説明

自己洗浄遠心ペレット乾燥機およびその方法

【課題】ペレットから表面の水分を除去し、各乾燥サイクルの後に乾燥機から全てのペレットを完全に除去することができ、乾燥機に残留する乾燥ペレットを排除することで、次の乾燥サイクル中に異なるタイプの乾燥ペレットの汚染が回避されることが可能な自己洗浄遠心ペレット乾燥機及び方法を提供する。
【解決手段】ノズル54から加圧された空気と水が乾燥機内のペレット引っ掛かり点に向かって排出され、残留するペレットを取り除くできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遠心ペレット乾燥機、さらに詳しくは水中ペレタイザーからペレットと水のスラリーとして排出されるペレット化された製品より表面水分を除去する自己洗浄乾燥機およびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ペレットと水のスラリーの形態でペレット化された製品を生産する水中ペレタイザーは、ペレット化産業や、1991年10月22日に発行された米国特許第5059103号を含む多くの特許において公知である。遠心ペレット乾燥機も公知であり、2001年5月29日に発行された米国特許第6237244号を含む様々な特許に開示されている。上記引用した両特許は、本願の譲受人であるガラインダストリーインコーポレーテッド(以下、AGala@という)により所有されている。さらに、先行特許が存在し、それらは、米国特許第4476019号、第4570359号、第5187880号、第5505537号、第5611150号、第5638606号、及び第5987769号に説明されているようなペレットを乾燥する種々の構造を開示している。
【0003】
従来の遠心ペレット乾燥機は、適切に運転するときには十分にペレットを乾燥する。しかし、既存のペレット乾燥機は、乾燥するペレットが貯溜又は蓄積する領域を有する。このような領域は、一般に、乾燥サイクルが完了した後にペレットが残留する引っ掛かり点(hang-up point)として知られている。引っ掛かり点に貯溜するペレットは、同じペレットが乾燥機に供給される限り、問題は生じない。
【0004】
しかし、多くの場合、遠心ペレット乾燥機は、連続乾燥サイクルの間、異なるペレットを乾燥するのに使用される。次の乾燥サイクルが前の乾燥サイクルのペレットと異なるペレットを乾燥すると、引っ掛かり点に貯溜した前の乾燥サイクルのペレットのいくつかが次の乾燥サイクルで乾燥される異なるペレットと同伴し混合する。この情況は、次の乾燥サイクルで乾燥されるペレットと前の乾燥サイクルの間に引っ掛かり点に残留したペレットとの汚染(contamination)を生じる結果となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5059103号
【特許文献2】米国特許第6237244号
【特許文献3】米国特許第4476019号
【特許文献4】米国特許第4570359号
【特許文献5】米国特許第5187880号
【特許文献6】米国特許第5505537号
【特許文献7】米国特許第5611150号
【特許文献8】米国特許第5638606号
【特許文献9】米国特許第5987769号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、引っ掛かり点から乾燥ペレットを排除することにより従来の乾燥機における引っ掛かり点の問題を克服した自己洗浄乾燥機及びその方法である。これにより、異なるペレットが乾燥される前の乾燥サイクルの間に種々の引っ掛かり点で残留するペレットにより、ある乾燥サイクルで乾燥されるペレットの汚染が回避される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による遠心ペレット乾燥機は、乾燥されるペレットが滞留している乾燥機の引っ掛かり点又は領域に向かって導かれる高圧空気及び/又は水の組み合わせを含む。自己洗浄方法は、乾燥機の引っ掛かり点又は領域に滞留していた前の乾燥ペレットにより、続いて乾燥機を通過するペレットの汚染を排除する。
【0008】
