説明

自由流動性物質向け投与量分配装置

【課題】分配工程の前に、分配工程のために、投与量分配ユニット内の投与材料を調整する能力を有し、具体的には投与材料をほぐし、それにより投与量分配ユニットの目詰まりを防止する能力を備える投与量分配装置を提供する
【解決手段】投与量分配装置10が作動位置にあるとき、投与材料は分配頭部71の上方に位置する。分配頭部71は開閉するように設計され、供給源容器72からの投与材料の流出を制御する働きをする。分配頭部71の開放および閉鎖は制御装置によって制御される。分配頭部71が開いているとき、投与材料は重力で供給源容器72の外に流れ出る。供給源ユニット70は受入ユニット30の中に配置され、受入ユニット30から取り外されることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末状投与材料向け投与量分配装置に関し、具体的には、投与量分配ユニット内に含まれる投与材料をほぐす能力を有する保持装置を含む投与量分配装置に関する。
【背景技術】
【0002】
粉末材料向け投与量分配装置は、特に物質の少量を小さい目標容器に高度な精密さで分配するために使用される。多くの場合、目標容器は投与量分配装置によって配送された投与材料の重量を量るために天秤の上に配置され、その結果、その後所与の目的に応じてさらに加工されることができる。
【0003】
分配される投与材料は、例えば供給源容器および分配頭部を含む投与量分配ユニット内に含まれる。投与量分配ユニットの狭い噴射口を通って投与材料を分配することが望ましく、その結果、投与材料は目標流内に満たされ、小さい開口直径を有する容器内にさえも満たされることができる。
【0004】
理想的には、砂時計の砂の流れに相当するように、粉末状投与材料は重力によって推進されて均一の流れの中を流れ、小さい噴射口から流れ出る。この理想的な場合では、投与材料の流れは、噴出口の開口横断面を適切な開閉器装置で変化させることにより、簡単に制御されることができる。不都合なことに、実際に使用されるほとんどの材料は、理想的な場合に従って挙動することはない。投与材料を構成する粒子の多くが、理想的な流動挙動に一致しない。分配工程中に粒子が互いに凝集し、その結果、投与量分配ユニットが目詰まりを起こすことがしばしば観察される。分配工程が継続されるためには、機械的介入によってのみ目詰まりは除去されることができる。
【0005】
加えて、多くの粉末は圧縮可能であり、それにより噴射口を部分的または完全に塞ぐ可能性がある圧縮された粉末の塊を形成することになる。典型的な例はコーンスターチであり、コーンスターチは粉末粒子が互いに粘着するという強い傾向を示す。加えて、コーンスターチは非常に圧縮性がある。これらの特性を考慮すると、コーンスターチは投与量分配装置の性能をテストするための供試材としてしばしば使用される。投与材料の「粘着性」とも言及される、共に粘着することおよび投与材料の圧縮性によって引き起こされる問題は、解決のための多数の提案を生み、投与量分配装置の設計、特にそれらの分配頭部の設計のための多数の提案を生むこととなった。例えば、粘着性投与材料を供給源容器から分配頭部の噴射口まで移動させるように設計されたコンベヤスクリュを有する分配頭部がある。現状技術は投与材料を供給源容器の内壁から剥離し、投与材料を噴射口に向かって推進させる攪拌装置および剥離装置をさらに含む。攪拌装置はまた、供給源容器内に投与材料のいわゆるブリッジを形成することを防止する目的を有する。攪拌装置の代わりに、または攪拌装置と併せて、既知の現状技術の解決策の中に、ハンマリング装置および振動装置も存在する。
【0006】
前述の問題を解決するための可能な方法が、米国特許出願公開第2006/0011653A1号に開示されている。目標重量の重量許容誤差±5%未満を有する数ミリグラムから数グラムの量の粉末状の投与材料を分配するように設計された投与量分配装置は、本質的に、供給源容器および分配頭部からなる投与量分配ユニットを含む。供給源容器に結合する部分から、分配頭部の内壁は噴射口に向かって円錐形で先が細くなっている。作動状態では、噴射口は投与量分配ユニットの底部、したがって供給源容器の下方にある。投与量分配ユニット内部の自由流動性投与材料は重力で推進され、噴射口に向かって流れる。噴射口には投与材料の流出量を調節する働きをする開閉弁が装備されている。投与量分配装置は、供給源容器を振動させ、および/または叩打するための手段を含み、その回転軸の周りに回転運動を、ならびに回転軸に沿って直線運動を可能にする攪拌装置をさらに備えることができる。
【0007】
