説明

自己換気型ポリマーフィルム

第1および第2の表面を有するポリマー基材層、ならびに基材層の表面上に被着させた水溶性遮断層を含むヒートシール可能な複合フィルムであって、(i)基材層がその中に1つまたは複数の換気手段を有し、(ii)遮断層の厚さが約0.05から約40μmであるフィルム、その製造方法、およびオーブンで使用できる食品の包装における自己換気型フィルムとしてのその使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合ポリマーフィルム、およびその製造方法に関する。フィルムは、オーブンで使用できる食品(meals)用の容器の蓋としての使用を含めて、オーブンで使用できる調理済み食品用の、特に電子レンジで使用できる食品用の包装としての使用に適している。本発明は、特に自己換気型複合ポリマーフィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチック容器は、食物包装、特に即席食品、例えば電子レンジまたは通常のオーブンで温めるオーブンで使用できる調理済み食品を包装するためなどの包装用途で一般的である。容器は、しばしば金属蒸着した[特にフラッシュ金属蒸着(flash−metallised)した]PETカートン用板紙など、金属薄層をその上に被着させたポリマー材料を含む。例えば、容器は、約0.01から4.0の範囲の光学密度に金属蒸着し、カートン用板紙に積層したPETから生成することができる。このような容器は、「サセプタ(susceptor)」容器と呼ばれ、例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3、および特許文献4で開示されている。
【0003】
調理済み食品用のオーブンで使用できる容器は、容器をシールして、包装された内容物の漏れおよび乾燥を防止し、貯蔵中に昆虫、細菌、および空中汚染物質に対する保護シールを提供することができるとともに、開封時に容器から容易に剥離することもできる蓋を必要とする。蓋に関して他の重要な用件は、包装された内容物に粘着すべきでないことと、オーブンで発生する熱に耐え得るべきであることである。通常、容器の蓋は柔軟基材およびヒートシール可能層を含んだフィルムを含み、これはしばしば「蓋用(lidding)」フィルムと呼ばれる。延伸ポリマーフィルム、特に二軸延伸ポリエステルフィルムが、蓋用フィルムのための柔軟な基材として以前使用されていた。蓋用フィルムを使用するシール容器(sealed containers)の製造は、蓋用フィルムと容器の間のシールを形成するものである。このシールは、蓋を容器上に配置し、熱および圧力を加え、シール可能なコーティング層を軟化または溶融し、それによりこの層が容器の表面に接着し、有効なシールが蓋と容器の間に形成されることによって形成される。特許文献5は、穿孔基材層およびシーリング層(sealing layer)を含む空気透過性複合フィルムを開示している。このフィルムでは、シーリング層の材料が基材層における間隙を充填し、使用の際、複合フィルムの両面間の圧力差によって間隙の可逆的拡大が生じ、もって該間隙は弁として働き、普通なら不透過性であるはずの複合フィルムが空気透過性となることを可能にする。特許文献6は、気体透過性ポリオレフィン遮断物およびシール可能な層を含む複合フィルムを開示し、該複合フィルムは穿孔され、またはメッシュもしくはネットの形とすることができ、摘みたての果物野菜を包装するのに適しているとされる。穿孔層を含む他の場合によってはヒートシール可能な複合フィルムは、特許文献7;特許文献8;特許文献9;特許文献10;特許文献11;特許文献12に開示されている。
【0004】
調理済み即席食品に関して重要な考慮事項は、水蒸気が調理時間(cooking cycle)中に食物から追い出されることである。それによって精製した水蒸気が適切に出て行かない場合、圧力の増大によって、包装、例えばフィルム蓋の破裂を招き、包装の断片が容器の内容物の汚染を引き起こす恐れがある。フィルム蓋は、トレーの端部に沿って局部的に破壊され、トレー内部の食物の料理むらを招く恐れもある。より重要なことは、水蒸気がトレーの端部に沿って逃散する可能性があるので、調理時間後にトレーを操作するとき潜在的危険性が存在することである。オーブンで使用できる調理済み食物容器用の以前の包装は、一般に使用者が包装に穴を開けて、これを防ぐ必要があった。しかし、その容器中の食物を温める前に蓋に穴を開ける必要性を、使用者が忘れることが多く、、または使用者に理解されていない。しかし、これらの問題に対処する以前の自己換気型フィルムには、特許文献13、特許文献14、および特許文献15に開示するものが含まれる。使用者が調理する前に穴を開ける必要がなく、昆虫、細菌、および空中汚染物質に対する遮断物を提供し、水蒸気が調理時間中自由に包装を出て行くことが可能になる包装を提供できれば望ましいはずである。
【0005】
【特許文献1】英国特許出願公開第2280342号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第0563442号明細書
【特許文献3】英国特許出願公開第2250408号明細書
【特許文献4】英国特許出願公開第2046060号明細書
【特許文献5】国際公開第01/92000号パンフレット
【特許文献6】英国特許出願公開第2355956号明細書
【特許文献7】欧州特許出願公開第0358461号明細書
【特許文献8】欧州特許出願公開第0178218号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2002/0187694号明細書
【特許文献10】特開平06−219465公報
【特許文献11】特開平06−165636公報
【特許文献12】特開昭54−117582公報
【特許文献13】国際公開第02/26493号パンフレット
【特許文献14】国際公開第03/026892号パンフレット
【特許文献15】国際公開第03/061957号パンフレット
【特許文献16】英国特許出願公開第838708号明細書
【特許文献17】英国特許第2024715号明細書
【特許文献18】英国特許第1077813号明細書
【特許文献19】米国特許第4333968号明細書
【特許文献20】国際公開第02/59186号パンフレット
【非特許文献1】K. A. Mainstone, Modern Plastics Encyclopedia, 1983-84, Vol. 60, No. 10A, Edition 1, pp 195-198 (McGraw-Hill, NY)
【非特許文献2】Franz Durst, Hans-Guente Wagner, Liquid Film Coating (Chapman and Hall; 1997; Eds S. F. Kistler and P. M. Schweizer; Chapter 11 a)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、オーブンで使用できる調理済み食品を包装する際の使用に適した、自己換気性を発現するフィルムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、第1および第2の表面を有するポリマー基材層、および基材層の表面上に被着させた水溶性遮断層を含むヒートシール可能な複合フィルムであって、
(i)基材層がその中に1つまたは複数の換気手段を有し、
(ii)遮断層の厚さが、約0.05から約40μm、
であるフィルムを提供する。
【0008】
