説明

自動高速免疫組織化学のための平行処理の流体方法および装置

高速組織化学処理などの高速サンプル処理を実現するよう構成されるサンプル処理システムは波要素を含み、前記波要素は顕微鏡スライドガラスの角度移動を利用して、毛管移動の作用による流体物質の排出および適用を繰り返して、生検または同様のサンプルなどに隣接する微小環境をリフレッシュすることができる。このように微小環境をリフレッシュすることによって前記微小環境の枯渇が回避され、スライド処理に通常必要とされる時間60〜120分から約15分未満にまで大幅に短縮されるため、米国病理医協会の術中ガイドラインが推奨するように、このようなシステムを術中または外科手術環境において使用することが可能になる。従って、検査結果を入手して先の処置において腫瘍などが完全に除去されたかどうかを判断することが可能になり、患者は追加の外科的処置を受ける必要がない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物化学で用いられ得るような自動標本検査の分野に関連し、おそらく細胞化学、組織化学などを含む。特に、本発明は、より高速なやり方で結果を達成するために用いられ、より容易に用いられ、並行して処理を達成し得るシステムおよびデバイスに関する。そのようなシステムおよびデバイスは、外科的または手術の環境において用いるのに特に適切であり得え、その環境では、高速な結果が必要であり得る。さらに、本出願は、開示された技術のある側面のみに対処している。他の側面は、同時に出願された出願において対処されており、その出願は、以下のとおりである。「Enhanced Fluidic Method and Appratus for Automated Rapid Immunohistochemistry」(本願と同日出願され、出願番号PCT/US2006/ が与えられた)、「Method and Apparatus for Automated Rapid Immunohistochemistry」(本願と同日出願され、出願番号PCT/US2006 が与えられた)、「Wicking Cassette Method and Apparatus for Automated Rapid Immunohistochemistry」(本願と同日出願され、出願番号PCT/US2006/ が与えられた)。これらの各々も、(本出願が利益を請求する)優先権の出願である米国仮出願第60/673,468号「Method and Apparatus for Automated Rapid Immunohistochemistry」も参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
しばしば手術中に、患者から組織生検サンプルが採取され、手術室から病理検査室に送られて、例えば凍結組織切片診断などによる分析が行われる。凍結組織切片診断の手順は、病理検査室において組織を凍結するステップと、前記凍結組織を切断するステップと、標準ヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)染色を行うステップを含む。H&Eは病理学者の組織病理診断を助ける汎用染色であってよい。しかしH&E染色は、それが非特定組織染色であること、また組織内の特定タンパク質を識別しないといった多くの制限がある。例えば、免疫組織化学(IHC)と呼ばれる手順を使用して組織内の特定タンパク質を識別することは、病理学者が多数の術中組織病理を診断する際の助けとなる。例として、センチネルリンパ節生検(転移性癌および黒色腫の可能性がある場合)、未分化腫瘍(癌、リンパ腫、および黒色腫の可能性がある場合)、および辺縁の生検(切除された組織の周縁を見て腫瘍全体が摘出されたかを判断する)が挙げられる。
【0003】
問題は、現在の自動IHCは60分から120分を要し、手術手順中に有効となるには長すぎることである。米国病理医協会が提供するような術中ガイドラインは一般に、病理データを約20分以内に手術医に報告することを推奨している。別の問題は、異なる試験に異なる試薬が用いられる必要があるということである。オペレータは、時に間違いを犯し得、故に、簡潔な作業が望まれる。
【0004】
例えば、おそらく個別の細胞と背景マトリクスとの間、または個別の細胞パーツ間の対比欠如が原因で、無染色細胞および組織標本を顕微鏡で検査することがしばしば困難となる。そのような対比を向上させるため、研究者は検査する細胞および組織標本に染色を適用する。前記染色は、細胞内の様々な構造に応じて異なって吸収され、異なる細胞構造間の対比が向上される。
【0005】
組織標本の染色は重要で時間のかかるプロセスである。多くの場合、多数の異なる染色および洗浄段階を必要とする。各段階には特定量、およびおそらくは異なる種類の試薬またはバッファが必要であり、一定の時間がかかる。そのため、通常は訓練を受けた技術者がそのような作業を行う。さらに、病院および研究室では大量の組織標本を、異なる試薬または物質を用いて染色する必要がある。従って、前記組織標本染色プロセスを自動化し、所望の物質の挿入をより容易、かつだれにでも扱えるものにすることが望ましい。前記プロセスを自動化することによって、高額の人件費を削減し、前記染色プロセス中にエラーが生じる可能性を低減する。そのため、顕微鏡スライドガラス上で組織標本を自動染色するための装置を導入する製造業者もいる。
【0006】
しかし、既存の自動染色装置は使用が容易でないことがある。そのような既存の自動染色装置は、難解なプログラミングコマンドや複雑な手順を必要とし、そのような装置を有効に操作できるようになるには広範囲のユーザトレーニングが必要となる。そのため、自動染色装置の操作およびその設定を簡素化することが望まれる。
【0007】
しかし、前述のように、既存の自動染色装置では望ましい結果を得るために相当の時間がかかる。抗体または一般に試薬などの相互作用物質あるいは結合物質を使用する場合、術中手順に使用される前記物質の化学的結果を得るには相当の時間がかかる。例えば、加速インキュベーション時間を用いる典型的な試薬結合プロファイルは、60分以上を要する。これでは長すぎて患部を露出したままにすることができないため、一旦患部を縫合し、結果が出た後で患者に再訪するよう依頼することも珍しくない。さらに、1つまたは2つのサンプルだけのために大掛かりな処理システムを動かすことは現実的であり得ない。大部分の物質に関して望ましい結合または他の相互作用量を得るためにこの試験時間が必要である一方、患者に術中手順を行うという観点から考えると、そのような時間は一般に許容されない。前記全体プロセスは前記化学的相互作用時間よりはるかに長くかかる。そのため、多くの染色または他の生化学的手順によって望ましい結果を得るために少なくとも1時間を要することも珍しくない。
【0008】
さらに、前記全体プロセスも相当に関連している。例えば、生化学処理はサンプルを第一抗体物質に暴露するステップと、空気ナイフを用いて前記抗体物質を動かし、前記サンプルの表面上に空気を吹き付けるステップと、前記サンプルをバッファで洗浄するステップと、前記サンプルを第二抗体物質に暴露するステップと、空気ナイフを用いて前記抗体物質を再度動かすステップと、前記サンプルをバッファで再度洗浄するステップと、前記サンプルを色原体物質に暴露するステップと、前記サンプルをバッファで再度洗浄するステップと、前記サンプルを対比染色に暴露するステップと、前記サンプルをバッファで再度洗浄するステップから成るステップを含む。これらの各ステップはそれ自体に相当の時間がかかり、手順全体では途方もない時間がかかることになる。実際に、そのようなステップを含む手順に90分以上かかることも稀ではない。この時間を短縮するための努力が為されているが、その努力は、単に関与する化学反応に対する機械的プロセスをある程度スピードアップすることに集中している。
【0009】
前記化学処理をスピードアップするための周知のプロセスは、適用されるサンプルおよび前記物質を加熱することである。このタイプのシステムでは、試薬を加熱することによって試薬と組織の相互作用時間を短縮する。加熱の欠点は、多くの試薬およびサンプルが加熱に対して良好に反応しないことである。
【0010】
試薬の表面上に空気を吹き付け、前記試薬または他の物質を前記サンプルの表面上で動かすために空気ナイフを使用することで、全体プロセスをいくらか短縮することができたが、この機能を採用する場合でも、前記手順には60分から120分という長い時間を要するという問題が残る。そのため、以前に使用された前記自動組織化学システムおよび他の類似したシステムの障害および制限の1つは、短時間で結果を得られないため、術中環境で有効に使用できるシステムを提供できないことである。本発明以前は、そのような試験に長い時間枠が必要であるということは、基本化学反応に必須の事として認識されていた。前述の記載を考慮すると、自動高速IHCまたは20分以内に行われるIHCなどを可能にする他の類似したシステムを実現することが求められる。研究室では、凍結組織などに対して自動高速IHCまたは他の類似した生化学試験も強く望まれる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0011】
実施例において、本発明は図1に示すような内蔵型高速サンプル処理システムを含む。このシステムは、高速IHCを行い、少ないサンプルに対しても容易に用いられ得る。実施例は、まったく異なる観点から問題にアプローチすることによって、克服不可能と考えられていた問題を解決することができる。本発明は、様々な生化学的状況において、ごく短い期間およびオペレータにとってより簡単な方法でサンプル処理を行うことができるシステムを様々な実施例において提供する。実際に、本発明はこれまで60分または90分、あるいは120分もかかっていた試験を20分の術中時間枠に短縮する。本発明の実施例は、これまで物理的な要件と考えられてきたこと、つまり多くの特定生化学反応が長い時間を要するという問題を解決する。本発明の実施例はまた、全てのサンプルの、直ちに同時発生する処理を可能にする。さらに、システムに特定の条件を設定することによって、極めて短い時間枠で望ましい量の化学的相互作用を行うことができる。実施例において、本発明はサンプルの外部サンプル領域上の微小環境を補充して、結合または一般的な他の相互作用をより速く生じさせることができる。本発明の実施例は、これまで物理的定数と見なされてきた長い結合時間を克服する。実施例は、単に流体をサンプル上で動かすだけでなく、微小環境を補充するよう作用することによって、特定量の相互作用を得るために必要な時間を著しく短縮できる。試薬などの完全に新しいアプリケーションを使用するのではなく、本発明は前記微小環境を補充し、相互作用時間を短縮するよう作用する。本発明の幾つかの実施例では、同一の流体を除去、混合、および再適用することによってこれを行うため、前記サンプルに隣接する前記微小環境において、前記流体および前記物質が枯渇することがない。実施例は、試薬における弾發音およびウィッキング要素における弾發音を提供することによって、オペレータによるシステムの使用を容易にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
前述のように、本発明は様々な側面を含み、異なる方法で組み合わされる。以下の記述は、要素をリストし、本発明の実施例の幾つかを記載するために提供される。これらの要素は最初の実施例とともにリストされるが、当然ながら任意の方法および数で組み合わされ、追加の実施例を生じる。様々に記載された例および実施例は、本発明を明記されたシステム、技術、およびアプリケーションに制限するものではない。さらにこの記述は、様々な実施例、システム、技術、方法、装置、および多数の前記開示要素、各要素、および本アプリケーションまたは任意の後次アプリケーションにおける全要素およびすべての様々な置換および組み合わせを持つアプリケーションに関する記述および請求項を保護および包含する。
【0013】
本発明は、本明細書に示す詳細な図面および記述を参照することによって理解できる。本発明の実施例は、前記図面を参照して以下に説明する。しかし、当該技術分野に精通する者であれば、これら図面に関して本明細書に示す詳細な説明が、単なる説明の目的にすぎず、本発明はこれらの制限的実施例の範囲を越えることが容易に理解されるであろう。
【0014】
図1、2、および10‐19を参照すると、本発明の実施例が高速サンプル処理の方法を実現するシステム筐体(60)を備えた内蔵型システム(56)を提供することがわかる。一般に、前記システムはサンプル(1)を取得するステップと、前記サンプルをサンプル処理システム(2)に配置するステップと、前記システムを操作することによって前記サンプル(1)を自動的に処理するステップとを含む。前記システムオペレータまたはその他ユーザは、コンピュータまたはタッチスクリーンディスプレイ(57)などを通じて適切な生化学試験手順を選択することができ、前記サンプル処理システム(2)をそのように構成するか、または自動的に配列された試験プロセッサ(3)を含めることができる。システムオペレータまたはその他ユーザは、選択された順序で、複数の試薬マガジン、および場合によれば単一の主要な抗体カートリッジを容易に挿入し得る。実施例において、前記サンプル処理システム(2)は、自動的に配列された生化学試験プロセッサ(3)、自動的に配列された組織化学試験プロセッサ、自動的に配列された細胞科学的試験プロセッサなどを含むことができ、前記システムは、これまで高速で行うことができなかった、または高速で行うことが望まれる特定タイプの試験を行う。
【0015】
前記サンプル処理システム(2)では、前記サンプル(1)の外部サンプル領域(4)の少なくとも一部がいくらかの適切な相互作用を受ける。この相互作用を可能にすることによって、物質(5)を前記サンプル(1)の近くに配置するように前記サンプル処理システム(2)を構成し得る。前記サンプル(1)上に前記物質(5)を配置した結果、前記サンプル処理システム(2)は適切な相互作用を生じ、それによって検出表示が提供される。この検出表示は、特定タイプの生化学的物質が前記サンプル(1)内に存在すると生じる。上述のように、前記サンプル処理システム(2)を手術環境において使用することもできる。そのため、前記サンプル(1)を薄い生体サンプルなどにすることが適切である。このサンプルは、1つまたは複数の薄い生体サンプルホルダー(6)上に配置される。
【0016】
また、様々なサンプルを一度にまたは並行して処理することも望ましい。そのため、前記サンプル処理システム(2)が複数のサンプルホルダーを備えることがある。これらのサンプルホルダーによって、表面(7)上にサンプル(1)を設置することが容易になる。前記サンプルを平らに広げて相互作用を促進するよう、この表面(7)は実質的に平坦である。前記サンプル(1)が薄い生体サンプルである場合、前記サンプル(1)は顕微鏡スライドガラス(8)などのスライドガラス上に配置される。この例において、前記サンプル処理システム(2)は、顕微鏡スライドガラスサンプルホルダー(9)を含む。顕微鏡スライドガラスサンプルホルダー(9)は、前記配置を容易にするか、または適切な物質(5)を前記サンプル(1)の外部サンプル領域(4)の少なくとも一部の近くに適用する際の助けとなる。サンプル(1)を顕微鏡スライドガラス(8)上に設置することによって、一般的な染色および分析を短時間で行うことができる。
【0017】
同時処理に関しては、理解されるべきは、個別化された生物学的サンプルは、共通点のない、サンプルに特有の生化学試験順序で行われ得ることである。自動的に配列された試験プロセッサ(3)は、個別化された複数の生物学的サンプルと、複数の共通点のないサンプルに特有の生化学試験順序とを、自動的に相関連付けるように動作し得る。この動作を介して、サンプル処理システム(2)または場合により自動的に配列されたプロセッサ(3)は、相関要素(67)を有すると見なされ得る。特定のサンプルホルダー上にどのサンプルがあるかを知ることによって、システムは、適切なサンプルを用いて適切な順序が行われるということを保証し得る。
【0018】
適切なソフトウェアまたはファームウェアだけではなく、適切なハードウェアをも介して、システムは、少なくとも一部の生化学試験順序を、自動的かつ実質的に同時に動作し得る。実質的に同時に動作を行うことによって、システムは、1つより多いサンプルに対して、ほとんど同時にそれらの動作を発生させ得る。勿論、これは、全ての生化学試験順序を含む。これはまた、特定の特徴、例えば、物質にサンプルをさらすこと、この物質の中でサンプルを培養すること、物質を取り除くか、または場合により一時的に取り除くこと、この物質を再び用いること、物質を除去すること、および最終的な所望の結果を達成または成就することを含み得る。故に、適切なプログラミングおよび場合により適切な機構の使用によって、システムは、さまざまな実質的に同時的な要素、例えば自動かつ実質的に同時的な物質ミキサー、自動かつ実質的に同時的な物質適用要素、自動かつ実質的に同時的な対サンプル物質適用要素、自動かつ実質的に同時的な培養要素、自動かつ実質的に同時的な物質一時除去要素、自動かつ実質的に同時的な流体物質一時除去要素、自動かつ実質的に同時的な毛管一時除去要素、自動かつ実質的に同時的な物質再適用要素、自動かつ実質的に同時的な物質除去要素、実質的に同時的な自動順序決定生化学試験プロセッサなどを有すると見なされ得る。物質の除去がウィッキングによって達成される場合において、システムは、実質的に同時にウィッキングする要素などを有すると見なされ得る。毛細作用が、ウィッキングの状況などにおいて用いられるときには、これは、毛細作用物質除去要素であり得る。システムは、完全に同時的な作用に対しても構成され得る。図面から、特に、図6および共通のヒンジ移動要素(47)を介して図に提示された機構設計の検討から理解され得るように、完全に同時的な処理が、その特定のフォルダー上の全ての対のスライドに対して行われ得る。故に、適切な構成によって、複数のサンプルが、同時的な処理のために構成され得る。さらに、自動的に配列された試験プロセッサ(3)APは、完全に同時的な、自動的に配列された生化学試験プロセッサとして構成される。
【0019】
前述のように、前記サンプル(1)の外部サンプル領域(4)の少なくとも一部を適切な物質(5)に暴露する。前記物質(5)は、任意の適切な反応性または非反応性物質である。適切な相互作用物質または反応性物質の存在が作用を促進し、検出が行われる。多くの例において、物質(5)は流体物質(10)である。前記サンプル(1)を少なくとも1つの流体物質(10)に暴露することによって、抗体結合、染色などの相互作用が生じる。通常、前記流体物質(10)は適切な反応性物質または適切な流体反応性物質である。そのため、前記サンプル処理システム(2)は、事前に選択した生化学試験手順の一部として、流体物質ソース(11)などの物質ソースを含む。また前記サンプル処理システム(2)は、前記流体物質ソース(11)によって、流体物質(10)をサンプル(1)上に配置するなどの作用を自動的に行う。本発明の実施例において、この作用は毛管作用を使用することで行われ、サンプル処理システム(2)は、サンプル(1)を適切な物質(5)に毛管暴露する。よく知られている配置では、前記流体物質(10)は液体物質である。この液体物質は、当然ながら溶液、懸濁液、または任意の他のタイプの物質である。他の実施例において、本発明をガス状物質などの非液体流体物質に適応することもできる。
【0020】
前記物質が一旦サンプル(1)上に配置されると、前記自動的に配置された試験プロセッサ(3)はプログラムされ、物質(5)の存在下でサンプル(1)をインキュベートするよう作用する。このプログラミングは、サンプル処理システム(2)においてインキュベーション要素(12)として機能する。自動的に配置された試験プロセッサ(3)は、前記サンプル(1)を前記物質(5)に暴露するステップを完了した後、前記サンプル(1)を前記物質(5)において一定期間インキュベートするステップを行う。幾つかの実施例において、前記サンプル処理システム(2)は、室温などの非上昇温度でインキュベーションを行うことができる。一般に、実施例では前記サンプルなどを加熱して、前記温度を実際に何度か上昇させる。温度感性物質の場合、前記サンプル処理システム(2)の実施例は、前記サンプルまたは前記物質(5)を外部的に著しく加熱しないため、前記サンプル処理システム(2)は、プログラミングなどを使用するしないに関わらず、前記サンプル(1)を物質(5)の存在下で著しく温度を上昇させることなくインキュベートする、非上昇温度インキュベーション要素(13)を含む。