コーンスターチを用いるテストでは、様々に設計された投与量分配ユニットから材料を分配しようとする試みでかなりの困難に見舞われた。この種の投与材料の自由流動能力は、それがどれくらい緩く凝集しているかに直接依存し、すなわち嵩密度による。いくつかのテストでは、投与材料が、攪拌装置および/または振動手段の使用により、ほぐれるのではなく密集することが発見された。これにより、噴射口が完全に開いていても、投与材料が投与量分配ユニットから外にまったく移動することができないという結果になった。
【0008】
この問題の解決策が、EP1959244A1に開示されている。そこに開示されている投与量分配装置は、保持装置および少なくとも1つの受入装置を含む。受入装置は、少なくとも1つの投与量分配ユニットがその中に取り外し可能に据わることができるように設計される。投与量分配装置は、受入装置を動かすための少なくとも1つのアクチュエータをさらに含む。受入装置は保持装置上で枢動可能に支持され、その結果、アクチュエータは振動旋回動作を受入装置に伝えることができる。アクチュエータは、受入装置で複数回の叩打が短く連続するように指示することによりこの機能を達成し、受入装置が振り子のように揺動することになる。受入装置の揺動周波数は、アクチュエータの衝撃周波数に同期外れを起こすことが好ましい。このことは、叩打によって生成される衝撃波または機械的パルスが異なる方向に伝播するという効果を有する。このことは、投与材料が凝集するという傾向に対抗する。それにもかかわらず、孤立した場合の投与材料のいくらかの凝集がやはり存在することがある。当分野の知られている状態には、攪拌機またはスクレーパなどの移動構成要素が含まれ、それらは投与量分配ユニット内に配置され、投与材料の凝集に対抗する働きをする。これらの移動可能な構成要素は複雑な機構が必要であり、摩耗を生じやすい。加えて、追加の移動可能な部品が、特に微細な投与材料を損傷する原因になることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0011653A1号
【特許文献2】EP1959244A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明は、分配工程の前に、分配工程のために、投与量分配ユニット内の投与材料を調整する能力を有し、具体的には投与材料をほぐし、それにより投与量分配ユニットの目詰まりを防止する能力を備える投与量分配装置を提供する目的を有するが、しかし移動可能な部品は投与量分配ユニットの内部にまったく配置されてはいない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題は、独立した特許請求の範囲に明記する特徴を有する投与量分配装置によって解決される。
計量された量の自由流動性物質を分配する働きをする、本発明による投与量分配装置が、基部ユニットと、少なくとも1つの受入ユニットと、少なくとも1つのアクチュエータとを備える。受入ユニットは、少なくとも1つの供給源ユニットが受入ユニット内に設置され、ならびに受入ユニットから取り外され得るように設計されている。アクチュエータが少なくとも1つの受入ユニットに作用し、受入ユニットは基部ユニットに関して回転運動性を有して枢動可能に取り付けられており、アクチュエータが、受入ユニットの繰り返される双方向の枢動運動を生成する能力を有する。その配置は、基部ユニットと受入ユニットとの間に少なくとも1つの結合ユニットを含み、受入ユニットが枢動軸の周りに回転運動性を有して結合ユニットに枢動可能に支持され、結合ユニットが基部ユニットに関して並進運動性を有して摺動可能に支持され、アクチュエータが結合ユニットの繰り返される双方向の並進運動を生成する能力を有し、受入ユニットが、繰り返される双方向の枢動運動と、その枢動運動に重ね合わされる繰り返される双方向の並進運動とを受けるができる。
【0012】
分配されるべき自由流動性物質は、通常、粉末および粒状バルク固体の形態でもたらされる。しかし、本発明による投与量分配装置は、流れの中を移動することができるペースト状のものをまたは他の物質を分配するために使用されることもできる。具体的に、これには分配工程で目詰まりする傾向のある複雑な流体力学的特性を有する材料が含まれる。
【0013】
枢動運動および並進運動の重ね合わせが、複合振動性運動のために投与材料の構造を揺り動かし、それにより、投与材料は分配口に向かって推進される。流動挙動は振動の強度ならびに枢動運動および/または並進運動の周波数によって制御され得る。
【0014】
