説明

自己洗浄排出物チャンバを含む早期の腹膜炎検出のための装置並びに方法

【課題】本発明は、なかんずく、細胞スケールの距離で解像された排出物の光学的特性に基づいて、例えば、腹膜炎の発症を検出するために、(例えば、APDシステム又はCAPD装備での)流れ通路でPD排出物を検査する自動化された医療的な方法及び装置を提供する。
【解決手段】例えば、本発明の一形態によれば、APD機械は、排出物流れ通路で、照射光源及び検出器を備えている早期の腹膜炎検出のための装置を含んでいる。光源は、流れ通路の一部を形成するチャンバで腹膜排出物を照射するために配置され、そして、検出器は排出物によって拡散された発光体を検出するべく配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医学的診断検査のための装置及び方法に関する。それは、なかんずく、例えば、持続的携帯型腹膜透析(CAPD)及び自動化された腹膜透析(APD)処置の際、腹膜炎の現場を検出するのに用途を有する。
【背景技術】
【0002】
腹膜透析(PD)とは、腹部の壁あるいは腹膜腔を取り巻いている半透膜を利用する、血液から毒素を取り除くための医療処置である。PD処置の際には、溶液が患者の腹部に導入され、そこで数時間残留し、その膜を通しての浸透移送を介して血液毒素を除去する。処置の完了時には、溶液が毒素とともに体内から排出される。CAPDは、この処置の手動の形式であり、患者が新鮮なPD溶液を入れ、そして使われたPD溶液を腹膜から手動で排出することを必要とする。APDでは、全部の処置が自動化された機器によって取扱われる。
【0003】
腹膜炎は、CAPDとAPDとの両者の共通の合併症である。しばしば、透析の間に腹膜への(例えば、PD移送セットを構成する、チューブ、コネクタ及び他の装置からの)細菌の導入によって起こされ、この腹膜の腫れは、嘔吐、腹部の圧痛及び他の症状の主因となる。抗生物質への反応はあるが、腹膜炎はAPD及びCAPD治療に患者が留まる能力を終わらせることができる。極端な場合には、それは致命的であり得る。
【0004】
急性の臨床的な症状が発生したときに通常行われる、腹膜炎のための標準的な検査は、グラム染色法、腹膜体液での細胞計数の実行、その体液の培養、及び/又は血液の培養を含んでいる。たいてい、これらの検査は患者が症状を訴えた後に、研究室内で行われ得るのみである。その時までには、腹膜炎は進み、不当な患者の窮迫やより大規模な処置を必要とすることになる。
【0005】
最近は、試薬検査細片が利用可能になり、医者あるいは患者自身が、より即時の診断を行うことを可能にしている。しかしながら、検査細片は、有用性につき制限された時間域を有し、そして早期検出においては一般に成功を収めていない。
【0006】
CAPD及びAPDの患者は、典型的に、もう1つの腹膜炎の症状、すなわち、混濁あるいは曇った排出物の袋について鋭い眼識を維持するように助言される。これは、不幸にも遅く発生し、そして、もしPD溶液が排除の前に長期間体内に残っているなら、(例えば、APD患者の日中の滞留の間のケースのように)さらに倍化される。混濁排出物の検出は、長い排出ラインを備えるAPD機器ではさらに複雑である。というのも、患者は排出ラインを見ることができるのみで、(濁度がいっそう容易に明らかであるところの)排出物袋を見ることができないからである。さらに、盲目、あるいは弱い視力の患者は、使用したPD流体の濁度を点検するのに、友人、家族及び/又は世話人に頼らなければならない。
【0007】
先行技術は、このような混濁が自動的に、例えば、APD機器の中で、PD排出物の容器の一側に位置された光源と反対側に位置された検出器を用いることで、容器を通過する非干渉性の多色光の全量を検出することにより、検出されてもよいことを示唆している。この技術の実施は、一般に、低SN比のために信頼性が立証されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の1つの目的は、家庭又は研究室での医療診断、検査及び/又は処置のための改善された方法及び装置を提供することである。
【0009】
本発明のさらなる目的は、PD治療のための改善された方法及び装置を提供することである。
【0010】
本発明のまださらなる目的は、例えば、腹膜透析に関連して、腹膜炎の兆候を検出するための改善された方法及び装置を提供することである。
【0011】
本発明のまだそれ以上の目的は、妥当なコストで実行され、しかも、有効な結果を生じさせることができるような方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述の目的は、本発明の一形態で、流れ通路内で細胞スケールで解像されたPD排出物の光学的特性から腹膜炎の兆候を検出する、自動化された医療検査方法及び装置を提供する本発明により達成される。
【0013】
例えば、本発明の一形態によれば、APD機械は、排出物流れ通路で、照射光源及び検出器を備えている早期の腹膜炎検出のための装置を含んでいる。光源は、流れ通路の一部を形成するチャンバで腹膜排出物を照射するために配置され、そして、検出器は排出物によって拡散された光を検出するべく配置されている。検出器は、細胞スケールの解像度、例えば、排出物での個別の細胞サイズの生物学的(又は他の)構成要素が検出器によって検出された拡散事象に基づいて互いから区別され得るようなスケールで拡散した光を検出する。
【0014】
本発明の関連した形態は、排出物での個別の白血球(WBCs)が光の反射と拡散(集合的に、「拡散」という)に基づいて互いに区別され得るように、検出器が配置されている上述のような装置を提供する。そのように配置された検出器を備える装置は、例として、拡散からこのようなWBCsを計数することができ、そして、さらに、もしそれらの計数値が長い時間にわたって変化する及び/又は基準線から変化するなら、腹膜炎の兆候を合図することができる。
【0015】
さらに本発明の関連した形態は、排出物での細胞サイズの生物学的(又は他の)異なったタイプの構成要素が、それらによって拡散された光に基づいて区別され得るように、検出器が配置されている上述のような装置を提供する。本発明の関連した形態は、排出物内のWBCsが拡散に基づいて赤血球(RBCs)、フィブリン及び/又は他の構成要素から区別されるのを可能にするように検出器が配置されているような装置を提供する。
【0016】
本発明の他の形態は、排出物内での選択された生物学的な構成要素の計数において、例えば、長い時間にわたる及び/又は基準線からの変化に基づいて腹膜炎の兆候を示す上述のような装置を提供する。本発明の関連した形態は、例えば、排出物でのWBCsに関して、これらの計数値の変化の傾向を演算するような装置を提供する。本発明のさらに関連した形態は、その傾向を時間に関するそれらの計数値の曲線の傾斜として演算し、その傾斜が選択された量を超えるとき、腹膜炎の兆候を合図するような装置を提供する。
【0017】
本発明の他の関連した形態は、検出器が、拡散事象の強度及び/又は位置に基づいて、拡散事象− すなわち、光が排出物から検出器まで反射且つ拡散される事象−を計数するような装置を提供する。本発明のそのような一形態では、検出器は、例えば、排出物から検出された光の強度に基づいて、拡散事象を計数するように構成されているピンダイオードを備える。本発明のこの形態による装置は、ある強度(あるいは強度の範囲、例えば、それは細胞の寸法に基づいている)の計数値が、例えば、基準線から、及び/又は患者からの使用済みのPD溶液の排液間で変化するとき、及び/又は長い間での変化の傾向が選択された量を超えるとき、例えば、腹膜炎の兆候を合図することができる。
【0018】
