説明

自動食器洗浄機用洗浄剤組成物

【課題】汚れの再付着防止性に優れ、自動食器洗浄機を用いた洗浄終了後の臭いの問題を解決し得る自動食器洗浄機用洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】(a)脂肪酸の炭素数が14〜22であるソルビタン脂肪酸エステルを0.05〜10質量%、(b)特定のポリアルキレングリコール及び特定のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンエーテル型化合物から選ばれる化合物を含有し、(a)/(b)の質量比が0.10〜2.0である自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動食器洗浄機用洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ソルビタン脂肪酸エステル型非イオン界面活性剤を含有する自動食器洗浄機用洗浄剤組成物としては、特許文献1を挙げることができる。また、特許文献2にはすすぎ助剤自動供給機が装備された自動食器洗浄機用のすすぎ助剤にソルビタン脂肪酸エステル型非イオン界面活性剤を応用する技術が開示されており、該公報には植物抽出物と併用することで消臭効果が得られることが記載されている。更に、特許文献3、特許文献4、特許文献5には、ソルビタンオレイン酸エステルなどの長鎖脂肪酸エステルを含有するリンス剤が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−154716号公報
【特許文献2】特開平7−62397号公報
【特許文献3】特開昭49−90706号公報
【特許文献4】特開昭49−126703号公報
【特許文献5】特開昭51−30587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、自動食器洗浄機は急速に普及しており、また、省エネルギー、省資源の観点から使用する洗浄水の量を低減化し、且つ一回に洗浄する食器の量を増加させる洗浄機が主流を占めている。しかしながら、このような洗浄機に汚れ量が多い食器を洗浄すると、洗浄終了時には汚れは除去できるものの、食品に由来する臭いが著しく残り、洗浄機庫内に不快臭がこもるばかりか、食器そのものにも臭いが移るなど、臭いに対する問題が顕著化している。従って自動食器洗浄機を用いた食器洗浄時に洗浄終了後の臭いの問題を解決することが強く求められている。また、自動食器洗浄機を用いた食器洗浄では、汚れ、特に油汚れが食器に再付着することを防止する再付着防止性に優れることも併せて望まれる。
【0005】
従って本発明の課題は、汚れの再付着防止性に優れ、自動食器洗浄機を用いた洗浄終了後の臭いの問題を解決し得る自動食器洗浄機用洗浄剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、(a)脂肪酸の炭素数が14〜22であるソルビタン脂肪酸エステル〔以下、(a)成分という〕を0.05〜10質量%、(b)下記式(b1)のポリアルキレングリコール及び下記式(b2)の化合物から選ばれる化合物〔以下、(b)成分という〕を含有し、(a)/(b)の質量比が0.10〜2.0である自動食器洗浄機用洗浄剤組成物に関する。
H−O−(R1O)n−H (b1)
〔式中;R1はエチレン基又はプロピレン基である。nはエチレンオキシ基又はプロピレンオキシ基の平均付加モル数を示し、10〜1000の数である。〕
2−O−[(R3O)l/(R4O)m]−H (b2)
〔式中;R2は水素原子又は炭素数8〜22の炭化水素基であり、R3はエチレン基、R4はプロピレン基である。ここで/の記号はエチレンオキシ基とプロピレンオキシ基がブロックでもよくランダムで結合されていても良いことを示す。l、mは、それぞれエチレンオキシ基、プロピレンオキシ基の平均付加モル数を示し、それぞれ5〜100の数である。〕
【0007】
本発明において、自動食器洗浄機用洗浄剤組成物とは、自動食器洗浄機で用いる洗浄剤組成物という意味であり、本発明の組成物は、自動食器洗浄機により食器を洗浄するための洗浄剤組成物である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、油汚れ等の汚れの再付着防止性に優れ、自動食器洗浄機を用いた洗浄終了後の臭いの問題を解決する自動食器洗浄機用洗浄剤組成物が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<(a)成分>
本発明では(a)成分として脂肪酸の炭素数が14〜22であるソルビタン脂肪酸エステルを含有する。本発明の(a)成分は、ソルビトール及び/又はソルビタンと脂肪酸のエステル化反応により得られるが、原料のソルビトールは、グルコースの高圧水素還元によって得られる市販のものが使用できる。また、ソルビトールの脱水環化によって得られるソルビタンを使用してもよい。色調劣化、臭い等品質に与える影響から、好ましくは、ソルビトール、例えば70%ソルビトールとして市販されているものを使用できる。エステル化反応用の原料脂肪酸は、炭素数8〜22、好ましくは12〜20、より好ましくは14〜18、更に好ましくは16〜18の飽和又は不飽和の直鎖脂肪酸、あるいは、これらを主成分とする混合脂肪酸を好適に用いることができる。具体的には例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、パーム油組成脂肪酸、牛脂脂肪酸、などが挙げられる。本発明では洗浄終了後の臭い低減効果の点からミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、パーム油組成脂肪酸、牛脂脂肪酸が好ましく、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、パーム油組成脂肪酸、牛脂脂肪酸がより好ましく、オレイン酸、リノール酸、パーム油組成脂肪酸、牛脂脂肪酸が更に好ましく、オレイン酸が特に好ましい。
【0010】
ソルビトール及びソルビタンは複数のヒドロキシ基を有しており、このため、脂肪酸でエステル化された化合物はモノエステル体、ジエステル体、トリエステル体などが混在する。更に、ソルビトールから出発原料した場合には、エステル化反応時に環を形成して、1,4−ソルビタン脂肪酸エステル、1,5−ソルビタン脂肪酸エステルを形成し、更にはこれら以外にも、ソルバイド脂肪酸エステルやソルビトール脂肪酸エステルも生成するため、多様な化合物が混在する混合物として入手される。そのため、工業用途で取引されるソルビタン脂肪酸エステルは上記の混合物を指す場合が多い。従って、本発明の(a)成分としてのソルビタン脂肪酸エステルは、ソルビタン脂肪酸エステルの単独化合物の他に、ソルビトールを出発原料して形成される種々のエステル化合物を含む混合物であってもよい。
【0011】
また、本発明の(a)成分としてのソルビタン脂肪酸エステルは、原料として用いられる脂肪酸/ソルビトールのモル比が0.10〜2.0のものが好ましく、0.50〜1.5のものがより好ましく、0.90〜1.1のものが更に好ましい。
【0012】
本発明の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物は、洗浄終了後の臭い低減効果の観点から、(a)成分を組成物中に0.05〜10質量%、好ましくは0.1〜2質量%、より好ましくは0.3〜1質量%含有する。