好ましい実施形態では、受入ユニットの振動枢動運動および結合ユニットの振動並進運動が、同じアクチュエータによって生成され得る。この実施形態は、並進運動および枢動運動の両方が、ただ1つのアクチュエータ、したがってただ1つのモータによって生成され得るという利点を有する。
【0015】
枢動運動および並進運動が同時に生成される配置が以下の概念から有利であると分かっている。その概念では、受入ユニットの振動または繰り返される双方向の枢動運動がアクチュエータによって生成されることができ、結合ユニットの振動または繰り返される双方向の並進運動が受入ユニットの振動または繰り返される双方向の枢動運動によって生成されることができるということである。
【0016】
別法として、投与量分配装置が2つ以上のアクチュエータ、具体的には2つのアクチュエータを備えることができ、受入ユニットの枢動運動が一次アクチュエータによって生成されることができ、結合ユニットの並進運動が二次アクチュエータによって生成されることができる。
【0017】
本発明の好ましい実施形態は、受入ユニットの繰り返される双方向の枢動運動の周波数を、結合ユニットの繰り返される双方向の並進運動の周波数に同期させる可能性を含む。この同期性を達成するために様々な方法が存在する。1つの可能性は、関与している構成要素を機械的に結合することである。そのような配置では、受入ユニットの双方向の枢動運動および結合ユニットの繰り返される双方向の並進運動は、例えば単一のアクチュエータによって同時に駆動される。受入ユニットの双方向の枢動運動を結合ユニットの繰り返される双方向の並進運動に連結することもまた可能である。
【0018】
2つ以上のアクチュエータが使用されるならば、受入ユニットの双方向の枢動運動を結合ユニットの双方向の並進運動に同期させることが電子制御装置によって達成され得る。しかし、非同期的にアクチュエータを作動することも可能である。非同期周波数の重ね合わせにより、投与材料の特性に応じて投与材料の凝集傾向に対抗するうなり周波数振動が生成される。
【0019】
投与量分配装置が作動位置にあるとき、結合ユニットが基部ユニットに関して垂直の運動性を有して支持されることが好ましい。この状態を満たすためには、結合ユニットの投与量分配装置の作動位置に関する運動の方向に水平ならびに垂直な成分がある場合でも十分であることができる。この場合、運動ベクトルの垂直成分が水平成分よりも大きいことが理想的である。これにより、受入ユニットが上下運動を受けることを保証し、それにより投与量分配ユニットに含まれる投与材料が同様に上下運動を受け、その結果、投与材料がほぐされ、壁から分離される。
【0020】
投与量分配装置が作動位置にあるとき、枢動軸の配向が、本質的に水平であることが好ましい。投与量分配装置が作動位置にあるとき、投与量分配ユニットの出口が枢動軸の周りに本来一定の半径の弧で運動することが理想的である。このことが出口に接近する投与材料に旋回運動を与え、それにより流れの移動が改善される。
【0021】
基部ユニットが、例えば回転軸受またはボール継手など、関節式継手によって受入ユニットに結合されていることが理想的である。
結合ユニットが、少なくとも1つのリニア軸受によって基部ユニットに結合されていることが好ましい。
【0022】
投与量分配装置が作動位置にあるとき、基部ユニットが本質的に強固に結合されている。したがって、基部ユニットは結合ユニットに対して安定した支持を提供する。
受入ユニットおよび結合ユニットが事前引張されたばね要素によって互いに結合されることが理想的である。これにより受入ユニットの運動が結合ユニットに伝わることが可能になる。さらに、ばね要素は運動の伝達に減衰効果を働かせることができる。
【0023】
好ましい実施形態では、アクチュエータが、衝撃ばねによって推進されるように設計されたハンマ塊を備え、その衝撃ばねが引張機構によってぴんと立てられ、即座に開放されることができ、その結果ハンマ塊が衝撃ばねによって加速されることができ、受入ユニット上、および/または受入ユニットに結合された部品上、および/または結合ユニット上、および/または結合ユニットに結合された部品上へのハンマ塊の衝撃が、受入装置内に衝撃波を生成する。結果として生じる衝撃波が投与材料の凝集傾向に対抗する。
【0024】
もちろん、例えばピエゾアクチュエータまたは超音波アクチュエータなど、他のアクチュエータを使用することも可能である。
適切なばね要素および衝撃ばねを選択することにより、運動の時系列および速度が影響を受けることができ、それにより投与材料の分配口に向かう流れが最適化され得る。
【0025】