本発明の自己洗浄乾燥機及び方法は、1つの乾燥サイクル中に乾燥機から全てのペレットの除去を完了することができ、これにより乾燥されるペレットの次の乾燥サイクルでの汚染を排除することができる。空気圧と水圧が、乾燥機内の種々のペレット引っ掛かり点に向かって放出され、加圧空気及び水を放出する種々の段階を作動させるタイミング制御を含む。この明細書で使用されているように、A加圧流体@の用語は、加圧水又は他の流体、加圧空気又は他のガス、又はこれらの組み合わせを含むように意図されている。空気は、本発明に使用するために、好ましくは約60psiから約80psi、又はそれ以上で加圧される。水は、少なくとも40ガロン毎分(gpm)、好ましくは約80gpmと100gpmの間又はそれ以上の流量で流れるように加圧される。
【0009】
本発明による自己洗浄遠心ペレット乾燥機は、ほぼ垂直の実質的に円筒のハウジングと、前記ハウジング内に取り付けられた実質的に円筒のスクリーンと、前記ハウジングの下端にあって前記スクリーンの下端と連通するスラリー入口とを含む。スクリーンはハウジングに対して離れた関係にある多孔の周壁を含む。傾斜した半径方向の楊力ブレードを備えたロータがスクリーンの内側に取り付けられている。ロータは、モータに駆動可能に接続され、スクリーンの上端部は、乾燥ペレット排出シュートと連通し、ペレットから分離された水は基礎水タンクに排出される。
【0010】
塊捕集器とペレット分流器は、好ましくは、乾燥機の前で水とペレットのスラリーを受け入れる。塊捕集器は、スラリーが分流器に入る前に、ペレットをまず捕集し、分離し、排出する。次に分流器は、ペレットがスクリーンの下端に入る前に、ペレットから大量の水(bulk water)を分離する。水が除去されると、ペレットは依然として表面水分を含み、該表面水分は、スクリーン内でロータの回転によるペレットの上昇遠心運動と、ハウジングに内部から水分を除去する送風機による空気の循環中に除去される。前述の乾燥機とその運転は、塊捕集器とペレット分流器を備えた公知の遠心ペレット乾燥機を代表している。
【0011】
乾燥機の通常運転中、いくつかのペレットは、乾燥機の引っ掛かり点又は領域、水中ペレタイザーの水箱バイパス内の弁内で、滞留する。本発明の自己洗浄乾燥機におけるこれらの引っ掛かり点でのペレットの除去は、前の乾燥サイクルからのペレットが続いて取り上げられ、次の乾燥サイクルで乾燥される異なるタイプのペレットと混合することによる汚染を排除する。この汚染の排除は、あるタイプのペレットの各乾燥サイクルの終りに引っ掛かり領域に高圧流体を導入することにより達成され、これにより他のタイプのペレットの次の乾燥サイクルを開始する前に、乾燥機から如何なる残留ペレットも洗浄される。
【0012】
本発明の自己洗浄延伸ペレット乾燥機は、乾燥サイクルを完了した後に乾燥機の引っ掛かり点に滞留し又は残留したペレットをパージすなわち取り除くために戦略的に配置されたスプレーノズルを介して、高圧流体の時限排出(timed discharge)を導入することを含む。自己洗浄は、ハウジングの内部と円筒スクリーンの外部との間に周方向に離れ垂直方向にずれた関係で配置されたスプレーノズルにより部分的に達成される。これらのスプレーノズルは、ハウジングの内壁、円筒スクリーンの外壁に対して高圧流体を導き、また円筒スクリーンを通過して、ロータと円筒スクリーンの間の領域を洗い流す。加圧流体として空気又は他のガスが使用されると、スクリーン領域内に押しのけられたペレットは乾燥ペレット出口から押し出される。加圧流体として水又は他の液体が使用されると、ハウジング内や円筒スクリーンの外側に滞留したペレットは基礎水タンクに洗い流される。
【0013】
他の高圧流体スプレーノズルが戦略的に配置され、水中ペレタイザーからのスラリーを受け入れる塊捕集器、ロータ、乾燥機のベース及び桶部、乾燥機上部、乾燥ペレット排出シュート、乾燥ペレット排出シュートの端に配置されたペレット分流器等を含む他の引っ掛かり点に高圧流体を導く。
【0014】
好ましい実施形態では、高圧空気を水箱バイパスラインに注入することで、サージ水(surge water)を乾燥機に導入する。高圧空気は、乾燥機上部に隣接するロータの頂部、乾燥機のベース及び桶部に隣接するロータ底部、乾燥ペレット排出シュート、該乾燥ペレット排出シュートの端に配置されたペレット分流器に、連続的に導く。前述のスプレーノズルを通る空気の圧力は、好ましくは約60psiから約80psi、又はそれ以上である。その後、円筒スクリーンの回りに周方向に離れ垂直方向にずれた複数の好ましくは3以上のスプレーノズルを介して、好ましくは約80gpmから100gpmの流量で高圧水をハウジングの内部及び円筒スクリーンの外部に導く。最も好ましくは、乾燥機のベース及び桶部に隣接するロータのへの高圧空気は連続的に操作する。