基材は、第1の表面および第2の表面を有する。第1の表面は、フィルムが本明細書に記載するように自己換気型包装として使用される場合に最外の表面であり、第2の表面は、最内であり、包装するべき品物に面している表面である。例えば、本明細書に記載するフィルムを、蓋用フィルムとして使用し、オーブンで使用できる食品用の入れ物に被着させる場合、第2の表面は、最内であり、容器に面している表面である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
第1の実施形態では、基材層はそれ自体ヒートシール可能層である。この実施形態では、遮断層を、通常、基材の第1の表面上に被着させる。
【0010】
第2の実施形態では、複合フィルムは、基材の第2の表面上に被着させた不連続なヒートシール可能層を含む。この実施形態では、ヒートシール可能層も換気手段を含み、ヒートシール可能層の換気手段の位置が基材層のそれに対応するようにする。実際にはヒートシール可能層および基材層における換気手段は同時に作製される。この実施形態では、通常、遮断層を基材の第1の表面上に被着させる。
【0011】
基材は、自己支持性フィルムまたはシートであり、これは、支持基体が存在せずとも、独立して存在することができるフィルムまたはシートを意味する。基材は、適切な任意のフィルム形成用材料から形成することができる。熱可塑性ポリマー材料が好ましい。このような材料には、エチレン、プロピレン、ブタ−1−エンなどの1−オレフィンのホモポリマーまたはコポリマー、ポリアミド、ポリカーボネート、PVC、PVA、ポリアクリレート、セルロース、およびポリエステルが含まれる。ポリオレフィン、およびポリエステル、特に線状ポリエステルが好ましい。複合フィルムが追加のヒートシール可能層を含まない場合、基材はそれ自体ヒートシール可能である。基材は、好ましくは一軸または二軸延伸され、好ましくは二軸延伸される。
【0012】
基材としての使用に適した熱硬化性樹脂ポリマー材料には、アクリル、ビニル、ビス−マレイミド、および不飽和ポリエステルなどの付加重合樹脂;尿素、メラミン、またはフェノールとの縮合物などのホルムアルデヒド縮合樹脂、シアネート樹脂(cyanate resins)、官能基を有するポリエステル、ポリアミド、またはポリイミドが含まれる。
【0013】
適切なポリエステルには、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,5−、2,6−もしくは2,7−ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、ヘキサヒドロ−テレフタル酸、または1,2−ビス−p−カルボキシフェノキシエタンなどの1種または複数種のジカルボン酸(場合によってはピバル酸などのモノカルボン酸を含む)、および1種または複数種のグリコール、特にエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなど脂肪族または脂環式グリコールから誘導されたものが含まれる。脂肪族グリコールが好ましい。
【0014】
好ましい基材ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタラートから選択される。ポリエチレンテレフタレート(PET)またはそのコポリエステルが特に好ましい。
【0015】
好ましいポリオレフィン基材は、ポリエチレンまたはポリプロピレン、好ましくはポリプロピレンを含む。
【0016】
基材がそれ自体ヒートシール可能である以下実施形態Aと呼ばれる実施形態では、基材は、ヒートシール可能なポリオレフィン(好ましくは、ポリプロピレン)、またはヒートシール可能なポリエステルを含む。
【0017】
複合フィルムが追加のヒートシール可能層を含む以下実施形態Bと呼ばれる実施形態では、基材は、ポリエステルを含むことが好ましい。実施形態Bでは、追加のヒートシール可能層は、容器の表面にヒートシール結合を形成することができる任意の層であり、例えばポリエステル、エチレンビニルアルコール(EVA)、または改質ポリエチレンなどのポリマー材料である。ヒートシール可能層のポリマー材料は、結合している表面に接着できるような適切な湿潤を可能にするのに十分なほどその粘度が低くなるように十分に軟化すべきである。一実施形態では、ヒートシーリング層は、ポリエステル、特にジカルボン酸またはその低級アルキルジエステルのうちの1種または複数種と、本明細書に記載のグリコールのうちの1種または複数種から誘導されるコポリエステルを含む。
【0018】
以下実施形態B1と呼ばれる一実施形態では、追加のヒートシール可能層は、脂肪族のグリコール、および少なくとも2種のジカルボン酸、特に芳香族ジカルボン酸、好ましくはテレフタル酸およびイソフタル酸から誘導されるコポリエステルを含む。好ましいコポリエステルは、エチレングリコール、テレフタル酸、およびイソフタル酸から誘導される。テレフタル酸成分とイソフタル酸成分の好ましいモル比は、50:50から90:10の範囲、好ましくは65:35から85:15の範囲である。好ましい一実施形態では、このコポリエステルは、エチレングリコールと、約82モル%のテレフタレートおよび約18モル%のイソフタレートとのコポリエステルである。
【0019】
以下実施形態B2と呼ばれる代替実施例では、追加のヒートシール可能層は、脂肪族ジオールおよび脂環式ジオールと、1種または複数種の、好ましくは1種のジカルボン酸、好ましくは芳香族ジカルボン酸とから誘導されるコポリエステルを含む。例には、テレフタル酸と、脂肪族ジオールおよび脂環式ジオールとのコポリエステル、特にエチレングリコールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールとのコポリエステルを含む。脂環式ジオールと脂肪族ジオールの好ましいモル比は、10:90から60:40の範囲で、好ましくは20:80から40:60の範囲で、より好ましくは30:70から35:65である。好ましい一実施形態では、このコポリエステルはテレフタル酸と、約33モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノール、および約67モル%のエチレングリコールとのコポリエステルである。このようなポリマーの一例は、テレフタル酸、約33%の1,4−シクロヘキサンジメタノール、および約67%のエチレングリコールのコポリエステルを含み、常に非晶質であるPETG(商標)6763(Eastman)である。本発明の一代替実施例では、層Bのポリマーは、エチレングリコールの代わりにブタンジオールを含むことができる。
【0020】
以下実施形態B3と呼ばれる別の代替実施例では、追加のヒートシール可能層は、芳香族ジカルボン酸、および脂肪族ジカルボン酸を含む。好ましい芳香族ジカルボン酸は、テレフタル酸である。好ましい脂肪族ジカルボン酸は、セバシン酸、アジピン酸、およびアゼライン酸から選択される。コポリエステル中に存在する芳香族ジカルボン酸の濃度は、コポリエステルのジカルボン酸成分に対して好ましくは45から80、より好ましくは50から70、特に55から65モル%の範囲である。コポリエステル中に存在する脂肪族ジカルボン酸の濃度は、コポリエステルのジカルボン酸成分に対して好ましくは20から55、より好ましくは30から50、特に35から45モル%の範囲である。このようなコポリエステルの特に好ましい例は、(i)アゼライン酸およびテレフタル酸と、脂肪族のグリコール、好ましくはエチレングリコールとのコポリエステル、(ii)アジピン酸およびテレフタル酸と、脂肪族のグリコール、好ましくはエチレングリコールとのコポリエステル、ならびに、(iii)セバシン酸およびテレフタル酸と、脂肪族のグリコール、好ましくはブチレングリコールとのコポリエステルである。好ましいポリマーには、ガラス転移点(Tg)が−40℃、融点(Tm)が117℃であるセバシン酸/テレフタル酸/ブチレングリコール(好ましくは、成分は相対モル比45−55/55−45/100、より好ましくは50/50/100である)のコポリエステル、およびTgが−15℃、Tmが150℃であるアゼライン酸/テレフタル酸/エチレングリコール(好ましくは、成分は相対モル比40−50/60−50/100、より好ましくは45/55/100である)のコポリエステルが含まれる。
