説明

自己免疫疾患の処置のための組成物および方法

自己免疫疾患に関連した1つまたは複数の病原性エピトープを含む自己ポリペプチドをコードしかつ発現する能力がある改変自己ベクターの投与を含む、自己免疫疾患の処置または予防のための改善された方法が開示される。本発明の改善された方法は、自己ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む1つまたは複数の改変自己ベクターの被験体への投与を含む。一つの局面において、方法は、非改変ベクターと比較して宿主細胞における自己免疫疾患に関連した自己ポリペプチドの発現の増加を可能にする改変自己ベクターを含む。相互に排他的ではない別の局面において、方法は、自己免疫疾患に関連した分泌性自己抗原が非分泌性自己ポリペプチドとしてコードされるのを可能にする改変自己ベクターを含む。



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【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)プロモーター;
(b)自己免疫疾患に関連した自己抗原性エピトープを含む自己ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;ならびに
(c)転写ターミネーターおよびポリアデニル化配列
を機能的に組み合わせて含む改変自己ベクターの有効量を被験体に投与する段階を含む、被験体における自己免疫疾患の処置方法であって、
改変自己ベクターが、非改変自己ベクターと比較して発現を増加させるための改変を含む、方法。
【請求項2】
発現の増加のための改変自己ベクターへの改変が、
(i)エンハンサー;
(ii)イントロン;または
(iii)コンセンサスコザック配列
の1つまたは複数の付加である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
改変自己ベクターにおけるプロモーターが、SV40もしくはヒトCMVのような病原性ウイルス、ウシMHC I、誘導性プロモーター、またはヒトクレアチンキナーゼからなる群より選択されるプロモーターである、請求項1記載の方法。
【請求項4】
エンハンサーが、αBクリスタリン遺伝子(cryB)エンハンサー、グロビン、エラスターゼ、アルブミン、もしくはインスリンのような哺乳動物遺伝子由来のエンハンサー、またはSV40もしくはCMV初期エンハンサーのような真核細胞ウイルス由来のエンハンサーからなる群より選択される、請求項2記載の方法。
【請求項5】
改変自己ベクターの転写ターミネーターおよびポリアデニル化配列がウシ成長ホルモンポリアデニル化シグナル配列である、請求項1記載の方法。
【請求項6】
イントロンが、ヒトCMV由来のイントロンA、SV40スモールtイントロン、SV40 VP1イントロン、自己ポリペプチドをコードする遺伝子由来の内因性イントロン、またはβ-グロビン/Igキメライントロンのようなキメライントロンからなる群より選択される、請求項2記載の方法。
【請求項7】
免疫調節配列の投与をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項8】
免疫調節配列が、
5'-プリン-ピリミジン-[X]-[Y]-ピリミジン-ピリミジン-3'および
5'-プリン-プリン-[X]-[Y]-ピリミジン-ピリミジン-3'
からなる群より選択され、XおよびYがシトシン-グアニンとはなり得ないことを除いて、XおよびYは任意の天然または合成のヌクレオチドである、請求項7記載の方法。
【請求項9】
改変自己ベクターが、約0.05mM〜約2Mの間の濃度のカルシウムと共に製剤化される、請求項1記載の方法。
【請求項10】
カルシウム濃度が約0.9mM〜約8.1mMの間である、請求項9記載の方法。
【請求項11】
カルシウム濃度が約0.9mM〜約5.4mMの間である、請求項10記載の方法。
【請求項12】
(a)プロモーター;
(b)自己免疫疾患に関連した自己抗原性エピトープを含む自己ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;ならびに
(c)転写ターミネーターおよびポリアデニル化配列;ならびに
(d)(i)エンハンサー;(ii)イントロン;または(iii)コンセンサスコザック配列の1つまたは複数
を含む高発現自己ベクター。
【請求項13】
プロモーターがヒトCMVである、請求項12記載の高発現自己ベクター。
【請求項14】
CMV初期エンハンサーをさらに含む、請求項13記載の高発現自己ベクター。
【請求項15】
転写ターミネーターが、ウシ成長ホルモンポリアデニル化シグナル配列であるポリアデニル化配列を含む、請求項12記載の高発現自己ベクター。
