説明

自己修復性歯科用複合材料および関連する方法

【課題】複合材料中の不連続を補修する自己修復能を有する歯科用複合修復材料の提供。
【解決手段】モノマーが封入されたマイクロスフェアを含む歯科用複合修復材料。破壊が起こると、マイクロスフェアが破裂し、モノマーが破壊部を充填する。マイクロスフェア中に存在するモノマーに応じて、モノマーは、歯科用複合修復材料中に存在する重合開始剤によって又はオレフィンメタセシス触媒によって重合する。自己修復性歯科用複合修復材料は、高い耐破壊性を提供し、従って、比較的長期間実質的に損傷していない状態を保ち、歯科補修又は再建の治療の完全性を維持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科補修および再建に関し、より詳細には、自己修復特性又は複合材料中に生じる不連続を自動的に修復する能力を有する歯科用複合修復材料(dental restorative composites)に関する。本発明は、また、自己修復性複合材料の形成方法およびその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
かつて、金属ベースのアマルガムが、その後、ポーセレン又は他のセラミック材料が様々な歯科治療処置に使用された。現在、合成複合材料がこれらの材料の実用的な代替物としてこのような処置に使用されている。複合材料は、他に樹脂とも称されるポリマーであり、少なくとも1つの添加剤を有する。添加剤は、所望の特性を付与するためにポリマー又は樹脂に添加される任意のものであってよい。複合材料は、一般に、ペースト又は液体として出発し、触媒の添加、水若しくは他の溶媒の添加、又は光活性化によって活性化されると硬化し始める。有利には、合成複合材料は、ポーセレン又は他のセラミック材料と比較して、審美的により自然な外観を付与する。
【0003】
合成複合材料は、典型的には複数の成分の複合混合物から製造される。合成複合材料は、液体ビヒクルに完全に溶解可能であるが、依然として流動性と粘性があり;重合中の熱膨張が最小限であり;歯のエナメル質および膠様象牙質の周囲表面と生体適合性があり;色調に関して天然歯牙と審美的類似性を有し且つ研磨可能な組織を有していなければならない。更に、合成複合材料は、異常に磨耗することなく且つ象牙質表面に摩耗を引き起こすことなく、通常の咬合圧(compressive occlusive force)に耐えるのに十分な機械的強度と弾性を有していなければならない。
【0004】
様々な異なる合成複合材料は、3つの主な製品群:合成樹脂ベースの歯科用複合材料、ガラスベースの歯科用複合材料、およびハイブリッド歯科用複合材料にほぼ分けられる。
【0005】
合成樹脂ベースの歯科用複合材料は、典型的には、一緒に結合される幾つかのモノマーを含む。モノマーは、ポリマーの一部として結合できる化学物質である。合成樹脂ベースの歯科用複合材料は、複合材料に不可欠の耐久性を付与するシリケートガラス又は処理されたセラミックなどの他の材料を含む。これらの材料は、また、1種類の、又は混合された様々な微粒子状ガラス、石英、又は溶融シリカ粒子からなる無機材料から製造されてもよい。異なる直径サイズ又はサイズの混合を有する、異なる種類の無機材料を使用すると、異なる材料特性が得られる。
【0006】
ガラスベースの歯科用複合材料は、ポリアルケン酸水溶液に溶解させた粉末状フルオロアルミノシリケートなどのガラス粒子から製造される。酸/塩基反応が自発的に起こってポリアルケン酸金属塩の沈殿を引き起こし、これはその後、徐々に凝固する。ガラス粒子は、二酸化ケイ素又はケイ酸アルミニウムなどのシリケートから製造され得るが、バリウム、ホウケイ酸塩、アルミナ、アルミニウム/カルシウム、フッ化ナトリウム、ジルコニウム、又は他の無機化合物の混合物を含んでもよい。以前のガラスベースの複合材料には、主にアクリル酸とイタコン酸のコモノマーの混合物を含有するように配合されたものもあった。しかし、より最近では、このようなハイブリッド製品はHEMA又はBisGMAなどの他の重合性成分を含むように変更されている。
【0007】
ハイブリッド複合材料は、合成歯科用複合材料の第3の部類である。ハイブリッド複合材料は、ガラス粒子と1種類以上のポリマーを組み合わせる。ハイブリッド複合材料は、光活性化によって触媒される、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)および他の共重合性メタクリレート変性ポリカルボン酸類などの、ポリアルケノエート以外の水溶性ポリマーを含んでもよい。他のハイブリッド複合材料は、過酸化物との反応によって触媒される重合性第三級アミンを含むように変更され得る。
【0008】
合成歯科用複合材料が、修復および補修などの歯科処置にますますよく使用されている。修復および補修は、幾つか例を挙げると、例えば、充填材、クラウン、ブリッジ、義歯、矯正装置、セメント、ポスト、および歯科インプラント用の補助部品を含む。最も一般的な合成歯科用複合材料は、前歯部のクラスIIIおよびクラスVの再建に、比較的小さいサイズのクラスIおよびクラスIIの臼歯再建に、化粧ベニア(cosmetic veneer)の色合わせに、および、クラウンおよび被せ物の合着に使用される。それにも関わらず、これらの材料のある一定の欠点が指摘されてきた。例えば、複合材料中に残存し得る極微量の未転化モノマーおよび/又は触媒は、後で人体に全身的に吸収された場合、生理学的に有害な可能性がある。
【0009】
合成複合材料に関連する別の重大な欠点は、とりわけ荷重を支持する歯表面と並置接触して配置されたとき、それらが比較的速く磨耗する傾向があることであり、欠損によって、主に、前歯部の上顎又は容易に見える下顎の表面の欠陥を補修するこのような目的のある材料の使用が制限されることが多い。
【0010】
おそらく、合成複合材料に関連する最も重大な欠点は、それらが比較的低い耐破壊性を有することである。傷害性の外傷から起こったものであれ又は咬合応力から起こったものであれ、複合材料中の表面不連続は比較的小さくても、次第に広がって拡張し、最終的には再建又は補修が部分的に又は完全に崩壊する可能性がある。この比較的破壊し易い性質は歯の再建又は補修と相関すると考えられる。
【0011】
破壊し易い性質は、また、必要とする合成複合材料の量の比例体積、又は、再建若しくは補修前にまだ使用可能な状態である損傷していないエナメル質と象牙質の歯質(tooth material)の少ない方のフラクションとも相関する。損傷破壊が起こると、とりわけ以前充填された齲蝕歯の場合、歯の喪失はほとんど不可避となり得ることが、「亀裂歯症候群」の研究から十分確証されている。より大きい耐破壊性を有する改善された合成複合材料が、非常に有利である。
【0012】
