説明

自己免疫疾患の検査方法及び自己免疫疾患の予防又は治療薬のスクリーニング方法

【課題】自己免疫疾患を予測するための検査方法、および自己免疫疾患の予防又は治療薬のスクリーニング方法を提供する。
【解決手段】CD244遺伝子上に存在する塩基の一塩基多型または該塩基と連鎖不平衡にある塩基の一塩基多型を分析し、該分析結果に基づいて自己免疫疾患を検査する。また、CD244の発現量を変化させる物質を選択することにより自己免疫疾患の予防又は治療薬のスクリーニングを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自己免疫疾患の検査方法及びそれに使用するプローブやプライマー、並びに自己免疫疾患を予防又は治療するための医薬のスクリーニング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
世界人口の0.5〜1%に影響を与える関節リウマチ(RA)は、自己免疫疾患であり、遺伝的素因はRAの罹患率において重要である。同定された最も決定的な関連遺伝子座はHLA−DRB遺伝子座であり、遺伝的要因の3分の1を占める。
RA感受性遺伝子を同定するために、94の症例と658の対照を用いて、遺伝子を基にした大規模な症例対照連関調査が実施された(非特許文献1〜3)。その結果、全長30,000,000塩基対以上に及ぶ、第1染色体上の複数のシグナルリンパ球活性化分子(SLAM)ファミリー遺伝子を含む領域において陽性シグナルが示された。この領域はまた、以前のRAと全身性エリテマトーデス(SLE)の連鎖解析研究のデータにおいても関連性が示されている(非特許文献4〜7)。
しかしながら、特定の遺伝子の同定には至っていない。
【0003】
CD244は、NK細胞の活性化、又は阻害分子として働くことが知られている。また、CD244はNK細胞のみならず、T細胞、単球、そして他のリンパ球でも発現していることが報告された(非特許文献8)。CD244は、T細胞活性化、サイトカイン分泌、細胞毒性、そしてクラスI主要組織適合複合体を介したNK細胞活性化の阻害を含む、免疫調節における幅広い役割を担っている(非特許文献9)。CD244やCD48に対するモノクローナル抗体(mAb)がNK細胞や単球におけるTNF合成を誘導することもまた報告されている(非特許文献10)。しかしながら、RAなどの自己免疫疾患に対するCD244の関連は明らかでない。
【非特許文献1】Suzuki, A. et al. Functional haplotypes of PADI4, encoding citrullinating enzyme peptidylarginine deiminase 4, are associated with rheumatoid arthritis. Nat Genet 34, 395-402 (2003).
【非特許文献2】Kochi, Y. et al. A functional variant in FCRL3, encoding Fc receptor-like 3, is associated with rheumatoid arthritis and several autoimmunities. Nat Genet 37, 478-85 (2005).
【非特許文献3】Tokuhiro, S. et al. An intronic SNP in a RUNX1 binding site of SLC22A4, encoding an organic cation transporter, is associated with rheumatoid arthritis. Nat Genet 35, 341-8 (2003).
【非特許文献4】Cornelis, F. et al. New susceptibility locus for rheumatoid arthritis suggested by a genome-wide linkage study. Proc Natl Acad Sci U S A 95, 10746-10750 (1998).
【非特許文献5】MacKay, K. et al. Whole-genome linkage analysis of rheumatoid arthritis susceptibility loci in 252 affected sibling pairs in the United Kingdom. Arthritis Rheum 46, 632-9 (2002).
【非特許文献6】Jawaheer, D. et al. A genomewide screen in multiplex rheumatoid arthritis families suggests genetic overlap with other autoimmune diseases. Am J Hum Genet 68, 927-36 (2001).
【非特許文献7】Scofield, R.H. et al. Thrombocytopenia identifies a severe familial phenotype of systemic lupus erythematosus and reveals genetic linkages at 1q22 and 11p13. Blood 101, 992-7 (2003).
【非特許文献8】Nakajima, H. & Colonna, M. 2B4: an NK cell activating receptor with unique specificity and signal transduction mechanism. Hum Immunol 61, 39-43 (2000).
【非特許文献9】French, A.R. & Yokoyama, W.M. Natural killer cells and autoimmunity. Arthritis Res Ther 6, 8-14 (2004).
【非特許文献10】Gonzalez-Alvaro, I. et al. Interleukin-15 and interferon-gamma participate in the cross-talk between natural killer and monocytic cells required for tumour necrosis factor production. Arthritis Res Ther 8, R88 (2006).