【0021】
前記物質が変化するにつれて、当然ながら前記サンプルまたは前記プロセスも変化する。前記サンプル処理システム(2)に自動的に配置された試験プロセッサ(3)を様々にプログラムして、異なる物質、異なるサンプルに対して異なるインキュベーション時間を利用する。関与する物質またはサンプルに応じて、自動的に配置された試験プロセッサ(3)がごく短いインキュベーション時間を利用することも可能である。これは、前記物質(5)が配置され、サンプル(1)から除去される期間に十分な相互作用がある場合に適切である。また、バッファ物質などの特定物質に対しても適している。そのような場合、前記バッファ物質が適用され、著しいインキュベーション期間または遅延期間なしに比較的速やかに除去される。比較的速やかに除去されるとは、自動的に配置された試験プロセッサ(3)の機構または他の処理に付随する中断がある一方で、特定の配置の場合は実質的な遅延が生じず、そのため著しいインキュベーション期間が存在しないということである。
【0022】
通常、インキュベーション量は変化する。本発明の幾つかの実施例において重要なことは、先行技術と比較してインキュベーションを著しく短縮できるということである。インキュベーションは一連の部分的なインキュベーションイベントにおいて行われることもある。そのような部分的インキュベーションイベントでは、自動的に配置された試験プロセッサ(3)が物質を様々な時間以内に部分的にインキュベートするようアレンジされる。これらの時間は、90秒からゼロ秒までを含む。90、60、35、30、22、20、15、10、5、3、およびゼロ秒の部分的インキュベーションイベントが適用される。そのようなイベントにおいて、前記サンプル(1)は実質的な中断なく前記物質(5)に暴露される。この断続的な時間枠において、適切な相互作用、反応、または他のプロセスが一般的な意味で生じる。本発明の実施例において、前記相互作用の量は選択された時間内で通常生じる量よりはるかに多い。さらに重要なことは、部分的なインキュベーションが、これまで可能と考えられてきた時間よりはるかに短い時間で望ましい量の相互作用を生じ得るということである。前記部分的インキュベーション手順を結合することによって、インキュベーションの合計時間は著しく短縮される。本発明の実施例を通じて、特定の選択物質のインキュベーション合計時間は、選択された生化学、組織化学、細胞化学、または他の適切なサンプルプロセスの一部として、合計約300、250、200、150、20、16、または10秒以下にまで短縮される。
【0023】
本発明の実施例は、これまで不変の定数であると考えられてきた前記化学反応時間を著しく短縮することができる。適切なプログラミングを通じて、前記自動的に配置された試験プロセッサ(3)は、最初に前記サンプル(1)および適切な流体反応性物質の間の相互作用を可能にする。多くの免疫組織化学試験に対して適切である場合は、化学的な相互作用または化学反応を前記サンプル(1)および抗体物質(14)などの物質間に短時間で生じさせるよう、前記システムを構成することができる。これらの化学的相互作用または反応は様々な形態をとり、抗体が特定の細胞または他の構造と結合する場合に存在するような相互作用を含む。
【0024】
本発明の実施例において、前記システムはサンプル(1)のすぐ近くで前記流体物質を密閉および拘束するよう構成される。これによって、有界流体環境(15)または制限的に密閉された流体環境(17)が生成される。幾つかの配置では、サンプル処理システム(2)が、前記外部サンプル領域(4)の近くに有界流体環境(15)を確立するよう構成される。この有界流体環境(15)は、幾つかのタイプの流体境界要素(16)を通じて確立される。流体境界要素(16)が実際に配置、構成されると、前記有界流体環境(15)は前記サンプル(1)の近くに配置される。有界流体環境(15)を前記外部サンプル領域(4)の近くに確立することによって、前記システムは、適切な反応性物質(5)が配置される環境を提供する。さらに、前記有界流体環境(15)は様々な目的で機能する。第一に、前記流体物質ソース(11)などのソースから使用される流体物質(10)の量を制限する。これは、非常に高価な物質の節約に役立つ。さらに、前記前記有界流体環境(15)は、前記流体物質(10)上の適切な作用を促進する。
【0025】
実施例では、前記有界流体環境(15)が構成され、制限的に密閉された流体環境(17)が前記サンプル(1)の少なくとも一部の近くで生じる。制限的に密閉された流体環境(17)を提供することによって、前記サンプル処理システム(2)は処理を強化する流体環境を提供する。幾つかの実施例において、サンプル処理システム(2)は、1つ以上の方向に作用可能な多方向の流体閉じ込め要素(18)を含む。これは単なる多方向閉じ込め要素であるというよりも、単一方向のZ軸のように上下方向に結合する場合など、同一方向的意味合いで多方向であると理解する必要がある。
【0026】
幾つかの実施例において、前記多方向流体閉じ込め要素(18)は、対向する表面多方向流体閉じ込め要素(19)として実際に構成される。この対向する表面多方向流体閉じ込め要素(19)は、それぞれ対向する2つの表面を持ち、そのため流体環境を密閉する。一実施例では、対向する顕微鏡スライドガラス(8)を使用して、前記流体環境を密閉することができる。示すように、構成は、サンプルを対向する対に配列し得る。これらの対向する対は、図における一列に並んだ配列で示されるような、対向した相反する対を、発明者に思い起こさせた。図4に示すように、対向する顕微鏡スライドガラス(8)が作用して、前記2つの顕微鏡スライドガラス(8)間に小さな領域を生じる。この一実施例では、前記制限的に密閉された流体環境(17)が作用して、外部サンプル領域(4)の少なくとも一部の近くに、多方向の制限的に密閉された流体環境を確立することがわかる。前記外部サンプル領域(4)の少なくとも一部の近くに、対向する表面を持つ多方向の制限的に密閉された流体環境を確立することによって、前記外部サンプル領域(4)は好ましくは適切な流体物質(10)に暴露される。
【0027】
幾つかの実施例において、前記多方向流体閉じ込め要素(18)は、少なくとも3方向に密閉された流体閉じ込め要素(20)として構成される。これは、2つの顕微鏡スライドガラス(8)、および顕微鏡スライドガラス(8)の末端またはそのラベル要素などにおける追加の閉じ込め方向で示されるように、対向する表面を持つ多方向流体閉じ込め要素(19)を使用することによって行われる。一般に、追加の方向閉じ込めを提供できる。適切な材料、例えば疎水性材料などを使用することによって閉じ込めを行うこともできる。一例として、疎水性のラベルを使用することによって、特定の流体物質(10)がさらに別の方向に密閉状態になることがわかる。閉じ込めは少なくとも三方向で生じるため、少なくとも三方向に密閉された流体閉じ込め要素(20)を提供できる。一般に、多方向流体閉じ込め要素(18)は制限的に密閉された流体環境または制限的に密閉されたガス状環境を確立する。
【0028】
前述のように、望ましい結果を得るために様々な物質を使用することができる。そのため、サンプル処理システム(2)は特定タイプの物質ソースとして作用する物質ソース(21)を含む。多様な物質を使用でき、前記物質ソースは組織化学処理物質ソース、細胞化学処理物質ソース、有機物質ソース、細胞学的物質ソース、および生体分子物質ソースとして機能する。さらに詳しくは、特定の試験に適切な特定の物質を使用できる。物質ソースは異なるタイプの物質を持つことができ、試薬、一次抗体物質、および二次抗体物質、色原体、細胞物質、対比染色、組織化学的プローブ、細胞物質対比染色、第一色原体構成要素、第二色原体構成要素、一価抗体物質、多価抗体物質、組織学的物質、免疫蛍光物質、免疫金物質、免疫金銀強化物質、免疫細胞化学的物質、免疫組織化学的物質、蛍光分子物質、および生物学的に特定されたタンパク質を含むがそれらに制限されない。さらに、他の物質によって生成された物質、例えば抗体刺激によって生成された物質、B細胞刺激によって生成された物質、B細胞刺激によって生成されたタンパク質、他の要素に対する免疫応答性物質、抗原に対する免疫応答、免疫グロブリンなどを使用できる。もちろん、好塩基性染色、好酸性染色、ヘマトキシリン染色、エオシン染色、エオシン好性染色、H&E染色、Lee染色物質、Mallory結合組織染色物質、過ヨウ素酸‐Schiff染色物質、リンタングステン酸ヘマトキシリン染色物質、銀染色物質、Sudan染色物質、Wright染色物質、Verhoeff染色物質、三重染色物質、ギムザ染色物質、トリストロジック物質、細胞学的物質、生体分子物質、およびそれらの任意の組み合わせを含む物質など、多様な染色物質を使用することもできる。物質ソース(21)は、適切な物質タイプのプロセッサ(22)を含むシステムの一部であることを理解する必要がある。この場合、前記システムは組織化学プロセッサ、細胞化学プロセッサなどを含む。さらに、前記システムは、前記サンプルをこれらの物質のいずれかに暴露するよう構成することができる。
【0029】
本発明の実施例において重要な側面は、低親和性抗体物質または低温抗体物質などの特に難しい物質を用いた使用である。このように、本発明の実施例は、これまで事実上不可能とされてきたところで結果を得ることができる。一例として、周知の時間枠内に一般に許容される割合の結合を示す任意の抗体物質などの低親和性抗体物質を使用することができる。このように、前記サンプル処理システム(2)は、そのプログラミングなどを通じて、前記サンプル(1)を低親和性抗体物質に暴露する。低親和性抗体物質のタイプは、自動染色システムにおいてこれまで有効に使用することができなかった物質であってよい。低親和性抗体物質に加えて、熱感受性抗体物質を使用してもよい。幾つかのシステムにおいて、そのような抗体物質が使用された例はないかもしれないが、現在ではより多くの場合に使用されている。熱を利用して、一般に許容される時間枠内の相互作用を加速させるシステムもあるが、本システムは熱感受性の抗体物質とともに使用される。そのため、これまで使用できなかった物質が使用可能になった。これは、上昇温度に対する非耐性および低親和性のために前記加速された時間枠が得られない場合でも可能である。幾つかの例では、典型的かつ一般的に、最終量のおよそ半分未満が約150、180、または240秒で結合する抗体が使用される。これは通常の温度条件下で生じるため、前記システムは、通常の温度条件下で一般的な最終量の約半量を結合するために前記時間枠より長い時間を要する抗体物質を使用する。
【0030】
前述のように、サンプル処理システム(2)は様々な異なる試験手順または試験プロセスを促進することができる。高速処理を可能にする実施例を適用することによって、高速免疫組織化学、免疫細胞化学、in situハイブリッド形成、蛍光in situハイブリッド形成、染色体識別、染色、抗原抽出、細胞化学、分子化学、エピトープ抽出または事前プロセスを行うよう前記システムが構成される。これらの異なるプロセスは、多様なサンプルに適用することもできる。そのため、特定タイプのサンプルを取得して、そのサンプルを顕微鏡スライドガラスサンプルホルダー(9)などのサンプルホルダーに配置することによって、様々な異なるサンプルを処理するよう前記サンプルプロセッサまたは前記自動的に配列された試験プロセッサ(3)を構成できる。これらのサンプルは、生物学的、細胞、組織、生検、癌腫関連、黒色腫関連、リンパ腫関連、辺縁試験関連、上皮細胞、リンパ節、未分化腫瘍細胞、小児細胞、モースマッピング細胞、ヘリコバクター・ピロリ菌細胞、絨毛膜組織細胞、新生児ヘルペス細胞、プロテオミクス細胞、または他の種類のサンプルである。このように、前記プロセッサは、適切なプログラミングを通じて試験を行い、上述のタイプのサンプルに作用する任意のプロセッサである。前記全体サンプル処理システム(2)は、前記サンプル(1)内にある種の生物学的物質が存在することを示す検出表示を提供できる。この検出は、前記サンプルにおける癌腫、腫瘍、食細胞、リンパ節、移植手順、腫瘍分化、小児病理、モースマッピング、辺縁、辺縁指示、ヘリコバクター・ピロリ菌診断、治療マーカー、絨毛膜組織、新生児ヘルペス、ウイルス、バクテリア、感染性診断、または単なる分子指示タイプの物質が存在することを示す検出表示を含む。
【0031】
特に重要な処理は免疫組織化学処理である。そのため、前記サンプル処理システム(2)は、免疫組織化学反応に関与する特定タイプのプロセスのうちいずれか1つを行う。適切なタイプの免疫組織化学プロセッサを含む場合がある。そのようなプロセッサは適切に構成されると、自動的に配置された試験プロセッサ(3)として機能し、前述のいずれのタイプであってもよい。一般に、生化学処理は、様々なタイプの化学処理、組織化学処理、細胞化学処理、免疫組織化学処理などを含むがそれらに制限されない。
【0032】
幾つかの実施例において重要な側面は、高速生化学処理を実現するよう本発明を構成できることである。よって前記サンプル処理システム(2)は、高速生化学サンプルプロセッサ(24)を含む。この高速生化学サンプルプロセッサ(24)は、従来より短い完了時間で望ましい結果を実現する。前記従来の完了時間は、指定タイプのサンプル、プロセス、試験装置、および/または物質に対して望ましい結果を得るために必要と考えられる時間である。同一タイプの構成の場合、本発明は、より長い時間を要して得られると考えられる化学的結果と同様の望ましい結果を得るよう構成された高速生化学サンプルプロセッサ(24)を使用することによって、高速生化学処理を行うことができる。高速生化学サンプルプロセッサ(24)は、従来の完了時間より早く同様の望ましい結果を得る。幾つかの実施例において、これは上昇温度なしに実現するため、前記システムは従来の非上昇温度結合時間より短い時間で抗体物質に作用する。
【0033】
高速生化学サンプルプロセッサ(24)として、前記システムは、前記生化学試験手順を従来の完了時間内で自動的に実行しながら同様の望ましい結果を得るよう構成される。これは、前記物質(5)が前記サンプル(1)と相互作用する反応時間を意図的に短縮する。そのような構成において、高速生化学サンプルプロセッサ(24)は、生化学的に時間短縮された相互作用要素として作用し、短縮された検出時間処理完了要素として機能する。実施例は、短縮された時間内で検出表示を提供し、術中環境または他の短縮時間環境で使用できる。一般に、高速生化学処理方法を提供することによって、単に処理の短縮が必要な場合以外にも本システムを使用することが可能になる。また、単に時間を短縮することが望まれる場合にも使用される。サンプル(1)との結合に抗体物質を使用する場合、システムはサンプルを短縮抗体結合時間に暴露するよう構成される。これは、有界流体環境(15)の少なくとも一部に実質的に沿うようにして、前記相互作用を許可することによって行う。もちろん、これは制限された密閉流体環境(17)においても可能である。
【0034】
強化された相互作用を少なくとも一定時間生じさせることによって、本発明の実施例は高速生化学処理を可能にする。この高速処理は単に、推奨される反応時間より短い処理であってもよい。前記相互作用は、特定の状況に対して一般に許容される時間枠と比べて短い時間枠内に生じることが求められる。前記サンプル処理システム(2)の実施例は、特定の状況に対する一般的な相互作用、完了、反応、または検出時間枠と比べて時間を短縮する。驚くべきことに、本発明は許容レベルの相互作用または反応を期待される時間枠内で獲得することができる。そのため、一般に化学的に望ましい結果を得るには長い時間がかかると予測されるが、本発明はそれと同様の結果を短縮された時間枠で提供することができる。この短縮された時間枠は、推奨される反応時間より短く、単純な自動生化学試験手順の一部として実行してもよい。
【0035】
適切な反応物質が実質的に反応する期間を制限することによって、本発明は高速に結果を得る。つまり一般的な完了時間より早く結果を得ることができる。この時間枠は、意図的に短縮された反応時間である。本発明の実施例は、特定タイプの生化学物質が存在することを示す検出表示を短い検出時間で提供し、短縮反応時間要素、短縮相互作用時間要素、または短縮結合時間相互作用要素(25)を利用する。この短縮時間相互作用要素(25)は、サンプル処理システム(2)において自動的に配列された試験プロセッサ(3)に含まれるプログラミングであるか、またはハードウェアまたはファームウェアとして存在する。前記短縮時間プロセス完了とは、短縮時間プロセス完了要素(26)であり、短縮検出時間プロセス完了要素と同様に前記サンプル処理システム(2)に含まれる。任意の状況において短縮時間を利用することによって、本発明の実施例は非上昇温度条件下において前記結果を得ることができる。そのため、本発明の実施例は、特定の物質に対して短縮された非上昇温度相互作用時間を利用する。
【0036】
幾つかの実施例において、相互作用量とは適切な量を示す。抗体をサンプル(1)に結合するような場合、本発明の実施例は一般に許容される非上昇温度抗体結合の総量の相当な割合をより短い時間で完了する。相当な割合とは、一般に許容される非上昇温度抗体結合の総量の70%、80%、90%、95%、98%、ほぼすべて、あるいは100%である。外来患者処置、術中処置、または米国病理医協会の術中ガイドラインに記載の時間制限以内に検出表示を提供する実施例は、定量的な量および時間枠も提供することができる。これらのより一般的な状況において結果を得ることによって、本発明は、医師がより効果的に使用でき、患者にとっても有効なシステムを提供する。本発明は、そのため手術室時間制限環境などでの使用に適している。本発明は、外科手術時間高速環境などにおいても使用可能である。量的に本発明の実施例は、前述のように約60、45、30、20、15、12および10分の時間枠以内に検出表示を提供する。自動的に配列された試験プロセッサ(3)などの前記システムは、短縮組織化学的検出時間プロセス完了要素として機能するよう構成される。これらは、前述の時間枠のいずれかより短い時間で検出表示を提供するよう構成される。またシステムは、従来の非上昇相互作用時間枠の約75%、50%、30%、23%、または18%未満の相互作用時間を使用するよう構成される。これは、上昇温度を用いる場合にも同様に適用する。システムは、前述の検出表示時間枠を提供するよう構成される完了要素を提供し、組織化学的に時間短縮された相互作用要素を前述の時間枠で提供する。前述のように、前記システムは、約500、400、300、240、180、150、または120秒以内に表示を提供する。これは、約90秒または660秒未満で一般に許容される非上昇温度相互作用総量の約50%または80%をそれぞれ生じる物質の場合に起こる。
【0037】
短縮された時間枠または相互作用を得るため、前記システムは流体環境内で強制作用を生じる活動を含む。前記システムは、前記サンプルの近くで原動力を適用する。これは原動力要素(23)を通じて生じる。この原動力は、前記制限的に密閉された流体環境(17)の少なくとも一部に実質的に沿うようにして適用される。原動力を自動的に適用することによって、前記自動的に配列された試験プロセッサ(3)は適切な時間に作用する。この原動力の適用は、幾つかの実施例において流体波を開始する。流体波を積極的に開始することによって、前記制限的に密閉された流体環境(17)内の流体が移動する。前記流体波の積極的な開始は、制限的に密閉された流体環境(17)においても生じる。これは、前記流体が必要な場合、または何らかの方法で補充することによって強化される場合に生じる。
【0038】