【0013】
<(b)成分>
本発明の(b)成分は、下記式(b1)のポリアルキレングリコール〔以下、(b1)成分という〕及び下記式(b2)の化合物〔以下、(b2)成分という〕から選ばれる化合物である。
H−O−(R1O)n−H (b1)
〔式中;R1はエチレン基又はプロピレン基である。nはエチレンオキシ基又はプロピレンオキシ基の平均付加モル数を示し、10〜1000、好ましくは20〜100の数である。〕
2−O−[(R3O)l/(R4O)m]−H (b2)
〔式中;R2は水素原子又は炭素数8〜22の炭化水素基、好ましくは水素原子であり、R3はエチレン基、R4はプロピレン基である。ここで/の記号はエチレンオキシ基とプロピレンオキシ基がブロックでもよくランダムで結合されていても良いことを示す。l、mは、それぞれエチレンオキシ基、プロピレンオキシ基の平均付加モル数を示し、lは5〜100、好ましくは5〜50の数であり、mは5〜100の数、好ましくは5〜50の数である。〕
【0014】
式(b1)において、nは洗浄終了後の臭い低減効果の観点から、10〜1000であり、20〜100が好ましく、30〜70が更に好ましい。また、式(b1)中、R1は、洗浄終了後の臭い低減効果の観点から、プロピレン基が好ましい。
【0015】
また、式(b2)において、R2は、洗浄終了後の臭い低減効果の観点から、水素原子が好ましい。好ましい(b2)成分としては、プルロニック型ブロックポリマー、リバースプルロニック型ブロックポリマーを挙げることができる。
【0016】
洗浄終了後の臭い低減効果の観点から、(b)成分としては(b1)成分が好ましく、特にポリプロピレングリコール、すなわち式(b1)中のR1がプロピレン基であることが好ましい。
【0017】
本発明の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物は、洗浄終了後の臭い低減効果の観点から、(b)成分を好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.1〜4質量%、更に好ましくは0.4〜2質量%含有する。
【0018】
本発明の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物は、洗浄終了後の臭い低減効果の観点から、(a)成分/(b)成分の質量比は0.10〜2.0であり、0.20〜1.0が好ましく、0.25〜0.50が更に好ましい。
【0019】
また、本発明の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物中、(a)成分と(b)成分の含有量の合計は、洗浄終了後の臭い低減効果の観点から、0.1〜15質量%が好ましく、0.2〜5質量%がより好ましく、0.5〜3質量%が更に好ましい。
【0020】
本発明の(a)成分及び(b)成分をこのような含有量及び質量比で組み合わせることにより、油汚れに対して優れた洗浄力を示すのみならず、除去された油汚れの再付着を防止するとともに、洗浄終了後の庫内の臭いを低減する自動食器洗浄機用液体洗浄剤組成物を得ることができる。
【0021】
<自動食器洗浄機用洗浄剤組成物>
本発明の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物は、(a)成分、(b)成分以外に、1質量%水溶液の25℃におけるpHが3〜12、好ましくは4〜10、より好ましくは5〜10の固体状水溶性有機化合物〔但し(b)成分は除く、以下(c1)成分という〕及び水溶性無機塩〔以下(c2)成分という〕から選ばれる化合物〔以下、(c)成分という〕を含有することができる。また、炭酸アルカリ金属塩等のアルカリ剤、無機過酸化物、酵素等を含有することができる。
【0022】
(c1)成分としては、洗浄終了後の臭い低減効果の観点から、分子量40〜400、好ましくは90〜360、より好ましくは100〜300の水溶性有機酸、特に分子中に2つ以上、好ましくは2〜6個のカルボン酸基を有する多価カルボン酸又はその塩が好ましい。具体的にはギ酸、酢酸、グルコン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、クエン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸から選ばれるカルボン酸及びこれらの塩が好適であり、特にクエン酸が好ましい。塩としてはナトリウム塩、カリウム塩が好ましい。
【0023】
(c2)成分としては、洗浄終了後の臭い低減効果の観点から、硫酸塩、塩化物、リン酸塩が好ましく、特に結晶水を持ちうる塩が好ましい。具体的には、アルカリ金属硫酸塩、更には硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウムが好適である。
【0024】
本発明の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物は、(c)成分を20〜80質量%、更に30〜60質量%、より更に40〜50質量%含有することが好ましい。
【0025】
本発明の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物は、粒子中に(a)成分を0.1〜20質量%、好ましくは0.2〜4質量%、より好ましくは0.6〜2質量%含有する粒子〔以下、粒子(I)という〕を含有することが好ましい。この質量%は粒子(I)中のものである。
【0026】
粒子(I)は(c)成分を含有することが好ましい。粒子(I)中の(c)成分の含有量は、好ましくは10〜99質量%、より好ましくは50〜97質量%、最も好ましくは70〜95質量%である。
【0027】
本発明の粒子(I)には、(c1)成分及び(c2)成分を併用してもよく、(c1)成分/(c2)成分の質量比は、好ましくは0.11〜9.0、より好ましくは0.43〜2.3、特に好ましくは0.67〜1.0である。
【0028】
本発明では上記(a)成分と(c1)成分及び/又は(c2)成分とを混合した後、粒子物性を改善させる目的から、該混合物〔以下、混合物(X)という〕と、無機粉体〔以下、粉体(Y)という〕とを混合することが好ましい。粉体(Y)としては、一次粒子径5nm〜200μm、更に20nm〜100μm、特に20nm〜50μmのものが好ましく、結晶性珪酸塩、及びシリカがより好ましく、シリカが更に好ましい。本発明では、上記混合物(X)と粉体(Y)の質量比(X)/(Y)は、好ましくは9.0〜1000、より好ましくは11〜200、特に好ましくは15〜100である。
【0029】
粉体(Y)としてシリカを用いる場合には非晶質シリカが好ましく、具体的には、アエロジル(日本アエロジル(株)製)、トクシール、ファインシール、レオロシール((株)トクヤマ製)、サイロピュア(富士シリシア(株)製)等を用いること好ましい。
【0030】
本発明では上記混合工程を例えば、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)、ハイスピードミキサー(深江工業株式会社製)、ナウターミキサー(ホソカワミクロン株式会社製)等の周知の混合機を用いることができ、特に攪拌時にせん断力があまりかからないナウターミキサーを用いることが好ましい。
