説明

自己免疫疾患および炎症性疾患の治療のための縮合ピリミジン誘導体の使用

本発明は、免疫応答または炎症応答の調節に使用される薬剤を製造するための、式(I)に示す化合物またはその製薬上許容される塩の使用に関する。式中、ZはOまたはSであり;nは1〜3であり;Rは−CO、−C(O)SR、−C(O)NHR、−C(S)OR、−C(S)SR、−C(S)NHR、−C(NH)SR、または−C(NH)NHR(ここで、Rは水素原子もしくはアルキル基である)であり;Rは、水素原子、−CHまたは−CHCH(ここで、Rは、それぞれ独立してRの定義のいずれかである)であり;Bは−NR−、−CHNR−、−CHCHNR−、−CHCHR−または−CHO−(ここで、Rは、水素原子またはC1−3のアルキル基、アルケニル基もしくはアルキニル基であり、Rは、水素原子またはC1−3のアルキル基もしくはアルコキシ基である)であり;Aは;式中、Rが、−NHまたは−OHであり、CおよびDは、それぞれ独立して、1または2以上のヘテロ原子を含んでもよい、5員または6員の、置換されたまたは非置換の、芳香環または非芳香環であり、Cは任意の位置で基Bと結合している、である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、免疫抑制治療に関し、また、自己免疫疾患および炎症性疾患の新たな治療に関する。好ましい実施形態は、リウマチ関節炎の治療に使用する、新たな薬剤に関する。
【背景技術】
【0002】
リウマチ関節炎(RA)は、慢性の炎症/自己免疫性疾患である。それは、特に手や足、そして手首から始まる、累積的な消耗性の痛みと、関節の破壊に特徴がある。しかし、全身疾患であり、炎症は皮膚や心臓、肺、眼のような関節外組織にも発生する。世界保健機関は、RAの有症率は0.3%〜1%であり、女性においてより一般的なものであると報告している。患者は、どの年代でも存在するが、特に40歳以上ではよりしばしば発症しやすくなり、先進国においては少なくとも50%の患者は疾患の発症後10年間は常勤することができない。
【0003】
RAの詳しい原因は知られていない。遺伝と様々な環境因子が関係するとされ、分子経路の複雑な組合せが関連していると考えられている。対照的に、RAにおいて炎症が関節の損傷を引き起こすメカニズムはよく理解されている。発作時の焦点は、隣接組織から滑液を隔離する、関節の柔らかい組織である、滑液膜に当てられている。健常な滑液膜は関節腔に滑液の主成分を分泌する線維芽細胞、および、この液体から不要な成分を取り除くマクロファージを含んでいる。滑液膜は、無血管性の軟骨の付近に栄養を供給する少数の血管をも含むが、白血球は含まない。
【0004】
一度活性化されると、自己免疫応答は滑液膜の炎症を誘発し、新たな血管から流入する白血球で満たされる。滑液細胞によって栄養分の消費量は増加し、滑液の生成量は多くなる。全関節包は腫脹し、軟骨成分の栄養成分へのアクセスは阻害され、軟骨細胞は餓死する。加えて、線維芽細胞とマクロファージは活性化され、腫瘍壊死因子αのようなサイトカインを分泌する、または破骨細胞のような破壊細胞へと分化する。軟骨表面は消化され、下層の骨は磨耗し始める。
【0005】
RAの治療法はまだ存在せず、既存の治療法は、患者間で大きく異なりうる疾患の症状に対してのみ焦点を当てている。一般的な目的は、罹患関節における痛みや凝りを軽減させ、関節損傷を最小化するものであり、後者は回復しない。
【0006】
イブプロフェンやメロキシカムのような非ステロイド抗炎症薬(NSAID)は、腫脹を軽減したり、小さな痛みや凝りを和らげたりすることに用いられる。しかし、病気の進行が遅くなるようなことはなく、長期にわたって服用すると、胃の出血を引き起こしうる。重度の局部的な炎症である場合に、痛みや腫脹を軽減させるため、副腎皮質ステロイドを関節に注入することがあるが、繰り返しになるが、これもRAの進行を遅らせるものではない。
【0007】
長期にわたって、患者は、通常、病気の進行を遅らせるために、および関節損傷の予防のために、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)を投与される。これらの薬は、効き始めるまでに数週間から数カ月間必要となるため、短期的な緩和を与える上記投薬治療を初期段階でしばしば受ける。DMARDに分類される薬剤は、化学的および薬理学的に非常に多様であり、具体例は、以下に示される。
【0008】
【化1】

