説明

自己免疫性疾患の処置剤

【課題】様々な自己免疫疾患、例えば、多発性硬化症、末梢神経炎、視神経炎、筋萎縮性側索硬化症、およびブドウ膜炎を処置する方法の提供。
【解決手段】本明細書に記載の特定のアミノアルコール誘導体を利用して、様々な自己免疫疾患、例えば、多発性硬化症、末梢神経炎、視神経炎、筋萎縮性側索硬化症、およびブドウ膜炎を処置する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、一般に、アミノアルコールおよびそれらの誘導体、さらに具体的には、特定の自己免疫性疾患、例えば、多発性硬化症、末梢神経炎、視神経炎、筋萎縮性側索硬化症およびブドウ膜炎を処置するためのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
多発性硬化症は未知の病態生理学的原因を有する中枢神経系(CNS)の慢性炎症性疾患である。臨床症状は免疫担当細胞による中枢神経系への浸潤と関連する。神経抗原、例えば、ミエリン塩基性タンパク質に向けられている特異的T細胞集団は、末梢において証明されている。これは本疾患の発症における自己免疫応答の関与を示す。このT細胞介在自己免疫性疾患に対する特定の処置は存在しないが、患者は炎症進行の程度を限定するため、アザチオプリンおよびコルチコステロイドを含む免疫抑制療法を受ける。しかしながら、多発性硬化症の免疫抑制療法は一部に効果があるだけで、ほとんどの場合、抗炎症および免疫抑制療法にもかかわらず、疾患進行の遅延を提供するだけである。
【0003】
したがって、多発性硬化症および中枢または末梢神経組織へのT細胞介在損傷を含む疾患を含む他の関連疾患、例えば、末梢神経炎、視神経炎および筋萎縮性側索硬化症の処置において有用である他の治療に対する要求がある。
【発明の概要】
【0004】
今回、例えば、下記のアミノアルコールが多発性硬化症、末梢神経炎、視神経炎、筋萎縮性側索硬化症(ルー・ゲーリック病)またはブドウ膜炎のような自己免疫性疾患の処置において有利な効果を有することを見いだした。
【0005】
本発明にしたがって使用できるアミノアルコールは、式I
【化1】

〔式中、XはO、S、SOまたはSOであり;
はハロゲン、トリハロメチル、OH、C1−7アルキル、C1−4アルコキシ、トリフルオロメトキシ、フェノキシ、シクロヘキシルメチルオキシ、ピリジルメトキシ、シンナミルオキシ、ナフチルメトキシ、フェノキシメチル、CH−OH、CH−CH−OH、C1−4アルキルチオ、C1−4アルキルスルフィニル、C1−4アルキルスルホニル、ベンジルチオ、アセチル、ニトロもしくはシアノ、またはフェニル、フェニルC1−4アルキルもしくはフェニル−C1−4アルコキシであり、これらフェニル基はそれぞれ所望によりハロゲン、CF、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシにより置換されており;
はH、ハロゲン、トリハロメチル、C1−4アルコキシ、C1−7アルキル、フェネチルまたはベンジルオキシであり;
はH、ハロゲン、CF、OH、C1−7アルキル、C1−4アルコキシ、ベンジルオキシ、フェニルまたはC1−4アルコキシメチルであり;
およびRは、それぞれ独立して、Hまたは式(a)
【化2】

{式中、RおよびRは、それぞれ独立して、Hまたは所望によりハロゲンにより置換されているC1−4アルキルである}の残基であり;そして
nは1から4の整数である〕
で示される化合物もしくはその薬学的に許容される塩、
【0006】
または、式II
【化3】

〔式中、
1aはハロゲン、トリハロメチル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4アルキルスルフィニル、C1−4アルキル−スルホニル、アラルキル、所望により置換されているフェノキシまたはアラルキルオキシであり;
2aはH、ハロゲン、トリハロメチル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、アラルキルまたはアラルキルオキシであり;
3aはH、ハロゲン、CF、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオまたはベンジルオキシであり;
4aはH、C1−4アルキル、フェニル、所望により置換されているベンジルもしくはベンゾイル、または低級脂肪族C1−5アシルであり;
5aはH、モノハロメチル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ−メチル、C1−4アルキル−チオメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、フェニル、アラルキル、C2−4アルケニルまたは−アルキニルであり;
6aはHまたはC1−4アルキルであり;
7aはH、C1−4アルキルまたは上記定義のとおりの式(a)の残基であり、
はO、S、SOまたはSOであり;そして
は1から4の整数である〕
で示される化合物もしくはその薬学的に許容される塩である。
【0007】
式(I)および(II)の化合物において、“ハロゲン”なる用語はフッ素、塩素、臭素およびヨウ素を包含する。“トリハロメチル基”なる用語はトリフルオロメチルおよびトリクロロメチルを包含する。“C1−7アルキル”は直鎖または分岐鎖アルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシルまたはヘプチルを包含する。“置換または非置換フェノキシ基”なるフレーズはそのベンゼン環の何らかの位置に、ハロゲン原子、例えば、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素、トリフルオロメチル、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシを有するものを包含する。“アラルキルオキシ基”または“アラルキルオキシオキシ基”における“アラルキルオキシ基”なる用語はベンジル、ジフェニルメチル、フェネチルおよびフェニルプロピルを包含する。“C1−4アルコキシ”、“C1−4アルキルチオ”、“C1−4アルキルスルフィニル”または“C1−4アルキルスルホニル”に存在するすべてのアルキル部分は直鎖または分岐鎖C1−4アルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはブチルを包含する。“置換または非置換アラルキルオキシ基”なるフレーズはベンゼン環の何らかの位置に、ハロゲン原子、例えば、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素、トリフルオロメチル、1−4個の炭素原子を有する低級アルキル、または1−4個の炭素原子を有する低級アルコキシを有するものを包含する。
【0008】
好ましい式Iの化合物は、式Ia
【化4】

〔式中、
、R、R、Rおよびnは上記定義のとおりであり;そして
は水素、ハロゲン、C1−7アルキル、C1−4アルコキシまたはトリフルオロメチルである〕
で示される化合物である。
【0009】
さらに好ましい式(Ia)の化合物は、Rが塩素であるもの、例えば、2−アミノ−2−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]エチル−プロパン−1,3−ジオールおよびその対応するリン酸誘導体、リン酸モノ−2−アミノ−2−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]エチル−プロピル]エステルである。リン酸モノ−2−アミノ−2−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]エチル−プロピル]エステルはWO 2005/021503に記載の製造法により鏡像異性的に純粋に製造できる。
【0010】
好ましい式IIの化合物は式(IIa)
【化5】

