説明

自己換気をする被験者における肺コンプライアンスを定量化するシステム及び方法

少なくとも部分的に自己換気をしている被験者の肺コンプライアンスが決定される。肺コンプライアンスの定量化は、推定、測定、及び/又はおよその測定であってよい。その肺コンプライアンスの定量化は、努力ベルト又は横隔膜筋圧を直接測定する他の外部の検出装置無しで、且つ被験者が手動で横隔膜筋圧を手動で制御する必要が無く、肺コンプライアンスが比較的正確に定量化される点において、自己換気をしている被験者の肺コンプライアンスを定量化するための従来の技術及び/又はシステムよりも強化されている。肺コンプライアンスの定量化は、被験者の健康を評価するのに役立つツールであり、急性うっ血性心不全を発達させることに関連する体液貯留の検出を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自己換気をする被験者における肺コンプライアンスの定量化に関する。
【背景技術】
【0002】
被験者において肺コンプライアンスを定量化(例えば、測定、推定など)するためのシステムは周知である。そのようなシステムは、被験者に完全に人工呼吸をするように構成された換気システムを含む。これらのシステムは、例えば、自己換気が不可能な被験者に実施される。
【0003】
自己換気をする被験者における肺コンプライアンスの定量化は、呼吸中の横隔膜筋圧力に部分的に依存する。そのように、自己換気をしている被験者における肺コンプライアンスを定量化するように構成されたいくつかのシステムは、努力ベルト(effort belt)又は横隔膜筋圧力の直接的な測定を提供するいくつかの他のセンサーの実装を必要とする。自己換気をする被験者において肺コンプライアンスを定量化するように構成された他のシステムでは、その被験者が、手動で横隔膜筋圧力を制御するように案内及び/又は指導される必要がある。しかし、これは、通常、その被験者及び/又は医師が、特別な手順の実施を必要とし、それは、正確に実施されない場合、肺コンプライアンスの推定の正確さ及び/又は精度に負の影響を与える可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6,105,575号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の1つの態様は、少なくとも部分的に自己換気をしている被験者の肺コンプライアンスを定量化するように構成されたシステムに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの実施形態において、そのシステムは、圧補助装置、1つ以上のセンサー及び1つ以上のプロセッサを含む。その圧補助装置は、少なくとも部分的に自己換気をしている被験者の気道に供給される呼吸可能なガスの加圧流を生成するように構成されている。その1つ以上のセンサーは、その呼吸可能なガスの加圧流の1つ以上のパラメータに関する情報を伝える1つ以上の出力信号を生成するように構成されている。1つ以上のプロセッサは、その圧補助装置及び1つ以上のセンサーに操作可能なようにつながっており、1つ以上のコンピュータ・プログラム・モジュールを実行するように構成されている。その1つ以上のコンピュータ・プログラム・モジュールは、制御モジュール、圧力モジュール、推移モジュール、及びコンプライアンス・モジュールを含む。制御モジュールは、その被験者の一式の連続的な呼吸の間において呼吸可能なガスの加圧流の圧力を調整するために、その圧補助装置を制御するように構成されている。圧力モジュールは、その一式の連続的な呼吸の間に、第1吸入に対して圧力が第1圧力に調整され、その第1吸入に時間が近い第2吸入に対して第1圧力とは異なる第2圧力に調整されるように、その呼吸可能なガスの加圧流の圧力が制御モジュールによってどの圧力に調整されるべきかを決定する。推移モジュールは、第1吸入の第1推移ポイント及び第2吸入の第2推移ポイントを、その1つ以上のセンサーによって生成される1つ以上の出力信号に基づいて識別するように構成され、その第1推移ポイントは、その呼吸可能なガスの加圧流のピークの流れがその第1吸入の間に起こる時点において又はその近くで識別され、第2推移ポイントは、その呼吸可能なガスの加圧流のピークの流れが第2吸入の間に起こる時点において又はその近くで識別される。コンプライアンス・モジュールは、第1圧力と第2圧力との間の差及び1つ以上のセンサーによって第1吸入及び第2吸入中に生成される1つ以上の出力信号に基づいて、その被験者の肺コンプライアンスを定量化するように構成され、肺コンプライアンスを定量化する目的で、そのコンプライアンス・モジュールは、その第1吸入が第1推移ポイントで開始し、第2吸入は第2推移ポイントで開始したと見なす。
【0007】
本発明の他の態様は、少なくとも部分的に自己換気をしている被験者の肺コンプライアンスを定量化する方法に関する。1つの実施形態において、その方法は、少なくとも部分的に自己換気している被験者の気道に呼吸可能なガスの加圧流を供給するステップ;その呼吸可能なガスの加圧流の1つ以上のパラメータに関する情報を伝える1つ以上の出力信号を生成するステップ;その呼吸可能なガスの加圧流が、その被験者の一式の連続的な呼吸の間にどの圧力に調整されるべきかを決定するステップであり、第1吸入に対して第1圧力を決定し、その第1吸入に時間が近い第2吸入に対して第1圧力とは異なる第2圧力を決定するステップを含む、ステップ;その呼吸可能なガスの加圧流の圧力を、その決定された一式の連続的な呼吸の間の圧力に調整するステップ;第1推移ポイントを、1つ以上の出力信号に基づいて、その呼吸可能なガスの加圧流のピークの流れが第1吸入の間に起こる時点において又はその近くで識別するステップ;第2推移ポイントを、1つ以上の出力信号に基づいて、その呼吸可能なガスの加圧流のピークの流れが第2吸入の間に起こる時点において、識別するステップ;及び、第1圧力と第2圧力との間の差及び第1吸入中及び第2吸入中に生成された1つ以上の出力信号に基づいて被験者の肺コンプライアンスを定量化するステップであり、肺コンプライアンスを定量化する目的で、その第1吸入は第1推移ポイントで開始し、第2吸入は第2推移ポイントで開始したと見なされる、ステップ、を含む。
