説明

自己活動化管腔内デバイス

改良された管腔内デバイス。本デバイスは、少なくとも、周囲のシースに接続された(ガイドワイヤなどの)制御要素と、制御要素とシースの間に形成された、バイアス力の変更を制御するための弾性バイアスセクションとを含む。デバイスの近位端に外力を加えることにより、形状を、変形形状と変形されない形状の間で種々の程度に変更することができる。このように、体管腔中への挿入および管腔への固定化を共に促進することができる。組立体の遠位端は、操向可能性、固定性、またはその両方を改良するために形状を変更することができる。特定の形態では、固定化セクションは、浮遊するパラシュート状のデバイスとして働き、流れにより組立体を体管腔中に進めることができるが、さらに特定の形態では、浮遊パラシュート状デバイスを、塞栓を閉じこめるためのフィルタとして働くように変更することもできる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ガイドワイヤ組立体を脈管、胆管、または泌尿生殖器の管腔に挿入したとき、操作者は、その近位端を動かさずに保持することによって定位置に維持する必要がある。カテーテルまたは関連する管腔内デバイスをその組立体を介して送るとき、特に曲がりくねった動脈内で、比較的剛性のあるカテーテルが柔軟なガイドワイヤの形状に影響するため、組立体の遠位端が動き始める可能性がある。カテーテルは、ガイドワイヤ組立体を真っ直ぐにする傾向があり、したがって、ガイドワイヤ先端に引張力を生成し、それが望ましくない動きを引き起こすことになる。組立体の遠位端が近位方向に後戻りすると、ターゲット動脈から滑り出る可能性があり、それが生じた場合、デバイスを引き抜いてその手技を繰り返す必要がある。それは、最も可撓性のある先端部がターゲット動脈に入る前にガイドワイヤが湾曲している場合よくあることである。
【0002】
医療用のライン固定化システムを開発する従来の試みは、望ましくは、テープ、針、または縫合を使用せずに、カテーテル管または同様の医療製品の一部を容易に患者に固定できる単純構造のデバイスの使用を含む。Biermanによる米国特許第6447485号に示され記載されている1つの例示的なデバイスでは、一体型の保持装置が、望ましくは、可撓性のあるヒンジによりカバーに接続されたベースを含む。その保持装置は、患者の皮膚に付着され得る粘着性のある底部表面を含む可撓性のある固定パッドに取り付けられている。それは、体外に固定する一実施例である。他の手法では、体の部位の定位置にそれ自体を固定できる細長い部材を使用することができる。例えば、Fleischmanによる米国特許第6544262号では、体管腔または関連する組織に電極を固定する拡張可能な先端部を有する電極を開示する。他の方法では、例えば、Schaerによる米国特許第6595989号に示すように、ワイヤは、遠位端に近い膨張可能なバルーンによって定位置に保持される。同様に、McNamara他による米国特許第6254550号では、あらかじめ形成されたワイヤガイドが示されており、それは、ワイヤが側部動脈(side artery、例えば、腎動脈)の入口で強度の湾曲が得られるように処理されているので、側部動脈中でそれ自体を固定することができる。ターゲット動脈は、所与の位置で、主アクセス動脈(大動脈)と強度の角度を作るので、ワイヤはその湾曲部位でそれ自体を固定することができる。したがって、ワイヤは、その湾曲部分を用いて、側部動脈の入口にぶら下がることになる。Engelsonによる米国特許第4884579号では、ガイドワイヤの遠位セクションを滑りにくい表面とすることにより固定することができる。このような手法は把持を増すが、把持が強すぎると脈管壁をさらに損傷する可能性があるので、摩擦を最小にする必要のある場合は挿入中に注意が必要である。
【0003】
操向可能先端部を有するガイドワイヤ組立体は、当技術分野でよく知られている。いくつかのタイプは、挿入前に所望の角度に曲げることができる形成可能な先端部を有する。その角度により、操作者は側部動脈に挿入することが可能となるが、その比較的固定された性質は、体内に入った後、角度の変更ができないことを意味する。したがって、近位で操作することによって先端部の湾曲を操作する遠隔制御を有するのがよい。一実施例では、中空のガイドワイヤが柔軟な先端部を含み、あらかじめ曲げたワイヤをその柔軟な領域に進めて湾曲を変更することができる。例えば、Wintersによる米国特許第6599254号では、偏心位置で柔軟な先端部に取り付けられた引張ワイヤを有する中空のガイドワイヤが開示されている。操作者が、ガイドワイヤに対して引張ワイヤを引くと、先端部が曲がる。その湾曲は、引張力に応じて調整することができる。他の実施例では、Donadio III他による米国特許第5741429号は、さらに可撓性が望ましい場所の管壁中に作られた一連のスロットを有する中空のガイドワイヤを示す。カテーテル、ガイドワイヤ、カテーテル導入装置もしくは薬物注入カテーテルまたはガイドワイヤと共に使用するためのカテーテルシースとして使用するためのスロット付きハイポチューブ(hypotube)を含む装置のための製造工程が開示されている。製造工程は、それだけに限らないが、静電気放電加工(EDM)、化学的切削加工、アブレーション(ablation)、およびレーザカットを含む工程によって、可撓性のある金属の管状部材中にスロットまたは開口部のパターンを作成することを含む。それらのスロットもしくは開口部は、可撓性のある金属の管状部材の壁全体に完全に、または部分的にカットすることができる。他のスロット付き構成も可能である。例えば、米国特許出願公開第20030069522号では、複数の対のスロットを本体中にカットして、適切なねじり剛性を維持しながら、曲げる場合にさらに可撓性を有するようにしたスロット付き医療デバイスが述べられている。
【0004】
すべての場合において、操作は近位端から制御される。それは、一般に、ガイドワイヤ組立体それ自体とは異なる形状を有し、また通常大きい直径を有するいくつかの追加のツールまたは操作手段で行われる。近位端セクションに取り付けられたこのような操作手段により、カテーテルをその近位端を越えて摺動することが不可能になる。したがって、操作手段は、その近位端を越えてカテーテルを送るために結合を解除する必要がある。それは、オーバ・ザ・ワイヤ・カテーテル(over the wire catheters)、ならびにラピッド・エクスチェンジ・カテーテル(rapid exchange catheters)の場合である。この場合、ガイドワイヤを越えてカテーテルを配置するために、操作者は、ガイドワイヤ組立体の遠位セクションを固定され係止された位置に保持することができないので不利である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、近位端で操作可能であり、一方、その遠位端を、体管腔内に位置させ、体管腔を介して進ませて、体管腔に固定可能な管腔内デバイスが求められている。さらに、容易に活動化される状態にあり、操向可能性および固定可能性の改善されたレベルを生成できる形状変更を可能とする管腔内デバイスが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
その必要性は、体管腔内におけるガイドワイヤ組立体または関連する医療デバイスの配置が、自己固定化および操向可能属性を含む再構成可能機能により簡単化される本発明によって満たされる。可能な諸実施形態は、それだけに限らないが、ハイポチューブ、カテーテル、操向可能な先端部、電極、血管形成バルーン、ドレーン、拡張器、遠位保護フィルタ、フィルタ、バスケット、固定化装置、浮遊固定化装置、閉鎖デバイス、リード、ドレーン、ガイドワイヤ、カテーテル導入装置または薬物注入カテーテルまたはガイドワイヤと共に使用するためのカテーテルシース、およびスタイレットを含む。
【0007】
自己固定化機能によると、組立体が固定化装置を組立体上の軸方向の遠位位置に置くことができるが、一方、組立体の半径方向寸法を固定化装置に近いままとし、したがって、管腔内および関連する処置デバイス(例えば、カテーテル)は、近位端を越えて摺動することが可能となる。再構成可能であることにより、自己固定化および操向可能機能は、変形された形状または変形されない形状で保持され、それにより、体管腔中へと組立体を操作すること、および所望の位置に適切に配置することの改善を可能にする。再構成可能な機能は、ワイヤもしくは関連する制御要素と、実質的にその制御要素を包む管状シースとの間に組み込まれた軸方向力を変えることによって達成される。制御要素とシースの間の接続は、シース内側における制御要素の強制された長手方向移動と結合されて、固定化セクションおよび操向可能セクションの形状に変化を起こさせる。組立体の制御要素とシース手段の間の接続の結果である固有のバイアスとは、組立体は、単独に置かれた場合、その変形された状態にあることを意味する。組立体の近位端で簡単な操作を行うだけで、操向可能セクションおよび固定化セクションの一方または両方の形状を変更することにより、デバイスをその挿入可能状態にすることができる。
【0008】
本発明の一態様によると、体管腔内で使用するための医療デバイスが開示される。本デバイスは、管状シースおよび細長い制御要素を含む。シースおよび制御要素は共に、近位端および遠位端を含む。シースはさらに、その近位端と遠位端の間に配設された少なくとも1つの再構成可能セクション、および弾性バイアスセクションを含む。(特定の一実施形態ではワイヤである)制御要素は、シース内で、その長手方向配置を可能にする寸法であり、シースにより引張力が制御要素に対して加えられるように、シースおよび制御要素は互いに固定状態で取り付けられている。引張力は、変形された第1の形状に医療デバイスを偏位(bias)するのに十分であり、その形状は引張力を変化させることによって変更することができる。引張力を変更すると、医療デバイスは、変形された第1の形状とは異なる第2の形状を取る。本コンテキストでは、固有のバイアス力が、デバイスに、このような力が加えられない場合の休止状態で示す形とは異なる形を取るようにさせるとき、デバイスは変形された形状にあると見なされる。例えば、引張力が制御要素とシースの間に存在する場合、その張力によって作られるデバイスの一方または両方の端部における曲がりは、通常は真っ直ぐな形状からの(好ましくは、弾性的な)偏位を生ずる。このような場合、曲げられた形状を変形されたと見なす。同様に、接続された両端の中間部分の軸方向圧縮によって生ずるシースの半径方向または関連する外方向の拡張も、変形された形状を意味することになる。それとは反対に、いずれの固有バイアス力も抑えられて、デバイスに作用する正味の力が存在しない場合と同等の形状をそのデバイスが取るとき、デバイスは、変形されない形状で存在すると見なされる。
【0009】
弾性バイアスセクションは、再構成可能セクションに対して近位に配設され、シースの再構成可能セクションの軸方向長さを変えるように構成され、それにより、シースとワイヤ間の引張力の変化を生成する。弾性バイアスセクションは、デバイスの近位端の近傍でシースと制御要素の相対的な移動を可能にすることにより、再構成可能セクション中の制御要素とシースの間の相対的な移動を補償できるようにする。それを達成するために、弾性バイアスセクションは、再構成可能セクションをその変形された状態に保つために必要な軸方向力を生成するバイアスバネとして働く。バイアスバネの(ユーザまたは操作者などによる)操作により、制御要素に対する軸方向力を解放させ、したがって、固定化セクションおよび操向可能セクションの一方または両方(共に以下で論ずる)を変形された形状から、変形されない状態もしくは変形がより少ない形状に一時的に戻ることができる。