すべての案内要素は回転要素を含むことができる。それらはさらにエラストマ材料、ならびに/あるいは例えば、板ばね、または金属および/もしくはポリマーから成る撓曲要素などの弾力的可撓性要素を含むことができる。
【0026】
供給源容器に追加の機能を設置することにより、投与材料の凝集傾向はさらに低減され得る。分配口に接近した装置は特に有利であると発見されてきた。これらの設置された機能は、多様性に富んだ形状を有することができる。これらの設置された機能を使用するための基本的な考えは、分配口の上流の投与材料内の圧力分布をできる限り均一にすることであり、その理由は、投与材料の凝集が、材料が大きな圧力勾配および/または速度勾配を受ける領域で特に予測されるからである。装置は簡単な金属薄板要素の形状を有することができる。より複雑な形状の使用も考えられる。円錐形要素の装置が投与材料の目詰まりに対して効果的であると証明された。作動位置で、円錐の頂点は本質的に投与材料の流れ方向に向けられる。投与材料流は、頂点から円錐の上に、より具体的にはその外側面に流れる。円錐またはその外側面の周りに流れた後、投与材料の流れは再び密集する。流れを円錐の周り、より具体的にはその外側面に向ける手段は大きな圧力勾配および/または速度勾配を低減するのに非常に効果的であり、それにより、より均一な圧力分布および/または速度分布が達成される。
【0027】
同様に、例えばサイロで使用される流線形状などを有する変位本体が、より均一な圧力分布および/または速度分布を達成するために効果的な手段である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
投与量分配ユニットが実施例により、および図面を参照して本明細書で以下に説明される。
【図1】1つのアクチュエータを有する中立位置にある本発明による一次投与量分配装置の断面図である。
【図2】2つのアクチュエータを有する中立位置にある本発明による二次投与量分配装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1には、1つのアクチュエータ50を有する中立位置の一次投与量分配装置10の断面図が示される。図2には、2つのアクチュエータ150および160を有する中立位置の二次投与量分配装置110の断面図が示される。
【0030】
本発明による2つの投与量分配装置10および110は、それぞれ基部ユニット20および120、受入ユニット30および130ならびに結合ユニット40および140を有する。基部ユニット20および120は追加のユニットを固定し、支持する働きをする。基部ユニット20および120は、ほとんどの場合固定して取り付けられ、本質的に強固である。基部ユニット20および120は、例えば、筺体または下の地面に強固に結合されることができる。基部ユニット20および120は、筺体の一部であることもできる。受入ユニット30および130は、供給源ユニット70を保持する働きをする。供給源ユニット70は、供給源容器72および分配頭部71を含む。供給源容器72は投与材料を保持する働きをする。投与量分配装置10および110が作動位置にあるとき、投与材料は分配頭部71の上方に位置する。分配頭部71は開閉するように設計され、供給源容器72からの投与材料の流出を制御する働きをする。分配頭部71の開放および閉鎖は制御装置(図面に図示せず)によって制御される。分配頭部71が開いているとき、投与材料は重力で供給源容器72の外に流れ出る。供給源ユニット70は受入ユニット30および130の中に配置され、受入ユニット30および130から取り外されることができる。通常、供給源容器72は本質的に円柱であり、受入ユニット30および130は供給源容器72用の台座として丸い開口を有する。もちろん、受入ユニット30および130内の供給源容器72用の互換性のある台座を提供するのであるならば、任意の他の形状を選択することもできる。特に、受入ユニット30および130と供給源ユニット70との間に中間要素を配置することも可能である。
【0031】
