説明

自動閉め型扉用蝶番

【課題】ねじりばねの材料による強度が耐えられる範囲内で、ねじりばねを何周にも絞ることができるように構成することによって、ねじりばねの開扉に対する反対方向への回動力を調整することができる自動閉め型扉用蝶番を提供することを目的とする。
【解決手段】外部からの調整操作により回転されると共に、羽根板210、211を近接させる回動力を発生するねじりばね32の捻り具合を変えることができるように構成されている回転部412と、回転部412を、ねじりばね32の捻り具合を強める方向への回転を阻止せずに、緩める方向への回転のみを阻止することができるように係止している制限部411とを有する調整手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扉用蝶番に関し、特に、建物や住家の扉に取り付けられるものであって、扉が開けられるとそれを自動的に閉じることができる自動閉め型扉用蝶番に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の自動閉め型扉用蝶番は、図1に示されるように、一対の羽根板11、12が、それぞれの側縁に設けられた筒状のマウント11A、12Aで互いに回動可能に組み合わせられるとともに、ねじりばね6の付勢力により、互いに近接する回動力が発生され、また、調整手段7の調整により、前記付勢力が変えられるように構成されている(特許文献1を参照)。
【0003】
前記図示の従来の自動閉め型扉用蝶番においては、マウント11A、12Aの筒内を貫通するとともに、ねじ15によりマウント11Aに固定された枢軸8は、上側大径部81と下側小径部82とからなっている。
【0004】
そして、羽根板11,12を近接する方向に回動させる付勢力の発生源となるねじりばね6は、下側小径部82に套設されるとともに、その上端が上側大径部81の下端近くに係止されている。
【0005】
ねじりばね6の付勢力を変えるための調整手段7は、留め体71と調整ねじ72とからなっている。留め体71は、マウント12Aの下端筒外から枢軸8における下側小径部82の下端を留めるとともに、ねじりばね6の下端を係止している。調整ねじ72は、マウント12Aの下端近くにある筒壁に開けてある横溝122を経由し、留め体71の周面に周方向に沿って開けてある一連の窪み711のいずれか一つに挿入して留め体71を係止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】台湾特許第262091号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記従来の自動閉め型扉用蝶番は、枢軸8が扉の開けられることと共に離間回動する羽根板11、12によって回動されると、ねじりばね6を捻って、前記回動に反対する付勢力が起こって扉を閉じることができ、且つ、前記調整ねじ72がかかる窪み711の選択によって前記扉を閉じる付勢力も変えられるものであった。しかし、図示されるように、横溝122の長さには限界があるので、それを経由してねじりばね6の付勢力を変える調整ねじ72と窪み711との組み合わせによる調整にも限りがある、という問題点がある。
【0008】
本発明は、前記問題点を解決するためになされたものであり、従来のような横溝の長さに限られず、ねじりばねの強度が耐えられる範囲内で、ねじりばねを何周にも絞ることができるように構成することによって、その開扉に対する反対方向への回動力を調整する範囲を広げることができる自動閉め型扉用蝶番の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明のうちの請求項1に記載の発明は、第1と第2の羽根板からなる一対の羽根板が、それぞれの側縁に設けられた筒状のマウントで互いに回動可能に組み合わせられてヒンジとして構成されているとともに、ねじりばねの付勢力により、前記一対の羽根板を近接させる回動力が発生され、調整手段のねじりばねに対する調整により、前記付勢力を変えられるように構成されている自動閉め型扉用蝶番において、前記調整手段は、外部からの調整操作により回転されると共に、前記ねじりばねの捻り具合を変えることができるように構成されている回転部と、前記回転部を、前記ねじりばねの捻り具合を強める方向への回転を阻止せずに、緩める方向への回転のみを阻止することができるように係止している制限部とを有し、前記回転部にかかる前記ねじりばねの捻り具合を強める側への調整操作により、前記ねじりばねは何周にも捻られることができ、該調整操作がリリースされると、前記回転部は前記ねじりばねのトルクにより多くとも一周の逆回転内で前記制限部により係止され、前記ねじりばねを一時的にその捻り具合に保つことができることを特徴とする。
【0010】
本発明のうちの請求項2に記載の発明は、前記筒状のマウントは、互いに並んでチャンネルするように構成されており、前記調整手段は、少なくともその一部が前記第1の羽根板が有するマウント内にあって、他の一部が前記第2の羽根板が有するマウント内にあるように、前記第1の羽根板が有するマウントと、前記第2の羽根板が有するマウントとを回転可能に貫挿したヒンジピンを更に有しており、前記制限部は、前記ヒンジピンにより、回転可能且つ摺動可能に貫挿されていると共に、前記回転部に向かう一側面にカム構造が形成されており、更に、前記第1の羽根板が有するマウントに対し摺動可能且つ回転不可能になるように、前記第1の羽根板が有するマウントと係合しており、前記回転部は、前記ヒンジピンに固定されていると共に、前記制限部より前記ねじりばねに近い箇所に配置され、且つ、前記制限部に向かう一側面に該制限部のカム構造と係合できるカム構造が形成されているとともに、前記ねじりばねが捻られる一端と連結しており、前記ヒンジピンにかかる回転操作により回転されて該ねじりばねを捻ることができることを特徴とする。
【0011】
本発明のうちの請求項3に記載の発明は、前記ヒンジピンのチャンネルされた前記マウントの外側に面する端面に、前記ヒンジピンを回転させる道具の先端を挿入してそれと係合する断面非円形の窪みが形成してあることを特徴とする。
【0012】
本発明のうちの請求項4に記載の発明は、前記第1の羽根板は、所定距離を空けた第1のマウント、第3のマウント及び第5のマウントを有し、前記第2の羽根板は、前記第1のマウント、第3のマウント及び第5のマウントと交錯してそれらと第1、第2、第3、第4、第5のマウントとの順序でチャンネルするように並んでいる第2のマウント及び第4のマウントを有し、前記調整手段は、前記制限部を、その付勢力によって前記回転部に当接させて該回転部と共に移動させる制限部作動ばねを更に有しており、前記第3のマウントの内周面には、前記制限部に面する制限部阻止段面が、前記回転部と共に該段面に向かって前進する前記制限部だけを阻止することができるように配置形成されており、前記ヒンジピンが前記ねじりばね側へ押されて移動すると、前記制限部は前記制限部作動ばねの付勢力により、前記回転部と係合しているまま前記ねじりばね側へ移動するが、前記制限部阻止段面と当接すると、該移動が不可能となり、前記ヒンジピンが更に移動すると、前記ヒンジピンと共に移動する前記回転部は、前記制限部から離間して係合状態が解除され、前記回転部が係合状態から解除されると、前記ねじりばねは、その捻られることにより生じるトルクに応じて、制限されずに回転することができ、前記第1と第2の羽根板を近接させる前記回動力を弱めることができることを特徴とする。
【0013】
本発明のうちの請求項5に記載の発明は、前記第1、第2のマウントを挿通してから前記第3のマウント内にまで挿し込むと共に、前記第2のマウントに回転不可能になるように係合されている第1のスリーブと、前記第5、第4のマウントを挿通してから前記第3のマウント内にまで挿し込むと共に、前記第4のマウントに回転不可能になるように係合されている第2のスリーブとを更に有し、前記ねじりばねは前記第2のスリーブ内に配置され、前記制限部及び前記回転部は前記第3のマウント内に配置され、前記制限部作動ばねは前記第1のスリーブ内に配置されており、前記第1と第5のマウントには、それぞれそれらの外周面から内周面内まで貫通し、且つ、それぞれの該マウントの円周に沿って延伸する第1と第2の弧状通孔が形成され、前記第1のスリーブ内に、第1の内キャップが取り付けられ、更に、第1の固定ピンは、前記第1の弧状通孔及び前記第1のスリーブを挿通してから、前記第1の内キャップに固定されており、前記第2のスリーブ内に、第2の内キャップが回動可能且つ摺動不可能に係止され、更に、第2の固定ピンは、前記第2の弧状通孔及び前記第2のスリーブを挿通してから、前記第2の内キャップに固定されており、前記第2のスリーブに形成された、前記第2の固定ピンが挿通される孔は、長孔として前記第2のスリーブの円周に沿って延伸するように形成され、前記第2の固定ピンは前記長孔内に摺動可能になっており、前記ねじりばねの前記回転部によりねじられる一端から離れた他端は、前記第2の内キャップに固定されていることを特徴とする。
【0014】
本発明のうちの請求項6に記載の発明は、前記第1のスリーブの内周面における前記第1の内キャップと前記制限部の間に、制限部押当てフランジが形成されており、前記制限部作動ばねの両端は、それぞれ前記制限部と前記制限部押当てフランジに当接しており、
前記ヒンジピンにブレーキフランジが形成され、該ブレーキフランジは、前記制限部押当てフランジと前記第1の内キャップとの間に配置されていると共に、その両端面にそれぞれ球面突起が形成されており、前記ブレーキフランジの両側に配置された一対のブレーキワッシャーが、前記ブレーキフランジの両側から前記球面突起に当接するように前記ブレーキフランジを挟んでおり、圧縮コイルばねからなる緩衝ばねは、その両端がそれぞれ前記第1の内キャップと前記ブレーキワッシャーの1つに当接するように配置されていることを特徴とする。
【0015】
本発明のうちの請求項7に記載の発明は、前記第1のスリーブの制限部から離れた側の端部は、第1の外キャップにより覆われ、第1の止めねじは、前記第1の外キャップと前記第1の内キャップを回動可能に挿通すると共に、前記ヒンジピンにねじ込まれており、前記第2のスリーブの前記回転部から離れた側の端部は、第2の外キャップにより覆われ、第2の止めねじは、前記第2の外キャップを回動可能に挿通すると共に、前記第2の内キャップにねじ込まれていることを特徴とする。
【0016】