〔式中、
YはOまたはSであり;そして
2a、R3a、R5a、R7aおよびnは上記定義のとおりである〕
で示される化合物である。
【0011】
好ましい式(IIa)の化合物は、Rが塩素であるもの、例えば、2−アミノ−4−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−2−メチルブタン−1−オール;対応するリン酸モノ−2−アミノ−4−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−2−メチルブチル]エステル;2−アミノ−4−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−2−エチルブタン−1−オール;および対応するリン酸モノ−2−アミノ−4−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−2−エチルブチル]エステルである。
【0012】
式IおよびIIの化合物は既知であり、例えば、WO 03/029205、WO 03/029184およびWO 04/026817各々に記載されており、リン酸化誘導体が、例えば、WO 04/074297に記載されている(これらの文献の内容を出典明示により本明細書に包含させる)。式IおよびIIの化合物は上記引用文献に記載のとおりに製造できる。
【0013】
式(I)の化合物のリン酸化誘導体、例えば、リン酸モノ−2−アミノ−2−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]エチル−プロピル]エステルは、例えば、WO 2005/021503(例えば、11および12頁、参照)に記載のリン酸化化合物を合成するための製造法を利用して製造できる。式(I)およびそれらのリン酸化誘導体、特に式(Ia)の構造上の光学活性化合物は、例えば、Hinterding et al., Synthesis, Vol. 11, pp.1667-1670 (2003)に記載の製造法を利用して高純度で製造できる。例として、式(Ia)の構造上の光学活性化合物である、リン酸モノ−2−アミノ−2−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]エチル−プロピル]エステルは、上記Hinterding et al. (2003)の製造法を利用して下記スキームに記載のとおりに製造できる。
【化6】

【0014】
a)ジオキサン/アセトニトリルまたはDMF/水(溶解度に依存して)中の1当量の化合物1および1.2当量のBoc無水物+水中の1.2当量の1MのNaOH(RT、一晩)。
b)CHCl中の1当量の工程a)、1.5当量の塩化2−ニトロベンゾイルおよび1.6当量のピリジン(RT、一晩)。
c)トルエン中の1当量の工程b)、3当量のアセトンジメチルアセタールおよび0.1当量のp−TsOH・HO(95℃、3時間)。
d)MeOH/THF(1/1)中の1当量の工程c)および0.075当量のKCO(粉末)(RT、4時間)。
e)乾燥THF中の1当量の工程a)、6当量のテトラゾール(トルエンまたはCHCN中で0.45Mから再結晶された)および2当量のジ−t−ブチルジエチルホスホアミダイト(RT、3時間)。
f)工程e)の反応混合物へ直接、5当量のH(30%)(0℃、1時間)。
【0015】
単離:反応混合物をチオ硫酸ナトリウム(水中で飽和)でクエンチし、酢酸エチルで抽出する(3×)。
【化7】