幾つかの実施例において、前記自動的に配列された試験プロセッサ(3)は振動流体波、つまり複数回前後に動く流体波を積極的に開始するよう作用する。これらは、自然な性質である場合とそうでない場合があり、また間に中断がある場合とない場合がある。そのようなプログラムを通じて、前記システムは振動流体波要素(27)として機能するサブルーチンなどを含む。当然ながら、前記振動流体波要素(27)を含める必要はない。幾つかの実施例において、前記システムは一般的な流体波要素を含む。この流体波要素は、単にある種の流体波を有界流体環境(16)内で少なくとも一定期間生じさせる。流体波要素は、前記制限的に密閉された流体環境(17)などの領域内で作用し、この環境において前記システムは流体移動を生じさせる。以下に説明するように、幾つかの実施例では、これによって流体環境から流体を除去し、次に前記流体をその流体環境に再適用する。前記システムはまた、最初に波を生じさせる原動力を除去することによって、前記流体波を自動的かつ実質的に停止させる。
【0039】
前述のように、本発明の実施例に関する特徴の1つは、物質が前記サンプル(1)と相互作用しながら物質(5)の枯渇に対応することである。図3に示すように、幾つかのタイプの流体環境を通じてサンプルを前記物質(5)に暴露することができる。この流体環境は、制限的に密閉された流体環境(17)である。任意の流体環境において、制限されているか否かに関わらず、前記サンプル(1)に直接隣接して存在する微小環境(28)が含まれる。この微小環境(28)は前記サンプル(1)に直接隣接するか、または隣に位置する。微小環境は前記サンプル(1)と実際に相互作用する前記物質(5)の要素を含む。物質(5)の要素が枯渇状態になると、相互作用が減速する。本発明の実施例の特徴の一つは、前記全体流体を置き換えることなくこの微小環境(28)を補充できるということである。特に図4からわかるように、前記微小環境(28)から前記流体物質(1)を除去することによって、前記流体物質ソース(11)を補充した後、置換することができる。適切に配置することによって、前記サンプル処理システム(2)は、サンプルインターフェース微小環境の枯渇を積極的に回避する要素(29)を含むことができる。このサンプルインターフェース微小環境の枯渇を積極的に回避する要素(29)は、プログラミングと前記適切な作用を実現するために作動するハードウェアの組み合わせである。この作用は実質的に、前記サンプルインターフェース微小環境(29)内で混合することと同じ程単純である。興味深いことに、空気ナイフなどを使用しても、前記微小環境(28)において実質的に削減されたプロセス時間を実現するために必要な混合レベル、つまり本発明の実施例が実現できる混合レベルには達しないと考えられる。実際に、既存のシステム(空気ナイフシステムを使用する)は、依然として90分または120分という従来の処理時間を維持しているのに対し、本発明は処理時間を著しく短縮し、術中ガイドラインに記載の20分を下回る。
【0040】
物質の使用量を最少減に抑えるため、また高速処理の目的を効率的に達成するため、本発明の実施例は、前記サンプル(1)に隣接する前記微小環境(28)において前記物質(1)を非置換的かつ実質的に置換することができる。これは、前記サンプルインターフェース微小環境において、前記物質(5)を前記サンプル(1)の近くから一時的に除去した後、同一物質を再適用することによって行うことができる。前述のように、実質的なリフレッシュが起こる。流体物質(10)を動かす他のシステムでは、そのようなことは起こらない。これは、そのようなシステムの処理時間が依然として遅いこと、また本発明の実施例で見られるような高速サンプル処理が行われないという事実から明らかである。図4に示すように、これは有界流体環境(15)を定義する堅固な表面(7)または堅固かつ制限的に密閉された流体環境を動かすことによって生じる。ここで堅固という表現は、固定された境界要素または柔軟な境界要素の両方を含意する。図に示すように、毛管作用の効果を有効利用する。そのような作用を通じて、前記サンプル処理システム(2)または前記自動的に配列された試験プロセッサ(3)は、サブルーチンまたはプログラミングを含むことによって、サンプルインターフェース微小環境物質リフレッシャ要素(30)を持つと考えることができる。これは、前記流体物質(10)を置換することなくリフレッシュを可能にする。
【0041】
化学的に前記物質をリフレッシュすることによって、高レベルの望ましい作用が継続的に生じる。代表的な物質に関して図5に示すように、これは特定の抗体物質であってよい。この図は、従来の加速/加熱抗体物質結合プロファイル(58)、前記微小環境(28)における抗体物質の枯渇によって遅延する結合作用を描写する。抗体物質の一般的な結合の場合、その最終結合量の95%を得るには14分以上かかる。図に示すような5つの波を通じて繰り返し前記物質(5)をリフレッシュすることによって、前記システムの実施例では、図に示すようなリフレッシュされた抗体物質結合プロファイル(59)を得ることができる。このリフレッシュを通じて、前記曲線は繰り返しその急勾配部分に位置し、高い割合で結合または他の相互作用が得られる。
【0042】
前記物質(5)を使用して後で再適用できる場合などにおいてこれを一時的に実現するため、前記システムの実施例は、収集された流体物質(36)を図示のように設置できる。前記サンプル(1)または表面(7)に前記物質(5)がわずかに残る場合もあるが、大部分を除去することが重要である。前記サンプル(1)から前記物質(5)を除去することは、結合または他の望ましい相互作用が生じることによって前記物質自体が枯渇する作用とは異なることに注意する。
【0043】
さらに、前記システムは、収集された流体物質(36)の場合に示される位置において、前記サンプル(1)から除去された前記物質(5)を一時的に保持する。これは、前記サンプル(1)または乱流などから取り除かれた結果として、前記収集された流体物質(36)を再混合させるような中断なしに起こる。この保持は、単なる操作中の中断であるため、前記システムは除去された流体中断要素(31)の集合を持つと考えられる。この中断要素は、前記物質一次除去要素の作用の後、少なくとも一定時間作用する。除去された物質の保持は、約4秒、3秒、1.5秒、1秒または500ミリ秒など様々な時間で生じる。これらの時間を通して、除去された流体中断要素(31)の集合は、上記の時間保持するよう構成される除去された流体中断要素の集合となるよう構成される。図6に示すように、複数の中断を使用できるため、前記システムは複数の集合流体中断要素(33)を持つ。これは同様にして繰り返し生じうる。そのような構成において、サンプル処理システム(2)は前記サンプル(1)から除去される物質(5)の一時的保持を繰り返す。
【0044】
前述のように、前記サンプル(1)の近くにおける流体の移動が望まれる実施例もある。この一般的な状況において、本発明の一実施例に基づくサンプル処理システム(2)は、サンプルインターフェース微小環境混合要素(34)を含むよう構成される。このサンプルインターフェース微小環境混合要素(34)は実際に、前記物質ソースがその物質(5)を排出した後で作用する物質ミキサーである。これは、プロセスの少なくとも一部で前記物質の混合を行う。前記サンプルインターフェース微小環境(28)内の物質混合を行う。そのような構成において、前記システムは前記サンプル(1)に直接隣接する特定領域内で実質的な混合を行う。サンプルインターフェース微小環境あるいは一般には微小環境(28)と呼ばれるこの領域は様々な厚みを持つ。例えば実施例において、サンプルインターフェース微小環境は、前記サンプル(1)から少なくとも約20μmの深さまで前記サンプル(1)に隣接する。幾つかの実施例において、より小さい領域で同様の混合が生じる。少なくとも20μmの微小環境が混合される実施例もあれば、例えば10μm、1μm、500nm、200nm、100nm、50nm、および少なくとも約10nmといった短い距離が関心の領域となる実施例もある。そのようなサンプルインターフェース微小環境(28)における混合または補充は、特定のアプリケーションまたは構成に対して適切である。興味深いことに、既存のシステムがそのような高速処理を行うことができないという事実から容易に判断されるように、この微小環境における混合は既存のシステムでは生じない。
【0045】
前記微小環境(28)内で前記物質(5)を混合する際、前記サンプル処理システム(2)は2つの異なるタイプのプロセスで作用する。初期混合の後に異なるタイプの混合が続く。一実施例において、前記システムは、まず前記サンプル(1)から物質を一時的かつ実質的に除去するステップを頻繁に短い時間枠で繰り返す。これらの最初の高速ステップの後、第二の低頻度または短時間の反復が起こる。一例として、まず前記サンプル処理システム(2)は、前記物質(5)を除去して再適用するまでの間、ほとんど中断なく作用する。この初期作用に続いて、前記サンプルプロセスシステム(2)はゆっくり作用して時折材料を除去する。複数の初期ステップによって実質的にさらなる混合が生じ、前記物質をサンプルから一時的かつ実質的に除去するステップをまず何度も繰り返すことによって、前記物質(5)をさらに素早く補充することが可能になる。
【0046】
図11−14を参照すると、本発明の実施例がサンプル(1)の近くから流体物質(10)を除去する様子がわかる。一般に物質一次除去要素(32)を含めることによって、前記サンプル処理システム(2)は、前記サンプル(1)のすぐ近くから一時的に物質(5)を除去する。そのような構成は、適切な流体反応性物質を前記サンプル(1)から一時的かつ実質的に除去する。これは、前記サンプル(1)のすぐ近くから流体環境を除去することによって実質的に行われる。図示の実施例において、前記システムは有界環境(15)を縮小するため、前記サンプル(1)の近くから前記流体物質(10)を引き戻すことがわかる。これは、おそらくは前記顕微鏡スライドガラス(8)などの表面(7)の移動などによる、毛管現象を通じて起こる。図示されるように、一実施例において、前記顕微鏡スライドガラス(8)は角度が離れることによって、前記制限的に密閉された流体環境(17)を縮小する。このように、前記移動機構および前記プログラミングは減少する流体閉じ込め要素(35)として作用する。この減少する制限的流体閉じ込め要素(35)は、前記物質をサンプル(1)から一時的かつ実質的に除去する。一時的、つまり最終的な再適用と同時に、また微小環境が実質的に削除されて補充されるよう前記物質(5)を前記サンプル(1)から実質的に除去することによって、前記システムはこの実施例の目的を達成する。ある時点で前記物質(5)が前記サンプル(1)に再適用されるよう、前記物質(5)を前記サンプル(1)から一時的に除去する。さらに、前記サンプル(1)において物質(5)を実質的に除去することによって、前記システムはサンプル(1)の近くから前記物質(5)の大部分を除去する。一般に少量の物質(5)が残るが、前記物質(5)の大部分は除去され、適切な混合または再適用のため回収される。従って、前記システムの実施例は前記サンプル(1)の外部サンプル領域(4)のすぐ近くから前記有界流体環境を実質的に除去する。
【0047】
図4に見られるように、収集された流体物質(36)は前記外部サンプル領域(4)の近くで使用可能である。この収集された流体物質(36)は、物質再適用要素(37)の作用を通じて次に前記サンプル(1)に再適用される。この物質再適用要素(37)は、一時的に除去された物質の少なくとも一部に作用し、その大部分またはすべては収集された流体物質(36)を示す。一時的かつ実質的に除去された適切な流体反応性物質の少なくとも一部を再適用することによって、前記サンプル処理システム(2)は、流体物質(10)によって生じる微小環境(28)を補充し、この微小環境(28)において関心の特定物質(5)が枯渇しないようにする。
【0048】
同様に、前記収集された流体物質(36)の再適用は、有界流体環境(15)を拡大すること、つまりそのような環境における制限を増加させてそれを小さくすることによって生じる。前記制限的に密閉された流体環境(17)を拡大することによって、前記システムはより多くの制限的流体閉じ込め要素(38)を持つと考えられる。より多くの制限的流体閉じ込め要素(38)は、一時的かつ実質的に除去された物質を少なくとも一部を前記収集された流体物質(36)などのサンプル(1)に再適用することができる。
【0049】
幾つかの実施例において、毛管作用を使用し、必要に応じて前記流体を動かすことができる。制限的に密閉された流体環境(17)を特定の物質および表面材料の存在下で縮小することによって、前記流体物質(10)は毛管作用によって引き戻される。実施例において、これは特定構成の毛管移動より速い速度で生じる。前記顕微鏡スライドガラス(8)などの前記表面(7)は、前記流体物質(10)を生じる速度で角度分解され、動きのない毛管作用を通じて一般に動く速度より速く動く場合、前記システムは毛管移動より速い流体移動要素(39)を提供すると考えられる。さらに、前記サンプル処理システム(2)は、毛管置換要素(40)および毛管流体置換要素として機能するものを提供するように構成することができる。さらに、前記毛管置換要素(40)は、流体をサンプル(1)に戻すことによって、毛管作用物質適用要素(41)として機能する。毛管作用は、特定の構成などに対して毛管作用を示す毛管移動可能な液体とともに存在する。そのような液体は、表面張力を示す液体または表面張力液も含む。
【0050】
他のタイプの移動も可能である。例えば、外部サンプル領域(4)の少なくとも一部の近くで液圧置換された流体を持つことができる。システムは液圧置換要素などを含む。一般に毛管作用を用いる場合、システムは前記外部サンプル領域(4)の少なくとも一部の近くで流体を置換するための毛管流体置換要素を持つと考えられる。前記サンプル(1)から流体物質(10)を引き離す場合に、流体環境を毛管消去するとも考えられる。
【0051】
特定の構成に対して毛管移動より速い速度で移動を行うことで、前記システムは高速流体移動を提供すると考えられる。もちろんこれは、高速流体適用と同様に高速流体除去を含む。これは、特定の構成に対する流体移動が通常の毛管移動より速く生じる任意の状況において存在するため、前記システムは高速流体移動要素を提供すると考えられる。高速流体移動は、前記サンプル上で少なくとも約0.05ミリ秒、0.1ミリ秒、0.125ミリ秒、0.25ミリ秒、0.5ミリ秒、および約1ミリ秒の範囲の速度で生じる。従って、流体移動要素(42)は、前述の流体移動速度または必要に応じて他の速度を実現するよう構成される。実施例において、流体移動要素(42)は、特定の速度ではなく時間で流体移動を行うことができる。前記サンプル(1)が顕微鏡スライドガラス(8)上に配置された図示の構成の場合、時間は約1秒、0.5秒、400ミリ秒、200ミリ秒、100ミリ秒、または50ミリ秒以下となる。
【0052】
図11‐14を参照すると、様々な機械的配列を使用して前述の高速サンプル処理が可能になることがわかる。機械的実施例の一つでは、複数のサンプル(1)を整列配置で構成することができる。図11は、上部顕微鏡スライドガラス(43)が上部スライドホルダー(44)に接続できることを示す。同様に、下部顕微鏡スライドガラス(45)を下部スライドホルダー(46)で保持することができる。前記上部スライドホルダー(44)および前記下部スライドホルダー(46)の両方をある種のヒンジ移動要素(47)を通じて接続することができる。前記ヒンジ移動要素(47)は、スライドホルダー間、したがって前記上部顕微鏡スライドガラス(43)および前記下部顕微鏡スライドガラス(45)間にある種の角度移動を生じさせる。一般的な意味において、前記ヒンジ移動要素(47)は、単に第一および第二表面、例えば前記顕微鏡スライドガラス(8)または他のタイプの表面間にいくらかの角度移動構成要素を生じる。この運動は、下部スライドホルダーモーター(48)および上部スライドホルダーモーター(49)といったコンピュータ制御のステッピングモーターを使用することによって生じる。
【0053】
ヒンジ移動要素(47)は、第一および第二表面移動要素として機能する。図に示す前記表面が実際に顕微鏡スライドガラスである場合、当然ながら前記表面は平坦である必要がない。それらは実質的に平坦または水平であってもよく、また同様に湾曲していてもよい。図14および図4において、前記ヒンジ移動要素(47)は閉鎖位置にあり、前記上部顕微鏡スライドガラス(43)は前記下部顕微鏡スライドガラス(45)に近づく。ソフトウェア、ハードウェア、またはファームウェアを通じて行われる操作によって、前記サンプル処理システム(2)は、近接表面置換要素を含むと考えられる。この近接表面置換要素は、一方の表面を他方の表面に関して移動または置換する一方、前記表面が互いに近接する場所に配置することもできる。一実施例において、本発明は前記第一表面を前記第二表面に関して、または前記第二表面の近くに置き換えるよう構成できる。前記表面は顕微鏡スライドガラス(8)であってよいが、そうである必要はない。
【0054】
前述のように、原動力要素(23)は第一表面とそれに関する第二表面の間に角度移動または他の運動を生じることができる。角度移動は、図4、および図11−14に示す前記運動と比較することによって見ることができる。前記サンプル処理システム(2)は、第一および第二表面角度移動要素を含むと考えられることが分かる。この要素は、第一表面を第二表面に関して、および第二表面の近くで置き換えることができる。こうした移動に関する異なる側面を図4および11−14に示すが、当然ながら自動的に配列された試験プロセッサ(3)が行う最適なシーケンシングは多様な移動を含み得る。図6に示すように、特定シーケンスの移動によって、前記サンプルを物質に暴露し、前記物質を一時的に消去し、前記物質を混合し、前記物質を再適用し、最終的に前記物質をサンプル(1)から引き出す特定のアプリケーションを実行できる。図に示すように、様々なステップのタイミングおよびシーケンスが可能になる。例えば、ステップ3および4に示すように、一次抗体を混合する方法に対する初期シーケンスは、一般に著しいインキュベーション時間を要する波シーケンスが後に続くことによって得られる。図6から、検出シーケンス全体が15分未満、大部分の既存システムと比較して大幅に短縮された時間で完了することがわかる。
【0055】
図4は、前記角移動要素が実際に流体物質(10)を除去および再適用する様子を示す。手順の一例として、順序がA‐B‐Cである図4の手順を見ると、前記スライドが互いに近づくと、どのように前記サンプル(1)が流体物質(10)に暴露されるかを見ることができる。図4Aは、顕微鏡スライドガラス(8)の例において、2つの表面がどのように解放位置になるかを示す。この配置において、前記流体物質(10)は、前記サンプル(1)の外部サンプル領域(4)およびその近くから除去される。図に示すように、これは毛管作用を通じて生じ、それによって前記流体物質(10)は、そのような配置における流体の自然な傾向によって前記サンプル(1)から引き戻される。
【0056】
図4Bは、中間位置の前記顕微鏡スライドガラス(8)を示す。図から理解できるように、前記流体物質(10)は顕微鏡スライドガラス(8)との間の領域に沿って引っ張られ、前記外部サンプル領域(4)上を通過する。図4Cは、一実施例において、前記顕微鏡スライドガラス(8)がどのように閉鎖位置に移動するか、また互いに近接するかを示す。まず、前記流体物質(10)が前記顕微鏡スライドガラス(8)間の適切な領域を完全にカバーすることがわかる。さらに、図では、前記顕微鏡スライドガラスが閉鎖位置にある場合、実際には完全に平行でないことがわかる。前記顕微鏡スライドガラス(8)はそれら自体がある種の識別子と接触する。この識別子は図4に示すように、ラベル(50)の厚みを通じてスペーシングできる。前記識別子またはラベル(50)が比較的厚い場合、前記顕微鏡スライドガラス(8)は完全に平行にはならず、もう一方の端におけるスペーシングが狭くなる場合もある。1つの可能性としてこれを図4Cに示す。スペーシングを最小化することによって、流体を削減するだけでなく、たとえ最適でなくても既存のラベル配置を使用することができる。
【0057】