【0010】
任意選択で、バイアス力に打ち勝つために使用される引張力の変化は、引張力を低下させることとすることができる。他の選択肢では、弾性バイアスセクションが軸方向に圧縮された状態で、ワイヤの遠位端をシースの対応する遠位端に固定状態に接続し、ワイヤの近位端をシースの対応する近位端に固定状態で接続する。こうすると、ワイヤに引張力を形成し、したがって、デバイスは、乱されない状態のままである場合、バイアス張力を有するようになる。他の選択肢は、ワイヤとシースの間の相対的な軸方向位置を調節できるようにするために、ツールをワイヤまたはシースの少なくとも一方に結合することを含む。それにより、組み込まれたバイアスに対する変更が可能となり、第1の実質的に変形された形と、変形されないもしくは変形がより少ない第2の形状との間の遷移を行うことができる。ツールはさらに、弾性バイアスセクション中に残っているバイアス量をユーザに知らせるためのマーキング、ディスプレイ、または関連する標識を含むことができる。同様に、ツールは、第2の形状に関連する変形量をユーザに知らせるように構成された標識を含む。ツールは、ワイヤ、シース、またはその両方に、取外し可能に取付けができるコネクタを備える。一形態では、コネクタはロック(lock)である。より特有の形態では、そのロックは、ツールとシースの間にネジ接続を含む。
【0011】
シースの再構成可能セクションは、数多くの構成要素から構成することができる。例えば、制御要素およびシースのそれぞれの遠位端に隣接して配設された、前述の操向可能セクションを含むことができる。操向可能セクションは、その長さの少なくとも一部分に沿って曲げることができるように構成することができる。その湾曲部は、上記の変形された第2の形状の可能な一形態を画定する。それらの湾曲部は、シース中に少なくとも1つのスロットを形成することにより実施することができる。その1つまたは複数のスロットは、軸方向に、接線方向に、円周方向に、またはデバイスの長手方向軸に対して0度と90度の間の角度を含む様々な方向に方向付けることができる。他の形態では、操向可能セクションは、数多くの操向可能領域から構成され、それにより、曲がりくねった管腔中でさらに挿入可能性を高めることができる。この場合、複数の操向可能領域のそれぞれに形成された湾曲部は、(例えば、シース中に形成された強度を弱めた前述のスロットまたは関連する場所によって)複数の操向可能領域の残部分とは独立した方向に偏らせることができる。選択的な曲げの他の形態は、シース中にコイルバネを含むことによって達成することができる。さらにバイアス能力を提供するために、コイルバネ中に剛性要素を非対称的に配置することもできる。軸方向に非対称の剛性を生ずるように、シースの外側表面に沿って長手方向の補強を配置することにより、同様な手法を組み込むことができる。
【0012】
前述の操向可能セクションの代わりに(または追加して)、シースの再構成可能セクションは、固定化セクションを含むことができる。デバイスの変形された第1の形状に対するそのセクションの寄与は、拡張された状態に相当する。それに反して、固定化セクションが非拡張状態にあるとき、それは、デバイスの変形されていないまたは変形がより少ない第2の形状を与える。一形態では、拡張された状態は、実質的に、半径方向に拡張された状態を含む。他の形態では、拡張された状態は、実質的に、螺旋形状を含む。固定化セクションは、固定化セクションにバスケット状の構成を付与する、画定されたスロットをその間に有する複数のストラットを含むことができる。それらのストラットは、シースの実質的に軸方向寸法に沿って方向付けられ、あるいは非軸方向に配置することもできる。特定の一実施例では、固定化セクションは、レーザでカットし、次いで熱処理して、長く伸びた円筒形の状態にある簡単なニチノール(Nitinol)バスケットである。このようなバスケットの遠位端および近位端が、張力を受けた内部制御要素により、互いに引き寄せられたとき、ストラットが外方向に曲がり、その結果、バスケットの直径が増加する。バスケットの遠位端に制御要素を取り付けて、その後に引張力を解放することによって(デバイスの近位端で弾性バイアスセクションを軸方向に押すことなどによって)、ストラットは、その真っ直ぐな状態に戻り、その結果、バスケットが折りたたまれる。他の実施形態では、固定化セクションは、折りたたみ可能なバスケットとして構成されたメッシュレイヤから構成することができる。このように、固定化およびフィルタリング(以下で論ずる)機能は、シース中に配設された単一の拡張可能/折りたたみ可能デバイスによって達成することができる。特定の形態では、ワイヤメッシュバスケットをニチノールまたは関連する形状記憶材料など自動的に折りたたまれる(self−collapsing)材料から作ることができる。
【0013】
さらに、シースの再構成可能セクションは、操向可能セクションおよび固定化セクションの両方から構成することが可能であり、操向可能セクションが、固定化セクションの下流に配置されることが好ましい。操向可能セクションおよび固定化セクションの少なくとも一方は、固有のバイアス力の変化に応答して弾性的に変形可能とすることができる。
【0014】
固定化セクションが、操向可能セクションを備えるか、あるいは単独であるかにかかわらず、ストラット上に配設される可撓性のある重合体レイヤをさらに含むことができる。その重合体レイヤは、フィルタ、バッグ(bag)、または関連するデバイスとして構成することができる。例えば、フィルタであるために、レイヤ表面を通して、開口部または関連する穿孔が形成され得る。バッグとして構成される場合、可撓性のある重合体レイヤは、開いた近位の入口開口部および閉じた遠位端を有する。固定化セクションの拡張された状態において、バッグの近位の入口開口部は、ストラットにより画定された最大直径に対して、遠位位置でストラットに結合することができる。バッグとして構成される場合、流れている(血液などの)体液に固有の液圧差を、部分的に設けた浮遊固定化装置を有するデバイスを体管腔内により深く押すために利用することができる。例えば、バッグを部分的にまたは完全に拡張することによって、バッグの近位側と遠位側の間の圧力差が、デバイスを下流に推進する駆動力を提供する。バッグに開口部がない場合、完全に拡張されたバッグを体管腔中に適用することにより、管腔が完全に閉鎖されることとなり、特有の用途で有益となり得る。レイヤ中に開口部のパターンが作成される場合、浮遊固定化装置は、管腔を閉鎖せず、塞栓防止のためのフィルタとしてそれを使用することができる。他の実施形態では、フィルタは、穿孔を有する重合体レイヤの代わりにワイヤメッシュから作ることもできる。このようなワイヤメッシュフィルタは、重合体レイヤと同様な方法で、固定化セクションのストラットに直接取り付けることができる。ワイヤメッシュフィルタは、固定化セクションと一体化することも可能であり、ワイヤメッシュ構造は、制御要素と周囲のシースの間における同様の相対的な軸方向変位によって拡張可能になる。
【0015】
少なくとも、シースが実質的に変形されていない第2の形状である場合、デバイスはさらに、シース上に摺動可能に嵌合できる1つまたは複数の管腔内デバイスを含むことができる。管腔内デバイスは、少なくともいずれかのカテーテル、操向可能な先端部、ステント、フィルタ、血管形成バルーン、ドレーン、拡張器、フィルタ、バスケット、固定化装置、浮遊固定化装置、閉鎖デバイス、ガイドワイヤ、スタイレット、電極、リード、ドレーン、カテーテル導入装置または薬物注入カテーテルと共に使用するためのカテーテルシース、ならびに上記の組合せとすることができる。同様に、デバイスそれ自体も、カテーテル、操向可能な先端部、ステント、フィルタ、血管形成バルーン、ドレーン、拡張器、フィルタ、バスケット、固定化装置、浮遊固定化装置、閉鎖デバイス、ガイドワイヤ、スタイレット、電極、リード、ドレーン、カテーテル導入装置または薬物注入カテーテルと共に使用するためのカテーテルシース、あるいは上記の組合せとすることができる。さらに、制御要素およびシースを構成する材料は、重合体、金属または同様の構造物質、あるいはその組合せから作ることができる。特定の形態では、金属は、形状記憶金属とすることができる。これらの材料は、再構成可能、双安定、または関連する構成要素を必要とする用途に対して特に価値がある。
【0016】
本発明の他の態様によると、体管腔中で使用するためのガイドワイヤ組立体が開示される。その組立体は、管状シース、ワイヤ、およびシースとワイヤの間の力の変化を制御するための弾性バイアスセククションを含む。シースは、近位端、遠位端、および近位端と遠位端の中間に配設された少なくとも1つの再構成可能セクションを画定する。ワイヤは、固定された接続を容易にするためにシースの各端部に実質的に隣接し、実質的にそれと位置合わせされて配置された近位端および遠位端を画定する。前述の態様と同様に、組立体を実質的に変形された第1の形状に偏位させるのに十分な、シースによりワイヤに加えられる力は、力の変化によって抑えることが可能であり、したがって、力に変化が適用されると、組立体は変形された第1の形状とは異なる変形がより少ない第2の形状を取るようになる。弾性バイアスセクションは、その力の変化を実施するためにシース中に配設され、あるいはその他の形で形成され得る。特定の一形態では、シースそれ自体が、必要な弾性バイアスセクションを形成することが可能であり、その場合、重合体シースが圧縮バネとして働くのに十分な長手方向弾性を有する。このような構成は全体の構成を簡単化する。長手方向の弾性応答を高めるために、スロットまたは関連する切抜き(cut−out)を含むことも可能である。
【0017】
任意選択で、組立体は、弾性バイアスセクションに結合されたツールを含み、それによって、シースとワイヤ間における力の変化を容易に制御できるようにする。他の選択肢では、再構成可能な1つまたは複数のセクションは、制御要素およびシースの遠位先端に隣接して配設された操向可能セクションを備える。前述のように、操向セクションは、力の変化に対して曲げ可能に応答する。さらに、前述のように、組立体は、力の変化に対して拡張可能に応答する(操向セクションを有するまたは有しない)固定化セクションを含むことができる。固定化セクションは、組立体が第1の形状であるとき、実質的に拡張された状態を取り、変形されていない第2の形状であるときは、非拡張状態を取ることができる。
【0018】
本発明のさらに他の態様によると、体管腔中で使用するための変形可能な遠位形状を有する医療デバイスが開示される。デバイスは、中空の細長い部材と、その中空の細長い部材の中を長手方向に自由に移動する寸法の細長い制御要素とを含む。中空の細長い部材および細長い制御要素は、そのそれぞれの近位端および遠位端で、互いに固定状態で接続されている。細長い部材および制御要素が分解され、変形していない状態で別々に測定された場合、細長い制御要素の長さが、中空の細長い部材よりも短いはずである。したがって、組み立てられ、その各端部で接続されたとき、細長い部材および制御要素は相手に対して互いにバイアス力を加えることになる。
【0019】
