説明

自己浄化性の化学剤及び生物剤耐性コーティング及び方法

本発明は、自己浄化性コーティング及び方法を提供する。コーティングは、約10〜約100重量パーセントの範囲の固形分を有し、少なくとも一体積割合の自由空間を有するポリウレタン成分、化学活性物、及び生物活性物を含む。開示された別の実施形態では、化学汚染物質及び生物汚染物質の輸送を削減する方法が提供され、この方法は、約10〜約100重量パーセントの範囲の固形分を有し、少なくとも一体積割合の自由空間を有するポリウレタン成分、化学活性物、及び生物活性物を有するポリウレタン成分を含む自己浄化性コーティングを提供し、コーティングを航空機、回転翼機、ビークル、機器品目、又は建築物の表面に塗布するステップを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーティング及び塗料に関するものである。さらに具体的には、本発明は、自己浄化性の化学剤及び生物剤耐性コーティング及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
種々の化学剤又は生物剤に耐性のある公知の塗料及びコーティングを、航空機、回転翼機、ビークル、機器品目、建築物、又は様々な他の構造物に使用可能である。例えば、油性の化学剤耐性コーティングが、米国特許第4304706号明細書に開示されており、水分散性の化学剤耐性コーティングが、米国特許第5691410号明細書に開示されている。しかしながら、これらの特許も他の公知の塗料及びコーティングも、自己浄化性の塗料又はコーティングを開示していない。公知の化学剤耐性コーティングは通常、任意の化学剤又は生物剤又は汚染物質を除去するのに、苛性酸化性溶液の使用を要する。70%のジエチレントリアミン、28%のエチレングリコールモノメチルエーテル、及び2%の水酸化ナトリウムを含むDS2(浄化溶液第2)等の苛性酸化性溶液は、これを塗布された航空機、回転翼機、ビークル又は機器を損傷する可能性がある。さらに、上記の追加的な苛性酸化性溶液を、汚染された航空機、回転翼機、ビークル、又は機器の場所まで輸送するのは、高価で時間がかかる場合がある。加えて、上記の追加的な苛性酸化性溶液の塗布には時間がかかり、また大きな労働力を要する場合があり、航空機、回転翼機、ビークル、又は機器のダウン時間が長くなる可能性がある。
【0003】
化学活性物又は抗化学活性物、又は生物活性物又は抗細菌/抗微生物活性物を含む公知の塗料及びコーティングも存在する。このような塗料及びコーティングを航空機、回転翼機、ビークル、又は機器に使用することもできる。このような塗料又はコーティングの抗化学活性、又は抗細菌/抗微生物活性物を維持するためには、極端な磨耗の激しい環境に耐えることができる必要がある。通常、このような活性物は、航空機、回転翼機、ビークル、又は機器に使用される塗料系の最上部のコーティングとして塗布され、そしてこの表面への塗布により、活性物が環境被害に合いやすくなり得る。塗料又はコーティングの抗化学活性物又は抗細菌/抗微生物活性物を維持する能力は、このような活性物が通常塗料又はコーティングの表面に塗布されるために、航空機、回転翼機、ビークル、又は機器の稼動中に塗料又はコーティングが損傷を受けた、こすられた、又は傷ついた場合に減少する可能性がある。航空機、回転翼機、ビークル、又は機器の表面がでこぼこしている、例えばこすられた又は傷ついた表面を有する時、塗料又はコーティングの連続性がとぎれている場合があり、抗化学又は抗微生物活性物が無くなった又は除去されている場合があり、化学剤又は生物剤への耐性が弱まる可能性がある。航空機、回転翼機、ビークル、又は機器の表面のでこぼこを修理する公知の方法には、表面に公知のエアロゾル修正塗料を使用する方法が挙げられる。しかしながら、このような公知のエアロゾル修正塗料は、噴霧された領域にいかなる化学剤又は生物剤への耐性を提供しない。さらに、このような公知の塗料及びコーティングは自己浄化性でなく、単一のコーティングに抗化学活性物及び/又は抗細菌/抗微生物活性物の両方が混合されない。加えて、このような公知の塗料又はコーティングの抗化学活性及び抗細菌/抗微生物活性物の効果は通常、塗料又はコーティングの寿命まで持続しない。
【0004】
したがって、公知のコーティング及び方法よりも有利な、自己浄化性の化学剤及び生物剤耐性コーティング及び方法が必要である。
【発明の概要】
【0005】
この公知のコーティング及び方法よりも有利な、自己浄化性の化学剤及び生物剤耐性コーティング及び方法だけでなく、他に類を見ない、進歩性のある、有利なコーティング及び方法の必要が満たされる。公知のコーティング及び方法によっては、本明細書に記載されている数々の利点の全ては提供されない。