【0009】
メトトレキサートは、一般的に処方されるDMARDの1つである。メトトレキサートの作用の詳細なメカニズムは、十分には解明されていない。しかし、滑膜細胞アポトーシスの直接的な促進、リンパ球の増殖の阻害ならびに免疫抑制につながるインターロイキン1の生成およびアデノシン遊離の誘導を低減することを含むと考えられている。その有効性に関らず、その毒性プロフィールは最適化されておらず、その薬理速度論的性質は寧ろ不十分である:即ち、取り込まれた後、80%超は、未変化のまま速やかに除去されてしまう。さらに、約35%の患者は、メトトレキサートのみの治療を行っても十分な効果を得られない。
【0010】
レフルノミドは比較的新しいDMARDであり、デノボピリミジン合成に関わる酵素であるジヒドロオロテート デヒドロゲナーゼを阻害する。レフルノミドは、メトトレキサートよりも短時間で働くが、副作用の原因となりやすい。例えば、かかる薬剤を服用した患者が、重度の肝臓損傷を受け、幾人かは、結果として死に至ったことが報告されている。
【0011】
オーラノフィンおよびヒドロキシクロロキニーネなどのように副作用が殆どないような他の薬剤もあるが、活性は低い。アザチオプリン、シクロスポリンおよびシクロホスファミドを含む薬剤である、他のDMARDは、とても有効であり、重度のRAに対して効果が期待できるが、重度の副作用を引き起こす。
【0012】
サイトカイン阻害剤は、RAの治療において、いくらかの効果をもたらすため使用されてきた。例えば、エタネルセプトおよびインフリキシマブ等の腫瘍壊死因子αの阻害剤は注射または点滴により投与されてきたが、一方でアナキンラ等のインターロイキン−1の阻害剤は、メトトレキサート単独では効果がないときに、時々、メトトレキサート療法と組み合わせて使用されてきた。
【0013】
これまでの研究によって、リウマチ関節炎に寄与しうる、かつ、いくつかの他の自己免疫/炎症性疾患に関与しうる遺伝子が特定されている(Kawahito et. al., Journal of Immonology, 1998, 161 : 4411−4419.)。実際、上記薬剤には、それらの疾患の治療に効果的であることが追って見出されたものがある。例えば、ヒドロキシクロロキニーネは、全身性エリテマトーデスの治療に用いることができ、一方メトトレキサートおよびレフルノミドはともに、乾癬性関節炎のために処方されうる。シクロスポリンは、重度の乾癬またはアトピー性皮膚炎の治療に有用であることが見出され、アザチオプリンは自己免疫溶血性貧血および自己免疫慢性活動性肝炎を緩和し、インフリキシマブはクローン病、潰瘍性大腸炎および強直性脊椎炎を治療することができる。アザチオプリンおよびシクロスポリンはまた、臓器移植の生体の拒絶反応を防止するために用いられうる免疫抑制剤である。
【発明の概要】
【0014】
上記の観点から、上記の問題の一以上を解決する代替の免疫抑制剤ならびにリウマチ関節炎および関連する疾患のための代替療法への必要性が残されている。
【0015】
そこで、本発明の第一の態様によれば、免疫または炎症反応の調節に使用される薬剤を製造するための、式Iの化合物またはその製薬上許容される塩の使用が提供される。
【0016】
【化2】

【0017】
式中、
Zは、OまたはSであり;
nは、1〜3であり;
は、−CO、−C(O)SR、−C(O)NHR、−C(S)OR、−C(S)SR、−C(S)NHR、−C(NH)SR、または−C(NH)NHR(ここで、Rは水素原子またはアルキル基である)であり;
は、水素原子、−CHまたは−CHCH(ここで、Rは、それぞれ独立してRの定義のいずれかである)であり;
Bは、−NR−、−CHNR−、−CHCHNR−、−CHCHR−または−CHO−(ここで、Rは、水素原子またはC1−3のアルキル基、アルケニル基もしくはアルキニル基であり、Rは、水素原子またはC1−3のアルキル基もしくはアルコキシ基である)であり;
Aは;
【0018】
【化3】