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、RAやSLEなどの自己免疫疾患の発症や進行を正確に予測するための検査方法を提供することを課題とする。本発明はまた、自己免疫疾患の予防薬又は治療薬のスクリーニング方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、SLAMファミリー遺伝子を含む38遺伝子を含む、1.1MbのLDセグメントに注目し、解析を行った。その結果、CD244遺伝子上に存在する塩基の一塩基多型または該塩基と連鎖不平衡にある塩基の一塩基多型がRAやSLEなどの自己免疫疾患に相関することを見出した。さらに、CD244遺伝子の発現を調節する化合物をスクリーニングすれば、自己免疫疾患の予防・治療薬が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)CD244遺伝子上に存在する塩基の一塩基多型または該塩基と連鎖不平衡にある塩基の一塩基多型を分析し、該分析結果に基づいて自己免疫疾患を検査する方法。
(2)前記一塩基多型が、配列番号1〜7のいずれかの塩基配列の塩基番号61番目の塩基に相当する塩基における多型である、(1)に記載の方法。
(3)自己免疫疾患が関節リウマチまたは全身性エリテマトーデスである、(1)または(2)に記載の方法。
(4)配列番号1〜7のいずれかの塩基配列において、塩基番号61番目の塩基を含む10塩基以上の配列、又はその相補配列を有する自己免疫疾患検査用プローブ。
(5)配列番号1〜7のいずれかの塩基配列において、塩基番号61番目の塩基を含む領域を増幅することのできる自己免疫疾患検査用プライマー。
(6)CD244遺伝子またはCD244遺伝子のプロモーターに連結されたレポーター遺伝子を発現する細胞に医薬候補物質を添加する工程、CD244遺伝子またはレポーター遺伝子の発現量を測定する工程、及び前記発現量を変化させる物質を選択する工程を含む、自己免疫疾患の予防薬又は治療薬をスクリーニングする方法。
(7)CD244遺伝子またはCD244遺伝子産物の発現量を測定する工程を含む、自己免疫疾患の検査方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明の検査方法により、RAやSLEなどの自己免疫疾患の発症リスクや進行を正確に予測することができるため、これらの自己免疫疾患を予防したり、進行を抑えたりすることができる。また、本発明のスクリーニング方法によれば、自己免疫疾患の新規な予防薬または治療薬を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
<1>本発明の検査方法
本発明の検査方法は、CD244遺伝子上に存在する塩基の一塩基多型(SNP;single nucleotide polymorphism)または該塩基と連鎖不平衡にある塩基の一塩基多型を分析し、該分
析に基づいて自己免疫疾患を検査する方法である。自己免疫疾患としては、例えば、関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどが挙げられる。なお、本発明において、「検査」とは将来、自己免疫疾患になるかどうかを予測するための検査、及び自己免疫疾患の程度が悪化するかどうかを予測するための検査を含む。
【0009】
CD244遺伝子としては、ヒトCD244遺伝子が好ましく、例えば、GenBank Accession No. NT_004487.18に登録された配列を有する遺伝子を挙げることができる。ただし、該遺伝子は人種の違いなどによって1又は複数の塩基に置換や欠失等が存在する可能性があるため、上記配列の遺伝子に限定されない。
CD244遺伝子上に存在する塩基の一塩基多型としては、CD244遺伝子のエクソンやイントロンに存在する塩基の一塩基多型だけでなく、CD244遺伝子の5’隣接領域や3’隣接領域に存在する塩基の一塩基多型も含まれる。
【0010】
自己免疫疾患に関連するCD244遺伝子の一塩基多型は特に制限されないが、例えば、以下に示す7種類のSNPsが挙げられる。
【0011】
【表1】

【0012】
表1において、例えば、cd244_68はGenBank Accession No. NT_004487.18の11294157番目の塩基におけるアデニン(A)/グアニン(G)の多型を意味し、この塩基がAである場合は自己免疫疾患になる確率が高い。また、アレルを考慮して解析した場合は、cd244_68がAA>AG>GGの順で自己免疫疾患になる確率が高い。dbSNPはNational Center for Biotechnology InformationのdbSNPデータベース(//www.ncbi.nlm.nih.gov/projects/SNP/)の登録番号を示す。
その他のSNPについても同様であるが、いずれについても左側の塩基が自己免疫疾患になりやすい塩基である(例えば、cd244_69、cd244_70、cd244_72の場合も、T/CのうちTの場合が自己免疫疾患になりやすく、cd244_71の場合、G/AのうちGの場合が自己免疫疾患になりやすく、cd244_73の場合、C/GのうちCの場合が自己免疫疾患になりやすく、cd244_75の場合、G/AのうちGの場合が自己免疫疾患になりやすい)。