【0008】
本発明の他の態様は、少なくとも部分的に自己換気している被験者の肺コンプライアンスを定量化するように構成されたシステムに関する。1つの実施形態において、そのシステムは、少なくとも部分的に自己換気をしている被験者の気道へ呼吸可能なガスの加圧流を供給する手段;その呼吸可能なガスの加圧流の1つ以上のパラメータに関する情報を伝える1つ以上の出力信号を生成する手段;その呼吸可能なガスの加圧流が、その被験者の一式の連続的な呼吸の間にどの圧力に調整されるべきかを決定する手段であり、第1吸入に対して第1圧力を決定し、その第1吸入に時間が近い第2吸入に対して第1圧力とは異なる第2圧力を決定する手段を含む、手段;その呼吸可能なガスの加圧流の圧力を、その決定された一式の連続的な呼吸の間の圧力に調整する手段;1つ以上の出力信号に基づいて、第1推移ポイントを、その呼吸可能なガスの加圧流のピークの流れが、第1吸入の間に起こる時点において又はその近くで識別する手段;1つ以上の出力信号に基づいて、第2推移ポイントを、その呼吸可能なガスの加圧流のピークの流れが、第2吸入の間に起こる時点において識別する手段;及び、第1圧力と第2圧力との間の差及び第1吸入中及び第2吸入中に生成された1つ以上の出力信号に基づいて被験者の肺コンプライアンスを定量化する手段であり、肺コンプライアンスを定量化する目的で、その第1吸入は第1推移ポイントで開始し、第2吸入は第2推移ポイントで開始したと見なされる、手段、を含む。
【0009】
本発明のこれら及び他の目的、特性及び特徴、及び操作の方法及び関連する構造の要素の機能及び製造の部品と経済との組み合わせは、以下の記載及び添付の請求項を付属の図表を参照して考慮した上で明らかになるであろう。それらの図表の全ては、本明細書の一部分を形成し、類似の参照符号は、様々な図において対応する部分を指定する。しかし、明らかに当然のことながら、それらの図表は、説明及び記載だけを目的とし、本発明の限定の定義を目的としていない。本明細書及び請求項に使用されているように、単数を表わす表現及び「前記」は、その内容が、明確にそうでない場合を示さない限りは、複数の指示対象を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の1つ以上の実施形態に従って、少なくとも部分的に自己換気をしている被験者の肺コンプライアンスを定量化するように構成されたシステムを示す図である。
【図2】本発明の1つ以上の実施形態に従って、呼吸可能なガスの加圧流の圧力の時間に対するプロットを示すグラフである。
【図3A】本発明の1つ以上の実施形態に従って、吸入中の体積差の時間に対するプロットを示すグラフである。
【図3B】本発明の1つ以上の実施形態に従って、吸入中の流れの差の時間に対するプロットを示すグラフである。
【図3C】本発明の1つ以上の実施形態に従って、吸入中の圧力差の時間に対するプロットを示すグラフである。
【図4】本発明の1つ以上の実施形態に従って、肺換気装置回路の概略図を示す図である。
【図5】本発明の1つ以上の実施形態に従って、吸入中の体積差の時間に対するプロットを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0011】
図1は、少なくとも部分的に自己換気をしている被験者12の肺コンプライアンスを定量化するように構成されたシステム10を示す。肺コンプライアンスの定量化は、推定、測定、及び/又はおよその測定であってよい。そのシステム10による肺コンプライアンスの定量化は、システム10が努力ベルト又は横隔膜筋圧力を直接測定する他の外部の検出装置無しで比較的正確に肺コンプライアンスを定量化してよい点において、従来の自己換気をする被験者の肺コンプライアンスの定量化に関するシステムよりも強化されている。肺コンプライアンスの定量化は、急性うっ血性心不全の発達に関連する体液貯留の検出を含む、被験者12の健康の評価において役立つツールであってよい。1つの実施形態において、システム10は、1つ以上の圧補助装置14、電子記憶装置16、ユーザ・インターフェース18、1つ以上のセンサー20、プロセッサ22、及び/又は他の構成要素を含む。
【0012】
1つの実施形態において、圧補助装置14は、被験者12の気道に供給するための呼吸可能なガスの加圧流を生成するように構成されている。その圧補助装置14は、治療目的又は他の目的で、呼吸可能なガスの加圧流の1つ以上のパラメータ(例えば、流速、圧力、体積、湿度、温度、構成など)を制御してよい。非限定的な例において、圧補助装置14は、被験者12の気道に圧補助を提供するように呼吸可能なガスの加圧流の圧力を制御するように構成されてよい。その圧補助装置14は、例えば、本文献に全体として参考に取り入れられる特許文献1に記載されている装置のような陽圧補助装置を含んでよい。
【0013】
