説明

自浄作用を有する光触媒活性な水性塗料およびその製造方法

窓ガラスのような透明基材に対する高湿潤性および強接着性を有する、新規の光化学的に活性で無色の被覆剤を形成するために、所定条件下で被覆またはスプレーし、乾燥するTiO2配合物のような新規の光化学的に活性な金属酸化物含有の水性配合物の製造方法。該水性配合物は、チタン過酸化物含有の非晶質被膜の湿潤性を改善するための適当な湿潤剤または薬剤の組み合わせを含み、薄膜を容易に塗布することを可能にすることが望ましい。また、脂肪族アクリルウレタンポリマーは、全体的または部分的にチタン過酸化物と置換することができ、さらなる被膜特性および湿潤特性を与えることができる。アクリルウレタンポリマーは、必要とされるチタン過酸化物の量を低減または除去し、結果として黄色呈色を低減または除去する。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、透明な自浄作用を有する塗料を製造するための二酸化チタン(TiO2)または酸化ジルコニウム(ZrO2)触媒のような、遷移金属の光触媒活性酸化物(MOまたはMO2)を含有する光触媒活性(PCA)塗料に関し、該透明な自浄作用を有する塗料は、特に紫外光を含む日光で照射されることにより、例えば周囲環境からガラス窓上に堆積する有機化合物または汚染物質と反応したり分解したりする。有機汚染物質は、CO2、H2Oおよび種々の無機酸のような単純な無機化合物に分解され、熱、風および/または雨の影響により大気中に戻りおよび/または洗い流される。塗料はMO2触媒の活性度により決定される効率で自浄し、該効率は汚染物質が接触するMO2粒子の全表面積に直接的に比例している。
【背景技術】
【0002】
アナターゼ型TiO2パウダーのような金属酸化物を約390nm以下の波長を有する紫外光で照射すると、価電子帯にある電子は伝導帯に励起され、残された正電荷の正孔は、吸収された水蒸気の水酸化物イオンと反応する。結果として、正電荷の水酸ラジカル(OH)+が形成される。水酸ラジカルは、有機汚染物質からCO2およびH2O、またはハロゲン汚染物質が関与する場合はHCl、のような単純で不活性な生成物を生成するために電子と反応したり電子を除去したりすることができる強い酸化ラジカルである。
【0003】
市販のTiO2パウダー光触媒としては、Degussa P25があり、30nmの凝集体において55±15m2-1のBET比表面積と、0.1nmの結晶サイズと、を有するアナターゼ型/ルチル型の70:30%の混合物である。Degussa P25は、希アルコール中において、ガラス上に白亜質で触媒作用を有する塗膜を形成する水性懸濁液を構成する。参考資料としては、Journal of Chemical Education(Vol. 25, No. 6, June 1998.)に公表されYu他により執筆された、表題“Photocatalytic Degradation of A Gaseous Organic Pollutant”の論文がある。
【0004】
透明な自浄作用を有する光触媒性の塗膜を形成するためには、所定環境下において窓ガラスのような面に塗布したり、乾燥したりすることができるTiO2配合物を製造することが望ましい。参考資料としては、Journal Of The Ceramic Society Of JapanにH.イチノセ他により執筆された表題“Synthesis Of Peroxo-Modified Anatase Sol From Peroxo-Titanic Acid Solution” (Vol. 104, pages 914-917 (1996))の論文、および“Photocatalytic Activities Of Coating Films Prepared From Peroxotitanic Acid Solution- Derived Anatase Sols”(Vol. 104, No. 8, pages 715-718 (1996))の論文がある。これらの論文は、過酸化水素処理によって水溶液中に多様な形態または形状(多形体)の二酸化チタン(TiO2)を少量(0.85%から1.7%)加えるプロセスについて説明している。
【0005】
