個以上の反応容器挿入くぼみ454を有することが好ましい半硬質プラスチック製平面452を備えている。ローダが反応容器カルーセルの寸法に適合するように事前成形されているので、オペレータはローダを成形する上で極端に注意する必要がない。この点に関して、反応容器装填装置450は、ローダ上に据え付けられた反応容器を反応容器カルーセルに挿入して装填する「ドロップイン」タイプである。複数の反応容器が反応容器カルーセル上の所定の位置にはめ込まれ、反応容器装填装置は次いで再使用のために取り外され、あるいは破棄することができる。反応容器装填装置は、本明細書に記載したように使用されるまでダスト・カバー保護を維持するために反応容器カルーセル内に装填された反応容器上に据え付けたままにすることもできる。
【0115】ほこり又はその他の汚染物質は例えば、検定性能に影響を及ぼすので、事前にパッケージ詰めされた反応容器が据え付けられた反応容器装填装置は、製造の時点から、反応容器が汚染を排除する反応容器カルーセル内に実際に装填されるまで、反応容器用のほこり又は汚染物質のカバーを備える。対応する位置に据え付けられた反応容器を含む反応容器装填装置は、反応容器カルーセルの夫々のスロットに挿入された後、反応容器が反応容器カルーセル上の所定の位置にはまるまで反応容器装填装置上部平面に対する圧力によって押し付けられる。反応容器及びカルーセルからの反応容器装填装置の取外しは、反応容器カルーセル中の所定の位置にはまっている反応容器を固定する反応容器装填装置上の張出しハンドリング・フィンを上向きに引っ張ることによって容易に行える。反応容器カルーセル中の所定の位置にはまっている反応容器から反応容器装填装置を取り外すのに必要な力は、反応容器カルーセル中の適所にはまっている反応容器を保持する力より小さい。このように必要な力が少ないのは、一つには、反応容器挿入くぼみの構造によるものであり、特に、反応容器装填装置を反応容器から容易に取り外せるようにするだけでなく、反応容器装填装置を反応容器に容易に挿入できるようにする、突起の基部から突起の端部までの小さな断面積を提供する反応容器ウエル継手突起及び反応容器キュベット継手突起による。
【0116】反応容器装填装置ストリップを使用することによって、オペレータは、各反応容器を個別に操作して反応容器カルーセルに挿入するのではなく、複数の反応容器を一度に装填することによって、かなり時間を節約できる。一般に、反応容器カルーセルは一度に90個以上の反応容器を保持する。
【0117】オペレータを更に助けるものとして、反応容器を事前にパッケージ詰めして、取外し可能な半硬質操作ストリップ上に据え付けることができ、これによってオペレータが複数の反応容器をパッケージから取り外す時間が効率化され、反応容器を迅速に反応容器カルーセル内に装填できるようになる。反応容器は、反応容器カルーセルの夫々のスロットに挿入された後、反応容器カルーセル上の所定の位置にはまるまでストリップ上部に対する圧力によって押し付けられる。反応容器及びカルーセルからのストリップの取外しは、反応容器カルーセル中の所定の位置にはまっている反応容器を固定しているストリップを単に上向きに引っ張ることによって行う。
【0118】移送ステーション42は装置及び処理機能において主要な役割を果たす。図11では、移送ステーション42の移送要素が反応容器移送突起部172によって反応容器34に係合している状態の断面図が示されている。移送アーム173は反応容器カルーセル36の反応容器要素間で突き出ており、移送ステーション42の回転によって、反応容器移送突起部172と 係合する。移送アーム駆動歯車174によって、移送アーム 173ラック歯車176は、移送アーム173を移送ステーション42に出入りするように移動する。移送ステーション42は回転軸178を有する。第11A図では、反応容器がフロント・エンド・カルーセル4上に取り付けられるものとして想像線で示されており、反応容器カルーセル36は反応容器移送突起部172によって移送アーム173と係合している。想像の反応容器180は、移送操作手段、すなわち移送突起部172を有しており、これによって、移送カルーセルの移送アーム 173は、反応容器180移送突起部172と係合するように係合手段又はピック184を位置決めすることができる。図11中の反応容器34は移送ステーションに載っている状態で示されており、移送ステーション42はフロント・エンド・カルーセル4と処理カルーセル46の間で反応容器34を移動する。移送ステーション42は、廃棄される反応容器34を処理カルーセル46か廃棄物排出ステーション(図示せず)に移動する。移送ステーション42はステップ・モータ駆動装置によって駆動され、精密線形ボール・ベアリング及び回転ボール・ベアリングの軸によって支持される。
【0119】処理カルーセル46は例えば36個の反応容器34を保持し、カルーセル直径約12.5インチを有する。処理カルーセル46は移送ステーション42と第2の移送ピペット機構50と分注のポイントとFPIA読取り装置処理52の間で反応容器34を移送する。処理カルーセル46はステップ・モータによって駆動され、高さ制御と、ふぞろいな形状のカルーセル要素によって発生する半径方向の移動の制御用の3本のホイールによって支持されている。
【0120】第2の移送ピペット機構50は、処理カルーセル46上の反応容器34中のウェル間でピペット・プローブを移動し、かつ補助カルーセル64上のMEIAカートリッジ68へ及び洗浄カップ58へ該プローブを移動する。軸ステップ・モータ駆動装置を介したラック・ピニオン駆動装置は、R軸とZ軸の両方上で正確な駆動を行う。例えば、Z軸上の移動距離は約3インチであってよく、R軸上の移動距離は約4.5ないし5.0インチであってよい。
【0121】補助カルーセル64は例えば、32個のMEIAカートリッジ68を保持し、直径約9.5インチを有する。補助カルーセル64は、第2の移送ピペッタ機構ピペット・ポイント、MUP調合ステーション72、MEIA洗浄ステーション、ならびにMEIA読取り装置74及びMEIAカートリッジ排出ポイント62を含む様々なステーション間でMEIAカートリッジ68を移動する。補助カルーセル64はステップ・モータによって駆動され、3つのホイルによって支持されている。補助カルーセル64をこれらの機能に対して所望の幾何学的関係に維持するために、一つのホイールはカートリッジ挿入ポイントでのZ軸高さ制御位置に、第2のホイールはピペット・ポイントに、第3のホイールはMEIA読取り装置に位置している。
【0122】MEIAカートリッジ68はカートリッジ・ホッパ66に装填され、カートリッジ・ホッパ66はMEIAカートリッジ68を補助カルーセル64に送る。MEIAカートリッジ68の自動送りは、MEIA読取りで必要とされる、補助カルーセル64へのカートリッジ68の適切な高さ調整によって行われる。カートリッジ・ホッパ66はカートリッジ68を個別に補助カルーセル64に送り、自動手段によってカートリッジ68の配向の軸を水平から垂直に変更する。MEIAカートリッジ68の取外しは、イジェクション・ロッドを介して動作し、MEIAカートリッジ68を補助カルーセル64から押し出して固体廃棄物容器内に落とす、イジェクタ62を使用することによって行われる。
【0123】緩衝剤供給ステーションを図14に示す。図14は装置の断面平面図であり、キャビネット・フレーム16、部分フロント・エンド・カルーセル4、及び電源要素192を、希釈剤システム又は緩衝剤加圧手段194と共に示している。処理された液体及び固体廃棄物を受け取るための固体廃棄物198容器及び液体廃棄物200容器のみならず、供給ボトル196もフレーム16の下部キャビネットに取り付けられている。
【0124】制御環境ゾーンは、自動連続ランダム・アクセス分析システム内でのインキュベーション及び化学反応のために必要である。適当な化学反応に最適な、インキュベーション及び反応ゾーン内の使捨て容器、薬品、小配管、機構等の温度を制御するために制御環境ゾーンにおいて温度制御が維持されている。温度制御は、空気流及び空気温度を熱力学的作動流体として使用することによって達成される。空気やガスは液体槽ほど急速に熱を伝導しないが、空気には、漏れ、蒸発、汚染等の関連する問題がない。
【0125】制御環境ゾーンは、異なる試薬及び量の薬品を備えたカルーセルを含み、従って、処理カルーセルのすぐ上流での大きな圧力降下によって、加熱された空気を強制的に一つの通路を通過させる特殊な温度制御方法を必要とする。通路の圧力降下は、カルーセルが完全に装填されているかいないかにかかわらず、空気がカルーセルの下を通過する際に受ける圧力降下より大きい。従って、加熱された空気は、カルーセルの空の位置に存在するギャップ内に優先的に入り込むのではなくカルーセルの周りに均等に分配される。制御環境内の空気流制御は、カルーセルの頂部表面の上に最小空気流を提供する。頂部上の開放された容器によって露出した液面の上を低速で移動する空気は、高速で移動する空気より蒸発が少ない。しかし、総空気流は制御環境ゾーン内で比較的多く、カルーセル下部に沿った空気流は乱流と層流が組み合わされたものになることがある。温度の変動を最小限に抑えるには、合理的に高いターンオーバ・レート及び空気流が必要である。
【0126】環境空気流温度調整システムを示す概略図を図15Aに示す。このシステムでは、投入空気204が流入し、高温の空気がエギゾースト206から排出される。空気流202は矢印で示されており、調整された環境空気流214は少なくとも一つのヒータ要素及びファン要素210を備えている。空気の温度を調整するために少なくとも一つの温度センサ212が提供されており、空気流202制御と相関させることができる。
【0127】補給空気204が入り、高温空気がイグゾースト206から出る、環境空気流温度制御システムを示す概略図が図15Aに示されている。空気流202は矢印で示されており、制御環境空気流概略図214は、少なくとも一つのヒータ要素208及びファン要素210を備えている。少なくとも一つの温度センサ212が空気温度の制御のために備えられており、空気流202の制御と相関付けることができる。
【0128】連続分析システムの反応ゾーン及びインキュベーション・ゾーンの温度制御を行うには、加熱された空気流を使用して、最も重要な処理カルーセル46を含む環境ゾーン18を制御する。FPIA手順とMEIA手順は共に、処理カルーセル46を共通に介し、かつ含むシステム装置を使用する。温度制御のために空気が再循環されない制御環境空気流概略図214が図15Bに示されている。空気流202はファン要素210によって活動化され、適当なエア・フィルタ・システムを含む空気入口205に入り、空気ヒータ要素208を通過する。空気流202は、器具の基部プレートに備えられた導管手段を通過させられる。空気は、導管から出ると、分析すべきサンプル、必要な試薬、及びプロセスで使用される使捨て品目を含むカルーセルの下側に向かう。空気は、カルーセルの近辺を離れた後、制御環境ゾーン18内で循環させられる。
【0129】加熱された空気が処理カルーセルに向けられると、その温度がセンサ212によってサンプルされる。センサ212の出力は制御装置によって監視され、制御装置が、システムに追加熱量が必要であると判定すると、電力をヒータ要素208に印加する固体リレーを働かせる。熱を効率的に空気に伝導するために空気流202の通路に一つ以上のヒータ要素208が位置している。排気導管206によって、空気は導管中の複数の開口部を制御された方法で通過することができる。ファン要素210が、加熱された空気をシステム全体に行き渡らせる間に、流体系で使用されるヒータ・ブロックに冷却流体を提供することによってシステムの流体を冷却するために、制御環境ゾーン18内の最も重大な温度制御領域から下流にある空気入口207から大気が導入される。空気入口207を介したこの大気導入は、排気導管206と、制御環境ゾーン及び排気導管206と連通する様々な出口との近くで行われる。
【0130】制御環境ゾーン18は、空気を正しい温度に加熱して大量の空気をゾーンの最も重大な領域に加えることによって、所望の温度に維持される。熱は、一般に乱流を発生させる空気を使用して重大な領域への対流によって伝導され、従って、このようにして重大な領域をできるだけ迅速にある温度に至らせることができる。あまり重大でない領域は下流であり、あまり強制的でない条件、すなわち低速に移動する空気流の下で加熱される。重大な領域で乱流が発生することに加えて、制御環境ゾーン18内では総空気流が比較的多く、空気は完全に排気されて、図15Aに示したシステムの一部再循環とは異なり、空気のいかなる部分も再使用されない。
【0131】完全に装填されたカルーセルと一部装填されたカルーセルとを取り扱う際に発生する恐れがある問題は、カルーセルのすぐ上流での大きな圧力降下によって、加熱された空気がある通路を強制的に通過するようにすることによって解決される。通路の圧力降下は、カルーセルが完全に装填されているかいないかにかかわらず、空気がカルーセルの下を通過する際に受ける圧力降下より大きい。従って、空気は、カルーセルの空の位置に存在するギャップに優先的に入り込むのではなくカルーセルの周りに均等に分配される。
【0132】MEIAカートリッジ68を図16の側面図に示す。MEIAカートリッジ68は、ロート・スロート216及びカートリッジ開口部218を有する。MEIAカートリッジ68は支持マトリックス材料222を含む。
【0133】図17の側面図にMEIAカートリッジ68及びカートリッジ・ホッパ66を示す。MEIAカートリッジはカートリッジ・ホッパ66中に水平方向に位置決めされており、V字形カートリッジ・ホッパ66の底部からカートリッジ・シャトル222を介して一つずつ操作される。カートリッジ・フィーダはカートリッジ・カム・ブロック224と、補助カルーセル64に挿入するために垂直方向に位置合わせされたMEIA カートリッジ68を提供するためのカートリッジ配向ピン228及びカートリッジ配向ピン230を介して機能するカートリッジ配向シュート226とを有する。配向ピン228及び230を、MEIAカートリッジ・フィーダ・カートリッジ配向機構の分離断面側面図である図18Aに示す。MEIAカートリッジ68は、図18Aの拡大図では、カートリッジ配向ピン228及びカートリッジ配向ピン230と係合された状態と係合解除された状態とで示されている。カートリッジ配向ピン230はMEIAカートリッジ68のベース236に当たる位置232での係合位置で示されているが、カートリッジ配向ピン228はロート・スロート・ピン216の係合位置234で示されている。これらのピンを係合位置から引き抜くと、MEIAカートリッジ68がまず底部から解放され、すなわちカートリッジ配向ピン230が引き抜かれ、従ってカートリッジ・ロート・スロート216でカートリッジ配向ピン228と係合しているカートリッジの頂部が解放される前に、カートリッジ68の底部が重力によって落下できる。配向ピンの丸い又は半円形の保持表面によって、MEIAカートリッジの底部を解放し、ロート・スロート部216をカートリッジ配向ピン228から外すことができる。垂直方向に位置合わせされたMEIAカートリッジ68は次いで、図17に示すように、挿入カム手段227の作用によって補助カルーセル64内に調整された高さに挿入される。
