説明

自己架橋性水性アセトアセテート官能化スルホン化アルキド系

スルホネート官能基とアセトアセテート官能基を共に有する水分散性アルキド、適当な二官能価又は多官能価第一アミン及び一官能価第一又は脂環式第二アミンを含む自己架橋性水性コーティング組成物が開示される。この組成物の架橋は、アルキドの脂肪酸セグメントによる酸化硬化及びアルキドのアセトアセテート基と多官能価アミンの第一アミン基との反応による架橋を含む。開示した水性アルキド系は、アルキドの分散のためにアミンの存在を必要とせず、コーティング組成物中に使用する場合に優れた不粘着時間及び乾燥通し時間を示す。これまで分子量及びTgの増加と共にVOCレベルの増加を必要としていた性能レベルが達成される。また、本発明の組成物の製造方法が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自己架橋性(self−crosslinking)水性コーティング組成物、より詳しくはアセトアセテート官能化スルホン化アルキド、少なくとも2個の第1アミン官能基を含む架橋剤及び一官能価第一アミン又は一官能価化脂環式第二アミンを含むコーティング組成物に関する。本発明に係る組成物は、従来のアルキド組成物のような酸化架橋及びアルキドのアセトアセテート官能基と架橋剤の第一アミンとの間の反応によって架橋する。本発明の水分散性自己架橋性アルキド樹脂は、被覆、接着剤、インク、プライマー及びオーバープリントワニス中において又はそれらとして特に有用である。
【背景技術】
【0002】
近年、コーティング業界は、低又はゼロVOC(揮発性有機化合物)のコーティング製剤の開発にかなりの労力を費やしてきた。工業用コーティングのVOC含有量の総量を制限する規制により、自動車、電気製品、一般金属、家具などのような工業用溶剤系コーティング作業からの溶剤放出の減少に照準を合わせた新しい技術を探るための研究及び開発が促進された。このような技術の1つは、有機溶剤の水による置き換えを伴い、入手可能性、コスト及び環境受容性という明白な理由で特に重要である。しかし、有機溶剤型組成物からの移行は、健康上及び安全上の利益をもたらす一方、水性コーティング組成物は、溶剤型組成物から期待される性能水準を満たすかそれを上回らなければならない。このような性能水準を満たすか又は上回る必要性は、水性コーティング組成物中に使用される水性ポリマー分散液の特性及び性質を重視する。
【0003】
水性ポリマー分散液は、3つの主な工業用皮膜形成ポリマー型:ポリエステル樹脂、アクリル樹脂及びアルキド樹脂のいずれかから製造されている。これらの3つのポリマー型のうち、水性アルキド樹脂は、水性ポリエステル樹脂及び水性アクリル樹脂よりも著しく高いコーティング安定性を示す。更に、アルキド樹脂は、比較的低分子量であるため、最終被膜の非常に高い光沢につながる並外れた皮膜形成能を示す。耐性は、従来の溶剤型アルキド樹脂と同様に、アルキドフィルムの酸化架橋によって発現される。しかし、公知のアルキドポリマーはこれまでも将来性があったし、また、これからもそうあり続けるが、これらは周囲温度においては特に、「乾燥」及び/又は硬化時間が比較的遅い。このような問題に取り組む試みにおいて、水性アルキド樹脂と比較的高分子量のアクリルポリマーとのハイブリッドがかなりの注目を集めている。しかし、改良された架橋性を有する水性アルキドは依然として必要とされている。
【0004】
同様に大いに注目されているのは、遊離カルボキシル基、従って、比較的高い酸価を有する、アミンで中和された水性アルキド樹脂である。残念ながら、これらのアルキド樹脂はそれらを水中に分散させるのに使用される中和によって鹸化されやすく、その結果、貯蔵中に性能の低下を生じやすい。これらのアミン中和水性アルキド樹脂のペンダント酸半エステル部分は、水性キャリヤーにこれらのアルキド樹脂を分散させるのに必要なカルボキシル基の中和の結果として、加水分解を受けやすい。水性アルキドの中和に使用されるアミンは、隣接基効果の結果としてエステル結合を加水分解する傾向がある。このため、系のpHは低下し、安定性が更に低下する可能性がある。
【0005】
科学者らは、より安定なエステル結合を得るために、慎重な原料選択によってこの効果を排除しようと試みている。このような材料選択の例は、アルキド鎖への、芳香族ジカルボン酸の代わりとしてのシクロヘキサンジカルボン酸の組み込み及びヒドロキシ基に対して、即ちそれに続くエステル基に対してβ位にある炭素に結合する水素を有さないグリコールの使用である。このようなグリコールとしては、シクロヘキサンジメタノール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、トリメチロールプロパン及びネオペンチルグリコールが挙げられる。ポリマーの水への分散を助けるためにアルキド樹脂中にポリエチレングリコールをモノマーとして使用し、それによって、分散液を生成するのに必要なカルボキシル含量のレベルを低下させることも利用されている。それにもかかわらず、加水分解が起こるため、アミン中和アルキド樹脂は最善でも、所望の安定性を有する水性コーティングの提供という問題の短期解決法にしかならないことは確実である。分散のための中和を必要とせず、且つ自己酸化架橋によってのみ硬化する水性アルキド樹脂に比較して、改良された架橋性を示す水性アルキド樹脂が依然として必要とされている。
【0006】
非特許文献1は、ヒドロキシル部分を含むアクリル樹脂及びポリエステルの種々のアセトアセチル化方法を概説している。これらの例は、アルキド樹脂にも水性ポリエステル樹脂にも向けられておらず、自己架橋系にも向けられていないことは確かである。
【0007】
非特許文献2は、アセトアセチル部分を有するアクリル樹脂又はポリエステル樹脂を含む水性コーティングを架橋する種々の手段を記載している。この記述には、このような系のための架橋剤としてジアミンを使用することが含まれる。
【0008】
特許文献1は、少なくとも2個のアセトアセテート基を有する種々の型のポリマーを開示している。記載された系は、アセトアセテート基と反応するであろう少なくとも2個の基を有する架橋成分を必要とし、少なくとも2つのこのような基のうちの少なくとも1つは、アセトアセテート基との反応性と比較して水との反応性が比較的低いと考えられている芳香族アルジミン基である。アセトアセテート官能性アルキドは特許文献1に記載されているが、このアルキドは水分散性ではなく溶剤型であり、アセトアセチル化工程前の酸価が10より小さく、水への分散には適当でないと考えられる。
【0009】
水中への分散を適当にする酸価を有する以外は特許文献1に記載したのと同様であるアルキドも、溶解又は分散を行うのに従来の中和工程を必要とするであろう。例えば特許文献1は、例10において、酸価が97.6のアセトアセチル化ポリエステルの中和に第三アミンであるトリエチルアミンを使用することを教示している。この中和方法の主な欠点は中和の間に生成されるカルボキシルイオンによって貯蔵の間に起こる鹸化の問題である。カルボキシルイオンは、アルキド主鎖のエステル結合の近傍にあり、エステル結合の加水分解を促進し、隣接基効果によって主鎖の切断を引き起こす。加水分解の間に放出されるカルボキシル部分は、系のpHを低下させ、その結果、更なる鹸化の可能性を増大させる。このような鹸化の問題に影響されない水分散性アセトアセテート官能性アルキドがあれば、当業界において意味のある進歩であることは明白であろう。
【0010】
特許文献2は、水性キャリヤー、酸官能性ペンダント部分及びアセトアセチル官能性ペンダント部分を共に有するポリマー、「非ポリマー」(約2,000g/モルより小さいと定義される)多官能価アミン並びに塩基を含むワンパッケージポリマー配合物を開示している。別法として、1つは酸官能基を有し且つもう1つはアセトアセテート官能基を有する2種又はそれ以上の別個のポリマーを使用できる。塩基の使用量は、ポリマーのアセトアセテート部分と多官能価アミンのアミンとの間の架橋の結果として、それを使用しなければ起こるであろうゲル化を阻害するのに充分な量である。開示されたポリマーは本質的にアクリルポリマーであり、水中に分散させるのに中和を必要とし、既に論じられた付随的な問題を伴う。
【0011】
特許文献3はペンダントアセトアセテート部分を含むビニルポリマー及び自己酸化性材料を含む自己架橋性皮膜形成性組成物を開示している。この自己酸化性材料は脂肪酸を含むアルキド樹脂であることができる。
【0012】
特許文献4は、スルホネート官能基を有する水散逸性アルキド樹脂を開示している。このアルキド樹脂は、少なくとも1種のモノグリセリド、ポリカルボン酸及び少なくとも1つのスルホネート基を含むポリオールスルホモノマー付加物を反応させることによって調製される。スルホン化アルキド樹脂の中和は、前記樹脂を水中に分散させるのに必要がない。この樹脂によって起こる架橋は従来のアルキド樹脂に特有の自己酸化架橋の結果である。
【0013】
特許文献5はアクリル変性水性アルキド分散液の水性ラテックスを開示している。このアクリル変性アルキドは少なくとも1つのペンダントスルホネート官能基を有する水性アルキドの存在下においてエチレン性不飽和モノマーを重合させることによって製造されるハイブリッド樹脂である。このエチレン性不飽和モノマーは潜在的酸化官能基を有するアセトアセチル部分を含むモノマーを含む。
【0014】
【特許文献1】米国特許第5,288,804号
【特許文献2】米国特許第5,498,659号
【特許文献3】米国特許第5,484,849号
【特許文献4】米国特許第5,378,757号
【特許文献5】米国特許第6,262,149号
【非特許文献1】J.Stewart Witzemanら,Journal of Coatings Technologyの1990年10月の刊行物中の“Comparison of Methods for the Preparation of Acetoacetylated Coating Resins”という表題の論文
【非特許文献2】F.Del Rectorら,Journal of Coatings Technologyの1989年4月の刊行物中の“Applications for Acetoacetyl Chemistry in Thermoset Coatings”という表題の論文
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
前述のいくつかの方法によって、多かれ少なかれ満足なコーティング性を有する水性コーティングが得られるにもかかわらず、従来の溶剤系アルキド樹脂に特有のコーティング性を示し、水性媒体中への分散に中和を必要とせず、且つ従来のアルキド樹脂の自己酸化架橋と、コーティング配合者のニーズに適合するように独立して制御し得る第2の架橋メカニズムとを共に示す水分散性アルキドが依然として当業界で必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は新規な水性アルキド樹脂組成物を提供する。より詳しくは、本発明は、周囲温度において硬化し得る新規なコーティング組成物であって、スルホネート官能基及びアセトアセトアセテート官能基を共に有する水分散性アルキド樹脂、貯蔵時の前記水性組成物の安定化のために前記水性組成物中のペンダントアセトアセテート基の少なくとも一部をペンダントエナミン基に転化するのに充分な量の第一アミン又は脂環式第二アミン、並びに前記アルキドの前記アセトアセテート官能基と反応できる少なくとも2個の第一アミン官能基を含む架橋剤、好ましくは脂肪族架橋剤を含むコーティング組成物を提供する。
【0017】
本発明はまた、例えばアルキルアセトアセテートとの、スルホン化水分散性アルキドのヒドロキシル官能基のエステル交換による、水分散性アルキド樹脂の製造方法を提供する。
【0018】
本発明は更に本発明の新規な水性樹脂組成物を含む新規なコーティング組成物を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明は架橋性水分散性アルキド樹脂を提供する。一実施態様において、このアルキド樹脂は、良好な貯蔵安定性及び良好なコーティング安定性を保持しながらも、低VOC含量を有するコーティング組成物を提供する。本発明の水分散性アルキド樹脂を含むコーティング組成物は、必要な溶剤が著しく少なく、25重量%未満〜わずか1重量%であるか、又はゼロVOC含量ですらある。本発明の水分散性アルキドは、有機溶剤の実質的に不存在下においても依然として分散性であり、アルキド樹脂の望ましい性質を持ち続け、且つ速硬性並びに良好な耐酸性及び耐アルカリ性を有するコーティング組成物生成する。
【0020】
本発明のアセトアセテート官能性アルキド樹脂は、ヒドロキシル官能基を有するスルホネート官能性アルキド樹脂を、アルキルアセトアセテート又はジケテン(アセチルケテン)と反応させることによって得ることができる。一般に、スルホン化水性アルキド樹脂は、一塩基性脂肪酸、脂肪酸エステル又は天然の部分鹸化油、グリコール又はポリオール、ポリカルボン酸、及びスルホモノマー又は少なくとも1個のスルホモノマー基を含むスルホモノマー付加物を反応させることによって製造できる。スルホネート官能性アルキド樹脂は、例えば米国特許第5,378,757号及び第5,530,059号に記載されており、両特許は引用によって本明細書中に組み入れるものとする。
【0021】
一塩基性脂肪酸、脂肪酸エステル又は天然の部分鹸化油は、好ましくは式(I)、(II)及び(III)から選ばれる:
【0022】
【化1】