なお、上記7種類のSNPsについて、SNP塩基及びその前後60bpの領域を含む合計121bpの長さの配列を、それぞれ配列番号1〜7に示した(なお、cd244_73は101bpのみ示した)。それぞれ61番目の塩基が多型を有する。
これらの塩基に相当する塩基を本発明の方法においては解析する。ここで、「相当する」とは、ヒトCD244遺伝子上の上記配列を有する領域中の該当塩基を意味し、仮に、人種の違いなどによって上記配列がSNP以外の位置で若干変化したとしても、その中の該当塩基を解析することも含む。
【0013】
上記SNPの塩基の種類を調べることによって、自己免疫疾患を検査することができる。検査するSNPの数は、一種類でもよいし、複数(ハプロタイプ解析)でもよい。なお
、cd244_68がAであれば他のSNPも左側の塩基(cd244_69=T、cd244_70=T、cd244_71=G、cd244_72=T、cd244_73=C、cd244_75=G)であるというように、上記SNPのタイプは互いに相関するため、一箇所のみを解析することによっても十分正確な自己免疫疾患の検査を行うことができる。なお、CD244遺伝子の配列はセンス鎖を解析してもよいし、アンチセンス鎖を解析してもよい。例えば、cd244_68の場合、センス鎖を解析する場合は多型はA/Gであるが、アンチセンス鎖を解析する場合は多型はT/Cとなる。後述の実施例では、cd244_68およびcd244_75についてはアンチセンス鎖を、cd244_70、cd244_72、cd244_73についてはセンス鎖を解析した。
また、本発明において解析する塩基は上記の7種類に限定されず、上記の塩基と連鎖不平衡にある塩基の多型を分析してもよい。ここで「上記の塩基と連鎖不平衡にある塩基」とは、上記の塩基とr2>0.5の関係を満たす塩基をいう。
【0014】
CD244遺伝子の一塩基多型の解析に用いる試料としては、染色体DNAを含む試料であれば特に制限されないが、例えば、血液、尿等の体液サンプル、細胞、毛髪等の体毛、爪などが挙げられる。一塩基多型の解析にはこれらの試料を直接使用することもできるが、これらの試料から染色体DNAを常法により単離し、これを用いて解析することが好ましい。
【0015】
CD244遺伝子の一塩基多型の解析は、通常の一塩基多型解析方法によって行うことができる。例えば、シークエンス解析、PCR、ハイブリダイゼーションなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
シークエンスは通常の方法により行うことができる。具体的には、多型を示す塩基の5’側 数十塩基の位置に設定したプライマーを使用してシークエンス反応を行い、その解析結果から、該当する位置がどの種類の塩基であるかを決定することができる。なお、シークエンスを行う場合、あらかじめ多型を含む断片をPCRなどによって増幅しておくことが好ましい。
【0017】
また、PCRによる増幅の有無を調べることによっても解析することができる。例えば、多型を示す塩基を含む領域に対応する配列を有し、かつ、各多型に対応するプライマーをそれぞれ用意する。それぞれのプライマーを使用してPCRを行い、増幅産物の有無によってどのタイプの多型であるかを決定することができる。
【0018】
また、多型を含むDNA断片を増幅し、増幅産物の電気泳動における移動度の違いによってどのタイプの多型であるかを決定することもできる。このような方法としては、例えば、PCR-SSCP(single−strand conformation polymorphism)法(Genomics. 1992 Jan 1; 12(1): 139−146.)が挙げられる。具体的には、まず、CD244遺伝子の多型部位を含むDNAを増幅し、増幅したDNAを一本鎖DNAに解離させる。次いで、解離させた一本鎖DNAを非変性ゲル上で分離し、分離した一本鎖DNAのゲル上での移動度の違いによってどのタイプの多型であるかを決定することができる。
【0019】
さらに、多型を示す塩基が制限酵素認識配列に含まれる場合は、制限酵素による切断の有無によって解析することもできる(RFLP法)。この場合、まず、DNA試料をPCRで増幅し、それを制限酵素により切断する。次いで、DNA断片を分離し、検出されたDNA断片の大きさによってどのタイプの多型であるかを決定することができる。
【0020】
ハイブリダイゼーションの有無を調べることによって多型の種類を解析することも可能である。すなわち、各塩基に対応するプローブを用意し、いずれのプローブにハイブリダイズするかを調べることによってSNPがいずれの塩基であるかを調べることもできる。
【0021】
<2>本発明の検査用試薬