任意選択で、中空の細長い部材は、長手方向に弾性的に変形できる少なくとも2つのセクションを備える。それらのセクションは、細長い部材の近位端に隣接して位置する弾性バイアスセクションと、細長い部材の近位端と遠位端の中間に位置する再構成可能セクションとを含む。再構成可能セクションは、細長い制御要素と細長い部材の間の相対的な移動により再構成可能セクションの形状の変化を生成するように、弾性バイアスセクションと協動する。前述のように、バイアス力は、弾性バイアスセクション中に貯えられたエネルギによって引き起こされる。その力は、再構成可能セクションを変形された形状にするのに十分である。長さ制御およびその結果起きる再構成可能セクションの形状変化のために、取外し可能ツールを使用することができ、その場合、その再構成可能セクションの形状変化には、体管腔中に挿入するのに適した形状変更が含まれる。完全に変形した形状と変形されない形状の間の様々な形状を可能にするために、ツールは、弾性バイアスセクションと協動して再構成可能セクションのための中間的な位置を生成する。
【0020】
本発明の他の態様と共に前述したように、再構成可能セクションは、複数の操向可能セクションと、細長い部材と制御要素の間の力の変化に応答する拡張可能な固定化セクションとを含むことができる。複数の操向可能セクションのそれぞれは、細長い部材と制御要素の間の力の様々な水準に応じて構成することができる。さらに、それらは、選択的に同様な形状および方向に変形することができ、あるいは互いに独立して変形することができる。複数の操向可能セクションの少なくとも1つは、細長い部材の壁中に形成されたスロットのパターンを画定することができる。さらに、複数の操向可能セクションの少なくとも1つは、追加の非対称補強要素を備えており、その非対称補強要素は、細長い部材の外側表面上に配設することができる。
【0021】
固定化セクションはまた、前述のようにバスケットを形成することができる。バスケットは、第1の変形された形状と第2の形状の間で形状変更を可能にするように構成された複数のストラットから構成される。可撓性のある重合体レイヤをさらに、バスケットの少なくとも一部の上に配設することができる。そのレイヤはバッグとして構成することができ、したがって、開いた近位の入口開口部を画定することができる。その開口部は、バスケットの半径方向に最も広い部分の遠位に位置することができる。重合体バッグは、バッグの近位側と遠位側の間の圧力差を形成するために使用することができる。一形態では、体管腔を少なくとも部分的に閉鎖するためにバッグを使用することができる。他の形態では、重合体レイヤは、その表面に形成された開口部を含む。その構成では、バッグは、体管腔を通り抜ける砕片を捕捉するためのフィルタとして使用するように適合される。
【0022】
ツールは、デバイスから取外し可能にすることができる。こうすると、ツールを取り外した後であっても、体管腔中に再構成可能セクションをとどめておくことができる。デバイスはさらに、細長い部材の近位端を介して体管腔の内側に配設されるように構成された1つまたは複数の処置デバイスを含むことができる。処置デバイスは、ガイドワイヤ、カテーテル、操向可能な先端部、ステント、フィルタ、血管形成バルーン、ドレーン、拡張器、フィルタ、バスケット、固定化装置、浮遊固定化装置、閉鎖デバイス、ガイドワイヤ、スタイレット、電極、リード、ドレーン、カテーテル導入装置または薬物注入カテーテルと共に使用するためのカテーテルシース、あるいは上記の組合せを含むことができる。デバイスおよび処置デバイスのいずれか、または両方が体管腔を通って移動し、または位置決めされる間、ツールを適用して再構成可能セクションの形状を制御する。ツールはまた、再構成可能セクションの動作状況について操作者に通知するように構成されたディスプレイまたは関連する標識を含むこともできる。細長い部材を構成する部材は、(高強度重合体を含む)重合体、金属、および(磁気共鳴イメージングを含む)放射線不透過性を高めた機能を有する金属を含むことができる。制御要素は、細長い部材とは異なる材料から作成可能であることを当業者であれば理解されたい。細長い部材および制御要素の長さの差は、解放可能なロック手段により、デバイスの近位固定端で、またはその近傍で調整することができる。そのロック手段は、上記のツールの一部を形成することができ、または別個の部材とすることも可能である。
【0023】
本発明のさらに他の態様によると、体管腔中に医療デバイスを挿入する方法が開示される。本デバイスは、管状シースおよび細長い制御要素を含み、それぞれが、一緒に結合され得る近位端および遠位端を画定する。さらに、シースは、その近位端と遠位端の中間に、ならびに弾性バイアスセクション上に配設された1つまたは複数の再構成可能セクションを含む。弾性バイアスセクション、シース、および制御要素は、バイアス力が、シースにより弾性バイアスセクションを介して制御要素に対して加えられるように、互いに取り付けられる。そのバイアス力は、変形された第1の形状にデバイスを保持するのに十分である。本方法は、管腔中にデバイスを導入すること、またバイアス力に打ち勝つための力をデバイスに加えることを含み、それにより、医療デバイスに、変形された第1の形状とは異なる、変形がより少ない(または変形されていない)第2の形状を取るようにさせる。
【0024】
任意選択の一形態では、デバイスに対して力を加えることは、デバイスの近位端に対して力を加えることを含む。前述の諸態様と同様に、デバイスに対して加えられる力が、ツールを介して伝えられるように、ツールをデバイスに結合することができる。デバイスに対して力を加える一方法は、制御要素に対する引張力を除去することである。特定の一選択肢では、シース中の再構成可能セクションは、操向可能セクションを備える。操向可能セクションは(前述のように)、数多くの操向可能領域を画定することができる。1つまたは複数のその操向可能領域は、バイアス力に打ち勝つための力をデバイスに加えると、実質的に同様の方向に変形させることができる。他の構成では、操向可能領域は、他の領域とは実質的に異なる方向に変形させることもできる。前述のように、変形された第1の形状は、操向可能セクションの1つまたは複数の操向可能領域中に湾曲部を含むことができる。さらに、変形された第1の形状を促進するために、少なくとも1つの選択的な方向を確立するように、操向可能セクション中に、少なくとも1つの強度の弱い場所を形成することができる。例として、強度の弱い場所は、シース中に画定される1つまたは複数のスロットとすることができる。前述のように、操向可能セクションは、シースに沿って配置されたコイルバネを含むことができる。そのコイルバネは、シースと同じ外側直径を有することができる。好ましい実施形態では、コイルバネはシース材料の1つのセクションと置き換わる。前に論じたものと同様な方法で、剛性要素をコイルバネ中で非対称に使用することもできる。操向可能セクションはまた、シースの外側表面に沿って非対称に配設された長手方向の補強を含むことができる。第1の変形された形状から、第2の形状に遷移することはまた、前述のものと同様の固定化セクションによって達成することができる。1つの特定の方法では、固定化セクションにおける拡張の量は、体管腔の内壁に十分接触することができるように、あるいは管腔の内壁に十分に接触するには少ないが、第2の形状よりも大きい半径方向寸法に制御することができる。
【0025】
前述のように、本方法は、固定化セクションに、メッシュまたは重合体レイヤを結合することを含むことができる。そのレイヤは、すべて上記のように、バッグ、フィルタ、または関連するデバイスを形成することができる。それらの形態では、レイヤは、バッグを介して流体をフィルタするために利用可能であり、あるいは(部分的に拡張されたバッグの場合)バッグを通してもしくはバッグ中に流体を流すことを利用して、デバイスの下流方向への移動を容易にするために、そのレイヤを使用することができる。代替の実施形態では、ワイヤメッシュを、一連の拡張可能でかつ折りたたみ可能なストラットの上に配置するのではなく、固定化セクションを、バスケットとして構成されたワイヤメッシュによって形成することもでき、それにより、冗長な構造量を低減することができる。ストラットに結合されたワイヤメッシュと同様に、そのワイヤメッシュバスケットは、デバイスに対して加えられた力の量に応じて、拡張しまたは折りたたむことができる。さらに前述と同様に、ツールをデバイスの近位端に結合して、操向可能セクション、固定化セクション、もしくはその両方の第1の変形された形状と、第2の変形されない、または変形がより少ない形状との間の遷移を行うことができる。交互にストラットとスロットが使用されたとき形成され得る固定化セクションのバスケット状の形状に加えて、固定化セクションは、バイアス力が加えられると螺旋形状として構成することもできる。さらに、操向可能セクションは、バイアス力の付与に対して共に螺旋形状を取るように、固定化セクションと協動させることができる。バイアス力の変更量は、固定化セクションおよび操向可能セクションに対する第1と第2の形状の間を変更するのに必要な力の量に比例させることができ、それにより、特定の程度に変形しまたは変形させないようにすることができる。例えば、3ニュートンの引張力は、操向可能セクションを変形した状態に保持するのに十分であり得るが、(5ニュートンの引張力など)より大きい力を、固定化セクションを変形させた状態に保持するのに必要とすることもできる。さらに、引張力を上限と下限の間で変えることにより、部分的に拡張された固定化セクションなどより少ない変形度合い、または操向可能セクションのより少ない曲がり量の程度を変えることが可能になる。
【0026】
本発明の好ましい諸実施形態の以下の詳細な説明は、以下の図面と共に読めば最もよく理解することができる。図面中、同様の構造は、同様の参照番号で示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1をまず参照すると、管形状をしたガイドワイヤ組立体10が示されている。本開示は、ガイドワイヤ用途に対するデバイスを強調するが、同様の原理は、カテーテル、操向可能な先端部、ステント、フィルタ、血管形成バルーン、ドレーン、拡張器、フィルタ、バスケット、固定化装置、浮遊固定化装置、閉鎖デバイス、ガイドワイヤ、スタイレット、電極、リード、ドレーン、カテーテル導入装置または薬物注入カテーテルと共に使用するためのカテーテルシース、あるいは関連する医療デバイスを含む様々な管腔内用途の範囲で使用可能であることを当業者であれば理解されよう。一端部で、組立体10は、操作者により把持されるように構成された、またはハンドル、ツール、もしくは関連するデバイスに接続されるように構成された近位端11を含む。体管腔(図示せず)中に挿入されるように構成された対向する遠位端12は、先端部で終了する。ガイドワイヤ組立体10は、操向目的および固定目的のための制御要素として働くワイヤ14を収容できるシース13を含む。
【0028】
一般に、ワイヤガイド組立体10の遠位端12には、比較的、可撓性または柔軟性があるが、一方、長さの大部分でねじれ耐性があり、押し、曲げが可能で、また組立体10を正確に操作するために近位端11から遠位端12までねじり力を伝えることができる場合、有利である。シース13は、ガイドワイヤまたはカテーテル用途に適切な任意のワイヤまたはハイポチューブ材料から選択することができる。1つの特に適切な材料は、その可撓性、可押性、生体適合性、およびねじり耐性で周知の形状記憶特性を有するニッケルチタン合金の超弾性ニチノールである。一構成では、管の大部分の長さを金属から製作することができるが、一方、(以下で詳細に論ずる)固定化セクションを、移動されるワイヤ14がシース13中で軸方向圧縮を生ずるとき、容易に変形する比較的柔らかくかつ可撓性のある材料から作ることができる。ワイヤ14は、可撓性があるが高い強度の重合体から作ることができる。MRIまたは関連する放射線不透過性のための改良された視認性が必要である場合、金、白金、銀、タングステン、イリジウムなどの材料による追加のマーカを、ワイヤ14またはシース13の特有の位置に使用することもできる。他の材料の選択肢には、金属と、改良された強度、剛性、またはMRIもしくは放射線不透過性に対する視認性のための関連する材料とが含まれる。