【0023】
【化2】

【0024】
【化3】

【0025】
[式中、R基はC8〜C12アルキル基である。]
より好ましくは、R基は下記基のうちの1つである。
リノレイック
【0026】
【化4】

【0027】
リノレニック
【0028】
【化5】

【0029】
オレイック
【0030】
【化6】

【0031】
一塩基性脂肪酸、脂肪酸エステル又は天然の部分鹸化油は好ましくは脂肪酸又は油をポリオールと反応させることによって製造する。適当な油の例としては、これらに限定するものではないが、以下のものが挙げられる。ヒマワリ油、菜種油、脱水ヒマシ油、ヤシ油、コーン油、綿実油、魚油、アマニ油、オイチシカ油、大豆油及びキリ油、動物性油脂、ヒマシ油、ラード、パーム核油、ピーナッツ油、紫蘇油、ベニハナ油、獣脂(tallow oil)、クルミ油など。脂肪酸単独の又は油の成分としての脂肪酸の例としては、これらに限定するものではないが、以下のものが挙げられる。獣脂酸(tallow acid)、大豆酸、ミリスチン酸、アマニ酸、クロトン酸、バーサチック酸、ヤシ酸、トール油脂肪酸、ロジン酸、ネオデカン酸、ネオペンタン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、綿実酸など。
【0032】
グリコール又はポリオールは好ましくは脂肪族、脂環式及びアリールアルキルグリコールから選ばれる。グリコールの適当な例としては、これらに限定するものではないが、以下のものが挙げられる。エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ヘキサエチレングリコール、ヘプタエチレングリコール、オクタエチレングリコール、ノナエチレングリコール、デカエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2−エチル−ヘキサン−1,3−ジオール、2,2−ジメチル−1,2−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−テトラメチル−1,6−ヘキサンジオール、チオジオエタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,2,4−テトラメチル−1,3−シクロブタン−ジオール、p−キシレンジオール、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレート、1,10−デカンジオール、水素化ビスフェノールA、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、エリスリトール、スレイトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、グリセリン、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸二無水物、ジメチロールプロピコン酸など。
【0033】
ポリカルボン酸又は無水物は、好ましくはイソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸若しくは無水物、アジピン酸、テトラクロロフタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ドデカン二酸、セバシン酸、アセライン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、コハク酸若しくは無水物、2,6−ナフタレンジカルボン酸、グルタル酸及びそれらのエステルから選ばれる。
【0034】
本発明において有用なスルホン化水性アルキド樹脂は、好ましくは各反応体のモルの総数(Mt)÷酸官能基の総当量(Ea)として定義されるK値が約1.0〜約1.5又は約1.0〜約1.25であり、ヒドロキシル官能基の総当量(EOH)÷酸官能基の総当量(Ea)として定義されるR値が約1.0〜約2.0又は約1.0〜約1.5である。
【0035】
K値は樹脂の分子量の尺度であり、樹脂の分子量はK値が1.0まで減少するに従って増加する。多くの場合、より高分子量の樹脂が好ましいので、1.00により近いK値が最も好ましい。R値は樹脂合成において使用する過剰当量のヒドロキシル官能基に比例する。過剰のヒドロキシル官能基が好ましいことが多いが、この過剰は得られるコーティングを感水性にするほどには高過剰であってはならない。好ましくは感水性を最小にするためには1.0〜約1.5のR値を選択する。しかし、本発明のアルキドの過剰のヒドロキシル官能基はアセトアセチル化されるので過剰のヒドロキシル官能基による樹脂の感水性は効果的に低下される。
【0036】
スルホモノマー付加物のスルホモノマーは、芳香核に結合した−SO3M基[式中、Mは水素又は金属イオン、例えばNa+、Li+、K+、Ca2+、Cu2+、Fe2+又はFe3+である]を含む二官能価又は一官能価モノマーである。二官能価モノマー成分としてのスルホモノマーは、−SO3M基[式中、Mは前述の通りである]を含むジカルボン酸(又はその誘導体)であることができる。−SO3M基が結合できる芳香核の適当な例としては、これらに限定するものではないが、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ジフェニル、オキシジフェニル、スルホニル−ジフェニル及びメチレンジフェニルが挙げられる。
【0037】
二官能価モノマーがスルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸、スルホフタル酸、4−スルホ−ナフタレン−2,7−ジカルボン酸又はそれらの誘導体のナトリウム塩である場合に、特に良好な結果が得られる。二官能価モノマーはより好ましくは5−ソジオスルホイソフタル酸又は誘導体、例えば5−ソジオスルホイソフタル酸ジメチルである。他の好ましい二官能価モノマーは5−スルホイソフタル酸リチウム、ジメチルリチウム5−スルホイソフタレート、5−スルホイソフタル酸カリウム及びジメチルカリウム5−スルホイソフタレートである。
【0038】
芳香核に結合したスルホネート(−SO3M)基を含む他の有効な二官能価モノマーとしては、式(IV):
【0039】
【化7】