逆の手順についても理解する必要がある。順番がC‐B‐Aである図4を考慮すると、前記流体移動要素(42)は、流体を前記サンプル(1)に適用するだけでなく(A‐B‐C)、前記流体をサンプル(1)から消去する(C‐B‐A)。互いに近接する2つの表面を描写する図4Cを再び参照して、前記表面が角度を成して離れる場合、流体を前記サンプル(1)の外部サンプル領域(4)から消去することが必要である。図4Bに示すように、前記表面または前記顕微鏡スライドガラス(8)が離れるにつれて、前記流体物質(10)は前記ヒンジ移動要素(47)に向かって動き始める。前記2つの表面は角度移動の増加を続け、流体が完全に除去される。最終的に、前記流体物質(10)は前記サンプル(1)の外部表面領域(4)を越えて移動し、他の場所に集められる。従って、図4Aからわかるように、収集された流体物質(36)は、前記流体物質(10)に作用する原動力要素(23)の結果として存在する。外部サンプル領域(4)から一端除去されると、前記収集された流体物質(36)はある程度混合され、再適用に備える。
【0058】
一般に、様々なスペーシングも可能である。図4Cに示す実施例では、近接位置において、前記表面は完全ではないが実質的に平行である。前記2つの表面間の距離は、前記物質(5)または前記サンプル(1)の特定要件に基づいて変化する。前記サンプル処理システム(2)が免疫組織化学処理を行うために構成される場合、100、200、250、および約300μm離れている近接表面を使用することが適切である。さらに、前記分離(少なくとも一端)は、識別子またはラベル(50)の厚みによって確立される。図4Cに示すように、前記表面の一端は、ラベルの厚みのおよそ2つ分だけ離れている。前記顕微鏡スライドガラス(8)の1つがサンプルを含むか、またはその上にラベルを持たない場合も同様に、前記顕微鏡スライドガラス(8)はラベル1つまたは識別子1つの厚み分だけ一端で分離する。
【0059】
図16−18および図8を参照すると、複数のサンプル(1)が複数のサンプルホルダーによって保持されることがわかる。そのような配置において、前記顕微鏡スライドガラス(8)は、スライド保持スプリング(51)などのスライド保持要素によって固定されることがわかる。当然ながら他の配置も可能である。そのような配置では、複数のサンプルを同時に処理することができる。便宜上、これら複数のサンプルは相互に隣接して配置され、1つのサンプルとして動かされる。この構成において、前記サンプル処理システム(2)は、特定タイプのサンプル、顕微鏡スライドガラス、または単なる表面に対する実質的に平行または平坦な複数の近接ホルダーとして機能するサンプルホルダーを備える。
【0060】
前記サンプルホルダーは、実質的に平行配向された複数の近接サンプル表面の対または図10‐18に示すような一対の近接サンプルまたは表面としても機能する。図4を参照して前述したとおり、関与する流体量を変えるため前記スペーシングを変えることが可能である。図3および4に示すように、この微小環境(28)はサンプル(1)に直接隣接するボリューム内にある。前記流体物質(10)の除去または少なくとも実質的な除去を生じる毛管または他の作用によって(いくらかの流体物質がサンプル上に残留する)、前記システムは前記微笑環境(28)の適切な量または全てを除去することができる。前記流体物質(10)を除去し、収集された流体物質(36)に戻すことによって、前記流体物質(10)をリフレッシュおよび混合する。
【0061】
当然ながら様々な流体ボリュームを使用することも可能である。顕微鏡スライドガラスを用いて免疫組織化学反応を行うために使用するよう前記システムが設計される実施例および構成において、約300、225、または200μl以下の流体を動かすことが適切である。この移動は制限的に密閉された流体環境の少なくとも一部において、前記微小環境(28)を除去することによって起こる。そのため、前記サンプル処理システム(2)は前述の流体量のいずれかを動かすよう構成される要素を備えると考えられる。特定物質およびサンプルの範囲を考慮すると、最小量の物質(5)または流体物質(10)を動かすことが適切である。この最小量とは、微小環境(28)の適切な補充を可能にする量、または指定されたプロセス時間でこのサンプル(1)および前記物質(5)の間に適切な相互作用を可能にする量である。処理のための時間に関して異なる要求がある場合、またはそのような要求が少ない場合、流体物質(10)の量をさらに削減することを可能にし、望ましい時間枠において前記サンプル(1)および前記物質(5)の間に適切な相互作用を可能にする。このように、前記システムは、時間を最小限にするのではなく、より少ない量の物質を使用するよう構成される。
【0062】
図6は、手順の一例において実行可能な様々な反復作用を示す表である。図に示すように、前記自動的に配置された試験プロセッサ(3)は混合を繰り返すか、または物質(5)あるいはサンプル(1)上で作用する。ステップ3を参照して、手順がまず一次抗体を混合するために使用されることがわかる。そのような混合は、一例として3つの手順を含み、ここで前記流体物質(10)は収集された流体物質(36)としてプールされ、前記外部サンプル領域(4)から除去される。これは、例えば約1.5秒の比較的短い時間(またはゼロ時間)保持される。同様に、前記初期混合作用の間、前記流体物質(10)は、一定時間(またはゼロ時間)、一例では2秒間前記サンプル(1)に暴露および再適用される。
【0063】
図6に示す典型的な手順のステップ4を参照して、前記値は、この初期高速波作用の直後に、22秒間続く暴露インキュベーションを用いた低速波作用が存在することを示す。これは、図に示すように6回ほど繰り返される。これは特定の試験手順を表すが、一般に反復作用が生じると理解される。そのプログラミングによって、前記サンプル処理システム(2)または前記自動的に配置された試験プロセッサ(3)は、この場合、反復作用要素だけでなく反復作用流体波要素も含むと考えられる。図6に示すステップ3および4などのステップを通じて、前記システムは一時的かつ実質的に前記物質を前記サンプル(1)から繰り返し除去する。一般に、他の反復作用要素が可能であり、これらは前述のような反復作用流体波要素、反復作用物質除去要素、反復作用物質再適用要素、反復作用インキュベーション要素などの反復作用要素を含む。少なくとも2つの反復作用が考えられる場合、前記システムは少なくとも2つの作用反復作用要素などを含むと考えられる。前記反復作用は規則的または不規則的に生じる。図6に示す例において、この特定手順のステップ3および4は、全体プロセスの少なくとも一部に対して2つの異なる一定間隔を含む。そのため、ステップ3は一定の間隔で3回の反復を含み、ステップ4は一定の間隔で6回の反復を含む。幾つかの実施例において、前記自動的に配置された試験プロセッサ(3)は一時的かつ実質的に除去された物質の少なくとも一部を繰り返し再適用する。
【0064】
前記反復作用は、1回、2回、3回、4回、または5回以上生じる。図6に示すように、前記反復作用は、初期混合の場合3回、一次抗体インキュベーションの場合6回、初期色原体または2ステップ物質混合の場合4回生じる。同様に、対比染色の場合は、図に示すように、4秒間のインキュベーションまたは滞留時間とともに4回反復作用が生じる。特に幾つかの実施例において、免疫組織化学反応用に構成された場合、第一抗体物質、色原体、または対比染色物質には3、6、および9回の反復が適切である。この作用を通じて、前記システムが微小環境(28)において非置換的かつ実質的に前記物質を繰り返しリフレッシュする様子がわかる。この微小環境は前記サンプルに隣接して配置され、部分相互作用時間および全体処理時間を短縮して高速処理を可能にする。この作用を通じて、前記システムは有界流体環境(15)内に流体波を繰り返し生じさせると考えられる。これは、図6に示す特定の試験手順に示す時間の範囲を含むがそれに限定されない様々な頻度および他の頻度で起こる。図6に示す特定の物質および手順に関して示される変型例から、異なる物質に対して異なる発現とともに前記混合が起こることがわかる。これは、前記除去および再適用ステップについても同じである。さらに、収集された流体物質(36)が保持され、前記サンプル領域(4)から除去される時間も同様に変化する。
【0065】
図15、図25、および図26は、垂直吸収ウィッキングロール(52)を表し、図7、8、および図27−30の一部の範囲は、平行な物質除去要素(53)を用いて構成され、上部および下部スライドカメラ(63および64)を持つシステムを示す。任意の特定流体物質(10)がその機能を遂行して不要になると、前記物質(5)が除去される。この除去は、前記ウィッキングまたは他の物質除去要素を拡大および縮小するなど、様々な方法で行われる。前記物質は任意のさらなる相互作用により除去され、ある種のウィック要素により前記物質を除去することが適切である。またこのウィック要素は、前記プロセスの少なくとも一部が完了すると、前記物質を前記サンプル(1)の近くから毛管除去する。図6に示すように、代表的な試験手順において、前記流体物質(10)の除去は全体プロセスを通じて複数回行われる。例えば、ステップ5、8、11、15、18、21などは、全体試験手順の一部として、特定の物質が前記サンプル(1)から複数回除去されることを示す。ステップ1に示されるように、サンプル上に物質が存在しない場合も除去を行うことができる。除去が不要であると考えられる場合も、前記サンプルが乾燥して処理を開始できる状態であることを保証する。
【0066】
図11‐14、図9および図16は、前記表面または少なくとも1つの表面が非傾斜配向である場所で化学的相互作用が起こることを示す。非傾斜表面を確立することによって、試薬コンテナ(55)を望ましい位置に関して拡大及び縮小することにより顕微鏡スライドガラス(8)などの表面上への試薬の投入を促進する。次に前記物質(5)は滴下添加されるか、または適切に定量投入される。特定の流体物質(10)を前記サンプル(1)の近くの外部サンプル領域(4)から除去することが望ましい場合、何らかの方法で前記物質の除去を容易にすることが望まれる。これは、様々な方法で促進できる。一実施例では、表面を配向して前記サンプルの近くから前記物質の除去を促進する。図15に示すように、この配向によって傾斜表面を確立するか、または前記表面を傾斜させて物質のウィッキングを促進する。この配向または傾斜は様々な角度にすることができ、上部または下部表面のいずれかを指定の角度、または水平から一定の角度で分角して確立することができる。この分角は実際に2つの表面の間にある線であり、特定の角度で配向される。図15に示すように、一実施例において、前記配向は例えば45°の角度を持つ分角(54)の傾斜である。この構成において、前記表面、例えば下部顕微鏡スライドガラス(45)は30°または22.5°以上で確立される。同様に、前記上部顕微鏡スライドガラス(43)などの前記上部表面は、60°または67.5°といった異なる角度で確立される。このように、前記流体物質の除去では、図15、図25および図26に示すような垂直ウィッキングロール(52)またはウィッキングカセットなどの一般的な物質除去要素(53)によって、前記ヒンジ移動要素(47)の近くに集められた液体が除去する位置に移動することがわかる。当然ながら、任意の表面または分角(54)に対して90°の角度を使用できる。幾つかの構成において、ウィッキングまたは物質(5)を前記サンプル(1)の近くから一般的に除去するステップを遂行しながら、2つの表面間に傾斜のある分角(54)を確立することが適切である。これは、傾斜のない1つの表面を用いて行い、幾つかの移動要素またはモーターを除くことが望ましい。
【0067】
幾つかの実施例の特徴は、前記サンプル処理システム(2)が実質的かつ同時に含まれる全サンプルに作用することであり得る。図10、16、17、18、および19から、前記システムの適切な構成が、複数サンプルが応答性を持つサンプル処理要素を実質的かつ同時に提供することがわかる。図に示す構成において、これは複数のサンプルホルダーを含む。そのようなシステムは、個別または位置特定試薬コンテナ(55)の使用も含む。これらは、図19に示すようなサイドアクチュエータボタン(61)、図20‐24に示すようなトップアクチュエータ(62)などから投入される。図12に示すように、前記試薬コンテナ(55)は移動するか、または試薬を各顕微鏡スライドガラス対の上に配置する。さらに、図20‐24から理解されるように、前記試薬コンテナ(55)は、1つまたは複数のカートリッジ(65)またはマガジン(66)を含むよう構成される。前記カートリッジ(65)は、単一の抗体物質用のコンテナである。前記マガジンは、複数のチャンバを備える複数の物質用の単一のコンテナであり、単一コンテナ複数のチャンバ複数の流体物質のマガジン(69)を提供する。線形に構成することもでき、一実施例に示すような線形試薬マガジンを提供する。システムは、単一コンテナ複数のチャンバ複数の流体物質のマガジンを含み得、単一のコンテナは、その中に複数のチャンバを有し得ることによって、複数の流体物質は、チャンバの中に配置され得る。1つの配列において、投入力要素(68)が、単一コンテナ複数のチャンバ複数の流体物質のマガジン(69)から物質を解放するように用いられ得る。少なくとも2つの物質チャンバを有することによって、システムは、どの物質または相互作用流体物質が適切であるかを決定するように自動的に動作し得、次いで、その物質を投入し得る。オペレータに必要であり得る全てのことは、システムの中の単一コンテナ複数のチャンバ複数の流体物質のマガジンの場所である。位置によって異なる処理を容易にするために、システムは、位置に特有なソースを含むように構成され得る。これらの位置に特有なソースは、位置のサンプルとも対応し得る。複数の物質ソースのマガジンを、位置に特有な複数の物質ソースのうちの一種類として含むことによって、異なる物質は、自動化された試験順序の過程を通じて、1つのサンプルに投入され得る。加えて、システムはまた、位置に特有の単一の物質ソースを含み得る。故に、システムは、図20−24に示すように、単一コンテナ複数のチャンバ複数の流体物質のマガジン(69)、線形に配置された複数の物質ソース(70)、または主要抗体カートリッジ(71)を含み得る。故に、システムは、異なる物質が要求されるときにさえも、自動的にサンプルを処理するように動作し得る。
【0068】
複数の動作が発生し得るときのオペレータ要求を最小限にするために、複数の物質ソースは、機能的に関連した物質を含み得る。さらに、物質は予測された使用に関連した体積を有し得る。このようにして、一貫して、機能的に関連した、複数の物質ソースマガジン、および相関的な物質使用の寸法のソースを含み得る。サンプルへの物質の投入を容易にするために、複数のソースは、一列に配列され、適切に移動されることによって、図20−24に示すように、選択された物質が投入されることを可能にし得、複数の物質ソースは、線形に配置された複数の物質ソース(70)である。主要抗体カートリッジは、特に価値を有するので、別個の単一物質ソース、例えば主要抗体カートリッジ(71)が用いられ得る。これは、別個のアイテムであり得、または図20−24に示すように、複数の物質ソースマガジンに音を立てて入り得る。
【0069】
適切なメカニズムおよびソフトウェアは、サンプリングおよび他の処理をすべてのサンプル上で同時に行うことができる。そのため、前記サンプルは、必要に応じて独自の特定物質選択を有するが、プロセス手順に関して実質的に同等に処理される。これは、すべてのサンプル内のすべてに同時に作用するステップだけでなく、全サンプルを適切な流体反応性物質に実質的に均等かつ同時に暴露するステップを含む。幾つかの実施例において、すべての作用は同時に生じる。そのプログラミングを通じて、前記システムは、実質的かつ同時にサンプル処理要素を含むと考えられる。この実質的かつ同時サンプル処理要素はまた、その移動要素に関して実質的かつ均等に作用する。
【0070】
図9を参照して理解されるように、異なる一次抗体物質および他の物質が個別のスライド位置に含まれることがわかる。そのため、すべてのサンプルを実質的に均等かつ同時に処理しながら異なる物質が投入される。前述のように、試薬は、音を立てて特定の位置に入り得る。オペレータは、少なくとも1つのソースに音を立てて入れるか、または直線状の複数試薬マガジンに音を立てて入れ得るか、着脱式に接続させ得る。故に、システムは、音を立てて固定することが可能な位置に特有の物質ソース、音を立てて固定することが可能な主要抗体物質カートリッジ、または音を立てて固定することが可能な線形複数試薬マガジンを有すると考えられ得る。
【0071】
前述から容易に理解できるように、本発明の基本概念は様々な方法で具体化される。これは、処理技術および適切な処理を行う装置の両方を含む。本出願において、前記処理技術は、記載の様々な装置によって得られると考えられる結果の一部として、記載のステップとして、また前記装置を意図されるように、また記載のとおり利用することによって得られる自然な結果の利用に伴うステップとして開示される。さらに、幾つかの装置が開示される場合、これらは当然ながら特定の方法を行うだけでなく、様々に変化する。重要なことに、先の全記述に関して、それらの側面がすべて本開示により包含される。
【0072】
本明細書に含まれる前記説明は、基本的な説明となることが意図される。特定の説明がすべての可能な実施例を明示するのではなく、多くの代替案を暗示することに留意する必要がある。また、それは本発明の一般的な性質を完全に説明するものではなく、各機能または要素が幅広い機能または多様な代替案またはそれに相当する要素を実際にどのように表すかを明白に示すものではない。また、これらは暗黙的に本明細書に含まれる。本発明が装置に基づく用語で記載される場合、前記装置の各要素は暗黙的に機能を行う。装置、方法またはプロセスに関する請求項は、説明の性質に関わらず保護される。
【0073】
本発明の要素から逸脱することなく、様々な変更を行うことができる。そのような変更は暗黙的に記述に含まれ、それらも本発明の範囲内に含まれる。図に示す明示的な実施例の両方を包含する広範な開示、多様な暗黙的代替実施例、および様々な方法またはプロセスなどが本開示に包含される。言語の変化および広範かつ詳細な請求項は、当然ながら後で行われる場合がある。これを理解した上で、本開示が出願人の権利内で想定される範囲で請求項の基部を支持すると理解され、独立した全体システムとして本発明の多くの側面を保護する特許となるよう設計されることに留意する。
【0074】
さらに、本発明および請求項の様々な要素は、それぞれ様々な方法で得られる。加えて、要素が使用または暗示される場合、要素は個別の構造および物理的に接続されているか否かに関わらず複数の構造を包含すると理解される。本開示は、当然ながらそのような変型例を包含し、様々な任意の装置実施例、方法あるいはプロセス実施例、またはそれらの任意の要素の変型例である。特に、本開示は本発明の要素と関連するため、各要素に関する用語は、機能または結果のみが同一である場合でも、それに相当する装置または方法の用語によって表現される。そのような同義語、上位語、または一般名称は、当然ながら各要素または作用の記述に包含される。そのような語は、本発明が権利を有する暗示的範囲を明示することが望まれる箇所で代用することができる。例えば、ある作用を行う手段、またはその作用を生じる要素としてすべての作用が表現される。同様に、物理的要素の開示は、それぞれが促進する作用の開示を包含する。この点に関して、例えば「ディスペンサ」の開示は、明示的な説明の有無に関わらず、「ディスペンシング」作用の開示を包含する。逆に、「ディスペンシング」作用を有効に開示することは、「ディスペンサ」および「ディスペンシングする手段」の開示を含む。そのような変型および代替用語は本記述に明示的に含まれると理解される。
【0075】
本出願において引用される任意の特許、公開、または他の参考文献は、参照することにより本明細書に組み込まれる。さらに、使用される各用語に関して、当然のことながら、本出願において用いた場合に広く受け入れられる解釈と矛盾する場合を除いて、一般的な辞書定義が盛り込まれ、ランダムハウスウェブスター大辞典第二版に含まれるようなすべての定義、代替用語、および同義語は、参照することにより本明細書に組み込まれる。最後に、以下の参考文献または他の文書のリストに記載されるすべての文献、あるいは本出願とともに提出された参考文献は本明細書に添付され、参照することにより本明細書に組み込まれるが、これらの各文献に関して、参照することにより組み込まれる情報または記述が本発明の特許と矛盾すると考えられる場合、そのような記述は出願人によって行われたものとは考慮されない。
【0076】
I.米国特許文献
【0077】
