自己撮影システム
【課題】不特定多数からの閲覧を排し、あるIPカメラの特定の時刻の映像を閲覧できるのは、その時にその場所にいた人のみに限定を可能とし、三人称視点での撮影および行動記録が可能なシステムを提供する。
【解決手段】IPカメラと携帯型端末の無線回線に弱い出力の電波を用い、IPカメラに映る範囲程度でのみ携帯型端末と通信可能とする。IPカメラから撮影映像にアクセスするための鍵を所定の時間間隔で送信し、携帯型端末は受信した鍵に携帯型端末固有の識別情報を加えIPカメラに返信する。IPカメラは携帯型端末の識別情報を受けると、該情報をユーザ管理サーバに記録する。ユーザから、映像閲覧要求を受けた際には、ユーザ管理サーバの情報を調べ、その時刻の該IPカメラに映っている場合に、映像データを返信する。
【解決手段】IPカメラと携帯型端末の無線回線に弱い出力の電波を用い、IPカメラに映る範囲程度でのみ携帯型端末と通信可能とする。IPカメラから撮影映像にアクセスするための鍵を所定の時間間隔で送信し、携帯型端末は受信した鍵に携帯型端末固有の識別情報を加えIPカメラに返信する。IPカメラは携帯型端末の識別情報を受けると、該情報をユーザ管理サーバに記録する。ユーザから、映像閲覧要求を受けた際には、ユーザ管理サーバの情報を調べ、その時刻の該IPカメラに映っている場合に、映像データを返信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークに接続された多数のIPカメラと映像録画サーバを用いた映像記録システムに関し、特に、自己の撮影および行動記録の提供を可能とする自己撮影システムに関わる。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク技術の高速化と低価格化に伴い、映像データの伝送にIP(Internet Protocol)ネットワークが用いられることは一般的となった。それに伴い、記録装置のネットワーク対応化も進んでいる。
IPカメラと同一LAN(Local Area Network)に設置し、IPカメラが撮影した映像データを記録する記憶装置や、映像データをWAN(Wide Area Network)を介して遠方のデータセンタ内で集約して記録する記憶装置(例えば、特許文献1参照)など、多様化が進んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4151517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、防犯意識の高まりやネットワーク機器の普及に伴い、公共交通機関、公共施設、公道など、街中の至る所にIP接続された防犯用のIPカメラが設置され、その数も増加傾向にある。
しかし、防犯用のIPカメラが撮影した映像データは、所定の期間、所定の記憶装置に記録され、何か事件が発生した場合に、当該事件の捜査のために閲覧する用途に使用される。従って、撮影された一般の人(自己)がこれらの映像を、他の用途で利用するためのシステムではない。
【0005】
一方、自己の外出時の行動、例えば、自己がいつどこでどんな行動をしていたかを撮影し、記録しておきたいというユーザのニーズも高まっている。その撮影も、ユーザが常にカメラを構えて撮影して回る(ユーザ視点=一人称視点)のではなく、ユーザを被写体として撮影する三人称視点での撮影を低コストで行なえる方式への需要が高まっている。なお、ユーザの視点で撮影することを一人称視点、ユーザ自身を少し離れた位置から撮影することを三人称視点と呼称する。
従来、三人称視点での撮影を行なうには、被写体となるユーザを撮影する人(撮影スタッフ)が必要であり、撮影スタッフを用意できないことのある。また、もし一人で撮影を行なう場合には、三脚等でカメラを固定してセルフタイマーで撮影することもできる。しかし、行動中の至る所で、三脚等カメラを固定し、撮影しては三脚等を移動させるなど手間を要する。このように、行動記録に用いるには大げさすぎる手段しか存在しなかった。ましては、毎日とか定期的に行動記録を取るような場合には向かなかった。
そこで、街中に設置されたIPカメラを利用したいとの要望があった。しかし、街中に設置されたIPカメラが撮像した映像を不特定多数の一般人に公開することは、プライバシーへの配慮から避けたいとの要望もあって、実現化が難しい。
【0006】
本発明の目的は、上記のような問題に鑑み、外出時の行動記録の作成、特に三人称視点での映像撮影が可能な自己撮影システムを提供することにある。また、いつ何処にいたかの情報を、防犯用の監視システム内に保持させることが可能な自己撮影システムを提供することにある。
さらに、本発明は、不特定多数の一般への公開でなく、撮影された人にのみ映像を公開する自己撮影システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明の自己撮影システムは、 所定の監視領域を撮影し、撮影した映像から第1の映像と前記第1の映像より低解像度の第2の映像とを生成し、有線ネットワーク回線と無線ネットワーク回線とに送信するIPカメラ、および、前記IPカメラと前記無線ネットワーク回線を介して通信し、前記IPカメラが生成した前記第2の映像を受信して保存する携帯型端末とを有することを第1の特徴とする。
【0008】
また本発明の自己撮影システムは、上記本発明の第1の特徴の自己撮影システムにおいて、前記有線ネットワークに接続される映像録画サーバを有し、前記IPカメラは、前記第1の映像を前記有線ネットワークを介して前記映像録画サーバに送信し、前記映像録画サーバは、前記IPカメラの前記第1の映像を記憶し、前記携帯型端末と接続したPCが前記有線ネットワークを介して前記映像録画サーバに記憶された前記第1の映像を閲覧することを第2の特徴とする。
【0009】
さらに本発明の自己撮影システムは、上記本発明の第1の特徴または第2の特徴の自己撮影システムにおいて、前記IPカメラは、前記所定の監視領域を、一定時間毎に撮影する自動撮影モードと、携帯型端末から指示があった時点のみ撮影する手動撮影モードとを備え、前記携帯型端末は、前記自動撮影モードと前記手動撮影モードとを選択可能であることを第3の特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、外出時の行動記録の作成、特に三人称視点での映像撮影が可能な自己撮影システムを実現できる。
また、本発明によれば、いつ何処にいたかという情報を、防犯用監視システム内に保持させることが可能となる。
さらに、本発明によれば、不特定多数に公開せず、撮影された個人にのみ、当該映像を閲覧または提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1A】本発明の一実施例に係わるIPカメラの構成を示す図である。
【図1B】本発明の一実施例に係わるIPカメラの不揮発性メモリの構成を示す図である。
【図1C】本発明の一実施例に係わるIPカメラの不揮発性メモリの設定情報を説明するための図である。
【図1D】本発明の一実施例に係わるIPカメラの不揮発性メモリの設定情報の広告バナー情報を説明するための図である。
【図2A】本発明の自己撮影システムの一実施例の構成と運用について説明する図である。
【図2B】本発明の自己撮影システムの一実施例を説明するための図である。
【図2C】本発明の自己撮影システムの一実施例を説明するための図である。
【図2D】本発明の自己撮影システムの一実施例を説明するための図である。
【図3A】本発明の一実施例に係わる携帯型端末の構成例を示す図である。
【図3B】本発明の一実施例に係わる携帯型端末の初期画面を示す図である。
【図3C】本発明の一実施例に係わる携帯型端末の初期画面を示す図である。
【図3D】本発明の一実施例に係わる携帯型端末の詳細設定画面を示す図である。
【図4A】本発明の一実施例に係わる携帯型端末の手動録画モードの「撮影確認モード」の画面の一実施例を示す図である。
【図4B】本発明の一実施例に係わる携帯型端末の手動録画モードの「閲覧モード」の画面の一実施例を示す図である。
【図4C】本発明の一実施例に係わる携帯型端末の手動録画モードの「削除モード」の画面の一実施例を示す図である。
【図4D】本発明の一実施例に係わる携帯型端末の手動録画モードの「削除モード」の画面の一実施例を示す図である。
【図5A】本発明の一実施例に係わる携帯型端末の自動録画モードの「自動撮影中」の画面の一実施例を示す図である。
【図5B】本発明の一実施例に係わる携帯型端末の自動録画モードの「自動撮影中 プレビュー」の画面の一実施例を示す図である。
【図5C】本発明の一実施例に係わる携帯型端末の自動録画モードの「削除モード」の画面の一実施例を示す図である。
【図5D】本発明の一実施例に係わる携帯型端末の自動録画モードの「削除モード」の「確認を行う」の画面の一実施例を示す図である。
【図6】本発明の一実施例の情報の流れを説明するための図である。
【図7】本発明の一実施例の係わるテーマパークの地図画面を示す図である。
【図8】本発明の一実施例の係わるテーマパーク向け運用での携帯型端末が撮影した画面を示す図である。
【図9】本発明の一実施例の係わるテーマパーク向け運用でのCG合成用マーカプリント衣類を説明するための図である。
【図10】本発明の一実施例の係わるテーマパーク向け運用での携帯型端末が撮影した像のCG合成画面を示す図である。
【図11】本発明の一実施例の係わるテーマパーク向け運用での構成例を示す図である。
【図12】本発明の一実施例の係わる携帯型端末画面の広告表示を例示する図である。
【図13】本発明の一実施例の係わるサービスと対価の関係を説明するための図である。
【図14】本発明の一実施例の係わるサービスと対価の関係を説明するための図である。
【図15】本発明の一実施例の係わるサービスと対価の関係を説明するための図である。
【図16】本発明の一実施例の係わるサービスと対価の関係を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
防犯用に街中(街頭)に設置された監視システムにおいては、IPカメラを用いて撮影が行なわれている。街頭に設置されたIPカメラの録画映像を不特定多数に公開するのはプライバシーへの配慮から避けたいとの要望もあり、その両立が課題であった。本発明は、不特定多数からの閲覧を排し、IPカメラの特定の時刻の映像を閲覧できるのは、その時にその場所にいた人のみに限定し、三人称視点での撮影および行動記録が可能な自己映像撮影システムを提供するものである。
そのため、本発明において、IPカメラは、撮影した映像を常に映像録画サーバに送信し、映像録画サーバは映像を録画する。IPカメラと携帯型端末の無線回線に弱い出力の電波を用い、IPカメラに映る範囲程度でのみ携帯型端末と通信可能とする。IPカメラから撮影映像にアクセスするための鍵を所定の時間間隔で送信し、携帯型端末は受信した鍵に携帯型端末固有の識別情報を加えIPカメラに返信する。IPカメラは携帯型端末の識別情報を受けると、当該情報をユーザ管理サーバに送信し、ユーザ管理サーバは、誰がいつどのIPカメラに撮影されていたかを記録する。後で、ユーザから、映像閲覧要求を受けた際には、ユーザ管理サーバの情報を調べ、その時刻の該IPカメラに映っている場合に、映像データを返信するものである。
【0013】
以下、本発明の実施形態を、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、各図の説明において、同一の機能を有する構成要素には同一の参照番号を付し、説明の重複をできるだけ避ける。
また、以下の説明は、本発明の一実施形態を説明するためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素若しくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であり、これらの実施形態も本願発明の範囲に含まれる。
【実施例1】
【0014】
図1A、図1B、図1Cおよび図1Dによって、本発明の自己撮影システムの一実施例を説明する。
図1Aは、本発明の自己撮影システムの一実施例に係わるIPカメラ3の内部の構成例を示している。また図1Bは、図1AのIPカメラを構成する不揮発性メモリ307の構成を一実施例を示す図である。また図1Cは、図1Bの不揮発性メモリ3を構成する設定情報370の内容について説明するための図である。さらに図1Dは、図1Cの設定情報370を構成する広告バナー情報3709の内容について説明するための図である。
【0015】
図1AのIPカメラ3は、レンズ301、撮像部302、画像処理演算部303、バス304、制御部305、ワークメモリ306、不揮発メモリ307、有線ネットワーク回線を通信媒体として他局と通信するための有線ネットワーク接続部308、無線ネットワーク用アンテナ310、および無線ネットワーク用アンテナ310を介して無線ネットワーク回線を通信媒体として他局と通信するための無線ネットワーク接続部309を構成要素とする。
図1A、図1B、図1C、および図1Dにおいて、レンズ301は、撮像部302と接続可能で、設置場所に適合して、対象を適切に撮影できるものであれば何でも良く、特に言及しない。
【0016】
図1Aにおいて、撮像部302は、レンズ301で集光した光を光電変換およびアナログデジタル変換し、デジタルデータとして出力する。出力のデジタルデータは、例えば、画像処理演算部303に伝送される。
画像処理演算部303は、撮像部302から取得したデジタルデータを、ネットワーク出力に適した映像フォーマットにエンコードする。
【0017】
エンコードに使用する映像フォーマットは、例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)フォーマット、MPEG4(Moving Picture Experts Group 4)等である。
画像処理演算部303は、用途別に、2種のエンコードを切替えて行ない、2種の映像を生成する。
一種は、エンコード後のデータサイズよりも、映像の解像度(縦横のピクセル数)および画質を優先した映像データである。この映像データは、有線ネットワーク出力向けの高解像度の映像データであり、以後「HD(High Definition:高解像度)映像」と呼称する。
他種は、解像度および画質よりも、エンコード後のデータサイズを優先した映像データである。この映像データは、無線ネットワーク出力向けの低解像度の映像データであり、以後「サムネイル映像」と呼称する。
画像処理演算部303が生成する「HD映像」と「サムネイル映像」には、撮影されたIPカメラおよび撮影時刻を特定するための映像ID(Identifier:識別子)が格納される。即ち、同一のIPカメラで、同一の時刻に生成された「HD映像」と「サムネイル映像」は、同一の映像IDを持つ。
【0018】
画像処理演算部303は、バス304を介して、エンコードした2種の映像データをワークメモリ306に伝送し、格納する。
バス304は、データバスであり、画像処理演算部303、制御部305、ワークメモリ306、不揮発メモリ307、有線ネットワーク接続部308、および無線ネットワーク接続部309と接続し、映像データおよび制御命令を接続された各機器間に伝送する。
制御部305は、不揮発メモリ307内に予め格納された動作プログラム371を実行し、設定情報370に基づいて、撮像部302、画像処理演算部303、および無線ネットワーク接続部309に、対応する動作の指示を行なう。
【0019】
また、図1Aおよび図1Bにおいて、制御部305は、時計機能を有し、外部のNTP(Network time protocol)サーバと通信し、定期的に時刻合わせを行う。
例えば、制御部305は、動作プログラム371を実行する動作として、ワークメモリ306に格納された2種類の映像データを配信する。第1の映像データはHD映像であり、第2の映像データは公開鍵とサムネイル映像である。制御部305は、有線ネットワーク接続部308を介して、第1の映像データを配信する。また制御部305は、無線ネットワーク接続309および無線ネットワーク用アンテナ310を介して、第2の映像データを配信(伝送)する。
また例えば、制御部305は、ユーザ所持の携帯型端末2から無線ネットワーク接続部309を介して、アクセス権登録要求を受信したときには、後述する条件判定を行なう。そして、制御部305は、条件に合うと判定した場合には、有線ネットワーク接続部308を介して、ユーザ管理サーバ5にアクセス権の登録を要求する。
【0020】
ワークメモリ306は、制御部305が動作プログラム371を実行する時のワークメモリに使用される。また、ワークメモリ306は、画像処理演算部303が出力するHD映像とサムネイル映像の一時的な格納にも用いる。この実施例においては、ワークメモリ306には、不揮発メモリよりは高速な読み書きが可能な揮発メモリを使用する。
不揮発メモリ307には、IPカメラ3の電源が落とされた場合にも、保持が必要な情報を格納する。例えば、不揮発メモリ307には、動作プログラム371、設定情報371、秘密鍵372、および公開鍵373が格納される。
【0021】
動作プログラム371は、制御部305が稼動する実行ファイルである。
設定情報371には、図1Cに示すように、ユーザ管理サーバアドレス3701、撮像解像度3702、撮像フレームレート3703、HD映像情報3704、サムネイル映像情報3705、無線通信出力値3706、IPカメラ情報3707、無線サムネイル映像配信フレームレート3708、および広告バナー情報3709がある。
ユーザ管理サーバアドレス3701は、ユーザ管理サーバ5のネットワークアドレス情報である。
撮像解像度3702は、撮像部302の動作を指示するための設定情報であり、撮像部302から出力する映像データの解像度を示す。
撮像フレームレート3703は、撮像部302の動作を指示するための設定情報であり、撮像部302から出力する映像データのフレームレートを示す。例えば、撮像フレームレートは、1[s]当たりのフレーム数で示される。
HD映像情報3704は、画像処理演算部303の動作を指示するための設定情報であり、画像処理演算部303がエンコードして生成するHD映像の解像度と圧縮率を示す。
サムネイル映像情報3705は、画像処理演算部303の動作を指示するための設定情報であり、画像処理演算部303がエンコードして生成するサムネイル映像の解像度と圧縮率を示す。
無線通信出力値3706は、無線ネットワーク接続部309が無線通信に用いる電波出力を指定する設定値である。
IPカメラ情報3707は、IPカメラ3の設置場所や識別に用いる文字列情報である。IPカメラ情報3707は、無線ネットワーク回線62によってサムネイル映像を送信する際、IPカメラ情報3707も付与して配信する。
無線サムネイル映像配信フレームレート3708は、無線ネットワーク回線62によってサムネイル映像を送信する映像データのフレームレートを示す。例えば、配信フレームレートは、1[s]当たりのフレーム数で示される。無線出力のサムネイル映像の配信フレームレート3708は、撮像フレームレート3703以下の値を指定する。なお、IPカメラ3は、無線出力のサムネイル映像の配信フレームレートを、有線ネットワーク回線に出力するHD映像のフレームレートより、低くすることが可能である。
広告バナー情報3709は、IPカメラ3にて保持する広告用の情報である。
【0022】
図1Aおよび図1Bの本発明の一実施例の自己撮影システムにおいて、自己撮影システムを使用中のユーザの携帯型端末2の画面に、広告用の情報を広告バナーのように表示する機能を加えても良い。このような機能を加えて運用する場合には、例えば、時間、場所、および、ユーザ属性それぞれについて、異なる広告を表示することも可能である。
なお、携帯型端末2での広告バナーの表示例は、後述の図12で説明する。
広告用の情報は、IPカメラ3と、後述するユーザ管理サーバ5にて保持する。
広告バナー情報3709は、IPカメラ3にて保持する広告用の情報である。
広告バナー情報3709は、図1Dに示すように、複数の広告毎情報37090と送信広告選択情報37093で構成する。
広告毎情報37090は、バナー画像37091とリンクURL37092で構成する。
バナー画像37091は、携帯型端末2に表示する広告用の画像データである。
リンクURL37092は、ユーザが携帯型端末2に表示されたバナー画像37091を押下した際に表示するWebページのURL(Uniform Resource Locator)を示す。
送信広告選択情報37093は、広告バナー情報3709内に複数存在する広告毎情報37090の中で、どれを携帯端末2に送信するか選択するための情報である。
上述した構成例では、送信広告選択情報37093は、タイムテーブルであり、どの時間帯にどの広告毎情報37090を使用するかを定めた情報が入力される。
【0023】
携帯型端末2とIPカメラ3間は、公開鍵暗号方式を用いて通信を行う。
撮影を希望するユーザが保持する携帯型端末2とIPカメラ3間の通信には、秘密鍵372と公開鍵373を使用する。IPカメラ3側の秘密鍵と公開鍵が、秘密鍵372と公開鍵373である。また、この公開鍵は、他のIPカメラ3と異なるユニークな値である。
有線ネットワーク接続部308は、有線のネットワークとIPカメラ内部のバス304を接続する。
無線ネットワーク接続部309は、無線ネットワーク用アンテナ310を介する無線のネットワークと、IPカメラ内部のバス304を接続する。
無線ネットワーク用アンテナ310は、携帯型端末2とIPカメラ3間の無線ネットワーク通信に用いるアンテナである。
無線ネットワーク接続部309が用いる無線ネットワーク通信の出力値は、無線通信出力値3706で示される。その通信可能範囲は、数[m]から数十[m]程度とし、撮影された映像内にて撮影対象が認識できる大きさに映る範囲となるように、出力値を設定する。無線ネットワーク通信の方式は、例えば、Bluetooth(登録商標)である。
無線ネットワーク用アンテナ310は、好ましくは、IPカメラ3の撮影対象領域に合わせた指向性を有する。