他のそのような形態では、検出器は、チャンバを画像形成するべく、 すなわち、位置と(累積的な)強度との両方に基づいて拡散事象を記録するべく、配置された電荷結合素子(CCD)を備えている。本発明のさらに関連した形態は、検出器が(例えば、強度に基づいて)拡散事象を計数しつつ、そのような画像の1つ以上のヒストグラムを生成するような装置を提供する。本発明のさらにまた関連した形態は、例えば、患者からの使用済みのPD溶液の排出の間に撮られた多数の画像からヒストグラムを生成するような装置を提供する。上述のように、本発明のこれらの形態による装置は、ある強度(あるいは強度の範囲)の計数値が長い時間にわたり、例えば、基準線から、及び/又は患者からのPD排出物の連続した排出の間で変化するとき、例えば、腹膜炎の兆候を合図することができる。
【0019】
本発明の他の関連した形態は、ヒストグラムが画像に記録される選択された拡散、例えば、選択された強度及び/又は長さの拡散事象に関してのみ形成されるような装置を提供する。本発明のこれらの形態による装置は、WBCs(そして、例えば、RBCs又はフィブリンではない)によって起こされやすい拡散事象からの計数値が時間にわたり基準線から及び/又は患者からのPD排出物の連続した排出の間で変化するとき、例えば、腹膜炎の兆候を合図することができる。
【0020】
本発明のさらなる形態は、照射光源がレーザーダイオード(あるいは干渉性光の他の光源)であるような装置を提供する。
【0021】
本発明の関連した形態は、検出器が側方拡散事象、例えば、レーザーダイオードによる照射光源の光線に直交する視野の中で検知可能な事象を検出するべく配置されているような装置を提供する。
【0022】
本発明のさらに関連した形態は、レーザーダイオードによる照射光源が、拡散事象が検出器によって計数される流れ通路の部分内に配置され、−そして、特に、例えば、中心付けられた−ビームを備えるような装置を提供する。
【0023】
本発明のさらにまた関連した形態は、レーザーによる光源を持つ光が拡散事象が計数されるべき生物学的(又は他の)構成要素の寸法特性に基づいて選択されたビーム幅を有するような装置を提供する。本発明のさらに関連した形態は、ビーム幅が構成要素、例えば、WBCsの大きさのおよそ1.5倍の直径を有するような方法を提供する。本発明のさらに他の形態は、ビーム幅が、円形且つガウス断面のいずれも、又は、他のビーム寸法及び/又は形状-を有するような装置を提供する。
【0024】
本発明のさらなる形態は、検出器が、排出物の構成要素から拡散された光を細胞スケールの距離で解像すべく配置されたレンズを備えるような装置を提供する。本発明の関連した形態は、レンズが、検出器の視野の中で流れ通路の実質的な部分を包含する視野の深さ、例えば、拡散事象が検出される流れチャンバを包含する視野の深さを提供すべく配置されるような装置を提供する。
【0025】
本発明のさらなる形態は、前述のチャンバが排出物内に層流の流れを誘導する上述のような装置を提供する。このようなチャンバは、例えば、内壁が概ね立方体又は直方体の平行六面体領域を画成している中央部分を有している光学的にクリアな部分を備えている。
【0026】
本発明の関連した形態によれば、中央部分は、ピラミッド状の錐台を概ね画成する内壁を有しているチャンバの一部を介して、流れの入口ポートに連結され得る。同様に、本発明のさらに関連した形態によれば、中央部分は、同じく概ねピラミッド状の錐台を画成する内壁を有しているチャンバの一部を介して、流れの出口ポートに連結され得る。
【0027】
本発明のさらなる形態は、チャンバが流れ通路に配置されたディフレクターを備えている上述のような装置を提供する。ディフレクターは、チャンバを流れる排出物の乱れを増すことができ、流体のレイノズル数を、例えば、およそ100以上、そして、より好ましくは、およそ250以上に増大させる。本発明のこれらと他の形態では、ディフレクターの結果として流れに導入された乱れがその内壁をきれいにすることを促進する − 詳しくは、例えば、白血球、赤血球及び排出物の他の構成要素をそれらから除去する。
【0028】
本発明の他の形態は、腹膜流体を生体上で、すなわち、患者の腹膜で検査することによって、腹膜炎の兆候と他の状態を検出する上述のものに相応する自動化された医療検査方法及び装置を提供する。本発明の一形態によれば、このような装置は、上に説明されたように、患者の外部に共に配置されている照射光源及び検出器を含む。第1の光ファイバ束が、光源から腹膜へ光を運ぶ。第2の光ファイバ束が、腹膜で腹膜流体によって拡散された光を検出器に運ぶ。
【0029】
本発明の関連した形態は、第1及び第2の光ファイバ束の末端部が、後者が反射された及び/又は拡散された(集合的に、「拡散された」)光を、細胞スケールの解像度、例えば、腹膜流体内の個別の細胞サイズの生物学的(あるいは、他の)構成要素が互いに区別できるようなスケールで検出し、そしてそれを検出器に伝送するように構成されている上述のような装置を提供する。
【0030】
本発明の他の関連した形態は、光ファイバ束の一つ以上が、カテーテルを介して装置から患者の腹膜まで経路付けられている。これは、例えば、装置が用いられるAPD機械、CAPDシステム、あるいは他の機器の一部を構成するカテーテルであってもよい。関連した形態では、当該束は、Y−コネクタを介してのカテーテルの壁の中への直接挿入でカテーテルに入り得る。
【0031】
本発明のまた他の関連した形態は、光源(例えば、レーザーダイオード)によって生成された光は、第1の光学的束を介して腹膜への転送のためにレンズ又はコラミネーターによって成形される。同様に、さらなるレンズ又はコラミネーターが、腹膜内で光を成形する、例えば、ガウス分布あるいは円形断面を得るために第1の束の末端部に設けられてもよい。本発明のさらに関連した形態では、第1の束の末端部から発出している光のビームが、腹膜流体の生物学的(及び、他の)構成要素から拡散を引き起こす目的のためにその腹膜流体を照射するように、腹膜を通過するべく向けられ得る。
【0032】
本発明のまた他の形態では、第2の光ファイバーの束は腹膜で腹膜流体により側方拡散された光を捕らえ‐そして、それにより検出器に伝送する。本発明の関連する形態では、その束は腹膜での後方拡散、前方拡散及び/又は側方拡散された光を捕らえ、検出器に伝送する。
【0033】
本発明の他の形態は、遠隔的に配置されたインタフェースを介して腹膜炎あるいは他の状態の兆候を示す上述のような装置を提供する。これらに関して、装置と遠隔的に配置されたインタフェースは Bluetooth(登録商標)接続のような無線リンクを介して通信のために連結され得る。他の形態は、有線のリンク又は有線と無線を組み合わせたリンクを介してこのような連結を提供する。
【0034】
本発明のさらに他の形態によれば、遠隔のインタフェースは、前述の装置からの合図を受け、例えば、液晶ディスプレイ、発光ダイオード、あるいは他のインジケータを介して、患者、医療従事者、あるいはその他の人たちに、それを表示する。さらに、遠隔のインタフェースは、例えば、患者、医療従事者あるいはその他の人たちからの入力に応えて、装置を制御する。これは、装置の起動、インタフェースと装置の連結/連結解除の始め、装置の作動モードの指定又はその他を含むことができる。
【0035】
本発明のまだ他の形態では、遠隔のインタフェースは患者、医療従事者、あるいはその他によりポケットの中に滑り込ませられる、すなわち、「身につけられる」ような、大きさに定められ且つ構成されている。
【0036】
本発明のまだ他の形態は、患者の腹膜で腹膜流体の屈折率を検出し、そして測定する上述のような装置を提供する。
【0037】
本発明の他の形態は、CAPD手順に関連して使用するための上述のような装置を提供する。
【0038】
本発明のまだ他の形態は、PD流体が集められるAPD及び/又はCAPD機器から独立して確定された流体流れで腹膜炎の兆候を検出するのに使用されるような装置を提供する。このような装置は、例えば、使用済みのPD排出物の検査袋(あるいは他の採集)において、それらが廃棄処分のためにあるいはさらなる検査のために空にされているときに、用途を有する。
【0039】