例えば、ポリオキシメチレンウレア(PMU)マイクロカプセル内に隔離されたものとして、ポリエステルマトリックス樹脂中に貯蔵された未反応量のシクロペンタジエン(DCPD)モノマーを含有するポリエステル材料の自己補修を記載する米国特許第6,518,330号明細書および同第6,858,659号明細書に示されているような、自己修復特性を有する合成複合材料が当該技術分野で既知である。1種類以上のマイクロカプセルの破裂を引き起こすのに十分な機械的破壊応力から、モノマーが反応的に放出される。モノマーがポリエステルマトリックスと接触すると、重合が起こる。マトリックス中に組み込まれ得るルテニウムベースのグラブス(Grubbs)触媒又はシュロック(Schrock)触媒の結果としてin situ重合が起こる。或いは、触媒は、別々に調製されるマイクロカプセルの一部に貯蔵されてもよく、又はマイクロカプセル外壁を構成する同じ材料に含有されてもよい。
【0013】
これらの特許は、自己修復特性を有する複合材料を開示しているが、依然として、自己修復特性、又は複合材料中に生じる不連続を自動的に修復する能力を有する歯科用複合修復材料、並びにこのような複合材料の製造方法に対する要求がある。本発明は、この要求を満たす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
歯科用複合修復材料は、他に樹脂とも称されるポリマーである。歯科用複合修復材料の一般的な成分は、典型的には、モノマー、ガラスフィラー、カップリング剤、重合開始剤(又は光増感剤)、促進剤、重合阻害剤、および紫外線防止剤(UV inhibitor)を含む。
【課題を解決するための手段】
【0015】
モノマーは、一緒に結合させると、高分子を形成する分子である。複合材料の所望の物理的特性、例えば、重合中の複合材料の収縮の低減を達成するために、ガラスフィラーが添加される。カップリング剤は、ガラスフィラーがモノマーと化学的に結合することを可能にし、重合開始剤はモノマーがポリマーになることを可能にする。モノマーは、典型的には、歯又は他の歯科装置に塗布した後に重合される。重合開始剤としては触媒又は光増感剤が挙げられ、それは放射エネルギー、とりわけ光による物質の活性化プロセスである。促進剤は、重合速度、又はモノマーがポリマーに転化する速度を増加させる。阻害剤は尚早な重合を防止することによって、貯蔵および有効期間を延長する。
【0016】
本発明の第1の目的は、自己修復特性、又は、破壊、不連続、亀裂、若しくは、さもなければ拡張および伝搬し、最終的には歯科複合材料の機械的および構造的完全性を低下させ得る他の小欠陥を含む不連続を自動的に修復する能力を有する合成歯科用複合修復材料を提供することである。
【0017】
本発明の目的は、人体に全身的に吸収されても生理学的に有害でない材料で製造される歯科用複合修復材料を提供することである。
【0018】
本発明の別の目的は、現在の歯科複合材料と比較して磨耗が遅く、比較的大きい耐破壊性を有する歯科用複合修復材料を提供することである。
【0019】
本発明の別の目的は、モノマーを封入する1種類以上のマイクロカプセルを有する歯科用複合修復材料を提供することである。
【0020】
本発明の別の実施形態によれば、封入されたモノマーを重合させるため、歯科用複合修復材料に触媒が添加される。破壊によって、モノマーを収容するマクロカプセルが破裂すると、封入されたモノマーが触媒によって重合する。
【0021】
本発明の更に別の実施形態は少なくとも2種類のマイクロスフェア、即ち、架橋剤と一緒にポリマーを封入する1種類のマイクロスフェアおよび触媒を封入する第2のマイクロスフェアを含む。この実施形態は架橋反応に依存し、生体適合性があり、ポリマー、架橋剤および触媒間の反応は体温で起こり得る。この実施形態によるポリマーは、硬化部位、例えば、ポリエステル類、不飽和ポリエステル類、アルキド類、フェノールポリマー類(レゾール類およびノボラック類を含む)、アミノプラスチック類、エポキシ樹脂類、ポリウレタン類、ポリスルフィド類、並びに、ヒドロキシ官能性ポリジクロロジメチルシロキサン、ヒドロキシ官能性ポリジクロロメチルフェニルシロキサン、ヒドロキシ官能性ポリジクロロジフェニルシロキサン、およびヒドロキシ官能性ポリジメチルシロキサンを含むヒドロキシ官能性ポリシロキサン類などのポリシロキサン類を含む。
【0022】
架橋剤、例えば、シラン架橋剤は、触媒によって活性化されたとき、複合材料中の不連続を自動的に修復する能力を提供する。シラン架橋剤の種類としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、メチルトリス(メチルエチルケトキシム)シラン、メチルトリス(メチルイソブチルケトキシム)シラン、ジメチルジ(エチルメチルケトキシム)シラン、トリメチル(エチルメチルケトキシム)シラン、ビニルトリス(エチルメチルケトキシム)シラン、メチルビニル(ジメチルエチルケトキシム)シラン、メチルビニルジ(エチルメチルケトキシム)、メチルビニルジ(シクロヘキサノンオキシム)、ビニルトリス(メチルイソブチルケトキシム)シラン、フェニルトリス(メチルエチルケトキシム)シラン、メチルトリアセトキシシラン、テトラアセトキシシランが挙げられる。
【0023】
架橋反応を触媒する化合物としては、オクタン酸第一スズ、ジアルキルジカルボキシレート又はジブチルスズジラウレートを含む有機スズ触媒などのスズ塩、クロロ白金酸などの白金化合物、およびハイドライド官能性(hydride−functional)シロキサンが挙げられる。
【0024】
本発明の別の目的は、破壊を修復するのに外部刺激を必要としない歯科用複合修復材料を提供することである。複合材料の破壊時に、マイクロスフェアが破裂してモノマーを放出し、モノマーが重合して破壊部を結合し密閉する。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、モノマーを封入するマイクロスフェアは、複合材料中の不連続を自動的に修復する能力を提供する。封入されるモノマーは、本明細書に記載されるような歯科用修復材料に通常使用される典型的なモノマーの1つである。適用された歯科用修復材料は、その寿命中に破壊する可能性がある。破壊によって、モノマーを収容するマイクロスフェアが破裂する。モノマーは破壊部を充填し、歯科用修復材料中に既に存在する重合開始剤によって重合する。
【0026】
この実施形態では、封入されるモノマーは歯科用修復材料の配合に典型的に使用されるモノマーに限定されない。例えば、この実施形態は、オレフィンメタセシスを経ることが知られている被封入モノマーを、オレフィンメタセシス触媒である触媒と一緒に使用することができる。
【0027】
本発明の他の目的は、損傷した歯科用複合修復材料の歯科補修又は再建を達成するために使用され得る自己修復性歯科用複合修復材料の配合方法を提供することであり、本方法は、[挿入]の工程を含む。
【0028】
本発明の更に他の目的として、モノマー、例えば、他の種類の補修、再建、保護、又は緩和的処置に(小さい充填、クラウン、ブリッジ、インプラント、補綴物、義歯、咬合床、マウスピース、歯科矯正ブラケットおよびその補助的な部品又はサブコンポーネント、又は、実際、歯科医によって配置され得るような若しくは歯科技工所で作製され得るようなほぼどの種類の合成材料などにも)使用されるモノマーを使用する自己修復能を有する歯科用複合修復材料も同様に適用可能且つ適切な可能性がある。
【0029】
本発明の歯科用複合修復材料の利点には、従来の歯科用樹脂から製造された材料と比較して、より大きい耐破壊性、高い曲げ強さと耐磨耗性、および、より良好な耐久性と靭性を付与する改善された材料特性から生じるものがある。特殊な目的、および、さもなければ別々に異なる複合材料の配合を有する広範囲の様々な種類の歯科用複合修復材料について、同様の材料利点が実現され得ることが考えられる。
