説明

自己潤滑性ファスナー

ポリマーと、該ポリマー全体を通して分散された粗面化剤および潤滑剤を有する滑り系添加剤とから構成される連結レールまたは連結部材を有する自己潤滑性ファスナー装置が提供される。自己潤滑性ファスナー装置の製造方法および耐液または防液物品におけるそれらの使用も提供される。特に利点は、溶媒洗浄後でさえも、自己潤滑化表面を繰り返し回復する装置の能力である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2007年9月25日に出願された米国特許仮出願第60/974,977号に対する優先権を主張する。
【0002】
本発明は、ポリマーと、該ポリマー全体を通して分散された粗面化剤および潤滑剤を有する滑り系添加剤とから構成される連結レールまたは歯に関する。自己潤滑性連結レールまたは歯は、自己潤滑性ファスナー装置、特に衣服用の防水ファスナー装置において用いられる。
【0003】
特に利点は、その耐用年限の間、頻繁な間隔でレールに潤滑剤を適用するための必要性の排除である。一部の現在市販されている装置は、閉鎖の10サイクル毎に再潤滑を必要とする。これは不便で時間を浪費するものであり、装置近傍での材料の汚染をもたらすおそれがある。
【背景技術】
【0004】
潤滑剤を有する種々の滑り式留金具ファスナーが開示されている。例えば、伝統的なコイル型ジッパー(結合要素)およびコイルを閉じるために適応したスライダーが開示されている。
【0005】
一つの実施形態において、ファスナーのコイルは、押出成形の間またはその後に表面にギザギザを付けられ、機械的に粗くされる。潤滑剤は適切な溶媒中に溶解され、コイル上に被覆される。ギザギザに刻まれた表面はこの被覆過程を一層良くすることが示唆されている。
【0006】
別の実施形態において、スライドファスナーは担体テープおよび結合要素の対から作製される。結合要素はフィラメントから形成される螺旋状コイルかまたは連続式コイルかのいずれかである。潤滑剤中に浸漬された吸収材料の個々のコードは結合要素に隣接して位置付けられて、結合する際の摩擦を減じる。しかし、こうした潤滑剤の再適用は一般的に必要とされる。
【0007】
スライドファスナーは、また、直接ファスナーテープ上に射出成形されるポリマー連結部材と共に開示されている。金型からのポリマー連結部材の取り外しを助けるために、シロキサンなどの有機離型剤がポリマー押出機中に添加される。存在するシロキサンによるジッパーの引張力の減少が開示されている。連結部材はレール突出部、歯、または錠鍵機構であることが可能である。
【0008】
ファスナー閉鎖により再び密閉できる家庭用保存用バッグも、また、開示されている。例えば、一つのこうしたバッグにおいて、書込み表面が、粗面化または滑り止め剤を介して家庭用保存用バッグ上に作り出される。次に、滑り剤が、反対側表面中の滑り止め剤に打ち勝つように、選択された範囲内でのバッグの反対側表面に付加される。
【発明の概要】
【0009】
本発明の一つの態様は自己潤滑性ファスナー装置用の連結レールに関する。該レールはポリマーと、該ポリマー全体を通して分散された粗面化剤および潤滑剤を有する滑り系添加剤とを含む。
【0010】
本発明の別の態様は自己潤滑性ファスナー装置用の連結部材に関する。連結部材は、ポリマーと、該ポリマー全体を通して分散されるか、または代わりに該ポリマーの一領域または一部を通して分散された、粗面化剤および潤滑剤を有する滑り系添加剤とを含む。
【0011】
本発明の別の態様は、連結レールの少なくとも一つが、ポリマーと、該ポリマー全体を通して分散された粗面化剤および潤滑剤を有する滑り系添加剤とを含む、少なくとも二つの連結レールを含む自己潤滑性ファスナー装置に関する。
【0012】
本発明の別の態様は、連結レールの一つが、ポリマーと、該ポリマー全体を通して分散された滑り系添加剤の粗面化剤とを含むと共に、他の連結レールが、ポリマーと、該ポリマー全体を通して分散された滑り系添加剤の潤滑剤とを含む、二つの連結レールを含む自己潤滑性ファスナー装置に関する。
【0013】
本発明の別の態様は、連結部材が、ポリマーと、該ポリマー全体を通して分散された粗面化剤および潤滑剤を有する滑り系添加剤とを含む、複数の連結部材を含む自己潤滑性ファスナー装置に関する。
【0014】
本発明の別の態様は、1以上のこれらの自己潤滑性ファスナー装置を含む衣服などの物品に関する。
【0015】
本発明のなお別の態様は、連結レールまたは連結部材および自己潤滑性ファスナー装置の製造方法に関する。
【0016】
本発明のなお別の態様は、高強度および高可撓度を組み合わせた連結レールファスナー装置に関する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の自己潤滑性連結レールを有する代表的なファスナー装置の略図である。
【図2】本発明の連結レールの異なる代表的な設計の側面図である。