【0134】自動連続ランダム・アクセス分析システム用のカートリッジ・フィーダ装置は、例えばMEIA検定において、単独で、直立して、カートリッジをカルーセルに挿入するフィーダ手段が必要なときに、使用されるカートリッジを送る機構を提供する。ホッパ・ローダ及びフィーダは、丸い端縁及び凹部を有する軸方向に整列された接触表面を含むカートリッジ接触手段を使用して各カートリッジを、接触手段中で、接触表面と、外側カートリッジ壁に隣接して位置決めされた拡張アーム又はリングとの間に配向する。接触手段は、両端部からカートリッジと接触し、両端部に同時に係合する。カートリッジは次いで、フィーダ手段に落とされる。カートリッジが落ちる際に、カートリッジの底部端部が下部カルーセル送り手段に向かって自由落下すると共に、開放された端部にあるカートリッジのくぼみ内に突き出る接触手段上に瞬間的にぶら下がる。カートンから、配向装置に結合されたカートリッジ・ホッパ送り手段内にカートリッジを送るための特定の開放手段を有するパッケージングの組み合わせによって、自動連続ランダム・アクセス分析システムのニーズが完全に満たされる。
【0135】MEIAカートリッジ・フィーダ・カートリッジ配向機構215の分離断面側面図が図18Bに示されている。MEIAカートリッジ68は、各ピンの一端に設けられたカップ状部の中央輪郭部である配向接触手段237及び配向手段239によって係合モードで示されている。カートリッジ配向接触手段237は係合位置233で示されており、配向手段239は係合位置231で示されている。これらの配向接触手段をMEIAカートリッジ68との係合から引き抜く際に、カートリッジ68は、係合配向手段239によってまず底部から解放され、従って、カートリッジ68の底部が重力によって落下し、次いでカートリッジの頂部が係合位置231及び係合配向手段239から解放される。配向手段239はカートリッジ・ロート・スロート216に位置決めされ、従って、カートリッジが配向手段239から離れる前に配向接触手段237によって係合を解除しておく必要がある。配向手段239は、カートリッジの外側容器壁に隣接して突き出て、従って配向手段239とカートリッジ・ロート・スロート216の構成との間にセミフォーム・フィットを形成する、アーム部材又はリング部材から離間しているカートリッジ・アクセス・ヘッドと軸方向に整列されて突き出る半円錐形係合ヘッドからなる。配向手段237によってカートリッジの底部が解放されたときに配向手段239とカートリッジ・ロート・スロート216の構造とがそのようにおおよそ調和することによって、配向手段239の解放からカートリッジ68を瞬間的に遅延させ、従ってカートリッジ68の底部を最初に落下させることができる。配向手段239の丸い又は半円形の保持表面によって、MEIAカートリッジの底部を解放し、ロート・スロート部216を配向手段239から取り外すことができる。垂直に整列されたMEIAカートリッジ68は次いで、図17に示した挿入カム手段227の動作によって補助カルーセル64内の制御高さまで挿入される。
【0136】MEIAカートリッジ・イジェクタ62の側面図を図19に示す。カートリッジ・イジェクタ62はイジェクタ・ロッド240を介して機能し、手動又は自動駆動手段242によって駆動することができる。排出されるMEIAカートリッジは、イジェクション通路を介して固形廃棄物198容器に排出される。
【0137】図29Bのカートリッジ・ホッパ66の側面断面図は、カートリッジ68をカートリッジ・ホッパ66内にアンロードするように位置決めされたカートリッジ・カートン480と共に示されている。カートリッジ・カートン480は、アンローディング・ローラ・ピン484上で休止している。カートリッジ・カートンが最大に開いたアンロード・モード時の想像図が示されており、カートリッジ・カートンは再び休止してローラ・ピン484によって案内される。ローラ・ピン484に対するカートン上のわずかに下向きの力は、想像図481に示した最大開放位置を達成する。カートリッジ・カートン480は、ローラ・ピン484と組み合わされた開放及びアンロードを容易にするための様々なブレーク・オープン又はタブ開口部482を有する。図29Bのカートリッジ・ホッパ66においては、一方の壁の構成は、上部の垂直壁及び傾斜壁と、ホッパ・カートリッジ解放開口部に至る下部の傾斜壁とからなるが、対向側の壁は、その対向側の壁がホッパ・カートリッジ解放開口部 486への傾斜方向に向かう水平レベルまでの内側傾斜壁を含む一部上部垂直構造で構成されている。両方の壁の下部はホッパ・カートリッジ解放開口部486に対してほとんど同じ角度の送りタイプ構造を形成している。カートリッジ・カートン480は、任意の数のカートリッジを含むように設計できるが、ホッパ及びローラ・ピン480の位置の環境内における操作には約100個のカートン容量が適している。
【0138】カートリッジ・ホッパ66の第2の実施例が、カートリッジがホッパに装填され、カートリッジ・カートンがアンロード後にローラ・ピン484上に位置決めされた、分離側面断面図で図30Bに示されている。カートリッジ・カートンのブレーク・オープン又は開放ゾーンは、アンロードのために開く。カートリッジ・ホッパは、ホッパ・カートリッジ解放開口部 486に対して対称的な壁位置及び角度を有する。図31Bに示した断面側面図は、図30Bの線B−Bに沿って得たものである。この側面断面図は、ホッパの頂部にあるわずかに幅の広いカートリッジ送りゾーン、ローラ・ピン484、所定の位置にあるカートリッジ68、及びホッパ・カートリッジ解放開口部486を示す。
【0139】カートリッジ・ホッパの他の実施例が、送り手段の残りから取り外し自在な独立型ホッパ488の等角図として図32Bで示されている。この独立型ホッパ488は、装填のために容易に取り外すことができる。ホッパは、オペレータの検査用に透明な壁部を介してカートリッジの利用の可能性の表示494を提供する。独立型ホッパは、図29B及び図30Bに示したように複数のカートリッジをカートン480から装填する際に、ローラ・ピン484を使用してホッパを支持するために取り付けられた独立型ベース又はプラットフォーム492を有する。
【0140】ローラ・ピン484は、自立カートン・ブレーク・オープン482を使用するカートリッジ・カートン480と組み合わされたブレーキング・ローラ・ピンとみなすことができる。リップ・タブ等の他のカートン開放機構を部分開放又は完全開放のために使用しながら、依然としてローラ・ピン484を使用して、開放された、あるいは部分的に開放されたカートリッジ・カートン480をホッパ中で位置決めすることができる。ローラ・ピン484は明らかに、開放するように位置決めされたカートンの運動に対して最小の摩擦動作しか与えず、従ってカートンは手動の力の必要なしに完全開放を達成することができる。カートンは、多数のカートリッジをランダムな配向で収容する。従って、カートンは多数のカートリッジを同じランダムな配向でホッパに入れる。しかし、そのようなランダム配向は、配向のためにどちらの端部に対しても機能できる同じ配向手段 237及び239を有するカートリッジ配向機構215に関しては問題とならない。
【0141】本発明は、改良された雑音性能を有する比率測定を実施して、本明細書に記載した自動連続ランダム・アクセス分析システム等の自動分析システムの簡単な通信及び操作を可能にするデータ収集システムを提供する。特に、このデータ収集システムはデジタル信号処理及び単一チップ・アナログ・デジタル変換器を使用して雑音性能を向上する電子ファームウェアを備えている。システムはデジタル・マイクロコントローラ手段と組み合わされて、通信及び操作を簡単にする。
【0142】FPIAオプティクス・アナログ信号がDSPA/Dチップに提供され、該チップはコンピュータと通信する光信号プロセッサ8ビット・デジタル・マイクロコントローラに直列バス信号を送る。デジタル・マイクロコントローラは、高電圧PMT電源及びFPIAタングステン・ランプ電源によってFPIAオプティクスへの直列バスを介して通信し、FPIAオプティクスと電子通信を行う。外部MEIAオプティクス・アナログ信号がDSP−A/Dチップに提供され、該チップは光信号プロセッサ8ビット・デジタル・マイクロコントローラに直列バス信号を送る。デジタル・マイクロコントローラは、高電圧 PMT電源水銀ランプ電源との直列バスを介して通信を行う。高電圧PMT電源MEIA水銀ランプ電源はMEIAオプティクスと電子通信を行う。
【0143】システムはFPIAサブシステム内でも機能して、データの収集とデジタル・フォーマットへの変換を行う。ここで、PM高電圧サンプル蛍光強度が垂直偏光及び水平偏光によって励起されて液晶制御を行い、MEIA読取り装置サブシステムは、水銀ランプ強度レベル及びサンプル蛍光強度レベル、ならびにPMT高電圧を収集してデジタル・フォーマットに変換する。 装置の光信号プロセッサのボックス・ダイアグラムを図20R>0に提示する。FPIAオプティック248はDSP A/D250に送られ、DSP A/D250は光信号プロセッサ8ビット・マイクロコントローラ254からの直列バス信号252も送る。コントローラ254は256を介してコンピュータ要素に接続されている。MEIAオプティクス258からの信号はDSP A/D要素260に送り込まれる。DSPA/D要素260はコントローラ254からの直列バス信号262も送る。信号は、高電圧電源266からの264と、マイクロコントローラ254とオプティクス電源ボード270Aとの間の通信を行う直列バス268を介してFPIAオプティクスに送られる。FPIAタングステン電球電源FPIA 270は、FPIAオプティクス272と電気的に連絡している。信号は、直列バス268を介してマイクロコントローラ254及び水銀電球電源MEIA280と連絡する高電圧電源276からの274を介してMEIAオプティクスに送られる。MEIA水銀電球電源280は、282を介してMEIAオプティクスとも電気的に連絡している。
【0144】FPIA光学システム284の概略図を図2121に示す。FPIA光学システム284は、光を励起フィルタ294内に導入するためにヒート・レフレクタ288、アパーチャ290、及びヒート・アブソーバ292を介してレンズ293に光を集束するタングステン・ハロゲン・ソース電球286を有する。光エネルギーは次いで、ビームの一部を偏光子298及び液晶300に提供するビーム・スプリッタ296と接触する。光は引き続き別のレンズ301に入り、その後に、FPIA反応混合物を含むキュベット140上に集束される。光はレンズ手段303を介してキュベットから放出され、その後に、放出フィルタ302に入る。放出フィルタ302からの反射光は偏光子304を通過し、その後に、集束レンズ306に向かい、光電子増倍管308に送り込まれるように集束される。ビーム・スプリッタ296は、最初の源からの光の一部をレンズ310を介して分割し、基準検出器312内に送り込む。基準検出器312はタングステン・ハロゲン・ソース電球を制御する。
【0145】FPIA読取りシーケンス314の概略図を図22に提示する。FPIA読取りシーケンス314は、カルーセル移動時間318及びカルーセル停止時間320に分割された読取り前時間316を有する。二次読取り間隔340は、水平二次読取り342、A/D変換器停止時間344、及び液晶活動化時間346に分割されている。垂直二次読取り間隔は348で識別されており、A/D変換器停止時間350を含む。液晶緩和時間が352で示されている。液晶緩和時間352は前読取り時間シーケンスで示されている。さらに、高電圧停止時間324が、シナー状態の電球328とフル・バーン状態の電球330を示す電球停止時間326によって示されている。FPIA読取りシーケンスの活動は、読取り準備334、電球がフル・バーン状態である読取りパラメータ336、及び電球停止時間及び液晶緩和時間352中の収集結果338で例示されたスケジューリング・ウィンドウ332による活動を提供する。
【0146】図24Aは、MEIAシステム光学アセンブリ364の概略図である。MEIA光源は水銀電球364によって提供される。水銀電球364は、励起フィルタ362を介してフィルタ・リフレクタ360に光を送り、その後、光はレンズ358を介してMEIAカートリッジ68内に送られる。反射された蛍光は、広帯域放出フィルタ370及び低帯域放出フィルタ372を通過した後、フィルタ360を介して光電子増倍管374に送り返される。水銀電球364からの光エネルギの一部はフィルタ360を直接通過して帯域フィルタ368に至り、その後に光ダイオード366に影響を及ぼす。
【0147】迅速なフル・バーンレスポンスを必要とする自動連続ランダム・アクセス分析システム内での蛍光灯の寿命を延ばすための装置及び方法を提示する。光源手段の待機中における遮断時間が長くなったので、クイック・スタートアップ・フル・バーンレスポンスが必要である。光源手段の待機中における遮断は寿命及び有用性を長持ちさせる。複数分析システム環境内では、多岐な自動システムの様々なプログラムされた動作の遅延を排除するために光源手段のフル・バーンスタートアップ又はターン・オンを1秒以下にする必要がある。蛍光灯の寿命は、装置がランプを連続的にオン・モードのままにしておくのではなく非使用期間中にランプを遮断する能力によって延びる。
【0148】図24Bは、図24Aで提示された様々な要素を含むMEIA光学アセンブリ364の概略図である。図24Bは、特にランプの遮断時に、水銀ソース・ランプ364を約70℃の一定最小温度に維持するためのヒータ・ブロック363も提示している。水銀ソース・ランプ364を高温に維持することによって、ランプ内の水銀は蒸気状態に維持され、それによって約1秒より短いスタートアップ時間又は暖機時間が提供される。水銀ソース・ランプ364は必要に応じて、自動連続ランダム・アクセス分析システムによって自動的に活動化される。水銀ソース・ランプ364は、システム・プログラミング及びコンピュータ機能によって電子的に活動化され停止される。装置全体が非使用期間中に水銀ソース・ランプ364を遮断できるので、水銀ソース・ランプ364の寿命サイクルが延びる。なぜなら、水銀を蒸気状態に維持するのに十分な温度に水銀ソース・ランプ364を維持できるため、水銀ソース・ランプ364を1秒より短い時間内に再活動化してフル・バーン状態にすることができるからである。
【0149】複数の待機時間を必要とする連続ランダム・アクセス分析システムでタングステン・フィラメント・ランプの寿命を向上するための装置及び方法は、光学測定装置中のランプ電流又は輝度のコンピュータ制御を使用してランプ寿命を向上する装置構成要素及び電子回路の構成によって達成される。タングステン・ランプは、できるだけ長い寿命を提供し、同時に、短時間で完全な輝度を達成できなければならない。タングステン・フィラメント・ランプのシマー・バーン・サイクルを使用すると、一定フル・バーン方式と比べてランプの寿命が向上し、自動連続ランダム・アクセス分析システムや、複数のフル・バーン・モード及び待機モードを必要とするその他の臨床アナライザ又は特殊薬品アナライザ内のFPIA手順に適切な約1秒以下の短い暖機時間又はフル・バーン時間も提供される。