これらの溶液は、チタンペルオキシダーゼ TiO(OOH)2と呼ばれている。非晶質の二酸化チタンは、生成物質の被膜特性および接着性をもたらす成分である。混合物は、非晶質型二酸化チタンおよびアナターゼ(結晶質)型二酸化チタンの同量からなり、配合物の約2重量パーセントまで水に溶解でき、所定環境下で塗布することができるものである。
【0006】
米国特許第6,107,241号(オガタ他)および第6,429,169号(イチノセ)は、7.5〜9.5のpHおよび8〜20nmの粒子サイズを有するアナターゼ型酸化チタンゾルを開示しており、該アナターゼ型酸化チタンゾルは、アンモニア水または水酸化ナトリウムをチタン四塩化物のようなチタン食塩水に加えて、形成されたチタン水酸化物を洗浄して分離し、該形成されたチタン水酸化物を過酸化水素水溶液で処理し、形成された約2.9%の濃度と、6.0〜7.0のpHと、8〜20nmの粒子サイズと、黄色の透明色と、を有する安定で非晶質の過酸化水素ゾルを100℃以上に加熱することにより生成される黄色の懸濁液である。その後、アナターゼ型酸化チタンゾルをアナターゼ型二酸化チタンに変換するために、250℃以上に加熱することができる。
【0007】
非晶質のチタン過酸化物ゾルは、良好な接着強度を有しているが基材に対する湿潤性に乏しく、光触媒性がなく黄色がかった色を呈している。該非晶質のチタン過酸化物ゾルを高温に加熱することにより形成されるアナターゼ型チタンは光触媒性を有する。従って、非晶質のチタン過酸化物ゾルとアナターゼ型酸化チタンゾルとの混合物が、混合性のゾル塗料を与えるために製造される。該混合性のゾル塗料には、粒子サイズ10nm未満であるパウダー状の二酸化チタンのような光触媒や、無機および有機の結合剤のような他の不活性添加物が加えられてもよく、該不活性添加物は溶液のpHまたは透明度を変化させないように透明であり且つペルオキソチタンゾルと混合可能である。約10nmの粒子サイズを有するTiO2などの材料は、少量を使用しただけでガラスなどの透明基材上の自浄作用を有する塗膜として使用するには不透明且つ不十分な塗料となるであろう。塗膜工程は、十分な接着性を与えるために複数層を形成するかまたはディッピング工程を適用する必要があるが、結果として各層の黄色がかった色が増大し、窓ガラス上に意に満たない外観を形成するようになる。多層膜が必要とされる理由は、過酸化物の成形被膜は高疎水性であるので、塗料はガラスに対して良好な湿潤性を有さず、ホリデーすなわち塗布されない領域を残してガラス上で球状になる傾向にあり、一面に複数の層を必要とするからである。
【0008】
非晶質のチタン過酸化物水溶液および6〜10nmの範囲にあるアナターゼ型粒子の製造プロセスは、米国特許第6,107,241号および第6,429,169号に説明されている。非晶質のチタン過酸化物は、該過酸化物が化学変化する際または水と反応する際に不溶性の被膜を形成する。これはアナターゼ型粒子のキャリアとしての役割を果たす。
【0009】
該被膜単独または粒子を含有した該被膜を使用することにより、ガラス、プラスチックまたは金属に対して使用される際に以下の問題が生じる。
【0010】
1.被膜形成剤は高疎水性であり、連続的な被膜を形成するように湿性ではない。大量の塗料または厚い塗料層が連続的な被膜またはカバリングを形成するために必要とされる。表面張力または過酸化物含有被膜は、被膜の厚さおよび重量を増すことによりある程度まで克服することができる。これらを適用するための時間および労力により、製品の使用は非現実的になる。
【0011】
2.被膜を形成することは困難を伴い、残余および未反応のチタン過酸化物の存在により被膜は黄色がかった色を呈している。このことは、被膜の重量および厚さを、基材上に連続的な被膜を形成するためおよびチタン過酸化物溶液の表面張力を克服するために増す場合に問題となる。
【0012】
3.基材に対する非湿潤性を克服するために必要とされる厚みは、ガラス一面に利用される際の塗料の透光性および透明度を低減することとなる。製造された被膜の屈折率および過剰な厚みは、透明ガラスを通して見た時にモアレ模様および外観上のレインボー効果をもたらす。
【0013】
光化学的活性成分は、アナターゼ型多形体である。ペルオキシチタン酸の多形体は光化学的な働きを有していない。光化学的に活性な多形体は、非晶質のチタン過酸化物を100セ氏度で6時間加熱することにより得られる。