【0019】
式中、
は、−NHまたは−OHであり;
CおよびDは、それぞれ独立して、1または2以上のヘテロ原子を含んでもよい、5員または6員の、置換されたまたは非置換の、芳香環または非芳香環であり、Cは任意の可能な位置で基Bと結合している、
である。
【0020】
本発明の好ましい実施形態を以下に記載し、また、従属項に規定する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明に使用する2つの化合物(化合物3および4)の全合成を示す概略図であり、これらは下記の実施例1および2において詳細に記載される。
【図2】図2は、コラーゲン誘導関節炎試験の際に化合物I−A1を用いて治療したマウスの平均関節炎評点を示す。
【図3】試験終了時の平均赤血球数を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
式Iにおいて、印付けされた炭素Cは非対称であってよく(RがHでない場合)、この場合に式Iの化合物は、ラセミ体で存在しうるか、または、従来の方法によりこれらの(+)もしくは(−)のエナンチオマーへと分離されうるということが理解されるであろう。また、他のキラル中心が一部の化合物に存在して、1以上のさらなるエナンチオマー対を生じうる。例えば、第2のキラル中心が、B=−CHCHR−であり、RがC1−3のアルキル基またはアルコキシ基である、化合物に存在する。かようなラセミ体またはエナンチオマー体の全ての使用が本発明の範囲に属することを意図している。さらに、式Iの化合物は1以上の互変異性体で存在してもよく、これらの形態のいずれの使用も本発明の範囲に属している。
【0023】
好ましくは、下記条件の1以上を満たす式Iの化合物を使用する。
・ZがOである。
・nが1である。
・Rが−COであり、Rが−CHCHCOである。
・Rが、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、またはt−ブチル基であり、好ましくは水素原子、メチル基、またはエチル基であり、より好ましくは水素原子である。
・Bが、−CHNR−、−CHCHR−、または−CHO−であり、好ましくは−CHNR−である。
・Rが、水素原子、メチル基、エチル基、または−CHC≡CHであり、好ましくは水素原子である。
・Rが、水素原子、メチル基、エチル基またはメトキシ基であり、好ましくは水素原子である。
【0024】
さらに、式III、V、またはVIIの好ましい化合物は、上記するZ、n、R、R、R、および/またはRについての1以上の好ましい化合物である。
【0025】
式I、II,IV、またはVIの基Aにおいて、Dは、好ましくは5員のヘテロ芳香環である。好ましくは、Aが、
【0026】
【化4】

【0027】
である。
【0028】
基Aにおいて、Cは下記の基のうちの一つでありうる(隣接する環および基Bへの結合場所が示されている)。
【0029】
【化5】

【0030】
式中、XはCHまたはNであり、YがCであり、Rが水素原子、メチル基、エチル基、またはHCOである;もしくは、YがNであり、Rが不対電子対である。好ましい実施形態では、XおよびYの両方がNであり、Rは不対電子対である。
【0031】
特に好ましいA基は下記の構造のものである。
【0032】
【化6】

【0033】
特に興味深いのは、下記の2つのA基である。
【0034】
【化7】

【0035】
特に好ましくは、上記の2つのA基を有する式Iの化合物であり、ここで、Bは−CHNR−であり;Rは、水素原子、メチル基、エチル基、または−CHC≡CHであり;ZはOであり;nは1であり;Rは−COであり、好ましくは任意の加水分解性エステル基である。このグループの化合物の個々の例を以下に示す。
【0036】
【化8】

【0037】
式Iの化合物は、簡単に入手でき安価な出発物質から、公知の様々な方法を用いて合成されうる。例えば、Bが−NR−、−CHNR−または−CHCHNR−である場合、式IIの化合物
【0038】
【化9】

【0039】
式中、Aは上記で定義した通りであり、mは0、1または2であり、Xは脱離基である、
は、式IIIの化合物:
【0040】
【化10】

【0041】
式中、Z、n、R、RおよびRは上記で定義した通りである、
と反応しうる。脱離基Xは、一般に、塩素、臭素、またはヨウ素などのハロゲンであり、特には、臭素またはヨウ素である。この反応は、好ましくは、ジメチルホルムアミド(DMF)またはジメチルアセトアミド(DMAc)のような極性非プロトン性溶媒中で行われる。第三級アミンまたは重炭酸ナトリウムよりも高い収率を与える、フッ化カリウムなどの塩基性触媒が用いられうる。必要に応じて、反応性の高い基は、反応の前に公知の適当な保護基を用いて保護され、後に通常の方法で脱保護されうる。例えば、RがHであり、RがCHCHCOHである場合、これらの酸基は、例えばメチルエステル基として保護され、続いて、例えば、エタノールに溶解させた水酸化ナトリウムを用いたアルカリ加水分解、および氷酢酸などの酸の添加による沈殿などの既知の方法によって脱保護されうる。
【0042】
Bが−CHO−である場合、式Iの化合物は、例えば、式IVの化合物:
【0043】
【化11】

【0044】
式中、Aは上記で定義した通りであり、Xは脱離基である、
を、式Vの化合物:
【0045】
【化12】

【0046】
式中、Z、n、RおよびRは上記で定義した通りである、
と、ウィリアムソンエーテル型反応によってカップリングさせることによって調製されうる。この反応において、一般に、式Vの化合物は、式IVの化合物との反応の前に、例えばNaHのような塩基を用いて、そのアロキシドイオンの形態に変換される。Xは任意の適当な脱離基であってよく、特には、ハライドでありうる。
【0047】
Bが−CHCHR−である場合、式Iの化合物は、例えば、任意の既知の炭素−炭素結合形成反応によって、特に、グリニャール試薬およびリチウム化合物もしくは銅−リチウム化合物のような有機金属試薬の使用または生成を含む反応によって、式VIの化合物を式VIIの化合物とカップリングさせることによって調製されうる;
【0048】
【化13】