供給源ユニット70は保持器80および180によって受入ユニット30および130内の決まった位置に保持される。保持器80および180は、事前引張されたばね要素23および123によって、ならびに2つの丁番82、83、182および183によって保持器基部90および190に弾力のある状態で取り付けられる。保持器基部90および190の心立てピン94および194は保持器80および180の穿孔81および181と協動し、保持器80および180が保持器基部90および190に関して画定された位置に保持されることを可能にする。ばね要素23および123の弾力が供給源容器72を重力に逆らって受入ユニット30および130の内部に押す。保持器基部90および190は基部ユニット20および120に固定されている。保持器基部90および190は少なくとも2つの位置をとることができる。作動位置にあるとき、保持器基部90および190に固定されている保持器80および180は、受入ユニット30および130内に供給源ユニット70を保持する。装填位置にあるとき、保持器80および180は受入ユニット30および130から離れて移動して空間を開け、その結果、供給源ユニット70は受入ユニット30および130内部に設置されるか、または受入ユニット30および130から取り外されることができる。投与量分配装置が作動位置にあるとき、保持器80および180は実質的に平行な配向を有する。
【0032】
保持器基部90および190は、リニア軸受26および126によって基部ユニット20および120に結合されている。リニア軸受26および126の軸は実質的に垂直の配向を有する。ピン93および193と協動する、保持器基部90および190の一次窪み91および191によって、保持器基部90および190は作動位置に固定されることができる。ピン93および193と協動する、保持器基部90および190の二次窪み92および192により、保持器基部90および190が装填位置に固定されることができる。もちろん、保持器基部90および190は何らかの他の方法で固定されることもできる。例えば、保持器基部90および190は、ばね戻り止めによって基部ユニット上の定位置に保持されることができる。
【0033】
保持器基部90および190は必ずしも基部ユニット20および120に結合される必要はない。保持器基部90および190は、保持器80および180を作動位置と装填位置の間で切り替えることができる何らかの他の方法で結合されることもできる。
【0034】
結合ユニット40および140が、基部ユニット20および120に取り付けられている。結合ユニット40および140と、基部ユニット20および120との間にリニア軸受24および124が挿入され、リニア軸受24および124により、結合ユニット40および140を、本質的に固定位置にある基部ユニット20および120に関して垂直に移動させることができる。結合ユニット40および140の垂直な動きの範囲は、基部ユニット20および120の凹所25および125によって限界を定められ、基部ユニット20および120は結合ユニット40および140の突起43および143と協動して停止限界を形成する。投与量分配装置10および110の作動位置に関して、突起43および143は本質的に水平の配向を有する。緩衝要素44および144が、突起43および143と停止限界凹所25および125との間に配置され得る。緩衝要素44および144は、例えばゴムまたはポリマーなどの可撓性材料から作成されることができる。
【0035】
もちろん、垂直の動きの範囲を何らかの他の方法で制限することもできる。具体的には、基部ユニット20および120の突起と共に協動する、結合ユニット40および140内に配置された停止限界凹所もまた存在することができる。原則的に、任意の種類の適切な停止限界が選択されることができる。
【0036】
基部ユニット20および120と結合ユニット40および140との間に配置された一次ばね要素21および121が、結合ユニット40および140を事前画定された中立位置に保持する。事前画定された中立位置の一次ばね要素21および121は事前引張されて、投与量分配装置10および110の作動位置に関して、停止限界凹所25および125の逃げ面に対し、結合ユニット40および140を垂直方向に引っ張る。
【0037】
結合ユニット40および140は受入ユニット30および130に結合されている。結合ユニット40および140ならびに受入ユニット30および130は、枢動継手41および141によって一体に連結され、枢動継手41および141は、結合ユニット40および140に関して、受入ユニット30および130の枢動運動を可能にし、一方結合ユニット40および140は、本質的に垂直方向に直線運動することができる。受入ユニット30および130と結合ユニット40および140との間の枢動運動が起こることを可能にする結合要素のための別の選択もまた存在する。その可能性には、具体的にラジアル軸受および交差した撓曲枢軸が含まれる。
【0038】