公知のコーティング及び方法とは違い、自己浄化性の化学剤及び/又は生物剤耐性コーティング及び方法の実施形態は下記の一又は複数の利点を有する:自己を浄化し、塗布するのに時間がかかるような例えば苛性酸化性溶液等の高価な公知の除染溶液の使用を必要とせず、除染溶液を人が取り扱う必要のない、自己浄化性の、化学剤及び/又は生物剤耐性コーティング又は塗料を提供し;自己を浄化することによって、化学剤及び/又は生物剤又は毒素への曝露を軽減する又は除去する、自己浄化性の、化学剤及び/又は生物剤耐性コーティング又は塗料を提供し;油性又は水分散性の形態のいずれかで使用可能な、化学又は抗化学活性物、生物又は抗細菌/抗微生物活性物、又は単一のコーティングに化学剤及び生物剤の両方を含むことができる自己浄化性の、化学剤及び/又は生物剤耐性コーティング及び方法を提供し;外部からの投入又は遅れを一切必要とせずに曝露後ただちに化学剤及び/又は生物剤又は汚染物質の除去が可能な、自己浄化性の、化学剤及び/又は生物剤耐性コーティング及び方法を提供し;公知のシステム及びコーティングよりも塗布が速く安価である自己浄化性の、化学剤及び/又は生物剤耐性コーティング及び方法を提供し;コーティング全体に分散され、コーティングの寿命を通してずっとコーティング内に留まり、コーティングの寿命の間効能が続く化学又は抗化学及び/又は生物又は抗細菌/抗微生物活性物を含む自己浄化性の、化学剤及び/又は生物剤耐性コーティング及び方法を提供し;公知の除染プロセスを耐え抜く自己浄化性の、化学剤及び/又は生物剤耐性コーティング及び方法を提供し;コーティング表面に接触する多数の種類の化学剤及び/又は生物剤から保護する自己浄化性の、化学剤及び/又は生物剤耐性コーティング及び方法を提供する。
【0006】
本開示の実施形態では、自己浄化性コーティングであって:約10〜約100重量パーセントの範囲の固形分を有し、少なくとも一体積割合の自由空間を有するポリウレタン成分;化学活性物;及び生物活性物を含む自己浄化性コーティングが提供される。
【0007】
本開示の別の実施形態では、自己浄化性コーティングであって:約10〜約100重量パーセントの範囲の固形分を有し、少なくとも一体積割合の自由空間を有するポリウレタン成分;及び、生物活性物を含む自己浄化性コーティングが提供される。
【0008】
本開示の別の実施形態では、自己浄化性コーティングであって:約10〜約100重量パーセントの範囲の固形分を有し、少なくとも一体積割合の自由空間を有するポリウレタン成分;及び、化学活性物を含む自己浄化性コーティングが提供される。
【0009】
別の実施形態では、自己浄化性塗料であって:約10〜約60重量パーセントの範囲の乾燥多孔性を有するポリウレタン成分;化学活性物;及び、生物活性物を含み、塗料の表面に接触する化学剤及び生物剤を自己浄化する自己浄化性塗料が提供される。
【0010】
別の実施形態では、自己浄化性塗料であって:約10〜約60重量パーセントの範囲の乾燥多孔性を有するポリウレタン成分;及び、生物活性物を含み、塗料の表面に接触する生物剤を自己浄化する自己浄化性塗料が提供される。
【0011】
別の実施形態では、自己浄化性塗料であって:約10〜約60重量パーセントの範囲の乾燥多孔性を有するポリウレタン成分;及び、化学活性物を含み、塗料の表面に接触する化学剤を自己浄化する自己浄化性塗料が提供される。
【0012】
別の実施形態では、化学剤及び生物剤の輸送を削減する方法が提供され、この方法は:約10〜約100重量パーセントの範囲の固形分を有し、少なくとも一体積割合の自由空間を有するポリウレタン成分、化学活性物、及び、生物活性物を有する固形分を含む自己浄化性コーティングを提供し、コーティングを航空機、回転翼機、ビークル、機器品目、又は建築物の表面に塗布するステップを含む。
【0013】
別の実施形態では、化学剤及び生物剤の輸送を削減する方法が提供され、この方法は、化学剤及び生物剤耐性塗料を移動ビークルに塗布するステップを含み、この塗料は、約10〜約100重量パーセントの範囲の固形分を有し、少なくとも一体積割合の自由空間を有する(a)ポリウレタン成分;(b)化学活性物;及び、(c)生物活性物を含み、塗料の表面に接触する化学剤及び生物剤を自己浄化する。
【0014】
別の実施形態では、生物剤の輸送を削減する方法が提供され、この方法は、生物剤耐性塗料を移動ビークルに塗布するステップを含み、この塗料は、約10〜約100重量パーセントの範囲の固形分を有し、少なくとも一体積割合の自由空間を有する(a)ポリウレタン成分、及び(b)生物活性物を含み、この塗料は塗料の表面に接触する生物剤を自己浄化する。
【0015】
別の実施形態では、化学剤の輸送を削減する方法が提供され、この方法は、化学剤耐性塗料を移動ビークルに塗布するステップを含み、この塗料は、約10〜約100重量パーセントの範囲の固形分を有し、少なくとも一体積割合の自由空間を有する(a)ポリウレタン成分;及び、(b)化学活性物を含み、塗料の表面に接触する化学剤を自己浄化する。
【0016】
前述した利点及び特徴とその他の利点及び特徴、及びそれらを完成させる方法は、添付の図面と併用される下記の詳細説明を考慮することによってさらに容易に理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は本明細書に記載された実施例で使用される開示の実施形態の、自己浄化性コーティングの試験結果を示す棒グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ここで本開示の実施形態を、添付の図面を参照しながら以下にさらに詳細に説明する。実際には、幾つかの異なる実施形態を提供することが可能であり、本明細書に記載される実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が当業者に対して詳細で完全であり、本開示の範囲を完全に伝達するものであるように提供される。