【0030】
本発明によるマイクロスフェア、又は封入される粒子は、歯の再建処置に耐えるのに十分な弾性を必要とし、完全に重合した複合材料中で不透過性のままでなければならないと同時に、マイクロスフェアの破裂およびその内容物の放出が起こり易いままでなければならない。
【0031】
マイクロスフェアの構成方法は物理的であっても、又は化学的であってもよい。マイクロスフェアの物理的製造方法としては、パンコーティング、気中懸濁コーティング、遠心押出(centrifugal extrusion)、振動ノズルおよび噴霧乾燥が挙げられる。マイクロスフェアの化学的製造方法は重合として知られている。重合は、モノマーの結合であり、マイクロスフェアを形成する。化学物質の重合としては、一般に界面重合、in−situ重合、およびマトリックス重合が挙げられる。界面重合では、少なくとも2種類のモノマーを非混和性の液体に別々に溶解させる。液体間の界面で急速な反応が起こり、マイクロスフェアの薄い殻又は壁を作り出す。in−situ重合は、粒子表面で行われる単一のモノマーの直接重合である。マトリックス重合では、マイクロスフェアの形成中にコア材料が埋め込まれる。
【0032】
封入される粒子は、また、ゾルゲル法の使用により、水溶液又は有機溶液沈殿合成法、オレフィンメタセシス重合(交差メタセシス、閉環メタセシス、酵素メタセシス、開環メタセシス、開環メタセシス重合、非環式メタセシス、アルキンメタセシス、アルカンメタセシス、アルケンメタセシスおよびアセチレンメタセシスを含む)、又は、複合コアセルベーション、界面重合により;又は当該技術分野で既知の他の方法により調製されてもよい。
【0033】
他のマイクロカプセル化法に関して、従来技術は、適用可能な可能性がある少なくとも幾つかの方法を含むと考えられる。水溶液中で起こる複合コアセルベーションプロセスは、溶解したカチオン性ポリマーとアニオン性ポリマー(ゼラチンとアラビアゴムなど)の化学反応を含み、それによってポリマーは凝集して濃縮相になり、これを遠心分離機する又は他の方法で水性上澄み液から分離することができる。その後、凝集体にゆっくりと添加される水非混和性コア材料はコアセルベート凝集体によって被覆され、添加されたコア材料の分散液滴をポリマーの薄膜が取り囲んだ後、ポリマー材料が凝固して、カプセル外殻を形成し得る。しかし、この方法で形成されたマイクロスフェアは、水性環境中で安定な状態を維持するのに十分な耐久性がない可能性がある。
【0034】
また、マイクロカプセル化は、例えば、米国特許第6,602,932号明細書および米国特許第出願公開2005/0037050号明細書に記載のように、高分子電解質の多層化によって達成することもでき、ナノサイズのカプセルを製造し得る。しかし、これらは主にドラッグデリバリーや徐放の目的に適応可能であり、このようなカプセルは、極めて薄い(50nm)外殻を有し、それは十分な剛性のある外殻構造を提供しない。
【0035】
より有効な適応可能なマイクロカプセル化は、界面重合、モノマーをコア材料と一緒に溶解させた後、合わせた溶液を水相溶質と混合し、エマルション又はポリマー材料を形成するプロセスから得られてもよい。ポリマー材料に触媒物質を添加して重合を開始させるが、重合は主にポリマー材料の表面で起こる。重合が進行するにつれ、ポリマー材料は硬化し、コア材料内容物を取り囲むカプセル外殻を形成する。前述のように、in−situ重合を含むマイクロカプセル化は、ポリマー材料が重合を経て殻を形成すると同時にコア材料が非反応性のままとなり得るように、カプセル外殻を形成するポリマー材料と収容されるコア材料が組み合わせられる前に予備混合されないという点で、界面重合プロセスと異なっている。ホルムアルデヒドとアミンのin−situ縮合によりマイクロスフェア殻を形成する方法は、米国特許第4,001,140号明細書、同第4,087,376号明細書、同第4,089,802号明細書、および同第4,100,103号明細書に記載されており、これらは、直径サイズ約5〜15ミクロンのマイクロスフェアの製造プロセスを記載している。米国特許第4,353,809号明細書および米国特許第4,409,156号明細書に記載の類似のプロセスで、ほぼ同じサイズの直径を有するマイクロスフェアが製造され得る。このような方法で製造されるマイクロスフェアは、米国特許第6,932,602号明細書に記載の従来技術に示されるように、歯科処置に使用されるように適応できる可能性がある。
【0036】
当然ながら、本発明の態様および目的は様々であり、本発明の任意の実施形態に全て存在する必要はないことが分かるであろう。本発明の特徴、利点、および成果は、本発明の実施形態の以下の詳細な説明を考慮すると更に認識され、理解されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0037】
歯科用複合修復材料の一般的な成分は、典型的には、モノマー、ガラスフィラー、カップリング剤、重合開始剤、促進剤、重合阻害剤、および紫外線防止剤を含む。
【0038】
本発明の一実施形態によれば、モノマーを封入するマイクロスフェアを歯科用複合修復材料に添加すると、破壊した場合に複合材料を自動的に修復する能力が得られる。マイクロスフェアが破裂した時、封入されたモノマーは、重合開始剤と接触するとポリマーを形成する。
【0039】
本発明は、単独重合体又は共重合体などのポリマーを形成するモノマーを含有する歯科用複合修復材料を含む。単独重合体は、1種類のモノマーのみから形成されるポリマーである。これは、ポリマーが少なくとも2種類のモノマーを含有する共重合体と対照的である。
【0040】
封入されるモノマーは、例えば、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン(Bis−GMA)、ジメタクリロキシエチル2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジウレタン(UDMA)、および1,6−ビス−[2−メタクリロキシエトキシカルボニルアミノ]−2,2,4−トリメチルへキサン(UEDMA)などの変性ジメタクリレートなどの、歯科用複合修復材料に通常使用される典型的なモノマーの1つである。歯科補修および修復に適切で有用な他の種類の合成樹脂としては、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、ポリエチレングリコールジメタクリレート(PEGDMA)、グリセロールジメタクリレート(GDM)、メタクリロイルオキシエチルマレエート(MEMA)、ジエチレングリコールジメタクリレート(DEGDMA)、ヘキサンジオールジメタクリレート(HDMA)、ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(EOTMPTA)、およびエトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(EBPADMA)が挙げられる。別の種類の封入されるモノマーとしては、ビス−3,4−エポキシシクロヘキシルエチルフェニルメチルシランおよび3,4−エポキシシクロヘキシルエチルシクロポリメチルシロキサンなどのシロキサン(silorane)を挙げることができる。