本発明のうちの請求項8に記載の発明は、前記筒状のマウントは、互いに並んでチャンネルするように構成されており、前記調整手段は、少なくともその一部が前記第1の羽根板が有するマウント内にあって、他の一部が前記第2の羽根板が有するマウント内にあるように、前記第1の羽根板が有するマウントと、前記第2の羽根板が有するマウントとを回転可能に貫挿したヒンジピンを更に有しており、前記制限部は、前記ヒンジピンの前記ねじりばねから離れた端部側に配置されていると共に、前記ねじりばねに向かう一側面にカム構造を有し、更に、前記制限部は、チャンネルされた前記マウントと同軸の筒状に形成されるとともに、前記第1の羽根板が有するマウントに固定されており、前記回転部は、前記ねじりばねと前記制限部の間に介在し、且つ、前記制限部に向かう一側面に前記制限部のカム構造と係合できるカム構造が形成されているとともに、前記ねじりばねの捻られる一端と連結しており、外部からの回転操作により回転されて該ねじりばねを捻ることができることを特徴とする。
【0017】
本発明のうちの請求項9に記載の発明は、前記回転部の前記制限部に向かう一側面に、前記制限部を挿通する小径部が形成されているとともに、該小径部の先端面に、該回転部を回転させる道具の先端を挿入してそれと係止できる断面非円形の窪みが形成してあることを特徴とする。
【0018】
本発明のうちの請求項10に記載の発明は、前記第1の羽根板は、所定距離を空けた第1のマウント及び第3のマウントを有し、前記第2の羽根板は、前記第1のマウント及び第3のマウントと交錯している第2のマウント及び第4のマウントを有し、チャンネルされた前記マウントは、前記第1〜第4のマウントが順番に並ぶことにより構成されたものであり、前記制限部は、前記第1のマウントの前記第2のマウントから離れた側の端部に配置され、前記調整手段は、前記ヒンジピンと前記回転部の間に介在し、且つ、その両端がそれぞれ前記ヒンジピンと前記回転部とに当接するように配置されている制限部作動ばねを更に有しており、前記回転部が前記ヒンジピン側の方向へ押されて移動すると、前記制限部から離間して係合状態が解除され、前記回転部が係合状態から解除されると、前記ねじりばねは、その捻られることにより生じる反対方向へのトルクに応じて、制限されずに回転することができ、前記第1と第2の羽根板を近接させる前記回動力を弱めることができることを特徴とする。
【0019】
本発明のうちの請求項11に記載の発明は、前記ヒンジピンは、その大部分が前記第2のマウント内に配置されていると共に、その一端が前記第1のマウント内に挿し込まれ、前記制限部作動ばねに当接している調整段部と、前記第3のマウント内に配置されているブレーキ段部と、その大部分が前記第4のマウント内に配置されている固定段部との3つの段部により、互いに回転不可能に係止しあっており、前記ねじりばねは、前記調整段部を囲んでいると共に、その両端が前記回転部と、前記調整段部とにそれぞれ固定されており、前記第3のマウントは、マウントの中心軸方向に直交する断面が楕円形である楕円柱形の中空を有するように形成されており、前記ブレーキ段部は、略円柱状に形成されている部分の中段部周壁に、互いに対称な2つの凹部が形成されていると共に、該2つの凹部の間に、それらを連通させるばね孔が、前記円柱の軸心と交差するように真っ直ぐに開けてある本体部と、前記2つの凹部にそれぞれ嵌めこんで前記本体部と円柱状になることができるように構成されている2つの突出ブロックと、前記ばね孔内に配置されていると共に、その両端が前記2つの突出ブロックにそれぞれ当接し、該2つの突出ブロックを外側へ押し出して常に前記第3のマウントの内表面に突っ張らせるように付勢しているブレーキばねとを備えており、前記固定段部は、前記第4のマウントに回転不可能に係止されており、前記第1の羽根板が前記第2の羽根板に対して相対的に回転すると、前記第3のマウントも前記ブレーキ段部に対して回転し、前記2つの突出ブロックが前記第3のマウントの内表面に突っ張ることにより摩擦抵抗が起こり、前記回転に対する緩衝作用が起こるとともに、該緩衝作用の大小は、前記第3のマウントの内表面における楕円形断面の形状により変化させることができることを特徴とする。
【0020】
本発明のうちの請求項12に記載の発明は、前記第1の羽根板は、第2のマウントを有し、前記第2の羽根板は、前記第2のマウントを挟む第1のマウント及び第3のマウントを有しており、前記調整手段は、前記制限部を、その付勢力によって前記回転部に当接して該回転部と共に移動するようにさせる制限部作動ばねを更に有しており、前記第2のマウントの内周面には、前記制限部に面する制限部阻止段面が、前記回転部と共に該段面に向かって前進する前記制限部だけを阻止することができるように配置形成されており、前記ヒンジピンが前記ねじりばね側へ押されて移動すると、前記制限部は前記制限部作動ばねの付勢力により、前記回転部と係合しているまま前記ねじりばね側へ移動するが、前記制限部阻止段面と当接すると、該移動が不可能となり、前記ヒンジピンが更に移動すると、前記ヒンジピンと共に移動する前記回転部は、前記制限部から離間して係合状態が解除され、前記回転部が係合状態から解除されると、前記ねじりばねは、その捻られることにより生じるトルクに応じて、制限されずに回転することができ、前記第1と第2の羽根板を近接させる前記回動力を弱めることができることを特徴とする。
【0021】
本発明のうちの請求項13に記載の発明は、前記第1のマウントを挿通してから前記第2のマウント内にまで挿し込むと共に、前記第1のマウントに回転不可能になるように係合されている第1のスリーブと、前記第3のマウントを挿通してから前記第2のマウント内にまで挿し込むと共に、前記第3のマウントに回転不可能になるように係合されている第2のスリーブとを更に有し、前記ねじりばねは前記第2のスリーブ内に配置され、前記制限部及び前記回転部は前記第2のマウント内に配置され、前記制限部作動ばねは前記第1のスリーブ内に配置されており、前記第1と第3のマウントには、それぞれそれらの外周面から内周面内まで貫通し、且つ、それぞれの該マウントの円周に沿って延伸する第1と第2の弧状通孔が形成され、前記第1のスリーブ内に、第1の内キャップが取り付けられ、更に、第1の固定ピンは、前記第1の弧状通孔及び前記第1のスリーブを挿通してから、前記第1の内キャップに固定されており、前記第2のスリーブ内に、第2の内キャップが回動可能且つ摺動不可能に係止され、更に、第2の固定ピンは、前記第2の弧状通孔及び前記第2のスリーブを挿通してから、前記第2の内キャップに固定されており、前記第2のスリーブに形成された、前記第2の固定ピンにより挿通される孔は、長孔として前記第2のスリーブの円周に沿って延伸するように形成され、前記第2の固定ピンは前記長孔内に摺動可能になっており、前記ねじりばねの前記回転部によりねじられる一端から離れた他端は、前記第2の内キャップに固定されていることを特徴とする。
【0022】
本発明のうちの請求項14に記載の発明は、前記第2のマウントには、前記第1のマウントの管内へ延在すると共に、前記第1のマウントの内周面に当接する第1のベアリングが取り付けられ、前記第4のマウントには、前記第5のマウントの管内へ延在すると共に、前記第5のマウントの内周面に当接する第2のベアリングが取り付けられており、前記第1及び第2のベアリングは、共に、それぞれ前記ヒンジピンを囲むように配置されている複数のロール収容溝と、該収容溝内にそれぞれ収容され、且つそれぞれ前記第1または第5のマウントの内周面に当接する円柱状のロールベアリングとを有していることを特徴とする。
【0023】
本発明のうちの請求項15に記載の発明は、前記第2のマウントには、前記第1のマウントの管内へ延在すると共に、前記第1のマウントの内周面に当接する第1のベアリングを有し、前記第4のマウントには、前記第5のマウントの管内へ延在すると共に、前記第5のマウントの内周面に当接する第2のベアリングを有しており、前記第1のベアリングは、前記第1のマウントの管内へ延在する延伸管部と、当該延伸管部と前記第1のマウントの間に介在している銅製のベアリングチューブとを有し、前記第2のベアリングは、前記第5のマウントの管内へ延在する延伸管部と、当該延伸管部と前記第5のマウントの間に介在している銅製のベアリングチューブとを有していることを特徴とする。
【0024】
本発明のうちの請求項16に記載の発明は、前記ヒンジピンは、その大部分が前記第2のマウント内に配置されていると共に、その一端が前記第1のマウント内に挿し込んで、前記制限部作動ばねに当接している調整段部と、前記第3のマウント内に配置されているブレーキ段部と、その大部分が前記第4のマウント内に配置されている固定段部との3つの段部により、互いに回転不可能に係止しあうようになっており、前記ねじりばねは、前記調整段部を囲んでいると共に、その両端が前記回転部と、前記調整段部とにそれぞれ固定されており、前記第3のマウントは、マウントの中心軸方向に直交する断面が楕円形である楕円柱形の中空を有するように形成されており、前記ブレーキ段部は、全体として略円柱状に形成されているとともに、その中段部の周壁には、一対の切頭円錐面が前記調整段部に向かう一端側の直径が小さく、前記固定段部に向かう他端側の直径が大きくなるように、互いに対称的に形成されており、前記ブレーキ段部は、前記2つの切頭円錐状の凸部の間に、前記円柱の軸心と交差し、且つ円柱の軸心方向に延びるばね孔が、前記2つの切頭円錐状の凸部の1つから他の1つまで真っ直ぐに貫通するように開けてある本体部と、前記2つの円錐状の凸部の前記調整段部寄りの一部と嵌め合うことができ、且つ、対応の円錐凸部上で、前記円柱の軸心方向に沿って摺動すると共に、前記調整段部に接近すると前記軸心に接近し、前記固定段部に接近すると前記軸心から離間することができ、且つ、前記第3のマウントの内表面に当接して摩擦抵抗が起こるように構成されている2つの突出ブロックと、前記2つの突出ブロック及び前記ばね孔を挿通しているとともに、前記ばね孔内に、前記軸心方向に沿って摺動することができる摺動ピンと、前記ばね孔内に配置され、前記摺動ピンを囲むと共に、その両端が前記2つの突出ブロックにそれぞれ当接し、該2つの突出ブロックを外側へ押し出して常に前記第3のマウントの内表面に突っ張らせるように付勢しているブレーキばねと、前記第3のマウント内に、その付勢力により前記2つの突出ブロックを前記円錐面に沿って前記調整段部に接近させるように配置されている摺動ばねとを備えており、前記固定段部は、前記第4のマウントに回転不可能に係止されており、前記第1の羽根板が前記第2の羽根板に対して相対的に回転すると、前記第3のマウントも前記ブレーキ段部に対して回転し、前記2つの突出ブロックが前記第3のマウントの内表面に突っ張ることにより摩擦抵抗が起こり、前記回転に対する緩衝作用が起こるとともに、該緩衝作用の大小は、前記第3のマウントの内表面における楕円形断面の形状により変化させることができ、前記摺動ばねの前記2つの突出ブロックに対する付勢力により、前記緩衝作用が大きくなることを特徴とする。