【0019】
本開示の自己浄化性の、化学剤及び/又は生物剤耐性コーティング又は塗料及び方法を、航空機、回転翼機、例えばトラック及びタンク等のビークル、機器品目、例えばビル等の建築物、及びコーティングを施すあるいは塗装されるべき表面を有する他の様々な構造物の外面及び内面に使用可能である。内面には、限定しないが、航空機内部のエア・ダクト表面、航空機内部の客室、及び航空機の貨物倉だけでなく、航空機、回転翼機、例えばトラック及びタンク等のビークル、機器品目、例えばビル等の建築物、及びコーティングを施す又は塗装されるべき内面を有する他の様々な構造物の他の内面を含むことができる。したがって、当業者には、開示されたコーティング及び方法を、コーティングを施すべき表面を含む任意の数の用途に使用可能であることが認識され、理解される。
【0020】
本開示の一実施形態では、約10〜約100重量パーセントの範囲の固形分を有するポリウレタン成分を含む自己浄化性コーティング又は塗料が提供されている。さらに好ましくは、ポリウレタン成分が約40〜約60重量パーセントの範囲の固形分を有していて良い。他に特に規定がない限り、全てのパーセントはコーティング組成物の総重量に基づく重量パーセントである。コーティング又は塗料は、充填材、顔料、樹脂及び処理添加物、高分子ビーズ、疎水性固体の乳液、沈降防止剤、分散剤、接着促進剤、乳液、及び乾燥又は硬化の際に蒸発する溶剤を含む固体でできていてよい。開示された実施形態の自己浄化性コーティングは、化学剤耐性コーティング、生物剤耐性コーティング、又は化学剤及び生物剤耐性コーティングの両方であってよい。使用される自己浄化性コーティング又は塗料は、どの種類のコーティング又は塗料を所望するか、また化学剤及び/又は生物剤耐性コーティング又は塗料を所望するかによって変わる。化学剤耐性塗料は化学汚染物質が表面に吸収される及び結合することを防ぎ、化学剤耐性ポリウレタン塗料は通常、従来のポリウレタン塗料よりも多孔性が高い。多孔性により、化学汚染除去剤が思い通りに作用することが可能になる。通常コーティング又は塗料には特有の多孔性がある。コーティング又は塗料の多孔性は、コーティング又は塗料の中の固体及び顔料の量に基づいている。通常、固形分が多いほど多孔性が高い。開示された実施形態では、ポリウレタン成分が少なくとも一堆積割合の自由空間又は多孔性を有することが好ましい。さらに好ましくは、開示された実施形態がコーティング又は塗料の約10〜約60体積割合の範囲の乾燥多孔性を有することができ、これにより後に説明する化学活性物及び/又は生物活性物がコーティング又は塗料内にとどまることが可能になる。最も好ましくは、開示された実施形態の乾燥多孔性が、コーティング又は塗料の約20〜約40体積割合の範囲であることである。多孔性の割合が高いほうが望ましい。この多孔性レベルにより、化学活性物及び/又は生物活性物の浸透空間がコーティング又は塗料内であちこち移動することが可能になり、また化学剤及び/又は生物剤又は汚染物質が、それらに対して作用するそれぞれの活性物へ移動することも可能になる。コーティング又は塗料に自己浄化の機能性を与えるのはこの多孔性である。コーティング又は塗料の固形分及び多孔性はまた、コーティング又は塗料の耐摩耗性における重要因子である。
【0021】
開示された実施形態のコーティング又は塗料は完全に充填されたコーティング又は塗料である、つまり、全ての必要な成分がすでにコーティング又は塗料内に含まれており、追加の特別なコーティング又はプライマーをコーティング又は塗料の下または上に塗布する必要がない。しかしながら、コーティング又は塗料を従来のプライマーと共に使用して、塗装系がプライマー及びトップコートを含み、トップコートがトップコート内に分散された化学活性物及び/又は生物活性物を有することも可能である。開示された実施形態のコーティング又は塗料は、例えば粘着性、耐候性、燃料耐性、又は他の特性等の全ての下層塗料のいかなる基本的特徴又は特性にも影響を与えないように構成されている。開示された実施形態のコーティング又は塗料は、航空機、回転翼機、ビークル、機器品目、又は建築物の外面又は内面に塗布することが可能である。内面は、内部のエア・ダクト表面、内部の客室表面、内部の貨物倉表面、又は航空機、回転翼機、ビークル、機器品目、建築物、又はコーティングを施すあるいは塗装されるべき内面を有する他の構造物の他の表面を含むことができる。好ましくは、本開示の自己浄化性コーティングは、ポリウレタン成分又は塗料ベースの溶剤である。しかしながら、水性のポリウレタン成分又は塗料を使用することも可能である。加えて、開示された実施形態の自己浄化性コーティング又は塗料は、アクリル系塗料、従来の航空機及びビークル用塗料、又は航空機、回転翼機、ビークル、機器品目、建築物、又は他の構造物と共に使用される様々な他のコーティング又は塗料と共に使用することができる。
【0022】