【0049】
式中、A、Z、n、R、R、およびRは上記で定義した通りであり、Yは、それぞれ独立してハライドである。
例えば、式VIIの化合物を、その対応するグリニャール試薬または銅酸リチウム試薬に変換し、その後、式VIの化合物と反応させてもよい。または、式VIの化合物を、その対応するグリニャール試薬または銅酸リチウム試薬に変換し、その後、式VIIの化合物と反応させてもよい。また、任意の反応性置換基の適当な保護基は当業者に公知である。
【0050】
中間体II〜VIIは、通常の方法で調製されうる。例えば、式III、VまたはVIIの化合物は、下記式の化合物:
【0051】
【化14】

【0052】
を、下記式の化合物:
【0053】
【化15】

【0054】
式中、B’は−NHR、−OHまたは−CHYRであり、Xは脱離基である、
と、塩基の存在下で反応させることによって調製されうる。続いて、加水分解によってシアノ基を除去し、必要に応じて適当な保護基を用いて脱炭酸してもよい。
【0055】
理論によって制限されないが、式Iの化合物の変性されたケトメチレン性またはチオケトメチレン性の側鎖によって、メトトレキサートに比べて腎臓毒性がより低くなっていると考えられる。ケトメチレン性またはチオケトメチレン性の基の不安定性がより低いため、加水分解による不活性化が最小限になり、その結果、半減期がより長くなる。加えて、式Iの化合物は、従来の化合物に比べて改善された物理化学的特性を示す。
【0056】
上記で議論したように、第一の関心事は、リウマチ関節炎等の炎症性疾患の治療における式Iの化合物の使用にある。しかしながら、これらの化合物の治療における有用性は、さらに免疫抑制療法におけるような一般的な免疫および/または炎症反応の調整にまで拡張される。免疫抑制は、エイズ等の特定の疾患には悪影響を与える可能性がある。しかしながら、免疫抑制療法は、自己免疫疾患の予防もしくは治療、または臓器移植の拒絶反応の予防等の治療目的のため、免疫抑制を慎重に誘導することを意味する。免疫抑制療法は、例えば、サイトカイン産生、特に腫瘍壊死因子α、インターロイキン−4もしくは−13、またはインターフェロン−γの抑制を含みうる。
【0057】
本発明で治療しうる他の自己免疫および炎症性疾患の例は:乾癬性関節炎、若年性特発性関節炎および強直性脊椎炎等の関節炎疾患;皮膚筋炎および多発性筋炎等の炎症性筋疾患;神経組織および内耳等の他の組織の炎症を含む疾患;乾癬、アトピー性皮膚炎、尋常性天疱瘡および慢性難治性特発性血小板減少性紫斑病等の皮膚疾患;クローン病および潰瘍性大腸炎等の炎症性腸疾患;血管炎、例えば結節性多発性動脈炎;全身性エリテマトーデス等の自己免疫溶血性貧血;自己免疫肝炎;多発性硬化症等の神経変性自己免疫疾患;心膜炎;気管支ぜんそくまたはアトピー;1型糖尿病;ブドウ膜炎;甲状腺炎;および強皮症、である。
【0058】
好ましくは式Iの化合物は、以下の疾患のいずれかの治療に用いられる:乾癬性関節炎、若年性特発性関節炎、強直性脊椎炎、皮膚筋炎、多発性筋炎、乾癬、アトピー性皮膚炎、尋常性天疱瘡、慢性難治性特発性血小板減少性紫斑病、クローン病、潰瘍性大腸炎、結節性多発性動脈炎、自己免疫溶血性貧血、自己免疫肝炎、または、神経組織もしくは内耳の炎症。
【0059】
他の実施形態では、式Iの化合物が、臓器移植の拒絶反応を予防するために用いられる。
【0060】
式Iの化合物の好ましい使用は、リウマチ性疾患、特に関節炎疾患、さらに好ましくは、リウマチ関節炎、乾癬性関節炎、若年性特発性関節炎または強直性脊椎炎を治療することである。
【0061】
前記化合物は、好ましくは経口(固形例えば錠剤で、または液状で)もしくは非経口、または局所適用により、任意の適当な投与方法で投与しうる。前記化合物は単独で、または、他の生物剤、抗リウマチ剤、他の免疫抑制剤もしくはモノクローナル抗体等の免疫刺激剤等の他の治療用薬剤と組み合わせて、哺乳類、好ましくはヒトに与えうる。前記化合物は、葉酸誘導体、葉酸またはフォリン酸等のアジュバントと共に投与してもよい。
【0062】
以下の実施例は、本発明の説明を意図したものであり、本発明をいかなる方法によっても限定するものではない。
【実施例】
【0063】
実施例1
化合物3の合成
出発物質源
3−クロロプロパノイルクロライドおよびシアノ酢酸エチルを、Sigma−Aldrich社, ジ オールド ブリックヤード, ニュー ロード, ギリンガム, ドーセット SP8 4XT, 英国から商業的に得た、または標準的な方法によって合成した。α−ブロモ−p−ニトロアセトフェノン7を、テトラヒドロフラン(THF)中でp−ニトロアセトフェノンを臭素で臭素化することによって得た。2,4−ジアミノ−6−ブロモメチルプテリジン2を、標準的な方法によって得た(例えば、米国特許第4,077,957号および米国特許第4,224,446号を参照)。