【0025】
本発明のうちの請求項17に記載の発明は、前記第1のスリーブの内周面における前記第1の内キャップと前記制限部の間に、制限部押当てフランジが形成されているとともに、前記制限部作動ばねの両端は、それぞれ前記制限部と前記制限部押当てフランジに当接しており、前記ヒンジピンにブレーキフランジが形成され、該ブレーキフランジは、前記制限部押当てフランジと前記第1の内キャップとの間に配置されていると共に、その両端面にそれぞれ凹陥部が形成されており、前記ブレーキフランジの前記凹陥部に対応する球面突起を有する一対のブレーキワッシャーが、前記球面突起が前記凹陥部にはまり込むように、両側から前記ブレーキフランジを挟んでおり、スプリングディスクからなる緩衝ばねは、その両端がそれぞれ前記第1の内キャップと前記ブレーキワッシャーの1つに当接するように配置されていることを特徴とする。
【0026】
本発明のうちの請求項18に記載の発明は、前記第1のスリーブの内周面における前記第1の内キャップと前記制限部の間に、制限部押当てフランジが形成されているとともに、前記制限部作動ばねの両端は、それぞれ前記制限部と前記制限部押当てフランジに当接しており、前記ヒンジピンにブレーキフランジが形成され、該ブレーキフランジは、前記制限部押当てフランジと前記第1の内キャップとの間に配置されていると共に、その両端面にそれぞれ球面突起が形成されており、前記ブレーキフランジの前記球面突起に対応する凹陥部を有する一対のブレーキワッシャーが、前記球面突起が前記凹陥部にはまり込むように、両側から前記ブレーキフランジを挟んでおり、スプリングディスクからなる緩衝ばねは、その両端がそれぞれ前記第1の内キャップと前記ブレーキワッシャーの1つに当接するように配置されていることを特徴とする。
【0027】
本発明のうちの請求項19に記載の発明は、前記ヒンジピンは、前記第2のマウントに対して固定されていると共に、その一端が前記第1のマウント内に挿し込んで、前記制限部作動ばねに当接し、その他端が前記第4のマウント内まで延伸するように形成されており、前記第1と第2の羽根板の相対回動のブレーキ手段として、前記ヒンジピンの前記第3のマウント内における前記第2のマウント寄りの部分に固定されている第1のブレーキカムと、前記ヒンジピン及び前記第3のマウントに対して摺動可能に配置されていると共に、前記第1のブレーキカムに対応し、前記第1と第2の羽根板の相対回動方向に応じて、前記第1のブレーキカムに接近したり、離間したりすることができるように構成されている第2のブレーキカムと、その両端がそれぞれ前記第2のブレーキカム及び前記ヒンジピンの他端に固定され、前記第1と第2の羽根板の相対回動に応じて、前記第2のブレーキカムに与える付勢力を変えることができるブレーキ力調整ばねとを備えていることを特徴とする。
【0028】
本発明のうちの請求項20に記載の発明は、前記固定段部の前記第4のマウントの外側に面する端部に、雄ねじが形成されており、前記第4のマウント内に、該第4のマウントに対して回転自在且つ摺動不可能に係止されていると共に、前記固定段部の雄ねじに対応する雌ねじを有している調整キャップが配置され、前記調整キャップは、その雌ねじを前記固定段部の雄ねじとねじ合わせるように取り付けられており、前記調整キャップを正逆回転することによって、前記ヒンジピンのチャンネルされた前記マウント内における位置を調整することができ、前記調整キャップを正逆回転することで、前記ねじりばねによる前記一対の羽根板を近接させる回動力を微調整することができることを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
上記構成による自動閉め型扉用蝶番は、前記回転部にかかる前記ねじりばねの捻り具合を強める方への調整操作により、羽根板を近接する方向に回動させる付勢力の発生源となる前記ねじりばねは、何周にも捻られることができ、また、該調整操作がリリースされると、前記回転部は前記ねじりばねのトルクにより多くとも一周の逆回転内で前記制限部により係止されるので、従来のような横溝の長さに限られず、ねじりばねの材料による強度が耐えられる範囲内で、ねじりばねを何周にも絞ることができるように構成することによって、ねじりばねの開扉に対する反対方向への回動力を調整するとともに、前記ねじりばねを一時的にその捻り具合に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】従来の自動閉め型扉用蝶番の構成を示す分解図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の自動閉め型扉用蝶番の構成を示す分解図である。
【図3】同実施形態の組み立てた状態を示す上面図である。
【図4】同実施形態の組み立てた状態の構成を示す断面図である。
【図5】図3に示す5−5線に沿って切った断面図である。
【図6】図3に示す6−6線に沿って切った断面図である。
【図7】同実施形態の一部構成を示す一部分解図である。
【図8】同実施形態の一部構成を示す一部分解図である。
【図9】同実施形態の組み立て方法を示す一部分解図である。
【図10】同実施形態の組み立て方法を示す一部斜視図である。
【図11】同実施形態の組み立て方法を示す一部分解図である。
【図12】同実施形態の組み立て方法を示す一部分解図である。
【図13】図12において組み入れた部分の構成を示す断面図である。
【図14】同実施形態の組み立て方法を示す一部分解図である。
【図15】図14において組み入れた部分の構成を示す断面図である。
【図16】同実施形態の組み立て方法を示す一部分解図である。
【図17】同実施形態の組み立て方法を示す一部斜視図である。
【図18】同実施形態の組み立て方法を示す一部斜視図である。
【図19】同実施形態の組み立て方法を示す一部分解図である。
【図20】同実施形態の組み立て方法を示す一部分解図である。
【図21】図20に示す部分の組み立てた構成を示す斜視図である。
【図22】同実施形態の組み立て方法を示す一部分解図である。
【図23】本発明の第2の実施形態の自動閉め型扉用蝶番の構成を示す分解図である。
【図24】同実施形態の組み立てた状態の構成を示す断面図である。
【図25】図24に示す25−25線に沿って切った断面図である。
【図26】本発明の第3の実施形態の自動閉め型扉用蝶番の構成を示す分解図である。
【図27】同実施形態の組み立てた状態の構成を示す断面図である。
【図28】本発明の第4の実施形態の自動閉め型扉用蝶番の構成を示す分解図である。
【図29】同実施形態の組み立てた状態の構成を示す上面図である。
【図30】図29に示す30−30線に沿って切った断面図である。
【図31】図29に示す31−31線に沿って切った断面図である。
【図32】本発明の第5の実施形態の自動閉め型扉用蝶番の構成を示す分解図である。
【図33】同実施形態の組み立てた状態の構成を示す断面図である。
【図34】本発明の第6の実施形態の自動閉め型扉用蝶番の構成を示す分解図である。
【図35】同実施形態の組み立てた状態の構成を示す断面図である。
【図36】図35に示す36−36線に沿って切った断面図である。
【図37】本発明の第7の実施形態の自動閉め型扉用蝶番の構成を示す断面図である。
【図38】同実施形態の組み立てた状態の構成を示す側面図である。
【図39】同実施形態の構成を示す一部分解図である。
【図40】同実施形態の作動状態を示す側面図である。
【図41】図40に示す状態の構成を示す断面図である。
【図42】本発明の第8の実施形態の自動閉め型扉用蝶番の構成を示す断面図である。
【図43】同実施形態の構成を示す一部分解図である。
【図44】同実施形態の作動状態を示す断面図である。
【図45】本発明の第9の実施形態の自動閉め型扉用蝶番の構成を示す分解図である。
【図46】同実施形態の組み立てた状態の構成を示す断面図である。
【図47】図46に示す47−47線に沿って切った断面図である。
【図48】図47に示す48−48線に沿って切った断面図である。
【図49】本発明の第10の実施形態の自動閉め型扉用蝶番の構成を示す分解図である。
【図50】同実施形態の組み立てた状態の構成を示す断面図である。
【図51】図50に示す51−51線に沿って切った断面図である。
【図52】図51に示す52−52線に沿って切った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に関する自動閉め型扉用蝶番の好適な各実施形態を図面に基づいて具体的に説明する。なお、図面において、その構造や役割が似ている部分には、同一の参照符号を付する。
【実施例1】
【0032】
まず、図2〜図22を参照しながら本発明の自動閉め型扉用蝶番の実施形態例1を説明する。
【0033】
図2はこの実施形態例1の分解図であり、図3はその組み立てた状態の上面図である。
【0034】
図示されるように、この第1の実施形態例の自動閉め型扉用蝶番は、主に第1の羽根板210と第2の羽根板211と、ヒンジピン42とからなり、第1の羽根板210と第2の羽根板211とは、互いに回動可能に組み合わされてヒンジとして構成されている。ここで、「ヒンジとして構成」は、一対の羽根板が、中心軸のまわりに互いに揺動可能に接合された構成を意味する。
【0035】
図3及び図11に示されるように、第1の羽根板210は、所定距離を空けた第1のマウント210A、第3のマウント210B及び第5のマウント210Cを有し、第2の羽根板211は、前記第1のマウント210A、第3のマウント210B及び第5のマウント210Cと交錯してそれらと第1、第2、第3、第4、第5のマウントとの順序でチャンネルするように並んでいる第2のマウント211A及び第4のマウント211Bを有している。ここで、「チャンネルするように並ぶ」とは、簡潔には、「チャンネルを構成するように並ぶ」の意味であり、具体的には、「内部にヒンジピンを挿通可能な一連の筒状体を成すように並ぶ」ことを意味する。
【0036】
これによって、それぞれの一側縁に複数の筒状のマウントが設けられた第1の羽根板210と第2の羽根板211からなる一対の羽根板は、図示のヒンジピン42における第1のピン部421と第2のピン部422とにより、互いに回動可能に組み合わせられている。具体的には、第1のピン部421と第2のピン部422の全体の少なくとも一部が第1の羽根板210が有するマウント内にあって、他の一部が第2の羽根板211が有するマウント内にあるように、第1の羽根板210が有するマウントと、第2の羽根板211が有するマウントとを回転可能に貫挿して、一対の羽根板を互いに回動可能に組み合わせている。