【0040】
[式中、Xは三価芳香族炭化水素基であり、Yは二価芳香族炭化水素基であり、R’は水素又は炭素数1〜4のアルキル基であり、M’は水素、Na+、Li+又はK+である]
の芳香族スルホン酸又はそれらの各エステルの金属塩が挙げられる。式(IV)の好ましいモノマーの例としては、これらに限定するものではないが、4−ソジオスルホフェニル−3,5−ジカルボメトキシベンゼンスルホネート、4−リチオスルホフェニル−3,5−ジカルボメトキシ−ベンゼンスルホネート及び6−ソジオスルホ−2−ナフチル−3,5−ジカルボメトキシ−ベンゼンスルホネートが挙げられる。
【0041】
芳香核に結合した−SO3M基を含む、更に他の有効な二官能価モノマーとしては、式(V):
【0042】
【化8】

【0043】
[式中、R”は水素、炭素数1〜8のアルキル基又はフェニルであり、M”は水素、K+、Na+又はLi+である]
のスルホジフェニルエーテルジカルボン酸又はそれらのエステルの金属塩が挙げられる。好ましいモノマーの例としては、これらに限定するものではないが、ジメチル5−[4−ソジオスルホ]フェノキシ]イソフタレート、ジメチル5−[4−(ソジオスルホ)フェノキシ]テレフタレート及び5−[4−(ソジオスルホ)フェノキシ]イソフタル酸が挙げられる。このようなモノマーの更なる例は米国特許第3,734,874号に開示されており、この特許を引用することによって本明細書中に取り入れるものとする。
【0044】
水分散性のために使用する金属スルホネートモノマーの型及び量は有用なイオン含有アルキド樹脂を得るために変化させることができる。総カルボン酸含量に基づきわずか2モル%で、かなりの水混和性を与えることができるが、少なくとも3%が好ましい。水溶性ポリエステルは20モル%もの金属スルホネートと配合できる。しかし、感水性の影響を弱めるのに必要な、分岐を生じる中間体の量に基づく実際的な上限値は9%、好ましくは6%である。
【0045】
最も好ましい金属スルホネートとしては、5−ソジオスルホイソフタル酸、ジメチル5−ソジオスルホイソフタレート、リチウム5−スルホイソフタル酸、ジメチルリチウム5−スルホイソフタレート、カリウム5−スルホイソフタル酸、ジメチルカリウム5−スルホイソフタレート、3−ソジオスルホ安息香酸などが挙げられる。
【0046】
場合によっては、ポリオール(例えばジオール)スルホモノマー付加物を生成するためにポリオールと反応させるスルホモノマーは、少なくとも3個のヒドロキシル基を含むポリオールと反応させることができる、少なくとも1個のスルホネート基を含む一官能価スルホモノマーであることができる。一官能価スルホモノマーは好ましくは以下の群のスルホモノマーから選ばれる:
【0047】
【化9】

【0048】
【化10】

【0049】
【化11】

【0050】
【化12】

【0051】
【化13】

【0052】
[式中、X’はCH2、SO2又はOであり、M’’’はアルカリ又はアルカリ土類金属である]。
【0053】
二官能価スルホモノマーをポリオールと反応させることによってポリオールスルホモノマー付加物を製造する場合には、ポリオールは好ましくはジオールである。ジオールの適当な例としては、前記のものが挙げられるが、以下のジオールがより好ましい。エチレングリコール、ジエチレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレート、ジプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、1,3−ブタンジオール、水素化ビスフェノールA、1,4−ブタンジオール及びネオペンチルグリコール。
【0054】
好ましい工程に従って脂肪酸、脂肪酸エステル又は天然部分鹸化油と反応させるポリオールの他に、また、一官能価スルホモノマーからのスルホモノマーの製造に使用するポリオールの他に、追加量のポリオール又は他の分岐剤、例えばポリカルボン酸を使用して、水性アルキド樹脂の分子量及び分岐を増加させることができる。これらの分岐剤は、好ましくはトリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、エリスリトール、スレイトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、グリセリン、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸二無水物、ジメチロールプロピオン酸及びトリメチロールプロパンから選ばれる。
【0055】
従って、本発明に係るスルホン化アルキドは、
(a)約30〜80重量%の一塩基性脂肪酸、脂肪酸エステル又は天然の部分鹸化油、
(b)約10〜40重量%のグリコール又はポリオール、
(c)約10〜40重量%のポリカルボン酸及び
(d)微少量〜約10重量%のスルホモノマー又は少なくとも1個のスルホモノマー基を含むスルホモノマー付加物(スルホモノマー又は付加物の重量%はスルホモノマー又はスルホモノマー基の重量に基づく)
の反応生成物の部分から製造された水分散性アルキド樹脂であって、(a)〜(d)の重量%をそれらの各モル及び当量に変換する場合には、モル総数Mt÷酸官能価の総当量Ea(K値)が好ましくは1.0〜1.5であり、ヒドロキシル官能価の総当量EOH÷酸官能価の総当量Ea(R値)が好ましくは1.0〜2.0である樹脂を含むことができる。
【0056】
本発明のアルキド樹脂は、アルキド樹脂のコーティング及び性能特性を変えるために、スチレン化し(スチレンモノマーで遊離基グラフト重合させ)、アクリル化し(種々のアクリレートモノマー、好ましくはメタクリル酸メチルで遊離基グラフト重合させ)、連鎖停止し(安息香酸又は他の芳香族一塩基酸によって連鎖停止し)又はアルキド樹脂の技術に熟練した者に知られたようにして別の方法で変性することができる。
【0057】
アルキド樹脂のアセトアセチル化はジケテン(アセチルケテン)による処理によって、2,2,6−トリメチル−4H−1,3−ジオキシン−4−オンによる熱反応によって、又はアルキルアセトアセテートとのエステル交換によって達成することができる。適当なアルキルアセトアセテートの例としては、これらに限定するものではないが、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸イソブチル、アセト酢酸イソプロピル及びジイソプロピルカルビノールアセトアセテートが挙げられる。好ましいのは、アセト酢酸t−アミル又はアセト酢酸t−ブチルの使用である。
【0058】
アセトアセチル化反応の速度は触媒の添加によって増大させることができる。このような触媒の例としては、これらに限定するものではないが、ジメチルアミノピリジン、テトラメチルグアニジン及び金属触媒、例えばチタンイソプロポキシド又はジブチル錫ジラウレートが挙げられる。
【0059】
本発明のスルホン化アルキド樹脂に関する前記アセトアセチル化は直接又は溶媒の存在下で実施できる。トランスアセトアセチル化を行うのに有用な溶媒は、アセトアセチル化剤と反応する官能基を含まないものである。そのような溶媒としては、芳香族溶媒、脂肪族溶媒、エステル、ケトン及びエーテルが挙げられる。芳香族溶媒の例としては、これらに限定するものではないが、トルエン又はキシレンが挙げられる。脂肪族溶媒の例としては、これに限定するものではないが、ヘキサンが挙げられる。エステル溶媒としては、これらに限定するものではないが、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、メチルアミルアセテート、酢酸アミル、イソ酪酸イソブチル、酢酸2−エトキシエチル、酢酸2−ブトキシエチル、酢酸2−エチルヘキシル、エチレングリコールジアセテート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアセテート及び2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアセテートが挙げられる。ケトン溶媒の例としては、これらに限定するものではないが、メチルエチルケトン、アセトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン及びジイソブチルケトンが挙げられる。エーテルの例としては、これらに限定するものではないが、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジ(プロピレングリコール)ジメチルエーテル及びジ(プロピレングリコール)ジベンゾエートが挙げられる。
【0060】
前述の通り、架橋はアセトアセトキシ官能性部分が架橋剤の第一アミンと反応する際に起こる。また、前述した通り、本発明の新規水性ポリマー組成物及び配合物は、アルキドのアセトアセトキシ官能性ペンダント部分と架橋剤のアミン官能性部分との間の早期反応を抑制するために、有効量のアミン、好ましくは第一アミン又は脂環式第二アミンを含み、そうでなければゲル化するであろう。
【0061】
更に、ペンダントアセトアセテート官能基を含む水性ポリマーは、特に熱老化時に、水中で加水分解する傾向がある。加水分解はほとんど任意のpHで起こり、アセト酢酸を生成し、それが次にアセトンと二酸化炭素に分解する。
【0062】
【化14】

【0063】
[式中、Rはアルキド樹脂の主鎖である]。
【0064】
本発明のアルキドを水中に分散し、且つ場合によっては分散液の任意の残留酸度を中和した後、この加水分解の問題は、水性アセトアセテートポリマーを1モル当量のアンモニア又は第一アミン、例えばエタノールアミン、メチルアミン又はイソプピルアミンで処理することによって、取り除くことができる。モルホリン、ピペリジン又はピロリジンのような脂環式第二アミンも使用できる。典型的には、ポリマーを最初に塩基性のpHに、好ましくは9より大きいpHに調整し、その後で、エナミンの形成のために1モル当量のアミンを添加する。これらの条件下においては、エナミンが形成される。系のpHは専ら約7.0に調整することは許容され得るであろうが、pHを9.0に上げると、エナミンの形成と共に、より高いpHにおいてコーティングに通常使用される添加剤と系との相溶性の改良が確実になる。エナミンを形成する反応は一般的に速く、形成速度は温度と共に増加する。一般に、エナミン形成は24時間以内に実質的に完了するが、実際にはエナミンが急速に形成される。他に採りうるアプローチは、pHを約9に上げ、系を平衡させ、そしてpHを約9に再調整して、エナミン形成によって消費されたアミンを元に戻す。
【0065】
形成されたエナミンはその時、加水分解に対して安定性である:
【0066】
【化15】