自己浄化性コーティングは、ポリウレタン成分中に分散された又は組み込まれた化学活性物をさらに含むことができる。化学活性物は、N−ハラミン、有機リン加水分解酵素、ハロアルカン脱ハロゲン酵素、又は他の好適な化学活性物を含むことができる。自己浄化性コーティングは、ポリウレタン成分中に分散された又は組み込まれた生物活性物をさらに含むことができる。生物活性物は、シラン第四アンモニウム化合物、アンモニウム含有ポリマー、無機銀及び亜鉛イオン含有ゼオライト、無機銀及び亜鉛イオン含有ガラス、N−ハラミン、又は他の好適な生物活性物を含むことができる。化学活性物及び/又は生物活性物は、コーティング又は塗料表面にただ塗布されているのではなく、コーティング又は塗料のポリウレタン成分又はトップコート全体に分散されていることが好ましい。このように、コーティング又は塗料が損傷を受けた、こすられた、又は傷ついた場合に、化学剤及び/又は生物剤に対して作用するコーティング又は塗料内の下層の活性物が作用可能になる。
【0023】
N−ハラミンは、酸化ハロゲンが窒素に化学的に結合している有機及び無機化合物であり、これらは化学活性物又は抗化学活性物、及び細菌活性物又は抗細菌/抗微生物活性物のどちらとしても使用可能である。N−ハラミンは酸化剤を安定させて、化学剤及び細菌剤又は汚染物質に対して作用する。N−ハラミンは長期間安定したままであり、例えば希薄漂白剤又はオゾン等の酸化剤への曝露によりリチャージすることができる。N−ハラミン分子は布に又はコーティング内に結合させることができる。好適なN−ハラミンは、ワシントン州ボセルのハロソース社から入手可能である。
【0024】
例えば有機リン加水分解酵素、及びハロアルカン脱ハロゲン酵素、又は他の市販の酵素等の酵素を、化学活性物又は抗化学活性物として使用することができる。好適な固体又は液体酵素を使用可能である。有機リン加水分解酵素はリンと他の原子の間の化学結合を解き、全て有機リンベースの化学剤である、VX(O−エチル−S−[2(ジイソプロピルアミノ)エチル]メチルホスホノチオ酸)、サリン(2(フルオロメチルホスホリル)オキシプロパン)、及びソマン(3(フルオロメチルホスホリル)オキシ2、2−ジメチルブタン)に対して使用することができる。ハロアルカン脱ハロゲン酵素はハロゲンと他の原子の間の化学結合を解き、マスタードガスなどの化学剤に対して使用することができる。有機リン加水分解酵素はカリフォルニア州パロ・アルトのジェネンコア社から入手可能である。上記酵素は遺伝子を組み替えた細菌から精製され、充填材としてコーティング又は塗料に組み込むことができる。酵素は化学剤又は細菌剤の細胞壁の化学結合を化学的に切断する。
【0025】
シラン第四アンモニウム分子を、細菌活性物又は抗細菌/抗微生物活性物として使用することができる。アンモニウム官能基は細菌剤又は汚染物質に作用し、シラン官能基は化学剤耐性コーティング内の分子を化学的に結合させる。アルコールに可溶なシラン第四アンモニウム活性物は、ミシガン州ミッドランドのイージス・エンバイロメンタル・マネジメント社から、AEGIS MICROBE SHIELD(AEGIS MICROBE SHIELDはイージス・エンバイロメンタル・マネジメント社の登録商標である)の商品名で入手可能である。シラン官能基は、湿気があるところでヒドロキシ基とともに対象表面内部又は上で液化して抗菌物質を静止させ、アンモニウム官能基は細菌剤又は汚染物質に対して作用する。シランはシラン第四アンモニウムを化学剤耐性コーティング内部に結合させるのに使用される。好適な水溶性の第四アンモニウムシランは、ニューヨーク州ローカストバレーのNBSテクノロジーLLC社から、GOLDSHIELD(GOLDSHIELDはNBSテクノロジーLLC社の登録商標である)の商品名で入手可能である。シランは対象表面内部又は上に結合し、アンモニウム基は細菌剤又は汚染物質に対して作用する。シラン第四アンモニウム分子物質の同様の実施形態は、ポリマー鎖に付着したアンモニウム基を含む抗菌ポリマーを含む。アンモニウム基は細菌剤又は汚染物質に対して作用し、ポリマーがコーティング内で静止する。
【0026】
銀及び亜鉛イオン含有ゼオライト、そして銀及び亜鉛イオン含有ガラスは、細菌活性物又は抗細菌/抗微生物活性物として使用可能である。これらは、湿気に反応してゆっくり長い期間をかけて放出され、通常コーティングの寿命の間存続する。開示された実施形態のコーティングにより、湿気で銀が遊離し、細菌剤又は汚染物質に対して作用することが可能になる。銀及び亜鉛イオン含有ゼオライト及びガラスは、溶剤型又は水性コーティング又は塗料に使用可能である。これらの銀及び亜鉛イオン置換ゼオライト及びガラスは、湿気があるところで銀及び亜鉛イオンを放出し、細胞呼吸を遮断することによって細菌汚染物質に対して作用する。銀及び亜鉛イオン含有ゼオライトは、マサチューセッツ州ウェイクフィールドのエジオン社から入手可能である。銀及び亜鉛イオン含有ガラス、例えばCiba Irgaguard H6000はニューヨーク州タリタウンのチバ社から入手可能である。
【0027】