圧補助装置14は、1つ以上のモードに従って呼吸可能なガスの加圧流を生成するように構成されてよい。そのようなモードの1つの非限定的な例は、持続的気道陽圧法(CPAP)である。CPAPは、長年使用されており、規則的な呼吸を促進するのに役立つことが証明されている。呼吸可能なガスの加圧流を生成するもう1つのモードは、吸気気道陽圧(IPAP(Inspiratory Positive Air Pressure))である。IPAPモードの一例は、バイレベル気道陽圧(BIPAP(bi-level positive air pressure)である。バイレベル気道陽圧モードにおいて、2つのレベルの気道陽圧(高及び低)が患者に供給される。一般的に、その高及び低レベルの圧力のタイミングは、高レベルの気道陽圧が、吸入中に被験者12に供給され、低レベルの気道陽圧が、呼気中に被験者12に供給されるように制御される。
【0014】
呼吸可能なガスの加圧流は、被験者インターフェース24を通して被験者12の気道に供給される。被験者インターフェース24は、圧補助装置14によって生成される呼吸可能なガスの加圧流を被験者12の気道に伝達するように構成されている。そのように、被験者インターフェース24は、導管26及びインターフェース・アプライアンス28を含む。導管は、その呼吸可能なガスの加圧流をインターフェース・アプライアンス28へ伝え、インターフェース・アプライアンス28は、その呼吸可能なガスの加圧流を被験者12の気道へ供給する。インターフェース・アプライアンス28のいくつかの例は、例えば、気管内チューブ、鼻カニューレ、気管切開チューブ、鼻マスク、鼻/口マスク、フルフェース・マスク、全体フェース・マスク、又は被験者の気道へ気体流を伝達する他のインターフェース・アプライアンスを含んでよい。本発明は、これらの例に限定されなく、如何なる被験者インターフェースを使用した被験者12への呼吸可能なガスの加圧流の供給も検討する。
【0015】
1つの実施形態において、電子記憶装置16は、情報を電子的に記憶する電子記憶媒体を含む。その電子記憶装置16の電子的な記憶媒体は、システム10と一体的に(すなわち、実質的に取り外し不可能な)供給される1つ以上のシステム記憶装置及び/又はシステム10に例えばポート(例えば、USBポート、ファイヤーワイヤー・ポートなど)又はドライブ(例えば、ディスク・ドライブなど)を通してシステム10に取り外し可能なように接続可能なリムーバブル記憶装置を含んでよい。電子記憶装置16は、光学的に読み出し可能な記憶媒体(例えば、光学ディスクなど)、磁気的に読み出し可能な記憶媒体(例えば、磁気テープ、磁気ハードドライブ、フロッピー(登録商標)ドライブなど)、電荷ベースの記憶媒体(例えば、EEPROM、RAMなど)、固体記憶媒体(例えば、フラッシュドライブなど)、及び/又は他の電気的に読み出し可能な記憶媒体のうち1つ以上を含んでよい。電子記憶装置16は、ソフトウェア・アルゴリズム、プロセッサ22によって決定された情報、ユーザ・インターフェース18を通して受信した情報、及び/又はシステム10が適切に機能することを可能にする他の情報を記憶してよい。電子記憶装置16は(全体として又は一部分において)、システム10内の個別の構成要素であってよく、あるいは電子記憶装置16は(全体として又は一部分において)、システム10の1つ以上の他の構成要素(例えば、装置14、ユーザ・インターフェース18、プロセッサ22など)と一体的に供給されてもよい。
【0016】
ユーザ・インターフェース18は、システム10と被験者12との間においてインターフェース(接点(interface))を提供するように構成され、被験者12は、そのインターフェースを通して情報を提供し、システム10から情報を受信してもよい。これは、データ、結果及び/又はインストラクション及び他の通信可能なアイテムを、被験者12と装置14、電子記憶装置16及び/又はプロセッサ22のうち1つ以上との間で通信される「情報」としてまとめて呼ぶことを可能にする。ユーザ・インターフェース18に含むのに適切なインターフェース装置の例に、キーパッド、ボタン、スイッチ、キーボード、ノブ、レバー、ディスプレイスクリーン、タッチスクリーン、スピーカー、マイクロフォン、インジケーター・ライト、警報音、プリンター、及び/又は他のインターフェース装置が含まれる。1つの実施形態において、ユーザ・インターフェース18は、複数の個別のインターフェースを含む。1つの実施形態において、ユーザ・インターフェース18は、装置14と一体的に供給される少なくとも1つのインターフェースを含む。
【0017】
当然のことながら、ハードワイヤ又はワイヤレスの他の通信技術もまた、本発明によって、ユーザ・インターフェース18として検討される。例えば、本発明は、ユーザ・インターフェース18が電子記憶装置16によって供給されるリムーバブル記憶装置インターフェースと一体化されてよいことを熟考する。この例において、情報は、ユーザがシステム10の実装をカスタマイズすることを可能にするリムーバブル記憶装置(例えば、スマートカード、フラッシュドライブ、リムーバブル・ディスクなど)から、システム10の中へロードされてよい。システム10と共に使用するように適合された他の模範的な入力装置及び技術は、RS-232ポート、RFリンク、IRリンク、モデム(電話、ケーブル又はその他)を含むが、それらに限定されない。簡潔に、システム10と情報を通信する如何なる技術も、本発明によってユーザ・インターフェース18として検討される。
【0018】