【0014】
ペルオキシチタン酸の多形体は、チタンペルオキシダーゼとともに混合された場合でさえ、生成物質中に黄色呈色が残る。この黄色呈色は透明窓ガラスにとって好ましくない。しかし、TiO2の溶解性は過酸化物の添加に関係しており、過酸化物がないとTiO2は溶液中に溶解しない。結果として、透明な自浄作用を有する窓塗膜を与えるために、黄色呈色を完全に除去するまたは出来る限り減じることが、多くの用途のために大いに望ましく、必要とされることである。
【発明の概要】
【0015】
本発明は、水性配合物を含む新しい光化学的に活性な金属酸化物(MO2)の新規の製造方法に関し、窓ガラスのような透明基材に対する高湿潤性および強接着性を有する、新規の光化学的に活性で無色の塗膜を形成するために、前記の金属酸化物を所定環境下で塗布またはスプレーし、乾燥することができるものである。本発明において使用可能である金属酸化物の光触媒は、TiO sub.2,ZnO,SrTiO sub.3,CdS,CdO,CaP,InP,In sub.2 O sub.3,CaAs,BaTiO sub.3,K sub.2 NbO sub.3,Fe sub.2 O sub.3,Ta sub.2 O sub.5,WO sub.3,SaO sub.2,Bi sub.2 O sub.3,NiO,Cu. Sub.2 O,SiC,SiO sub.2,MoS sub.2,MoS sub.3,InPb,RuO sub.2,CeO sub.2等を含む。これらの中で、酸化チタンが好ましい。酸化チタンは、粒子またはパウダーの形状をして、またはゾルの形態をして使用されてもよい。
【0016】
適当な湿潤剤または薬剤の組み合わせを使用することにより、チタン過酸化物含有非晶質被膜の非湿潤性または疎水性が緩和され、薄膜を容易に塗布することが可能になる。薄膜は黄色の性質をほとんど有さないので、このことはモアレ模様および黄変を減じ、時間とともに黄色呈色を引き起こす過酸化物の除去および速い硬化をも可能にする。適当な湿潤剤は、被膜形成剤(チタン過酸化物ゾル)の乾燥重量の0.01〜1%の量のポリエチレンオキシドシラン(polyethylene oxide silane)である。この材料は、DowChemicals Silicone Q25211超湿潤剤(ポリエチレンオキシドシラン)として市販されている。
【0017】
ガラス一面への一次塗布としてアクリルウレタンポリマー溶液を使用することは、基材からチタン層中に移動し光触媒を阻止するナトリウムイオンおよびカリウムイオンに対する障壁として機能する。
【0018】
脂肪族アクリルウレタンポリマー(acrylic aliphatic urethane polymer)は全体的にまたは部分的にチタン過酸化物ゾルと置換することができ、さらなる被膜特性および湿潤特性を与える。アクリルウレタンポリマーは、必要とされるチタン過酸化物の量を減じまたは除去し、その結果、黄色呈色を低減しまたは除去する。アクリルウレタンは、不溶性被膜を形成するチタン過酸化物の対応物を形成する被膜である。また、ポリマーの高い耐酸化性により、アクリルウレタンは自己変質され難く、チタンの非晶質被膜形成剤と混合可能である。また、アクリルウレタンは、薄膜を塗布することを可能にすると同様に塗膜の屈折率を低減することによりモアレ模様を減じる。ポリマーの化学特性は以下の通りである。
【0019】
アクリルジオール(acrylic diol)はエチレンオキシドでキャップされる。形成されたジオールの分子量または水酸基の数は、固体のジオールポリマーのグラムあたりKOHの110〜150mgに相当する。この時点で、脂肪族ジイソシアネートが1に対して2から3の化学量論的割合で加えられる。ジイソシアネートは、イソフォロンジイソシアネート(IPDI Huls Chemical)、またはメチレンビスシクロヘキシルジイソシアネート(Mondur W.Bayer Chemical)であってもよい。他の脂環式ジイソシアネートも使用されることができる。ジイソシアネートの割合が大きくなるにつれて、ポリマーは硬くさらに耐薬品性を有するようになる。この事実およびアクリルの主鎖の使用は、高い耐酸化性および耐薬品性を保証する。例えば船舶用塗料はウレタンアクリルを基材としている。
【0020】
