説明

自己洗浄性スプレー先端

【課題】2つ以上の成分を混合し、塗布するアセンブリを提供すること。
【解決手段】出口を含む遠位端であって、出口は、第1の状態中に少なくとも第1の構成を規定し、第2の状態中に少なくとも第2の構成を規定する、遠位端を備えているスプレー先端アセンブリ。遠位端は、出口が前記第1の構成から第2の構成に変化するように曲がるように構成される、スプレー先端アセンブリ。遠位端は、出口が第1の構成から第2の構成に変化するように拡張するように構成される、スプレー先端アセンブリ。計量分配アセンブリを動作可能に係合するように構成される近位端をさらに含む、スプレー先端アセンブリ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、2009年4月22日に出願された米国特許出願第12/427,965号の一部継続出願であり、この米国特許出願は、2008年4月25日に出願された米国仮出願第61/047,826号の利益およびそれに対する優先権を主張し、各出願の内容の全体が本明細書において参照によって援用される。
【0002】
(背景)
(技術分野)
本開示は、2つ以上の成分を混合し、塗布するアセンブリに関する。より詳細には、本開示は、塗布器アセンブリと共に使用するスプレー先端に関し、このスプレー先端は自己清浄が可能である。
【背景技術】
【0003】
(関連技術の背景)
2つ以上の成分を計量分配する塗布器アセンブリは公知である。医療装置分野において、そのようなアセンブリは、典型的には、創傷閉鎖において用いられる生体接着剤、ポリマーおよび他の合成材料を塗布するために用いられる。生体接着剤を形成するために用いられる成分の反応物質の性質のために、溶液が塗布される準備ができるまで、成分の混合は行われない。塗布の前の早過ぎる成分の混合は、結果として混合物の時期尚早の硬化をもたらし得、それによって溶液の塗布を不可能にし得る。従って、公知の塗布器アセンブリにおいて、2つ以上の成分は、塗布の直前まで別々に維持される。塗布器アセンブリは、塗布の前に2つ以上の溶液を混合するための1つ以上の混合手段を含む。混合手段は、受動的(すなわち管における螺旋形構成)であるか、または代わりに、能動的(すなわち混合刃または羽根車)であり得る。一旦混合されると、溶液は、針様の出口を通って塗布され得るか、または代わりにスプレーアセンブリを通って排出され得る。塗布の前の2つ以上の成分の完全な混合は、溶液が意図されるように機能することを確実にするために重要である。
【0004】
処置中に必要とされ得るような塗布器アセンブリの断続的な使用は、塗布器先端の出口を詰まらせる傾向がある。その結果、ほとんどの塗布器アセンブリは、先端の詰まりが発生したときのために若干数の取り替え用先端を備えつけられる。詰まった塗布器先端を取り替えることは、処置の流れを中断し、時間がかかり、そして費用の追加となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、自己清浄が可能な塗布器先端を有することが有益である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(概要)
従って、自己清浄が可能なスプレー先端アセンブリが提供される。スプレー先端アセンブリは、出口を含む遠位端を含む。出口は、第1の状態中に少なくとも第1の構成を規定し、第2の状態中に少なくとも第2の構成を規定する。遠位端は、出口が第1の構成から第2の構成に変化するように、屈曲することおよび拡張することのうちの少なくとも1つを行うように構成され得る。スプレー先端アセンブリは、計量分配アセンブリを動作可能に係合するように構成される近位端をさらに含み得る。遠位端は、屈曲および拡張のうちの少なくとも1つを可能にする材料から構成される。遠位端の少なくとも一部分はシリコーンを含み得る。出口は、正常動作中に第1の構成を規定し、出口がふさがれたとき第2の構成を規定する。遠位端は、第1の構成から第2の構成に変化するように半径方向に屈曲し、拡張し得る。遠位端は、第1の構成から第2の構成に変化するように遠位方向に外側に屈曲することおよび拡張することのうちの少なくとも1つを行い得る。遠位端は、第1の構成から第2の構成に変化するように半径方向にかつ遠位方向に屈曲することおよび拡張することのうちの少なくとも1つを行い得る。出口は、第1の構成において第1の直径を有し、第2の構成において第2の直径を有する実質的に円形の開口部を規定し得る。出口は、第1の構成において第1の直径を有し、第2の構成においてより大きい直径を有する開口部を規定し得る。