【0067】
【化16】

【0068】
[式中、R1はアルキド樹脂の主鎖であり、R2は第一アミン又は脂環式第二アミンの残基である]。
【0069】
アンモニア又はアミンの使用量はポリマー中のアセトアセテートの量と少なくとも同等でなければならない。t−ブチルアミンのような、立体障害のある第一アミン及びアニリンのような芳香族アミンは、エナミンの形成が不完全となるため、あまり適さない。エナミン形成は可逆性反応であるので、フィルム形成及び周囲空気への暴露後にアンモニア又はアミンが蒸発するときに、ペンダントアセトアセテートがフィルム中で再生される。しかし、湿潤組成物は、アミン/アンモニアが蒸発できない条件(例えば密閉容器)下で貯蔵されるならば、非常に貯蔵安定性である。実際には、これらの相互に反応性の部分間におけるような望ましい架橋反応は、基材へのコーティング時に新規水性ポリマー配合物の揮発性成分が蒸発するまでは、充分には起こらない。
【0070】
このように、第一アミンはエナミンの可逆的形成によってアセトアセテート基を安定化するために、配合物に添加される。本発明の配合物は、水への分散を可能にするスルホネート官能基に依存するので、本発明の配合物の酸価は、中和時に水への分散を可能にするのに必要なレベルより低い。その結果として、存在する遊離アミンの量は高酸価アルキドを中和するためにアミンを供給して水への分散を可能にする場合よりもはるかに少ない。従って、本発明の配合物の鹸化傾向はかなり減少する。
【0071】
更に、アンモニア又はアミンは特許請求する本発明の組成物に添加するのが有利であるが、本発明のアセトアセトキシ官能性アルキド樹脂は水への分散に中和を必要としない。従って、前記pH調整及びエナミン形成は、充分に配合されたコーティング組成物中にアセトアセトキシ官能性アルキドを用いる前に、又はコーティング組成物の生成後に行われることができる。しかし、ポリマーの反応性アセトアセトキシ部分とコーティング処方の成分との起こり得る相互作用を回避するためには、アセトアセトキシ官能性アルキドへのエナミン形成はコーティング組成物中への使用前に行うのが望ましい。ともかく、本発明によれば、従来のカルボキシ官能性アルキド樹脂に使用される中和工程は不要である。
【0072】
アセトアセトキシ官能性アルキドのエナミン形成後に、少なくとも2つのアミン官能性部分を有する前記多官能価アミンの所定量を、典型的には5〜15分又はそれ以上の時間にわたって撹拌反応器の内容物に投入することができる。多官能価アミンは、反応器の内容物に添加すると、アルキドの連続相に溶解させることができるか、あるいは連続相と分散相の間で分配させることができる。
【0073】
従って、反応器内容物のポリマー組成物は、典型的には、アミン官能性部分当り約0.5〜1.5個のアセトアセトキシ型官能性ペンダント部分を含むように、充分な多官能価アミンを反応器の内容物に混和する。意外にも、こうして得られたポリマー組成物は、室温での貯蔵時に非常に安定である。
【0074】
場合によっては、コーティング組成物の製造中に又はコーティングの適用前に前記多官能価アミンを投入することができる。
【0075】
多官能価アミン含有化合物(少なくとも2個のアミン官能性部分を有する)は、典型的には、モル当り約2,000gより少ない、好ましくはモル当り約1,000gより少ない化学式重量(chemical−formula weight)を有するが、場合によっては、これより高分子量のポリマー多官能価アミンが有利なこともある。従って、本発明のために適当な多官能価アミンとしては、2〜10個の第一アミン及び/又は第二アミノ基並びに2〜100個の炭素原子を有する脂肪族及び脂環式アミンが挙げられる。
【0076】
適当な非ポリマー多官能価アミンとしては、これらに限定するものではないが、ヘキサメチレンジアミン(「HMDA」)、2−メチルペンタメチレンジアミン、1,3−ジアミノペンタン、ドデカンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、パラ−フェニレンジアミン、イソホロンジアミン、ビス−ヘキサメチレントリイミン、ジエチレントリアミン(「DETA」)及びそれらの組合せが挙げられる。適当なポリマー多官能価アミンとしては、これらに限定するものではないが、ポリアミン、ポリエチレンイミン及びポリアリルアミンが挙げられる。
【0077】
適当な他の多官能価アミンとしては、エチレンとプロピオレンオキシドとの付加物を含むもの、例えばHuntsman Chemical Corporation(Salt Lake City,Utah)から入手できる「JEFFAMINE」シリーズの「D」、「ED」、「T」及び「XTJ」が挙げられる。
【0078】
好ましい多官能価アミンとしては2〜4個の第一アミノ基及び2〜20個の炭素原子を有するものが挙げられる。
【0079】
特に好ましい多官能価アミンとしてはヘキサメチレンジアミン(「HMDA」)、ジエチレントリアミン(「DETA」)及びそれらの組合せが挙げられる。
【0080】
使用前に、本発明の架橋性水性ポリマー配合物は金属缶、スクイーズ性(squeezable)を有するプラスチックチューブ、ガラス瓶、エアゾール容器などのような通常の容器中で室温において貯蔵できる。使用が求められる場合に、架橋性水性ポリマー組成物を適当な基材にコーティングする。次に、典型的には周囲条件によって決定される所定の期間にわたって、水性コーティングの蒸発可能な成分の蒸発が起こる。このような蒸発により、前記の相互反応性部分の間のように望ましい架橋が可能になる。このようにして、やがて架橋ポリマー表面コーティングが基材上に形成されるのが観察される。
【0081】
従来のアルキド配合物と同様に、本発明に係るアルキド樹脂の耐性は、一部はアルキドフィルムの自己酸化架橋によって発現される。この自己酸化架橋は、アルキドの不飽和脂肪酸又は油中の活性化メチレン基が空気中で酸化されてヒドロペルオキシドを生成し、それがその後に分解して、種々の架橋メカニズムのための遊離基を生成する際に起こる。この酸化架橋プロセスは通常、コバルト、鉛、マンガン、鉄、亜鉛、カルシウム、セリウム、バナジウム、バリウム、ジルコニウム、アルミニウムの種々の塩及びそれらの組合せのような乾燥剤(dryer)を添加することによって促進される。乾燥剤としては、好ましくはコバルト乾燥剤が挙げられる。乾燥剤の混合物、即ち乾燥剤系も使用できる。乾燥剤は典型的には、オクタン酸塩又はナフテン酸塩として、アルキド樹脂に基づき金属0.005〜0.5重量%の量で使用する。市販製品の例はZirconium HEX−CEM、Cobalt TEN−CEM、Calcium CEM−ALL、Zirconium HYDRO−CEM、及びCobalt HYDRO−CURE IIであり、これらは全てOMG Americas of Westlake,OHによって販売されている。金属乾燥剤、それらの作用及びそれらの使用方法についての説明は、Handbook of Coatings Additives,p.496〜506,J.Calbo編,Marcel Dekker,INC.New York,New York,1987に見られる。この文献全体を引用することによって本明細書中に取り入れるものとする。
【0082】
本発明は、従来量の金属乾燥剤の使用を包含するが、特許請求する本発明に従って示される改良された架橋は、従来の自己酸化架橋アルキド樹脂において必要とされる量より乾燥剤の使用量を少なくできることを示唆している。更に、本発明の組成物の改良された不粘着時間は、表面乾燥剤の必要量が従来のアルキド配合物中に通常使用されるよりも少なくできることを示唆している。実際には、いくつかの用途では、本発明のアルキド樹脂の自己酸化架橋を促進するのに、金属乾燥剤の供給は必要ないかもしれない。従って、特許請求する本発明は、金属乾燥剤をほとんど添加しない又は実質的に添加しない配合物を包含するものとする。
【0083】
コーティング組成物は、公知の方法を用いて(例えば金属パネル上に液状コーティングを3〜4mil噴霧適用し、そして150℃の強制空気オーブン中で30分間加熱することによって)、基材に適用し、硬化させることができる。基材は、紙、ポリエチレン及びポリプロピレンのようなポリエステルフィルム、アルミニウム及びスチールのような金属、ガラス、ウレタンエラストマー、下塗りされた(塗装された)基材などのような任意の通常の基材であることができる。本発明のコーティング組成物は室温で硬化させることも(周囲硬化)、高温で硬化させることも(熱硬化)できるし、あるいは光化学的に硬化させることもできる。
【0084】
本発明のコーティング組成物は更にコーティング添加剤を含むことができる。このようなコーティング添加剤の例としては以下のものが挙げられるが、これらに限定するものではないが、レベリング、レオロジー及び流量調整剤、例えば珪素樹脂、フルオロカーボン樹脂又はセルロース樹脂、増量剤、反応性融合助剤、例えば米国特許第5,349,026号(引用によって本明細書中に取り入れるものとする)に記載されたもの、可塑剤、艶消し剤、顔料湿潤及び分散剤並びに界面活性剤、紫外線(UV)吸収剤、UV安定剤、色味付け顔料、着色剤、脱泡剤及び消泡剤、沈澱防止、垂れ防止及び増粘剤、皮張り防止剤、浮き色防止及び色別れ防止剤、殺生物剤、殺真菌剤及びカビ駆除剤、腐蝕防止剤、増粘剤又は融合助剤。このような添加剤の具体例は、National Paint & Coatings Association(1500 Rhode Island Avenue,N.W.,Washington,D.C,20005によって発行されたRaw Materials Indexに記載されている。このような添加剤及び乳化重合方法の更なる例は、米国特許第5,371,148号に記載されており、この特許を引用することによって本明細書中に取り入れるものとする。
【0085】
艶消し剤の例としては、これらに限定するものではないが、Davison Chemical Division of W.R.Grace&Companyから商品名SYLOID(商標)として入手できる合成シリカ、Hercules Inc.から商品名HERCOFLAT(商標)として入手できるポリプロピレン及びJ.M.Huber Corporationから商品名ZEOLEX(商標)として入手できる合成シリケートが挙げられる。
【0086】
分散剤及び界面活性剤の例としては、これらに限定するものではないが、以下のものが挙げられる。ナトリウムビス(トリデシル)スルホスクシネート、ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウムスルホスクシネート、ナトリウムジヘキシルスルホスクシネート、ナトリウムジシクロへキシルスルホスクシネート、ジアミルナトリウムスルホスクシネート、ナトリウムジイソブチルスルホスクシネート、二ナトリウムイソデシルスルホスクシネート、スルホコハク酸の二ナトリウムエトキシル化アルコール半エステル、二ナトリウムアルキルアミドポリエトキシスルホスクシネート、四ナトリウムN−(1,2−ジカルボキシエチル)−N−オクタデシルスルホスクシナメート、二ナトリウムN−オクタスルホスクシナメート、硫酸化エトキシル化ノニルフェノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールなど。
【0087】
粘度、懸濁及び流量調整剤の例としては、これらに限定するものではないが、ポリアミノアミドホスフェート、ポリアミンアミドの高分子量カルボン酸塩及び不飽和脂肪酸のアルキレンアミン塩(これらは全て、BYK Chemie U.S.A.から商品名ANTI TERRA(商標)として入手できる)が挙げられる。更なる例として、以下のものが挙げられる。ポリシロキサンコポリマー、ポリアクリレート溶液、セルロースエステル、ヒドロキシエチルセルロース、疎水変性ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアミドワックス、ポリオレフィンワックス、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレンオキシド、グアーガムなど。増粘剤の他の例としては、メチレン/エチレンオキシド会合性増粘剤及び水溶性カルボキシル化増粘剤、例えばUnion CarbideによるUCAR POLYPHOBE(商標)が挙げられる。
【0088】
いくつかの適当な消泡剤は市販されており、その例としては、例えばBuckman Laboratories Inc.のBUBREAK(商標)、BYK Chemie,U.S.A.のBYK(商標)、Henkel Corp./Coating ChemicalsのFOAMASTER(商標)及びNOPCO(商標)、the Drew Industrial Division of Ashland Chemical CompanyのDREWPLUS(商標)、Troy Chemical CorporationのTRYSOL(商標)及びTROYKYD(商標)並びにUnion Carbide CorporationのSAG(商標)が挙げられる。
【0089】
殺真菌剤、カビ駆除剤及び殺生物剤の例としては、これらに限定するものではないが、以下のものが挙げられる。4,4−ジメチルオキサゾリジン、3,4,4−トリメチルオキサゾリジン、変性メタ硼酸バリウム、N−ヒドロキシ−メチル−N−メチルジチオカルバミン酸カリウム、2−(チオシアノ−メチルチオ)ベンゾチアゾール、カリウムジメチルジチオカルバメート、アダマンタン、N−(トリクロロメチルチオ)フタルイミド、2,4,5,6−テトラクロロ−イソフタロニトリル、o−フェニルフェノール、2,4,5−トリクロロフェノール、デヒドロ酢酸、ナフテン酸銅、オクタン酸銅、有機ヒ素、トリブチル錫オキシド、ナフテン酸亜鉛及び8−キノリン酸銅。