【表1】

【0078】
【表2】

II.その他文献
【0079】
【表3】

従って、当然ながら本出願人は請求項に対する裏づけを持ち、少なくとも1)本明細書において開示および記載された各処理装置、2)開示および記載された関連方法、3)各装置および方法に類似、相当する変型例および黙示的変型例、4)開示および記載されるように各機能を行う代替設計、5)開示および記載される機能を暗示的に行う代替設計および方法、6)個別の独立発明として示される各機能、構成要素、およびステップ、7)開示された様々なシステムまたは構成要素によって強化されるアプリケーション、8)そのようなシステムまたは構成要素によって生成される結果プロダクト、9)前述の特定フィールドまたは装置に適した図示または記載される各システム、方法および要素、10)前述のように、付随する任意の例を参照して実質的に記載される方法および装置、11)開示された要素の様々な組み合わせおよび置換、および12)提供される独立請求項または概念のそれぞれに依存する潜在的な従属請求項または概念について記述する。さらに、コンピュータおよびにプログラミングまたは他の電子自動化に伴う各側面に関して、本発明者は請求項に対する裏づけを持ち、少なくとも、13)上述の記載を通して説明されるようにコンピュータを用いて、またはコンピュータ上で行われるプロセス、14)上述の記載を通して説明されるようにプログラム可能な装置、15)上述の説明を通して記載されるように機能する手段または要素を備えるコンピュータを指示するようデータでエンコードされたコンピュータ可読メモリ、16)本明細書に開示および記載されるように構成されたコンピュータ、17)本明細書に開示および記載されるような個別または組み合わされたサブルーチンおよびプログラム、18)開示および記載される関連方法、19)これらのシステムおよび方法に類似、相当する変型例および黙示的変型例、20)開示および記載されるように各機能を行う代替設計、21)開示および記載される機能を暗示的に行うよう表示される各機能を行う代替設計および方法、22)個別の独立発明として示される各機能、構成要素、およびステップ、および23)上述の様々な組合せおよび置換について記述する。
【0080】
検証するため以下に提供される請求項に関して、当然のことながら、実践的な理由から、試験の負担を著しく増加させないよう、本発明者は初期請求項のみ、または初期従属性のみを持つ初期請求項を常に提供する。サポートは、欧州特許条約123(2)および米国特許法35USC132、または同様の他の法律を含むがそれらに制限されない新規法律の下で必要とされる程度で存在し、一つの独立請求項または概念の下で提供される様々な従属項または他の要素のいずれかを追加することを可能にする。このアプリケーション、または任意の後次アプリケーションにおいて任意の請求項を任意の時点で起草する際、当然ながら前記アプリケーションは全体を捉え、法的に可能な限り広範囲であることを意図している。実態のない物質が生成される場合、本出願人が任意の特定実施例を逐語的に包含するよう起草しなかった場合、またその他が適用可能である場合、本出願人があらゆる偶然性を予測できなかったためにそのような包含を意図または実際に放棄したと解釈してはならない。また当然ながら、当該技術分野に精通する者は、そのような代替実施例を逐語的に包含する請求項が起草されたと期待すべきではない。
【0081】
さらに、「備える(含む)」という移行句の使用は、従来の請求項解釈に基づいて、本明細書では「オープンエンド」請求項を維持するために用いられる。従って、文脈により他の解釈が必要とされない限り、当然ながら「備える(含む)」という語または「備えた(含んだ)」または、「備えている(含んでいる)」などの変型例は、任意の他の要素またはステップ、あるいは要素またはステップのグループの排除ではなく、包含を意図的に暗示する。そのような語は、本出願人が法的に許容される最も広い範囲を包含できるよう、最も包括的に解釈する必要がある。
【0082】
最後に、任意の時点で説明される任意の請求項は、本発明の記述の一部として参照することにより本明細書に組み込まれ、本出願人はそのような請求項に組み込まれた内容のすべてまたは一部を、前記請求項のいずれかまたはすべて、あるいはその要素または構成要素を補足する追加の記述として使用する権利を明示的に留保する。また、本出願人はさらに、必要に応じて、そのような請求項あるいはその要素または構成要素に組み込まれた内容の任意の一部またはすべてを記述から請求項に移す、またはその逆を行う権利を明示的に留保して、本出願または任意の後次継続、分割または一部継続出願によって保護が求められる事項を定義するか、または付随する費用の削減という任意の利益を得るか、あるいは任意の国の特許法、規則、または規定あるいは条約に準拠し、参照することにより組み込まれる内容は、任意の後次継続、分割または一部継続出願またはその任意の再発行または延長を含む本出願の係属中存続する。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】図1は、本発明の一実施例に基づく内蔵型システムの外観図を示す。
【図2】図2は、サンプル処理システムの一実施例に関する概念的概略図である。
【図3】図3は、2枚のスライドガラスの間などに存在する有界流体環境を示す拡大図である。
【図4】図4a−dは、流体物質を除去および補充するために作用する一実施例に示すような表面移動手順を示す。
【図5】図5は、幾つかの代表的な抗体結合プロファイルを示す図である。
【図6】図6は、幾つかのサンプル処理プロトコルステップおよびタイミングを示す図である。
【図7】図7は、高速サンプル処理システムの実施例を示す切断図である。
【図8】図8は、図7に示す前記高速サンプル処理システムの実施例の分解図である。
【図9】図9は、様々な物質を用いた使用を示す試薬マガジンおよびカートリッジの描写である。
【図10】図10は、別の実施例における特定の構造要素を示す高速サンプル処理システムの器具図である。
【図11】図11は、図10に示す実施例の開放位置におけるスライド移動システムの側面図である。
【図12】図12は、図10に示す実施例の分配位置におけるスライド移動システムの側面図である。
【図13】図13は、図10に示す実施例の一部閉鎖または一部開放位置におけるスライド移動システムの側面図である。
【図14】図14は、図10に示す実施例の閉鎖位置におけるスライド移動システムの側面図である。
【図15】図15は、図10に示す実施例の傾斜位置におけるスライド移動システムの側面図である。
【図16】図16は、図10に示す実施例の開放位置におけるスライド移動システムの斜視図である。
【図17】図17は、図10に示す実施例の閉鎖位置におけるスライド移動システムの斜視図である。
【図18】図18は、図10に示す実施例の閉鎖位置におけるスライド移動システムの近接図である。
【図19】図19は、線形試薬マガジンの一実施例を示す斜視図である。
【図20】図20は、一次抗体カートリッジが取り付けられた線形試薬マガジンの異なる実施例を示す斜視図である。
【図21】図21は、一次抗体カートリッジの実施例を示す分解図である。
【図22】図22は、線形試薬マガジンの実施例を示す分解図である。
【図23】図23は、物質ディスペンサが交替カートリッジまたは試薬マガジンのいずれかに含まれる場合の実施例を示す切断図である。
【図24】図24は、物質ディスペンサが交替カートリッジまたは試薬マガジンのいずれかに含まれる場合の実施例を示す切断図である。
【図25】図25は、垂直ウィッキングカセットの一実施例の斜視図である。
【図26】図26は、図25に示す垂直ウィッキングカセットの実施例の切断図である。
【図27】図27は、平行ウィッキングカセットの一実施例の斜視図である。
【図28】図28は、図27に示す平行ウィッキングカセットの実施例の隅の斜視図である。
【図29】図29は、図27に示す平行ウィッキングカセットの実施例の切断図である。
【図30】図30は、図27に示す平行ウィッキングカセットの実施例の隅の切断図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.複数の個別生体サンプルを取得するステップと、
b.生化学試験手順のうちの少なくとも2つが異種である、前記複数の個別生体サンプルに対する複数の異種のサンプル特定生化学試験手順を選択するステップであってと、前記複数の個別生体サンプル内で前記生化学試験手順のうちの少なくとも2つが異種である、ステップと、
c.前記複数の異種のサンプル特定生化学試験手順を、前記複数の個別生体サンプルに対する個別生体サンプル位置に自動的に関連相関付けるステップと、
d.サンプル処理システム内の自動的に配列された生化学試験プロセッサの操作を通して、前記複数の個別生体サンプルの全てに対する前記複数の異種のサンプル特定生化学試験手順を自動的、実質的、かつ同時に行うステップと、
e.サンプル処理システム内の前記複数の個別生体サンプルの全てに対する前記異種のサンプル特定生化学試験手順の少なくとも一部を、自動的、実質的、かつ同時に処理するステップと、
f.前記サンプル処理システム内の前記異種のサンプル特定生化学試験手順を通して、前記複数の個別生体サンプルの全てに対する個別所望結果を、自動的、実質的、かつ同時に達成するステップと、
を含む、並列生化学処理方法。
【請求項2】
サンプル処理システム内の、前記複数の個別生体サンプルの全てに対する前記異種のサンプル特定生化学試験手順の少なくとも一部を、自動的、実質的、かつ同時に処理する前記ステップは、
免疫組織化学処理を行うステップと、
免疫細胞化学処理を行うステップと、
in situハイブリッド形成プロセスを行うステップと、
蛍光in situハイブリッド形成プロセスを行うステップと、
染色識別プロセスを行うステップと、
染色プロセスを行うステップと、
抗原回復プロセスを行うステップと、
細胞化学プロセスを行うステップと、
組織化学プロセスを行うステップと、
分子化学プロセスを行うステップと、
エピトープ回復プロセスを行うステップと、
前処理プロセスを行うステップと、
から成るグループから選択されるステップを含む、請求項1に記載の並列生化学処理方法。
【請求項3】
前記複数の異種のサンプル特定生化学試験手順の少なくとも一部を自動的、実質的、かつ同時に行う前記ステップは、前記プロセスの少なくとも一部の間に物質を実質的かつ同時に混合するステップを含む、請求項1に記載の並列生化学処理方法。
【請求項4】
サンプル処理システム内の自動的に配列された生化学試験プロセッサの操作を通して、前記複数の個別生体サンプルの全てに対する前記複数の異種のサンプル特定生化学試験手順を自動的、実質的、かつ同時に行う前記ステップは、前記複数の個別生体サンプルの全ての外部サンプル領域の少なくとも一部を、前記生化学試験手順に対する適切な物質に、自動的、実質的、かつ同時に暴露するステップを含む、請求項1に記載の並列生化学処理方法。
【請求項5】
サンプル処理システム内の自動的に配列された生化学試験プロセッサの操作を通して、前記複数の個別生体サンプルの全てに対する前記複数の異種のサンプル特定生化学試験手順を自動的、実質的、かつ同時に行う前記ステップは、少なくとも2つの近接して対になったサンプルの外部サンプル領域の少なくとも一部を、前記生化学試験手順に対する適切な物質に、自動的、実質的、かつ同時に暴露するステップを含む、請求項1に記載の並列生化学処理方法。
【請求項6】
サンプル処理システム内の自動的に配列された生化学試験プロセッサの操作を通して、前記複数の個別生体サンプルの全てに対する前記複数の異種のサンプル特定生化学試験手順を自動的、実質的、かつ同時に行う前記ステップは、物質の存在下で少なくとも2つの近接して対になったサンプルを自動的、実質的、かつ同時にインキュベートするステップを含む、請求項1に記載の並列生化学処理方法。
【請求項7】
サンプル処理システム内の自動的に配列された生化学試験プロセッサの操作を通して、前記複数の個別生体サンプルの全てに対する前記複数の異種のサンプル特定生化学試験手順を自動的、実質的、かつ同時に行う前記ステップは、少なくとも2つの近接して対になったサンプルから物質を自動的、実質的、かつ同時に除去するステップを含む、請求項1に記載の並列生化学処理方法。
【請求項8】
少なくとも2対のサンプルから物質を自動的、実質的かつ同時に除去する前記ステップは、少なくとも2つの近接して対になったサンプルから物質を自動的、実質的、同時かつ流体的に除去するステップを含む、請求項7に記載の並列生化学処理方法。
【請求項9】
少なくとも2つの近接して対になったサンプルから物質を自動的、実質的かつ同時に除去するステップは、少なくとも2つの近接して対になったサンプルから物質を自動的、実質的かつ同時に毛管除去するステップを含む、請求項7に記載の並列生化学処理方法。
【請求項10】
サンプル処理システム内の自動的に配列された生化学試験プロセッサの操作を通して、前記複数の個別生体サンプルの全てに対する前記複数の異種のサンプル特定生化学試験手順を自動的、実質的、かつ同時に行う前記ステップは、少なくとも2つのサンプルから物質の少なくとも一部を少なくとも2つのサンプルに自動的、実質的、かつ同時に再適用するステップを含む、請求項7に記載の並列生化学処理方法。
【請求項11】
サンプル処理システム内の自動的に配列された生化学試験プロセッサの操作を通して、前記複数の個別生体サンプルの全てに対する前記複数の異種のサンプル特定生化学試験手順を自動的、実質的、かつ同時に行う前記ステップは、少なくとも2つのサンプルから物質を自動的、実質的、かつ同時に回収するステップを含む、請求項1に記載の並列生化学処理方法。
【請求項12】
少なくとも2つのサンプルから物質を自動的、実質的かつ同時に回収する前記ステップは、プロセスの少なくとも一部を完了した時に、物質を少なくとも2つのサンプルの近くから自動的、実質的かつ同時に毛管回収するステップを含む、請求項11に記載の並列生化学処理方法。
【請求項13】
少なくとも2つのサンプルから物質を自動的、実質的かつ同時に毛管回収する前記ステップは、プロセスの少なくとも一部を完了した時に、前記物質を少なくとも2つのサンプルの近くから自動的、実質的かつ同時にウィッキングするステップを含む、請求項12に記載の並列生化学処理方法。
【請求項14】
サンプル処理システム内の自動的に配列された生化学試験プロセッサの操作を通して、前記複数の個別生体サンプルの全てに対する前記複数の異種のサンプル特定生化学試験手順を自動的、実質的、かつ同時に行う前記ステップは、前記複数の異種のサンプル特定生化学試験手順を自動的かつ完全同時に行うステップを含む、請求項1に記載の並列生化学処理方法。
【請求項15】
a.サンプルを取得するステップと、
b.前記サンプルに対して生化学試験手順を選択するステップと、
c.前記サンプルに対する前記生化学試験手順の一部として使用される複数の適切な相互作用流体物質を決定するステップと、
d.単一コンテナ複数のチェンバおよび複数の流体物質のマガジンを備える単一コンテナを自動サンプル処理システム内に設置するステップと、
e.複数の相互作用物質を、前記単一コンテナ複数のチェンバおよび複数の流体物質のマガジンマガジンを備える単一コンテナから自動的に分配するステップと、
f.前記生化学試験手順を自動的に処理するステップと、
g.前記生化学試験手順を通して前記所望の結果を達成するステップと、
を含む、生化学処理方法。
【請求項16】
単一コンテナ複数のチェンバおよび複数の流体物質のマガジンを備える単一コンテナを自動サンプル処理システム内に設置する前記ステップは、少なくとも2つの物質マガジンを前記自動サンプル処理システム内に設置するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
少なくとも2つの物質マガジンを前記自動サンプル処理システムに設置するステップは、
a.少なくとも1つの位置特定単一物質ソースを利用するステップと、
b.少なくとも1つの位置特定複数物質ソースを利用するステップと、
を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
少なくとも1つの位置特定単一物質ソースを利用する前記ステップは、少なくとも1つの位置特定抗体物質ソースカートリッジを利用するステップを含み、かつ少なくとも1つの位置特定複数物質ソースを利用する前記ステップは、前記生化学試験手順のうちの少なくとも1つに対する少なくとも1つの機能的関連のある複数物質ソースマガジンを利用するステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
単一コンテナ複数のチェンバおよび複数の流体物質のマガジンを備える単一コンテナを設置する前記ステップは、少なくとも1つの位置特定関連物質使用サイズのソースを利用するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも1つの単一コンテナ複数のチェンバおよび複数の流体物質のマガジンを備える少なくとも1つの単一コンテナを利用する前記ステップは、少なくとも1つの機能的に関連のある複数物質ソースマガジンを利用するステップを含む、請求項15に記載の生化学処理方法。
【請求項21】
少なくとも1つの単一コンテナ複数のチェンバおよび複数の流体物質のマガジンを備える少なくとも1つの単一コンテナを利用する前記ステップは、
一次抗体物質と、
二次抗体物質と、
色原体物質と、
対比染色物質と、
緩衝物質と、
から成るグループから選択される物質を有する少なくとも1つの位置特定複数物質ソースを利用するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
少なくとも1つの単一コンテナ複数のチェンバおよび複数の流体物質のマガジンを備える少なくとも1つの単一コンテナを利用する前記ステップは、少なくとも1つの位置特定関連物質使用サイズのソースを利用するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
少なくとも1つの単一コンテナ複数のチェンバおよび複数の流体物質のマガジンを備える少なくとも1つの単一コンテナを利用する前記ステップは、少なくとも1つの直線状に配置された複数ソースを利用するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
少なくとも1つのソースを前記サンプル処理システム内に取り付けるステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項25】
少なくとも1つのソースを取り付ける前記ステップは、
一次抗体物質と、
二次抗体物質と、
色原体物質と、
対比染色物質と、
緩衝物質と、
から成るグループから選択される物質を有する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
少なくとも1つのソースを取り付ける前記ステップは、少なくとも2つのソースを取り付けるステップを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
少なくとも2つのソースを取り付ける前記ステップは、
a.一次抗体物質カートリッジを取り付けるステップと、
b.線形複数試薬マガジンを取り付けるステップと、
を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
少なくとも1つのソースを取り付ける前記ステップは、少なくとも1つの位置特定関連物質使用サイズのソースを利用するステップを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記生化学試験手順を処理する前記ステップは、
免疫組織化学処理を行うステップと、
免疫細胞化学処理を行うステップと、
in situハイブリッド形成プロセスを行うステップと、
蛍光in situハイブリッド形成プロセスを行うステップと、
染色識別プロセスを行うステップと、
染色プロセスを行うステップと、
抗原回復プロセスを行うステップと、
細胞化学プロセスを行うステップと、
組織化学プロセスを行うステップと、
分子化学プロセスを行うステップと、
エピトープ回復プロセスを行うステップと、
前処理プロセスを行うステップと、