【0031】
本発明の粒子(I)は、(a)成分を0.1〜20質量%、好ましくは0.2〜5質量%、より好ましくは0.8〜2質量%、(c)成分を無水換算として10〜99質量%、好ましくは50〜99質量%、特に好ましくは90〜95質量%、粉体(Y)を0.1〜10質量%、好ましくは1〜7質量%、特に好ましくは3〜6質量%を含有する粒子であり、また、水分の含有量は粒子(I)中、好ましくは0.05〜15質量%、より好ましくは0.1〜12質量%、特に好ましくは0.3〜10質量%である。
【0032】
本発明の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物は、単一種の粒子(I)だけで構成されてもよいが、その場合は、粒子(I)は(b)成分を含有する。なお、組成の異なる粒子(I)を複数用いてもよい。
【0033】
粒子(I)の平均粒径は、好ましくは50〜1000μm、より好ましくは100〜800μm、特に好ましくは100〜600μmである。
【0034】
粒子(I)はこれら(c)成分の粒子表面に(a)成分が付着した粒子であってもよく、更にその表面に粉体(Y)が付着した状態になっているものが流動性に富むため理想的である。なお(c1)成分や(c2)成分の種類や濃度によっては、(a)成分を添加後、凝集して(a)成分を包含する凝集した粒子になる場合もある。更にその凝集粒子表面が粉体(Y)により被覆された状態になっていてもよい。
【0035】
粒子(I)は、組成物中の(a)成分の含有量が前記範囲となるように用いられる。組成物中の全(a)成分のうち、80質量%以上、更に90質量%以上、特には実質的には100質量%が、粒子(I)中に存在することが好ましい。
【0036】
また、油汚れ洗浄性の観点から炭酸アルカリ金属塩等のアルカリ剤を配合することが好ましい。この場合、本発明の洗浄剤組成物の保存安定性の観点から、粒子(I)とは別粒子、つまり粒子(II)として配合することが好ましい。
【0037】
また、油汚れ洗浄性の観点から酵素及び/又は漂白剤を配合することが好ましい。酵素や漂白剤などについては、酵素や漂白剤自体の安定性や取り扱い性の観点から、粒子(I)とは別の粒子として配合されることが好適である。
【0038】
また、油汚れ洗浄性の観点から粒子(I)の粉体(Y)とは別に珪酸塩、又はアルミノ珪酸塩を配合することが好ましい。この場合は、取り扱い性の観点から、別の粒子として配合されることが好適である。
【0039】
本発明の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物は、粒子(I)以外の粒子を含有することが好ましい。具体的には、粒子(I)以外の粒子として、アルカリ金属の炭酸塩及び/又はアルカリ金属の水酸化物を含有する粒子(II)、無機過酸化物を含有する粒子(III)、酵素を含有する粒子(IV)から選ばれる一種以上の粒子を含有することが好ましく、特には粒子(II)〜(IV)をすべてを含有することが好ましい。またこれらの粒子以外に、任意の粒子を含有してもよい。
【0040】
粒子(II)が含有する成分は、油汚れ洗浄力の観点から、アルカリ金属の炭酸塩及び/又はアルカリ金属の水酸化物であり、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましく、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムが更に好ましく、炭酸ナトリウムが特に好ましい。粒子(II)は、実質的に、アルカリ金属の炭酸塩及び/又はアルカリ金属の水酸化物からなるものであってもよい。ここで、粒子が実質的にある成分からなるとは、当該成分の粒子中の含有量が90質量%以上であることをいう。
【0041】
粒子(II)の平均粒径は、好ましくは50〜600μm、より好ましくは100〜500μmであり、この範囲の平均粒径の炭酸ナトリウムを用いることが好適である。また、粒子(II)の組成物中の含有量は、好ましくは1〜80質量%、より好ましくは5〜50質量%、特に好ましくは10〜30質量%である。好ましくは、粒子(II)は、組成物中のアルカリ金属の炭酸塩及び/又はアルカリ金属の含有量が10〜30質量%、更に15〜25質量%となるように用いられる。
【0042】
粒子(III)は無機過酸化物を含有する粒子である。無機過酸化物は、具体的には過炭酸塩(以下、PCと表記することもある)、好ましくは過炭酸ナトリウム、過ホウ酸塩、より好ましくは過ホウ酸ナトリウムである。また、過炭酸塩を採用する場合には、貯蔵安定性の点から被覆された過炭酸塩を用いることが好適である。粒子(III)は、実質的に、無機過酸化物(被覆されたものを含む)からなるものであってもよい。
【0043】
被覆された過炭酸塩としては、好ましくは水溶性ポリマーや無機塩等で被覆したものが好適である。具体的な例としては、公知の方法で被覆された過炭酸ナトリウムを用いることができ、例えば、特公昭47−32200号(PCをパラフィンで被覆)、特公昭53−15717号(PCを過ホウ酸ソーダで被覆)、米国特許第4131562 号(PCを過ホウ酸ソーダとアルコールのエチレンオキサイド付加物で被覆)、米国特許第4120812号(PCと過ホウ酸ソーダをポリエチレングリコールで被覆)、ドイツ特許第2712139号(PCをシリケートで被覆)、ドイツ特許第2800916号(PCをホウ酸で被覆)、欧州特許第30759号(PCをワックスで被覆)、特開昭58−217599号(PCをホウ酸塩で被覆)、特開昭59−196399号(PCをホウ酸塩で被覆)、特開平4−31498号(PCをホウ酸と珪酸塩で別々に噴霧して被覆)等に記載された方法により得られたものが使用できる。
【0044】
これらのなかでも特に、(i)ホウ酸ナトリウム、好ましくはメタホウ酸ナトリウム、オルトホウ酸ナトリウムを過炭酸塩に対して0.1〜30質量%の割合で被覆した過炭酸塩、(ii)オルトホウ酸、メタホウ酸及び4ホウ酸から選ばれるホウ酸を過炭酸塩に対して0.3〜20質量%、好ましくは0.5〜10質量%、特に好ましくは1〜8質量%被覆した過炭酸塩、及び(iii)(ii)に更にメタ珪酸ナトリウム、オルト珪酸ナトリウム、水ガラス1号、2号、3号のナトリウム塩、メタ珪酸カリウム、オルト珪酸カリウム、好ましくは水ガラス1号、2号、3号のナトリウム塩を過炭酸塩に対してSiO2に換算して0.1〜10質量%、0.2〜7質量%、特に好ましくは0.3〜5質量%を被覆させた過炭酸塩が好ましい。特に貯蔵安定性の点から(i)の過炭酸塩が好ましい。過炭酸塩としては過炭酸ナトリウムが好ましい。
【0045】
被覆された過炭酸塩は通常の方法で製造することができる。例えば湿式状態もしくは乾燥状態の過炭酸塩に上記被覆剤を含有する溶液もしくは粉末を混合吸着させて乾燥させる方法が使用できる。
【0046】
被覆された過炭酸塩は平均粒径が100〜2000μm、更に250〜1000μmであることが、漂白洗浄効果の点から好ましい。
【0047】
また、粒子(III)は平均粒径が100〜2000μm、更に250〜1000μmであることが、漂白洗浄効果の点から好ましい。
【0048】