少量のジメチロールプロピオン酸の使用および2次の(その後の)塩の生成は、ウレタンアクリルが水溶液中に溶解することを可能にする。鎖伸長剤は、通常はエチレングリコールを含む。メチレンビスシクロヘキシルジアミンを使用することにより、アナターゼ型粒子のキャリアとして使用されるときに、特に硬く耐酸化性の被膜を形成することとなる。
【0021】
制御された分解である過酸化物メカニズムの使用は、先行技術において明白に記載されていない。ひとたび過酸化物がMO2(TiO2)金属酸化物から形成されて、無機化合物がゾル状態になり、さらに水溶解性であるならば、以下のプロセスがナノ製造に使用される。
【0022】
100セ氏温度に加熱することにより、過酸化物は分解し始める。従って、MO2単位で結合し天然結晶状態になることが可能になる。二酸化チタンの場合においては、アナターゼ型粒子は6〜10nmの範囲で形成される。粉砕でかかる小範囲を実現することは、現時点では可能であると考えられていない。40nm以下で、TiO2は生じた熱および粉砕の圧力により再アニールまたは再結合する。また、粒子の存在数に対する集中の度合い、すなわち粒子の分布は、1〜1/2%の極めて大きい粒子の凝集体を含む。このことは、TiO2の場合においては透明性を妨げる。
【0023】
以下の例は、ガラス、金属などの基材に対する無色且つ自浄作用を有する塗膜に用いるのに適した配合物の配合の実例である。
【0024】
【表1】

【0025】
【表2】

【0026】
【表3】

【0027】
【表4】

【0028】
【表5】

【0029】
【表6】

【0030】
【表7】

【0031】
DMPI付加体(DMPI adduct)は1モルのジメチルプロピオン酸と2モルのイソフォロンジイソシアネートの反応生成物である。該DMPI付加体は水溶性であり安定な架橋剤である。該付加体は脂肪族であり黄色を呈さず、水溶性である。イソシアネートは水における使用可能時間が安定しているので、幾通りかの方法で反応することができる。1つは、被膜を形成するようにイソシアネートとすぐに反応するアミンを形成する、イソシアネートの水との最終反応である。Polycat 41は、硬い被膜を形成するように、活性な光触媒性被膜を形成するアナターゼ型ゾル粒子と混合可能であるイソシアネートを3量体形成する第3アミン触媒である。3量体形成は、ポリウレタンポリマー自体よりも可視光の透過性の良い光学的に透明な被膜を生成する。
【0032】
本発明は、望ましくはMO2で示される全ての光化学的に活性な遷移元素の使用に関し、Mは遷移金属であり、O2はMの酸化物であり、TiO2およびZrO2であることが最も好ましい。
【0033】
上記の説明は本発明の単なる実例であるということが理解されるべきである。種々の置き換えおよび変更が、本発明から逸脱することなく当業者によりなされることができる。従って、本発明は添付の特許請求の範囲内のあらゆる置き換え、変更および変形を包含するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属過酸化物および少量の水溶性高分子剤を含むことを特徴とする水性塗料。
【請求項2】
前記金属過酸化物は、固体状態の1つにおいて非晶質であることを特徴とする請求項1に記載の塗料。
【請求項3】
前記金属過酸化物は、1または2以上の固体状態において結晶質であり且つ光触媒性を有することを特徴とする請求項2に記載の塗料。
【請求項4】
前記水溶性高分子剤は、ポリエチレンオキシドシランを含むことを特徴とする請求項1に記載の塗料。
【請求項5】
前記水溶性高分子剤は、脂肪族アクリルウレタンポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の塗料。
【請求項6】
前記水溶性高分子剤は、パラビスシクロヘキシルメタンジアミンであることを特徴とする請求項1に記載の塗料。
【請求項7】
前記水溶性高分子剤は、水溶性の脂肪族ジイソシアネートと第3アミンとの反応生成物であることを特徴とする請求項1に記載の塗料。
【請求項8】
前記脂肪族ジイソシアネートは、ジメチルプロピオン酸とイソフォロンジイソシアネートとの反応生成物であることを特徴とする請求項1に記載の塗料。
【請求項9】
前記水溶性高分子剤の量は、前記金属過酸化物および水溶性高分子剤の全乾燥重量に対して約9〜55重量パーセントであることを特徴とする請求項1に記載の塗料。