【0016】
式IIおよびIIaの化合物、例えば、2−アミノ−4−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−2−メチルブタン−1−オールおよび2−アミノ−4−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−2−エチルブタン−1−オールは、例えば、EP 1548003A1に記載のとおりに製造できる。高光学純度のこのような式IIおよびIIaの化合物の製造は、例えば、上記Hinterding et al. (2003);およびHinterding et al., Tetra Lett, Vol. 43,No. 45, pp. 8095-8097 (2002)に記載の製造法により製造できる。構造式IIおよびIIaの化合物の光学活性リン酸誘導体、例えば、リン酸モノ−2−アミノ−4−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−2−メチルブチル]エステルおよびリン酸モノ−2−アミノ−4−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−2−エチルブチル]エステルは上記Hinterding et al. (2003)に記載のとおりに高純度で製造できる。
【0017】
式IおよびIIの化合物は遊離または塩形で、または水和物として存在し得る。式IおよびIIの化合物の薬学的に許容される塩の例は、無機酸、例えば、塩酸および臭化水素との塩、有機酸、例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸との塩を含む。
【0018】
式IおよびIIの化合物が分子中に1つまたはそれ以上の不斉中心を有するとき、このような化合物は、様々な光学異性体、ならびにラセミ体、ジアステレオ異性体およびそれらの混合物を含むと理解すべきである。
本発明の特定の発見にしたがって、下記のことが提供される
【0019】
1.1 末梢神経炎、視神経炎、筋萎縮性側索硬化症およびブドウ膜炎からなる群から選択される自己免疫性疾患の処置を必要とする対象における、このような処置をするための方法であって、対象に有効量の式IまたはIIの化合物またはそれらの薬学的に許容される塩を投与することを含む方法。
【0020】
1.2 多発性硬化症の処置を必要とする対象における、このような処置をするための方法であって、対象に有効量のRおよびRがHである式Iの化合物か、またはR7aがHまたはC1−4アルキルである式IIの化合物またはそれらの薬学的に許容される塩を投与することを含む方法。
【0021】
1.3 脱髄疾患、例えば、多発性硬化症またはギラン・バレー症候群の症状の緩和または進行の遅延を必要とする対象における、このような処置をするための方法であって、対象に有効量のRおよびRがそれぞれHである式Iの化合物か、またはR7aがHまたはC1−4アルキルである式IIの化合物またはそれらの薬学的に許容される塩を投与することを含む方法。
【0022】
1.4 確立した多発性硬化症を有している対象における、身体障害の進行を遅延するまたは臨床的再発の割合を減少させるための方法であって、対象に有効量のRおよびRがそれぞれHである式Iの化合物か、またはR7aがHまたはC1−4アルキルである式IIの化合物またはそれらの薬学的に許容される塩を投与することを含む方法。
【0023】
1.5 多発性硬化症と確定しているか、または疑わしい対象における、脳障害の発症または中枢神経系脱随形成の進行を減少させるための方法であって、対象に有効量のRおよびRがそれぞれHである式Iの化合物か、またはR7aがHまたはC1−4アルキルである式IIの化合物またはそれらの薬学的に許容される塩を投与することを含む方法。
【0024】
1.6 例えば、続発性脱髄事象、例えば、多発性硬化症における続発性発作の予防または遅延を必要とする対象における、このような処置をするための方法であって、対象に有効量のRおよびRがそれぞれHである式Iの化合物か、またはR7aがHまたはC1−4アルキルである式IIの化合物またはそれらの薬学的に許容される塩を投与することを含む方法。
【0025】
1.7 視神経炎の処置を必要とする対象における、このような処置をするための方法であって、対象に有効量のRおよびRがそれぞれHである式Iの化合物か、またはR7aがHまたはC1−4アルキルである式IIの化合物またはそれらの薬学的に許容される塩を投与することを含む方法。
視神経炎は臨床的に明確な多発性硬化症の高い危険性と関連する最初の症状であり得る。
【0026】
2.1 上記1.1の方法において使用するための、式IまたはIIの化合物またはそれらの薬学的に許容される塩。
【0027】
2.2 上記1.2から1.7のいずれかの方法において使用するための、RおよびRがそれぞれHである式Iの化合物か、またはR7aがHまたはC1−4アルキルである式IIの化合物またはそれらの薬学的に許容される塩。
【0028】
3.1 上記1.1の方法において使用するための医薬組成物であって、式IまたはIIの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩を1つまたはそれ以上のそれらの薬学的に許容される希釈剤または担体と一緒に含む、医薬組成物。
【0029】
3.2 上記1.2から1.7のいずれかの方法において使用するための医薬組成物であって、RおよびRがそれぞれHである式Iの化合物か、またはR7aがHまたはC1−4アルキルである式IIの化合物またはそれらの薬学的に許容される塩を1つまたはそれ以上のそれらの薬学的に許容される希釈剤または担体と一緒に含む、医薬組成物。
【0030】
4.1 上記1.1の方法において使用するための薬剤の製造における、式IまたはIIの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩の使用。
【0031】
4.2 上記1.2から1.7のいずれかの方法において使用するための薬剤の製造における、RおよびRがそれぞれHである式Iの化合物か、またはR7aがHまたはC1−4アルキルである式IIの化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の使用。
【0032】
“有効量”なる用語は、患者に投与するとき、多発性硬化症、末梢神経炎、視神経炎、筋萎縮性側索硬化症(ルー・ゲーリック病)およびブドウ膜炎のような自己免疫性疾患を処置するために有効である、式IまたはIIの化合物の量を意味する。自己免疫性疾患の処置に関して、これは疾患の症状の減少、および自己免疫性疾患の処置を示す当業者に既知の他の指標を含む。
【0033】
特に上記の疾患、障害または状態の処置における式IおよびIIの化合物の有用性は、例えば、下記方法にしたがって動物試験法ならびに臨床試験法で証明し得る。多発性硬化症に対する最も広く使用されている動物モデルは、ヒト疾患と共通の組織病理的および臨床的特性に基づいている実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は急性EAEモデルの疾患症状の予防における化合物Aの用量応答効果を示す。
【図2】図2は慢性再発型EAEモデルにおける疾患症状の予防に対する化合物Aの効果を示す。
【実施例】
【0035】
方法
動物モデル:急性実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)の単相モデルおよび慢性再発型は多発性硬化症に対する有益な動物モデルと考えられている。感受性動物において完全フロインドアジュバントに乳化したCNS組織またはMBPの尾の付け根への単回投与により、EAEを誘発できる。単相急性麻痺症が感受性ラット系統、例えば、Lewis、Wistarラットで、感作後、約8−11日で現れる。症候性のラットはその後7日以内に回復するが、他の種において該攻撃は通常、致命的である。慢性再発型疾患モデルのラットは急性疾患状態後、1/3が再発する。これらの再発は通常、非常に軽度から重度であり、急性発作後20−100日以内に観察される。
【0036】
1.急性EAEモデル
雌Lewisラットを後足にモルモット脊髄および完全フロインドアジュバント[Difco H37 RA](3.5gのモルモット脊髄+3.5mLの0.9%のNaCl+105mgのM.結核菌[Difco H37 RA]+7mLのCFA(Difco H37 RA)の0.1mLの混合物を皮内注射することにより免役化する。グループあたり5−10匹のラットを使用し、身体症状を0−3の段階で毎日判断する。疾患になった動物の数ならびに疾患の発症の時期を記録する。試験化合物、例えば、式IまたはIIの化合物、例えば、[化合物A:2−アミノ−2−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]エチル−プロパン−1,3−ジオール;化合物B:(R)−2−アミノ−4−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−2−メチルブタン−1−オール;および化合物C:(R)−2−アミノ−4−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−2−エチルブタン−1−オール)を経口強制投与により0−13日、毎日投与する。処置した群と処置していない群の統計的な有意差をANOVA(分散分析)、次にダンの多重比較を使用して毎日分析する。薬剤処置を行わないとき、疾患の症状(尾および両後足の麻痺)は通常8−11日以内に発症する。
【0037】
臨床グレード:
1=尾の緊張の喪失
2=片方または両方の後足の衰弱、または中程度の運動失調
3=重度の運動失調または尿失禁を伴う麻痺
下記表1に示すとおり、化合物A、BおよびCを0.1から10mg/kg/日の用量でこのモデルに投与するとき、疾患の症状の予防をもたらす。
【表1】


