説明

自己診断システム付きレトルト殺菌装置

【課題】機能と性能の正常な状態を、過剰な計測システム、管理システムを導入せずに簡単に確認できる診断による自己管理機能を付加することによりHACCPの実施を確実かつ容易にすることができる自己診断システム付きレトルト殺菌装置を提供すること。
【解決手段】処理槽1内に装填された被処理物をシーケンサー17に設定された通常運転プログラムにより温度圧力調節計16を介して装置を自動制御して被処理物を加圧下又は常圧下で熱水により所定時間、所定温度で加熱調理、殺菌・滅菌処理し、その後、冷水により所定温度、所定圧力まで降温、降圧して取出すようになしたレトルト殺菌装置において、予め設定した自己診断モードをシーケンサー17及び温度圧力調節計16を介して実行して装置全体の状態を点検し、不良箇所があれば、その箇所を特定し、表示器18に表示させるための自己診断システムを具備させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レトルト食品や医薬品等を加圧下又は常圧下で調理殺菌および滅菌する際に使用されるレトルト殺菌装置に関するもので、自己診断機能を具備させたものである。
【背景技術】
【0002】
従来、装置が正常であるかどうかを確認するため生産開始前に、製品を入れないで無負荷運転を行い、装置が正常に動作しているかどうかを記録紙上で正常運転と比較し、不具合がないかどうかを確認していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の上記点検方法は、あくまでも無負荷運転であることで、生産時の負荷にした場合のユーティリティの供給能力のチェックや、加熱や冷却能力を決定する熱交換器の能力を確認することができない。
【0004】
また、作業者が記録紙上で確認するため、正常時との細かい差異が確認できず、処理槽の缶体漏れ、バルブやポンプの動作不良、調節計やセンサー類の電気機器などの不具合の兆候を見逃し、バルブやポンプの動作不良や処理槽へのユーティリティの供給能力不良、調節計やセンサー類の不良などによる殺菌不良や製品不良が発生する。
【0005】
近時、レトルト殺菌装置が正常に機能と性能を発揮するための管理は、GMP(Good Manufacturing Practice)として実施され、GMPはHACCP(危険度分析による衛生管理)の前提となる。管理基準が明確で、管理方法が具体的なレトルト殺菌装置は、過不足のない合理的なGMPとHACCPの実施を実現する。
【0006】
本発明は、機能と性能の正常な状態を、過剰な計測システム、管理システムを導入せずに簡単に確認できる診断による自己管理機能を付加することによりHACCPの実施を確実かつ容易にすることができる自己診断システム付きレトルト殺菌装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため本発明は、被処理物を装填する処理槽と、処理槽へ給水する手段と、処理槽へ処理流体を循環供給する循環ポンプと、循環ポンプで供給する処理流体を加熱・冷却する熱交換器と、熱交換器に蒸気と冷却水を切替え供給する手段と、処理槽へ加圧空気を導入する手段と、処理槽から排気する手段と、処理槽から処理流体を排出する手段とを含み、被処理物に適応した基準レサイプにより設定された通常運転プログラムにより前記各手段を自動制御して被処理物を加圧下又は常圧下で処理流体により昇温昇圧して所定時間、所定温度で加熱調理、殺菌・滅菌処理し、その後、所定温度、所定圧力まで降温、降圧して取出すようになしたレトルト殺菌装置において、予め設定した自己診断モードを実行して装置全体の状態を点検し、不良箇所があれば、その箇所を特定し、表示させるための自己診断システムを具備させたものである。
【0008】
上記自己診断モードは、昇温プログラム、降温プログラム、昇圧プログラム、降圧プログラムで構成されており、これらのプログラムの実行中、処理槽内の温度と圧力とを実測し、基準値と比較して自己診断させたものである。
【0009】
