説明

自己免疫疾患を処置するための、少なくとも1種のPKC阻害剤および少なくとも1種のJAK3キナーゼ阻害剤を含む医薬組合せ組成物

本発明は、少なくとも1種のPKC阻害剤、特にインドリルマレイミド誘導体、および少なくとも1種のJAK3キナーゼ阻害剤を含む医薬組合せ、ならびに、例えば、自己免疫疾患、例えば、I型糖尿病およびそれらと関連する障害、または移植拒絶反応を予防または処置するためのこのような組合せの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1種のPKC阻害剤、特にインドリルマレイミド誘導体、および少なくとも1種のJAK3キナーゼ阻害剤を含む医薬組合せ、ならびに、例えば、自己免疫疾患における、例えば、I型糖尿病およびそれらと関連する障害の予防または処置における、または移植におけるこのような組合せの使用に関する。
【0002】
本発明は、さらに少なくとも1種のPKC阻害剤および少なくとも1種のJAK3キナーゼ阻害剤を含む医薬組合せにおける、ならびに、例えば、自己免疫疾患、例えば、I型糖尿病およびそれらと関連する障害の予防または処置における、または移植における、このような組合せの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
臓器移植および自己免疫疾患患者に対する多数の処置選択肢があるにもかかわらず、有効なおよび安全な免疫抑制剤の要求および組合せ治療におけるそれらの優先使用の要求がまだある。
【発明の開示】
【0004】
今回、例えば、下記に定義されている少なくとも1種のPKC阻害剤およびJanusキナーゼ3(JAK3)キナーゼ阻害剤を含む組合せが、自己免疫疾患、例えばI型糖尿病およびそれらと関連する障害、または移植拒絶反応における有益な効果を有することを見いだした。
【0005】
本発明のPKC阻害剤はスタウロスポリン類似体またはマレイミド誘導体であってよい。例えば、それらは式I
【化1】

〔式中、Rpkは芳香族環、例えば芳香族ヘテロ環であり、所望により他の環、例えば他の芳香族環、所望により芳香族ヘテロ環に縮合しており;Rpkおよび該縮合環は所望により置換されていてもよく;そして環AおよびBは所望により置換されていてもよい〕
で示されるものである。
【0006】
適当なPKC阻害剤の例は、例えば:
−EP1337527A1およびEP1490355A1に記載されている化合物、例えば式II
【化2】

〔式中、
はH;C1−4アルキル;またはOH、NH、NHC1−4アルキルもしくはN(ジ−C1−4アルキル)により置換されているC1−4アルキルであり;
はH;またはC1−4アルキルであり;そして、
Rは式(a)、(b)、(c)、(d)、(e)または(f)
【化3】

{式中、
、R、R、R、R11およびR14のそれぞれはOH;SH;ヘテロ環式基;R16およびR17のそれぞれは、独立して、HまたはC1−4アルキルであるか、またはR16およびR17は結合している窒素原子と一緒にヘテロ環式基を形成するNR1617;または、式α
−X−R−Y (α)
(式中、Xは直接結合、O、SまたはNR18であり、ここでR18はHまたはC1−4アルキルであり、
はC1−4アルキレン、または、1個のCHは、RおよびRの一方がHであり、もう一方がCHであるか、RおよびRのそれぞれがCHであるか、またはRおよびRが一緒に−CH−CH−を形成するCRにより置換されているC1−4アルキレンであり、そして、
Yは末端炭素原子に結合しており、OH、ヘテロ環式基および−NR1920から選択され、ここでR19およびR20のそれぞれは独立して所望により末端炭素原子でOHにより置換されているH、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルキル−C1−4アルキル、アリール−C1−4アルキルまたはC1−4アルキルであるか、またはR19およびR20は結合している窒素原子と一緒にヘテロ環式基を形成する)
で示されるラジカルであり、
2、、R、R、R、R10、R12、R13、R15およびR’15のそれぞれは、独立して、H、ハロゲン、C1−4アルキル、CF、OH、SH、NH、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、NHC1−4アルキル、N(ジ−C1−4アルキル)またはCNであり;
Eは−N=であり、そしてGは−CH=であるか、またはEは−CH=であり、そしてGは−N=のいずれかである}
で示されるラジカルであり、
環Aは所望により置換されていてもよい〕
で示される化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物、
【0007】
−式(III)
【化4】

〔式中、
41は式(g)、(h)または(i)
【化5】

{式中、vおよびwのそれぞれは独立して1、2、3または4であり;
sは0、1、2または3であり;
tは1または2であり;
uは0または1であり;そして
412は水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アセチル、アリール、−CH(アリール)、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、グアニジノ、−C(=N(アルコキシカルボニル))NH(アルコキシカルボニル(alkyoxycarbonyl))、アミジノ、ヒドロキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニルまたはヘテロシクリルである}で示される基であり;
R’41は水素、C1−4アルキル、アミノアルキル、モノアルキルアミノアルキルまたはジアルキルアミノアルキルであり、
42およびR’42のそれぞれは、独立して、水素、アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、C−Cアルキルチオ、S(O)C−Cアルキル、CFであり;
43は水素またはCHCO−であり;そして、
44、R’44、R45、R’45、R46、R’46、R47およびR’47のそれぞれは、独立して、水素、ハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、−COO(C−Cアルキル)、CF、ニトロ、アミノ、アセチルアミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルチオ、C−Cアルキルチオ、またはS(O)C−Cアルキルである〕
で示される化合物、
またはそれらの薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物である。
【0008】
式(I)、(II)および(III)の化合物は当分野で既知のとおり、例えば、US6,645,970またはEP1490355A1(式IIの化合物に対して)、EP1490355A1(式IIの化合物に対して)、US5,545,636(式IIIの化合物に対して)に記載されているとおりに合成できる。
【0009】
本発明のPKC阻害剤はPKCのいくつかのアイソフォームを阻害でき、特にそれらは特定のPKCアイソフォームを選択的に阻害でき、すなわち選択的なPKC阻害剤、すなわちアイソザイム特異的なPKC阻害剤である。好ましくは、本発明のPKC阻害剤は既知のPKCアイソフォーム(α、β、β、γ)および新規のPKCアイソフォーム(ε、η、δ、θ)から選択され、より好ましくはα、β(βおよびβアイソフォーム)およびθPKCアイソフォームから選択されるPKCアイソフォームを選択的に阻害することができる。本発明の好ましいPKC阻害剤は選択的にPKCのα、β、および所望によりθアイソフォームを阻害することができる。
【0010】
例えば、本発明のPKC阻害剤は、1種またはそれ以上のPKCアイソフォーム、例えばPKCαまたはPKCα、βおよび所望によりθに対して、他のPKCアイソフォームの少なくとも20倍、例えば100、500、1000または2000倍の選択性を有し得る。
【0011】
本発明のPKC阻害剤のPKC阻害活性は同種混合リンパ球反応(MLR)アッセイで測定できる。MLRアッセイは、既知の方法、例えばEP1337527A1に記載されているとおりの、例えばマウスまたは(of)ヒトMLRアッセイにしたがって行うことができる(MLRアッセイに関する内容を出典明示により本明細書に包含させる)。
【0012】
好ましい態様において、本発明のPKC阻害剤は、上記アッセイにおいて、例えばαおよびβ、および所望によりθのPKCアイソフォームに対して、1μM以下、好ましくは10nM以下のIC50値を示す。
【0013】
式IIにおいて、すべてのアルキルまたは例えばアルコキシにおけるアルキル部分は、直鎖または分岐鎖であってよい。ハロゲンは、F、Cl、BrまたはI、好ましくはFまたはClであってよい。すべてのアリールは、フェニルまたはナフチル、好ましくはフェニルであってよい。
pk、R、R、R、R、R11、R14もしくはYの、または、各々、NR1617もしくはNR1920により形成されるヘテロ環式基は、所望により置換されている、1または2個の好ましくはN、OおよびSから選択されるヘテロ原子を含む3から8、好ましくは5から8員、飽和、不飽和または芳香族ヘテロ環式環を意味する。
【0014】
、R、R、R、R11、R14もしくはYの、または、各々、NR1617もしくはNR1920により形成されるヘテロ環式基の適当な例は、所望により置換されている、例えばモノもしくはポリ置換されている、例えばピリジル、例えば3−もしくは4−ピリジル、ピペリジル、例えばピペリジン−1−イル、3−もしくは4−ピペリジル、ホモピペリジル、ピペラジニル、例えば1−ピペラジニル、ホモピペラジニル、モルホリン−4−イル、イミダゾリル、イミダゾリジニル、ピロリルまたはピロリジニルを含む。
11のヘテロ環式基の適当な例は、例えば4,7−ジアザ−スピロ[2.5]オクタ−7−イルを含む。
【0015】
ヘテロ環式基が置換されているとき、これは1個またはそれ以上の環炭素原子、および/または、存在するとき環窒素原子上であり得る。環炭素原子上の置換基の例は、例えばC1−4アルキル、例えばCH;所望によりさらにC1−4アルキルにより置換されているC3−6シクロアルキル、例えばシクロプロピル;式
【化6】