【0029】
シース13は、近位端11の近くに位置する弾性バイアスセクション15、長い中間セクション10a、固定化セクション16、および操向可能セクション17を含む数多くの異なるセクションから構成される。中間セクション10aは、長手方向の弾性を十分には有していないが、弾性バイアスセクション15および固定化および操向可能セクション16、17は、シース13と制御ワイヤ14の間に生成される力に対してかなりの形状変更で応ずるように作られている。操向可能セクション17は、柔軟な先端部17aおよびコネクタ17bを含み、後者はワイヤ14の遠位端をシース13の壁に取り付けるために使用される。柔軟な先端部17aは、比較的短く、操向可能セクション17と一体化することも可能であるが、その場合、コネクタ17bが最遠位端12に配置される。固定化セクション16および操向可能セクション17に関連する重要な属性は、ワイヤ14とシース13の間の相対的な移動により、挿入および固定の必要性に応じて、組立体10のサイズ、形状、またはその両方を変更するのに十分である形状変更が生成されることである。非軸対象のまたは直径の変化する管腔はそれ自体の固定点を形成する傾向があるが、周囲の組織が円筒形状を有する場合、このような形状変更は特に価値がある。さらに、急角度に曲げられた管腔を進む困難さは、遠位端12が管腔の形状変化に近似できる場合、低減される。したがって、操向可能セクション17は、1つまたは複数の湾曲部を形成することができる。操向可能セクション17および固定化セクション16は共に、シース13に対してワイヤ14を軸方向に移動させることによって活動化することができる。それは、ガイドワイヤ組立体10の近位端11で、またはその近くに配置された取付け可能ツール(後に論ずる)によって行われて、バイアスセクション15の両端部とインターフェースを取ることができる。バイアス引張力がワイヤ14とシース13の間に加えられると、ワイヤ14およびシース13の近位端は、(後に図9で示すように)恒久的に、または(後に図10Aおよび10Bに示すように)解放可能な方法で接続することができる。
【0030】
図2、5、および6を参照すると、シース13の内側におけるワイヤ14の相対的な移動が操向可能セクション17の変化を生ずるガイドワイヤ組立体10を示す諸実施形態が示されている。一形態では、ワイヤ14の近位端18に加えられる引張力があり得る。その引張力は、柔軟な先端部17aがガイドワイヤ組立体10の遠位先端12まで延びている操向可能セクション17の形状変更を引き起こす。この形状変更は、加えられる力の量に応じて行うことができる。このように、段階的な形状変更は、挿入時の操向可能性を挿入後の固定化と組み合わせるために実施される。
【0031】
図2は、比較的剛性のある中間セクション10Aよりもさらに可撓性を有するようになされたセクション17の異なる操向可能部分を画定する領域X、Y、Zを有する、曲げられた形態でその遠位端12に隣接するガイドワイヤ組立体10の操向可能セクション17の詳細を示す。したがって、操向可能セクション17は、遠位端12が好ましい方向に制御可能な方法で曲がるように適応させることができる。例えば、(図3と共に以下で述べる)スロット、切抜き、およびそれに関連する強度の弱い場所を、選択的な曲げを容易にするために、領域X中に形成することができる。スロットは、領域Xが最も弱い力で曲がり、領域Yは、より強い力で曲がり、領域Zはさらに強い力で曲がるようにすることができる。領域X、Y、Zの相対的な位置は、任意に選択することができ、またこのような領域の数は、使用のタイプに依存することが当業者であれば理解されよう。したがって、このような領域は、重複させてもよく、または別の方法で混合することもできる。同様に、柔軟性、操向可能性、および固定化の機能は、このような領域内で混合することができる。本図では、ワイヤ14にわずかな近位の引張力だけを加えているので、領域Xだけが変形されている。引張力を徐々に増加させると、領域YおよびZもまた、次に述べるように変形されるはずである。
【0032】
具体的に図5を参照すると、引張力を図2のものに対して増加させたとき、領域Xに生じた湾曲に続いて、領域Yにさらなる湾曲を生ずる。スロットまたは関連する変形を高める要素がどのように形成されているかに応じて、領域Yの湾曲は、領域Xに関して同方向とすることも、(図示のように)反対方向にすることも、あるいは異なる平面内(図示せず)とすることも可能である。具体的に図6を参照すると、引張力がさらに増加され、領域Zにも同様に形状変更を生じさせる。上記の領域Xと同様に領域YおよびZは、スロット、またはシース13に組み込まれた強度が弱い同様の場所を含むことができる。領域X、Y、Zにおけるガイドワイヤ組立体10の形状の漸進的な変化により、遠位セクション12のより正確な制御を可能にする。シース13とワイヤ14の間に加えられる力または相対的な移動の標識を提供するために、ディスプレイ(図示せず)を使用することができる。ディスプレイは、一形態では、電子デバイスとすることができるが、他の形態では、シース13とワイヤ14の間に配設された目盛り付のマーキングから構成することができる。こうすることによって、操作者は、挿入時にガイドワイヤ組立体10を真っ直ぐに保持し、側部管腔中へと導くために遠位端12を操作し、次いで、続いてカテーテルまたは関連のデバイスを使用するために、最終的にそれを所望の管腔位置に固定することができる。
【0033】
次に図3および4を参照すると、図2、5、および6に示す操向可能セクション17の湾曲を促進する機能が示されている。具体的に図3を参照すると、シース13中に形成された深いスロット19および浅いスロット20の非対称パターンの実施例は、前に説明し示したガイドワイヤ組立体10の選択的な変形を促進する。ガイドワイヤ組立体10の遠位端12におけるスロットパターン19、20は、操向可能にするだけではなく、シース13の部分をさらに可撓性を有するようにする。それは、シース13の壁のセクションを弾性的に変形することにより、体管腔内の所望の位置中への組立体10の挿入可能性を高める。例えば、ワイヤ14を引張したとき、領域Xの短縮が、短いスロット20が位置し得る凸側より、(深いスロット19が位置する)凹側で大となるように、深いスロット19が配置される。前述のように、同様なスロットをまた、領域YおよびZ中に作ることもできるが、それらの領域は曲げるのにより多くの力を必要とするので、スロットのパターンは領域Xと異なるものになる可能性がある。
【0034】
具体的に図4を参照すると、シース13中にスロット19、20を作成する選択肢は、ワイヤ14が引張されたとき図2、5、および6に示す形状変更を達成するために領域X、Y、Zの軸方向変形を促進する一方法であるが、当業者であれば、他の方法も使用できることを理解されたい。例えば、隣り合うコイルの間に配設された非対称の剛性部を有する可撓性のあるコイルバネ21を、同様な曲げを行うためにシース13中に形成することができる。例えば、隣り合うコイル22の間の間隙は、一方の側で開いたままとする。その間隙はバネの圧縮で変わり得る。間隙に対向して、剛性要素23が、連続するコイルの間に配置される。一形態では、剛性要素23は、重合体、接着剤、または隣り合うコイル間の長さの変化に抵抗する関連の材料である。引張力がワイヤ14に加えられたとき、ガイドワイヤ組立体10の曲げを生ずるために、コイルバネ21と同様の可撓性のあるセクションを作成するために、他の材料を使用することもできる。それは、例えば、偏心した管腔がワイヤ14を保持する重合体管の使用を含む。他の可能性は、重合体管の壁中に埋め込まれた、脊柱として働く偏心補強部(図示せず)の使用である。このような場合、可撓性のあるセクションの両端部が、シース13の残りの部分に接続される。その可撓性のあるセクションとシース13の間のその接続は、溶接、圧着、ろう付け、接着、または周囲のカバー材料中への埋め込みの使用を含む知られた任意の技法によって達成することができる。
【0035】
固定化セクション16の操作は、固定化セクション16における半径方向、外向きの局所的な拡張によりガイドワイヤ組立体10の直径を変化させる。上記の図2、5、および6と共に論じた前述の操向可能セクション17と同様に、引張バイアス力が、ワイヤ14とシース13の間に加えられる。ワイヤ14とシース13の間で相対的な移動を行うために、(操作者がワイヤ14を押すことなどによって)その力を変化させることにより、固定化セクション16の対応する形状変更を生ずることができる。ワイヤ14を引張することによって可能となる操向可能セクション17の形状変更と同様に、固定化セクション16の形状変更は、加えられる力の量に応じて行うことができる。このように、段階的な形状変更は、挿入するときの操向可能性を挿入後の固定化と組み合わせるために実施される。固定化セクション16の固定化機能は、操向可能セクション17中で作成された固有の固定化機能によって高めることができる。例えば、セクション17の操向可能セグメントX、Y、Zは、それらが曲がった状態にあるとき、管腔壁との摩擦を増加させ、それにより、追加の固定化機能を生成することができる。
【0036】
次に図1と共に図8を参照すると、固定化セクション16が、ストラット82をその間に画定するための長手方向スロット81をシース13の壁中に形成することにより作成された、拡張可能バスケット80の形で示されている。コネクタ32は、図1に示す接続点17bと同様の方法で使用され、ワイヤ14の遠位端は、圧着された端部33または関連の取付け手段に接続されている。前述のように、遠位端12は、先細になっており、同様に取り付けることができる。ストラット82の剛性は、バイアス力に打ち勝つのに十分な力がワイヤ14に加えられた場合、ガイドワイヤ組立体10の軸方向寸法に沿って真っ直ぐになる傾向を有する。それは、図1に示すものなど、ガイドワイヤ組立体10の挿入状態と一致する第1の、収納させた半径方向寸法を画定するために、ワイヤ14に対してシース13をより大きく働かせることにより可能になる。操作では、バイアス力中に固有のワイヤ14を引っ張ることにより、遠位端12が近位端11の方向に移動され、またワイヤ14がシース13に取り付けられているため、ストラット82が徐々に外方向に曲がるにつれてバスケット80が縮み、シース13が図8に示す拡張された半径寸法を取るようになる。拡張された半径方向寸法が管腔壁の内部寸法に一致し、したがって、バスケット80がシース13をその管腔にしっかりと固定させることが好ましい。ストラット82およびスロット81が、全体に、長手方向(すなわち、軸方向)パターンに配列されて示されているが、そのように方向付ける必要はなく、固定化セクション16の挙動を特定の管腔の必要性に適応させるように、様々な角度およびパターンで作成できることを当業者であれば理解されたい。
【0037】