上記の化学活性物及び生物活性物はそれぞれ、開示された実施形態のコーティング又は塗料に別々に又は一緒に使用することが可能である。活性物の好ましい組合せは、銀イオンとN−ハラミンの組合せである。活性物の別の好ましい組合せは、シラン第四アンモニウム化合物及びN−ハラミンの組合せである。開示された実施形態のコーティング又は塗料に使用できる化学活性物及び/又は生物活性物の量は、各活性物について溶剤の約2〜約5重量パーセントの範囲であってよい。しかしながら、化学活性物及び/又は生物活性物の他の好適な量を使用することもできる。活性物はコーティング又は塗料のポリウレタン成分又はトップコート全体に分散されることが好ましい。さらに、活性物は、溶剤型又は水性コーティング又は塗料のいずれかに使用可能である。開示された実施形態の自己浄化の特徴により、コーティング又は塗料が外部投入なしに、曝露直後に化学剤及び/又は生物剤の除去を開始することが可能になる。開示された実施形態により、コーティング内に存在する化学活性物及び/又は生物活性物を使用して化学剤及び/又は生物剤から保護し、外部の除染物質の投入を必要としない自己浄化性コーティング又は塗料系が提供される。加えて、化学活性物及び/又は生物活性物はコーティング又は塗料の寿命が続く間ずっとコーティング又は塗料の中にとどまり、コーティング又は塗料の寿命の間効果及び耐摩耗性が持続する。
【0028】
本開示の別の実施形態では、約10〜60パーセントの範囲の乾燥多孔性を有し、少なくとも一体積割合の自由空間を有するポリウレタン成分、化学活性物、及び生物活性物を含む自己浄化性塗料が提供され、この塗料は塗料の表面に接触する化学剤及び生物剤を自己浄化する。化学活性物はN−ハラミン、有機リン加水分解酵素、及びハロアルカン脱ハロゲン酵素、又は他の好適な化学活性物を含むことができる。生物活性物は、シラン第四アンモニウム化合物、アンモニウム含有ポリマー、無機銀及び亜鉛イオン含有ゼオライト、無機銀及び亜鉛イオン含有ガラス、N−ハラミン、又は他の好適な生物活性物を含むことができる。コーティングは航空機、回転翼機、ビークル、機器品目、又は建築物の表面に塗布されることが好ましい。自己浄化性塗料又はコーティングは、化学活性物及び生物活性物の両方、生物活性物のみ、又は化学活性物のみを含むことができる。
【0029】
本開示の一実施形態では、化学汚染物質及び生物汚染物質の輸送を削減する方法が提供されている。この方法は、約10〜約100重量パーセントの範囲の固形分を有し、少なくとも一体積割合の自由空間を有するポリウレタン成分、化学活性物、及び生物活性物を含む自己浄化性コーティングを提供するステップを含む。この方法はさらに、コーティングを航空機、回転翼機、ビークル、機器品目、又は建築物の外面及び/又は内面に塗布するステップを含む。内面は、内部のエア・ダクト表面、内部の客室表面、内部の貨物倉表面、又は航空機、回転翼機、ビークル、機器品目、建築物、又はコーティングを施す又は塗装されるべき内面を有する他の構造物の他の内面を含むことができる。化学活性物はN−ハラミン、有機リン加水分解酵素、及びハロアルカン脱ハロゲン酵素、又は他の好適な化学活性物を含むことができる。生物活性物は、シラン第四アンモニウム化合物、アンモニウム含有ポリマー、無機銀及び亜鉛イオン含有ゼオライト、無機銀及び亜鉛イオン含有ガラス、N−ハラミン、又は他の好適な生物活性物を含むことができる。あるいは、コーティング又は塗料は、化学活性物のみを有する自己浄化性の化学剤耐性コーティングであってよい、あるいは、コーティング又は塗料は、生物活性物のみを有する自己浄化性の生物剤耐性コーティングであってよい。注目すべきなのは、開示された実施形態に関連する詳細は、上述したように、この開示された実施形態の詳細にも等しく当てはまることである。
【0030】
本開示の別の実施形態では、化学剤及び生物剤の輸送を削減する方法が提供されている。この方法は、移動ビークルに化学剤及び生物剤耐性塗料を塗布することが含まれ、この塗料は、約10〜約100重量パーセントの範囲の固形分を有し、少なくとも一体積割合の自由空間を有する固形分を有する(a)ポリウレタン成分;(b)化学活性物;及び、(c)生物活性物を含む。この塗料は、塗料の表面に接触する化学剤及び生物剤を自己浄化する。化学活性物は、N−ハラミン、有機リン加水分解酵素、ハロアルカン脱ハロゲン酵素、又は他の好適な化学活性物を含むことができる。生物活性物は、シラン第四アンモニウム化合物、アンモニウム含有ポリマー、無機銀及び亜鉛イオン含有ゼオライト、無機銀及び亜鉛イオン含有ガラス、N−ハラミン、又は他の好適な生物活性物を含むことができる。あるいは、コーティング又は塗料は化学活性物のみを有する自己浄化性化学剤耐性コーティングであってよい、又はコーティング又は塗料は生物活性物のみを有する自己浄化性生物剤耐性コーティングであってよい。注目すべきなのは、開示された実施形態に関連する詳細は、上述したように、この開示された実施形態の詳細にも等しく当てはまることである。
【0031】