【0041】
歯科用複合修復材料に使用される他のモノマーとしては、イソプロピルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレート、ジアリルフタレート、ジビニルサクシネート、ジビニルアジペート、ジビニルフタレート、アリルアクリレート、グリセロールトリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、デカンジオールジメタクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ−又はジ−(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールモノ−、ジ−、トリ−、テトラ−、又はペンタ−(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ−(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ビス[1−(2−アクリロキシ)]−p−エトキシフェニルジメチルメタン、ビス[1−(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシ)]−p−プロポキシフェニルジメチルメタン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、トリス−ヒドロキシエチル−イソシアヌレートトリメタクリレート、グリセロールホスフェートモノメタクリレート類、グリセロールホスフェートジメタクリレート類、ヒドロキシエチルメタクリレートホスフェート類、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、クエン酸ジ−又はトリ−メタクリレート類、フルオロポリマー官能性(メタ)アクリレート類、ポリ(メタ)アクリル化ポリマレイン酸、ポリ(メタ)アクリル化ポリカルボキシル−ポリホスホン酸、ポリ(メタ)アクリル化ポリクロロリン酸、ポリ(メタ)アクリル化ポリスルホン酸、ポリ(メタ)アクリル化ポリホウ酸、重合性ビスホスホン酸類、および、次のシラン類:ビス[2−(2−(メタクリロイルオキシエトキシカルボニル)エチル)]−3−トリエトキシシリル−プロピルアミン、ビス[2−(2(1)−(メタクリロイルオキシプロポキシカルボニル)エチル)]−3−トリエトキシシリルプロピルアミン、1,3(2)−ジメタクリロイルオキシプロピル−[3−(3−トリエトキシシリル−プロピル)アミノカルボニル]プロピオネート、1,3(2)−ジメタクリロイルオキシプロピル−[4−(3−トリエトキシシリルプロピル)アミノカルボニル]ブチレート、1,3(2)−ジメタクリロイルオキシプロピル−[4−(3−トリエトキシシリルプロピル)−N−エチルアミノカルボニル]ブチレート、3−[1,3(2)−ジメタクリロイルオキシプロピル)−2(3)−オキシカルボニルアミド]−プロピルトリエトキシシランの1つ以上の加水分解重縮合から得られる生成物として定義されるシロキサン官能性(メタ)アクリレートポリシロキサン類、グリセロールホスフェートモノメタクリレート類、グリセロールホスフェートジメタクリレート類、ヒドロキシエチルメタクリレートホスフェート類、クエン酸ジ−又はトリ−メタクリレート類、ポリ(メタ)アクリル化オリゴマレイン酸、ポリ(メタ)アクリル化ポリマレイン酸、ポリ(メタ)アクリル化ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル化ポリカルボキシル−ポリホスホン酸、ポリ(メタ)アクリル化ポリクロロリン酸、ポリ(メタ)アクリル化ポリスルホン酸、ポリ(メタ)アクリル化ポリホウ酸、および重合性ビスホスホン酸類が挙げられる。
【0042】
歯科用複合修復材料用のどの配合物も、前述のものの任意の組み合わせを含む複数のモノマーを含み得ることが考えられる。
【0043】
適用される歯科用複合修復材料は、その寿命中に破壊する可能性がある。破壊によって、モノマーを収容するマイクロスフェアが破裂する。モノマーは破壊部を充填し、歯科用修復材料中に既に存在する重合開始剤によって重合する。重合開始剤の種類としては、例えば、触媒又は光増感剤が挙げられる。
【0044】
本発明の別の実施形態によれば、封入されるモノマーを重合させることができる触媒を歯科用複合修復材料に添加することによって、自動的に修復する能力も得られる。破壊によって、モノマーを収容するマイクロスフェアが破裂すると、封入されたモノマーが触媒によって重合する。
【0045】
この実施形態では、封入されるモノマーは、歯科用修復材料の配合物に典型的に使用されるモノマーに限定されない。例えば、この実施形態は、オレフィンメタセシスを経ることが知られている被封入モノマーを、例えば、オレフィンメタセシス触媒、グラブス触媒のようなメタセシス触媒などの触媒と一緒に使用することができる。触媒は、モノマーと接触又は混合されるとポリマーを形成する任意のものである。
【0046】
オレフィンメタセシスを経ることが知られているモノマーとしては、シクロペンタジエン類、ノルボルネン類、ノルボルナジエン類、7−オキソノルボルネン類、アザノルボルネン類、シクロブテン類、シクロオクテン類、シクロオクタジエン類、シクロオクタテトラエン類、非環式ジエン類、アセチレン類およびこれらの全ての誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、本発明による実施形態には、好ましくは1,9−デカジエンなどの非環式ジエンの部類の任意のモノマーを使用することが考えられる。更に、モノマーおよび誘導体(o−(トリメチルシリル)フェニルアセチレンなど)を使用できることも考えられる。
【0047】
本発明による実施形態に、本明細書に記載されるモノマーの様々な誘導体を使用できることが、当業者には分かるであろう。実際、本発明に従って使用されるモノマーを好ましくは多くの方法で置換し得ることが考えられる。例えば、シクロブテンは、ハロゲン又はアルキル置換基を有してもよい。このようなものとして、3−メチルシクロブテン又は3−クロロシクロブテンもシクロブテン自体に加えて使用できることが、当業者には分かるであろう。
【0048】
本発明の更に別の実施形態は、少なくとも2種類のマイクロスフェア、即ち、架橋剤と一緒にポリマーを封入する1種類のマイクロスフェアと、触媒を封入する第2のマイクロスフェアを含む。この実施形態は、架橋反応に依存し、生体適合性があり、ポリマー、架橋剤および触媒間の反応は体温で起こり得る。この実施形態によるポリマーは、硬化部位、例えば、ポリエステル類、不飽和ポリエステル類、アルキド類、フェノールポリマー類(レゾール類およびノボラック類を含む)、アミノプラスチック類、エポキシ樹脂類、ポリウレタン類、ポリスルフィド類、並びに、ヒドロキシ官能性ポリジクロロジメチルシロキサン、ヒドロキシ官能性ポリジクロロメチルフェニルシロキサン、ヒドロキシ官能性ポリジクロロジフェニルシロキサン、およびヒドロキシ官能性ポリジメチルシロキサンを含むヒドロキシ官能性ポリシロキサン類などのポリシロキサン類を含む。
