自走式管内検査カメラ装置および管径変換ユニット
【課題】2倍強の管径差をもつ広範な管径(350mm〜800mm)を対象に、検査対象となる配管内を円滑にかつ適正な速度で走行して、管内を斑なく的確に観察できる自走式管内検査カメラ装置を提供する。
【解決手段】走行ユニットを構成する管径変換ユニット1と管径変換ユニット1に選択的に結合される管径変換アダプタ用取付アダプタ13および第1乃至第3の管径変換アダプタ(CA1)〜(CA3)とにより複数種の管径に対応した自走式管内検査カメラ装置の管径変換ユニットを構成している。
【解決手段】走行ユニットを構成する管径変換ユニット1と管径変換ユニット1に選択的に結合される管径変換アダプタ用取付アダプタ13および第1乃至第3の管径変換アダプタ(CA1)〜(CA3)とにより複数種の管径に対応した自走式管内検査カメラ装置の管径変換ユニットを構成している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば水道管、下水管、ガス管などを検査する際に適用して好適な自走式管内検査カメラ装置および管径変換ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
水道管、下水管、ガス管などを検査対象配管として、配管内を遠隔操作により配管方向に走行させ、カメラ実装部に実装したカメラで配管内を撮影する自走式の管内検査カメラ装置が存在する。
【0003】
この種自走式管内検査カメラ装置は、検査対象となる配管内を円滑にかつ適正な速度で走行して、管内を斑なく的確に観察できるよう、検査対象配管(検査対象となる配管)の管径に応じて複数種類の管内検査カメラ装置を用意し、使い分けていた。従って、例えば検査対象配管の管径が多岐に亘る場合、それぞれの管径に適合した複数種の管内検査カメラ装置を用意しておかなければならなかった。
【0004】
この種の自走式の管内検査カメラ装置として、従来では、X状に交差するように配置された一対の拡縮ロッドを用いて一対のキャタピラー間を調整する機構を備えた管内探査装置(特許文献1参照)、駆動ユニットを支持底板に沿い移動させて固定する機構を備えた伏び管内調査カメラ装置(特許文献2参照)、管路の径に応じた複数の長さ寸法を有する複数種の脚部を用意し、管路の径に応じて脚部を付け替える構造とした管内検査カメラ等が存在した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3870864号公報
【特許文献2】特開2001−247033号公報
【特許文献3】実開平07−7263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、従来では、検査対象配管の管径が多岐に亘る場合、それぞれの管径に適合した複数種の管内検査カメラ装置を用意しておかなければならないという問題があった。
【0007】
本発明は、より広範な管路径を対象に、検査対象となる配管内を円滑にかつ適正な速度で走行して、管内を斑なく的確に観察できる自走式管内検査カメラ装置および管径変換ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、カメラ搭載部を有し遠隔操作により検査対象配管内を配管方向に沿って自走する走行ユニットを構成する複数種の管路径に対応した管径変換ユニットと、前記カメラ搭載部に搭載された撮像カメラとを具備した自走式管内検査カメラ装置であって、前記管径変換ユニットは、走行方向に直交する幅方向に軸線を沿わせて幅方向と直交する方向に所定の間隔で平行に配設された、前端、後端、中間の各駆動軸と、前記各駆動軸をそれぞれ回転駆動する駆動機構と、前記中間の駆動軸の両端に軸着された中間動輪と、前記検査対象配管が予め定めた第1の適用範囲となる最小適用範囲内の管径にあるとき選択的に前記前端および後端の各駆動軸の両端にそれぞれ軸着される前記中間動輪と同径若しくは略同径の前後各一対の第1の動輪により構成される第1の管径変換アダプタと、前記検査対象配管が前記最小適用範囲より大径であるとき選択的に前記前