から成るグループから選択されるステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項30】
前記生化学試験手順を処理する前記ステップは、前記プロセスの少なくとも一部の間に物質を自動的、実質的かつ同時に混合するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項31】
前記生化学試験手順を処理する前記ステップは、前記複数の個別生体サンプルの全ての外部サンプル領域の少なくとも一部を、前記生化学試験手順に対する適切な物質に、自動的、実質的かつ同時に暴露するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項32】
前記生化学試験手順を処理する前記ステップは、少なくとも2つのサンプルの外部サンプル領域の少なくとも一部を、前記生化学試験手順に対する適切な物質に、自動的、実質的かつ同時に暴露するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項33】
前記生化学試験手順を処理する前記ステップは、物質の存在下で少なくとも2つのサンプルを自動的、実質的かつ同時にインキュベートするステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項34】
前記生化学試験手順を処理する前記ステップは、少なくとも2つのサンプルから物質を自動的、実質的かつ同時に除去するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項35】
少なくとも2つのサンプルから物質を実質的かつ同時に除去する前記ステップは、少なくとも2つのサンプルから物質を自動的、実質的、同時かつ流体的に除去するステップを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
少なくとも2つのサンプルから物質を自動的、実質的かつ同時に除去する前記ステップは、少なくとも2つのサンプルから物質を自動的、実質的かつ同時に毛管除去するステップを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記生化学試験手順を処理する前記ステップは、物質の少なくとも一部を少なくとも2つのサンプルに自動的に実質的かつ同時に再適用するステップを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
前記生化学試験手順を処理する前記ステップは、少なくとも2つのサンプルから物質を自動的、実質的かつ同時に回収するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項39】
少なくとも2つのサンプルから物質を自動的、実質的かつ同時に回収する前記ステップは、プロセスの少なくとも一部を完了した時に、物質を少なくとも2つのサンプルの近くから自動的、実質的かつ同時に毛管回収するステップを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
プロセスの少なくとも一部を完了した時に、物質を少なくとも2つのサンプルの近くから自動的、実質的かつ同時に毛管回収する前記ステップは、プロセスの少なくとも一部を完了した時に、前記物質を少なくとも2つのサンプルの近くから自動的、実質的かつ同時にウィッキングするステップを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記生化学試験手順を処理する前記ステップは、前記複数の異種のサンプル特定生化学試験手順を完全同時に行うステップを含む、請求項30、31または33に記載の方法。
【請求項42】
前記サンプルは複数のサンプルを含み、自動同時処理に対する前記複数のサンプルを構成するステップをさらに含む、請求項1または15に記載の方法。
【請求項43】
自動同時処理に対する前記複数のサンプルを構成する前記ステップは、前記複数のサンプルを対向する対で構成するステップを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記複数のサンプルを対向する対で構成する前記ステップは、前記複数のサンプルを隣接して対向する対で構成するステップを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記サンプルは抗体物質を含む、請求項1または15に記載の方法。
【請求項46】
前記サンプルは、前記サンプルを、
組織化学プロセス物質と、
細胞化学プロセス物質と、
免疫蛍光物質と、
免疫金物質と、
免疫金・銀増感物質と、
免疫細胞化学物質と、
免疫組織化学物質と、
蛍光分子物質と、
一次抗体物質と、
二次抗体物質と、
色原体物質と、
対比染色物質と、
から成るグループから選択される物質に暴露するステップを含む、請求項1または15に記載の方法。
【請求項47】
短縮された検出時間で検出表示を提供するステップをさらに含み、
約60分以下で以内に組織化学検出表示を提供するステップと、
約45分以内に以下で組織化学検出表示を提供するステップと、
約30分以内に以下で組織化学検出表示を提供するステップと、
約20分以内に以下で組織化学検出表示を提供するステップと、
約15分以内に以下で組織化学検出表示を提供するステップと、
約12分以内に以下で組織化学検出表示を提供するステップと、
約10分以内に以下で組織化学検出表示を提供するステップと、
外来患者処置の時間制限以内に以下で検出表示を提供するステップと、
術中処置の時間制限以内に以下で組織化学検出表示を提供するステップと、
米国病理医協会の術中ガイドラインに記載の時間以内に以下で組織化学検出表示を提供するステップと、
から成るグループから選択される短縮された検出時間に検出表示を提供するステップを含む、請求項1または15に記載の方法。
【請求項48】
サンプルを取得する前記ステップは、
生体サンプルを取得するステップと、
細胞サンプルを取得するステップと、
組織サンプルを取得するステップと、
から成るグループから選択されるサンプルを取得するステップを含む、請求項1または15に記載の方法。
【請求項49】
サンプルを取得する前記ステップは、薄い生体サンプルを取得するステップを含む、請求項1または15に記載の方法。
【請求項50】
薄い生体サンプルを取得する前記ステップは、生検サンプルを取得するステップを含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記生化学試験手順のうちの少なくとも1つに対する少なくとも1つの位置特定ソースを利用するステップをさらに含む、請求項1または15に記載の方法。
【請求項52】
前記生化学試験手順のうちの少なくとも1つに対する位置特定ソースを利用する前記ステップは、前記生化学試験手順に対する複数の隣接する位置特定ソースを利用するステップを含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記生化学試験手順に対する複数の隣接する位置特定ソースを利用する前記ステップは、前記生化学試験手順に対する複数の隣接するサンプル幅ソースを含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記生化学試験手順のうちの少なくとも1つに対する位置特定ソースを利用する前記ステップは、前記生化学試験手順のうちの少なくとも1つに対する少なくとも1つのソースを取り付けるステップを含む、請求項51に記載の方法。
【請求項55】
前記生化学試験手順のうちの少なくとも1つに対する少なくとも1つのソースを取り付ける前記ステップは、前記生化学試験手順のうちの少なくとも1つに対する少なくとも2つのソースを取り付けるステップを含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
少なくとも1つの単一コンテナ複数のチェンバおよび複数の流体物質のマガジンを備える少なくとも1つの単一コンテナを利用するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項57】
少なくとも1つの単一コンテナ複数のチェンバおよび複数の流体物質のマガジンを備える少なくとも1つの単一コンテナを利用する前記ステップは、前記生化学試験手順のうちの少なくとも1つに対する少なくとも1つの機能的に関連のある複数物質ソースマガジンを利用するステップを含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
少なくとも1つの単一コンテナ複数のチェンバおよび複数の流体物質のマガジンを備える少なくとも1つの単一コンテナを利用する前記ステップは、
一次抗体物質と、
二次抗体物質と、
色原体物質と、
対比染色物質と、
緩衝物質と、
から成るグループから選択される物質を有する、前記生化学試験手順のうちの少なくとも1つに対する少なくとも1つの位置特定複数物質ソースを利用するステップを含む、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
少なくとも1つの単一コンテナ複数のチェンバおよび複数の流体物質のマガジンを備える少なくとも1つの単一コンテナを利用する前記ステップは、前記生化学試験手順のうちの少なくとも1つに対する少なくとも1つの位置特定関連物質使用サイズのソースを利用するステップを含む、請求項56に記載の方法。
【請求項60】
少なくとも1つの単一コンテナ複数のチェンバおよび複数の流体物質のマガジンを備える少なくとも1つの単一コンテナを利用する前記ステップは、前記生化学試験手順のうちの少なくとも1つに対する少なくとも1つの直線状に配置された複数ソースを利用するステップを含む、請求項56に記載の方法。
【請求項61】
前記生化学試験手順のうちの少なくとも1つに対する少なくとも1つのソースを取り付けるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項62】
少なくとも1つのソースを取り付ける前記ステップは、
一次抗体物質と、
二次抗体物質と、
色原体物質と、
対比染色物質と、
緩衝物質と、
から成るグループから選択される物質を有する、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記生化学試験手順のうちの少なくとも1つに対する少なくとも1つのソースを取り付ける前記ステップは、前記生化学試験手順のうちの少なくとも1つに対する少なくとも2つのソースを取り付けるステップを含む、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
少なくとも2つのソースを取り付ける前記ステップは、
a.一次抗体物質カートリッジを取り付けるステップと、
b.線形複数試薬マガジンを取り付けるステップと、
を備える、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記生化学試験手順のうちの少なくとも1つに対する少なくとも1つのソースを取り付ける前記ステップは、前記生化学試験手順のうちの少なくとも1つに対する少なくとも1つの位置特定関連物質使用サイズのソースを利用するステップを含む、請求項61に記載の方法。
【請求項66】
前記サンプルを表面に確立設置するステップをさらに含む、請求項1または15に記載の方法。
【請求項67】
前記サンプルを表面に確立設置する前記ステップは、前記サンプルを実質的に平坦な表面に確立設置するステップを含む、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記サンプルを実質的に平坦な表面に確立設置する前記ステップは、前記サンプルを顕微鏡スライドガラスに確立設置するステップを含む、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記サンプルを顕微鏡スライドガラスに確立設置する前記ステップは、少なくとも一対の対向する顕微鏡スライドガラスを確立設置するステップを含む、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
高速流体移動速度を達成するステップをさらに含む、請求項1または15に記載の方法。
【請求項71】
高速流体移動速度を達成する前記ステップは、特定構造に対する通常毛管移動より速い前記サンプルに対する高速流体移動を行うステップを含む、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
特定構造に対する通常毛管移動より速い前記サンプルに対する流体移動を行う前記ステップは、毛管移動より速い速度で高速流体適用を行うステップを含む、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
毛管移動より速い速度で高速流体適用を行う前記ステップは、前記流体を前記サンプル上に実質的同時かつ実質的均等に広げるステップを含む、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
特定構造に対する通常毛管移動より速い前記サンプルに対する流体移動を行う前記ステップは、毛管移動速度より速い速度で高速流体除去を行うステップを含む、請求項71に記載の方法。
【請求項75】
特定構造に対する通常毛管移動より速い前記サンプルに対する流体移動を行うステップは、
少なくとも約0.05m/sの流体移動を行うステップと、
少なくとも約0.1m/sの流体移動を行うステップと、
少なくとも約0.125m/sの流体移動を行うステップと、
少なくとも約0.25m/sの流体移動を行うステップと、
少なくとも約0.5m/sの流体移動を行うステップと、
少なくとも約1m/sの流体移動を行うステップと、
流体移動を最長約1秒以下間行うステップと、
流体移動を最長約0.5秒以下間行うステップと、
流体移動を最長約400ミリ秒以下間行うステップと、
流体移動を最長約200ミリ秒以下間行うステップと、
流体移動を最長約100ミリ秒以下間行うステップと、
流体移動を最長約50ミリ秒以下間行うステップと、
特定構造に対するメニスカス移動速度より速い流体移動を行うステップと、
特定構造に対するウィッキング移動速度より速い流体移動を行うステップと、
から成るグループから選択されるステップを含む、請求項71に記載の方法。
【請求項76】
前記サンプルの近くで原動力を実質的かつ同時に適用するステップをさらに含む、請求項1または15に記載の方法。
【請求項77】
前記サンプルの近くで原動力を実質的かつ同時に適用する前記ステップは、前記サンプルの近くで流体を実質的かつ同時に動かすステップを含む、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記サンプルの近くで流体を実質的かつ同時に動かす前記ステップは、
a.前記物質を前記サンプルから実質的に除去するステップと、
b.前記実質的に除去された物質の少なくとも一部を前記サンプルに再適用するステップと、
を含む、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記サンプルの近くで流体を実質的かつ同時に動かす前記ステップは、第一表面および第二表面間にちょうつがい運動を生じさせるステップを含む、請求項77に記載の方法。
【請求項80】
前記サンプルの近くで原動力を実質的かつ同時に適用する前記ステップは、前記サンプル上で流体波を積極的に開始するステップを含む、請求項76に記載の方法。
【請求項81】
前記サンプル上で流体波を積極的に開始する前記ステップは、前記サンプル上で振動流体波を積極的に開始するステップを含む、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記サンプル上で流体波を積極的に開始する前記ステップは、前記サンプル上で流体波を繰り返し生じさせるステップを含む、請求項80に記載の方法。
【請求項83】
前記サンプル上で流体波を繰り返し生じさせるステップは、
前記ステップを1回より多く以上繰り返すステップと、
前記ステップを2回繰り返すステップと、
前記ステップを2回より多く以上繰り返すステップと、
前記ステップを3回繰り返すステップと、
前記ステップを3回より多く以上繰り返すステップと、
前記ステップを4回繰り返すステップと、
前記ステップを4回より多く以上繰り返すステップと、
前記ステップを5回繰り返すステップと、
前記ステップを5回より多く以上繰り返すステップと、
から成り立つグループから選択されるステップを含む、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記処理ステップは、表面張力液を利用するステップを含む、請求項1または15に記載の方法。
【請求項85】
前記処理ステップは、毛管移動可能な液体を利用するステップを含む、請求項1または15に記載の方法。
【請求項86】
前記サンプルに隣接する微小環境において前記物質を非置換的かつ実質的にリフレッシュするステップをさらに含む、請求項4または15に記載の方法。
【請求項87】
前記サンプルに隣接する微小環境において前記物質を非置換的かつ実質的にリフレッシュする前記ステップは、前記サンプルに隣接する微小環境において前記物質を繰り返し、非置換的かつ実質的にリフレッシュするステップを含む、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
前記サンプルに隣接する微小環境において前記物質を繰り返し、非置換的かつ実質的にリフレッシュする前記ステップは、
前記ステップを1回より多く以上繰り返すステップと、
前記ステップを2回繰り返すステップと、
前記ステップを2回より多く以上繰り返すステップと、
前記ステップを3回繰り返すステップと、
前記ステップを3回より多く以上繰り返すステップと、
前記ステップを4回繰り返すステップと、
前記ステップを4回より多く以上繰り返すステップと、
前記ステップを5回繰り返すステップと、
前記ステップを5回より多く以上繰り返すステップと、
から成り立つグループから選択されるステップを含む、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
サンプルインターフェース微小環境における物質の枯渇を積極的に回避するステップをさらに含む、請求項1または15に記載の方法。
【請求項90】
サンプルインターフェース微小環境における前記物質の枯渇を積極的に回避するステップは、前記サンプルインターフェース微小環境内で実質的な混合を行うステップを含む、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
手術室時間制約環境において自動的に行われるよう前記プロセスを構成するステップと、
治療時間制約環境において自動的に行われるよう前記プロセスを構成するステップと、
手術時間制約環境において自動的に行われるよう前記プロセスを構成するステップと、
から成るグループから選択されるステップをさらに含む、請求項1または15に記載の方法。
【請求項92】
サンプルを取得する前記ステップは、生検サンプルを取得するステップを含む、請求項1または15に記載の方法。
【請求項93】
サンプルを取得する前記ステップは、
癌腫関連サンプルを取得するステップと、
黒色腫関連サンプルを取得するステップと、
リンパ腫関連サンプルを取得するステップと、
辺縁検査関連サンプルを取得するステップと、
から成るグループから選択されるステップを含む、請求項1または15に記載の方法。
【請求項94】
前記生化学試験手順を通して前記所望の結果を達成するステップは、
前記サンプル内の腫瘍指示物質の存在の検出表示を提供するステップと、
前記サンプル内の食細胞指示物質の存在の検出表示を提供するステップと、
前記サンプル内の病理的指示物質の存在の検出表示を提供するステップと、
前記サンプル内の非病理的指示物質の存在の検出表示を提供するステップと、
前記サンプル内のリンパ腫指示物質の存在の検出表示を提供するステップと、
前記サンプル内の黒色腫指示物質の存在の検出表示を提供するステップと、
前記サンプル内の癌腫指示物質の存在の検出表示を提供するステップと、
から成り立つグループから選択される物質の存在の検出表示を提供するステップを含む、請求項1または15に記載の方法。
【請求項95】