下記の実施例及び添付の図面において、化学活性物及び生物活性物を化学剤耐性コーティング処方で試験し、塗布前の安定性及び塗布したときの均一性を検査した。下に記載する実施例1〜3において、コーティングを大腸菌ATCC 11229細菌に対して試験し、増殖性細菌への効果を検査した。例えば、AEGIS AEM 5772シラン第四アンモニウム活性物を化学剤耐性コーティングの中に溶け込ませた。シラン官能基はポリウレタンとともに化学剤耐性コーティング内で縮合して活性物を静止させ、アンモニウム官能基が細菌に作用する。コーティングの固形物ベースで2重量パーセント以下のレベルの活性物を使用した。これらの活性物のレベルは、液状の化学剤耐性コーティングの全質量ベースで1.32重量パーセント以下のレベルである。充填材として化学剤耐性コーティングの中に溶け込ませることができる銀及び亜鉛イオンを含むイオン置換ガラス、Ciba Irgaguard H6000も使用した。これらのイオンは湿気のあるところで放出され、細胞呼吸を遮断することによって細菌に対して作用する。コーティング内の固形物ベースで2.5〜5重量パーセントのレベル(液状の化学剤耐性コーティングの全質量ベースで3.30重量パーセント以下)の活性物を使用した。これらの活性物を単独で、また互いに組み合わせてコーティングに調合した。これらの抗菌物質を含むコーティングを、大腸菌ATCC 11229細菌に対して試験し、効果を検査した。全ての試験は標準の微生物学的手順にしたがって行い、細菌は、閉鎖されたチャンバ内を曇らせる代わりに、塗装パネル上に噴霧した。第四シランアンモニウム及び銀イオン活性物を含む調合物を大腸菌に対して試験した。
【0032】
図1は、下に記載する実施例で使用した開示された実施形態の自己浄化性コーティングの試験結果を示す棒グラフである。図1の棒グラフは、下記の実施例に記載されるコーティングを使用した75分にわたる、そして8時間にわたる大腸菌細菌の減少割合を示す。
【実施例】
【0033】
実施例1: 147.5gの37038航空機用黒色Zenthane MIL−DTL−53039B(タイプ1)を、懸濁液が滑らかになるまで20分間、5.30gのCiba Irgaguard H6000銀及び亜鉛イオン含有ガラスと混合した。この調合物をMIL−PRF−85582エポキシベースのプライマーで下塗りしたアルミニウムパネル上に噴霧した。塗装されたパネルを2日間乾燥させ、その後、一般の増殖性細菌病原体の代用物としての大腸菌ATCC 11229に対する細菌減少効果を試験した。パネルは下記のステップによって試験を行った:(1)大腸菌ストックを培養し、精製し、滴定する;(2)おおよそ1×10cfu/m2の大腸菌をむらなく噴霧して、Ciba Irgaguard H6000を含む塗装されたクーポンと、化学剤耐性コーティングの変更のないコントロールクーポンに塗布する;(3)(摂氏)30度で75分間と8時間インキュベートする;(4)表面から生き残った大腸菌を全て溶離させ、溶液中の全ての活性物を中和する;(5)標準的な方法を使用して溶離物を計数する;(6)制御面に対する減少記録を算出する。パネルへの曝露から75分後に抗菌活性物を含む塗装パネルの大腸菌の個体数は79.8%(4.15E3コロニー形成単位(cfu)対2.05E4 cfu)減ったことが確認された。パネルへの曝露から8時間後には、変更なしのコントロール化学剤耐性コーティングパネルと比べて、抗菌活性物を含む塗装パネル上の大腸菌の個体数は91.2%(3.50E2cfu対3.98E3cfu)減っていた。
【0034】
実施例2: 147.5gの37038航空機用黒色Zenthane MIL−DTL−53039B(タイプ1)を、懸濁液が滑らかになるまで20分間、2.88gのAEGIS AEM 5772第四アンモニウムシランと混合した。この調合物をMIL−PRF−85582エポキシベースのプライマーで下塗りしたアルミニウムパネル上に噴霧した。塗装されたパネルを2日間乾燥させ、その後、一般の増殖性細菌病原体の代用物としての大腸菌ATCC 11229に対する細菌減少効果を試験した。パネルは下記のステップによって試験を行った:(1)大腸菌ストックを培養し、精製し、滴定する;(2)おおよそ1×10cfu/m2の大腸菌をむらなく噴霧して、Ciba Irgaguard H6000を含む塗装されたクーポンと、化学剤耐性コーティングの変更のないコントロールクーポンに塗布する;(3)摂氏30度で75分間と8時間インキュベートする;(4)表面から生き残った大腸菌を全て溶離させ、溶液中の全ての活性物を中和する;(5)標準的な方法を使用して溶離物を計数する;(6)制御面に対する減少記録を算出する。パネルへの曝露から75分後に抗菌活性物を含む塗装パネルの大腸菌の個体数は82.2%(3.65E3cfu対2.05E4cfu)減ったことが確認された。パネルへの曝露から8時間後には、変更なしのコントロール化学剤耐性コーティングパネルと比べて、抗菌活性物を含む塗装パネル上の大腸菌の個体数は94.6%(2.15E2cfu対3.98E3cfu)減っていた。
【0035】