【請求項16】
コンセンサスコザック配列をさらに含む、請求項12記載の高発現自己ベクター。
【請求項17】
ヒトCMV由来のイントロンA、SV40スモールtイントロン、SV40 VP1イントロン、自己ポリペプチドをコードする遺伝子由来の内因性イントロン、またはβ-グロビン/Igキメライントロンのようなキメライントロンからなる群より選択されるイントロンをさらに含む、請求項12記載の高発現自己ベクター。
【請求項18】
CMV由来のイントロンAをさらに含む、請求項17記載の高発現自己ベクター。
【請求項19】
ポリヌクレオチドが、I型糖尿病に関連した自己抗原性エピトープを含む自己ポリペプチドをコードする、請求項18記載の高発現自己ベクター。
【請求項20】
ポリヌクレオチドがプロインスリンをコードする、請求項19記載の高発現自己ベクター。
【請求項21】
ポリヌクレオチドがヒトプロインスリンをコードする、請求項20記載の高発現自己ベクター。
【請求項22】
ポリヌクレオチドが、多発性硬化症に関連した自己抗原性エピトープを含む自己ポリペプチドをコードする、請求項18記載の高発現自己ベクター。
【請求項23】
ポリヌクレオチドがミエリン塩基性タンパク質をコードする、請求項22記載の高発現自己ベクター。
【請求項24】
ポリヌクレオチドがヒトミエリン塩基性タンパク質をコードする、請求項22記載の高発現自己ベクター。
【請求項25】
高発現自己ベクターが、約0.05mM〜約2Mの間の濃度のカルシウムと共に製剤化される、請求項12記載の高発現自己ベクター。
【請求項26】
高発現自己ベクターが、約0.9mM〜約8.1mMの間の濃度のカルシウムと共に製剤化される、請求項25記載の高発現自己ベクター。
【請求項27】
高発現自己ベクターが、約0.9mM〜約5.4mMの間の濃度のカルシウムと共に製剤化される、請求項25記載の高発現自己ベクター。
【請求項28】
(a)CMVプロモーターおよびCMV初期エンハンサー;
(b)自己免疫疾患に関連した自己抗原性エピトープを含む自己ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(c)ウシ成長ホルモンポリアデニル化シグナル配列および転写ターミネーター;
(d)コンセンサスコザック配列;ならびに
(e)β-グロビン/Igキメライントロン
を含む高発現自己ベクター。
【請求項29】
ポリヌクレオチドが、I型糖尿病に関連した自己抗原性エピトープを含む自己ポリペプチドをコードする、請求項28記載の高発現自己ベクター。
【請求項30】
ポリヌクレオチドがプロインスリンをコードする、請求項29記載の高発現自己ベクター。
【請求項31】
ポリヌクレオチドがヒトプロインスリンをコードする、請求項29記載の高発現自己ベクター。
【請求項32】
ポリヌクレオチドが、多発性硬化症に関連した自己抗原性エピトープを含む自己ポリペプチドをコードする、請求項28記載の高発現自己ベクター。
【請求項33】
ポリヌクレオチドがミエリン塩基性タンパク質をコードする、請求項32記載の高発現自己ベクター。
【請求項34】
ポリヌクレオチドがヒトミエリン塩基性タンパク質をコードする、請求項32記載の高発現自己ベクター。
【請求項35】
改変自己ベクターが、約0.05mM〜約2Mの間の濃度のカルシウムと共に製剤化される、請求項28記載の高発現自己ベクター。
【請求項36】
カルシウム濃度が約0.9mM〜約8.1mMの間である、請求項35記載の高発現自己ベクター。
【請求項37】
カルシウム濃度が約0.9mM〜約5.4mMの間である、請求項36記載の高発現自己ベクター。
【請求項38】
Th2サイトカインをコードする発現ベクターの投与をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項39】
Th2サイトカインがIL-4、IL-10、またはIL-13である、請求項1記載の方法。
【請求項40】
自己免疫疾患が、インスリン依存性糖尿病、多発性硬化症、関節リウマチ、自己免疫性ブドウ膜炎、原発性胆汁性肝硬変、重症筋無力症、シェーグレン症候群、尋常性天疱瘡、強皮症、悪性貧血、全身性エリテマトーデス、およびグレーブス病からなる群より選択される、請求項1記載の方法。
【請求項41】
(a)プロモーター;
(b)自己ポリペプチドの非分泌型または非膜結合型をコードするように改変されているポリヌクレオチドである、自己免疫疾患に関連した自己抗原性エピトープを含む自己ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;ならびに
(c)転写ターミネーターおよびポリアデニル化配列
を機能的に組み合わせて含む非分泌性自己ベクターの有効量を被験体に投与する段階を含む、被験体における自己免疫疾患の処置方法。
【請求項42】