端および後端の各駆動軸の両端にそれぞれ軸着される前後各一対の管径変換アダプタ用取付アダプタと、前記検査対象配管が前記最小適用範囲より大径で、かつ予め定めた最大適用範囲の管径に至らない第2の適用範囲に含まれる管径であるとき選択的に前記管径変換アダプタ用取付アダプタを介して前記前端および後端の各駆動軸の両端にそれぞれ軸着される前記第1の動輪より大径の第2の動輪、および前記管径変換アダプタ用取付アダプタと前記第2の動輪との間に軸着された連結シャフト機構を含む前後各一対の第2の管径変換アダプタと、前記検査対象配管が前記第2の適用範囲から前記最大適用範囲に至る第3の適用範囲に含まれる管径であるとき選択的に前記管径変換アダプタ用取付アダプタを介して前記前端および後端の各駆動軸の両端にそれぞれ軸着される前記第2の動輪より大径の第3の動輪、および前記管径変換アダプタ用取付アダプタと前記第3の動輪との間に軸着された減速機構を含む前後各一対の第3の管径変換アダプタと、前記カメラ搭載部を昇降移動可能に支承する昇降機構と、前記昇降機構に設けられ、前記カメラ搭載部に搭載された前記撮像カメラの高さ方向の位置を前記検査対象配管の管径と前記変換アダプタの使用状態に応じて可変制御する昇降位置調整機構と、を具備したことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、カメラ搭載部を有し遠隔操作により検査対象配管内を配管方向に沿って自走する走行ユニットを構成する複数種の管路径に対応した管径変換ユニットであって、走行方向に直交する幅方向に軸線を沿わせて幅方向と直交する方向に所定の間隔で平行に配設された、前端、後端、中間の各駆動軸と、前記各駆動軸をそれぞれ回転駆動する駆動機構と、前記中間の駆動軸の両端に軸着された中間動輪と、前記検査対象配管が予め定めた第1の適用範囲となる最小適用範囲内の管径にあるとき選択的に前記前端および後端の各駆動軸の両端にそれぞれ軸着される前記中間動輪と同径若しくは略同径の前後各一対の第1の動輪により構成される第1の管径変換アダプタと、前記検査対象配管が前記最小適用範囲より大径であるとき選択的に前記前端および後端の各駆動軸の両端にそれぞれ軸着される前後各一対の管径変換アダプタ用取付アダプタと、前記検査対象配管が前記最小適用範囲より大径で、かつ予め定めた最大適用範囲の管径に至らない第2の適用範囲に含まれる管径であるとき選択的に前記管径変換アダプタ用取付アダプタを介して前記前端および後端の各駆動軸の両端にそれぞれ軸着される前記第1の動輪より大径の第2の動輪、および前記管径変換アダプタ用取付アダプタと前記第2の動輪との間に軸着された連結シャフト機構を含む前後各一対の第2の管径変換アダプタと、前記検査対象配管が前記第2の適用範囲から前記最大適用範囲に至る第3の適用範囲に含まれる管径であるとき選択的に前記管径変換アダプタ用取付アダプタを介して前記前端および後端の各駆動軸の両端にそれぞれ軸着される前記第2の動輪より大径の第3の動輪、および前記管径変換アダプタ用取付アダプタと前記第3の動輪との間に軸着された減速機構を含む前後各一対の第3の管径変換アダプタと、前記カメラ搭載部を昇降移動可能に支承する昇降機構と、前記昇降機構に設けられ、前記カメラ搭載部に搭載された前記撮像カメラの高さ方向の位置を前記検査対象配管の管径と前記変換アダプタの使用状態に応じて可変制御する昇降位置調整機構と、を具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、より広範な管路径を対象に、検査対象となる配管内を円滑にかつ適正な速度で走行して、管内を斑なく的確に観察できる自走式管内検査カメラ装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る自走式管内検査カメラ装置における走行ユニットを構成する管径変換ユニットの構成を示す組立図。
【図2】上記実施形態における管径φ450mm〜φ600mm対応の管径変換ユニットを適用した自走式管内検査カメラ装置の外観構成を示す斜視図。