サンプルを取得する前記ステップは、
上皮細胞サンプルを取得するステップと、
リンパ節サンプルを取得するステップと、
未分化腫瘍細胞サンプルを取得するステップと、
小児細胞サンプルを取得するステップと、
モースマッピング細胞サンプルを取得するステップと、
ヘリコバクター・ピロリ細胞サンプルを取得するステップと、
絨毛膜組織細胞サンプルを取得するステップと、
新生児ヘルペス細胞サンプルを取得するステップと、
プロテオミクス細胞サンプルを取得するステップと、
から成るグループから選択されるステップを含む、請求項1または15に記載の方法。
【請求項96】
サンプルを取得する前記ステップは、
前記サンプル内のリンパ節指示物質の存在の検出表示を提供するステップと、
前記サンプル内の移植手技指示物質の存在の検出表示を提供するステップと、
前記サンプル内の腫瘍分化指示物質の存在の検出表示を提供するステップと、
前記サンプル内の病理指示物質の存在の検出表示を提供するステップと、
前記サンプル内の非病理指示物質の存在の検出表示を提供するステップと、
前記サンプル内のモースマッピング指示物質の存在の検出表示を提供するステップと、
前記サンプル内の辺縁指示物質の存在の検出表示を提供するステップと、
前記サンプル内のヘリコバクター・ピロリ診断指示物質の存在の検出表示を提供するステップと、
前記サンプル内の治療マーカー指示物質の存在の検出表示を提供するステップと、
前記サンプル内の絨毛膜組織指示物質の存在の検出表示を提供するステップと、
前記サンプル内の小児ヘルペス物質の存在の検出表示を提供するステップと、
から成るグループから選択されるステップを含む、請求項1または15に記載の方法。
【請求項97】
前記処理ステップは、
前記物質を前記サンプルから少なくとも2回一時的かつ実質的に除去するステップと、
前記物質を前記サンプルから少なくとも3回一時的かつ実質的に除去するステップと、
前記物質を前記サンプルから少なくとも4回一時的かつ実質的に除去するステップと、
前記物質を前記サンプルから少なくとも5回一時的かつ実質的に除去するステップと、
最初に、前記物質を前記サンプルから一時的かつ実質的に除去するステップを迅速に繰り返すステップと、
次に、前記物質を前記サンプルから一時的かつ実質的に除去するステップをゆっくり繰り返すステップと、
色原体物質に対して、前記物質を前記サンプルから一時的かつ実質的に除去するステップを最初に何度も繰り返すステップと、
マルチパート物質に対して、前記物質を前記サンプルから一時的かつ実質的に除去するステップを最初に何度も繰り返すステップと、
緩衝物、抗体物質、色原体、または対比染色物質に対して、前記物質を前記サンプルから少なくとも約3回一時的かつ実質的に除去するステップと、
緩衝物、抗体物質、色原体、または対比染色物質に対して、前記物質を前記サンプルから少なくとも約4回一時的かつ実質的に除去するステップと、
緩衝物、抗体物質、色原体、または対比染色物質に対して、前記物質を前記サンプルから少なくとも約6回一時的かつ実質的に除去するステップと、
緩衝物、抗体物質、色原体、または対比染色物質に対して、前記物質を前記サンプルから少なくとも約9回一時的かつ実質的に除去するステップと、
異なる物質に対して異なる混合ステップを行うステップと、
異なる物質に対して異なるインキュベーション期間を利用するステップと、
緩衝物質に対してインキュベーション期間を利用しないステップと、
実質的にインキュベーション期間を利用しないステップと、
最長約90秒間中断なく物質を部分的にインキュベートするステップと、
最長約60秒間中断なく物質を部分的にインキュベートするステップと、
最長約45秒間中断なく物質を部分的にインキュベートするステップと、
最長約30秒間中断なく物質を部分的にインキュベートするステップと、
最長約22秒間中断なく物質を部分的にインキュベートするステップと、
最長約20秒間中断なく物質を部分的にインキュベートするステップと、
最長約15秒間中断なく物質を部分的にインキュベートするステップと、
最長約10秒間中断なく物質を部分的にインキュベートするステップと、
最長約5秒間中断なく物質を部分的にインキュベートするステップと、
最長約3秒間中断なく物質を部分的にインキュベートするステップと、
実質的にごく短時間中断なく物質を部分的にインキュベートするステップと、
組織化学プロセスの一部として、合計最長約300秒間物質をインキュベートするステップと、
組織化学プロセスの一部として、合計最長約250秒間物質をインキュベートするステップと、
組織化学プロセスの一部として、合計最長約200秒間物質をインキュベートするステップと、
組織化学プロセスの一部として、合計最長約150秒間物質をインキュベートするステップと、
組織化学プロセスの一部として、合計最長約20秒間物質をインキュベートするステップと、
組織化学プロセスの一部として、合計最長約16秒間物質をインキュベートするステップと、
組織化学プロセスの一部として、合計最長約10秒間物質をインキュベートするステップと、
異なる物質の異なる発現を用いて混合ステップを繰り返すステップと、
全ての物質に対して混合ステップを複数回繰り返すステップと、
前記除去ステップを複数回繰り返すステップと、
から成るグループから選択されるステップを含む、請求項1または15に記載の方法。
【請求項98】
a.複数の生体サンプルを収容するよう構成されるサンプルホルダーと、
b.複数の異種のサンプル特定生化学試験手順を、複数の個別生体サンプル内の個別生体サンプルに関連相関付けるよう構成される相関要素と、
c.前記相関要素に応答し、生体サンプルの全てに対する前記複数の個別で異種の生化学試験手順を自動的、実質的かつ同時に行うよう構成される、実質的同時かつ自動的に配列された生化学試験プロセッサと、
を備える、生化学サンプルプロセッサ。
【請求項99】
前記生化学試験プロセッサは、
免疫組織化学プロセッサと、
免疫細胞化学プロセッサと、
in situハイブリッド形成プロセッサと、
蛍光in situハイブリッド形成プロセッサと、
染色識別プロセッサと、
染色プロセッサと、
抗原回復プロセッサと、
細胞化学プロセッサと、
組織化学プロセッサと、
分子化学プロセッサと、
エピトープ回復プロセッサと、
前処理プロセッサと、
から成るグループから選択される自動的に配列された生化学試験プロセッサを備える、請求項98に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項100】
前記実質的同時かつ自動的に配列された生化学試験プロセッサは、自動かつ実質的同時である物質ミキサーを備える、請求項98に記載の自動生化学サンプルプロセッサ。
【請求項101】
前記実質的同時かつ自動的に配列された生化学試験プロセッサは、自動かつ実質的同時物質適用要素を備える、請求項98に記載の自動生化学サンプルプロセッサ。
【請求項102】
前記実質的同時かつ自動的に配列された生化学試験プロセッサは、自動かつ実質的同時である対になったサンプル物質適用要素を備える、請求項98に記載の自動生化学サンプルプロセッサ。
【請求項103】
前記実質的同時かつ自動的に配列された生化学試験プロセッサは、自動かつ実質的同時であるインキュベーション要素を備える、請求項98に記載の自動生化学サンプルプロセッサ。
【請求項104】
前記実質的同時かつ自動的に配列された生化学試験プロセッサは、自動かつ実質的同時である物質一時的除去要素を備える、請求項98に記載の自動生化学サンプルプロセッサ。
【請求項105】
前記自動かつ実質的同時である物質一時的除去要素は、自動かつ実質的同時である流体物質一時的除去要素を備える、請求項104に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項106】
前記自動かつ実質的同時である物質一時的除去要素は、自動かつ実質的同時である毛管一時的除去要素を備える、請求項104に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項107】
前記実質的同時かつ自動的に配列された生化学試験プロセッサは、自動かつ実質的同時物質再適用要素を備える、請求項104に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項108】
前記実質的同時かつ自動的に配列された生化学試験プロセッサは、自動かつ実質的同時物質回収要素を備える、請求項98に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項109】
前記物質回収要素は毛管作用物質回収要素を備える、請求項108に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項110】
前記毛管作用物質回収要素はウィッキング要素を備える、請求項109に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項111】
前記実質的同時かつ自動的に配列された生化学試験プロセッサは、完全同時かつ自動的に配列された生化学試験プロセッサを備える、請求項98に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項112】
a.サンプルを保持するよう構成されるサンプルホルダーと、
b.生化学試験手順を自動的に行うよう構成される自動的に配列された生化学試験プロセッサと、
c.前記自動的に配列された生化学試験プロセッサに応答する、前記サンプルホルダーの近くに設置される単一コンテナ複数のチェンバおよび複数の流体物質のマガジンを備える単一コンテナとと、
d.力を前記単一コンテナ複数のチェンバおよび複数の流体物質のマガジンを備える単一コンテナに適用するよう構成される分配力要素と、
を備える、生化学サンプルプロセッサ。
【請求項113】
前記単一コンテナ複数のチェンバおよび複数の流体物質のマガジンを備える単一コンテナは、少なくとも2つの物質チェンバを備える、請求項112に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項114】
前記単一コンテナ複数のチェンバおよび複数の流体物質のマガジンを備える単一コンテナは、
a.少なくとも1つの位置特定単一物質ソースと、
b.少なくとも1つの位置特定複数物質ソースと、
を備える、請求項113に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項115】
前記少なくとも1つの位置特定単一物質ソースは、少なくとも1つの位置特定抗体物質ソースカートリッジを備え、かつ前記単一コンテナ複数のチェンバおよび複数の流体物質のマガジンを備える単一コンテナは、少なくとも1つの機能的に関連のある複数物質ソースマガジンを備える、請求項113に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項116】
前記単一コンテナ複数のチェンバおよび複数の流体物質のマガジンを備える単一コンテナは、少なくとも1つの位置特定関連物質使用サイズのソースを備える、請求項112に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項117】
前記少なくとも1つの複数物質ソースマガジンは、少なくとも1つの機能的に関連のある複数物質ソースマガジンを備える、請求項112に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項118】
前記単一コンテナ複数のチェンバおよび複数の流体物質のマガジンを備える単一コンテナは、
一次抗体物質と、
二次抗体物質と、
色原体物質と、
対比染色物質と、
緩衝物質と、
から成るグループから選択される少なくとも1つの物質を有する、請求項112に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項119】
前記単一コンテナ複数のチェンバおよび複数の流体物質のマガジンを備える単一コンテナは、少なくとも1つの位置特定関連物質使用サイズのソースを備える、請求項112に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項120】
前記単一コンテナ複数のチェンバおよび複数の流体物質のマガジンを備える単一コンテナは、少なくとも1つの直線状に配置された複数物質ソースを備える、請求項112に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項121】
取り付け固定可能位置特定物質ソースをさらに備える、請求項112に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項122】
前記ソースは、
一次抗体物質と、
二次抗体物質と、
色原体物質と、
対比染色物質と、
緩衝物質と、
から成るグループから選択される物質を有する、請求項121に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項123】
前記少なくとも1つの取り付け固定可能位置特定物質ソースは、少なくとも2つの取り付け固定可能位置特定物質ソースを備える、請求項122に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項124】
前記少なくとも2つの取り付け固定可能位置特定物質ソースは、
a.少なくとも1つの取り付け固定可能一次抗体物質カートリッジと、
b.少なくとも1つの取り付け固定可能線形複数試薬マガジンと、
を備える、請求項123に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項125】
前記ソースは、少なくとも1つの位置特定関連物質使用サイズのソースを備える、請求項121に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項126】
前記生化学試験プロセッサは、
免疫組織化学プロセッサと、
免疫細胞化学プロセッサと、
in situハイブリッド形成プロセッサと、
蛍光in situハイブリッド形成プロセッサと、
染色識別プロセッサと、
染色プロセッサと、
抗原回復プロセッサと、
細胞化学プロセッサと、
組織化学プロセッサと、
分子化学プロセッサと、
エピトープ回復プロセッサと、
前処理プロセッサと、
から成るグループから選択される自動的に配列された生化学プロセッサを備える、請求項112に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項127】
前記生化学試験プロセッサは、自動かつ実質的同時である物質ミキサーを備える、請求項112に記載の自動生化学サンプルプロセッサ。
【請求項128】
前記生化学試験プロセッサは、自動かつ実質的同時である物質適用要素を備える、請求項112に記載の自動生化学サンプルプロセッサ。
【請求項129】
前記生化学試験プロセッサは、自動かつ実質的同時である対になったサンプル物質適用要素を備える、請求項112に記載の自動生化学サンプルプロセッサ。
【請求項130】
前記生化学試験プロセッサは、自動かつ実質的同時であるインキュベーション要素を備える、請求項112に記載の自動生化学サンプルプロセッサ。
【請求項131】
前記生化学試験プロセッサは、自動かつ実質的同時である物質一時的除去要素を備える、請求項112に記載の自動生化学サンプルプロセッサ。
【請求項132】
前記自動かつ実質的同時である物質一時的除去要素は、自動かつ実質的同時である流体物質一時的除去要素を備える、請求項131に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項133】
前記自動かつ実質的同時である物質一時的除去要素は、自動かつ実質的同時である毛管一時的除去要素を備える、請求項131に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項134】
前記実質的同時かつ自動的に配列された生化学試験プロセッサは、自動かつ実質的同時物質再適用要素を備える、請求項131に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項135】
前記生化学試験プロセッサは、自動かつ実質的同時である物質回収要素を備える、請求項112に記載の自動生化学サンプルプロセッサ。
【請求項136】
前記物質回収要素は毛管作用物質回収要素を備える、請求項135に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項137】
前記毛管作用物質回収要素はウィッキング要素を備える、請求項136に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項138】
前記実質的同時かつ自動的に配列された生化学試験プロセッサは、完全同時かつ自動的に配列された生化学試験プロセッサを備える、請求項127、128または130に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項139】
同時処理に対して構成される複数のサンプルをさらに備える、請求項98または112に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項140】
前記複数のサンプルは、対向する対で構成される複数のサンプルを含む、請求項139に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項141】
前記複数のサンプルは、隣接して対向する対で構成される複数のサンプルを含む、請求項140に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項142】
抗体物質ソースをさらに備える、請求項98または112に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項143】
組織化学プロセス物質ソースと、
細胞化学プロセス物質ソースと、
免疫蛍光物質ソースと、
免疫金物質ソースと、
免疫金・銀増感物質ソースと、
免疫細胞化学物質ソースと、
免疫組織化学物質ソースと、
蛍光分子物質ソースと、
一次抗体物質ソースと、
二次抗体物質ソースと、
色原体物質ソースと、
対比染色物質ソースと、
から成るグループから選択される物質ソースをさらに備える、請求項98または112に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項144】
前記生化学試験プロセッサは、
約60分以内に以下で検出表示を提供するよう構成される短縮組織化学的検出時間プロセス完了要素と、
約45分以内に以下で検出表示を提供するよう構成される短縮組織化学的検出時間プロセス完了要素と、
約30分以内に以下で検出表示を提供するよう構成される短縮組織化学的検出時間プロセス完了要素と、
約20分以内に以下で検出表示を提供するよう構成される短縮組織化学的検出時間プロセス完了要素と、
約15分以内に以下で検出表示を提供するよう構成される短縮組織化学的検出時間プロセス完了要素と、
約12分以内に以下で検出表示を提供するよう構成される短縮組織化学的検出時間プロセス完了要素と、
約10分以内に以下で検出表示を提供するよう構成される短縮組織化学的検出時間プロセス完了要素と、
外来患者処置の時間制限以内に以下で検出表示を提供するよう構成される短縮組織化学的検出時間プロセス完了要素と、
術中処置の時間制限以内に以下で検出表示を提供するよう構成される短縮組織化学的検出時間プロセス完了要素と、
米国病理医協会の術中ガイドラインに記載の時間以内に以下で検出表示を提供するよう構成される短縮組織化学的検出時間プロセス完了要素と、
から成るグループから選択される短縮された検出時間プロセス完了要素を備える、請求項98または112に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項145】
前記生化学プロセッサは、
生体サンプルを処理するよう構成されるサンプルプロセッサと、
細胞サンプルを処理するよう構成されるサンプルプロセッサと、
組織サンプルを処理するよう構成されるサンプルプロセッサと、