重症度=臨床グレード0−3
図1に示すとおり、化合物Aを経口的に0.1から10mg/kg/日の用量でこのモデルに投与するとき、疾患の症状の予防をもたらす。
図1は急性EAEモデルの疾患症状の予防における化合物Aの用量応答効果を示す。
【0038】
2.慢性−再発型EAEモデル
慢性−再発型EAEは、Lewisラットの後足に完全フロインドアジュバント中のモルモット脊髄の乳液を注入することにより誘発される。グループあたり6−10匹を使用し、身体症状を0−3の段階で毎日判断する。疾患になった動物の数ならびに疾患の発症の時期を記録する。試験化合物、例えば、式IまたはIIの化合物、例えば、上記定義の化合物Aでの処置を16日目(最初の疾患状態後)に開始し、31日目まで続ける。処置した群と処置していない群の統計的な有意差をANOVA(分散分析)、次にダンの多重比較を使用して毎日分析する。薬剤処置を行わないとき、感作したラットの80−100%が免疫化後最初の40日間に臨床的再発を示す。
【0039】
臨床グレード:
1=尾の緊張の喪失
2=片方または両方の後足の衰弱、または中程度の運動失調
3=重度の運動失調または尿失禁を伴う麻痺
表2に示すとおり、化合物Aは0.3mg/kg/日の用量で慢性再発型EAEモデルに経口的に投与するとき、臨床的再発を予防する。図2は慢性再発型EAEモデルにおける疾患症状の予防に対する化合物Aの効果を示す。
化合物Aで得られた同様の結果が化合物BおよびCに対して観察されることが予想される。
【0040】
3.慢性EAEモデル
DAラットのEAEへの誘発は、Lorentzen et al, 1995, J. Neuroimmunol.; 63(2):193-205およびAdelmann et al, 1995, J. Neuroimmunol.; 63(1):17-27により記載のとおりに誘発させる。手短に言えば、ラットを0.02μg/mlの精製組み換えラットMOGタンパク質を補ったDAラット脳ならびにDAラットおよびウシ脊髄のホモジェネートの混合物で免疫化する。該混合物をホモジェネートし、次に4mg/mlのM.結核菌 H37RA(CFA)を含む完全フロインドアジュバントと1:1で混合する。次に得られた混合物をPolytron PT3100ホモジェナイザー(Kinematica, Lucerne, Switzerland)を使用してホモジェネートする。次にラットを尾の後根に200μlの抗原/CFAを単回投与で皮下注射する。得られた慢性疾患を進行性麻痺の数値化段階を使用して評価する:0、麻痺なし;1、尾の緊張の喪失;2、後足の衰弱または運動失調;3、尿失禁を伴うまたは伴わない後足麻痺;4、後足および前足の麻痺;5、瀕死または死。臨床スコアは毎日評価するが、体重は1日おきに測定する。処置前の臨床疾患のピークで、臨床疾患スコアを比較できるように動物群を再配置する。動物の処置を免疫化後12日目の臨床疾患のピークで開始し、33日目(全部で22日間)まで毎日続ける。試験化合物またはビヒクル(対照群に対して)を毎日経口投与する。
【0041】
このアッセイにおいて、0.3、0.1または0.03mg/kg/dの用量で経口投与される化合物Aは効果的に慢性EAEを阻害する。統計学的分析は、ビヒクル群と比較して、それぞれの用量の化合物Aで臨床疾患の有意な減少を証明する。
【0042】
臨床試験
適当な臨床試験は前記脱髄疾患、多発性硬化症、末梢神経炎、視神経炎、筋萎縮性側索硬化症およびブドウ膜炎を有している患者における、例えば、オープンラベル、用量漸増または無作為、二重盲検試験である。これらの自己免疫性疾患における有効な効果が、それ自体、当業者に既知であるこれらの試験の結果を介して直接、測定できる。このような試験はまた活性成分として式IまたはIIの化合物を使用する単剤療法とこのような化合物と第2の薬剤を有する組合せの効果の比較に適している。
【0043】
例えば、再発寛解型多発性硬化症を有する50人の患者は試験化合物、例えば、式IまたはIIの化合物、好ましくはRおよびRがそれぞれHである式Iの化合物か、またはR7aがHまたはC1−4アルキルである式IIの化合物またはそれらの薬学的に許容される塩を、0.5から50mg p.oの1日用量で受ける。患者の一般臨床状態を毎週、身体検査および臨床検査により調査する。疾患状態および疾患の進行の変化を2ヶ月ごとに放射線検査(MRI)および身体検査により評価する。最初に、患者は2から6ヶ月、処置を受ける。その後、患者は患者の疾患が進行せず、該薬剤に十分に耐えられる限り処置を受け続ける。
【0044】
評価のための主な変化:安全性(有害事象)、標準血清生化学および血液学、磁気共鳴映像法(MRI)。
【0045】
再発寛解型多発性硬化症を有する患者の代わりに、脱髄と一致し、そして例えば、眼科または神経学的検査により確認された視神経(片眼性視神経炎)、脊髄(例えば、不完全な横断性脊髄炎)または脳幹もしくは小脳(脳幹または小脳症候群)が関連する、最初に単離され、明確な神経事象を有する患者は、式IまたはIIの化合物、好ましくはRおよびRがそれぞれHである式Iの化合物か、またはR7aがHまたはC1−4アルキルである式IIの化合物またはそれらの薬学的に許容される塩で臨床治療を受ける。
【0046】
本発明の方法の実施において必要な投与量は、例えば、使用される化合物、宿主、投与経路および処置される状態の重症度に依存して変化する。好ましい一日用量は、約0.1から100mgの単回投与または分割投与である。患者に対する適当な一日用量は、例えば、約0.1から50mg p.oである。化合物は任意の慣用の経路で、特に、経腸的に、例えば経口で、例えば錠剤、カプセル、飲料溶液の形で、点鼻、肺に(吸入により)または非経腸的に、例えば、注射用溶液または懸濁液の形で投与し得る。経口投与に適当な単位投与量形は、約0.1から30mg、通常、0.25から30mg、例えば、約0.1−5mgの活性成分と一緒に1つ以上のそれらの薬学的に許容される希釈剤または担体を含む。
【0047】
式IまたはIIの化合物は、任意の慣用の経路で、特に、経腸的に、例えば経口で、例えば錠剤またはカプセルの形で、または非経腸的に、例えば、注射用溶液または懸濁液の形で、局所的に、例えばローション、ゲル、軟膏またはクリームの形で、または点鼻または坐薬の形で投与し得る。式IまたはIIの化合物のリン酸誘導体は好ましくは非経腸的に投与する。遊離形または薬学的に許容される塩形のこのような化合物を、少なくとも一つの薬学的に許容される担体または希釈剤と共に含む医薬組成物は、薬学的に許容される担体または希釈剤との混合による慣用法で製造し得る。
【0048】
式IまたはIIの化合物は、遊離形または例えば上に示すような薬学的に許容される塩形で投与し得る。このような塩は慣用法で製造し得、遊離化合物と同じ程度の活性を示し得る。
【0049】
式IまたはIIの化合物は、唯一の活性成分として、例えば、アジュバントとして他の薬剤、例えば、免疫抑制または免疫調節剤と、または、上記自己免疫性疾患の処置のための他の抗炎症剤と組み合わせて投与し得る。例えば、該化合物は例えば、皮下、筋肉内または経口経路により投与されるインターフェロン、例えば、ペグ化または非ペグ化α−インターフェロン、β−インターフェロンまたはγ−インターフェロン;改変ペプチドリガンド、例えば、酢酸形態の、例えば、ガラティラメル;様々なT細胞表面マーカーに対するモノクローナル抗体、例えば、ナタリズマブ(ANTEGREN(登録商標))またはアレムツズマブ;免疫抑制性特性を有するアスコマイシン、例えば、ABT−281、ASM981など;ステロイド、例えば、メチルプレドニゾロン、プレドニゾンまたはデキサメタゾン;コルチコステロイド;シクロホスファミド;アザチオプリン;メトトレキサート;ミトキサントロン;レフルノミド;ミゾルビン;ミコフェノール酸;ミコフェノール酸モフェチル;15−デオキシスペルグアリンまたはその免疫抑制ホモログ、アナログまたは誘導体;免疫抑制性モノクローナル抗体、例えば、白血球受容体、例えば、MHC、CD2、CD3、CD4、CD7、CD8、CD25、CD28、CD40、CD45、CD58、CD80、CD86またはそれらのリガンドに対するモノクローナル抗体;他の免疫調節性化合物、例えばCTLA4またはその変異体の細胞外ドメインの少なくとも一部分、例えば非CTLA4タンパク質配列に結合したCTLA4またはその変異体の細胞外ドメインの少なくとも一部分を有する組み換え結合分子、例えば、CTLA41g、例えば、ATCC 68629と命名されているもの、またはその変異体、例えば、LEA29Y;接着分子阻害剤、例えば、LFA−1アンタゴニスト、ICAM−1または−3アンタゴニスト、VCAM−4アンタゴニストまたはVLA−4アンタゴニスト;カテプシンS阻害剤;mTOR阻害剤、例えば、ラパマイシン、40−O−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシン、CCI779またはABT578;カルシニューリン阻害剤、例えば、シクロスポリンA、FK506またはISA Tx247と組み合わせて使用し得る。
【0050】
式IまたはIIIの化合物を他の免疫抑制性/免疫調節性または抗炎症治療と組み合わせて投与するとき、併用する免疫抑制剤、免疫調節剤または抗炎症化合物の投与量は、もちろん、用いる併用剤のタイプ、例えば、ステロイドかまたはカルシニューリン阻害剤か、用いる具体的薬剤、処置する状態などに依存して変化する。
【0051】
したがって、さらなる局面において、本発明は下記を提供する:
5. 治療有効非毒性量の式IまたはIIの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、例えば、RおよびRがそれぞれHである式Iの化合物か、またはR7aがHまたはC1−4アルキルである式IIの化合物、および少なくとも、例えば、上記のとおりの第2の薬剤を、例えば、同時にまたは連続して併用投与することを含む、上記定義のとおりの方法。
【0052】
6. a)式IまたはIIの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、例えば、遊離形または薬学的に許容される塩形の、RおよびRがそれぞれHである式Iの化合物か、またはR7aがHまたはC1−4アルキルである式IIの化合物である第1の薬剤、およびb)少なくとも1つの、例えば、上記のとおりの第2の薬剤を含む、薬学的組合せ、例えば、キット。キットはその投与のための指示書を含む。
【0053】
本明細書で利用されている限り、“併用投与”または“組み合わせ投与”などなる用語は、選択した治療剤を一人の患者に包括的投与することを意味し、薬剤が同じ投与経路で、または同時に投与する必要性のない処置レジメンを含むことを意図する。
【0054】
本明細書で使用する限り、“薬学的組合せ”なる用語は、1つ以上の活性成分の混合または組み合わせに由来する生成物を意味し、活性成分の固定されたまたは固定されていない組み合わせの両方を含む。“固定された組合せ”なる用語は、活性成分、例えば、本発明の化合物と第2の薬剤を、両方、患者に一つの物としてまたは用量として同時に投与することを意味する。“固定されていない組合せ”なる用語は、活性成分、例えば、本発明の化合物と第2の薬剤を、両方、患者に、別々の物として、同時に、一緒に、または制限時間なく連続して投与することを含み、患者の体内で2つの化合物の治療的有効なレベルを提供する。後者はまたカクテル療法、例えば3つまたはそれ以上の成分の投与にも適用する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
末梢神経炎、視神経炎、筋萎縮性側索硬化症またはブドウ膜炎を処置するための、式I
【化1】

