説明

自己乳化型油性液状化粧料

自己乳化型油性液状化粧料であって、次の成分Aが8〜30質量%、成分Bが50〜92質量%配合されてなる。成分A:水酸基価が450〜700で、全構成脂肪酸残基の50〜100質量%が炭素数16〜18の分岐脂肪酸残基及び/又は炭素数16〜18の直鎖不飽和脂肪酸残基であるポリグリセリン脂肪酸エステルであって、ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成しているポリグリセリンにおいて、2量体及び3量体のポリグリセリン環状物の合計組成割合が全ポリグリセリンの0〜3%、11量体以上のポリグリセリンの合計組成割合が全ポリグリセリンの10〜30%、及び4〜10量体のポリグリセリンの各組成割合が全ポリグリセリンの4〜20%である。成分B:油性成分。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、特定のポリグリセリン脂肪酸エステルと油性成分を基剤とした自己乳化型油性液状化粧料に関する。
本願は、2003年5月9日に出願された日本国特願2003−131782、及び2003年12月2日に出願された日本国特願2003−403334に対し優先権を主張し、それら内容をここに援用する。
【背景技術】
自己乳化型油性液状化粧料は、水と接触することで転相し水中油型エマルションを生成するものであり、自己乳化型油性液状化粧料の代表的なものとして、クレンジング化粧料、浴用化粧料等がある。
近年、メークアップ化粧品は落ちにくいことが求められていることや、流行により厚塗りのメークアップの嗜好も増加している。そのため、油性成分を主剤としたファンデーションや口紅などのメークアップ化粧料を落とすことを目的とするクレンジング化粧料は、洗浄力の強いものが求められている。
クレンジング化粧料は、様々な剤型のものが市場に流通しており、例えば、水系、油系、多価アルコール系、界面活性剤による液晶系の液状、ゲル状、クリーム状の剤型のものが挙げられる。その中でも油性液状クレンジング化粧料は、化粧品の油性成分との相溶性が優れるため、最も洗浄力に優れていることが知られている。その結果、市場に最も流通している製品(クレンジング化粧料)は、油性成分と界面活性剤の混合系からなる自己乳化型油性のものである。この製品は、水と接触させると速やかに転相が起こる性質を有する。まずクレンジング化粧料とメイクの汚れをなじませることで汚れを油性成分中に移行(溶解)させる。その後、水と接触させることにより汚れを含む油性成分の水中油型のエマルションを生成させ、そのまま水に流してメイクや汚れ等を落とすことができる。
このような自己乳化型油性液状化粧料では、水と接触したときに速やかに自己乳化させるために、8〜30質量%もの高濃度の界面活性剤を配合する必要がある。自己乳化型油性液状化粧料に用いられる一般的な界面活性剤としては、ポリオキシエチレンソルビタン分岐脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール分岐脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン分岐アルキルエーテル等が使用されている。これら界面活性剤のうち、ポリオキシエチレン系界面活性剤は、安全性の懸念があることが従来から知られている。このポリオキシエチレン系界面活性剤を高濃度で配合した自己乳化型油性液状クレンジング化粧料は、直接皮膚に塗布することで、洗浄後のキシミ感が強いといった問題や皮膚トラブルの原因ともなる可能性があるため、安全性を懸念されていた。また、ポリオキシエチレン系の界面活性剤の欠点として、口の中に混入した際に極めて味、臭いが悪いことが挙げられる。このため、顔の部位に使用する際、特に口紅等を落とす際に口に混入する機会の多いクレンジング化粧料においては、不快感が顕著であった。
ポリオキシエチレン系の界面活性剤を使用した化粧料の問題点を解決するために、例えば、特開昭58−185537号公報では、ポリグリセリン脂肪酸エステルを使用した化粧料が開示されている。
安全性が高く、風味の不快感がなく、食品で汎用されている界面活性剤としてポリグリセリン脂肪酸エステルがある。しかし、一般に流通しているポリグリセリン脂肪酸エステルの多くは油性成分中へ溶解しにくい。また、油性成分中へ溶解しても、その組成物は水への分散性が悪く自己乳化しないという問題があった。したがって、このようなポリグリセリン脂肪酸エステルと油性成分からなる自己乳化型油性クレンジング化粧料では、溶解性の問題(油性成分中へ溶解しにくい)から製品(クレンジング化粧料)の保存安定性が悪くなる。又は水への分散性が悪くて汚れを洗い流すことができず、油性成分が皮膚上に残りべたつき感がひどいものとなってしまう。そのため、自己乳化型油性クレンジング化粧料には、ポリグリセリン脂肪酸エステルは乳化助剤として利用される程度でしかなかった。
一方で、従来の自己乳化型油性液状クレンジング化粧料は、厚塗りしたファンデーションや、耐油性及び耐水性成分を含有したマスカラ等の落ちにくい化粧料を洗浄する場合、これらのメイクとなじませて汚れを浮き上がらせる過程で、どうしても肌をこすりがちになり、肌トラブルの原因となったり、まつげが抜けてしまったりするという問題もあった。そして、次のステップである水に接触して自己乳化する過程において、液晶、白色ゲル状物を経て水に分散していくが、速やかに水に分散しにくいため、いつまでも肌にぬめり感として残存し、すすぎに時間がかかるという問題もあった。
ところで、浴用化粧料は、肌荒れ、ひび割れ、あかぎれを防止したり、肌状態を改善したりするために浴用時によく用いられている。浴用化粧料の剤型として、バスソルト、バスオイル、生薬等が挙げられる。その中でも、油性成分と界面活性剤の混合系からなる自己乳化型油性のバスオイルタイプの製品は、浴湯に入れると湯中で自己乳化して微粒子状の油性成分が湯中に均一分散し、油性成分が本来、保有しているエモリエント、保湿性、抗炎症、温浴などの各種改善効果が期待できる。
ところが、油性成分と界面活性剤の混合系からなる従来の自己乳化型油性の浴用化粧料は、お湯への分散性が不十分であり、自己乳化せずにその浴用化粧料の剤型のまま、浮遊してしまう問題が生じることがあった。この結果、べたつき感が生じることにより、入浴後の肌の感触が悪くなるばかりでなく、浴槽壁に浴用化粧料が付着してしまうという問題があった。
また、クレンジング化粧料と同じ理由により、ポリグリセリン脂肪酸エステルは、自己乳化型油性の浴用化粧料の界面活性剤としてほとんど使用されず、配合されても乳化助剤として使用されるに過ぎなかった。
本発明は、上記の問題を改善し、人体への安全性にも懸念がなくて保存安定性も優れており、容易に自己乳化することで水への分散性が優れ、さらに使用感も良好な自己乳化型油性液状化粧料を提供するものである。
【発明の開示】
本発明の第1の態様にかかる自己乳化型油性液状化粧料は、次の成分Aが8〜30質量%、成分Bが50〜92質量%配合されてなる。
成分A:水酸基価が450〜700で、全構成脂肪酸残基の50〜100質量%が炭素数16〜18の分岐脂肪酸残基及び/又は炭素数16〜18の直鎖不飽和脂肪酸残基であるポリグリセリン脂肪酸エステルであって、ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成しているポリグリセリンにおいて、2量体及び3量体のポリグリセリン環状物の合計組成割合が全ポリグリセリンの0〜3%、11量体以上のポリグリセリンの合計組成割合が全ポリグリセリンの10〜30%、及び4〜10量体のポリグリセリンの各組成割合が全ポリグリセリンの4〜20%である。