固定化セクション16は、設計を簡単化し、また一体化するために、図示のように、シース13の壁中に形成することができるが、他の形態では、別の構成要素から作成し、ガイドワイヤ組立体に組み込むことも可能であり、それにより、潜在的に、様々な材料を使用できるようになる。非一体化の実施形態の一実施例は、より従来型の鋼製管から形成されたシース13に取り付けられた、別個のワイヤメッシュバスケット(図示せず)を固定化セクション16のために使用することである。このように、ストラット82と同じ働きをするワイヤメッシュバスケットを組み込むこともできる。(図12と共に後に述べるように)追加の利点は、ワイヤメッシュバスケットが、固定化セクション16のストラットバージョンの折りたたみ可能および拡張可能機能を同様に有することによって、ストラットに取り付けられた別個のレイヤを必要とせずに、フィルタリング機能も実施できることである。一形態では、このようなバスケットは、ニチノールまたは関連する形状記憶材料から作ることができる。
【0038】
このようなデバイスを作成する一方法は、例えば、外側直径が0.35mmの鋼管を使用することであり、それが、ニチノールバスケットの作成された管の内側に接着される。バスケット管の内側直径は、0.40mm、また外側直径を0.45から0.50mmとすることができる。したがって、ワイヤ14は、その鋼管を通って摩擦なしに摺動する。さらに、固定化セクション16は、図8に示したものとは異なる形状を有することができる。例えば、ストラット82を、さらに長くし、長手方向軸に部分的に平行に配置することもでき、あるいはストラット82を、バスケットの半径方向強度または壁への付着性を改善するために、ジグザグパターン(図示せず)に配置することも可能である。このような追加のストラットはまた、バスケットの表面に特別のデバイスを接続するのに使用することもできる。さらに、(長手方向摩擦を増加させる)固定化機能の他に、バスケットの半径方向の力は様々な用途に使用することもできる。例えば、損傷部に力を加えるための、またはステントされている管腔中の領域を事後拡張するための拡張器として働くことができる。
【0039】
図9は、近位端11と弾性バイアスセクション15の間のガイドワイヤ組立体10の部分を強調しており、後者は、組立体の操向および固定化機能を可能にするのに有益であり、控え目な(unobtrusive)可撓性のある機能部を含む。弾性バイアスセクション15における長さLは、弾性バイアスセクション15の負荷のない長さを示す。可変長機能は、弾性バイアスセクション15における長さLを有する別個の管状バネをシース13に接続することにより、あるいは、同じ効果を生成するスロットパターン(図示していないが、図3のスロット19、20と同様のもの)を長さLにわたってシース13に設けることにより可能となる。いずれの手法においても、小さな半径方向寸法により、シース13の実装面積内に、可撓性のある弾性的な機能部を適合させることができる。後者の手法では、シース13は、やはり単一の(すなわち、一体の)構成であり、それにより、その固有のねじりモーメントおよび座屈耐性を維持するが、一方、軸方向の弾性を増加させることができる。弾性バイアスセクション15中にスロットを作成する代わりに、十分な長手方向弾性を有する重合体セクションを有するシース13の使用もまた、圧縮バネ状のバイアスを可能にすることができる。
【0040】
前述のように、ガイドワイヤ組立体10には、ワイヤ14を張力状態に保つために、与圧がかけられる。それを達成するために、ワイヤ14の近位端18は、シース13の対応する端部に取り付けられるが、シース13の弾性バイアスセクション15は、長さL1に圧縮される。取付けは、ワイヤ14の近位端18に別個の取付け要素92を恒久的に圧着することにより、あるいは、シース13およびワイヤ14の各端部を一緒に圧着することによって実施される。接着、溶接、または関連する結合を含む代替の取付けスキームもまた利用可能である。取付け後、(本発明では、圧縮バネの形で示す)弾性バイアスセクション15は、長さLに戻ろうとする。その場合、圧縮バネ15によって生成されたバイアス力は、図8に示す形状に対して固定化セクション16を折りたたむのに必要な力を超える引張力をワイヤ14に生成させる。したがって、ガイドワイヤ組立体10の遠位端12におけるワイヤ14とシース13の間の固定された関係は、ガイドワイヤ組立体10の近位端18における取付け要素92によるワイヤ14とシース13の間の固定された関係と、上記の圧縮バネ15によって生ずるバイアス力とを合わせて、ワイヤ14を、ガイドワイヤ組立体10が外力によって操作されない限り一定の張力下に保つ。したがって、ガイドワイヤ組立体10は、外力が何もない期間中、図8のその拡張された半径方向寸法のままである。さらに、操向可能セクション17と固定化セクション16は共にアクティブであり、操作者などからの外力が加えられなければ、それらは、それぞれ、曲がった、また拡張された状態にあることを意味する。バネ15に対して(操作者などにより)外部の圧縮力が加えられると、操向可能および固定化セクション17、16は、図1に示すその真っ直ぐな、拡張されない形態を取ることができる。さらに、操作者は、組立体が体内の所望の位置に達したこと、およびその達した位置を保持していることを知り、組立体がその拡張された半径寸法の状態にある間に、前述のようにカテーテルまたは他の管腔内人工装具(prosthetic device)をガイドワイヤ組立体10の少なくとも部分を介して挿入することができる。
【0041】
操作では、弾性バイアスセクション15がさらに、長さL2に達するまで圧縮された場合、ワイヤ14中の引張力はゼロに下がり、また遠位セクション16および17は、そのバイアスのない状態に戻ることになり、したがって、ガイドワイヤ組立体10は、図1に示すように、比較的真っ直ぐな、拡張されない、滑らかな形状を有することになる。ガイドワイヤ組立体10の遠位状態の漸進的な制御は、長さL1とL2の差に等しい制御範囲ΔL中で行われる。
【0042】
次に図10を参照すると、ツール100は、ガイドワイヤ組立体10の機能性を改善するために使用することができる。ツール100を用いると、操向および固定化機能を漸進的なステップで活動化することが容易になり、それにより、完全に非活動化した(収納した)状態と完全に活動化した(拡張された)状態との間の中間的な位置を含む、ガイドワイヤ組立体10の形状制御を高めることができる。弾性バイアスセクション15の座屈、または固定化もしくは操向可能セクション16、17の意図しない展開を阻止することに加えて、滑らかな長さ制御および正確な位置読取りを提供するために、ツール100を使用することができる。前述したディスプレイの形にすることができるその読取りは、再構成可能セクションの状況に関する情報を与えることができ、それは、固定化もしくは操向可能セクション16、17の展開または作動の中間的な状況について、操作者が知りたいとき特に有益である。一形態では、ツール100は、シース13の近位端全体の上にマウントできる管状部材に類似する。図に示すように、ツール100は、互いに対して長さΔLにわたり、その軸方向寸法に沿って変化し得るようになされた2つの別々の部分から作成されている。近位部分101は、シース13の近位端11に接続されかつ保持するが、ツール100の遠位部分102は、ネジまたはスナップ接続から作られたネジロック103を用いて、弾性バイアスセクション15の遠位でシース13の表面にクランプされる。近位部分101はさらに、遠位部分102がその上に入れ子的に嵌合できる細長い円筒形セクション104を含む。円筒形セクション104の遠位端は、フランジ105を形成し、遠位部分102とスナップフィット係合することができる。フランジ105は、遠位部分102中に形成され拡大された直径のチャンバ108を介して自由に移動することができる。このような構成では、部分101および102は、図示のように、近位部分101中に形成された内腔の端部が、ガイドワイヤ組立体10の近位端11に接触したことを操作者が感ずるまで、ガイドワイヤ組立体10の近位端11の上を摺動することができる。次いで、操作者は、(ネジを締めるなどにより)遠位部分102に対してロック103を締め付ける。こうすると、操作者が、操向可能および固定化セクション17、16の形状を、それぞれ遠隔で制御するのに長さΔLを利用できるようになる。それを達成できる一方法は、各近位および遠位部分101および102の相補的な表面106および107の間で形成される間隙を視覚的に検査することである。操作者はさらに、操向セクション17をさらに操作性のよい角度にすること、または固定化セクション16を展開の中間的な状態にすることが所望される場合、ガイドワイヤ組立体10をわずかに湾曲したまたは拡張された形状に一致するように、その間隙をより短い長さに調整することができる。それは以下のように実施することができる。操作者は、まず、ロック103を締め付ける前に、互いに接近するように、表面106および107を押すことによってΔLの一部を制御することができる。ロック103で締め付けると、操向可能および固定化セクション17、16は、操作者が表面106および107を互いに押したとき、まったくその真っ直ぐなバイアスのない状態に戻らなくなる。例えば、固定化セクション16は、操向可能セクション17がまだその曲がった状態にある間、ワイヤ14に存在する力の量に対応して折りたたむことが可能である。ロック103の固定を解除することにより、操作者は、単にツール100を取り外すだけで、ガイドワイヤ組立体10の近位端11を介して、カテーテルまたは関連するデバイスをその後に挿入することができる。
【0043】
図9と共に前述したものと同様な方法でワイヤ14に予圧をかけることにより、操作者が、シース13に対してワイヤ14を操作していなくても、ガイドワイヤ組立体10を活動化状態に保つことができる。操作者が近位部分101を押したとき、ガイドワイヤ組立体10は非活動化される。ツール100はネジを備えることができ、近位端101と遠位端102の間の相対的な回転によって正確な軸方向距離を制御することができる。ロック103を用いて可能となる近位の固定により、ガイドワイヤ組立体10が単独に置かれた場合、操作者は操向可能および固定化セクション17、16の一方または両方の形状を維持することができる。操作者は、ガイドワイヤ組立体10の近位端11と近位部分101の間で軸方向にある程度自由に移動させることができる。代替の形態では、近位部分101および円筒形セクション104は、1つの単一部分ではなく、分離されており、したがって、円筒形セクション104の長さは、円筒形セクション104と近位部分101の内腔の間で、ネジ接続(図示せず)により調整することができる。
【0044】
ΔLの調整に使用できるツール100に関する周知の代替形態は、ボールペンによくある機構であり、部分101の簡単な軸方向移動により、自動的に変位ΔLがロックされ、したがって、デバイスを変形されない状態にすることができる。次に、部分101を押すことにより、再度、ロックが解除され、直ちに、デバイスはその変形された状態に戻る。このようなボールペン作動装置はまた、例えば、近位ノブを回転することにより生ずる軸方向移動を用いるなど、様々な実施形態で行われる。このようなデバイスは、信頼性のある、予測可能な、簡単な方法で、部分102に対して部分101を移動させるために、非常に良好に使用することができる。
【0045】