【0024】
図2A、図2B、図2C、および図2Dを用いて、本発明の自己撮影システムの一実施例の構成と運用について説明する。図2Aは、防犯用等に利用され、街中や公共施設内に設置される監視システムである。本発明の自己撮影システムは、既設の図2Aの監視システムを使用して、一般のユーザが、外出中の行動記録および三人称視点での映像撮影を行い記録および閲覧するシステムである。
図2Aにおいて、ネットワーク回線6は、WANであり、街中10のIPカメラ3、3−1、・・・、3−n等のネットワーク機器(nは自然数)、各家庭のパソコン(PC:Personal Computer)1等のネットワーク機器、およびデータセンタ(映像録画サーバ4、ユーザ管理サーバ5)等のネットワーク機器と結合する。
IPカメラ3、3−1、・・・、3−nは、街中10に多数(図2では、n+1台)設置された防犯IPカメラである。また、有線ネットワーク回線63は、ネットワーク回線6とIPカメラ3(IPカメラ3、3−1、・・・、3−nを代表してIPカメラ3と称する)を接続する。
【0025】
外出中の行動記録および三人称視点での映像撮影を希望するユーザは、携帯型端末2を持ち歩く。携帯型端末2は、街中10に設置された監視システムのIPカメラ3と無線ネットワーク回線で通信を行う、この無線回線は、図2では、無線ネットワーク回線62とする。
パソコン1は、外出中の行動記録および三人称視点での映像撮影を希望したユーザの自宅に設置されたパソコンである。ネットワーク回線6上でユーザの自宅パソコン1までの回線を、ブロードバンドネットワーク回線61とする。
【0026】
映像録画サーバ4は、多数のIPカメラ3の映像データを長期間保持するサーバ装置である。また映像録画サーバ4は、任意時刻の映像の読み出しを可能とするサーバ装置である。
その実現手段は、この発明の本質でないため省略するが、実現手段の一例として、特許第4237549号公報や特許第4401132号公報等に記載がある。
図2A〜図2Dの実施例では、映像録画サーバ4は、録画装置を集中管理するデータセンタに設置されているものとする。また、図2の実施例では、ネットワーク回線6上で映像録画サーバ4に接続するネットワーク回線を、データセンタ屋内ネットワーク回線64とする。
映像録画サーバ4は、IPカメラ3が撮影した映像(HD映像11とサムネイル映像21)をネットワーク回線63、6、および64を介して取得し、取得したHD映像11とサムネイル映像21を、映像録画サーバ4内の記録デバイス401に保持する。
【0027】
ユーザ管理サーバ5は、携帯型端末2から発したアクセス権登録要求と映像出力を保持する。アクセス権の保持にはデータベースを用いるが、データベースの構成はこの発明の本質ではないため省略する。
またユーザ管理サーバ5は、パソコン1から発せられた映像要求に対し、アクセス権限があるか調査し、権限がある場合には、映像録画サーバ4から映像データを読み出しパソコン1に送付する。
図2の実施例では、ユーザ管理サーバ5は、映像録画サーバ4と同一のデータセンタに設置されているものとする。なお、ネットワーク回線6上でユーザ管理サーバ5に接続するネットワーク回線を、データセンタ屋内ネットワーク回線65とする。
【0028】
なお、図2A、図2B、図2C、および図2Dの実施例では、ブロードバンドネットワーク回線61および有線ネットワーク回線63は、ブロードバンド回線を使用しており、IPカメラ3が出力するHD映像の必要帯域を十分に上回っている。
また、データセンタ屋内ネットワーク回線64およびデータセンタ屋内ネットワーク回線65は、データセンタ内の高速回線を使用しており、ブロードバンドネットワーク回線61や有線ネットワーク回線63よりも高速である。
一方、無線ネットワーク回線62は、他のネットワーク回線61、63及び64より利用可能帯域は狭いが、サムネイル映像の伝送には十分な帯域を持っているものを使用する。
【0029】
外出中の行動記録を生成したいユーザは、携帯型端末2を携帯する。IPカメラ3の撮影のタイミングはユーザが選択可能である。ユーザは、一定時間毎にIPカメラ3に撮影させても良く、またユーザの操作によって携帯型端末2から指示があった時点のみ撮影するようにしても良い。ここで、本明細書では、前者を「自動撮影」モード、後者を「手動撮影」モードと称する。図2Bは、ユーザが撮影しようとする街中10の一例を模式的に表している。即ち、IPカメラ3の撮影動作を、「自動撮影」モード、または「手動撮影」モードとする選択は、ユーザの操作に基づいて、携帯型端末2が決定可能である。
ユーザは、今、図2Bで表した街中10にいる。IPカメラ3は、図2Bで表した街中10を撮影し、無線サムネイル映像配信フレームレート3708で設定されたフレームレートで、サムネイル映像21として、公開鍵373とIPカメラ情報3707と共に無線ネットワーク回線に出力する。勿論、ユーザは撮影された街中10の画像中に映り込まれている。
IPカメラ3の無線通信可能距離は、IPカメラ3の撮影対象となる距離である。このような距離しか到達しないように、IPカメラ3の無線出力は小さく調整されている。また、IPカメラ3は、固定された所定の画角で定められた撮影対象領域を撮影するように、設けられている。従って、この撮影対象領域が撮影された場合にはその中の画像中に、ユーザが一緒に映っている。
【0030】
携帯型端末2は、街中10に設置されたいずれかのIPカメラ3と、無線通信が可能な状態であれば、その旨を伝える表示を行う(詳細は図3A、図3B、図3C、図3D〜図5A、図5B、図5C、図5Dを用いて後述する。)。従って、ユーザの携帯端末2は、上述のIPカメラ3が撮影したサムネイル映像21を、公開鍵373とIPカメラ情報3707と共に受信することができる。
携帯型端末2とIPカメラ3の無線回線62が通信可能距離にあり、携帯型端末2は、ユーザの操作により、「自動撮影」モードまたは「手動撮影」モードのいずれかにて撮影の指示を出す。IPカメラ3は、携帯型端末2から上述のいずれかの撮影モードでの撮影指示を受信する。受信後、IPカメラ3は、撮影対象領域の撮影を行い、撮影した映像のサムネイル映像21を無線ネットワーク回線62を介して送信する。当該IPカメラ3の撮影対象領域内の携帯型端末2は、IPカメラ3から無線ネットワーク回線62を介して、サムネイル映像21受信し、受信したサムネイル映像21(図1C参照)を携帯型端末2内の記録デバイスに保存し、アクセス権要求をIPカメラ3に送信する。なお、同時に、IPカメラ3は、撮影した映像のHD映像11とサムネイル映像21をネットワーク回線63、6、および64を介して映像録画サーバ4に配信し、映像録画サーバ4は、取得したHD映像11とサムネイル映像21を、映像録画サーバ4内の記録デバイス401に保持する。
ユーザは、帰宅後、パソコン1を用いて、携帯型端末2に保存したサムネイル21内の映像IDと、撮影された時点で登録したアクセス権を用いて、ユーザ管理サーバ5にアクセスする。これによって、パソコン1は、映像録画サーバ4からネットワーク回線を介してサムネイル映像21と同一映像IDのHD映像11(図1D参照)を取得する(詳細は図6を用いて後述する。)。
一般的に、携帯型端末2のデータ保存用の容量は、パソコン1のそれに比べ小さい。それゆえに、ユーザは、携帯型端末2に保存したサムネイル情報21をパソコン1に転送し、携帯型端末2内からは削除しても良い。
【0031】
図3A、図3B、図3C、および図3Dによって、本発明に使用する携帯型端末2の構成例と初期画面について説明する。図3Aは、携帯型端末2の構成の一実施例を示す図である。図3Bと図3Cは、携帯型端末2の表示部(表示パネル)210に表示される初期画面を示す図である。また、図3Dは、携帯型端末2の表示部210に表示される詳細設定画面を示す図である。
図3Aに示す携帯型端末2のハードウェアは、例えば、市販されている汎用のPDA(Personal Digital Assistant)、若しくは、スマートフォン、またはアプリケーションの実行可能な携帯電話端末を使用する。携帯型端末2は、IPカメラ3と無線ネットワーク回線62で接続可能な部位、蓄電池、表示部210、不揮発性メモリ22、および制御部を最小構成とする。かつ、制御部は、本発明の自己撮影システム用のアプリケーションの動作を制御する。
不揮発性メモリ22は、本発明の自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションの動作に必要な情報として、動作プログラム221、秘密鍵222、公開鍵223、設定情報224、サムネイル映像保存領域225、およびユーザ情報226を有する。
【0032】
設定情報224は、本発明の自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションの動作を指定するための設定情報である。この設定情報224は、撮影許可フラグ2240、撮影モード2241、撮影時間間隔2242、および削除確認モード2243から成る。
撮影許可フラグ2240は、後述する図3Cの詳細設定画面23−2でユーザが選択する値であり、「撮影許可」と「撮影不許可」の値を持つ。
撮影モード2241は、後述する図3Bの初期画面23でユーザが選択する値であり、「手動撮影」若しくは「自動撮影」のいずれかを保持する。
撮影時間間隔2242は、ユーザが指定する値であり、初期画面23でユーザが撮影モードとして「自動撮影」モードを選択した時に、サムネイル映像を保存する時間間隔である。
削除確認モード2243は、図4の画面26および図5の画面29の削除対象の選択画面であり(後述する)、詳細設定画面23−2においてユーザが選択する値である。ユーザが対象映像クリップ(以降、映像クリップを、単に、クリップと称する)をダブルクリックで選択した場合に、画面に「削除しますか?」とポップアップ表示された時にユーザが選択する値であり、「確認を行う」または「確認を行わないずに対象クリップを削除する」のいずれかの値である。この実施例でのデフォルトは、「確認を行う」である。
広告表示モード2244は、図4の画面24および画面25、図5の画面27および画面28(後述する)にて、図12の画面24−2の如く、広告バナーを表示するか否かの設定値である。ユーザが詳細設定画面23−2にて選択する場合もあるが、固定値とする場合もある。
統計用情報2245は、システム運営者の統計情報作成に協力する場合におけるユーザ申告の属性情報(例えば、「年代」「性別」「職業」)である。
【0033】
動作プログラム221は、本発明の自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションの実行ファイルである。
携帯型端末2とIPカメラ3間では、公開鍵暗号方式で通信を行う。その時、携帯型端末2側には、秘密鍵222と公開鍵223が保持される。この公開鍵223は、他の携帯型端末2と異なるユニークな値であり、本発明の自己撮影システムの携帯型端末アプリケーションの初回実行時に、携帯型端末毎にユニークな値に現在時刻値およびその時点での電波強度などの値を主として生成する。
ユーザ情報226は、本発明の自己撮影システムの運営者側が発行したユーザの識別に用いる情報であり、ユーザ毎にユニークな値である。ユーザ情報226は、公開鍵223生成後の携帯型端末2とユーザ管理サーバ5間での初回通信時に、ユーザ管理サーバ5によって発行される。
サムネイル映像保存領域225は、IPカメラ3から取得した多数のサムネイル映像21とその映像IDを保持する領域である。
この実施例の携帯型端末アプリケーションは、クリップ毎にディレクトリを作成し、サムネイル映像21とその映像IDとIPカメラ情報3707を保持する(後述する)。
【0034】
図3Bに示す画面23は、本発明の自己撮影システムの携帯型端末アプリケーションの起動画面であり、ここで撮影モードの選択をユーザに要求する。
画面23上には、「手動撮影」選択ボタン2301、「自動撮影」選択ボタン2302、自動撮影モードでのサムネイル保存時間間隔を選択するリストボックス2303、および「詳細設定」選択ボタン2304が配置されている。
【0035】
まずは、設定情報224の撮影許可フラグ2240が「撮影許可」の場合について説明する。
「手動撮影」選択ボタン2301をユーザがクリックすると、図3Bの画面23から図4Aの画面24に遷移する。
「自動撮影」選択ボタン2302をユーザがクリックすると、図3Bの画面23から図5Aの画面27に遷移する。
リストボックス2303では、自動撮影モードでのサムネイル映像とその映像IDの保存時間間隔を指定する。この実施例では、5秒毎、10秒毎、30秒毎、1分毎、10分毎、を選択肢としている。
ユーザが詳細設定ボタン2304をクリックすると、図3Bの画面23から図3Cの画面23−2に遷移する。
【0036】
次に、設定情報224の撮影許可フラグ2240が「撮影不許可」の場合の画面23’を図3Cによって説明する。
ボタン2301’の文字列を「IPカメラ確認」とする。ボタン2302’は押下不可の状態である。「IPカメラ確認」ボタン2301’をユーザがクリックすると、画面は図3Cの画面23’から図12の図24−2に遷移する。
【0037】
図3Dの画面23−2は、自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションの詳細設定画面である。ユーザは、この画面23−3で、動作モードの設定を行なう。
画面23−2上には、撮影許可チェックボックス2320、統計情報許可チェックボックス2321、年代入力リストボックス2322、性別入力リストボックス2323、職業入力ボックス2324、削除確認モードリストボックス2325、広告表示許可リストボックス2326、更新ボタン2327、およびキャンセルボタン2328を設けている。
【0038】
図3Dにおいて、撮影許可チェックボックス2320は、本発明の自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションから、アクセス権要求の通信をIPカメラ3に対して行なうことを、ユーザが許可するか否かの選択を行なう。このチェックボックス2320の初期値は、設定情報224の撮影許可フラグ2240の値(「撮影許可」または「撮影不許可」)である。
このチェックボックス2320が不許可(「撮影不許可」)の場合には、後述する図12の画面24−2で説明する近隣のIPカメラ3からサムネイル映像確認の画面のみが利用可能である。
このチェックボックス2320が許可される(「撮影許可」になる)と「手動撮影」が利用可能となる。さらに、このチェックボックス2320と統計情報許可チェックボックス2321が許可されると「自動撮影」が利用可能となる。
また、このチェックボックス2320が不許可の場合には、統計情報許可チェックボックス2321内の項目2322〜2324と、削除確認モードリストボックス2325を選択肢を空白として選択不可の状態とし、広告表示許可リストボックス2326を「表示あり」のみ選択可とする。
【0039】
統計情報許可チェックボックス2321は、統計用情報の登録を行なうか否かの選択を行なう。このチェックボックス2321を許可とする(チェックマークがはいる)と「自動撮影」が利用可能となる。
ユーザがこのチェックボックス2321を許可とすると、ボックス2322〜2324の項目への入力が可能となる。このチェックボックス2321の初期値は、設定情報224の統計用情報2245の値である。
年代入力リストボックス2322では、ユーザの年代(例えば、「30代」)を選択する。選択肢は、例えば、「10歳未満」「10代」「20代」「30代」「40代」「50代」「60代」「70代以上」とする。
性別入力リストボックス2323では、ユーザの性別「男」若しくは「女」を選択する。
職業入力ボックス2324には、ユーザの職業(例えば、「会社員」)を入力する。
【0040】
削除確認モードリストボックス2325は、後述する図4Cの画面26や図5Cの画面29の削除対象の選択画面にて、確認を促すポップアップを表示するか否かを選択する。選択肢は「確認あり」と「確認なし」とする。このリストボックスの初期値は、設定情報224の削除確認モード2243の値である。
広告表示許可リストボックス2326は、後述する図4Aの画面24、図4Bの画面25、図5Aの画面27、図5Bの画面28において、画面下部のモード表示欄にバナー広告の表示を許可するか否かを選択する。選択肢は「広告あり」と「広告なし」とする。このリストボックス2326の初期値は、設定情報224の広告表示モード2244の値とするが、撮影許可チェックボックス2320が不許可の場合には、選択肢は「広告あり」のみとする。
撮影許可チェックボックス2320が許可されている場合であって、この広告表示許可リストボックス2326でユーザが「広告あり」を選択した場合には、詳細は後述するが録画枚数や保存期間やフレームレートなど、ユーザの携帯型端末2は、「広告なし」より、高品位のサービスが受けることができる。
【0041】
ユーザが、更新ボタン2327を押下すると、この画面23−2で入力された値を設定値224に格納する。具体的には、撮影許可チェックボックス2320の値を撮影許可フラグ2240に、統計用情報の項目2321〜2324を統計用情報2245に、削除確認モードリストボックス2325の値を削除確認モード2243に、広告表示許可リストボックスの値を広告表示モード2244に、それぞれ格納する。その後、図3Bの画面23に遷移する。
また、統計用情報2245が更新された後、初回のユーザ管理サーバ5との通信において、統計用情報2245の内容が携帯型端末2からユーザ管理サーバ5に送信される。
ユーザが、キャンセルボタン2328を押下すると、この画面23−2で入力された値は、全て破棄され、画面23に遷移する。
【0042】
次に、図4A、図4B、図4C、図4D、および図12によって、本発明の自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションの手動録画モードの画面について説明する。図4Aは、携帯型端末2の表示部210に表示される手動録画モードの「撮影確認モード」の画面の一実施例を示す図である。図4Bは、携帯型端末2の表示部210に表示される手動録画モードの「閲覧モード」の画面の一実施例を示す図である。図4Cと図4Dは、携帯型端末2の表示部210に表示される手動録画モードの「削除モード」の画面の一実施例を示す図である。図12は、本発明の一実施例の係わる携帯型端末画面の広告表示を例示する図であって、携帯型端末2の表示部210に表示される手動録画モードの「撮影確認モード」の画面の一実施例を示す図である。
【0043】
図4Aにおいて、画面24は、本発明の自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションの手動録画モードの「撮影確認モード」がテキスト表示された画面である。
画面24では、その時点でユーザを撮影しているであろうIPカメラ3からのサムネイル映像の一覧を表示する。この図4Aの画面24では、2つのIPカメラ(カメラAおよびカメラB)から撮影されている。
画面24は、クリップ241、クリップ242、空白243、および表示モード欄240を有する。
図4Aの実施例では、1つのクリップで1台のIPカメラの情報を示す。
【0044】
撮影確認モードのクリップ内の構成を、クリップ241を用いて説明する。クリップ241は、サムネイル映像2410、IPカメラ情報2411、および撮影ボタン2412を有する。
サムネイル2410は、IPカメラ3から無線ネットワーク回線62を介して受信したサムネイル映像である。
IPカメラ情報2411は、IPカメラ3から無線ネットワーク回線62を介して受信したIPカメラ情報3707である。
【0045】
ユーザがクリックすると、撮影ボタン2412を、携帯型端末2の制御部は、本発明の自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションに基づいて、サムネイル映像2410とIPカメラ情報2411を、サムネイル映像保存領域225に保存し、当該IPカメラにアクセス権要求の通信を行う。
2つのクリップを表示している場合には、現在、2台のIPカメラからサムネイル映像を受信していることを示す。受信中のIPカメラの台数が増えると、空白243の領域にクリップが追加される。サムネイル映像を受信可能なIPカメラの台数が多く、空白243に収まらない場合には、図4B以降で後述するスクロールバー2504を表示し、画面のスクロールを可能とし、全体を見るときにはスクロール操作することで対応する。
また、現在受信可能なIPカメラが存在しない場合には、画面に1クリップも表示せず、画面210には空白243と表示モード欄240のみを表示する。
本実施例では、画面210に表示するクリップの表示順番は、上側からIPカメラから受信する無線電波の強度の強い順、即ち、IPカメラとの距離が小さい順に並ぶように表示している。
表示モード欄240は、現在の表示モードを示す文字列2401およびボタン2402を有する。
文字列2401は、現在の表示モードが表示される。図4Aでは、文字列2401として、「撮影確認モード」がテキスト表示される。
ユーザがボタン2402をクリックすると、図4Bの画面25の「閲覧モード」に遷移する。
【0046】
次に、図12の画面24−2を用いて、ユーザが設定画面23−2で撮影許可チェックボックス2320を不許可とし、アクセス権要求の通信をIPカメラ3に送信できない場合の画面を説明する。
画面24−2は、図4Aの画面24から、撮影ボタン2412とボタン2402を不活性化して撮影ボタン2412−2とボタン2402−2とし、広告バナー領域2403を追加したものである。
撮影ボタン2412−2とボタン2402−2は、ボタンは表示するが押せない状態とし、ボタン機能が封印されて使用できない状態であることを示す。
表示モード欄240−2は、表示モード欄240に広告バナー領域2403を追加したものである。