受入ユニット30および130の枢動運動の範囲は、受入ユニット30および130の突起31および131と協動して停止限界を形成する、結合ユニット40および140の凹所42および142によって限界を定められる。投与量分配装置10および110の作動位置に関して、突起31および131は本質的に水平の配向を有する。緩衝要素32および132が、突起31および131と停止限界凹所42および142との間に配置され得る。
【0039】
もちろん、枢動運動の範囲を何らかの他の方法で制限することもできる。具体的には、受入ユニット30および130の停止限界凹所と協動する、結合ユニット40および140に配置された突起もまた存在することができる。原則的に、任意の種類の適切な停止限界が選択されることができる。
【0040】
結合ユニット40および140と受入ユニット30および130との間に配置された二次ばね要素22および122が、受入ユニット30および130を事前画定された中立位置に保持する。事前画定された中立位置にある二次ばね要素22および122は事前引張されて、投与量分配装置10および110の作動位置に関して、停止限界凹所42および142の逃げ面に対し、受入ユニット30および130を垂直方向に引っ張る。
【0041】
受入ユニット30および130の回転運動性により、受入ユニット30および130内に据わる供給源ユニット70および170は、枢動運動を受けることができ、その枢動運動によって分配頭部内の投与材料の流れが促進される。
【0042】
結合ユニット40および140の軸方向の運動性により、受入ユニット30および130内に据わる供給源ユニット70および170は、上下運動を受けることができ、その上下運動によって分配頭部内の投与材料の流れが促進される。
【0043】
理解されたように、枢動運動および上下運動の組合せによって分配頭部内の投与材料の流れが促進される。
枢動運動および上下運動は、適切なアクチュエータ50、150および160によって生成される。パルス状衝撃が、投与材料の目詰まりに対抗するには最も効果的であると発見された。
【0044】
図1の投与量分配装置10では、単一のアクチュエータ50が採用されて、枢動運動および上下運動を生成する。アクチュエータ50は衝撃を受入ユニット30に伝達する働きをする。これらの衝撃は受入ユニット30の枢動運動を起こす。受入ユニット30の枢動運動が今度は、結合ユニット40の上下運動を起こす。
【0045】
図2の投与量分配装置110では、2つのアクチュエータ150および160が採用されて、枢動運動および上下運動を生成する。アクチュエータ150は衝撃を受入ユニット130に伝達する働きをする。これらの衝撃は受入ユニット130の枢動運動を起こす。追加のアクチュエータ160は衝撃を結合ユニット140に伝達する働きをする。これらの衝撃が結合ユニット140の上下運動を起こす。
【0046】
2つの実施形態の各アクチュエータ50、150および160は、駆動ユニット51、151および161を含む。駆動ユニット51、151および161は、例えば電気モータであることができる。駆動ユニット51、151および161は、モータの回転運動を直線運動に変換する並進運動機構54、154および164を駆動する。並進運動機構54、154および164には、例えば偏心器、カム軸、クラウン歯車および/または曲線追跡機構などを含むことができる。良好な結果が、迅速なパルス衝撃を生成する能力を示したランプ形状のカム軸で達成された。並進運動機構54、154および164は、ハンマ塊52、152および162の直線運動を推進する働きをする。ハンマ塊52、152および162は、直線運動性を有して支持される。緩衝器53、153および163は、突起の形状で、ハンマ塊52、152および162上に形成され、その突起によって叩打が受入ユニット30および130、ならびに/あるいは結合ユニット40および140に向けられることができる。枢動運動を受入ユニット30および130に与えるために、叩打は枢動継手41および141に関して軸方向に起きる必要がある。枢動継手41および141からの叩打の距離が大きいほど、てこ効果が強くなる。衝撃ばね55、155および165を追加することにより衝撃パルスはさらに強くすることができる。衝撃ばね55、155および165が引張機構によってぴんと立てられ、即座に開放されることができる。衝撃ばねが開放された後、ハンマ塊52、152および162が衝撃ばね55、155および165によって加速されることができ、受入ユニット30および130上、ならびに/あるいは結合ユニット40および140上へのハンマ塊52、152および162の衝撃が、受入装置内に衝撃波を生成する。この衝撃波は、供給源ユニット70内の投与材料の凝集傾向に対抗する。
【0047】