【図3】回転防止部を有する連結レール部分の側面断面図である。
【図4】強度対可撓度のグラフである。
【図5】回転防止部の描写である。
【図6A】先行技術と本発明との比較である。
【図6B】先行技術と本発明との比較である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は自己潤滑性ファスナー装置で用いるための連結レールおよび連結部材を提供する。
【0019】
本明細書において用いられる「物品」とは、衣服、履物、ハードウエア、バッグ、防護服、ならびに化学的および生物学的防御シェルターなどの囲いなどを包含することを意味する。
【0020】
本明細書において用いられる「自己潤滑性」とは、ファスナー装置の摩擦を減じるためのファスナー装置への潤滑剤の別個の適用および/または再適用が必要とされないことを意味する。
【0021】
本明細書において用いられる「防水性」とは、少なくとも1.0psiの静水圧に少なくとも1.0分間にわたり耐えることができるあらゆる物品を意味する。
【0022】
本明細書において用いられる「防液性」とは、少なくとも0.07バールの圧力で少なくとも3分間の持続時間にわたり試験流体を当てた時に液体を漏らさないかまたは液を垂らさないあらゆる物品を意味する。試験流体は少なくとも水であり、理想的には様々な液体化学物質であることができる。
【0023】
本明細書において用いられる「回転防止部」とは、それにより、ファスナーが「閉」または「ロック」構造になっている場合に、(連結表面に対して外部力が適用される際に)レールの連結部分の互いに対する回転運動が防止されるあらゆる手段を意味する。回転防止部は、連結界面がファスナーに過度の剛性を付加することなしで回転しないようにする。例えば、図1および4は、回転を防止するファスナーに対する突出部、ノブ、肥厚領域および他の変形などの回転を防止するための手段を含むがそれらに限定されない、回転防止部の例を図示する。
【0024】
連結レールを有する代表的なファスナー装置を図1に図示する。
【0025】
図1に示すように、ファスナー装置1は、金属またはプラスチックスライダー7およびレールを一端で接続するストッパーにより、連結設計を介して互いに合わせられる第1レール2および第2レール3を含む。また図1に示すように、各レールは他のレールと連結するための舌部分4および溝部分5、および該装置により閉じようとする物品への取り付けのための平らな部分6を含む。
【0026】
本発明の一つの実施形態において、自己潤滑性ファスナー装置は連結レールを含むと共に、ファスナー装置の一つまたは両方のレールはポリマーと、該ポリマー全体を通して分散された滑り系添加剤とを含む。滑り系添加剤は、レール表面を粗くする粗面化剤およびレール表面を潤滑する潤滑剤を含む。こうしたファスナー装置により閉じられる代表的な物品には、衣服、履物、バッグ、グローブ、ヘッドカバー、防護服、医療運搬用囲い、テント、および保存バッグが挙げられるがそれらに限定されない。一つの代替実施形態において、一つのレールはポリマーと、該ポリマー全体を通して分散された滑り系添加剤の粗面化剤とを含み、一方で他のレールはポリマーと、該ポリマー全体を通して分散された滑り系添加剤の潤滑剤とを含む。
【0027】
なお別の実施形態において、自己潤滑性ファスナー装置は2セットの連結部材を含むと共に、ファスナー装置の連結部材の一つまたは両方のセットはポリマーと、該ポリマー全体を通して分散された滑り系添加剤とを含む。
【0028】
一つの代替実施形態において、2セットの連結部材がシールを作り出すために用いられる。連結部材の1セットはポリマーと、該ポリマー全体を通して分散された滑り系添加剤の粗面化剤とを含み、一方で連結部材の他のセットはポリマーと、該ポリマー全体を通して分散された滑り系添加剤の潤滑剤とを含む。
【0029】
本発明のこれらのレールおよび連結部材で用いる代表的なポリマーには、ポリウレタン、熱可塑性ポリマー、シリコーン、熱可塑性エラストマーまたはゴムなど、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、フルオロポリマー、およびそれらのブレンドが挙げられるがそれらに限定されない。
【0030】
ポリマー全体を通して分散される滑り系添加剤は、レールまたは連結部材の表面を粗くする粗面化剤、およびレールまたは連結部材の表面を潤滑する潤滑剤を含む。一つの実施形態において、滑り系添加剤は少なくとも一つの潤滑剤と共に少なくとも一つの粗面化剤を含む。
【0031】
滑り系添加剤の粗面化剤はレールまたは連結部材の表面を粗くして、粗さを増すと共に表面間の接触点を減じ、好ましくはポリマーのバルク特性を変えることなく、表面がより少ない摩擦で互いを通過することを可能とする。滑り系添加剤中で有用な代表的な粗面化剤には、シリカ、アルミニウム、ケイ酸塩、珪藻土、またはタルクを含むがそれらに限定されない無機材料が挙げられる。さらに、粗面化剤が本明細書において教示される用途のために無機または有機材料から選択可能であることを理解すべきである。