広告バナー領域2403には、所定の場所毎および所定の時間毎に、システム運営者側が用意した、適した広告のバナーを表示する。ユーザが携帯型端末2を操作して、広告バナー2403を押下した時には、Webブラウザを起動し、該等広告が示すURLのWebページを表示する。
サムネイル映像受信可能なIPカメラが複数台存在する場合には、本実施例は、表示する広告バナー数を1つとし、クリップの表示順序で最上となるIPカメラからの広告バナーを表示する。
図4Aの画面24においても、設定の広告表示モード2244(図3A、および図3Dの広告表示許可リストボックス2326参照)が「広告を表示する」である場合には、図12の画面24−2の広告バナー領域2403と同様に、表示モード欄240に広告バナー領域を設ける。
【0047】
図4Bにおいて、画面25は、本発明の自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションの手動録画モードの「閲覧モード」がテキスト表示された画面である。
画面25では、図4Aの画面24で撮影した映像情報の一覧を表示する。
画面25は、クリップ251〜クリップ254と、表示モード欄250を有する。
1クリップで1撮影分の情報を示す。複数のクリップが表示されている場合には、そのクリップの数分、撮影していたことを示す。撮影を行っていなければ、画面24と同様に画面全体が空白となる。また撮影数が多く、画面に収まりきらない場合には、スクロールバー2504を表示し、全体を見るときには画面をスクロール操作することで対応とする。
本実施例では、画面210に表示するクリップの表示順は、上側から撮影時刻の新しいものを表示するようにしている。
【0048】
閲覧モードの1クリップの構成を、クリップ251を用いて説明する。クリップ251は、サムネイル映像2510と、IPカメラ情報2511と、映像時刻2512を有する。
サムネイル映像2510は、図4Aの画面24でユーザが撮影ボタン2412を押下して撮影し、サムネイル映像保存領域225に保持したサムネイル映像である。
IPカメラ情報2511は、サムネイル映像2510を撮影したIPカメラの情報であり、当該IPカメラ3のIPカメラ情報3707の内容である(図1C参照。)。
映像時刻2512は、サムネイル映像2510を撮影した時刻、サムネイル映像2510から抽出した映像IDから変換した値である。
表示モード欄250は、現在の表示モードを示すモード文字列2501、ボタン2502、およびボタン2503を有する。
モード文字列2501には、現在の表示モードが表示される。図4Bでは、「閲覧モード」とテキスト表示される。
ユーザがボタン2502をクリックすると、図4Aの画面24の「撮影確認モード」に遷移する。また、ユーザがボタン2503をクリックすると、図4Cの画面26の「削除モード」に遷移する。
図4Bの画面25においても、設定の広告表示モード2244が「広告を表示する」である場合には、図12の画面24−2の広告バナー領域2403と同様に、表示モード欄250に広告バナー領域を設ける。そして、クリップの表示順序で最も上側に表示されるIPカメラからの広告バナーを表示する。
【0049】
図4Cにおいて、画面26は、本発明の自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションの手動録画モードの「削除モード」がテキスト表示された画面である。
画面26では、画面24で撮影した映像情報の一覧を表示し、選択したクリップの削除を行う。例えば、画面25の背景領域2500の背景色とは異なる背景色に各クリップの背景領域2600の色を変える。この結果、ユーザは、削除モードであることを一目で迅速かつ正確に認識することができる。
画面26は、クリップ261〜クリップ264と、表示モード欄260を有する。
クリップ261〜クリップ264の表示内容は、背景色を除けば画面25のクリップ251〜クリップ254と同じである。
【0050】
ユーザが画面26でクリップの1つ(例えば、クリップ262)を選択して、選択したクリップをダブルクリックした場合には、削除確認モード2243が「確認を行わずに対象クリップを削除する」であれば、サムネイル映像保存領域225から直ちにそのクリップの情報を削除し、かつ、画面26のそのクリップの表示も削除する。
ユーザが画面26でクリップの1つ(例えば、クリップ262)を選択して、選択したクリップをダブルクリックした場合には、削除確認モード2243が「確認を行う」であれば、図4Dの画面265に遷移する。そして、画面265において、選択したクリップの中にダイアログ2650を表示し、ダイアログ2650以外のクリップを無効化する。図4Dでは、表示していないが、グレー表示等でも良い。
ダイアログ2650は、「Yes」ボタン2651と、「No」ボタン2652を有する。
ユーザが「No」ボタン2652をクリックすると、図4Cの画面26に遷移する。
ユーザが「Yes」ボタン2651をクリックすると、選択したクリップの情報をサムネイル映像保存領域225から削除し、かつ、画面26の表示からも削除し、図4Bの画面25に遷移する。
表示モード欄260は、現在の表示モードを示すモード文字列2601およびボタン2602を有する。
モード文字列2601には、現在の表示モードを示す「削除モード」がテキスト表示される。
ボタン2602をユーザがクリックすると、画面25の「閲覧モード」に遷移する。
【0051】
図5A、図5B、図5C、および図5Dを用いて、本発明の自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションの自動録画モードの画面説明を行なう。図5Aは、本発明の自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションの自動録画モードの「自動撮影中」の画面の一実施例を示す図である。図5Bは、本発明の自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションの自動録画モードの「自動撮影中 プレビュー」の画面の一実施例を示す図である。また図5Cは、本発明の自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションの自動録画モードの「削除モード」の画面の一実施例を示す図である。さらに図5Dは、本発明の自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションの自動録画モードの「削除モード」の「確認を行う」の画面の一実施例を示す図である。
【0052】
図5Aにおいて、画面27は、本発明の自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションの自動録画モードの「自動撮影中」がテキスト表示された画面である。
画面27は、現在までに受信したサムネイル映像の一覧をIPカメラ毎にまとめて表示する。
画面27は、クリップ271〜クリップ274、および表示モード欄270を有する。
この実施例では、説明を簡単にするため、1クリップで1台のIPカメラ分の情報を示すものとして説明を行なう。しかし、サムネイル映像の時間が一定以上開いている場合には、1台のIPカメラ分の情報を分割して、別クリップとしても良い。
【0053】
ユーザの行動中に、IPカメラからサムネイル映像が受信されていなければ、画面27には1クリップも表示されない。複数のIPカメラからサムネイル映像の受信を行っていれば、画面27は、そのIPカメラの台数分のクリップを表示する。クリップ数が多くなり、画面に収まりきらない場合には、スクロールバー2703を表示し、全体を見るときにはスクロール操作をすることで対応する。
本実施例では、画面210に表示するクリップの表示順番は、上側から新しい時刻順である。各IPカメラ内の最新サムネイル映像を、全IPカメラ間で時刻比較し、新しい順に表示する。
【0054】
「自動撮影中」モードのクリップ内の構成を、クリップ271を用いて説明する。クリップ271は、サムネイル映像2710、IPカメラ情報2711、映像時刻2712、最古差分秒数2713、および最新差分秒数2714を有する。
サムネイル映像2710は、当該IPカメラ3の映像時刻2712の時刻のサムネイル映像である。
IPカメラ情報2711は、当該IPカメラ3のIPカメラ情報3707である。
映像時刻2713は、当該IPカメラ3から受信したサムネイル映像内にて、最古映像と最新映像の中間付近の切りの良い値(例えば、撮像時刻の秒単位で表す値が0)のサムネイル映像の映像時刻を用いる。
最古差分秒数2713は、当該クリップ内の最古のサムネイル映像の時刻と、映像時刻2713の差分の秒数を示す。
最新差分秒数2714は、当該クリップ内の最新のサムネイル映像の時刻と、映像時刻2713の差分の秒数を示す(例:2724)。ただし、IPカメラからのサムネイル映像の受信が継続している場合には、継続していることを示すため「・・・」を表示する。(例:2714)
つまり、最古差分秒数2713と最新差分秒数2714は、当該IPカメラの付近にどのくらいの時間滞在していたかを示している。
いずれかのクリップをダブルクリックすると、そのIPカメラから受信したサムネイル映像の一覧の表示を行う画面28に遷移する。
【0055】
表示モード欄270は、現在の表示モードを示すモード文字列2701およびボタン2702を有する。
モード文字列2701は、現在の表示モードが表示される。図5Aでは、文字列2701として、「自動撮影中」がテキスト表示される。
ユーザがボタン2702をクリックすると、図5Cの画面29の「削除モード」に遷移する。
図5Aの画面27においても、設定の広告表示モード2244が「広告を表示する」である場合には、図12の画面24−2の広告バナー領域2403と同様に、表示モード欄270に広告バナー領域を設ける。そして、クリップの表示順序で最上となるIPカメラからの広告バナーを表示する。
【0056】
図5Bにおいて、画面28は、本発明の自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションの自動録画モードの「自動撮影中 プレビュー」がテキスト表示された画面である。
図5Bの画面28は、図5Aの画面27で選択されたクリップ内のサムネイル映像の一覧を表示する。
画面28は、選択クリップ281、サムネイル映像一覧フィルム表示2810、非選択クリップ群282、および表示モード欄280を有する。
選択クリップ281は、ユーザが画面27で選択したクリップである。
非選択クリップ群282は、画面27でユーザが選択しなかったクリップであり、画面28では、例えば、背景色と文字色を変える。この結果、ユーザは、どのクリップを選択したしたかを一目で迅速かつ正確に認識することができる。
【0057】
サムネイル映像一覧フィルム表示2810には、選択されたクリップ281内の全てのサムネイル映像を、一列に並べて表示する。画面に収まらないサムネイル映像は、上下へのスクロール操作で対応する。例えば、ユーザが、サムネイル映像一覧フィルム表示2810を上下にドラック操作することで、サムネイル映像一覧フィルム表示2810内の表示サムネイルは上下にスクロールする。
ユーザが、選択クリップ281、またはサムネイル映像一覧フィルム表示2810以外の領域をクリックすると、画面27に遷移する。
表示モード欄280は、現在の表示モードを示すモード文字列2801を有する。
モード文字列2801は、現在の表示モードが表示される。図5Bでは、文字列2801として、「自動撮影中 プレビュー」がテキスト表示される。
図5bの画面28においても、設定の広告表示モード2244が「広告を表示する」である場合には、図12の画面24−2の広告バナー領域2403と同様に、表示モード欄280に広告バナー領域を設ける。そして、クリップの表示順序で最上となるIPカメラからの広告バナーを表示する。
【0058】
図5Cにおいて、画面29は、本発明の自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションの自動録画モードの「削除モード」がテキスト表示された画面である。
画面29では、選択されたクリップの削除を行う。例えば、図5Aの画面27の背景領域の背景色とは異なる背景色に各クリップの背景領域の色を変える。この結果、ユーザは、削除モードであることを一目で迅速かつ正確に認識することができる。
画面29は、クリップ291〜クリップ294、および表示モード欄290を有する。
クリップ291〜クリップ294の表示内容は、背景色を除けば画面27のクリップ271〜クリップ274と同じである。
【0059】
ユーザが画面29でクリップの1つ(例えば、クリップ294)を選択して、選択したクリップをダブルクリックした場合には、削除確認モード2243が「確認を行わずに対象クリップを削除する」であれば、サムネイル映像保存領域225から直ちにそのクリップの情報を削除し、かつ、画面29のそのクリップの表示も削除する。
ユーザが画面29でクリップの1つ(例えば、クリップ262)を選択して、選択したクリップをダブルクリックした場合には、削除確認モード2243が「確認を行う」であれば、図5Dの画面295に遷移する。そして、画面295において、選択したクリップの中にダイアログ2950を表示し、ダイアログ2950以外のクリップを無効化する。図5Dでは、表示していないが、グレー表示等でも良い。
ダイアログ2950は、「Yes」ボタン2951と、「No」ボタン2952を有する。
ユーザが「No」ボタン2952をクリックすると、図5Cの画面29に遷移する。
ユーザが「Yes」ボタン2951をクリックすると、選択したクリップの情報をサムネイル映像保存領域225から削除し、かつ、画面29の表示からも削除し図5Aの画面27に遷移する。
表示モード欄290は、現在の表示モードを示すモード文字列2901およびボタン2902を有する。
モード文字列2901には、現在の表示モードを示す「削除モード」がテキスト表示される。
ボタン2902をユーザがクリックすると、画面27の「自動撮影中」に遷移する。
【0060】
図6を用いて、本発明の自己撮影システムの一実施例の処理および通信の流れを説明する。図6は、本発明の一実施例の情報の流れを説明するための図である。
図6において、処理700〜706および処理720〜723は、ユーザが携帯型端末2を持ち、複数のIPカメラ3が設置された街中10を移動する際の処理の流れである。なお、処理のうち、通信に関わる処理を、特に通信と称する。
通信700では、IPカメラ3は、一定時間(設定情報370の撮像フレームレート3703で既定される時間間隔)毎に所定の監視領域を撮影し、ネットワーク回線6を介して、生成した「HD映像」と「サムネイル映像」を映像録画サーバ4に送信する。映像録画サーバ4は、受信した映像データを記録デバイス内に保持する。
次に、通信701では、IPカメラ3は、一定時間(設定情報370の無線サムネイル映像配信フレームレート3708で既定される時間間隔)毎に、無線ネットワーク62に、「サムネイル映像」と公開鍵373と「広告毎情報」(現在時刻をもとに送信広告選択情報37093で選択された広告毎情報37090)を送出する。
【0061】
処理702では、IPカメラ3の無線通信可能圏内にユーザが訪れ、ユーザの所持する携帯型端末2で自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションが稼動中であれば、携帯型端末2は、ユーザの操作に基づいて、通信701でのデータを受信し、「サムネイル映像」と公開鍵373を取得する。
「自動撮影モード」か「手動撮影モード」のいずれかで、ユーザが撮影を指示した場合には、携帯型端末2は、受信したサムネイル情報から映像IDを抽出し、通信703を実行する。また、広告表示モード2244の値をフラグ(以後「広告表示フラグ」と称する)として通信703に含める。「広告表示フラグ」の状態は「広告表示あり」と「広告表示なし」である。また、通信文内に「広告表示フラグ」が省略されている場合には、「広告表示フラグ」の状態が「広告表示なし」であるとして処理する。
【0062】
補足として、想定している通信701のフレームレート(設定情報370の無線サムネイル映像配信フレームレート3708で既定される時間間隔)は、秒間1〜30枚である。一方、「自動撮影モード」での撮影間隔(撮影時間間隔2242で既定される時間間隔)は、5秒〜10分に1回である。
「自動撮影モード」での撮影は、通信701を、「自動撮影モード」の撮影間隔でサンプリングすることで実現する。
携帯型端末2は、「自動撮影モード」では、撮影間隔内に通信701を受信できなかった場合には、直後に受信した通信701の映像を採用する。
ゆえに、もし、通信701の配信の時間間隔が「自動撮影モード」の撮影間隔よりも長い場合には、携帯型端末2は、通信701の配信の時間間隔での撮影となる。
【0063】
通信703では、携帯型端末2からIPカメラ3へ、アクセス権登録要求として、「映像ID」、「ユーザ情報226」、「公開鍵223」、および「広告表示フラグ」を、公開鍵373で暗号化して送信する。
処理704では、IPカメラ3は、受信した通信703のデータを秘密鍵372で復号化し、「映像ID」、「ユーザ情報226」、「公開鍵223」、および「広告表示フラグ」を取得する。
通信705では、IPカメラ3からユーザ管理サーバ5へ、アクセス登録要求として、復号化したデータ(「映像ID」、「ユーザ情報226」、「公開鍵223」、および「広告表示フラグ」)を送信する。
処理706では、ユーザ管理サーバ5は、通信705で受信した「ユーザ情報226」が有効なものか否かを判別し、有効なものであれば、「映像ID」、「ユーザ情報226」、「公開鍵223」、および「広告表示フラグ」を1レコードとして、ユーザ管理サーバ5内のデータベースに登録する。
【0064】
「広告表示フラグ」が「広告表示あり」である場合には、「ユーザ情報226」に対応する「ユーザ属性」が登録されているか否かを調べる。登録されている場合には、現在時刻とIPカメラ3の場所とユーザ属性の情報をもとに、適した広告情報を選択し、通信720にて広告情報を送信する。(ユーザ属性については後述する)
通信720は通信705の応答で、登録が正常に行なわれたか否かを送信し、処理706の結果によっては、広告情報を送信する。
処理721は、IPカメラ3が通信720での通信を受信して、通信722で携帯型端末3に向けて中継送信する。広告情報があれば、広告情報もそのまま中継送信する。
処理723では、携帯型端末3は、IPカメラ3からの応答の通信722に広告情報が含まれており、かつ、携帯型端末アプリケーションの設定の広告表示モード2244が「広告バナー表示を行なう」状態である場合には、受信した広告情報を、画面上の広告バナー領域に表示する。
【0065】
処理707〜718は、ユーザが帰宅後、携帯型端末2と自宅のパソコン1を併用しながら、移動時に登録したアクセス権を用いて「HD映像」を取得する際の処理を示している。
ユーザは、パソコン1と携帯型端末2を接続し、パソコン1でHD映像取得用ソフトウェアを起動する。
パソコン1のHD映像取得用ソフトウェアは、ネットワーク回線6を介して、ユーザ管理サーバ5に、通信707を行なう。
通信707では、パソコン1から、ユーザ管理サーバ5へ、通信時の暗号化に用いるユーザ管理サーバ5の公開鍵を要求する。
処理708では、ユーザ管理サーバ5は、パソコン1からの公開鍵要求を受け、公開鍵をパソコン1に送信する通信709を実行する。
通信709では、ユーザ管理サーバ5からパソコン1へ、ユーザ管理サーバ5の公開鍵を送付する。
処理710では、ユーザが、パソコン1のHD映像取得用ソフトウェアを使用して、どのサムネイル映像のHD映像を取得するか選択する。HD映像取得用ソフトウェアは、ユーザに選択されたサムネイル映像から映像IDを抽出し、ユーザ管理サーバ5に通信711を行なう。
通信711では、パソコン1は、「映像ID」および「ユーザ情報226」を、通信709で得たユーザ管理サーバ5の公開鍵を用いて暗号化し、ユーザ管理サーバ5へ送信する。
【0066】
処理712では、ユーザ管理サーバ5は、受信した通信711でのデータを、ユーザ管理サーバ5の秘密鍵を用いて暗号を復号化し、「映像ID」および「ユーザ情報226」を得る。ユーザ管理サーバ5は、データベースを検索して、この「映像ID」および「ユーザ情報226」のペアに合致するレコードが存在するか否かを判定する。ユーザ管理サーバ5は、合致するレコードがなければ、「アクセス権限がない」を趣旨とするエラーメッセージをパソコン1に送信する。また、合致するレコードがあれば、当該レコード内の「公開鍵223」を取得し、HD映像データを取得するため、映像録画サーバ4に通信713を実行する。
通信713では、ユーザ管理サーバ5は、「映像ID」が示す時刻のHD映像のリクエスト文を映像録画サーバ4に送信する。
処理714では、映像録画サーバ4は、受信した通信713での「映像ID」の示す時刻のHD映像を、映像録画サーバ4内の記録デバイスから読み出し、通信715を実行する。
通信715では、映像録画サーバ4は、HD映像をユーザ管理サーバ5に送信する。
処理716では、ユーザ管理サーバ5は、通信715で受信した「HD映像」と、「ユーザ情報226」とで署名計算を行い「署名値」を算出する。ユーザ管理サーバ5は、「映像ID」、「ユーザ情報226」、「公開鍵223」、「現在時刻」、および「署名値」を1要素としたログを、出力ログとして記録する。
通信717では、ユーザ管理サーバ5は、「HD映像」、「ユーザ情報226」、および「署名値」を「公開鍵223」で暗号化し、パソコン1に送信する。
処理718では、パソコン1は、受信した通信717を、「秘密鍵222」を用いて暗号を解き、「HD映像」と「署名値」を、パソコン1の記録デバイスに記録する。
【0067】
実施例1によれば、外出時の行動記録の作成、特に三人称視点での映像撮影が可能な自己撮影システムを実現できる。