【0090】
U.V.吸収剤及びU.V.安定剤の例としては、特に置換ベンゾフェノン、置換ベンゾトリアゾール、ヒンダードアミン及びヒンダードベンゾエート(American Cyanamid Companyから商品名CYASORB UV(商標)として入手できる)並びにジエチル−3−アセチル−4−ヒドロキシ−ベンジル−ホスホネート、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン及びレゾルシノールモノベンゾエートが挙げられる。
【0091】
溶媒及び融合助剤は公知であり、その例としては、これらに限定するものではないが、以下のものが挙げられる。エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、イソブタノール、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリメチルペンタンジオールモノイソブチレート、エチレングリコールモノオクチルエーテル、ジアセトンアルコール、TEXANOL(商標)エステルアルコール(Eastman Chemical Company)など。このような溶媒及び融合助剤は更に反応性溶媒及び融合助剤、例えばフタル酸ジアリル、SANTOLINK XI−100(商標)(Monsantoからのポリグリシジルアリルエーテル)などを含むことができ、これらは米国特許第5,349,026号及び第5,371,148号に記載されている。これらの特許は引用することによって本明細書中に取り入れるものとする。
【0092】
本発明によって想定されるコーティング組成物への使用に適した顔料及び顔料分散液は、表面コーティングの分野における通常の知識を有する者によく知られた典型的な有機及び無機顔料であり、特にthe Society of Dyers and Colouristsとthe American Association of Textile Chemists and Coloristsによって共同出版されたthe Colour Index,3d Ed.,2d Rev.(1982)に記載されたものである。例としては、これらに限定するものではないが、以下のものが挙げられる。二酸化チタン、バライト、クレイ若しくは炭酸カルシウム、CI Pigment White 6(二酸化チタン);CI Pigment Red 101(赤色酸化鉄);CI Pigment Yellow 42;CI Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4(銅フタロシアニン);CI Pigment Red 49:1;及びCI Pigment Red 57:1。フタロシアニンブルー、モリブデンオレンジ又はカーボンブラックのような着色剤もまた、本発明のコーティングに適当である。
【実施例】
【0093】
例1
NPG/SIP付加物の製造
機械的撹拌機、蒸気ジャケット付き部分凝縮器、Dean−Starkトラップ、水凝縮器及び窒素スパージを装着した1Lの4つ口反応フラスコに、ネオペンチルグリコール(NPG)(582.5g,5.59モル)、5−SSIPA(352.0g,1.31モル)、Fastcat 4100触媒(0.8g)、及び水(64.7g)を装入した。反応混合物を100℃において30分間、次いで120℃において1時間撹拌し;留出物をDean Starkトラップ中に集めた。反応を140℃において1時間、160℃において1時間、175℃において2時間、そして190℃において5時間続けさせ、合計117.3gの留出物を集めた。得られた最終的な酸価はKOH 3.2mg/g(サンプル)であった。得られた付加物を120℃まで冷却し、そのまま単離した。
【0094】
例2
アセトアセテート官能性アルキド樹脂1の製造
機械的撹拌機、蒸気ジャケット付き部分凝縮器、Dean−Starkトラップ、水凝縮器及び窒素スパージを装着した1Lの4つ口反応フラスコに、例1のNPG/SIP付加物(72.7g)、ペンタエリスリトール(114.8g,0.84モル)、フタル酸(130.0g,0.78モル)、Pamolyn 200リノール酸(392.6g,1.40モル)及びFastcat 4100触媒(0.8g)を装入した。反応混合物を撹拌しながら130℃に加熱し、同温度に1.5時間保持し、留出物をDean−Starkトラップ中に集めた。反応を、180℃において1.5時間、210℃において1.5時間、230℃において1.5時間続けさせ、合計46.7gの留出物を集めた。樹脂の酸価はKOH 11.5mg/g(サンプル)であり、ヒドロキシル価はKOH 101.1mg/g(サンプル)(ポリマーg当たりヒドロキシル1.81ミリモル)であった。混合物を140℃まで冷却した。アセト酢酸t−ブチル(158.0g,1.00モル,1.51ミリモル/g(ポリマー))を、30分間にわたって添加漏斗によって反応混合物に添加し、合計51.5gの留出物をDean−Starkトラップ中に集めた。反応を140℃において1.5時間続けさせた。得られた混合物を70℃まで冷却し、イソプロパノール(200.0g)を添加漏斗によって反応混合物に添加し、撹拌しながら混合物とブレンドした。得られた樹脂は後の試験のために集めた。
【0095】
例3
アセトアセテート官能性アルキド樹脂2の製造
機械的撹拌機、蒸気ジャケット付き部分凝縮器、Dean−Starkトラップ、水凝縮器及び窒素スパージを装着した1Lの4つ口反応フラスコに、トリメチロールプロパン(TMP)(148.2g,1.10モル)、例1のNPG/SIP付加物(87.4g)、イソフタル酸(193.1g,1.16モル)、Pamolyn 200リノール酸(222.3g,0.79モル)及びFastcat 4100触媒(0.8g)を装入した。反応混合物を150℃において1時間、次いで190℃において1時間撹拌し;留出物をDean−Starkトラップ中に集めた。反応を、210℃において1.5時間及び230℃において1.5時間続けさせ、合計43.4gの留出物を集めた。反応混合物の酸価はKOH 9.9mg/g(サンプル)であり、ヒドロキシル価はKOH 94.6mg/g(サンプル)(ポリマーg当りヒドロキシル1.69ミリモル)であった。混合物を140℃まで冷却した。ジ(プロピレングリコール)ジメチルエーテル(200.0g)を、添加漏斗によってゆっくりと反応混合物に添加し、混合物中に撹拌しながら入れた。140℃である間に、アセト酢酸t−ブチル(158.0g,1.00モル,1.64ミリモル/g(ポリマー))を30分間にわたって添加漏斗によって反応混合物に添加し;合計63.5gの留出物をDean−Starkトラップ中に集めた。反応を140℃において1.5時間続けさせた。得られた混合物を100℃まで冷却し、得られた樹脂は後の試験のために集めた。
【0096】
例4
TMP/SIP付加物の製造
機械的撹拌機、蒸気ジャケット付き部分凝縮器、Dean−Starkトラップ、水凝縮器及び窒素スパージを装着した1Lの4つ口反応フラスコに、トリメチロールプロパン(TMP)(718.9g,5.36モル)、5−SSIPA(280.4g,1.05モル)及びFastcat 4100触媒(0.8g)を装入した。反応混合物を100℃において1時間、次いで125℃において30分間撹拌し、留出物をDean Starkトラップ中に集めた。反応を150℃において30分間、180℃において1時間、そして190℃において5時間続けさせ、合計44.7gの留出物を集めた。得られた最終的な酸価はKOH 1.7mg/g(サンプル)であった。得られた付加物を120℃まで冷却し、そのまま単離した。
【0097】
例5
アセトアセテート官能性アルキド樹脂3の製造
機械的撹拌機、蒸気ジャケット付き部分凝縮器、Dean−Starkトラップ、水凝縮器及び窒素スパージを装着した1Lの4つ口反応フラスコに、例4のTMP/SIP付加物(183.0g)、ペンタエリスリトール(104.3g,0.77モル)、フタル酸(194.3,1.17モル)、安息香酸(40.5g,0.33モル)、Pamolyn 200リノール酸(457.5g,1.63モル)及びFastcat 4100触媒(1.0g)を装入した。反応混合物を125℃で1時間、次いで150℃で1時間撹拌し;留出物をDean−Starkトラップ中に集めた。反応を、190℃において1.5時間、次いで210℃において1時間、230℃において2.5時間続けさせ;合計62.0gの留出物を集めた。反応混合物の酸価はKOH 17.2mg/g(サンプル)であり、ヒドロキシル価はKOH 86.3mg/g(サンプル)(ポリマーg当たりヒドロキシル1.54ミリモル)であった。混合物を140℃まで冷ました。アセト酢酸t−ブチル(211.3g,1.33モル,1.45ミリモル/g(ポリマー))を、30分間にわたって添加漏斗によって反応混合物に添加し;合計76.0gの留出物をDean−Starkトラップ中に集めた。反応を140℃において1.5時間続けさせた。得られた混合物を100℃まで冷却し、2−ブタノール(193.0g)を添加漏斗によって反応混合物に添加し、撹拌しながら混合物とブレンドした。得られた樹脂は後の試験のために集めた。
【0098】
例6
比較アルキド樹脂1の製造
機械的撹拌機、蒸気ジャケット付き部分凝縮器、Dean−Starkトラップ、水凝縮器及び窒素スパージを装着した1Lの4つ口反応フラスコに、例1のNPG/SIP付加物(81.9g)、ペンタエリスリトール(129.3g,0.95モル)、フタル酸(146.5g,0.88モル)、Pamolyn 200リノール酸(442.3g,1.58モル)及びFastcat 4100触媒(0.8g)を装入した。反応混合物を撹拌しながら130℃に加熱し、同温度に1.5時間保持し;留出物をDean−Starkトラップ中に集めた。反応を、180℃において1時間、190℃において1時間、200℃において1時間、210℃において3.5時間、230℃において1時間続けさせ;合計53.1gの留出物を集めた。樹脂の酸価はKOH 10.8mg/g(サンプル)であり、ヒドロキシル価はKOH 98.3mg/g(サンプル)であった。得られた混合物を70℃まで冷却し、イソプロパノール(200.0g)を、添加漏斗によって反応混合物に添加し、撹拌しながら混合物とブレンドした。得られた樹脂は後の試験のために集めた。
【0099】
例7
比較アルキド樹脂2の製造
機械的撹拌機、蒸気ジャケット付き部分凝縮器、Dean−Starkトラップ、水凝縮器及び窒素スパージを装着した1Lの4つ口反応フラスコに、トリメチロールプロパン(TMP)(182.4g,1.36モル)、例1のNPG/SIP付加物(107.6g)、イソフタル酸(237.6g,1.43モル)、Pamolyn 200リノール酸(273.6g,0.98モル)及びFastcat 4100触媒(0.8g)を装入した。反応混合物を150℃において1時間、次いで190℃において1時間撹拌し;留出物をDean−Starkトラップ中に集めた。反応を、210℃において2時間及び230℃において1.5時間続けさせ;合計60.1gの留出物を集めた。反応混合物の酸価はKOH 7.6mg/g(サンプル)であり、ヒドロキシル価はKOH 89.7mg/g(サンプル)であった。得られた混合物を150℃まで冷却し、プロピレングリコールプロピルエーテル(200.0g)を、添加漏斗によって反応混合物に添加し、撹拌しながら混合物とブレンドした。得られた樹脂は後の試験のために集めた。
【0100】
例8
比較アルキド樹脂3の製造
機械的撹拌機、蒸気ジャケット付き部分凝縮器、Dean−Starkトラップ、水凝縮器及び窒素スパージを装着した1Lの4つ口反応フラスコに、例4のTMP/SIP付加物(205.3g)、ペンタエリスリトール(117.0g,0.86モル)、フタル酸(217.9,1.31モル)、安息香酸(45.4g,0.37モル)、Pamolyn 200リノール酸(513.2g,1.83モル)及びFastcat 4100触媒(1.0g)を装入した。反応混合物を125℃で1時間、次いで150℃で30分間撹拌し;留出物をDean−Starkトラップ中に集めた。反応を、180℃において2.5時間、次いで200℃において1.5時間、220℃において1.5時間、230℃において2時間続けさせ;合計63.9gの留出物を集めた。反応混合物の酸価はKOH 11.4mg/g(サンプル)であり、ヒドロキシル価はKOH 90.0mg/g(サンプル)であった。得られた混合物を100℃まで冷却し、2−ブタノール(193.0g)を添加漏斗によって反応混合物に添加し、撹拌しながら混合物とブレンドした。得られた樹脂は後の試験のために集めた。
【0101】
例9〜11
アセトアセテート官能性アルキドペイント1〜3の製造
アセトアセテート官能性アルキド樹脂1〜3(例2、3及び5)のサンプルを、以下の表に従って、水及び低レベルの水酸化アンモニウム(28%)で希釈し、pHを8.5〜9.0に調整した。最終配合物中のアセトアセテート官能基の各モルに対して1/2モルのHMDAが存在するように、ヘキサメチレンジアミン(HMDA,水中25%)のレベルを計算した。HMDA溶液は、最終工程までペイントに添加しなかった。希釈された混合物を、白色ペイントの生成に用いた。
【0102】
【表1】