【0021】
以下実施形態B4と呼ばれる別の代替実施例では、追加のヒートシール可能層は、エチレン酢酸ビニル(EVA)を含む。適切なEVAポリマーは、DuPontからElvax(商標)樹脂として得ることができる。通常は、これらの樹脂は、酢酸ビニル含有量が9%から40%、通常は15%から30%の範囲である。
【0022】
追加のヒートシール可能層の厚さは、一般に基材の厚さの約1と30%との間である。通常は、追加のヒートシール可能層は、厚さを最高約25μm、より好ましくは最高約15μm、より好ましくは最高約10μm、より好ましくは約0.5と6μmとの間、より好ましくは約0.5と4μmとの間とすることができる。
【0023】
複合フィルムは、少なくとも300g/25mm、好ましくは約400g/25mmから約1000g/25mm、より好ましくは約500から約850g/25mmの(周囲温度での)ヒートシール強度をそれ自体に対して示すことが好ましい。
【0024】
複合フィルムは、通常は標準的なAPET/CPETトレーに対して(周囲温度において)300から1800g/25mmの範囲、好ましくは少なくとも400、好ましくは少なくとも600、好ましくは少なくとも700、より好ましくは少なくとも800g/25mmのヒートシール強度を発現する。好ましくは、コーティングされたフィルムのAPET/CPETトレーに対するヒートシール強度は、800〜1500g/25mm、好ましくは800〜1200g/25mmの範囲である。
【0025】
基材の形成は、当技術分野でよく知られている通常の技法によって行うことができる。好都合には、基材の形成を、下記に記載の手順に従って押出によって行う。一般的に、この方法は、溶融ポリマーの層を押し出すステップと、押出物を急冷するステップと、急冷した押出物を少なくとも一方向に延伸するステップとを含む。
【0026】
基材を一軸延伸することができるが、フィルムの平面内において相互に直角な2方向に延伸することによって二軸延伸して、機械的および物理的諸特性の満足できる組合せを実現する。延伸を当技術分野で知られている任意の延伸フィルム製造方法、例えばチューブ状フィルム法(tubular film process)またはフラットフィルム法(flat film process)で行うことができる。
【0027】
好ましいフラットフィルム法では、基材形成用ポリエステルを、スロットダイ(slot die)を通して押し出し、冷却した流延用ドラム上で速やかに急冷して、ポリエステルが非晶質状態に急冷されるようにする。次いで、急冷した押出物を少なくとも一方向にポリエステルのガラス転移温度より高い温度で延伸することによって延伸を行う。急冷したフラットな押出物を、フィルム延伸機によってまず一方向、通常は縦方向、すなわち順方向に、次いで横方向に延伸することによって、順次延伸を行うことができる。押出物の順方向延伸は、好都合には、一連の回転ロール上で、または2組のニップロール(nip roll)間で行い、次いで横方向延伸を幅出装置で行う。あるいは、流延フィルムを、二軸幅出装置で同時に順方向と横方向で延伸することができる。延伸をポリエステルの性質によって決定される程度に行う。例えば、ポリエチレンテレフタレートを、通常は延伸フィルムの寸法が延伸の一方向または両方向においてその元の寸法の2から5倍、より好ましくは2.5から4.5倍となるように延伸する。通常は、延伸を70から125℃の範囲の温度で行う。一方向でしか延伸が必要でない場合、より大きい延伸比(例えば、最高約8倍)を使用することができる。機械方向と横方向で等しく延伸することは、均衡の取れた特性が望ましい場合には好ましいが、必要ではない。
【0028】
延伸フィルムは、寸法制限下にポリエステルのガラス転移温度より高いがその融点より低い温度でヒートセットして、ポリエステルの結晶化を誘導することによって寸法安定化することができ、またそれが好ましい。フィルム収縮が重大な関心事でない用途では、フィルムを比較的低温でヒートセットする、あるいはまったくヒートセットしないことができる。他方、フィルムをヒートセットする温度を上げるにつれて、フィルムの引裂抵抗は変化しうる。したがって、実際のヒートセット温度および時間は、フィルムの組成物に応じて変わるが、フィルムの引裂抵抗特性を実質的に低減するような選択をすべきではない。特許文献16に記載されているように、これらの制約の範囲内で、ヒートセット温度は約135°から250℃であることが一般に望ましい。
【0029】
追加のヒートシール可能層の形成を通常の技法によって行うことができる。ヒートシール可能層の形成方法、および基材へのその適用は、ヒートシール可能層の材質に依存する。通常の技法は、ヒートシール可能層を予備形成基材層に流延することを含む。好都合には、追加のヒートシール可能層および基材の形成を同時押出によって行い、これは上記の実施形態B1およびB2に適切であろう。ヒートシール可能層を形成する他の方法は、ヒートシール可能なポリマーを基材上にコーティングすることを含み、この技法は上記の実施形態B3およびB4に適切であろう。コーティングは、グラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、ディップコーティング、ビードコーティング、押出コーティング、溶融コーティング、または静電スプレーコーティングを含めて適切な任意のコーティング技術を使用して行うことができる。コーティングは、「オフライン(off−line)」で、すなわち基材の製造中に使用する延伸および後続のヒートセットの後に、あるいは「インライン(in−line)」で、すなわちコーティングステップを、採用された任意の延伸操作(複数の操作でもよい)の前、その操作中、または複数の延伸操作の間に行って実施することができる。好ましくは、コーティングをインラインで、好ましくは二軸延伸操作[「インタードロー(inter−draw)」コーティング]の順(forward)延伸と側方延伸との間に行う。ヒートシール可能層のコーティングの例には、ポリオレフィンをポリオレフィンおよびポリエステルの基材それぞれにインタードロー押出コーティングすることを開示している特許文献17および特許文献18;エチレン−酢酸ビニルコポリマーをポリプロピレン基材上にインタードロー押出コーティングすることを開示している特許文献19;およびコポリエステルのコーティングを開示している特許文献20が含まれ、これらの文献の開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0030】
追加のヒートシール可能層を基材上に塗布する前に、基材の暴露面を、望むなら化学的または物理的な表面改質処理にかけて、その表面とその後に塗布される層との結合を改善することができる。例えば、基材の暴露面を、コロナ放電を伴う高圧電気ストレスにかけることができる。あるいは、一般的な有機溶媒に溶解したハロゲン化フェノール、例えば、p−クロロ−m−クレゾール、2,4−ジクロロフェノール、2,4,5−または2,4,6−トリクロロフェノールまたは4−クロロレゾルシノールのアセトンまたはメタノール溶液などの基材に対して溶剤または膨潤作用を有する当技術分野で周知の作用物質で、基材を前処理することができる。
【0031】
基材は、厚さが約5から350μm、好ましくは9から約150μm、特に約12から約40μmとの間であることが適切である。
【0032】
基材層中の換気手段は、1つまたは複数の切り込みまたは穿孔の形をなす。基材層中の切り込みまたは穿孔は、フィルムの厚さを貫通して伸びている。すなわちフィルムがx次元およびy次元で平面を画定する場合、切り込みまたは穿孔は、フィルムの第1の表面からフィルムの第2の表面までz軸に実質的に沿ってのびている。切り込みまたは穿孔の大きさおよび単位面積当たりの数を、包装するべき食物の種類に応じて調整することができる。