【0032】
滑り系添加剤の潤滑剤はレールまたは連結部材セットを含むファスナー装置の閉鎖および開放の最中の摩擦を減じる。本発明において有用な潤滑剤は、アルコール、好ましくはエタノール、イソプロピルアルコール、ヘキサン、塩化メチレン、またはメチルエチルケトン、またはアセトンなどの極性または非極性溶媒のいずれにも溶解可能である。こうした潤滑剤はポリマー表面で出現するかまたは再出現する傾向があり、表面摩擦を減じる。さらに、本発明で用いる好ましい潤滑剤はファスナー装置のホットメルト接着剤による接着を妨害しない。滑り系添加剤で用いる代表的な潤滑剤には、オレアミド、ステアルアミド、エチレンビスオレアミド、エチレンビスステアルアミド、シロキサン、フッ素化ポリマーおよびエルカ酸アミド、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ステアレート、およびマグネシウムおよびカルシウムなどのステアリン酸の金属塩、シリコーン、およびポリテトラフルオロエチレンなどが挙げられるがそれらに限定されない。
【0033】
滑り系添加剤は0.1〜20質量%の割合で、さらに好ましくは2〜5質量%の割合でポリマー中に分散される。
【0034】
本明細書において用いられる「ポリマー全体を通して分散された」とは、製造されたレールまたは連結部材の少なくとも一部が、ポリマーと、滑り添加剤またはその成分との両方を含有するように、滑り添加剤または滑り添加剤の成分が該ポリマー全体を通して均一にまたは不均一に拡散されていることを意味する。ポリマー全体を通しての滑り添加剤の分散は、使用後のファスナー装置にポリマーを被覆し、および/または潤滑剤を再適用する必要性を排除する。滑り添加剤は離型用に用いられるもののような単なる局所被覆または塗布ではないことが好ましい。従来、それらは望ましくない品質の原因となりうるため、そのような滑り添加剤を最終製品の中またはその上に存在させることは望ましくない影響を及ぼすとされる。
【0035】
一つの実施形態において、滑り系添加剤は、ポリマーおよび得られる連結レールまたは連結部材全体を通して均一に分配される。この実施形態について、連結レールまたは連結部材は、ポリマーの押出成形の前またはその最中でのポリマーおよび滑り系添加剤のブレンドにより製造することが可能である。
【0036】
あるいは、滑り系添加剤は、ポリマーおよび得られる連結レールまたは連結部材の一部を通して分散することが可能である。例えば、ポリマーおよび滑り系添加剤のブレンドは、例えば、連結レールの舌および溝部分がポリマーおよび滑り系添加剤を含むが、一方で該連結レールの平らなテープ部分が滑り系添加剤なしのポリマーを含むように、滑り系添加剤なしのポリマーと同時押出成形することができる。
【0037】
これらの実施形態において、潤滑剤および粗面化剤の両方が滑り系添加剤を含有するポリマーの一部に含まれる。
【0038】
本発明の代替実施形態において、自己潤滑性ファスナー装置は、ポリマーと、第1レールまたは連結部材の第1セットのポリマー全体を通して分散された滑り系添加剤の粗面化剤とを含む第1連結レールまたは連結部材の第1セット、およびポリマーと、第2レールまたは連結部材の第2セットのポリマー全体を通して分散された滑り系添加剤の潤滑剤とを含む第2連結レールまたは連結部材の第2セットを含む。
【0039】
また、本発明において、自己潤滑性ファスナー装置の製造方法が提供される。
【0040】
一つの実施形態において、本方法はポリマーを滑り系添加剤と混合するかまたはブレンドすることを含む。次に、得られた混合物またはブレンドは、滑り系添加剤が全体を通して分散されたポリマーの連結レールまたは連結部材への連結片を成形するために、押出成形、射出成形、RTV、スピンキャスト、SLA、SLS、3次元印刷、CNCまたはあらゆる他の適した方法で成形される。次に、これらの連結片は自己潤滑性ファスナー装置に組み立てられる。
【0041】
別の実施形態において、本方法はポリマーを滑り系添加剤と混合するかまたはブレンドすることを含む。次に、得られた混合物またはブレンドは、ポリマーと一緒に連結レールまたは連結部材へと押出成形され、連結レールまたは連結部材の一部は全体を通して分散された滑り系添加剤を有するポリマーを含む。次に、これらの連結片は自己潤滑性ファスナー装置に組み立てられる。
【0042】
別の実施形態において、本方法はポリマーを滑り系添加剤の粗面化剤と混合するかまたはブレンドすることを含む。次に、得られた混合物またはブレンドは押出成形されて、全体を通して分散された粗面化剤を有するポリマーを含む第1連結レールまたは第1連結部材セットとなる。ポリマーは、また、滑り系添加剤の潤滑剤と混合されるかまたはブレンドされ、得られた混合物またはブレンドは押出成形されて、全体を通して分散された潤滑剤を有するポリマーを含む第2連結レールまたは第2連結部材セットとなる。次に、これらの第1および第2レールまたは第1および第2連結部材セットは自己潤滑性ファスナー装置に組み立てられる。