また、粒子(III)の組成物中の含有量は、好ましくは0.5〜99質量%、より好ましくは5〜70質量%、更に好ましくは10〜50質量%、特に好ましくは20〜40質量%である。好ましくは、粒子(III)は、組成物中の無機過酸化物の含有量が10〜50質量%、更に20〜40質量%となるように用いられる。
【0049】
本発明では酵素を含有する粒子(IV)を含有することが好適であり、酵素としては、セルラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、エステラーゼ、ペクチナーゼ、ラクターゼ及びペルオキシダーゼを挙げることができ、特にプロテアーゼ、アミラーゼが好適である。
【0050】
プロテアーゼとしては、市販の酵素として、アルカラーゼ、サビナーゼ、エバラーゼ、カンナーゼ、エスペラーゼ(ノボノルディスクバイオインダストリー社)、オボザイム、プラフェクト、プロペラーゼ、プラフェクトOX(ジェネンコア・インターナショナル社)を挙げることができる。
【0051】
アミラーゼとしては、市販の酵素として、ラピダーゼ(ギスト−ブロカーズ社)、及びターマミル、デュラミル、ステインザイム(ノボノルディスクバイオインダストリー社)、プラスターST、プラスターOxAm(ジェネンコア・インターナショナル社)を挙げることができる。
【0052】
本発明ではプロテアーゼとアミラーゼを併用することが好ましく、酵素タンパク量としてアミラーゼ/プロテアーゼの質量比は、好ましくは0.010〜16、より好ましくは0.020〜9.0、特に好ましくは0.25〜4.0である。
【0053】
本発明ではこれら酵素を造粒した粒子として含有することが好ましい。造粒物中の酵素タンパク量は粒子(IV)中に90〜100質量%、好ましくは95〜99質量%である。また、粒子(IV)の平均粒径は50〜1000μm、好ましくは150〜800μmである。
【0054】
また、粒子(IV)、好ましくは酵素タンパク量が前記範囲である粒子(IV)の組成物中の含有量は、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.2〜7質量%、特に好ましくは0.2〜5質量%である。
【0055】
本発明の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物は、洗浄終了後の臭い低減効果の更なる向上の観点から、(d)成分として、炭素数3〜6の不飽和カルボン酸又はその無水物と、炭素数2〜12のオレフィンとの共重合体を含有することが好ましい。炭素数3〜6の不飽和カルボン酸又はその無水物としては、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸及びシトラコン酸が挙げられる。また、炭素数2〜12のオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、ジイソブチレン、ペンテン、及びヘキセンが好適である。これらの中では特にマレイン酸及び/又は無水マレイン酸と、ジイソブチレンとの共重合体が好ましい。
【0056】
また、(d)成分の共重合比は、炭素数3〜6の不飽和カルボン酸又はその無水物/炭素数2〜12のオレフィンのモル比で、0.1〜10、更に0.2〜5、より更に0.3〜3が好ましい。また、(d)成分の構成単量体中、炭素数3〜6の不飽和カルボン酸又はその無水物及び炭素数2〜12のオレフィンの割合は、90〜100モル%、更に95〜100モル%、より更に98〜100モル%が好ましく、実質的に(d)成分は炭素数3〜6の不飽和カルボン酸又はその無水物及び炭素数2〜12のオレフィンからなる共重合体又はその塩が好ましい。
【0057】
(d)成分は、重量平均分子量が5,000〜50,000、更に5,000〜30,000であることが好ましい。(d)成分の重量平均分子量は、アセトニトリルと0.1M塩化ナトリウム水溶液の混合液(アセトニトリルと塩化ナトリウム水溶液の混合比は体積比で30:70)を展開溶媒としてゲルパーミェーションクロマトグラフィーでポリエチレングリコールを標準物質として求めることができる。
【0058】
本発明の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物は、洗浄終了後の臭い低減効果の観点から、(d)成分を好ましくは0.05〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%、更に好ましくは1〜2質量%含有する。(d)成分は、単独の粒子として配合できるが、粒子(I)中に配合することが好ましい。粒子(I)に配合する場合、粒子(I)は、(d)成分を1〜10質量%、更に2〜4質量%含有することが好ましい。
【0059】
本発明の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物は、洗浄終了後の臭い低減効果の更なる向上の観点から、(e)成分としてアクリル酸−マレイン酸共重合体を含有することが好ましい。(e)成分は、アクリル酸由来のモノマー構成単位及びマレイン酸のモノマー構成単位を有する。マレイン酸由来のモノマー構成単位は、無水マレイン酸由来のものであってよい。(e)成分は、油汚れ洗浄力、再汚染防止性に優れる点で、アクリル酸−マレイン酸共重合体又はその塩が用いられる。塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、アルカノールアミン塩、アンモニウム塩を用いることができる。なお、共重合体の塩は、モノマーとして塩型の化合物を用いたもの、共重合後に中和したもののいずれであってもよく、両者を併用したものであってもよい。(e)成分は、前記共重合体の塩が好ましい。
【0060】
(e)成分は、アクリル酸/マレイン酸のモル比が0.6〜9、更に1〜4、より更に1.5〜4であることが好ましい。なお、(e)成分中のアクリル酸/マレイン酸のモル比は、熱分解ガスクロマトグラフィー(PGC)で、共重合体の熱分解物を検出することにより求めることができる。なお、(e)成分の構成単量体中、アクリル酸及びマレイン酸の割合は、90〜100モル%、更に95〜100モル%、より更に98〜100モル%が好ましく、実質的に(e)成分はアクリル酸及びマレイン酸からなる共重合体又はその塩が好ましい。
【0061】
(e)成分は、重量平均分子量が1,000〜100,000であることが好ましく、10,000〜90,000、更に50,000〜80,000であることが、油汚れ洗浄力、再汚染防止性に優れる点から好適である。
【0062】
なお、本発明の(e)成分の重量平均分子量は、リン酸を含有する水とアセトニトリルの混合液(リン酸の含有量は0.1質量%であり、水とアセトニトリルの混合比は体積比で90:10である)を展開溶媒とし、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーでポリエチレングリコールを標準物質として求めることができる。
【0063】
本発明の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物は、洗浄終了後の臭い低減効果の更なる向上の観点から、(e)成分を好ましくは0.05〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%、更に好ましくは0.5〜2質量%含有する。(e)成分は、(e)成分を含有する粒子(V)として、粒子(I)〜粒子(IV)とは別に組成物に配合することが好ましく、また、粒子(V)は、実質的に、(e)成分からなる粒子が好ましい。