本発明のさらにまだ他の形態は、(チュービング、締金、滅菌拭き、などのような)従来の構成要素に加えて、上に説明された検査装置を含むPDキットを提供する。
【0040】
本発明のさらなる他の形態は、上に説明された作動に並行して、腹膜炎の兆候につきPD排出物を検査する方法を提供する。
【0041】
本発明の他の形態は、腹膜流体及びそれ以外を含む体液の生体検査のための上述のような装置を提供する。
【0042】
本発明のさらに他の形態は、屈折率、血液(RBCs)、気泡、及びCAPD、APD、などの他の望ましくない副産物の存在のような特性を含んでいる、透析物、及び、身体の器官や腔及び/又はそれらからのに含まれる他の流体の特性を、生体外、生体上で検査するのに用いられる上述のような装置及び方法を提供する。 本発明の関連した形態は、血液透析と他の医療処置で用いられるこのような装置及び方法を提供するはずである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
本発明のより完全な理解は、図面を参照することにより得られる。
【図1A】本発明の一実施態様による、そして本発明が実施され得るタイプの自動化された腹膜透析(APD)処理システムを描写している図である。
【図1B】本発明の一実施態様による、そして本発明が実施され得るタイプの自動化された腹膜透析(APD)処理システムを描写している図である。
【図1C】本発明の一実施態様による、そして本発明が実施され得るタイプの自動化された腹膜透析(APD)処理システムを描写している図である。
【図1D】本発明の一実施態様による、そして本発明が実施され得るタイプの自動化された腹膜透析(APD)処理システムを描写している図である。
【図1E】本発明の一実施態様による、そして本発明が実施され得るタイプの自動化された腹膜透析(APD)処理システムを描写している図である。
【図2A】本発明の一実施態様による、そして本発明が実施され得るタイプの持続的携帯型腹膜透析(CAPD)処理システムを描写している図である。
【図2B】本発明の一実施態様による、そして本発明が実施され得るタイプの持続的携帯型腹膜透析(CAPD)処理システムを描写している図である。
【図2C】本発明の一実施態様による、そして本発明が実施され得るタイプの持続的携帯型腹膜透析(CAPD)処理システムを描写している図である。
【図3A】本発明の一実施態様による、PD排出物を検査する装置を描写している図である。
【図3B】本発明の一実施態様による、PD排出物を検査する装置を描写している図である。
【図4】本発明の一実施態様による装置の電荷結合素子により生成された画像を描写している図である。
【図5A】本発明の実施に用いられた電荷結合素子により生成された画像から生成されたタイプのヒストグラムを描写している図である。
【図5B】本発明の実施に用いられた電荷結合素子により生成された画像から生成されたタイプのヒストグラムを描写している図である。
【図5C】本発明の実施に用いられた電荷結合素子により生成された画像から生成されたタイプのヒストグラムを描写している図である。
【図6A】本発明によるシステムにおいて用いられる、代わりの排出物流れチャンバを示している図である。
【図6B】本発明によるシステムにおいて用いられる、代わりの排出物流れチャンバを示している図である。
【図6C】本発明によるシステムにおいて用いられる、代わりの排出物流れチャンバを示している図である。
【図7A】本発明による腹膜体液の生体上検査のための装置を利用している、本発明によるAPD及びCAPDシステムを描写している図である。
【図7B】本発明による腹膜体液の生体上検査のための装置を利用している、本発明によるAPD及びCAPDシステムを描写している図である。
【図8】図7の生体上検査装置のさらなる詳細を描写している図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1Aは、本発明の一実施態様による、そして本発明が実施され得るタイプの自動化された腹膜透析(APD)処理システム10を描写している。システム10は、循環器12又は患者16の腹膜14へ新鮮な腹膜透析(PD)溶液を導入して、そして使用済みのPD溶液を取り除くことを容易にする他の装置を含んでいる。
【0045】
システム10は、PD溶液供給チャンバ18、加熱チャンバ20、計量チャンバ22及び処分チャンバ24を含み、これらは全て(他のどこかで論じられるように、PD排出物検査装置を包含するように適合されているが)、この技術分野で知られている従来の方法で稼働するように構成されている。それで、PD供給チャンバ18は患者16に送出するための新鮮なPD溶液の供給源を持ち、加熱チャンバ20は腹膜への送出のために新鮮なPD溶液を適切な温度にもたらし、計量チャンバ22は、腹膜から排出され使い果たされたPD溶液を、例えば重量計測のために保持し、そして、処分チャンバ24は廃棄処分のために、使用されたPD溶液を保持する。
【0046】
ポンプ26は、例えば、図1Bないし図1Eに図解されるように、チャンバ18ないし24の間で従来の方法で、溶液を移動させるために、(不図示の)超小型制御装置の制御の下に作動する。それで、例えば、図1Bに示されるように、ポンプ26は新鮮なPD溶液を供給源チャンバ18から加熱チャンバ20まで移動させ、加熱チャンバ20はカテーテル19を介して患者の腹膜14の中にその溶液を導入する前に、それをある温度にもたらすことができる。望ましい温度が達成され、そして処置が始まると、ポンプ26は弁28を開き、加熱された新鮮なPD溶液が重力の補助を介して腹膜14の中に流れることを許容する。図1C参照。
【0047】
図1Dについて、PDが腹膜14内で所望の期間滞留すると、使用済みのPD溶液が計量のため(例えば、十分な溶液が腹膜14から取り除かれることを保証するため)にチャンバ22の中に流れ出ることができるように、この技術分野での慣行に従って、ポンプ26が弁28を開く。その後、ポンプ26は、患者、医療従事者などによる廃棄処分の前の収集のために、使用済みの排出物を計量チャンバ22から処分チャンバ24に移動させる。図1D参照。
【0048】
ここで示され、そして説明されたシステム10の従来の形態は、ただ例示のためである。PD排出物の検査のための装置は(他のどこかで論じられるように、)、図1Aないし図1Eに示され、そして上に説明された形態及び作動モード以外のAPD機器に関連して用いられる得ることが理解されるであろう。
【0049】
図2Aは、本発明の一実施態様による、そして本発明が実施され得るタイプの持続的携帯型腹膜透析(CAPD)処理システム30を描写している。システム30は、新鮮なPD溶液供給源袋32、使用済みのPD溶液袋34及びこれらの袋を腹膜移送セット38に結合するためのYコネクタ36を含んでいる。システム30は(他のどこかで論じられるように、PD排出物検査装置を包含するように適合されているが)、この技術分野で知られている従来の方法で稼働するように構成されている。それで、例えば、患者は、Yコネクタ36の簡単な滅菌洗浄のために、図2Bに示されるように、袋32及び34をYコネクタ36に接続する。それから、さらにその描画に示されるように、患者は、新鮮なPD溶液が重力の補助の下に袋32から腹膜へ流れるのを可能にすべくコネクタ36を設定する。PD溶液が所望の期間滞留すると、患者は、使用済みのPD溶液が廃棄処分のために袋34に排出するのを可能にすべくコネクタ36を再設定する。図2C参照。
【0050】
ここで示され、そして説明されたシステム30の従来の形態は、ただ例示のためである。PD排出物の検査のための装置は(他のどこかで論じられるように、)、図2Aないし図2Cに示され、そして上に説明された形態及び作動モード以外のCAPD機器に関連して用いられる得ることが理解されるであろう。
【0051】