1つ以上のセンサー20は、呼吸可能なガスの加圧流の1つ以上のパラメータに関する情報を伝える1つ以上の出力信号を生成するように構成されている。その1つ以上のパラメータは、例えば、流速、体積、圧力、構成(例えば、1つ以上の成分の濃度)、湿度、温度、加速度、速度、音響特性、呼吸を示すパラメータにおける変化、及び/又は他のガス・パラメータのうち1つ以上を含んでよい。センサー20は、そのようなパラメータを直接的に測定する(例えば、呼吸可能なガスの加圧流を、流体を通して圧補助装置14で又は被験者インターフェース24で)1つ以上のセンサーを含んでよい。センサー20は、その呼吸可能なガスの加圧流の1つ以上のパラメータに間接的に関連する出力信号を生成する1つ以上のセンサーを含んでよい。例えば、1つ以上のセンサー20は、圧補助装置14の動作パラメータ(例えば、モーター電流、電圧、回転速度、及び/又は他の動作パラメータ)、及び/又は他のセンサーに基づいて出力を生成してよい。センサー20は、圧補助装置14における又はそれに隣接した単一の位置で示されるが、これは、限定することを目的としていない。センサー20は、例えば、圧補助装置14内、導管16内(又はそれとつながっている)、インターフェース・アプライアンス28内(又はそれとつながっている)、及び/又は他の位置などの複数の位置において配置されたセンサーを含んでよい。
【0019】
プロセッサ22は、システム10において情報処理機能を供給するように構成されている。そのように、プロセッサ22は、デジタル・プロセッサ、アナログ・プロセッサ、情報を処理するように設計されたデジタル回路、情報を処理するように設計されたアナログ回路、状態機械、及び/又は電子的に情報を処理する他の機構のうち1つ以上を含んでよい。プロセッサ22は、図1に単一の媒体として示されているが、これは、例示的な目的だけのためである。いくつかの実装において、プロセッサ22は、複数の処理ユニットを含んでよい。これらの処理ユニットは、同じ装置(例えば、圧補助装置14)内に物理的に位置してよく、あるいは、プロセッサ22は、協働して作動する複数の装置の処理機能を表わしてもよい。
【0020】
図1に示されるように、プロセッサ22は、1つ以上のコンピュータ・プログラム・モジュールを実行するように構成されていてよい。その1つ以上のコンピュータ・プログラム・モジュールは、呼吸パラメータ・モジュール30、制御モジュール32、圧力モジュール34、推移モジュール36、コンプライアンス・モジュール38、及び/又は他のモジュールのうち1つ以上を含んでよい。プロセッサ22は、モジュール30、32、34、36、及び/又は38を、ソフトウェア;ハードウェア;ファームウェア;ソフトウェア、ハードウェア、及び/又はファームウェアの何れかの組み合わせ;及び/又はプロセッサ22における機能の処理を構成するための他の機構によって実行するように構成されてよい。
【0021】
当然のことながら、モジュール30、32、34、36、及び38は、図1に単一の処理ユニット内に同一位置に配置されているとして示されているが、プロセッサ22が複数の処理ユニットを含む実装において、モジュール30、32、34、36、及び/又は38のうち1つ以上は、他のモジュールから離れて配置されてよい。異なるモジュール30、32、34、36及び/又は38によって供給される機能の記載は、以下において説明の目的で記載され、モジュール30、32、34、36、及び/又は38のいずれも記載されているよりも多くの又は少ない機能を提供してよいことから、限定を目的としない。例えば、モジュール30、32、34、36、及び/又は38のうち1つ以上は、除外されてよく、その機能のいくつか又は全ては、モジュール30、32、34、36、及び/又は38のうち他のモジュールによって供給されてよい。他の例として、プロセッサ22は、モジュール30、32、34、36、及び/又は38のうち1つによる機能のいくつか又は全てを実施してよい1つ以上の追加のモジュールを実行するように構成されてよい。
【0022】
呼吸パラメータ・モジュール30は、その被験者の1つ以上の呼吸パラメータを決定するように構成されている。その1つ以上の呼吸パラメータは、センサー20によって生成される1つ以上の出力信号に基づいて決定される。その1つ以上の呼吸パラメータは、例えば、一回換気量、ピークの流れ、流速、圧力、構成、タイミング(例えば、吸入の始め及び/又は最後、呼気の始め及び/又は最後など)、持続期間(例えば、吸入、呼気、単一の呼吸サイクルなどの)、呼吸速度、呼吸数、及び/又は他のパラメータを含んでよい。1つの実施形態において、呼吸パラメータ・モジュール30は、吸入及び/又は呼気毎に1つ以上の呼吸パラメータを決定する。非限定的な例において、呼吸パラメータ・モジュール30は、一式の連続的な呼気における各呼気に対して少なくとも1つの所定の呼吸パラメータを決定してよい。その少なくとも1つの所定の呼吸パラメータは、例えば、一回換気量、ピークの流れ、及び/又は他の呼吸パラメータを含んでよい。
【0023】
制御モジュール32は、呼吸可能なガスの加圧流の1つ以上のパラメータを調整するように、圧補助装置14を制御するように構成されている。例えば、制御モジュール32は、流速、圧力、体積、湿度、温度、構成、及び/又は呼吸可能なガスの加圧流の他のパラメータを調整するために、圧補助装置14を制御してよい。1つの実施形態において、制御モジュール32は、圧力が、被験者12によって吸入中に高レベルに上げられ、呼気中に低レベルに下げられるバイレベル気道陽圧モードにおいて作動するように、圧補助装置14を制御する。その制御モジュール32は、呼吸パラメータ・モジュール30による呼吸推移の検出に基づいて、高から低へ又はその逆への変更をいつトリガーするかを決定してよい。
【0024】