〔式中、pは1、2または3、好ましくは1である〕で示される部分;CF;ハロゲン;OH;NH;−CH−NH;−CH−OH;ピペリジン−1−イル;またはピロリジニルを含む。環窒素原子上の置換基の例は、例えばC1−6アルキル;アシル、例えばR’−CO〔式中、R’は、所望によりC1−4アルキル、C1−4アルコキシまたはアミノにより置換されている、H、C1−6アルキルまたはフェニル、例えば、ホルミルである〕;C3−6シクロアルキル;C3−6シクロアルキル−C1−4アルキル;フェニル;フェニル−C1−4アルキル、例えばベンジル;例えば上記のとおりのヘテロ環式基、例えば1または2個の窒素原子を含む芳香族ヘテロ環式基;または式β
−R21−Y’ (β)
〔式中、R21はC1−4アルキレンまたはOにより中断されているC2−4アルキレンであり、そしてY’はOH、NH、NH(C1−4アルキル)またはN(C1−4アルキル)である〕で示される残基である。
【0016】
式IIにおいて、Oにより中断されているC2−4アルキレンは、例えば−CH−CH−O−CH−CH−であり得る。
式IIにおいて、環状窒素上の置換基がヘテロ環式基であるとき、それは1または2個の好ましくはN、OおよびSから選択されるヘテロ原子を含む5または6員飽和、不飽和または芳香族ヘテロ環式環であり得る。例は、例えば3−もしくは4−ピリジル、ピペリジル、例えばピペリジン−1−イル、3−もしくは4−ピペリジル、ホモピペリジル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ピリミジニル、モルホリン−4−イル、イミダゾリル、イミダゾリジニル、ピロリルまたはピロリジニルを含む。
式IIにおいて、Rが置換C1−4アルキルであるとき、該置換基は好ましくは末端炭素原子上である。
【0017】
環Aが置換されているとき、それはモノ−もしくはポリ置換、好ましくはモノ置換であり、該置換基(複数も可)は例えばハロゲン、OH、C1−4アルコキシ、例えばOCH、C1−4アルキル、例えばCH、NO、CF、NH、NHC1−4アルキル、N(ジ−C1−4アルキル)およびCNからなる群から選択され得る。例えば、環Aは式
【化7】

〔式中、
はH;C1−4アルキル;またはハロゲンであり;そして
はOH;NO;NH;NHC1−4アルキル;またはN(ジ−C1−4アルキル)である。
好ましくはRが1位であり;好ましくはRが3位である〕で示される残基であり得る。
がCRにより置換されているCHを有するとき、それは好ましくはYを担持するCHである。
【0018】
、R、R、R、R11、R14もしくはYの、または、各々、NR1617もしくはNR1920により形成されるヘテロ環式基の例は、例えば式(γ)
【化8】