図3Aは、本発明によるPD排出物(すなわち、腹膜から排出されたPD溶液)を検査する装置42を含めてではあるが、循環器12(図1)の方法で、構成され且つ作動されるAPD循環器40を描写している。検査装置42は循環器40及び/又は他のAPDシステム又は一部である構成要素の流れ通路内で検査する。(検査装置42を備える)循環器40は、他のAPD処置システムにおけるのと同様に、システム10(図1)の循環器12の代わりに用いられ得る。同じく、検査装置42は、挿入された図3Bに線図で示されるように、システム30(図2)や同様に他のCAPDシステムにおける排出物流れ通路(すなわち、ドレン管路)に結合され得る。さらに、この装置は、APD及びCAPD処置のためのキット(例えば、チューブ、締金、滅菌拭きなどを含むキット)と組み合わされてもよい。さらに、装置42は、研究室、ドクターのオフィス、病院あるいは家庭用検査機器の流体の流れ通路に結合され、且つ、かかる検査のためのキット(例えば、PD排出物試料小瓶、保管箱、及びラベルなどを含むキット)と共に販売され得る。便宜上、検査装置42の作用が図3Aの循環器40に関して説明されるが、装置42は前述の、そしてそれが用いられる他の環境でも同様に構成され且つ作動され得ることが理解されよう。
【0052】
概観すると、図解された装置42は、腹膜炎及び/又は他の状態(例えば、血液及び/又は気泡の存在)の兆候について、流れ通路−ここでは、腹膜14から処分チャンバ24への通路−におけるPD排出物を検査する。このために、この装置は照射光源44及び検出器46を含んでいる。照射光源44は、流れ通路の一部を形成しているチャンバ48内の腹膜排出物を照射するように配置され、そして検出器46は、その排出物によって、例えば、光源ビームに垂線方向に拡散された光を検出するように配置されている。
【0053】
光源44及び検出器46は、検出器が反射及び/又は拡散された(集合的に、「拡散された」と云う)光を、細胞スケールの分解能で、例えば、排出物内の分離された細胞の大きさの生物学的構成要素が互いから区別できるようなスケールで、検出するように構成されている。図解された実施形態が向けられているような用途、すなわち、腹膜炎の兆候の早期発見においては、排出物での個別の白血球(WBCs)が(排出物の赤血球、フィブリン及び他の構成要素からと同じく)互いから区別されるのを可能にし、その結果、それらが計数され、且つ、それらの計数値の変化率が、腹膜炎の発現を検出し、信号伝達(合図)の目的のために測定され得る。他の実施形態では、これは、排出物内の赤血球(あるいは、気泡のような他の構成要素)が(WBCsやフィブリンなどからと同様に)互いから区別され、そして計数されることなどを可能にする。
【0054】
言及されたように、検出器46は、チャンバ48から拡散された光を、細胞スケールの分解能で、例えば、排出物内の分離された細胞の大きさの構成要素が互いから区別できるようなスケールで、検出するように構成されている。さらに言及されたように、図解された実施形態では、これは、排出物での個別のWBCs54が(排出物の赤血球56、フィブリン58及び他の構成要素と同じく)お互いから区別されるのを可能とするので、それらは計数され、且つ、それらの計数値の変化率が、腹膜炎の発現を検出し、信号伝達の目的のために測定され得る。他の実施形態では、これは、−RBCs56、フィブリン58などのような−他の構成要素が、他の状態の信号伝達の目的のために排出物で検出されるのを可能にする。
【0055】
図解された実施形態の照射光源は、単色の平行ビームを生み出している低出力のレーザーダイオードを備える。ここで、波長は、検出器46の光学的な検出感度と一致し、そして、排出物内の少なくとも選択された構成要素(例えば、白血球)からの反射及び拡散(集合的に、上と同じく、「拡散」と云う)への適合性のために、630nmに選択される。他の実施形態では、他の波長の単色、又は、前述又は他の基準に従い選択された、ほんの数例を挙げると、例えば、830nm及び780nmのレーザーを利用することができ、また、単色、多色、干渉性及び/又はその他の照射光源を利用することもできる。
【0056】
他の形のビームが他の実施形態では用いられ得るが、図解された実施形態のレーザーダイオード44によって生み出された平行ビームは、ガウス分布すなわち円形断面のビーム52に帰するべく、レンズ又はコラミネーター50によって任意に成形される。
【0057】
レンズ50は、排出物内で少なくとも選択された構成要素からの拡散を最適化するためにビームを成形する。図解された実施形態では、これは、優先的に検出されるべき排出物の構成要素−ここではWBCs−の平均の大きさの1〜2倍、好ましくは、1.5倍の大きさにビームを作ることを意味する。好中球(neutrophils)及び好酸球(eosinophils)について12〜15μm、リンパ球について8〜10μm、及び単球について16〜20μmの平均の大きさという条件のもとでは、図解された実施形態のビーム52は、10〜40μmの間、好ましくは、15〜25μmの間、さらに好ましくは、20μmの大きさにされる。これは、例えば、PD排出物の赤血球56、フィブリン58及び他の構成要素に対するWBCsの優先的な検出のために、装置42を最適化する。他の実施形態では、例えば、他の排出物の構成要素又はその他を優先的に検出するという理由のために、他のビーム大きさを使うこともできる。
【0058】
図解された実施形態のビーム52は、チャンバ48内の排出物を照射するためにチャンバ48を通過すべく向けられ、その流体内の生物学的(及び他の)構成要素から拡散を引き起こすことを目的としている。図解された実施形態では、図示のように、ビームがチャンバ48の中央を通過するように向けられているが、他の実施形態ではビーム52はそうでなく向けられてもよい。
【0059】
図3Aに戻って、検出器46は、拡散の事象−すなわち、光がチャンバ48で排出物から拡散され検出器46に至る事象−を、それらの事象の強度及び/又は場所に基づいて検出して、そして計数する。図解された実施形態では、検出器46は、図示のように、側方拡散、例えば、ビーム52に垂直な軸66を中心とした視野64内での事象を検出すべく、特に、配置されている。他の実施形態では、検出器は、他の拡散の事象、例えば、後方拡散、前方拡散、垂直以外の角度βでの側方拡散を検出すべく配置されてもよい。図解された実施形態では、βがほぼ90°であるが、より一般的には、βは30°〜150°の範囲であり、より好ましくは、60°〜120°、さらにいっそう好ましくは、80°〜100°の間であり、そして、さらにいっそう好ましくは、図示されたように、ほぼ90°である。
【0060】
幾らかの実施形態では、検出器46は、このような拡散事象の発生を検出し信号を伝達する目的のために、単一のセル(又は少数のセル)のフォトダイオード、すなわち、ピンダイオード68を使用している。レンズ70がダイオードに焦点を合わせることを容易にし、その結果、それが細胞スケールの分解能で、例えば、排出物内の分離した生物学的(又は他の)構成要素が(かかる拡散に基づいて)互いから区別できるようなスケールでそれらの事象を検出する。図解された実施形態では、レンズ70は、優先的にWBCsに焦点を合わせるべく選択され、且つ、(チャンバ48及びダイオード68に向かいあって)配置されている。但し、他の実施形態では、レンズ70は他に焦点が合わせられ得る。レンズ70は、視野64の中での所望の焦点深度のために、例えば、図解された実施形態では、チャンバ48、あるいはそれの実質的な部分の深さに合う焦点深度のために、さらに選択され、そして配置される。チャンバ48は、レーザービームの寸法と形状に合致するように、例えば、ビーム52のチャンバそれ自体の内壁からの反射(又は拡散)を最小にするか、あるいは完全に避けるように構成されている。
【0061】
レーザーダイオード68は、排出物の選択された構成要素−他の実施形態では、排出物のRBCs、フィブリン、気泡や他の構成要素でもよいが、ここでは優先的にWBCs−からの拡散を検出するために選択、及び/又は、さもなければ(例えば、適切な回路の使用を通して)構成されている。いずれにしても、このような選択及び/又は構成は、(例えば、既知の組成物の排出物から検出された拡散の検査によって)、経験的に行われ得る。