体管腔中へのガイドワイヤ組立体10の挿入は、通常、相補的表面106と107の間の間隙ΔLが互いに接触する間に行われる。ガイドワイヤ組立体10が定位置になると直ぐに、ロック103が解放され、組み合わされた近位および遠位部分101、102のツールはガイドワイヤから取り外される。その瞬間、固定化セクション16はアクティブになる。さらに、カテーテルまたは関連する医療デバイスがガイドワイヤ組立体10を介して適用され、患者に挿入される。カテーテルまたは関連するデバイスは、拡張された固定化セクション16に達するまで、ガイドワイヤ組立体10上を摺動することができる。さらに進めるためには、ガイドワイヤ組立体10が接続され、その挿入(すなわち、拡張されていない)状態に戻る必要がある。それはまた、ガイドワイヤ組立体10をカテーテルを介して除去する必要のある場合もそうである。
【0046】
次に、図10Aおよび10Bを参照すると、組立体10をロックする代替方法が示されている。これらの変形形態では、制御ワイヤ14のための解放可能な近位のロックが、固定状態で取り付けられているため一度取り付けると操作者が変更できない図9で使用される恒久的な係止部92と置き換えられている。図10Aを具体的に参照すると、ガイドワイヤ組立体10の近位端91の細部は、(例えば、高強度の重合体から作られた)可撓性のあるワイヤ14など、長い制御要素により、またどのように操作を実施ができるかを示す。近位的に引張力が何も加えられない場合、組立体10は挿入状態にある。近位端で、シース13は、その壁に短い先細のスリット130を有することができ、操作者は、制御要素をその中でロックすることができる。それは、まず、ガイドワイヤ組立体10の操作のために必要な軸方向力を加え、次いで、ワイヤ14を、スリット130中にロックされるまで側方に曲げることによって行うことができる。次いで、ワイヤ14は、摩擦により、管壁にロックされて静止状態に保持される。
【0047】
図10Bを具体的に参照すると、取外し可能なロックのさらに他の実施形態が示されており、ワイヤ14は、先細の摺動係止部109を含むことができ、それは、弾性的に変形しつつ、シース13の近位端91の内側にしっかりと嵌合する。その弾性変形は、次いで、摺動係止部109とワイヤ14の間の摩擦を高めて、組立体10をその固定または操向位置に十分ロックすることができる。さらに、先細の係止部109をシース13から外にわずかに引っ張ることによって、摩擦を再び低下させることができ、したがって、再調整が可能になる。摺動係止部109はまた、弾性的な変形を容易にするために、長手方向スロットを備えることもできる。
【0048】
次に、図7を参照すると、シース13の固定化セクション16および操向可能セクション17の他の実施形態が示されている。遠位端12に近接して、短い操向可能セクション17が螺旋状の固定化セクション16に接続されている。螺旋状セクション16は、周囲の管腔または関連する組織と滑らかな弾性的接触をするように形作られている。その例では、スロットのパターン(図示せず)は、図2、5、および6に示すものとは異なって曲がるパターンを生成するように構成される。ステントや、関連する管腔内人工装具を作成するために使用されるものと同様のレーザカットによるなど、パターン化されたスロットを作成する技法を使用することができる。細かい刃を有する機械カットなど他の方法もまた、使用することができる。上記のカッティング技法は、特に金属に関して周知のものであるが、本発明のガイドワイヤ組立体10は、重合体など異なる材料から、または、必要に応じて、既知の付随する製作技法を含む異なる材料の組合せからも作ることができることを当業者であれば理解されよう。
【0049】
次に、図11を参照すると、代替の実施形態の固定化セクション110が開示されている。前述の諸実施形態の固定化セクション16では、血液または関連する体液は自由に流れることができ、その結果、固定化セクション16を介する圧力差によって生ずる力は非常に小さい。いくつかの場合、特に非常に薄い動脈では、ガイドワイヤ組立体10を遠隔の場所に移動させることは困難となり得る。このような場合、ガイドワイヤ組立体10をターゲット位置に進めるために、血流を用いることが有利であり得る。バスケット112固定化セクション110を形成するストラットの上に薄い円錐形の重合体スキン113を配置することにより、パラシュート状のバッグが形成される。(図10に示すツール100などの)ツールの使用により、前述のものと同様の方法で、バスケット112を、部分的な展開状態に展開することができる。(動脈など)管腔111中の(図中、矢印で表される)流体の流れに関連する力は、固定化セクション110が、管腔111の内壁に接触していないが、流体の流れによって生成される力を利用するために主軸に直角であり、十分に半径方向に増加した寸法を有する、その部分的に展開された状態にある場合に使用することができる。
【0050】
円錐形の重合体スキン113は、バスケット112の直径が最大になる場所の近くまたはその場所の接続位置114で、遠位的にストラットに取り付けられる。バスケット112および重合体スキン113によって形成されたバッグ中に閉じこめられた流体は、ガイドワイヤ組立体が血液または関連する流体で満たされると、それを下流に進めるようになる。その利点は、操作者が、ガイドワイヤ組立体を近位的に押す必要を低減する、または必要がなくなることである。前述の操向可能性および固定化を含む他の機能もなお使用することができる。ガイドワイヤ組立体が固定されると、拡張された重合体スキン113は、ターゲット動脈を完全に閉鎖することができ、一方、本発明の代替の実施形態では、バスケット112および重合体スキン113の形状は、固定化セクション110が展開されたときであっても、潅流が常に重合体スキン113の周りにとどまるように選択することができる。この変形形態は共に、本発明の実施形態として意図されているが、潅流の変形形態を次にさらに詳細に論ずる。
【0051】
図12では、図11の設計に対する変形形態を示しており、パラシュート状のバッグをなお使用することができるが、そこでは、フィルタリング機能と組み合わされている。固定化セクション120は、ここでは、接続点124の近くでバスケットに取り付けられたフィルタバッグ123で遠位的に覆われた、拡張可能なバスケット122を備える。図11の実施形態との差は、この場合、フィルタバッグ123にそのフィルタリング機能を与える一連のパターン化された小さい穴125を、フィルタバッグ123が備えることである。このような穴125は複数の機能を有する。まず、それらは、上記のように、流体の流れの完全な閉鎖を阻止する。さらに、それらは、塞栓と、所定の最小直径を有する関連の粒子状物質とをフィルタするために使用することができる。それは、ガイドワイヤ組立体を、血管形成術、ステント、または関連する手技のためのカテーテルと組み合わせて使用される場合、特に興味深い。穴125の形状および量は、捕捉する必要のある粒子サイズ、ならびにフィルタバッグ123が展開されたとき、継続するのに必要な所望の流量レベルに依存する。このような穴を作るためにフィルタバッグ123中の利用可能な表面積はさらに、フィルタバッグ123の形状に依存する。例えば、フィルタバッグ123が、図示のように長い円錐形状を有する場合、多数の穴125を設けることができる。他の実施形態では、フィルタは、穿孔のある重合体レイヤの代わりにワイヤメッシュから作ることができる。このようなワイヤメッシュフィルタは、重合体レイヤと同様な方法で、直接固定化セクションのストラットに取り付けられる。代替的には、ワイヤメッシュフィルタは、固定化セクションと一体化することもでき、その場合ワイヤメッシュ構造は、制御要素と周囲のシースの間における同様の相対的軸変位によって拡張可能となる。
【0052】
本開示を考慮すると、本明細書に具体的に述べたこれらの諸実施形態を超える本発明の他の諸変更形態は、本発明の趣旨を逸脱することなく行うことができることを当業者であれば理解されたい。したがって、このような諸変更形態は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される本発明の範囲に含まれると見なされる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施形態による、変形されていない挿入状態にある管腔内デバイスの部分を示す図である。
【図2】操向セクションの一部が変形されている、図1のデバイスの操向セクションの詳細を示す図である。
【図3】スロットのパターンをシース中に配設した、図1のデバイスの詳細を示す図である。
【図4】分離された可撓性のある部分を示す、図3のデバイスの代替の詳細を示す図である。
【図5】図2よりも操向セクションの多くの部分が変形されている、図1のデバイスの操向セクションの詳細を示す図である。
【図6】図5よりも操向セクションのさらに多くの部分が変形されている、図1のデバイスの操向セクションの詳細を示す図である。
【図7】変形された状態における螺旋状の固定化セクション、および変形された状態における操向可能セクションを含む、図1のデバイスの一実施形態を示す図である。
【図8】変形された状態における固定化セクションの代替の一実施形態を示す図である。
【図9】デバイスの近位端の近くの、図1のデバイスの弾性バイアスセクションの一実施形態を示す図である。
【図10】図9のガイドワイヤ組立体の近位端に隣接して取り付けられた、ワイヤを操作するために使用されるツールを示す図である。
【図10−A】ガイドワイヤ組立体の近位端でいくつかの部分を解放可能に接続するための代替の一実施形態を示す図である。
【図10−B】ガイドワイヤ組立体の近位端でいくつかの部分を解放可能に接続するためのさらに他の実施形態を示す図である。
【図11】浮遊固定化装置を有する本発明の他の実施形態を示す図である。
【図12】固定化セクションがフィルタとして動作する本発明のさらに他の実施形態を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体管腔内で使用するための医療デバイスであって、
管状シースであり、
近位端と、
前記近位端の反対側の遠位端と、
前記近位端と遠位端の中間に配設された少なくとも1つの再構成可能セクションと、
前記再構成可能セクションの軸方向長さを変えるように構成され、前記再構成可能セクションに対して近位に配設された弾性バイアスセクションとを備える管状シースと、
前記シース内にその長手方向に配置できる寸法を有し、近位端および遠位端を画定する細長い制御要素であって、前記シースおよび制御要素が、前記シースにより前記制御要素に引張力を加えられるように互いに固定状態に取り付けられており、前記引張力が、前記医療デバイスを、前記弾性バイアスセクションにより前記引張力を変えることによって変更可能な変形された第1の形状に偏位するのに十分であり、したがって、前記医療デバイスが前記第1の形状とは異なる第2の形状を取るようになる制御要素と
を備えるデバイス。
【請求項2】
前記制御要素がワイヤを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記ワイヤの遠位端が、前記シースの対応する遠位端に固定状態に取り付けられており、また前記ワイヤの近位端が、前記シースの対応する近位端に固定状態に取り付けられており、一方、前記弾性バイアスセクションが、軸方向に圧縮された状態にあり、それにより、前記ワイヤに対して前記引張力を加えるようにする、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記ワイヤまたは前記シースの少なくとも一方に結合されるツールをさらに備え、前記ツールが、前記ワイヤと前記シースの間の相対的な軸方向位置を調節するように構成され、それにより、前記第1の形状と前記第2の形状の間を遷移させる、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記ツールが、前記弾性バイアスセクション中に存在するバイアス量をユーザに通知するように構成された標識を備える、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記ツールが、前記第2の形状中に存在する変形量をユーザに通知するように構成された標識を備える、請求項4に記載のデバイス。