【図3】上記実施形態における管径φ600mm〜φ800mm対応の管径変換ユニットの構成を示す断面図。
【図4】上記実施形態における管径変換アダプタ用取付アダプタの組立構造を示す斜視図。
【図5】上記管径変換アダプタ用取付アダプタのカップリング(ロック/アンロック)機構を説明するための状態図。
【図6】上記実施形態において駆動出力軸に管径変換アダプタ用取付アダプタを取り付ける手順を説明するための斜視図。
【図7】上記管径変換アダプタ用取付アダプタに第1の管径変換アダプタを取り付ける手順を説明するための管径変換アダプタ用取付アダプタの状態を示す斜視図。
【図8】上記管径変換アダプタ用取付アダプタに第1の管径変換アダプタを取り付ける手順を説明するための管径変換アダプタ用取付アダプタの状態を示す側面図。
【図9】上記管径変換アダプタ用取付アダプタに第1の管径変換アダプタを取り付ける手順を説明するための取り付け状態を示す斜視図。
【図10】上記管径変換アダプタ用取付アダプタに第1の管径変換アダプタを取り付ける手順を説明するための第1の管径変換アダプタの構成を示す斜視図。
【図11】上記管径変換アダプタ用取付アダプタに第1の管径変換アダプタを取り付け手順を説明するための取り付け状態を示す斜視図。
【図12】上記管径変換アダプタ用取付アダプタに第1の管径変換アダプタを取り付ける手順を説明するための管径変換アダプタ用取付アダプタの状態を示す側面図。
【図13】上記管径変換アダプタ用取付アダプタに第2の管径変換アダプタを取り付ける手順を説明するための管径変換アダプタ用取付アダプタの状態を示す斜視図。
【図14】上記管径変換アダプタ用取付アダプタに第2の管径変換アダプタを取り付ける手順を説明するための管径変換アダプタ用取付アダプタの状態を示す側面図。
【図15】上記管径変換アダプタ用取付アダプタに第2の管径変換アダプタを取り付ける手順を説明するための取り付け状態を示す斜視図。
【図16】上記管径変換アダプタ用取付アダプタに第2の管径変換アダプタを取り付ける手順を説明するための第2の管径変換アダプタの構成を示す斜視図。
【図17】上記管径変換アダプタ用取付アダプタに第2の管径変換アダプタを取り付ける手順を説明するための取り付け状態を示す斜視図。
【図18】上記管径変換アダプタ用取付アダプタに第2の管径変換アダプタを取り付ける手順を説明するための管径変換アダプタ用取付アダプタの状態を示す側面図。
【図19】上記第1、第2の管径変換アダプタと適用管径との関係を説明するための図。
【図20】上記第1の管径変換ユニットの管径適用例を説明するための第1の管径変換ユニットの正面図。
【図21】上記第1の管径変換ユニットの管径適用例を説明するための第1の管径変換ユニットの上面図。
【図22】上記第1の管径変換ユニットの管径適用例を説明するための第1の管径変換ユニットの正面図。
【図23】上記第1の管径変換ユニットの管径適用例を説明するための第1の管径変換ユニットの側面図。
【図24】上記第2の管径変換ユニットの管径適用例を説明するための第2の管径変換ユニットの正面図。
【図25】上記第2の管径変換ユニットの管径適用例を説明するための第2の管径変換ユニットの上面図。
【図26】上記第2の管径変換ユニットの管径適用例を説明するための第2の管径変換ユニットの正面図。
【図27】上記第2の管径変換ユニットの管径適用例を説明するための第2の管径変換ユニットの側面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0013】
本発明の実施形態に係る自走式管内検査カメラ装置における走行ユニットを構成する管径変換ユニットの構成を図1に示し、同実施形態における管径φ450mm〜φ600mm対応管径変換ユニットを適用した自走式管内検査カメラ装置の外観構成を図2に示している。
【0014】
上記実施形態に係る自走式管内検査カメラ装置は、図1および図2に示すように、カメラ搭載部1Aを有し遠隔操作により検査対象配管内を配管方向に沿って自走する走行ユニットを構成する管径変換ユニット1と、カメラ搭載部1Aに搭載された撮像カメラ(カメラヘッド)5とを具備して構成される。この実施形態では、走行ユニットを備えた自走式の管内検査用カメラヘッドを搭載した管径変換ユニットを例に示している。