から成るグループから選択される、請求項98または112に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項146】
前記サンプルは薄い生体サンプルを含む、請求項98または112に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項147】
前記薄い生体サンプルは生検サンプルを含む、請求146に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項148】
少なくとも1つの位置特定物質ソースをさらに備える、請求項98または112に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項149】
前記少なくとも1つの位置特定物質ソースは、複数の隣接する位置特定物質ソースを備える、請求項148に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項150】
前記複数の隣接する位置特定物質ソースは、複数のスライド幅隣接位置特定物質ソースを備える、請求項149に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項151】
前記少なくとも1つの位置特定物質ソースは、少なくとも1つの取り付け固定可能位置特定物質ソースを備える、請求項148に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項152】
前記少なくとも1つの取り付け固定可能位置特定物質ソースは、少なくとも2つの取り付け固定可能位置特定物質ソースを備える、請求項151に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項153】
少なくとも1つの単一コンテナ複数のチェンバおよび複数の流体物質のマガジンを備える少なくとも1つの単一コンテナをさらに備える、請求項98に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項154】
前記少なくとも1つの単一コンテナ複数のチェンバおよび複数の流体物質のマガジンを備える少なくとも1つの単一コンテナは、少なくとも1つの機能的に関連のある複数物質ソースマガジンを備える、請求項153に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項155】
前記少なくとも1つの単一コンテナ複数のチェンバおよび複数の流体物質のマガジンを備える単一コンテナは、
一次抗体物質と、
二次抗体物質と、
色原体物質と、
対比染色物質と、
緩衝物質と、
から成るグループから選択される少なくとも1つの物質を有する、請求項153に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項156】
前記少なくとも1つの単一コンテナ複数のチェンバおよび複数の流体物質のマガジンを備える単一コンテナは、少なくとも1つの位置特定関連物質使用サイズのソースを備える、請求項153に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項157】
前記少なくとも1つの単一コンテナ複数のチェンバおよび複数の流体物質のマガジンを備える少なくとも1つの単一コンテナは、少なくとも1つの直線状に配置された複数物質ソースを備える、請求項153に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項158】
取り付け固定可能位置特定物質ソースをさらに備える、請求項98または112に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項159】
前記ソースは、
一次抗体物質と、
二次抗体物質と、
色原体物質と、
対比染色物質と、
緩衝物質と、
から成るグループから選択される物質を有する、請求項158に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項160】
前記少なくとも1つの取り付け固定可能位置特定物質ソースは、少なくとも2つの取り付け固定可能位置特定物質ソースを備える、請求項159に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項161】
前記少なくとも2つの取り付け固定可能位置特定物質ソースは、
a.少なくとも1つの取り付け固定可能一次抗体物質カートリッジと、
b.少なくとも1つの取り付け固定可能線形複数試薬マガジンと、
を備える、請求項160に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項162】
前記ソースは、少なくとも1つの位置特定関連物質使用サイズのソースを備える、請求項158に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項163】
前記サンプルが応答する表面をさらに備える、請求項98または112に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項164】
前記表面は実質的に平坦な表面を備える、請求163に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項165】
前記実質的に平坦な表面は顕微鏡スライドガラスを備える、請求164に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項166】
少なくとも2つの対向する顕微鏡スライドガラスをさらに備える、請求165に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項167】
高速流体移動速度要素をさらに備える、請求項98または112に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項168】
前記高速流体移動速度要素は、毛管移動速度よりも速い流体移動要素を備える、請求項167に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項169】
前記毛管移動速度よりも速い流体移動要素は、毛管移動速度よりも速い流体適用要素を備える、請求項168に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項170】
前記毛管移動速度よりも速い流体適用要素は、実質的同時かつ実質的均等な流体拡散要素を備える、請求項169に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項171】
前記毛管移動速度よりも速い流体移動要素は、毛管移動速度よりも速い流体除去要素を備える、請求項168に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項172】
前記毛管移動速度よりも速い流体移動要素は、
少なくとも約0.05m/sの流体移動を行うよう構成される流体移動要素と、
少なくとも約0.1m/sの流体移動を行うよう構成される流体移動要素と、
少なくとも約0.125m/sの流体移動を行うよう構成される流体移動要素と、
少なくとも約0.25m/sの流体移動を行うよう構成される流体移動要素と、
少なくとも約0.5m/sの流体移動を行うよう構成される流体移動要素と、
少なくとも約1m/sの流体移動を行うよう構成される流体移動要素と、
約1秒以下で以内内に流体移動を行うよう構成される流体移動要素と、
約0.5秒以内に以下で流体移動を行うよう構成される流体移動要素と、
約400ミリ秒以内に以下で流体移動を行うよう構成される流体移動要素と、
約200ミリ秒以内に以下で流体移動を行うよう構成される流体移動要素と、
約100ミリ秒以内に以下で流体移動を行うよう構成される流体移動要素と、
約50ミリ秒以内に以下で流体移動を行うよう構成される流体移動要素と、
特定構造に対するメニスカス移動速度より速い流体移動を行うよう構成される流体移動要素と、
特定構造に対するウィッキング移動速度より速い流体移動を行うよう構成される流体移動要素と、
から成るグループから選択される、請求項168に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項173】
前記サンプルの近くに確立される実質的に同時である原動力適用要素をさら備える、請求項98または112に記載の自動生化学サンプルプロセッサ。
【請求項174】
前記実質的に同時である原動力適用要素は、前記サンプルの近くで流体を実質的かつ同時に動かすよう構成される、請求項173に記載の自動生化学サンプルプロセッサ。
【請求項175】
前記実質的に同時である原動力適用要素は、
a.物質を前記サンプルから実質的に除去し、かつ
b.前記実質的に除去された物質の少なくとも一部を前記サンプルに再適用するよう構成される、
請求項174に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項176】
前記実質的に同時である原動力適用要素は、
a.前記サンプルのすぐ近くから前記物質を実質的に除去するよう構成される物質一時的除去要素と、
b.前記一時的に除去された物質の少なくとも一部に作用する物質再適用要素と、
を備える、請求項174に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項177】
前記実質的に同時である原動力適用要素は、第一および第二表面角度移動要素を備える、請求項174に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項178】
前記サンプルの近くに確立される前記実質的に同時である原動力適用要素は、流体波要素を備える、請求項173に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項179】
前記流体波要素は振動波要素を備える、請求178に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項180】
前記流体波要素は反復作用要素を備える、請求178に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項181】
前記反復作用要素は、
少なくとも2つの作用反復作用要素と、
少なくとも3つの作用反復作用要素と、
少なくとも4つの作用反復作用要素と、
少なくとも5つの作用反復作用要素と、
少なくとも6つの作用反復作用要素と、
から成るグループから選択される、請求項180に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項182】
表面張力液体物質ソースをさらに備える、請求項98または112に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項183】
毛管流体物質ソースをさらに備える、請求項98または112に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項184】
サンプルインターフェース微小環境物質をリフレッシュする要素をさらに備える、請求項98または112に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項185】
前記インターフェース微小環境物質をリフレッシュする要素は反復作用要素を備える、請求184に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項186】
前記反復作用要素は、
少なくとも2つの作用反復作用要素と、
少なくとも3つの作用反復作用要素と、
少なくとも4つの作用反復作用要素と、
少なくとも5つの作用反復作用要素と、
少なくとも6つの作用反復作用要素と、
から成るグループから選択される、請求項185に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項187】
サンプルインターフェース微小環境の積極的枯渇回避要素をさらに備える、請求項98または112に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項188】
前記サンプルインターフェース微小環境の積極的枯渇回避要素は、サンプルインターフェース微小環境混合要素を備える、請求187に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項189】
前記サンプルプロセッサは、
手術室時間制約環境において自動的に行われるプロセスを完了するよう構成されるサンプルプロセッサと、
治療時間制約環境において自動的に行われるプロセスを完了するよう構成されるサンプルプロセッサと、
手術時間制約環境において自動的に行われるプロセスを完了するよう構成されるサンプルプロセッサと、
から成るグループから選択される、請求項98または112に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項190】
前記サンプルホルダーは生検サンプルホルダーを備え、かつ前記サンプルプロセッサは生検サンプルを処理するよう構成される、請求項98または112に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項191】
前記サンプルホルダーは生検サンプルホルダーを備え、かつ前記サンプルプロセッサは、
癌腫関連サンプルと、
黒色腫関連サンプルと、
リンパ腫関連サンプルと、
辺縁検査関連サンプルと、
から成るグループから選択されるサンプルを処理するよう構成される、請求項98または112に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項192】
前記サンプルプロセッサは、
前記サンプル内の腫瘍指示物質の存在の検出表示を提供するよう構成されるプロセス完了要素と、
前記サンプル内の食細胞指示物質の存在の検出表示を提供するよう構成されるプロセス完了要素と、
前記サンプル内の病理的指示物質の存在の検出表示を提供するよう構成されるプロセス完了要素と、
前記サンプル内の非病理的指示物質の存在の検出表示を提供するよう構成されるプロセス完了要素と、
前記サンプル内のリンパ腫指示物質の存在の検出表示を提供するよう構成されるプロセス完了要素と、
前記サンプル内の黒色腫指示物質の存在の検出表示を提供するよう構成されるプロセス完了要素と、
前記サンプル内の癌腫指示物質の存在の検出表示を提供するよう構成されるプロセス完了要素と、
から成るグループから選択される、請求項98または112に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項193】
前記サンプルプロセッサは、
上皮細胞サンプルと、
リンパ節サンプルと、
未分化腫瘍細胞サンプルと、
小児細胞サンプルと、
モースマッピング細胞サンプルと、
ヘリコバクター・ピロリ細胞サンプルと、
絨毛膜組織細胞サンプルと、
小児へルペス細胞サンプルと、
プロテオミクス細胞サンプルと、
から成るグループから選択されるサンプルを処理するよう構成される、請求項98または112に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項194】
前記サンプルプロセッサは、
移植手技指示物質と、
腫瘍分化指示物質と、
病理指示物質と、
非病理指示物質と、
辺縁指示物質と、
治療マーカー指示物質と、
から成るグループから選択されるサンプルを処理するよう構成される、請求項98または112に記載の生化学サンプルプロセッサ。
【請求項195】
前記サンプルプロセッサは、
前記物質を前記サンプルから少なくとも2回一時的かつ実質的に除去するステップと、
前記物質を前記サンプルから少なくとも3回一時的かつ実質的に除去するステップと、
前記物質を前記サンプルから少なくとも4回一時的かつ実質的に除去するステップと、
前記物質を前記サンプルから少なくとも5回一時的かつ実質的に除去するステップと、
最初に、前記物質を前記サンプルから一時的かつ実質的に除去するステップを迅速に繰り返すステップと、
次に、前記物質を前記サンプルから一時的かつ実質的に除去するステップをゆっくり繰り返すステップと、
色原体物質に対して、前記物質を前記サンプルから一時的かつ実質的に除去するステップを最初に何度も繰り返すステップと、
マルチパート物質に対して、前記物質を前記サンプルから一時的かつ実質的に除去するステップを最初に何度も繰り返すステップと、
緩衝物、抗体物質、色原体、または対比染色物質に対して、前記物質を前記サンプルから少なくとも約3回一時的かつ実質的に除去するステップと、
緩衝物、抗体物質、色原体、または対比染色物質に対して、前記物質を前記サンプルから少なくとも約4回一時的かつ実質的に除去するステップと、
緩衝物、抗体物質、色原体、または対比染色物質に対して、前記物質を前記サンプルから少なくとも約6回一時的かつ実質的に除去するステップと、
緩衝物、抗体物質、色原体、または対比染色物質に対して、前記物質を前記サンプルから少なくとも約9回一時的かつ実質的に除去するステップと、
異なる物質に対して異なる混合ステップを行うステップと、
異なる物質に対して異なるインキュベーション期間を利用するステップと、
緩衝物質に対してインキュベーション期間を利用しないステップと、
実質的にインキュベーション期間を利用しないステップと、
最長約90秒間中断なく物質を部分的にインキュベートするステップと、
最長約60秒間中断なく物質を部分的にインキュベートするステップと、
最長約45秒間中断なく物質を部分的にインキュベートするステップと、
最長約30秒間中断なく物質を部分的にインキュベートするステップと、
最長約22秒間中断なく物質を部分的にインキュベートするステップと、
最長約20秒間中断なく物質を部分的にインキュベートするステップと、
最長約15秒間中断なく物質を部分的にインキュベートするステップと、
最長約10秒間中断なく物質を部分的にインキュベートするステップと、
最長約5秒間中断なく物質を部分的にインキュベートするステップと、
最長約3秒間中断なく物質を部分的にインキュベートするステップと、
実質的にごく短時間中断なく物質を部分的にインキュベートするステップと、
組織化学プロセスの一部として、合計最長約300秒間物質をインキュベートするステップと、
組織化学プロセスの一部として、合計最長約250秒間物質をインキュベートするステップと、
組織化学プロセスの一部として、合計最長約200秒間物質をインキュベートするステップと、
組織化学プロセスの一部として、合計最長約150秒間物質をインキュベートするステップと、
組織化学プロセスの一部として、合計最長約20秒間物質をインキュベートするステップと、
組織化学プロセスの一部として、合計最長約16秒間物質をインキュベートするステップと、
組織化学プロセスの一部として、合計最長約10秒間物質をインキュベートするステップと、
異なる物質の異なる発現を用いて混合ステップを繰り返すステップと、
全ての物質に対して混合ステップを複数回繰り返すステップと、
前記除去ステップを複数回繰り返すステップと、
から成るグループから選択される作用を行うよう構成される、請求項98または112に記載の生化学サンプルプロセッサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公表番号】特表2008−538611(P2008−538611A)
【公表日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−507963(P2008−507963)
【出願日】平成18年4月21日(2006.4.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/015269
【国際公開番号】WO2006/116199
【国際公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(507347989)セレラス ダイアグノスティクス, インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】