成分B:油性成分。
本発明の前記態様によれば、安全性に懸念がなく、水への分散性に優れて容易に自己乳化し、且つ保存安定性が良好である。また、この自己乳化型油性液状化粧料をクレンジング化粧料として使用すると、油性成分が肌へ残存することがないため、油性成分の残存によるニキビや吹き出物の発生をなくすことができる。さらに、自己乳化型油性液状化粧料は、例えば化粧油、ヘアクレンジング、マッサージオイル、又はヘアトリートメント等の化粧料(医薬部外品を含む)や医薬品へも応用できる。
本発明の第1の態様にかかる自己乳化型油性液状化粧料では、前記炭素数16〜18の分岐脂肪酸残基がイソステアリン酸残基であり、前記炭素数16〜18の直鎖不飽和脂肪酸残基がオレイン酸残基であってもよい。この場合、自己乳化型油性液状化粧料の高温下での保存安定性が更に向上する。
本発明の第1の態様にかかる自己乳化型油性液状化粧料では、水の配合量が0〜2質量%であってもよい。この場合、保存安定性の低下が抑えられ、また、ゲル状にならず、優れた水分散性が得られる。
本発明の第1の態様にかかる自己乳化型油性液状化粧料では、水が配合されていなくてもよい。この場合、優れた保存安定性、水分散性が得られる。
本発明の第1の態様にかかる自己乳化型油性液状化粧料では、25℃における電気伝導率が0.1μS/cm以下で、且つ、炭化水素溶剤に均一に溶解分散する性質を有してもよい。この場合、自己乳化型油性液状化粧料中の油が連続相である油性化粧料であり、油性成分との相溶性に優れる。
本発明の第1の態様にかかる自己乳化型油性液状化粧料では、前記成分Bの油性成分中の炭化水素油の配合量が、自己乳化型油性液状化粧料の10質量%未満であってもよい。この場合、自己乳化型油性液状化粧料は、さらに水への分散性に優れ、容易に自己乳化できる。
本発明の第1の態様にかかる自己乳化型油性液状化粧料は、クレンジング化粧料であってもよい。この場合、水への分散性に優れて容易に自己乳化できるため、油性成分が肌へ残存することがない。このため、油性成分の残存によるニキビや吹き出物の発生をなくすことができる。また、化粧料とのなじみが非常に良く、メイク汚れの落ち具合に優れる。洗浄後のべたつき感、きしみ感がなく、さらに洗い流す際のぬめり感がなく、すすぎが容易であり、良好な使用感が得られる。
本発明の第1の態様にかかる自己乳化型油性液状化粧料は、浴用化粧料であってもよい。この場合、水と接触すると速やかに自己乳化し、均一に分散するため、浴湯への分散性に優れる。また、非常にしっとり感を感じ、べたつき感が無く良好な使用感が得られる。優れた保存安定性も得られる。
本発明の第2の態様にかかる自己乳化型油性液状化粧料は、次の成分Aが10〜25質量%、成分Bが65〜85質量%配合されてなる。
成分A:水酸基価が450〜700で、全構成脂肪酸残基の50〜100質量%が炭素数16〜18の分岐脂肪酸残基及び/又は炭素数16〜18の直鎖不飽和脂肪酸残基であるポリグリセリン脂肪酸エステルであって、ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成しているポリグリセリンにおいて、2量体及び3量体のポリグリセリン環状物の合計組成割合が全ポリグリセリンの0〜3%、11量体以上のポリグリセリンの合計組成割合が全ポリグリセリンの10〜30%、及び4〜10量体のポリグリセリンの各組成割合が全ポリグリセリンの4〜20%である。
成分B:油性成分。
本発明の前記態様によれば、安全性に懸念がなく、水への分散性に優れて容易に自己乳化し、且つ保存安定性が良好である。また、この自己乳化型油性液状化粧料をクレンジング化粧料として使用すると、油性成分が肌へ残存することがないため、油性成分の残存によるニキビや吹き出物の発生をなくすことができる。さらに、自己乳化型油性液状化粧料は、例えば化粧油、ヘアクレンジング、マッサージオイル、又はヘアトリートメント等の化粧料(医薬部外品を含む)や医薬品へも応用できる。
本発明の第2の態様にかかる自己乳化型油性液状化粧料では、さらにレシチンが、成分Aの配合量に対して1〜10質量%配合されていてもよい。この場合、自己乳化型油性液状化粧料の自己乳化特性を更に向上させることができる。
本発明の第2の態様にかかる自己乳化型油性液状化粧料では、水の配合量が0〜2質量%であってもよい。この場合、保存安定性の低下が抑えられ、また、ゲル状にならず、優れた水分散性が得られる。
本発明の第2の態様にかかる自己乳化型油性液状化粧料では、水が配合されていなくてもよい。この場合、優れた保存安定性、水分散性が得られる。
本発明の第2の態様にかかる自己乳化型油性液状化粧料では、25℃における電気伝導率が0.1μS/cm以下で、且つ、炭化水素溶剤に均一に溶解分散する性質を有してもよい。この場合、自己乳化型油性液状化粧料中の油が連続相である油性化粧料であり、油性成分との相溶性に優れる。
本発明の第2の態様にかかる自己乳化型油性液状化粧料では、前記成分Bの油性成分中の炭化水素油の配合量が、自己乳化型油性液状化粧料の10質量%未満であってもよい。この場合、自己乳化型油性液状化粧料は、さらに水への分散性に優れ、容易に自己乳化できる。
本発明の第2の態様にかかる自己乳化型油性液状化粧料は、クレンジング化粧料であってもよい。この場合、水への分散性に優れて容易に自己乳化できるため、油性成分が肌へ残存することがない。このため、油性成分の残存によるニキビや吹き出物の発生をなくすことができる。また、化粧料とのなじみが非常に良く、メイク汚れの落ち具合に優れる。洗浄後のべたつき感、きしみ感がなく、さらに洗い流す際のぬめり感がなく、すすぎが容易であり、良好な使用感が得られる。
本発明の第2の態様にかかる自己乳化型油性液状化粧料は、浴用化粧料であってもよい。この場合、水と接触すると速やかに自己乳化し、均一に分散するため、浴湯への分散性に優れる。また、非常にしっとり感を感じ、べたつき感が無く良好な使用感が得られる。優れた保存安定性も得られる。
本発明の第3の態様にかかる自己乳化型油性液状化粧料は、次の成分Aが8〜30質量%、成分Bが65〜90質量%、成分Cが、前記成分Aの配合量に対して0.1〜100質量%配合されてなる。
成分A:水酸基価が550〜700で、全構成脂肪酸残基の50〜100質量%が炭素数16〜18の分岐脂肪酸残基及び/又は炭素数16〜18の直鎖不飽和脂肪酸残基であるポリグリセリン脂肪酸エステルであって、ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成しているポリグリセリンにおいて、2量体及び3量体のポリグリセリン環状物の合計組成割合が全ポリグリセリン中0〜3%、11量体以上のポリグリセリンの合計組成割合が全ポリグリセリン中の10〜30%、及び4〜10量体のポリグリセリンの各組成割合が全ポリグリセリン中の4〜20%であるポリグリセリン脂肪酸エステル。
成分B:油性成分。
成分C:水酸基価が100〜500の多価アルコール脂肪酸エステル(成分Aを除く)及び/又は水酸基価が100〜500の多価アルコールアルキルエーテル。
本発明の前記態様によれば、安全性に懸念がなく、水への分散性に優れて容易に自己乳化し、且つ保存安定性が良好である。また、この自己乳化型油性液状化粧料をクレンジング化粧料として使用すると、油性成分が肌へ残存することがないため、油性成分の残存によるニキビや吹き出物の発生をなくすことができる。さらに、自己乳化型油性液状化粧料は、例えば化粧油、ヘアクレンジング、マッサージオイル、又はヘアトリートメント等の化粧料(医薬部外品を含む)や医薬品へも応用できる。