【請求項10】
前記金属過酸化物はチタン過酸化物ゾルであることを特徴とする請求項1に記載の塗料。
【請求項11】
水性塗料であって、金属過酸化物と、約6〜10nmの範囲内の粒径を有する光化学的に活性な金属酸化物粒子と、水溶性高分子剤と、を含み、該金属酸化物粒子の一部は前記水性塗料に溶解し、前記水溶性高分子剤の含有量は前記水性塗料の構成成分の全乾燥重量に対して約5〜50重量パーセントの範囲にあることを特徴とする水性塗料。
【請求項12】
前記金属過酸化物は、固体状態の1つにおいて非晶質であることを特徴とする請求項11に記載の塗料。
【請求項13】
前記金属過酸化物は、1または2以上の固体状態において結晶質であり且つ光触媒性を有することを特徴とする請求項11に記載の塗料。
【請求項14】
前記金属過酸化物はチタン過酸化物ゾルであることを特徴とする請求項11に記載の塗料。
【請求項15】
前記水溶性高分子剤はポリエチレンオキシドシラン湿潤剤を含むことを特徴とする請求項11に記載の塗料。
【請求項16】
前記水溶性高分子剤は、脂肪族アクリルウレタンポリマーであることを特徴とする請求項11に記載の塗料。
【請求項17】
前記水溶性高分子剤は、パラビスシクロヘキシルメタンジアミンであることを特徴とする請求項11に記載の塗料。
【請求項18】
前記水溶性高分子剤は、水溶性の脂肪族ジイソシアネートと第3アミンとの反応生成物であることを特徴とする請求項11に記載の塗料。
【請求項19】
前記脂肪族ジイソシアネートは、ジメチルプロピオン酸とイソフォロンジイソシアネートとの反応生成物であることを特徴とする請求項18に記載の塗料。
【請求項20】
前記水溶性高分子剤の含有量は、前記塗料の構成成分の全乾燥重量に対して約5〜38重量パーセントの範囲にあることを特徴とする請求項11に記載の塗料。
【請求項21】
前記光化学的に活性な金属酸化物粒子の量は、前記塗料の構成成分の全乾燥重量に対して約32〜48重量パーセントの範囲にあることを特徴とする請求項11に記載の塗料。
【請求項22】
前記光化学的に活性な金属酸化物粒子の量は、前記塗料の構成成分の全乾燥重量に対して約45〜47重量パーセントの範囲にあることを特徴とする請求項11に記載の塗料。
【請求項23】
請求項1に記載の塗料で塗布されていることを特徴とする基材。
【請求項24】
ガラス、金属、ポリマー、セラミック、コンクリート、れんが、木材、石材および布地からなる群から選択されてなることを特徴とする請求項1に記載の塗布された基材。
【請求項25】
ガラス、金属およびポリマーからなる群から選択されてなることを特徴とする請求項1に記載の塗布された基材。
【請求項26】
前記基材は透明または半透明であることを特徴とする請求項1に記載の塗布された基材。
【請求項27】
前記基材は透明であることを特徴とする請求項1に記載の塗布された基材。
【請求項28】
前記基材は不透明であることを特徴とする請求項1に記載の塗布された基材。
【請求項29】
請求項11に記載の塗料で塗布されていることを特徴とする基材。
【請求項30】
ガラス、金属、ポリマー、セラミック、コンクリート、れんが、木材、石材および布地からなる群から選択されてなることを特徴とする請求項29に記載の塗布された基材。
【請求項31】
ガラス、金属およびポリマーからなる群から選択されてなることを特徴とする請求項30に記載の塗布された基材。
【請求項32】
前記基材は、透明または半透明であることを特徴とする請求項11に記載の塗布された基材。
【請求項33】
前記基材は透明であることを特徴とする請求項11に記載の塗布された基材。
【請求項34】
前記基材は不透明であることを特徴とする請求項11に記載の塗布された基材。
【請求項35】
薄膜化可能な無色且つ水不溶性の塗料の製造方法であって、
(a)金属過酸化物を含む水性配合物を製造するステップと、
(b)水溶性の高分子剤を前記ステップ(a)で得た溶液に加えて、前記水溶性の高分子剤の量を、前記金属過酸化物と水溶性高分子剤との全乾燥重量に対して約9〜55重量パーセントとならしめるステップと、
を備えることを特徴とする製造方法。
【請求項36】