【0064】
本発明の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物には、(f)成分として漂白活性化剤を配合することが、更なる洗浄力及び洗浄終了後の臭い低減効果向上の観点から好ましい。好適であるのは1個又は複数個のN−もしくはO−アシル基及び/又は場合により置換されたベンゾイル基を有する化合物、例えば無水物、エステル、イミド、アシル化イミダゾール又はオキシムの群からなる置換基を有する化合物である。例としては、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、テトラアセチルメチレンジアミン(TAMD)、テトラアセチルグリコールウリル(TAGU)、テトラアセチルヘキシレンジアミン(TAHD)、N−アシルイミド、例えばN−ノナノイルスクシンイミド(NOSI)、アシル化フェノールスルホネート、例えばn−ノナノイル−又はイソノナノイルオキシベンゼンスルホネート(n−もしくはイソ−NOBS)、ラウロイルオキシベンゼンスルホネート(LOBS)、オクタノイルオキシ安息香酸(塩)、デカノイルオキシ安息香酸(塩)ペンタアセチルグルコース(PAG)、1,5−ジアセチル−2,2−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン(DADHT)又はN−カルボキシルアントラニル酸無水物(ISA)を挙げることができる。
【0065】
本発明では洗浄終了後の臭い低減効果の点からポリアシル化アルキレンジアミンを配合することが好ましい。ポリアシル化アルキレンジアミンとしては例えば、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、テトラアセチルメチレンジアミン(TAMD)、テトラアセチルグリコールウリル(TAGU)が挙げられ、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、テトラアセチルメチレンジアミン(TAMD)が好ましく、特にテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)が効果的である。
【0066】
本発明の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物は、(f)成分を好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.2〜5質量%、更に好ましくは0.5〜2質量%含有する。(f)成分は、(f)成分を含有する粒子(VI)として、粒子(I)〜粒子(V)とは別に組成物に配合することが好ましく、また、粒子(VI)は、実質的に、(f)成分からなる粒子が好ましい。粒子(VI)は(f)成分の組成物中の含有量が前記範囲となるように用いられるのが好ましい。
【0067】
その他、本発明の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物に配合できる好ましい成分として、粒子(I)の粉体(Y)とは別に洗浄力向上のために配合される珪酸塩及び/又はアルミノ珪酸塩、色素、香料、消泡剤、ポリアクリル酸及びその塩、両性共重合体(例えば、アクリル酸変性共重合体及びその塩、N,N−ジアリル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド/マレイン酸/二酸化硫黄の共重合体など)等を挙げることができる。
【0068】
本発明の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物に配合できる好ましい成分である両性共重合体は、陽イオン性基を有するモノマー構成単位〔以下モノマー構成単位(g1)という〕及び陰イオン性基を有するモノマー構成単位〔以下モノマー構成単位(g2)という〕を含有する高分子化合物(g)〔以下、(g)成分という〕が挙げられる。
【0069】
モノマー構成単位(g1)としては下記一般式(g1)及び/又は一般式(g2)のモノマー構成単位が好適である。
【0070】
【化1】

【0071】
〔式中、R11は水素原子又はメチル基であり、R12は水素原子、メチル基、又はヒドロキシ基であり、R13は同一又は異なっていてもよい炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である。Aは−COOR14−、−CON(R15)R16−であり、ここでR14、R16は炭素数2〜5のアルキレン基であり、R15は水素原子又はメチル基である。R21は同一又は異なっていてもよい炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、nは0又は1の数である。B-は陰イオン基である。〕
【0072】
一般式(g1)においてR11は水素原子が好ましく、R12は水素原子、メチル基が好ましい。Aは−CON(R15)R16−が好ましく、R16は炭素数2〜5のアルキレン基が好適であり、R15は水素原子が好適である。R13はメチル基が好ましく、B-はハロゲンイオン、硫酸イオン、炭素数1〜3のアルキル硫酸エステルイオン、燐酸イオン、炭素数1〜12の鎖状モノカルボン酸イオン、炭素数1〜3のアルキル基が1〜3個置換していてもよいベンゼンスルホン酸イオンが好適であり、特にクロルイオンが好ましい。
【0073】
一般式(2)においてR21はメチル基が好ましく、B-はハロゲンイオン、硫酸イオン、燐酸イオン、炭素数1〜12の鎖状モノカルボン酸イオン、炭素数1〜3のアルキル基が1〜3個置換していてもよいベンゼンスルホン酸イオンが好適であり、特にクロルイオンが好ましい。nは0が好適である。
【0074】
モノマー構成単位(g2)としては下記一般式(g3)のモノマー構成単位が好適である。
【0075】
【化2】

【0076】
〔式中、R31は水素原子、メチル基、又は−COOMであり、R32は水素原子、メチル基、又はヒドロキシ基である。Zは−COOM、−ph−SO3Mである。ここでMは水素原子、アルカリ金属又はアルカリ土類金属であり、phはベンゼン環を示す。〕
【0077】
本発明の(g)成分は、陽イオン性基及び陰イオン性基を1つのモノマー構成単位に有する構造であっても差し支えない。具体的には下記一般式(g4)又は一般式(g5)のモノマー構成単位が好適である。
【0078】
【化3】

【0079】
〔式中、R41、R51は水素原子又はメチル基であり、R42、R52は水素原子、メチル基、又はヒドロキシ基である。A、B-、Mは上述と同一の意味であり、R43、R53は同一又は異なっていてもよい炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、R54は−CH2COO-、−C36SO3-、−CH2CH(OH)CH2−SO3-から選ばれる基である。〕
【0080】
本発明の(g)成分は、(g)成分を構成するモノマー構成単位に対応する単量体を通常の重合反応を行って製造することができる。あるいは、高分子化合物に後処理を施すことにより、最終的に(g)成分を得ても良い。
【0081】