【0150】図21のFPIA光学システム284及び図22のFPIA読取りシーケンス314は明らかに、少なくとも二つの分析システムが同じ器具内に組み込まれた連続ランダム・アクセス分析システムにおいて、寿命が長く信頼性のあるフル・バーン・タングステン・ハロゲン・ソース・ランプ286が必要であることを示している。定義によって二つ以上のシステムの内の一つだけであるFPIA検定システムは、様々な時間の間待機モードになるが、現代の計器の高スループット要件のために、FPIA光学システム284は約1秒以下でフル・バーンを達成できるタングステン・ハロゲン・ソース・ランプ286をもたなければならない。FPIA読取りのしきい値は、フル・バーン・タングステン・ハロゲン・ランプ・ソース286又は事前に設計された経過時間を基準とすることができる。タングステン・ハロゲン・ランプ・ソース286がフル・バーンのままにされた場合、そのようなタングステン・ハロゲン・ソース・ランプの現在の光源は、平均寿命が5時間しかない。平均寿命が短いだけでなく、タングステン・ハロゲン・ソース・ランプが古くなるにつれて、ソース・ランプの強度又は輝度が低下する傾向がある。そのような強度の低下はFPIA読取り装置システムでは重大である。というのは、タンスグテン・ハロゲン・ソース・ランプ286が、FPIA光学システムで必要とされる適当な波長を生成するには上限の輝度又は温度で点灯しなければならないからである。シマー・バーン・サイクルをタングステン・ハロゲン・ソース・ランプ286に使用すると、ランプが待機期間中に高温に維持され、従ってランプを短い暖機内、すなわち1秒以下でフル・バーンにすることができる。
【0151】タングステン・ハロゲン・ソース・ランプ286は一般に、連続ランダム・アクセス分析システム内で長時間、低強度又はシマー条件で操作される。このシマー低強度は、ランプの寿命にさほど害を及ぼさずにランプを高温に維持するように選択される。FPIA読取り要求は、分析システムのスケジューラによって、読取りを開始する数秒前に発行される。ランプが熱的にその作動点に近いので、読取りに備えて強度をフル・バーンに変更するのに適当な時間が存在する。読取りが完了した後、ランプはシマーに戻り、新しい読取り要求が発行されるまでこの状態を維持する。従って、待機中でも、一定フル・バーンと比べてタングステン・ハロゲン・ソース・ランプ要素の寿命が向上する。
【0152】このようなフル・バーンとシマー・バーン待機モードの間の循環方式は、従来のシステムとは大幅に異なっている。主な逸脱は、フル・バーン・モードとシマー・バーン・モードの循環のために読取り間隔中にランプ強度がわずかに低下することである。一連の動作に関する線形基準検出器と比率データ収集サブシステムを共に必要とする補償方式に対する依存が高まっている。基準検出器/データ収集システムの組合せによって良好な補償を提供するには、停止時間をデフォルトで、良好な雑音性能を得るのに必要な放射強度とする。最小放射強度が確認された時点でFPIA読取りを開始することができる。この最小強度は、幾分弱いが、FPIAオプティクス雑音プロトコルの結果に基づき少なくとも約90%以上にすべきである。補償技術が不適当であることが分かり、不安定な光輝度は許容できない場合、フル・バーンが達成された後、長時間経って、ランプが完全に安定するまで読取りを行うことはできない。
【0153】MEIA読取りシーケンスの概略図を図25R>5に示す。図25で、MEIA読取りシーケンス376は、カルーセル 移動時間380及びカルーセル停止時間382を含む読取り 前時間378を有する。高電圧停止時間が、シマー状態の電球388とフル・バーン状態の電球390を示す電球停止時間 386に一致するグラフ384によって示されている。MEIA読取りシーケンス376は、読取り準備394、読取りパラメータ396、及び収集結果398を含むスケジューリング・ウィンドウ392による活動を有する。実際のMEIA読取 りシーケンス376は、二次読取り402及びドウェル時間 404を有する二次読取り間隔400を含む。MEIA読取りシーケンス376の他のセグメントは、番号3ないし(N−1)によって示された追加二次読取り412と、二次読取り番号N−416を含む部分二次読取り間隔414とを含む、二次読取り408及びドウェル時間410を含む二次読取り間隔406によって示されている。次の可能な事前読取り時間を418で示す。
【0154】診断試験及び検定で使用される試薬の蒸発を制御するための装置及び方法は、複数の容器を、蒸気的密封状態から、システムがアクセスできる完全開放状態にする装置によって提供される。逆に、この装置は複数の容器を閉鎖して、蒸気的密封状態にする。この装置及び方法は、容器の閉鎖システムの開放加速度も制御して、汚染された液体の滴を容器内にランダムに噴射することによる汚染の恐れを低減する。容器を含む試薬又は液体は、装置によって開放され再密封されて、容器が開放状態である時間が最小限に抑えられ、従って蒸発が最小限に抑えられ、同時にアクセス性が最大限になる。
【0155】自動連続ランダム・アクセス分析システムで使用される試薬の蒸発を制御するための装置及び方法は、複数の容器を、蒸気的密封状態から、システムがアクセスできる完全開放状態にする。この装置はまた、開放及び閉鎖手段を介して、複数の容器を閉鎖して蒸気的密封状態にする。この容器の閉鎖システム、例えばフリップ・トップ・キャップの開放加速度は、液体の滴を容器内にランダムに噴射することによる汚染の恐れを低減するように制御される。
【0156】現在、試薬容器は、出荷シールが開放された後に、蒸発を制御できるようにする隔壁設計を有する。このシステムは、クロス汚染を発生させるという大きな欠点がある。容器閉鎖の手動操作、すなわち隔壁キャップの使用は、コストのかかる試薬の汚染及び蒸発率の両方において不十分である。自動連続ランダム・アクセス分析システム内では、手動介入の必要を代替し、蒸発を最小限に抑える、コンピュータ制御ロボット開放閉鎖ステーションが必要である。開閉ステーションと、試薬容器開口部上のカバー・キャップ手段とを含む装置は、隔壁システムと異なり、プローブと容器との間に汚染を広げにくく、同時に、蒸発を最小限に抑える。自動再閉鎖機能がキャップに組み込まれていないそれ自体の設計をもつ、開放されたままのシステムを同様の閉鎖と共に使用すると、そのような開放されたままの装置が有効になる。しかし、自動連続ランダム・アクセス分析システムの動作確実性要件では、キャップを開放して、開放したままに保持し、日々の開閉用のソフト閉鎖、又は遮断期間中のハード閉鎖、又は例えば、容器が試薬を含む場合のハンドリングのためのキャップのハード閉鎖の、一つ又は二つの閉鎖レベルに強制的に再閉鎖するシステムを使用することができる。 本発明による装置は、液体容器を開放して再密封し、容器が開放状態になる時間を最小限に抑え、従って蒸発を最小限に抑え、同時に、アクセス性を最大限にする。この装置は、密封された容器を開放する際に現在の手動方法における典型的な飛行滴によるクロス汚染の可能性を最小限に抑える。このシステムの方法は、容器の蒸発差の変動に適応し、容器を適切に開放して閉鎖し、同時に蒸発シールを維持する。装置は、一回の運動で、人間の二本の指と同じ動作を実行し、これによって一つ以上の密封された容器を巧みに開放して再閉鎖する。
【0157】試薬を使用して流体を分析する診断システムは、この流体又は試薬の濃度が正しいかどうかに依存する。従って、貯蔵容器からのこの流体の蒸発を最小限に抑えることが重要である。流体を除去する前に、容器は開閉ステーションの下に移動され、次いでステーションは容器の閉鎖状態を開放する。流体が迅速に取り出され、開閉ステーションは、プロセスで次に流体が必要とされるまで容器を密封し続ける。
【0158】図29Aの平面図で、試薬容器450を含む試薬パック30は、試薬容器開口部452がカバー・キャップ手段454によって閉鎖された試薬容器450を提示している。試薬容器450は、試薬パック壁456と開放バルク液体容器460内に維持される。試薬パック壁456は、フロント・カルーセルの試薬カルーセルに挿入するのに適した構成を試薬パックに与える。試薬容器450及び開放バルク液体容器460は、試薬パック容器据付け安定化表面458によって試薬パック30内に維持される。図30Aの側面断面図は、図29Aの断面A−Aに沿って得られた断面であり、開放及びロック・バック位置、開放されているがロック・バックされていない位置、試薬容器開口部452を閉鎖キャッピングする位置を含むカバー・キャップ手段454の複数の位置を示す。図31Aの等角図は、試薬容器450、カバー手段31、接触表面33、及び試薬容器開口部452を提示している。カバー・キャップ手段454は、試薬容器開口部452にはまりこむキャップ部材 462を露出する開放位置で示されており、該手段454が閉鎖位置にあるときには、離間されたリング部材464と共に、蒸発密封された試薬容器450を提供する。
【0159】開閉ステーションが図32Aの斜視側面図と、図33の異なる斜視側面図とに示されている。開放閉鎖ステーション464は、ハウジング466と、その上に据え付けられた駆動モータ468とを備えている。開閉ステーション464のハウジング466は、カバー・キャップ手段454を開放し、あるいは閉鎖するために試薬容器450を開閉ステーション464に移動する試薬カルーセルより上の位置に据え付けて固定するための据付け手段470を有する。
【0160】図32Aでは、カバー・キャップ手段454と接触して該手段をピボット476の周りで旋回させ、該手段454を垂直位置まで開放する開放ピン472によってカバー・キャップ手段454が開放されている。弁の形をした三つのヘッドからなる試薬パック閉鎖アクティベータ474は、試薬容器450を開放するために開放ピン472が押し下げられ、カバー・キャップ手段454の一部に当たっている間は、非活動位置にある。カルーセルは、図32A中の容器450を開放ピン472から試薬パック閉鎖アクティベータ474の下に移動する。該アクティベータは、一実施例では、ゆっくり動いて、開放されたカバー・キャップ手段454に当たり、該手段が内部ばね手段によってロックされる閉鎖位置から離れ、更に垂直位置を越えるように該手段を押し続ける。
【0161】図33で閉鎖位置で示された試薬容器450は、試薬パック閉鎖アクチュエータ部材474の下にも位置決めされている。閉鎖を目的とした開放試薬容器は再び移動され、部分的に下降された開放ピン472又は部分的に下降された試薬パック閉鎖アクチュエータ474に接触させられる。該ピン472又はアクチュエータ474は、ゆっくり移動して、開放さればねロックされたカバー・キャップ手段454に当たり、ばねによる負荷を圧倒してカバー・キャップ手段454を部分閉鎖状態に戻す。該手段は次いで、試薬容器450上のソフト閉鎖位置まで押される。所望ならば、任意選択で、試薬パック閉鎖アクチュエータ部材(弁部材)を、ソフト閉鎖されたカバー・キャップ手段と更にきつく接触させ、該手段をハード閉鎖位置に押し付けることもできる。
【0162】任意選択で、カバー・キャップ手段454は、図31Aに示したように、各試薬容器450毎に個別であっても、図32A及び図33に示したように、ギャング・タイプのカバー・キャップ手段であってもよい。開放閉鎖ステーション464は、個別に機能して個別の試薬容器を開放するように動作することができ、あるいはそれより多くの場合、共同で全ての試薬容器450、すなわちカバー・キャップ手段454を開放するように動作することができる、三つの開放ピン472及び三つの試薬パック閉鎖アクチュエータ弁型部材474を有する。カバー・キャップ手段は、各試薬容器450毎に個別であり、あるいは結合されて、複数の試薬容器450をカバーする拡張されたカバー・キャップ手段を提供する。
【0163】本発明の装置、ソフトウェア、ハードウェア、及び処理技術を使用することによって複数の自動検定分析システムが実現可能であり、これらのシステムは、フェリチン、クレアチニン・キナーゼMIB(CK−MB)、ジゴキン、フェニトイン、フェノバルビタール、カルバマゼオピン、バンコマイシン、バルプロ酸、キニジン、黄体化ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、エストラジオール、プロゲステロン、lgE、ビタミンB2マイクログロブリン、グリコシル・ヘモグロビン(Gly.Hb)、コルチゾール、ジギトキシン、N−アセチルプロカインアミド(NAPA)、プロカインアミド、風疹−lgG、風疹−lgM、トキソプラズマ症lgG(Toxo-lgG)、トキソプラズマ症lgM(Toxo-lgM)、テストステロン、サリチル酸、アセトアミノフェン、B型肝炎表面抗原(HBsAg)、アンチB型肝炎コア抗原 lgG lgM(Anti-HBC)、ヒト免疫不全ウィルス1及び2(HIV1及び2)、ヒトT細胞白血病ウィルス1及び2(HTLV)、B型肝炎エンベロープ抗原(HBeAg )、アンチB型肝炎エンベロープ抗原(Anti-HBe)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、チロキシン(T4)、トータル・トリオードチロニン(Total T3)、フリー・トリオードチロニン(Free T3)、癌胎児性抗原(CEA)、及びアルファ・フェタ・プロテイン(AFP)のメニューを含むが、これらに限るものではない。
【0164】オペレータの最小の関与によって試薬を一貫して迅速に再混濁させて連続的に混合するには、試薬カルーセルに新しい試薬パックを追加するたびに、及び器具動作中に定期的に、試薬を自動的に混合する。この自動混合は、試薬カルーセルが非対称的な休止を含めて前後に移動することによって行うことができ、約1分ないし2分で完了する。カルーセルの加速、速度、移動距離、及び休止の非対称性は、器具上で使用されるフィル・ボリュームの範囲にわたって泡立ちせずかつ気泡が形成されずに最も迅速に試薬が再混濁するように最適化されている。
【0165】自動試薬混合は以下の利益を提供する。オペレータは、格納されていた試薬を、器具上に配置する前に(例えば、反転又は振混ぜによって)手動で混合する必要がない。これによって、より短い時間でかつオペレータのより少ない関与で試薬を器具上に装填することができる。自動混合では、反転等の手動混合の場合より試薬が泡立ちし、あるいは気泡を形成する傾向が弱い。泡立ち及び気泡の形成は、器具の機能に有害であり、検定性能に悪影響を及ぼす。自動混合によって、試薬は常に、十分に混合され、かつ一貫して混合されるようになる。器具の動作中に時々自動混合を行えば、試薬が一貫して混濁し、オペレータが定期的に試薬パックを取り外して試薬を混合する必要がなくなる。場合によっては、混合の始めに存在する気泡を自動混合で散逸することができる。本発明によるキッティング活動及び処理活動の詳細な説明を、以下のFPIA手順、フェノバルビタール検定用の処理活動のシステムの説明、及びCEA検定用のMEIA手順で提示する。
【0166】以下の説明が本発明の自動分析システムの好ましい方法に関与する様々な機能及びステップの概要を構成しており、該機能及び方法が、当業者にも理解されるように、器具上で実行中の検定の特定のメニューに応じて、様々な種類の数学的アルゴリズム及び関連するコンピュータ・ソフトウェアを使用して実施されることを理解されたい。
【0167】FPIA用のキッティング領域活動及び処理領域活動の説明フェノバルビタール検定用のキッティング領域A.仮定1.サンプルを装填するときアナライザはスタンバイ/レディ・モードである。システムは前に初期設定されている(全てのモータがホーム位置にあり、シリンジ及びポンプが洗浄されており、全ての電子機器及びセンサが検査済みである)。