【0033】
しかし、一般に切り込みの長さは、約1から約50mmとすることができる。好ましくは、切り込みは200cm当たり約1から約100個、より好ましくは切り込みは200cm当たり約1から約50個存在する。
【0034】
単一の直線の切り込みで、使用時に自己換気性をもたらすことができる。一代替実施形態では、複数の切り込み(本明細書ではこれを一「組」の切り込みと呼ぶ)を一緒に配置して、この一組の切り込みが1つまたは複数のフラップをフィルム中に作り出すことができ、調理時間中、該フラップはシール容器内での圧力増大に応答した動きをすることができる。
【0035】
基材、および追加のヒートシール可能層が存在する場合はそれも含めて、ブレードおよびレーザーのような適切な任意の切断方法を使用して切り込みを行うことができる。
【0036】
自己換気手段が穿孔を含む場合、平均直径は、好ましくは約0.05から約1.5mm、好ましくは約0.05から約1.0mm、より好ましくは約0.05から約0.7である。一実施形態(実施形態I;レーザー穿孔)では、穿孔は、0.05から0.3mmの範囲、通常は0.05から0.1mmの範囲である。別の実施形態[実施形態II;ホットニードル(hot needle)またはガスフレーム(gas flame)穿孔]では、穿孔は、0.1から1.5mmの範囲、好ましくは約0.1から1.0mmの範囲である。(実施形態1の場合)好ましくは、200cm当たり約10から100,000個の穿孔(すなわち、20cm×10cmの面積にわたって)、より好ましくは200cm当たり約100から約10,000個の穿孔が存在する。(実施形態2の場合)好ましくは、200cm当たり約1から約100,000個の穿孔、より好ましくは200cm当たり約10から約10,000個の穿孔が存在する。
【0037】
穿孔基材は、穿孔度が約0.001から約50%、好ましくは約0.01から約10%であることが好ましい。一実施形態では、穿孔度は、約0.01から約50%、一般的に約1から50%、より一般的に約1から30%、より一般的に通常は約1から10%である。本明細書では「穿孔度」という用語は、百分率で表された全表面積のうちの孔部分を指す。すなわち、フィルム全表面積のうちの穿孔の全面積を百分率で表したものである。
【0038】
基材、および追加のヒートシール可能層が存在する場合はそこにおいても、適切な任意の手段を使用して穿孔を行うことができる。レーザー光線(例えば、COレーザー)は、0.05から0.3mmの範囲の穿孔に適している。基材、および追加のヒートシール可能層が存在する場合はそれも含めて、ホットニードル技法によって[例えばIntermittent Hot Needle Perforator PX9シリーズ;BPM Engineering Services Ltd、英国ロッチデール(Rochdale、UK)を使用して]機械的穿孔を行うことができ、この技法は、一般に0.1から1.5mm、通常は0.1から0.7mmの範囲の孔径となる穿孔に適している。基材、および追加のヒートシール可能層が存在する場合はそれも含めて、ガスフレーム技法によって(例えば、Shermanのガスフレームフィルム穿孔機を使用)機械的穿孔を行うこともでき、この技法は一般に0.4mm以上の孔径となる穿孔に適している。
【0039】
基材中の切り込みもしくは何組かの切り込みまたは穿孔はすべて、同じまたは実質的に同じ大きさを有することが好ましい。切り込みまたは穿孔は、基材全体にわたって存在することが好ましい。一代替実施形態では、例えば、フィルムを入れ物の蓋用フィルムとして使用する場合、入れ物には様々な区画(compartment)が存在してもよく、したがって切り込みまたは穿孔は、基材のある一部分のみに、あるいは様々な大きさまたは密度で基材の様々な部分に存在することができる。
【0040】
切り込み(何組かの切り込み)または穿孔を、規則的な構成で、通常は基材の全域に1つまたは複数のラインで配置することが好ましい。任意の適切なパターンを採用することができる。例えば、穿孔を、立方最密配列、または六方最密配列で配置することができる。
【0041】
蓋用フィルムとして本明細書に記載するフィルムを使用する際、遮断層の機能は、容器内に包まれている食物物質を輸送および貯蔵中に損なうことになる、昆虫、細菌、および空中汚染物質などの外部汚染物質の容器内への進入に対して物的障壁を提供することである。遮断層を、食物物質の調理時間中に発生した水蒸気が出て行くことが可能になるように、すなわち蓋をした容器が自己換気性であることが可能になるように調整もする。
【0042】
上記に記述するように、遮断層は、上記の実施形態AおよびBにあるように、通常、基材の第1の表面上に被着され、オーブンで使用できる食品用の入れ物に被着させる場合、包装の最外層をなす。
【0043】
好ましくは、遮断層は、基材の表面全体にわたって広がる。しかし、一実施形態では、例えば基材が1つまたは複数の不連続領域にしか切り込みまたは穿孔を含まない場合のように、遮断層は基材の表面全体にわたっては広がらない。その実施形態では、遮断層は、ただそれらの不連続領域において基材上に塗布しさえすればよい。したがって、穿孔のラインを覆う領域におけるフィルムの幅または長さに及ぶ1つまたは複数のストリップとして遮断層を被覆することができる。
【0044】
遮断層は、基材の表面の少なくとも一部分上に不連続層をなし、換気手段を覆って配置され、すなわち遮断層は、実質的に換気手段中に広がることも、またはそれを充填することもしない。本明細書では、「実質的に換気手段中に広がり、またはそれを充填する」という用語は、遮断層の材料が、換気手段の体積の50%以下、好ましくは40%以下、好ましくは30%以下、好ましくは20%以下、好ましくは10%以下、好ましくは5%以下、好ましくは0%を占めることを意味し、換気手段の体積は、換気手段によって基材層中に形成された空隙の体積と定義される。
【0045】
遮断層を様々なフィルム形成用材料から形成することができる。ただし、形成されたフィルムが水に完全または部分溶解できることを条件とする。調理時間中に発生した水蒸気が、切り込みまたは穿孔の領域のポリマー層を部分または完全溶解する。次いで、調理時間中に発生した水蒸気は、基材層の切り込みまたは穿孔を経由してフィルムを通り抜けて逃散し、それによって容器の自己換気性が可能になる。
【0046】
溶解性は、フィルムを脱イオン水に80℃で2分間浸したとき溶解する遮断層の分率として測定する。したがって、完全に水溶性の遮断層の場合は、溶解する層の質量分率は1である。溶解する層の質量分率は、少なくとも0.5、好ましくは少なくとも0.65、好ましくは少なくとも0.8、好ましくは少なくとも0.9、好ましくは少なくとも0.95、好ましくは少なくとも0.99、および好ましくは1であることが好ましい。
【0047】
したがって、遮断層の材料は、80℃において2分間で水に部分または完全溶解する。したがって、水蒸気に高温で暴露されると、1つまたは複数の換気手段にわたる遮断層の部分は、部分または完全溶解する。したがって、1つまたは複数の換気手段にわたる遮断層の部分は非可逆的に除去され、したがって例えば調理時間の終了時に、水蒸気に暴露されることによって(例えば、細菌、空中汚染物質、および昆虫に対する)その遮断特性が破壊される。本明細書で使用する「高温」とは、特に通常はオーブンで使用できる食品の調理時間において生成される水蒸気によって実現される温度、すなわち、少なくとも60℃、好ましくは少なくとも70℃、好ましくは少なくとも80℃、好ましくは少なくとも90℃、好ましくは少なくとも100℃を指す。
【0048】