【0062】
ダイオード68によって検出され信号伝達された拡散事象は、分析のためにマイクロプロセッサ62(あるいは他の適切なエレメント)に送られる。図解された実施形態では、これは、時間にわたって信号伝達された事象を計数すること、及び、警報を発生することを含んでいる。すなわち、例えば、ある強度(又は強度範囲)の計数値が、例えば、(i)患者16のために設定された基準値から、(ii)その患者16からの使用済みのPD溶液の連続した排液中で変化するとき、及び/又は、(iii)時間にわたるその変化、−より詳しくは、時間にわたる計数の変化率(すなわち、「危機的傾き」−の傾向が選択された量を超えるときである。このような警報は、患者16、医療従事者に対する可視及び/又は可聴な信号の形態、また、さもなくば、検査装置42が部分を構成しているシステム12に割り込むハードウェアその他、このようなシステムに呼びかけるソフトウェア機能又はその他であってもよい。
【0063】
本発明の他の実施形態は、拡散事象の発生を検出し信号伝達する目的のため、ピンダイオード68の代わりに、電荷結合素子(CCD)を採用している。上記と同じように、それが細胞スケールの分解能でそれらの事象を検出し、そして図解された実施形態では優先的にWBCsに焦点を合わせるように、レンズ70がCCDに焦点を合わせる(そして所望の焦点深度を得る)ことを容易にしている。なお、他の実施形態では、レンズ70がそうでないものに焦点を合わせられ得る。以下の説明では、CCDは装置42において同じ機能的な位置に配置されるので、ピンダイオードのためであった要素を指示する符号68がCCDのために用いられる。
【0064】
ピンダイオードと同じように、CCD68は排出物の選択された構成要素(再び、ここで、優先的に、WBCs)からの拡散の発見を容易にするために選択、及び/又はさもなければ構成されている。この点に関して、CCD68は照射されたチャンバ48の画像を形成し、(再度、細胞スケールの分解能で)拡散事象の位置及び強度の両者を記録する。この結果、少なくとも排出物での選択された構成要素(例えば、WBCs)が互いから、及び、排出物の他の構成要素から区別される。
【0065】
図4はかかる画像を描写し、ここで、これは、WBCsの代わりに、μL当たり(10〜30ミクロンの間の大きさに定められた)80のガラスビーズを含んでいる模擬排出物から生成されている。
【0066】
CCDによって生成された画像は分析のためにマイクロプロセッサ62(あるいは他の適切なエレメント)に送られる。図解された実施形態では、これは、各画像、より好ましくは、単一のPD処置セッションの後に続く使用済みPD溶液の排出の際に生成された多数の画像から、強度に基づいてビンに入れつつ、ヒストグラムを作ることを含む。ヒストグラムビンの選択された1つ(又は複数)での計数値次第によって、マイクロプロセッサ62は、例えば、以下に論じられるように警報を発することができる。
【0067】
図5Aないし図5Cは、かかるヒストグラムを描写し、−ここで、これらは上で説明された、それぞれ、μL当たり、40(図5A)、80(図5B)及びゼロ(図5C)のガラスビーズを有している模擬排出物からのものである。
【0068】
図解された実施形態では、それは、例えば、ある強度(又は強度範囲)の計数値が、例えば、(i)患者16のために設定された基準値から、(ii)その患者16からの使用済みのPD溶液の連続した排液中で変化するとき、及び/又は、(iii)時間にわたるその変化(すなわち、PD処置セッションからセッションまで)、−そしてより詳しくは、時間にわたる計数の変化率(すなわち、「危機的傾き」−の傾向が選択された量を超えるとき、警報を発する。再び、このような警報は、患者16、医療従事者への可視及び/又は可聴信号の形態、またさもなくば、検査装置42が部分を構成しているシステム12に割り込むハードウェアその他、このようなシステムに呼びかけるソフトウェア機能又はその他であってもよい。
【0069】
正当に評価されるように、多数のCCD画像からヒストグラムを作成する利点は、それが重大な区域における強度計数値を強調する傾向があるということである。これは信号対雑音(S/N)比を改善して、そして、それによって、(例えば、腹膜炎あるいは排出物によって反映された他の症状についての)検出の有効性を増大させる。このアプローチを用いている本発明の実施形態では、連続して「獲得」及び「読取り」モードに入ることによって、PD溶液排出の間にこれらの多数の画像を獲得するために、CCD68は(例えば、マイクロプロセッサ62あるいはその他によって)制御されることができる。ここで、前者は照射されたチャンバ48の画像を獲得するモードであり、後者はそれらの画像をマイクロプロセッサに読込むためのモードである。
【0070】
本発明の他の実施形態では、マイクロプロセッサはヒストグラムを作る前に、事前画像処理を行うことができる。かくて、例えば、それは、腹膜炎検出の目的のためにWBCsを計数するように意図された実施形態に関して、共に、例示として、あまりにも長い(例えば、フィブリン)、あるいはあまりにも短い(例えば、RBCs)排出物構成要素からの拡散を表している画素値を排除することができる。さらに、このような事前処理は、本発明が適用される用途の仕様に依存して選択されてもよい。
【0071】
自己洗浄チャンバ
図6Aないし図6Cは、装置42で使用されるためのチャンバ82を描写している。これは、図3Aに示され、上で論じられたチャンバ48の代替である。それで、チャンバ48と同じように、チャンバ82は、腹膜排出物のための流れ通路の一部を形成し、そして、以下の説明に照らしてチャンバ48に関して全て上に説明したように、それを通って流れる排出物が光源44によって照射され、且つ、検出器46によって検出されるように配置され得る。
【0072】
図6A及び図6Bは、それぞれ、チャンバ82の正面及び側面を描写する。図6Cは、光源44と検出器46と共にチャンバ82を示している本発明によるがシステムの構成を図解している。
【0073】
図6A及び図6Bを参照すると、チャンバ82は、排出物流体が腹膜(すなわち「移送側」)から処分チャンバ(すなわち「排出側」)へ矢印88、90の方向に流れる状態で、上述したように循環器40、システム30、あるいは他のAPD又はCAPDシステムの排出物流れ通路に連結するための、流体入口ポート84及び出口ポート86を含んでいる。図解された実施形態では、ポート84、86はこのようなAPD又はCAPDシステムにおける排出物流れ通路を規定しているチュービングへの取付けのために特定の寸法に作られるが、ポートの大きさ及び構成は他の実施形態においては変わり得ることは理解されるであろう。
【0074】
チャンバ82は、ポート84に流れ込んでいる排出物がポート86を介して流出する前に通過する領域を画成している。図解された実施形態のチャンバ82は、(破線によって示された)内壁がl(長さ)、w(幅)及びd(深さ)の寸法を有する長方形の平行六面体、すなわち、直方体として概ね特徴付けられた流体流れ領域を画成するという状態の、中央部分82Aを含んでいる。
【0075】
図解された実施形態では、長さlと幅wは概ね同じ大きさであり、そして両者は深さdより大きい寸法である。しかしながら、他の実施形態はこれらに関して変わり得る。本発明の1つの実施形態では、長さlと幅wは共に約5インチ以下、好ましくは、約3インチ以下、さらに好ましくは、約1インチ以下である一方、深さdは約1インチ以下、より好ましくは、約1/2インチ以下、さらにいっそう好ましくは、約1/4インチ以下である。かくて、1つの特定の実施形体では、長さlと幅wが約1インチ、そして深さdが約1/4インチである。
【0076】