【0007】
自己清浄塗布器もまた提供される。自己清浄塗布器の一実施形態は、出口を含む遠位端を有するスプレー先端アセンブリを含む。出口は、正常動作中に少なくとも第1の構成を規定し、出口が少なくとも部分的にふさがれたとき少なくとも第2の構成を規定する。
【0008】
別の実施形態において、自己清浄塗布器は、出口を含む遠位端を有するスプレー先端アセンブリを含み、出口は、正常動作中に少なくとも第1の構成を規定し、出口が少なくとも部分的にふさがれたとき少なくとも第2の構成を規定する。
【0009】
さらに別の実施形態において、自己清浄塗布器は、出口を含むスプレー先端アセンブリを含む。スプレー先端アセンブリは、出口から障害物を除去することが可能である。
【0010】
なおも別の実施形態において、自己清浄塗布器は、出口を規定するスプレー先端アセンブリを含む。スプレー先端アセンブリは、出口から障害物を除去するために断面形状における変化を受けることが可能である。
【0011】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の実施形態を例示し、上記になされる本開示の全体的な説明および以下になされる実施形態の詳細な説明と共に本開示の原理を説明することに役立つ。
【0012】
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
出口を含む遠位端であって、該出口は、第1の状態中に少なくとも第1の構成を規定し、第2の状態中に少なくとも第2の構成を規定する、遠位端を備えているスプレー先端アセンブリ。
(項目2)
上記遠位端は、上記出口が上記第1の構成から上記第2の構成に変化するように曲がるように構成される、上記項目のいずれかに記載のスプレー先端アセンブリ。
(項目3)
上記遠位端は、上記出口が上記第1の構成から上記第2の構成に変化するように拡張するように構成される、上記項目のいずれかに記載のスプレー先端アセンブリ。
(項目4)
計量分配アセンブリを動作可能に係合するように構成される近位端をさらに含む、上記項目のいずれかに記載のスプレー先端アセンブリ。
(項目5)
上記遠位端は、屈曲および拡張のうちの少なくとも1つを可能にする材料を含む、上記項目のいずれかに記載のスプレー先端アセンブリ。
(項目6)
上記遠位端の少なくとも一部分はシリコーンを含む、上記項目のいずれかに記載のスプレー先端アセンブリ。
(項目7)
上記出口は、正常動作中に上記第1の構成を規定し、該出口が少なくとも部分的にふさがれたとき上記第2の構成を規定する、上記項目のいずれかに記載のスプレー先端アセンブリ。
(項目8)
上記遠位端は、上記第1の構成から上記第2の構成に変化するように半径方向に屈曲することおよび拡張することのうちの少なくとも1つを行うように構成される、上記項目のいずれかに記載のスプレー先端アセンブリ。
(項目9)
上記遠位端は、上記第1の構成から上記第2の構成に変化するように遠位方向に屈曲することおよび拡張することのうちの少なくとも1つを行うように構成される、上記項目のいずれかに記載のスプレー先端アセンブリ。
(項目10)
上記遠位端は、上記第1の構成から上記第2の構成に変化するように半径方向にかつ遠位方向に屈曲することおよび拡張することのうちの少なくとも1つを行うように構成される、上記項目のいずれかに記載のスプレー先端アセンブリ。
(項目11)
上記出口は、上記第1の構成において第1の直径を有し、上記第2の構成において第2の直径を有する実質的に楕円形の開口部を規定する、上記項目のいずれかに記載のスプレー先端アセンブリ。
(項目12)
上記出口は、上記第1の構成において第1の直径を有し、上記第2の構成においてより大きい直径を有する開口部を規定する、上記項目のいずれかに記載のスプレー先端アセンブリ。