【0015】
走行ユニットを構成する管径変換ユニット1は、走行方向に直交する幅方向に軸線を沿わせて幅方向と直交する方向に所定の間隔で平行に配設された、前端、中間、後端の各駆動軸S1〜S4と、各駆動軸S1〜S4をそれぞれ回転駆動する駆動機構D1〜D4と、中間の駆動軸S2,S3の各両端(駆動出力軸)に軸着された中間動輪21M,21M,…,21Mと、検査対象配管が予め定めた第1の適用範囲となる最小適用範囲(例えば350mm〜500mm)内の管径にあるとき選択的に前端および後端の各駆動軸S1,S4の両端(駆動出力軸12,12)にそれぞれ軸着される、前記中間動輪21M,21M,…,21Mと同径若しくは略同径の前後各一対の第1の動輪(小車輪)21により構成される第1の管径変換アダプタ(CA1)と、検査対象配管が最小適用範囲より大径であるとき選択的に前端および後端の各駆動軸S1,S4の両端(駆動出力軸12,12)にそれぞれ軸着される前後各一対の管径変換アダプタ用取付アダプタ13,13,…,13と、検査対象配管が前記最小適用範囲より大径で、かつ予め定めた最大適用範囲の管径に至らない第2の適用範囲(例えば450mm〜600mm)に含まれる管径であるとき選択的に管径変換アダプタ用取付アダプタ13を介して前端および後端の各駆動軸S1,S4の両端(駆動出力軸)にそれぞれ軸着される第1の動輪21より大径の第2の動輪(中車輪)22、および管径変換アダプタ用取付アダプタ13と第2の動輪22との間に軸着された連結シャフト機構(シャフトケース)221を含む前後各一対の第2の管径変換アダプタ(CA2)と、検査対象配管が第2の適用範囲から最大適用範囲に至る第3の適用範囲(例えば600mm〜800mm)に含まれる管径であるとき選択的に管径変換アダプタ用取付アダプタ13を介して前端および後端の各駆動軸S1,S4の両端(駆動出力軸12,12)にそれぞれ軸着される第2の動輪22より大径の第3の動輪(大車輪)23、および管径変換アダプタ用取付アダプタ13と第3の動輪23との間に軸着された減速機構25を含む前後各一対の第3の管径変換アダプタ(CA3)と、カメラ搭載部1Aを昇降移動可能に支承する昇降機構41と、昇降機構41に設けられ、カメラ搭載部1Aに搭載された撮像カメラ5の高さ方向の位置を検査対象配管の管径と変換アダプタの使用状態に応じて可変制御する昇降位置調整機構42と、を具備して構成される。
【0016】
この実施形態では、中間の駆動軸を2軸(S2,S3)とし、各中間の駆動軸S2,S3がそれぞれ、段差や損傷により走行が難しい管路での走行を補助して、安定した牽引力を保つ走行補助機能を実現している。この中間の駆動軸は2軸に限らず、例えば1軸または3軸以上であってもよい。
【0017】
また同実施形態では、中間動輪21Mを中間の小車輪と称し、第1の管径変換アダプタ(CA1)の構成要素である第1の動輪21を小車輪と称し、第2の管径変換アダプタ(CA2)の構成要素である第2の動輪22を中車輪と称し、第3の管径変換アダプタ(CA3)の構成要素である第3の動輪23を大車輪と称している。また管径変換アダプタと管路の管径適用範囲との関係について、第1の管径変換アダプタ(CA1)を適用した場合の管路径の適用範囲を350mm〜500mm、第2の管径変換アダプタ(CA2)を適用した場合の管路径の適用範囲を450mm〜600mm、第3の管径変換アダプタ(CA3)を適用した場合の管路径の適用範囲を600mm〜800mmとし、上記適用範囲350mm〜500mmを第1の適用範囲、適用範囲450mm〜600mmを第2の適用範囲、適用範囲600mm〜800mmを第3の適用範囲と称している。ここでは、それぞれ適用管径の一部を重複させ、検査対象配管の管路径が多岐に亘る場合に、管径変換アダプタの交換頻度を抑制して作業負担の軽減を図っている。因みに図2では第2の適用範囲(450mm〜600mm)に含まれる管路を検査対象とする第2の管径変換アダプタ(CA2)を適用した場合の自走式管内検査カメラ装置の外観構成を示している。
