説明

自己構成型客室管理システム

【課題】航空機及び他の旅客車両において、複数の乗客用コントロールユニットと、複数の乗客用サービスユニットと、を備え、乗客コントロールユニットの各々をそれぞれ別々の乗客用サービスユニットに動的にリンクさせる客室システムを提供する。
【解決手段】乗客用コントロールユニット24A〜24Z1の各々と、乗客用サービスユニット26A〜26Z1の各々を、コンピュータで読込可能な媒体に格納された一つのプログラミングコードと乗客用管理ユニットによって動的にリンクさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビークルの客室に使用できる自己構成客室管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
航空機及び他の旅客車両の客室管理システムは、一般に、静的データベースを使用して、乗客用エリアのレイアウト(LOPA)ごとに、対応するコントローラの機能に合わせて客室及びシートコントロールを計画する。典型的には、所与の車両レイアウトに特異的なカスタムデータベースが、客室管理システムのデータベースジェネレータにより手動で作成され、これに対応してデータベースの作成、維持、及び展開にオーバーヘッドが必要となる。また、客室用シートのコントロールとオーバーヘッドユニットとの間の通信を行うために、典型的に機内エンタテイメントシステムが使用される。典型的な客室管理システムに関する欠点の幾つかには以下の事項、すなわち、多くの場合、車両レイアウトに合わせて特異的なデータベースを製造するためにデータベースジェネレータを必要とすること;多くの場合、データベース作成に時間がかかること;多くの場合、データベースの改訂履歴をとるために構成管理システムを必要とすること;多くの場合、データベースの展開機構を必要とすること;多くの場合、客室管理システムにメッセージを送るために機内エンタテイメントシステムを必要とすること;多くの場合、機内エンタテイメント及び客室管理システムの機能の計画に付随してオーバーヘッドを必要とすること;多くの場合、大きな重量を要すること;並びに、多くの場合、過度に高価且つ複雑であることが含まれる。
【0003】
既存の客室管理システム及び方法の一又は複数が有する一又は複数の問題を克服するシステム及び方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態では、客室システムを開示する。本客室システムは、複数の乗客用コントロールユニットと、複数の乗客用サービスユニットと、コンピュータで読込可能な媒体に格納されて乗客用コントロールユニットの各々をそれぞれ別々の乗客用サービスユニットに動的にリンクさせる一つのプログラムコードとを備えている。
【0005】
別の実施形態では、ビークルを開示する。本ビークルは、少なくとも一つの縦列と、複数の乗客用コントロールユニットと、複数の乗客用サービスユニットと、一つのプログラミングコードとを備えている。少なくとも一つの縦列は、それぞれが少なくとも一つのシートを含む複数の横列を含んでいる。各横列の各シートにはそれぞれ一つの乗客用コントロールユニットが関連付けられている。各横列にはそれぞれ一つの乗客用サービスユニットが関連付けられている。プログラミングコードは、コンピュータで読込可能な媒体に格納されて、乗客用コントロールユニットの各々をそれぞれ別々の乗客用サービスユニットに動的にリンクさせる。
【0006】
別の実施形態では、客室管理方法を開示する。一つのステップにおいて、複数の乗客用コントロールユニットと、複数の乗客用サービスユニットと、コンピュータで読込可能な媒体に格納された一つのプログラミングコードとを提供する。別のステップにおいて、プログラミングコードを用いて、乗客用コントロールユニットの各々を、それぞれ別々の乗客用サービスユニットに動的にリンクさせる。
【0007】
本発明のこれらのフィーチャ、態様、及び利点と、その他のフィーチャ、態様、及び利点とに対する理解は、添付図面、後述の説明及び特許請求の範囲を参照することで深まるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、システムの一実施形態を示すボックス図である。
【図2】図2は、システムの別の実施形態を示すボックス図である。
【図3】図3は、システムのまた別の実施形態を示すボックス図である。
【図4】図4は、システムのまた別の実施形態を示すボックス図である。
【図5】図5は、システムのまた別の実施形態を示すボックス図である。
【図6】図6は、システムのまた別の実施形態を示すボックス図である。
【図7】図7は、客室管理方法の一実施形態を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の詳細な説明は、本発明を実行する際に現時点で考慮されるベストモードである。この説明は限定的な意味を持たず、本発明の一般的な原理を説明することのみを目的としており、本発明の範囲は特許請求の範囲に最もよく規定されている。
【実施例】
【0010】
図1は、システム10の一実施形態を示すボックス図である。システム10は、航空機、列車、バス、又は乗客を輸送する他の種類のビークルのようなビークル11の客室システムを含んでいる。システム10は、ゾーン12、14、及び16を含んでいる。ゾーン12、14、及び16は、システム10の異なる座席領域から構成されている。一実施形態では、ゾーン12はファーストクラスの座席領域から構成されており、ゾーン14はビジネスクラスの座席領域から構成されており、ゾーン16はエコノミークラスの座席領域から構成されている。別の実施形態では、1〜5のゾーンが存在する。他の実施形態では、システム10の異なる座席領域を表わす任意の数のゾーンが存在してよい。システム10は、ゾーン12、14、及び16の各々に配置される縦列18、20、及び22を含んでいる。縦列18は、横列R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、及びR9を含み、これら横列の各々は一つの客室用シートを含んでいる。縦列20は、横列R1A、R2A、R3A、R4A、R5A、R6A、R7A、R8A、及びR9Aを含み、これら横列の各々は一つの客室用シートを含んでいる。縦列22は、横列R1B、R2B、R3B、R4B、R5B、R6B、R7B、R8B、及びR9Bを含み、これら横列の各々は一つの客室用シートを含んでいる。別の実施形態では、それぞれ1〜100の客室用シートを有する1〜100の横列を有する1〜10の縦列があってよい。他の実施形態では、様々に異なる数の客室用シートを有する様々な数の横列を有する様々な数の縦列があってよい。
【0011】