本発明が、具体的な実施形態の提示によって説明されてきたが、多数の追加の変形形態が本発明の教示に基づき生成され得ることが自明であることを考慮されたい。
【符号の説明】
【0048】
110,10 投与量分配装置
120,20 基部ユニット
121,21 一次ばね要素
122,22 二次ばね要素
123,23 三次ばね要素
124,24 リニア軸受
125,25 結合ユニットのための停止限界凹所
126,26 保持器基部のリニア軸受
130,30 受入ユニット
131,31 突起
132,32 緩衝要素
140,40 結合ユニット
141,41 枢動継手
142,42 受入ユニットのための停止限界凹所
143,43 突起
144,44 緩衝要素
150,50 アクチュエータ
151,51 駆動ユニット
152,52 ハンマ塊
153,53 衝撃緩衝器
154,54 並進運動機構
155,55 衝撃ばね
160 追加のアクチュエータ
161 追加の駆動ユニット
162 追加のハンマ塊
163 追加の衝撃緩衝器
164 追加の並進運動機構
165 追加の衝撃ばね
70 供給源ユニット
71 分配頭部
72 供給源容器
180,80 保持器
181,81 穿孔
182,82 保持器の一次丁番
183,83 保持器の二次丁番
190,90 保持器基部
191,91 保持器基部の一次窪み
192,92 保持器基部の二次窪み
193,93 ピン
194,94 心立てピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
計量された量の自由流動性物質を分配する働きをする投与量分配装置(110,10)であって、基部ユニット(120,20)と、少なくとも1つの受入ユニット(130,30)であり、少なくとも1つの供給源ユニット(70)が前記受入ユニット(130,30)内に設置され、ならびに前記受入ユニット(130,30)から取り外され得るように設計されている、受入ユニット(130,30)とを備え、また、前記受入ユニット(130,30)に作用する少なくとも1つのアクチュエータ(150,50)をさらに備え、前記受入ユニット(130,30)が前記基部ユニット(120,20)に関して回転運動性を有して枢動可能に取り付けられ、前記アクチュエータが、前記受入ユニット(130,30)の繰り返される双方向の枢動運動を生成するように設計されている、投与量分配装置(110,10)において、少なくとも1つの結合ユニット(140,40)が前記基部ユニット(120,20)と前記受入ユニット(130,30)との間に配置され、前記受入ユニット(130,30)が枢動軸の周りに回転運動性を有して前記結合ユニット(140,40)上に枢動可能に支持され、前記結合ユニット(140,40)が前記基部ユニット(120,20)に関して並進運動性を有して摺動可能に支持され、前記アクチュエータ(50,160)が前記結合ユニット(140,40)の繰り返される双方向の並進運動を生成するように設計され、それにより前記受入ユニット(130,30)が、繰り返される双方向の枢動運動と、その枢動運動に重ね合わされる繰り返される双方向の並進運動とを受けることができることを特徴とする、投与量分配装置(110,10)。
【請求項2】
前記受入ユニット(30)の振動枢動運動および前記結合ユニット(40)の振動並進運動が、1つの同じ前記アクチュエータ(50)によって生成され得ることを特徴とする、請求項1に記載の投与量分配装置(10)。
【請求項3】
前記受入ユニット(30)の前記繰り返される双方向の枢動運動が前記アクチュエータ(50)によって生成されることができ、前記結合ユニット(40)の前記繰り返される双方向の並進運動が前記受入ユニット(30)の前記繰り返される双方向の枢動運動によって生成されることができることを特徴とする、請求項2に記載の投与量分配装置(10)。
【請求項4】
前記投与量分配装置(110)が少なくとも2つのアクチュエータ(150,160)を備え、前記受入ユニット(130)の前記振動枢動運動が一次アクチュエータ(160)によって生成されることができ、前記結合ユニット(140)の前記並進運動が二次アクチュエータ(150)によって生成されることができることを特徴とする、請求項1に記載の投与量分配装置(110)。
【請求項5】
前記受入ユニット(130,30)の前記繰り返される双方向の枢動運動の周波数が、前記結合ユニット(140,40)の前記繰り返される双方向の並進運動に同期され得ることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の投与量分配装置(110,10)。