【0043】
本発明の自己潤滑性ファスナー装置は耐液性、さらに好ましくは防液性である。さらに、本発明のこれらの自己潤滑性ファスナー装置は、市販されている熱可塑性ポリウレタン(バイエル・テキシン(Bayer Texin)990R)および通常の異形押出成形工程を用いて調製した防水ファスナー試料と較べて、改善された強度に加えて、装置を同時により強く軽くする増大した強度/質量比、および増大した可撓度を示す。高い強度および可撓度を提供する装置を提供するために、横方向の引張荷重を受けている間、それら自身に対する連結要素の回転を防止するための手段を提供することが必要である。一つの実施形態において、こうした回転を防止するために幾何学的形状が変更される。
【0044】
図2は、連結面を接続するかまたは分離するために用いられるスライダー装置による連結設計を介して互いに合わせることができる第1レール2および第2レール3を含むファスナー装置1の態様を示す。図2にも示すように、各レールは、他のレールに連結するための舌部分4および溝部分5、および該装置により閉じようとする物品への取り付け用の平らな部分6を含む。回転防止部30は、また、応力適用の間、溝部分に対する舌部分の動きに抵抗する突出部または肥厚領域として示される。
【0045】
図3は、レールを接続するための連結設計を介して互いに合わせられる第1レール2および第2レール3を含むファスナー装置1を示す。回転防止部30は、また、応力適用の間、溝部分に対する舌部分の動きに抵抗する突出部または肥厚領域として示される。
【0046】
この回転防止部の必要性は、図4および5に図示される。図5は5A〜5B番号の4画像を有する。図5Aは横方向引張試験の最初の部分でのレールの断面図を描く。図5Bは同じ描写であるが被せられた線AおよびBを伴う。線Aは連結部分の一般的な形状を示す。線Bは連結の別な領域の配向を示す。図5Cはレール分離直前のレール断面の描写である。図5Dは図5Cと同じ描写であるが、しかし、再度付加される線AおよびBを伴う。線Aが、図5Bよりも図5Dにおいてかなり直線的になっていることに留意すること。また、線Bが、図5Dでは、図5Bにおける配向にほぼ垂直である配向を有することに留意すること。線AおよびBの両方について、形状および配向の変化は連結の一部領域の回転により生じる。面内曲げ可撓度の過度の損失なしでこの回転を防止する構造要素を付加することができる場合、装置の横方向引張り強度を満足のゆく曲げ可撓度を保持しながら増大させることができる。あるいは、これらの要素は付加することができると共に、全体の断面を、類似の強度を有するが改善された曲げ可撓度を有する装置を作り出すために縮小することができる。
【0047】
図6Aは先行技術のレール形状を示す。図6Bは、歯の回転の減少が、増大した強化領域300と併せて舌部分上のアンダーカットの突出部200の削減に加えて、不要なアンダーカットのサイジング100の排除により達成されることを示す、本発明の改善されたレール設計を示す。これは、舌の首部分に対する頭部回転の防止を可能とする。
【0048】
例えば、連結レールを含む本発明の自己潤滑性ファスナー装置は、ASTM D2061−07による測定で、図1に描かれる方向に加えられる50ポンドの力まで耐えることができる。これは横方向引張り強度測定として知られる。3点曲げ法を介して評価される可撓度も増大した。この評価のため、標準25mmスパン3点曲げ治具を有するTAインスツルメンツ(TA Instruments)RSA3動的機械分析器(DMA)を用いた。試料を、1.0gの先行荷重、1.0mmの最大たわみ、および0.25mm/秒の速度により対となったレールとして試験した。可撓度を計算するために0.3〜1.0mm間の荷重―たわみ曲線の勾配を用いた。可撓度は弾性率(E)と慣性二次モーメント(I)の積の逆数として定義され、(EI)-1と表される。3点曲げについては、(EI)-1=48y/PL3、式中y=たわみ、P=荷重、およびL=スパン=25mmである。
【0049】
本出願の連結レールは、ポリマーと、該ポリマー全体を通して分散された滑り系添加剤とを含む。該レールは2.99Nm/gを超える好ましい強度/質量比を有することが見出されている。さらに、レールの単位長さ当りの質量は、実施例において実証されるようにメートル当り80グラム未満であることが見出されている。
【0050】
表面粗さを、10Xの対物レンズを有するザイゴ・ニュー・ビュー(Zygo New View)5032光学表面形状測定装置を用いて測定した。カーボンテープを用いてスライドガラス上に試料を取り付け、粗さ分析のため水平台上に置いた。試料当り3点の1.0mmスキャンを測定した。すべてのデータをマイクロメートル単位で記録する。データは直線のベースラインに合わせられ、フィルタ処理はされない。報告されるデータは連結レールに平行な方向に対するものである。報告される平均粗さ(Ra)は、表面と、形状に沿ってのすべての点を見たときの中心線と間の平均距離である。0.3μmRaを超えるレールに平行な表面粗さを達成可能であることが見出されている。