【0168】2.廃棄物が空になっており、希釈剤、MEIA緩衝剤、 MUP、及びQuatバルク・リキッド消耗品の容積が十分かどうかに関して検査済みである。
【0169】3.全ての消耗品在庫ファイルが更新済みである。
【0170】B.準備ステップ1.ユーザが空の反応容器(RV)をRVカルーセルに装填する。
【0171】2.試薬パックを装填するには、ユーザはまず、フロント・エンドカルーセルを休止しておかなければならない。システムは現試験のキッティングを完了し、試験を処理領域に移す。
【0172】3.ユーザが試薬カルーセル・カバーを開け、試薬パックを試薬カルーセル内に装填し、試薬カルーセル・カバーを閉じ、次いでフロント・エンドを再開する。
【0173】4.器具は自動的に、装填された全ての試薬パックを走査し、試薬状況を検証する。
【0174】(a)各試薬パックは、試薬カルーセルの回転によって試薬パック・バーコード読取り装置の前に位置決めされる。
(b)試薬パック・バーコード読取り装置は、バーコードを読み取って検定タイプ及びカルーセル位置を識別する。
(c)バーコードが読取り不能な場合、システムはバーコードの指定変更を要求する。
(d)バーコードが良好であり、あるいは指定変更が完了した場合、システムはシステム在庫を検査する。ユーザは、パックが空又は無効であり、あるいは古いことが分かった場合は通知を受ける。試薬パックは、良好であることが分かった後、使用可能な状態になる。
【0175】C.試験の要求1.ユーザは一つ又は複数の患者サンプル用の試験又は試験群を要求するための二つのオプションを有する。
【0176】(a)ユーザは試験要求ロードリストをホスト・コンピュータからダウンロードして、命令リストを作成することができる。
(b)ユーザは試験要求に入り、あるいはシステム上で直接命令リストを作成する。
【0177】2.(バーコードなしの)サンプル・カップを使用する場合、以下のことが行われる。
【0178】(a)ユーザが命令リストで、サンプルを置くべきセグメントID及び位置番号を探す。
(b)ユーザが、参照されたセグメントの位置にサンプル・カップを装填する。
(c)ユーザが患者サンプルを血液収集チューブからサンプル・カップに移送する。
(d)セグメントがサンプル・カルーセル内に配置される。
(e)サンプルが装填されたことが器具に示される。
(f)器具が消耗品在庫、廃棄物状況、較正状況等を検査する。
(g)サンプル・カルーセルがセグメントをセグメント識別読取り装置まで回転する。
(h)器具がセグメント識別を読み取る。
【0179】3.(バーコード付きの)一次チューブを使用する場合、以下のことが行われる(2種類のキャリアがチューブ用に使用される。一方の種類は高さ75mmのチューブに使用され、他方の種類は高さ100mmのチューブに使用される)。
【0180】(a)ユーザがサンプル・カルーセル上で次に利用可能なセグメント位置に一次チューブを装填する。
(b)サンプルを走らせることが可能であることが器具に示される。
(c)器具が消耗品在庫、廃棄物状況、較正状況等を検証する。
【0181】D.試験のスケジューリング1.ピペッタにサンプルが提供されると、システムはその処理用サンプルに関して命令された試薬をスケジューリングしようとする。サンプルに対して命令された各試験は別々にスケジューリングされる。
【0182】(b)システムは、在庫(試薬パック、カートリッジ、緩衝剤、MUP)システム資源、試験完了するためのサンプル時間が適当かどうかを検査する。
(c)システムは、命令リスト上の試験の較正又は順番が妥当かどうかを検査する。
(d)全ての試験要件が満たされている場合、試験が処理向けにスケジューリングされる。
(e)満たされていない試験要件がある場合、その試験要求が例外リストに移される。試験要件が満たされた後、試験要求がユーザによって命令リストに戻される。
【0183】2.ある試験がスケジューリングされると、システムはその試験を処理リストに移し、そのサンプルに対して命令された他の試験をスケジューリングしようとする。
【0184】3.現サンプル用の全ての試験がキッティングされると、システムはサンプル・カルーセル上の次のサンプルに進む。
E.試験のキッティング1.試験はスケジューリングされた後、ただちにキッティングされる(ただちに試験を処理カルーセル上に移送して検定のタイミング要件内で処理できることを、スケジューラが保証するまで試験はキッティングされない)。
【0185】2.RVがピペット軸位置で検出されるまでRVカルーセルが時計回りに回転する。
【0186】3.命令された試験用の試薬パックがアクチュエータ位置にくるまで、試薬パック・カルーセルが回転する。アクチュエータが試薬カートリッジ・キャップを開け、次いで、命令された試験用の試験パックがピペット軸位置にくるまで試薬パック・カルーセルが回転する。全ての分注ステップが完了した後、試薬パック・カルーセルが再びアクチュエータ位置まで回転し、そこで試薬カートリッジ・キャップが閉じる。
【0187】4.サンプル・カップ(又は一次チューブ)がピペット軸位置にくるまでサンプル・カルーセルが回転する。
【0188】5.ピペットは使用されないときは常に“HOME”位置にある(ピペットR軸が洗浄ステーション上に止まり、ピペットZ軸がZクリア位置にくる)。
【0189】6.サンプルのキッティング(a)サンプルの吸入(i)シリンジが“X”uLの空気を“X”ul/秒の率で吸入する。
(ii)ピペットR軸がサンプル・カップ上に移動する。
(iii)ピペットZ軸がZ軸上方位置に下降する。
(iv)LLSが使用可能にされ、現在液体が検出されていないことを確認される。
(v)流体が検出され、あるいはZ−Asp限界に達する(流体が検出されたと仮定される)まで、ピペットZ軸が一定速度で下降する。
(vi)システムが、流体が検出されたZ高さ位置と、Z高さ/容積テーブルに基づき、ウェル中の液体の容積を算出し、分注記述に指定された容積と比較する。十分な容積がウェルに存在する場合、吸入シーケンスが開始される(十分な容積が存在しない場合、試験が打ち切られ、試験要求が例外リストに移される。例外リストは、完了できない試験をオペレータに通知する)。
(vii)必要とされるサンプルの総容積が吸入されるまで、以下のことが同時に行われる。
【0190】(1)ピペットZ軸モータが“X”ステップ/秒の率で移動する。
(2)シリンジモータが“X”uLを“X”ul/秒の率で吸入する。
(3)LLSが検査され、まだ液体中にあるプローブに対して、液位センス(LLS)が使用可能にされていることを確認する。ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
(4)ピペットR軸がRVサンプル・ウェル上に移動する。
(5)ピペットZ軸がRVサンプル・ウェル内の吐出位置まで下降する。
(6)シリンジが“X”uLのサンプルを“X”ul/秒の率で吐出する。
(7)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
【0191】(b)プローブの事後洗浄プローブが、汚染がなくなるように洗浄される。
(キッティング領域と処理領域の両方での)分注活動の後に必ずプローブの事後洗浄が行われ、ある液体吸入から他の液体吸入への持越しが最小限に抑えられることを理解されたい。場合によっては、必要に応じて分注活動の前にプローブの事前洗浄を行い、次の液体吸入の妥当性を保証することができる。この検定の説明では、事後洗浄だけを使用すると仮定する。
【0192】(i)まずプローブの内部が洗浄される。
【0193】(1)ピペットR軸が廃棄物領域上に移動する。
(2)ピペットZ軸が廃棄物領域内の適切な位置まで下降する。
(3)洗浄弁が、検定プロトコルに指定された時間中だけ開く。
(4)洗浄弁が閉じる。
(5)ピペットZ軸がZクリア軸まで上昇する。
【0194】(ii)次に、プローブの外側が清掃される。
【0195】(1)ピペットR軸が洗浄カップ上に移動する。
(2)ピペットZ軸が洗浄カップ内の廃棄物位置まで下降する。
(3)洗浄弁が、検定プロトコルに指定された時間中だけ開く。
(4)洗浄弁が閉じる。
【0196】(iii)ピペットが“HOME”位置に戻る。
【0197】7.ポッパのキッティング(「ポッパ」は、1985年1月8日に発行された米国特許出願第4,492,762号で論じられかつ請求され、引用によって本明細書に合体されたもの等の、一般に検定における妨害物質を除去する物質として定義される。
【0198】(a)ポッパの吸入(i)シリンジが“X”uLの空気を“X”ul/秒の率で吸入する。
(ii)ピペットR軸が試薬パック中のポッパ試薬ボトル上に移動する。
(iii)ピペットZ軸がZ上方位置まで下降する。
(iv)LLSが使用可能にされ、現在液体が検出されていないことが確認される。
(v)流体が検出され、あるいはZ吸入下(Z−Asp)限に達する(流体が検出されたと仮定される)まで、ピペットZ軸が一定速度で下降する。
(vi)システムが、流体が検出されたZ高さ位置と、Z高さ/容積テーブルに基づき、ウェル中の液体の容積を算出し、分注記述に指定された容積と比較する。十分な容積がウェルに存在する場合、吸入シーケンスが開始される(十分な容積が存在しない場合、試験が打ち切られ、試験要求が例外リストに移される)。
(vii)必要とされるポッパの総容積が吸入されるまで、以下のことが同時に行われる。
【0199】(1)ピペットZ軸モータが“X”ステップ/秒の率で下降する。
(2)シリンジが“X”uLを“X”ul/秒の率で吸入する。
(3)LLSが検査され、プローブがまだ液体中にあることが確認される。
(4)LLSが使用可能にされる。
(5)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
(6)ピペットR軸がRV試薬1ウェル上に移動する。
(7)ピペットZ軸がRV試薬1ウェル内の吐出位置まで下降する。
(8)シリンジが“X”uLのポッパを“X”ul/秒の率で吐出する。
(9)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
【0200】(b)プローブの事後洗浄プローブが再び、第6節(サンプルのキッティング)で説明したように、汚染がなくなるように洗浄される。
【0201】8.抗血清のキッティング(a)抗血清の吸入(i)シリンジが“X”uLの空気を“X”ul/秒の率で吸入する。
(ii)ピペットR軸が試薬パック中の抗血清試薬ボトル上に移動する。
(iii)ピペットZ軸がZ上方位置まで下降する。
(iv)LLSが使用可能にされ、現在液体が検出されていないことが確認される。
(v)流体が検出され、あるいはZ−Asp限界に達する(流体が検出されたと仮定される)まで、ピペットZ軸が一定速度で下降する。
(vi)システムが、流体が検出されたZ高さ位置と、Z高さ/容積テーブルに基づき、ウェル中の液体の容積を算出し、分注記述に指定された容積と比較する。十分な容積がウェルに存在する場合、吸入シーケンスが開始される(十分な容積が存在しない場合、試験が打ち切られ、試験要求が例外リストに移される。)。
(vii)必要とされる抗血清の総容積が吸入されるまで、以下のことが同時に行われる。
【0202】(1)ピペットZ軸モータが“X”ステップ/秒の率で下降する。
(2)シリンジが“X”マイクロ・リットル(uL)を“X”ul/秒の率で吸入する。LLSが検査され、プローブがまだ液体中にあることが確認される。
(3)LLSが使用可能にされる。
(4)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
(5)ピペットR軸がRV試薬2ウェル上に移動する。
(6)ピペットZ軸がRV試薬2ウェル内の吐出位置まで下降する。
(7)シリンジが“X”uLの抗血清を“X”ul/秒の率で吐出する。
(8)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
【0203】(b)プローブの事後洗浄プローブが再び、第6節(サンプルのキッティング)で説明したように、汚染がなくなるように洗浄される。
【0204】9.トレーサのキッティング(a)トレーサの吸入(i)シリンジが“X”uLの空気を“X”ul/秒の率で吸入する。
(ii)ピペットR軸が試薬パック中のトレーサ試薬ボトル上に移動する。
(iii)ピペットZ軸がZ上方位置まで下降する。
(iv)LLSが使用可能にされ、現在液体が検出されていないことが確認される。
(v)流体が検出され、あるいはZ−Asp限界に達する(流体が検出されたと仮定される)まで、ピペットZ軸が一定速度で下降する。
(vi)システムが、流体が検出されたZ高さ位置と、Z高さ/容積テーブルに基づき、ウェル中の液体の容積を算出し、分注記述に指定された容積と比較する。十分な容積がウェルに存在する場合、吸入シーケンスが開始される(十分な容積が存在しない場合、試験が打ち切られ、試験要求が例外リストに移される。)。
(vii)必要とされるトレーサの総容積が吸入されるまで、以下のことが同時に行われる。
【0205】(1)ピペットZ軸モータが“X”ステップ/秒の率で下降する。
(2)シリンジが“X”uLを“X”ul/秒の率で吸入する。
(3)LLSが検査され、プローブがまだ液体中にあることが確認される。
(4)LLSが使用可能にされる。
(5)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
(6)ピペットR軸がRV試薬3ウェル上に移動する。
(7)ピペットZ軸がRV試薬2ウェル内の吐出位置まで下降する。
(8)シリンジが“X”uLのトレーサを“X”ul/秒の率で吐出する。
(9)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
【0206】(b)プローブの事後洗浄プローブが再び、第6節(サンプルのキッティング)で説明したように、汚染がなくなるように洗浄される。
【0207】F.処理領域への反応容器(RV)の移送1.RVカルーセルが移送ステーションまで回転する。
【0208】2.空位置が移送ステーションに整列するように処理カルーセルが回転する。
【0209】3.移送機構O軸がサンプル入口領域まで回転する。
【0210】4.移送機構R軸がRVをつかみ、移送機構内に引き込む。
【0211】5.RVが処理カルーセル上の空位置に整列するように移送機構O軸が回転する。
【0212】6.RVが処理カルーセルに装填される。
【0213】フェノバルビタール用のFPIA処理領域のシステムの説明A.温度平衡時間及び蒸発ウィンドウが満了するのを待つ。
【0214】B.第1のピペット活動(希釈されたサンプル及びポッパを備えたサンプル・ブランクの準備)
1.検定ファイルの指定に応じてインキュベーション・タイマがセットされる。
【0215】2.希釈剤の正確な吸入。以下の活動が同時に実行される。
【0216】(a)シリンジが“X”uLを“X”ul/秒の率で吸入する。
(b)洗浄弁が開く。
(c)“n”秒間待つ。
(d)洗浄弁が閉じる。
【0217】3.サンプルの吸入(a)ピペットR軸がRVサンプル・ウェル上に移動する。
(b)LLSが使用可能にされ、現在液体が検出されていないことが確認される。
(c)流体が検出され、あるいはZ−Asp限界に達する(流体が検出されたと仮定される)まで、ピペットZ軸が一定速度で下降する。