【0064】
段階A:
化合物6の合成
3−クロロプロパノイルクロライドを、ピリジンまたはトリエチル酢酸の存在下、エタノールでエステル化して、3−クロロプロピオン酸エチル5を製造した。後者を、L. Ruzicka et. al., Helv. Chim. Acta 17, 183−200 (1934), CA 28:2584、またはKoelsch, CF., J. Am. Chem. 65, 2458−9 (1943)の方法に従ってシアノ酢酸エチルと縮合して、α−シアノグルタル酸ジエチル6を得た。予想される構造をH−NMRで確認した。GC:97%純度。
【0065】
段階B:
化合物8の合成
175g(0.71mmol)のα−ブロモ−p−ニトロアセトフェノン7を、500mlのDMFにおける175g(0.82mmol)のα−シアノグルタル酸ジエチル6および175g(3mmol)のKFの懸濁液に0〜5℃で一部ずつ添加した。反応を薄層クロマトグラフィー(TLC)でモニターした。4時間後、反応混合物を、pH5の0.1%酢酸を含む2lの水に懸濁した。水をデカンテーションした後、ゴム状の沈殿物を水で洗浄した(2×750ml)後、300mlのメタノールと共に粉砕した。結晶化が終了したら、沈殿物を濾過し、過剰のメタノールおよびエーテルで順次洗浄して、210gの化合物8を融点が92.1℃の黄色固体として得た(収率 68%)。シリカゲルでのクロマトグラフィー(50:50:5 ベンゼン−シクロヘキサン−エタノール)後の、生成物の融点は99.7℃であった。シリカゲルプレート(5:1:3:10:0.1 ベンゼン−エタノール−シクロヘキサン−石油エーテル−AcOH)でのTLCでは、Rf(保持因子)が0.38の単一のスポットを示した。HPLC:97%純度。
【0066】
段階C:
化合物9の合成
30g(0.08mmol)の化合物8を400mlのメタノールに溶解し、6gの20% Pd/C触媒の存在下、室温で、水素化フラスコ中、水素化した。水素の理論容積(約6200ml;0.28mmol)を1時間で吸収させた(TLCコントロール)。白金触媒を濾過し、メタノールを蒸発させた。得られた未精製産物を真空中で乾燥して固化して、27.6gの化合物9、黄色固体を得(収率 99%)、これをさらに精製せずに下記未精製化合物10への変換に使用した。純度は、TLC分析によって許容範囲であった。TLC(4:1 クロロホルム−メタノール)では、Rfが0.5(4−ジメチルアミノベンズアルデヒドに特徴的な反応)の単一のスポットを示した。HCl塩を、HCl中で還流後単離した。予想される構造をLC−MSおよびH−NMRで確認した;HPLC:99%純度。
【0067】
段階D:
化合物10の合成
1000mlのメタノールにおける52.2g(0.15mmol)の中間体9の溶液を調製した。188mlの6N NaOHを、室温で1時間、滴下し、溶液を12時間、放置した。次に、この反応混合物を300mlの水で希釈し、高真空中下で濃縮した。700mlの37%HClを残渣に添加し、得られた混合物を4時間、加熱還流した。得られた混合物を、1.5lのメタノールで希釈し、NaCl沈殿物を濾別した。濾液を段階Eで使用した。懸濁液を濾過して、過剰の水、アセトンおよびエーテルで沈殿物を順次洗浄することによって、少量の二塩基酸10を、希釈前に単離した。TLC(4:1 クロロホルム−メタノール)では、Rfが0.26の単一のスポットを示した。
【0068】
段階E:
化合物1の合成
段階Dで得られたジカルボン酸10のメタノール溶液を0〜5℃に冷却し、100mlの塩化チオニルを滴下した。この反応混合物を3時間還流しながら攪拌した後、室温まで冷却し、溶剤を留去した。得られた沈殿物を濾過し、エーテルで洗浄して、27gの化合物1を融点が115〜116℃の固体として得た(収率 63%)。テトラヒドロフランから結晶化した後、17.5gの、融点が116〜117℃の、化合物1の白色結晶を得た。TLC(4:1 クロロホルム−メタノール)では、Rfが0.73の単一のスポットを示した。UVスペクトル:234,319nm(MeOH)。H−NMRスペクトル:2.0(2H,m,CCHCOOCH),2.5(2H,t,CHCOOCH),3.1(2H,m,COC),3.5(1H,m,COCH),3.75(6H,s,COOC),7.6−8.0(4H,m,C arom.)。HPLC:99%純度。
【0069】
段階F:
N−[4−[[2,4−ジアミノ−6−プテリジニル)メチル]アミノ]ベンゾイル]シュードグルタミン酸エステル(化合物3)の合成