【請求項7】
前記ツールが、前記ワイヤまたは前記シースの前記少なくとも一方への前記ツールの取外し可能な取付けを容易にするためのコネクタを備える、請求項4に記載のデバイス。
【請求項8】
前記コネクタがロックを備える、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記ロックが、前記ツールと前記シースの間にネジ接続を備える、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記再構成可能セクションが、前記シースの前記遠位端に隣接して配設された操向可能セクションを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記第1の形状が、前記操向可能セクションの少なくとも一部分で湾曲部を含む、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記操向可能セクションが、前記シース中に形成された少なくとも1つのスロットを画定する、請求項10に記載のデバイス。
【請求項13】
前記少なくとも1つのスロットが、軸方向、接線方向、または円周方向スロットのうちの少なくとも1つを画定する、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記少なくとも1つのスロットを画定する角度が、前記シースの長手方向軸に対して、すべてが0度と90度の間に方向付けられる複数の異なる角度を含む、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記操向可能セクションが、前記再構成可能セクション内に複数の操向可能領域を備える、請求項11に記載のデバイス。
【請求項16】
前記複数の操向可能領域のそれぞれ中に形成された前記湾曲部が、前記複数の操向可能領域の残部とは独立した方向に偏位される、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記第1の形状が、前記複数の操向可能領域の複数中に湾曲部を含む、請求項15に記載のデバイス。
【請求項18】
前記操向可能セクションが、前記シース中に配設されたコイルバネを備える、請求項10に記載のデバイス。
【請求項19】
前記湾曲部の選択的方向を画定するために、前記コイルバネ中に非対称に配設された剛性要素をさらに備える、請求項18に記載のデバイス。
【請求項20】
前記操向可能セクションがさらに、前記シースの外側表面に沿って非対称に配設された長手方向補強を備える、請求項10に記載のデバイス。
【請求項21】
前記シースの前記再構成可能セクションが、前記医療デバイスが前記第1の形状であるとき拡張された状態を取り、前記医療デバイスが前記第2の形状であるときは拡張されない、もしくは、より少ない拡張状態を取るように構成された固定化セクションを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項22】
前記拡張された状態が、実質的に半径方向に拡張された状態を含む、請求項21に記載のデバイス。
【請求項23】
前記拡張された状態が、実質的に螺旋形状を含む、請求項21に記載のデバイス。
【請求項24】
前記固定化セクションが、折りたたみ可能バスケットとして構成されたメッシュレイヤを備える、請求項21に記載のデバイス。
【請求項25】
前記固定化セクションが、画定されるスロットをその間に有する複数のストラットを備える、請求項21に記載のデバイス。
【請求項26】
前記複数のストラットが、前記シースの実質的に軸方向寸法に沿って方向付けられている、請求項25に記載のデバイス。
【請求項27】
前記固定化セクションが、前記ストラットの上に配設されたワイヤメッシュを備える、請求項25に記載のデバイス。
【請求項28】
前記固定化セクションがさらに、前記ストラットの上に配設された可撓性のあるレイヤを備える、請求項25に記載のデバイス。
【請求項29】
前記可撓性のあるレイヤが、重合体材料を含む、請求項28に記載のデバイス。
【請求項30】
前記重合体レイヤが、その表面内に複数の穿孔を画定するフィルタとして構成される、請求項29に記載のデバイス。
【請求項31】
前記可撓性のある重合体レイヤが、開いた近位の入口開口部および閉じた遠位端を有するバッグとして構成される、請求項29に記載のデバイス。
【請求項32】
前記バッグの近位の入口開口部が、前記拡張された状態で、前記ストラットによって画定される最大直径に対して遠位位置で前記ストラットに結合される、請求項31に記載のデバイス。
【請求項33】
前記シースの前記再構成可能セクションが、操向可能セクションおよび固定化セクションを備え、前記操向可能セクションが前記固定化セクションに対して遠位に配設される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項34】
前記操向可能セクションおよび固定化セクションの少なくとも一方が、前記引張力の前記変化に応答して弾性的に変形可能である、請求項33に記載のデバイス。
【請求項35】
前記シースの上に摺動可能に嵌合するように構成された管腔内デバイスをさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項36】
前記管腔内デバイスが、カテーテル、操向可能な先端部、ステント、フィルタ、血管形成バルーン、ドレーン、拡張器、フィルタ、バスケット、固定化装置、浮遊固定化装置、閉鎖デバイス、ガイドワイヤ、スタイレット、電極、リード、ドレーン、カテーテル導入装置または薬物注入カテーテルで使用するためのカテーテルシース、およびその組合せからなる群から選択される、請求項35に記載のデバイス。
【請求項37】
前記デバイスが、カテーテル、操向可能な先端部、ステント、フィルタ、血管形成バルーン、ドレーン、拡張器、フィルタ、バスケット、固定化装置、浮遊固定化装置、閉鎖デバイス、ガイドワイヤ、スタイレット、電極、リード、ドレーン、カテーテル導入装置または薬物注入カテーテルで使用するためのカテーテルシース、およびその組合せからなる群から選択される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項38】
前記制御要素を構成する材料が、重合体、金属、およびその組合せからなる群から選択される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項39】
前記金属が形状記憶金属である、請求項38に記載のデバイス。
【請求項40】
前記シースを構成する材料が、重合体、金属、およびその組合せからなる群から選択される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項41】
前記再構成可能セクションの少なくとも一部分が、形状記憶金属を含む、請求項40に記載のデバイス。
【請求項42】
前記引張力の前記変化が、前記引張力の低減を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項43】
前記第2の形状が、実質的に変形されない形状を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項44】
前記第2の形状が、部分的に変形された形状を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項45】
体管腔中で使用するためのガイドワイヤ組立体であって、
近位端、遠位端、および前記近位端と遠位端の中間に配設された少なくとも1つの再構成可能セクションを画定する管状シースと、
近位端および遠位端を画定するワイヤであって、前記ワイヤの前記近位端および遠位端が、前記シースの前記端部のそれぞれに対して、その間に固定状態に取付け可能とするために実質的に隣接しかつ実質的に位置合わせして配置され、したがって、前記シースにより前記ワイヤに対して加えられる力が、変形された第1の形状に前記組立体を偏位させるのに十分であるようにするワイヤと、
前記シースと協動し、前記力の変化を適用すると前記組立体が前記第1の形状とは異なる第2の形状を取るように前記力を前記変化させるように構成された弾性バイアスセクションと
を備える組立体。
【請求項46】
前記シースと前記ワイヤの間の前記力の前記変化を制御するために、前記弾性バイアスセクションに結合されたツールをさらに備える、請求項45に記載の組立体。
【請求項47】
前記少なくとも1つの再構成可能セクションが、前記力の前記変化に対して曲げ可能に応答する、前記組立体の前記遠位端に隣接して配設された操向可能セクションを備える、請求項45に記載の組立体。
【請求項48】
前記少なくとも1つの再構成可能セクションがさらに、前記力の前記変化に対して拡張可能に応答する固定化セクションを備える、請求項47に記載の組立体。
【請求項49】
前記少なくとも1つの再構成可能セクションが、前記力の前記変化に対して拡張可能に応答する固定化セクションを備える、請求項45に記載の組立体。
【請求項50】
前記固定化セクションが、前記組立体が前記第1の形状であるとき実質的に拡張された状態を取り、また前記組立体が前記第2の形状であるとき前記拡張された状態が縮小されるように構成される、請求項49に記載の組立体。
【請求項51】
前記拡張状態の前記縮小が、拡張されない状態を含む、請求項50に記載の組立体。
【請求項52】
前記弾性バイアスセクションが、前記シース中に形成される、請求項45に記載の組立体。
【請求項53】
中空の細長い部材と、
前記中空の細長い部材中を長手方向に自由に移動する寸法を有する細長い制御要素とを備え、前記中空の細長い部材および前記細長い制御要素が、それぞれの近位端および遠位端で互いに固定状態で取り付られており、前記近位端と遠位端の間で変形されない状態で別々に測定された場合、前記細長い制御要素が前記中空の細長い部材より短い医療デバイス。
【請求項54】
前記中空の細長い部材が、長手方向に弾性的に変形できる少なくとも2つのセクションを備え、前記少なくとも2つのセクションが、
前記細長い部材の前記近位端に隣接して位置する弾性バイアスセクションと、
前記細長い部材の前記近位端と遠位端の中間に位置する再構成可能セクションであって、前記細長い制御要素と前記細長い部材の間の相対的な移動が前記再構成可能セクションの形状の変化を生成するように前記弾性バイアスセクションと協動する再構成可能セクションとを備える、請求項53に記載のデバイス。
【請求項55】
前記弾性バイアスセクション中に貯えられたエネルギによって生ずるバイアス力が、前記再構成可能セクションを変形された形状にするのに十分である、請求項54に記載のデバイス。
【請求項56】
長さ制御のための、またその結果得られる前記再構成可能セクションの形状変更のための取外し可能ツールをさらに備える、請求項54に記載のデバイス。
【請求項57】
前記再構成可能セクションの前記形状変更が、体管腔に挿入し、かつ取り除くために適切な状態への変更を含む、請求項56に記載のデバイス。
【請求項58】