本発明の第3の態様にかかる自己乳化型油性液状化粧料では、水の配合量が0〜2質量%であってもよい。この場合、保存安定性の低下が抑えられ、また、ゲル状にならず、優れた水分散性が得られる。
本発明の第3の態様にかかる自己乳化型油性液状化粧料では、水が配合されていなくてもよい。この場合、優れた保存安定性、水分散性が得られる。
本発明の第3の態様にかかる自己乳化型油性液状化粧料では、25℃における電気伝導率が0.1μS/cm以下で、且つ、炭化水素溶剤に均一に溶解分散する性質を有してもよい。この場合、自己乳化型油性液状化粧料中の油が連続相である油性化粧料であり、油性成分との相溶性に優れる。
本発明の第3の態様にかかる自己乳化型油性液状化粧料では、前記成分Bの油性成分中の炭化水素油の配合量が、自己乳化型油性液状化粧料の10質量%未満であってもよい。この場合、自己乳化型油性液状化粧料は、さらに水への分散性に優れ、容易に自己乳化できる。
本発明の第3の態様にかかる自己乳化型油性液状化粧料は、クレンジング化粧料であってもよい。この場合、水への分散性に優れて容易に自己乳化できるため、油性成分が肌へ残存することがない。このため、油性成分の残存によるニキビや吹き出物の発生をなくすことができる。また、化粧料とのなじみが非常に良く、メイク汚れの落ち具合に優れる。洗浄後のべたつき感、きしみ感がなく、さらに洗い流す際のぬめり感がなく、すすぎが容易であり、良好な使用感が得られる。
本発明の第3の態様にかかる自己乳化型油性液状化粧料は、浴用化粧料であってもよい。この場合、水と接触すると速やかに自己乳化し、均一に分散するため、浴湯への分散性に優れる。また、非常にしっとり感を感じ、べたつき感が無く良好な使用感が得られる。優れた保存安定性も得られる。
本発明の第4の態様にかかる自己乳化型油性液状化粧料は、次の成分Aが10〜25質量%、成分Bが65〜85質量%、成分Cが、前記成分Aの配合量に対して0.1〜100質量%配合されてなる。
成分A:水酸基価が550〜700で、全構成脂肪酸残基の50〜100質量%が炭素数16〜18の分岐脂肪酸残基及び/又は炭素数16〜18の直鎖不飽和脂肪酸残基であるポリグリセリン脂肪酸エステルであって、ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成しているポリグリセリンにおいて、2量体及び3量体のポリグリセリン環状物の合計組成割合が全ポリグリセリン中0〜3%、11量体以上のポリグリセリンの合計組成割合が全ポリグリセリン中の10〜30%、及び4〜10量体のポリグリセリンの各組成割合が全ポリグリセリン中の4〜20%であるポリグリセリン脂肪酸エステル。
成分B:油性成分。
成分C:水酸基価が100〜500の多価アルコール脂肪酸エステル(成分Aを除く)及び/又は水酸基価が100〜500の多価アルコールアルキルエーテル。
本発明の前記態様によれば、安全性に懸念がなく、水への分散性に優れて容易に自己乳化し、且つ保存安定性が良好である。また、この自己乳化型油性液状化粧料をクレンジング化粧料として使用すると、油性成分が肌へ残存することがないため、油性成分の残存によるニキビや吹き出物の発生をなくすことができる。さらに、自己乳化型油性液状化粧料は、例えば化粧油、ヘアクレンジング、マッサージオイル、又はヘアトリートメント等の化粧料(医薬部外品を含む)や医薬品へも応用できる。
本発明の第4の態様にかかる自己乳化型油性液状化粧料では、さらにレシチンが、成分Aの配合量に対して1〜10質量%配合されていてもよい。この場合、自己乳化型油性液状化粧料の自己乳化特性を更に向上させることができる。
本発明の第4の態様にかかる自己乳化型油性液状化粧料では、水の配合量が0〜2質量%であってもよい。この場合、保存安定性の低下が抑えられ、また、ゲル状にならず、優れた水分散性が得られる。
本発明の第4の態様にかかる自己乳化型油性液状化粧料では、水が配合されていなくてもよい。この場合、優れた保存安定性、水分散性が得られる。
本発明の第4の態様にかかる自己乳化型油性液状化粧料では、25℃における電気伝導率が0.1μS/cm以下で、且つ、炭化水素溶剤に均一に溶解分散する性質を有してもよい。この場合、自己乳化型油性液状化粧料中の油が連続相である油性化粧料であり、油性成分との相溶性に優れる。
本発明の第4の態様にかかる自己乳化型油性液状化粧料では、前記成分Bの油性成分中の炭化水素油の配合量が、自己乳化型油性液状化粧料の10質量%未満であってもよい。この場合、自己乳化型油性液状化粧料は、さらに水への分散性に優れ、容易に自己乳化できる。
本発明の第4の態様にかかる自己乳化型油性液状化粧料は、クレンジング化粧料であってもよい。この場合、水への分散性に優れて容易に自己乳化できるため、油性成分が肌へ残存することがない。このため、油性成分の残存によるニキビや吹き出物の発生をなくすことができる。また、化粧料とのなじみが非常に良く、メイク汚れの落ち具合に優れる。洗浄後のべたつき感、きしみ感がなく、さらに洗い流す際のぬめり感がなく、すすぎが容易であり、良好な使用感が得られる。
本発明の第4の態様にかかる自己乳化型油性液状化粧料は、浴用化粧料であってもよい。この場合、水と接触すると速やかに自己乳化し、均一に分散するため、浴湯への分散性に優れる。また、非常にしっとり感を感じ、べたつき感が無く良好な使用感が得られる。優れた保存安定性も得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の好適な実施態様について説明する。ただし、本発明は以下の各実施態様に限定されるものではなく、例えばこれら実施態様の構成要素同士を適宜組み合わせてもよい。
まず、本発明の一態様(第1の態様又は第2の態様)にかかる自己乳化型油性液状化粧料について説明する。
本発明に使用される成分Aはポリグリセリン脂肪酸エステルであり、その水酸基価は450〜700、好ましくは500〜650、さらに好ましくは550〜650である。これにより自己乳化性に優れた自己乳化型油性液状化粧料が得られる。
水酸基価が450より小さい場合、自己乳化型油性液状化粧料の自己乳化性が低いために水への分散性が悪い。水酸基価が700より大きい場合、ポリグリセリン脂肪酸エステルの油性成分への溶解性が悪い。このように、水酸基価が450より小さいか又は700より大きい場合、自己乳化型油性液状化粧料としての目的を達成できない。
前記水酸基価は、基準油脂分析試験法に基づき、1gの試料に含まれる遊離の水酸基をアセチル化するために必要な酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数を求めることにより測定できる。
成分Aのポリグリセリン脂肪酸エステルの全構成脂肪酸残基の50〜100質量%、好ましくは55〜100質量%、最も好ましくは60〜100質量%は、炭素数16〜18の分岐脂肪酸残基及び/又は炭素数16〜18の直鎖不飽和脂肪酸残基である。炭素数16〜18の分岐脂肪酸残基は、分岐飽和脂肪酸又は分岐不飽和脂肪酸のどちらでも良いが、分岐飽和脂肪酸が好ましい。これにより、ポリグリセリン脂肪酸エステルの酸化安定性をより高めることができる。
全構成脂肪酸残基の50〜100質量%が炭素数16〜18の直鎖飽和脂肪酸残基であるポリグリセリン脂肪酸エステルは常温あるいは低温で液状にならないため不適当である。