〔式中、XはO、S、SOまたはSOであり;
はハロゲン、トリハロメチル、OH、C1−7アルキル、C1−4アルコキシ、トリフルオロメトキシ、フェノキシ、シクロヘキシルメチルオキシ、ピリジルメトキシ、シンナミルオキシ、ナフチルメトキシ、フェノキシメチル、CH−OH、CH−CH−OH、C1−4アルキルチオ、C1−4アルキルスルフィニル、C1−4アルキルスルホニル、ベンジルチオ、アセチル、ニトロもしくはシアノ、またはフェニル、フェニルC1−4アルキルもしくはフェニル−C1−4アルコキシであり、これらフェニル基はそれぞれ所望によりハロゲン、CF、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシにより置換されており;
はH、ハロゲン、トリハロメチル、C1−4アルコキシ、C1−7アルキル、フェネチルまたはベンジルオキシであり;
はH、ハロゲン、CF、OH、C1−7アルキル、C1−4アルコキシ、ベンジルオキシ、フェニルまたはC1−4アルコキシメチルであり;
およびRは、それぞれ独立して、Hまたは式(a)
【化2】

{式中、RおよびRは、それぞれ独立して、Hまたは所望によりハロゲンにより置換されているC1−4アルキルである}の残基であり;そして
nは1から4の整数である〕
で示される化合物もしくはその薬学的に許容される塩、
または、式II
【化3】

〔式中、
1aはハロゲン、トリハロメチル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4アルキルスルフィニル、C1−4アルキル−スルホニル、アラルキル、所望により置換されているフェノキシまたはアラルキルオキシであり;
2aはH、ハロゲン、トリハロメチル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、アラルキルまたはアラルキルオキシであり;
3aはH、ハロゲン、CF、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオまたはベンジルオキシであり;
4aはH、C1−4アルキル、フェニル、所望により置換されているベンジルもしくはベンゾイル、または低級脂肪族C1−5アシルであり;
5aはH、モノハロメチル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ−メチル、C1−4アルキル−チオメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、フェニル、アラルキル、C2−4アルケニルまたはアルキニルであり;
6aはHまたはC1−4アルキルであり;
7aはH、C1−4アルキルまたは上記定義のとおりの式(a)の残基であり、
はO、S、SOまたはSOであり;そして
は1から4の整数である〕
で示される化合物もしくはその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項2】
多発性硬化症を処置するための、式I
【化4】