水溶性遮断層の形成に適したポリマーは、その主鎖と水分子の間で水素結合を形成することが可能になるポリマー、およびイオン性基がその主鎖に存在するポリマーである。適切なポリマーとしては、多糖類[キチン、キトサン、グアー、水溶性セルロース誘導体(酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース等などエステルおよびエーテル誘導体を含める)を含める]、水溶性デンプンおよびデンプン誘導体、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル−ビニルアルコール−ポリオキシアルキレンメタクリレートコポリマー(Vinex)、キサンタンガム、ポリビニルピロリドン、およびポリペプチド(ゼラチンを含める)が含まれる。このような材料からフィルムを形成する場合、可塑剤を使用することができ、適切な可塑剤としては、水に溶かしたグリセロールおよびポリエチレングリコールなどがある。溶液のポリマーを基材層にコーティングして湿潤性を高める場合は、界面活性剤を使用することができる。適切な架橋剤を使用して、遮断層の水溶性を完全水溶性から部分水溶性まで変えることができる。
【0049】
遮断層の厚さは、約0.05から約40μm、好ましくは約1.0から約40μm、好ましくは約5から約40μm、好ましくは約5から約30μm、好ましくは約10μmから約25μmである。一実施形態では、遮断層は約12μm以下であり、別の実施形態では約8μm以下である。
【0050】
基材および遮断層を含む複合フィルムを、適切な任意の技法によって、例えば溶液からのコーティング、基材上への(または基材とヒートシール可能層の複合物への)遮断層の積層、あるいはポリマーメルトでの押出コーティングによって形成することができる。製造方法は、遮断物および基材層の性質、および/または基材層の構造に応じて異なる。基材が0.1mm未満の穿孔を含む場合、遮断層を、積層またはコーティング技術によって塗布することができる。基材が0.1mmを超える穿孔を含む場合、遮断層を押出コーティングまたは積層によってより適切に塗布する。基材が切り込みを含む場合、コーティング層の塗布方法を、溶液コーティング、積層、または押出コーティングによって実現することができる。コーティングまたは積層ステップは、当技術分野でよく知られている通常の技法に従って行うことができる。
【0051】
コーティングステップは、例えばグラビアコーティング(直接または間接)、スロット−ダイ(slot−die)コーティング(ポリマー溶液をコーティングする場合)、押出コーティング、または溶融コーティング技法(ポリマーメルトをコーティングする場合)を使用して実施することができる。基材に塗布する時点でのコーティング用液体の粘度は高すぎてはならず、そうでなければ、ポリマーは適切に流れなくなり、コーティングが困難になり、凸凹の被覆厚さになるが、コーティング用液体が基材層の切り込みまたは穿孔を通り抜けてしまうほど低すぎるべきでない。コーティング用液体の粘度は、少なくとも0.05Pa.sであることが好ましい。
【0052】
スロット−ダイコーティングおよびグラビアコーティングは、当技術分野でよく知られており、特にコーティング用液体の粘度が約0.05から約5Pa.sである場合適用することができ、グラビアコーティングは、この範囲の下端でより適しており、スロット−ダイコーティングは、この範囲の上端でより適している。
【0053】
押出コーティングは、非特許文献1によって、また非特許文献2によっても記載されている。押出コーティングプロセスは、一般に中間または高粘度(少なくとも50Pa.sで、最高約5000Pa.s)のポリマーに使用し、一般にダイと基材との間のエアギャップ(通常は、約15cm)を使用する。コーティングされた基材を、熱除去用冷却ローラと、圧力負荷され弾性被覆されたニップロールとの間を通す。通常は、押出コーティングプロセスを少なくとも200℃、および多くの場合より高い温度で行う。
【0054】
ホットメルトコーティングまたはスロットコーティングとも呼ばれる溶融コーティングは、DurstおよびWagnerによって記載されている(非特許文献2参照)。コーティングは、一般に約260℃以下(通常は、200から260℃、特に220から250℃、さらに特に230から250℃)の温度で実施する。溶融コーティング装置は、通常は、絶縁フレキシブルホースを介してダイに連結した溶融室を含む。溶融室は、ポリマー/接着剤を加熱して溶融状態にする加熱素子をその基部に有するホッパからなる。溶融室が常に「補給」されているように、ホッパに通常の手段によって連続供給し、それによって溶融ポリマーへの空気の進入が最小限に抑えられて、溶融ポリマーの酸化が低減される。次いで、溶融ポリマーをポンプでホースから通常の「コートハンガー(coathanger)」ダイに送り込む。これまでの溶融コーティングプロセスでは、ダイと基材との間にエアギャップがないように、基材ウェブをローラによってダイに押し付ける。ローラは、一般に十分な背圧をダイに提供して、平坦なコーティング層をもたらすゴムバッキングローラ(rubber backing roller)である。好ましくは、処理温度におけるコーティング層ポリマーの粘度は、約50Pa.s以下、好ましくは少なくとも約20Pa.sである。
【0055】
積層プロセスは、フィルムの重要な特性が保持されるように実施すべきである。接着剤層が厚すぎる場合、接着剤層は水蒸気がフィルムを通り抜けることを妨げるおそれができる。したがって、積層プロセスは、接着剤が必要な場合は最低限の接着剤だけを使用すべきである。本発明の複合フィルムは、その主な対象とする用途、すなわちオーブンで使用できる食品用の蓋用フィルムに適しているために、単に低離層抵抗を必要とするだけである。通常は、複合フィルムの離層接着強さは、300g/25mm以下、好ましくは約100g/25mmから約300g/25mm、より好ましくは約150から約300g/25mmである。好ましくは、したがって接着剤をコーティング重量(coat weight)2.0g/m以下、好ましくは0.5g/m以下、好ましくは1.0g/m以下で塗布する。好ましい一実施形態では、接着剤はEVAを含み、好ましくは典型的な硬化時間が1と2秒との間である速硬性接着剤、例えばBAM301(Beardow and Adams Ltd、英国ミルトンキーンズ[Milton Keynes、UK)]である。一実施形態では、通常のスプレー溶融コーティング技法を使用して、接着剤を、遮断フィルムまたは基材(好ましくは遮断フィルム)に塗布する。スプレー溶融コーティング装置[Dynafibre(商標)]は、Mercers Ltd[英国ラグビー(Rugby、UK);ITW Dynatech Inc、米国(USA)の実施権者]から得ることができる。次いで、前記遮断フィルムおよび基材を、加熱されたニップローラに通して、最終複合フィルムを得ることによって積層を好都合に行う。積層を行うのに適した他の方法および装置は、当業者に明らかであろう。
【0056】
接着剤の積層またはコーティングの前に、複合フィルムの基材および/または遮断層の暴露面は、望むなら、本明細書で上記に記載するように化学的または物理的な表面改質処理にかけることができる。特に、基材層の表面張力を低減し、コーティング溶液によって表面を湿潤させることを可能にし、もって均一な層を得るために、溶液から遮断層を基材上にコーティングする場合は、界面活性剤が好ましい。
【0057】
遮断層が自己支持性フィルムである場合、遮断層は、本明細書に記載するようにそれ自体を一軸または二軸延伸できることが理解されよう。積層技法を使用して、複合フィルムを作製する場合、一般的に本明細書に記載するフィルム製造方法によって、自己支持性フィルムを製造することができる。
【0058】
本発明の別の態様によれば、ヒートシール可能な複合フィルムの製造方法であって、