〔式中、
環Dは5、6もしくは7員飽和、不飽和または芳香環であり;
は−N−、−C=または−CH−であり;
は−N=、−NR−、−CR’=または−CHR’−であり、ここで、Rは環窒素原子に対して上記の置換基であり、そしてR’は環炭素原子に対して上記の置換基であり;
とC間の結合は飽和または不飽和であり;
およびCのそれぞれは、独立して、所望により1または2個の環炭素原子に対して示されるものの中から選択される置換基により置換されている炭素原子であり;そして、
とX間およびCとX間のそれぞれの線は、5、6または7員環Dを得るために必要である炭素原子の数を示す〕
で示される残基を含む。
【0019】
式(γ)の好ましい残基は、環Dが所望により示されているとおりのC−および/またはN−置換されている1,4−ピペラジニル環を形成する1個である。
式(γ)の残基の代表例は、例えば3−もしくは4−ピリジル;ピペリジン−1−イル;1−N−(C1−4アルキル)−もしくは−(ω−ヒドロキシ−C1−4アルキル)−3−ピペリジル;モルホリン−4−イル;イミダゾリル;ピロリジニル;1−ピペラジニル;2−C1−4アルキル−もしくは−C3−6シクロアルキル−1−ピペラジニル;3−C1−4アルキル−もしくは−C3−6シクロアルキル−1−ピペラジニル;2,2−もしくは3,5−もしくは2,5−もしくは2,6−ジ(C1−4アルキル)−1−ピペラジニル;3,4,5−トリ−(C1−4アルキル)−1−ピペラジニル;4−N−(C1−4アルキル)−もしくは−(ω−ヒドロキシ−C1−4アルキル)−もしくは−(ω−ジメチルアミノ−C1−4アルキル)−1−ピペラジニル;4−N−ピリジン−4−イル−1−ピペラジニル;4−N−フェニル−もしくは−C3−6シクロアルキル−1−ピペラジニル;4−N−(C1−4アルキル)−もしくは−(ω−ヒドロキシ−C1−4アルキル)−3−C1−4アルキル−もしくは−3,3−ジ(C1−4アルキル)−1−ピペラジニル;4−N−(1−C1−4アルキル−C3−6シクロアルキル)−1−ピペラジニル;4−N−ホルミル−1−ピペラジニル;4−N−ピリミジン−2−イル−1−ピペラジニル;4,7−ジアザ−スピロ[2.5]オクタ−7−イルまたは4−N−C1−4アルキル−1−ホモピペラジニルである。
【0020】
式IおよびIIの化合物は、R、R、R、R、R11もしくはR14および/またはR2、、R、R、R、R10、R12、R13もしくはR15が酸付加塩を形成できる所望により置換されているアミノ基またはヘテロ環式基を含むとき、遊離形、または、例えば有機酸または無機酸、例えば、塩酸、酢酸との塩形、例えば付加塩形で存在し得る。
式I、式IIおよび式IIIの化合物が光学異性体、ラセミ化合物またはジアステレオ異性体の形態で存在できると理解すべきである。例えば、R、R、R、R、R11、R14もしくはYの、または、各々、NR1617もしくはNR1920により形成されるヘテロ環式基の置換基を担持する環炭素原子が不斉炭素原子であり、D−またはL−配置を有すこともある。本発明は、すべての光学異性体およびそれらの混合物を包含すると理解すべきである。同様の考え方を、述べている不斉炭素原子を示す出発物質にも適用する。
【0021】
式IIの化合物において、下記定義が、個別にまたはすべての部分的な組合せにおいて好ましい:
1.RはHまたはCHである;
2.RはHである;
3.環Aは非置換であるか;または7位がメチルにより置換されている;
4.NR1617により形成される好ましいヘテロ環式基は、例えば、所望により、例えばC1−4アルキル、ω−ヒドロキシ−C1−4アルキル、ω−ジメチルアミノ−C1−4アルキル、C5−6シクロアルキル、C1−4アルキル−C5−6シクロアルキル、1または2個の窒素原子を含む芳香族ヘテロ環式基、例えばピリジルまたはピリミジン−2−イル、または上記定義の式βの残基によりN置換されている、および/または所望により、例えば2、および/または3および/または5および/または6および/または2,2または3,3位が例えばCHにより、または、例えば2または3位が式
【化9】

で示される部分によりC置換されているピペラジン−1−イル;所望により、例えば4位がNH、−CH−NHまたはピペリジン−1−イルにより、または3位が、例えばOHまたはNHによりC置換されているピペリジン−1−イル;または所望により3位がOHまたはNHによりC置換されているピロリジニルである;
5.R18はHまたはCHである;
6.RはC1−4アルキレンまたは、末端CHがCR(RおよびRは一緒になって−CH−CH−を形成する)により置換されているC1−4アルキレンである;
7.XはOである;
8.式(α)の残基は−O−CH−CH−Yである;
【0022】
9.R19およびR20のそれぞれは、H、C1−4アルキル、例えばメチル、末端炭素原子がOHにより置換されているC1−4アルキル、例えば−CH−CH−OH、またはシクロプロピルである;
10.NR1920により形成される好ましいヘテロ環式基は、例えば所望によりC1−4アルキルまたは式βの残基によりN置換されているピペラジン−1−イル;ピペリジン−1−イル;1−(C1−4アルキル)−ピペリジン−3−イル;3−もしくは4−ピリジル;イミダゾリル;ピロリジニル;またはモルホリン−4−イルである;
11.R、R、R、R、R11またはR14のそれぞれは、独立して、1−N−メチル−ピペリジン−4−イル;4−メチル−ピペラジン−1−イル;4−メチル−1−ホモピペラジニル;4−(2−ヒドロキシエチル)−ピペラジン−1−イル;または−X’−C1、2または3−アルキレン−NR1920(ここで、X’は直接結合、OまたはNHである)である;
12.式(a)の残基において、RおよびRのそれぞれはHであるか、またはRおよびRの一方がHであり他方がF、Cl、CH、OH、OCHまたはCFである;
13.式(a)の残基において、RはOHである;
14.式(b)の残基において、RおよびRのそれぞれはHであるか、またはRおよびRの一方がHであり他方がF、Cl、CH、OCHまたはCFである;
15.式(b)の残基において、Rは式(α)の残基またはNR1617である;
16.式(d)の残基において、RおよびR10のそれぞれはHであるか、またはRおよびR10の一方がHであり他方がF、Cl、CH、OCHまたはCFである;好ましくはR10がHでありRが5、6、7または8位、好ましくは6位である;
【0023】
17.式(d)の残基において、RおよびR10のそれぞれはHであり、Rが所望により置換されているピペラジンであり、例えばRが4−メチル−ピペラジン−1−イルである;
18.式(e)の残基において、R12およびR13のそれぞれはHである;
19.式(e)の残基において、R12およびR13の一方がHであり他方がF、Cl、CH、OCHまたはCFである;
Eが−N=であり、そしてGが−CH=であるとき、好ましくはR13はHであり、そしてR12は6または7位である;
Eが−CH=であり、そしてGが−N=であるとき、好ましくはR13はHであり、そしてR12は7位である;
20.式(e)の残基において、R12およびR13のそれぞれはHである;Eは−CH=であり、そしてGは−N=である、R11は4,7−ジアザ−スピロ[2.5]オクタ−7−イル;または3位がメチルまたはエチルにより、所望により4位がメチルにより置換されているピペラジン−1−イルである、
21.式(f)の残基において、R15は、例えば5または6位において、H、CHまたはClである;
22.式(f)の残基において、R’15は、例えば5位において、HまたはCH、好ましくはHである;
23.Rは式(d)、(e)または(f)の残基である。
【0024】
式IIIの化合物において、下記定義が好ましい:
44、R’44、R45、R’45、R46、R’46、R47およびR’47のそれぞれは水素であり;
41
【化10】