〔式中、XはO、S、SOまたはSOであり;
はハロゲン、トリハロメチル、OH、C1−7アルキル、C1−4アルコキシ、トリフルオロメトキシ、フェノキシ、シクロヘキシルメチルオキシ、ピリジルメトキシ、シンナミルオキシ、ナフチルメトキシ、フェノキシメチル、CH−OH、CH−CH−OH、C1−4アルキルチオ、C1−4アルキルスルフィニル、C1−4アルキルスルホニル、ベンジルチオ、アセチル、ニトロもしくはシアノ、またはフェニル、フェニルC1−4アルキルもしくはフェニル−C1−4アルコキシであり、これらフェニル基はそれぞれ所望によりハロゲン、CF、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシにより置換されており;
はH、ハロゲン、トリハロメチル、C1−4アルコキシ、C1−7アルキル、フェネチルまたはベンジルオキシであり;
はH、ハロゲン、CF、OH、C1−7アルキル、C1−4アルコキシ、ベンジルオキシ、フェニルまたはC1−4アルコキシメチルであり;
およびRは、それぞれ独立して、Hである〕
で示される化合物もしくはその薬学的に許容される塩、
または式II
【化5】

〔式中、
1aはハロゲン、トリハロメチル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4アルキルスルフィニル、C1−4アルキル−スルホニル、アラルキル、所望により置換されているフェノキシまたはアラルキルオキシであり;
2aはH、ハロゲン、トリハロメチル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、アラルキルまたはアラルキルオキシであり;
3aはH、ハロゲン、CF、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオまたはベンジルオキシであり;
4aはH、C1−4アルキル、フェニル、所望により置換されているベンジルもしくはベンゾイル、または低級脂肪族C1−5アシルであり;
5aはH、モノハロメチル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ−メチル、C1−4アルキル−チオメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、フェニル、アラルキル、C2−4アルケニルまたは−アルキニルであり;
6aはHまたはC1−4アルキルであり;
7aはHまたはC1−4アルキルであり、
はO、S、SOまたはSOであり;そして
は1から4の整数である〕
で示される化合物もしくはその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項3】
脱髄疾患の症状の緩和または進行の遅延のための、式I
【化6】

〔式中、XはO、S、SOまたはSOであり
はハロゲン、トリハロメチル、OH、C1−7アルキル、C1−4アルコキシ、トリフルオロメトキシ、フェノキシ、シクロヘキシルメチルオキシ、ピリジルメトキシ、シンナミルオキシ、ナフチルメトキシ、フェノキシメチル、CH−OH、CH−CH−OH、C1−4アルキルチオ、C1−4アルキルスルフィニル、C1−4アルキルスルホニル、ベンジルチオ、アセチル、ニトロもしくはシアノ、またはフェニル、フェニルC1−4アルキルもしくはフェニル−C1−4アルコキシであり、これらフェニル基はそれぞれ所望によりハロゲン、CF、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシにより置換されており;
はH、ハロゲン、トリハロメチル、C1−4アルコキシ、C1−7アルキル、フェネチルまたはベンジルオキシであり;
はH、ハロゲン、CF、OH、C1−7アルキル、C1−4アルコキシ、ベンジルオキシ、フェニルまたはC1−4アルコキシメチルであり;
およびRは、それぞれ独立して、Hである〕
で示される化合物もしくはその薬学的に許容される塩、
または式II
【化7】

〔式中、
1aはハロゲン、トリハロメチル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4アルキルスルフィニル、C1−4アルキル−スルホニル、アラルキル、所望により置換されているフェノキシまたはアラルキルオキシであり;
2aはH、ハロゲン、トリハロメチル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、アラルキルまたはアラルキルオキシであり;
3aはH、ハロゲン、CF、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオまたはベンジルオキシであり;
4aはH、C1−4アルキル、フェニル、所望により置換されているベンジルもしくはベンゾイル、または低級脂肪族C1−5アシルであり;
5aはH、モノハロメチル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ−メチル、C1−4アルキル−チオメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、フェニル、アラルキル、C2−4アルケニルまたは−アルキニルであり;
6aはHまたはC1−4アルキルであり;
7aはHまたはC1−4アルキルであり、
はO、S、SOまたはSOであり;そして
は1から4の整数である〕
で示される化合物もしくはその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項4】
確立した多発性硬化症を有する対象における、身体障害の進行を遅延するまたは臨床的再発の割合を減少させるための、式I
【化8】

〔式中、XはO、S、SOまたはSOであり
はハロゲン、トリハロメチル、OH、C1−7アルキル、C1−4アルコキシ、トリフルオロメトキシ、フェノキシ、シクロヘキシルメチルオキシ、ピリジルメトキシ、シンナミルオキシ、ナフチルメトキシ、フェノキシメチル、CH−OH、CH−CH−OH、C1−4アルキルチオ、C1−4アルキルスルフィニル、C1−4アルキルスルホニル、ベンジルチオ、アセチル、ニトロもしくはシアノ、またはフェニル、フェニルC1−4アルキルもしくはフェニル−C1−4アルコキシであり、これらフェニル基はそれぞれ所望によりハロゲン、CF、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシにより置換されており;
はH、ハロゲン、トリハロメチル、C1−4アルコキシ、C1−7アルキル、フェネチルまたはベンジルオキシであり;
はH、ハロゲン、CF、OH、C1−7アルキル、C1−4アルコキシ、ベンジルオキシ、フェニルまたはC1−4アルコキシメチルであり;
およびRは、それぞれ独立して、Hである〕
で示される化合物もしくはその薬学的に許容される塩、
または式II
【化9】

〔式中、
1aはハロゲン、トリハロメチル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4アルキルスルフィニル、C1−4アルキル−スルホニル、アラルキル、所望により置換されているフェノキシまたはアラルキルオキシであり;
2aはH、ハロゲン、トリハロメチル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、アラルキルまたはアラルキルオキシであり;
3aはH、ハロゲン、CF、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオまたはベンジルオキシであり;
4aはH、C1−4アルキル、フェニル、所望により置換されているベンジルもしくはベンゾイル、または低級脂肪族C1−5アシルであり;
5aはH、モノハロメチル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ−メチル、C1−4アルキル−チオメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、フェニル、アラルキル、C2−4アルケニルまたは−アルキニルであり;
6aはHまたはC1−4アルキルであり;
7aはHまたはC1−4アルキルであり、
はO、S、SOまたはSOであり;そして
は1から4の整数である〕
で示される化合物もしくはその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項5】
多発性硬化症と確定しているか、または疑われる対象における、脳障害の発症または中枢神経系脱随形成の進行を減少させるための、式I
【化10】