【0015】
したがって、本発明の目的は、乾燥機の運転中に順次乾燥サイクルで乾燥される異なるペレット間の汚染を排除するために、水とペレットのスラリーの形態のペレット化された製品から表面の水分を除去する自己洗浄遠心ペレット乾燥機及び方法を提供することである。
【0016】
本発明の他の目的は、遠心ペレット乾燥機と関連の水中ペレタイザー装置内のペレット引っ掛かり点又は領域に高圧流体を放出することで、乾燥する自己洗浄遠心ペレット乾燥機及び方法を提供することである。
【0017】
本発明の他の目的は、ハウジングの内部と円筒スクリーンの外部の間に周方向に離れ垂直方向にずれた関係で配置されたスプレーノズルにより、種々の引っ掛かり点に又はそれに向かって、高圧流体、好ましくは高流量水を導く自己洗浄遠心ペレット乾燥機及び方法を提供することである。
【0018】
本発明のさらに他の目的は、乾燥機上部の内側のロータの上部、ロータの下端から乾燥機のベース及び桶部に向かって放出するためにロータの内側、乾燥ペレットシュートの内側、乾燥ペレット分流弁を含む乾燥機の特定の引っ掛かり点に、高圧流体、好ましくは高圧空気を導く、前述の目的に従って自己洗浄遠心ペレット乾燥機及び方法を提供することである。
【0019】
ここで特に述べる本発明の最終の目的は、従来の製造及び運転の形態に一致し、経済的に実施可能であり、長持ちし、使用中に比較的故障のない、前述の目的に従って自己洗浄遠心ペレット乾燥機及び方法を提供することである。
【0020】
これらの及び後に明らかとなる他の目的及び利点は、以下に記載し請求の範囲にも記載された詳細な構造と作用にある。添付図面を参照するが、ここで同一部分には同一符号を附している。図面は本発明を説明することのみを意図しており、尺度として考慮すべきでない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の自己洗浄乾燥機及びその方法が使用される水中ペレタイザーと遠心ペレット乾燥システムの概略図である。
【図2】本発明を実施した乾燥機の概略断面図であり、スラリー入口、乾燥ペレット排出シュート、水タンク、円筒スクリーン、ロータ、中空軸のほか、乾燥機ハウジングと多孔スクリーンの間のスプレーノズルを示す。
【図3】図2の拡大詳細断面図で、ロータを示すとともに、ロータ内の中空軸、該中空軸の内部とロータの内外を連通する孔を示す。
【図4】図2の乾燥機の内側の破断斜視図で、乾燥ハウジング、ロータ、ハウジングのドア開口を通して見られるスプレーノズルの関係を示す。
【図5】図2の乾燥機のロータの底面図で、乾燥機の基部と桶部とともに、ロータの内部を噴霧するロータの下端の孔を示す。
【図6】本発明を実施した他の乾燥機の図2と同様の概略断面図である。
【図7】図3と同様の、図6の拡大詳細断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の好ましい実施形態を詳細に説明するが、他の実施形態も可能であることを理解すべきである。したがって、本発明は、以下の説明に述べられ、図に示された部材の詳細な配置及び構成に限定されるものではない。本発明は、他の実施形態も可能であり、種々の方法で実施し実行することができる。また、好ましい実施形態を記載するにおいて、明瞭にするために特定の用語を使用した。各特定の用語は、同一の目的を達成するために同一の方法で作用する全ての技術的均等物を含むことを理解すべきである。
【0023】
図を参照すると、本発明の構造および方法を組み入れるように修正されたガラモデル1200シリーズ遠心ペレット乾燥機が図2−5に示され、参照符号10で全体的に示されている。図1は、典型的なガラ乾燥機10(1200シリーズではない)を概略的に示し、参照符号12で全体的に示す水中ペレタイザーと結合され、該水中ペレタイザーはペレットと水のスラリーの形態でペレット化製品を生産し排出し、該スラリーはスラリー管14を通ってペレット乾燥機10に搬送される。スラリー管14はペレットと水のスラリーを塊捕集器16に排出し、該塊捕集器16はペレット塊を捕集し、除去し、排出シュート18を介して排出する。塊捕集器16は傾斜した多孔板又はスクリーン20を含み、該スクリーン20は水とペレットの通過を許容するが、塊りのペレットを収集し、排出シュート18に導く。ペレットと水のスラリーは、脱水機22を通過する。脱水機22は傾斜多孔スクリーン23を含み、該多孔スクリーン23は水が下方に通過して水タンク24に入るのを可能にする。表面に依然として水分を保持しているペレットは、脱水機22から、スラリー入口25(図2参照)で乾燥機10の下端に排出される。