【0103】
1.5LのCowles分散機中に、希釈されたアセトアセテート官能性樹脂1、2又は3(181.6g)、BYK−156分散剤(5.1g)及びBYD−024脱泡剤(1.8g)を装入した。混合物を緩和な剪断下で撹拌した。次いで、撹拌下で、TiPure R−900酸化チタン(255.0g)をゆっくりと添加した。練り顔料をHegmanグラインド7+まで磨砕し、追加の希釈アセトアセテート官能性アルキド樹脂(72.7g)を用いて薄めた。ぺーストを、希釈アセトアセテート官能性アルキド樹脂(472.5g)並びにエチレングリコールブチルエーテル融合助剤(30.6g)、Hydrocure II 5%コバルト触媒(5.1g)、Hydro Cem 12%ジルコニウム触媒(10.2g)及びBYK−024脱泡剤(3.6g)の予備混合溶液の添加によってレットダウンした。前記表に記載した量の25%ヘキサメチレンジアミンを、ペイントに添加し、ペイントを混合した。次いで、このペイントを試験に用いた。
【0104】
例12〜14
比較アルキドペイント4〜6の製造
比較アルキド樹脂1〜3(例6、7及び8)のサンプルを、水及び低レベルの水酸化アンモニウム(28%)で、不揮発分35.1重量%及びpH8.5〜9.0まで希釈した。希釈された混合物を、白色ペイントの生成に用いた。
【0105】
【表2】