また、実施例1によれば、いつ何処にいたかという情報を、防犯用監視システム内に保持させることが可能となる。
さらに、実施例1によれば、不特定多数に公開せず、撮影された個人にのみ、当該映像を閲覧または提供することができる。
またさらに、実施例1によれば、システム運営者は、広告サービスを提供することができる。
【実施例2】
【0068】
本発明の自己撮影システムでは、システム運営者は、ユーザに自己撮影のサービスを提供し、その対価として、ユーザからの情報を得る。この仕組みについての一構成例を、図13〜図16を用いて説明する。なお、本発明の自己撮影システムの構成、IPカメラの構成、および携帯型端末の構成については、実施例1と同様である。
【0069】
図13によって、ユーザとシステム運営者とスポンサーの関係について説明する。図13は、本発明の一実施例の係わるサービスと対価の関係を説明するための図である。
ユーザ901は、本発明の自己撮影システムを利用するユーザである。また、システム運営者902は、図2で説明したIPカメラ3と録画装置4とユーザ管理サーバ5を運営する者である。また、スポンサー903は、統計情報の利用者、広告出稿者、若しくは、広告代理店である。
図13において、システム運営者902は、ユーザ901にサービス91を提供し、その対価として情報・サービス料92を受ける関係である。
またシステム運営者902は、スポンサー903に統計情報・広告枠94を提供し、その対価として情報料・広告料93を受ける関係である。
システム運営者902の主たる業務は、防犯であり、図2の防犯IPカメラ3の購入および維持費、ネットワーク回線6の維持費、並びに、録画装置4の購入および維持費は、もともと防犯システムとして必要な経費であり、収入を得られる仕組みではなかった。
しかるに、先に示した本発明の一実施例のシステム構成によれば、ユーザ901およびスポンサー903から料金を受け、収入を得ることが可能となる。
【0070】
また、ユーザ901とシステム運営者902間での、サービス91と情報・サービス料92の関係には、レベルがあり、ユーザ901がシステム運営者902に提供する情報または料金の選択よって、サービス91の内容が変る仕組みである。この実施例ではレベルを3段階用意した、図14〜図16を用いて説明する。図14〜図16は、本発明の一実施例の係わるサービスと対価の関係を説明するための図である。
【0071】
図14を用いて、サムネイル映像のみを提供する構成について説明する。図14は、ユーザ901が、携帯型端末2の設定画面23−2(図3D参照)にて、撮影許可チェックボックス2320を「不許可」とした場合である。
本発明の一実施形態では、自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションから、アクセス権要求の通信をIPカメラ3に対して行なわない。ユーザ901は、アクセス権を取得できない構成である。しかし、逆に見ると、いつどこにいるかの情報を送信しない構成である。
システム運営者902は、サムネイル映像911をユーザ901に提供する。
携帯型端末アプリケーションは、図12の画面24−2で説明した機能が利用できる。この構成では、ユーザ901は、現在位置で自分を映すIPカメラの映像を見ることは可能であるが、保存はできない。また、広告表示が常に行なわれ、ユーザ901側には、非表示にする選択権がない。
ユーザ901側にとって、この構成は、防犯IPカメラの存在確認、防犯IPカメラの撮影映像の確認、および自己撮影システムの体験が可能であることがメリットである。
また、システム運営者902にとって、この構成は、サムネイル映像を見るユーザ901に、IPカメラ毎に、時間毎に、適した広告を届けることが可能であることがメリットである。
【0072】
図15を用いて、手動撮影モードを提供する構成について説明する。
ユーザ901が、設定画面23−2(図3D参照)にて、撮影許可チェックボックス2320を許可し、統計情報許可チェックボックス2321を不許可とした場合の構成である。
図15は、図14の構成に加え、ユーザ901がシステム管理者902にユーザ情報921を提供する。また、システム管理者902からユーザ901へは、HD映像と「位置・時刻・ユーザ情報」保持を行なう手動撮影サービス912を提供する。
このとき、システム運営者902は、ユーザ901の携帯型端末アプリケーションの設定が「広告あり」である場合には、「広告なし」の場合に比べ、一日内での撮影枚数の上限を増やす、アクセス権の保存期間を長くする、等の優遇を行なう。
ユーザ901側にとって、図15の構成は、任意の時間に任意の場所で、自己撮影を行なえ、画像付きで、いつ何処にいたかの証明を行なえることがメリットである。
また、システム運営者902にとっては、HD映像に映る人の中に、ユーザが含まれているかを、アクセス権内のユーザ情報から識別可能となることがメリットである。
【0073】
図16を用いて、自動撮影モードを提供する構成について説明する。図16は、ユーザ901が、設定画面23−2にて、撮影許可チェックボックス2320を許可し、かつ、統計情報許可チェックボックス2321を許可とした場合の構成である。
図16は、図15の構成に加え、ユーザ901からシステム管理者902に、定期的にユーザ情報921を発行することで移動履歴922を提供し、システム管理者902からユーザ901へは、自動的に撮影を行なう自動撮影サービス913を提供する。
このとき、システム運営者は、ユーザ901の携帯型端末アプリケーションの設定が「広告あり」である場合には、「広告なし」の場合に比べ、一日内での撮影枚数の上限を増やす、アクセス権の保存期間を長くする、等の優遇を行なう。
ユーザ901側にとっては、街中10の移動中、自動で一定時間毎に自己撮影を行なえ、画像付きで、いつ何処にいたかの証明を行なえることがメリットである。
また、システム運営者902にとっては、一定時間毎にユーザ901から受け取るアクセス権要求から、ユーザ901の移動経路が取得可能となることがメリットである。また、予め登録してある属性情報と関連付けての統計情報が生成可能であることもメリットである。
【0074】
図13に戻って説明する。ここで、システム運営者902は、スポンサー903に統計情報・広告枠94の統計情報を提供するが、この統計情報は一定時間内に集計した情報であり、個人を特定できる情報については提供しない。提供する情報は、注目する1台のIPカメラで、一定時間毎の、ユーザから提供された「年代」「性別」「職業」および「経路情報」の統計情報を提供する。システム運営者902は、スポンサー903に、「HD映像」、「サムネイル映像」および「ユーザID情報」を提供しない。
また、システム運営者902は、スポンサー903に、統計情報として、IPカメラ毎ではなく、複数台のIPカメラを集計し注目地域の統計情報として提供しても良い。
スポンサー903は、統計情報のみを購入しても、広告枠を購入する前提で統計情報の提供を受けても良い。広告枠を購入するスポンサー903は、統計情報を利用して、IPカメラ毎(=場所毎)、時間毎、および属性情報毎に、広告内容を選択することができる。
【0075】
実施例2の構成例では、ユーザ901とシステム運営者902間での、提供情報と提供サービスと関係を図14〜図16で示した3段階とした。しかし、もっと細分化しても、あるいは2段階や1段階のみと単純化しても良い。
また、この構成例では、ユーザ901が「広告表示あり」とした場合に、優遇を行なうとしたが、「広告表示なし」でも月額使用料などで料金の支払いを受ければ、同等の優遇を行なうとしたシステムとしても良い。
【0076】
実施例2によれば、実施例1の効果に加え、システム運営者は、広告出稿者や広告代理店等のスポンサーから広告収入を得ることが可能となる。
【0077】
なお、実施例1および実施例2の自己撮影システムは、既設の監視システムを使用して、一般のユーザが、外出中の行動記録および三人称視点での映像撮影を行い記録および閲覧するシステムであるとして説明したが、ユーザは、1つの監視システムだけではなく、複数の監視システムを利用できるようにしても良い。
【実施例3】
【0078】
上述の実施例1および実施例2では、街中での広範囲の自己撮影システムの構成例を説明した。本実施例3では、観光地やテーマパーク向けにより遊戯性を高めた自己撮影システムの構成例を説明する。
本実施例においても、自己撮影システムに利用するシステムは、防犯用等に利用され、観光地の街中や公共施設内、若しくはテーマパークに設置される監視システムである。
なお、この実施例3では、テーマパークとして説明するが、テーマパークを観光地、アミューズメントパーク、若しくはアミューズメント施設と読み替えても良い。テーマパークで使用する場合には、広告バナー領域2403はテーマパーク内の施設やアトラクションの宣伝や道案内に用いても良い。またあるいは、全く広告を表示しない運用としても良い。
【0079】
本実施例では、携帯型端末2のアプリケーションに、テーマパークの地図を表示するモードを追加する。地図の表示内容を、図7を用いて説明する。図7は、本発明の一実施例の係わるテーマパークの地図画面を示す図である。テーマパーク内の各スポット10−2には、当該スポット10−2を撮影するためのIPカメラが設置されている。IPカメラおよび携帯型端末を含む実施例3のシステム構成は、図1〜図2と同じで、その運用方法も実施例1および実施例2で説明した通りである。
図7の地図80は、テーマパーク全域の地図であり、テーマパーク内のどのあたりにIPカメラが設置されているかを、IPカメラマーク8011で示している。IPカメラマーク8011直下の時刻8012は、当該IPカメラでの最新の撮影時刻を示し、当日の開園時間から当該IPカメラでの撮影を行なっていなければ“−−点−−”を表示し、未撮影であることを示す。時刻8012の未撮影とする閾値は、任意であり、テーマパークや観光地の方針に合わせ、観光地やテーマパークの運営者若しくはシステム運営者が変更可能な値である(例えば、所定時間、撮影実績が無い場合や、当該監視位置に関わるイベントの開始前の時刻の場合、等には未撮影とする。)。また、ユーザが、各自の携帯型端末2を操作して、独自に設定や変更を行うようにしても良い。さらに、この時刻表示8012は、利用者がどのエリアを訪れたか、どのエリアに未訪問か、を示す履歴としての利用も可能である。また、時刻8012の未撮影とする閾値は、IPカメラ毎に異なっていても良い。
携帯型端末2の画面サイズに地図80が収まらない場合には、拡大縮小およびスクロール機能を用いて、地図80全体を閲覧可能である。
【0080】
また、携帯型端末2の「閲覧モード」(図4Bの画面25参照)において、テーマパーク内に設置されたIPカメラの中で、どれだけ撮影されたかを示す情報を、サムネイル上に表記することもできる。
これを図8の画面25−2を用いて図示する。図8は、本発明の一実施例の係わるテーマパーク向け運用での携帯型端末2が撮影した画面を示す図である。
画面25−2は、図4Bで説明した画面25に、撮影IPカメラ割合2520の項目欄を追加したものである。撮影IPカメラ割合2520の表記は、分母がテーマパーク内の全IPカメラ数を示し、分子はテーマパーク内で何番目に撮影に使用されたIPカメラであるかの番号を示す。
【0081】
さて、これまで本発明の自己撮影システムに使用される携帯型端末2は、利用するユーザの所有物としてきた。しかし、テーマパークにて専用携帯端末を貸し出すようにしても良い。ユーザは、貸し出しを受けた携帯型端末2を、テーマパークを退場する場合には、テーマパークの運営者に返却しなければならない。この場合には、ユーザは、自宅のパソコン1での閲覧ができない。このため、運営者は、テーマパーク内の施設100にパソコン1−2を設置する。図11によって、テーマパーク内の施設100内に設置されたパソコン1−2の構成を示す。図11は、本発明の一実施例の係わるテーマパーク向け運用での構成例を示す図である。
パソコン1−2は、テーマパーク内の施設100に設置される。
パソコン1−2は、図2で示したパソコン1と同様に、ネットワーク回線6を介して、映像録画サーバ4およびユーザ管理サーバ5と接続する(図示しない)。
携帯型端末2は、テーマパーク内で自己撮影に用いた端末であり、パソコン1−2に接続して使用する。
IPカメラ12は、パソコン1−2に接続され、パソコン1−2を操作するユーザの顔を撮影する。
高品質なカラー印刷が可能なプリンタ13は、パソコン1−2に接続される。
【0082】
ユーザがパソコン1−2を用いて高解像度の画像データを閲覧する場合に実行される処理は、図6で示した処理707〜718の内容である。
ユーザはパソコン1−2を用いて、大量に撮影されたHD映像11の中から選択して、プリンタ13で印刷する。
この選択のときに、ユーザはパソコン1−2を用いて、IPカメラ12で撮影したユーザの顔を検索キーとして使用し、ユーザの顔が写っている映像を大量に撮影されたHD映像11から検索するアプリケーションを用いても良い。また、ユーザは、ユーザが視線を向けているIPカメラ12が撮影するユーザの顔の映像を基に、大量に撮影されたHD映像11から検索するアプリケーションを用いても良い。
また、テーマパークの運営者は、プリンタ13で印刷したHD映像11の枚数によって利用料を徴収するようにしても良い。また、プリンタ13に印刷しなくても、電子データで購入する枚数によって料金を徴収するようにしても良い。また使用時間に基づいて料金を徴収するようにしても良い。
【0083】
次に、さらに利用者に撮影映像のコレクション活動を誘動するような遊戯性を高めた構成例を説明する。図9は、本発明の一実施例の係わるテーマパーク向け運用でのCG合成用マーカプリント衣類を説明するための図である。
まず、テーマパーク内での自己撮影機能を利用するユーザには、図9(a)または図9(b)に例示する画像認識用マーカが印刷された衣類を着用させ、携帯型端末2でのサムネイル映像、パソコン1で閲覧する映像、およびプリンタ13で印刷する時のHD映像に、映っているそれらの画像認識マーカ811または811上に、3DCG(三次元コンピュータグラフィックス)キャラクタを重畳し、表示する。
重畳表示する3DCGキャラクタは、テーマパーク内のIPカメラ3毎に、異なるキャラクタとしても良い。また、重畳する3DCGキャラクタは、時間帯毎に異なるキャラクタまたは時間帯毎変化するキャラクタとしても良い。
例えば、「IPカメラ毎に異なる花とし、朝方は蕾で、昼過ぎ以降は咲いた花」や、「IPカメラ毎に異なるマスコットキャラクタとし、時間帯によって食事や昼寝など異なる様子」という運用にしても良い。
また、特定のIPカメラ3で特定時間に撮影した映像にのみ重畳するレアキャラクターを用意しても良い。
また、地図80にて、IPカメラ位置8011と撮影時刻8012のセットを、未撮影時には非表示とし、IPカメラに撮影された後に表示する運用とし、テーマパークを散策するユーザにIPカメラ3を探してもらう遊戯としても良い。
【0084】
図9(a)および図8(b)は、それぞれ、画像認識用マーカを印刷した衣類を例示し、画像処理用マーカ811を印刷したTシャツ81と、画像処理用マーカ821を印刷したゼッケン82を示す。なお、図9の実施例によらず、画像処理用マーカが印刷されていて身にまとえるものであれば、Tシャツやゼッケン以外でも、例えば、トレーナー、ポンチョ、エプロン、等、特に限定しない。
また図9の実施例では、画像処理用マーカの形状を、黒四角に非対称となる模様を加えた形としている。しかし、3DCGを重畳するための情報、位置と向きが特定できる形状であれば、画像処理用マーカの形状を特に限定しない。
図10の画面25−3は、携帯型端末2の表示部210に表示される画面の一実施例である。自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションの手動録画モードの「閲覧モード」の、サムネイル2510−3内の画像処理用マーカ部に、3DCG2530を重畳表示したものである。
【0085】
次に、3DCGキャラクターの重畳を、図10によって説明する。
IPカメラ3は、撮影時に、画像内に画像処理用マーカが存在するか探索を行う。
例えば、図1を用いて説明したIPカメラ3の処理に加え、図1の画像処理演算部303にて、画像処理用マーカが存在するか否かの探索を行う。探索した結果、画像処理用マーカを発見した場合には、マーカの識別用情報と画像内での位置と向きを示す情報を、「サムネイル映像」と「HD映像」のフレーム構成のヘッダ部に記載する。以後、「サムネイル映像」のヘッダ部に記載したマーカに関する情報を「サムネイルヘッダ内マーカ情報」と呼称する。同様に「HD映像」内のヘッダ情報を「HD映像ヘッダ内マーカ情報」と呼称する。
IPカメラ3は、「サムネイル映像」を、無線ネットワーク接続部309と無線ネットワーク用アンテナ310を介して、携帯型端末2に伝達する。この際に、「サムネイル映像」と共に、ヘッダ部に記載された「サムネイルヘッダ内マーカ情報」も携帯端末2に伝達される。
携帯端末2の動作プログラムは、図3Aで説明した携帯端末2の動作プログラム221に、サムネイル映像重畳用の3DCGデータと3DCG表示ルーチンを追加する。動作プログラムの処理動作は、受信した「サムネイル映像」に、「サムネイルヘッダ内マーカ情報」が含まれている場合には、マーカの識別情報と映像時刻とIPカメラの種別情報をもとに、条件に合致する3DCGを探索し、探索した3DCGをマーカの画像内での位置と向きの情報をもとにサムネイル映像に重畳する。
【0086】
図7の通信処理700では、携帯端末2が画像処理用マーカを発見した場合には、「サムネイル映像」には「サムネイルヘッダ内マーカ情報」を付随させて映像録画サーバ4に記録し、「HD映像」には「HD映像ヘッダ内マーカ情報」を付随させて映像録画サーバ4に記録する。
図7の通信処理717の、「HD映像」には「HD映像ヘッダ内マーカ情報」が格納されている。
図7のパソコン1の処理718では、画面に「HD映像」を表示するときに、「HD映像ヘッダ内マーカ情報」が含まれている場合には、マーカの識別情報と映像時刻とIPカメラの種別情報をもとに条件に合致する3DCGを探索し、探索した3DCGをマーカの画像内での位置と向きの情報をもとに、HD映像に重畳する。
【0087】
実施例3によれば、観光地やテーマパーク等のアミューズメントパークやアミューズメント施設で、行動記録の作成、特に三人称視点での映像撮影が可能なとなる。
また、実施例3によれば、いつ何処にいたかという情報を、防犯用等の監視システム内に保持させることが可能となる。
またさらに、実施例3によれば、システム運営者は、広告サービスやアミューズメントパークやアミューズメント施設内の案内を容易に提供することができる。
【0088】
なお、上述の実施例2の自己撮影システムもまた、実施例1や実施例2と同様に、既設の監視システムを使用して、一般のユーザが、外出中の行動記録および三人称視点での映像撮影を行い記録および閲覧するシステムであるとして説明した。しかし、ユーザは、1つの監視システムだけではなく、複数の監視システムを利用できるようにしても良いことは勿論である。
【符号の説明】
【0089】
1、1−2:パソコン、 2:携帯型端末、 3、3−1〜3−n:IPカメラ、 4:映像録画サーバ、 5:ユーザ管理サーバ、 6:ネットワーク回線、 10:街中、 10−2:スポット、 11:HD映像、 12:IPカメラ、 13:プリンタ、 21:サムネイル映像、 22:不揮発性メモリ、 23、23−2、24、24−2、25、25−2、25−3、26、27、28、29:画面、 61:ブロードバンドネットワーク回線、 62:無線ネットワーク回線、 63:有線ネットワーク回線、 64:データセンタ屋内ネットワーク回線、 65:データセンタ屋内ネットワーク回線、 80:地図、 81:Tシャツ81、 82:ゼッケン82、 91:サービス、 92:情報・サービス料、 93:情報料・広告料、 94:統計情報・広告枠、 100:施設、 210:表示部、 221:動作プログラム、 222:秘密鍵、 223:公開鍵、 224:設定情報、 225:サムネイル映像保存領域、 226:ユーザ情報、 240:表示モード欄、 241、242:クリップ、 243:空白、 250:表示モード欄、 251〜254:クリップ、 260:表示モード欄、 261〜264:クリップ、 265:削除確認画面、 270:表示モード、 271〜274:クリップ、 280:表示モード欄、 281:選択クリップ、 282:非選択クリップ群、 290:表示モード欄、 291〜294:クリップ、 295:削除確認画面、 301:レンズ、 302:撮像部、 303:画像処理演算部、 304:バス、 305:制御部、 306:ワークメモリ、 307:不揮発メモリ、 308:有線ネットワーク接続部、 309:無線ネットワーク接続部、 310:無線ネットワーク用アンテナ、 370:設定情報、 371:動作プログラム、 372:秘密鍵、 373:公開鍵、 401:記憶デバイス、 2240:撮影許可フラグ、 2241:撮影モード、 2242:撮影時間間隔、 2243:削除確認モード、 2244:広告表示モード、 2245:統計用情報。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークに接続された多数のIPカメラと映像録画サーバを用いた映像記録システムに関し、特に、自己の撮影および行動記録の提供を可能とする自己撮影システムに関わる。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク技術の高速化と低価格化に伴い、映像データの伝送にIP(Internet Protocol)ネットワークが用いられることは一般的となった。それに伴い、記録装置のネットワーク対応化も進んでいる。