【0024】
図2に示すように、自己洗浄遠心ペレット乾燥機10はほぼ円筒形のハウジング26を含み、該ハウジング26は垂直に配置されたほぼ円筒形のスクリーン28を有し、該スクリーンは底の円筒ベース桶部77と頂部の円筒上部39との間に搭載されている。スクリーン28は、ハウジング26の内壁から半径方向に離れた関係で、ハウジング26内に同心に配置されている。
【0025】
垂直ロータ30は、スクリーン28内で回転するように搭載され、好ましくは乾燥機の上端に搭載されたモータ32によって回転可能に駆動される。モータ32は、駆動連結部34により、ハウジング26の上端に接続されたベアリング36を介してロータ32に連結されている。連結部34及びベアリング36はロータ30を支持し、ロータ30の上端の回転移動を案内している。スラリー入口25は、桶部77を介して、連結部38で、スクリーン28及びロータ30の下端と連通している。ハウジング26及びロータ30の上端は、ハウジング26の上端の上部39にある連結部41を介して、乾燥ペレット排出シュート40と連通している。出口40の分流板92は乾燥ペレットを出口97又は出口98の外にそらす。
【0026】
シリーズ1200乾燥機のハウジング26は、乾燥機の下端部にあるフランジ継手42と、乾燥機の上端部にあるフランジ継手43とで連結された組合構造を有している。フランジ継手43は上板47に連結され、該上板47はベアリング構造36と駆動連結部34を支持し、該ベアリング構造36と駆動連結部34はハウジング又はガード44によって包囲されている。ハウジング44の頂部の継手46はモータ32を支持し、全ての部品を組み立てた関係に維持している。
【0027】
参照符号48で示すハウジング26の下端は、水タンク49の頂部にある底板100に、フランジ継手50によって連結されている。孔52は、乾燥機ハウジングの下端48を水タンク49と連通させ、表面水分がペレットから除去される際に、水をハウジング26から水タンク49に排出する。水分の除去は、ロータの作用によって達成される。ロータは、ペレットを上昇させ、ペレットに遠心力を与える。これにより、スクリーン28の内壁との衝撃によりペレットから水分が除去される。水分は、スクリーンを通過し、最終的に当業者に公知の方法で水タンク49に入る。上記部材は、一般に、前述の米国特許第6237244号に開示されているようなガラモデル1200シリーズ遠心ペレット乾燥機において、本願の図2を上記特許の図6と比較することで、見つけることができる。
【0028】
本発明の自己洗浄構造は、図2に示すように、ハウジング26の内壁とスクリーン28の外壁の間に支持された複数のスプレーノズル又はスプレーヘッド54を含む。ノズル54はスプレー管56の下端に支持され、スプレー管56はハウジング26の上端で上板47を貫通して上方に延び、その上端60は露出している。ホース又はライン61は高圧流体好ましくは水を、少なくとも40gpm、好ましくは約60gpmから80gpm、又はそれ以上の流量で、スプレーノズル54に供給する。ホース61は、望まれるなら、乾燥機10に搭載された単一のマニホールド(不図示)から供給することができる。
【0029】
少なくとも3つのスプレーノズル54と、関連のスプレー管56及びライン61があるのが好ましい。スプレーノズル54とスプレー管56は、スクリーン28の周囲に、周方向に等間隔で配置されるとともに、垂直方向に互い違いに配置され、これにより、スプレーノズル54から排出される高圧流体は、ハウジング26の内壁はもちろん、スクリーン28のほぼ全体に接触して洗浄する。このため、スクリーン28の外面とハウジング26の内壁との間の引っ掛かり点又は領域に蓄積又は貯溜した如何なる集積ペレットも洗い流されて孔52を通って水タンク49に入る。同様に、スクリーン28の内側(及びロータ30の外側)に残留したペレットも乾燥ペレットシュート40の外に洗い流される。このように、ペレットは、異なるタイプのペレットを乾燥する後続の乾燥サイクルの間に乾燥機を通過するペレットを汚染しないし、該ペレットと混合しなくなる。
【0030】