【0037】
また、前記第1と第5のマウント210A、210Cには、それぞれの外周面から内周面内まで貫通しながら円周に沿って少々延伸してなる第1と第2の弧状通孔212、213が形成されている。
【0038】
ちなみに、マウントとマウントの間には、ワッシャー23が介在している。
【0039】
更に、図2、図4、図12、図16に示されるように、この実施形態例1の自動閉め型扉用蝶番は、第1、第2のマウント210A、211Aを挿通してから第3のマウント210B内にまで挿し込むと共に、第2のマウント211Aに回転不可能になるように係合されている第1のスリーブ51と、第5、第4のマウント210C、211Bを挿通してから第3のマウント210B内にまで挿し込むと共に、第4のマウント211Bに回転不可能になるように係合されている第2のスリーブ31と、を更に有している。
【0040】
また、第3のマウント210B内には、第1、2のスリーブ51、31それぞれの第3のマウント210B内に挿入している端面を阻止するための2つの階段面223、223が形成されており、該2つの階段面223、223それぞれと第1、2のスリーブ51、31それぞれの第3のマウント210B内に挿入している端面との間には、それぞれワッシャー24が介在している。
【0041】
図2、図4、図6に示されるように、第1のスリーブ51内に、第1の内キャップ55が取り付けられており、更に、第1の固定ピン52は、第1の弧状通孔212及び第1のスリーブ51を挿通してから、第1の内キャップ55に固定されている。
【0042】
また、図2、図4、図5、図14に示されるように、第2のスリーブ31内に、第2の内キャップ33が回動可能且つ摺動不可能に係止されており、更に、第2の固定ピン34は、第2の弧状通孔213及び第2のスリーブ31を挿通してから、第2の内キャップ33に固定されている。
【0043】
ちなみに、第2のスリーブ31の周壁に遊び孔としての長孔311が、その長径が第2のスリーブ31の周方向に沿って少々伸び、且つ、その長孔部分のスリーブの直径に沿う第5マウント210Cから第2の内キャップ33にかけてのねじ穴に第2の固定ピン34が挿通するように形成されている。従って、第2の固定ピン34は長孔311内に第2のスリーブ31の周方向に沿って摺動することができる。
【0044】
図2、図4、図7に示されるように、調整手段40は、ヒンジピン42と、ヒンジピン42の第2のピン部422に固定されていて、外部からのヒンジピン42に掛かる調整操作により回転される回転部412と、ヒンジピン42の第1のピン部421に摺動可能に取り付けられていると共に、回転部412とのカム結合(後述)により、回転部412の所定回転方向への回転を阻止せずに、該所定回転方向の逆方向への回転のみを阻止することができるように、回転部412を係止している制限部411とを有している。
【0045】
また、図4に示されるように、この実施形態における制限部411及び回転部412は、第3のマウント210B内に配置されている。
【0046】
図2、図4、図12に示されるように、制限部411は、ヒンジピン42の第1のピン部421により、回転可能且つ摺動可能に貫挿されていると共に、その回転部412に向かう一側面にカム構造4112が形成されており、更に、第1の羽根板が有する第3のマウント210Bに対し摺動可能且つ回転不可能になるように、第3のマウント210Bと係合している。
【0047】
図2、図4、図18に示されるように、回転部412は、ヒンジピン42の第2のピン部422に固定されていると共に、制限部411よりねじりばね32に近い箇所に配置され、且つ、前記制限部に向かう一側面に制限部411のカム構造4112と係合できるカム構造4122が形成されている。
【0048】
図2、図4、図17、図19に示されるように、ねじりばね32は、第2のスリーブ31内に配置されていると共に、その一端321(即ち、図2における左上端、そして図4における左端)が第2のピン部422に形成されている切り欠き部4225(図7参照)に挿し込まれて、調整手段40の回転部412と共に第2のピン部422に固定されており、該一端321から離れた他端322(即ち、図2における右下端、そして図4における右端)は、第2の内キャップ33に固定されている。
【0049】
ちなみに、図21に示されるように、制限部411が阻止する回転部412の所定回転方向への回転は、図中の矢印が示す方向で、即ち、ねじりばね32を緩める方向への回転、またはねじりばね32の回復力による回転であり、ねじりばね32の捻り具合を強める為、回転部412に掛かる前記所定方向の逆方向への回転が、制限部411と回転部412のカム結合により阻止されないように、制限部411及び回転部412のカム構造4112、4122を設計構成する必要がある。
【0050】
また、図2、図4、図10に示されるように、調整手段40は、第1のスリーブ内51内に配置されていると共に、制限部411を、その付勢力によって回転部412に当接してそれと共に移動するようにさせる制限部作動ばね413を更に有している。更に、第3のマウント210Bの内周面には、図13、15に示されるように、制限部411に面する制限部阻止段面218が、回転部412と共に該段面218に向かって前進する制限部411だけを阻止することができるように配置形成されている。
【0051】
更に、図2、図4、図15に示されるように、第1のスリーブ51の内周面における第1の内キャップ55と制限部411との間に、制限部押当てフランジ510が形成され、制限部作動ばね413の両端は、それぞれ制限部411と制限部押当てフランジ510に当接している。
【0052】
また、図2、図4、図7、図9、図15に示されるように、ヒンジピン40の第1ピン部421にブレーキフランジ53が形成され、該ブレーキフランジ53は、制限部押当てフランジ510と第1の内キャップ55との間に配置されていると共に、その両端面にそれぞれ球面突起533が形成されている。該ブレーキフランジ53の内キャップ55側に一対のブレーキワッシャー532、制限部押し当てフランジ側に一対のブレーキワッシャー534が配置され、ブレーキフランジ53の両側からそれぞれ球面突起533に当接するように前記ブレーキフランジ53を挟んでおり、更にまた、圧縮コイルばねからなる緩衝ばね54は、その両端がそれぞれ第1の内キャップ55とブレーキワッシャー532に当接するように配置されている。
【0053】
ブレーキフランジ53と、一対のブレーキワッシャー532、534と、緩衝ばね54は、ブレーキ手段として第1と第2の羽根板210、211の相対回転のスピードを抑えることができる。
【0054】
ちなみに、緩衝ばね54と制限部作動ばね413は、図8に示されるように、スプリングディスク54aを用いることもできる。
【0055】
更に、図2、図4、図22に示されるようにこの実施形態では、第1のスリーブ51の制限部411から離れた端部は、第1の外キャップ57により覆われ、更に、第1の止めねじ58は、第1の外キャップ57と第1の内キャップ55を回動可能に挿通すると共に、ヒンジピン42の第1のピン部421にねじ込んでおり、また、第2のスリーブ31の回転部412から離れた端部も、第2の外キャップ36により覆われ、更に、第2の止めねじ37は、第2の外キャップ36を回動可能に挿通すると共に、第2の内キャップ33にねじ込んでいる。
【0056】
図2、図20に示されるように、ヒンジピン42における第2のピン部422の前記チャンネルされたマウントの外側(図2、図20に示す例では右下側)に面する端面、即ち第2の内キャップ33に面する端面に、ヒンジピン42を回転させるために、例えば六角棒スパナなどの道具の先端を挿入した際に係合する断面非円形(この実施形態では六角形)の窪み4221が形成してある。ここで、「マウントの外側」とは、チャンネルを構成するように並べられたマウント(筒状体を成すように並んだマウント)の上記道具が挿入される端部側を意味する。
【0057】
以上の構成により、本発明の自動閉め型扉用蝶番は、ねじりばね32の付勢力により、前記一対の羽根板210、211を近接させる回動力が発生でき、また、前記ヒンジピン42を含む調整手段40(後述)のねじりばね32に対する調整によって、前記付勢力が変えられるように構成されている。
【0058】
ねじりばね32の付勢力を調整する具体的な方法として、例えば六角棒スパナなどの道具を第2のピン部422の窪み4221に挿入してから、ヒンジピン42を経由して回転部412をねじりばね32の捻り具合を強める方向に回転させることによって行うことができる。このねじりばね32の捻り具合を強める方向への回転は、制限部411と回転部412とのカム結合によって阻止されないため、ねじりばね32自身の強度が耐えられる範囲内で、ねじりばね32を何周にも捻ることができる。また、該調整操作がリリースされると、回転部412はねじりばね32の回復力によって逆転するが、この逆転はすぐ制限部411と回転部412とのカム結合によって阻止されるので、逆転の範囲は一回転以内に制限することができる。従って、ねじりばね32の捻り具合を、制限部411と回転部412のカム結合によって一時的に保つことができる。
【0059】
また、ねじりばね32の捻り具合を弱めようとする場合は、例えば六角棒スパナなどの道具を第1のピン部421の窪みに挿入してから、ヒンジピン42をねじりばね32の方向へ押すと、最初、制限部411が制限部作動ばね413の付勢力により、回転部412と係合しているままねじりばね32側へ移動するが、制限部411が制限部阻止段面218と当接すると、制限部411の該移動が不可能となり、その後、ヒンジピン42を更に移動すると、ヒンジピン42と共に移動する回転部412は、制限部411から離間して係合状態が解除され、即ち、ねじりばね32の回復力による逆転を阻止する力がなくなるので、ねじりばね32は、その捻られることにより生じるトルクに応じて、制限されずに逆転して緩くなることができ、従って前記第1と第2の羽根板210、211を近接させる回動力を弱めることになる。
【実施例2】
【0060】
次いで、本発明の第2の実施例について詳しく説明する。
【0061】
図23〜図25は、本発明の第2の実施形態を示しており、図示されるように、この第2の実施形態は第1の実施形態と似ている構成を有するため、以下はその相違点のみ挙げて説明する。
【0062】
この実施形態において、第1の羽根板111は、所定距離を空けた第1のマウント111A及び第3のマウント111Bを有し、第2の羽根板112は、第1のマウント111A及び第3のマウント111Bと交錯している第2のマウント112A及び第4のマウント112Bを有する。
【0063】