ゾーン12は、縦列18に乗客用コントロールユニット24A、24B、及び24Cを、縦列20に乗客用コントロールユニット24D、24E、及び24Fを、縦列22に乗客用コントロールユニット24G、24H、及び24Iを、それぞれ含んでいる。本明細書の目的のために、「乗客用コントロールユニット」という用語を、乗客によるコマンドの入力を可能にするコントローラデバイスと定義する。「乗客用コントロールユニット」には、乗客用サービスユニットを制御するための乗客用コントロールが含まれる。本明細書の乗客用コントロールユニットには、ボタン、タッチパッド、スイッチ、乗務員呼び出しコントロール、照明コントロール、読書灯コントロール、呼び出しライトコントロール、ファンコントロール、気流コントロール、又は他の種類の乗客用コントロールユニットが含まれる。本明細書の乗客用コントロールユニットには、さらに、メモリ、処理能力、及び入出力能力を有するマイクロコントローラが含まれる。乗客用コントロールユニット24A、24B、及び24Cの各々は、対応する別々の横列R1、R2、及びR3のそれぞれ別個の客室用シートに関連付けられて、互いに通信する。本明細書の目的のために、「通信する」とは、情報を伝達することと定義され、多岐にわたる通信デバイス及び方法、例えば、無線(すなわち、802.11、ブルートゥース、ジグビー他)、シリアル(すなわち、RS−232他)、光(すなわち、赤外線他)、マルチドロップ(すなわち、CAN Bus、RS−845他)、並びに他の種類の通信デバイス及び方法を用いて行うことができる。乗客用コントロールユニット24D、24E、及び24Fの各々は、対応する別々の横列R1A、R2A、及びR3Aのそれぞれ別個の客室用シートに関連付けられて、互いに通信する。乗客用コントロールユニット24G、24H、及び24Iの各々は、対応する別々の横列R1B、R2B、及びR3Bのそれぞれ別個の客室用シートに関連付けられて、互いに通信する。
【0012】
ゾーン12は、縦列18に乗客用サービスユニット26A、26B、及び26Cを、縦列20に乗客用サービスユニット26D、26E、及び26Fを、縦列22に乗客用サービスユニット26G、26H、及び26Iを、それぞれ含んでいる。本明細書の目的のために、「乗客用サービスユニット」という用語を、乗客が、乗客による「乗客用サービスユニット」の制御を可能にする付属の「乗客用コントロールユニット」を使用して入力したコマンドに関連付けられた機能を実行する出力デバイスと定義する。本明細書の乗客用サービスユニットには、照明、読書灯、呼び出しライト、ディスプレイ、ファン、空気装置、或いは、乗客の頭上又は他の場所に位置する別の種類のユーザ制御機能/デバイスが含まれる。本明細書の乗客用サービスユニットには、さらに、メモリ、処理能力、及び入出力能力を有するマイクロコントローラが含まれる。乗客用サービスユニット26A、26B、及び26Cの各々は、それぞれ対応する横列R1、R2、及びR3に関連付けられており、互いに通信する。乗客用サービスユニット26D、26E、及び26Fの各々は、それぞれ対応する横列R1A、R2A、及びR3Aに関連付けられており、互いに通信する。乗客用サービスユニット26G、26H、及び26Iの各々は、それぞれ対応する横列R1B、R2B、及びR3Bに関連付けられており、互いに通信する。
【0013】
加えて、ゾーン12は、客室管理ユニット28Aを含む。本明細書の目的のために、「客室管理ユニット」という用語を、メモリ、処理能力、及び入出力能力を有するマイクロコントローラのような客室を管理するためのデバイスと定義する。客室管理ユニット28Aは、乗客用コントロールユニット24Aと乗客用サービスユニット26Aとの間で、それらユニット24A及び26Aと通信する。コンピュータで読込可能な媒体に格納されたプログラミングコードを使用して、客室管理ユニット28Aは以下の機能、すなわち、ゾーン12の縦列18に配置された乗客用コントロールユニット24A、24B、及び24Cの数を、動的に且つ実時間で決定すること;ゾーン12の縦列18に配置された乗客用サービスユニット26A、26B、及び26Cの数を、動的に且つ実時間で決定すること;並びに、乗客用コントロールユニット24A、24B、及び24Cの各々を、それぞれ対応する乗客用サービスユニット26A、26B、及び26Cにリンクさせる動的データベースを実時間で作成することをすべて実行する。このようにして、客室管理ユニット28Aは、乗客用コントロールユニット24Aによる乗客用サービスユニット26Aの制御、乗客用コントロールユニット24Bによる乗客用サービスユニット26Bの制御、乗客用コントロールユニット24Cによる乗客用サービスユニット26Cの制御をそれぞれ可能にする動的な実時間データベースを作成する。
【0014】
客室管理ユニット28Aは、また、乗客用コントロールユニット24Dと乗客用サービスユニット26Dとの間で、それらユニット24D及び26Dと通信する。コンピュータで読込可能な媒体に格納されたプログラミングコードを使用して、客室管理ユニット28Aは、以下の機能、すなわち、ゾーン12の縦列20に配置された乗客用コントロールユニット24D、24E、及び24Fの数を、動的に且つ実時間で決定すること;ゾーン12の縦列20に配置された乗客用サービスユニット26D、26E、及び26Fの数を、動的に且つ実時間で決定すること;並びに、乗客用コントロールユニット24D、24E、及び24Fの各々を、それぞれ対応する乗客用サービスユニット26D、26E、及び26Fにリンクさせる動的データベースを実時間で作成することをすべて実行する。このようにして、客室管理ユニット28Aは、乗客用コントロールユニット24Dによる乗客用サービスユニット26Dの制御、乗客用コントロールユニット24Eによる乗客用サービスユニット26Eの制御、乗客用コントロールユニット24Fによる乗客用サービスユニット26Fの制御をそれぞれ可能にする動的な実時間データベースを作成する。
【0015】
客室管理ユニット28Aは、さらに、乗客用コントロールユニット24Gと乗客用サービスユニット26Gとの間で、それらユニット24G及び26Gと通信する。コンピュータで読込可能な媒体に格納されたプログラミングコードを使用して、客室管理ユニット28Aは、以下の機能、すなわち、ゾーン12の縦列22に配置された乗客用コントロールユニット24G、24H、及び24Iの数を、動的に且つ実時間で決定すること;ゾーン12の縦列22に配置された乗客用サービスユニット26G、26H、及び26Iの数を、動的に且つ実時間で決定すること;並びに、乗客用コントロールユニット24G、24H、及び24Iの各々を、それぞれ対応する乗客用サービスユニット26G、26H、及び26Iにリンクさせる動的データベースを実時間で作成することをすべて実行する。このようにして、客室管理ユニット28Aは、乗客用コントロールユニット24Gによる乗客用サービスユニット26Gの制御、乗客用コントロールユニット24Hによる乗客用サービスユニット26Hの制御、乗客用コントロールユニット24Iによる乗客用サービスユニット26Iの制御をそれぞれ可能にする動的な実時間データベースを作成する。
【0016】
ゾーン14は、縦列18に乗客用コントロールユニット24J、24K、及び24Lを、縦列20に乗客用コントロールユニット24M、24N、及び24Oを、縦列22に乗客用コントロールユニット24P、24Q、及び24Rを、それぞれ含んでいる。乗客用コントロールユニット24J、24K、及び24Lの各々は、それぞれ対応する横列R4、R5、及びR6のそれぞれ別々の客室用シートに関連付けられており、互いに通信する。乗客用コントロールユニット24M、24N、及び24Oの各々は、それぞれ対応する横列R4A、R5A、及びR6Aのそれぞれ別々の客室用シートに関連付けられており、互いに通信する。乗客用コントロールユニット24P、24Q、及び24Rの各々は、それぞれ対応する横列R4B、R5B、及びR6Bのそれぞれ別々の客室用シートに関連付けられており、互いに通信する。