【0049】
架橋剤、例えば、シラン架橋剤は、触媒によって活性化されると複合材料中の不連続を自動的に修復する能力を提供する。シラン架橋剤の種類としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、メチルトリス(メチルエチルケトキシム)シラン、メチルトリス(メチルイソブチルケトキシム)シラン、ジメチルジ(エチルメチルケトキシム)シラン、トリメチル(エチルメチルケトキシム)シラン、ビニルトリス(エチルメチルケトキシム)シラン、メチルビニル(ジメチルエチルケトキシム)シラン、メチルビニルジ(エチルメチルケトキシム)、メチルビニルジ(シクロヘキサノンオキシム)、ビニルトリス(メチルイソブチルケトキシム)シラン、フェニルトリス(メチルエチルケトキシム)シラン、メチルトリアセトキシシラン、テトラアセトキシシランが挙げられる。
【0050】
架橋反応を触媒する化合物としては、オクタン酸第一スズ、ジアルキルジカルボキシレート又はジブチルスズジラウレートを含む有機スズ触媒などのスズ塩、クロロ白金酸などの白金化合物、およびハイドライド官能性シロキサンが挙げられる。
【0051】
本発明による実施形態にポリマー、架橋剤,および触媒の様々な誘導体を使用できることが、当業者には分かるであろう。
【0052】
更に、当業者には分かるように、前述のモノマーを使用する単独重合体の他に、本発明による実施形態は前述の部類のモノマーの共重合体を使用することが考えられる。例えば、シクロペンタジエン−シクロブテン共重合体は、特定の用途のために本発明の実施形態に使用するのに更に有利であることが考えられる。
【0053】
以下は、自己修復特性を有する歯科用複合修復材料の例である。
【実施例】
【0054】
実施例1
自己修復能を有する歯科用樹脂複合材料用組成物は、次のように記載される。まず、ビスフェノール−A−グリシジルジメタクリレート(Bis−GMA)樹脂をトリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)樹脂と7/3の比で合わせることによって樹脂混合物(合計16重量%)を作製した。光増感剤(カンファーキノン)を全組成物の0.7重量%添加した。促進剤(エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート)を全組成物の3重量%添加した。阻害剤(4−メトキシフェノール)を全組成物の0.05重量%添加した。樹脂、光増感剤、促進剤、および阻害剤をフラスコ内で合わせ、50℃で混合した。均質化した時、上記樹脂ブレンドを次のフィラー(合計84重量%):シラン化ストロンチウムガラス71重量%、ヒュムードシリカ10重量%、ジシクロペンタジエンが充填されたマイクロスフェア2.5重量%、およびグラブス触媒0.5重量%と混合した。
【0055】
実施例2
自己修復能を有する歯科用樹脂複合材料用組成物は、次のように記載される。まず、Bis−GMA樹脂をTEGDMA樹脂と7/3の比で合わせることによって樹脂混合物(合計16重量%)を作製した。光増感剤(カンファーキノン)を全組成物の0.7重量%添加した。促進剤(エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート)を全組成物の3重量%添加した。阻害剤(4−メトキシフェノール)を全組成物の0.05重量%添加した。樹脂、光増感剤、促進剤、および阻害剤をフラスコ内で合わせ、50℃で混合した。均質化した時、上記樹脂ブレンドを次のフィラー(合計84重量%):シラン化ストロンチウムガラス61重量%、ヒュムードシリカ7重量%、ジシクロペンタジエンが充填されたマイクロスフェア14重量%、およびグラブス触媒2重量%と混合した。
【0056】
実施例3
自己修復能を有する歯科用樹脂複合材料用組成物は、次のように記載される。まず、ウレタンジメタクリレート(UDMA)樹脂、Bis−GMA樹脂をTEGDMA樹脂と3/3/1の比で合わせることによって樹脂混合物(合計16重量%)を作製した。光増感剤(カンファーキノン)を全組成物の0.7重量%添加した。促進剤(エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート)を全組成物の3重量%添加した。阻害剤(4−メトキシフェノール)を全組成物の0.05重量%添加した。樹脂、光増感剤、促進剤、および阻害剤をフラスコ内で合わせ、50℃で混合した。均質化した時、上記樹脂ブレンドを次のフィラー(合計84重量%):シラン化ストロンチウムガラス71重量%、ヒュムードシリカ10重量%、ジシクロペンタジエンが充填されたマイクロスフェア2.5重量%、およびグラブス触媒0.5重量%と混合した。
【0057】
実施例4
自己修復能を有する歯科用樹脂複合材料用組成物は、次のように記載される。まず、ウレタンジメタクリレート(UDMA)樹脂、Bis−GMA樹脂をTEGDMA樹脂と3/3/1の比で合わせることによって樹脂混合物(合計16重量%)を作製した。光増感剤(カンファーキノン)を全組成物の0.7重量%添加した。促進剤(エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート)を全組成物の3重量%添加した。阻害剤(4−メトキシフェノール)を全組成物の0.05重量%添加した。樹脂、光増感剤、促進剤、および阻害剤をフラスコ内で合わせ、50℃で混合した。均質化した時、上記樹脂ブレンドを次のフィラー(合計84重量%):シラン化ストロンチウムガラス61重量%、ヒュムードシリカ7重量%、ジシクロペンタジエンが充填されたマイクロスフェア14重量%、およびグラブス触媒2重量%と混合した。
【0058】
実施例5
自己修復能を有する歯科用樹脂複合材料用組成物は、次のように記載される。まず、UDMA樹脂をTEGDMA樹脂と4/1の比で合わせることによって樹脂混合物(合計16重量%)を作製した。光増感剤(カンファーキノン)を全組成物の0.7重量%添加した。促進剤(エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート)を全組成物の3重量%添加した。阻害剤(4−メトキシフェノール)を全組成物の0.05重量%添加した。樹脂、光増感剤、促進剤、および阻害剤をフラスコ内で合わせ、50℃で混合した。均質化した時、上記樹脂ブレンドを次のフィラー(合計84重量%):シラン化ストロンチウムガラス71重量%、ヒュムードシリカ10重量%、ジシクロペンタジエンが充填されたマイクロスフェア2.5重量%、およびグラブス触媒0.5重量%と混合した。
【0059】
実施例6
自己修復能を有する歯科用樹脂複合材料用組成物は、次のように記載される。まず、UDMA樹脂をTEGDMA樹脂と4/1の比で合わせることによって樹脂混合物(合計16重量%)を作製した。光増感剤(カンファーキノン)を全組成物の0.7重量%添加した。促進剤(エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート)を全組成物の3重量%添加した。阻害剤(4−メトキシフェノール)を全組成物の0.05重量%添加した。樹脂、光増感剤、促進剤、および阻害剤をフラスコ内で合わせ、50℃で混合した。均質化した時、上記樹脂ブレンドを次のフィラー(合計84重量%):シラン化ストロンチウムガラス61重量%、ヒュムードシリカ7重量%、ジシクロペンタジエンが充填されたマイクロスフェア14重量%、およびグラブス触媒2重量%と混合した。