IPカメラと同一LAN(Local Area Network)に設置し、IPカメラが撮影した映像データを記録する記憶装置や、映像データをWAN(Wide Area Network)を介して遠方のデータセンタ内で集約して記録する記憶装置(例えば、特許文献1参照)など、多様化が進んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4151517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、防犯意識の高まりやネットワーク機器の普及に伴い、公共交通機関、公共施設、公道など、街中の至る所にIP接続された防犯用のIPカメラが設置され、その数も増加傾向にある。
しかし、防犯用のIPカメラが撮影した映像データは、所定の期間、所定の記憶装置に記録され、何か事件が発生した場合に、当該事件の捜査のために閲覧する用途に使用される。従って、撮影された一般の人(自己)がこれらの映像を、他の用途で利用するためのシステムではない。
【0005】
一方、自己の外出時の行動、例えば、自己がいつどこでどんな行動をしていたかを撮影し、記録しておきたいというユーザのニーズも高まっている。その撮影も、ユーザが常にカメラを構えて撮影して回る(ユーザ視点=一人称視点)のではなく、ユーザを被写体として撮影する三人称視点での撮影を低コストで行なえる方式への需要が高まっている。なお、ユーザの視点で撮影することを一人称視点、ユーザ自身を少し離れた位置から撮影することを三人称視点と呼称する。
従来、三人称視点での撮影を行なうには、被写体となるユーザを撮影する人(撮影スタッフ)が必要であり、撮影スタッフを用意できないことのある。また、もし一人で撮影を行なう場合には、三脚等でカメラを固定してセルフタイマーで撮影することもできる。しかし、行動中の至る所で、三脚等カメラを固定し、撮影しては三脚等を移動させるなど手間を要する。このように、行動記録に用いるには大げさすぎる手段しか存在しなかった。ましては、毎日とか定期的に行動記録を取るような場合には向かなかった。
そこで、街中に設置されたIPカメラを利用したいとの要望があった。しかし、街中に設置されたIPカメラが撮像した映像を不特定多数の一般人に公開することは、プライバシーへの配慮から避けたいとの要望もあって、実現化が難しい。
【0006】
本発明の目的は、上記のような問題に鑑み、外出時の行動記録の作成、特に三人称視点での映像撮影が可能な自己撮影システムを提供することにある。また、いつ何処にいたかの情報を、防犯用の監視システム内に保持させることが可能な自己撮影システムを提供することにある。
さらに、本発明は、不特定多数の一般への公開でなく、撮影された人にのみ映像を公開する自己撮影システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明の自己撮影システムは、 所定の監視領域を撮影し、撮影した映像から第1の映像と前記第1の映像より低解像度の第2の映像とを生成し、有線ネットワーク回線と無線ネットワーク回線とに送信するIPカメラ、および、前記IPカメラと前記無線ネットワーク回線を介して通信し、前記IPカメラが生成した前記第2の映像を受信して保存する携帯型端末とを有することを第1の特徴とする。
【0008】
また本発明の自己撮影システムは、上記本発明の第1の特徴の自己撮影システムにおいて、前記有線ネットワークに接続される映像録画サーバを有し、前記IPカメラは、前記第1の映像を前記有線ネットワークを介して前記映像録画サーバに送信し、前記映像録画サーバは、前記IPカメラの前記第1の映像を記憶し、前記携帯型端末と接続したPCが前記有線ネットワークを介して前記映像録画サーバに記憶された前記第1の映像を閲覧することを第2の特徴とする。
【0009】
さらに本発明の自己撮影システムは、上記本発明の第1の特徴または第2の特徴の自己撮影システムにおいて、前記IPカメラは、前記所定の監視領域を、一定時間毎に撮影する自動撮影モードと、携帯型端末から指示があった時点のみ撮影する手動撮影モードとを備え、前記携帯型端末は、前記自動撮影モードと前記手動撮影モードとを選択可能であることを第3の特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、外出時の行動記録の作成、特に三人称視点での映像撮影が可能な自己撮影システムを実現できる。
また、本発明によれば、いつ何処にいたかという情報を、防犯用監視システム内に保持させることが可能となる。
さらに、本発明によれば、不特定多数に公開せず、撮影された個人にのみ、当該映像を閲覧または提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1A】本発明の一実施例に係わるIPカメラの構成を示す図である。
【図1B】本発明の一実施例に係わるIPカメラの不揮発性メモリの構成を示す図である。
【図1C】本発明の一実施例に係わるIPカメラの不揮発性メモリの設定情報を説明するための図である。
【図1D】本発明の一実施例に係わるIPカメラの不揮発性メモリの設定情報の広告バナー情報を説明するための図である。
【図2A】本発明の自己撮影システムの一実施例の構成と運用について説明する図である。
【図2B】本発明の自己撮影システムの一実施例を説明するための図である。
【図2C】本発明の自己撮影システムの一実施例を説明するための図である。
【図2D】本発明の自己撮影システムの一実施例を説明するための図である。
【図3A】本発明の一実施例に係わる携帯型端末の構成例を示す図である。
【図3B】本発明の一実施例に係わる携帯型端末の初期画面を示す図である。
【図3C】本発明の一実施例に係わる携帯型端末の初期画面を示す図である。
【図3D】本発明の一実施例に係わる携帯型端末の詳細設定画面を示す図である。
【図4A】本発明の一実施例に係わる携帯型端末の手動録画モードの「撮影確認モード」の画面の一実施例を示す図である。
【図4B】本発明の一実施例に係わる携帯型端末の手動録画モードの「閲覧モード」の画面の一実施例を示す図である。
【図4C】本発明の一実施例に係わる携帯型端末の手動録画モードの「削除モード」の画面の一実施例を示す図である。
【図4D】本発明の一実施例に係わる携帯型端末の手動録画モードの「削除モード」の画面の一実施例を示す図である。
【図5A】本発明の一実施例に係わる携帯型端末の自動録画モードの「自動撮影中」の画面の一実施例を示す図である。
【図5B】本発明の一実施例に係わる携帯型端末の自動録画モードの「自動撮影中 プレビュー」の画面の一実施例を示す図である。
【図5C】本発明の一実施例に係わる携帯型端末の自動録画モードの「削除モード」の画面の一実施例を示す図である。
【図5D】本発明の一実施例に係わる携帯型端末の自動録画モードの「削除モード」の「確認を行う」の画面の一実施例を示す図である。
【図6】本発明の一実施例の情報の流れを説明するための図である。
【図7】本発明の一実施例の係わるテーマパークの地図画面を示す図である。
【図8】本発明の一実施例の係わるテーマパーク向け運用での携帯型端末が撮影した画面を示す図である。
【図9】本発明の一実施例の係わるテーマパーク向け運用でのCG合成用マーカプリント衣類を説明するための図である。
【図10】本発明の一実施例の係わるテーマパーク向け運用での携帯型端末が撮影した像のCG合成画面を示す図である。
【図11】本発明の一実施例の係わるテーマパーク向け運用での構成例を示す図である。
【図12】本発明の一実施例の係わる携帯型端末画面の広告表示を例示する図である。
【図13】本発明の一実施例の係わるサービスと対価の関係を説明するための図である。
【図14】本発明の一実施例の係わるサービスと対価の関係を説明するための図である。
【図15】本発明の一実施例の係わるサービスと対価の関係を説明するための図である。
【図16】本発明の一実施例の係わるサービスと対価の関係を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
防犯用に街中(街頭)に設置された監視システムにおいては、IPカメラを用いて撮影が行なわれている。街頭に設置されたIPカメラの録画映像を不特定多数に公開するのはプライバシーへの配慮から避けたいとの要望もあり、その両立が課題であった。本発明は、不特定多数からの閲覧を排し、IPカメラの特定の時刻の映像を閲覧できるのは、その時にその場所にいた人のみに限定し、三人称視点での撮影および行動記録が可能な自己映像撮影システムを提供するものである。
そのため、本発明において、IPカメラは、撮影した映像を常に映像録画サーバに送信し、映像録画サーバは映像を録画する。IPカメラと携帯型端末の無線回線に弱い出力の電波を用い、IPカメラに映る範囲程度でのみ携帯型端末と通信可能とする。IPカメラから撮影映像にアクセスするための鍵を所定の時間間隔で送信し、携帯型端末は受信した鍵に携帯型端末固有の識別情報を加えIPカメラに返信する。IPカメラは携帯型端末の識別情報を受けると、当該情報をユーザ管理サーバに送信し、ユーザ管理サーバは、誰がいつどのIPカメラに撮影されていたかを記録する。後で、ユーザから、映像閲覧要求を受けた際には、ユーザ管理サーバの情報を調べ、その時刻の該IPカメラに映っている場合に、映像データを返信するものである。
【0013】
以下、本発明の実施形態を、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、各図の説明において、同一の機能を有する構成要素には同一の参照番号を付し、説明の重複をできるだけ避ける。
また、以下の説明は、本発明の一実施形態を説明するためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素若しくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であり、これらの実施形態も本願発明の範囲に含まれる。
【実施例1】
【0014】
図1A、図1B、図1Cおよび図1Dによって、本発明の自己撮影システムの一実施例を説明する。
図1Aは、本発明の自己撮影システムの一実施例に係わるIPカメラ3の内部の構成例を示している。また図1Bは、図1AのIPカメラを構成する不揮発性メモリ307の構成を一実施例を示す図である。また図1Cは、図1Bの不揮発性メモリ3を構成する設定情報370の内容について説明するための図である。さらに図1Dは、図1Cの設定情報370を構成する広告バナー情報3709の内容について説明するための図である。
【0015】
図1AのIPカメラ3は、レンズ301、撮像部302、画像処理演算部303、バス304、制御部305、ワークメモリ306、不揮発メモリ307、有線ネットワーク回線を通信媒体として他局と通信するための有線ネットワーク接続部308、無線ネットワーク用アンテナ310、および無線ネットワーク用アンテナ310を介して無線ネットワーク回線を通信媒体として他局と通信するための無線ネットワーク接続部309を構成要素とする。
図1A、図1B、図1C、および図1Dにおいて、レンズ301は、撮像部302と接続可能で、設置場所に適合して、対象を適切に撮影できるものであれば何でも良く、特に言及しない。
【0016】
図1Aにおいて、撮像部302は、レンズ301で集光した光を光電変換およびアナログデジタル変換し、デジタルデータとして出力する。出力のデジタルデータは、例えば、画像処理演算部303に伝送される。
画像処理演算部303は、撮像部302から取得したデジタルデータを、ネットワーク出力に適した映像フォーマットにエンコードする。
【0017】
エンコードに使用する映像フォーマットは、例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)フォーマット、MPEG4(Moving Picture Experts Group 4)等である。
画像処理演算部303は、用途別に、2種のエンコードを切替えて行ない、2種の映像を生成する。
一種は、エンコード後のデータサイズよりも、映像の解像度(縦横のピクセル数)および画質を優先した映像データである。この映像データは、有線ネットワーク出力向けの高解像度の映像データであり、以後「HD(High Definition:高解像度)映像」と呼称する。
他種は、解像度および画質よりも、エンコード後のデータサイズを優先した映像データである。この映像データは、無線ネットワーク出力向けの低解像度の映像データであり、以後「サムネイル映像」と呼称する。
画像処理演算部303が生成する「HD映像」と「サムネイル映像」には、撮影されたIPカメラおよび撮影時刻を特定するための映像ID(Identifier:識別子)が格納される。即ち、同一のIPカメラで、同一の時刻に生成された「HD映像」と「サムネイル映像」は、同一の映像IDを持つ。
【0018】
画像処理演算部303は、バス304を介して、エンコードした2種の映像データをワークメモリ306に伝送し、格納する。
バス304は、データバスであり、画像処理演算部303、制御部305、ワークメモリ306、不揮発メモリ307、有線ネットワーク接続部308、および無線ネットワーク接続部309と接続し、映像データおよび制御命令を接続された各機器間に伝送する。
制御部305は、不揮発メモリ307内に予め格納された動作プログラム371を実行し、設定情報370に基づいて、撮像部302、画像処理演算部303、および無線ネットワーク接続部309に、対応する動作の指示を行なう。
【0019】
また、図1Aおよび図1Bにおいて、制御部305は、時計機能を有し、外部のNTP(Network time protocol)サーバと通信し、定期的に時刻合わせを行う。
例えば、制御部305は、動作プログラム371を実行する動作として、ワークメモリ306に格納された2種類の映像データを配信する。第1の映像データはHD映像であり、第2の映像データは公開鍵とサムネイル映像である。制御部305は、有線ネットワーク接続部308を介して、第1の映像データを配信する。また制御部305は、無線ネットワーク接続309および無線ネットワーク用アンテナ310を介して、第2の映像データを配信(伝送)する。
また例えば、制御部305は、ユーザ所持の携帯型端末2から無線ネットワーク接続部309を介して、アクセス権登録要求を受信したときには、後述する条件判定を行なう。そして、制御部305は、条件に合うと判定した場合には、有線ネットワーク接続部308を介して、ユーザ管理サーバ5にアクセス権の登録を要求する。
【0020】
ワークメモリ306は、制御部305が動作プログラム371を実行する時のワークメモリに使用される。また、ワークメモリ306は、画像処理演算部303が出力するHD映像とサムネイル映像の一時的な格納にも用いる。この実施例においては、ワークメモリ306には、不揮発メモリよりは高速な読み書きが可能な揮発メモリを使用する。
不揮発メモリ307には、IPカメラ3の電源が落とされた場合にも、保持が必要な情報を格納する。例えば、不揮発メモリ307には、動作プログラム371、設定情報371、秘密鍵372、および公開鍵373が格納される。
【0021】
動作プログラム371は、制御部305が稼動する実行ファイルである。
設定情報371には、図1Cに示すように、ユーザ管理サーバアドレス3701、撮像解像度3702、撮像フレームレート3703、HD映像情報3704、サムネイル映像情報3705、無線通信出力値3706、IPカメラ情報3707、無線サムネイル映像配信フレームレート3708、および広告バナー情報3709がある。
ユーザ管理サーバアドレス3701は、ユーザ管理サーバ5のネットワークアドレス情報である。
撮像解像度3702は、撮像部302の動作を指示するための設定情報であり、撮像部302から出力する映像データの解像度を示す。
撮像フレームレート3703は、撮像部302の動作を指示するための設定情報であり、撮像部302から出力する映像データのフレームレートを示す。例えば、撮像フレームレートは、1[s]当たりのフレーム数で示される。
HD映像情報3704は、画像処理演算部303の動作を指示するための設定情報であり、画像処理演算部303がエンコードして生成するHD映像の解像度と圧縮率を示す。
サムネイル映像情報3705は、画像処理演算部303の動作を指示するための設定情報であり、画像処理演算部303がエンコードして生成するサムネイル映像の解像度と圧縮率を示す。
無線通信出力値3706は、無線ネットワーク接続部309が無線通信に用いる電波出力を指定する設定値である。
IPカメラ情報3707は、IPカメラ3の設置場所や識別に用いる文字列情報である。IPカメラ情報3707は、無線ネットワーク回線62によってサムネイル映像を送信する際、IPカメラ情報3707も付与して配信する。
無線サムネイル映像配信フレームレート3708は、無線ネットワーク回線62によってサムネイル映像を送信する映像データのフレームレートを示す。例えば、配信フレームレートは、1[s]当たりのフレーム数で示される。無線出力のサムネイル映像の配信フレームレート3708は、撮像フレームレート3703以下の値を指定する。なお、IPカメラ3は、無線出力のサムネイル映像の配信フレームレートを、有線ネットワーク回線に出力するHD映像のフレームレートより、低くすることが可能である。
広告バナー情報3709は、IPカメラ3にて保持する広告用の情報である。
【0022】
図1Aおよび図1Bの本発明の一実施例の自己撮影システムにおいて、自己撮影システムを使用中のユーザの携帯型端末2の画面に、広告用の情報を広告バナーのように表示する機能を加えても良い。このような機能を加えて運用する場合には、例えば、時間、場所、および、ユーザ属性それぞれについて、異なる広告を表示することも可能である。
なお、携帯型端末2での広告バナーの表示例は、後述の図12で説明する。
広告用の情報は、IPカメラ3と、後述するユーザ管理サーバ5にて保持する。
広告バナー情報3709は、IPカメラ3にて保持する広告用の情報である。
広告バナー情報3709は、図1Dに示すように、複数の広告毎情報37090と送信広告選択情報37093で構成する。
広告毎情報37090は、バナー画像37091とリンクURL37092で構成する。
バナー画像37091は、携帯型端末2に表示する広告用の画像データである。
リンクURL37092は、ユーザが携帯型端末2に表示されたバナー画像37091を押下した際に表示するWebページのURL(Uniform Resource Locator)を示す。
送信広告選択情報37093は、広告バナー情報3709内に複数存在する広告毎情報37090の中で、どれを携帯端末2に送信するか選択するための情報である。
上述した構成例では、送信広告選択情報37093は、タイムテーブルであり、どの時間帯にどの広告毎情報37090を使用するかを定めた情報が入力される。
【0023】
携帯型端末2とIPカメラ3間は、公開鍵暗号方式を用いて通信を行う。
撮影を希望するユーザが保持する携帯型端末2とIPカメラ3間の通信には、秘密鍵372と公開鍵373を使用する。IPカメラ3側の秘密鍵と公開鍵が、秘密鍵372と公開鍵373である。また、この公開鍵は、他のIPカメラ3と異なるユニークな値である。
有線ネットワーク接続部308は、有線のネットワークとIPカメラ内部のバス304を接続する。
無線ネットワーク接続部309は、無線ネットワーク用アンテナ310を介する無線のネットワークと、IPカメラ内部のバス304を接続する。
無線ネットワーク用アンテナ310は、携帯型端末2とIPカメラ3間の無線ネットワーク通信に用いるアンテナである。
無線ネットワーク接続部309が用いる無線ネットワーク通信の出力値は、無線通信出力値3706で示される。その通信可能範囲は、数[m]から数十[m]程度とし、撮影された映像内にて撮影対象が認識できる大きさに映る範囲となるように、出力値を設定する。無線ネットワーク通信の方式は、例えば、Bluetooth(登録商標)である。
無線ネットワーク用アンテナ310は、好ましくは、IPカメラ3の撮影対象領域に合わせた指向性を有する。
【0024】
図2A、図2B、図2C、および図2Dを用いて、本発明の自己撮影システムの一実施例の構成と運用について説明する。図2Aは、防犯用等に利用され、街中や公共施設内に設置される監視システムである。本発明の自己撮影システムは、既設の図2Aの監視システムを使用して、一般のユーザが、外出中の行動記録および三人称視点での映像撮影を行い記録および閲覧するシステムである。
図2Aにおいて、ネットワーク回線6は、WANであり、街中10のIPカメラ3、3−1、・・・、3−n等のネットワーク機器(nは自然数)、各家庭のパソコン(PC:Personal Computer)1等のネットワーク機器、およびデータセンタ(映像録画サーバ4、ユーザ管理サーバ5)等のネットワーク機器と結合する。
IPカメラ3、3−1、・・・、3−nは、街中10に多数(図2では、n+1台)設置された防犯IPカメラである。また、有線ネットワーク回線63は、ネットワーク回線6とIPカメラ3(IPカメラ3、3−1、・・・、3−nを代表してIPカメラ3と称する)を接続する。
【0025】
外出中の行動記録および三人称視点での映像撮影を希望するユーザは、携帯型端末2を持ち歩く。携帯型端末2は、街中10に設置された監視システムのIPカメラ3と無線ネットワーク回線で通信を行う、この無線回線は、図2では、無線ネットワーク回線62とする。
パソコン1は、外出中の行動記録および三人称視点での映像撮影を希望したユーザの自宅に設置されたパソコンである。ネットワーク回線6上でユーザの自宅パソコン1までの回線を、ブロードバンドネットワーク回線61とする。
【0026】
映像録画サーバ4は、多数のIPカメラ3の映像データを長期間保持するサーバ装置である。また映像録画サーバ4は、任意時刻の映像の読み出しを可能とするサーバ装置である。
その実現手段は、この発明の本質でないため省略するが、実現手段の一例として、特許第4237549号公報や特許第4401132号公報等に記載がある。
図2A〜図2Dの実施例では、映像録画サーバ4は、録画装置を集中管理するデータセンタに設置されているものとする。また、図2の実施例では、ネットワーク回線6上で映像録画サーバ4に接続するネットワーク回線を、データセンタ屋内ネットワーク回線64とする。