【0017】
ゾーン14は、さらに、縦列18に乗客用サービスユニット26J、26K、及び26Lを、縦列20に乗客用サービスユニット26M、26N、及び26Oを、縦列22に乗客用サービスユニット26P、26Q、及び26Rを、それぞれ含んでいる。乗客用サービスユニット26J、26K、及び26Lの各々は、それぞれ対応する横列R4、R5、及びR6に関連付けられており、互いに通信する。乗客用サービスユニット26M、26N、及び26Oの各々は、それぞれ対応する横列R4A、R5A、及びR6Aに関連付けられており、互いに通信する。乗客用サービスユニット26P、26Q、及び26Rの各々は、それぞれ対応する横列R4B、R5B、及びR6Bに関連付けられており、互いに通信する。
【0018】
加えて、ゾーン14は、客室管理ユニット28Bを含む。客室管理ユニット28Bは、乗客用コントロールユニット24Jと乗客用サービスユニット26Jとの間で、それらユニット24J及び26Jと通信する。コンピュータで読込可能な媒体に格納されたプログラミングコードを使用して、客室管理ユニット28Bは以下の機能、すなわち、ゾーン14の縦列18に配置された乗客用コントロールユニット24J、24K、及び24Lの数を、動的に且つ実時間で決定すること;ゾーン14の縦列18に配置された乗客用サービスユニット26J、26K、及び26Lの数を、動的に且つ実時間で決定すること;並びに、乗客用コントロールユニット24J、24K、及び24Lの各々を、それぞれ対応する乗客用サービスユニット26J、26K、及び26Lにリンクさせる動的データベースを実時間で作成することをすべて実行する。このようにして、客室管理ユニット28Bは、乗客用コントロールユニット24Jによる乗客用サービスユニット26Jの制御、乗客用コントロールユニット24Kによる乗客用サービスユニット26Kの制御、乗客用コントロールユニット24Lによる乗客用サービスユニット26Lの制御をそれぞれ可能にする動的な実時間データベースを作成する。
【0019】
客室管理ユニット28Bは、また、乗客用コントロールユニット24Mと乗客用サービスユニット26Mとの間で、それらユニット24M及び26Mと通信する。コンピュータで読込可能な媒体に格納されたプログラミングコードを使用して、客室管理ユニット28Bは以下の機能、すなわち、ゾーン14の縦列20に配置された乗客用コントロールユニット24M、24N、及び24Oの数を、動的に且つ実時間で決定すること;ゾーン14の縦列20に配置された乗客用サービスユニット26M、26N、及び26Oの数を、動的に且つ実時間で決定すること;並びに、乗客用コントロールユニット24M、24N、及び24Oの各々を、それぞれ対応する乗客用サービスユニット26M、26N、及び26Oにリンクさせる動的データベースを実時間で作成することをすべて実行する。このようにして、客室管理ユニット28Bは、乗客用コントロールユニット24Mによる乗客用サービスユニット26Mの制御、乗客用コントロールユニット24Nによる乗客用サービスユニット26Nの制御、乗客用コントロールユニット24Oによる乗客用サービスユニット26Oの制御をそれぞれ可能にする動的な実時間データベースを作成する。
【0020】
客室管理ユニット28Bは、さらに、乗客用コントロールユニット24Pと乗客用サービスユニット26Pとの間で、それらユニット24P及び26Pと通信する。コンピュータで読込可能な媒体に格納されたプログラミングコードを使用して、客室管理ユニット28Bは以下の機能、すなわち、ゾーン14の縦列22に配置された乗客用コントロールユニット24P、24Q、及び24Rの数を、動的に且つ実時間で決定すること;ゾーン14の縦列22に配置された乗客用サービスユニット26P、26Q、及び26Rの数を、動的に且つ実時間で決定すること;並びに、乗客用コントロールユニット24P、24Q、及び24Rの各々を、それぞれ対応する乗客用サービスユニット26P、26Q、及び26Rにリンクさせる動的データベースを実時間で作成することをすべて実行する。このようにして、客室管理ユニット28Bは、乗客用コントロールユニット24Pによる乗客用サービスユニット26Pの制御、乗客用コントロールユニット24Qによる乗客用サービスユニット26Qの制御、乗客用コントロールユニット24Rによる乗客用サービスユニット26Rの制御をそれぞれ可能にする動的な実時間データベースを作成する。
【0021】
ゾーン16は、縦列18に乗客用コントロールユニット24S、24T、及び24Uを、縦列20に乗客用コントロールユニット24V、24W、及び24Xを、縦列22に乗客用コントロールユニット24Y、24Z、及び24Z1を、それぞれ含んでいる。乗客用コントロールユニット24S、24T、及び24Uの各々は、それぞれ対応する横列R7、R8、及びR9のそれぞれ別々の客室用シートに関連付けられており、互いに通信する。乗客用コントロールユニット24V、24W、及び24Xの各々は、それぞれ対応する横列R7A、R8A、及びR9Aに関連付けられており、互いに通信する。乗客用コントロールユニット24Y、24Z、及び24Z1の各々は、それぞれ対応する横列R7B、R8B、及びR9Bに関連付けられており、互いに通信する。
【0022】
ゾーン16は、さらに、縦列18に乗客用サービスユニット26S、26T、及び26Uを、縦列20に乗客用サービスユニット26V、26W、及び26Xを、縦列22に乗客用サービスユニット26Y、26Z、及び26Z1を、それぞれ含んでいる。乗客用サービスユニット26S、26T、及び26Uの各々は、それぞれ対応する横列R7、R8、及びR9に関連付けられており、互いに通信する。乗客用サービスユニット26V、26W、及び26Xの各々は、それぞれ対応する横列R7A、R8A、及びR9Aに関連付けられており、互いに通信する。乗客用サービスユニット26Y、26Z、及び26Z1の各々は、それぞれ対応する横列R7B、R8B、及びR9Bに関連付けられており、互いに通信する。
【0023】
加えて、ゾーン16は、客室管理ユニット28Cを含む。客室管理ユニット28Cは、乗客用コントロールユニット24Sと乗客用サービスユニット26Sとの間で、それらユニット24S及び26S通信する。コンピュータで読込可能な媒体に格納されたプログラミングコードを使用して、客室管理ユニット28Cは以下の機能、すなわち、ゾーン16の縦列18に配置された乗客用コントロールユニット24S、24T、及び24Uの数を、動的に且つ実時間で決定すること;ゾーン16の縦列18に配置された乗客用サービスユニット26S、26T、及び26Uの数を、動的に且つ実時間で決定すること;並びに、乗客用コントロールユニット24S、24T、及び24Uの各々を、それぞれ対応する乗客用サービスユニット26S、26T、及び26Uにリンクさせる動的データベースを実時間で作成することをすべて実行する。このようにして、客室管理ユニット28Cは、乗客用コントロールユニット24Sによる乗客用サービスユニット26Sの制御、乗客用コントロールユニット24Tによる乗客用サービスユニット26Tの制御、乗客用コントロールユニット24Uによる乗客用サービスユニット26Uの制御をそれぞれ可能にする動的な実時間データベースを作成する。
【0024】