具体的な一般式(g1)のモノマー構成単位に対応する単量体としてはアクリロイル(又はメタクリロイル、α−ヒドロキシアキリロイル、もしくはクロトノイル)アミノアルキル(炭素数2〜5)−N,N,N−トリアルキル(炭素数1〜3)4級アンモニウム塩、アクリロイル(又はメタクリロイル、α−ヒドロキシアキリロイル、もしくはクロトノイル)オキシアルキル(炭素数2〜5)−N,N,N−トリアルキル(炭素数1〜3)4級アンモニウム塩を挙げることができる。塩としては上述のB-に相当する塩が好ましい。
【0082】
一般式(g2)に対応する単量体としてはN,N−ジアリル−N,N−ジアルキル(炭素数1〜3)4級アンモニウム塩を用いることができる。
【0083】
一般式(g3)に対応する単量体としてはアクリル酸又はその塩、メタクリル酸又はその塩、クロトン酸又はその塩、α−ヒドロキシアクリル酸又はその塩、マレイン酸又はその塩、無水マレイン酸、スチレンスルホン酸塩を挙げることができる。
【0084】
一般式(g4)のモノマー構成単位を有する高分子化合物は、無水マレイン酸を予め重合したモノマー構成単位にアミノアルキル(炭素数2〜5)ジアルキル(炭素数1〜3)アミン、又はN,N−ジアルキル(炭素数1〜3)−N−アルカノール(炭素数2〜5)アミンを反応させ、続いてメチルクロリド、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、エチレンオキシド、プロピレンオキシドなどの4級化剤を用いてアルキル化することで製造することもできる。
【0085】
一般式(g5)に対応する単量体としてはN−〔アクリロイル(又はメタクリロイル、α−ヒドロキシアクリロイル、もしくはクロトノイル)アミノアルキル(炭素数2〜3)〕−N,N−ジアルキル(炭素数1〜3)−N−カルボキシメチルアンモニウムカルボベタイン、N−〔アクリロイル(又はメタクリロイル、α−ヒドロキシアクリロイル、もしくはクロトノイル)アミノアルキル(炭素数2〜3)〕−N,N−ジアルキル(炭素数1〜3)−N−〔2−ヒドロキシスルホプロピル〕アンモニウムスルホベタイン、N−〔アクリロイル(又はメタクリロイル、α−ヒドロキシアクリロイル、もしくはクロトノイル)アミノアルキル(炭素数2〜3)〕−N,N−ジアルキル(炭素数1〜3)−N−スルホプロピル〕アンモニウムスルホベタイン、N−〔アクリロイル(又はメタクリロイル、α−ヒドロキシアクリロイル、もしくはクロトノイル)オキシアルキル(炭素数2〜3)〕−N,N−ジアルキル(炭素数1〜3)−N−カルボキシメチルアンモニウムカルボベタイン、N−〔アクリロイル(又はメタクリロイル、α−ヒドロキシアクリロイル、もしくはクロトノイル)オキシアルキル(炭素数2〜3)〕−N,N−ジアルキル(炭素数1〜3)−N−〔2−ヒドロキシスルホプロピル〕アンモニウムスルホベタイン、N−〔アクリロイル(又はメタクリロイル、α−ヒドロキシアクリロイル、もしくはクロトノイル)オキシアルキル(炭素数2〜3)〕−N,N−ジアルキル(炭素数1〜3)−N−スルホプロピル〕アンモニウムスルホベタインを挙げることができる。
【0086】
本発明では陽イオン性基を有するモノマー構成単位として、特にN,N−ジアリル−N,N−ジアルキル(炭素数1〜3)4級アンモニウム塩を重合して得られるモノマー構成単位、またはN,N−ジアリル−N−アルキル(炭素数1〜3)アミンを重合させたモノマー構成単位をメチルクロリド、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、エチレンオキシド、プロピレンオキシドなどの4級化剤を用いてアルキル化したモノマー構成単位が好ましく、陰イオン性基を有するモノマー構成単位としてアクリル酸又はその塩、メタクリル酸又はその塩、マレイン酸又はその塩、無水マレイン酸から選ばれる単量体を重合して得られるモノマー構成単位が好ましい。
【0087】
本発明の(g)成分は、〔陽イオン性基の総モル数〕/〔陰イオン性基の総モル数〕のモル比が0.43〜9.0、好ましくは0.67〜2.3、より好ましくは1.0〜2.3の高分子化合物が好ましい。また、陰イオン性基がカルボン酸基である場合に好適なモル比は0.43〜2.3、特には1.0〜2.3である。
【0088】
本発明の(g)成分は、陽イオン性基を有するモノマー構成単位(g1)、及び陰イオン性基を有するモノマー構成単位(g2)、好ましくは一般式(g1)〜一般式(g5)から選ばれるモノマー構成単位、の合計(ただし、後述の二酸化硫黄に由来するモノマー構成単位を含む場合はその量も含む)が、(g)成分を構成する全モノマー構成単位中、50〜100モル%、好ましくは70〜100モル%、より好ましくは80〜100モル%、特に好ましくは90〜100モル%の高分子化合物が好ましい。
【0089】
本発明では陽イオン性基を有するモノマー構成単位、及び陰イオン性基を有するモノマー構成単位、好ましくは一般式(g1)〜一般式(g5)から選ばれるモノマー構成単位以外に、本発明の効果を損なわない程度にこれらと共重合可能な単量体(g3)を共重合させて得られるモノマー構成単位を含んでいてもよい。具体的にはアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリル酸(又はメタクリル酸)アミド、N,N−ジメチルアクリル(又はメタクリル)アミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリル酸(又はメタクリル酸)アミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリル酸(又はメタクリル酸)アミド、N−ビニル−2−カプロラクタム、N−ビニル−2−ピロリドン、アクリル酸(又はメタクリル酸)アルキル(炭素数1〜5)、アクリル酸(又はメタクリル酸)2−ヒドロキシエチル、アクリル酸(又はメタクリル酸)−N,N−ジメチルアミノアルキル(炭素数1〜5)、酢酸ビニル、エチレン、プロピレン、N−ブチレン、イソブチレン、N−ペンテン、イソプレン、2−メチル−1−ブテン、N−ヘキセン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ブテン、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、アリルアミン、N,N−ジアリルアミン、N,N−ジアリル−N−アルキル(炭素数1〜5)アミン、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、二酸化硫黄を挙げることができる。
【0090】
本発明では、二酸化硫黄を(g)成分中に1〜15モル%共重合させた化合物が最も好ましい。すなわち、二酸化硫黄に由来するモノマー構成単位を、(g)成分を構成する全モノマー構成単位中、1〜15モル%含む高分子化合物が最も好ましい。
【0091】
本発明の(g)成分はいかなる重合法によって得てもよいが、ラジカル重合法が特に好ましく、塊状、溶液、又は乳化系にてこれを行うことができる。
【0092】
本発明の(g)成分は、重量平均分子量が好ましくは1,000〜6,000,000、より好ましくは2,000〜500,000、さらに好ましくは3,000〜100,000、特に好ましくは5,000〜60,000であり、この重量平均分子量は50mM臭化リチウムのジメチルホルムアミド溶液を展開溶媒とし、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーでポリエチレングリコールを標準物質として求めることができる。