図3をみると、ロータ30は、ペレットを持ち上げて上昇させ、スクリーン28に衝突させるために、傾斜ロータブレード64を備えたほぼ正方形の管状部材62を含む。他の乾燥機では、ロータ30は、円形、六角形、八角形、又は他の形状の断面とすることができる。中空軸66は、ロータを形成する中空の正方形部材62に対して同芯の離れた関係で、ロータ30を貫通して延びている。中空軸は、底板100と水タンク49の上壁にあるそれぞれの開口104と106と一致し、ロータの下端にあるガイドブッシュ102にある開口68を貫通して延びて、ロータの下端をガイドしている。ロータリ継手70が中空軸66に接続されるとともに、中空軸66の内部を加圧するために、ホース又はライン71を介して流体圧力供給源(不図示)、好ましくは空気圧力供給源に接続されている。
【0031】
中空軸66は、図2及び3に示すように、該中空軸66の内面と正方形ロータ部材62の内面とを連通するために、孔72を含む。これらの孔72は、加圧流体、好ましくは空気をロータ30の内部に導入する。ロータ30は、底壁74に孔76を有し、該孔76は、ロータ30の下端が洗浄されるようにするために、ロータ30の底端をベース又は桶部77の内面と連通させている。ロータとスクリーン28の内側から流れ出たペレットは乾燥ペレット出口シュート40を通って排出される。
【0032】
上部39の内側のロータ30の上部は、引っ掛かり点でもあり、蓄積ペレットを取り除くために高圧流体好ましくは空気にさらされる。ノズル110は、ロータ30の上部112を横切って高圧空気を導き、蓄積ペレットを上部39の外部からペレット出口シュートに押しやる。ノズル110は空気ホース又はライン114を備え、上板47を貫通して延び、高圧空気源(不図示)に接続されている。
【0033】
ベース又は桶部77は、ハウジング26の底板100と水タンク49にねじ78又は他の固着手段で取り付けられ、ハウジングとスクリーンを水タンク49に動かないように固定している。乾燥機の構造内にある引っ掛かり点又は領域に加えて、他の引っ掛かり点が、図1に概略示すように水中ペレタイザー12の水箱(water box)84をバイパスするために弁82を含む水ボックスバイパスライン内にある。これは、ポンプ86からの水の流れが直接スラリーパイプ14に入るのを可能にする。弁82は水箱バイパスライン80の引っ掛かり点を提供する。
【0034】
水箱バイパスライン80内のペレットの収集を軽減するために、パイプ80の断面は、小径ニップル、逆止弁、空気注入ポートと接続されたエアホース88を備えている。空気注入ポートは、ペレットを水箱バイパスライン80の外部に追放(パージ;purge)する。また、この空気パージは、乾燥機への高圧水サージを形成し、高圧水サージは塊捕集器16と乾燥機10のベース部48を洗浄するのに役立つ。塊捕集器16はソレノイド弁によって制御される別のパイプ又はホース90によっても洗浄することができ、該パイプ又はホース90は高圧流体を傾斜集塊格子又は捕集板20のペレット接触側に導き、塊の多孔板20を洗浄し、該塊は排出チューブ又はシュート18を介して排出される。水箱バイパス及びホース90からの空気パージは、塊捕集器16からの全ての集塊ペレットを洗い流す。
【0035】
乾燥機の下端のベース及び桶部77は、乾燥機ハウジングの部品を互いに接続するポート開口及び継ぎ目に、平坦領域を含む。水箱バイパスからの空気及び水は、塊捕集器を洗浄し、これにより引っ掛かったペレットを有効に洗い流すことができる。ハウジングから水タンクへの水出口は、除去された湿気と水を水タンクに導入するために、拡大排出領域と傾斜底を含む。乾燥機の部品の種々の接続領域が、引っ掛かり点又は領域を生成してもよい。しかしながら、一定時間毎の空気と水のパージの組み合わせにより、引っ掛かり点からペレットを取り除くことができる。
【0036】
ホース94とノズル95は、ロータ30の上部とペレット40の出口を洗浄することができるような方向に、排出シュート又はパイプ40に噴出空気を供給する。放出空気は、乾燥機からの乾燥ペレットの排出のための分流弁92や管継手を通過するペレットを吹き飛ばす。送風機104はペレットの通常乾燥中に乾燥機を通して空気を引き込む。
【0037】