(項目13)
出口を含む遠位端を有するスプレー先端アセンブリを備え、該出口は、正常動作中に少なくとも第1の構成を規定し、該出口が少なくとも部分的にふさがれたとき少なくとも第2の構成を規定する、自己清浄塗布器。
(項目14)
出口を含むスプレー先端アセンブリを備え、該スプレー先端アセンブリは、該出口から障害物を除去することが可能である、自己清浄塗布器。
(項目15)
出口を規定するスプレー先端アセンブリを備え、該スプレー先端アセンブリは、該出口から障害物を除去するために断面形状の変化を受けることが可能である、自己清浄塗布器。
【0013】
(摘要)
自己清浄が可能なスプレー先端アセンブリが提供される。スプレー先端アセンブリは、出口を含む遠位端を含む。出口は、第1の状態中に少なくとも第1の構成を規定し、第2の状態中に少なくとも第2の構成を規定する。遠位端は、出口が第1の構成から第2の構成に変化するように、屈曲することおよび拡張することのうちの少なくとも1つを行うように構成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本開示の実施形態に従う、スプレー先端アセンブリを含む塗布器アセンブリの分解組立斜視図である。
【図2】図2は、図1の塗布器アセンブリのマニホルドの断面側面図である。
【図3】図3は、図1の塗布器アセンブリのスプレー先端アセンブリの断面側面図である。
【図4】図4は、図3のスプレー先端アセンブリの遠位端の拡大断面図である。
【図5】図5は、想像図で示される内部構造を有する、図3および図4のスプレー先端アセンブリの側面図である。
【図6】図6は、線6−6に沿ってとられた、図5のスプレー先端アセンブリの断面図である。
【図6A】図6Aは、図6のスプレー先端の代替の実施形態の断面図である。
【図7】図7は、本開示の別の実施形態に従う塗布器アセンブリの分解組立斜視図である。
【図8】図8は、図7の塗布器アセンブリの平面図である。
【図9】図9は、図8の線9−9に沿ってとられた、図7および図8の塗布器アセンブリの断面側面図である。
【図10】図10は、図9の部分10の拡大断面図である。
【図11】図11は、図10の線11−11に沿ってとられた、図9のスプレー先端アセンブリの断面図である。
【図12】図12は、様々な材料から構成されるスプレー先端アセンブリの有効性を決定するために行われた研究の結果を示すグラフである。
【図13A】図13Aは、第1の状態または拡張されていない状態および/または屈曲していない状態における、図7のスプレー先端アセンブリの遠位端の断面図である。
【図13B】図13Bは、半径方向に拡張させられた状態および/または屈曲した状態における、図12Aのスプレー先端アセンブリの遠位端の断面図である。
【図14A】図14Aは、第1の状態または拡張されていない状態および/または屈曲していない状態における、図7のスプレー先端アセンブリの遠位端の断面図である。
【図14B】図14Bは、長手方向に拡張された状態および/または屈曲した状態における、図13Aのスプレー先端アセンブリの遠位端の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(詳細な説明)
最初に図1を参照すると、本開示に従うスプレー先端アセンブリを含む塗布器アセンブリが、全体として塗布器アセンブリ10として示される。塗布器アセンブリ10は、マニホルドまたはベース20と、マニホルド20から延びる細長いシャフト30と、細長いシャフト30の遠位端30bに位置を決められるスプレー先端アセンブリ50とを含む。塗布器アセンブリ10は、スプレー先端アセンブリ50内に受容され、細長いシャフト30の遠位に位置を決められるように構成されるインサート40をさらに含む。
【0016】