圧力モジュール34は、呼吸可能なガスの加圧流がどの圧力に制御モジュール32によって調整されるべきかを決定するように構成されている。その呼吸可能なガスの加圧流の圧力は、肺コンプライアンスの定量化を可能にするため、及び/又は他の目的で治療レジーム(例えば、気道陽圧補助)に基づいて圧力モジュール34によって決定されてよい。その呼吸可能なガスの加圧流がその圧力に調整されるべきかを決定するステップは、バイレベル気道陽圧モードに対する高及び低圧レベルを決定するステップを含む。
【0025】
以下でさらに考察されるように、肺コンプライアンスの定量化を可能にするために、呼吸可能なガスの加圧流の圧力は、時間が互いに近い一対の吸入の間で変えるべきである。本文献で使用されるように、その互いに時間が近い一対の吸入は、直接隣り合っている(すなわち、介入する吸入無しで連続的な)一対の吸入、又は互いに時間が適度に近い(例えば、約2分内、約1分内、約30秒内、約15秒内など)一対の吸入を含んでよい。そのような決定を促すために、圧力モジュール34は、呼吸可能なガスの加圧流が第1吸入の間に調整されるべきである第1圧力を決定し、その呼吸可能なガスの加圧流が第1吸入と時間において近い第2吸入の間に調整されるべきである第2圧力(第1圧力とは異なる)を決定するように構成されている。
【0026】
当然のことながら、いくつかの実施形態において、肺コンプライアンスの定量化は、時間的に近くなく、呼吸可能なガスの加圧流の圧力が異なる2つの呼吸において取られた測定に基づいてもよい。これは、その定量化の精度及び/又は精密度を低下させる(患者生理学に関する推測及び/又は2つの呼吸の間の呼吸状態によって)が、そのような低下は、その定量化の有用性に致命的ではない。
【0027】
システム10がバイレベル気道陽圧モードで作動する実施形態において、制御モジュール32は、第1圧力を第1吸入に対する高圧として実施し、低圧(圧力モジュール34によって決定される)をその第1吸入と第2吸入との間の呼気に対して実施し、第2圧力をその第2吸入に対する高圧として実施する。説明の目的で、図2は、一式の連続的な呼吸における圧力モジュール34対時間に似た又はそれと同一の圧力モジュールによって決定される圧力のプロットを示す。その一式の連続的な呼吸の間に、圧力モジュール34は、圧力が呼気の間に低レベル40に下げられるバイレベル気道陽圧モードに従って、呼吸可能なガスの加圧流の圧力を決定する。図2に示されるプロットにおいて、上記に記載された第1及び第2吸入として見ることができる直接隣り合った対の吸入の多数の対がある。これらの対は、図2において参照番号42としてラベル付けされている。
【0028】
図1に戻ると、推移モジュール36は、第1吸入の第1推移ポイント及び第2吸入の第2推移ポイントを識別するように構成されている。その第1推移ポイントは、第1吸入の間の呼吸可能なガスの加圧流のピークの流れにおける又はその近くの時点である。第2推移ポイントは、第2吸入の間の呼吸可能なガスの加圧流のピークの流れにおける又はその近くの時点である。推移モジュール36は、その第1及び第2推移ポイントを、呼吸パラメータ・モジュール30によって決定されるパラメータ(センサー20によって生成される出力信号に基づいて決定される)のうちの少なくとも1つに基づいて識別するように構成されている。
【0029】
当然のことながらバイレベル気道陽圧モードにおいて、制御モジュール32は、低圧から高圧へ推移するように(例えば、第1吸入及び第2吸入の各々の開始において)圧補助装置14を制御すると、その圧力は、理想的な段階において増加しない。言い換えると、現実的な目的において、その圧力は、低圧から高圧へと即時に変化するように制御することは出来ない。この推移は、比較的短い時間において完了してよいが、圧力が高圧へと下から近づく間、いくらかの推移期間がいまだに存在する。
【0030】
以下に説明される肺コンプライアンスの定量化において、第1吸入及び第2吸入の各々の開始での低圧と高圧との間の推移は、理想的(例えば、瞬間的)であると推定される。この推定は、肺コンプライアンスの定量化において誤差及び/又は不正確に至る可能性がある。しかし、第1及び第2推移ポイントがコンプライアンス・モジュール28によって第1及び第2吸入の開始としてそれぞれ取られる場合、非理想的な圧力ステップによる少なくともいくらかの誤差及び/又は不正確さは、除外される。
【0031】
説明の目的で、図3A‐3Cは、2つの吸入間の体積差又は体積における瞬間差、その2つの吸入間の流れの差又は流れにおける瞬間差、及びその2つの吸入間の圧力差又は圧力における瞬間差のプロットを、コンプライアンスを定量化するために使用される2つの吸入に対する時間の関数として示す。図3A‐3Cにおいて見られるように、体積差、流れ差及び圧力差の測定値は、2つの吸入間の流れ差に対するピーク値が起こる場所における吸入の開始と推移ポイント44との間の時間の量によって理想値より遅れを取る。図3A‐3Cは、また、体積差、流れ差及び圧力差が、吸入の開始と推移ポイント44(例えば、推移ポイント44を吸入の開始として考慮することによって)との間の時間の量によってシフトする場合、どのようにそれらの測定値が理想値によりさらに近く対応するかを説明する。
【0032】
図1に戻ると、コンプライアンス・モジュール38は、第1圧力と第2圧力との間の差、及び第1及び第2吸入中にセンサー20によって生成される1つ以上の出力信号に基づいて被験者12の肺コンプライアンスを定量化するように構成されている。1つの実施形態において、コンプライアンス・モジュール38は、被験者12の肺コンプライアンスを、第1吸入及び第2吸入中に被験者12の呼吸システムをモデリングする入出力方程式から横隔膜筋圧を取り除くことによって決定する。