〔式中、s’は0であり、そしてR’412は水素またはC1−4アルキルであるか;またはs’は1であり、そしてR’412はピリジル、好ましくは2−ピリジルである〕で示される化合物であり、そして、
41’はH;またはC1−4アルキルである。
【0025】
式IIの好ましい化合物は、遊離形または薬学的に許容される塩形、例えば酢酸塩形の3−(1.H.−インドル−3−イル)−4−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−キナゾリン−4−イル]−ピロール−2,5−ジオン(以下、化合物Aと称する)、3−(1.H.−インドル−3−イル)−4−[2−(ピペラジン−1−イル)−キナゾリン−4−イル]−ピロール−2,5−ジオン(以下、化合物Bと称する)、3−[3−(4,7−ジアザ−スピロ[2.5]オクタ−7−イル)−イソキノリン−1−イル]−4−(7−メチル−1H−インドル−3−イル)−ピロール−2,5−ジオン(化合物C)である。
式IIの好ましい化合物は、3−(1−メチル−1H−インドル−3−イル)−4−[1−{(1−ピリジン−2−イルメチル)−ピペリジン−4−イル}−1H−インドル−3−イル]−ピロール−2,5−ジオン(化合物D)、3−(1−メチル−1H−インドル−3−イル)−4−[1−(ピペリジン−4−イル)−1H−インドル−3−イル]−ピロール−2,5−ジオン(化合物E)、またはそれらの薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物である。
【0026】
JAK3はTおよびB細胞において主に発現している酵素であり、T細胞成長および機能において重要な役割を果たす。JAK3キナーゼ阻害剤は、下記アッセイにおいて例えば<5μM、好ましくは<1μM、より好ましくは<0.1μMのIC50値を有する化合物である:
CTL/LおよびHT−2細胞でのインターロイキン−2(IL−2)依存増殖アッセイ
IL−2依存マウスT細胞系CTL/LおよびHT−2を10%のFetal Clone I(HyClone)、50μMの2−メルカプトエタノール(31350-010)、50μg/mlのゲンタマイシン(Gibco 15750-037)、1mMのピルビン酸ナトリウム(Gibco 11360-039)、非必須アミノ酸(Gibco 11140-035;100x)および250U/mlのマウスIL−2(Genzyme基準にしたがって50’000U/mlのマウスIL−2を含むトランスフェクト細胞を含むX63−Ag8の上清)を補ったRPMI1640(Gibco 52400-025)中で培養する。培養物を週に2回、1:40に分ける。
使用前に、細胞をマウスIL−2を含まない培地で2回洗浄する。増殖アッセイを、50U/mlのマウスIL−2を含む培地中の試験化合物の適当な希釈物を含む平底96−ウェル組織培養プレート中で4000個のCTL/L細胞/ウェルまたは2500個のHT−2細胞/ウェルにおいて実施する。CTL/L培養を37℃で24時間インキュベートし、そしてHT−2培養を48時間インキュベートする。1μCi H−チミジンの添加およびさらに一晩インキュベーション後、細胞を繊維フィルター上に回収し、そして放射能分析でカウントする。
【0027】
ヒト末梢血単核細胞のインターロイキン−2依存増殖
ヒト末梢血単核細胞を未知のHLA型(Blutspendezentrum, Kantonsspital, Basel, Switzerland)を有するバフィーコートからFicollで単離する。細胞は使用するまで液体窒素中でクリオチューブ(Nunc)内で2×10細胞/ml(90%のFCS、10%のDMSO)を維持する。
細胞を、コースターのフラスコ中、Na−ピルビン酸(1mM;Gibco)、MEM非必須アミノ酸およびビタミン(Gibco)、2−メルカプトエタノール(50μM)、L−グルタミン(2mM)、ゲンタマイシンおよびペニシリン/ストレプトマイシン(100μg/ml;Gibco)、バクトアスパラギン(20□g/ml;Difco)、ヒトインスリン(5□g/ml;Sigma)、ヒトトランスフェリン(40□g/ml;Sigma)、選択されたウシ胎仔血清(10%、Hyclone Laboratories, Logan, UT)および100μg/mlのフィトヘマグルチニンを補ったRPMI1640(Gibco, Pacely, England)を含む培養培地中7×10細胞/mlの濃度で、4日間37℃で加湿CO(7%)インキュベーター中でインキュベートする。細胞を10%のFCSを含むRPMI1640培地で2回洗浄し、そして2時間インキュベートする。遠心後、細胞をインターロイキン−2(Chiron 200U/ml)を含む上記培養培地(フィトヘマグルチニンなし)に取り、試験化合物の適当な濃度の存在下で平底96−ウェル組織培養プレート(Costar #3596)中に5×10細胞/0.2mlの濃度でトリプリケートとして分配し、そして37℃で72時間インキュベートする。H−チミジン(1μCi/0.2ml)を培養の最後の16時間に加える。次に細胞を回収し、シンチレーションカウンターでカウントする。
【0028】
適当なJAK3キナーゼ阻害剤は、例えば下記を含む、
遊離形または薬学的に許容される塩形の、
−USP2003/0073719A1に記載されている化合物、例えば式IV
【化11】

〔式中、
2jおよびR3jのそれぞれは、独立して、H、アミノ、ハロゲン、OH、ニトロ、カルボキシ、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、CF、トリフルオロメトキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C3−6シクロアルキル(ここで、アルキル、アルコキシまたはシクロアルキル基は、所望により1から3個のハロゲン、OH、カルボキシ、アミノ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルアミノ、(C1−6アルキル)アミノ、C5−9ヘテロアリール、C2−9ヘテロシクロアルキル、C3−9シクロアルキルまたはC6−10アリールから選択される基により置換されている)からなる群から選択されるか;またはR2jおよびR3jのそれぞれは、独立して、C3−10シクロアルキル、C3−10シクロアルコキシ、C1−6アルキルアミノ、(C1−6アルキル)アミノ、C6−10アリールアミノ、C1−6アルキルチオ、C6−10アリールチオ、C1−6アルキルスルフィニル、C6−10アリールスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、C6−10アリールスルホニル、C1−6アシル、C1−6アルコキシ−CO−NH−、C1−6アルキルアミノ−CO−、C5−9ヘテロアリール、C2−9ヘテロシクロアルキルまたはC6−10アリール(ここで、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルおよびアリール基は、所望により1から3個のハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルキル−CO−NH−、C1−6アルコキシ−CO−NH−、C1−6アルキル−CO−NH−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ−CO−NHC1−6アルキル、C1−6アルコキシ−CO−NHC1−6アルコキシ、カルボキシ、カルボキシ−C1−6アルキル、カルボキシ−C1−6アルコキシ、ベンジルオキシカルボニル−C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシカルボニル−C1−6アルコキシ、C6−10アリール、アミノ、アミノC1−6アルキル、C2−7アルコキシカルボニルアミノ、C6−10アリール−C2−7アルコキシカルボニルアミノ、C1−6アルキルアミノ、(C1−6アルキル)アミノ、C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル、(C1−6アルキル)アミノ−C1−6アルキル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、カルボキシ、カルボキシ−C1−6アルキル、C2−7アルコキシカルボニル、C2−7アルコキシカルボニル−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ−CO−NH−、C1−6アルキル−CO−NH−、シアノ、C5−9ヘテロ−シクロアルキル、アミノ−CO−NH−、C1−6アルキルアミノ−CO−NH−、(C1−6アルキル)アミノ−CO−NH−、C6−10アリールアミノ−CO−NH−、C5−9ヘテロアリールアミノ−CO−NH−、C1−6アルキルアミノ−CO−NHC1−6アルキル、(C1−6アルキル)アミノ−CO−NHC1−6アルキル、C6−10アリールアミノ−CO−NHC1−6アルキル、C5−9ヘテロアリールアミノ−CO−−NHC1−6アルキル、C1−6アルキルスルホニル、C1−6アルキルスルホニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノC1−6アルキル、C6−10アリールスルホニル、C6−10アリールスルホニルアミノ、C6−10アリールスルホニルアミノ−C1−6アルキル、C1−6アルキルスルホニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ−C1−6アルキル、C5−9ヘテロアリールまたはC2−9ヘテロシクロアルキルにより置換されている)である〕で示される化合物;例えばメチル−[(3R,4R)−4−メチル−1−(プロパン−1−スルホニル)−ピペリジン−3−イル]−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−アミン;(3R,4R)−)−4−メチル−3−[メチル−(7H−ピロロ[2−,3−d]ピリミジン−4−イル)−アミノ]−ピペリジン−1−カルボン酸メチルエステル;3,3,3−トリフルオロ−1−{(3R,4R)−4−メチル−3−[メチル−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−アミノ]−ピペリジン−1−イル}−プロパン−1−オン;(3R,4R)−4−メチル−3−[メチル−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−アミノ]−ピペリジン−1−カルボン酸ジメチルアミド;{(3R,4R)−4−メチル−3−[メチル−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−アミノ]−ピペリジン−1−カルボニル}−アミノ)−酢酸エチルエステル;3−{(3R,4R)−4−メチル−3−[メチル−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−アミノ]−ピペリジン−1−イル}−3−オキソ−プロピオニトリル;3,3,3−トリフルオロ−1−{(3R,4R)−4−メチル−3−[メチル−(5−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−アミノ]−ピペリジン−1−イル}−プロパン−1−オン;1−{(3R,4R)−4−メチル−3−[メチル−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−アミノ]ピペリジン−1−イル}−ブタ−3−イニル−オン;1−{(3R,4R)−3−[(5−クロロ−7H−ピロール−o[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−メチル−アミノ]−4−メチル−ピペリジン−1−イル}−プロパン−1−オン;1−{(3R,4R)−3−[(5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−メチル−アミノ]−4−メチル−ピペリジン−1−イル}−プロパン−1−オン;(3R,4R)−N−シアノ−4−メチル−3−[メチル−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−アミノ]−N’−プロピル−ピペリジン−1−カルボキサミジン;または(3R,4R)−N−シアノ−4,N’,N’−トリメチル−3−[メチル−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−アミノ]−ピペリジン−1−カルボキサミジン;
【0029】
−WO01/042246に記載されている化合物、例えば式IVb
【化12】