ロータ30は、完全洗浄サイクル中に、連続的に回転するのが好ましい。ソレノイド弁は、好ましくは約60psiから約80psi又はそれ以上で、水箱バイパス空気ポート、ロータ空気ポート、上部空気ポート、ペレット出口空気ポート、分流弁空気ポートに、空気を供給するように設けられている。ソレノイド弁は、好ましくは約3分の短い噴出空気(air burst)を提供するためにタイマーを含み、該短い噴出空気は良好に洗浄し、長時間を要しない。洗浄サイクルボタンは、洗浄サイクルを起動する。まず、水箱バイパス空気ポートを作動し、5回の空気噴出でバイパスをパージし、次に、空気ポートの上部を作動し、その後、ペレット出口シュート分流弁を作動するが、スプレーノズルが作動する前に2秒間、停止し、1から10秒間、好ましくは約6秒間、スクリーンを洗浄する。次に、スプレーのずるポンプが停止したときに、送風機を作動し、これにより、1つの洗浄サイクルを完了する。上記手順は、平均サイズのペレットについて有効に働く。
【0038】
図6と7をみると、本発明の構造及び方法を組み入れるように修正されたガラモデル2008乾燥機が参照符号210で全体的に示されている。図2−5の乾燥機10と対応する乾燥機210の同様の部分は、符号が200番で始まる以外は、符号が同一であり、図2−5の100シリーズの代わりに、図6−7の実施例では200シリーズ、300シリーズが使用されている。新しい部分は、400シリーズの番号が付されている。
【0039】
図6と7の実施例の自己洗浄装置は、ハウジング226の内部とスクリーン228の外部の間に支持された3つのスプレーノズル又はスプレーヘッド254を含む。スクリーン228は、当業者に公知のように、2つのスクリーン部402と404からなっている。ノズル254は、スプレーパイプ256によって支持され、スプレーパイプ256は上板247を貫通して上方に延び、ライン261によって、一つの水入口406に接続されている。スプレーノズル254は、ハウジング226の内壁と、スクリーン228の外壁に対して水または他の液体を吹き付けるのが好ましく、水と捕集されたペレットはドレン408を通って乾燥機を出る。
【0040】
ロータ230は、中空であり、その外表面の回りに傾斜ロータブレード264を備える。中空軸266は、中空ロータ230を貫通して延び、中空ロータと同芯で離れた関係にある。ロータ230の下端はベアリングアセンブリ409で支持され、中空軸266はベアリングアセンブリ409を貫通して延び、ロータリ継手270に接続されている。継手270は、ホース又はライン271を介して高圧空気源に接続されている。
【0041】
中空軸266は、中空ロータ230の内部と連通するために、孔272を含み、該孔272は高圧空気をロータ230の内部に導入する。ロータ230の底は、その底壁274に穴276を有し、該孔276はベース又は桶部277の底に高圧空気を導き、これにより蓄積ペレットを外方及び上方に回転ロータ230及びロータブレード264に向かって押しやる。
【0042】
図6に示すように、ロータ230の上部は、ノズル310を通る高圧空気にさらされ、該ノズル310は、ロータ230の上部312を横切り、上板247の下方に高圧空気を導く。ホース又はライン314はノズル310を高圧空気源に接続している。
【0043】
図6と7の実施例の排出シュート又はパイプ240は、乾燥機210の前又は後のいずれにも設置することができるので、図6に示すように離れて図示されている。この実施形態では、排出パイプ240と分流弁292用の別個のノズルがある。特に、空気ホース410は、高圧空気を排出シュート240に導くノズルを供給し、空気ホース412は高圧空気を分流弁292に直接導く。
【0044】
特許図面を参照してなされた前述の説明に基き、当業者は、どんな特殊な遠心ペレット乾燥機も高圧水又は高圧空気で洗浄する時間洗浄手順を容易に確立することができる。しかしながら、さらなる手引きとして、以下に、図6と7の実施形態を使用した本発明による自己洗浄手順を説明する。
【0045】
オペレータは、PLCと関連したクリーニングサイクル開始ボタン(AStart Cleaning Cycle@ button)を押すことで、自己洗浄工程を開始する。
【0046】
ステップ1:水箱バイパス管ソレノイドは、空気ホース88への弁を作動し、3秒間空気をパルスでオンし、乾燥機への高圧噴出水を生成する。次に、ソレノイドは、3秒間空気供給源をオフする。このオン/オフ手順は5回繰返す。
【0047】
ステップ2:次に上部ソレノイドを作動し、3秒間ノズル310を介して空気をパルスで送り、3秒間オフする。この手順は5回繰返す。
【0048】
ステップ3:ペレット樹脂出口ソレノイドを作動し、3秒間ライン410を介して空気をパルスで送り、3秒間オフする。この手順は5回繰返す。
【0049】