【0033】
1つの実施形態において、コンプライアンス・モジュール38による肺コンプライアンスの定量化は、図4において示される単一区画の肺及び換気回路を実装する。図3において、Pdは、装置圧力(例えば、圧補助装置14によって生成される呼吸可能なガスの加圧流の圧力)を表わし、Rは、被験者の呼吸システムの抵抗を表わし、Palvは、肺胞圧を表わし、Cはコンプライアンスを表わし、Pmusは横隔膜筋圧を表わし、Qpは、被験者の流れを表わす。このモデルにおいて、呼気ポート(例えば、図1におけるインターフェース・アプライアンス28での呼気ポート)の抵抗は、ホース(例えば、図1における導管26)の抵抗よりもはるかに大きい。従って、その被験者内の圧力は、その装置圧力とおよそ同一である。よって、被験者圧力は、単に、図4に示される回路における装置圧力として表される。さらに、患者の流れ及び患者の体積は、そのシステムの測定された合計の流れと推定(又は測定)された漏洩流との間の差を使用することによって推定することができると考えられている。
【0034】
当然のことながら、肺コンプライアンスを決定することに関する記載における単一区画の肺モデルの実施は、限定することを目的としていない。被験者の呼吸システムの機能のモデリングする数式からの横隔膜筋圧をの除去は、このモデルに依存しないが、より複雑なモデルよりも計算的に費用がかからず、説明を簡略化することから、本文献で使用される。
【0035】
患者の流れを装置の圧力に関連付けるs領域における伝達関数及び図3における回路に対する被験者の横隔膜は以下によって与えられる:
【0036】
【数1】

であって、
【0037】
【数2】

さらに、患者の体積は:
【0038】
【数3】

によって与えられる。
【0039】
従って、その圧力を患者の体積に関連付ける伝達関数は:
【0040】
【数4】

によって与えられ、Pmusに対する応答は:
【0041】
【数5】

によって与えられ、外部の応答は:
【0042】
【数6】

によって与えられる。
【0043】
ここで、Pd(s)が圧補助装置によって生成される呼吸可能なガスの加圧流の圧力を表し、吸入中の圧力が、時間において近い(例えば、直接隣り合っている)第1吸入と第2吸入との間で変化する場合、数式(4)は、第1吸入及び第2吸入に関して:
【0044】
【数7】

及び
【0045】
【数8】

の形において表すことができ、下付き文字1及び2は、それぞれ、第1吸入及び第2吸入に対応する。
【0046】
Pmusは未知であることから、内部応答に関連する合計の応答の部分も未知である。しかし、Pmusが第1吸入と第2吸入との間で比較的一定である(その第1及び第2吸入が時間的に近いことから)という推測がされる場合、Pmus1(s)は、Pmus2(s)に等しいと推測される。
【0047】
数式(5)及び(6)における体積応答間の差を取り、Pmus1(s)がPmus2(s)に等しいという推定を使用して、その未知の内部応答を除外し、以下の数式(7)と(8)との組み合わせを得ることができ:
【0048】
【数9】

ΔV(s)はV1(s)とV2(s)との間の差であり、ΔPd(s)は、Pd1(s)とPd2(s)との間の差である。
【0049】
第1圧力及び第2圧力は異なることから、ΔPd(s)は、以下の形の段階励起によって表すことができる:
【0050】
【数10】

数式(10)が数式(9)に代入される場合、その結果は以下のように簡略化することができる:
【0051】
【数11】

数式(11)の時間領域への変換は、以下の数式:
【0052】
【数12】

をもたらし、Δv(t)は、体積差を表す。
【0053】
2つの吸入に対する圧力及び体積(及び/又はそれらの間の瞬間的な差)は既知であり、既知である様々な数値的推定のいずれも、抵抗R及びコンプライアンスCを決定するために使用してもよい。非限定的な例によって、最小平均誤差の技術を実施してもよい。
【0054】
図1に戻ると、コンプライアンス・モジュール38は、上記に記載された方式で、呼吸パラメータ・モジュール30(センサー20によって生成される出力信号から決定される)によって決定される呼吸パラメータ、その第1圧力、第2圧力、及び/又はその第1圧力と第2圧力との間の差の既知の値に基づいて肺コンプライアンスを定量化してよい。第1吸入及び第2吸入の開始における非理想的な圧力段階によって生じる不正確さ及び/又は誤差を低減するために、コンプライアンス・モジュール38は、推移モジュール36によって識別される第1推移ポイント及び第2推移ポイントを、それぞれ、第1吸入及び第2吸入の開始として見なしてよい。コンプライアンス。モジュール38による肺コンプライアンスの定量化は、よって、様々な異なる使用及び/又は様々な異なる背景の1つ以上に対して実施してよい。例えば、肺コンプライアンスの定量化は、先制してうっ血性心不全を診断するため、治療を行うため、及び/又は他の目的において実施してもよい。
【0055】
本発明は、最も実際的であり望ましい実施形態として現在見なされているものに基づいて、説明を目的として詳しく記載されてきているが、当然のことながら、そのような詳細は、それだけを目的としており、本発明は、開示された実施形態に限定されない。しかし、対照的に、本発明は、添付の請求項の要旨及び範囲内における改良形及び均等な配置を含むことを目的としている。例えば、当然のことながら、本発明は、可能な限り、如何なる実施形態の1つ以上の特徴も、他の如何なる実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせることが出来ることを熟考する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも部分的に自己換気をしている被験者の肺コンプライアンスを定量化するように構成されたシステムであり:
少なくとも部分的に自己換気をしている被験者の気道へ供給されるべき呼吸可能なガスの加圧流を生成するように構成された圧補助装置;
前記呼吸可能なガスの加圧流の1つ以上のパラメータに関する情報を伝達する1つ以上の出力信号を生成するように構成された1つ以上のセンサー;及び
前記圧補助装置及び前記1つ以上のセンサーに操作可能なようにつながっており、1つ以上のコンピュータ・プログラム・モジュールを実行するように構成された1つ以上のプロセッサ、を含み、該プロセッサは:
前記被験者の一式の連続的な呼吸の間に、前記呼吸可能なガスの加圧流の圧力を調整するように前記圧補助装置を制御するように構成された制御モジュール;
第1吸入の間に第1圧力に調整され、該第1吸入に時間が近い第2吸入の間に、前記第1圧力とは異なる第2圧力に調整されるように、前期呼吸可能なガスの加圧流が前記一式の連続的な呼吸の間に前記制御モジュールによって調整されるべき圧力を決定するように構成された圧力モジュール;
前記第1吸入の第1推移ポイント及び前記第2吸入の第2推移ポイントを、前記1つ以上のセンサーによって生成される1つ以上の出力信号に基づいて識別するように構成された推移モジュールであり、前記第1推移ポイントは、前記呼吸可能なガスの加圧流のピークの流れが第1吸入の間に起こる時点において又は該時点の近くで識別され、前記第2推移ポイントは、前記呼吸可能なガスの加圧流のピークの流れが前記第2吸入の間に起こる時点において又は該時点の近くで識別される、推移モジュール;
前記第1圧力と前記第2圧力との間の差、及び前記第1吸入及び前記第2吸入の間に前記1つ以上のセンサーによって生成される前記1つ以上の出力信号に基づいて前記被験者の肺コンプライアンスを定量化するように構成されたコンプライアンス・モジュールであり、肺コンプライアンスを定量化することを目的として、前記第1吸入が前記第1推移ポイントで開始し、前記第2吸入は前記第2推移ポイントで開始したと見なす、コンプライアンス・モジュール;
を含む、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであり、前記圧力モジュールは、前記圧補助装置がバイレベル気道陽圧モードにおいて操作されるように、前記呼吸可能なガスの加圧流が前記制御モジュールによって操作されるべき圧力を決定するように構成されている、システム。
【請求項3】
前記第1吸入及び前記第2吸入は、介入する吸入無しで連続的に起こる、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムであり、前記1つ以上のモジュールは、前記1つ以上のプロセッサの前記1つ以上の出力信号に基づいて、前記一式の連続的な呼吸の間に前記被験者の1つ以上の呼吸パラメータを決定するように構成された呼吸パラメータ・モジュールをさらに含み、前記推移モジュールは、前記呼吸パラメータ・モジュールによって決定された前記1つ以上の呼吸パラメータのうち少なくとも1つに基づいて前記第1推移ポイント及び前記第2推移ポイントを識別するように構成されている、システム。
【請求項5】
請求項4に記載のシステムであり、前記コンプライアンス・モジュールは、前記第1圧力と前記第2圧力との間の差、及び前記第1吸入の間の前記第1推移ポイントの後及び前記第2吸入の間の前記第2推移ポイントの後に前記呼吸パラメータ・モジュールによって決定された前記1つ以上の呼吸パラメータのうち少なくとも1つに基づいて、前記被験者の肺コンプライアンスを定量化するように構成されている、システム。
【請求項6】
少なくとも部分的に自己換気をしている被験者の肺コンプライアンスを定量化する方法であり:
少なくとも部分的に自己換気をしている被験者の気道へ呼吸可能なガスの加圧流を供給するステップ;
前記呼吸可能なガスの加圧流の1つ以上のパラメータに関する情報を伝達する1つ以上の出力信号を生成するステップ;
前記被験者の一式の連続的な呼吸の間に、前記呼吸可能なガスの加圧流が調整されるべき圧力を決定するステップであり、第1吸入に対する第1圧力及び該第1吸入に時間が近い第2吸入に対する前記第1圧力とは異なる第2圧力を決定するステップを含む、ステップ;
前記一式の連続的な呼吸の間に前記呼吸可能なガスの加圧流の圧力を、前記の決定された圧力に調整するステップ;
前記1つ以上の出力信号に基づいて、前記呼吸可能なガスの加圧流のピークの流れが前記第1吸入の間に起こる時点において又は該時点の近くで第1推移ポイントを識別するステップ;
前記1つ以上の出力信号に基づいて、前記呼吸可能なガスの加圧流のピークの流れが前記第2吸入の間に起こる時点において又は該時点の近くで第2推移ポイントを識別するステップ;及び
前記第1圧力と前記第2圧力との間の差及び前記第1吸入中及び前記第2吸入中に生成された前記1つ以上の出力信号に基づいて、前記被験者の肺コンプライアンスを定量化するステップであり、肺コンプライアンスを定量化するために、前記第1吸入は前記第1推移ポイントで開始したと見なされ、前記第2吸入は、前記第2推移ポイントで開始したと見なされる、ステップ;
を含む、方法。
【請求項7】