ここで図2を参照すると、マニホルド20は、第1の近位延長部22および第2の近位延長部24と、遠位延長部26とを有する実質的にY形状の部材を含む。近位延長部22、24は、例えば注入器などの、第1の成分の供給源および第2の成分の供給源(図示されていない)を動作可能に係合するように構成される。遠位延長部26は、以下にさらに詳細に考察されるように、細長いシャフト30を動作可能に係合するように構成される。マニホルド20は、第1の成分のチャネル23と、第2の成分のチャネル25とをさらに含む。第1の成分のチャネル23および第2の成分のチャネル25は、第1の成分の供給源および第2の成分の供給源を細長いシャフト30内に形成される第1の内腔33および第2の内腔35と流体的に連絡する。示されるように、マニホルド20は、2つの成分の供給源のみを受容するように構成されるが、マニホルド20が3つ以上の成分の供給源を受容するように構成され得ることが想定される。
【0017】
図1に戻って参照すると、細長いシャフト30は、シリコーン、プラスチック、ポリマーまたは他の可撓性材料の実質的に中実の本体を規定し得る。上記のように、細長いシャフト30は、シャフト30の長さに沿って延びる第1の成分の内腔33と、第2の成分の内腔35とを含む。可鍛性材料から構成されるワイヤ36もまた、細長いシャフト30の長さに沿って延びる。細長いシャフト30が所与の処置に適応するように曲げられたかまたは屈曲させられた後、ワイヤ36は曲げられた構成または屈曲した構成に細長いシャフト30を維持するように構成される。細長いシャフト30は、第1の成分の内腔33および第2の成分の内腔35がそれぞれ第1の成分のチャネル23および第2の成分のチャネル25に整列するように、マニホルド20の遠位延長部26に固定される。あるいは、細長いシャフト30は、マニホルド20の遠位端に一体的に形成され得る。細長いシャフト30は、溝、移動止め、ねじ切りをさらに含み得、またはそうでなければスプレー先端アセンブリ50を確実に係合するように構成され得る。
【0018】
ここで図3〜図6を参照すると、スプレー先端アセンブリ50は、開放した近位端52aと、実質的に閉鎖した遠位端52bとを有する実質的に円筒形の本体52を規定する。開放した近位端52aは、細長いシャフト30の遠位端30bを受容するように構成される(図3)。以下にさらに詳細に考察されるように、遠位端52bは、完全に混合された溶液を排出するように構成される出口59を含む。スプレー先端アセンブリ50は、シリコーンまたは他の適切な生体適合材料から構成され得る。
【0019】
一実施形態において、スプレー先端アセンブリ50は、例えば、Momentive Performance Materials,Waterford,NYから入手可能なTUFEL(登録商標)II 94706(シリコーンゴム化合物)およびLIM(登録商標)6071(液体シリコーンゴム)などのシリコーンエラストマーから構成される。試験によって、70デュロメータを有するシリコーンから構成されるスプレー先端アセンブリ50が、動作中に、それ自体が詰まりをなくすことが可能であることが見出された。様々なデュロメータの他のシリコーンもまた、それ自体が清浄するかまたは詰まりをなくすことに有効であり得ることが想定される。シリコーンの可撓性の性質は、スプレー先端アセンブリ50が詰まっている間に受ける増加した圧力の下で、スプレー先端アセンブリ50が屈曲することを可能にする。スプレー先端アセンブリ50の屈曲は、スプレー先端アセンブリ50内に形成され得るいかなる詰まりも取り除く。さらに、シリコーンの非湿潤性の表面特性(疎水性)は、スプレー先端アセンブリ50の詰まりを防ぐのを助け得る。動作中に、それ自体が詰まりをなくすというスプレー先端アセンブリ50の能力は、スプレー先端アセンブリ50を繰返し変える必要なく、塗布器アセンブリ10の連続した使用を可能にする。この態様で、処置の長さは減少させられ得、複数のスプレー先端アセンブリを用いるという費用および不便が除去される。
【0020】