【0051】
従って、本発明の自己潤滑性ファスナー装置は、衣服およびバッグなどのファスナー装置を必要とする耐水または防水物品の製造において特に有用である。本発明の自己潤滑性ファスナー装置は、化学的および/または生物学的保護服にグローブおよびソックスをつなげるうえで、ならびに耐液または防液衣服において有用である。
【0052】
以下の非限定的実施例は本発明をさらに説明するために提供される。
【実施例】
【0053】
例1:比較防水ファスナー
防水ファスナー試料(CH1351−37−15)を、市販されている熱可塑性ポリウレタン(バイエル・テキシン990R)および通常の異形押出成形工程を用いて調製した。得られたレールの形状は、衣服取り付け用の尾部、移行部、および二つのキノコ形連結部(図2を参照すること)からなった。反対側のレール部も同一であった。押出成形に続いて、レールをカリフォルニア州、パロ・セドロの303プロダクツ(303Products)製の303エアロスペース・ルブリカント(Aerospace Lubricant)により潤滑剤噴霧し、次に一緒に組み立て、試験した。試料の単位長さ当りの質量は52グラム/メートルであった。平均の横方向引張り強度は89ニュートン(N)であった。曲げ可撓度は1421ニュートン/メートル(N-1-2)であった。強度/質量比は1.70(ニュートン×メートル)/グラムすなわち(Nm/g)であった。強度−可撓度の積は126943m-2であった。押出方向における平均表面粗さ(Ra)は0.24μmであった。
【0054】
例2:比較防水ファスナー
防水ファスナー試料(CH1351−37−16)を、この試料の単位長さ当りの質量が68グラム/メートルであるように押出速度を調整したことを除いて、比較の例1と同様に調製した。平均の横方向引張り強度は100Nであった。曲げ可撓度は1388N-1-2であった。強度/質量比は1.46Nm/gであった。強度−可撓度の積は138337m-2であった。押出方向における平均表面粗さ(Ra)は0.28μmであった。
【0055】
例3:防水ファスナー
防水ファスナー試料(CH1351−37−1)を、比較の例1において記載されている通常の異形押出成形工程を用いてエスタン・スリップ・システム(Estane Slip System)X−4036をブレンドしたエスタン58219樹脂(オハイオ州、ウイックリッフェのルーブリゾール(Lubrizol)から市販されている)から調製した。比較の例1のように、レール形状は衣服取り付け用の尾部および移行部からなった。しかし、該レールは二つの波形連結部を含んだ(図3を参照すること)。押出成形の後、試料に追加の潤滑剤は適用しなかった。試料の単位長さ当りの質量は71グラム/メートルであった。平均の横方向引張り強度は212Nであった。曲げ可撓度は1186N-1-2であった。強度/質量比は2.99Nm/gであった。強度−可撓度の積は251000m-2であった。押出し方向における平均表面粗さ(Ra)は0.40μmであった。
【0056】
例4:防水ファスナー
防水ファスナー試料(CH1351−37−2)を、該試料の単位長さ当りの質量が47g/mであるように押出速度を調整したことを除いて、例1と同様に調製した。平均の横方向引張り強度は143Nであった。曲げ可撓度は1800N-1-2であった。強度/質量比は3.03Nm/gであった。強度−可撓度の積は260000m-2であった。押出方向における平均表面粗さ(Ra)は0.40μmであった。
【0057】
例5:防水ファスナー
防水ファスナー試料(CH1351−37−5)を、該試料の単位長さ当りの質量が34g/mであるように押出速度を調整したことを除いて、例1と同様に調製した。平均の横方向引張り強度は103Nであった。曲げ可撓度は4347N-1-2であった。強度/質量比は3.01Nm/gであった。強度−可撓度の積は446000m-2であった。押出し方向における平均表面粗さ(Ra)は0.75μmであった。
【0058】
例6:防水ファスナー
防水ファスナー試料(CH1351−37−3)を、18g/mの該試料の単位長さ当りの質量を与えるように押出し減少比を調整したことを除いて、例1と同様に調製した。平均の横方向引張り強度は77Nであった。曲げ可撓度は8245N-1-2であった。強度/質量比は4.21Nm/gであった。強度−可撓度の積は638000m-2であった。押出し方向における平均表面粗さ(Ra)は0.59μmであった。
【0059】
例7:防水ファスナー