本発明はまた、自己免疫疾患を検査するためのプライマーやプローブなどの検査試薬を提供する。このようなプローブとしては、CD244遺伝子における上記多型部位を含み、ハイブリダイズの有無によって多型部位の塩基の種類を判定できるプローブが挙げられる。具体的には、配列番号1〜7のいずれかの塩基配列の61番目の塩基を含む配列、又はその相補配列を有する10塩基以上の長さのプローブが挙げられる。プローブの長さはより好ましくは、15〜35塩基であり、さらに好ましくは20〜35塩基である。
また、プライマーとしては、CD244遺伝子における上記多型部位を増幅するためのPCRに用いることのできるプライマー、又は上記多型部位を配列解析(シークエンシング)するために用いることのできるプライマーが挙げられる。具体的には、配列番号1〜7のいずれかの塩基配列の61番目の塩基含む領域を増幅したりシークエンシングしたりすることのできるプライマーが挙げられる。このようなプライマーの長さは10〜50塩基が好ましく、15〜35塩基がより好ましく、20〜35塩基がさらに好ましい。
上記多型部位をシークエンシングするためのプライマーとしては、上記塩基の5’側領域、好ましくは30〜100塩基上流の配列を有するプライマーや、上記塩基の3’側領域、好ましくは30〜100塩基下流の領域に相補的な配列を有するプライマーが例示される。PCRによる増幅の有無で多型を判定するために用いるプライマーとしては、上記塩基を含む配列を有し、上記塩基を3’側に含むプライマーや、上記塩基を含む配列の相補配列を有し、上記塩基の相補塩基を3’側に含むプライマーなどが例示される。
なお、本発明の検査用試薬はこれらのプライマーやプローブに加えて、PCR用のポリメラーゼやバッファー、ハイブリダイゼーション用試薬などを含むものであってもよい。
【0022】
<3>スクリーニング方法
本発明者の研究により、CD244のSNPsはイントロンに存在しCD244の発現量に影響を与えること、およびCD244遺伝子の発現量が自己免疫疾患モデルで増加していることが示された。以上のことから、CD244遺伝子の発現を調節する物質、好ましくはCD244遺伝子の発現を低下させる物質をスクリーニングすることにより、自己免疫疾患の予防薬又は治療薬となりうる候補物質を得ることができる。
すなわち、本発明のスクリーニング方法は、CD244遺伝子またはCD244遺伝子のプロモーターに連結されたレポーター遺伝子を発現する細胞に医薬候補物質を添加する工程、CD244遺伝子またはレポーター遺伝子の発現量を測定する工程、及び前記発現量を変化させる物質を選択する工程を含む、自己免疫疾患またはその合併症の予防薬又は治療薬のスクリーニング方法である。
【0023】
CD244遺伝子を発現する細胞としては、免疫系の細胞が好ましく、Jurkat細胞などを用いることができる。
【0024】
CD244遺伝子のプロモーターに連結されたレポーター遺伝子を用いる場合、CD244遺伝子のプロモーターとしては、該遺伝子の転写開始点の上流約2kbpを含む領域が好ましく、上流約5kbpを含む領域がより好ましい。
レポーター遺伝子としては、ルシフェラーゼ遺伝子、GFP遺伝子、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子などが例示できる。これらのレポーター遺伝子をCD244遺伝子のプロモーターに連結し、これを哺乳類細胞に遺伝子を導入するために用いられるプラスミドに組み込み、リポフェクションなどの通常の方法にて細胞にトランスフェクションする。
上記のようなCD244遺伝子を発現する細胞、又はレポーター遺伝子が導入された細胞に医薬候補物質を添加し、CD244遺伝子またはレポーター遺伝子の発現量を測定する。
【0025】
医薬候補物質としては特に制限はなく、例えば、低分子合成化合物であってもよいし、
天然物に含まれる化合物であってもよい。また、ペプチドであってもよい。スクリーニングには個々の被検物質を用いてもよいが、これらの物質を含む化合物ライブラリーを用いてもよい。候補物質の中からCD244遺伝子又はレポーター遺伝子の発現量を変化させるものを選択することにより、自己免疫疾患薬の候補物質を得ることができる。なお、「変化」とは、医薬候補物質が、非添加時に比べて、CD244遺伝子の発現量を増加させること、および減少させることを含むが、好ましくは、CD244遺伝子の発現量を低下させることである。
【0026】
CD244遺伝子の発現量はRT−PCR、定量PCR、ノーザンブロット、ELISA、Western blotting、In situ hybridization、免疫組織染色などの方法により測定することができる。
レポーター遺伝子の発現量はレポーター遺伝子の種類にもよるが、蛍光強度などによって測定することができる。
CD244遺伝子またはレポーター遺伝子の発現量を変化させた物質を自己免疫疾患治療薬の候補物質として選択することができる。
【0027】
<発現量に基づく検査方法>
本発明はまた、CD244遺伝子またはCD244遺伝子産物の発現量を測定する工程を含む、自己免疫疾患の検査方法を提供する。CD244遺伝子またはCD244遺伝子産物の発現量が健常人などの対照と比べて増加している場合、自己免疫疾患に罹患している、または自己免疫疾患の危険性が高いと判定することができる。