【0093】
本発明の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物中の(g)成分の含有量は、0.05〜10質量%、更に0.3〜10質量%、より更に0.4〜8質量%が好ましい。更に、(g)成分は、粒子(I)中に配合することが好ましい。
【0094】
(b)成分及び任意に配合可能な成分は、各粒子に安定性や該成分の性質を損なわない程度で添加してもよく、別途、他の粒子として配合してもよい。あるいは粒子(I)〜(VI)等の混合後に、液状として噴霧するなどして添加してもよい。
【0095】
本発明の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物は、粉末形態の組成物であることが好ましく、平均粒径が100〜1000μm、更に200〜700μmであることが好ましい。また、組成物の嵩密度は0.8〜1.5g/cm3、更に0.8〜1.2g/cm3であることが好ましい。
【0096】
本発明の自動食器洗浄機用液体洗浄剤組成物は、洗浄終了後の臭い低減効果の観点から、0.2質量%希釈水溶液のpH(JIS−Z−8802:1984「pH測定方法」)が25℃で、好ましくは8〜13であり、より好ましくは9〜12であり、更に好ましくは10〜11である。エステル化合物は塩基性条件下で、加水分解反応が容易に進行する。そのような条件下でエステル化合物である(a)成分が界面活性剤としての機能を有し、洗浄後の消臭性能に効果を発現することは意外なことである。
【0097】
本発明に記載の平均粒径、一次粒子径及び嵩密度の測定は下記の通りである。
<平均粒径の測定法>
平均粒径はメジアン径であり、JIS Z 8801に規定の篩を用いて求める。例えば、目開きが2000μm、1400μm、1000μm、710μm、500μm、350μm、250μm、180μm、125μmである9段階の篩と受け皿を用い、ロータップマシーン(HEIKOSEISAKUSHO製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、100gの試料を5分間振動させた後、篩目開きのサイズによる質量分率から各粒径の粒子の割合を測定し、平均粒径を求める。
【0098】
<一次粒子径の測定法>
走査型又は透過型電子顕微鏡により粒子3,000個の粒径を計測し、個数で平均した粒径を求める。
【0099】
<嵩密度の測定法>
嵩密度は、JIS K 3362により規定された方法で測定する。
【0100】
本発明の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物は、(a)成分及び(b)成分を含有する組成物であって、(a)成分、(c)成分、(d)成分、及び(g)成分を含有する粒子(I)と、アルカリ金属の炭酸塩及び/又はアルカリ金属の水酸化物を含有する粒子(II)と、無機過酸化物を含有する粒子(III)と、酵素を含有する粒子(IV)と、上記粒子とは別に添加された(b)成分を含有し、組成物中の(a)成分の含有量が0.05〜10質量%、組成物中の(b)成分の含有量が0.01〜5質量%であり、組成物中の(a)/(b)の質量比が0.10〜2.0である自動食器洗浄機用洗浄剤組成物が好ましい。
【0101】
本発明の好ましい態様を以下に具体的に例示する。
・粒子(I):平均粒径100〜500μmであって、(a)成分を組成物中の含有量が0.3〜1質量%となる量で含有し、(c1)成分の一種以上を粒子(I)中20〜60質量%、(c2)成分の一種以上を粒子(I)中30〜60質量%、(d)成分の共重合体を粒子(I)中0.5〜8質量%、(g)成分を粒子(I)中0.5〜10質量%含有し、(c1)成分/(c2)成分の比率が質量比で0.67〜1.0である粒子。
・粒子(II):組成物中の含有量が10〜30質量%である。
但し、粒子(II)は平均粒径100〜500μmである炭酸ナトリウム(ライト灰、デンス灰)である。
・粒子(III):組成物中の含有量が20〜40質量%である。
但し、粒子(III)は平均粒径250〜1000μmである過炭酸ナトリウムである。
・粒子(IV):組成物中の含有量が0.2〜5質量%である。
但し、粒子(IV)はアミラーゼを含有する粒子(IV−1)及び/又はプロテアーゼを含有する粒子(IV−2)を含有し、平均粒径150〜800μmである。
・粒子(V):組成物中の含有量が0.5〜2質量%である。
粒子(V)は、(e)アクリル酸/マレイン酸共重合体又はその塩を含有し、平均粒径50〜1500μmである。
・粒子(VI):組成物中の含有量が0.5〜2質量%である。
粒子(VI)は、(f)漂白活性化剤を含有し、平均粒径50〜1500μmである。
・その他の粒子:組成物中の含有量が0〜5質量%である。
その他の粒子は、平均粒径50〜1500μmの粒子であり、付加価値を高めるための粒子であり、例えば消臭性能を示すような香料等を含有することができる。更に、上記の粒子を混合後、組成物中の(b)成分の含有量が0.4〜3質量%になるように(b)成分を添加し、その後混合することが好ましい。
【0102】
また、上記粒子を含有する組成物は、振動などによって粒子が層状に分かれること(一般的に分級)を抑制するために、なるべく各粒子の平均粒径が揃っていることが好ましい。例えば、組成物の調製に用いる各粒子の平均粒径が、何れも300〜400μmの範囲にあることが好ましい。
【実施例】
【0103】
<粒子(I)の製法>
30Lナウターミキサー(自転:110r/min、公転:4r/min)に、(c1)クエン酸3ナトリウム、(c2)硫酸ナトリウム、及び(d)高分子化合物(d1)を添加し、その後、混合した。次に(a)ソルビタンオレイン酸モノエステルを添加し、その後、混合した。次に高分子化合物(g1)の水溶液を添加し、その後、混合して粒子(I)を得た。なお、各成分の添加量は、洗浄剤組成物30kgに相当する表1に示す配合比率より計算される量とした。
【0104】
<粒子(I’)の製法>
30Lナウターミキサー(自転:110r/min、公転:4r/min)に、(c1)クエン酸3ナトリウム、(c2)硫酸ナトリウム、及び(d)高分子化合物(d1)を添加し、その後、混合した。次に表中の(a’)成分を添加し、その後、混合した。次に高分子化合物(g1)の水溶液を添加し、その後、混合して粒子(I’)を得た。なお、各成分の添加量は、洗浄剤組成物30kgに相当する表1に示す配合比率より計算される量とした。
【0105】
<洗浄剤組成物の製法>
*実施例1〜3及び比較例1〜3
粒子(I)に、粒子(II)及び粒子(V)を添加、その後、混合した。次に(b)ポリプロピレングリコールを添加し、その後、混合した。次に香料を添加し、その後、混合した。更に、粒子(III)、粒子(IV−1)、粒子(IV−2)及び粒子(VI)を添加してその後、混合して洗浄剤組成物30kgを得た。なお、粒子(II)〜(VI)は市販の粒子状製品を用いた。
【0106】
*比較例4〜7
粒子(I’)に、粒子(II)及び粒子(V)を添加、その後、混合した。次に(b)ポリプロピレングリコールを添加し、その後、混合した。次に香料を添加し、その後、混合した。更に、粒子(III)、粒子(IV−1)、粒子(IV−2)及び粒子(VI)を添加してその後、混合して洗浄剤組成物30kgを得た。なお、粒子(II)〜(VI)は市販の粒子状製品を用いた。