試料ZIPLOC(登録商標)「ビッグ・バッグズ(Big Bags)」ファスナーについて強度および可撓度を評価した。試料を横方向引張り試験に適するように再組み立てした。平均の横方向引張り強度は87Nであった。曲げ可撓度は3120N-1-2であった。強度−可撓度の積は271000m-2であった。試料は光沢のある外見を有し、極めて低い表面粗さを示した。
【0060】
例8:防水ファスナー
試料YKKレールファスナー(部品番号5PVH)について強度および可撓度を評価した。試料を横方向引張り試験に適するように再組み立てした。平均の横方向引張り強度は252Nであった。曲げ可撓度は515N-1-2であった。強度−可撓度の積は129780m-2であった。試料は光沢のある外見を有し、極めて低い表面粗さを示した。
【0061】
これらの例1〜8の相対的な強度および可撓度を図4に図示する。本発明が、実線の右の領域で示される強度と可撓度の組み合わせで改善することが分かる。例1〜8において報告されるすべての計算が、報告される直近の整数に丸められる前の測定値に基づいたことは留意されるべきである。
【0062】
例9:試験方法
摩擦係数測定:
スレッド速度90インチ/分およびスレッド荷重600gで試験方法ASTM D1894−06を用いて、摩擦係数測定(COF)を行った。スレッドベースは2.5インチ×2.5インチと測定された。摩擦係数は試験片当り10回測定され、平均値を結果の表に報告した。
【0063】
磨耗後の摩擦係数測定:
磨耗後の摩擦係数は、ポリマー押出成形への添加潤滑剤の効果の寿命の重要な指標である。従って、摩擦係数測定用に調製された平らな試料を、修正ASTM D4966−98試験法を用いるマーティーンデール(Martindale)磨耗試験にもかけた。修正点は、磨耗材として「0」番エメリー・クロス(Emery Cloth)を用いることおよび12kPaA荷重で100サイクル(1600動作)を行うことを含んだ。この手順に従って各試験片を磨耗した後、COF試験法を用いて摩擦係数を再度測定した。磨耗後試験結果もまた結果の表に示す。
【0064】
例10:潤滑剤の影響
レールを作製するために用いた平らな試験片、ポリウレタン材料の摩擦係数(COF)に及ぼす潤滑剤の影響を、実験的に測定した。エスタン58219およびエスタンX4036ポリウレタンの混合物の平らなシート押出材を、樹脂製造業者が推奨する標準押出成形条件を用いて調製した。このマスターバッチ組成物が、付加される種々の潤滑剤のタイプおよび量でのすべての後ほどの実験用基本原料であった。これらの試料は、非潤滑ベースラインとしても利用した。
【0065】
(1)エルカミドブレンド潤滑剤(マサチューセッツ州、ウースターのECMプラスチックス(ECM Plastics,Inc.)、部品番号CPU310)、および(2)PTFE微粉末による両方の影響を測定するために、エスタン58219/エスタンX4036の追加のバッチを混合作成したが、今回は潤滑剤を含んだ。次に、これらの混合作成した潤滑剤含有バッチを、非潤滑対照試料用に用いたものと同様の条件を用いてシートに押出成形した。
【0066】
各種濃度のエルカミドブレンド潤滑剤、およびPTFE微粉末を評価した。ベースポリウレタンポリマー中、0%、3%、および6質量%のエルカミドブレンド潤滑剤を用いて初期の試験片を調製した。これらのデータを測定した後、ポリウレタン押出成形材の新しいセットを、同じ量の潤滑剤を用い、そして用いた混合物中に添加される0%、3%、および6%のPTFE微粉末(T−815PTFE微粉末としてシャムロック(Shamrock)から市販されている)を追加して調製し、ポリマー押出成形材を作製した。
【0067】
【表1】

【0068】
上の表1に基づき、いくつかの潤滑剤に関する結論に達することができる。潤滑剤の添加は磨耗なしでの初期試料のCOFを低くする。しかし、磨耗後、COFは増大する。摩耗後のこのCOFの増加は、潤滑剤効果が減少していることを示唆する。対照的に、PTFE微粉末が潤滑された試料に追加的に添加される場合に、磨耗後のCOFは増大しない。
【0069】
例11:
レールジッパー引張り力に及ぼす影響を表1の試料Bに基づき測定した。ジッパー引張り力を、修正ASTM D1876を用いて測定した(引張り速度は14インチの範囲にわたり12インチ/秒であった)。引張り力の読みの平均値を報告した。PTFE微粉末なしでの試料Bと同じ組成物によるレールを、3%PTFE微粉末添加の試料Bと同じ組成物によるレールと比較した。これらのデータを標準化するため、報告される結果は各引張りに対する引張り力を初期引張り力で割った比である。これらの結果を以下の表2に示す。
【0070】
これらの結果は、PTFE微粉末なしでは、引張り力が試験サイクル引張り数と共に増大するが、それが約200サイクルで横這い(プラトー)状態になり、300サイクルでの試験の終りまで横這い状態であることを示す。プラトー値は、PTFE微粉末のない状態で引張り力が約200サイクルにより倍を超える値を有することを示す。対照的に、PTFE微粉末が存在する場合の引張り力は、約50サイクルまでは僅かに増大し、次に、約200サイクルまでは横這い状態になり、その後、引張り力は減少し始める。この300サイクル試験の終りでは、PTFE微粉末を用いた場合の最終引張り力は、本質的に初期引張り力での値と同じである。