〔式中、XはO、S、SOまたはSOであり
はハロゲン、トリハロメチル、OH、C1−7アルキル、C1−4アルコキシ、トリフルオロメトキシ、フェノキシ、シクロヘキシルメチルオキシ、ピリジルメトキシ、シンナミルオキシ、ナフチルメトキシ、フェノキシメチル、CH−OH、CH−CH−OH、C1−4アルキルチオ、C1−4アルキルスルフィニル、C1−4アルキルスルホニル、ベンジルチオ、アセチル、ニトロもしくはシアノ、またはフェニル、フェニルC1−4アルキルもしくはフェニル−C1−4アルコキシであり、これらフェニル基はそれぞれ所望によりハロゲン、CF、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシにより置換されており;
はH、ハロゲン、トリハロメチル、C1−4アルコキシ、C1−7アルキル、フェネチルまたはベンジルオキシであり;
はH、ハロゲン、CF、OH、C1−7アルキル、C1−4アルコキシ、ベンジルオキシ、フェニルまたはC1−4アルコキシメチルであり;
およびRは、それぞれ独立して、Hである〕
で示される化合物もしくはその薬学的に許容される塩、
または式II
【化11】

〔式中、
1aはハロゲン、トリハロメチル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4アルキルスルフィニル、C1−4アルキル−スルホニル、アラルキル、所望により置換されているフェノキシまたはアラルキルオキシであり;
2aはH、ハロゲン、トリハロメチル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、アラルキルまたはアラルキルオキシであり;
3aはH、ハロゲン、CF、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオまたはベンジルオキシであり;
4aはH、C1−4アルキル、フェニル、所望により置換されているベンジルもしくはベンゾイル、または低級脂肪族C1−5アシルであり;
5aはH、モノハロメチル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ−メチル、C1−4アルキル−チオメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、フェニル、アラルキル、C2−4アルケニルまたは−アルキニルであり;
6aはHまたはC1−4アルキルであり;
7aはHまたはC1−4アルキルであり、
はO、S、SOまたはSOであり;そして
は1から4の整数である〕
で示される化合物もしくはその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項6】
続発性脱髄事象を予防または遅延するための、式I
【化12】

〔式中、XはO、S、SOまたはSOであり
はハロゲン、トリハロメチル、OH、C1−7アルキル、C1−4アルコキシ、トリフルオロメトキシ、フェノキシ、シクロヘキシルメチルオキシ、ピリジルメトキシ、シンナミルオキシ、ナフチルメトキシ、フェノキシメチル、CH−OH、CH−CH−OH、C1−4アルキルチオ、C1−4アルキルスルフィニル、C1−4アルキルスルホニル、ベンジルチオ、アセチル、ニトロもしくはシアノ、またはフェニル、フェニルC1−4アルキルもしくはフェニル−C1−4アルコキシであり、これらフェニル基はそれぞれ所望によりハロゲン、CF、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシにより置換されており;
はH、ハロゲン、トリハロメチル、C1−4アルコキシ、C1−7アルキル、フェネチルまたはベンジルオキシであり;
はH、ハロゲン、CF、OH、C1−7アルキル、C1−4アルコキシ、ベンジルオキシ、フェニルまたはC1−4アルコキシメチルであり;
およびRは、それぞれ独立して、Hである〕
で示される化合物もしくはその薬学的に許容される塩、
または式II
【化13】

〔式中、
1aはハロゲン、トリハロメチル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4アルキルスルフィニル、C1−4アルキル−スルホニル、アラルキル、所望により置換されているフェノキシまたはアラルキルオキシであり;
2aはH、ハロゲン、トリハロメチル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、アラルキルまたはアラルキルオキシであり;
3aはH、ハロゲン、CF、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオまたはベンジルオキシであり;
4aはH、C1−4アルキル、フェニル、所望により置換されているベンジルもしくはベンゾイル、または低級脂肪族C1−5アシルであり;
5aはH、モノハロメチル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ−メチル、C1−4アルキル−チオメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、フェニル、アラルキル、C2−4アルケニルまたは−アルキニルであり;
6aはHまたはC1−4アルキルであり;
7aはHまたはC1−4アルキルであり、
はO、S、SOまたはSOであり;そして
は1から4の整数である〕
で示される化合物もしくはその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項7】
請求項2から6のいずれかに記載の使用のための薬剤の製造における、式I
【化14】

〔式中、XはO、S、SOまたはSOであり
はハロゲン、トリハロメチル、OH、C1−7アルキル、C1−4アルコキシ、トリフルオロメトキシ、フェノキシ、シクロヘキシルメチルオキシ、ピリジルメトキシ、シンナミルオキシ、ナフチルメトキシ、フェノキシメチル、CH−OH、CH−CH−OH、C1−4アルキルチオ、C1−4アルキルスルフィニル、C1−4アルキルスルホニル、ベンジルチオ、アセチル、ニトロもしくはシアノ、またはフェニル、フェニルC1−4アルキルもしくはフェニル−C1−4アルコキシであり、これらフェニル基はそれぞれ所望によりハロゲン、CF、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシにより置換されており;
はH、ハロゲン、トリハロメチル、C1−4アルコキシ、C1−7アルキル、フェネチルまたはベンジルオキシであり;
はH、ハロゲン、CF、OH、C1−7アルキル、C1−4アルコキシ、ベンジルオキシ、フェニルまたはC1−4アルコキシメチルであり;
およびRは、それぞれ独立して、Hであり;
で示される化合物もしくはその薬学的に許容される塩、
または式II
【化15】