客室管理ユニット28Cは、また、乗客用コントロールユニット24Vと乗客用サービスユニット26Vとの間で、それらユニット24V及び26Vと通信する。コンピュータで読込可能な媒体に格納されたプログラミングコードを使用して、客室管理ユニット28Cは以下の機能、すなわち、ゾーン16の縦列20に配置された乗客用コントロールユニット24V、24W、及び24Xの数を、動的に且つ実時間で決定すること;ゾーン16の縦列20に配置された乗客用サービスユニット26V、26W、及び26Xの数を、動的に且つ実時間で決定すること;並びに、乗客用コントロールユニット24V、24W、及び24Xの各々を、それぞれ対応する乗客用サービスユニット26V、26W、及び26Xにリンクさせる動的データベースを実時間で作成することをすべて実行する。このようにして、客室管理ユニット26Cは、乗客用コントロールユニット24Vによる乗客用サービスユニット26Vの制御、乗客用コントロールユニット24Wによる乗客用サービスユニット26Wの制御、乗客用コントロールユニット24Xによる乗客用サービスユニット26Xの制御をそれぞれ可能にする動的な実時間データベースを作成する。
【0025】
客室管理ユニット28Cは、さらに、乗客用コントロールユニット24Yと乗客用サービスユニット26Yとの間で、それらユニット24Y及び26Yと通信する。コンピュータで読込可能な媒体に格納されたプログラミングコードを使用して、客室管理ユニット28Cは以下の機能、すなわち、ゾーン16の縦列22に配置された乗客用コントロールユニット24Y、24Z、及び24Z1の数を、動的に且つ実時間で決定すること;ゾーン16の縦列22に配置された乗客用サービスユニット26Y、26Z、及び26Z1の数を、動的に且つ実時間で決定すること;並びに、乗客用コントロールユニット24Y、24Z、及び24Z1の各々を、それぞれ対応する乗客用サービスユニット26Y、26Z、及び26Z1にリンクさせる動的データベースを実時間で作成することをすべて実行する。このようにして、客室管理ユニット28Cは、乗客用コントロールユニット24Yによる乗客用サービスユニット26Yの制御、乗客用コントロールユニット24Zによる乗客用サービスユニット26Zの制御、乗客用コントロールユニット24Z1による乗客用サービスユニット26Z1の制御をそれぞれ可能にする動的な実時間データベースを作成する。
【0026】
上述のように、システム10は、乗客用コントロールユニットを乗客用サービスユニットにリンクさせることにより、乗客が、客室の静的なカスタムデータベース(例えば、事前に構成される乗客用エリアの特定のリンケージ用レイアウト(LOPA))を必要とせずに、関連する乗客用コントロールユニットを用いて乗客用サービスユニットの機能を制御することを可能にする自己構成型の動的システムである。これにより、客室管理システム用のCMSデータベースジェネレータを使用してカスタムデータベースを手動で作成する必要がなくなり、そのようなデータベースの作成、維持、及び展開に通常必要な、それに応じたオーバーヘッドが不要となる。また、機内エンタテイメントシステム(IFE)が乗客用コントロールユニットと乗客用サービスユニットとの間で行われる通信のために存在する必要もなくなる。システム10により、データベースを事前に作成する必要がないため時間が節約され、データベース改訂の履歴をとるための構成管理システム、及びデータベースを展開するための機構が不要となるため費用が節約される。さらに、システム10は通常のシステムより軽量であるので、本システムを実施するビークルにとって燃料の観点から費用を節減できる。
【0027】
他の実施形態では、様々な数の乗客用コントロールユニット、乗客用サービスユニット、及び客室管理ユニットが使用されてよく、それらは、乗客用コントロールユニットによる関連の乗客用サービスユニットの制御を可能にする動的な実時間データベースを形成するための様々な構成、システム、及びデバイスを使用して互いに通信する。別の実施形態では、他の種類のシステム又はデバイスがシステム10と通信してもよい。
【0028】
図2は、別の実施形態によるシステム110を示すボックス図である。システム110は図1の実施形態のシステム10と概ね同一であるが、以下の点だけ異なっている。すなわち、システム110は、さらに、外部ヘッドエンド客室管理ユニット128D、外部ヘッドエンド機内エンタテイメント(IFE)ユニット132A、並びに内部機内エンタテイメント(IFE)ユニット132B、132C、及び132Dを含み;客室管理ユニット128A、128B、及び128Cは互いに、且つ外部ヘッドエンド客室管理ユニット128Dと通信し;追加的な内部機内エンタテイメントユニット132B、132C、及び132Dは互いに、且つ追加的な外部ヘッドエンド機内エンタテイメントユニット132A、並びに乗客用コントロールユニット24A、24D、24G、24J、24M、24P、24S、24V、及び24Yと通信する。システム110は、図1のシステム10と同じ方法で、外部ヘッドエンド客室管理ユニット128D、外部ヘッドエンド機内エンタテイメントユニット132A、又は内部機内エンタテイメントユニット132B、132C、及び132Dを使用又は必要とすることなく、乗客用コントロールユニットによる関連の乗客用サービスユニットの制御を可能にする動的な実時間データベースを作成する。別の実施形態では、他の種類のシステム又はデバイスがシステム110と通信してもよい。別の実施形態では、前出の実施例では128A、128B、及び128Cによって行われていた乗客用コントロールユニットと乗客用サービスユニットとのペアリングを行う論理的且つ動的なデータベース作成を実行するために、客室管理ユニット128Dを使用することができる。
【0029】
図3は、別の実施形態によるシステム210を示すボックス図である。システム210は、図1の実施形態のシステム10と概ね同一であるが、以下の点だけ異なっている。すなわち、ゾーン12、14、及び16の各々はそれぞれ3つの客室管理ユニット228A、228A1、228A2(ゾーン12用)、228B、228B1、228B2(ゾーン14用)、及び228C、228C1、228C2(ゾーン16用)を有しており;客室管理ユニット228A、228A1、228A2、228B、228B1、228B2、228C、228C1、及び228C2の各々は、乗客用コントロールユニットによる対応する乗客用サービスユニットの制御を可能にするためのリンケージを動的につくるために、ゾーン12、14、及び16のうちの一つに含まれる縦列18、20、及び22のうちの一つに位置する乗客用コントロールユニット及び乗客用サービスユニットと、別々に通信するのみである。
【0030】