【0071】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーと、該ポリマー全体を通して分散された滑り系添加剤とを含む自己潤滑性ファスナー装置。
【請求項2】
ポリマーおよび滑り系添加剤から製造される連結レールを含む請求項1に記載の自己潤滑性ファスナー装置。
【請求項3】
ポリマーおよび滑り系添加剤から製造される二つの連結レールを含む請求項1に記載の自己潤滑性ファスナー装置。
【請求項4】
ポリマーおよび滑り系添加剤から製造される連結部材の連結セットを一つ含む請求項1に記載の自己潤滑性ファスナー装置。
【請求項5】
ポリマーおよび滑り系添加剤から製造される連結部材の連結セットを二つ含む請求項1に記載の自己潤滑性ファスナー装置。
【請求項6】
ポリマーがポリウレタンを含む請求項1に記載の自己潤滑性ファスナー装置。
【請求項7】
滑り系添加剤が、ポリマーの少なくとも一つの表面を粗くする粗面化剤、およびポリマーの少なくとも一つの表面を潤滑する潤滑剤を含む、請求項1に記載の自己潤滑性ファスナー装置。
【請求項8】
ポリマーが少なくとも−49°F(−45℃)のガラス転移温度(Tg)を有する熱可塑性ポリマーを含む請求項1に記載の自己潤滑性ファスナー装置。
【請求項9】
粗面化剤が無機材料である請求項7に記載の自己潤滑性ファスナー装置。
【請求項10】
潤滑剤が溶媒中に溶解可能である請求項7に記載の自己潤滑性ファスナー装置。
【請求項11】
溶媒がアルコールまたはアセトンである請求項10に記載の自己潤滑性ファスナー装置。
【請求項12】
潤滑剤がホットメルト接着剤によるファスナー装置の接着を妨げない請求項7に記載の自己潤滑性ファスナー装置。
【請求項13】
滑り系添加剤が0.1〜10質量%の割合でポリマー全体を通して分散されている請求項1に記載の自己潤滑性ファスナー装置。
【請求項14】
滑り系添加剤が10〜20質量%の割合でポリマー全体を通して分散されている請求項1に記載の自己潤滑性ファスナー装置。
【請求項15】
滑り系添加剤が2〜5質量%の割合で樹脂にブレンドされている請求項1に記載の自己潤滑性ファスナー装置。
【請求項16】
滑り系添加剤がファスナー装置のポリマー全体を通して均一に分配されている請求項1に記載の自己潤滑性ファスナー装置。
【請求項17】
滑り系添加剤がファスナー装置のポリマー全体を通して不均一に分配されている請求項1に記載の自己潤滑性ファスナー装置。
【請求項18】
ポリマーおよび滑り系添加剤が、ファスナー装置の連結レールまたは連結部材セットに押出成形されている請求項1に記載のファスナー装置。
【請求項19】
耐液性である請求項1に記載のファスナー装置。
【請求項20】
防液性である請求項1に記載のファスナー装置。
【請求項21】
衣服である、請求項1に記載のファスナー装置を含む物品。
【請求項22】
ポリマーと、該ポリマー全体を通して分散された滑り系添加剤とを含む、ファスナー装置用連結レール。
【請求項23】
レールに平行な表面粗さが0.3μmRaを超える表面を含むファスナー装置用連結レール。
【請求項24】
レールに平行な表面粗さが0.5μmRaを超える表面を含むファスナー装置用連結レール。
【請求項25】
ポリマーがポリウレタンを含む請求項22に記載の連結レール。
【請求項26】
レールに平行な方向における表面粗さが0.3μmRaを超える表面を含む請求項22に記載の連結レール。
【請求項27】
レールに平行な方向における表面粗さが0.5μmRaを超える表面を含む請求項22に記載の連結レール。
【請求項28】
滑り系添加剤が、レールの表面を粗くする粗面化剤、およびレールの表面を潤滑する潤滑剤を含む、請求項22に記載の連結レール。
【請求項29】
粗面化剤が無機材料である請求項28に記載の連結レール。
【請求項30】
装置がさらに回転防止部を含む請求項1に記載の連結レール。
【請求項31】
溶媒がアルコールまたはアセトンである請求項30に記載の連結レール。
【請求項32】
潤滑剤がホットメルト接着剤による連結レールの接着を妨げない請求項30に記載の連結レール。
【請求項33】
滑り系添加剤が0.1〜10質量%の割合でポリマー中に分散されている請求項22に記載の連結レール。
【請求項34】
滑り系添加剤が2〜5質量%の割合でポリマー中に分散されている請求項22に記載の連結レール。
【請求項35】
滑り系添加剤が連結レールのポリマー全体を通して均一に分配されている請求項22に記載の連結レール。
【請求項36】
滑り系添加剤が連結レールのポリマー全体を通して不均一に分配されている請求項22に記載の連結レール。
【請求項37】
押出成形工程により製造される請求項22に記載の連結レール。
【請求項38】