前記ツールが、前記再構成可能セクションのための中間位置を生成するために、前記弾性バイアスセクションと協動する、請求項56に記載のデバイス。
【請求項59】
前記再構成可能セクションが、
前記細長い部材と前記制御要素の間の力の様々な水準にそれぞれが応答する複数の操向可能セクションと、
前記細長い部材と前記制御要素の間の力の変化に応答する拡張可能な固定化セクションとを備える、請求項54に記載のデバイス。
【請求項60】
前記複数の操向可能セクションの少なくとも1つが、前記細長い部材の壁に形成されたスロットのパターンを画定する、請求項59に記載のデバイス。
【請求項61】
前記複数の操向可能セクションの少なくとも1つが、追加の非対称補強要素を備える、請求項59に記載のデバイス。
【請求項62】
前記非対称補強要素が、前記細長い部材の外側表面上に配設される、請求項61に記載のデバイス。
【請求項63】
前記固定化セクションが、
第1の変形された形状と第2の形状の間の形状変更を可能にするように構成された複数のストラットを備えるバスケットと、
開いた近位の入口開口部を画定する、前記バスケットの少なくとも一部分の上に配設された可撓性のある重合体レイヤとを備える、請求項59に記載のデバイス。
【請求項64】
前記近位の入口開口部が、前記バスケットの半径方向に最も広い部分の遠位に位置する、請求項63に記載のデバイス。
【請求項65】
前記重合体レイヤがバッグとして構成されており、前記バッグが、前記バッグの近位側と遠位側の間の圧力差を形成するように構成される、請求項64に記載のデバイス。
【請求項66】
前記バッグが、少なくとも部分的に体管腔を閉鎖するために使用される、請求項65に記載のデバイス。
【請求項67】
前記重合体レイヤが、その表面の開口部を画定する、請求項63に記載のデバイス。
【請求項68】
前記重合体レイヤが、前記固定化セクションと結合されるバッグとして構成されており、前記バッグが、前記体管腔を通過する砕片を捕捉するためのフィルタとして使用するように適合される、請求項67に記載のデバイス。
【請求項69】
前記ツールを取り外すと、前記再構成可能セクションが前記体管腔中にとどまるように構成される、請求項56に記載のデバイス。
【請求項70】
前記再構成可能セクションが前記体管腔内にとどまる間に、前記細長い部材の前記近位端を介して前記体管腔の内側に展開されるように構成された処置デバイスをさらに備える、請求項69に記載のデバイス。
【請求項71】
前記処置デバイスが、カテーテル、ステント、フィルタ、血管形成バルーン、ドレーン、拡張器、フィルタ、バスケット、固定化装置、浮遊固定化装置、閉鎖デバイス、ガイドワイヤ、スタイレット、電極、リード、ドレーン、カテーテル導入装置または薬物注入カテーテルで使用するためのカテーテルシース、およびその組合せからなる群から選択される、請求項70に記載のデバイス。
【請求項72】
前記ツールが、前記デバイスおよび前記処置デバイスのいずれかまたは両方が前記体管腔を介して移動し、またはその中に配置される間、前記再構成可能セクションの形状を制御するために適用される、請求項71に記載のデバイス。
【請求項73】
前記ツールが、前記再構成可能セクションの動作状況について操作者に知らせるように構成されたディスプレイを備える、請求項71に記載のデバイス。
【請求項74】
前記細長い部材および前記制御要素を構成する材料が、重合体、金属、放射線不透過性機能を高めた金属、およびその組合せからなる群から選択される、請求項53に記載のデバイス。
【請求項75】
前記制御要素が、前記細長い部材とは異なる材料から作成することができる、請求項74に記載のデバイス。
【請求項76】
前記細長い部材と前記制御要素の長さの差を、前記デバイスの近位固定端でまたはその近傍で、解放可能なロック手段によって調整することができる、請求項53に記載の医療デバイス。
【請求項77】
医療デバイスを体管腔中に挿入する方法であって、
前記デバイスを構成するステップであり、
近位端、遠位端、前記近位端と遠位端の中間に配設された少なくとも1つの再構成可能セクション、および前記再構成可能セクションに対して近位に配設された弾性バイアスセクションを画定する管状シースであって、前記弾性バイアスセクションが、前記再構成可能セクションの軸方向長さを変化させるように構成される管状シースと、
近位端および遠位端を画定する細長い制御要素であって、前記シースおよび制御要素が、前記シースと前記制御要素の間にバイアス力が存在するように互いに取り付けられており、前記バイアス力が、変形された第1の形状に前記デバイスを保つのに十分である制御要素とを備えるように前記デバイスを構成するステップと、
前記管腔中に前記デバイスを導入するステップと、
前記バイアス力を変更するために、前記デバイスに力を加えるステップであって、それにより、前記医療デバイスに前記第1の形状とは異なる第2の形状を取るようにさせるステップと
を含む方法。
【請求項78】
前記デバイスに対して力を加える前記ステップが、前記デバイスの近位端に対して力を加えるステップを含む、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記デバイスに対して力を加える前記ステップが、ツールを介して行われるように、前記デバイスの前記近位端に結合される前記ツールを備えるように前記デバイスを構成するステップをさらに含む、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記デバイスに対して力を加える前記ステップが、前記制御要素に対する引張力を低減するステップを含む、請求項77に記載の方法。
【請求項81】
前記シースと前記制御要素の間の相対的な変位を示すように構成された標識を監視するステップをさらに含む、請求項77に記載の方法。
【請求項82】
前記シース中の前記再構成可能セクションが、操向可能セクションを備える、請求項77に記載の方法。
【請求項83】
前記操向可能セクションが、複数の操向可能領域を備える、請求項77に記載の方法。
【請求項84】
前記複数の操向可能領域の少なくとも2つが、前記バイアス力を変更するために前記デバイスに対して力を加える前記ステップにより、実質的に同様の方向に変形するように構成される、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記複数の操向可能領域の少なくとも1つが、前記バイアス力を変更するために前記デバイスに対して力を加える前記ステップにより、実質的に異なる方向に変形するように構成される、請求項83に記載の方法。
【請求項86】
前記第2の形状が、前記操向可能セクションにおける湾曲部を含む、請求項82に記載の方法。
【請求項87】
前記第1の形状を促進するために、少なくとも1つの選択的方向を確立するように、前記操向可能セクション中に少なくとも1つの強度の弱い場所を形成するステップをさらに含む、請求項82に記載の方法。
【請求項88】
前記少なくとも1つの強度の弱い場所が、前記シース中で画定される少なくとも1つのスロットを備える、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記操向可能セクションが、前記シース中に配設されたコイルバネを含む、請求項82に記載の方法。
【請求項90】
前記第1の形状を促進するための少なくとも1つの選択的方向を確立するために、前記コイルバネ中に非対称に配設された剛性要素をさらに備える、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記操向可能セクションが、前記シースの外側表面に沿って非対称に配設された長手方向補強を備える、請求項82に記載の方法。
【請求項92】
前記再構成可能セクションが、固定化セクションを含む、請求項77に記載の方法。
【請求項93】
メッシュレイヤを前記固定化セクションに結合するステップをさらに含む、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
前記固定化セクションが、折りたたみ可能バスケットとして構成されたメッシュレイヤを備える、請求項92に記載の方法。
【請求項95】
前記第1の形状が前記固定化セクションの拡張を含む、請求項92に記載の方法。
【請求項96】
前記固定化セクション中の前記拡張が、前記管腔の内壁に接触するのに十分な半径方向寸法に拡張するように構成される、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
前記固定化セクションが、前記管腔の内壁と接触するのに十分な寸法より小さいが、実質的に変形されない形状を超える半径方向寸法を取るように構成される、請求項95に記載の方法。
【請求項98】
重合体レイヤを前記固定化セクションに結合するステップをさらに含む、請求項92に記載の方法。
【請求項99】
前記重合体レイヤが、近位端に開口部、および閉鎖された遠位端を備えるバッグを含む、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
前記バッグが、それに形成された複数の開口部を画定する、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
前記バッグを介して流体をフィルタするステップをさらに含む、請求項100に記載の方法。
【請求項102】
前記固定化セクションを部分的に拡張し、前記デバイスの下流への移動を容易にするために前記バッグを介して流体を流すステップをさらに含む、請求項99に記載の方法。
【請求項103】
前記再構成セクションが、固定化セクションおよび操向可能セクションを備える、請求項77に記載の方法。
【請求項104】
前記固定化セクションが、前記操向可能セクションに対して前記デバイスの近位部分上に配設される、請求項103に記載の方法。
【請求項105】
前記操向可能セクションおよび前記固定化セクションの少なくとも一方中で、前記第1の形状と前記第2の形状の間で遷移を行うように、前記デバイスの前記近位端に結合されたツールを備えるように前記デバイスを構成するステップをさらに含む、請求項103に記載の方法。
【請求項106】
前記固定化セクションが、前記バイアス力が存在すると螺旋形状を取る、請求項103に記載の方法。
【請求項107】
前記操向可能セクションが、前記バイアス力が存在すると、共に螺旋形状を取るように前記固定化セクションと協動する、請求項103に記載の方法。
【請求項108】
前記デバイスに力を加える前記ステップが、前記操向可能セクションが前記第1の形状から前記第2の形状に遷移する前に、前記固定化セクションが前記第1の形状から前記第2の形状に遷移するように前記制御要素に対して引張力を低減させるステップを含む、請求項103に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公表番号】特表2007−509685(P2007−509685A)
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−537489(P2006−537489)
【出願日】平成16年10月27日(2004.10.27)
【国際出願番号】PCT/IB2004/004460
【国際公開番号】WO2005/105191
【国際公開日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(505101732)
【出願人】(506145120)
【出願人】(506146183)
【Fターム(参考)】