全構成脂肪酸残基の50〜100質量%が炭素数15以下の脂肪酸残基である場合、自己乳化型油性液状化粧料の自己乳化性が低下するため不適当である。全構成脂肪酸残基の50〜100質量%が炭素数19以上の脂肪酸残基である場合、ポリグリセリン脂肪酸エステルが油性成分に不溶となるため不適当である。
炭素数16〜18の分岐脂肪酸残基として、イソステアリン酸残基(16−メチルヘプタデカノイル基、15−メチルヘプタデカノイル基、10−メチルヘプタデカノイル基、多分岐のイソステアリン酸残基)、イソパルミチン酸残基(14−メチルペンタデカノイル基)等が挙げられる。特にイソステアリン酸残基が好ましく、更に好ましくは16−メチルヘプタデカノイル基である。
炭素数16〜18の直鎖不飽和脂肪酸残基として、オレイン酸残基、パルミトオレイン酸残基、リシノール酸残基等の不飽和のモノヒドロキシ酸残基等が挙げられる。特にオレイン酸残基が好ましい。オレイン酸残基を50質量%以上含むパーム油等由来の混合脂肪酸残基もこれに含まれる。
成分Aのポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンにおいて、2量体又は3量体のポリグリセリン環状物の合計の組成割合が0〜3%であることが必要であり、より好ましくは0〜2%であり、最も好ましいのは0〜1%である。なぜなら、2量体又は3量体のポリグリセリン環状物の合計組成割合が3%より多い場合、自己乳油性液状化粧料の自己乳化性が低く水への分散性が悪くなってしまい、保存時に分離を起こしてしまうからである。
成分Aのポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンにおいて、11量体以上のポリグリセリンの合計の組成割合が10〜30%であることが必要であり、より好ましくは12〜28%、最も好ましくは15〜26%である。なぜなら、11量体以上のポリグリセリンの合計の組成割合が10〜30%の範囲外の場合(10%未満又は30%よりも多い場合)、自己乳化型油性液状化粧料の自己乳化性が低く水への分散性が悪くなってしまうからである。
成分Aのポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンにおいて、4〜10量体ポリグリセリンの各組成割合が4〜20%であることが必要であり、より好ましくは4〜15%、最も好ましくは5〜12%である。なぜなら、4〜10量体ポリグリセリンの各組成割合が4〜20%の範囲外の場合(4%未満又は20%よりも多い場合)、自己乳化型油性液状化粧料の自己乳化性が低く水への分散性が悪くなってしまい、保存時に分離を起こしてしまうからである。
なお、成分Aのポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンとして、単量体(グリセリン)を含んでいてもよい。また、2量体及び3量体のポリグリセリン非環状物の組成割合に特に制限はない。
ポリグリセリンの組成割合の測定法としては、ポリグリセリンをポリグリセリン誘導体とし、このポリグリセリン誘導体をGC法(ガスクロマトグラフ法)にて分離定量を行う方法が適当である。このGC法による分析としては、例えばメチルシリコンなどの低極性液相を化学結合せしめたフューズドシリカキャピラリー管を用い、100℃〜250℃の温度範囲で昇温速度10℃/分で昇温分析する方法が挙げられる。この方法によって、容易に組成割合の分析を実施できる。また、以下に示された他の方法も挙げられる。まずガスクロマトグラフを二重収束マススペクトログラフに導入し、ケミカルアイオニゼーションなどの方法によりイオン化して測定する。次にその親イオンの分子量よりガスクロマトグラム上のピークの分子量を求め、更に化学式よりグリセリンの重合度を求める。この方法により簡単に組成割合の分析ができる。ただし、これらの方法に限るものではない。
本発明の自己乳化型油性液状化粧料中の成分Aの配合量は8〜30質量%であり、好ましくは10〜25質量%、最も好ましくは12〜20質量%である。なぜならば、成分Aの配合量が8質量%未満の場合、自己乳化が不良となり30質量%より多いと水への分散性が悪くなるからである。
成分Aのポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンは、前述した組成割合のものであれば良い。例えば脱水縮合や公知のエピクロルヒドリンやグリシドールを出発物質とした合成及び精製方法により製造したものが適用でき、市販品を用いることができる。市販品として、例えば太陽化学(株)製のグレートオイルD−10、グレートオイルD−11、グレートオイルD−12等が挙げられる。
本発明に使用される成分Bの油性成分は通常、化粧品で利用できる液状ないしはペースト状の油性成分を主成分とするものである。成分Bを例示すると、天然動植物油脂類、半合成油脂、炭化水素油、高級脂肪酸、エステル油、グリセライド油、シリコーン油、動植物や合成の精油成分、及び脂溶性ビタミン等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を用いることができる。
具体的には、天然動植物油脂類、及び半合成油脂としては、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、オリーブ油、小麦胚芽油、ゴマ油、米胚芽油、米糠油、サフラワー油、大豆油、月見草油、トウモロコシ油、菜種油、馬脂、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ヤシ油、硬化ヤシ油、落花生油、ラノリン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
炭化水素油としては、スクワラン、スクワレン、流動パラフィン、ワセリン等が挙げられる。エステル油としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、イソステアリン酸イソステアリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、2−エチルヘキサン酸セチル、ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、コハク酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、乳酸セチル、乳酸テトラデシル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸フィトステリル、リンゴ酸ジイソステアリル、パラメトキシケイ皮酸エステル、テトラロジン酸ペンタエリスリット等が挙げられる。
グリセライド油としては、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリテトラデカン酸グリセリル、ジパラメトキシケイ皮酸・モノイソオクチル酸グリセリル等が挙げられる。
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、オクタメチルシクロペンタシロキサン、デカメチルシクロヘキサシロキサン、ステアロキシシリコーン等の高級アルコキシ変成シリコーン、アルキル変成シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン、脂溶性ビタミンとしてはトコフェロールやその誘導体、レチノールやその誘導体等が挙げられる。