で示されている化合物;
−WO02/092571に記載されている化合物、例えば式V
【化13】

〔式中、
Arはフェニル、テトラヒドロナフテニル、インドリル、ピラゾリル、ジヒドロインデニル、1−オキソ−2,3−ジヒドロインデニルまたはインダゾリルから選択され、これらそれぞれは、所望により1個またはそれ以上のハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1−8アルコキシ、CO8k、CONR9k10k、C1−8アルキル−O−C1−8アルキル、C1−8アルキル−NR8k−C1−8アルキル、C1−8アルキル−CONR−C1−8アルキル、C1−8アルキル−CONR9k10k、NR8kCOC1−8アルキル、C1−8チオアルキル、C1−8アルキル(それ自体は所望により1個またはそれ以上のOHまたはシアノまたはフッ素により置換されている)またはC1−8アルコキシから選択される基により置換されていてもよく;
はNR3kまたはOであり;nは0または1であり;
基はそれぞれ独立して水素またはC1−8アルキルであり;
1kおよびR2kのそれぞれは独立して、H、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1−8アルキル、C1−8アルコキシ、OH、アリール、Y(CR11k2pkNR4k5k、Y(CR11k2pkCONR4k5k(CR11k2pkCO6k、Y(CR11k2pkOR6k;Y(CR11k2pk6kから選択されるか;またはR1kおよびR2kは一緒になって−OCHO−または−OCHCHO−であり;
11kはそれぞれ独立して、H、C1−8アルキル、ヒドロキシまたはハロゲンであり;pは0、1、2、3、4または5であり;
3kはHまたはC1−8アルキルであり;
は酸素、CHまたはNR7kであり;
4kおよびR5kのそれぞれは独立して、H、C1−8アルキルであるか、またはR4kおよびR5kはそれらが結合している窒素原子と一緒に所望によりさらなるO、SまたはNR6kを含む4−から7−員飽和もしくは芳香族ヘテロ環式環系を形成するか、またはR4kおよびR5kの一方がHまたはC1−8アルキルであり、そして他方が所望によりさらなるO、SまたはN原子を含む5−もしくは6−員ヘテロ環式環系であり;
6kはH、C1−8アルキル、フェニルまたはベンジルであり;
7kはHまたはC1−8アルキルであり;
8kはHまたはC1−8アルキルであり;R9kおよびR10のそれぞれは独立して、水素またはC1−8アルキルである〕で示される化合物;
【0030】
−US2002/0055514A1に記載されている化合物、例えば式VI
【化14】

〔式中、
はNH、NR11o、S、O、CHまたはR11oCHであり;
11oはH、C1−4アルキルまたはC1−4アルカノイルであり;
1oからR8oのそれぞれは、独立して、H、ハロゲン、OH、メルカプト、アミノ、ニトロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシまたはC1−4アルキルチオであり;ここで、R1o−R5oの2つが結合しているフェニル環と一緒に所望により縮合環、例えば、ナフチルまたはテトラヒドロナフチル環を形成でき;そしてさらにR1o−R5oの2個の隣接した基により形成される環は所望により1、2、3または4個のハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、ニトロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシまたはC1−4アルキルチオにより置換されていてよい;ただし、少なくとも1個のR2o−R5oはOHであり、そして、
9oおよびR10oのそれぞれは独立して、H、ハロゲン、C1−4アルキル、C1−4アルコキシまたはC1−4アルカノイルであるか;またはR9oおよびR10oは一緒にメチレンジオキシである〕
で示される化合物;
【0031】
−WO04/052359に記載されている化合物、例えば式VII
【化15】