【0018】
また同実施形態では、中間の駆動軸S2,S3と前端および後端の各駆動軸S1,S4との各軸間距離は、それぞれ等しく、かつ中間の小車輪(中間動輪)21Mの直径より長く、中車輪(第2の動輪)22の直径、および大車輪(第3の動輪)23の半径より短い構成として曲管部の走行性の向上を図っている。従って車輪相互が接触しないよう、図2、および図20乃至図27に示すように、小車輪(中間動輪)21Mと中車輪(第2の動輪)22、小車輪(中間動輪)21Mと大車輪(第3の動輪)23の各走行時における軌道および軌道の幅をそれぞれ異らせ、軸方向および軸と直交する方向に一定の間隔を存して配設される車輪取付構造としている。
【0019】
上記走行ユニットを構成する管径変換ユニット1は、管路走行台車を構成し、走行方向に縦長のメインフレーム10と、メインフレーム10の両側に設けられた一対の側板11,11とを具備し、一対の側板11,11に、各駆動軸S1〜S4が軸支されるとともに、駆動機構に含まれる軸間駆動伝達用の平型歯車機構D4が設けられ、メインフレーム10の前部に昇降機構(リンク機構)41が設けられるとともに昇降位置調整機構を構成するリフト位置調節機構(ジャッキアップ用六角ネジ頭)42が設けられ、前記メインフレームの中央部乃至後部に、駆動機構の駆動源となる駆動モータD1および該モータの回転駆動力を平型歯車機構D4に伝達するウォームギアD2を収容した収容室10aが設けられている。さらにメインフレーム10には、昇降機構(リンク機構)41を介して放熱フィン4fを有したLED外部照明4L、ガード(ガードレール)43、カメラ締め付け用のファスナー(留め具)45等が設けられている。また収容室10aの上部には、ケーブルコネクタCCに接続されるカメラコネクタ2、変換コネクタ2a、照明用コネクタ2b等が設けられている。走行ユニットを構成する管径変換ユニット1は、カメラケーブルC、およびケーブルコネクタCCを介して、外部から遠隔操作され、管路内を配管方向に沿い走行(自走)する。なお、この実施形態においては、カメラ搭載部1Aに、管径変換ユニット1で適用可能な管径より、より小径の管路内を配管方向に沿い走行(自走)する走行ユニットを備えたカメラヘッド5が搭載されている。
【0020】
昇降機構41は、図2に示すように、リンクを構成する複数のアーム(リフトアーム)41a,41b,…と、該アームの端点および中点を回動支点としたリンク機構により構成され、一部のリンクに、検査対象配管の適用管径に対するカメラヘッド5の高さ方向の位置調整を行うためのリフトガイド41pが設けられている。このリフトガイド41pは、アーム41a,41bの回動支点において、アーム41bに刻設された目盛り(図ではφ500、φ700、φ600の各ライン)をアーム41aのエッジegをスケール(読取ライン)として読み取る構成としている。
【0021】
この昇降機構41のリフト調整は、適用する管径変換アダプタ(CA1)〜(CA3)と検査対象配管の管路径とをもとに、リフト位置調節機構42を構成するジャッキアップ用六角ネジ頭の回転に伴う螺合位置調整により行われるもので、例えば図21および図23に示す管径変換アダプタ(CA2)を用いて、管路径が500mmの検査対象配管を検査するときは、アーム41bに刻設されたφ500の目盛り(φ500ライン)にアーム41aのエッジegを合わせる。このリフト調整の場合は、図20に実線で示すように、リフトアップによる高さ位置が少ない状態で、昇降機構41に支承されカメラ搭載部1Aに取り付けられたカメラヘッド5の高さ方向の位置が管路L2(φ500mm)の略中央に位置調整される。
【0022】
また、例えば図21および図23に示す管径変換アダプタ(CA2)を用いて、管路径が600mmの検査対象配管を検査するときは、アーム41bに刻設されたφ600の目盛り(φ600ライン)にアーム41aのエッジegを合わせる(図2参照)。このリフト調整の場合は、図20に二点鎖線で示すように、リフトアップによる高さ位置が最大となり、カメラヘッド5の高さ方向の位置が管路L3(φ600mm)の略中央に位置調整される。