第1〜第4のマウント111A、112A、111B、112Bは順番に並ぶことによってチャンネルされたマウントを構成し、そしてヒンジピン13が該チャンネルされたマウントを挿通することによって、第1の羽根板111と第2の羽根板112はヒンジピン13を回転軸として相対回動することができる。
【0064】
調整手段における制限部131は、第1のマウント111Aの外側寄りの位置に固定されていると共に、前記チャンネルされたマウントの内側に向かう一側面にカム構造1311を有し、更に、前記チャンネルされたマウントと同軸の筒状に形成されている。
【0065】
回転部132は、制限部131の前記チャンネルされたマウントの内側に向かう一側面に隣接され、その前記制限部に向かう一側面に前記制限部のカム構造1311と係合できるカム構造1321が形成されているとともに、制限部131に向かう一側面に、筒状の制限部131に挿通される小径部1323が形成され、更に、該小径部1323の先端面に、該回転部を回転させる道具の先端を挿入した際に係合する断面非円形(この実施形態では六角形)の窪み1322が形成してある。
【0066】
また、調整手段は、ヒンジピン13と回転部132との間に介在し、且つ、その両端がそれぞれヒンジピン13と回転部132とに当接するように配置されている制限部作動ばね133を更に有していて、その付勢力で常に回転部132を制限部131に押し当てることができる。
【0067】
更に、この実施形態において、ヒンジピン13は、1つ目の段部である調整段部130の大部分が第2のマウント112A内に配置されていると共に、その一端が第1のマウント111A内に挿し込まれて制限部作動ばね133に当接しており、2つ目の段部であるブレーキ段部140が第3のマウント111B内に配置されており、3つ目の段部である固定段部135がその大部分が第4のマウント112B内に配置されるように構成されている。また、これらの3つの段部は、互いに回転不可能に係止しあうように構成されている。
【0068】
第1と第2の羽根板111、112を近接させる回動力の発生源であるねじりばね120は、調整段部130を囲んでいると共に、その両端が回転部132と、調整段部130とにそれぞれ固定されている。
【0069】
また、この実施形態において、第3のマウント111Bは、マウントの中心軸方向に直交する断面が楕円形である楕円柱形の中空を有するように形成されている。
【0070】
ブレーキ段部140は、略円柱状に形成されている本体部141を有しており、該本体部141の中段部の周壁に、互いに対称な2つの凹部1410、1410が形成されていると共に、それら2つの凹部1410、1410を連通させるばね孔1411が、前記円柱の軸心と交差するように真っ直ぐに開けてある。また、ブレーキ段部140は、前記2つの凹部1410、1410にそれぞれ嵌めこんで前記本体部141の側面と円柱状になることができるように構成されている2つの突出ブロック143と、ばね孔1411内に配置されていると共に、その両端が2つの突出ブロック143、143にそれぞれ当接し、該2つの突出ブロック143、143を外側へ押し出して、図25に示されるように、常に第3のマウント111Bの内表面113に突っ張らせるように付勢しているブレーキばね142とを備えている。
【0071】
また、固定段部135は、第4のマウント112Bに回転不可能に係止されている。
【0072】
この構成は、第1の実施形態と同じ機能を発揮できるとともに、第1の羽根板111が第2の羽根板112に対して相対的に回転すると、第3のマウント111Bもブレーキ段部140に対して回転するようになり、この場合、2つの突出ブロック143が第3のマウント111Bの内表面113に突っ張ることにより摩擦抵抗が起こり、前記回転に対する緩衝作用が起こるとともに、該緩衝作用の大小は、第3のマウント111Bの内表面113における楕円形断面の形状に応じて変化させることができる。
【実施例3】
【0073】
次いで、本発明の第3の実施例について詳しく説明する。
【0074】
図26〜図27は、本発明の第3の実施形態を示しており、図示されるように、この第3の実施形態は第1の実施形態より、第1と第2の羽根板の相対回転のスピードを抑えるブレーキ手段を省略することによって簡単化された構成を有している。以下はその相違点のみを挙げて説明する。
【0075】
図示されるように、この実施形態における第1の羽根板210は、第2のマウント210Aを有し、そして第2の羽根板220は、前記第2のマウント210Aを両側から挟む第1のマウント220A及び第3のマウント220Bを有しており、また、2つの弧状通孔220C、220Dは、それぞれ第1のマウント220A及び第3のマウント220Bに形成されている。
【実施例4】
【0076】
次いで、本発明の第4の実施例について詳しく説明する。
【0077】
図28〜図31は、本発明の第4の実施形態を示しており、図示されるように、この第4の実施形態は、第1の実施形態の変化例であるが、その第1と第2の羽根板にそれぞれ設けてあるマウントの間には、ベアリング手段が設けてある。
【0078】
以下はそのベアリング手段に重点をおいて説明する。
【0079】
図示されるように、第1の羽根板310は第1、第3、第5のマウント313A、312、313Bを有し、第2の羽根板320は第1と第3のマウント313A、312の間に介在している第2のマウント321Aと、第3と第5のマウント312、313Bの間に介在している第4のマウント321Bとを有している。第2、第3、第4のマウント321A、312、321Bがほぼ同じ内径を有する一方、第1、第5のマウント313A、313Bは、第2、第3、第4のマウント321A、312、321Bより内径が大きく形成されている。
【0080】
第2のマウント321Aの図中における左側には、左側へと第1のマウント313Aの管内へ延在すると共に、第1のマウント313Aの内周面に当接する第1のベアリング315Aが取り付けられ、また、第4のマウント321Bの図中における右側には、右側へと第5のマウント313Bの管内へ延在すると共に、第5のマウント313Bの内周面に当接する第2のベアリング315Bが取り付けられている。
【0081】
第1及び第2のベアリング315A、315Bは、共に、それぞれヒンジピン330を囲むように配置されている複数のロール収容溝3151と、該収容溝3151内にそれぞれ収容され、且つそれぞれ第1のマウント313Aまたは第5のマウント313Bの内周面に当接する円柱状のロールベアリング3152とを有している。
【0082】
この構成により、第1と第2の羽根板310、320が相対回転を行うと、第1及び第2のベアリング315A、315Bがそれぞれ有するロールベアリング3152は共にローリング回転を行ない、第1と第2の羽根板との相対回転をよりスムーズにさせることができる。
【0083】
また、この実施形態例では、第1の羽根板310と第2の320との相対回転を減速させるブレーキ手段として、図8と同じくスプリングディスクが用いられている。
【実施例5】
【0084】
次いで、本発明の第5の実施例について詳しく説明する。
【0085】
図32〜図33は、本発明の第5の実施形態を示しており、図示されるように、この第5の実施形態例は第4の実施形態の変化例であるが、ロールベアリング手段の替わりに、銅製のベアリングチューブ423が用いられている。
【実施例6】
【0086】
次いで、本発明の第6の実施例について詳しく説明する。
【0087】
図34〜図36は本発明の第6の実施形態を示しており、図示されるように、この第6の実施形態例は第2の実施形態の変化例であり、ほぼ同じ構成を有しているため、以下はその相違点に重点を置いて説明する。
【0088】
図示されるように、この実施形態例において、ブレーキ段部540の本体部541の略円柱状に形成されている部分の中段部周壁には、一対の切頭円錐状の凸部5413、5413が、調整段部56に向かう一端側の直径が小さくて、固定段部546に向かう他端側の直径が大きくなるように、互いに対称的に形成されていると共に、それら2つの切頭円錐状の凸部5413、5413を連通させるばね孔5414が、前記円柱の軸心と交差するように真っ直ぐに貫通して開けてある。
【0089】
更に、この実施形態例では2つの突出ブロック542、542及びばね孔5414を挿通している摺動ピン544と、第3のマウント513内に配置されている摺動ばね545とを有している。
【0090】
2つの突出ブロック542は、それぞれ2つの切頭円錐状の凸部5413、5413の調整段部56寄りの一部と嵌め合うことができ、且つ、対応の切頭円錐状の凸部5413上で、前記円柱の軸心方向に沿って摺動する。
【0091】
摺動ピン544は、2つの突出ブロック542、542を外側へ押し出して常に第3のマウント513の内表面5131に突っ張らせるように付勢しているブレーキばね543により囲まれ、且つ、ブレーキばね543と共にばね孔5414内に、前記軸心方向に沿って摺動することができるように配置されている。
【0092】
摺動ばね545は、その付勢力により2つの突出ブロック542、542を切頭円錐状の凸部5413に沿って調整段部56に接近させるように配置構成されている。更に、この実施例において、固定段部546はブレーキ段部540に対して回転可能になっていると共に、カム突起5461を介してブレーキ段部540に当接するように構成されており、固定段部546を回すと、カム突起5461とブレーキ段部540の当接により、ブレーキ段部540の前後位置を変えることができる。
【0093】
よって、第3のマウント513Bのマウントの中心軸方向に直交する断面が楕円形であることにより、扉が閉まっている状態、つまり、ブレーキ段部540の本体部541が調整段部56に接近している状態では、それぞれ2つの突出ブロック542は前記軸心に接近する。一方、扉が開いた状態、つまり、ブレーキ段部540の本体部541が固定段部546に接近した状態では、それぞれ2つの突出ブロック542は前記軸心から離間することで第3のマウント513の内表面5131に当接して摩擦抵抗が起こる。
【0094】
この構成により、第1の羽根板511が第2の羽根板512に対して相対的に回転すると、第3のマウント513もブレーキ段部540に対して回転し、この場合、2つの突出ブロック542、542の第3のマウント513の内表面5131に突っ張ることにより摩擦抵抗が起こり、前記回転に対する緩衝作用が起こるとともに、該緩衝作用の大小は、第3のマウント513の内表面5131における楕円形断面の形状により変化することができ、また、摺動ばね545の2つの突出ブロック542、542に対する付勢力により、前記緩衝作用が一層大きくなる。