なおも図3〜図6を参照すると、スプレー先端アセンブリ50は、第1のチャンバ54と、中間チャンバ56と、最終チャンバ58とを含む。第1のチャンバ54は、細長いシャフト30の遠位端30bを受容するための実質的に円筒形の空洞を規定する。以下にさらに詳細に考察されるように、第1のチャンバ54は、細長いシャフト30の遠位端30bがインサート40に対して同一平面で受容されるように構成される。しかしながら、細長いシャフト30の遠位端30bがインサート40から近位に間隔を空けて置かれるように第1のチャンバ54が構成されることが想定される。中間チャンバ56は、インサート40を受容するように構成される実質的に円筒形の空洞を規定する。中間チャンバ56は、インサート40(図6において想像線で示される)を中間チャンバ56内で中心に維持するためのリブまたはスペーサ56aを含む。インサート40は、中間チャンバ56内に位置を決められる中実の実質的に円筒形の部材を含み、リブ56aによって作られる空間においてインサート40の周りに第1および第2の成分を流すようにする。インサート40が中間チャンバ56から第1のチャンバ54の中に近位に延びるような大きさで作られ得、インサート40が細長いシャフト30の遠位端30bに対して同一平面で受容されること確実にし得ることが想定される。
【0021】
なおも図3〜図6を参照すると、最終チャンバ58は、先細の遠位部分58aを有する実質的に円筒形の空洞を規定する。スプレー先端アセンブリ50は、中間チャンバ56および最終チャンバ58と流体的に連絡する、スプレー先端アセンブリ50に形成されるスロット57を含む。スロット57は、向かい合う開口部を規定し、この向かい合う開口部は、最終チャンバ58に接する線と接線から反時計回りに約20度(20°)との間に最終チャンバ58から外側に斜めになっている。以下にさらに詳細に考察されるように、スロット57は、部分的に混合された第1および第2の成分を中間チャンバ56内から最終チャンバ58の中に向ける。一対の向かい合う開口部として示されるが、スプレー先端アセンブリ50が、1つのみのスロット57(図6A)を含み得るか、または代わりに3つ以上のスロット57(図6Aに想像図で示される)を含み得ることが想定される。出口59は、完全に混合された溶液をおおよそ円錐形のスプレーに霧状にするように構成される。図4に示されるように、近位から遠位に、出口59は、第1の円筒形部分59aと、第2の円筒形部分59bと、凹部分59cとを含む。しかしながら、出口59が第2の円筒形部分59bなしで形成され得ることが想定される。
【0022】
塗布器アセンブリ10の動作が、ここで図に関連して説明される。使用前にインサート40は、スプレー先端センブリ50の中間チャンバ56内に受容される。上記に考察されるように、インサート40は、中間チャンバ56を通過する流体が、複数のリブ56a間に作られる空間においてインサート40の周りに押し込まれるように位置を決められる。スプレー先端アセンブリ50は、細長いシャフト30の遠位端30bに選択可能に受容される。上記に考察されるように、マニホルド20は、細長いシャフト30と一体的に形成され得るか、または代わりに、使用前に細長いシャフト30をマニホルド20に手動で固定し、第1の成分のチャネル23および第2の成分のチャネル25が第1の成分の内腔33および第2の成分の内腔35と整列することを確認することが必要であり得る。第1の成分の供給源および第2の成分の供給源(図示されていない)は、それぞれ、次に第1の近位延長部22および第2の近位延長部24に接続される。一旦マニホルド20に固定されると、第1の成分の供給源および第2の成分の供給源は、例えば注入器プランジャ(図示されていない)の押下などによって作動され得、第1の成分のチャネル23および第2の成分のチャネル25内に第1の成分および第2の成分を流すことを開始し得る。第1の成分および第2の成分はそれぞれ、第1の成分のチャネル23および第2の成分のチャネル25を通り、第1の成分の内腔33および第2の成分の内腔35を通って、スプレー先端アセンブリ50の中に流れる。
【0023】
第1の成分の内腔33および第2の成分の内腔35から流れる第1の成分および第2の成分は、中間チャンバ56によって保持されるインサート40に出会う。第1の成分の内腔33および第2の成分の内腔35は、第1の成分および第2の成分がリブ56aとインサート40との間に作られる空間においてインサート40の周りに流れ得るように、間隔を空けて置かれる。第1の成分および第2の成分は、次いで、スロット57の中に押し込まれ、スロット57において、それらの成分は、最終チャンバ58の方に半径方向に内側に向けられる。スロット57を通る混合物の流れは、混合物が最終チャンバ58に入ると、混合物に渦運動を加える。その後、完全に混合された溶液は、それが円錐形のスプレーで出口59を通って排出されると、霧状にされる。