70mlのN,N−ジメチルアセトアミド中、7g(27.4mmol)の2,4−ジアミノ−6−ブロモメチルプテリジン2および7g(23.4mmol)のN−[4−メチル−アミノ)ベンゾイル]シュードグルタミン酸ジメチル1の混合物を、70℃で30分間攪拌した。その後、光から保護して、室温で一晩放置した。そこで、10分間、100℃に再加熱した。反応をTLCによって確認した。冷却後、反応混合物を、pH4にAcOHで酸性にした水(1000ml)に注いだ。生成した暗い黄色の沈殿物を濾過して、水で3回洗浄し、空気乾燥した。2.6gの、融点が200〜210℃の、オレンジ−黄色の生成物3を得た。濾液を10% NaHCOで処理して、生成した沈殿物を同様にして分離して、ジメチルエステル3の第2の画分(2g)を得た。全収率:36%。TLC(4:1 クロロホルム−メタノール)では、Rfが0.48の単一のスポットを示した。UVスペクトル:210,242,332(0.1N HCl);238,335(MeOH)。
【0070】
実施例2
N−[4−[[2,4−ジアミノ−6−プテリジニル)メチル]アミノ]ベンゾイル]シュードグルタミン酸(化合物4)の合成
1g(2.1mmol)のジメチルエステル3を、10mlの2N NaOHおよび25mlのエタノールの溶液に一部ずつ添加し、室温で4時間攪拌した。生成した沈殿物を濾過し、蒸留水に溶解した。このアルカリ水溶液を、活性炭で処理し、濾過し、10%酢酸を用いて、そのpHを4.5に調整した。その沈殿物を濾過し、pH4.5の状態で、水、アセトンで順次洗浄し、0.8gの化合物4を得た。その生成物は、褐色の固体であり、分取HPTLC(高性能薄層クロマトグラフィー)で精製した。50:50:5の比のCHCN−HO−NHOHで溶出した後に、二塩基酸をpH8の水酸化ナトリウム溶液100mlを用いてシリカゲルから抽出した。水は凍結乾燥法で除去した。TLC(7:2:1 CHCN−HO−NHOH)により、Rfが0.80の単一のスポットを示した。質量分析スペクトル:m/z120(M+,100%).IRスペクトル(KBr): 1651(COCH),1594(C=C),1563,1403(C=O酸),1176(C−O),823(CH).UVスペクトル:242,332nm(0.1N HCl);232,259,325nm(0.1N NaOH);229,262,318(MeOH).H NMR:1.6(3H,m,C−C)、2.2(2H,t,CHCOOH),2.9(2H,m,COC),4.6(2H,s,CNH),6.8−7.8(4H,mC arom.),9(1H,s,7−C).HPLC:97%純度。
【0071】
式1の他の化合物は、適切である上記する方法を採用して製造されうる。例えば、中間体1と類似化合物は、ホルムアルデヒドとシアノ水素化ホウ素ナトリウムとの反応により対応するN−メチル誘導体に変換しうる。中間体6もまた、シアノ酢酸エチルとアルリル酸エチルとを標準手段により反応させて製造される。
【0072】
実施例3
マウスに対するRAのインビボ治療:コラーゲン誘導RA(CIA)モデル
コラーゲン誘導リウマチ関節炎の治療に対する式1の化合物の活性をマウスで試験した。CIAモデルは、細胞性および液性免疫の両方を含んでいると考えられるものの1つである。
【0073】
RA誘導
雄マウスで、生後7週間であるDBA/1(Harlan,英国)は、自由摂食と自由節水可能な10のグループに分けて収容された。ウシII型コラーゲンの一容量(0.05M酢酸中の2mg/ml溶液)を、等容量の完全フロイントアジュバント(CFA;ヒト結核菌4mg/ml)で乳化した。全マウスを、ハロタン麻酔下において、0.1mlのその乳化液(1マウスにつき100μgのコラーゲン)を、プラスチックシリンジを用いて、尾に皮膚内注射することで、0日目に免疫化した。注射した部位は、尾の根元からおよそ1cmの部分であった。21日目にマウスは腹膣内注射によりコラーゲンチャレンジ(マウス1匹につき、リン酸塩緩衝剤食塩水中、200μgのウシII型コラーゲン)も注射された。
【0074】
治療
賦形剤を、陰性対照基準として用い、一方、PBS中のメトトレキサート(MTX)を、陽性対照基準として用いた。式I−A1の酸性化合物を、0.2N NaOH溶液に溶解し、50mg/ml貯蔵液を得て、それから、PBSで希釈して、一連の濃度の溶液を調製した。式Iの他の化合物を同様に溶解した。10匹のマウスの群のそれぞれに、0日目から6週間、1日1回、腹膣内注射により、試験溶液または対照基準溶液5ml/kgを投与した。
【0075】
観察と検査
マウスについて17日目に末梢関節における関節炎の発症応答の兆候を診察し、その後、研究の終了まで1日1回診察した。関節炎反応は、以下に記載するように、重症度の昇順で0―4段階によって、それぞれの足について記録し、マウスごとに総合的な重症度の評点を計算した。両後足(左と右、肉球の直下、腫骨の上)について、足の厚さを、mm単位で測定した。測定は17日目以後、研究の終了まで、1日1回、ダイヤルカリパス(ドイツ、ミュンヘンのクリップリン社製)を用いて行った。
【0076】
【表1】