本発明に用いる成分Bである油性成分は、先に記載した具体例に限定されるものではない。また、固形状の油性成分であっても、自己乳化型油性液状化粧料の液状を保持するに影響がない程度であれば配合することができる。また、分解、析出等の保存安定性で問題とはならないが、0℃以下で、外観上曇りが生じることがある場合、流動パラフィン、スクワラン、ワセリンなどの炭化水素油は、自己乳化型油性液状化粧料中の10質量%未満となるように配合すると良い。
本発明の自己乳化型油性液状化粧料における成分Bの油性成分の配合量は、50〜92質量%であり、好ましくは65〜85質量%、より好ましくは75〜85質量%である。なぜなら、成分Bの油性成分の配合量が50質量%未満の場合、水への分散性が悪くなり、92質量%より多い場合、自己乳化が不良となるからである。
本発明では、水は必須の配合成分ではない。ただし、製品の粘度調整や使用性の面で不都合が生じる場合、本発明の目的を損なわない範囲で配合しても良い。水の配合量は、0〜2質量%に抑えることが好ましく、より好ましくは0〜1質量%であり、最も好ましくは0質量%、すなわち水が配合されていないものである。
水が2質量%以上配合された場合、製品(自己乳化型油性液状化粧料)の保存安定性を損なう場合があり、ゲル状になり水分散性も悪くなる場合がある。ここで言う水は、化粧品で使用される精製水の他に動植物の水抽出物も含む。
本発明で言う自己乳化型油性液状化粧料とは、油性成分に界面活性剤が分子溶解あるいはミセル溶解したり、油性成分に界面活性剤が液晶状態で溶存したりするものである。特開平9−208444号公報、特開平11−152205号公報等で紹介されている水性の多価アルコール等の水性成分と界面活性剤の混合物に油相を添加して得た、非水系の液状組成物、ゲル状組成物あるいは増粘組成物は、連続相の多価アルコールが基剤となるため、本発明とは異なる。
自己乳化型油性液状化粧料が、油系、水系の多価アルコール系、又は非水系の多価アルコール系のいずれかであるかを判別するには、電気伝導率を測定して電気伝導の可否を調べる方法や、多価アルコール系に溶解しにくい炭化水素系の溶剤(例えばヘキサン、キシレン等)への溶解性を調べる方法などが挙げられる。
本発明ではレシチンが配合されていることが好ましく、これにより自己乳化型油性液状化粧料の自己乳化特性を更に向上させることができる。レシチンとしては、通常の市販品や試薬として入手できる大豆レシチン、卵黄レシチン、あるいは水素添加して飽和度を高めた水素添加レシチン等が挙げられるがこの限りではない。レシチンの配合量は、成分Aの配合量に対して1〜10質量%が好ましく、更に好ましくは1〜8質量%であり、最も好ましくは1〜5質量%である。
本発明では、グリセリン、1,3−ブチレングリコール(1,3−BG)等の多価アルコール類を配合することは必須ではない。また、保存安定性を保持するために、水を含む多価アルコール連続相に油性成分が加えられ、ジェル状の乳化型、液晶型化粧料とすることも可能である。しかしクレンジング化粧料にした際の洗浄力が弱い面や水に対する分散性が低下するため本発明の目的から外れる(目的を達成できない。)。よって、本発明では、多価アルコールを配合しないことが好ましい。
なお、ポリグリセリン脂肪酸エステル中に残存する未反応のポリグリセリンやグリセリン、または水溶性エキス類中に含まれる1,3−BG、グリセリン、プロピレングリコール等の多価アルコール類についてはこの限りではない。
水が連続相でないことを判別する方法としては、例えば電気伝導率を測定する方法がある。また、多価アルコールが連続相でないことを判別する方法として炭化水素系の溶剤例えば、ヘキサンやキシレンに溶解する方法等が挙げられる。本発明の自己乳化型油性液状化粧料であることは、例えば市販の簡易電気伝導度計などで25℃で電気伝導率を測定し、電気伝導率が実質的に0であること、より具体的には0.1μS/cm以下であり、且つ、炭化水素溶剤に均一に溶解分散することにより確認することができる。
本発明の自己乳化型油性液状化粧料は、本発明の特性を損なわない範囲で、自己乳化型油性液状化粧料が使用される分野では既知の成分が配合されていても構わない。例えば、保湿剤、抗酸化剤、血行促進剤、pH調製剤、金属イオン封鎖剤、紫外線吸収剤、エキス類、色剤、香料等が挙げられる。
本発明の自己乳化型化粧料の製造方法は、成分A及び成分Bを含む各成分を通常40〜90℃に加温して混合溶解させる方法が挙げられる。成分A及び成分Bが常温で溶解すれば常温で混合溶解させても良い。さらに、成分Cやレシチンを配合する場合には、成分A及び成分Bと、成分Cやレシチンを40〜90℃に加温して混合することにより、製造できる。本発明に必須に使用される成分A及び成分B以外の成分を配合する場合も、混合溶解の手順は特に限定されない。
例えば、本発明に使用される成分A及び成分Bと、成分Cやレシチンなどを同時に混合したり、あるいは本発明に必須で使用される成分Aと、成分Cやレシチンなどを混合溶解した後に、本発明に必須で使用される成分Bを混合溶解させたりしてもよい。その他の成分を配合する場合にも同様である。攪拌は公知の方法であればよく、羽根型攪拌機、ディスパー、ホモミキサーなど装置は特に限定されない。
本発明の自己乳化型油性液状化粧料の具体的なものとして、クレンジング化粧料や浴用化粧料が挙げられる。
本発明のクレンジング化粧料は、安全性に懸念がなく、保存安定性にも優れ、落ち具合も良好で、さらに洗浄後のべたつき感、きしみ感がなく、洗い流す際のぬめり感がなく、すすぎが容易であるという効果を有する。
本発明の浴用化粧料は、安全性に懸念がなく、浴湯への分散性が良好で、保存安定性に優れ、しっとり感を有する。
次に、本発明の他の態様(第3の態様又は第4の態様)にかかる自己乳化型油性液状化粧料について説明する。
本発明の他の態様にかかる自己乳化型油性液状化粧料が、前述した本発明の一態様(第1の態様又は第2の態様)にかかる自己乳化型油性液状化粧料と異なる点は、成分Aのポリグリセリン脂肪酸エステルの水酸基価が550〜700である点と、成分Bの配合量が65〜90質量%である点と、後述する成分Cを含有する点である。
他の構成は、本発明の一態様にかかる自己乳化型油性液状化粧料と同様であるため、説明を省略する。
本発明の他の態様にかかる自己乳化型油性液状化粧料における成分Bの油性成分の配合量は、65〜90質量%であり、好ましくは65〜85質量%、より好ましくは65〜80質量%である。
本発明の他の態様にかかる自己乳化型油性液状化粧料における成分Cは、水酸基価が100〜500の多価アルコール脂肪酸エステル(成分Aを除く)及び/又は水酸基価が100〜500の多価アルコールアルキルエーテルである。
特に成分Cは、水酸基価が200〜450の多価アルコール脂肪酸エステル(成分Aを除く)及び/又は水酸基価が200〜450の多価アルコールアルキルエーテルであることが好ましい。
成分Cの配合量は、成分Aの配合量に対して0.1〜100質量%であり、好ましくは1〜70質量%、より好ましくは5〜70質量%である。