【0106】
1.5LのCowles分散機中に、希釈された比較アルキド樹脂1、2又は3(181.6g)、BYK−156分散剤(5.1g)及びBYK−024脱泡剤(1.8g)を装入した。混合物を緩和な剪断下で撹拌した。次いで、撹拌下で、TiPure R−900酸化チタン(255.0g)をゆっくりと添加した。練り顔料をHegmanグラインド7+まで磨砕し、追加の希釈比較アルキド樹脂(72.7g)を用いて薄めた。ぺーストを、希釈比較アルキド樹脂(472.5g)並びにエチレングリコールブチルエーテル融合助剤(30.6g)、Hydrocure II 5%コバルト触媒(5.1g)、Hydro Cem 12%ジルコニウム触媒(10.2g)及びBYK−024脱泡剤(3.6g)の予備混合溶液の添加によってレットダウンした。ペイントを、中程度の撹拌下でよく混合し、試験のためにそのままにしておいた。
【0107】
例15〜20
比較ペイントの乾燥速度対反応性ペイントの乾燥速度
例9〜11からの反応性ペイント及び例12〜14からの比較ペイントを、3.0milのBirdアプリケーターを用いてガラスパネルに適用した。パネルを、相対湿度50%、72OFの部屋で乾燥速度に関して試験した。
【0108】
【表3】

【0109】
例21〜26
比較ペイント対反応性ペイントの評価
例9〜11からの反応性ペイント(本発明)及び例12〜14からの比較ペイントを、3.0milのBirdアプリケーターを用いてガラスプレート及び金属パネル(クロム酸塩で前処理したアルミニウム)に適用した。プレート及びパネルを室温で、試験前に24時間乾燥させた。
【0110】
【表4】

【0111】
室温で1週間後、パネルを再び試験した。
【0112】
【表5】

【0113】
例27〜30
アセトアセテート官能性アルキドペイント7〜10の製造
アセトアセテート官能性アルキド樹脂2(例3)のサンプルを、以下の表に従って、水及び低レベルの水酸化アンモニウム(28%)で希釈し、pHを8.5〜9.0に調整した。アルキド中に存在するアセトアセテート官能基の25%、50%、75%及び100%と反応するのに必要なヘキサメチレンジアミン(HMDA,水中25%)のレベルを計算したが、最終工程まではペイントに添加しなかった。例9〜11に記載した配合物を基材とする白色ペイントの生成に、この希釈混合物を用いた。
【0114】
【表6】

【0115】
例31〜34
種々のレベルの架橋剤を含む反応性ペイントの乾燥速度
例27〜30からの反応性ペイント(本発明)を、3.0milのBirdアプリケーターを用いてガラスパネルに塗布した。パネルを、相対湿度50%、72OFの部屋で乾燥速度に関して試験した。
【0116】
【表7】

【0117】
例35
アセトアセテート官能性アルキド樹脂4の製造
機械的撹拌機、蒸気ジャケット付き部分凝縮器、Dean−Starkトラップ、水凝縮器及び窒素スパージを装着した1Lの4つ口反応フラスコに、トリメチロールプロパン(TMP)(148.2g,1.10モル)、例1のNPG/SIP付加物(87.4g)、イソフタル酸(193.1g,1.16モル)、Pamolyn 200リノール酸(222.3g,0.79モル)及びFastcat 4100触媒(0.8g)を装入した。反応混合物を150℃において1時間、次いで190℃において1時間撹拌し、留出物をDean−Starkトラップ中に集めた。反応を、210℃において1.5時間及び230℃において1.5時間続けさせ、合計40.3gの留出物を集めた。反応混合物の酸価はKOH 9.0mg/g(サンプル)であり、ヒドロキシル価はKOH 68.7mg/g(サンプル)(ポリマーg当りヒドロキシル1.23ミリモル)であった。混合物を140℃まで冷却した。140℃である間に、D−65脱泡剤(0.3g)を添加し、アセト酢酸t−ブチル(118.5g,0.75モル、1.23ミリモル/g(ポリマー))を、30分間にわたって添加漏斗によって反応混合物に添加し;合計55.0gの留出物をDean−Starkトラップ中に集めた。反応を140℃において1.5時間続けさせた。プロピレングリコールモノプロピルエーテル(200.0g)を添加漏斗によってゆっくりと反応混合物に添加し、混合物中に撹拌しながら入れた。得られた混合物を100℃まで冷却し、得られた樹脂は後の試験のために集めた。
【0118】
例36
アセトアセテート官能性アルキド樹脂5の製造
機械的撹拌機、蒸気ジャケット付き部分凝縮器、Dean−Starkトラップ、水凝縮器及び窒素スパージを装着した1Lの4つ口反応フラスコに、トリメチロールプロパン(TMP)(148.2g,1.10モル)、例1のNPG/SIP付加物(87.4g)、イソフタル酸(193.1g,1.61モル)、Pamolyn 200リノール酸(222.3g,0.79モル)及びFastcat 4100触媒(0.8g)を装入した。反応混合物を150℃において1時間、次いで190℃において1時間撹拌し、留出物をDean−Starkトラップ中に集めた。反応を、210℃において1.5時間及び230℃において1.5時間続けさせ、合計38.6gの留出物を集めた。反応混合物の酸価はKOH 8.8mg/g(サンプル)であり、ヒドロキシル価はKOH 71.2mg/g(サンプル)(ポリマーg当たりヒドロキシル1.27ミリモル)であった。混合物を140℃まで冷却した。140℃である間に、D−65脱泡剤(0.3g)を添加し、アセト酢酸t−ブチル(79.0g,0.50モル、0.82ミリモル/g(ポリマー))を、30分間にわたって添加漏斗によって反応混合物に添加し、合計43.0gの留出物をDean−Starkトラップ中に集めた。反応を140℃において1.5時間続けさせた。プロピレングリコールモノプロピルエーテル(200.0g)を添加漏斗によってゆっくりと反応混合物に添加し、混合物中に撹拌しながら入れた。得られた混合物を100℃まで冷まし、得られた樹脂は後の試験のために集めた。
【0119】
例37〜38
アセトアセテート官能基アルキドペイント11及び12の製造
アセトアセテート官能性アルキド樹脂4及び5(例35及び36)のサンプルを、以下の表に従って、水及び低レベルの水酸化アンモニウム(28%)で希釈し、pHを8.5〜9.0に調整した。ヘキサメチレンジアミン(HMDA,水中25%)のレベルを計算したが、最終工程まではペイントに添加しなかった。このペイント配合物中に用いたアルキド樹脂のg数に基づき、アセトアセテート官能基のモル数を求めた。次いで、アセトアセテート官能基2モルがHMDA 1モルと反応できるように、ペイントに添加するHMDAの量を計算した。例9〜11に記載した配合物を基材とする白色ペイントの生成に、この希釈混合物を用いた。
【0120】
【表8】

【0121】
例39〜40
種々のレベルのアセトアセテート官能基を有する反応性ペイントの乾燥速度
例37及び38からの反応性ペイント(本発明)を、3.0milのBirdアプリケーターを用いてガラスパネルに塗布した。パネルを、相対湿度50%、72OFの部屋で乾燥速度に関して試験した。
【0122】
【表9】

【0123】
例41〜42
種々のレベルのアセトアセテート官能基を有する反応性ペイントの評価
例37及び38からの反応性ペイントを、3.0milのBirdアプリケーターを用いてガラスプレート及び金属パネル(クロム酸塩を前処理したアルミニウム)に適用した。プレート及びパネルを室温で、試験前に24時間乾燥させた。
【0124】
【表10】