(a)第1および第2の表面を有するポリマー基材層、ならびに任意選択的に基材の第2の表面上に被着させた不連続なヒートシール可能層を提供するステップと、
(b)1つまたは複数の換気手段、および前記不連続なヒートシール可能層が存在する場合はそれも前記基材内に提供するステップと、
(c)水溶性遮断層を基材の表面上に提供するステップとを含み、
遮断層の厚さが約0.05から約40μmである方法を提供する。
【0059】
ポリマーフィルム層のうちの1つまたは複数は、ポリマーフィルムの製造に通常使用される添加剤のいずれでも好都合に含むことができる。したがって、架橋剤、染料、顔料、空隙付与剤(voiding agent)、滑沢剤、抗酸化剤、遊離基捕捉剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、粘着防止剤、界面活性剤、スリップ助剤、蛍光増白剤、光沢改善剤、分解促進剤(prodegradent)、粘度調整剤、分散安定剤などの作用物質を適切に組み合わせることができる。特に、複合フィルムは、例えば粒子状無機充填剤、または非相溶性樹脂充填剤、あるいは2つ以上のこのような充填剤の混合物とすることができる粒子状充填剤を含むことができる。このような充填剤は、当技術分野でよく知られている。
【0060】
粒子状無機充填剤には、通常の無機充填剤、特にアルミナ、シリカ(特に、沈降または珪藻土シリカ、およびシリカゲル)、チタニアなどの金属または半金属酸化物、焼成陶土、およびカルシウムおよびバリウムの炭酸塩および硫酸塩などのアルカリ金属塩が含まれる。粒子状無機充填剤は、空隙型、または非空隙型とすることができる。適切な粒子状無機充填剤は均質とすることができ、二酸化チタンまたは硫酸バリウム単独など単一の充填剤材料または化合物から本質的になる。あるいは、充填剤の少なくともある割合は、不均質とすることができ、主要な充填剤材料は、追加の改質成分を伴うことができる。例えば、主要な充填剤粒子を、充填剤のポリマー層との相溶度を促進もしくは変更するために、顔料、石鹸、界面活性剤カップリング剤、または他の改質剤などの表面改質剤で処理することができる。好ましい粒子状無機充填剤には、二酸化チタンおよびシリカが含まれる。
【0061】
無機充填剤は、微細化すべきであり、その体積分布の中央粒径(すべての粒子の体積の50%に対応する相当球径、粒子の直径に対する体積%に関する累積分布曲線で読み取られたもので、しばしば「D(v,0.5)」値と呼ばれる)は、好ましくは0.01から5μm、より好ましくは0.05から1.5μm、特に0.15から1.2μmの範囲である。無機充填剤粒子の好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95体積%は、体積分布の中央粒径±0.8μm、特に±0.5μmの範囲内である。充填剤粒子の粒径を、電子顕微鏡、クールター計数器、沈降分析および静的または動的光散乱により測定することができる。レーザー光回折に基づく技法が好ましい。中央粒径を、選択された粒径より小さい粒子体積の百分率を表す累積分布曲線をプロットし、第50百分位数を測定することによって決定することができる。
【0062】
層の組成物成分を一緒に、通常の方式で混合することができる。例えば、モノマー反応物と混合し、それから層ポリマーを誘導することによって、あるいは成分を混転(tumble)もしくはドライブレンドし、または押出機で混合することによってポリマーと混合し、続いて冷却し、通常は顆粒またはチップに粉砕することができる。マスターバッチング技術を使用することもできる。
【0063】
好ましい一実施形態では、本発明のフィルムは、光学的に透明であり、好ましくは散乱可視光の%(ヘイズ)が、ASTM規格D 1003に従って測定して、<10%、好ましくは<6%、より好ましくは<3.5%、特に<2%である。好ましくは、400〜800nmの範囲の全光線透過率(TLT)は、ASTM規格D 1003に従って測定して、少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%である。この実施形態では、充填剤は、通常は少量、一般に所与の層のポリマー重量の0.5%を超えず、好ましくは0.2重量%未満でしか存在しない。
【0064】
本発明のポリマーフィルムの主な使用は、即席または調理済み食物、例えば電子レンジまたは通常のオーブンで温めるオーブンで使用できる食品を包装するための入れ物の蓋をシールする、または入れ物の蓋を提供するためである。フィルムによって、調理時間中に生成する蒸気が容器から出て行くことが可能になる。本発明の自己換気型フィルムは、食料の全体積にわたって均一な加熱を促すという点でも有利であり、該均一加熱は、これらのタイプの用途で、既存の蓋では問題となる恐れがあるものである。入れ物は、熱成形トレーや椀などのトレーとすることができ、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルで、またはポリプロピレン、ポリスチレンで形成することができ、あるいはPVDCでコーティングすることができる。しかし、通常はオーブンで使用できる食品用の入れ物はAPET/CPETトレー(非晶質ポリエチレンテレフタレート層を結晶質ポリエチレンテレフタレート層の上に有する複合材料)である。他の適切なタイプの入れ物には、箔トレー(特にアルミニウム箔トレー)、金属蒸着トレー、およびPETでコーティングされたカートン用板紙または板紙から形成されたトレーが含まれる。金属蒸着した[特にフラッシュ金属蒸着(flash−metallized)した]PETカートン用板紙から形成されたトレーが、特に有用である。例えば、約0.01から4.0の範囲の光学密度に金属蒸着し、カートン用板紙に積層したPETから、トレーを生成することができる。一実施形態では、トレーは、参照により本明細書に組み込まれる特許文献1、特許文献2、または特許文献3に開示されるような材料から作製されたサセプタ・トレー(susceptor tray)、あるいはこれらの文献の開示に従って生成されたサセプタ・トレーである。
【0065】
一代替実施形態では、フィルムをそれ自体にヒートシールして、オーブンで使用できる調理済みの食品の包装の実質的にすべてを形成する。この実施形態では、フィルムの第1部分をフィルムの第2部分にヒートシールすることによって、シールを提供する。このようなシールは、通常の技法で行われ、「フィンシール(fin seals)」および「オーバーラップシール(overlap seals)」、好ましくはフィンシールを含む。食品をフィルム内に配置すると、フィルムの一方の部分のヒートシール可能な表面が、フィルムの他方の部分のヒートシール可能な表面に接触して、一緒に結合させるべきフィルムの2つの部分が一緒になり、通常の装置を使用して温度、および場合によっては圧力を適用することによってヒートシール結合を形成する。ヒートシール結合を、約110から約150℃の範囲の温度で形成することができる。
【0066】
本発明は、包装が本明細書で定義するフィルムを含む包装された食品、特にオーブンで使用できる食品を、さらに提供する。
【0067】
本発明は、食品、特にオーブンで使用できる食品を収容する入れ物、および本明細書で定義するポリマーフィルムから形成された蓋を含むシール容器を、さらに提供する。シール容器を当業者によく知られている技法によって生成する。包装するべき食物が入れ物に導入されると、ヒートシール可能なフィルム蓋を、通常の技法および装置を使用して温度および/または圧力を用いて付着させる。
【0068】
本発明はさらに、包装されたシール食品であって、該食品の周りにシールを行うまたは形成する包装が、本明細書で定義するようにそれ自体にヒートシールする複合フィルムである包装されたシール食品を提供する。
【0069】