例えば、客室管理ユニット228Aは、乗客用コントロールユニット24Aを乗客用サービスユニット26Aに、乗客用コントロールユニット24Bを乗客用サービスユニット26Bに、乗客用コントロールユニット24Cを乗客用サービスユニット26Cに、それぞれ動的にリンクさせる。客室管理ユニット228A1は、乗客用コントロールユニット24Dを乗客用サービスユニット26Dに、乗客用コントロールユニット24Eを乗客用サービスユニット26Eに、乗客用コントロールユニット24Fを乗客用サービスユニット26Fに、それぞれ動的にリンクさせる。客室管理ユニット228A2は、乗客用コントロールユニット24Gを乗客用サービスユニット26Gに、乗客用コントロールユニット24Hを乗客用サービスユニット26Hに、乗客用コントロールユニット24Iを乗客用サービスユニット26Iに、それぞれ動的にリンクさせる。客室管理ユニット228Bは、乗客用コントロールユニット24Jを乗客用サービスユニット26Jに、乗客用コントロールユニット24Kを乗客用サービスユニット26Kに、乗客用コントロールユニット24Lを乗客用サービスユニット26Lに、それぞれ動的にリンクさせる。客室管理ユニット228B1は、乗客用コントロールユニット24Mを乗客用サービスユニット26Mに、乗客用コントロールユニット24Nを乗客用サービスユニット26Nに、乗客用コントロールユニット24Oを乗客用サービスユニット26Oに、それぞれ動的にリンクさせる。客室管理ユニット228B2は、乗客用コントロールユニット24Pを乗客用サービスユニット26Pに、乗客用コントロールユニット24Qを乗客用サービスユニット26Qに、乗客用コントロールユニット24Rを乗客用サービスユニット26Rに、それぞれ動的にリンクさせる。客室管理ユニット228Cは、乗客用コントロールユニット24Sを乗客用サービスユニット26Sに、乗客用コントロールユニット24Tを乗客用サービスユニット26Tに、乗客用コントロールユニット24Uを乗客用サービスユニット26Uに、それぞれ動的にリンクさせる。客室管理ユニット228C1は、乗客用コントロールユニット24Vを乗客用サービスユニット26Vに、乗客用コントロールユニット24Wを乗客用サービスユニット26Wに、乗客用コントロールユニット24Xを乗客用サービスユニット26Xに、それぞれ動的にリンクさせる。客室管理ユニット228C2は、乗客用コントロールユニット24Yを乗客用サービスユニット26Yに、乗客用コントロールユニット24Zを乗客用サービスユニット26Zに、乗客用コントロールユニット24Z1を乗客用サービスユニット26Z1に、それぞれ動的にリンクさせる。
【0031】
他の実施形態では、様々な数の客室管理ユニット、様々な数の乗客用コントロールユニット、及び様々な数の乗客用サービスユニットが使用されてよく、様々な通信構成を使用して各乗客用コントロールユニットが別々の乗客用サービスユニットに動的にリンクされる。別の実施形態では、他の種類のシステム又はデバイスがシステム210と通信してもよい。
【0032】
図4は、別の実施形態によるシステム310を示すボックス図である。システム310は、図3の実施形態のシステム210と概ね同一であるが、以下の点だけ異なっている。すなわち、システム310は、さらに、外部ヘッドエンド機内エンタテイメント(IFE)ユニット332A、並びに内部機内エンタテイメント(IFE)ユニット332B、332C、及び332Dを含み;追加的な内部機内エンタテイメントユニット332B、332C、及び332Dは互いに、且つ追加的な外部ヘッドエンド機内エンタテイメントユニット332A、並びに乗客用コントロールユニット24A、24D、24G、24J、24M、24P、24S、24V、及び24Yと通信する。システム310は、図3のシステム210と同じ方法で、外部ヘッドエンド機内エンタテイメントユニット332A、又は内部機内エンタテイメントユニット332B、332C、及び332Dを使用又は必要とすることなく、乗客用コントロールユニットによる関連の乗客用サービスユニットの制御を可能にする動的な実時間データベースを作成する。別の実施形態では、他の種類のシステム又はデバイスがシステム310と通信してもよい。
【0033】
図5は、別の実施形態によるシステム410を示すボックス図である。システム410は、図3の実施形態のシステム210と概ね同一であるが、以下の点だけ異なっている。すなわち、ゾーン12、14、及び16は、データベースの作成、及び乗客用コントロールユニットと乗客用サービスユニットとのペアリングの役割が、乗客用コントロールユニット及び乗客用サービスユニットのうちの一つによって実行される固有の客室管理ユニットを有しており;ゾーン12、14、及び16の各縦列18、20、及び22において、乗客用コントロールユニットは、乗客用コントロールユニットによる対応する乗客用サービスユニットの制御を可能にするそれらのリンケージを動的に行う中間的ユニット無しで、乗客用サービスユニットと通信する。
【0034】
例えば、乗客用コントロールユニット24Aが乗客用サービスユニット26Aと直接通信することにより、乗客用コントロールユニット24Aは乗客用サービスユニット26Aに、乗客用コントロールユニット24Bは乗客用サービスユニット26Bに、乗客用コントロールユニット24Cは乗客用サービスユニット26Cに、それぞれ動的にリンクされる。乗客用コントロールユニット24Dが乗客用サービスユニット26Dと直接通信することにより、乗客用コントロールユニット24Dは乗客用サービスユニット26Dに、乗客用コントロールユニット24Eは乗客用サービスユニット26Eに、乗客用コントロールユニット24Fは乗客用サービスユニット26Fに、それぞれ動的にリンクされる。乗客用コントロールユニット24Gが乗客用サービスユニット26Gと直接通信することにより、乗客用コントロールユニット24Gは乗客用サービスユニット26Gに、乗客用コントロールユニット24Hは乗客用サービスユニット26Hに、乗客用コントロールユニット24Iは乗客用サービスユニット26Iに、それぞれ動的にリンクされる。乗客用コントロールユニット24Jが乗客用サービスユニット26Jと直接通信することにより、乗客用コントロールユニット24Jは乗客用サービスユニット26Jに、乗客用コントロールユニット24Kは乗客用サービスユニット26Kに、乗客用コントロールユニット24Lは乗客用サービスユニット26Lに、それぞれ動的にリンクされる。乗客用コントロールユニット24Mが乗客用サービスユニット26Mと直接通信することにより、乗客用コントロールユニット24Mは乗客用サービスユニット26Mに、乗客用コントロールユニット24Nは乗客用サービスユニット26Nに、乗客用コントロールユニット24Oは乗客用サービスユニット26Oに、それぞれ動的にリンクされる。乗客用コントロールユニット24Pが乗客用サービスユニット26Pと直接通信することにより、乗客用コントロールユニット24Pは乗客用サービスユニット26Pに、乗客用コントロールユニット24Qは乗客用サービスユニット26Qに、乗客用コントロールユニット24Rは乗客用サービスユニット26Rに、それぞれ動的にリンクされる。乗客用コントロールユニット24Sが乗客用サービスユニット26Sと直接通信することにより、乗客用コントロールユニット24Sは乗客用サービスユニット26Sに、乗客用コントロールユニット24Tは乗客用サービスユニット26Tに、乗客用コントロールユニット24Uは乗客用サービスユニット26Uに、それぞれ動的にリンクされる。乗客用コントロールユニット24Vが乗客用サービスユニット26Vと直接通信することにより、乗客用コントロールユニット24Vは乗客用サービスユニット26Vに、乗客用コントロールユニット24Wは乗客用サービスユニット26Wに、乗客用コントロールユニット24Xは乗客用サービスユニット26Xに、それぞれ動的にリンクされる。乗客用コントロールユニット24Yが乗客用サービスユニット26Yと直接通信することにより、乗客用コントロールユニット24Yは乗客用サービスユニット26Yに、乗客用コントロールユニット24Zは乗客用サービスユニット26Zに、乗客用コントロールユニット24Z1は乗客用サービスユニット26Z1に、それぞれ動的にリンクされる。