【0125】
室温で1週間後、パネルを再び試験した。
【0126】
【表11】

【0127】
例43〜45
アセトアセテート官能性アルキドペイント13〜15の製造
アセトアセテート官能性アルキド樹脂2(例3)のサンプルを水で希釈した(アルキド258.5gに対して水180.2g)。ペイント13(例43)においては、ペイント製造の前に、希釈アルキド分散液のpHを、水酸化アンモニウムを用いてpH8.8に調整した。ペイント14(例44)においては、最終ペイントのpHを水酸化アンモニウムを用いてpH10.2に調整した。ペイント15(例45)においては、最終ペイントのpHを、脂環式第二アミンであるモルホリンを用いて、pH9.0に調整した。いずれの場合においても、pH調整は、同等のペイント固形分を保持するために等しい総重量の水酸化アンモニウム又はアミン及び追加の水で構成された。ヘキサメチレンジアミン(HMDA,水中25%)のレベルを計算したが、最終工程まではペイントに添加しなかった。ペイント配合物中に使用したアルキドのg数に基づき、アセトアセテート官能基のモル数を求めた。次いで、アセトアセテート官能基2モルがHMDA 1モルと反応できるように、ペイントに添加するHMDAの量を計算した。このようにして、以下の配合表を用いて白色ペイントを製造した。
【0128】
【表12】

【0129】
【表13】

【0130】
1.0LのCowles分散機中に、希釈されたアセトアセテート官能性樹脂2(136.2g)を装填した。ペイント13(例43)に関しては、合計39.3gの水酸化アンモニウム(28g)及び水を分散液に添加して、分散液のpHを表中に記載するように調整した。ペイント14及び15のpHは、この時点では調整しなかった。全てのペイントに、BYK−156分散剤(3.8g)及びBYK−024脱泡剤(1.4g)を添加した。混合物を緩和な剪断下で撹拌した。次いで、撹拌下で、TiPure R−900酸化チタン(191.30g)をゆっくりと添加した。練り顔料をHegmanグラインド7+まで磨砕し、追加の希釈アセトアセテート官能性アルキド樹脂(54.5g)を用いて薄めた。ぺーストを、希釈アセトアセテート官能性アルキド樹脂(248.0g)並びにエチレングリコールブチルエーテル融合助剤(23.0g)、Hydrocure II 5%コバルト触媒(3.8g)、Hydro Cem 12%ジルコニウム触媒(7.7g)及びBYK−024脱泡剤(2.7g)の予備混合溶液の添加によってレットダウンした。ペイント14(例44)のpHは、表中に示すように水酸化アンモニウム39.3g及び水を包含させることによって調整した。ペイント15(例45)のpHは、表中に示すようにモルホリン39.9g及び水を包含させることによって調整した。前記表中に記載した量の25%ヘキサメチレンジアミンをペイントに添加し、ペイントを混合した。次いで、このペイントを試験に用いた。
【0131】
例46〜48
種々のpH調整方法を用いた反応性ペイントの乾燥速度
例43〜45からの反応性ペイントを、3.0milのBirdアプリケーターを用いてガラスパネルに適用した。パネルを、相対湿度50%、72OFの部屋で乾燥速度に関して試験した。
【0132】
【表14】

【0133】
例49〜51
種々のpH調整方法を用いた反応性ペイントの評価
例43〜45からの反応性ペイント(本発明)を、3.0milのBirdアプリケーターを用いてガラスプレート及び金属パネル(クロム酸塩で前処理したアルミニウム)に塗布した。プレート及びパネルを室温で、試験前に24時間乾燥させた。
【0134】
【表15】

【0135】
室温で1週間後、パネルを再び試験した。
【0136】
【表16】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
スルホネート官能基及びアセトアセテート官能基を有する水分散性アルキド、一官能価第一アミン又は一官能価脂環式第二アミン、少なくとも2個の第一アミン官能基を有する多官能価アミン並びに水を含んでなる水性コーティング組成物。
【請求項2】
前記一官能価第一アミン又は一官能価脂環式第二アミンがアンモニア、メチルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、t−ブチルアミン、モルホリン、ピペリジン、3−メチルピペリジン、ピロリジン及びそれらの混合物からなる群から選ばれた少なくとも1員を含む請求項1に記載の水性コーティング組成物。
【請求項3】
前記一官能価第一アミン又は一官能価脂環式第二アミンがアンモニア又は水酸化アンモニウムを含む請求項1に記載の水性コーティング組成物。
【請求項4】
少なくとも2個の第一アミン官能基を有する多官能価アミンがヘキサメチレンジアミン(HMDA)、2−メチルペンタメチレンジアミン、1,3−ジアミノペンタン、ドデカンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、p−フェニレンジアミン、イソホロンジアミン、ビス−ヘキサメチレントリイミン、ジエチレントリアミン(DETA)、ポリエチレンイミン、エチレンオキシドのポリアミン付加物、プロピレンオキシドのポリアミン付加物及びそれらの混合物からなる群から選ばれた少なくとも一員を含む請求項1に記載の水性コーティング組成物。
【請求項5】
少なくとも2個の第一アミン官能基を有する多官能価アミンがヘキサメチレンジアミンを含む請求項1に記載の水性コーティング組成物。
【請求項6】
前記組成物が更に少なくとも1種の乾燥剤を含む請求項1に記載の水性コーティング組成物。
【請求項7】
少なくとも1種の乾燥剤がコバルト、ジルコニウム、カルシウム、マンガン、鉛、鉄、亜鉛、セリウム、バナジウム、バリウム又はアルミニウムの塩を含む請求項6に記載の水性コーティング組成物。
【請求項8】
少なくとも1種の乾燥剤がオクタン酸塩又はナフテン酸塩である請求項6に記載の水性コーティング組成物。
【請求項9】
前記乾燥剤がアルキド樹脂に基づき金属0.005〜0.5重量%の量で存在する請求項6に記載の水性コーティング組成物。
【請求項10】
グリコール又はポリオールをスルホネート官能性ジカルボン酸と反応させて、スルホネート官能性付加物を生成せしめ、
前記スルホネート官能性付加物を、一塩基性脂肪酸、脂肪酸エステル又は天然の部分鹸化油と、場合によってはグリコール又はポリオール、そして場合によってはポリカルボン酸と、反応させて、スルホネート官能性アルキドを生成せしめ、
前記スルホネート官能性アルキドを、ジケテン、2,2,6−トリメチル−4H−1,3−ジオキシン−4−オン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸イソブチル、アセト酢酸イソプロピル、ジイソプロピルカルビノールアセトアセテート、アセト酢酸t−アミル及びアセト酢酸t−ブチルからなる群から選ばれた一員と反応させて、スルホネート官能基及びアセトアセテート官能基を有するアルキドを生成せしめ、
スルホネート官能基及びアセトアセテート官能基を有するアルキドを水中に分散させ、
スルホネート官能基及びアセトアセテート官能基を有する分散アルキドを一官能価第一アミン又は一官能価脂環式第二アミンと反応させて、エナミン官能基を有するアルキドを生成せしめ、そして
エナミン官能基を有するアルキドを、少なくとも2個の第一アミン官能基を有する多官能価アミンと混合して、水性コーティング組成物を生成せしめる
ことを含んでなる水性コーティング組成物の製造方法。
【請求項11】
前記スルホネート官能性ジカルボン酸が5−ソジオスルホイソフタル酸、ジメチル5−ソジオスルホイソフタレート、リチウム5−スルホイソフタル酸、ジメチルリチウム5−スルホイソフタレート、カリウム5−スルホイソフタル酸及びジメチルカリウム5−スルホイソフタレートからなる群から選ばれた一員である請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記スルホネート官能性アルキドをアセト酢酸t−ブチルと反応させて、スルホネート官能基及びアセトアセテート官能基を有するアルキドを生成せしめる請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記一官能価第一アミン又は一官能価脂環式第二アミンがアンモニア、メチルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、t−ブチルアミン、モルホリン、ピペリジン、3−メチルピペリジン、ピロリジン及びそれらの混合物からなる群から選ばれた少なくとも1員を含む請求項10に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも2個の第一アミン官能基を有する多官能価アミンがヘキサメチレンジアミン(HMDA)、2−メチルペンタメチレンジアミン、1,3−ジアミノペンタン、ドデカンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、p−フェニレンジアミン、イソホロンジアミン、ビス−ヘキサメチレントリイミン、ジエチレントリアミン(DETA)、ポリエチレンイミン、エチレンオキシドのポリアミン付加物、プロピレンオキシドのポリアミン付加物及びそれらの混合物からなる群から選ばれた少なくとも一員を含む請求項10に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも2個の第一アミン官能基を有する多官能価アミンがヘキサメチレンジアミンを含む請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記一官能価第一アミン又は一官能価脂環式第二アミンがモルホリンを含む請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記スルホネート官能性アルキドのヒドロキシル基を、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸イソブチル、アセト酢酸イソプロピル、ジイソプロピルカルビノールアセトアセテート、アセト酢酸t−アミル及びアセト酢酸t−ブチルからなる群から選ばれた少なくとも一員でエステル交換する請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記スルホネート官能性アルキドを、ジケテン又は2,2,6−トリメチル−4H−1,3−ジオキシン−4−オンと反応させる請求項10に記載の方法。

【公表番号】特表2006−511669(P2006−511669A)
【公表日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−565347(P2004−565347)
【出願日】平成15年12月10日(2003.12.10)
【国際出願番号】PCT/US2003/039316
【国際公開番号】WO2004/061026
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(594055158)イーストマン ケミカル カンパニー (391)
【Fターム(参考)】