映像録画サーバ4は、IPカメラ3が撮影した映像(HD映像11とサムネイル映像21)をネットワーク回線63、6、および64を介して取得し、取得したHD映像11とサムネイル映像21を、映像録画サーバ4内の記録デバイス401に保持する。
【0027】
ユーザ管理サーバ5は、携帯型端末2から発したアクセス権登録要求と映像出力を保持する。アクセス権の保持にはデータベースを用いるが、データベースの構成はこの発明の本質ではないため省略する。
またユーザ管理サーバ5は、パソコン1から発せられた映像要求に対し、アクセス権限があるか調査し、権限がある場合には、映像録画サーバ4から映像データを読み出しパソコン1に送付する。
図2の実施例では、ユーザ管理サーバ5は、映像録画サーバ4と同一のデータセンタに設置されているものとする。なお、ネットワーク回線6上でユーザ管理サーバ5に接続するネットワーク回線を、データセンタ屋内ネットワーク回線65とする。
【0028】
なお、図2A、図2B、図2C、および図2Dの実施例では、ブロードバンドネットワーク回線61および有線ネットワーク回線63は、ブロードバンド回線を使用しており、IPカメラ3が出力するHD映像の必要帯域を十分に上回っている。
また、データセンタ屋内ネットワーク回線64およびデータセンタ屋内ネットワーク回線65は、データセンタ内の高速回線を使用しており、ブロードバンドネットワーク回線61や有線ネットワーク回線63よりも高速である。
一方、無線ネットワーク回線62は、他のネットワーク回線61、63及び64より利用可能帯域は狭いが、サムネイル映像の伝送には十分な帯域を持っているものを使用する。
【0029】
外出中の行動記録を生成したいユーザは、携帯型端末2を携帯する。IPカメラ3の撮影のタイミングはユーザが選択可能である。ユーザは、一定時間毎にIPカメラ3に撮影させても良く、またユーザの操作によって携帯型端末2から指示があった時点のみ撮影するようにしても良い。ここで、本明細書では、前者を「自動撮影」モード、後者を「手動撮影」モードと称する。図2Bは、ユーザが撮影しようとする街中10の一例を模式的に表している。即ち、IPカメラ3の撮影動作を、「自動撮影」モード、または「手動撮影」モードとする選択は、ユーザの操作に基づいて、携帯型端末2が決定可能である。
ユーザは、今、図2Bで表した街中10にいる。IPカメラ3は、図2Bで表した街中10を撮影し、無線サムネイル映像配信フレームレート3708で設定されたフレームレートで、サムネイル映像21として、公開鍵373とIPカメラ情報3707と共に無線ネットワーク回線に出力する。勿論、ユーザは撮影された街中10の画像中に映り込まれている。
IPカメラ3の無線通信可能距離は、IPカメラ3の撮影対象となる距離である。このような距離しか到達しないように、IPカメラ3の無線出力は小さく調整されている。また、IPカメラ3は、固定された所定の画角で定められた撮影対象領域を撮影するように、設けられている。従って、この撮影対象領域が撮影された場合にはその中の画像中に、ユーザが一緒に映っている。
【0030】
携帯型端末2は、街中10に設置されたいずれかのIPカメラ3と、無線通信が可能な状態であれば、その旨を伝える表示を行う(詳細は図3A、図3B、図3C、図3D〜図5A、図5B、図5C、図5Dを用いて後述する。)。従って、ユーザの携帯端末2は、上述のIPカメラ3が撮影したサムネイル映像21を、公開鍵373とIPカメラ情報3707と共に受信することができる。
携帯型端末2とIPカメラ3の無線回線62が通信可能距離にあり、携帯型端末2は、ユーザの操作により、「自動撮影」モードまたは「手動撮影」モードのいずれかにて撮影の指示を出す。IPカメラ3は、携帯型端末2から上述のいずれかの撮影モードでの撮影指示を受信する。受信後、IPカメラ3は、撮影対象領域の撮影を行い、撮影した映像のサムネイル映像21を無線ネットワーク回線62を介して送信する。当該IPカメラ3の撮影対象領域内の携帯型端末2は、IPカメラ3から無線ネットワーク回線62を介して、サムネイル映像21受信し、受信したサムネイル映像21(図1C参照)を携帯型端末2内の記録デバイスに保存し、アクセス権要求をIPカメラ3に送信する。なお、同時に、IPカメラ3は、撮影した映像のHD映像11とサムネイル映像21をネットワーク回線63、6、および64を介して映像録画サーバ4に配信し、映像録画サーバ4は、取得したHD映像11とサムネイル映像21を、映像録画サーバ4内の記録デバイス401に保持する。
ユーザは、帰宅後、パソコン1を用いて、携帯型端末2に保存したサムネイル21内の映像IDと、撮影された時点で登録したアクセス権を用いて、ユーザ管理サーバ5にアクセスする。これによって、パソコン1は、映像録画サーバ4からネットワーク回線を介してサムネイル映像21と同一映像IDのHD映像11(図1D参照)を取得する(詳細は図6を用いて後述する。)。
一般的に、携帯型端末2のデータ保存用の容量は、パソコン1のそれに比べ小さい。それゆえに、ユーザは、携帯型端末2に保存したサムネイル情報21をパソコン1に転送し、携帯型端末2内からは削除しても良い。
【0031】
図3A、図3B、図3C、および図3Dによって、本発明に使用する携帯型端末2の構成例と初期画面について説明する。図3Aは、携帯型端末2の構成の一実施例を示す図である。図3Bと図3Cは、携帯型端末2の表示部(表示パネル)210に表示される初期画面を示す図である。また、図3Dは、携帯型端末2の表示部210に表示される詳細設定画面を示す図である。
図3Aに示す携帯型端末2のハードウェアは、例えば、市販されている汎用のPDA(Personal Digital Assistant)、若しくは、スマートフォン、またはアプリケーションの実行可能な携帯電話端末を使用する。携帯型端末2は、IPカメラ3と無線ネットワーク回線62で接続可能な部位、蓄電池、表示部210、不揮発性メモリ22、および制御部を最小構成とする。かつ、制御部は、本発明の自己撮影システム用のアプリケーションの動作を制御する。
不揮発性メモリ22は、本発明の自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションの動作に必要な情報として、動作プログラム221、秘密鍵222、公開鍵223、設定情報224、サムネイル映像保存領域225、およびユーザ情報226を有する。
【0032】
設定情報224は、本発明の自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションの動作を指定するための設定情報である。この設定情報224は、撮影許可フラグ2240、撮影モード2241、撮影時間間隔2242、および削除確認モード2243から成る。
撮影許可フラグ2240は、後述する図3Cの詳細設定画面23−2でユーザが選択する値であり、「撮影許可」と「撮影不許可」の値を持つ。
撮影モード2241は、後述する図3Bの初期画面23でユーザが選択する値であり、「手動撮影」若しくは「自動撮影」のいずれかを保持する。
撮影時間間隔2242は、ユーザが指定する値であり、初期画面23でユーザが撮影モードとして「自動撮影」モードを選択した時に、サムネイル映像を保存する時間間隔である。
削除確認モード2243は、図4の画面26および図5の画面29の削除対象の選択画面であり(後述する)、詳細設定画面23−2においてユーザが選択する値である。ユーザが対象映像クリップ(以降、映像クリップを、単に、クリップと称する)をダブルクリックで選択した場合に、画面に「削除しますか?」とポップアップ表示された時にユーザが選択する値であり、「確認を行う」または「確認を行わないずに対象クリップを削除する」のいずれかの値である。この実施例でのデフォルトは、「確認を行う」である。
広告表示モード2244は、図4の画面24および画面25、図5の画面27および画面28(後述する)にて、図12の画面24−2の如く、広告バナーを表示するか否かの設定値である。ユーザが詳細設定画面23−2にて選択する場合もあるが、固定値とする場合もある。
統計用情報2245は、システム運営者の統計情報作成に協力する場合におけるユーザ申告の属性情報(例えば、「年代」「性別」「職業」)である。
【0033】
動作プログラム221は、本発明の自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションの実行ファイルである。
携帯型端末2とIPカメラ3間では、公開鍵暗号方式で通信を行う。その時、携帯型端末2側には、秘密鍵222と公開鍵223が保持される。この公開鍵223は、他の携帯型端末2と異なるユニークな値であり、本発明の自己撮影システムの携帯型端末アプリケーションの初回実行時に、携帯型端末毎にユニークな値に現在時刻値およびその時点での電波強度などの値を主として生成する。
ユーザ情報226は、本発明の自己撮影システムの運営者側が発行したユーザの識別に用いる情報であり、ユーザ毎にユニークな値である。ユーザ情報226は、公開鍵223生成後の携帯型端末2とユーザ管理サーバ5間での初回通信時に、ユーザ管理サーバ5によって発行される。
サムネイル映像保存領域225は、IPカメラ3から取得した多数のサムネイル映像21とその映像IDを保持する領域である。
この実施例の携帯型端末アプリケーションは、クリップ毎にディレクトリを作成し、サムネイル映像21とその映像IDとIPカメラ情報3707を保持する(後述する)。
【0034】
図3Bに示す画面23は、本発明の自己撮影システムの携帯型端末アプリケーションの起動画面であり、ここで撮影モードの選択をユーザに要求する。
画面23上には、「手動撮影」選択ボタン2301、「自動撮影」選択ボタン2302、自動撮影モードでのサムネイル保存時間間隔を選択するリストボックス2303、および「詳細設定」選択ボタン2304が配置されている。
【0035】
まずは、設定情報224の撮影許可フラグ2240が「撮影許可」の場合について説明する。
「手動撮影」選択ボタン2301をユーザがクリックすると、図3Bの画面23から図4Aの画面24に遷移する。
「自動撮影」選択ボタン2302をユーザがクリックすると、図3Bの画面23から図5Aの画面27に遷移する。
リストボックス2303では、自動撮影モードでのサムネイル映像とその映像IDの保存時間間隔を指定する。この実施例では、5秒毎、10秒毎、30秒毎、1分毎、10分毎、を選択肢としている。
ユーザが詳細設定ボタン2304をクリックすると、図3Bの画面23から図3Cの画面23−2に遷移する。
【0036】
次に、設定情報224の撮影許可フラグ2240が「撮影不許可」の場合の画面23’を図3Cによって説明する。
ボタン2301’の文字列を「IPカメラ確認」とする。ボタン2302’は押下不可の状態である。「IPカメラ確認」ボタン2301’をユーザがクリックすると、画面は図3Cの画面23’から図12の図24−2に遷移する。
【0037】
図3Dの画面23−2は、自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションの詳細設定画面である。ユーザは、この画面23−3で、動作モードの設定を行なう。
画面23−2上には、撮影許可チェックボックス2320、統計情報許可チェックボックス2321、年代入力リストボックス2322、性別入力リストボックス2323、職業入力ボックス2324、削除確認モードリストボックス2325、広告表示許可リストボックス2326、更新ボタン2327、およびキャンセルボタン2328を設けている。
【0038】
図3Dにおいて、撮影許可チェックボックス2320は、本発明の自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションから、アクセス権要求の通信をIPカメラ3に対して行なうことを、ユーザが許可するか否かの選択を行なう。このチェックボックス2320の初期値は、設定情報224の撮影許可フラグ2240の値(「撮影許可」または「撮影不許可」)である。
このチェックボックス2320が不許可(「撮影不許可」)の場合には、後述する図12の画面24−2で説明する近隣のIPカメラ3からサムネイル映像確認の画面のみが利用可能である。
このチェックボックス2320が許可される(「撮影許可」になる)と「手動撮影」が利用可能となる。さらに、このチェックボックス2320と統計情報許可チェックボックス2321が許可されると「自動撮影」が利用可能となる。
また、このチェックボックス2320が不許可の場合には、統計情報許可チェックボックス2321内の項目2322〜2324と、削除確認モードリストボックス2325を選択肢を空白として選択不可の状態とし、広告表示許可リストボックス2326を「表示あり」のみ選択可とする。
【0039】
統計情報許可チェックボックス2321は、統計用情報の登録を行なうか否かの選択を行なう。このチェックボックス2321を許可とする(チェックマークがはいる)と「自動撮影」が利用可能となる。
ユーザがこのチェックボックス2321を許可とすると、ボックス2322〜2324の項目への入力が可能となる。このチェックボックス2321の初期値は、設定情報224の統計用情報2245の値である。
年代入力リストボックス2322では、ユーザの年代(例えば、「30代」)を選択する。選択肢は、例えば、「10歳未満」「10代」「20代」「30代」「40代」「50代」「60代」「70代以上」とする。
性別入力リストボックス2323では、ユーザの性別「男」若しくは「女」を選択する。
職業入力ボックス2324には、ユーザの職業(例えば、「会社員」)を入力する。
【0040】
削除確認モードリストボックス2325は、後述する図4Cの画面26や図5Cの画面29の削除対象の選択画面にて、確認を促すポップアップを表示するか否かを選択する。選択肢は「確認あり」と「確認なし」とする。このリストボックスの初期値は、設定情報224の削除確認モード2243の値である。
広告表示許可リストボックス2326は、後述する図4Aの画面24、図4Bの画面25、図5Aの画面27、図5Bの画面28において、画面下部のモード表示欄にバナー広告の表示を許可するか否かを選択する。選択肢は「広告あり」と「広告なし」とする。このリストボックス2326の初期値は、設定情報224の広告表示モード2244の値とするが、撮影許可チェックボックス2320が不許可の場合には、選択肢は「広告あり」のみとする。
撮影許可チェックボックス2320が許可されている場合であって、この広告表示許可リストボックス2326でユーザが「広告あり」を選択した場合には、詳細は後述するが録画枚数や保存期間やフレームレートなど、ユーザの携帯型端末2は、「広告なし」より、高品位のサービスが受けることができる。
【0041】
ユーザが、更新ボタン2327を押下すると、この画面23−2で入力された値を設定値224に格納する。具体的には、撮影許可チェックボックス2320の値を撮影許可フラグ2240に、統計用情報の項目2321〜2324を統計用情報2245に、削除確認モードリストボックス2325の値を削除確認モード2243に、広告表示許可リストボックスの値を広告表示モード2244に、それぞれ格納する。その後、図3Bの画面23に遷移する。
また、統計用情報2245が更新された後、初回のユーザ管理サーバ5との通信において、統計用情報2245の内容が携帯型端末2からユーザ管理サーバ5に送信される。
ユーザが、キャンセルボタン2328を押下すると、この画面23−2で入力された値は、全て破棄され、画面23に遷移する。
【0042】
次に、図4A、図4B、図4C、図4D、および図12によって、本発明の自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションの手動録画モードの画面について説明する。図4Aは、携帯型端末2の表示部210に表示される手動録画モードの「撮影確認モード」の画面の一実施例を示す図である。図4Bは、携帯型端末2の表示部210に表示される手動録画モードの「閲覧モード」の画面の一実施例を示す図である。図4Cと図4Dは、携帯型端末2の表示部210に表示される手動録画モードの「削除モード」の画面の一実施例を示す図である。図12は、本発明の一実施例の係わる携帯型端末画面の広告表示を例示する図であって、携帯型端末2の表示部210に表示される手動録画モードの「撮影確認モード」の画面の一実施例を示す図である。
【0043】
図4Aにおいて、画面24は、本発明の自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションの手動録画モードの「撮影確認モード」がテキスト表示された画面である。
画面24では、その時点でユーザを撮影しているであろうIPカメラ3からのサムネイル映像の一覧を表示する。この図4Aの画面24では、2つのIPカメラ(カメラAおよびカメラB)から撮影されている。
画面24は、クリップ241、クリップ242、空白243、および表示モード欄240を有する。
図4Aの実施例では、1つのクリップで1台のIPカメラの情報を示す。
【0044】
撮影確認モードのクリップ内の構成を、クリップ241を用いて説明する。クリップ241は、サムネイル映像2410、IPカメラ情報2411、および撮影ボタン2412を有する。
サムネイル2410は、IPカメラ3から無線ネットワーク回線62を介して受信したサムネイル映像である。
IPカメラ情報2411は、IPカメラ3から無線ネットワーク回線62を介して受信したIPカメラ情報3707である。
【0045】
ユーザがクリックすると、撮影ボタン2412を、携帯型端末2の制御部は、本発明の自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションに基づいて、サムネイル映像2410とIPカメラ情報2411を、サムネイル映像保存領域225に保存し、当該IPカメラにアクセス権要求の通信を行う。
2つのクリップを表示している場合には、現在、2台のIPカメラからサムネイル映像を受信していることを示す。受信中のIPカメラの台数が増えると、空白243の領域にクリップが追加される。サムネイル映像を受信可能なIPカメラの台数が多く、空白243に収まらない場合には、図4B以降で後述するスクロールバー2504を表示し、画面のスクロールを可能とし、全体を見るときにはスクロール操作することで対応する。
また、現在受信可能なIPカメラが存在しない場合には、画面に1クリップも表示せず、画面210には空白243と表示モード欄240のみを表示する。
本実施例では、画面210に表示するクリップの表示順番は、上側からIPカメラから受信する無線電波の強度の強い順、即ち、IPカメラとの距離が小さい順に並ぶように表示している。
表示モード欄240は、現在の表示モードを示す文字列2401およびボタン2402を有する。
文字列2401は、現在の表示モードが表示される。図4Aでは、文字列2401として、「撮影確認モード」がテキスト表示される。
ユーザがボタン2402をクリックすると、図4Bの画面25の「閲覧モード」に遷移する。
【0046】
次に、図12の画面24−2を用いて、ユーザが設定画面23−2で撮影許可チェックボックス2320を不許可とし、アクセス権要求の通信をIPカメラ3に送信できない場合の画面を説明する。
画面24−2は、図4Aの画面24から、撮影ボタン2412とボタン2402を不活性化して撮影ボタン2412−2とボタン2402−2とし、広告バナー領域2403を追加したものである。
撮影ボタン2412−2とボタン2402−2は、ボタンは表示するが押せない状態とし、ボタン機能が封印されて使用できない状態であることを示す。
表示モード欄240−2は、表示モード欄240に広告バナー領域2403を追加したものである。
広告バナー領域2403には、所定の場所毎および所定の時間毎に、システム運営者側が用意した、適した広告のバナーを表示する。ユーザが携帯型端末2を操作して、広告バナー2403を押下した時には、Webブラウザを起動し、該等広告が示すURLのWebページを表示する。
サムネイル映像受信可能なIPカメラが複数台存在する場合には、本実施例は、表示する広告バナー数を1つとし、クリップの表示順序で最上となるIPカメラからの広告バナーを表示する。
図4Aの画面24においても、設定の広告表示モード2244(図3A、および図3Dの広告表示許可リストボックス2326参照)が「広告を表示する」である場合には、図12の画面24−2の広告バナー領域2403と同様に、表示モード欄240に広告バナー領域を設ける。
【0047】
図4Bにおいて、画面25は、本発明の自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションの手動録画モードの「閲覧モード」がテキスト表示された画面である。
画面25では、図4Aの画面24で撮影した映像情報の一覧を表示する。
画面25は、クリップ251〜クリップ254と、表示モード欄250を有する。
1クリップで1撮影分の情報を示す。複数のクリップが表示されている場合には、そのクリップの数分、撮影していたことを示す。撮影を行っていなければ、画面24と同様に画面全体が空白となる。また撮影数が多く、画面に収まりきらない場合には、スクロールバー2504を表示し、全体を見るときには画面をスクロール操作することで対応とする。
本実施例では、画面210に表示するクリップの表示順は、上側から撮影時刻の新しいものを表示するようにしている。
【0048】
閲覧モードの1クリップの構成を、クリップ251を用いて説明する。クリップ251は、サムネイル映像2510と、IPカメラ情報2511と、映像時刻2512を有する。
サムネイル映像2510は、図4Aの画面24でユーザが撮影ボタン2412を押下して撮影し、サムネイル映像保存領域225に保持したサムネイル映像である。
IPカメラ情報2511は、サムネイル映像2510を撮影したIPカメラの情報であり、当該IPカメラ3のIPカメラ情報3707の内容である(図1C参照。)。