【0024】
図7〜図11を見ると、本開示の代替の実施形態が全体として塗布器アセンブリ110として示される。塗布器アセンブリ110は、塗布器アセンブリ10と実質的に同様であり、従って、それらの間における相違に関してのみ説明される。最初に図7および図8を参照すると、塗布器アセンブリ110は、一対の逆止め弁105を受容するように構成されるマニホルドまたはベース120と、マニホルド120から延びる細長いシャフト130と、細長いシャフト130の遠位端に位置を決められるスプレー先端アセンブリ150とを含む。インサート140はスプレー先端アセンブリ150内に受容され、収縮管160はスプレー先端アセンブリ150の周りに受容される。
【0025】
図7を参照すると、第1の成分のチャネル123および第2の成分のチャネル125は、マニホルド120の遠位端から延びる。第1の成分のチャネル123および第2の成分のチャネル125は、細長いシャフト130を通って延びる第1の成分の内腔133および第2の成分の内腔135と流体的に連絡するように構成される。この構成は、マニホルド120と細長いシャフト130との間のより確実な流体密閉を可能にする。
【0026】
ここで図9および図10を参照すると、インサート140は、インサート40と実質的に同様であり、スプレー先端アセンブリ150内に受容されるように構成される実質的に円筒形の部材を含む。示されるように、インサート140は、インサート140の第1の端部に半球の凹部141を含むが、しかしながら、製造および組み立てを容易にするために、半球の凹部141は、インサート140の両端部に形成され得ることが想定される。凹部141は、混合物が出口59を通って排出される前に、第1の成分および第2の成分の流れに乱流を作るように構成される。
【0027】
なおも図9および図10を参照すると、収縮管160は、スプレー先端アセンブリ150の周りに受容され、動作中のスプレー先端アセンブリ150の過度の半径方向への拡張/屈曲を防ぐ。収縮管160はまた、スプレー先端アセンブリ150を細長いシャフト130に固定することを助け得る。収縮管160は、Teflon(登録商標)または他の適切な材料から形成され得る。
【0028】
ここで図11を参照すると、スプレー先端アセンブリ150は、上記に説明されるスプレー先端アセンブリ50に実質的と同様であり、半径方向に延びるスロット157を含む。ガターまたは環状の凹部157aは、スロット157の周りに形成される。ガター157aは、部分的に混合された第1の成分および第2の成分をスロット157に向けるように構成される。
【0029】
ここで図12〜図14Bを参照すると、スプレー先端アセンブリ150の断続的な使用中に、スプレー先端アセンブリ150に保持される接着剤が重合化またはゲル化し始めると、スプレー先端アセンブリ150の出口159が、詰まった状態になり得るかまたはふさがれるようになり得る。少しの間スプレーを停止した後に、適切に機能を果たす(すなわち、スプレーを継続するかまたは自身で詰まりをなくしてスプレーを継続する)という様々な材料のスプレー先端アセンブリの能力を比較する研究がなされた。試験された材料は、C−Flex R70−005(30 デュロメータ)と、Dynaflex GLS 2711(43 デュロメータ)と、Santaprene 281−64(60 デュロメータ)と、Pellathane(90 デュロメータ)と、GE Silicone(70 デュロメータ)とを含んだ。研究の結果は、シリコーンから構成されるスプレー先端アセンブリが、繰返し、自身であらゆる障害物の詰まりをなくし、その時間の100%でスプレー動作を継続することが可能であったことを示す。以下の表1および図12を参照されたい。
【0030】
【表1】