【0035】
他の実施形態では、様々な数の乗客用コントロールユニット、及び様々な数の乗客用サービスユニットが使用されてよく、様々な通信構成を使用して各乗客用コントロールユニットが別々の乗客用サービスユニットに動的にリンクされる。別の実施形態では、他の種類のシステム又はデバイスがシステム410と通信してもよい。
【0036】
図6は、別の実施形態によるシステム510を示すボックス図である。システム510は、図5の実施形態のシステム410と概ね同一であるが、以下の点だけ異なっている。すなわち、システム510は、さらに、外部ヘッドエンド機内エンタテイメント(IFE)ユニット532A、並びに内部機内エンタテイメント(IFE)ユニット532B、532C、及び532Dを含み;追加的な内部機内エンタテイメントユニット532B、532C、及び532Dは互いに、且つ追加的な外部ヘッドエンド機内エンタテイメントユニット532A、並びに乗客用コントロールユニット24A、24D、24G、24J、24M、24P、24S、24V、及び24Yと通信する。システム510は、図5のシステム410と同じ方法で、外部ヘッドエンド機内エンタテイメントユニット532A、又は内部機内エンタテイメントユニット532B、532C、及び532Dを使用又は必要とすることなく、乗客用コントロールユニットによる関連の乗客用サービスユニットの制御を可能にする動的な実時間データベースを作成する。別の実施形態では、他の種類のシステム又はデバイスがシステム510と通信してもよい。
【0037】
図7は、客室管理方法640の一実施形態を示すフロー図である。ステップ642において、複数の乗客用コントロールユニットと、複数の乗客用サービスユニットと、コンピュータで読込可能な媒体に格納された一つのプログラミングコードとを提供する。ステップ644では、プログラミングコードを用いて、乗客用コントロールユニットの各々を、それぞれ別々の乗客用サービスユニットに動的にリンクさせる。ステップ646では、乗客用コントロールユニットを用いて乗客用サービスユニットを制御する。
【0038】
一実施形態では、ステップ642は、客室管理ユニットを提供することをさらに含み、ステップ644は、乗客用コントロールユニットが客室管理ユニットと通信すること、及び客室管理ユニットが乗客用サービスユニットと通信することを含む。
【0039】
別の実施形態では、ステップ642は、各々が少なくとも一つのシートからなる複数の横列を含む複数の縦列を提供することをさらに含む。各縦列に含まれる各横列の一つ一つのシートは、それぞれ一つの乗客用コントロールユニットに関連付けられており、各横列はそれぞれ別々の乗客用サービスユニットに関連付けられている。この同じ実施形態において、ステップ644は、客室管理ユニットがすべての縦列の乗客用コントロールユニット及び乗客用サービスユニットと通信することをさらに含むことができる。
【0040】
また別の実施形態では、ステップ642は、複数の縦列及び複数の客室管理ユニットを提供することをさらに含むことができる。各縦列は、複数の横列を含むことができる。各横列は少なくとも一つのシートを含むことができる。各縦列に含まれる各横列の一つ一つのシートには、それぞれ一つの乗客用コントロールユニットが関連付けられる。各縦列の各横列には、それぞれ一つの乗客用サービスユニットが関連付けられる。この同じ実施形態において、ステップ644は、各客室管理ユニットが、縦列のうちの一つだけの乗客用コントロールユニット及び乗客用サービスユニットと通信することをさらに含むことができる。
【0041】
また別の実施形態では、ステップ644は、乗客用コントロールユニットが互いに通信すること、乗客用コントロールユニットの一つが乗客用サービスユニットのうちの一つと直接通信すること、及び乗客用サービスユニットが互いに通信することをさらに含むことができる。
【0042】
別の実施形態では、ステップ644は、プログラミングコードを用いて、乗客用コントロールユニットの第1の数量と、乗客用サービスユニットの第2の数量とを動的に決定すること、並びにプログラミングコードを用いて、各々がそれぞれ別々の乗客用サービスユニットに動的にリンクする乗客用コントロールユニットを含む動的データベースを作成することをさらにさらに含む。
【0043】
図面及び上述の記述において開示された客室システムは、複数の乗客用コントロールユニット24A〜Z1と、複数の乗客用サービスユニット26A〜Z1と、コンピュータで読込可能な媒体上に格納されて乗客用コントロールユニット24A〜Z1の少なくとも一つをそれぞれ別々の乗客用サービスユニット26A〜Z1に動的にリンクさせる1つのプログラムコードとを備えている。一変形例では、客室システムは客室管理ユニットをさらに含み、乗客用コントロールユニット24A〜Z1は乗客用サービスユニット26A〜Z1と通信する客室管理ユニットと通信する。別の変形例では、客室システムは、各々が複数の横列R1〜9、R1A〜9B、R1B〜9Bを有する複数の縦列18、20、22をさらに含み、各横列は少なくとも一つのシートを有しており、各縦列18、20、22に含まれる各横列の一つ一つのシートにはそれぞれ一つの乗客用コントロールユニット24A〜Z1が関連付けられており、各横列にはそれぞれ一つのサービスユニット26A〜Z1が関連付けられており、客室管理ユニットは、すべての縦列18、20、22の乗客用コントロールユニット24A〜Z1、及び乗客用サービスユニット26A〜Z1と通信する。
【0044】
別の変形例では、客室システムは、複数の縦列18、20、22と、複数の客室管理ユニットとをさらに含み、複数の縦列18、20、22の各々は、各々が少なくとも一つのシートを有する横列R1〜9、R1A〜9B、R1B〜9Bを含んでおり、各縦列に含まれる各横列の一つ一つのシートにはそれぞれ一つの乗客用コントロールユニット24A〜Z1が関連付けられており、各横列にはそれぞれ一つの乗客用サービスユニット26A〜Z1が関連付けられており、客室管理ユニットは、縦列18、20、22のうちの一つだけの乗客用コントロールユニット24A〜Z1、及び乗客用サービスユニット26A〜Z1と通信する。また別の変形例の客室システムにおいては、乗客用コントロールユニット24A〜Z1は互いに通信し、乗客用コントロールユニット24A〜Z1の一つは乗客用サービスユニット26A〜Z1のうちの一つと直接通信し、且つ乗客用サービスユニット26A〜Z1は互いに通信する。場合によっては、乗客用コントロールユニット24A〜Z1を有する客室システムは、乗客用サービスユニット26A〜Z1を制御する乗客用コントロールを含む。
【0045】
有利には、乗客用コントロールユニット(24A〜Z1)を有する客室システムは、乗務員呼び出しコントロール及び照明コントロールのうちの少なくとも一つを含み、乗客用サービスユニット(26A〜Z1)は照明及びディスプレイのうちの少なくとも一つを含む。一代替例による客室システムにおいては、プログラミングコードは、さらに、乗客用コントロールユニット24A〜Z1の第1の数量と、乗客用サービスユニット26A〜Z1の第2の数量とを動的に決定すること、及び各々がそれぞれ別々の乗客用サービスユニット26A〜Z1に動的にリンクされた乗客用コントロールユニット24A〜Z1を含む動的データベースを作成することを目的としている。