映像時刻2512は、サムネイル映像2510を撮影した時刻、サムネイル映像2510から抽出した映像IDから変換した値である。
表示モード欄250は、現在の表示モードを示すモード文字列2501、ボタン2502、およびボタン2503を有する。
モード文字列2501には、現在の表示モードが表示される。図4Bでは、「閲覧モード」とテキスト表示される。
ユーザがボタン2502をクリックすると、図4Aの画面24の「撮影確認モード」に遷移する。また、ユーザがボタン2503をクリックすると、図4Cの画面26の「削除モード」に遷移する。
図4Bの画面25においても、設定の広告表示モード2244が「広告を表示する」である場合には、図12の画面24−2の広告バナー領域2403と同様に、表示モード欄250に広告バナー領域を設ける。そして、クリップの表示順序で最も上側に表示されるIPカメラからの広告バナーを表示する。
【0049】
図4Cにおいて、画面26は、本発明の自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションの手動録画モードの「削除モード」がテキスト表示された画面である。
画面26では、画面24で撮影した映像情報の一覧を表示し、選択したクリップの削除を行う。例えば、画面25の背景領域2500の背景色とは異なる背景色に各クリップの背景領域2600の色を変える。この結果、ユーザは、削除モードであることを一目で迅速かつ正確に認識することができる。
画面26は、クリップ261〜クリップ264と、表示モード欄260を有する。
クリップ261〜クリップ264の表示内容は、背景色を除けば画面25のクリップ251〜クリップ254と同じである。
【0050】
ユーザが画面26でクリップの1つ(例えば、クリップ262)を選択して、選択したクリップをダブルクリックした場合には、削除確認モード2243が「確認を行わずに対象クリップを削除する」であれば、サムネイル映像保存領域225から直ちにそのクリップの情報を削除し、かつ、画面26のそのクリップの表示も削除する。
ユーザが画面26でクリップの1つ(例えば、クリップ262)を選択して、選択したクリップをダブルクリックした場合には、削除確認モード2243が「確認を行う」であれば、図4Dの画面265に遷移する。そして、画面265において、選択したクリップの中にダイアログ2650を表示し、ダイアログ2650以外のクリップを無効化する。図4Dでは、表示していないが、グレー表示等でも良い。
ダイアログ2650は、「Yes」ボタン2651と、「No」ボタン2652を有する。
ユーザが「No」ボタン2652をクリックすると、図4Cの画面26に遷移する。
ユーザが「Yes」ボタン2651をクリックすると、選択したクリップの情報をサムネイル映像保存領域225から削除し、かつ、画面26の表示からも削除し、図4Bの画面25に遷移する。
表示モード欄260は、現在の表示モードを示すモード文字列2601およびボタン2602を有する。
モード文字列2601には、現在の表示モードを示す「削除モード」がテキスト表示される。
ボタン2602をユーザがクリックすると、画面25の「閲覧モード」に遷移する。
【0051】
図5A、図5B、図5C、および図5Dを用いて、本発明の自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションの自動録画モードの画面説明を行なう。図5Aは、本発明の自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションの自動録画モードの「自動撮影中」の画面の一実施例を示す図である。図5Bは、本発明の自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションの自動録画モードの「自動撮影中 プレビュー」の画面の一実施例を示す図である。また図5Cは、本発明の自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションの自動録画モードの「削除モード」の画面の一実施例を示す図である。さらに図5Dは、本発明の自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションの自動録画モードの「削除モード」の「確認を行う」の画面の一実施例を示す図である。
【0052】
図5Aにおいて、画面27は、本発明の自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションの自動録画モードの「自動撮影中」がテキスト表示された画面である。
画面27は、現在までに受信したサムネイル映像の一覧をIPカメラ毎にまとめて表示する。
画面27は、クリップ271〜クリップ274、および表示モード欄270を有する。
この実施例では、説明を簡単にするため、1クリップで1台のIPカメラ分の情報を示すものとして説明を行なう。しかし、サムネイル映像の時間が一定以上開いている場合には、1台のIPカメラ分の情報を分割して、別クリップとしても良い。
【0053】
ユーザの行動中に、IPカメラからサムネイル映像が受信されていなければ、画面27には1クリップも表示されない。複数のIPカメラからサムネイル映像の受信を行っていれば、画面27は、そのIPカメラの台数分のクリップを表示する。クリップ数が多くなり、画面に収まりきらない場合には、スクロールバー2703を表示し、全体を見るときにはスクロール操作をすることで対応する。
本実施例では、画面210に表示するクリップの表示順番は、上側から新しい時刻順である。各IPカメラ内の最新サムネイル映像を、全IPカメラ間で時刻比較し、新しい順に表示する。
【0054】
「自動撮影中」モードのクリップ内の構成を、クリップ271を用いて説明する。クリップ271は、サムネイル映像2710、IPカメラ情報2711、映像時刻2712、最古差分秒数2713、および最新差分秒数2714を有する。
サムネイル映像2710は、当該IPカメラ3の映像時刻2712の時刻のサムネイル映像である。
IPカメラ情報2711は、当該IPカメラ3のIPカメラ情報3707である。
映像時刻2713は、当該IPカメラ3から受信したサムネイル映像内にて、最古映像と最新映像の中間付近の切りの良い値(例えば、撮像時刻の秒単位で表す値が0)のサムネイル映像の映像時刻を用いる。
最古差分秒数2713は、当該クリップ内の最古のサムネイル映像の時刻と、映像時刻2713の差分の秒数を示す。
最新差分秒数2714は、当該クリップ内の最新のサムネイル映像の時刻と、映像時刻2713の差分の秒数を示す(例:2724)。ただし、IPカメラからのサムネイル映像の受信が継続している場合には、継続していることを示すため「・・・」を表示する。(例:2714)
つまり、最古差分秒数2713と最新差分秒数2714は、当該IPカメラの付近にどのくらいの時間滞在していたかを示している。
いずれかのクリップをダブルクリックすると、そのIPカメラから受信したサムネイル映像の一覧の表示を行う画面28に遷移する。
【0055】
表示モード欄270は、現在の表示モードを示すモード文字列2701およびボタン2702を有する。
モード文字列2701は、現在の表示モードが表示される。図5Aでは、文字列2701として、「自動撮影中」がテキスト表示される。
ユーザがボタン2702をクリックすると、図5Cの画面29の「削除モード」に遷移する。
図5Aの画面27においても、設定の広告表示モード2244が「広告を表示する」である場合には、図12の画面24−2の広告バナー領域2403と同様に、表示モード欄270に広告バナー領域を設ける。そして、クリップの表示順序で最上となるIPカメラからの広告バナーを表示する。
【0056】
図5Bにおいて、画面28は、本発明の自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションの自動録画モードの「自動撮影中 プレビュー」がテキスト表示された画面である。
図5Bの画面28は、図5Aの画面27で選択されたクリップ内のサムネイル映像の一覧を表示する。
画面28は、選択クリップ281、サムネイル映像一覧フィルム表示2810、非選択クリップ群282、および表示モード欄280を有する。
選択クリップ281は、ユーザが画面27で選択したクリップである。
非選択クリップ群282は、画面27でユーザが選択しなかったクリップであり、画面28では、例えば、背景色と文字色を変える。この結果、ユーザは、どのクリップを選択したしたかを一目で迅速かつ正確に認識することができる。
【0057】
サムネイル映像一覧フィルム表示2810には、選択されたクリップ281内の全てのサムネイル映像を、一列に並べて表示する。画面に収まらないサムネイル映像は、上下へのスクロール操作で対応する。例えば、ユーザが、サムネイル映像一覧フィルム表示2810を上下にドラック操作することで、サムネイル映像一覧フィルム表示2810内の表示サムネイルは上下にスクロールする。
ユーザが、選択クリップ281、またはサムネイル映像一覧フィルム表示2810以外の領域をクリックすると、画面27に遷移する。
表示モード欄280は、現在の表示モードを示すモード文字列2801を有する。
モード文字列2801は、現在の表示モードが表示される。図5Bでは、文字列2801として、「自動撮影中 プレビュー」がテキスト表示される。
図5bの画面28においても、設定の広告表示モード2244が「広告を表示する」である場合には、図12の画面24−2の広告バナー領域2403と同様に、表示モード欄280に広告バナー領域を設ける。そして、クリップの表示順序で最上となるIPカメラからの広告バナーを表示する。
【0058】
図5Cにおいて、画面29は、本発明の自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションの自動録画モードの「削除モード」がテキスト表示された画面である。
画面29では、選択されたクリップの削除を行う。例えば、図5Aの画面27の背景領域の背景色とは異なる背景色に各クリップの背景領域の色を変える。この結果、ユーザは、削除モードであることを一目で迅速かつ正確に認識することができる。
画面29は、クリップ291〜クリップ294、および表示モード欄290を有する。
クリップ291〜クリップ294の表示内容は、背景色を除けば画面27のクリップ271〜クリップ274と同じである。
【0059】
ユーザが画面29でクリップの1つ(例えば、クリップ294)を選択して、選択したクリップをダブルクリックした場合には、削除確認モード2243が「確認を行わずに対象クリップを削除する」であれば、サムネイル映像保存領域225から直ちにそのクリップの情報を削除し、かつ、画面29のそのクリップの表示も削除する。
ユーザが画面29でクリップの1つ(例えば、クリップ262)を選択して、選択したクリップをダブルクリックした場合には、削除確認モード2243が「確認を行う」であれば、図5Dの画面295に遷移する。そして、画面295において、選択したクリップの中にダイアログ2950を表示し、ダイアログ2950以外のクリップを無効化する。図5Dでは、表示していないが、グレー表示等でも良い。
ダイアログ2950は、「Yes」ボタン2951と、「No」ボタン2952を有する。
ユーザが「No」ボタン2952をクリックすると、図5Cの画面29に遷移する。
ユーザが「Yes」ボタン2951をクリックすると、選択したクリップの情報をサムネイル映像保存領域225から削除し、かつ、画面29の表示からも削除し図5Aの画面27に遷移する。
表示モード欄290は、現在の表示モードを示すモード文字列2901およびボタン2902を有する。
モード文字列2901には、現在の表示モードを示す「削除モード」がテキスト表示される。
ボタン2902をユーザがクリックすると、画面27の「自動撮影中」に遷移する。
【0060】
図6を用いて、本発明の自己撮影システムの一実施例の処理および通信の流れを説明する。図6は、本発明の一実施例の情報の流れを説明するための図である。
図6において、処理700〜706および処理720〜723は、ユーザが携帯型端末2を持ち、複数のIPカメラ3が設置された街中10を移動する際の処理の流れである。なお、処理のうち、通信に関わる処理を、特に通信と称する。
通信700では、IPカメラ3は、一定時間(設定情報370の撮像フレームレート3703で既定される時間間隔)毎に所定の監視領域を撮影し、ネットワーク回線6を介して、生成した「HD映像」と「サムネイル映像」を映像録画サーバ4に送信する。映像録画サーバ4は、受信した映像データを記録デバイス内に保持する。
次に、通信701では、IPカメラ3は、一定時間(設定情報370の無線サムネイル映像配信フレームレート3708で既定される時間間隔)毎に、無線ネットワーク62に、「サムネイル映像」と公開鍵373と「広告毎情報」(現在時刻をもとに送信広告選択情報37093で選択された広告毎情報37090)を送出する。
【0061】
処理702では、IPカメラ3の無線通信可能圏内にユーザが訪れ、ユーザの所持する携帯型端末2で自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションが稼動中であれば、携帯型端末2は、ユーザの操作に基づいて、通信701でのデータを受信し、「サムネイル映像」と公開鍵373を取得する。
「自動撮影モード」か「手動撮影モード」のいずれかで、ユーザが撮影を指示した場合には、携帯型端末2は、受信したサムネイル情報から映像IDを抽出し、通信703を実行する。また、広告表示モード2244の値をフラグ(以後「広告表示フラグ」と称する)として通信703に含める。「広告表示フラグ」の状態は「広告表示あり」と「広告表示なし」である。また、通信文内に「広告表示フラグ」が省略されている場合には、「広告表示フラグ」の状態が「広告表示なし」であるとして処理する。
【0062】
補足として、想定している通信701のフレームレート(設定情報370の無線サムネイル映像配信フレームレート3708で既定される時間間隔)は、秒間1〜30枚である。一方、「自動撮影モード」での撮影間隔(撮影時間間隔2242で既定される時間間隔)は、5秒〜10分に1回である。
「自動撮影モード」での撮影は、通信701を、「自動撮影モード」の撮影間隔でサンプリングすることで実現する。
携帯型端末2は、「自動撮影モード」では、撮影間隔内に通信701を受信できなかった場合には、直後に受信した通信701の映像を採用する。
ゆえに、もし、通信701の配信の時間間隔が「自動撮影モード」の撮影間隔よりも長い場合には、携帯型端末2は、通信701の配信の時間間隔での撮影となる。
【0063】
通信703では、携帯型端末2からIPカメラ3へ、アクセス権登録要求として、「映像ID」、「ユーザ情報226」、「公開鍵223」、および「広告表示フラグ」を、公開鍵373で暗号化して送信する。
処理704では、IPカメラ3は、受信した通信703のデータを秘密鍵372で復号化し、「映像ID」、「ユーザ情報226」、「公開鍵223」、および「広告表示フラグ」を取得する。
通信705では、IPカメラ3からユーザ管理サーバ5へ、アクセス登録要求として、復号化したデータ(「映像ID」、「ユーザ情報226」、「公開鍵223」、および「広告表示フラグ」)を送信する。
処理706では、ユーザ管理サーバ5は、通信705で受信した「ユーザ情報226」が有効なものか否かを判別し、有効なものであれば、「映像ID」、「ユーザ情報226」、「公開鍵223」、および「広告表示フラグ」を1レコードとして、ユーザ管理サーバ5内のデータベースに登録する。
【0064】
「広告表示フラグ」が「広告表示あり」である場合には、「ユーザ情報226」に対応する「ユーザ属性」が登録されているか否かを調べる。登録されている場合には、現在時刻とIPカメラ3の場所とユーザ属性の情報をもとに、適した広告情報を選択し、通信720にて広告情報を送信する。(ユーザ属性については後述する)
通信720は通信705の応答で、登録が正常に行なわれたか否かを送信し、処理706の結果によっては、広告情報を送信する。
処理721は、IPカメラ3が通信720での通信を受信して、通信722で携帯型端末3に向けて中継送信する。広告情報があれば、広告情報もそのまま中継送信する。
処理723では、携帯型端末3は、IPカメラ3からの応答の通信722に広告情報が含まれており、かつ、携帯型端末アプリケーションの設定の広告表示モード2244が「広告バナー表示を行なう」状態である場合には、受信した広告情報を、画面上の広告バナー領域に表示する。
【0065】
処理707〜718は、ユーザが帰宅後、携帯型端末2と自宅のパソコン1を併用しながら、移動時に登録したアクセス権を用いて「HD映像」を取得する際の処理を示している。
ユーザは、パソコン1と携帯型端末2を接続し、パソコン1でHD映像取得用ソフトウェアを起動する。
パソコン1のHD映像取得用ソフトウェアは、ネットワーク回線6を介して、ユーザ管理サーバ5に、通信707を行なう。
通信707では、パソコン1から、ユーザ管理サーバ5へ、通信時の暗号化に用いるユーザ管理サーバ5の公開鍵を要求する。
処理708では、ユーザ管理サーバ5は、パソコン1からの公開鍵要求を受け、公開鍵をパソコン1に送信する通信709を実行する。
通信709では、ユーザ管理サーバ5からパソコン1へ、ユーザ管理サーバ5の公開鍵を送付する。
処理710では、ユーザが、パソコン1のHD映像取得用ソフトウェアを使用して、どのサムネイル映像のHD映像を取得するか選択する。HD映像取得用ソフトウェアは、ユーザに選択されたサムネイル映像から映像IDを抽出し、ユーザ管理サーバ5に通信711を行なう。
通信711では、パソコン1は、「映像ID」および「ユーザ情報226」を、通信709で得たユーザ管理サーバ5の公開鍵を用いて暗号化し、ユーザ管理サーバ5へ送信する。
【0066】
処理712では、ユーザ管理サーバ5は、受信した通信711でのデータを、ユーザ管理サーバ5の秘密鍵を用いて暗号を復号化し、「映像ID」および「ユーザ情報226」を得る。ユーザ管理サーバ5は、データベースを検索して、この「映像ID」および「ユーザ情報226」のペアに合致するレコードが存在するか否かを判定する。ユーザ管理サーバ5は、合致するレコードがなければ、「アクセス権限がない」を趣旨とするエラーメッセージをパソコン1に送信する。また、合致するレコードがあれば、当該レコード内の「公開鍵223」を取得し、HD映像データを取得するため、映像録画サーバ4に通信713を実行する。
通信713では、ユーザ管理サーバ5は、「映像ID」が示す時刻のHD映像のリクエスト文を映像録画サーバ4に送信する。
処理714では、映像録画サーバ4は、受信した通信713での「映像ID」の示す時刻のHD映像を、映像録画サーバ4内の記録デバイスから読み出し、通信715を実行する。
通信715では、映像録画サーバ4は、HD映像をユーザ管理サーバ5に送信する。
処理716では、ユーザ管理サーバ5は、通信715で受信した「HD映像」と、「ユーザ情報226」とで署名計算を行い「署名値」を算出する。ユーザ管理サーバ5は、「映像ID」、「ユーザ情報226」、「公開鍵223」、「現在時刻」、および「署名値」を1要素としたログを、出力ログとして記録する。
通信717では、ユーザ管理サーバ5は、「HD映像」、「ユーザ情報226」、および「署名値」を「公開鍵223」で暗号化し、パソコン1に送信する。
処理718では、パソコン1は、受信した通信717を、「秘密鍵222」を用いて暗号を解き、「HD映像」と「署名値」を、パソコン1の記録デバイスに記録する。
【0067】
実施例1によれば、外出時の行動記録の作成、特に三人称視点での映像撮影が可能な自己撮影システムを実現できる。
また、実施例1によれば、いつ何処にいたかという情報を、防犯用監視システム内に保持させることが可能となる。
さらに、実施例1によれば、不特定多数に公開せず、撮影された個人にのみ、当該映像を閲覧または提供することができる。
またさらに、実施例1によれば、システム運営者は、広告サービスを提供することができる。
【実施例2】
【0068】
本発明の自己撮影システムでは、システム運営者は、ユーザに自己撮影のサービスを提供し、その対価として、ユーザからの情報を得る。この仕組みについての一構成例を、図13〜図16を用いて説明する。なお、本発明の自己撮影システムの構成、IPカメラの構成、および携帯型端末の構成については、実施例1と同様である。
【0069】
図13によって、ユーザとシステム運営者とスポンサーの関係について説明する。図13は、本発明の一実施例の係わるサービスと対価の関係を説明するための図である。
ユーザ901は、本発明の自己撮影システムを利用するユーザである。また、システム運営者902は、図2で説明したIPカメラ3と録画装置4とユーザ管理サーバ5を運営する者である。また、スポンサー903は、統計情報の利用者、広告出稿者、若しくは、広告代理店である。
図13において、システム運営者902は、ユーザ901にサービス91を提供し、その対価として情報・サービス料92を受ける関係である。
またシステム運営者902は、スポンサー903に統計情報・広告枠94を提供し、その対価として情報料・広告料93を受ける関係である。
システム運営者902の主たる業務は、防犯であり、図2の防犯IPカメラ3の購入および維持費、ネットワーク回線6の維持費、並びに、録画装置4の購入および維持費は、もともと防犯システムとして必要な経費であり、収入を得られる仕組みではなかった。
しかるに、先に示した本発明の一実施例のシステム構成によれば、ユーザ901およびスポンサー903から料金を受け、収入を得ることが可能となる。
【0070】
また、ユーザ901とシステム運営者902間での、サービス91と情報・サービス料92の関係には、レベルがあり、ユーザ901がシステム運営者902に提供する情報または料金の選択よって、サービス91の内容が変る仕組みである。この実施例ではレベルを3段階用意した、図14〜図16を用いて説明する。図14〜図16は、本発明の一実施例の係わるサービスと対価の関係を説明するための図である。