【請求項6】
前記受入ユニット(130,30)の前記繰り返される双方向の枢動運動の周波数と、前記結合ユニット(140,40)の前記繰り返される双方向の並進運動との間の同期性が電子制御装置によって制御され得ることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の投与量分配装置(110,10)。
【請求項7】
前記投与量分配装置(110,10)が作動位置にあるとき、前記結合ユニット(140,40)が前記基部ユニット(120,20)に関して本質的に垂直の運動性を有して支持されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の投与量分配装置(110,10)。
【請求項8】
前記投与量分配装置(110,10)が作動位置にあるとき、前記結合ユニット(140,40)が変位方向に移動する自由を有して支持され、前記変位方向が垂直の成分を有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の投与量分配装置(110,10)。
【請求項9】
前記投与量分配装置(110,10)が作動位置にあるとき、前記枢動軸の配向が、本質的に水平であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の投与量分配装置(110,10)。
【請求項10】
前記結合ユニット(140,40)が枢動継手(141,41)によって前記受入ユニット(130,30)に結合されていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の投与量分配装置(110,10)。
【請求項11】
前記結合ユニット(140,40)が少なくとも1つのリニア軸受(124,24)によって前記基部ユニット(120,20)に結合されていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の投与量分配装置(110,10)。
【請求項12】
前記投与量分配装置(110,10)が作動位置にあるとき、前記基部ユニット(120,20)が本質的に強固に固定されていることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の投与量分配装置(110,10)。
【請求項13】
前記受入ユニット(130,30)および前記結合ユニット(140,40)が少なくとも1つの事前引張されたばね要素(122,22)によって互いに結合されることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の投与量分配装置(110,10)。
【請求項14】
少なくとも1つのアクチュエータ(150,160,50)が、衝撃ばね(155,165,55)によって推進されるように設計されたハンマ塊(152,162,52)を備え、前記衝撃ばね(155,165,55)が引張機構によってぴんと立てられ、即座に開放されることができ、その結果、前記ハンマ塊(152,162,52)が前記衝撃ばね(155,165,55)によって加速されることができ、前記受入ユニット(130,30)上、および/または前記受入ユニット(130,30)に結合された部品上、および/または前記結合ユニット(140,40)上、および/または前記結合ユニット(140,40)に結合された部品上への前記ハンマ塊(152,162,52)の衝撃が、前記受入ユニット(130,30)内に衝撃波を生成することを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の投与量分配装置(110,10)。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一項に記載の投与量分配装置(110,10)によって、計量済み量を分配する方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−255771(P2012−255771A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−99725(P2012−99725)
【出願日】平成24年4月25日(2012.4.25)
【出願人】(599082218)メトラー−トレド アクチェンゲゼルシャフト (130)
【住所又は居所原語表記】Im Langacher, 8606 Greifensee, Switzerland
【Fターム(参考)】