別の態様では、本発明は、本明細書に記載するフィルムの、オーブンで使用できる食品用の包装としての使用を提供する。
【0070】
別の態様では、本発明は、オーブンで使用できる食品の包装における本明細書に記載するフィルムの蓋としての使用であって、該包装がさらに入れ物を含む使用を提供する。
【0071】
別の態様では、本発明は、本明細書に記載するフィルムの、オーブンで使用できる食品の包装における自己換気型フィルムとしての使用であって、特に前記包装は、蓋用フィルムとしてフィルムを含み、さらには入れ物を含む使用を提供する。
【0072】
以下の試験方法を用いて、ポリマーフィルムの特性を決定することができる。
【0073】
(i)フィルムの透明性は、ASTM D−1003−61に従って、ガードナー(Gardner)XL 211ヘイズメーターを使用して、フィルムの全厚を通して全光線透過率(TLT)、およびヘイズ(散乱透過可視光%)を測定することによって評価することができる。
【0074】
(ii)ヒートシール可能層のそれ自体に対するヒートシール強度は、2つのポリエステルフィルム試料のヒートシール可能層を一緒に配置し、275kPa(40psi)の加圧下、140℃で1秒間加熱することによって測定する。シールされたフィルムを室温に冷却し、シール複合物を幅25mmの細片に切断する。ヒートシール強度は、フィルムの層を4.23mm/秒の一定速度で剥ぎ取るのに線張力下で必要とされたシールの単位幅あたりの力を測定することによって決定する。
【0075】
(iii)標準的なAPET/CPETトレーに対するヒートシール強度を、以下の手順によって測定する。コーティングされたフィルムは、Microseal PA 201[Packaging Automation Ltd、英国(England)]トレーシーラーを使用し、コーティング層を用いて標準的なAPET/CPETトレーに温度180℃、圧力80psiで1秒間シールした。シールされたフィルムおよびトレーの細片(25mm)を、シールに対して90°で切断し、シールを剥ぎ取るのに必要とされた負荷を、クロスヘッド速度0.2m/分で操作するInstron Model 4301を使用して測定した。手順を繰返し、5つの結果の平均値を算出した。
【0076】
(iv)離層結合強さを以下の手順によって測定する。直定規、および較正試料切断装置(25mm±0.5mm)を使用して、最低の長さ100mmのラミネートの細片5個を切りとる。積層させた層間の剥離を各試料の一端から開始し、ラミネートを長さ約40mmの距離にわたって剥離する。各試料は、Instronモデル4464材料試験機を使用して、ゴム製顎面をもつ空気圧作用グリップを用いて試験する。クロスヘッド速度は50mm/分であった。試料をInstron顎器に挿入し、1層を固定顎器で締め、残りの半分を可動顎器で締めて、各層の等量を各顎器に保持して、ラミネートが均等に剥離することが可能になるようにする。装置によって、10mmと50mmとの間の各試料の平均剥離強さを記録し、ラミネートの接着強さを5つの試料平均値として単位g/25mmで示す。
【0077】
(v)酸素透過度は、通常の技法を使用してMocon 1050(Modem Controls Inc.)試験機器で決定することができる。フィルムの試料を、バックグラウンドの読取りを得ることができるように窒素キャリヤガス(水素1%含有)をシートの上と下に流しながら機器に配置する。シートの上の窒素を酸素で置換し、シートを透過することができる酸素量を、センサを使用することによって、キャリヤガス中で測定する。
【0078】
(vi)遮断層の溶解性は、フィルムを脱イオン水に80℃で2分間浸したとき溶解する層の分率として測定する。したがって、完全に水溶性の遮断層の場合は、溶解する層の分率は1である。手順は以下のとおりである。フィルム試料(200cm)を計量し、次いで撹拌しながら脱イオン水1リットルに80℃で2分間浸す。次いで、フィルム試料を、オーブン中、120℃で10分間乾燥する。次いで、処理後のフィルム試料の重量を測定する。次いで、溶解前のコーティングされたフィルムの重量は既知であるので、水溶性層の部分の重量を算出することができる。完全可溶の遮断層の場合は、溶解後の試料の重量は、コーティングされていないフィルム(すなわち、基材層)の重量に等しい。顕微鏡(Microviewer Nikon V 12B−倍率50)を使用してフィルムを検査して、スリット/孔の被覆を評価することもできる。完全可溶の遮断層の場合は、フィルムの検査によって、遮断層が消失し、スリット穿孔が被覆されていないことがわかる。部分可溶の遮断層の場合は、溶解分率ははるかに1に近いものの0から1の間であり、穿孔またはスリットは、少なくとも部分被覆のままである。
【0079】
(vii)自己換気性を、フィルムがトレーの少なくとも片側で破壊するのに必要とされた時間(単位、秒)として測定する。この時間は、破裂時間と呼ばれることがある。フィルムを、脱イオン水50cmを入れたポリプロピレン・トレー(面積:16.5cm×12.5cm、深さ:3.5cm)に150℃、5.5バールで1秒間ヒートシールする。次いで、シールされたトレーを出力900Wの電子レンジに入れ、10分間硬化(set up)する。直径1cmの穴を有するフィルムは10分間では破壊しないが、PPトレーにヒートシールされた切り込みまたは穿孔のないフィルムは、40〜50秒後に破裂する。
【0080】
本発明は、基材層の切り込みの場合のパターン(a)から(h)を示す図1を参照することにより説明される。
【0081】
本発明を以下の実施例によってさらに説明する。実施例は、例示の目的のものにすぎず、上記に記述する本発明を限定するものではないことが理解されよう。詳細な修正形態を、本発明の範囲から逸脱することなく行うことができる。
【実施例1】
【0082】
ポリエチレンテレフタレートを含むポリマー組成物を溶融押出し、冷却した回転ドラム上に流延し、押出方向にその元の寸法の約3倍に延伸した。フィルムを温度100℃の幅出オーブンに送り、そこでフィルムを側方方向にその元の寸法の約3倍に延伸した。二軸延伸フィルムを、通常の手段によって温度約230℃でヒートセットした。ヒートシール可能なエチレン酢酸ビニルポリマー(EVA Elvax(商標)樹脂;DuPont)コーティング層を、EVAをトルエン/THFに溶解し、基材にグラビアコーティングによってオフラインで塗布する方法で基材に塗布した。最終フィルムの全厚は、23μmであり、そのうち3μmはコーティング層であった。次いで、真直なブレードで切り込みを基材に行った。切り込みは直線状で、200cm当たり2本のライン(それぞれ長さ約2cm)を含んでいた。
【0083】
次いで、基材に、ぜん動式ポンプおよびスロットダイを使用して、以下の通りの多糖類を含む水溶液をコーティングした。
【0084】
(i)2%重量/重量キトサン(主にD−グルコサミンの繰返し単位からなる高分子量の多糖類で、75%超の単位が脱アセチル化している;Aldrich);
(ii)2%重量/重量酢酸;
(iii)0.1%重量/重量 Tween20(モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン;Aldrich);
(iv)0.5%重量/重量 PEG−400[分子量(数平均)約400gmol−1のポリエチレングリコール;Aldrich]。
【0085】
次いで、コーティングされた基材を150℃で数分間乾燥する。次いで、コーティングされたフィルムを、Sentinel Heat Sealer(Packaging Industries、USA)を使用してポリプロピレン(PP)トレーに、150℃、圧力5.5バール、1秒間ヒートシールする。フィルムの自己換気型特性を本明細書に記載するように試験すると、フィルムは70〜80秒後に破壊した。
【実施例2】
【0086】