【実施例7】
【0095】
次いで、本発明の第7の実施例について詳しく説明する。
【0096】
図37〜図41は本発明の第7の実施形態を示しており、図示されるように、この第7の実施形態例は第1の実施形態例の変化例であるが、ブレーキ手段の構成が変えられたものである。
【0097】
この実施形態例において、ヒンジピン631に形成されたブレーキフランジ6310の両端面にそれぞれ斜面6312を有する凹陥部6311が形成されており、また、ブレーキフランジ6310の両側に配置されている一対のブレーキワッシャー632、632に、それぞれ斜面6312に対応する球面突起6321が凹陥部6311に嵌めこむことができるように形成されている。
【0098】
この構成により、図40と図41に示されるように、第2の羽根板612が第1の羽根板611に対して例えば45°回動すると、球面突起6321が当接する斜面6312の勾配に応じてブレーキ効果を変えることができる。
【0099】
更に、この実施形態における緩衝ばね633としては、スプリングディスクが用いられている。
【実施例8】
【0100】
次いで、本発明の第8の実施例について詳しく説明する。
【0101】
図42〜図44は、本発明の第8の実施形態例を示しており、図示されるように、この第8の実施形態例は、第7の実施形態の変化例であるが、ブレーキ手段の構成が変えられたものである。
【0102】
この実施形態において、ヒンジピン731に形成されたブレーキフランジ7310の両端面にそれぞれ球面突起7311が形成され、また、ブレーキフランジ7310の両側に配置されている一対のブレーキワッシャー732、732に、球面突起7311に対応する斜面7322を有する凹陥部7321が形成されている。
【0103】
この構成も、第7の実施形態と同じ効果を発揮することができる。
【実施例9】
【0104】
次いで、本発明の第9の実施例について詳しく説明する。
【0105】
図45〜図48は本発明の第9の実施形態例を示しており、図示されるように、この第9の実施形態は第6の実施形態例の変化例であるが、調整手段における制限部及び回転部の構成と、ブレーキ手段の構成が変えられたものである。
【0106】
図示されるように、この実施形態例において、チャンネルされたマウントの両側に配置されている第1と第4のマウント8122、8112内にそれぞれ制限部850が固定され、また、ヒンジピン83の両端に2つの制限部850にそれぞれ対応してカム結合している回転部851が取り付けられている。
【0107】
この実施形態例において、ヒンジピン83は、第2のマウント8111に対して固定されていると共に、その一端830が第1のマウント8122内に挿し込まれ、第1の制限部作動ばね852に当接し、その他端831が第4のマウント8112内まで延伸して、第2の制限部作動ばね853に当接するように配置形成されている。
【0108】
更に、第1と第2の羽根板812、811の相対回動のブレーキ手段として、ヒンジピン83の第3のマウント8121内における第2のマウント8111寄りの部分に固定されている第1のブレーキカム8313と、第1のブレーキカム8313に対応し、ヒンジピン83により貫挿されていると共に、第1のブレーキカム8313に対応する面の反対側に摺動リブ8322を有することによりヒンジピン83及び第3のマウント8121に対して摺動可能に配置され、更に、第1と第2の羽根板812、811の相対回動方向に応じて、第1のブレーキカム8313に接近したり、離間したりするができるように構成されている第2のブレーキカム832と、その両端がそれぞれ第2のブレーキカム832及びヒンジピン83の他端831に固定されていて、第1と第2の羽根板812、811の相対回動に応じて、第2のブレーキカム832に与える付勢力を変えることができるブレーキ力調整ばね820とを備えている。
【実施例10】
【0109】
次いで、本発明の第10の実施形態例について詳しく説明する。
【0110】
図49〜図52は本発明の第10の実施形態例を示しており、図示されるように、この第10の実施形態例は第6の実施形態例の変化例であるが、固定段部の構成が変えられたものである。
【0111】
図示されるように、第4のマウント9121の外側に面するヒンジピン930の固定段部931の端部に雄ねじ9311が形成され、また、第4のマウント9121内で該第4のマウント9121に対して回転自在且つ摺動不可能に係止されていて、固定段部931の雄ねじ9311に対応してねじ合うことができる雌ねじ窪み9331を有している調整キャップ933が配置されている。
【0112】
また、調整キャップ933の外側には外部から調整キャップ933自身を回転させる道具の先端を挿入してそれと係合する断面非円形(ここでは六角形)の窪み9332が形成してある。
【0113】
この構成により、外部から道具を窪み9332に挿入して調整キャップ933を正逆回転することによって、ヒンジピン930のチャンネルされたマウント内における位置を調整し、突出ブロック932、932によるブレーキ効果を変えることができる。そして、図52に示されるように、この実施例は第2、第6の実施例と同じように、第1の羽根板911が第2の羽根板912に対して相対的に回転すると、2つの突出ブロック932が第3のマウントの内表面913に突っ張ることにより摩擦抵抗が起こり、前記回転に対する緩衝作用が起こる。また、該緩衝作用の大小は、内表面913における楕円形断面の形状に応じて変化することができる。
【0114】
また、ヒンジピン930の位置を調整しない時には、調整キャップ933を挿通して固定段部931にねじ込む締めねじ934を用いて、調整キャップ933を固定段部931に締めつけることができる。
【産業上の利用可能性】
【0115】
叙上のように、本発明の自動閉め型扉用蝶番は、マウント内に設置した回転部によって回転部にかかる前記ねじりばねの捻り具合を強める方への調整操作することにより、羽根板を近接に回動させる付勢力の発生源となる前記ねじりばねは、何周にも捻られることができるようになる。また、該調整操作がリリースされると、前記回転部は前記ねじりばねのトルクにより多くとも一周の逆回転内で前記制限部により係止される。よって、従来のような横溝の長さに限られず、ねじりばねの材料による強度が耐えられる範囲内で、ねじりばねを何周にも絞ることができるように構成することによって、ねじりばねの開扉に対する反対方向への回動力を調整できるとともに、前記ねじりばねを一時的にその捻り具合に保つことができる。
【符号の説明】
【0116】
111 第1の羽根板
111A 第1のマウント
111B 第3のマウント
112 第2の羽根板
112A 第2のマウント
112B 第4のマウント
113 内表面
120 ねじりばね
13 ヒンジピン
130 調整段部
131 制限部
1311 カム構造
132 回転部
1321 カム構造
1322 窪み
1323 小径部
133 制限部作動ばね
135 固定段部
140 ブレーキ段部
141 本体部
1410 凹部
1411 ばね孔
142 ブレーキばね
143 突出ブロック
210 第1の羽根板
210A 第2のマウント
210 第1の羽根板
210A 第1のマウント
210B 第3のマウント
210C 第5のマウント
212 第1の弧状通孔
213 第2の弧状通孔
218 制限部阻止段面
220 第2の羽根板
220A 第2のマウント
220B 第3のマウント
220C 弧状通孔
220D 弧状通孔
211 第2の羽根板
211A 第2のマウント
211B 第4のマウント
223 階段面
23 ワッシャー
24 ワッシャー
31 第2のスリーブ
310 第1の羽根板
311 長孔
312 第3のマウント
313A 第1のマウント
313B 第5のマウント
3151 ロール収容溝
3152 ロールベアリング
315A 第1のベアリング
315B 第2のベアリング
32 ねじりばね
320 第2の羽根板
321 ねじりばねの一端
321A 第2のマウント
321B 第4のマウント
322 ねじりばねの他端
33 第2の内キャップ
330 ヒンジピン
34 第2の固定ピン
36 第2の外キャップ
37 第2の止めねじ
411 制限部
4112 カム構造
4122 カム構造
412 回転部
4122 カム構造
413 制限部作動ばね
42 ヒンジピン
421 第1のピン部
422 第2のピン部
4221 窪み
4225 切り欠き部
423 ベアリングチューブ
51 第1のスリーブ
510 制限部押当てフランジ
513 第3のマウント
5131 内表面
52 第1の固定ピン
53 ブレーキフランジ
532 ブレーキワッシャー
533 球面突起
534 ブレーキワッシャー
540 ブレーキ段部
54 緩衝ばね
541 本体部
5413 切頭円錐面
5414 ばね孔
542 突出ブロック
544 摺動ピン
545 摺動ばね
546 固定段部
5461 カム突起
54a スプリングディスク
55 第1の内キャップ
56 調整段部
57 第1の外キャップ
58 第1の止めねじ
611 第1の羽根板
612 第2の羽根板
631 ヒンジピン
6310 ブレーキフランジ
6311 凹陥部
6312 斜面
632 ブレーキワッシャー
6321 球面突起
633 緩衝ばね
731 ヒンジピン
7310 ブレーキフランジ
7311 球面突起
732 ブレーキワッシャー
7321 凹陥部
7322 斜面
8111 第2のマウント
8112 第4のマウント
8121 第3のマウント
8122 第1のマウント
820 ブレーキ力調整ばね
83 ヒンジピン
830 ヒンジピンの一端
831 ヒンジピンの他端
8313 第1のブレーキカム
832 第2のブレーキカム
8322 摺動リブ
850 制限部
851 回転部
852 第1の制限部作動ばね
853 第2の制限部作動ばね
9121 第4のマウント
930 ヒンジピン
931 固定段部
9311 雄ねじ
933 調整キャップ
934 締めねじ
9331 雌ねじ
9332 窪み

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1と第2の羽根板からなる一対の羽根板が、それぞれの側縁に設けられた筒状のマウントで互いに回動可能に組み合わせられてヒンジとして構成されているとともに、ねじりばねの付勢力により、前記一対の羽根板を近接させる回動力が発生され、調整手段のねじりばねに対する調整により、前記付勢力が変えられるように構成されている自動閉め型扉用蝶番において、
前記調整手段は、外部からの調整操作により回転されると共に、前記ねじりばねの捻り具合を変えることができるように構成されている回転部と、前記回転部を、前記ねじりばねの捻り具合を強める方向への回転を阻止せずに、緩める方向への回転のみを阻止することができるように係止している制限部とを有し、