連結レールの舌および溝部分がポリマーおよび滑り系添加剤を含み、連結レールの平らなテープ部分が滑り系添加剤なしのポリマーを含むように、ポリマーおよび滑り系添加剤が滑り系添加剤なしのポリマーと同時押出成形される、請求項37に記載の連結レール。
【請求項39】
1400N-1-2を超える対での可撓度を有すると共に、ニュートン単位の横方向引張り強度が120−(可撓度の0.00814倍)を超える(ASTM D2061−07により測定される)、請求項22に記載の連結レール。
【請求項40】
1400N-1-2未満の対での可撓度を有すると共に、ニュートン単位の横方向引張り強度が423−(可撓度の0.216倍)を超える(ASTM D2061−07により測定される)、請求項22に記載の連結レール。
【請求項41】
連結要素の回転を防止する少なくとも一つの特徴部を含む請求項22に記載の連結レール。
【請求項42】
一つのレールが、ポリマーと、該ポリマー全体を通して分散された滑り系添加剤とを含む、少なくとも二つのレールを含む自己潤滑性ファスナー装置。
【請求項43】
一つのレールが、ポリマーと、該ポリマー全体を通して分散された粗面化剤とを含む、少なくとも二つのレールを含む自己潤滑性ファスナー装置。
【請求項44】
(a)舌部分、溝部分およびテープ部分を有する第1連結レールと、
(b)舌部分、溝部分およびテープ部分を有する第2連結レールと、
を含むファスナー装置であって、
該第1連結レールの舌部分は該第2連結レールの溝部分と連結し、該第2連結レールの舌部分は該第1連結レールの溝部分と連結すると共に、
該連結レールの一方の舌部分および溝部分の少なくとも一方は、ポリマーと、該ポリマー全体を通して分散された滑り系添加剤とを含む、ファスナー装置。
【請求項45】
(a)ポリマーを滑り系添加剤と混合するかまたはブレンドし、
(b)得られた混合物またはブレンドを、滑り系添加剤が全体を通して分散されたポリマーの連結レールまたは連結部材に押出成形し、および
(c)連結レールまたは連結部材を自己潤滑性ファスナーに組み立てる、
段階を含む自己潤滑性ファスナーを形成する方法。
【請求項46】
(a)ポリマーを滑り系添加剤と混合するかまたはブレンドし、
(b)得られた混合物またはブレンドおよび追加の滑り系添加剤を有さないポリマーを、連結レールまたは連結部材に押出成形し、および
(c)連結レールまたは連結部材を自己潤滑性ファスナーに組み立てる、
段階を含む自己潤滑性ファスナーを形成する方法。
【請求項47】
(a)ポリマーを滑り系添加剤の粗面化剤と混合するかまたはブレンドし、
(b)段階(a)で得られた混合物またはブレンドを、粗面化剤が全体を通して分散されたポリマーを含む第1連結レールまたは第1連結部材セットに押出成形し、
(c)ポリマーを滑り系添加剤の潤滑剤と混合するかまたはブレンドし、
(d)段階(c)で得られた混合物またはブレンドを、潤滑剤が全体を通して分散されたポリマーを含む第2連結レールまたは第2連結部材セットに押出成形し、および
(e)第1および第2レールまたは第1および第2連結部材セットを自己潤滑性ファスナーに組み立てる、
段階を含む自己潤滑性ファスナーを形成する方法。
【請求項48】
本明細書において記載されると共に、本発明の開示内容の一部を構成する図面に示される構造特徴部のいずれかを含む装置。
【請求項49】
ポリマーと、該ポリマー全体を通して分散された滑り系添加剤とを含むと共に、強度/質量比が2.99Nm/gを超える、ファスナー装置用連結レール。
【請求項50】
該レールが80グラム/メートル未満の単位長さ当りの質量を有する請求項49に記載の連結レール。
【請求項51】
該レールが40グラム/メートル未満の単位長さ当りの質量を有する請求項49に記載の連結レール。
【請求項52】
該レールが20グラム/メートル未満の単位長さ当りの質量を有する請求項49に記載の連結レール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6A】
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【図6B】
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【公表番号】特表2010−540075(P2010−540075A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−526922(P2010−526922)
【出願日】平成20年9月23日(2008.9.23)
【国際出願番号】PCT/US2008/011012
【国際公開番号】WO2009/042117
【国際公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(598123677)ゴア エンタープライズ ホールディングス,インコーポレイティド (279)
【Fターム(参考)】