ステップ4:ペレット分流弁ソレノイドを作動し、3秒間ライン412を介して空気をパルスで送り、3秒間オフする。この手順も5回繰返す。
【0050】
ステップ5:送風機304の送風機モータの電源を遮断する。
【0051】
ステップ6:高圧水をスプレーノズル254に放出する洗浄ポンプモータを作動し、6秒間、高圧水スプレーをスプレーノズル254から放出させる。
【0052】
ステップ7:次に、送風機304用の送風機モータの電源を遮断する。
【0053】
ステップ1−7は、5連続シーケンスの間、自動的に繰返す。5番目のシーケンスが完了すると、洗浄サイクルは完了する。
【0054】
前述したように、ロータ230は、通常のペレット乾燥操作中はもちろん、全洗浄工程中回転している。したがって、ロータは連続的にオンし、乾燥機の停止時間が少なくなる。新たな被乾燥ペレット材料に切り換えるときに、洗浄サイクルを実行するだけでよい(ロータ230は回転を継続している)。
【0055】
本発明は特に遠心ペレット乾燥機に関して説明し、それが特に好ましいのであるが、本発明の洗浄装置及び方法は、ストランド(strand)やホットフェース(hot face)ペレタイザーのような他の形態のペレタイザーの関連した乾燥機にも適用することができる。本発明は遠心ペレット乾燥機にのみ限定されることは意図されていない。
【0056】
前述の説明は、本発明の原理を説明するだけのものと考えられる。さらに、多くの修正や変更が当業者に容易に行われるであろう。図示し説明した実際の構造や動作に限定することは望まれない。したがって、全ての適切な修正例や均等例が、本発明の範囲内で行われてもよい。
【符号の説明】
【0057】
10 遠心ペレット乾燥機
25 スラリー入口
26 ハウジング
28 スクリーン
30 ロータ
32 モータ
40 出口
54 ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペレットと水のスラリーの形態でペレット化された製品から表面の水分を除去する自己洗浄遠心ペレット乾燥機において、ハウジングと、前記ハウジングに対して離れた関係で前記ハウジング内に取り付けられた円筒スクリーンと、前記スクリーン内に配置されたペレット上昇ロータと、前記ロータに駆動可能に接続されたモータと、前記スクリーンの内部と連通するスラリー入口と、前記スクリーンの内部と連通する乾燥ペレット出口と、前記ハウジングの内部と前記スクリーンの外部に配置され、加圧流体を前記スクリーンとハウジングに向かって放出し、前記スクリーンとハウジングからのペレットを洗浄する加圧流体ノズルアセンブリと、からなる自己洗浄遠心ペレット乾燥機。
【請求項2】
前記スプレーノズルは、前記スクリーンの回りに周方向に、前記ハウジングの内部と前記スクリーンの外部に対して半径方向に離れた関係で配置され、前記スクリーンの外面と前記ハウジングの内面を洗浄する請求項1に記載の乾燥機。
【請求項3】
前記スプレーノズルは、前記スクリーンとハウジングに対して垂直方向にずらした位置に配置され、前記スクリーンとハウジングの全ての表面を洗浄する請求項2に記載の乾燥機。
【請求項4】
前記ロータは、細長い垂直中空体内に配置された中空軸を含み、前記中空軸は加圧空気源への回転継手を含み、前記中空軸は前記中空軸を前記ロータの中空体の内部と連通させる空気通路を含み、前記ロータは孔を有する底を含み、前記ハウジングの下部に加圧空気を放出して前記ハウジングの下部からペレットを押しのける請求項1に記載の乾燥機。
【請求項5】
前記スラリー入口は、前記ハウジングの下端に配置され、前記乾燥ペレット出口は前記ハウジングの上端に配置され、前記モータは前記ハウジングの上端に取り付けられている請求項1に記載の乾燥機。
【請求項6】
塊捕集器が、前記スラリー入口に入る前に前記スラリーからペレット塊を除去するために、前記スラリー入口の前に配置されている請求項1に記載の乾燥機。
【請求項7】
ペレット脱水機が、前記ペレットが前記スラリー入口に入る前に前記ペレットと水のスラリーから大量の水を除去するために、前記スラリー入口の前に配置されている請求項1に記載の乾燥機。
【請求項8】
前記乾燥ペレット出口は、排出シュートと該排出シュートの中に分流弁を含み、乾燥ペレットの選択された排出開口への排出を可能にする請求項1に記載の乾燥機。
【請求項9】
加圧流体を集塊スクリーンに導き、前記スクリーンからの塊を洗浄し、前記塊捕集器から排出するために、前記塊捕集器と関連する洗浄スプレーノズルをさらに有する請求項6に記載の乾燥機。