【0060】
実施例7
自己修復能を有する歯科用樹脂複合材料用組成物は、次のように記載される。まず、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロへキサンカルボキシレートなどの脂環式エポキシ樹脂をポリ(テトラヒドロフラン)などのポリオールと、エポキシ基、対、ポリオール基の比が6:1となるように合わせることによって樹脂混合物(合計16重量%)を作製した。光増感剤(カンファーキノン)を全組成物の0.75重量%添加した。開始剤(4−オクチルオキシ−フェニル−フェニルヨードニウムヘキサフルオロアニチモネート)を全組成物の1.5重量%添加した。阻害剤(4−メトキシフェノール)を全組成物の0.05重量%添加した。樹脂、光増感剤、開始剤、および阻害剤をフラスコ内で合わせ、50℃で混合した。均質化した時、上記樹脂ブレンドを次のフィラー(合計84重量%):シラン化ストロンチウムガラス71重量%、ヒュムードシリカ10重量%、ジシクロペンタジエンが充填されたマイクロスフェア2.5重量%、およびグラブス触媒0.5重量%と混合した。
【0061】
実施例8
自己修復能を有する歯科用樹脂複合材料用組成物は、次のように記載される。まず、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロへキサンカルボキシレートなどの脂環式エポキシ樹脂をポリ(テトラヒドロフラン)などのポリオールと、エポキシ基、対、ポリオール基の比が6:1となるように合わせることによって樹脂混合物(合計16重量%)を作製した。光増感剤(カンファーキノン)を全組成物の0.75重量%添加した。開始剤(4−オクチルオキシ−フェニル−フェニルヨードニウムヘキサフルオロアニチモネート)を全組成物の1.5重量%添加した。阻害剤(4−メトキシフェノール)を全組成物の0.05重量%添加した。樹脂、光増感剤、開始剤、および阻害剤をフラスコ内で合わせ、50℃で混合した。均質化した時、上記樹脂ブレンドを次のフィラー(合計84重量%):シラン化ストロンチウムガラス61重量%、ヒュムードシリカ7重量%、ジシクロペンタジエンが充填されたマイクロスフェア14重量%、およびグラブス触媒2重量%と混合した。
【0062】
実施例9
自己修復能を有するグラスアイオノマーセメント用組成物は、次のように記載される。2:1ポリアクリル酸/イタコン酸共重合体(Mw=10,000)47.5%とD(+)−酒石酸5%である水溶液を調製する。典型的なセメントの粉末相に自己修復性フィラーを添加する。粉末相は、フルオロケイ酸カルシウムガラス(SiO2−29%、Al2O3−16.6%、CaF2−34.3%、Na3AlF6−5%、AlF6−5.3%、AlPO4−9.8%)97%、ジシクロペンタジエンが充填されたマイクロスフェア2.5%、およびグラブス触媒0.5%からなる。
【0063】
実施例10
自己修復能を有するグラスアイオノマーセメント用組成物は、次のように記載される。2:1ポリアクリル酸/イタコン酸共重合体(Mw=10,000)47.5%とD(+)−酒石酸5%である水溶液を調製する。典型的なセメントの粉末相に自己修復性フィラーを添加する。粉末相は、フルオロケイ酸カルシウムガラス(SiO2−29%、Al2O3−16.6%、CaF2−34.3%、Na3AlF6−5%、AlF6−5.3%、AlPO4−9.8%)85%、ジシクロペンタジエンが充填されたマイクロスフェア14%、およびグラブス触媒1%からなる。
【0064】
実施例11
自己修復能を有する義歯床材料用組成物は、次のように記載される。メタクリル酸メチル92.5重量%、フタル酸ジブチル2重量%、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート3重量%、ヒドロキノン0.05重量%、エチレングリコールジメタクリレート2重量%からなる液体成分を調製した。義歯床材料の典型的な粉末相を自己修復可能なフィラーで改質した。粉末相は、ポリ(メタクリル酸メチル)96重量%、過酸化ベンゾイル1.5重量%、ジシクロペンタジエンが充填されたマイクロスフェア2重量%、およびグラブス触媒0.5重量%からなる。
【0065】
実施例12
自己修復能を有する義歯床材料用組成物は、次のように記載される。メタクリル酸メチル92.5重量%、フタル酸ジブチル2重量%、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート3重量%、ヒドロキノン0.05重量%、エチレングリコールジメタクリレート2重量%からなる液体成分を調製した。義歯床材料の典型的な粉末相を自己修復可能なフィラーで改質した。粉末相は、ポリ(メタクリル酸メチル)82重量%、過酸化ベンゾイル1.5重量%、ジシクロペンタジエンが充填されたマイクロスフェア15重量%、およびグラブス触媒1.5重量%からなる。
【0066】
実施例13
自己修復能を有する義歯裏装材用組成物は次のように記載される。液体−粉末タイプの裏装材配合物は、ポリメタクリル酸エチルの粉末成分と、フタル酸ジ−n−ブチル、酢酸エチルおよびエチルアルコールの液体成分を含む。粉末粒子が全て完全に濡れるまで2つの成分を一緒に混合する。ジシクロペンタジエンが充填されたマイクロスフェア2重量%、およびグラブス触媒0.5重量%を混合物に添加し、混合する。
【0067】
実施例14
自己修復能を有する義歯裏装材用組成物は次のように記載される。液体−粉末タイプの裏装材配合物は、ポリメタクリル酸エチルの粉末成分と、フタル酸ジ−n−ブチル、酢酸エチルおよびエチルアルコールの液体成分を含む。粉末粒子が全て完全に濡れるまで2つの成分を一緒に混合する。ジシクロペンタジエンが充填されたマイクロスフェア15重量%およびグラブス触媒1.5重量%を混合物に添加し、混合する。
【0068】
実施例15
自己修復能を有する歯科装置(リテーナ)用組成物は次のように記載される。マトリクス材料としてポリエチレンテレフタレートグリコールを、繊維成分としてガラスフィラメントを使用して、熱可塑性繊維強化複合材料を調製した。ジシクロペンタジエンが充填されたマイクロスフェア2重量%およびグラブス触媒0.5重量%を混合物に添加し、混合する。得られる複合材料混合物を使用して、歯列弓の石膏鋳型でリテーナを形成した。
【0069】
実施例16
自己修復能を有する歯科装置(リテーナ)用組成物は次のように記載される。マトリクス材料としてポリエチレンテレフタレートグリコールを、繊維成分としてガラスフィラメントを使用して、熱可塑性繊維強化複合材料を調製した。ジシクロペンタジエンが充填されたマイクロスフェア15重量%およびグラブス触媒1.5重量%を混合物に添加し、混合する。得られる複合材料混合物を使用して、歯列弓の石膏鋳型でリテーナを形成した。
【0070】
実施例17