【0077】
0日目と17日目以後は1日1回、臨床検査を行い、記録した。観察は、肌、毛、目、粘膜、分泌と排出(例えば、下痢)の発生と、自律神経系の活動(例えば、流涙、唾液分泌、立毛、瞳の大きさ、異常な呼吸パターン)の変化に関して行った。突飛な行動、震え、痙攣、睡眠と昏睡状態と同様に、歩行、姿勢、手で触れた時の対処の変化も、記録した。
【0078】
個々の体重を、研究中ずっと記録した。研究は42日目に終了した。
【0079】
結果
式Iの化合物は、このモデルにおいて有意な抗関節炎効果を示した。陰性(賦形剤)対照基準を投与されたマウスは、有意に高い関節炎評点を有し、試験化合物を投与されたマウスのそれよりも後足が大きくなった(図2参照)。さらに、試験化合物の抗関節炎効果は、手足において、組織学的評点の有意な低下(滑膜の肥厚化、減少した骨/軟骨の侵食と細胞浸潤の低下)と相関があった。
【0080】
メトトレキサートと比較して、化合物は高絶対用量投与において許容され、最大許容投与量のより低い割合で効果的であった。例えば、式I−A1は最大許容投与量の10%の治療投与量で効果的であった。一方、メトトレキサートは2番目に高い治療投与量を要した。
【0081】
研究の最後に検査された他の臨床症状に関しては、式Iの化合物を投与された群では対応するメトトレキサートを投与された群よりも顕著な改善が見られた。例えば、メトトレキサートを投与されたマウスは、研究の最後には、重度な貧血の兆候を示したが、試験化合物を投与された群からは全く貧血の兆候は見られなかった。図3に示すように、赤血球数の測定がこれを裏づけた。治療中、副作用は見られず、試験化合物は、優れた認容性を示すことが示唆された。
【0082】
実施例4
ラットに対するRAのインビボ治療;アジュバント誘導RA(AIA)モデル
アジュバント誘導リウマチ関節炎を治療するため、式Iの化合物の活性を試験した。当該AIAモデルは、主に、T細胞媒介性のメカニズムに関すると考えられるものの一つである。
【0083】
RA誘導
体重200±10gである雄のLewisラットを、自由摂食と自由摂水を可能な6群に分けて収容した。0.1mlのCFA(ヒト結核菌3mg/ml)を、研究の1日目に、各ラットの右後足の足底部位に注射した。
【0084】
治療
被検物質を、初め、上述の方法で、(必要であれば)NaOH溶液に溶解させ、2%のTween80に、一連の濃度に懸濁させた。(1日目に)CFAを注射する1時間前から、10ml/kgを21日間連続で、経口強制投与した。2%のTween80を陰性対照標準として用い、2%Tween80中のメトトレキサートを陽性対照標準として用いた。
【0085】
観察と検査
0日目、1日目のCFA注射後4時間の時点、7日目、14日目、21日目に、水置換によって、右後足の体積を測定した。左後足の体積は、0日目、1日目、7日目、14日目、21日目に、水置換によって、測定した。累積的な足の体積の増加を計算し、賦形剤を投与した対照基準と比較した。陰性対照基準と比較して、足の体積が、30%またはそれ以上の減少は、有意な抗炎症活性であると考えられた。体重を1日目、7日目、14日目、21日目に測定した。前足、尾、鼻、耳の腫脹の症状を21日目に記録した。
【0086】
結果
一般的な多発関節炎の症状:100%の陰性対照基準のラットが多発関節炎を発症した。一方、治療されたラットは多発関節炎の症状を発症しなかった。陰性対照基準を投与された群に対して、試験化合物を少量投与されたラットで、体重に重大な変化は見られなかった。被検体の代表群の後足の平均体積を、以下に示す。
【0087】
第1群−陰性対照標準(賦形剤のみ);第2群−MTX対照標準;第3群−式I−A1の化合物(低投与量)
【0088】
【表2】