【0023】
また、例えば図21および図23に示す管径変換アダプタ(CA2)を用いて、管路径が450mmの検査対象配管を検査するときは、図22に示すように、リフトアップによる高さ位置を最小とすることで、カメラヘッド5の高さ方向の位置が管路L1(φ450mm)の略中央に位置調整される。
【0024】
また、例えば図25および図27に示す管径変換アダプタ(CA3)を用いて、管路径が700mmの検査対象配管を検査するときは、アーム41bに刻設されたφ700の目盛り(φ700ライン)にアーム41aのエッジegを合わせる。このリフト調整の場合は、図24に実線で示すように、リフトアップによる高さ位置が中間位置となり、カメラヘッド5の高さ方向の位置が管路L5(φ700mm)の略中央に位置調整される。
【0025】
また、例えば図25および図27に示す管径変換アダプタ(CA3)を用いて、管路径が600mmの検査対象配管を検査するときは、図26に示すように、リフトアップによる高さ位置を最小とすることで、カメラヘッド5の高さ方向の位置が管路L4(φ600mm)の略中央に位置調整される。
【0026】
また、例えば図25および図27に示す管径変換アダプタ(CA3)を用いて、管路径が800mmの検査対象配管を検査するときは、図24に二点鎖線で示すように、リフトアップによる高さ位置を最大とすることで、カメラヘッド5の高さ方向の位置が管路L6(φ800mm)の略中央に位置調整される。
【0027】
このように、適用管径L4(φ600mm)に対しては昇降機構41のジャッキアップを最も低い位置にし、適用管径L5(φ700mm)に対しては昇降機構41に設けたリフトガイド41pのφ700mmの目盛りに合わせてジャッキアップを行い、適用管径L6(φ800mm)に対しては昇降機構41のジャッキアップを最も高い位置にすることで、各種の適用管径に合わせたカメラヘッド5の高さ位置調整を迅速かつ容易に行うことができる。
【0028】
減速機構25は、図3に示すように、入力軸251と出力軸253を同軸状に配置した遊星歯車機構により構成され、入力軸251と出力軸253との間に位置する遊星ギア252の内歯車(outer gear)255が管径変換アダプタ用取付アダプタ(カップリング機構)13に嵌合される構造としている。この減速機構25は、大車輪(第3の動輪)23による走行速度を中間の小車輪(中間動輪)21Mによる走行速度に近付けるとともに、連結した駆動軸S1,S4を軸方向に延長する延長シャフトとして作用する。管径変換アダプタ用取付アダプタ13と嵌合するめ内歯車255の周面には、管径変換アダプタ用取付アダプタ13に設けた6個のボール(真円球)134に係合するボール係合溝部svが設けられ、このボール係合溝部svに、管径変換アダプタ用取付アダプタ13のカップリング132に周方向に一定の間隔で保持された6個のボール(真円球)134が嵌め込まれることにより、減速機構25が管径変換アダプタ用取付アダプタ13に係合保持され、減速機構25が管径変換アダプタ用取付アダプタ13に軸方向に固定された状態で軸着される。すなわち、減速機構25と管径変換アダプタ用取付アダプタ13が同軸状に連結された状態でロックされる。このロックの解除(アンロック)は、管径変換アダプタ用取付アダプタ13のカップリング132に設けられたロックレバー135の操作で可能となる。このロック、アンロック操作については、図面を参照して後述する。
【0029】