(d)システムが、流体が検出されたZ高さ位置と、Z高さ/容積テーブルに基づき、ウェル中の液体の容積を算出し、分注記述に指定された容積と比較する。十分な容積がウェルに存在する場合、吸入シーケンスが開始される(十分な容積が存在しない場合、試験が打ち切られ、試験要求が例外リストに移される)。
(e)必要とされるサンプルの総容積が吸入されるまで、以下のことが同時に行われる。
【0218】(i)ピペットZ軸モータが“X”ステップ/秒の率で移動する。
(ii)シリンジモータが“X”uLのサンプルを“X”ul/秒の率で吸入する。
(iii)LLSが検査され、プローブがまだ液体中にあることが確認される。
(iv)LLSが使用可能にされる。
(v)ピペットZ軸がZ上方位置まで上昇する。
【0219】4.希釈剤/サンプルがRV事前希釈ウェルに吐出される。
【0220】(a)ピペットR軸がRV事前希釈ウェル上に移動する。
(b)ピペットZ軸がRV事前希釈ウェル内の吐出位置まで下降する。
(c)シリンジが“X”uLの希釈剤/サンプルを“X”ul/秒の率で吐出する。
(d)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
【0221】5.プローブの事後洗浄プローブが再び、第6節(サンプルのキッティング)で説明したように、汚染がなくなるように洗浄される。
【0222】6.希釈剤の正確な吸入。以下の活動が同時に実行される。
【0223】(a)シリンジが“X”uLを“X”ul/秒の率で吸入する。
(b)洗浄弁が開く。
(c)“n”秒間待つ。
(d)洗浄弁が閉じる。
【0224】7.ポッパの吸入(a)ピペットR軸がRV試薬(ポッパ)ウェル上に移動する。
(b)LLSが使用可能にされ、現在液体が検出されていないことが確認される。
(c)流体が検出され、あるいはZ吸入下(Z−Asp)限に達する(流体が検出されたと仮定される)まで、ピペットZ軸が一定速度で下降する。
(d)システムが、流体が検出されたZ高さ位置と、Z高さ/容積テーブルに基づき、ウェル中の液体の容積を算出し、分注記述に指定された容積と比較する。十分な容積がウェルに存在する場合、吸入シーケンスが開始される(十分な容積が存在しない場合、試験が打ち切られ、試験要求が例外リストに移される。)。
(e)必要とされるポッパの総容積が吸入されるまで、以下のことが同時に行われる。
【0225】(i)ピペットZ軸モータが“X”ステップ/秒の率で下降する。
(ii)シリンジが“X”uLを“X”ul/秒の率で吸入する。
(iii)LLSが検査され、プローブがまだ液体中にあることが確認される。
(iv)LLSが使用可能にされる。
(v)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
【0226】8.希釈されたサンプルの吸入(a)ピペットR軸がRV事前希釈ウェル上に移動する。
(b)LLSが使用可能にされ、現在液体が検出されていないことが確認される。
(c)流体が検出され、あるいはZ吸入下(Z−Asp)限に達する(流体が検出されたと仮定される)まで、ピペットZ軸が一定速度で下降する。
(d)システムが、流体が検出されたZ高さ位置と、Z高さ/容積テーブルに基づき、ウェル中の液体の容積を算出し、分注記述に指定された容積と比較する。十分な容積がウェルに存在する場合、吸入シーケンスが開始される(十分な容積が存在しない場合、試験が打ち切られ、試験要求が例外リストに移される)。
(e)必要とされる希釈されたサンプルの総容積が吸入されるまで、以下のことが同時に行われる。
【0227】(i)ピペットR軸モータが“X”ステップ/秒の率で下降する。
(ii)シリンジが“X”uLを“X”ul/秒の率で吸入する。
(iii)LLSが検査され、プローブがまだ液体中にあることが確認される。
(iv)LLSが使用可能にされる。
(v)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
【0228】11.希釈されたサンプル/ポッパ希釈剤がRVキュベットに吐出される。
【0229】(a)ピペットR軸がRVキュベット位置上に移動する。
(b)ピペットZ軸がRVキュベット内の吐出位置まで下降する。
(c)シリンジが“X”uLの希釈されたサンプル/ポッパ/希釈剤を“X”uL/秒の率で吐出する。
(d)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
【0230】12.プローブの事後洗浄プローブが再び、第6節(サンプルのキッティング)で説明したように、汚染がなくなるように洗浄され、第1のピペット活動が完了する。
【0231】C.ブランク読取りの準備インキュベーション・タイマが満了すると、以下の活動が開始される。
【0232】1.FPIA読取り装置が、読取りを行えるように準備される。電球強度がシマー状態からフル・バーン状態になる。
【0233】2.光電子増倍管(PMT)利得が設定される。
【0234】D.ブランク読取り(背景)
1.検定ファイルの指定に応じてインキュベーション・タイマがセットされる。
【0235】2.RVが読取りステーションにくるように、処理カルーセルが回転する。
【0236】3.水平強度が“X.XX”秒間読み取られる。
【0237】4.垂直読取りのために結晶がフリップされる。
【0238】5.結晶が沈殿するまで“n”秒間待つ。
【0239】6.垂直強度が“X.XX”秒間読み取られる。
【0240】7.光学マイクロプロセッサによって生読取り値が正規読取り値(光度検出器電球衝突強度)に変換される。
【0241】8.背景読取り値が記憶される。
【0242】9.システムがBLANK1を算出して、ブランク読取りを完了する。
【0243】10.次の活動は、インキュベーション・タイマが満了したときに開始される。
【0244】E.第2のピペット活動(希釈されたサンプルとポッパとトレーサと抗血清の間の反応用)
1.検定ファイルの指定に応じてインキュベーション・タイマがセットされる。
【0245】2.希釈剤の正確な吸入。
【0246】(a)以下の活動が同時に実行される。
【0247】(i)シリンジが“X”uLを“X”ul/秒の率で吸入する。
(ii)洗浄弁が開く。
(iii)“n”秒間待つ。
(iv)洗浄弁が閉じる。
【0248】3.抗血清の吸入(i)ピペットR軸がRV試薬2(血清)ウェル上に移動する。
(ii)LLSが使用可能にされ、現在液体が検出されていないことが確認される。
(iii)流体が検出され、あるいはZ−Asp限界に達する(流体が検出されたと仮定される)まで、ピペットZ軸が一定速度で下降する。
(iv)システムが、流体が検出されたZ高さ位置と、Z高さ/容積テーブルに基づき、ウェル中の液体の容積を算出し、分注記述に指定された容積と比較する。十分な容積がウェルに存在する場合、吸入シーケンスが開始される(十分な容積が存在しない場合、試験が打ち切られ、試験要求が例外リストに移される)。
(v)必要とされる抗血清の総容積が吸入されるまで、以下のことが同時に行われる。
【0249】(1)ピペットZ軸モータが“X”ステップ/秒の率で移動する。
(2)シリンジモータが“X”uLのサンプルを“X”ul/秒の率で吸入する。
(3)LLSが検査され、プローブがまだ液体中にあることが確認される。
(4)LLSが使用可能にされる。
(5)ピペットZ軸がZ上方位置まで上昇する。
【0250】4.トレーサの吸入(a)シリンジが“X”uLの空気を“X”ul/秒の率で吸入する。
(b)ピペットR軸がRV試薬3(トレーサ)ウェル上に移動する。
(c)LLSが使用可能にされ、現在液体が検出されていないことが確認される。
(d)流体が検出され、あるいはZ−Asp限界に達する(流体が検出されたと仮定される)まで、ピペットZ軸が一定速度で下降する。
(e)システムが、流体が検出されたZ高さ位置と、Z高さ/容積テーブルに基づき、ウェル中の液体の容積を算出し、分注記述に指定された容積と比較する。十分な容積がウェルに存在する場合、吸入シーケンスが開始される(十分な容積が存在しない場合、試験が打ち切られ、試験要求が例外リストに移される。)。
(f)必要とされるトレーサの総容積が吸入されるまで、以下のことが同時に行われる。
【0251】(i)ピペットZ軸モータが“X”ステップ/秒の率で下降する。
(ii)シリンジが“X”uLを“X”ul/秒の率で吸入する。
(iii)LLSが検査され、プローブがまだ液体中にあることが確認される。
(iv)LLSが使用可能にされる。
(v)ピペットZ軸がZ上方位置まで上昇する。
【0252】5.希釈されたサンプルの吸入(a)ピペットR軸がRV事前希釈ウェル上に移動する。
(b)LLSが使用可能にされ、現在液体が検出されていないことが確認される。
(c)流体が検出され、あるいはZ−Asp限界に達する(流体が検出されたと仮定される)まで、ピペットZ軸が一定速度で下降する。
(d)システムが、流体が検出されたZ高さ位置と、Z高さ/容積テーブルに基づき、ウェル中の液体の容積を算出し、分注記述に指定された容積と比較する。十分な容積がウェルに存在する場合、吸入シーケンスが開始される(十分な容積が存在しない場合、試験が打ち切られ、試験要求が例外リストに移される。)。
(e)必要とされる希釈されたサンプルの総容積が吸入されるまで、以下のことが同時に行われる。
【0253】(1)ピペットZ軸モータが“X”ステップ/秒の率で下降する。
(2)シリンジが“X”uLを“X”ul/秒の率で吸入する。
(3)LLSが検査され、プローブがまだ液体中にあることが確認される。
(4)LLSが使用可能にされる。
(5)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
【0254】6.希釈されたサンプル/トレーサ/アスピレート/抗血清/希釈剤がRVキュベットに吐出される。
【0255】(a)ピペットR軸がRVキュベット上に移動する。
(b)ピペットZ軸がRVキュベット中の吐出位置まで下降する。
(c)シリンジが“X”uLの希釈されたサンプル/トレーサ/アスピレート/抗血清/希釈剤を“X”ul/秒の率で吐出する。
(d)ピペットZ軸がZ上方位置まで上昇する。
【0256】7.プローブの事後洗浄プローブが再び、第6節(サンプルのキッティング)で説明したように、汚染がなくなるように洗浄され、第2のピペット活動が完了する。
【0257】8.次の活動は、インキュベーション・タイマが満了したときに開始される。
【0258】E.最終読取りの準備1.FPIA読取り装置が読取りを行えるように準備される。電球強度がシマー状態からフル・バーン状態になる。
【0259】2.PMT利得が設定される。
【0260】F.最終読取り1.RVが読取りステーションにくるように、処理カルーセルが回転する。
【0261】2.水平強度が“X.XX”秒間読み取られる。
【0262】3.垂直読取りのために結晶がフリップされる。
【0263】4.結晶が沈殿するまでシステムが“n”秒だけ遅延する。
【0264】5.垂直強度が“X.XX”秒間読み取られる。
【0265】6.光学マイクロプロセッサによって生読取り値が正規読取り値(光度検出器電球衝突強度)に変換される。
【0266】7.読取り値が記憶される。
【0267】8.システムがNET光度(l)及びミリ偏光(mP)を算出する。
【0268】9.mP値が較正曲線に適合され、濃度結果が求められる。
【0269】G.RVの取外し(この活動は、資源を使用していないときに行われる。以下のことが同時に実行される)
1.空位置が移送ステーションに整列するように処理カルーセルが回転する。移送機構O軸が処理カルーセルに移動する。
【0270】2.RVが移送機構R軸によってつかまれ、移送機構内に引き込まれる。
【0271】3.RVが廃棄物容器に整列するように移送機構O軸が回転する。
【0272】4.RVが廃棄物容器内に押し込まれる。
【0273】MEIA用のキッティング領域活動及び処理領域活動の説明CEA検定用のキッティング領域システムの説明A.仮定1.サンプルを装填するときアナライザはスタンバイ/レディ・モードである。システムは前に初期化されている(全てのモータがホーム位置にあり、シリンジ及びポンプがパージされており、全ての電子機器及びセンサが検査済みである)。
【0274】2.廃棄物が空になっており、希釈剤、MEIA緩衝剤、MUP、及びQuatバルク・リキッド消耗品の容積が十分かどうかに関して検査済みである。
【0275】3.カートリッジがホッパに配置済みであり、必要に応じ、補助カルーセルへの充填に利用できる(MEIA検定のみ)。
【0276】4.全ての消耗品在庫ファイルが更新済みである。
【0277】B.準備ステップ1.ユーザが空のRVをRVカルーセルに装填する。
【0278】2.試薬パックを装填するには、ユーザはまず、フロント・エンドカルーセルを休止しておかなければならない。システムは現試験のキッティングを完了し、試験を処理領域に移す。
【0279】3.ユーザが試薬カルーセルを開け、試薬パックを試薬カルーセルに装填し、試薬カルーセル・カバーを閉じ、次いでフロント・エンドを再開する。
【0280】4.器具は自動的に、装填された全ての試薬パックを走査し、試薬状況を検証する。
【0281】5.各試薬パックは、試薬カルーセルの回転によって試薬パック・バーコード読取り装置の前に位置決めされる。
【0282】6.試薬パック・バーコード読取り装置は、バーコードを読み取って検定タイプ及びカルーセル位置を識別する。バーコードが読取り使用可能な場合、システムはバーコードの指定変更を要求する。
【0283】7.バーコードが良好であり、あるいは指定変更が完了した場合、システムはシステム在庫を検査する。ユーザは、パックが空又は無効であり、あるいは古いことが分かった場合は通知を受ける。試薬パックは、良好であることが分かった後、使用可能な状態になる。
【0284】C.試験の要求1.ユーザは一つ又は複数の患者サンプル用の試験又は試験群を要求するための二つのオプションを有する。
【0285】(a)ユーザは試験要求ロードリストをホスト・コンピュータからダウンロードして、命令リストを作成することができる。
(b)ユーザは試験要求に入り、あるいはシステム上で直接命令リストを作成する。
【0286】2.(バーコードなしの)サンプル・カップを使用する場合、以下のことが行われる。
【0287】(a)ユーザが命令リストで、サンプルを置くべきセグメントID及び位置番号を探す。
(b)ユーザが、参照されたセグメントの位置にサンプル・カップを装填する。
(c)ユーザが患者サンプルを血液収集チューブからサンプル・カップに移送する。
(d)セグメントがサンプル・カルーセル内に配置される。
(e)サンプルが装填されたことが器具に示される。
(f)器具が消耗品在庫、廃棄物状況、検定較正等を検査する。
(g)サンプル・カルーセルがセグメントをセグメント識別読取り装置まで回転する。
(h)器具がセグメント識別を読み取る。
【0288】3.(バーコード付きの)一次チューブを使用する場合、以下のことが行われる。
【0289】(a)ユーザがサンプル・カルーセル上で次に利用可能なセグメント位置に一次チューブを装填する(2種類のキャリアが一次チューブに使用される。一方の種類は高さ75mmのチューブに使用され、他方の種類は高さ100mmのチューブに使用される)。
(b)サンプルを走らせることが可能であることが器具に示される。
(c)器具がセグメントをセグメント識別読取り装置に回転させる。