実施例3: 147.5gの37038航空機用黒色Zenthane MIL−DTL−53039B(タイプ1)を、懸濁液が滑らかになるまで20分間、2.66gのCiba Irgaguard H6000銀及び亜鉛イオン含有ガラスと、2.95gのAEGIS AEM 5772第四アンモニウムシランと混合した。この調合物をMIL−PRF−85582エポキシベースのプライマーで下塗りしたアルミニウムパネル上に噴霧した。塗装されたパネルを2日間乾燥させ、その後、一般の増殖性細菌病原体の代用物としての大腸菌ATCC 11229に対する細菌減少効果を試験した。パネルは下記のステップによって試験を行った:(1)大腸菌ストックを培養し、精製し、滴定する;(2)おおよそ1×10cfu/m2の大腸菌をむらなく噴霧して、Ciba Irgaguard H6000を含む塗装されたクーポンと、化学剤耐性コーティングの変更のないコントロールクーポンに塗布する;(3)摂氏30度で75分間と8時間インキュベートする;(4)表面から生き残った大腸菌を全て溶離させ、溶液中の全ての活性物を中和する;(5)標準的な方法を使用して溶離物を計数する;(6)制御面に対する減少記録を算出する。パネルへの曝露から75分後に抗菌活性物を含む塗装パネルの大腸菌の個体数は87.6%(2.55E3cfu対2.05E4cfu)減ったことが確認された。パネルへの曝露から8時間後には、変更なしのコントロール化学剤耐性コーティングパネルと比べて、抗菌活性物を含む塗装パネル上の大腸菌の個体数は96.7%(1.30E2cfu対3.98E3cfu)減っていた。
【0036】
評価
生物活性物又は抗細菌活性物のレベルが高いコーティングでは、大腸菌に97%の減少が見られた。銀ゼオライト抗菌物質及びシラン第四アンモニウム抗菌物質は、溶剤型化学剤耐性コーティングの中に組み込まれた時に、増殖性細菌に対して抗力を示した。
【0037】
本開示に関連する当業者は、前述の説明と関連する図面に示される教示の利点を有する、本開示の多数の変更及び他の実施形態を発想するだろう。したがって、当然ながら本開示は開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、変更及び他の実施形態は添付の請求項の範囲内に含まれるものである。本明細書では特定の用語が用いられているが、これらの用語は総称的及び記述的な意味でのみ使用されており、限定するためのものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己浄化性コーティングであって、
約10〜約100重量パーセントの範囲の固形物を有し、少なくとも一体積割合の自由空間を有するポリウレタン成分と、
化学活性物と、
生物活性物と
を含むコーティング。
【請求項2】
化学活性物は、N−ハラミン、有機リン加水分解酵素、及びハロアルカン脱ハロゲン酵素からなるグループから選択される、請求項1に記載の自己浄化性コーティング。
【請求項3】
生物活性物は、シラン第四アンモニウム化合物、アンモニウム含有ポリマー、無機銀及び亜鉛イオン含有ゼオライト、無機銀及び亜鉛イオン含有ガラス、並びにN−ハラミンからなるグループから選択される、請求項1に記載の自己浄化性コーティング。
【請求項4】
化学剤耐性コーティングである、請求項1に記載の自己浄化性コーティング。
【請求項5】
航空機、回転翼機、ビークル、機器品目、又は建築物の外面に塗布される、請求項1に記載の自己浄化性コーティング。
【請求項6】
航空機、回転翼機、ビークル、機器品目、又は建築物の内面に塗布される、請求項1に記載の自己浄化性コーティング。
【請求項7】
内面が、内部のエア・ダクト表面、内部の客室表面、及び内部の貨物倉表面を含むグループから選択される、請求項6に記載の自己浄化性コーティング。
【請求項8】
固形分が約40〜約60重量パーセントの範囲である、請求項1に記載の自己浄化性コーティング。
【請求項9】
ポリウレタン成分が、約10〜約60体積割合の範囲の乾燥多孔性を有する、請求項1に記載の自己浄化性コーティング。
【請求項10】
自己浄化性コーティングであって、
約10〜約100重量パーセントの範囲の固形物を有し、少なくとも一体積割合の自由空間を有するポリウレタン成分と、
生物活性物と
を含むコーティング。
【請求項11】
生物活性物は、シラン第四アンモニウム化合物、アンモニウム含有ポリマー、無機銀及び亜鉛イオン含有ゼオライト、無機銀及び亜鉛イオン含有ガラス、並びにN−ハラミンからなるグループから選択される、請求項10に記載の自己浄化性コーティング。
【請求項12】
自己浄化性コーティングであって、
約10〜約100重量パーセントの範囲の固形物を有し、少なくとも一体積割合の自由空間を有するポリウレタン成分と、
化学活性物と
を含むコーティング。
【請求項13】
化学活性物は、N−ハラミン、有機リン加水分解酵素、及びハロアルカン脱ハロゲン酵素からなるグループから選択される、請求項12に記載の自己浄化性コーティング。
【請求項14】
自己浄化性塗料であって、
約10〜約60体積割合の範囲の乾燥多孔性を有するポリウレタン成分と、
化学活性物と、
生物活性物と
を含み、
塗料の表面に接触する化学剤及び生物剤を自己浄化する塗料。
【請求項15】
化学活性物は、N−ハラミン、有機リン加水分解酵素、及びハロアルカン脱ハロゲン酵素からなるグループから選択される、請求項14に記載の塗料。
【請求項16】
生物活性物は、シラン第四アンモニウム化合物、アンモニウム含有ポリマー、無機銀及び亜鉛イオン含有ゼオライト、無機銀及び亜鉛イオン含有ガラス、並びにN−ハラミンからなるグループから選択される、請求項14に記載の塗料。
【請求項17】
ポリウレタン成分が、約10〜約100重量パーセントの範囲の固形物を有する、請求項14に記載の塗料。