前記回転部にかかる前記ねじりばねの捻り具合を強める側への調整操作により、前記ねじりばねは何周にも捻られることができ、該調整操作がリリースされると、前記回転部は前記ねじりばねのトルクにより多くとも一周の逆回転内で前記制限部により係止され、前記ねじりばねを一時的にその捻り具合に保つことができることを特徴とする自動閉め型扉用蝶番。
【請求項2】
前記筒状のマウントは、互いに並んでチャンネルするように構成されており、
前記調整手段は、少なくともその一部が前記第1の羽根板が有するマウント内にあって、他の一部が前記第2の羽根板が有するマウント内にあるように、前記第1の羽根板が有するマウントと、前記第2の羽根板が有するマウントとを回転可能に貫挿したヒンジピンを更に有しており、
前記制限部は、前記ヒンジピンにより、回転可能且つ摺動可能に貫挿されていると共に、前記回転部に向かう一側面にカム構造が形成されており、更に、前記第1の羽根板が有するマウントに対し摺動可能且つ回転不可能になるように、前記第1の羽根板が有するマウントと係合しており、
前記回転部は、前記ヒンジピンに固定されていると共に、前記制限部より前記ねじりばねに近い箇所に配置され、且つ、前記制限部に向かう一側面に該制限部のカム構造と係合できるカム構造が形成されているとともに、前記ねじりばねが捻られる一端と連結しており、前記ヒンジピンにかかる回転操作により回転されて該ねじりばねを捻ることができることを特徴とする請求項1に記載の自動閉め型扉用蝶番。
【請求項3】
前記ヒンジピンのチャンネルされた前記マウントの外側に面する端面に、前記ヒンジピンを回転させる道具の先端を挿入してそれと係合する断面非円形の窪みが形成してあることを特徴とする請求項2に記載の自動閉め型扉用蝶番。
【請求項4】
前記第1の羽根板は、所定距離を空けた第1のマウント、第3のマウント及び第5のマウントを有し、前記第2の羽根板は、前記第1のマウント、第3のマウント及び第5のマウントと交錯してそれらと第1、第2、第3、第4、第5のマウントとの順序でチャンネルするように並んでいる第2のマウント及び第4のマウントを有し、
前記調整手段は、前記制限部を、その付勢力によって前記回転部に当接させて該回転部と共に移動させる制限部作動ばねを更に有しており、
前記第3のマウントの内周面には、前記制限部に面する制限部阻止段面が、前記回転部と共に該段面に向かって前進する前記制限部だけを阻止することができるように配置形成されており、
前記ヒンジピンが前記ねじりばね側へ押されて移動すると、前記制限部は前記制限部作動ばねの付勢力により、前記回転部と係合しているまま前記ねじりばね側へ移動するが、前記制限部阻止段面と当接すると、該移動が不可能となり、前記ヒンジピンが更に移動すると、前記ヒンジピンと共に移動する前記回転部は、前記制限部から離間して係合状態が解除され、前記回転部が係合状態から解除されると、前記ねじりばねは、その捻られることにより生じるトルクに応じて、制限されずに回転することができ、前記第1と第2の羽根板を近接させる前記回動力を弱めることができることを特徴とする請求項2に記載の自動閉め型扉用蝶番。
【請求項5】
前記第1、第2のマウントを挿通してから前記第3のマウント内にまで挿し込むと共に、前記第2のマウントに回転不可能になるように係合されている第1のスリーブと、前記第5、第4のマウントを挿通してから前記第3のマウント内にまで挿し込むと共に、前記第4のマウントに回転不可能になるように係合されている第2のスリーブとを更に有し、
前記ねじりばねは前記第2のスリーブ内に配置され、前記制限部及び前記回転部は前記第3のマウント内に配置され、前記制限部作動ばねは前記第1のスリーブ内に配置されており、
前記第1と第5のマウントには、それぞれそれらの外周面から内周面内まで貫通し、且つ、それぞれの該マウントの円周に沿って延伸する第1と第2の弧状通孔が形成され、
前記第1のスリーブ内に、第1の内キャップが取り付けられ、更に、第1の固定ピンは、前記第1の弧状通孔及び前記第1のスリーブを挿通してから、前記第1の内キャップに固定されており、
前記第2のスリーブ内に、第2の内キャップが回動可能且つ摺動不可能に係止され、更に、第2の固定ピンは、前記第2の弧状通孔及び前記第2のスリーブを挿通してから、前記第2の内キャップに固定されており、
前記第2のスリーブに形成された、前記第2の固定ピンが挿通される孔は、長孔として前記第2のスリーブの円周に沿って延伸するように形成され、前記第2の固定ピンは前記長孔内に摺動可能になっており、
前記ねじりばねの前記回転部によりねじられる一端から離れた他端は、前記第2の内キャップに固定されていることを特徴とする請求項4に記載の自動閉め型扉用蝶番。
【請求項6】
前記第1のスリーブの内周面における前記第1の内キャップと前記制限部の間に、制限部押当てフランジが形成されており、前記制限部作動ばねの両端は、それぞれ前記制限部と前記制限部押当てフランジに当接しており、
前記ヒンジピンにブレーキフランジが形成され、該ブレーキフランジは、前記制限部押当てフランジと前記第1の内キャップとの間に配置されていると共に、その両端面にそれぞれ球面突起が形成されており、
前記ブレーキフランジの両側に配置された一対のブレーキワッシャーが、前記ブレーキフランジの両側から前記球面突起に当接するように前記ブレーキフランジを挟んでおり、
圧縮コイルばねからなる緩衝ばねは、その両端がそれぞれ前記第1の内キャップと前記ブレーキワッシャーの1つに当接するように配置されていることを特徴とする請求項5に記載の自動閉め型扉用蝶番。
【請求項7】
前記第1のスリーブの制限部から離れた側の端部は、第1の外キャップにより覆われ、第1の止めねじは、前記第1の外キャップと前記第1の内キャップを回動可能に挿通すると共に、前記ヒンジピンにねじ込まれており、
前記第2のスリーブの前記回転部から離れた側の端部は、第2の外キャップにより覆われ、第2の止めねじは、前記第2の外キャップを回動可能に挿通すると共に、前記第2の内キャップにねじ込まれていることを特徴とする請求項6に記載の自動閉め型扉用蝶番。
【請求項8】
前記筒状のマウントは、互いに並んでチャンネルするように構成されており、
前記調整手段は、少なくともその一部が前記第1の羽根板が有するマウント内にあって、他の一部が前記第2の羽根板が有するマウント内にあるように、前記第1の羽根板が有するマウントと、前記第2の羽根板が有するマウントとを回転可能に貫挿したヒンジピンを更に有しており、
前記制限部は、前記ヒンジピンの前記ねじりばねから離れた端部側に配置されていると共に、前記ねじりばねに向かう一側面にカム構造を有し、更に、前記制限部は、チャンネルされた前記マウントと同軸の筒状に形成されるとともに、前記第1の羽根板が有するマウントに固定されており、
前記回転部は、前記ねじりばねと前記制限部の間に介在し、且つ、前記制限部に向かう一側面に前記制限部のカム構造と係合できるカム構造が形成されているとともに、前記ねじりばねの捻られる一端と連結しており、外部からの回転操作により回転されて該ねじりばねを捻ることができることを特徴とする請求項1に記載の自動閉め型扉用蝶番。
【請求項9】
前記回転部の前記制限部に向かう一側面に、前記制限部を挿通する小径部が形成されているとともに、該小径部の先端面に、該回転部を回転させる道具の先端を挿入してそれと係止できる断面非円形の窪みが形成してあることを特徴とする請求項8に記載の自動閉め型扉用蝶番。
【請求項10】
前記第1の羽根板は、所定距離を空けた第1のマウント及び第3のマウントを有し、前記第2の羽根板は、前記第1のマウント及び第3のマウントと交錯している第2のマウント及び第4のマウントを有し、
チャンネルされた前記マウントは、前記第1〜第4のマウントが順番に並ぶことにより構成されたものであり、
前記制限部は、前記第1のマウントの前記第2のマウントから離れた側の端部に配置され、前記調整手段は、前記ヒンジピンと前記回転部の間に介在し、且つ、その両端がそれぞれ前記ヒンジピンと前記回転部とに当接するように配置されている制限部作動ばねを更に有しており、
前記回転部が前記ヒンジピン側の方向へ押されて移動すると、前記制限部から離間して係合状態が解除され、前記回転部が係合状態から解除されると、前記ねじりばねは、その捻られることにより生じる反対方向へのトルクに応じて、制限されずに回転することができ、前記第1と第2の羽根板を近接させる前記回動力を弱めることができることを特徴とする請求項8に記載の自動閉め型扉用蝶番。
【請求項11】
前記ヒンジピンは、その大部分が前記第2のマウント内に配置されていると共に、その一端が前記第1のマウント内に挿し込まれ、前記制限部作動ばねに当接している調整段部と、前記第3のマウント内に配置されているブレーキ段部と、その大部分が前記第4のマウント内に配置されている固定段部との3つの段部により、互いに回転不可能に係止しあっており、
前記ねじりばねは、前記調整段部を囲んでいると共に、その両端が前記回転部と、前記調整段部とにそれぞれ固定されており、
前記第3のマウントは、マウントの中心軸方向に直交する断面が楕円形である楕円柱形の中空を有するように形成されており、
前記ブレーキ段部は、略円柱状に形成されている部分の中段部周壁に、互いに対称な2つの凹部が形成されていると共に、該2つの凹部の間に、それらを連通させるばね孔が、前記円柱の軸心と交差するように真っ直ぐに開けてある本体部と、前記2つの凹部にそれぞれ嵌めこんで前記本体部と円柱状になることができるように構成されている2つの突出ブロックと、前記ばね孔内に配置されていると共に、その両端が前記2つの突出ブロックにそれぞれ当接し、該2つの突出ブロックを外側へ押し出して常に前記第3のマウントの内表面に突っ張らせるように付勢しているブレーキばねとを備えており、
前記固定段部は、前記第4のマウントに回転不可能に係止されており、
前記第1の羽根板が前記第2の羽根板に対して相対的に回転すると、前記第3のマウントも前記ブレーキ段部に対して回転し、前記2つの突出ブロックが前記第3のマウントの内表面に突っ張ることにより摩擦抵抗が起こり、前記回転に対する緩衝作用が起こるとともに、該緩衝作用の大小は、前記第3のマウントの内表面における楕円形断面の形状により変化させることができることを特徴とする請求項10に記載の自動閉め型扉用蝶番。
【請求項12】
前記第1の羽根板は、第2のマウントを有し、前記第2の羽根板は、前記第2のマウントを挟む第1のマウント及び第3のマウントを有しており、
前記調整手段は、前記制限部を、その付勢力によって前記回転部に当接して該回転部と共に移動するようにさせる制限部作動ばねを更に有しており、