上述の成分C、すなわち水酸基価が100〜500の多価アルコール脂肪酸エステル(成分Aを除く)及び/又は水酸基価が100〜500の多価アルコールアルキルエーテルとして、通常市販されているものが利用できる。例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル(成分Aを除く)、平均重合度3〜10のポリグリセリン脂肪酸エステル(成分Aを除く)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド、アルキルグリセリルエーテル等が挙げられる。なかでも、グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル(成分Aを除く)、平均重合度3〜10のポリグリセリン脂肪酸エステル(成分Aを除く)を併用することが好ましい。また、常温でペーストないし液状であることが溶解性の面で好ましい。なお、ポリオキシエチレン基を含む多価アルコール脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレン基を含む多価アルコールアルキルエーテルは含まない。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
表1は、実施例と比較例に用いるポリグリセリン脂肪酸エステル(成分A)製造用のポリグリセリンの組成分析の結果を表1に示す。
実施例では、ポリグリセリンとして、太陽化学(株)製のグレートオイルD−10、グレートオイルD−11、グレートオイルD−12の三種を用いた。比較例では、太陽化学(株)製のグレートオイルS−10、グレートオイルS−11、グレートオイルS−12、グレートオイルS−13の四種を用いた。
ガスクロマトグラフ法により組成分析を行い、各組成分析値を面積百分率法により算出した。また、ポリグリセリン中に2量体又は3量体の環状物を含む場合、2量体及び3量体のポリグリセリン組成分析値は、それぞれ非環状物と環状物を合わせた値として示した。

〔分析実施例及び分析比較例〕各種ポリグリセリン製品名と分析例
グレートオイルD−10(分析実施例1)
グレートオイルD−11(分析実施例2)
グレートオイルD−12(分析実施例3)
グレートオイルS−10(分析比較例1)
グレートオイルS−11(分析比較例2)
グレートオイルS−12(分析比較例3)
グレートオイルS−13(分析比較例4)
表1の分析例で示した7種のポリグリセリンを使用して各種ポリグリセリン脂肪酸エステルを合成した。実施例に使用したポリグリセリン脂肪酸エステルを表2に、比較例に使用したポリグリセリン脂肪酸エステルを表3に示す。


〔ポリグリセリン脂肪酸エステルの製造例〕
表1に示した7種のポリグリセリンをそれぞれ原料として、水酸基価の異なる各種ポリグリセリン脂肪酸エステルを合成した。以下に、グレートオイルD−10(分析実施例1の原料ポリグリセリン)を原料としたポリグリセリン脂肪酸エステルの製造結果を示す。
攪拌機、温度計、ガス吹込管及び水分離器を取付けた四ツ口フラスコに、ポリグリセリン220g、オレイン酸80g及びリン酸三カリウム0.1gを入れ、それらを窒素ガス気流中、200〜250℃に加熱し、エステル化反応を行った。反応後、0.3mlのリン酸を加えて、水酸基価608の実施例1に使用するポリグリセリンオレイン酸エステルを得た。
以下の実施例及び比較例に使用したポリグリセリン脂肪酸エステルは、各種脂肪酸及びポリグリセリンを所定の水酸基価になるような割合で仕込み、前記した反応例と同様の工程でエステル化反応を行ったものである。
〔クレンジング化粧料の実施例及び比較例〕
実施例1〜13、比較例1〜15
実施例及び比較例で用いたポリグリセリン脂肪酸エステルは、表1で示した組成であるポリグリセリンを用いて上記と同様にして合成したものである。クレンジング化粧料は、表4から表7に示した配合で各成分を加え、70〜80℃に加熱して十分に攪拌して溶解させた後、攪拌しながら室温まで冷却することにより調製した。
上記で得られた各クレンジング化粧料について次の(1)、(2)及び(3)の項目の評価を行った。結果を表4〜表7に示す。なお、表4〜表7において、分析実施例1、2、3、分析比較例1、2、3、4は、原料のポリグリセリンがそれぞれ分析実施例1、2、3、分析比較例1、2、3、4のものであることを示す。




(1)水への分散性:上記のように調製したクレンジング化粧料(5ml)を水(50ml)に分散させ、3秒間攪拌して、その状態を観察し、下記評価基準に従って評価を行った。
<評価基準>
◎:速やかに自己乳化し、均一に分散する
○:10秒以内で均一に分散する
△:自己乳化するが、白いゲル状物が浮遊している
□:自己乳化が悪く、白いゲル状物と油状物質が浮遊している
×:自己乳化せず油状物質が浮遊している
(2)官能評価:被験者10名に対してウォータープルーフのマスカラをつけた箇所に各クレンジング化粧料を塗布した後、軽く、滑らせるようにして左右に10往復塗布部を繰り返しマッサージした後、手のひらにたっぷりと溜めたぬるま湯を塗布部に当てるように濡らす操作を3回繰り返し行った後、水分を吸わせるようにタオルを当てる。この一連の操作の中で、ぬめり感、すすぎ感、落ち具合、または洗浄後のべたつき感、洗浄後のきしみ感について5段階で評価をした。
ぬめり感;
<評価点> <平均評価点>
4点:ぬめり感が無い ◎:3.5〜4.0点
3点:ぬめり感がほとんど無い ○:3.0〜3.4点
2点:ややぬめり感がある △:2.0〜2.9点
1点:ぬめり感がある □:1.0〜1.9点
0点:非常にぬめり感がある ×:0.0〜0.9点
すすぎ感;
<評価点> <平均評価点>
4点:非常にすすぎやすい ◎:3.5〜4.0点
3点:すすぎやすい ○:3.0〜3.4点
2点:ややすすぎにくい △:2.0〜2.9点
1点:すすぎにくい □:1.0〜1.9点
0点:非常にすすぎにくい ×:0.0〜0.9点
落ち具合;
<評価点> <平均評価点>
4点:非常にきれいに落ちた ◎:3.5〜4.0点
3点:ほぼきれいに落ちた ○:3.0〜3.4点
2点:少し汚れ残しがある △:2.0〜2.9点
1点:汚れ残しがある □:1.0〜1.9点
0点:汚れがほとんど落ちない ×:0.0〜0.9点
洗浄後のべたつき感;
<評価点> <平均評価点>
4点:べたつき感が無い ◎:3.5〜4.0点
3点:べたつき感があまり無い ○:3.0〜3.4点
2点:ややべたつき感がある △:2.0〜2.9点
1点:べたつき感がある □:1.0〜1.9点
0点:非常にべたつき感がある ×:0.0〜0.9点
洗浄後のきしみ感;
<評価点> <平均評価点>
4点:きしみ感がない ◎:3.5〜4.0点
3点:きしみ感がほとんどない ○:3.0〜3.4点
2点:ややきしみ感がある △:2.0〜2.9点
1点:きしみ感がある □:1.0〜1.9点
0点:非常にきしみ感がある ×:0.0〜0.9点
(3)保存安定性:5℃、25℃、及び40℃で6か月保存し、油層の分離や析出がないか観察した。
安定−○ 析出あるいは二層分離−×
また、実施例1と同様のポリグリセリン脂肪酸エステルを使用して、本発明でないクレンジング料を調製して評価結果を表8に示した。(比較例13、14、15)

(4)電気伝導率:アズワン(株)製ラコム導電率計ECScanPure+を用いて測定した。
(5)ヘキサン溶解性:ヘキサンに対する溶解性としては、10mlのヘキサン溶液に、駒込ピペットで本発明品を1、2滴滴下し、軽くかき混ぜた後、均一に溶解したかどうかを観察した。
実施例1〜13、比較例1〜12のクレンジング化粧料が油性化粧料であることを確認するために電気伝導率とヘキサン溶解性を調べた。その結果、全てのクレンジング化粧料において、電気伝導率が0.1μS/cm以下であり、且つヘキサンに溶解分散することがわかった。よって、実施例1〜13、比較例1〜12のクレンジング化粧料は油性であることが認められた。