【0107】
<pH測定>
pHメーター(D−52S、pH電極6367−10D、堀場製作所社製)を用いて、JIS Z−8802:1984にしたがって、調製された洗浄剤組成物の脱イオン水により調製された0.2質量%希釈液の25℃におけるpH値を測定した。
【0108】
<匂い強度試験>
モデル汚れとしてオイルサーディン(いわし油漬、日本水産(株)製)2.0g、焼肉のタレ(黄金の味、中辛、エバラ食品工業(株)製)5.0g、レトルトカレー(ボンカレーゴールド21、辛口、大塚食品(株)製)3.5gそれぞれを陶器皿(カタログナンバー:558−3−60、玉渕9吋リムミート皿、食器カタログ器蔵No.5記載)に、納豆(おかめ納豆・国産中粒納豆ミニ、タカノフーズ(株)製)1.3gを陶器茶碗(カタログナンバー:562−53−31、3.6スープ椀(白)、食器カタログ器蔵No.5記載)に塗布し、室温にて1時間乾燥させたものを、溜め置いた水道水(25℃)中をくぐらせた後、ビルトイン型自動食器洗い機(型番:NP−P45M1、Panasonic(株)製)の所定の位置にセットした。
【0109】
あらかじめ縮分しておいた各洗浄剤組成物を6.0g洗浄剤投入口に投入し、標準コースにて運転(洗浄工程での水道水使用量:3リットル)を行った。
【0110】
運転終了後、パネラー(20代〜40代の男女、7名)によって庫内の匂い官能評価を行い、評価基準に従い下記の6段階でスコア化し、各パネラーの合計スコアを求めた。パネラー7人の合計スコアを表に示す。この評価では、合計スコアが14以下であれば洗浄終了後の臭いの問題がないと判断される。
(評価基準)
0:無臭
1:何のにおいかわからないが、ややかすかに何かを感じる強さ
2:何のにおいかわかる。楽に感じる弱いにおい。
3:明らかに感じるにおい。
4:強いにおい。
5:耐えられないほど強いにおい。
【0111】
<油汚れの再付着防止性>
ビルトイン型自動食器洗い機(型番:NP−P45M1、Panasonic(株)製)に牛脂(アルドリッチ・ジャパン(株)製)を3.0g入れ、庫内のグラスホルダー部にスライドガラス(スーパーフロストホワイト、松浪硝子工業(株)製)3枚を固定し、あらかじめ縮分しておいた各洗浄剤組成物を6.0g洗浄剤投入口に投入し、標準コースにて運転(洗浄工程での水道水使用量:3リットル)を行った。
【0112】
乾燥後、スライド硝子表面に対する水の接触角を接触角計(型番:CA−X150、協和界面科学(株)製)にて測定し、平均値を求めた(n=9)。結果を表に示す。この評価では、接触角(平均値)が30°以下であれば油汚れの再付着防止性に優れると判断される。
【0113】
【表1】

【0114】
表中の質量%は組成物中のものである。また、表中の成分は以下のものである。なお、表中の高分子化合物(g1)は、25質量%濃度の水溶液として用いた。表中の高分子化合物(g1)の質量%は、当該水溶液の質量%である。
1)ソルビタンモノオレイン酸エステル(花王(株)製、レオドール SP−O10V)
2)ジイソブチレン/マレイン酸共重合体(ロームアンドハース社製、Acusol 460ND、重量平均分子量15,000、ジイソブテン/マレイン酸=1.0(モル比))
3)N,N−ジアリル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド/マレイン酸/二酸化硫黄=66.7/26.7/6.6のモル比で重合させた共重合体(重量平均分子量2万、25質量%水溶液のpH(25℃)2.0)
4)ソルビタンモノラウリン酸エステル(花王(株)製、レオドール SP−L10)
5)ポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数=6モル)ソルビタンモノオレイン酸エステル
6)炭酸ナトリウム(セントラル硝子(株)製、デンス灰)
7)メタホウ酸ナトリウムで表面を被覆した過炭酸ナトリウム(メタホウ酸含有量:3質量%)(日本パーオキサイド(株)製、KCPZ)
8)デュラミル120T(ノボノルディスクバイオインダストリー社製)、平均粒径600μm
9)サビナーゼ18.0T(ノボノルディスクバイオインダストリー社製)、平均粒径600μm
10)ソカランCP45(B.A.S.F.社製)、平均粒径400μm、重量平均分子量約70,000、アクリル酸/マレイン酸=2.3(モル比)、部分ナトリウム塩
11)重量平均分子量約3000、平均縮合度約50(ジオールタイプ、和光純薬工業(株)製)
12)PERACTIVE AN(クラリアント社製)
【0115】
実施例1と比較例3、4を比較すると、(a)成分を含有しないと、洗浄終了後の臭い低減効果が低いことが分かる。また、実施例1、2と比較例1、2を比較すると(a)/(b)が本発明の範囲内にあれば、洗浄終了後の臭い低減効果及び油汚れの再付着防止性に優れることが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)脂肪酸の炭素数が14〜22であるソルビタン脂肪酸エステルを0.05〜10質量%、(b)下記式(b1)のポリアルキレングリコール及び下記式(b2)の化合物から選ばれる化合物を含有し、(a)/(b)の質量比が0.10〜2.0である自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
H−O−(R1O)n−H (b1)
〔式中;R1はエチレン基又はプロピレン基である。nはエチレンオキシ基又はプロピレンオキシ基の平均付加モル数を示し、10〜1000の数である。〕
2−O−[(R3O)l/(R4O)m]−H (b2)
〔式中;R2は水素原子又は炭素数8〜22の炭化水素基であり、R3はエチレン基、R4はプロピレン基である。ここで/の記号はエチレンオキシ基とプロピレンオキシ基がブロックでもよくランダムで結合されていても良いことを示す。l、mは、それぞれエチレンオキシ基、プロピレンオキシ基の平均付加モル数を示し、それぞれ5〜100の数である。〕
【請求項2】
(b)を0.01〜5質量%含有する請求項1に記載の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
【請求項3】
(a)と(b)の含有量の合計が0.1〜15質量%である請求項1又は2に記載の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
【請求項4】
(b)が式(b1)のポリアルキレングリコールである請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
【請求項5】
(b)が式(b1)中のR1がプロピレン基のポリアルキレングリコールである請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。

【公開番号】特開2012−214536(P2012−214536A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−78905(P2011−78905)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】