【0071】
図14を用いて、サムネイル映像のみを提供する構成について説明する。図14は、ユーザ901が、携帯型端末2の設定画面23−2(図3D参照)にて、撮影許可チェックボックス2320を「不許可」とした場合である。
本発明の一実施形態では、自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションから、アクセス権要求の通信をIPカメラ3に対して行なわない。ユーザ901は、アクセス権を取得できない構成である。しかし、逆に見ると、いつどこにいるかの情報を送信しない構成である。
システム運営者902は、サムネイル映像911をユーザ901に提供する。
携帯型端末アプリケーションは、図12の画面24−2で説明した機能が利用できる。この構成では、ユーザ901は、現在位置で自分を映すIPカメラの映像を見ることは可能であるが、保存はできない。また、広告表示が常に行なわれ、ユーザ901側には、非表示にする選択権がない。
ユーザ901側にとって、この構成は、防犯IPカメラの存在確認、防犯IPカメラの撮影映像の確認、および自己撮影システムの体験が可能であることがメリットである。
また、システム運営者902にとって、この構成は、サムネイル映像を見るユーザ901に、IPカメラ毎に、時間毎に、適した広告を届けることが可能であることがメリットである。
【0072】
図15を用いて、手動撮影モードを提供する構成について説明する。
ユーザ901が、設定画面23−2(図3D参照)にて、撮影許可チェックボックス2320を許可し、統計情報許可チェックボックス2321を不許可とした場合の構成である。
図15は、図14の構成に加え、ユーザ901がシステム管理者902にユーザ情報921を提供する。また、システム管理者902からユーザ901へは、HD映像と「位置・時刻・ユーザ情報」保持を行なう手動撮影サービス912を提供する。
このとき、システム運営者902は、ユーザ901の携帯型端末アプリケーションの設定が「広告あり」である場合には、「広告なし」の場合に比べ、一日内での撮影枚数の上限を増やす、アクセス権の保存期間を長くする、等の優遇を行なう。
ユーザ901側にとって、図15の構成は、任意の時間に任意の場所で、自己撮影を行なえ、画像付きで、いつ何処にいたかの証明を行なえることがメリットである。
また、システム運営者902にとっては、HD映像に映る人の中に、ユーザが含まれているかを、アクセス権内のユーザ情報から識別可能となることがメリットである。
【0073】
図16を用いて、自動撮影モードを提供する構成について説明する。図16は、ユーザ901が、設定画面23−2にて、撮影許可チェックボックス2320を許可し、かつ、統計情報許可チェックボックス2321を許可とした場合の構成である。
図16は、図15の構成に加え、ユーザ901からシステム管理者902に、定期的にユーザ情報921を発行することで移動履歴922を提供し、システム管理者902からユーザ901へは、自動的に撮影を行なう自動撮影サービス913を提供する。
このとき、システム運営者は、ユーザ901の携帯型端末アプリケーションの設定が「広告あり」である場合には、「広告なし」の場合に比べ、一日内での撮影枚数の上限を増やす、アクセス権の保存期間を長くする、等の優遇を行なう。
ユーザ901側にとっては、街中10の移動中、自動で一定時間毎に自己撮影を行なえ、画像付きで、いつ何処にいたかの証明を行なえることがメリットである。
また、システム運営者902にとっては、一定時間毎にユーザ901から受け取るアクセス権要求から、ユーザ901の移動経路が取得可能となることがメリットである。また、予め登録してある属性情報と関連付けての統計情報が生成可能であることもメリットである。
【0074】
図13に戻って説明する。ここで、システム運営者902は、スポンサー903に統計情報・広告枠94の統計情報を提供するが、この統計情報は一定時間内に集計した情報であり、個人を特定できる情報については提供しない。提供する情報は、注目する1台のIPカメラで、一定時間毎の、ユーザから提供された「年代」「性別」「職業」および「経路情報」の統計情報を提供する。システム運営者902は、スポンサー903に、「HD映像」、「サムネイル映像」および「ユーザID情報」を提供しない。
また、システム運営者902は、スポンサー903に、統計情報として、IPカメラ毎ではなく、複数台のIPカメラを集計し注目地域の統計情報として提供しても良い。
スポンサー903は、統計情報のみを購入しても、広告枠を購入する前提で統計情報の提供を受けても良い。広告枠を購入するスポンサー903は、統計情報を利用して、IPカメラ毎(=場所毎)、時間毎、および属性情報毎に、広告内容を選択することができる。
【0075】
実施例2の構成例では、ユーザ901とシステム運営者902間での、提供情報と提供サービスと関係を図14〜図16で示した3段階とした。しかし、もっと細分化しても、あるいは2段階や1段階のみと単純化しても良い。
また、この構成例では、ユーザ901が「広告表示あり」とした場合に、優遇を行なうとしたが、「広告表示なし」でも月額使用料などで料金の支払いを受ければ、同等の優遇を行なうとしたシステムとしても良い。
【0076】
実施例2によれば、実施例1の効果に加え、システム運営者は、広告出稿者や広告代理店等のスポンサーから広告収入を得ることが可能となる。
【0077】
なお、実施例1および実施例2の自己撮影システムは、既設の監視システムを使用して、一般のユーザが、外出中の行動記録および三人称視点での映像撮影を行い記録および閲覧するシステムであるとして説明したが、ユーザは、1つの監視システムだけではなく、複数の監視システムを利用できるようにしても良い。
【実施例3】
【0078】
上述の実施例1および実施例2では、街中での広範囲の自己撮影システムの構成例を説明した。本実施例3では、観光地やテーマパーク向けにより遊戯性を高めた自己撮影システムの構成例を説明する。
本実施例においても、自己撮影システムに利用するシステムは、防犯用等に利用され、観光地の街中や公共施設内、若しくはテーマパークに設置される監視システムである。
なお、この実施例3では、テーマパークとして説明するが、テーマパークを観光地、アミューズメントパーク、若しくはアミューズメント施設と読み替えても良い。テーマパークで使用する場合には、広告バナー領域2403はテーマパーク内の施設やアトラクションの宣伝や道案内に用いても良い。またあるいは、全く広告を表示しない運用としても良い。
【0079】
本実施例では、携帯型端末2のアプリケーションに、テーマパークの地図を表示するモードを追加する。地図の表示内容を、図7を用いて説明する。図7は、本発明の一実施例の係わるテーマパークの地図画面を示す図である。テーマパーク内の各スポット10−2には、当該スポット10−2を撮影するためのIPカメラが設置されている。IPカメラおよび携帯型端末を含む実施例3のシステム構成は、図1〜図2と同じで、その運用方法も実施例1および実施例2で説明した通りである。
図7の地図80は、テーマパーク全域の地図であり、テーマパーク内のどのあたりにIPカメラが設置されているかを、IPカメラマーク8011で示している。IPカメラマーク8011直下の時刻8012は、当該IPカメラでの最新の撮影時刻を示し、当日の開園時間から当該IPカメラでの撮影を行なっていなければ“−−点−−”を表示し、未撮影であることを示す。時刻8012の未撮影とする閾値は、任意であり、テーマパークや観光地の方針に合わせ、観光地やテーマパークの運営者若しくはシステム運営者が変更可能な値である(例えば、所定時間、撮影実績が無い場合や、当該監視位置に関わるイベントの開始前の時刻の場合、等には未撮影とする。)。また、ユーザが、各自の携帯型端末2を操作して、独自に設定や変更を行うようにしても良い。さらに、この時刻表示8012は、利用者がどのエリアを訪れたか、どのエリアに未訪問か、を示す履歴としての利用も可能である。また、時刻8012の未撮影とする閾値は、IPカメラ毎に異なっていても良い。
携帯型端末2の画面サイズに地図80が収まらない場合には、拡大縮小およびスクロール機能を用いて、地図80全体を閲覧可能である。
【0080】
また、携帯型端末2の「閲覧モード」(図4Bの画面25参照)において、テーマパーク内に設置されたIPカメラの中で、どれだけ撮影されたかを示す情報を、サムネイル上に表記することもできる。
これを図8の画面25−2を用いて図示する。図8は、本発明の一実施例の係わるテーマパーク向け運用での携帯型端末2が撮影した画面を示す図である。
画面25−2は、図4Bで説明した画面25に、撮影IPカメラ割合2520の項目欄を追加したものである。撮影IPカメラ割合2520の表記は、分母がテーマパーク内の全IPカメラ数を示し、分子はテーマパーク内で何番目に撮影に使用されたIPカメラであるかの番号を示す。
【0081】
さて、これまで本発明の自己撮影システムに使用される携帯型端末2は、利用するユーザの所有物としてきた。しかし、テーマパークにて専用携帯端末を貸し出すようにしても良い。ユーザは、貸し出しを受けた携帯型端末2を、テーマパークを退場する場合には、テーマパークの運営者に返却しなければならない。この場合には、ユーザは、自宅のパソコン1での閲覧ができない。このため、運営者は、テーマパーク内の施設100にパソコン1−2を設置する。図11によって、テーマパーク内の施設100内に設置されたパソコン1−2の構成を示す。図11は、本発明の一実施例の係わるテーマパーク向け運用での構成例を示す図である。
パソコン1−2は、テーマパーク内の施設100に設置される。
パソコン1−2は、図2で示したパソコン1と同様に、ネットワーク回線6を介して、映像録画サーバ4およびユーザ管理サーバ5と接続する(図示しない)。
携帯型端末2は、テーマパーク内で自己撮影に用いた端末であり、パソコン1−2に接続して使用する。
IPカメラ12は、パソコン1−2に接続され、パソコン1−2を操作するユーザの顔を撮影する。
高品質なカラー印刷が可能なプリンタ13は、パソコン1−2に接続される。
【0082】
ユーザがパソコン1−2を用いて高解像度の画像データを閲覧する場合に実行される処理は、図6で示した処理707〜718の内容である。
ユーザはパソコン1−2を用いて、大量に撮影されたHD映像11の中から選択して、プリンタ13で印刷する。
この選択のときに、ユーザはパソコン1−2を用いて、IPカメラ12で撮影したユーザの顔を検索キーとして使用し、ユーザの顔が写っている映像を大量に撮影されたHD映像11から検索するアプリケーションを用いても良い。また、ユーザは、ユーザが視線を向けているIPカメラ12が撮影するユーザの顔の映像を基に、大量に撮影されたHD映像11から検索するアプリケーションを用いても良い。
また、テーマパークの運営者は、プリンタ13で印刷したHD映像11の枚数によって利用料を徴収するようにしても良い。また、プリンタ13に印刷しなくても、電子データで購入する枚数によって料金を徴収するようにしても良い。また使用時間に基づいて料金を徴収するようにしても良い。
【0083】
次に、さらに利用者に撮影映像のコレクション活動を誘動するような遊戯性を高めた構成例を説明する。図9は、本発明の一実施例の係わるテーマパーク向け運用でのCG合成用マーカプリント衣類を説明するための図である。
まず、テーマパーク内での自己撮影機能を利用するユーザには、図9(a)または図9(b)に例示する画像認識用マーカが印刷された衣類を着用させ、携帯型端末2でのサムネイル映像、パソコン1で閲覧する映像、およびプリンタ13で印刷する時のHD映像に、映っているそれらの画像認識マーカ811または811上に、3DCG(三次元コンピュータグラフィックス)キャラクタを重畳し、表示する。
重畳表示する3DCGキャラクタは、テーマパーク内のIPカメラ3毎に、異なるキャラクタとしても良い。また、重畳する3DCGキャラクタは、時間帯毎に異なるキャラクタまたは時間帯毎変化するキャラクタとしても良い。
例えば、「IPカメラ毎に異なる花とし、朝方は蕾で、昼過ぎ以降は咲いた花」や、「IPカメラ毎に異なるマスコットキャラクタとし、時間帯によって食事や昼寝など異なる様子」という運用にしても良い。
また、特定のIPカメラ3で特定時間に撮影した映像にのみ重畳するレアキャラクターを用意しても良い。
また、地図80にて、IPカメラ位置8011と撮影時刻8012のセットを、未撮影時には非表示とし、IPカメラに撮影された後に表示する運用とし、テーマパークを散策するユーザにIPカメラ3を探してもらう遊戯としても良い。
【0084】
図9(a)および図8(b)は、それぞれ、画像認識用マーカを印刷した衣類を例示し、画像処理用マーカ811を印刷したTシャツ81と、画像処理用マーカ821を印刷したゼッケン82を示す。なお、図9の実施例によらず、画像処理用マーカが印刷されていて身にまとえるものであれば、Tシャツやゼッケン以外でも、例えば、トレーナー、ポンチョ、エプロン、等、特に限定しない。
また図9の実施例では、画像処理用マーカの形状を、黒四角に非対称となる模様を加えた形としている。しかし、3DCGを重畳するための情報、位置と向きが特定できる形状であれば、画像処理用マーカの形状を特に限定しない。
図10の画面25−3は、携帯型端末2の表示部210に表示される画面の一実施例である。自己撮影システム用の携帯型端末アプリケーションの手動録画モードの「閲覧モード」の、サムネイル2510−3内の画像処理用マーカ部に、3DCG2530を重畳表示したものである。
【0085】
次に、3DCGキャラクターの重畳を、図10によって説明する。
IPカメラ3は、撮影時に、画像内に画像処理用マーカが存在するか探索を行う。
例えば、図1を用いて説明したIPカメラ3の処理に加え、図1の画像処理演算部303にて、画像処理用マーカが存在するか否かの探索を行う。探索した結果、画像処理用マーカを発見した場合には、マーカの識別用情報と画像内での位置と向きを示す情報を、「サムネイル映像」と「HD映像」のフレーム構成のヘッダ部に記載する。以後、「サムネイル映像」のヘッダ部に記載したマーカに関する情報を「サムネイルヘッダ内マーカ情報」と呼称する。同様に「HD映像」内のヘッダ情報を「HD映像ヘッダ内マーカ情報」と呼称する。
IPカメラ3は、「サムネイル映像」を、無線ネットワーク接続部309と無線ネットワーク用アンテナ310を介して、携帯型端末2に伝達する。この際に、「サムネイル映像」と共に、ヘッダ部に記載された「サムネイルヘッダ内マーカ情報」も携帯端末2に伝達される。
携帯端末2の動作プログラムは、図3Aで説明した携帯端末2の動作プログラム221に、サムネイル映像重畳用の3DCGデータと3DCG表示ルーチンを追加する。動作プログラムの処理動作は、受信した「サムネイル映像」に、「サムネイルヘッダ内マーカ情報」が含まれている場合には、マーカの識別情報と映像時刻とIPカメラの種別情報をもとに、条件に合致する3DCGを探索し、探索した3DCGをマーカの画像内での位置と向きの情報をもとにサムネイル映像に重畳する。
【0086】
図7の通信処理700では、携帯端末2が画像処理用マーカを発見した場合には、「サムネイル映像」には「サムネイルヘッダ内マーカ情報」を付随させて映像録画サーバ4に記録し、「HD映像」には「HD映像ヘッダ内マーカ情報」を付随させて映像録画サーバ4に記録する。
図7の通信処理717の、「HD映像」には「HD映像ヘッダ内マーカ情報」が格納されている。
図7のパソコン1の処理718では、画面に「HD映像」を表示するときに、「HD映像ヘッダ内マーカ情報」が含まれている場合には、マーカの識別情報と映像時刻とIPカメラの種別情報をもとに条件に合致する3DCGを探索し、探索した3DCGをマーカの画像内での位置と向きの情報をもとに、HD映像に重畳する。
【0087】
実施例3によれば、観光地やテーマパーク等のアミューズメントパークやアミューズメント施設で、行動記録の作成、特に三人称視点での映像撮影が可能なとなる。
また、実施例3によれば、いつ何処にいたかという情報を、防犯用等の監視システム内に保持させることが可能となる。
またさらに、実施例3によれば、システム運営者は、広告サービスやアミューズメントパークやアミューズメント施設内の案内を容易に提供することができる。
【0088】
なお、上述の実施例2の自己撮影システムもまた、実施例1や実施例2と同様に、既設の監視システムを使用して、一般のユーザが、外出中の行動記録および三人称視点での映像撮影を行い記録および閲覧するシステムであるとして説明した。しかし、ユーザは、1つの監視システムだけではなく、複数の監視システムを利用できるようにしても良いことは勿論である。
【符号の説明】
【0089】
1、1−2:パソコン、 2:携帯型端末、 3、3−1〜3−n:IPカメラ、 4:映像録画サーバ、 5:ユーザ管理サーバ、 6:ネットワーク回線、 10:街中、 10−2:スポット、 11:HD映像、 12:IPカメラ、 13:プリンタ、 21:サムネイル映像、 22:不揮発性メモリ、 23、23−2、24、24−2、25、25−2、25−3、26、27、28、29:画面、 61:ブロードバンドネットワーク回線、 62:無線ネットワーク回線、 63:有線ネットワーク回線、 64:データセンタ屋内ネットワーク回線、 65:データセンタ屋内ネットワーク回線、 80:地図、 81:Tシャツ81、 82:ゼッケン82、 91:サービス、 92:情報・サービス料、 93:情報料・広告料、 94:統計情報・広告枠、 100:施設、 210:表示部、 221:動作プログラム、 222:秘密鍵、 223:公開鍵、 224:設定情報、 225:サムネイル映像保存領域、 226:ユーザ情報、 240:表示モード欄、 241、242:クリップ、 243:空白、 250:表示モード欄、 251〜254:クリップ、 260:表示モード欄、 261〜264:クリップ、 265:削除確認画面、 270:表示モード、 271〜274:クリップ、 280:表示モード欄、 281:選択クリップ、 282:非選択クリップ群、 290:表示モード欄、 291〜294:クリップ、 295:削除確認画面、 301:レンズ、 302:撮像部、 303:画像処理演算部、 304:バス、 305:制御部、 306:ワークメモリ、 307:不揮発メモリ、 308:有線ネットワーク接続部、 309:無線ネットワーク接続部、 310:無線ネットワーク用アンテナ、 370:設定情報、 371:動作プログラム、 372:秘密鍵、 373:公開鍵、 401:記憶デバイス、 2240:撮影許可フラグ、 2241:撮影モード、 2242:撮影時間間隔、 2243:削除確認モード、 2244:広告表示モード、 2245:統計用情報。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の監視領域を撮影し、撮影した映像から第1の映像と前記第1の映像より低解像度の第2の映像とを生成し、有線ネットワーク回線と無線ネットワーク回線とに送信するIPカメラ、および、前記IPカメラと前記無線ネットワーク回線を介して通信し、前記IPカメラが生成した前記第2の映像を受信して保存する携帯型端末とを有することを特徴とする自己撮影システム。
【請求項2】
請求項1記載の自己撮影システムにおいて、前記有線ネットワークに接続される映像録画サーバを有し、前記IPカメラは、前記第1の映像を前記有線ネットワークを介して前記映像録画サーバに送信し、前記映像録画サーバは、前記IPカメラの前記第1の映像を記憶し、前記携帯型端末と接続したPCが前記有線ネットワークを介して前記映像録画サーバに記憶された前記第1の映像を閲覧することを特徴とする自己撮影システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の自己撮影システムにおいて、前記IPカメラは、前記所定の監視領域を、一定時間毎に撮影する自動撮影モードと、携帯型端末から指示があった時点のみ撮影する手動撮影モードとを備え、前記携帯型端末は、前記自動撮影モードと前記手動撮影モードとを選択可能であることを特徴とする自己撮影システム。
【請求項1】
所定の監視領域を撮影し、撮影した映像から第1の映像と前記第1の映像より低解像度の第2の映像とを生成し、有線ネットワーク回線と無線ネットワーク回線とに送信するIPカメラ、および、前記IPカメラと前記無線ネットワーク回線を介して通信し、前記IPカメラが生成した前記第2の映像を受信して保存する携帯型端末とを有することを特徴とする自己撮影システム。
【請求項2】
請求項1記載の自己撮影システムにおいて、前記有線ネットワークに接続される映像録画サーバを有し、前記IPカメラは、前記第1の映像を前記有線ネットワークを介して前記映像録画サーバに送信し、前記映像録画サーバは、前記IPカメラの前記第1の映像を記憶し、前記携帯型端末と接続したPCが前記有線ネットワークを介して前記映像録画サーバに記憶された前記第1の映像を閲覧することを特徴とする自己撮影システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の自己撮影システムにおいて、前記IPカメラは、前記所定の監視領域を、一定時間毎に撮影する自動撮影モードと、携帯型端末から指示があった時点のみ撮影する手動撮影モードとを備え、前記携帯型端末は、前記自動撮影モードと前記手動撮影モードとを選択可能であることを特徴とする自己撮影システム。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2013−9256(P2013−9256A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141907(P2011−141907)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]