CD244遺伝子の発現量は、RT−PCR、ノーザンブロット、マイクロアレイ法などで調べることができる。また、CD244遺伝子産物の発現量はELISA、ウエスタンブロットなどで調べることができる。CD244の配列としてはGenBank Accession No. NM_016382が例示され、この配列等を利用して発現解析用プライマーやプローブ、抗体などを設計または取得することができる。検査に用いる試料は血液サンプル、あるいは胸腺、脾臓、骨髄、リンパ節などから単離されたサンプルが挙げられる。
【実施例】
【0028】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0029】
方法
関節リウマチ患者と対照患者
RA患者の2つの独立した集団(n=830と1112)、RA患者ではない対照の2つの独立した集団(n=658と940)、そして全身性エリテマトーデス(SLE)患者の集団(n=188)は、ゲノムDNA及び/又は血清の収集のために、日本のいくつかの医療機関を通して集められた。全てのRAは、米国リウマチ学会(ACR)によるRAの改定基準に適合し、全てのSLE患者はSLEの1997ACR基準を満たした(Hochberg, M.C. Updating the American College of Rheumatology revised criteria for the classification of systemic lupus erythematosus. Arthritis Rheum 40, 1725 (1997))。830人のRA患者の平均年齢は64.3歳(年齢幅28−92歳)で、83.7%が女性であり、75%がRF陽性であった。一般人からの658人の対照サンプルは、平均年齢が48.6歳(年齢幅3−92歳)で57.4%は女性であった。インフォームドコンセントは、各被検者、又は未成年者の場合には親権を有する者から得られ、本研究は理化学研究所のSNPリサーチセンターの倫理委員会において承認された。
【0030】
SNP分析
DNA抽出、PCRプライマー及びPCR実験のためのデザイン、DNAシークエンス、SNPの発見、そしてSNPsの遺伝子型決定はすでに記載されている方法で行った(
Tokuhiro, S. et al. An intronic SNP in a RUNX1 binding site of SLC22A4, encoding
an organic cation transporter, is associated with rheumatoid arthritis. Nat Genet 35, 341-8 (2003))。
【0031】
電気泳動度シフトアッセイ(EMSAs)
核抽出物は、Jurkat E6−1から、細胞質を溶解後、20mMHEPES、20%グリセロール、500mM塩化ナトリウム、1.5mM塩化マグネシウム、0.2mMEDTA、1mMDTT、0.1%NP−40、そしてプロテアーゼインヒビターカクテル(ナカライテスク)を含む核溶解バッファーを用いて調製された。核抽出物を小分けして、使用するまで−80℃で保管した。ビオチン3'末端DNA標識キット(Pierce)により、各SNPを含む、ビオチン標識された二本鎖の31ヌクレオチドからなる合成ヌクレオチドプローブを使用した(rs6682654 および rs3766379:それぞれ配列番号7,5の塩基番号46〜76)。ビオチン標識プローブを、非特異的競合DNAとしてのポリ(dI−dC)1μgと室温で20分間プレインキュベートした後に、核抽出物とインキュベートした。そして結合反応混合物は、0.5倍TBEランニングバッファーを用いて、5%未変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分離された。競合試験のために、ビオチン標識プローブを添加する前に、未標識オリゴヌクレオチドプローブの100倍過剰量を、核抽出物とプレインキュベートした。スーパーシフトアッセイにおいて、核抽出物は、抗USF−1抗体(Santa−Cruz)又は非免疫ウサギ血清と共に反応混合液中でプレインキュベートされ、その後ビオチン標識プローブが添加された。DNA−タンパク質複合体は、Lightshift Chemiluminescent EMSA Kit(Pierce)により製品説明書に従って検出された(図1c、d)。
【0032】
ルシフェラーゼアッセイ
各SNPsを含む領域の31ヌクレオチド(rs6682654 および rs3766379:それぞれ配列番号7、5の塩基番号46〜76)を、pGLプロモーターベクター(Promega)のSV40プロモーター上流にクローニングすることで、ルシフェラーゼレポータープラスミドを構築した。アンチセンスオリゴヌクレオチドの3'末端にSacIサイトを導入して、SmaIとSacI制限酵素で切断されたpGLプロモーターベクターの中に挿入した。これらをJurkat細胞に導入して転写活性を評価した(図1a,b)。