【0046】
一態様では、複数の横列R1〜9、R1A〜9A、R1B〜9Bを含む少なくとも一つの縦列を含むビークルが開示され、各横列は、少なくとも一つのシートと;複数の乗客用コントロールユニット24A〜Z1であって、各横列の一つ一つのシートがそれぞれ別々の乗客用コントロールユニット24A〜Z1に関連付けられている複数の乗客用コントロールユニットと;複数の乗客用サービスユニット26A〜Z1であって、各横列がそれぞれ別々の乗客用サービスユニットに関連付けられている複数の乗客用サービスユニットと;コンピュータで読込可能な媒体に格納されて、乗客用コントロールユニット24A〜Z1の各々をそれぞれ別々の乗客用サービスユニット26A〜Z1に動的にリンクさせる一つのプログラミングコードとを含む。一変形例では、ビークルは客室管理ユニットをさらに含み、乗客用コントロールユニット24A〜Z1は乗客用サービスユニット26A〜Z1と通信する客室管理ユニットと通信する。場合によっては、ビークルは、各々が複数の横列R1〜9、R1A〜9A、R1B〜9Bを有する複数の縦列18、20、22を含み、各横列は少なくとも一つのシートを有しており、各縦列18、20、22に含まれる各横列の一つ一つのシートにはそれぞれ一つの乗客用コントロールユニット24A〜Z1が関連付けられており、各横列にはそれぞれ一つのサービスユニット26A〜Z1が関連付けられており、客室管理ユニットは、すべての縦列18、20、22の乗客用コントロールユニット24A〜Z1、及び乗客用サービスユニット26A〜Z1と通信する。別の変形例では、ビークルは、複数の縦列18、20、22と、複数の客室管理ユニットとさらにを含み、各縦列18、20、22は、各々が少なくとも一つのシートを有する横列R1〜9、R1A〜9A、R1B〜9Bを含んでおり、各縦列に含まれる各横列の一つ一つのシートにはそれぞれ一つの乗客用コントロールユニット24A〜Z1が関連付けられており、各横列にはそれぞれ一つの乗客用サービスユニット26A〜Z1が関連付けられており、客室管理ユニットの各々は、縦列18、20、22のうちの一つだけの乗客用コントロールユニット24A〜Z1、及び乗客用サービスユニット26A〜Z1と通信する。
【0047】
また別の変形例のビークルにおいては、乗客用コントロールユニット24A〜Z1は互いに通信し、乗客用コントロールユニット24A〜Z1の一つは乗客用サービスユニット26A〜Z1の一つと直接通信し、且つ乗客用サービスユニット26A〜Z1は互いに通信する。一変形例では、乗客用コントロールユニット24A〜Z1を有するビークルは、乗客用サービスユニット24A〜Z1を制御する乗客用コントロールを含む。場合によっては、このビークルの乗客用コントロールユニット24A〜Z1は、乗務員呼び出しコントロール及び照明コントロールのうちの少なくとも一つを含み、乗客用サービスユニット26A〜Z1は照明及びディスプレイのうちの少なくとも一つを含む。別の場合には、このビークルのプログラミングコードは、さらに、乗客用コントロールユニット24A〜Z1の第1の数量と、乗客用サービスユニット26A〜Z1の第2の数量とを動的に決定すること、及び各々がそれぞれ別々の乗客用サービスユニット26A〜Z1に動的にリンクされた乗客用コントロールユニット24A〜Z1を含む動的データベースを作成することを目的としている。
【0048】
別の態様では、開示される客室管理方法は:複数の乗客用コントロールユニット24A〜Z1と、複数の乗客用サービスユニット26A〜Z1と、コンピュータで読込可能な媒体上に格納された1つのプログラムコードと提供すること;及びプログラミングコードを用いて、乗客用コントロールユニット24A〜Z1の各々をそれぞれ別々の乗客用サービスユニット26A〜Z1に動的にリンクさせることを含む。一変形例では、方法は、客室管理ユニットを提供することをさらに含み、加えて、乗客用コントロールユニット24A〜Z1が客室管理ユニットと通信すること、及び客室管理ユニットが乗客用サービスユニット26A〜Z1と通信することを含む。別の変形例では、方法は、各々が複数の横列R1〜9、R1A〜9A、R1B〜9Bを有する複数の縦列18、20、22を提供することを含み、各横列は少なくとも一つのシートを有しており、各縦列に含まれる各横列の一つ一つのシートにはそれぞれ一つの乗客用コントロールユニット24A〜Z1が関連付けられており、各横列にはそれぞれ一つのサービスユニット26A〜Z1が関連付けられており、方法は、さらに、客室管理ユニットがすべての縦列18、20、22の乗客用コントロールユニット24A〜Z1、及び乗客用サービスユニット26A〜Z1と通信することを含む。
【0049】
また別の変形例では、方法は、各々が複数の横列R1〜9、R1A〜9A、R1B〜9Bを有する複数の縦列18、20、22と、複数の客室とを提供することをさらに含み、各横列は少なくとも一つのシートを有しており、各縦列に含まれる各横列の一つ一つのシートにはそれぞれ一つの乗客用コントロールユニット24A〜Z1が関連付けられており、各横列にはそれぞれ一つのサービスユニット26A〜Z1が関連付けられており、方法は、客室管理ユニットの各々が縦列18、20、22のうちの一つだけの乗客用コントロールユニット24A〜Z1、及び乗客用サービスユニット26A〜Z1と通信することをさらに含む。一変形例では、方法は、乗客用コントロールユニット24A〜Z1が互いに通信すること、乗客用コントロールユニット24A〜Z1の一つが乗客用サービスユニット26A〜Z1の一つと直接通信すること、及び乗客用サービスユニット26A〜Z1が互いに通信することをさらに含む。場合によっては、方法は、乗客用コントロールユニット(24A〜Z1)により乗客用サービスユニット(26A〜Z1)を制御することをさらに含む。また別の実施例では、方法は、プログラミングコードを用いて、乗客用コントロールユニット24A〜Z1の第1の数量と、乗客用サービスユニット26A〜Z1の第2の数量とを動的に決定すること、並びにプログラミングコードを用いて、各々がそれぞれ一つの乗客用サービスユニット26A〜Z1に動的にリンクされる乗客用コントロールユニットを24A〜Z1含む動的データベースを作成することをさらにさらに含む。
【0050】
本明細書の一又は複数の実施形態は、乗客用コントロールユニットを乗客用サービスユニットにリンクさせることにより、乗客が、客室の静的なカスタムデータベース(例えば、事前に構成される乗客用エリアの特定のリンケージ用レイアウト(LOPA))を必要とせずに、関連の乗客用コントロールユニットを用いて乗客用サービスユニットの機能を制御することを可能にする自己構成型の動的システムを提供することで、既存のシステム及び方法が有する一又は複数の問題を低減する。これにより、客室管理システム用のCMSデータベースジェネレータを使用してカスタムデータベースを手動で作成する必要がなくなり、そのようなデータベースの作成、維持、及び展開に通常必要な、それに応じたオーバーヘッドが不要となる。また、機内エンタテイメントシステム(IFE)が乗客用コントロールユニットと乗客用サービスユニットとの間で行われる通信のために存在する必要もなくなる。これにより、データベースを事前に作成する必要がないため時間が節約され、データベース改訂の履歴をとるための構成管理システム、及びデータベースを展開するための機構が不要となるため費用が節約される。さらに、このようなシステムは通常のシステムより軽量であるので、本システムを実施するビークルにとって燃料の観点から費用を節減できる。