【0290】D.試験のスケジューリング1.ピペッタにサンプルが提供されると、システムはその処理用サンプルに関して命令された試薬をスケジューリングしようとする。サンプルに対して命令された各試験が別々にスケジューリングされる。
【0291】(a)システムは、在庫(試薬パック、カートリッジ、緩衝剤、MUP)、システム資源、試験を完了するためのサンプル時間が適当かどうかを検査する。
(b)システムは、命令リスト上の試験の較正又は順番が妥当かどうかを検査する。
(c)全ての試験要件が満たされている場合、試験が処理向けにスケジューリングされる。
(d)満たされていない試験要件がある場合、試験要求が例外リストに移される。試験要件が満たされた後、試験要求がユーザによって命令リストに戻される。
【0292】2.ある試験がスケジューリングされると、システムはその試験を処理リストに移し、そのサンプルに対して命令された他の試験をスケジューリングしようとする。
【0293】3.現サンプル用の全ての試験がキットされると、システムはサンプル・カルーセル上の次のサンプルに進む。
【0294】E.試験のキッティング1.試験はスケジューリングされた後、ただちにキットされる(ただちに試験を処理カルーセル上に移送して検定のタイミング要件内で処理できることを、スケジューラが保証するまで試験はキットされない)。
【0295】2.RVがピオエット軸位置で検出されるまで、RVカルーセルが時計回りに回転する。
【0296】3.命令された試験用の試薬パックがアクチュエータ位置にくるまで、試薬パック・カルーセルが回転する。アクチュエータが試薬カートリッジ・キャップを開け、次いで、命令された試験用の試験パックがピペット軸位置にくるまで、試薬パック・カルーセルが回転する。全ての分注ステップが完了した後、試薬パック・カルーセルが再びアクチュエータ位置まで回転し、そこで試薬カートリッジ・キャップが閉じる。
【0297】4.サンプル・カップ(又はプライマリ・チューブ)がピペット軸位置にくるまで、サンプル・カルーセルが回転する。
【0298】5.ピペットは使用されないときは常に“HOME”位置にある(ピペットR軸が洗浄ステーション上に止まり、ピペットZ軸がZクリア位置にくる)。
【0299】6.サンプルのキッティング(a)サンプルの吸入(i)シリンジが“X”uLの空気を“X”ul/秒の率で吸入する。
(ii)ピペットR軸がサンプル・カップ上に移動する。
(iii)ピペットZ軸がZ上方位置まで下降する。
(iv)ピペットZ軸がZ−LLS位置まで下降する。
(v)LLSが使用可能にされ、現在液体が検出されていないことを確認される。
(vi)流体が検出され、あるいはZ−Asp限界に達する(流体が検出されたと仮定される)まで、ピペットZ軸が一定速度で下降する。
(vii)システムが、流体が検出されたZ高さ位置と、Z高さ/容積テーブルに基づき、ウェル中の液体の容積を算出し、分注記述に指定された容積と比較する。十分な容積がウェルに存在する場合、吸入シーケンスが開始される(十分な容積が存在しない場合、試験が打ち切られ、試験要求が例外リストに移される)。
(viii)必要とされるサンプルの総容積が吸入されるまで、以下のことが同時に行われる。
【0300】(1)ピペットZ軸モータが“X”ステップ/秒の率で下降する。
(2)シリンジが“X”uLを“X”ul/秒の率で吸入する。
(3)LLSが検査され、プローブがまだ液体中にあることが確認される。
(4)LLSが使用可能にされる。
(5)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
(6)ピペットR軸がRVサンプル・ウェル上に移動する。
(7)ピペットZ軸がRVサンプル・ウェル内の吐出位置まで下降する。
(8)シリンジが“X”uLのサンプルを“X”ul/秒の率で吐出する。
(9)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
【0301】(b)プローブの事後洗浄プローブが、汚染がなくなるように洗浄される。キッティング領域と処理領域の両方でのピペット活動の後には一般にプローブの事後洗浄が行われ、ある液体吸入から他の液体吸入への持越しが最小限に抑えられることを理解されたい。場合によっては、必要に応じてピペット活動の前にプローブの事前洗浄を行い、次の液体吸入の妥当性を保証することができる。この検定の説明では、事後洗浄だけを使用すると仮定する。
【0302】(i)まずプローブの内部が洗浄される。
【0303】(1)ピペットR軸が廃棄物領域上に移動する。
(2)ピペットZ軸が廃棄物領域内の適切な位置まで下降する。
(3)洗浄弁が、検定プロトコルに指定された時間中だけ開く。
(4)洗浄弁が閉じる。
【0304】(ii)ピペットZ軸がZクリア軸まで上昇する。
(iii)次に、プローブの外側が清掃される。
【0305】(1)ピペットR軸が洗浄カップ上に移動する。
(2)ピペットZ軸が洗浄カップ内の廃棄物位置まで下降する。
(3)洗浄弁が、検定プロトコルに指定された時間中だけ開く。
(4)洗浄弁が閉じる。
(5)ピペットが“HOME”位置に戻る。
【0306】7.微粒子のキッティング(a)微粒子の吸入(微粒子は、最も高価なMEIA試薬なので、容積を節約するために、RVインキュベーション・ウェル内に直接分注される)。
【0307】(i)シリンジが“X”uLの空気を“X”ul/秒の率で吸入する。
(ii)ピペットR軸が試薬パック中の微粒子試薬ボトル上に移動する。
(iii)ピペットZ軸がZ上方位置まで下降する。
(iv)ピペットZ軸がZ−LLS位置まで下降する。
(v)LLSが使用可能にされ、現在液体が検出されていないことが確認される。
(vi)流体が検出され、あるいはZ−Asp限界に達する(流体が検出されたと仮定される)まで、ピペットZ軸が一定速度で下降する。
(vii)システムが、流体が検出されたZ高さ位置と、Z高さ/容積テーブルに基づき、ウェル中の液体の容積を算出し、分注記述に指定された容積と比較する。十分な容積がウェルに存在する場合、吸入シーケンスが開始される(十分な容積が存在しない場合、試験が打ち切られ、試験要求が例外リストに移される。)。
(viii)必要とされる微粒子の総容積が吸入されるまで、以下のことが同時に行われる。
【0308】(1)ピペットZ軸モータが“X”ステップ/秒の率で下降する。
(2)シリンジが“X”uLを“X”ul/秒の率で吸入する。
(3)LLSが検査され、プローブがまだ液体中にあることが確認される。
【0309】(ix)LLSが使用可能にされる。
(x)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
(xi)ピペットR軸がRVインキュベーション・ウェル上に移動する。
(xii)ピペットZ軸がRVインキュベーション・ウェル内の吐出位置まで下降する。
(xiii)シリンジが“X”uLの微粒子を“X”ul/秒の率で吐出する。ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
【0310】(b)プローブの事後洗浄プローブが再び、第6節(サンプルのキッティング)で説明したように、汚染がなくなるように洗浄される。
【0311】8.共役体のキッティング(a)共役体の吸入(共役体、特殊洗浄流体、ないし標本希釈剤は、容積要件に応じてRV試薬ウェル又はRV事前希釈ウェル内に分注される)
(i)シリンジが“X”uLの空気を“X”ul/秒の率で吸入する。
(ii)ピペットR軸が試薬パック中の共役体試薬ボトル上に移動する。
(iii)ピペットZ軸がZ上方位置まで下降する。
(iv)ピペットZ軸がZ−LLS位置まで下降する。
(v)LLSが使用可能にされ、現在液体が検出されていないことが確認される。
(vi)流体が検出され、あるいはZ−Asp限界に達する(流体が検出されたと仮定される)まで、ピペットZ軸が一定速度で下降する。
(vii)システムが、流体が検出されたZ高さ位置と、Z高さ/容積テーブルに基づき、ウェル中の液体の容積を算出し、分注記述に指定された容積と比較する。十分な容積がウェルに存在する場合、吸入シーケンスが開始される(十分な容積が存在しない場合、試験が打ち切られ、試験要求が例外リストに移される。)。
(viii)必要とされる共役体の総容積が吸入されるまで、以下のことが同時に行われる。
【0312】(1)ピペットZ軸モータが“X”ステップ/秒の率で下降する。
(2)シリンジが“X”uLを“X”ul/秒の率で吸入する。
(3)LLSが検査され、プローブがまだ液体中にあることが確認される。
【0313】(ix)LLSが使用可能にされる。
(x)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
(xi)ピペットR軸がRV試薬ウェル上に移動する。
(xii)ピペットZ軸がRVr試薬ウェル内の吐出位置まで下降する。
(xiii)シリンジが“X”uLの共役体を“X”ul/秒の率で吐出する。
(xiv)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
【0314】(b)プローブの事後洗浄プローブが再び、第6節(サンプルのキッティング)で説明したように、汚染がなくなるように洗浄される。
【0315】9.MEIA緩衝剤のキッティング(a)RV緩衝剤ウェルが緩衝剤キッティング・ステーションにあるMEIA緩衝剤ディスペンサの下にくるようにRVカルーセルが回転する。
(b)“X”uLのMEIA緩衝剤が“X”ul/秒の率で緩衝剤ウェル内に吐出される。
【0316】F.処理領域へのRVの移送1.RVカルーセルが移送ステーションまで回転する。
【0317】2.空位置が移送ステーションに整列するように処理カルーセルが回転する。
【0318】3.移送機構O軸がサンプル入口領域まで回転する。
【0319】4.移送機構R軸がRVをつかみ、移送機構内に引き込む。
【0320】5.RVが処理カルーセル上の空位置に整列するように移送機構O軸が回転する。
【0321】6.RVが処理カルーセル上に装填される。
【0322】CEA用のMEIA処理領域のシステムの説明A.システムは、温度平衡時間及び蒸発ウィンドウが満了するのを待つ。
【0323】B.第1のピペット活動(微粒子/サンプルの反応)
1.検定ファイルの指定に応じてインキュベーション・タイマがセットされる。
2.MEIA緩衝剤の吸入(a)RVが分注ステーションにくるように処理カルーセルが回転する。
(b)シリンジが“X”uLを“X”ul/秒の率で吸入する。
(c)ピペットR軸がRV緩衝剤ウェル上に移動する。
(d)ピペットZ軸がRV緩衝剤ウェル上のZ上方位置まで下降する。
(e)ピペットZ軸がZ−LLS位置まで下降する。
(f)LLSが使用可能にされ、現在液体が検出されていないことが確認される。
(g)流体が検出され、あるいはZ−Asp限界に達する(流体が検出されたと仮定される)まで、ピペットZ軸が一定速度で下降する。
(h)システムが、流体が検出されたZ高さ位置と、Z高さ/容積テーブルに基づき、ウェル中の液体の容積を算出し、分注記述に指定された容積と比較する。十分な容積がウェルに存在する場合、吸入シーケンスが開始される(十分な容積が存在しない場合、試験が打ち切られ、試験要求が例外リストに移される。)。
【0324】(i)必要とされるMEIA緩衝体の総容積が吸入されるまで、以下のことが同時に行われる。
【0325】(1)ピペットZ軸モータが“X”ステップ/秒の率で下降する。
(2)シリンジが“X”uLを“X”ul/秒の率で吸入する。
(j)LLSが検査され、プローブがまだ液体中にあることが確認される。
(k)LLSが使用可能にされる。
(l)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
【0326】3.サンプルの吸入(a)ピペットR軸がRVサンプル・ウェル上に移動する。
(b)ピペットZ軸がZ−LLS位置まで下降する。
(c)LLSが使用可能にされ、現在液体が検出されていないことを確認される。
(d)流体が検出され、あるいはZ−Asp限界に達する(流体が検出されたと仮定される)まで、ピペットZ軸が一定速度で下降する。
(e)システムが、流体が検出されたZ高さ位置と、Z高さ/容積テーブルに基づき、ウェル中の液体の容積を算出し、分注記述に指定された容積と比較する。十分な容積がウェルに存在する場合、吸入シーケンスが開始される(十分な容積が存在しない場合、試験が打ち切られ、試験要求が例外リストに移される)。
(f)必要とされるサンプルの総容積が吸入されるまで、以下のことが同時に行われる。
【0327】(1)ピペットZ軸モータが“X”ステップ/秒の率で移動する。
(2)シリンジモータが“X”uLのサンプルを“X”ul/秒の率で吸入する。
(g)LLSが検査され、プローブがまだ液体中にあることが確認される。
(h)LLSが使用可能にされる。
(i)ピペットZ軸がZ上方位置まで上昇する。
【0328】4.インキュベーション・ウェル中の微粒子にMEIA緩衝剤が付加される。
【0329】(a)ピペットZ軸がRVインキュベーション・ウェル内の吐出位置まで下降する。
(b)シリンジが“X”uLのMEIA緩衝剤及びサンプルを“X”ul/秒の率で吐出する。
(c)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
【0330】5.プローブの事後洗浄プローブが再び、第6節(サンプルのキッティング)で説明したように、汚染がなくなるように洗浄される。
【0331】C.カートリッジの装填(この活動は、資源が使用されていないときに行われる)
1.予約された位置がフィーダの下にくるように補助カルーセルを移動する。
【0332】2.トラップ・ドア機構を循環させてカルーセルにせん光灯を装填する。
【0333】3.シャトル機構を循環させて(次のタブ装填のために)トラップ・ドア上に別のMEIAカートリッジを装填する。
【0334】4.インキュベーション・タイマを検査する。該タイマが満了すると、次の分注を開始する。
【0335】D.第2のピペット活動(マトリックスへの反応混合物の移送)
1.検定ファイルの指定に応じてインキュベーション・タイマがセットされる。
2.緩衝剤の吸入。
【0336】(a)RVが分注位置にくるように処理カルーセルが移動する。
(b)シリンジが“X”uLの空気を“X”ul/秒の率で吸入する。
(c)ピペットR軸がRV緩衝剤ウェル上に移動する。
(d)ピペットZ軸がZ上方位置まで下降する。
(e)ピペットZ軸がZ−LLS位置に下降する。
(f)LLSが使用可能にされ、現在液体が検出されていないことを確認される。
(g)流体が検出され、あるいはZ−Asp限界に達する(流体が検出されたと仮定される)まで、ピペットZ軸が一定速度で下降する。
(h)システムが、流体が検出されたZ高さ位置と、Z高さ/容積テーブルに基づき、ウェル中の液体の容積を算出し、分注記述に指定された容積と比較する。十分な容積がウェルに存在する場合、吸入シーケンスが開始される(十分な容積が存在しない場合、試験が打ち切られ、試験要求が例外リストに移される)。
(i)必要とされる緩衝剤の総容積が吸入されるまで、以下のことが同時に行われる。
【0337】(1)ピペットZ軸モータが“X”ステップ/秒の率で移動する。
(2)シリンジモータが“X”uLのサンプルを“X”ul/秒の率で吸入する。
【0338】(j)LLSが検査され、プローブがまだ液体中にあることが確認される。