また、哺乳類のセルラインにおけるタンパク質発現のために、USF−1(GenBank Accession No: NM_007122)のcDNAをpcDNA3.1/nV5−DEST(Invitrogen)の中に構築した。対照ベクターとして、pcDNA3.1/nV5−DESTに挿入されたLacZcDNA(Invitrogen)を用いた。上記ルシフェラーゼレポータープラスミド(rs6682654)をJurkat細胞に導入し、USF−1またはLacZを含むプラスミドを同時に加えて転写活性を評価した(図1e)。
【0033】
リアルタイムTaqManPCRを用いた対立遺伝子変異の発現の定量化
Health Science Research Resource Bank injapanから、EBV形質転換リンパ芽球セルラインを入手した。標的SNPとしてのcd244_75のヘテロ接合体である10セルラインから、ゲノムDNAとRNAを調製した。SNPジェノタイピングプローブを用いてTaqManアッセイにより対立遺伝子発現分析を行った。CD244の(FAM強度/VIC強度)のlog2を、標準化のためにヘテロ接合対照のシグナル強度によって補正し、6つの異なる比率のホモ接合DNAの混合物(FAM対立遺伝子/VIC対立遺伝子)に対してプロットした(図2)。そして、リアルタイムTaqManPCRにより、各個人からの各cDNA及びゲノムDNAの対立遺伝子比率を測定した。標準ラインに基づいて、cDNAとゲノムDNAの対立遺伝子比率を計算した。
【0034】
各SNPは、カイ2乗検定により、患者と対照の間における対立遺伝子頻度の相違を調
べるために試験された。2つの集団のデータが合わされ、同様に試験された。連鎖不均衡インデックスとしてΔとD’を計算し、マイクロソフトエクセルソフトウェアを用いて出力した。ハプロタイプの構築のためにHaploview3.2ソフトウェアを使用し、患者群と対照群におけるハプロタイプ頻度を評価した。SNPであるrs6682654とrs3766379に対するハプロタイプ関連性を計算するために、SNPHAPバージョン1.3を使用し、p値はSNPHAP(1000置換)において入手可能な置換を用いて多重測定のために補正した。SEと遺伝子型の関連性はStatistica(Statsoft)によるフィッシャーの正確確率検定により検定された。RFと遺伝子型の関連性はスチューデントt検定により検定した。
【0035】
結果
コンティグNT_004487に含まれる遺伝子群に分布する120のSNPsを使用した症例対照研究においてRA感受性のある位置を精査した。まず、ある集団(830人の罹患患者と658人の非罹患対照)を用いてSNPsの遺伝子型の発生頻度を比較した。その結果、SLAMファミリーのメンバーであるCD244遺伝子の中に、強く関連したSNPsを同定した。
CD244のSNPの1つであるcd244_72(rs3766379)は、RAと最も有意な関連性を示した(χ2=17.213、p=0.000033、odds比(OR)=1.37、95% 信頼区間(CI)=1.22−1.52、表2a)。
全体として、この領域に存在する5つのSNPsがRAと有意な関連性を示し(p<0.001、表2)、全てがCD244遺伝子の中に存在した。従って、RAとの関連性はCD244遺伝子そのものに由来するものと結論付けられた。
また、独立した日本人の第2母集団(1112のRA患者と940人の対照)の試験は、前記SNPsとRAの有意な関連性を再現した(表2b)。
上記二つの独立した試験の結果を組み合わせた場合でも、イントロン5におけるcd244−72(rs3766379)において最も有意な関連性を見出した(表2c:対立遺伝子頻度においてp=2.7×10-8)。
【0036】
【表2】

【0037】
次に、ルシフェラーゼアッセイと対立遺伝子特異的定量化によって、高い関連性(<0.001)を有するSNPsの機能を分析した。
cd244_75C又はcd244_72Tを含む対立遺伝子特異的なコンストラクトは、他の遺伝子型を含むコンストラクトよりも1.5から1.7倍高い転写活性を示し(図1a、b)、RA感受性の高い遺伝子型であるこれらのSNPはCD244の転写を増加させることが示唆された。
【0038】
次に、TRANSFACデータベースを使用して、これらのSNPsを含むオリゴヌクレオチド配列に結合すると予想される核由来の転写因子を探索した。その結果、cd244_75(C/T)とcd244_72(T/C)が上流転写因子1(USF−1)結合サイトとヒートショック転写因子(HSF)−1/HSF−2/早期成長応答(EGR)−2結合サイトの中に位置することを見出した。そこで、電気泳動移動度シフトアッセイ(EMSA)によって、感受性対立遺伝子と非感受性対立遺伝子の間で核タンパク質の結合の相違を試験した。Jurkat E6−1核抽出物の存在下で、RA感受性対立遺伝子(cd244_75Cとcd244_72T)のDNA−タンパク質複合体のシグナル強度は、RA非感受性対立遺伝子(cd244_75Tとcd244_72C)のそれと比較して高かった(図1c、d)。cd244_75のEMSAにおいては、前記DNA−タンパク質複合体のバンドは、USF−1に対する抗体の反応物への添加によって消失した。
【0039】