前記金属過酸化物はチタン過酸化物ゾルであることを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記水溶性高分子剤は、ポリエチレンオキシドシランを含むことを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記水溶性高分子剤は、脂肪族アクリルウレタンポリマーを含むことを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項39】
前記水溶性高分子剤は、パラビスシクロヘキシルメタンジアミンを含むことを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項40】
前記水溶性の高分子剤は水溶性の脂肪族ジイソシアネートと第3アミンとの反応生成物を含むことを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項41】
前記脂肪族ジイソシアネートは、ジメチルプロピオン酸とイソフォロンジイソシアネートとの反応生成物を含むことを特徴とする請求項40に記載の方法。
【請求項42】
基材上への薄膜且つ無色且つ水不溶性のコーティングの製造方法であって、
(a)金属過酸化物を含む水性配合物を製造するステップと、
(b)水溶性高分子剤を前記ステップ(a)で得た溶液に加えて、前記水溶性高分子剤の量を、前記金属過酸化物と水溶性高分子剤との全乾燥重量に対して約9〜55重量パーセントとならしめるステップと、
(c)前記基材に、100℃未満の温度において前記ステップ(b)で得た溶液を塗布するステップと、
(d)前記塗布された基材を100℃未満の温度で乾燥するステップと、
を備えることを特徴とする製造方法。
【請求項43】
前記金属過酸化物はチタン過酸化物ゾルであることを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記水溶性高分子剤はポリエチレンオキシドシラン湿潤剤を含むことを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項45】
前記水溶性高分子剤は、脂肪族アクリルウレタンポリマーを含むことを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項46】
前記水溶性高分子剤はパラビスシクロヘキシルメタンジアミンを含むことを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項47】
前記水溶性高分子剤は、水溶性の脂肪族ジイソシアネートと第3アミンとの反応生成物を含むことを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項48】
前記脂肪族ジイソシアネートは、ジメチルプロピオン酸とイソフォロンジイソシアネートとの反応生成物を含むことを特徴とする請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記基材は、所定環境下で塗布されることを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項50】
前記塗布された基材は、所定環境下で乾燥されることを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項51】
自浄作用を有し光触媒活性であり薄膜化可能な無色且つ水不溶性の塗料の製造方法であって、
(a)約6〜10nmの範囲内の粒径を有する光触媒活性の金属酸化物粒子と、金属過酸化物と、を含む水性配合物を製造し、該金属酸化物粒子の一部を前記水性配合物に溶解せしめるステップと、
(b)水溶性高分子剤を前記ステップ(a)で得た水性配合物に加え、前記水溶性高分子剤の量を前記水性配合物の構成成分の全乾燥重量に対して約5〜50重量パーセントとならしめるステップと、
を備えることを特徴とする製造方法。
【請求項52】
前記水溶性高分子剤はポリエチレンオキシドシランを含むことを特徴とする請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記水溶性高分子剤は脂肪族アクリルウレタンポリマーであることを特徴とする請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記水溶性高分子剤はパラビスシクロヘキシルメタンジアミンであることを特徴とする請求項51に記載の方法。