また、比較例13のクレンジング化粧料は水中油型のクリーム、比較例14のクレンジング化粧料は水性の多価アルコール連続相のジェルであった。表8の電気伝導率、及びヘキサン溶解性の結果からもわかるように、いずれも油性でないことが認められた。比較例15のクレンジング化粧料はすぐに分離してしまったため、測定不能であった。
実施例1〜13に示したように油性成分と特定のポリグリセリン脂肪酸エステルを配合した油性液状クレンジング化粧料は、落ち具合が良く、洗浄後のべたつき感、きしみ感がなく、さらに洗い流す際のぬめり感がなく、すすぎが容易である事から使用感は良好であった。しかも5℃、25℃、40℃ともに保存安定性が良好であった。一方、比較例1〜12に示したポリグリセリン脂肪酸エステルを配合したクレンジング化粧料では、本発明の目的を達成することはできず、良好な油性液状クレンジング化粧料とはならなかった。
また、本発明の油性液状クレンジング化粧料は、化粧料とのなじみが非常に良いことが確認され、優れた化粧料であることがわかった。
〔クレンジング化粧料の実施例〕
次の配合で各成分を加え、70〜80℃に加熱して十分に攪拌して溶解させた後、攪拌しながら室温まで冷却することにより、クレンジング化粧料を調製した。
【実施例14】
油性液状クレンジング化粧料処方例
(単位;g)
実施例1に使用したポリグリセリンオレイン酸エステル 15.0
ジグリセリンオレイン酸エステル(水酸基価;410) 2.0
大豆レシチン(PC濃度60%) 1.0
イソオクチル酸パルミチル 39.5
ジイソオクチル酸ネオペンチルグリコール 20.0
流動パラフィン 5.0
イソノナン酸イソノニル 15.0
シクロテトラポリシロキサン 0.5
天然ビタミンE 1.0
香料 0.5
精製水 0.5
合計 100.0
専門パネラー20名が、実施例14の本発明の油性液状クレンジング化粧料を使用した結果、すべての使用感の評価結果で◎(ぬめり感が無い、非常にすすぎやすい、落ち具合として非常にきれいに落ちた、べたつき感が無い、きしみ感がない)、であり、保存安定性も全ての温度で○(安定)であった。
〔クレンジング化粧料の比較例〕
比較例16
実施例11のポリグリセリンオレイン酸エステルの代わりに、ポリエチレングリコール(PEG平均重合量;15)イソステアリン酸エステルを使用した油性液状クレンジング化粧料を調製した。得られたクレンジング化粧料について、落ち具合は◎(非常にきれいに落ちた)であったが、きしみ感×(非常にきしみ感がある)、残りの使用感は△(ややぬめり感がある、ややすすぎにくい、ややべたつき感がある)であった。
〔浴用化粧料の実施例及び比較例〕
実施例15〜24、比較例17〜28
実施例1〜10、比較例1〜12の配合(配合成分、配合量)のクレンジング化粧料と同様の方法で調製して得られた浴用化粧料を、それぞれ実施例15〜24、比較例17〜28とした。評価結果を表9、表10に示す。
(1)浴湯への分散性:上記のように調製した浴用化粧料(20ml)を40℃の浴湯(200l)に分散させ、3秒間素手で攪拌して、その状態を観察し、下記評価基準に従って評価を行った。
<評価基準>
◎:速やかに自己乳化し、均一に分散する
○:10秒以内で均一に分散する
△:自己乳化するが、白いゲル状物が浮遊している
□:自己乳化が悪く、白いゲル状物と油状物質が浮遊している
×:自己乳化せず油状物質が浮遊している
(2)使用感:被験者10名に対して、5分間入浴してもらい、入浴後のしっとり感、べたつき感について、下記のように評価した。
しっとり感;
<評価点> <平均評価点>
4点:非常にしっとり感を感じる ◎:3.5〜4.0点
3点:しっとり感を感じる ○:3.0〜3.4点
2点:ややしっとり感を感じる △:2.0〜2.9点
1点:しっとり感があまりない □:1.0〜1.9点
0点:しっとり感がない ×:0.0〜0.9点
べたつき感;
<評価点> <平均評価点>
4点:べたつき感が無い ◎:3.5〜4.0点
3点:べたつき感があまり無い ○:3.0〜3.4点
2点:ややべたつき感がある △:2.0〜2.9点
1点:べたつき感がある □:1.0〜1.9点
0点:非常にべたつき感がある ×:0.0〜0.9点
本発明品は、いずれの項目も優れていたが、比較品はいずれの項目も不十分であった。
(3)保存安定性:5℃、25℃、及び40℃で6か月保存し、油層の分離や析出がないか観察した。
安定−○ 析出あるいは二層分離−×
実施例15〜24、比較例17〜28の浴用化粧料が油性化粧料であることを確認するために電気伝導率とヘキサン溶解性を調べた。その結果、全ての浴用化粧料は、電気伝導率が0.1μS/cm以下であり、且つヘキサンに溶解分散することがわかった。よって、実施例15〜24、比較例17〜28は油性であることが認められた。


〔浴用化粧料の実施例〕
次の配合で各成分を加え、70〜80℃に加熱して十分に攪拌して溶解させた後、攪拌しながら室温まで冷却することにより、浴用化粧料を調製した。
【実施例25】
浴用化粧料処方例
(単位;g)
実施例1に使用したポリグリセリンオレイン酸エステル 16.0
ジグリセリンオレイン酸エステル(水酸基価;410) 2.0
大豆レシチン(PC濃度60%) 0.5
パルミチン酸イソステアリル 39.0
ジカプリン酸ネオペンチルグリコール 20.0
スクワラン 5.0
トリ(カプリル・カプリン)酸グリセリル 15.0
ハイオレイック紅花油 1.0
香料 1.0
精製水 0.5
合計 100.0
専門パネラー20名が、実施例25の本発明の浴用剤を使用した結果、浴湯への分散性◎(速やかに自己乳化し、均一に分散する)、しっとり感◎(非常にしっとり感を感じる)、べたつき感◎(べたつき感が無い)という評価結果であった。保存安定性も全ての温度で○(安定)であった。
また得られた浴溶剤は、25℃における電気伝導率が0.1μS/cm以下であり、且つヘキサンに溶解分散することがわかった。よって、浴溶剤は油性であることが認められた。
実施例15〜25に示したように油性成分と特定のポリグリセリン脂肪酸エステルとが配合されてなる浴用剤は、お湯への分散性が良好であり、保存安定性に優れ、しっとり感といった使用感にも優れているものであった。一方、比較例17〜28に示したポリグリセリン脂肪酸エステルが配合されてなる浴用剤では、お湯への分散性、安定性及び使用感が悪く、浴用剤として不良であった。
【産業上の利用の可能性】
本発明の自己乳化型油性液状化粧料は、化学品業界、薬品業界等において広範に利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己乳化型油性液状化粧料であって、
次の成分Aが8〜30質量%、成分Bが50〜92質量%配合されてなる。
成分A:水酸基価が450〜700で、全構成脂肪酸残基の50〜100質量%が炭素数16〜18の分岐脂肪酸残基及び/又は炭素数16〜18の直鎖不飽和脂肪酸残基であるポリグリセリン脂肪酸エステルであって、ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成しているポリグリセリンにおいて、2量体及び3量体のポリグリセリン環状物の合計組成割合が全ポリグリセリンの0〜3%、11量体以上のポリグリセリンの合計組成割合が全ポリグリセリンの10〜30%、及び4〜10量体のポリグリセリンの各組成割合が全ポリグリセリンの4〜20%である。
成分B:油性成分。
【請求項2】