次に、USF−1の発現ベクターを、cd244_75を含むルシフェラーゼ構造遺伝子と共にJurkat E6−1細胞に導入した。その結果、USF−1の過剰発現はcd244_75によるルシフェラーゼ活性を有意に誘導した(P<0.01、スチューデントt検定、図1e)。一方、HSF−1、EGR−1及びEGR−2は、cd244_
72を含むDNA領域の転写増大との関連性は見出されなかった。これらのことから、RA感受性対立遺伝子にはUSF−1が結合し、CD244の発現が増加することが示唆された。
【0040】
次に、National Center for Biotechnology Information (NCBI)のGene expression omnibus(GEO)から公開データを入手し、国際HapMapプロジェクトからのサンプルの一部である、北京における41人の中国人と、東京における41人の日本人からの各遺伝子型を有するEBV形質転換ヒトリンパ球芽球様セルラインを使用して、cd244_75の多型を有するCD244の発現レベルを評価した。CD244の発現レベルはcd244_75C対立遺伝子の数と正の相関があった(R2=0.171、枝分かれ(nested)重回帰モデル、p=0.00005、F−検定、図2)。このことから、CD244に存在するこれらのSNPsがインビトロ、およびインビボで影響すると考えられた。
【0041】
続いて、完全な連鎖不均衡(D'=1)における二つの機能的SNPs(cd244_72T/Cとcd244_75C/T)を使用したハプロタイプ分析を試験した。両SNPsのRA感受性遺伝子型(cd244_72T、cd244_75C)は、両SNPsのRA非感受性遺伝子型(cd244_72C、cd244_75T)よりも高い相関を示した(表3)。ハプロタイプ相関が順列試験により評価されたが、その結果もまた、各SNPの相関よりも有意であった。この結果はcd244_72T/Cとcd244_75C/Tの両方がRAと相関しているという仮説を支持した。
【0042】
【表3】

a:95%信頼区間
【0043】
また、RAの臨床学的因子として、HLA−DRB1共通エピトープ(SE)またはリウマトイドファクター(RF)の力価と、CD244_72との相関を調べた(表4a、c)。CD244_72のRA感受性遺伝子型がホモ接合体である個体は、陽性分画率がそれぞれ58%(SEのヘテロ接合体)及び61%(SEではないホモ接合体)である他の二つの遺伝子型に比べてSEのホモ接合体に対してより陽性であった(66%)。
CD244のRA感受性ハプロタイプのホモ接合体を有する個体のRF力価もまた、他のCD244ハプロタイプよりも高かった。SEとRFに対する傾向は、フィッシャーの正確確率検定と、統計的有意性を伴うstudent t-testにより試験された(表4b、d;そ
れぞれp=0.018及びp=0.040)。
これらの結果より、CD244遺伝子の多型はRAの重篤度にも相関することが示唆された。
【0044】
【表4】

【0045】
RAの病理学的プロセスに対するCD244の関連性の調査するために、リアルタイムTaqman発現分析を使用して、コラーゲン誘導関節炎(CIA)マウス(OgawaY et al. The Journal of Rheumatology 28(5):950-955 (2001))からの組織における発現を評価した。15匹のCIAマウスと17匹の非免疫対照マウスから組織を入手し、マウスにおけるヒトCD244ホモログ遺伝子である、2B4遺伝子(GenBank Accession No. NM_018729)の遺伝子発現を比較した。その結果、脾臓(図3a)と胸腺(図3c)において、CIAマウスの2B4発現が対照マウスとよりも有意に高かった(それぞれp=0.017とp=0.032)。一方、NK細胞マーカーとしてCD56プローブを使用したが、CIAマウスと正常マウスの間でCD56の有意な差は検出できなかった。2B4発現はタイプIIコラーゲンによる関節炎の誘導に伴って増加し、NK細胞の増加には依存しないということが考えられた。
【0046】
マウス各組織におけるCD244遺伝子の発現をRT-PCRで調べた。その結果、CD244は脾臓、胸腺、リンパ節、骨髄、全血などで多く発現していることがわかった(図4a)。
また、CD244は、RA患者からの滑膜組織のsublining areaで発現していることもわかった(図4b)。
【0047】
以前の研究において、FCRL3及びSTAT4のようないくつかのRA関連遺伝子はまた、SLEとも相関していたことから、我々は、SLEの日本人集団(n=188)を使用して、RAと強く相関する5つのSNPsの遺伝子型(ハプロタイプ)を調べた。
その結果、これらのSNPsはSLEと有意な相関を示した(表5)。また、RAとSLEの混合サンプルは、cd244_72に対して7.6×10-9のp値を与えた。これらの結果から、CD244がこれらの自己免疫疾患の危険性を増加させ、CD244により影響される分子経路もまた、いくつかの自己免疫疾患で共通することが示唆された。
【0048】
【表5】

【0049】
結論