図13Aおよび図13Bを参照すると、スプレー先端アセンブリ150の動作中のスプレーの少しの間の停止は、結果として、出口159をふさぎ得る詰まりまたは障害物「C」の形成をもたらし得る。出口159における詰まり「C」の存在は、スプレー先端アセンブリ150の少なくとも部分的なスプレー放出の停止を引き起こし、多くの場合、詰まり「C」は、出口159を通る流れを完全にふさぐ。出口159を部分的にふさぐことであろうと完全にふさぐことであろうと、詰まり「C」は、スプレー先端アセンブリ150内に圧力の上昇を作り出す。示されるように、詰まり「C」によって作られる圧力の上昇は、矢印「A」によって描かれるように、スプレー先端アセンブリ159を半径方向に外側に拡張および/または屈曲させる。本明細書において用いられる場合、拡張は材料の伸張をいい、一方、屈曲は材料の変形をいう。スプレー先端アセンブリ150の半径方向の拡張および/または屈曲は、出口159の構成を変化させる。
【0031】
示されるように、スプレー先端アセンブリ150の半径方向の拡張および/または屈曲は、スプレー先端アセンブリの少なくとも一部分に沿って出口159の直径を増加させる。半径方向の拡張および/または屈曲の度合に従って、スプレー先端アセンブリ150の最終チャンバ158もまた、スプレー先端アセンブリ150の少なくとも一部分に沿って直径が増加し得る。出口159の直径の増加は、詰まり「C」が出口159を通過することを可能にする。一旦出口159の詰まり「C」が除去されると、スプレー先端アセンブリ150内の圧力の上昇は消散し、出口159は元の拡張されていない/屈曲されていない構成に戻る。この態様で、スプレー先端アセンブリ150は、詰まり「C」を自己清浄することが可能であり、自己清浄は、追加の外部の影響なしに、出口159から、詰まり「C」を除去することが可能であることを意味する。スプレー先端アセンブリ150の構成は、一様な半径方向の拡張/屈曲または対称的な半径方向の拡張/屈曲として示されるが、スプレー先端アセンブリ150の非対称的な拡張および/または屈曲を可能にし得ることは理解される。この態様で、出口159は、例えば、引き伸ばしなどの非対称的な拡張/屈曲を受け得る。
【0032】
ここで図14Aおよび図14Bを見ると、スプレー先端アセンブリ150内において詰まり「C」によって作られる圧力の上昇は、さらにまたは代わりに、矢印「B」によって示されるように、スプレー先端アセンブリ150を遠位方向または長手方向に拡張および/または屈曲させ得る。スプレー先端アセンブリ150の長手方向の拡張および/または屈曲は、出口159の構成の変化を引き起こす(想像線で示される)。示されるように、スプレー先端アセンブリ150の長手方向の拡張および/または屈曲は、スプレー先端アセンブリの少なくとも一部分に沿って出口159の直径を増加させる。半径方向の拡張および/または屈曲の度合に従って、スプレー先端アセンブリ150の最終チャンバ158もまた、スプレー先端アセンブリ150の少なくとも一部分に沿って直径が増加または減少し得る。
【0033】
図示されていないが、スプレー先端アセンブリ150の中間チャンバ156は、スプレー先端アセンブリ150の半径方向および/または長手方向の拡張/屈曲中に構成の変化を受け得る。拡張および/または屈曲の期間中に、詰まり「C」が出口159から除去されると、インサート140に対する第1の成分および第2の成分の力は、中間チャンバ156の遠位端に対して同一平面でインサート140の遠位端140aを維持し、それによって、第1の成分および第2の成分は最終チャンバ158の中に適切に向けられる。
【0034】
様々に構成されるスプレー先端アセンブリ150の特性を公知のスプレー先端アセンブリ(図示されていない)と比較する第2の研究がなされた。研究の結果は、スプレー先端アセンブリ150の周りに受容されるTeflon(登録商標)熱収縮管160(図7)を含むスプレー先端アセンブリ150が、スプレー先端アセンブリ150の開始/停止の機能を改善したということを示す。さらに、細長いシャフト130の遠位端130bとインサート140との間に1mm〜2mmの小さい空間を配置することがスプレー性能を改善しないことを証明したことが見出された。
【0035】
本開示の例示的な実施形態が、添付の図面を参照して本明細書において説明されたが、本開示がこれらの正確な実施形態に限定されないことと、本開示において様々な他の変更および修正が、本開示の範囲または精神から逸脱することなく当業者によって達成され得ることとは理解されるべきである。