自己修復能を有する歯科用ブリッジ用組成物は、次のように記載される。歯科用ブリッジの繊維強化複合材料構造部材は、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート66重量%、トリエチレングリコールビスクロロホルメートと2−ヒドロキシエチルメタクリレートのポリカーボネートジメタクリレート縮合生成物28.7重量%、カンファーキノン0.75重量%、4−オクチルオキシ−フェニル−フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート1.5重量%、4−メトキシフェノール0.05重量%、ジシクロペンタジエンが充填されたマイクロスフェア2.5重量%およびグラブス触媒0.5重量%からなる。
【0071】
実施例18
自己修復能を有する歯科用ブリッジ用組成物は、次のように記載される。歯科用ブリッジの繊維強化複合材料構造部材は、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート56重量%、トリエチレングリコールビスクロロホルメートと2−ヒドロキシエチルメタクリレートのポリカーボネートジメタクリレート縮合生成物25.2重量%、カンファーキノン0.75重量%、4−オクチルオキシ−フェニル−フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート1.5重量%、4−メトキシフェノール0.05重量%、ジシクロペンタジエンが充填されたマイクロスフェア15重量%およびグラブス触媒1.5重量%からなる。
【0072】
実施例19
自己修復能を有する歯科用インレー用組成物は、次のように記載される。歯科用インレーは、メタクリル酸メチル37重量%、過酸化ベンゾイル0.25重量%、2,2−ビス(4−メタクリロキシフェニル)プロパン8重量%、ポリ(メタクリル酸メチル−co−エチレンジメタクリレート)34.25重量%、ポリ(メタクリル酸メチル)17重量%、顔料0.5重量%、ジシクロペンタジエンが充填されたマイクロスフェア2.5重量%、およびグラブス触媒0.5重量%から得られる前駆体ブレンド混合物から成形される。
【0073】
実施例20
自己修復能を有する歯科用インレー用組成物は、次のように記載される。歯科用インレーは、メタクリル酸メチル35重量%、過酸化ベンゾイル0.25重量%、2,2−ビス(4−メタクリロキシフェニル)プロパン7.5重量%、ポリ(メタクリル酸メチル−co−エチレンジメタクリレート)30.25重量%、ポリ(メタクリル酸メチル)10重量%、顔料0.5重量%、ジシクロペンタジエンが充填されたマイクロスフェア15重量%、およびグラブス触媒1.5重量%から得られる前駆体ブレンド混合物から成形される。
【0074】
実施例21
自己修復能を有する歯科用ベニア用組成物は、次のように記載される。歯科用ベニアの調製に使用されるブレンドは、メタクリル酸メチル3重量%、過酸化ベンゾイル0.5重量%、UDMA47重量%、ポリ(メタクリル酸メチル−co−エチレンジメタクリレート)49.5重量%を含む。このブレンドに、シラン処理シリカ96重量%、アクリル酸1重量%、ジシクロペンタジエンが充填されたマイクロスフェア2.5重量%、およびグラブス触媒0.5重量%を含有する固体フィラー。次いで、混合物を貯蔵し、顔料と混合して均一なペーストを作製する。
【0075】
実施例22
自己修復能を有する歯科用ベニア用組成物は、次のように記載される。歯科用ベニアの調製に使用されるブレンドは、メタクリル酸メチル3重量%、過酸化ベンゾイル0.5重量%、UDMA47重量%、ポリ(メタクリル酸メチル−co−エチレンジメタクリレート)49.5重量%を含む。このブレンドに、シラン処理シリカ82.5重量%、アクリル酸1重量%、ジシクロペンタジエンが充填されたマイクロスフェア15重量%、およびグラブス触媒1.5重量%を含有する固体フィラー。次いで、混合物を貯蔵し、顔料と混合して均一なペーストを作製する。
【0076】
実施例23
自己修復能を有する歯科用樹脂複合材料用組成物は、次のように記載される。まず、ビスフェノール−A−グリシジルジメタクリレート(Bis−GMA)樹脂をトリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)樹脂と7/3の比で合わせることによって樹脂混合物(合計16重量%)を作製した。光増感剤(カンファーキノン)を全組成物の0.7重量%添加した。促進剤(エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート)を全組成物の3重量%添加した。阻害剤(4−メトキシフェノール)を全組成物の0.05重量%添加した。樹脂、光増感剤、促進剤、および阻害剤をフラスコ内で合わせ、50℃で混合した。均質化した時、上記樹脂ブレンドを次のフィラー(合計84重量%):シラン化ストロンチウムガラス71重量%、ヒュムードシリカ10重量%、Bis−GMAが充填されたマイクロスフェア3.0重量%と混合した。
【0077】
実施例24
自己修復能を有する歯科用樹脂複合材料用組成物は、次のように記載される。まず、ビスフェノール−A−グリシジルジメタクリレート(Bis−GMA)樹脂をトリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)樹脂と7/3の比で合わせることによって樹脂混合物(合計40重量%)を作製した。光増感剤(カンファーキノン)を全組成物の0.7重量%添加した。促進剤(エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート)を全組成物の3重量%添加した。阻害剤(4−メトキシフェノール)を全組成物の0.05重量%添加した。樹脂、光増感剤、促進剤、および阻害剤をフラスコ内で合わせ、50℃で混合した。均質化した時、上記樹脂ブレンドを次のフィラー(合計60重量%):シラン化ストロンチウムガラス45重量%、ヒュムードシリカ5重量%、ヒドロキシ官能性ポリジメチルシロキサンとビニルトリスメトキシエトキシシラン(95:5の比)が充填されたマイクロスフェア5重量%、およびオクタン酸第一スズが充填されたマイクロスフェア5重量%と混合した。
【0078】
前述のある一定の実施形態を参照して本発明を記載してきた。ある一定の実施形態の例を後述する。明らかに、先行する詳細な説明を読み、理解すると、他のものに対する改良や変更が着想される。本発明は、それらが添付の特許請求の範囲又はその等価物の範囲に入る限り、このような改良および変更を全て含むものと解釈されることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノマーマトリックス、
前記モノマーマトリックス中の第1のマイクロスフェアであって、ポリマーと架橋剤を封入する第1のマイクロスフェア、および
前記モノマーマトリックス中の第2のマイクロスフェアであって、触媒を封入する第2のマイクロスフェア、
を含む歯科用複合修復材料であって、前記触媒が前記第2のマイクロスフェアから放出され、前記第1のマイクロスフェアの前記モノマーマトリックスと前記架橋剤を重合させる、歯科用複合修復材料。
【請求項2】