【請求項18】
自己浄化性塗料であって、
約10〜約60体積割合の範囲の乾燥多孔性を有するポリウレタン成分と、
生物活性物と
を含み、
塗料の表面に接触する生物剤を自己浄化する塗料。
【請求項19】
生物活性物は、シラン第四アンモニウム化合物、アンモニウム含有ポリマー、無機銀及び亜鉛イオン含有ゼオライト、無機銀及び亜鉛イオン含有ガラス、並びにN−ハラミンからなるグループから選択される、請求項18に記載の塗料。
【請求項20】
自己浄化性塗料であって、
約10〜約60体積割合の範囲の乾燥多孔性を有するポリウレタン成分と、
化学活性物と
を含み、
塗料の表面に接触する化学剤を自己浄化する塗料。
【請求項21】
化学活性物は、N−ハラミン、有機リン加水分解酵素、及びハロアルカン脱ハロゲン酵素からなるグループから選択される、請求項20に記載の塗料。
【請求項22】
化学剤及び生物剤の輸送を削減する方法であって、
約10〜約100重量パーセントの範囲の固形物を有し、少なくとも一体積割合の自由空間を有するポリウレタン成分、化学活性物、及び生物活性物を含む自己浄化性コーティングを提供するステップ、並びに
コーティングを、航空機、回転翼機、ビークル、機器品目、又は建築物の表面に塗布するステップ
を含む方法。
【請求項23】
コーティングが、航空機、回転翼機、ビークル、機器品目、又は建築物の外面に塗布される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
コーティングが、航空機、回転翼機、ビークル、機器品目、又は建築物の内面に塗布され、さらに、内面は内部のエア・ダクト表面、内部の客室表面、及び内部の貨物倉表面を含むグループから選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
化学活性物は、N−ハラミン、有機リン加水分解酵素、及びハロアルカン脱ハロゲン酵素からなるグループから選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
生物活性物は、シラン第四アンモニウム化合物、アンモニウム含有ポリマー、無機銀及び亜鉛イオン含有ゼオライト、無機銀及び亜鉛イオン含有ガラス、並びにN−ハラミンからなるグループから選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
化学剤及び生物剤の輸送を削減する方法であって、
化学剤及び生物剤耐性塗料を移動ビークルに塗布することを含み、この塗料が、(a)約10〜約100重量パーセントの範囲の固形物を有し、少なくとも一体積割合の自由空間を有するポリウレタン成分と、(b)化学活性物と、(c)生物活性物とを含み、且つ塗料の表面に接触する化学剤及び生物剤を自己浄化する、方法。
【請求項28】
化学活性物は、N−ハラミン、有機リン加水分解酵素、及びハロアルカン脱ハロゲン酵素からなるグループから選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
生物活性物は、シラン第四アンモニウム化合物、アンモニウム含有ポリマー、無機銀及び亜鉛イオン含有ゼオライト、無機銀及び亜鉛イオン含有ガラス、並びにN−ハラミンからなるグループから選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
生物剤耐性塗料を移動ビークルに塗布することを含む生物剤の輸送削減方法であって、この塗料が、(a)約10〜約100重量パーセントの範囲の固形物を有し、少なくとも一体積割合の自由空間を有するポリウレタン成分と、(b)生物活性物とを含み、且つ塗料の表面に接触する生物剤を自己浄化する、方法。
【請求項31】
生物活性物は、シラン第四アンモニウム化合物、アンモニウム含有ポリマー、無機銀及び亜鉛イオン含有ゼオライト、無機銀及び亜鉛イオン含有ガラス、並びにN−ハラミンからなるグループから選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
化学剤耐性塗料を移動ビークルに塗布することを含む化学剤の輸送削減方法であって、この塗料が、(a)約10〜約100重量パーセントの範囲の固形物を有し、少なくとも一体積割合の自由空間を有するポリウレタン成分と、(b)化学活性物とを含み、且つ塗料の表面に接触する化学剤を自己浄化する、方法。
【請求項33】
化学活性物は、N−ハラミン、有機リン加水分解酵素、及びハロアルカン脱ハロゲン酵素からなるグループから選択される、請求項32に記載の方法。

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2011−523967(P2011−523967A)
【公表日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−512483(P2011−512483)
【出願日】平成21年3月6日(2009.3.6)
【国際出願番号】PCT/US2009/036292
【国際公開番号】WO2009/148665
【国際公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】