非分泌性自己ベクターが、非改変自己ベクターと比較して発現を増加させるための改変をさらに含む、請求項41記載の方法。
【請求項43】
発現の増加のための非分泌性自己ベクターへの改変が、
(i)エンハンサーエレメント;
(ii)イントロン;または
(iii)コンセンサスコザック配列
の1つまたは複数の付加である、請求項42記載の方法。
【請求項44】
非分泌性自己ベクターにおけるプロモーターが、SV40もしくはヒトCMVのような病原性ウイルス、ウシMHC I、誘導性プロモーター、またはヒトクレアチンキナーゼからなる群より選択されるプロモーターである、請求項41記載の方法。
【請求項45】
エンハンサー領域が、αBクリスタリン遺伝子(cryB)エンハンサー、グロビン、エラスターゼ、アルブミン、もしくはインスリンのような哺乳動物遺伝子由来のエンハンサー、またはSV40もしくはCMV初期エンハンサーのような真核細胞ウイルス由来のエンハンサーからなる群より選択される、請求項41記載の方法。
【請求項46】
非分泌性自己ベクターの転写ターミネーターおよびポリアデニル化シグナル配列がウシ成長ホルモンポリアデニル化シグナル配列である、請求項41記載の方法。
【請求項47】
イントロンが、ヒトCMV由来のイントロンA、SV40スモールtイントロン、SV40 VP1イントロン、自己ポリペプチドをコードする遺伝子由来の内因性イントロン、またはβ-グロビン/Igキメライントロンのようなキメライントロンからなる群より選択される、請求項41記載の方法。
【請求項48】
改変自己ベクターが、約0.05mM〜約2Mの間の濃度のカルシウムと共に製剤化される、請求項41記載の方法。
【請求項49】
カルシウム濃度が約0.9mM〜約8.1mMの間である、請求項48記載の方法。
【請求項50】
カルシウム濃度が約0.9mM〜約5.4mMの間である、請求項49記載の方法。
【請求項51】
自己免疫疾患がI型糖尿病である、請求項41記載の方法。
【請求項52】
自己免疫疾患が多発性硬化症である、請求項41記載の方法。
【請求項53】
免疫調節配列の投与をさらに含む、請求項41記載の方法。
【請求項54】
免疫調節配列が、
5'-プリン-ピリミジン-[X]-[Y]-ピリミジン-ピリミジン-3'および
5'-プリン-プリン-[X]-[Y]-ピリミジン-ピリミジン-3'
からなる群より選択され、XおよびYがシトシン-グアニンとはなり得ないことを除いて、XおよびYは任意の天然または合成のヌクレオチドである、請求項53記載の方法。
【請求項55】
Th2サイトカインをコードする発現ベクターの投与をさらに含む、請求項41記載の方法。
【請求項56】
Th2サイトカインがIL-4、IL-10、またはIL-13である、請求項55記載の方法。
【請求項57】
自己免疫疾患が、インスリン依存性糖尿病、多発性硬化症、関節リウマチ、自己免疫性ブドウ膜炎、原発性胆汁性肝硬変、重症筋無力症、シェーグレン症候群、尋常性天疱瘡、強皮症、悪性貧血、全身性エリテマトーデス、およびグレーブス病からなる群より選択される、請求項41記載の方法。
【請求項58】
(a)プロモーター;
(b)自己ポリペプチドの非分泌型または非膜結合型をコードするように改変されているポリヌクレオチドである、自己免疫疾患に関連した自己抗原性エピトープを含む自己ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;ならびに
(c)転写ターミネーターおよびポリアデニル化配列
を含む非分泌性自己ベクター。
【請求項59】
(i)エンハンサー;
(ii)イントロン;または
(iii)コンセンサスコザック配列
の1つまたは複数をさらに含む、請求項58記載の非分泌性自己ベクター。
【請求項60】
CMV初期エンハンサーをさらに含む、請求項59記載の非分泌性自己ベクター。
【請求項61】
転写ターミネーターおよびポリアデニル化配列がウシ成長ホルモンポリアデニル化シグナル配列である、請求項58記載の非分泌性自己ベクター。
【請求項62】
ヒトCMV由来のイントロンA、SV40スモールtイントロン、SV40 VP1イントロン、自己ポリペプチドをコードする遺伝子由来の内因性イントロン、またはβ-グロビン/Igキメライントロンのようなキメライントロンからなる群より選択されるイントロンをさらに含む、請求項58記載の非分泌性自己ベクター。
【請求項63】
CMV由来のイントロンAをさらに含む、請求項58記載の非分泌性自己ベクター。
【請求項64】
I型糖尿病に関連した自己抗原性エピトープを含む自己ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが、自己ポリペプチドの非分泌型または非膜結合型をコードするように改変されている、請求項58記載の非分泌性自己ベクター。