管径変換アダプタ用取付アダプタ(カップリング機構)13は、図3乃至図5に示すように、カップリング嵌合部131aを有するフランジ131と、フランジ131のカップリング嵌合部131aに回転自在に嵌挿されたカップリング132と、カップリング132を介してフランジ131に固定されたガイド板133と、フランジ131のカップリング嵌合部131aに設けた6個の各ボール係合孔131bに嵌め込まれた6個のボール(真円球)134と、カップリング132の内周面に設けられたボール逃げ溝132dと、カップリング132の外周部に設けられたロックレバー(操作レバー)135と、カップリング132に設けたロックレバー135をカップリング132の軸周り方向に対して直交する管径変換アダプタの着脱方向(ロック方向)に押圧する押圧バネ137と、ロックレバー135の操作指示を示した表示ラベル138(図7、図8参照)とを具備して構成される。この表示ラベル138はフランジ131に貼着または印刷または刻設される。また、フランジ131には表示ラベル138の操作位置(ロック、解除)に対応して、図8および図12に示すように、解除位置で白マーク(W)、ロック位置で赤マーク(R)を表示する表示用の小窓が設けられている。
【0030】
管径変換アダプタ用取付アダプタ13に軸着(結合)される減速機構25、およびシャフトケース221の軸着(カップリング)部には、それぞれ該軸着部が軸方向に所定量嵌め込まれた際に、図5に示すように、フランジ131のカップリング嵌合部131aに設けた6個のボール(真円球)134と係合するボール係合溝部svが設けられている。このボール係合溝部svは、減速機構25、およびシャフトケース221の軸着部において、それぞれ同径かつ同形である。
【0031】
ロックレバー(操作レバー)135をロック解除(アンロック)した状態で、減速機構25またはシャフトケース221の軸着部を所定量管径変換アダプタ用取付アダプタ13のカップリング132内に挿入し、6個のボール(真円球)134がボール係合溝部svに係合した状態で、カップリング132に設けられたロックレバー135を表示ラベル138の操作指示に従い、カップリング132とともにカップリング132の周方向に所定量移動(カップリング132を周方向に回動)すると、表示ラベル138が示すロック位置において、ロックレバー135が押圧バネ137によりロック方向(軸方向)に押圧される。このロックレバー135の軸方向(軸着方向)移動に伴い、6個のボール(真円球)134がボール係合溝部svに係合した状態でボール逃げ溝132dから外れ、6個のボール(真円球)134がボール係合溝部svに嵌め込まれた状態を保持する。これによって減速機構25またはシャフトケース221が管径変換アダプタ用取付アダプタ(カップリング機構)13に軸方向結合された状態で軸着される。このロック状態を図5(a)および(b)に示している。このロック状態にある軸結合を解除(アンロック)する際は、ロック位置にあるロックレバー135を軸の離脱方向と反対の軸方向に所定量シフトした後、ロックレバー135を表示ラベル138の操作指示に従い、カップリング132とともにカップリング132の周方向に所定量移動(カップリング132を周方向に回動)する。このロックレバー135の軸方向(軸着方向)移動に伴い、6個のボール(真円球)134がボール逃げ溝132dに案内され、6個のボール(真円球)134がボール係合溝部svに対してフリー状態となる。これによって管径変換アダプタ用取付アダプタ(カップリング機構)13に軸方向結合されていた減速機構25またはシャフトケース221を管径変換アダプタ用取付アダプタ13から離脱させることができる。このロック解除(アンロック)状態を図5(c)および(d)に示している。
【0032】
管径変換アダプタ(CA1〜CA3)の交換手順を図6乃至図18を参照して説明する。図6乃至図12は第1の管径変換アダプタ(CA1)から第2の管径変換アダプタ(CA2)への交換例を示し、図13乃至図18はロック解除(フリー)状態から第3の管径変換アダプタ(CA3)への交換例を示している。
【0033】
第1の管径変換アダプタ(CA1)から第2の管径変換アダプタ(CA2)への交換作業を図6乃至図12を参照して説明する。
【0034】
(1).図6に示すように、ボックスレンチを用いて、第1の管径変換アダプタ(CA1)を構成する小車輪(第1の動輪)21を前端および後端の各駆動軸S1,S4の両端(駆動出力軸12,12)から外し、これに代わって、六角レンチを用い、管径変換アダプタ用取付アダプタ(カップリング機構)13を一対の側板11,11の各軸支部11bにネジ止めする。軸支部11bには、図示するように、通常使用する4個のネジ孔Ha,Ha,…,Hbと、このネジ孔が破損した場合を想定して上記ネジ孔と同数の予備のネジ孔Hb,Hb,…,Hbを設けている。ここでは通常使用する4個のネジ孔Ha,Ha,…,Hbを用いて管径変換アダプタ用取付アダプタ13を一対の側板11,11の各軸支部11bにネジ止めし固定する。