【0089】
式Iの化合物は、ラットにおける、誘起された関節炎である、フロイント完全アジュバント(CFA)の急性期と慢性期の両期において高い活性を示す結果となった。
【0090】
これらの2つの研究の結果から、多くの臨床的指標を用いて、動物モデルの関節炎における病症の進行と重症化が式Iの化合物の投与により阻害されることが示された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
免疫または炎症反応の調節に使用される薬剤を製造するための、式Iの化合物またはその製薬上許容される塩の使用:
【化1】

式中、
ZはOまたはSであり;
n=1〜3であり;
は−CO、−C(O)SR、−C(O)NHR、−C(S)OR、−C(S)SR、−C(S)NHR、−C(NH)SR、または−C(NH)NHR(ここで、Rは水素原子もしくはアルキル基である)であり;
は、水素原子、−CHまたは−CHCH(ここで、Rは、それぞれ独立してRの定義のいずれかである)であり;
Bは、−NR−、−CHNR−、−CHCHNR−、−CHCHR−または−CHO−(ここで、Rは、水素原子またはC1−3のアルキル基、アルケニル基もしくはアルキニル基であり、Rは、水素原子またはC1−3のアルキル基もしくはアルコキシ基である)であり;
Aは、;
【化2】

式中、
は、−NHまたは−OHであり;
CおよびDは、それぞれ独立して、1または2以上のヘテロ原子を含んでもよい、5員または6員の、置換されたまたは非置換の、芳香環または非芳香環であり、Cは任意の可能な位置で基Bと結合している、
である。
【請求項2】
免疫抑制治療に使用される薬剤を製造するための、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
自己免疫疾患の治療または予防に使用される薬剤を製造するための、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
炎症の軽減もしくは予防に用いるための、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
自己免疫炎症疾患の治療または予防のための薬剤の製造に用いるための、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
サイトカイン生成を抑制するための薬剤の製造に用いるための、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
リウマチ関節炎、乾癬性関節炎、若年性突発性関節炎、強直性脊椎炎、皮膚節炎、多発節炎、乾癬、アトピー性皮膚炎、尋常性天疱瘡、慢性特発性血小板減少性紫斑病、クローン病、潰瘍性大腸炎、結節性多発性動脈炎、自己免疫溶血性貧血、自己免疫肝炎、もしくは神経単位組織の炎症の治療または予防のための薬剤の製造に用いるための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
リウマチ関節炎、乾癬性関節炎、もしくは強直性脊椎炎の治療または予防のための薬剤の製造に用いるための、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
リウマチ関節炎の治療または予防のための薬剤の製造に用いるための、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
ZがOである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の使用。
【請求項11】
nが1である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の使用。
【請求項12】
が、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、またはt−ブチル基である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の使用。
【請求項13】
が−COであり、Rが−CHCHCOである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の使用。
【請求項14】
が、水素原子、メチル基、またはエチル基である、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
Bが、−CHNR−、−CHCHR−、または−CHO−である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の使用。
【請求項16】
Bが、−CHNR−である、請求項15に記載の使用。
【請求項17】
が、水素原子、メチル基、エチル基または−CHC≡CHである、請求項1〜16のいずれか1項に記載の使用。
【請求項18】
が、水素原子、メチル基、エチル基またはメトキシ基である、請求項1〜17のいずれか1項に記載の使用。
【請求項19】
Dが、5員の芳香環である、請求項1〜18のいずれか1項に記載の使用。
【請求項20】
Aが、
【化3】

である、請求項19に記載の使用。
【請求項21】
Cが:
【化4】

式中、XがCHもしくはNであり、かつ、
YがCであり、Rは水素原子、メチル基、エチル基、もしくはHCOである;
または、YがNであり、Rが不対電子対である、
である、請求項1〜20のいずれか1項に記載の使用。
【請求項22】
Aが、式A−iまたは式A−ii:
【化5】

である、請求項19に記載の使用。
【請求項23】
Aが、式A−i−1または式A−ii−1:
【化6】

である、請求項22に記載の使用。
【請求項24】
Bが、−CHNRであり;この際、Rが、水素原子、メチル基、エチル基、または−CHCH≡CHであり;ZがOであり;nが1であり;Rが−COである、請求項23に記載の使用。
【請求項25】
AがA−iであり、YがCであり、Rが水素原子である場合;または、AがA−iiであり、Rが−OHである場合、
Bは、−CHNR−、−CHCH−、−CHCHCH−、または−CHO−であり;この際、Rは、水素原子、メチル基、エチル基、または−CHCH≡CHであり;ZはOであり;nは1であり;Rは−COであり;Rは水素原子または−CHCHCOであり;この際、Rは、それぞれ独立して水素原子、メチル基、またはエチル基である、請求項23に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−518143(P2010−518143A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−549407(P2009−549407)
【出願日】平成20年2月13日(2008.2.13)
【国際出願番号】PCT/EP2008/051731
【国際公開番号】WO2008/098957
【国際公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(507087041)
【Fターム(参考)】