中央部分82Aは、入口側で、ピラミッド状の錐台として概ね特徴付けられた形状を備えた内壁(破線)を有している基端部分82Bを介して、ポート84に結合され、そして、出口側で、ピラミッド状の錐台として概ね特徴付けられた形状を同じく備えた内壁(破線)を有している末端部分82Cを介して、ポート86に結合されている。部分82Bの内壁によって画成された錐台の基端(すなわち、入口により近い)の寸法は、ポート84の内径にほぼ一致し、そして、末端(すなわち、出口により近い)の寸法は、部分82Aの内径によって規定された直方体の寸法にほぼ一致する。同様に、部分82Cの内壁によって画成された錐台の末端(すなわち、出口により近い)の寸法はポート86の内径にほぼ一致し、そして、基端(すなわち、入口により近い)の寸法は、部分82Aの内径によって規定された直方体の寸法にほぼ一致する。
【0077】
図解された実施形態の中央部分82Aは、光学的にクリアであり、上述のように、光源44によるチャンバ82内の腹膜排出物の照射及びそれにより拡散された光の検出器46による検出を可能にしている。このために、少なくとも中央部分82Aは、(およそ3パーセントの最大光学損失で)450nm〜890nmの光透過を有し、したがって、630nm(+/−20nm)の波長において作用する光源44と共に用いられるのに適している、アクリル、ポリカーボネート及び/又はポリスチレンのような成形プラスチックから製造され得る。もちろん、以前に論じられた波長で光学的に透明な、他のプラスチック又は(ガラス、セラミックスなどのような)材料も同様に、あるいは加えて用いることができる。
【0078】
図解された実施形態において、(上に論じられた制約条件内で)中央部分82Aが製造されるプラスチック又は他の材料の屈折率は、光源44によるチャンバ82内の腹膜排出物の照射及びそれによって拡散した光の検出器46による検出に対しては重要な影響を有さない。しかしながら、他の実施形態において、例えば、領域82Aの一部が(意図的に、又はそうでなくとも)レンズとして作用する場合、そのプラスチック又は他の材料の屈折率はより重要であるかもしれない。
【0079】
同じく、図解された実施形態において、(再び、上に論じられた制約条件の中で)中央部分82Aが製造されるプラスチックあるいは他の材料の分散度因子(dispersion factor)は、光源44によるチャンバ82内の腹膜排出物の照射及びそれによって拡散した発光体の検出器46による検出に対しては重要な影響を有さない。これは、(i)ビーム52が中央部82の壁の表面にほぼ垂直である角度Ωで中央部82の壁を通過する場合、(ii)ビームが平行にされた場合、及び、(iii)ビームが通過する点を除き、ビームの他の部分が中央部分82Aの側部に接触しないように、ビームが直径を有し(そして、位置付けられ)ている場合にはそうである。しかしながら、ビームがほぼ90°以外の角度Ωで中央部の壁を通過する他の実施形態においては、中央部分82Aはより小さい分散度因子の材料から製造されてもよい。
【0080】
区画82の部分82B及び部分82Cは、部分82Aと同じプラスチック又は他の材料から製造されてもよいが、基端部分及び末端部分82B、82Cは光学的にクリアである必要はなく、それ故、他の材料から同様に製造されてもよい。
【0081】
ディフレクター94は、図示のように、内部チャンバ82の末端部に配置されている。図解された実施形態では、ビーム52によって照射された領域の下流の排出物流れ通路の中央の領域に位置された円弧状又は半球状に形成された部材を備えている。かくて、例えば、ディフレクターは座標96のx軸とz軸に関して(あるいは、別の方法で、幅wと深さd寸法に関して)ほぼ中央で、チャンバ82の末端部に配置されてもよい。
【0082】
末端部分82Cに連結されるか又は一体であり得るディフレクター94は、図示のように、中央部分82Aの末端部内に突出している(図面で濃くて、暗い、湾曲領域として示されている)丸い部分を有する。以下に論じられる方法で(例えば、層流から乱流に)排出物流れを分断するに適した他の形のディフレクターも、ここに示されたディフレクター94の他にあるいは、それに加えて用いられ得る。ディフレクター94は、他の材料から作られてもよいけれども、部分82A、82B及び/又は82Cと同じプラスチックか、あるいは他の材料から作られてもよい。ある実施形態では、ディフレクター94は、排出物流れにおける生物学的及び他の材料の付着に抵抗するテフロン(登録商標)や他の物質のコーティングを有している。
【0083】
その内壁の形状の結果として、チャンバ82は中央部分82Aの基端部において排出物流れを層流に誘導する。ディフレクター94は、中央部分82Aの末端部、同様に出口(又は末端の)部分82Cにおいて、境界層を分断することによりその流れにレイノズル数が増加する層流から乱流への遷移をもたらす。レイノズル数が100に達すると、渦が排出物内ででき始める。これらの渦は、レイノズル数がより大きくなるにつれて増加する。渦は、チャンバ82の内壁−特に、例えば、中央部分82Aの末端部、同様に、末端部分82C−を清浄にするのを助け、白血球、赤血球及び排出物の他の構成要素がそれらの内壁に付着するのを阻止し、及び/又は既に付着していたのを除去する。かくて、本発明の一実施形態では、ディフレクターが、およそ100以上、より好ましくは、およそ250以上であるレイノズル数を有している排出物の流れに影響を与えるべく配置されている。
【0084】
生体上の検査
図7Aは、生体上、すなわち、患者の腹膜での腹膜流体を検査することによる腹膜炎の検出のために、本発明による装置100aを含めてではあるが、循環器12(図1)の方法で構成され且つ作動される、APD循環器40を描写している。(検査装置100aを備える)循環器40は、他のAPD処理システムでと同様に、システム10(図1)での循環器12に替えて用いられ得る。同じく、検査装置100aは、他のCAPDシステムでと同様に、挿入された図7Bにグラフイック描写されるように、システム30(図2)と共に用いられ得る。さらに、装置100aは、(例えば、患者体内の流体の検査ための)独立型の検査装置として利用され得、及び/又は、それは、APD、CAPDあるいは他の医療処置のためのキットと一緒にされてもよい。さらに、装置100aは、実験室、医者のオフィス、病院又は家庭用試験装置において、単独で、あるいは前述のものと組み合わせて用いられ得る。便宜上、検査装置100aの作動が、図3Aの循環器40に関して説明されるが、装置 100aは前述の、及びそれが用いられる他の環境において同様に構成され且つ作動され得ることが理解されるであろう。
【0085】
図解された装置100aは、チャンバ48でよりむしろ−腹部、より詳しくは、患者16の腹膜14での−腹膜炎及び/又は他の症状(例えば、血液及び/又は気泡の存在)の発症についての生体上での腹膜流体の検査ではあるが、上述の検査装置42の方法で概ね作動する。加えて、図解された実施形態の装置100aは、腹膜流体の特性、例えば、その屈折率の測定値を提供する。
【0086】
(例えば、図7A−7Bに示されるように)APDとCAPDシステムで用いられるとき、この検査は、典型的にPD処置の間に行われる−すなわち、腹膜が体液(例えば、クレアチンと尿素)及びPD溶液の混合物で満たされているときに行われる。装置100aはまた、ほぼ体液のみを含む腹膜流体を検査するために、処置の前又は後に用いられ得る。後者を考慮に入れると、腹膜の内容物に関してここに用いられる用語、「腹膜流体」とは、文脈から明らかでないなら、流体の全ての組合わせ(例えば、体液、PD溶液、あるいはそれらの混合物)を意味することが理解されるであろう。
【0087】
これらの目的のために、装置100aは、(患者の外側の)照射光源44から腹膜14へ、カテーテル19を介し光を運ぶ第1の光ファイバ束102を利用している。第2の光ファイバ束104は、カテーテル19を充して、腹膜内で腹膜流体により、例えば、光ビームに垂直な方向に拡散された光を、(同じく患者の外側の)検出器46まで運ぶ。装置100aがAPD及びCAPDシステムと共に用いられる実施形態では、当該束が同様に、移送セット38を介して経路付けられてもよい。