CD244における機能的SNPsが、RAに強い相関を示すことが明らかとなった。このことから、CD244がRAの進行における遺伝的因子の一つであると考えられる。さらに、これらのSNPsがインビトロ及びインビボでCD244の発現に影響を与え、CD244を増加させることを見出した。また、自己免疫疾患の1つであるSLEがCD244遺伝子と関連していることも見出され、CD244は自己免疫疾患における共通の遺伝的因子であると予想された。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】Jurkat E6-1細胞を用いたCD244遺伝子のSNPsの解析。a, bはrs6682654 (a) および rs3766379 (b)の各多型の転写増幅活性を示す。(−)は空ベクター(pGL3 promoter vector)を表す。c, dはrs6682654 (c) および rs3766379 (d)のEMSAの結果を示す。非標識プローブを競合因子として使用した。rs6682654 および rs3766379のRA感受性SNPsへの核因子の結合が観察された。(c) では、抗USF-1 抗体によってバンドが消失した。eはUSF-1の過剰発現によりrs6682654によるルシフェラーゼ活性がいずれのジェノタイプにおいても増加した。ルシフェラーゼの比活性は3回の実験の平均値±標準偏差で示した。*p<0.0001 (student t-test).
【図2】EBV形質転換ヒトリンパ球芽球様セルラインを使用した、cd244_75(rs6682654)アレルのCD244の発現レベルへの影響を示す。リアルタイムTaqManPCRを用いた対立遺伝子の発現の定量化を行った。その結果、rs6682654のCアレルはCD244の高発現と相関が見られた(T検定によるP値は0.00005)。
【図3】CIAマウスまたは正常マウスの脾臓(a, b)と胸腺(c, d)における、CD244マウスホモログ(2B4)の発現。2B4の発現を、脾臓および胸腺から単離されたトータルRNAを用い、定量リアルタイムTaqMan(商標)RT-PCRによって測定した。発現レベルは4回の実験の平均値±標準偏差で示した。
【図4】各組織におけるCD244の発現解析。(a) 定量リアルタイムTaqMan(商標)RT-PCRによって測定されたCD244の発現レベルを示す。GAPDHで標準化し、骨髄での発現レベルを1とし、相対的なレベルを示した。(b) RA患者の滑膜切片を抗CD244抗体で染色した結果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CD244遺伝子上に存在する塩基の一塩基多型または該塩基と連鎖不平衡にある塩基の一塩基多型を分析し、該分析結果に基づいて自己免疫疾患を検査する方法。
【請求項2】
前記一塩基多型が、配列番号1〜7のいずれかの塩基配列の塩基番号61番目の塩基に相当する塩基における多型である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
自己免疫疾患が関節リウマチまたは全身性エリテマトーデスである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
配列番号1〜7のいずれかの塩基配列において、塩基番号61番目の塩基を含む10塩基以上の配列、又はその相補配列を有する自己免疫疾患検査用プローブ。
【請求項5】
配列番号1〜7のいずれかの塩基配列において、塩基番号61番目の塩基を含む領域を増幅することのできる自己免疫疾患検査用プライマー。
【請求項6】
CD244遺伝子またはCD244遺伝子のプロモーターに連結されたレポーター遺伝子を発現する細胞に医薬候補物質を添加する工程、CD244遺伝子またはレポーター遺伝子の発現量を測定する工程、及び前記発現量を変化させる物質を選択する工程を含む、自己免疫疾患の予防薬又は治療薬をスクリーニングする方法。
【請求項7】
CD244遺伝子またはCD244遺伝子産物の発現量を測定する工程を含む、自己免疫疾患の検査方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2009−207448(P2009−207448A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−55462(P2008−55462)
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成19年度 文部科学省、科学技術試験研究「個人の遺伝情報に応じた医療の実現プロジェクト」産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(503359821)独立行政法人理化学研究所 (1,056)
【出願人】(508067851)有限責任中間法人徳洲会 (12)
【出願人】(899000057)学校法人日本大学 (650)
【出願人】(803000034)学校法人日本医科大学 (37)
【出願人】(506286928)地方独立行政法人 大阪府立病院機構 (13)
【Fターム(参考)】