【請求項10】
高圧流体を導いて前記分流弁からペレットを押し出し、前記乾燥ペレット出口と前記ハウジングとロータの上端を洗浄するために、前記排出シュートと関連する洗浄スプレーノズルをさらに有する請求項8に記載の乾燥機。
【請求項11】
水中ペレタイザーと、前記乾燥機と関連するスラリーパイプ回路とをさらに有し、高圧空気ノズルを備えた水箱バイパスパイプを含み、前記バイパスパイプに空気を注入し、前記バイパスパイプと関連弁を洗浄し、前記乾燥機に洗浄目的で噴出高圧水を生じる請求項1に記載の乾燥機。
【請求項12】
ハウジングと、前記ハウジングに対して離れた関係で前記ハウジング内に取り付けられた円筒スクリーンと、前記スクリーン内に配置されたペレット上昇ロータと、前記ロータに駆動可能に接続されたモータと、前記スクリーンの内部と連通するスラリー入口と、前記スクリーンの内部と連通する乾燥ペレット出口とを有する遠心ペレット乾燥機を自己洗浄する方法において、
前記乾燥機の内部に選択的に配置されたスプレーノズルから、前記スクリーンと前記ハウジングの間に位置する潜在的な蓄積ペレットの引っ掛かり点に向かって、高圧流体を一定時間毎の手順で導く自己洗浄方法。
【請求項13】
前記高圧流体は、80gpmと100gpmの間の流量で流れる水を含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記高圧流体は、少なくとも60psiの圧力の空気を含む請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記高圧空気は、前記乾燥機の運転中に、連続的に前記ハウジング下部に放出する請求項4に記載の乾燥機。
【請求項16】
水中造粒機から出たペレットから表面の水分を除去する自己洗浄遠心ペレット乾燥機において、ハウジングと、前記ハウジングに対して離れた関係で前記ハウジング内に取り付けられた円筒スクリーンと、前記スクリーン内に配置されたほぼ中空のペレット上昇ロータと、前記ロータに駆動可能に接続されたモータと、前記スクリーンの内部と連通するスラリー入口と、前記スクリーンの内部と連通する乾燥ペレット出口と、前記ハウジングの内部と前記スクリーンの外部に配置され、加圧流体を前記スクリーンとハウジングに向かって放出し、前記スクリーンとハウジングからのペレットを洗浄する液体加圧ノズルアセンブリとからなり、前記ロータは孔を有し、前記ハウジングの少なくとも下部に加圧空気を放出して前記ハウジングの下部からペレットを押しのける自己洗浄遠心ペレット乾燥機。
【請求項17】
前記加圧流体は、前記加圧ノズルアセンブリから少なくとも約40gpmの流量で排出され、前記加圧空気は前記中空ロータから少なくとも約60psiの圧力で排出される請求項16に記載の乾燥機。
【請求項18】
前記乾燥ペレット出口は、排出シュートと、該排出シュート内にあって乾燥ペレットの選択された排出口への排出を可能にする分流弁と、前記排出シュートと関連し、高圧流体を導いて前記分流弁からペレットを押しのける洗浄スプレーノズルとを有する請求項16に記載の乾燥機。
【請求項19】
前記高圧流体は、前記乾燥ペレット出口と前記ハウジングとロータの上端を洗浄する請求項18に記載の乾燥機。
【請求項20】
前記スラリー入口に入る前に前記スラリーからペレット塊を除去するために、前記スラリー入口の前に配置されている塊捕集器と、
加圧流体を集塊スクリーンに導き、前記スクリーンからの塊を洗浄し、前記塊捕集器から排出するために、前記塊捕集器と関連する洗浄スプレーノズルと、
をさらに有する請求項16に記載の乾燥機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−176617(P2012−176617A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−77552(P2012−77552)
【出願日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【分割の表示】特願2005−304376(P2005−304376)の分割
【原出願日】平成17年10月19日(2005.10.19)
【出願人】(500092365)ガラ・インダストリーズ・インコーポレイテッド (23)
【氏名又は名称原語表記】Gala Industries, Inc.
【Fターム(参考)】