【0088】
図8を参照するに、束102と束104の末端部は、後者が、反射された及び/又は拡散された(集合的に、「拡散された」)光を、−好ましくは、細胞スケールの解像度、例えば、腹膜流体での個別の細胞サイズの生物学的(あるいは他の)構成要素が互いから区別され得るようなスケールで獲得して、そして検出器46に伝送するように、カテーテルの先端部105に固定されている。上記のとおり、図解された実施形態が向けられているような用途、すなわち、腹膜炎の発症の早期検出においては、これは腹膜流体での個別の白血球(WBCs)が(赤血球、フィブリン及び流体の他の構成要素からと同じく)互いから区別されるのを可能にする。その結果、それらは計数され、且つその計数値の変化の割合が検出及び腹膜炎の発症の警告の目的のために測定される。他の実施形態では、これは流体内での赤血球(又は気泡のような、他の構成要素)が(WBCs、フィブリンなどからと同様に)互いから区別され、計数されることなどを可能にする。
【0089】
先端部105は、束102、104を固定するために、医療用途での使用に適したプラスチック、セラミック、メタルあるいは他の材料(又はそれの組合わせ)から構成され得る。図解された実施形態では、それは、中空の中央領域を有し、フードの形をした構造を備えており、その中に(図示のように)束102、104の末端部が配置され、そして、それを通して、新鮮な、且つ使用された透析物と同様に、腹膜流体が自由に通過することができる。フードの形をした構造の開いている「面」領域及びその末端部(あるいは「頂部」)における開口107は、かかる流体の通過をさらに容易にしている。加えて、開いている面及び開口は、末端の先端部102、104が腹膜からの流体の代表的な混合にさらされることを保証するのを手助けしている。当業者はもちろん、他の構造及び/又は配置が先端部105に加えて、又は、その替りに用いられ得ることを理解するであろう。
【0090】
光ファイバ束102、104は、装置100aからカテーテル19を通して腹膜14まで、例えば、一体のカテーテルブランチ19aを介してカテーテル19に入るという図示の方法で、経路付けられてもよい。代わりに、束102、104は、Yコネクタを介して、カテーテル19の壁の中への直接の挿入を介して、又は、光ファイバ束又は患者の体内にカテーテルを通しての他のそのような構造物の経路付けのために当該技術で知られている他の技術を介して、カテーテルに入ることができる。束102、104は医療用途の使用に適した従来の光ファイバ繊維で構成されている。各々の束は、それ(及びその相手)が透析物の流れを不当に阻害することなくカテーテル19を通過し得る寸法にされており、個々のファイバの寸法に依存して、1から数百以上の間のファイバから構成されている。
【0091】
上述のように、装置100aの照射光源44は、単色の平行ビームを発生する低出力のレーザーダイオードを備えている。波長は、検出器46の光学的感度と一致するように、及び、腹膜流体内の少なくとも選択された構成要素(例えば、白血球)からの反射及び拡散(集合的に、上述のように、「拡散」)における適合性のために、630ナノメートルに選ばれる。前に述べた通り、他の実施形態は、他の波長の単色のレーザー、さもなければ、前述の、あるいは他の判定基準により選ばれる、ほんの数例を挙げれば、例えば、830ナノメートル、及び、780ナノメートルのレーザーや、単色、多色、干渉性及び/又はその他の照射光源を利用することができる。光源44は電力付きで、そして当該技術で知られているレーザーダイオード駆動回路の従来の方法で−これの教示に従い適合されるように図示の駆動回路108により駆動される。
【0092】
上述のように、装置100aのレーザーダイオード44によって発生された平行ビームは、腹膜14への束102に移送するために、レンズ又はコラミネーター(columinator)50aによって成形されてもよい。他の実施形態では、他の形のビームが用いられ得るけれども、腹膜の腔14内でガウス分布あるいは円形の断面にレーザービーム52を成形するために、束102の末端部に、さらにレンズ又はコラミネーター50bを設けてもよい。
【0093】
上述のように、レンズ50bは腹膜流体で少なくとも選択された構成要素からの拡散を最適化するべくビーム52を形づくる。図解された実施形態では、これは、優先的に検出されるべき排出物の構成要素−ここではWBCs−の平均の大きさの1〜2倍、好ましくは、1.5倍の大きさにビームを作ることを意味する。好中球(neutrophils)及び好酸球(eosinophils)について12〜15μm、リンパ球について8〜10μm、及び単球について16〜20μmの平均の大きさという条件のもとでは、図解された実施形態のビーム52が、10〜40μmの間、好ましくは、15〜25μmの間、さらに好ましくは、20μmの大きさにされる。これは、例えば、腹膜流体の赤血球56、フィブリン58及び他の構成要素に対してWBCsの優先的な検出のために、装置42を最適化する。他の実施形態では、例えば、他の排出物の構成要素又はそうでないものを優先的に検出するという理由のために、他のビーム大きさを使うことができる。
【0094】
上述のように、図解された実施形態の束102から生じているビーム52は、腹膜流体内で生物学的(及び他の)構成要素から拡散を引き起こす目的でその中の腹膜流体を照射するために腹膜14を通過することが目指されている。
【0095】
上述のように、腹膜14での腹膜流体により、例えば、ビーム52に垂直な方向に拡散された光が、カテーテル19に沿って、光ファイバの束104によって検出器46へ伝送される。その光から、検出器46は、それらの事象の強度及び/又は場所に基づいて、拡散事象(すなわち、光が腹膜14内の流体により束104の末端部にまで拡散された事象)の検出及び計数に加えて、腹膜流体の屈折率を決定する。
【0096】
図解された実施形態では、束104の末端部は、側方拡散、例えば、図示のように、ビーム52に垂直な軸線66に中心付けられた視野64の中の事象を取り込み、(そして検出のために検出器46に伝送する)ように配置されている。他の実施形態では、束の末端部は、他の拡散事象、例えば、後方拡散、前方拡散、垂直以外の角度βでの側方拡散を取り込み、(そして検出のために検出器に伝送する)ように配置されている。このように、図解された実施形態では、βはほぼ90°、より一般的には30°から150°の範囲、より好ましくは60°から120°の間、さらに好ましくは80°から100°の間、そして、さらにいっそう好ましくは、図示のように、ほぼ90°である。
【0097】
上述のように、幾らかの実施形態では、検出器46は、このような拡散事象の発生を検出し信号を伝達する目的のために、単一のセル(又は少数のセル)のフォトダイオード、すなわち、ピンダイオード68を使用している。レンズ70がダイオードに焦点を合わせることを容易にし、その結果、それが細胞スケールの分解能で、例えば、排出物内の分離した生物学的(又は他の)構成要素が(かかる拡散に基づいて)互いから区別できるようなスケールでそれらの事象を検出する。図解された実施形態では、レンズ70は、優先的にWBCsに焦点を合わせるべく選択され、且つ、(チャンバ48及びダイオード68に向かいあって)配置されている。但し、他の実施形態では、レンズ70は他に焦点が合わせられ得る。レンズ70は、視野64の中での所望の焦点深度のために、例えば、図解された実施形態では、およそ数センチメートルからおよそ数インチの焦点深度のために、さらに選択され、そして配置される。
【0098】
上述のように、レーザーダイオード68は、排出物の選択された構成要素−他の実施形態では、排出物のRBCs、フィブリン、気泡や他の構成要素でもよいが、ここでは優先的にWBCs−からの拡散を検出するために選択、及び/又は、さもなければ(例えば、適切な回路の使用を通して)構成されている。いずれにしても、このような選択及び/又は構成は、(例えば、既知の組成物の排出物から検出された拡散の検査によって)、経験的に行われ得る。