〔式中、
1aはハロゲン、トリハロメチル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4アルキルスルフィニル、C1−4アルキル−スルホニル、アラルキル、所望により置換されているフェノキシまたはアラルキルオキシであり;
2aはH、ハロゲン、トリハロメチル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、アラルキルまたはアラルキルオキシであり;
3aはH、ハロゲン、CF、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオまたはベンジルオキシであり;
4aはH、C1−4アルキル、フェニル、所望により置換されているベンジルもしくはベンゾイル、または低級脂肪族C1−5アシルであり;
5aはH、モノハロメチル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ−メチル、C1−4アルキル−チオメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、フェニル、アラルキル、C2−4アルケニルまたは−アルキニルであり;
6aはHまたはC1−4アルキルであり;
7aはHまたはC1−4アルキルであり、
はO、S、SOまたはSOであり;そして
は1から4の整数である〕
で示される化合物もしくはその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項8】
請求項2から6のいずれかに記載の使用のための医薬組成物であって、式I
【化16】

〔式中、XはO、S、SOまたはSOであり
はハロゲン、トリハロメチル、OH、C1−7アルキル、C1−4アルコキシ、トリフルオロメトキシ、フェノキシ、シクロヘキシルメチルオキシ、ピリジルメトキシ、シンナミルオキシ、ナフチルメトキシ、フェノキシメチル、CH−OH、CH−CH−OH、C1−4アルキルチオ、C1−4アルキルスルフィニル、C1−4アルキルスルホニル、ベンジルチオ、アセチル、ニトロもしくはシアノ、またはフェニル、フェニルC1−4アルキルもしくはフェニル−C1−4アルコキシであり、これらフェニル基はそれぞれ所望によりハロゲン、CF、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシにより置換されており;
はH、ハロゲン、トリハロメチル、C1−4アルコキシ、C1−7アルキル、フェネチルまたはベンジルオキシであり;
はH、ハロゲン、CF、OH、C1−7アルキル、C1−4アルコキシ、ベンジルオキシ、フェニルまたはC1−4アルコキシメチルであり;
およびRは、それぞれ独立して、Hであり;
で示される化合物もしくはその薬学的に許容される塩、
または式II
【化17】

〔式中、
1aはハロゲン、トリハロメチル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4アルキルスルフィニル、C1−4アルキル−スルホニル、アラルキル、所望により置換されているフェノキシまたはアラルキルオキシであり;
2aはH、ハロゲン、トリハロメチル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、アラルキルまたはアラルキルオキシであり;
3aはH、ハロゲン、CF、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオまたはベンジルオキシであり;
4aはH、C1−4アルキル、フェニル、所望により置換されているベンジルもしくはベンゾイル、または低級脂肪族C1−5アシルであり;
5aはH、モノハロメチル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ−メチル、C1−4アルキル−チオメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、フェニル、アラルキル、C2−4アルケニルまたは−アルキニルであり;
6aはHまたはC1−4アルキルであり;
7aはHまたはC1−4アルキルであり、
はO、S、SOまたはSOであり;そして
は1から4の整数である〕
で示される化合物もしくはその薬学的に許容される塩を1つまたはそれ以上のそれらの薬学的に許容される希釈剤または担体と一緒に含む、医薬組成物。
【請求項9】
末梢神経炎、視神経炎、筋萎縮性側索硬化症またはブドウ膜炎の処置において使用するための薬剤の製造における、請求項1で定義される式IまたはIIの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩の使用。
【請求項10】
末梢神経炎、視神経炎、筋萎縮性側索硬化症またはブドウ膜炎の処置において使用するための医薬組成物であって、請求項1で定義される式IまたはIIの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩を1つまたはそれ以上のそれらの薬学的に許容される希釈剤または担体と一緒に含む、医薬組成物。
【請求項11】
末梢神経炎、視神経炎、筋萎縮性側索硬化症およびブドウ膜炎からなる群から選択される自己免疫性疾患の処置を必要とする対象における、このような処置をするための方法であって、該対象に有効量の請求項1で定義される式IまたはIIの化合物またはそれらの薬学的に許容される塩を投与することを含む方法。
【請求項12】
請求項2から6のいずれかに定義のいずれかの疾患、障害または状態を処置するための方法であって、対象に有効量の式I
【化18】

〔式中、XはO、S、SOまたはSOであり
はハロゲン、トリハロメチル、OH、C1−7アルキル、C1−4アルコキシ、トリフルオロメトキシ、フェノキシ、シクロヘキシルメチルオキシ、ピリジルメトキシ、シンナミルオキシ、ナフチルメトキシ、フェノキシメチル、CH−OH、CH−CH−OH、C1−4アルキルチオ、C1−4アルキルスルフィニル、C1−4アルキルスルホニル、ベンジルチオ、アセチル、ニトロもしくはシアノ、またはフェニル、フェニルC1−4アルキルもしくはフェニル−C1−4アルコキシであり、これらフェニル基はそれぞれ所望によりハロゲン、CF、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシにより置換されており;
はH、ハロゲン、トリハロメチル、C1−4アルコキシ、C1−7アルキル、フェネチルまたはベンジルオキシであり;
はH、ハロゲン、CF、OH、C1−7アルキル、C1−4アルコキシ、ベンジルオキシ、フェニルまたはC1−4アルコキシメチルであり;
およびRは、それぞれ独立して、Hである〕
で示される化合物もしくはその薬学的に許容される塩、
または式II
【化19】

〔式中、
1aはハロゲン、トリハロメチル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4アルキルスルフィニル、C1−4アルキル−スルホニル、アラルキル、所望により置換されているフェノキシまたはアラルキルオキシであり;
2aはH、ハロゲン、トリハロメチル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、アラルキルまたはアラルキルオキシであり;
3aはH、ハロゲン、CF、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオまたはベンジルオキシであり;
4aはH、C1−4アルキル、フェニル、所望により置換されているベンジルもしくはベンゾイル、または低級脂肪族C1−5アシルであり;
5aはH、モノハロメチル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ−メチル、C1−4アルキル−チオメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、フェニル、アラルキル、C2−4アルケニルまたは−アルキニルであり;
6aはHまたはC1−4アルキルであり;
7aはHまたはC1−4アルキルであり,
はO、S、SOまたはSOであり;そして
は1から4の整数である〕
で示される化合物もしくはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法。
【請求項13】
対象に、少なくとも1つの第2の薬剤を同時にまたは連続して併用投与することを含む、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
a)請求項1または2で定義される式IまたはIIの化合物またはそれらの薬学的に許容される塩、およびb)少なくとも1つの第2の薬剤を含む、請求項1から6のいずれかに記載の使用のための組合せ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−10802(P2013−10802A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−230044(P2012−230044)
【出願日】平成24年10月17日(2012.10.17)
【分割の表示】特願2008−529636(P2008−529636)の分割
【原出願日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】