【請求項65】
ポリヌクレオチドがプロインスリンをコードする、請求項64記載の非分泌性自己ベクター。
【請求項66】
ポリヌクレオチドがヒトプロインスリンをコードする、請求項64記載の非分泌性自己ベクター。
【請求項67】
多発性硬化症に関連した自己抗原性エピトープを含む自己ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが、自己ポリペプチドの非分泌型または非膜結合型をコードするように改変されている、請求項58記載の非分泌性自己ベクター。
【請求項68】
ポリヌクレオチドがミエリン塩基性タンパク質をコードする、請求項67記載の非分泌性自己ベクター。
【請求項69】
ポリヌクレオチドがヒトミエリン塩基性タンパク質をコードする、請求項67記載の非分泌性自己ベクター。
【請求項70】
改変自己ベクターが、約0.05mM〜約2Mの間の濃度のカルシウムと共に製剤化される、請求項58記載の非分泌性自己ベクター。
【請求項71】
カルシウム濃度が約0.9mM〜約8.1mMの間である、請求項70記載の非分泌性自己ベクター。
【請求項72】
カルシウム濃度が約0.9mM〜約5.4mMの間である、請求項71記載の非分泌性自己ベクター。
【請求項73】
(a)CMVプロモーターおよびCMV初期エンハンサー;
(b)自己ポリペプチドの非分泌型または非膜結合型をコードするように改変されているポリヌクレオチドである、自己免疫疾患に関連した自己抗原性エピトープを含む自己ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(c)ウシ成長ホルモンポリアデニル化シグナル配列および転写ターミネーター;
(d)コンセンサスコザック配列;ならびに
(e)β-グロビン/Igキメライントロン
を含む高発現非分泌性自己ベクター。
【請求項74】
I型糖尿病に関連した自己抗原性エピトープを含む自己ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが、自己ポリペプチドの非分泌型または非膜結合型をコードするように改変されている、請求項73記載の高発現非分泌性自己ベクター。
【請求項75】
ポリヌクレオチドがプロインスリンをコードする、請求項74記載の高発現非分泌性自己ベクター。
【請求項76】
ポリヌクレオチドがヒトプロインスリンをコードする、請求項74記載の高発現非分泌性自己ベクター。
【請求項77】
ヒトプロインスリンがSEQ ID NO:2に示されているとおりである、請求項76記載の高発現非分泌性自己ベクター。
【請求項78】
多発性硬化症に関連した自己抗原性エピトープを含む自己ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが、自己ポリペプチドの非分泌型または非膜結合型をコードするように改変されている、請求項73記載の高発現非分泌性自己ベクター。
【請求項79】
ポリヌクレオチドがミエリン塩基性タンパク質をコードする、請求項78記載の高発現非分泌性自己ベクター。
【請求項80】
ポリヌクレオチドがヒトミエリン塩基性タンパク質をコードする、請求項78記載の高発現非分泌性自己ベクター。
【請求項81】
改変自己ベクターが、約0.05mM〜約2Mの間の濃度のカルシウムと共に製剤化される、請求項73記載の高発現非分泌性自己ベクター。
【請求項82】
カルシウム濃度が約0.9mM〜約8.1mMの間である、請求項70記載の高発現非分泌性自己ベクター。
【請求項83】
カルシウム濃度が約0.9mM〜約5.4mMの間である、請求項71記載の高発現非分泌性自己ベクター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図12E】
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【図12F】
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【図12G】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2009−511014(P2009−511014A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−534644(P2008−534644)
【出願日】平成18年10月4日(2006.10.4)
【国際出願番号】PCT/US2006/038776
【国際公開番号】WO2007/044394
【国際公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(505423704)ベイヒル セラピューティクス インコーポレーティッド (4)
【Fターム(参考)】