また、本発明は、上記自己診断モードにおける温度の実測値からF値(温度と時間の関数で表される殺菌評価積算値)を演算して当該被処理物の基準レサイプの加熱温度付近での殺菌・滅菌条件を自己診断する項目を具備させたものである。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明は、上記構成としたことにより、生産開始前に自己診断モードを実行すれば、自動的に各構成部品の不具合の兆候や動作不良を基準値と比較し、その結果に差異がなければ、装置が正常であると確認できるため、各構成部品の不具合による殺菌不良や製品不良を未然に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図に基いて説明する。図1は本発明が対象とするレトルト殺菌装置の全体のフローシートで、処理流体として水を使用し、この水を加熱・冷却して被処理物を加熱調理、殺菌・滅菌処理及び冷却する熱水スプレー方式のレトルト殺菌装置の場合を例示している。
【0012】
図1において、1は被処理物の処理槽、2は処理槽1へ処理流体である水を循環供給する循環ポンプ、3は循環ポンプ2で供給する水を加熱・冷却する熱交換器、4は熱交換器3への蒸気供給手段、5は熱交換器3への冷却水供給手段、6は処理槽1への加圧空気導入手段、7は処理槽1からの排気手段、8は処理槽1からの排液手段を示している。
【0013】
処理槽1は、耐熱・耐圧容器で構成され、被処理物を載置する複数段の棚を備え、各棚に載置された被処理物に熱水又は冷水を噴射するスプレーノズル1aを各棚毎に多数設置してあり、一端には開閉可能な蓋1bが取付けられ、この蓋1bは、処理槽1の閉鎖時、パッキングにより気密にシールする構成とされている。
【0014】
循環ポンプ2は、最初、給水手段9の給水経路9aを経由して供給された水を熱交換器3を通して供給経路2aから処理槽1のスプレーノズル1aに供給し、処理槽1の底部に溜まった水を引き出し経路2bを経由して引き出して再び熱交換器3を通して処理槽1のスプレーノズル1aに循環供給するものである。供給経路2aには、仕切弁2cが設置してある。また、給水経路9aには給水弁9bが設置してある。
【0015】
熱交換器3は、蒸気供給手段4又は冷却水供給手段5により供給される蒸気又は冷却水により、循環ポンプ2で供給する水を加熱・冷却するためのものである。
【0016】
蒸気供給手段4は、ボイラーから蒸気供給経路4aを通して熱交換器3に蒸気を供給し、水と熱交換させた後、廃蒸気経路4bから排液手段8の排液経路8aを経由して排出される。蒸気供給経路4aには、供給量を調節する温調蒸気弁4cが設置してある。また、廃蒸気経路4bには、スチームトラップ弁4d及びスチームトラップ4eが設置してある。
【0017】
冷却水供給手段5は、クーリングタワーから冷却水供給経路5aを通して熱交換器3に冷却水を供給し、水と熱交換させた後、クーリングタワーへの戻し経路5bへ排出される。この戻し経路5bにはクーリングタワーへの送水ポンプが設置されている。冷却水供給経路5aには供給量を調節する温調冷却弁5cが設置してあり、また、戻し経路5bには冷却水出口弁5dが設置してある。さらに、冷却水供給経路5aと戻し経路5bとの間には、余剰の冷却水を戻すバイパス経路5eが接続してあり、途中に冷却水バイパス弁5fが設置してある。
【0018】
加圧空気導入手段6は、コンプレッサーから加圧空気導入経路6aを通して処理槽1に加圧空気を導入するためのもので、加圧空気導入経路6aには、処理槽1の加圧時、開放し、それ以外では閉鎖する加圧弁6bが設置してある。
【0019】
排気手段7は、処理槽1の加圧を解除する場合に使用されるもので、空気抜き弁7aとサイレンサー7bを設置した排気経路7cからなる。
【0020】
排液手段8は、処理槽1内の底部に溜まった液を排液経路8aから排出するためのもので、排液時に開放される排液弁8bが設置してある。
【0021】