請求項1に記載の自己乳化型油性液状化粧料であって、
前記炭素数16〜18の分岐脂肪酸残基がイソステアリン酸残基であり、前記炭素数16〜18の直鎖不飽和脂肪酸残基がオレイン酸残基である。
【請求項3】
請求項1に記載の自己乳化型油性液状化粧料であって、
水の配合量が0〜2質量%である。
【請求項4】
請求項1に記載の自己乳化型油性液状化粧料であって、
水が配合されていない。
【請求項5】
請求項1に記載の自己乳化型油性液状化粧料であって、
25℃における電気伝導率が0.1μS/cm以下で、且つ、炭化水素溶剤に均一に溶解分散する性質を有する。
【請求項6】
請求項1に記載の自己乳化型油性液状化粧料であって、
前記成分Bの油性成分中の炭化水素油の配合量が、自己乳化型油性液状化粧料の10質量%未満である。
【請求項7】
請求項1に記載の自己乳化型油性液状化粧料であって、
クレンジング化粧料である。
【請求項8】
請求項1に記載の自己乳化型油性液状化粧料であって、
浴用化粧料である。
【請求項9】
自己乳化型油性液状化粧料であって、
次の成分Aが10〜25質量%、成分Bが65〜85質量%配合されてなる。
成分A:水酸基価が450〜700で、全構成脂肪酸残基の50〜100質量%が炭素数16〜18の分岐脂肪酸残基及び/又は炭素数16〜18の直鎖不飽和脂肪酸残基であるポリグリセリン脂肪酸エステルであって、ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成しているポリグリセリンにおいて、2量体及び3量体のポリグリセリン環状物の合計組成割合が全ポリグリセリンの0〜3%、11量体以上のポリグリセリンの合計組成割合が全ポリグリセリンの10〜30%、及び4〜10量体のポリグリセリンの各組成割合が全ポリグリセリンの4〜20%である。
成分B:油性成分。
【請求項10】
請求項9に記載の自己乳化型油性液状化粧料であって、
さらにレシチンが、成分Aの配合量に対して1〜10質量%配合されてなる。
【請求項11】
請求項9に記載の自己乳化型油性液状化粧料であって、
水の配合量が0〜2質量%である。
【請求項12】
請求項9に記載の自己乳化型油性液状化粧料であって、
水が配合されていない。
【請求項13】
請求項9に記載の自己乳化型油性液状化粧料であって、
25℃における電気伝導率が0.1μS/cm以下で、且つ、炭化水素溶剤に均一に溶解分散する性質を有する。
【請求項14】
請求項9に記載の自己乳化型油性液状化粧料であって、
前記成分Bの油性成分中の炭化水素油の配合量が、自己乳化型油性液状化粧料の10質量%未満である。
【請求項15】
請求項9に記載の自己乳化型油性液状化粧料であって、
クレンジング化粧料である。
【請求項16】
請求項9に記載の自己乳化型油性液状化粧料であって、
浴用化粧料である。
【請求項17】
自己乳化型油性液状化粧料であって、
次の成分Aが8〜30質量%、成分Bが65〜90質量%、成分Cが、前記成分Aの配合量に対して0.1〜100質量%配合されてなる。
成分A:水酸基価が550〜700で、全構成脂肪酸残基の50〜100質量%が炭素数16〜18の分岐脂肪酸残基及び/又は炭素数16〜18の直鎖不飽和脂肪酸残基であるポリグリセリン脂肪酸エステルであって、ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成しているポリグリセリンにおいて、2量体及び3量体のポリグリセリン環状物の合計組成割合が全ポリグリセリン中0〜3%、11量体以上のポリグリセリンの合計組成割合が全ポリグリセリン中の10〜30%、及び4〜10量体のポリグリセリンの各組成割合が全ポリグリセリン中の4〜20%であるポリグリセリン脂肪酸エステル。
成分B:油性成分。
成分C:水酸基価が100〜500の多価アルコール脂肪酸エステル(成分Aを除く)及び/又は水酸基価が100〜500の多価アルコールアルキルエーテル。
【請求項18】
請求項17に記載の自己乳化型油性液状化粧料であって、
水の配合量が0〜2質量%である。
【請求項19】
請求項17に記載の自己乳化型油性液状化粧料であって、
水が配合されていない。
【請求項20】
請求項17に記載の自己乳化型油性液状化粧料であって、
25℃における電気伝導率が0.1μS/cm以下で、且つ、炭化水素溶剤に均一に溶解分散する性質を有する。
【請求項21】
請求項17に記載の自己乳化型油性液状化粧料であって、
前記成分Bの油性成分中の炭化水素油の配合量が、自己乳化型油性液状化粧料の10質量%未満である。
【請求項22】
請求項17に記載の自己乳化型油性液状化粧料であって、
クレンジング化粧料である。
【請求項23】
請求項17に記載の自己乳化型油性液状化粧料であって、
浴用化粧料である。
【請求項24】
自己乳化型油性液状化粧料であって、
次の成分Aが10〜25質量%、成分Bが65〜85質量%、成分Cが、前記成分Aの配合量に対して0.1〜100質量%配合されてなる。
成分A:水酸基価が550〜700で、全構成脂肪酸残基の50〜100質量%が炭素数16〜18の分岐脂肪酸残基及び/又は炭素数16〜18の直鎖不飽和脂肪酸残基であるポリグリセリン脂肪酸エステルであって、ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成しているポリグリセリンにおいて、2量体及び3量体のポリグリセリン環状物の合計組成割合が全ポリグリセリン中0〜3%、11量体以上のポリグリセリンの合計組成割合が全ポリグリセリン中の10〜30%、及び4〜10量体のポリグリセリンの各組成割合が全ポリグリセリン中の4〜20%であるポリグリセリン脂肪酸エステル。
成分B:油性成分。
成分C:水酸基価が100〜500の多価アルコール脂肪酸エステル(成分Aを除く)及び/又は水酸基価が100〜500の多価アルコールアルキルエーテル。
【請求項25】
請求項24に記載の自己乳化型油性液状化粧料であって、
さらにレシチンが、成分Aの配合量に対して1〜10質量%配合されてなる。
【請求項26】
請求項24に記載の自己乳化型油性液状化粧料であって、
水の配合量が0〜2質量%である。
【請求項27】
請求項24に記載の自己乳化型油性液状化粧料であって、
水が配合されていない。
【請求項28】
請求項24に記載の自己乳化型油性液状化粧料であって、
25℃における電気伝導率が0.1μS/cm以下で、且つ、炭化水素溶剤に均一に溶解分散する性質を有する。
【請求項29】
請求項24に記載の自己乳化型油性液状化粧料であって、
前記成分Bの油性成分中の炭化水素油の配合量が、自己乳化型油性液状化粧料の10質量%未満である。
【請求項30】
請求項24に記載の自己乳化型油性液状化粧料であって、
クレンジング化粧料である。
【請求項31】
請求項24に記載の自己乳化型油性液状化粧料であって、
浴用化粧料である。

【国際公開番号】WO2004/098544
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【発行日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−506034(P2005−506034)
【国際出願番号】PCT/JP2004/006469
【国際出願日】平成16年5月7日(2004.5.7)
【出願人】(000227009)日清オイリオグループ株式会社 (251)
【出願人】(000204181)太陽化学株式会社 (244)
【Fターム(参考)】