前記被験者の一式の連続的な呼吸の間に、前記呼吸可能なガスの加圧流が調整されるべき圧力を決定するステップが、前記呼吸可能なガスの加圧流がバイレベル気道陽圧モードに供給されるようにする圧力を決定するステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1吸入及び前記第2吸入は、如何なる介入する吸入も無しで連続的に起こる、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
請求項6に記載の方法であり、前記1つ以上の出力信号に基づいて、前記一式の連続的な吸入の間に前記被験者の1つ以上の呼吸パラメータを決定するステップをさらに含み、前記1つ以上の出力信号に基づいて前記第1推移ポイントを識別するステップは、前記1つ以上の出力信号に基づいて決定された前記1つ以上の呼吸パラメータに基づいて前記第1推移ポイントを識別するステップを含み、前記1つ以上の出力信号に基づいて前記第2推移ポイントを識別するステップは、前記1つ以上の出力信号に基づいて決定された前記1つ以上の呼吸パラメータに基づいて前記第2推移ポイントを識別するステップを含む、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であり、前記第1圧力と前記第2圧力との間の差及び前記第1吸入中及び前記第2吸入中に生成された前記1つ以上の出力信号に基づいて前記被験者の肺コンプライアンスを定量化するステップは、前記第1圧力と前記第2圧力との間の差、及び前記第1吸入の間の前記第1推移ポイントの後及び前記第2吸入の間の前記第2推移ポイントの後に決定された前記1つ以上の呼吸パラメータに基づいて、前記被験者の肺コンプライアンスを定量化するステップを含む、方法。
【請求項11】
少なくとも部分的に自己換気をしている被験者の肺コンプライアンスを定量化するように構成されたシステムであり:
少なくとも部分的に自己換気をしている被験者の気道へ呼吸可能なガスの加圧流を供給する手段;
前記呼吸可能なガスの加圧流の1つ以上のパラメータに関する情報を伝達する1つ以上の出力信号を生成する手段;
前記被験者の一式の連続的な呼吸の間に、前記呼吸可能なガスの加圧流が調整されるべき圧力を決定する手段であり、第1吸入に対する第1圧力及び該第1吸入に時間が近い第2吸入に対する、前記第1圧力とは異なる第2圧力を決定する手段を含む、手段;
前記一式の連続的な呼吸の間に前記呼吸可能なガスの加圧流の圧力を、前記の決定された圧力に調整する手段;
前記1つ以上の出力信号に基づいて、前記呼吸可能なガスの加圧流のピークの流れが前記第1吸入の間に起こる時点において又は該時点の近くで第1推移ポイントを識別する手段;
前記1つ以上の出力信号に基づいて、前記呼吸可能なガスの加圧流のピークの流れが前記第2吸入の間に起こる時点において又は該時点の近くで第2推移ポイントを識別する手段;及び
前記第1圧力と前記第2圧力との間の差及び前記第1吸入中及び前記第2吸入中に生成された前記1つ以上の出力信号に基づいて、前記被験者の肺コンプライアンスを定量化する手段であり、肺コンプライアンスを定量化するために、前記第1吸入は前記第1推移ポイントで開始したと見なされ、前記第2吸入は、前記第2推移ポイントで開始したと見なされる、手段;
を含む、システム。
【請求項12】
前記被験者の一式の連続的な呼吸の間に、前記呼吸可能なガスの加圧流が調整されるべき圧力を決定する手段は、前記呼吸可能なガスの加圧流がバイレベル気道陽圧モードにおいて供給されるようにする圧力を決定する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1吸入及び前記第2吸入は、如何なる介入する吸入も無しで連続的に起こる、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
請求項11に記載のシステムであり、前記1つ以上の出力信号に基づいて、前記一式の連続的な吸入の間に前記被験者の1つ以上の呼吸パラメータを決定する手段をさらに含み、前記1つ以上の出力信号に基づいて前記第1推移ポイントを識別する手段は、前記1つ以上の出力信号に基づいて決定された前記1つ以上の呼吸パラメータに基づいて前記第1推移ポイントを識別し、前記1つ以上の出力信号に基づいて前記第2推移ポイントを識別する手段は、前記1つ以上の出力信号に基づいて決定された前記1つ以上の呼吸パラメータに基づいて前記第2推移ポイントを識別する、システム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムであり、前記第1圧力と前記第2圧力との間の差及び前記第1吸入中及び前記第2吸入中に生成された前記1つ以上の出力信号に基づいて前記被験者の肺コンプライアンスを定量化する手段は、前記第1圧力と前記第2圧力との間の差及び前記第1吸入の間の前記第1推移ポイントの後及び前記第2吸入の間の前記第2推移ポイントの後に決定された前記1つ以上の呼吸パラメータに基づいて前記被験者の肺コンプライアンスを定量化する、システム。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−503658(P2013−503658A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−526148(P2012−526148)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【国際出願番号】PCT/IB2010/053491
【国際公開番号】WO2011/027243
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】