〔式中、nは1、2、3、4または5であり;
1pはH、CHまたはCHN(CHであり;そして
3pはCHN(CHである〕
で示される化合物。
【0032】
式IVからVIIの化合物は、遊離形もしくは塩形で存在できる。式IVからVIの化合物の薬学的に許容される塩の例は、無機酸との付加塩、例えば、塩酸塩、有機酸との塩、例えば、酢酸塩、クエン酸塩、または適当なとき、金属との塩、例えば、ナトリウム塩またはカリウム塩、アミンとの塩、例えば、トリエチルアミン塩および二塩基アミノ酸との塩、例えば、リシンとの塩を含む。
【0033】
式IVからVIIの化合物が分子内に1個またはそれ以上の不斉中心を有するとき、本発明は、様々な光学異性体、ならびにラセミ化合物、ジアステレオ異性体およびこれらの混合物を包含するものと理解されるべきである。式IVからVIIの化合物が二重結合を含むとき、該化合物はシスもしくはトランス配置またはそれらの混合物として存在できる。
【0034】
式IVにおいて、C6−10アリールはフェニルまたはナフチルである。C2−9ヘテロシクロアルキルは、例えばピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピラニル、チオピラニル、アジリジニル、オキシラニル、メチレンジオキシ、イソキサゾリジニル、1,3−オキサゾリジン−3−イル、イソチアゾリジニル、1,3−チアゾリジン−3−イル、1,2−ピラゾリジン−2−イル、1,3−ピラゾリジン−1−イル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニルなどであり得る。このような基はCまたはN原子により結合するであろう。C2−9ヘテロアリールは、例えばフリル、チエニル、チアゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル(isothizolyl)、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピロリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、ピラゾール[3,4−b]ピリジニル、キノリニル、プテリジニル、プリニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾフラニル、イソインドリル、インドリル、インドリジニル、インダゾリル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、ベンゾオキサジニルなどであり得る。このような基はCまたはN原子により結合するであろう。
【0035】
好ましいJAK3キナーゼ阻害剤は、例えば、N−ベンジル−3,4−ジヒドロキシ−ベンジリデン−シアノアセトアミドα−シアノ−(3,4−ジヒドロキシ)−]N−ベンジルシンナムアミド(チルホスチンAG490)、プロジギオシン25−C(PNU156804)、[4−(4’−ヒドロキシフェニル)−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン](WHI−P131)、[4−(3’−ブロモ−4’−ヒドロキシルフェニル)−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン](WHI−P154)、[4−(3’,5’−ジブロモ−4’−ヒドロキシルフェニル)−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン]WHI−P97、および、遊離形または薬学的に許容される塩形の、例えば、一クエン酸塩の3−{(3R,4R)−4−メチル−3−[メチル−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−アミノ]−ピペリジン−1−イル}−3−オキソ−プロピオニトリル、または遊離形または薬学的に許容される塩形の、例えば、一クエン酸塩の式IVbの化合物(CP−690,550とも呼ばれる)または式VIIの化合物を含む。
【0036】
特許出願が引用されたそれぞれの場合において、その化合物に関連する主題発明を、引用により本願の一部とする。同様に、それらの薬学的に許容される塩、対応するラセミ化合物、ジアステレオ異性体、光学異性体、互変異性体ならびに存在するとき上記化合物の対応する結晶変態、例えば溶媒和物、水和物および多形(これらはそれらの中に開示されている)を含む。本発明の組合せにおける活性成分として使用される化合物は、それぞれ、引用文献において記載されたように製造および投与され得る。また、2種またはそれ以上の別々の上記活性成分の組合せも本発明の範囲内である、すなわち、本発明の範囲内の医薬組合せは3種またはそれ以上の活性成分を含み得る。
【0037】
本発明の特定の発明にしたがって、下記を提供する、
1.a)少なくとも1種のPKC阻害剤、および、
b)少なくとも1種のJAK3キナーゼ阻害剤
を含む、医薬組合せ。
2.処置を必要とする対象の自己免疫疾患もしくは障害、または細胞、組織もしくは臓器移植片拒絶反応を処置または予防するための方法であって、治療有効量の少なくとも1種のPKC阻害剤および少なくとも1種のJAK3キナーゼ阻害剤、好ましくは例えば上記のとおりの少なくとも1種のJAK3キナーゼ阻害剤を、例えば、同時にまたは連続して、該対象へ共投与することを含む方法。
【0038】
自己免疫疾患の例は、例えばサルコイドーシス、類繊維肺(fibroid lung)、特発性間質性肺炎、閉塞性気道疾患、例えば、喘息、内因性喘息、外因性喘息、塵埃喘息、特に慢性または難治性喘息(例えば遅発性喘息および気道過敏性)、気管支炎、例えば、気管支喘息、小児喘息、アレルギー性リウマチ性関節炎、全身性エリテマトーデス、ネフローゼ症候群狼瘡、橋本甲状腺炎、多発性硬化症、重症筋無力症、I型糖尿病およびそれに関連する合併症、成人発症II型糖尿病、ブドウ膜炎、ネフローゼ症候群、ステロイド依存性およびステロイド−抵抗性ネフローゼ、掌蹠膿疱症、アレルギー性脳脊髄炎、糸球体腎炎、乾癬、乾癬性関節炎、アトピー性湿疹(アトピー性皮膚炎)、接触性皮膚炎およびさらなる湿疹様皮膚炎、脂漏性皮膚炎、扁平苔癬、天疱瘡、類天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、血管浮腫、脈管炎、紅斑、皮膚好酸球増加症、アクネ、円形脱毛症、好酸球性筋膜炎、アテローム性動脈硬化症、結膜炎、角結膜炎、角膜炎、春季結膜炎、ベーチェット病に関連するブドウ膜炎、ヘルペス性角膜炎、円錐性角膜、角膜内皮ジストロフィ、角膜白斑、眼球天疱瘡、ムーレン潰瘍、強膜炎、グレーブス眼症、重症眼球内炎症、粘膜もしくは血管の炎症、例えば、ロイコトリエンB4−介在疾患、胃潰瘍、虚血性疾患および血栓症に起因する血管損傷、虚血性腸疾患、炎症性腸疾患(例えばクローン病および潰瘍性大腸炎)、壊死性腸炎、腎臓疾患、例えば、間質性腎炎、グッドパスチャー症候群、溶血性尿毒症症候群および糖尿病性腎症、多発性筋炎、ギランバレー症候群、メニエール疾患および神経根障害から選択される神経疾患、膠原疾患、例えば、強皮症、ウェゲナー肉芽腫およびシェーグレン症候群、慢性自己免疫性肝臓疾患(自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変および硬化性胆管炎)、部分的肝臓切除、急性肝臓壊死(例えば毒素、ウイルス性肝炎、ショックもしくは無酸素に起因する壊死)、B型肝炎、非A/非B型肝炎および肝硬変、劇症肝炎、膿疱性乾癬、ベーチェット病、活動性慢性肝炎、エバンス症候群、花粉症、特発性上皮小体機能低下症、アジソン病、自己免疫性萎縮性胃炎、ルポイド肝炎、尿細管間質性腎炎、膜性腎症、筋萎縮性側索硬化症もしくはリウマチ熱を含む。