【請求項55】
前記水溶性高分子剤は水溶性の脂肪族ジイソシアネートと第3アミンとの反応生成物であることを特徴とする請求項51に記載の方法。
【請求項56】
前記脂肪族ジイソシアネートは、ジメチルプロピオン酸とイソフォロンジイソシアネートとの反応生成物であることを特徴とする請求項51に記載の方法。
【請求項57】
前記水溶性高分子剤の量は、前記金属過酸化物と水溶性高分子剤との全乾燥重量に対して約9〜55重量パーセントであることを特徴とする請求項51に記載の方法。
【請求項58】
前記金属過酸化物は二酸化チタンゾル過酸化物であることを特徴とする請求項51に記載の方法。
【請求項59】
基材上への薄膜且つ自浄作用を有する光触媒活性の無色且つ水不溶性のコーティングの製造方法であって、
(a)約6〜10nmの範囲内の粒径を有する光触媒活性の金属酸化物粒子と、金属過酸化物と、を含む水性配合物を製造し、該金属酸化物粒子の一部を前記水性配合物に溶解せしめるステップと、
(b)水溶性高分子剤を前記ステップ(a)で得た配合物に加え、前記水溶性高分子剤の量を前記水性配合物の構成成分の全乾燥重量に対して約5〜50重量パーセントとならしめるステップと、
(c)前記基材に、100℃未満の温度において前記ステップ(b)で得た溶液を塗布するステップと、
(d)前記塗布された基材を100℃未満の温度で乾燥するステップと、
を備えることを特徴とする製造方法。
【請求項60】
前記金属過酸化物はチタン過酸化物であることを特徴とする請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記水溶性高分子剤は、ポリエチレンオキシドシラン湿潤剤を含むことを特徴とする請求項59に記載の方法。
【請求項62】
前記水溶性高分子剤は、脂肪族アクリルウレタンポリマーを含むことを特徴とする請求項59に記載の方法。
【請求項63】
前記水溶性高分子剤は、パラビスシクロヘキシルメタンジアミン鎖伸長剤を含むことを特徴とする請求項59に記載の方法。
【請求項64】
前記水溶性高分子剤は、水溶性の脂肪族ジイソシアネートと第3アミンとの反応生成物を含むことを特徴とする請求項59に記載の方法。
【請求項65】
前記脂肪族ジイソシアネートは、ジメチルプロピオン酸とイソフォロンジイソシアネートとの反応生成物である付加体を含むことを特徴とする請求項59に記載の方法。
【請求項66】
前記基材は所定環境下で塗布されることを特徴とする請求項59に記載の方法。
【請求項67】
前記塗布された基材は、所定環境下で乾燥されることを特徴とする請求項59に記載の方法。
【請求項68】
前記金属酸化物粒子は、TiO2,ZnO,SrTi03,CdO,In23,BaTiO3,K2NbO3,Fe23,Ta25,WO3,Sa02,Bi23,NiO,Cu20,SiO2,RuO2,CeO2から選択されることを特徴とする請求項59に記載の方法。
【請求項69】
前記金属酸化物粒子は、Ti02およびZrO2から選択されることを特徴とする請求項59に記載の方法。
【請求項70】
約6〜10nmの範囲内の粒径を有する金属酸化物粒子をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の塗料。
【請求項71】
前記金属酸化物粒子の一部が溶解されてなることを特徴とする請求項70に記載の塗料。
【請求項72】
前記金属酸化物粒子の全てが溶解されてなることを特徴とする請求項70に記載の塗料。

【公表番号】特表2006−512463(P2006−512463A)
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−565821(P2004−565821)
【出願日】平成15年12月29日(2003.12.29)
【国際出願番号】PCT/US2003/041588
【国際公開番号】WO2004/060555
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(504028964)プリズマライト インダストリー インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】