【符号の説明】
【0036】
10 塗布器アセンブリ
20 マニホルドまたはベース
22 第1の近位延長部
23 第1の成分のチャネル
24 第2の近位延長部
25 第2の成分のチャネル
26 遠位延長部
30 シャフト
33 第1の成分の内腔
35 第2の成分の内腔
36 ワイヤ
40 インサート
50 スプレー先端アセンブリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出口を含む遠位端であって、該出口は、第1の状態中に少なくとも第1の構成を規定し、第2の状態中に少なくとも第2の構成を規定する、遠位端を備えているスプレー先端アセンブリ。
【請求項2】
前記遠位端は、上記出口が前記第1の構成から前記第2の構成に変化するように曲がるように構成される、請求項1に記載のスプレー先端アセンブリ。
【請求項3】
前記遠位端は、前記出口が前記第1の構成から前記第2の構成に変化するように拡張するように構成される、請求項1に記載のスプレー先端アセンブリ。
【請求項4】
計量分配アセンブリを動作可能に係合するように構成される近位端をさらに含む、請求項1に記載のスプレー先端アセンブリ。
【請求項5】
前記遠位端は、屈曲および拡張のうちの少なくとも1つを可能にする材料を含む、請求項1に記載のスプレー先端アセンブリ。
【請求項6】
前記遠位端の少なくとも一部分はシリコーンを含む、請求項1に記載のスプレー先端アセンブリ。
【請求項7】
前記出口は、正常動作中に前記第1の構成を規定し、該出口が少なくとも部分的にふさがれたとき前記第2の構成を規定する、請求項1に記載のスプレー先端アセンブリ。
【請求項8】
前記遠位端は、前記第1の構成から前記第2の構成に変化するように半径方向に屈曲することおよび拡張することのうちの少なくとも1つを行うように構成される、請求項1に記載のスプレー先端アセンブリ。
【請求項9】
前記遠位端は、前記第1の構成から前記第2の構成に変化するように遠位方向に屈曲することおよび拡張することのうちの少なくとも1つを行うように構成される、請求項1に記載のスプレー先端アセンブリ。
【請求項10】
前記遠位端は、前記第1の構成から前記第2の構成に変化するように半径方向にかつ遠位方向に屈曲することおよび拡張することのうちの少なくとも1つを行うように構成される、請求項1に記載のスプレー先端アセンブリ。
【請求項11】
前記出口は、前記第1の構成において第1の直径を有し、前記第2の構成において第2の直径を有する実質的に楕円形の開口部を規定する、請求項1に記載のスプレー先端アセンブリ。
【請求項12】
前記出口は、前記第1の構成において第1の直径を有し、前記第2の構成においてより大きい直径を有する開口部を規定する、請求項1に記載のスプレー先端アセンブリ。
【請求項13】
出口を含む遠位端を有するスプレー先端アセンブリを備え、該出口は、正常動作中に少なくとも第1の構成を規定し、該出口が少なくとも部分的にふさがれたとき少なくとも第2の構成を規定する、自己清浄塗布器。
【請求項14】
出口を含むスプレー先端アセンブリを備え、該スプレー先端アセンブリは、該出口から障害物を除去することが可能である、自己清浄塗布器。
【請求項15】
出口を規定するスプレー先端アセンブリを備え、該スプレー先端アセンブリは、該出口から障害物を除去するために断面形状の変化を受けることが可能である、自己清浄塗布器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13A】
image rotate

【図13B】
image rotate

【図14A】
image rotate

【図14B】
image rotate


【公開番号】特開2011−83615(P2011−83615A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−233123(P2010−233123)
【出願日】平成22年10月15日(2010.10.15)
【出願人】(507156015)コンフルエント サージカル, インコーポレイテッド (21)
【Fターム(参考)】