(k)LLSが使用可能にされる。
(l)ピペットZ軸がZ上方位置まで上昇する。
【0339】3.反応混合物の吸入(a)ピペットR軸がRVインキュベーション・ウェル上に移動する。
(b)ピペットZ軸がZ−LLS位置まで下降する。
(c)LLSが使用可能にされ、現在液体が検出されていないことが確認される。
(d)流体が検出され、あるいはZ−Asp限界に達する(流体が検出されたと仮定される)まで、ピペットZ軸が一定速度で下降する。
(e)システムが、流体が検出されたZ高さ位置と、Z高さ/容積テーブルに基づき、ウェル中の液体の容積を算出し、分注記述に指定された容積と比較する。十分な容積がウェルに存在する場合、吸入シーケンスが開始される(十分な容積が存在しない場合、試験が打ち切られ、試験要求が例外リストに移される)。
(f)必要とされる反応混合物の総容積が吸入されるまで、以下のことが同時に行われる。
【0340】(1)ピペットZ軸モータが“X”ステップ/秒の率で下降する。
(2)シリンジが“X”uLを“X”ul/秒の率で吸入する。
【0341】(g)LLSが検査され、プローブがまだ液体中にあることが確認される。
(h)LLSが使用可能にされる。
(i)ピペットZ軸がZ上方位置まで上昇する。
【0342】4.マトリクス上での反応混合物の吐出(a)以下のことは、反応混合物の吸入(上記)と同時に実行される。
【0343】(i)カートリッジが分注ステーションにくるように補助カルーセルが移動する。
(ii)ピペットR軸がMEIAカートリッジ(マトリクス)表面上に移動する。
(iii)ピペットZ軸がマトリクス吐出位置まで下降する。
(iv)シリンジが“X”uLの反応混合物を“X”ul/秒の率で吐出する。
(v)反応混合物がマトリクスによって吸収されるまで、システムは“X”秒だけ遅延する。
【0344】5.マトリクスの緩衝剤の洗浄(a)シリンジが“X”uLの緩衝剤を“X”ul/秒の率で吐出する。
(b)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
【0345】6.プローブの事後洗浄プローブが再び、第6節(サンプルのキッティング)で説明したように、汚染がなくなるように洗浄される。
【0346】7.インキュベーション・タイマが満了すると、次の活動が開始する。
【0347】E.第3のピペット活動(共役体の付加)
1.検定ファイルの指定に応じてインキュベーション・タイマがセットされる。
2.共役体の吸入。
【0348】(a)RVが分注位置にくるように処理カルーセルが移動する。
(b)シリンジが“X”uLの空気を“X”ul/秒の率で吸入する。
(c)ピペットR軸がRV試薬1(共役体)ウェル上に移動する。
(d)ピペットZ軸がZ上方位置まで下降する。
(e)LLSが使用可能にされ、現在液体が検出されていないことを確認される。
(f)流体が検出され、あるいはZ−Asp限界に達する(流体が検出されたと仮定される)まで、ピペットZ軸が一定速度で下降する。
(g)システムが、流体が検出されたZ高さ位置と、Z高さ/容積テーブルに基づき、ウェル中の液体の容積を算出し、分注記述に指定された容積と比較する。十分な容積がウェルに存在する場合、吸入シーケンスが開始される(十分な容積が存在しない場合、試験が打ち切られ、試験要求が例外リストに移される)。
(h)必要とされる共役体の総容積が吸入されるまで、以下のことが同時に行われる。
【0349】(i)ピペットZ軸モータが“X”ステップ/秒の率で下降する。
(ii)シリンジが“X”uLのサンプルを“X”ul/秒の率で吸入する。
【0350】(i)LLSが検査され、プローブがまだ液体中にあることが確認される。
(j)LLSが使用可能にされる。
(k)ピペットZ軸がZクリア位置まで上昇する。
【0351】3.共役体の吐出(同時に実行される)
(a)カートリッジが分注ステーションにくるように補助カルーセルが移動する。
(b)ピペットR軸がMEIAカートリッジ(マトリクス)表面上に移動する。
(c)ピペットZ軸がマトリクス吐出位置まで下降する。
(d)シリンジが“X”uLの共役体を“X”ul/秒の率で吐出する。
(e)ピペットZ軸がZクリア軸まで移動する。
(f)反応混合物がマトリクスによって吸収されるまで 「X」秒だけ待つ。
【0352】4.プローブの事後洗浄プローブが再び、第6節(サンプルのキッティング)で説明したように、汚染がなくなるように洗浄される。
【0353】F.RVの取外し(この活動は、資源を使用していないときに行われる)
1.以下のことが同時に実行される)
(a)空位置が移送ステーションにくるように処理カルーセルが回転する。
(b)移送機構O軸が処理カルーセルに移動する。
【0354】2.RVが移送機構R軸によってつかまれ、移送機構内に引き込まれる。
【0355】3.RVが廃棄物容器に整列するように移送機構O軸が回転する。
【0356】4.RVが廃棄物容器内に押し込まれる。
【0357】5.インキュベーション・タイマを検査する。該タイマが満了すると、次の活動が開始する。
【0358】G.MEIA読取りの準備1.電球強度がシマー状態からフル・バーン状態になる。
【0359】2.PMT利得が設定される。
【0360】H.マトリクスの洗浄1.カートリッジがマトリクス洗浄ステーションにくるように、補助カルーセルが回転する。
【0361】2.検定ファイル中でカートリッジの洗浄用に指定された全ての緩衝剤が吐出されるまで、以下のステップが繰り返される。
【0362】(a)“X”uLの加熱されたMEIA緩衝剤が50uLサイクルで“X”ul/秒の率でマトリクス上に吐出される。
(b)“n”秒だけ待つ。
I.MUPの吐出1.カートリッジが読取りステーションにくるように、補助カルーセルが回転する。
【0363】2.加熱MUP50uLを“X”ul/秒の率でマトリックスに吐出される。
【0364】3.“n”秒だけ待つ。
J.MEIA読取り1.カートリッジが読取りステーションにくるように、補助カルーセルが回転する。
【0365】2.検定ファイルに指定された数のマイクロ読取り値が得られるまで、以下のステップが繰り返される(通常8回)。
【0366】(a)“X.XX”秒だけ読み取られる。
(b)“X.XX”秒だけ待つ。
【0367】3.読取り装置が休止状態に戻る。
(a)電球強度がシマー状態になる。
(b)PMT利得が設定される。
【0368】4.光学マイクロプロセッサによって正規読取り値が正規読取り値(光度検出器電球衝突強度)に変換される。
【0369】5.システムによって正規読取り値対時間から率が算出される。
【0370】6.定量的検定の場合、この率が較正曲線に適合され、濃度結果が求められる。
【0371】7.定性的検定の場合、サンプル率がインデックス率又は切捨て率と比較されて、サンプルが正かそれとも負か(反応性かそれとも非反応性か)が判定される。
K.RVの取外し(この活動は、資源を使用していないときに行われる)
1.カートリッジがイジェクタ・ステーションにくるように補助カルーセルが回転する。
【0372】2.イジェクタが循環して、カートリッジを廃棄物容器に入れる。
【0373】本発明の自動免疫学的検定分析システムによって取り扱うことができる検定に典型的な概略反応シーケンスを図26、図27、及び図28に提示する。図2626には、T4検定のFPIAシーケンス420が提示されており、ステップ1で、チロキシン結合タンパク質(TBP)424によって結合されたT4がT4変位剤426と反応してTBP428と非結合T4(430)を生成している。ステップ2で、T4(430)がT4抗体432に付加されて反応生成物434を生成する (T4抗体−T4複合体)。ステップ3で、T4抗体T4複合体434がT4トレーサ(蛍光)436で処理されて蛍光偏光測定可能反応生成物438を生成する。
【0374】図27には、1ステップサンドイッチMEIA判定(フェリチン)用の概略反応シーケンス440が提示されている。ステップ1及びステップ2でアンチフェリチン・アルカリ・フォスファターゼ共役体がフェリチン・サンプル444とアンチフェリン微粒子446が混合されてフェリチン抗体−抗原−抗体複合体448を生成している。ステップ3で、抗体−抗原−抗体複合体448が4−メチルウンベリフェリルリン酸塩(MUP)450と反応して、蛍光を発するメチルウンベルフェロン(MU)を生成している。MU生成率が測定される。
【0375】図28には、2ステップ・サンドイッチMEIA用の概略反応シーケンス456がHTSH検定に関して提示されている。アンチhTSH特有微粒子458がHTSHサンプル460に付加されて反応生成物HTSH抗体−抗原複合体462を提供している。ステップ2ないしステップ4で、複合体462がアンチhTSHアルカリ・フォスファターゼ464と組合わされてhTSH抗体−抗原−抗体複合体466を生成している。ステップ5で、複合体466がMUP450と反応して、蛍光を発するMUを生成している。MU生成率が測定される。
【0376】本発明の実施例によれば、自動免疫学的検定分析システムは、多数の検定を連続的に実行するための、オペレータによるランダム・アクセスが可能な装置、ソフトウェア、ハードウェア、及びプロセス技術を提供する。スケジューリングされた試験に応じてメイン・カルーセル又は処理カルーセルでのキッティング操作及び分注操作にカルーセル・ピペッタ技術を使用すると、従来は達成できなかったスケジューリングの柔軟性がもたらされる。本発明のシステムによって、夫々の装置及びプロセス要件に分かれる前に共通のメイン・カルーセル、移送ステーション、第1のキッティング及び分注プローブ、ならびに処理カルーセルと、第2の分注ブローブとを使用して、イミュノプレシピテーション技術でも競合免疫学的検定技術でも共通のキッティング及び分注が可能になる。キャビネット処分供給材料と、スケジューリング、試験、キッティング、及び分注用の共通のコンピュータ・ネットワークも共用される。
【0377】システム上でのオペレータの最小限の入力及び取扱いで複数の検定を実行することができ、直接説明していないが上記の本発明の開示及び請求の範囲にかんがみて当業者には明らかな他のプロセス及び検定にシステムを使用できることが理解されよう。本発明の特定の実施例を開示したが、以下の請求の範囲に記載された本発明の仕様及び範囲の教示から逸脱することなく、本発明の装置及び方法に様々な変更及び適応を加えられることも理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【図1】システム・キャビネット、露出したフロント・エンド・カルーセル、コンピュータ画面、及びキーボードを示す自動分析システムの等角図である。
【図2】自動分析システム装置フレーム及びキャビネットの等角図である。
【図3】自動分析システム装置を詳細にかつ相対位置で示すためにコンポーネント・カバーを取り外した自動分析システムの断面平面図である。
【図4A】フロント・エンド・カルーセルの要素の分離部分断面での、自動分析システムの正面図である。
【図4B】自動分析システムと共に使用するための試薬パック及び試薬パック・カバー手段の斜視側面図である。
【図4C】自動分析システムと共に使用するための試薬パック及び試薬パック・カバー手段の部分端面図である。
【図5】取り外された自動分析システムのフロント・エンド・カルーセルの駆動要素及び案内要素の分離部分断面平面図である。
【図6】一方がFPIA読取り用の所定の位置にある、二つの反応容器を含む、自動分析システムの処理カルーセルの分離断面側面図である。
【図7】自動分析システムのプローブ、プローブ・アーム、及びピペッタの分離等角図である。
【図8】自動分析システムのプローブ・アーム配線センサ手段の概略側面図である。
【図9A】自動分析システムの自動バブル・フラッシングシリンジ装置の断面側面図である。
【図9B】内径端部に向かう移動距離の終り近くに往復ピストンを含む自動バブル・フラッシングシリンジのシリンジ内径端部の分離断面側面図である。
【図9C】線9B−9Bに沿った自動バブル・フラッシングシステムシリンジのピストン及び内径の分離断面端面図である。
【図9D】自動分析システムの自動気泡流出シリンジ装置の部分断面立面図である。
【図9E】ボア端部への行程の終わり付近にある往復ピストンと、外側伸張位置へのピストンの引抜きを示すボア内の想像位置とを含む、自動気泡流出シリンジのシリンジ・ボア部分の部分断面図である。
【図10A】自動分析システムと共に使用する反応容器の平面図であり、反応容器コンパートメントには適宜、FPIA処理用に符号を付けてある。
【図10B】自動分析システムと共に使用する反応容器の側面図であり、反応容器コンパートメントには適宜、FPIA処理用に符号を付けてある。
【図10C】反応容器の平面図であり、MEIA処理用に符号を付けて提示してある。
【図10D】反応容器の側面図であり、MEIA処理用に符号を付けて提示してある。
【図10E】容器を保持する装置と、他の容器を取り付けるための手段とを示す反応容器装填装置の部分等角図である。
【図10F】二つの反応容器が据え付けられたローダと、他の反応容器を据え付けるための手段とを示す反応容器装填装置の部分等角図である。
【図10G】十個の反応容器が据え付けられた、反応容器カルーセルの半径に一致する弧状に設けられた反応容器装填装置の平面図である。
【図10H】反応容器カルーセルの半径に一致する弧状線形寸法を有する反応容器装填装置の平面図であり、ローダには二個の反応容器が据え付けられており、八個の追加反応容器を据え付けることができる。
【図11】メイン・カルーセルから移送ステーションへの移送のために反応容器と係合する自動分析システムの移送要素の断面側面図である。
【図12】自動分析システムの移送ステーションの斜視側面図である。
【図13】自動分析システムの制御環境部分を示す分離断面平面図である。
【図14】自動分析システムの水ないし緩衝剤の供給ステーションと液体及び固体の廃棄物容器を示す図1及び図2の下部キャビネットの断面平面図である。
【図15A】自動分析システムのシステム制御環境空気流温度制御システムを示す概略図である。
【図15B】空気が再循環されない、自動分析システムの環境空気流及び温度制御の他の実施例を示す概略図である。
【図16】自動分析システムと共に使用するためのMEIAカートリッジの部分断面側面図である。
【図17】自動分析システムのMEIAカートリッジ・フィーダの断面側面図である。
【図18A】自動分析システムのMEIAカートリッジ・フィーダ・カートリッジ配向ピン機構の分離側面断面図である。
【図18B】自動分析システムのMEIAカートリッジ・フィーダ/カートリッジ配向機構の第2の実施例の部分側面断面図である。
【図19】自動分析システムのMEIAカートリッジ・イジェクタの分離側面断面図である。
【図20】自動分析システムの光信号プロセッサのボックス・ダイアグラムである。
【図21】自動分析システムのFPIA光学システムの概略図である。
【図22】自動分析システムのFPIA読取りシーケンスの概略図である。
【図23】自動分析システムのMEIAカートリッジカルーセル、MEIAカートリッジ、及びMEIA読取り装置の分離側面断面図である。
【図24A】自動分析システムのMEIAシステム光学アセンブリの概略図である。
【図24B】加熱手段によって光源が遮断期間中に一定の最小温度に維持される、自動連続ランダム・アクセス分析システムのMEIA光学アセンブリの概略図である。