【0051】
言うまでもなく、上記は本発明の例示的実施形態に関するものであり、特許請求の範囲に規定される本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、複数の修正例を作成することができる。
【符号の説明】
【0052】
10、110、210、310、410、510 システム
12、14、16 ゾーン
18、20、22 縦列
24A〜24Z1 乗客用コントロールユニット
26A〜26Z1 乗客用サービスユニット
28A〜28C 客室管理ユニット
128A〜128D 客室管理ユニット
128D 外部ヘッドエンド客室管理ユニット
132A 外部ヘッドエンド機内エンタテイメント(IFE)ユニット
132B〜132D 内部機内エンタテイメント(IFE)ユニット
228A、228A1、228A2 客室管理ユニット
228B、228B1、228B2 客室管理ユニット
228C、228C1、228C2 客室管理ユニット
332A 外部ヘッドエンド機内エンタテイメント(IFE)ユニット
332B〜332D 内部機内エンタテイメント(IFE)ユニット
532A 外部ヘッドエンド機内エンタテイメント(IFE)ユニット
532B〜532D 内部機内エンタテイメント(IFE)ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の乗客用コントロールユニット(24A〜Z1)と、複数の乗客用サービスユニット(26A〜Z1)と、コンピュータで読込可能な媒体上に格納されて乗客用コントロールユニット(24A〜Z1)の少なくとも一つをそれぞれ別々の乗客用サービスユニット26A〜Z1に動的にリンクさせる一つのプログラムコードとを備えた客室システム。
【請求項2】
客室管理ユニットをさらに含み、乗客用コントロールユニット(24A〜Z1)が乗客用サービスユニット(26A〜Z1)と通信する客室管理ユニットと通信する、請求項1に記載の客室システム。
【請求項3】
各々が複数の横列(R1〜9、R1A〜9A、R1B〜9B)を有する複数の縦列(18、20、22)をさらに含み、各横列は少なくとも一つのシートを有しており、各縦列(18、20、22)に含まれる各横列の一つ一つのシートにはそれぞれ一つの乗客用コントロールユニット(24A〜Z1)が関連付けられており、各横列にはそれぞれ一つの乗客用サービスユニット(26A〜Z1)が関連付けられており、客室管理ユニットは、すべての縦列(18、20、22)の乗客用コントロールユニット(24A〜Z1)、及び乗客用サービスユニット(26A〜Z1)と通信する、請求項1又は2に記載の客室システム。
【請求項4】
各々が複数の横列(R1〜9、R1A〜9A、R1B〜9B)を有する複数の縦列(18、20、22)と、複数の客室管理ユニットとをさらに含み、各横列は少なくとも一つのシートを有しており、各縦列に含まれる各横列の一つ一つのシートにはそれぞれ一つの乗客用コントロールユニット(24A〜Z1)が関連付けられており、各横列にはそれぞれ一つの乗客用サービスユニット(26A〜Z1)が関連付けられており、各客室管理ユニットは、縦列(18、20、22)のうちの一つだけの乗客用コントロールユニット(24A〜Z1)、及び乗客用サービスユニット(26A〜Z1)と通信する、請求項1又は2に記載の客室システム。
【請求項5】
乗客用コントロールユニット(24A〜Z1)は互いに通信し、乗客用コントロールユニット(24A〜Z1)の一つは乗客用サービスユニット(26A〜Z1)の一つと直接通信し、且つ乗客用サービスユニット(26A〜Z1)は互いに通信する、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の客室システム。
【請求項6】
複数の乗客用コントロールユニット(24A〜Z1)と、複数の乗客用サービスユニット(26A〜Z1)と、コンピュータで読込可能な媒体に格納された一つのプログラミングコードとを提供すること、及び
プログラミングコードを用いて、乗客用コントロールユニット(24A〜Z1)の各々をそれぞれ別々の乗客用サービスユニット(26A〜Z1)に動的にリンクさせること
を含む客室管理方法。
【請求項7】
客室管理ユニットを提供することをさらに含み、加えて、乗客用コントロールユニット(24A〜Z1)が客室管理ユニットと通信すること、及び客室管理ユニットが乗客用サービスユニット(26A〜Z1)と通信することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
各々が複数の横列(R1〜9、R1A〜9A、R1B〜9B)を有する複数の縦列(18、20、22)を提供することをさらに含み、各横列は少なくとも一つのシートを有しており、各縦列に含まれる各横列の一つ一つのシートにはそれぞれ一つの乗客用コントロールユニット(24A〜Z1)が関連付けられ、各横列にはそれぞれ一つの乗客用サービスユニット(26A〜Z1)が関連付けられ、方法は、さらに、客室管理ユニットがすべての縦列(18、20、22)の乗客用コントロールユニット(24A〜Z1)、及び乗客用サービスユニット(26A〜Z1)と通信することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
各々が複数の横列(R1〜9、R1A〜9A、R1B〜9B)を有する複数の縦列(18、20、22)と、複数の客室管理ユニットとを提供することを含み、各横列は少なくとも一つのシートを有しており、各縦列に含まれる各横列の一つ一つのシートにはそれぞれ一つの乗客用コントロールユニット(24A〜Z1)が関連付けられ、各横列にはそれぞれ一つの乗客用サービスユニット(26A〜Z1)が関連付けられ、方法は、さらに、客室管理ユニットの各々が縦列(18、20、22)のうちの一つだけの乗客用コントロールユニット(24A〜Z1)、及び乗客用サービスユニット(26A〜Z1)と通信することを含む、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項10】
乗客用コントロールユニット(24A〜Z1)が互いに通信すること、乗客用コントロールユニット(24A〜Z1)の一つが乗客用サービスユニット(26A〜Z1)の一つと直接通信すること、及び乗客用サービスユニット(26A〜Z1)が互いに通信することをさらに含む、請求項6ないし9のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−86794(P2013−86794A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−224058(P2012−224058)
【出願日】平成24年10月9日(2012.10.9)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】