【0039】
移植拒絶反応なる用語は、例えば、膵島、幹細胞、骨髄、皮膚、筋肉、角膜組織、神経組織、心臓、肺、複合心臓−肺、腎臓、肝臓、腸、膵臓、気道または食道の細胞、組織または固形臓器の同種もしくは異種移植の急性または慢性拒絶反応、または移植片対宿主疾患を意味する。慢性拒絶反応は、また移植片血管疾患または移植片血管障害とも呼ばれる。
【0040】
3.例えば上記2)の下に定義されている方法において使用するための投与に対する指示書をさらに含んでもよいキットの形態における、上記1)の下に定義されている医薬組合せ。
4.上記2)の下に定義されている方法において使用するための薬剤の製造における使用のための上記1)の下に定義されている医薬組合せ。
【0041】
上記方法における本発明の有用性は、例えば下記の方法にしたがって動物試験方法ならびに臨床試験で証明できる。
【実施例】
【0042】
A.ラット心臓移植
使用した種の組み合わせ:オスのLewis(RTハプロタイプ)およびBN(RTハプロタイプ)。該動物は、吸入イソフルラン(isofluorane)を使用して麻酔する。同時に大動脈を介して放血しながら、腹部の腹側大静脈を介して、ドナーラットをヘパリン化した後に、胸を開き、そして心臓を急速に冷却する。大動脈を第一分岐の遠位で縛って分離し、そして腕頭動脈を第一分岐点で分離する。左肺動脈を縛って分離し、そして右側を分離するが、左側は開いたままである。他の全ての血管を自由に切開し、縛って分離し、そしてドナー心臓を冷塩水に取り出す。
【0043】
レシピエントは、下部−腎臓の腹部大動脈および大静脈の切開および交差−クランピングにより準備する。移植片は、ドナー腕頭動脈とレシピエント大動脈の間、およびレシピエント大静脈とドナー右肺動脈を、10/0単繊維縫合を用いて端側接合で移植する。クランプを取り除き、移植片を後腹部に繋ぎ、腹部内容物を温塩水で洗浄し、そして動物を閉じそして放置して、加熱灯のもとに回復させる。移植の生着率を、腹壁を介したドナー心臓鼓動の毎日の触診によりモニタリングする。心臓鼓動が停止したとき、完全な拒絶反応とみなす。移植の生着率の増加が、組合せのそれぞれの成分が経口的に0.1から50mg/kgの1日用量で投与される、本発明、例えば酢酸塩形態の例えば化合物Aおよび一クエン酸塩形態の化合物CP−690,550の組合せで処置される動物において得られる。したがって、1から30mg/kg/日の用量で投与する酢酸塩形態の化合物AおよびEC50(50%の動物が>28日間、移植片を維持する血液中の薬剤濃度)である60ng/mlで投与するCP−690,550一クエン酸塩は、移植の生着率が有意に増加する。
【0044】
B.組合せ処置
適当な臨床試験は、例えば乾癬または多発性硬化症を有する患者における、オープンラベル、用量漸増試験である。このような試験は特に本発明の組合せの活性成分の相乗作用を証明する。乾癬または多発性硬化症に対する有益な効果は、当業者に自体既知であるこれらの試験の結果を通して直接的に測定できる。このような試験は、特に、活性成分を使用する単剤療法の効果および本発明の組合せと比較するために適当である。好ましくは、最大許容用量に達するまで、薬剤(a)の用量を漸増し、そして薬剤(b)を固定用量で投与する。あるいは、薬剤(a)を固定用量で投与し、そして薬剤(b)の用量を漸増する。それぞれの患者は、毎日または断続的に、薬剤(a)の投与される。処置の効果は、このような試験において、6週間毎の症状スコアの評価により、例えば、12、18または24週間後に決定できる。
【0045】
あるいは、プラセボ対照、二重盲検試験を、例えば、臓器、組織または細胞、例えばランゲルハンス島細胞の移植拒絶反応における、本明細書に記載の本発明の組合せの利点を証明するために使用できる。
【0046】
本発明の医薬組合せの投与は、本発明の組合せで使用される薬学的に活性な成分単独のみで適用される単剤療法と比較して、例えば症状の緩和、進行の遅延または抑制に関する有益な効果、例えば相乗効果だけでなく、さらなる驚く有益な効果、例えば副作用の減少、生活の質の改善または死亡率の減少ももたらす。
【0047】
さらなる利点は、少ない用量の本発明の組合せの活性成分で使用でき、例えば、必要な用量が減少するだけでなく、頻度も減少させることができ、これが副作用の発生または重度を減少できることである。これは処置される患者の要望および要求に一致する。
【0048】
本明細書で使用される“共投与”または“組合せ投与”などの用語は、選択された治療剤を一人の患者に投与することを含み、薬剤が必ずしも同じ投与形路または同じ時間で投与されない処置レジメンを含むことを意味する。
【0049】
本発明の組合せを含む移植拒絶反応または自己免疫疾患またはそれらと関連する障害に対して共同で治療有効量を含む医薬組成物を提供することが本発明の目的の1つである。本組成物において、薬剤a)および薬剤(b)は1つの組合せ単位用量形態もしくは2つの個別的単位用量形態で一緒に投与するか、一方の後に他方を投与するか、または個別的に投与することが可能である。単位投与形態は、また、固定された組合せであってもよい。
【0050】
本発明の、薬剤a)および薬剤b)の個別的投与または固定された組合せ投与のための医薬組成物、すなわち少なくとも2種の組合せパートナーa)およびb)を含む単一のガレヌス組成物は、自体公知の方法で製造され、ヒトを含む哺乳動物(温血動物)への経腸、たとえば経口または経直腸、および非経腸投与に適したものであり、例えば上記のとおりの治療有効量の少なくとも1種の薬理学的に活性な組合せパートナーを、単独で、または1種またはそれ以上の薬学的に許容される担体または希釈剤、とりわけ経腸または非経腸投与に適したものと組み合わせて含む。
【0051】
適当な医薬組成物は、例えば、約0.1%から約99.9%、好ましくは約1%から約60%の活性成分(複数も可)を含む。経腸または非経腸投与用組合せ治療のための医薬調製物は、例えば、単位用量形態のもの、例えば、糖衣錠、錠剤、カプセル剤または坐剤、またはアンプル剤である。特記しない限り、これらは自体公知の方法、たとえば慣用的混合、造粒、シュガーコーティング、溶解または凍結乾燥プロセスにより製造される。必要な有効量は、複数の投与単位により達成するため、各投与のそれぞれの用量に含まれる組合せパートナーの単位含有量は、それ自体で有効な用量を形成する必要はないと理解すべきである。
【0052】
特に、治療有効量の本発明の組合せの個々の組合せパートナーは、同時にまたは連続してそして任意の順序で投与され得、そしてその構成成分は、個別的または固定された組合せとして投与され得る。例えば、本発明の移植拒絶反応または自己免疫疾患を予防または処置するための方法は、同時にまたは任意の順序で連続して、共同で治療有効量で、好ましくは相乗的有効量で、例えば本明細書に記載されている量に対応する投与量で毎日または断続的に、(i)遊離形または薬学的に許容される塩形の第1の薬剤a)を投与すること、および(ii)遊離形または薬学的に許容される塩形の薬剤b)を投与することを含み得る。本発明の組合せの個々の組合せパートナーは、治療過程の間の異なる時点で別々に、または分割もしくは単一の組合せ形態で同時に投与され得る。さらに、投与なる用語は、また、インビボでそれ自体組合せパートナーに変換される組合せパートナーのプロドラッグの使用を含む。本発明は、したがって、このような同時的または交互的処置のすべてレジメンを包含するものとして理解されるべきであり、“投与”なる用語は、そのように解釈されるべきである。