なお、図1において、9cは、給水手段9から分岐した循環ポンプ2を冷却するメカ冷却水経路で、メカ冷却水弁9dが設置してある。また、10は、処理槽1の蓋1bの気密性を確保する手段であって、真空エジェクター10a及び蓋パッキング締付弁10bが設置してある。さらに、11は大気開放弁、12は処理槽1の底部に溜まる液量を表示する液面計、13は処理槽1内の液面検出器、14は処理槽1内の温度検出器、15は処理槽1内の圧力検出器を示している。
【0022】
図2は本発明の要部構成を示す説明図であって、16は温度圧力調節計、17はシーケンサー、18は表示器を示し、温度圧力調節計16は、シーケンサー17から指令される通常運転プログラム並びに自己診断モードでのプログラムに従って、加圧空気導入手段6の加圧弁6b及び排気手段7の空気抜き弁7aを開閉制御し、かつ、蒸気供給手段4の温調蒸気弁4c及び冷却水供給手段5の温調冷却弁5cの供給量を制御するものである。
【0023】
また、シーケンサー17は、通常運転プログラム並びに自己診断モードでのプログラムを設定記憶させるもので、通常運転プログラムは、被処理物に適した基準レサイプにより設定されるものである。自己診断モードでのプログラムには、図3に示すような昇温プログラムTa、降温プログラムTb、昇圧プログラムPa、降圧プログラムPbが含まれ、これらは、予め、マニュアル設定してもよく、また、装置が正常な状態である時に、自己診断モードの基準データ登録運転を実行させ、正常な時の処理槽1内の「温度」「圧力」「時間」を一定の時間間隔(例えば10秒おきに)で自動的にサンプリングさせてシーケンサー17に記憶させて設定してもよい。
【0024】
上記シーケンサー17は、処理槽1の温度、圧力について、処理槽1内の温度検出器14と圧力検出器15とから検出送信されたデータを受信してこれを時間とともに記憶し、自己診断モードでの運転時、前記設定データ又は前記基準データと実測値を照合し、許容範囲を超えた差異があれば、表示器18に異常箇所とともに異常を表示させるものである。
【0025】
また、温度圧力調節計16は、処理槽1内の温度検出器14と圧力検出器15とから検出送信されたデータを受信し、プログラムのフィードバック制御を確保するとともに、演算手段16aにより、温度からF値を演算し、シーケンサー17に送信する機能を具備している。一方、シーケンサー17は、予め設定され、又は、自己診断モードの基準データ登録運転で得られたF値を記憶し、これと自己診断時での実測F値を比較照合し、許容範囲を超える差異があれば、表示器18に異常を表示させるものである。
【0026】
次に、本発明装置における自己診断システムについて図3を参照しつつ説明する。本発明の自己診断システムは、次の第1工程〜第9工程からなる。
【0027】
第1工程:
加圧ラインチェックを行う。チェック項目は、圧力系統確認、昇圧能力確認であり、基準時間と比較して行う。具体的には、加圧空気導入経路6aの加圧弁6bの開閉動作が正常であること、所定圧力の加圧空気が供給されていることを圧力検出器15の実測値から確認することである。
【0028】
第2工程:
漏れ確認を行う。処理槽1の気密性確認、熱交換器3並びに加圧空気導入経路6a、排気経路7c、排液経路8a、給水経路9aの漏れを圧力検出器15の実測値から確認を行う。
【0029】
第3工程:
排気ラインチェックを行う。チェック項目は、排気能力確認であって、排気経路7cの空気抜き弁7aの開閉動作が正常であるかどうか及びサイレンサー7bに詰まりがないかどうか及び、大気開放弁11の開閉動作が正常であるかどうかを圧力検出器15の実測値と基準データとの比較により確認する。
【0030】
第4工程:
給水ラインチェックを行う。処理槽1の液面検出器13の液位LレベルがONであることを確認し、給水経路9aから給水を行い、液位レベルMがONになるまでの時間を基準時間と比較して正常であるかどうか、即ち、給水経路9a及び給水能力が正常であるかどうかを確認する。
【0031】
第5工程:
第6工程の昇温能力を確認するために、予め、処理槽1の予備加熱と初期温度を揃えることを目的として、予備加熱を行う。循環ポンプ2、熱交換器3及び蒸気供給経路4aが正常であるかどうかを温度検出器14の実測値と基準値を比較することで確認する。
【0032】
第6工程:
昇温、昇圧チェックを行う。循環ポンプ2、熱交換器3、加圧空気導入経路6a及び蒸気供給経路4aが正常であるかどうかを温度検出器14及び圧力検出器15の実測値と基準値を比較することで確認する。
【0033】
第7工程:
定温、定圧チェックを行う。被処理物の基準レサイプに対応した温度と圧力にアップして循環ポンプ2、熱交換器3、加圧空気導入経路6a及び蒸気供給経路4aが正常であるかどうかを温度検出器14及び圧力検出器15の実測値と基準値を比較することで確認する。
【0034】
第8工程:
降温、降圧チェックを行う。循環ポンプ2、熱交換器3、冷却水供給経路5aが正常であるかどうかを温度検出器14及び圧力検出器15の実測値と基準値を比較することで確認する。
【0035】
第9工程:
排液チェックを行う。排液経路8aが正常であるかどうかを、排液弁8bを開放し、処理槽1の液位レベルMがOFFになるのを確認してから液位レベルLがOFFするまでの時間を基準時間と比較して排液能力を確認する。そして、最後に、総熱履歴を基準総熱履歴と比較し、特に、第7工程を中心とした熱履歴から自己診断時の実測F値と基準F値とを比較し、表示する。
【0036】
本発明は、上記第1工程〜第9工程を実行するための各構成部材の操作手順の動作プログラムを自己診断モードとして通常運転モードとともに予めシーケンサー17に登録しておき、運転モード選択スイッチにより選択させて自動的に実行させるものである。
【0037】
上記自己診断は、装置が正常に動作するかどうかを確認するために行うもので、自己診断が必要なとき(生産前の始業点検時等)に自己診断運転を実行し、「温度」「圧力」「時間」の実測値を基準登録データの基準値と照合し、差異があれば異常を知らせる。
【0038】
自己診断運転中は、「温度」「圧力」の設定値と実測値を比較し、設定された偏差を超えた時、異常を知らせる。(基準値データは、例えば、10秒おきのデータであり、照合ポイントのその間は、設定値との偏差で監視させるものである。)
また、降温終了時に総熱履歴の基準値と照合し、差異があれば異常で知らせる。そして、異常が発生した工程とその異常内容により、異常箇所を特定し、表示器18で表示する。
【0039】
要するに、本発明は、装置を構成するすべての構成部品や運転状態において、正常運転に必要な条件をピックアップし、前記工程を実行する事により、それらが正常な状態にある事を自動で短時間で確認するように構成したものである。
【0040】
本発明は、装置を実際に使用する条件下での運転から「基準データ」を収集し基準値とする。自己診断運転時の運転データの測定値と基準値を比較し、装置の正常状態を確認する。正常状態を判定するために、基準値と測定値との差の許容値を基準偏差として設定し、温度・圧力・時間の測定値が基準偏差内にあるかどうかを監視する。基準値と測定値との差が基準偏差を越えると、異常として逸脱を通報する。
【0041】
特に、本発明は、加熱殺菌温度付近の温度の再現性を、温度基準値と温度測定値の差で監視すると同時に、温度と時間により得られるF値(殺菌評価積算値)での基準値との比較と監視を行う。F値により、加熱温度付近での微妙な温度のずれも拡大して表わす事が出来る。正常運転で得られた基準F値と自己診断運転でのF値を比較する事により、温度の再現性の確実な監視が容易に可能となる。
【0042】
本発明における主な検査対象部品と検査内容は、次の通りである。
【0043】
循環ポンプ2は、ポンプが正常に稼動する事。吐出圧力が許容範囲内であり、メカ漏れがない事。
【0044】
給水手段9のポンプ(図示省略)が正常に稼動する事。吐出圧力が許容範囲内である事。
【0045】
クーリングタワー(図示省略)が正常に稼動する事、及び、クーリングタワーへの送水ポンプ(図示省略)が正常に稼動する事。吐出圧力が許容範囲内である事。
【0046】
熱交換器3が正常な伝熱能力が確保されている事。漏れがない事。
【0047】
加圧弁6bの開閉動作が正常である事。漏れがない事。
【0048】
空気抜き弁7aの開閉動作が正常である事。漏れがない事。
【0049】
大気開放弁11の開閉動作が正常である事。漏れがない事。
【0050】