【0099】
上述のように、本発明の他の実施形態は、拡散事象の発生を検出し信号伝達する目的のため、ピンダイオード68の代わりに、電荷結合素子(CCD)を採用している。上記と同じように、それが細胞スケールの分解能でそれらの事象を検出し、そして図解された実施形態では優先的にWBCsに焦点を合わせるように、レンズ70がCCDに焦点を合わせる(そして所望の焦点深度を得る)ことを容易にしている。なお、他の実施形態では、レンズ70がそうでないものに焦点を合わせられ得る。以下の説明では、CCDは装置100aにおいて同じ機能的な位置に配置されるので、ピンダイオードのためであった要素を指示する符号68がCCDのために用いられる。
【0100】
ピンダイオードと同じように、CCD68は排出物の選択された構成要素(再び、ここで、優先的に、WBCs)からの拡散の発見を容易にするために選択、及び/又はさもなければ構成されている。この点に関して、CCD68は照射されたチャンバ48の画像を形成し、(再度、細胞スケールの分解能で)拡散事象の位置及び強度の両者を記録する。この結果、少なくとも排出物での選択された構成要素(例えば、WBCs)が互いから、及び、排出物の他の構成要素から区別される。
【0101】
上述のように、ダイオード68によって検出されて、信号伝達された拡散事象は、分析のためにマイクロプロセッサ62(あるいは他の適当なエレメント)に経路付けられる。図解された実施形態では、これは、ある時間にわたり信号伝達された事象を計数すること、及び、警報を発することを含む。例えば、ある強度(又は強度範囲)の計数値が、例えば、(i)患者16のために設定された基準値から、(ii)その患者16からの使用済みのPD溶液の連続した排液中で変化するとき、及び/又は、(iii)時間にわたるその変化、−そしてより詳しくは、時間にわたる計数値の変化率(すなわち、「危機的傾き」−の傾向が選択された量を超えるときである。このような警報は、患者16、医療従事者への可視及び/又は可聴信号の形態、またさもなくば、検査装置100aが部分を構成しているシステム12に割り込むハードウェアその他、このようなシステムに呼びかけるソフトウェア機能又はその他であってもよい。加えて、マイクロプロセッサはダイオード68によって検出された拡散事象の強度に基づいて腹膜14内の流体の屈折率を決定する。
【0102】
図7A−7Bの実施形態では、このような警報と屈折率の測定値が装置 100aから遠隔のインタフェースユニット100bまで伝送される。このような伝送は、無線、あるいは有線、又はそれの組み合わせでなされ得る。図解された実施形態で、モジュール106を介した無線伝送が用いられ、そしてそれは遠隔のユニット100bと通信(すなわち、情報の発信と受信)のためにブルートゥース(Bluetooth)無線プロトコルを利用している。他の実施形態は、代わりに、又は加えて赤外線802.11、あるいは(衛星のような長距離の無線技術を含む)他の無線の通信技術を用い得る。さらに他の実施形態では、このような無線技術と共にあるいは除いて、(USBケーブル、イーサネット(登録商標)などのような)有線の接続を利用することができる。
【0103】
患者16、医療従事者又はその他によってポケットの中に滑り込ませられるか、又は、着用されるべくサイズが定められ且つ構成されている装置100bは、LCDあるいは他のディスプレイ108及び/又はLEDあるいは他のインジケータ110に表示するためにかかる屈折率の測定値の警報を受信する。このために、装置100bは、拡散事象、屈折率測定値及び他の情報(例えば、電池レベル及び/又は装置100aの作動状態の他の様相に関する)に関して装置100aからの警報と情報をさらに分析するためのマイクロプロセッサ又は他の回路(不図示)を使用することができる。もちろん、装置100bに常駐するこのようなマイクロプロセッサ又は他の回路は、マイクロプロセッサ62の若干又は全ての機能を提供することができ、それにより、装置100aの回路要求を低減する。
【0104】
より概括的には、装置100bに常駐のマイクロプロセッサ又は他の回路は、装置100aを制御、例えば、検出器46及び/又は駆動回路108を起動することができる。このために、装置100bは、ユニットを起動させ、Bluetoothモジュール106を繋ぐコードを入力するか、あるいは通信のために装置100a及び100bを結合/切断する、検出器46及び/又は駆動回路108(そして、より概括的には、装置100a及び100b)のための作動モードを特定する及び/又はその他のために、患者、医療従事者あるいは他の者からの入力を受け入れるキーボード112を提供している。
【0105】
装置100a及び100bの回路は、限定的でない例の2つの平坦な「腕時計タイプ」電池(不図示)又はその他のような電池によって電力が供給される。さらに、その回路は、スペースの節約のために、表面搭載式印刷回路基板技術又はその他を用いて実施され得る。このようなものとして、図解された実施形態の装置100aは、およそ1.5インチ×1インチ×0.5インチである。だけど、他の実施形態の寸法は変わり得る。同様に、図解された実施形態の装置100bは、およそ3インチ×2インチ×1インチである。だけど、再び、他の実施形態の寸法は変わり得る。
【0106】
ここに、上述の目的に合うPD排出物を検査するための装置及び方法が説明され且つ図示された。ここで説明された実施形態は本発明の単なる例であり、そして、その中の変更を含む他の実施形態は本発明の範囲内に入ることが理解されるであろう。PD排出物流れから腹膜炎を検出するのに用いられる上述の装置及び方法は、透析物、及び、生体上、生体外及び血液(RBCs)、気泡及び他の望ましいか、あるいは望ましくないCAPDの副産物、APDなど、全て限定的でない例のような状態を検出することを含んで、他の体器官及び空腔内及び/又はそれらからに含まれている他の流体の特性を検出するのに適用され得ることが理解されるであろう。さらに、このような装置及び方法は気泡及び血液透析の他の副産物の検出に適用され得ることが理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
腹膜透析(PD)排出物を流れ通路内で検査する装置において、
A. 腹膜透析排出物の流れ通路の少なくとも一部を画成するチャンバと、
B. 該チャンバ内の腹膜排出物を照射する照射光源と、
C. 該排出物によって反射された及び/又は拡散された(集合的に、「拡散された」)
発光体を検出する検出器と、を備え、
D. 当該チャンバは、排出物の層流を含むことを特徴とする装置。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図1C】
image rotate

【図1D】
image rotate

【図1E】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図5C】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図6C】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2013−78690(P2013−78690A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−20785(P2013−20785)
【出願日】平成25年2月5日(2013.2.5)
【分割の表示】特願2010−544287(P2010−544287)の分割
【原出願日】平成20年1月25日(2008.1.25)
【出願人】(505324858)フレゼニウス メディカル ケア ホールディングス インコーポレーテッド (30)
【氏名又は名称原語表記】Fresenius Medical Care Holdings,Inc.
【Fターム(参考)】