【0053】
本発明の組合せ剤において使用されるそれぞれの組合せパートナーの有効用量は、使用される特定の化合物または医薬組成物、投与様式、処置される状態、処置される状態の重症度に依存して変化し得る。したがって、本発明の組合せの投与レジメンは、投与経路ならびに患者の腎および肝機能を含む様々な要因にしたがって選択される。通常の知識を有する医師、臨床医または獣医師は、状態の進行を緩和、抑制、または阻止するために必要な単一の活性成分の有効量を容易に決定および処方できる。毒性なしに効力を生ずる範囲内の活性成分の濃度を達成する最適値を求めるために、標的部位に対する活性成分の利用能の動力学に基づくレジメンが必要である。
【0054】
薬剤a)またはb)の1日用量は、もちろん、さまざまな要因、例えば選択される化合物、処置される特定の状態および所望の効果に依存して変化する。しかしながら、一般に、満足な結果が、単回投与または分割投与として、約0.1から約100mg/kg/日の1日用量の割合で薬剤a)の投与により達成される。PKC阻害剤、例えば式IからIIIの化合物、例えば化合物A、B、C、DまたはEは、任意の慣用経路、特に経腸的に、例えば経口的に、例えば錠剤またはカプセルの形態で、または非経腸的に、例えば注射用溶液または懸濁液の形態で、局所的に、例えばローション、ゲル、軟膏またはクリーム、または経鼻または坐薬の形態により投与され得る。大型哺乳動物、例えばヒトの経口投与のために指示される1日用量は、都合良くは、例えば、1日に4回までの分割用量で、または遅延形で投与される、活性成分、例えば化合物A、B、C、DまたはEの約0.5mgから約2000mgの範囲である。
【0055】
薬剤b)、例えばCP−690,550または式XVIIの化合物は、0.5から1000mgの1日用量範囲でヒトに投与され得る。経口投与のための適当な単位用量形は、約0.1から500mgの活性成分を、1種またはそれ以上の薬学的に許容される希釈剤または担体と一緒に含む。
【0056】
本発明の医薬組合せの投与は、本発明の組合せで使用される薬学的に活性な成分単独のみで適用される単剤療法と比較して、有益な効果、例えば相乗治療効果、例えば移植患者の移植拒絶反応の抑制または自己免疫性障害の進行の遅延または抑制に関する有益な効果、例えば相乗効果だけでなく、さらなる驚く有益な効果、例えば副作用の減少、生活の質の改善または死亡率の減少ももたらす。
さらなる利点は、少ない用量の本発明の組合せの活性成分で使用でき、例えば、必要な用量が減少するだけでなく、頻度も減少させることができ、これが副作用の発生を減少できることである。これは処置される患者の要望および要求に一致する。
【0057】
好ましい組合せは化合物A、B、C、DまたはE、好ましくは化合物A、さらに好ましくは酢酸塩形態の化合物AとCP−690,555一クエン酸塩の組合せである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)少なくとも1種のPKC阻害剤、および、
b)少なくとも1種のJAK3キナーゼ阻害剤
を含む、医薬組合せ。
【請求項2】
薬剤a)が本明細書に記載されている式IおよびIIの化合物、その薬学的に許容される塩または水和物、本明細書に記載されている式IIIの化合物、その薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物から選択されるPKC阻害剤である、請求項1に記載の医薬組合せ。
【請求項3】
薬剤b)がCTL/LおよびHT−2細胞でのIL−2依存増殖アッセイならびにヒト末梢血単核細胞でのIL−2依存増殖アッセイにおいて、IC50値<5μMを有するJAK3キナーゼ阻害剤である、請求項1または2に記載の医薬組合せ。
【請求項4】
薬剤b)が本明細書に記載されている式IVからVIIの化合物、またはその薬学的に許容される塩から選択される、請求項1に記載の医薬組合せ。
【請求項5】
薬剤a)が遊離形もしくは薬学的に許容される塩形もしくは水和物形態の、3−(1.H.−インドル−3−イル)−4−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−キナゾリン−4−イル]−ピロール−2,5−ジオン;3−(1.H.−インドル−3−イル)−4−[2−(ピペラジン−1−イル)−キナゾリン−4−イル]−ピロール−2,5−ジオン;または3−[3−(4,7−ジアザ−スピロ[2.5]オクタ−7−イル)−イソキノリン−1−イル]−4−(7−メチル−1H−インドル−3−イル)−ピロール−2,5−ジオン;3−(1−メチル−1H−インドル−3−イル)−4−[1−{(1−ピリジン−2−イルメチル)−ピペリジン−4−イル}−1H−インドル−3−イル]−ピロール−2,5−ジオンもしくは3−(1−メチル−1H−インドル−3−イル)−4−[1−(ピペリジン−4−イル)−1H−インドル−3−イル]−ピロール−2,5−ジオン、またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物であり;ここで、好ましくは薬剤a)が3−(1.H.−インドル−3−イル)−4−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−キナゾリン−4−イル]−ピロール−2,5−ジオンの酢酸塩である、請求項1に記載の医薬組合せ。
【請求項6】
JAK3キナーゼ阻害剤b)が遊離形または薬学的に許容される塩形の3−{(3R,4R)−4−メチル−3−[メチル−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−アミノ]−ピペリジン−1−イル}−3−オキソ−プロピノニトリルまたは請求項5で定義されている式XVIIの化合物である、請求項1または5に記載の医薬組合せ。
【請求項7】
JAK3キナーゼ阻害剤b)が遊離形または薬学的に許容される塩形のCP−690,550である、請求項1または5に記載の医薬組合せ。
【請求項8】
自己免疫疾患もしくは障害、または細胞、組織もしくは臓器移植片拒絶反応を処置または予防するための方法において使用するための、請求項1に記載の医薬組合せ。
【請求項9】
自己免疫疾患もしくは障害、または細胞、組織もしくは臓器片移植拒絶反応を処置または予防するための薬剤またはキットの製造において使用するための、請求項1に記載の医薬組合せ。
【請求項10】
処置を必要とする対象の自己免疫疾患もしくは障害、または細胞、組織もしくは臓器片移植拒絶反応を処置または予防するための方法であって、治療有効量の少なくとも1種のPKC阻害剤および少なくとも1種のJAK3キナーゼ阻害剤を、例えば、同時にまたは連続して、該対象へ共投与することを含む方法。

【公表番号】特表2009−530331(P2009−530331A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−500756(P2009−500756)
【出願日】平成19年3月19日(2007.3.19)
【国際出願番号】PCT/EP2007/002416
【国際公開番号】WO2007/107318
【国際公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】