排液弁8bの開閉動作が正常である事。漏れがない事。
【0051】
給水弁9bの開閉動作が正常である事。漏れがない事。
【0052】
温調蒸気弁4cが正常に動作する事。
【0053】
温調冷却弁5cが正常に動作する事。
【0054】
冷却水バイパス弁5fの開閉動作が正常である事。
【0055】
メカ冷却水弁9dの開閉動作が正常である事。
【0056】
温度検出器14、圧力検出器15及び温度圧力調節計16が正常である事。
【0057】
シーケンサー17の動作が正常である事。
【0058】
本発明によれば、生産開始前に自己診断モードを実行することにより、自動的に各構成部品の不具合の兆候や動作不良を基準値と比較し、その結果に差異がなければ、装置が正常であると確認できるため、各構成部品の不具合による殺菌不良や製品不良を未然に防止することができる。
【0059】
また、本発明は、被処理物の加熱調理、殺菌・滅菌温度付近の温度の再現性をF値の実測値と基準値との比較により明確に確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明が対象とするレトルト殺菌装置の全体のフローシート。
【図2】本発明の要部構成を示す説明図。
【図3】本発明における自己診断モードの温度と圧力の時間的変化の状態を示すグラフ。
【符号の説明】
【0061】
1 処理槽
2 循環ポンプ
3 熱交換器
4 蒸気供給手段
4c 温調蒸気弁
5 冷却水供給手段
5c 温調冷却弁
6 加圧空気導入手段
6b 加圧弁
7 排気手段
7a 空気抜き弁
8 排液手段
8b 排液弁
9 給水手段
9b 給水弁
9d メカ冷却水弁
10 気密性確認手段
11 大気開放弁
12 液面計
13 液面検出器
14 温度検出器
15 圧力検出器
16 温度圧力調節計
17 シーケンサー
18 表示器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理物を装填する処理槽と、処理槽へ給水する手段と、処理槽へ処理流体を循環供給する循環ポンプと、循環ポンプで供給する処理流体を加熱・冷却する熱交換器と、熱交換器に蒸気と冷却水を切替え供給する手段と、処理槽へ加圧空気を導入する手段と、処理槽から排気する手段と、処理槽から処理流体を排出する手段とを含み、
被処理物に適応した基準レサイプ、即ち、温度、圧力、時間の基準処理条件(以下、基準レサイプと称する。)により設定された通常運転プログラムにより前記各手段を自動制御して被処理物を加圧下又は常圧下で処理流体により昇温昇圧して所定時間、所定温度で加熱調理、殺菌・滅菌処理し、その後、所定温度、所定圧力まで降温、降圧して取出すようになしたレトルト殺菌装置において、
予め設定した自己診断モードを実行して装置全体の状態を点検し、不良箇所があれば、その箇所を特定し、表示させるための自己診断システムを具備させたことを特徴とする自己診断システム付きレトルト殺菌装置。
【請求項2】
前記自己診断モードは、昇温プログラム、降温プログラム、昇圧プログラム、降圧プログラムで構成されており、これらのプログラムの実行中、処理槽内の温度と圧力とを実測し、基準値と比較して自己診断させたことを特徴とする請求項1記載の自己診断システム付きレトルト殺菌装置。
【請求項3】
自己診断モードにおける温度の実測値からF値を演算して当該被処理物の基準レサイプの加熱温度付近での殺菌・滅菌条件を自己診断する項目を具備させたことを特徴とする請求項1又は2記載の自己診断システム付きレトルト殺菌装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−160121(P2007−160121A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−348020(P2006−348020)
【出願日】平成18年12月25日(2006.12.25)
【分割の表示】特願平10−159541の分割
【原出願日】平成10年6月8日(1998.6.8)
【出願人】(000152480)株式会社日阪製作所 (60)
【Fターム(参考)】