(i)切り込みが、200cm当たり4本のライン(それぞれ長さ3〜4cm)を含み、(ii)コーティングが24%ポリビニルアルコール(PVA)水溶液(Celvol24−203;Celanese;粘度250〜1300mPa.s;88%加水分解(88%ヒドロキシル;12%OCOCH))であった点以外は、実施例1の手順に従った。コーティングされたフィルムは、70〜80秒後に破壊した。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の基材層の切り込みの場合のパターン(a)から(h)を示す図である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1および第2の表面を有するポリマー基材層、ならびに基材層の表面上に被着させた水溶性遮断層を含むヒートシール可能な複合フィルムであって、
(i)基材層がその中に1つまたは複数の換気手段を有し、
(ii)遮断層の厚さが約0.05から約40μmである
ことを特徴とするフィルム。
【請求項2】
遮断層の厚さは約5から約30μmであることを特徴とする請求項1に記載のフィルム。
【請求項3】
遮断層は、多糖類、ポリビニルアルコール、ビニルアルコールコポリマー、ポリビニルピロリドン、およびポリペプチドから選択されることを特徴とする前記請求項のいずれかに記載のフィルム。
【請求項4】
遮断層は、キトサン、キサンタンガム、セルロース誘導体、デンプンおよびデンプン誘導体、ならびに酢酸ビニル−ビニルアルコール−ポリオキシアルキレンメタクリレートコポリマーから選択されることを特徴とする請求項3に記載のフィルム。
【請求項5】
遮断層を基材の第1の表面上に被着させることを特徴とする前記請求項のいずれかに記載のフィルム。
【請求項6】
基材層はポリオレフィンであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のフィルム。
【請求項7】
基材は、ポリエステルを含むことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のフィルム。
【請求項8】
基材は、ポリエチレンテレフタレートを含むことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のフィルム。
【請求項9】
基材層は、ヒートシール可能層であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のフィルム。
【請求項10】
基材層の第2の表面上に被着させたヒートシール可能層が存在することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のフィルム。
【請求項11】
ヒートシール可能層は、エチレングリコール、テレフタル酸、およびイソフタル酸から誘導されるコポリエステルであり、好ましくはテレフタル酸成分とイソフタル酸成分のモル比は、65:35から85:15の範囲であり、より好ましくは約82:18であることを特徴とする請求項10に記載のフィルム。
【請求項12】
ヒートシール可能層は、テレフタル酸、エチレングリコール、および1,4−シクロヘキサンジメタノールから誘導されるコポリエステルであり、好ましくは1,4−シクロヘキサンジメタノールとエチレングリコールのモル比は、30:70から35:65の範囲であり、より好ましくは約33:67であることを特徴とする請求項10に記載のフィルム。
【請求項13】
ヒートシール可能層は、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、および化学量論量の1種または複数種のグリコールから誘導されるコポリエステルであり、コポリエステル中の前記芳香族ジカルボン酸の濃度は、コポリエステルの全ジカルボン酸成分に対して50から55モル%の範囲であり、コポリエステル中の前記脂肪族ジカルボン酸の濃度は、コポリエステルの全ジカルボン酸成分に対して45から50モル%の範囲であることを特徴とする請求項10に記載のフィルム。
【請求項14】
前記芳香族ジカルボン酸は、テレフタル酸であり、前記脂肪族ジカルボン酸は、セバシン酸、アジピン酸、およびアゼライン酸から選択され、グリコール成分は、エチレン、またはブチレングリコールであることを特徴とする請求項13に記載のフィルム。
【請求項15】
前記ヒートシール可能層は、酢酸ビニル含有量が9%から40%の範囲のエチレン酢酸ビニル(EVA)を含むことを特徴とする請求項10に記載のフィルム。
【請求項16】
自己換気手段は、約1から約40mmの長さの切り込みを含むことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載のフィルム。
【請求項17】
200cm当たり1から100個の切り込みを有することを特徴とする請求項16に記載のフィルム。
【請求項18】
自己換気手段は、平均直径約0.05から約1.5mmの穿孔を含むことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載のフィルム。
【請求項19】
自己換気手段は、200cm当たり約1から約100,000個の穿孔を含むことを特徴とする請求項18に記載のフィルム。
【請求項20】
穿孔基材は、穿孔度約0.001から約50%であることを特徴とする請求項18または19に記載のフィルム。
【請求項21】
ヒートシール可能な複合フィルムの製造方法であって、
(a)第1および第2の表面を有するポリマー基材層、ならびに任意選択的に基材の第2の表面上に被着させた不連続なヒートシール可能層を提供するステップと、
(b)1つまたは複数の換気手段、および前記不連続なヒートシール可能層が存在する場合はそれも前記基材に提供するステップと、
(c)水溶性遮断層を基材の表面上に提供するステップと
を含み、遮断層の厚さが約0.05から約40μmであることを特徴とする方法。
【請求項22】
遮断層を基材上にコーティングすることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
請求項1から20のいずれかに記載のフィルムの、オーブンで使用できる食品用包装としての使用。
【請求項24】
請求項23に記載のフィルムの、オーブンで使用できる食品の包装における自己換気型フィルムとしての使用。
【請求項25】
請求項23または24に記載のフィルムの、前記包装の蓋としての使用であって、前記包装はオーブンで使用できる食品用の入れ物をさらに含むことを特徴とする使用。
【請求項26】
前記包装が、請求項1から20のいずれかに記載のフィルムを含むことを特徴とする包装された食品。
【請求項27】
前記包装が、食品を収容している入れ物、および請求項1から20のいずれかに記載のポリマーフィルムから形成された蓋を含むことを特徴とする請求項26に記載の包装された食品。
【請求項28】
前記包装は、本明細書で定義するようにそれ自体にヒートシールする複合フィルムであることを特徴とする請求項26に記載の包装された食品。
【請求項29】
前記食品は、オーブンで使用できる食品であることを特徴とする請求項26から28のいずれかに記載の包装された食品。

【公表番号】特表2007−522956(P2007−522956A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520012(P2006−520012)
【出願日】平成16年7月16日(2004.7.16)
【国際出願番号】PCT/GB2004/003098
【国際公開番号】WO2005/007400
【国際公開日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(300038826)デュポン テイジン フィルムズ ユー.エス.リミテッド パートナーシップ (36)
【Fターム(参考)】