前記モノマーマトリックスが、ポリエステル類、不飽和ポリエステル類、アルキド類、フェノールポリマー類(レゾール類およびノボラック類を含む)、アミノプラスチック類、エポキシ樹脂類、ポリウレタン類、ポリスルフィド類、並びに、ヒドロキシ官能性ポリジクロロジメチルシロキサン、ヒドロキシ官能性ポリジクロロメチルフェニルシロキサン、ヒドロキシ官能性ポリジクロロジフェニルシロキサン、およびヒドロキシ官能性ポリジメチルシロキサンを含むヒドロキシ官能性ポリシロキサン類からなる群から選択される1つ以上のポリマーを含む、請求項に記載の歯科用複合修復材料。
【請求項3】
前記架橋剤が、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、メチルトリス(メチルエチルケトキシム)シラン、メチルトリス(メチルイソブチルケトキシム)シラン、ジメチルジ(エチルメチルケトキシム)シラン、トリメチル(エチルメチルケトキシム)シラン、ビニルトリス(エチルメチルケトキシム)シラン、メチルビニル(ジメチルエチルケトキシム)シラン、メチルビニルジ(エチルメチルケトキシム)、メチルビニルジ(シクロヘキサノンオキシム)、ビニルトリス(メチルイソブチルケトキシム)シラン、フェニルトリス(メチルエチルケトキシム)シラン、メチルトリアセトキシシラン、テトラアセトキシシランからなる群から選択される1つ以上のシラン架橋剤を含む、請求項に記載の歯科用複合修復材料。
【請求項4】
前記触媒が、オクタン酸第一スズ、ジアルキルジカルボキシレート又はジブチルスズジラウレートなどの有機スズ触媒を含むスズ塩、クロロ白金酸などの白金化合物、およびハイドライド官能性シロキサンからなる群から選択される1つ以上の化合物を含む、請求項に記載の歯科用複合修復材料。
【請求項5】
前記モノマーマトリックスが、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン(Bis−GMA)、ジメタクリロキシエチル2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジウレタン(UDMA)、および1,6−ビス−[2−メタクリロキシエトキシカルボニルアミノ]−2,2,4−トリメチルへキサン(UEDMA)、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、ポリエチレングリコールジメタクリレート(PEGDMA)、グリセロールジメタクリレート(GDM)、メタクリロイルオキシエチルマレエート(MEMA)、ジエチレングリコールジメタクリレート(DEGDMA)、ヘキサンジオールジメタクリレート(HDMA)、ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(EOTMPTA)、およびエトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(EBPADMA)からなる群から選択される1つ以上のモノマーを含む、請求項に記載の歯科用複合修復材料。
【請求項6】
モノマーマトリックスが、イソプロピルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレート、ジアリルフタレート、ジビニルサクシネート、ジビニルアジペート、ジビニルフタレート、アリルアクリレート、グリセロールトリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、デカンジオールジメタクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ−又はジ−(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールモノ−、ジ−、トリ−、テトラ−、又はペンタ−(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ−(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ビス[1−(2−アクリロキシ)]−p−エトキシフェニルジメチルメタン、ビス[1−(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシ)]−p−プロポキシフェニルジメチルメタン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、トリス−ヒドロキシエチル−イソシアヌレートトリメタクリレート、グリセロールホスフェートモノメタクリレート類、グリセロールホスフェートジメタクリレート類、ヒドロキシエチルメタクリレートホスフェート類、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、クエン酸ジ−又はトリ−メタクリレート類、フルオロポリマー官能性(メタ)アクリレート類、ポリ(メタ)アクリル化ポリマレイン酸、ポリ(メタ)アクリル化ポリカルボキシル−ポリホスホン酸、ポリ(メタ)アクリル化ポリクロロリン酸、ポリ(メタ)アクリル化ポリスルホン酸、ポリ(メタ)アクリル化ポリホウ酸、重合性ビスホスホン酸類、および、次のシラン類:ビス[2−(2−(メタクリロイルオキシエトキシカルボニル)エチル)]−3−トリエトキシシリル−プロピルアミン、ビス[2−(2(1)−(メタクリロイルオキシプロポキシカルボニル)エチル)]−3−トリエトキシシリルプロピルアミン、1,3(2)−ジメタクリロイルオキシプロピル−[3−(3−トリエトキシシリル−プロピル)アミノカルボニル]プロピオネート、1,3(2)−ジメタクリロイルオキシプロピル−[4−(3−トリエトキシシリルプロピル)アミノカルボニル]ブチレート、1,3(2)−ジメタクリロイルオキシプロピル−[4−(3−トリエトキシシリルプロピル)−N−エチルアミノカルボニル]ブチレート、3−[1,3(2)−ジメタクリロイルオキシプロピル]−2(3)−オキシカルボニルアミド]−プロピルトリエトキシシランの1つ以上の加水分解重縮合から得られる生成物として定義されるシロキサン官能性(メタ)アクリレートポリシロキサン類、グリセロールホスフェートモノメタクリレート類、グリセロールホスフェートジメタクリレート類、ヒドロキシエチルメタクリレートホスフェート類、クエン酸ジ−又はトリ−メタクリレート類、ポリ(メタ)アクリル化オリゴマレイン酸、ポリ(メタ)アクリル化ポリマレイン酸、ポリ(メタ)アクリル化ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル化ポリカルボキシル−ポリホスホン酸、ポリ(メタ)アクリル化ポリクロロリン酸、ポリ(メタ)アクリル化ポリスルホン酸、ポリ(メタ)アクリル化ポリホウ酸、および重合性ビスホスホン酸類からなる群から選択される1つ以上のモノマーを含む、請求項に記載の歯科用複合修復材料。

【公開番号】特開2013−49697(P2013−49697A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−240146(P2012−240146)
【出願日】平成24年10月31日(2012.10.31)
【分割の表示】特願2010−510270(P2010−510270)の分割
【原出願日】平成19年6月1日(2007.6.1)
【出願人】(506083040)クレイトン ユニバーシティ (6)
【Fターム(参考)】