前記第2のマウントの内周面には、前記制限部に面する制限部阻止段面が、前記回転部と共に該段面に向かって前進する前記制限部だけを阻止することができるように配置形成されており、
前記ヒンジピンが前記ねじりばね側へ押されて移動すると、前記制限部は前記制限部作動ばねの付勢力により、前記回転部と係合しているまま前記ねじりばね側へ移動するが、前記制限部阻止段面と当接すると、該移動が不可能となり、前記ヒンジピンが更に移動すると、前記ヒンジピンと共に移動する前記回転部は、前記制限部から離間して係合状態が解除され、前記回転部が係合状態から解除されると、前記ねじりばねは、その捻られることにより生じるトルクに応じて、制限されずに回転することができ、前記第1と第2の羽根板を近接させる前記回動力を弱めることができることを特徴とする請求項2に記載の自動閉め型扉用蝶番。
【請求項13】
前記第1のマウントを挿通してから前記第2のマウント内にまで挿し込むと共に、前記第1のマウントに回転不可能になるように係合されている第1のスリーブと、前記第3のマウントを挿通してから前記第2のマウント内にまで挿し込むと共に、前記第3のマウントに回転不可能になるように係合されている第2のスリーブとを更に有し、
前記ねじりばねは前記第2のスリーブ内に配置され、前記制限部及び前記回転部は前記第2のマウント内に配置され、前記制限部作動ばねは前記第1のスリーブ内に配置されており、
前記第1と第3のマウントには、それぞれそれらの外周面から内周面内まで貫通し、且つ、それぞれの該マウントの円周に沿って延伸する第1と第2の弧状通孔が形成され、
前記第1のスリーブ内に、第1の内キャップが取り付けられ、更に、第1の固定ピンは、前記第1の弧状通孔及び前記第1のスリーブを挿通してから、前記第1の内キャップに固定されており、
前記第2のスリーブ内に、第2の内キャップが回動可能且つ摺動不可能に係止され、更に、第2の固定ピンは、前記第2の弧状通孔及び前記第2のスリーブを挿通してから、前記第2の内キャップに固定されており、
前記第2のスリーブに形成された、前記第2の固定ピンにより挿通される孔は、長孔として前記第2のスリーブの円周に沿って延伸するように形成され、前記第2の固定ピンは前記長孔内に摺動可能になっており、
前記ねじりばねの前記回転部によりねじられる一端から離れた他端は、前記第2の内キャップに固定されていることを特徴とする請求項12に記載の自動閉め型扉用蝶番。
【請求項14】
前記第2のマウントには、前記第1のマウントの管内へ延在すると共に、前記第1のマウントの内周面に当接する第1のベアリングが取り付けられ、前記第4のマウントには、前記第5のマウントの管内へ延在すると共に、前記第5のマウントの内周面に当接する第2のベアリングが取り付けられており、
前記第1及び第2のベアリングは、共に、それぞれ前記ヒンジピンを囲むように配置されている複数のロール収容溝と、該収容溝内にそれぞれ収容され、且つそれぞれ前記第1または第5のマウントの内周面に当接する円柱状のロールベアリングとを有していることを特徴とする請求項4に記載の自動閉め型扉用蝶番。
【請求項15】
前記第2のマウントには、前記第1のマウントの管内へ延在すると共に、前記第1のマウントの内周面に当接する第1のベアリングを有し、前記第4のマウントには、前記第5のマウントの管内へ延在すると共に、前記第5のマウントの内周面に当接する第2のベアリングを有しており、
前記第1のベアリングは、前記第1のマウントの管内へ延在する延伸管部と、当該延伸管部と前記第1のマウントの間に介在している銅製のベアリングチューブとを有し、
前記第2のベアリングは、前記第5のマウントの管内へ延在する延伸管部と、当該延伸管部と前記第5のマウントの間に介在している銅製のベアリングチューブとを有していることを特徴とする請求項4に記載の自動閉め型扉用蝶番。
【請求項16】
前記ヒンジピンは、その大部分が前記第2のマウント内に配置されていると共に、その一端が前記第1のマウント内に挿し込んで、前記制限部作動ばねに当接している調整段部と、前記第3のマウント内に配置されているブレーキ段部と、その大部分が前記第4のマウント内に配置されている固定段部との3つの段部により、互いに回転不可能に係止しあうようになっており、
前記ねじりばねは、前記調整段部を囲んでいると共に、その両端が前記回転部と、前記調整段部とにそれぞれ固定されており、
前記第3のマウントは、マウントの中心軸方向に直交する断面が楕円形である楕円柱形の中空を有するように形成されており、
前記ブレーキ段部は、全体として略円柱状に形成されているとともに、その中段部の周壁には、一対の切頭円錐面が前記調整段部に向かう一端側の直径が小さく、前記固定段部に向かう他端側の直径が大きくなるように、互いに対称的に形成されており、
前記ブレーキ段部は、前記2つの切頭円錐状の凸部の間に、前記円柱の軸心と交差し、且つ円柱の軸心方向に延びるばね孔が、前記2つの切頭円錐状の凸部の1つから他の1つまで真っ直ぐに貫通するように開けてある本体部と、前記2つの円錐状の凸部の前記調整段部寄りの一部と嵌め合うことができ、且つ、対応の円錐凸部上で、前記円柱の軸心方向に沿って摺動すると共に、前記調整段部に接近すると前記軸心に接近し、前記固定段部に接近すると前記軸心から離間することができ、且つ、前記第3のマウントの内表面に当接して摩擦抵抗が起こるように構成されている2つの突出ブロックと、前記2つの突出ブロック及び前記ばね孔を挿通しているとともに、前記ばね孔内に、前記軸心方向に沿って摺動することができる摺動ピンと、前記ばね孔内に配置され、前記摺動ピンを囲むと共に、その両端が前記2つの突出ブロックにそれぞれ当接し、該2つの突出ブロックを外側へ押し出して常に前記第3のマウントの内表面に突っ張らせるように付勢しているブレーキばねと、前記第3のマウント内に、その付勢力により前記2つの突出ブロックを前記円錐面に沿って前記調整段部に接近させるように配置されている摺動ばねとを備えており、
前記固定段部は、前記第4のマウントに回転不可能に係止されており、
前記第1の羽根板が前記第2の羽根板に対して相対的に回転すると、前記第3のマウントも前記ブレーキ段部に対して回転し、前記2つの突出ブロックが前記第3のマウントの内表面に突っ張ることにより摩擦抵抗が起こり、前記回転に対する緩衝作用が起こるとともに、該緩衝作用の大小は、前記第3のマウントの内表面における楕円形断面の形状により変化させることができ、前記摺動ばねの前記2つの突出ブロックに対する付勢力により、前記緩衝作用が大きくなることを特徴とする請求項10に記載の自動閉め型扉用蝶番。
【請求項17】
前記第1のスリーブの内周面における前記第1の内キャップと前記制限部の間に、制限部押当てフランジが形成されているとともに、前記制限部作動ばねの両端は、それぞれ前記制限部と前記制限部押当てフランジに当接しており、
前記ヒンジピンにブレーキフランジが形成され、該ブレーキフランジは、前記制限部押当てフランジと前記第1の内キャップとの間に配置されていると共に、その両端面にそれぞれ凹陥部が形成されており、
前記ブレーキフランジの前記凹陥部に対応する球面突起を有する一対のブレーキワッシャーが、前記球面突起が前記凹陥部にはまり込むように、両側から前記ブレーキフランジを挟んでおり、
スプリングディスクからなる緩衝ばねは、その両端がそれぞれ前記第1の内キャップと前記ブレーキワッシャーの1つに当接するように配置されていることを特徴とする請求項5に記載の自動閉め型扉用蝶番。
【請求項18】
前記第1のスリーブの内周面における前記第1の内キャップと前記制限部の間に、制限部押当てフランジが形成されているとともに、前記制限部作動ばねの両端は、それぞれ前記制限部と前記制限部押当てフランジに当接しており、
前記ヒンジピンにブレーキフランジが形成され、該ブレーキフランジは、前記制限部押当てフランジと前記第1の内キャップとの間に配置されていると共に、その両端面にそれぞれ球面突起が形成されており、
前記ブレーキフランジの前記球面突起に対応する凹陥部を有する一対のブレーキワッシャーが、前記球面突起が前記凹陥部にはまり込むように、両側から前記ブレーキフランジを挟んでおり、
スプリングディスクからなる緩衝ばねは、その両端がそれぞれ前記第1の内キャップと前記ブレーキワッシャーの1つに当接するように配置されていることを特徴とする請求項5に記載の自動閉め型扉用蝶番。
【請求項19】
前記ヒンジピンは、前記第2のマウントに対して固定されていると共に、その一端が前記第1のマウント内に挿し込んで、前記制限部作動ばねに当接し、その他端が前記第4のマウント内まで延伸するように形成されており、
前記第1と第2の羽根板の相対回動のブレーキ手段として、前記ヒンジピンの前記第3のマウント内における前記第2のマウント寄りの部分に固定されている第1のブレーキカムと、前記ヒンジピン及び前記第3のマウントに対して摺動可能に配置されていると共に、前記第1のブレーキカムに対応し、前記第1と第2の羽根板の相対回動方向に応じて、前記第1のブレーキカムに接近したり、離間したりすることができるように構成されている第2のブレーキカムと、その両端がそれぞれ前記第2のブレーキカム及び前記ヒンジピンの他端に固定され、前記第1と第2の羽根板の相対回動に応じて、前記第2のブレーキカムに与える付勢力を変えることができるブレーキ力調整ばねとを備えていることを特徴とする請求項10に記載の自動閉め型扉用蝶番。
【請求項20】
前記固定段部の前記第4のマウントの外側に面する端部に、雄ねじが形成されており、
前記第4のマウント内に、該第4のマウントに対して回転自在且つ摺動不可能に係止されていると共に、前記固定段部の雄ねじに対応する雌ねじを有している調整キャップが配置され、
前記調整キャップは、その雌ねじを前記固定段部の雄ねじとねじ合わせるように取り付けられており、前記調整キャップを正逆回転することによって、前記ヒンジピンのチャンネルされた前記マウント内における位置を調整することができ、
前記調整キャップを正逆回転することで、前記ねじりばねによる前記一対の羽根板を近接させる回動力を微調整することができることを特徴とする請求項16に記載の自動閉め型扉用蝶番。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【公開番号】特開2011−21426(P2011−21426A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−169007(P2009−169007)
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【出願人】(509203371)
【Fターム(参考)】