【図25】自動分析システムのMEIA読取りシーケンスの概略図である。
【図26】自動分析システム上で実行されるT4に関するFPIAの概略反応シーケンスである。
【図27】自動分析システム上で実行される1ステップ・サンドイッチMEIAの概略反応シーケンスである。
【図28】自動分析システム上で実行される2ステップ・サンドイッチMEIAの概略反応シーケンスである。
【図29A】カバーの付いた試薬容器を有する試薬パックの平面図である。
【図29B】複数のカートリッジを収容するカートリッジ・ホッパと協働して係合された、様々な想像開放位置に示された分割開放カートリッジ・カートンの部分側面断面図である。
【図30A】図29Aの断面A−Aに沿って得られたもので、様々な開放位置及び閉鎖位置でのカバー手段を示す図29Aの線A−Aに沿って得られた側面断面図を提示する。
【図30B】カートリッジをホッパに投入するように位置決めされた分割開放カートリッジ・カートンを含むカートリッジ・ホッパの他の実施例の部分側面断面図である。
【図31A】開放試薬容器キャッピング手段の概略図である。
【図31B】図30Bのカートリッジ・ホッパの部分断面端面図である。
【図32A】蓋が開放された試薬パック中の試薬容器を含む試薬容器蓋開閉ステーションの斜視側面図である。
【図32B】カートリッジをカートリッジ・カートンから装填するのに適した取外しモードのカートリッジ・ホッパを示す自立カートリッジ・ホッパの他の実施例の等角図である。
【図33】試薬パックの試薬容器が、試薬パックの蓋が閉鎖された開閉ステーションの要素の下側にある、図32Aの斜視側面図と異なる斜視側面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 単一順序でかつ直立位置で複数のカートリッジを分配する装置であって、各カートリッジは、円筒形状で、カートリッジの開口に向かって先細になる上端及び実質的に平坦な下端を有しており、軸方向に整列しており、各々がその一端に取り付けられたカップ状部を有しており、各カップ状部が、カートリッジの上端の形状と一致する中央輪郭部を有して互いに対向している、第1及び第2のピンと、カートリッジの上端及び下端の向きに関係なく前記ピンがその間でカートリッジの一つを解放可能に支持することができるように、前記第1及び第2のピンが軸方向に摺動可能である、該第1及び第2のピンを支持する手段と、前記第1及び第2のピンを作動させる手段とを備えており、前記作動手段は、前記支持手段に固定されており、前記ピンを前記カートリッジの上端及び下端に対して接近させることができるため、一方のカップ状部の中央輪郭部がカートリッジの上端に嵌合すると共に他方のカップ状部がカートリッジの下端を押圧し、又、カートリッジの上端及び下端から離れるように前記ピンを開放してカートリッジを解放することができるため、一方のカップ状部がカートリッジの上端を保持しつつ、カートリッジの下端が他方のカップ状部から下向きに摺動して、カートリッジを直立位置に旋回させる、前記装置。
【請求項2】 前記第1及び第2のピンにおけるカップ状部の夫々が、中央輪郭部と同軸の外側リップ部を含んでおり、外側リップ部が、カートリッジの直径よりも大きい内径と、中央輪郭部の高さよりも低い高さとを有している、請求項1に記載の装置。
【請求項3】 前記第1及び第2のピンから解放された前記カートリッジを方向付けるように置かれたシュートを更に含んでいる、請求項1に記載の装置。
【請求項4】 カートリッジを分配する装置であって、該カートリッジは、長手軸、カートリッジの開口に向かって先細になる上端、及び実質的に平坦な下端を有する円筒形状であり、前記カートリッジの長手軸を水平方向に向けた状態で、カートリッジが通過するのに充分な大きさを持つブリッジスロートを有するブリッジと、カートリッジが通過できるように構成された傾斜内部形状を有しており、カートリッジがその長手軸を鉛直方向に向けた状態で排出され、前記ブリッジのブリッジスロートからずれた位置に配置されるシュートと、前記カートリッジの長手軸を水平方向に向けた状態で該カートリッジを前記ブリッジから受け取るのに充分な大きさを有しており、カートリッジを前記シュートの方へ通すことができるシャトルと、各々が、その一端に取り付けられると共にカートリッジの上端の形状と一致する中央輪郭部を持つカップ状部を有する、第1及び第2のピンであって、該第1及び第2のピンは、これらが軸方向に整列されるように、又、カップ状部の中央輪郭部をシャトルスロートの反対側で互いに対面させて、前記シャトルに取り付けられており、各カップ状部が、カートリッジの上端又は下端のいずれかと係合して、シャトルスロート内のカートリッジを支持することができる、第1及び第2のピンと、カップ状部がカートリッジの上端及び下端と接触するように前記第1及び第2のピンを移動する手段と、シャトルスロートをブリッジスロートに揃える位置から、シャトルスロートをシュートに揃える位置へ、前記シャトルを移動する手段と、前記第1及び第2のピンが前記シュートの上にあるとき、該第1及び第2のピンを互いに離すように移動させ、上端を上に下端を下にしてカートリッジを落下させる手段とを備えている、前記装置。
【請求項5】 シャトルスロートをシュートに揃える位置から、シャトルスロートをブリッジスロートに揃える位置へ、前記シャトルを移動する手段を含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】 第1及び第2のピンのカップ状部の夫々が、中央輪郭部と同軸の外側リップ部を含んでおり、前記外側リップ部が、前記カートリッジの直径よりも大きな内径を有すると共に、中央輪郭部の高さを超えない高さを有する、請求項4に記載の装置。
【請求項7】 カートリッジを受け取って保管し、前記ブリッジのブリッジスロートに送るホッパ手段を含んでいる、請求項4に記載の装置。
【請求項8】 カートリッジの長手軸を鉛直方向に向けた状態で、カートリッジが通過するのに充分な大きさの通路を有しており、該通路が、前記カートリッジを前記シュートから受け取るように位置決めされた本体と、上側面及び下側面を有すると共に、前記本体に回転可能に取り付けられており、通路を遮断する閉鎖位置と通路を遮断しない開放位置とを有するトラップドアと、前記トラップドアを閉鎖位置から開放位置へ回転する手段とを備える、トラップドア組立を含んでいる、請求項4に記載の装置。
【請求項9】 前記トラップドアが、前記トラップドアの下側面に取り付けられた高さ調節器であって、前記トラップドアの下側面と平行な底部を有すると共に、トラップドアの下側面から所定の距離置いて位置しており、先端縁が、トラップドアの下側面と高さ調節器の底部とを接続すると共に、高さ調整器の底部と鈍角を形成している、高さ調整器と、トラップドアを所定の位置に回転させることにより、先端縁と高さ調整器の底部とが、前記カートリッジをトラップドアの下側面から所定の距離に位置させる手段とを含んでいる、請求項8に記載の装置。
【請求項1】 単一順序でかつ直立位置で複数のカートリッジを分配する装置であって、各カートリッジは、円筒形状で、カートリッジの開口に向かって先細になる上端及び実質的に平坦な下端を有しており、軸方向に整列しており、各々がその一端に取り付けられたカップ状部を有しており、各カップ状部が、カートリッジの上端の形状と一致する中央輪郭部を有して互いに対向している、第1及び第2のピンと、カートリッジの上端及び下端の向きに関係なく前記ピンがその間でカートリッジの一つを解放可能に支持することができるように、前記第1及び第2のピンが軸方向に摺動可能である、該第1及び第2のピンを支持する手段と、前記第1及び第2のピンを作動させる手段とを備えており、前記作動手段は、前記支持手段に固定されており、前記ピンを前記カートリッジの上端及び下端に対して接近させることができるため、一方のカップ状部の中央輪郭部がカートリッジの上端に嵌合すると共に他方のカップ状部がカートリッジの下端を押圧し、又、カートリッジの上端及び下端から離れるように前記ピンを開放してカートリッジを解放することができるため、一方のカップ状部がカートリッジの上端を保持しつつ、カートリッジの下端が他方のカップ状部から下向きに摺動して、カートリッジを直立位置に旋回させる、前記装置。
【請求項2】 前記第1及び第2のピンにおけるカップ状部の夫々が、中央輪郭部と同軸の外側リップ部を含んでおり、外側リップ部が、カートリッジの直径よりも大きい内径と、中央輪郭部の高さよりも低い高さとを有している、請求項1に記載の装置。
【請求項3】 前記第1及び第2のピンから解放された前記カートリッジを方向付けるように置かれたシュートを更に含んでいる、請求項1に記載の装置。
【請求項4】 カートリッジを分配する装置であって、該カートリッジは、長手軸、カートリッジの開口に向かって先細になる上端、及び実質的に平坦な下端を有する円筒形状であり、前記カートリッジの長手軸を水平方向に向けた状態で、カートリッジが通過するのに充分な大きさを持つブリッジスロートを有するブリッジと、カートリッジが通過できるように構成された傾斜内部形状を有しており、カートリッジがその長手軸を鉛直方向に向けた状態で排出され、前記ブリッジのブリッジスロートからずれた位置に配置されるシュートと、前記カートリッジの長手軸を水平方向に向けた状態で該カートリッジを前記ブリッジから受け取るのに充分な大きさを有しており、カートリッジを前記シュートの方へ通すことができるシャトルと、各々が、その一端に取り付けられると共にカートリッジの上端の形状と一致する中央輪郭部を持つカップ状部を有する、第1及び第2のピンであって、該第1及び第2のピンは、これらが軸方向に整列されるように、又、カップ状部の中央輪郭部をシャトルスロートの反対側で互いに対面させて、前記シャトルに取り付けられており、各カップ状部が、カートリッジの上端又は下端のいずれかと係合して、シャトルスロート内のカートリッジを支持することができる、第1及び第2のピンと、カップ状部がカートリッジの上端及び下端と接触するように前記第1及び第2のピンを移動する手段と、シャトルスロートをブリッジスロートに揃える位置から、シャトルスロートをシュートに揃える位置へ、前記シャトルを移動する手段と、前記第1及び第2のピンが前記シュートの上にあるとき、該第1及び第2のピンを互いに離すように移動させ、上端を上に下端を下にしてカートリッジを落下させる手段とを備えている、前記装置。
【請求項5】 シャトルスロートをシュートに揃える位置から、シャトルスロートをブリッジスロートに揃える位置へ、前記シャトルを移動する手段を含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】 第1及び第2のピンのカップ状部の夫々が、中央輪郭部と同軸の外側リップ部を含んでおり、前記外側リップ部が、前記カートリッジの直径よりも大きな内径を有すると共に、中央輪郭部の高さを超えない高さを有する、請求項4に記載の装置。
【請求項7】 カートリッジを受け取って保管し、前記ブリッジのブリッジスロートに送るホッパ手段を含んでいる、請求項4に記載の装置。
【請求項8】 カートリッジの長手軸を鉛直方向に向けた状態で、カートリッジが通過するのに充分な大きさの通路を有しており、該通路が、前記カートリッジを前記シュートから受け取るように位置決めされた本体と、上側面及び下側面を有すると共に、前記本体に回転可能に取り付けられており、通路を遮断する閉鎖位置と通路を遮断しない開放位置とを有するトラップドアと、前記トラップドアを閉鎖位置から開放位置へ回転する手段とを備える、トラップドア組立を含んでいる、請求項4に記載の装置。
【請求項9】 前記トラップドアが、前記トラップドアの下側面に取り付けられた高さ調節器であって、前記トラップドアの下側面と平行な底部を有すると共に、トラップドアの下側面から所定の距離置いて位置しており、先端縁が、トラップドアの下側面と高さ調節器の底部とを接続すると共に、高さ調整器の底部と鈍角を形成している、高さ調整器と、トラップドアを所定の位置に回転させることにより、先端縁と高さ調整器の底部とが、前記カートリッジをトラップドアの下側面から所定の距離に位置させる手段とを含んでいる、請求項8に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図9B】
【図9C】
【図10A】
【図31A】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図9D】
【図10C】
【図6】
【図7】
【図9E】
【図10B】
【図10D】
【図10F】
【図16】
【図8】
【図9A】
【図10G】
【図29A】
【図30A】
【図31B】
【図10E】
【図10H】
【図11】
【図12】
【図32A】
【図13】
【図14】
【図19】
【図23】
【図15A】
【図15B】
【図18B】
【図33】
【図17】
【図18A】
【図20】
【図21】
【図24A】
【図22】
【図24B】
【図26】
【図25】
【図27】
【図28】
【図29B】
【図30B】
【図32B】
【図2】
【図3】
【図9B】
【図9C】
【図10A】
【図31A】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図9D】
【図10C】
【図6】
【図7】
【図9E】
【図10B】
【図10D】
【図10F】
【図16】
【図8】
【図9A】
【図10G】
【図29A】
【図30A】
【図31B】
【図10E】
【図10H】
【図11】
【図12】
【図32A】
【図13】
【図14】
【図19】
【図23】
【図15A】
【図15B】
【図18B】
【図33】
【図17】
【図18A】
【図20】
【図21】
【図24A】
【図22】
【図24B】
【図26】
【図25】
【図27】
【図28】
【図29B】
【図30B】
【図32B】
【特許番号】特許第3439467号(P3439467)
【登録日】平成15年6月13日(2003.6.13)
【発行日】平成15年8月25日(2003.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−8960(P2002−8960)
【分割の表示】特願平5−517551の分割
【出願日】平成5年3月24日(1993.3.24)
【公開番号】特開2002−250735(P2002−250735A)
【公開日】平成14年9月6日(2002.9.6)
【審査請求日】平成14年1月29日(2002.1.29)
【出願人】(391008788)アボット・ラボラトリーズ (650)
【氏名又は名称原語表記】ABBOTT LABORATORIES
【登録日】平成15年6月13日(2003.6.13)
【発行日】平成15年8月25日(2003.8.25)
【国際特許分類】
【分割の表示】特願平5−517551の分割
【出願日】平成5年3月24日(1993.3.24)
【公開番号】特開2002−250735(P2002−250735A)
【公開日】平成14年9月6日(2002.9.6)
【審査請求日】平成14年1月29日(2002.1.29)
【出願人】(391008788)アボット・ラボラトリーズ (650)
【氏名又は名称原語表記】ABBOTT LABORATORIES
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