【0035】
(2).図7および図8に示すように、表示ラベル138の操作指示に従い、管径変換アダプタ用取付アダプタ13のロックレバー135を解除し、カップリング132を左回り(反時計方向)に回す。ここでは、解除位置の表示用の小窓に白マーク(W)が表示されるまでカップリング132を上記した反時計方向に回す。
【0036】
(3).図9および図10に示すように、管径変換アダプタ用取付アダプタ13の切欠きガイド133cに第2の管径変換アダプタ(CA2)のシャフトケース221に設けられた切り欠き221cを合わせ、駆動出力軸12に駆動伝達シャフト(入力軸)222のキー溝223が合うように中車輪(第2の動輪)22を回転させながら管径変換アダプタ用取付アダプタ13に第2の管径変換アダプタ(CA2)のシャフトケース221を挿入する。
【0037】
(4).図11および図12に示すように、管径変換アダプタ用取付アダプタ13のカップリング132を右回り(時計方向)に回し、管径変換アダプタ用取付アダプタ13に第2の管径変換アダプタ(CA2)をロックする。ここでは、ロック位置の表示用の小窓に赤マーク(R)が表示されるまでカップリング132を時計方向に回す。
【0038】
これにより、第1の管径変換アダプタ(CA1)から第2の管径変換アダプタ(CA2)への交換作業が終了する。
【0039】
ロック解除(フリー)状態から第3の管径変換アダプタ(CA3)への交換作業を図13乃至図18を参照して説明する。
【0040】
(1).図13および図14に示すように、表示ラベル138の操作指示に従い、管径変換アダプタ用取付アダプタ13のロックレバー135を解除し、カップリング132を左回り(反時計方向)に回す。ここでは、解除位置の表示用の小窓に白マーク(W)が表示されるまでカップリング132を反時計方向に回す。
【0041】
(2).図15および図16に示すように、管径変換アダプタ用取付アダプタ13の切欠きガイド133cに第3の管径変換アダプタ(CA3)の減速機構25に設けられた切り欠き切り欠き25cを合わせ、駆動出力軸12に減速機構25の入力軸251に設けられたキー溝256が合うように大車輪(第3の動輪)23を回転させながら管径変換アダプタ用取付アダプタ13に第3の管径変換アダプタ(CA3)の減速機構25を挿入する。
【0042】
(3).図17および図18に示すように、管径変換アダプタ用取付アダプタ13のカップリング132を右回り(時計方向)に回し、管径変換アダプタ用取付アダプタ13に第3の管径変換アダプタ(CA3)をロックする。ここでは、ロック位置の表示用の小窓に赤マーク(R)が表示されるまでカップリング132を時計方向に回す。
【0043】
これにより、第3の管径変換アダプタ(CA3)の取付作業または第3の管径変換アダプタ(CA3)への交換作業が終了する。
【0044】
上記した管径変換アダプタ(CA1〜CA3)を検査対象配管の管径に合わせて選択し、用いることで、1台の走行ユニットを構成する管径変換ユニット1をベースに、広範に亘る管内検査が可能になる。
【0045】
上記した第2の管径変換アダプタ(CA2)および第3の管径変換アダプタ(CA3)の適用管径と車輪径の一例を図19に示している。
【0046】
上記した第2の管径変換アダプタ(CA2)と各種適用管径とのカメラ位置関係を図20乃至図23に示し、上記した第3の管径変換アダプタ(CA3)と各種適用管径とのカメラ位置関係を図24乃至図27に示している。この各カメラ位置関係は前述しているので、ここではその説明を割愛する。
【0047】
上記した第1、第2の管径変換を使い分けて選択的に適用することで、2倍強の管径差をもつ広範な管径(350mm〜800mm)を対象に、検査対象となる配管内を円滑にかつ適正な速度で走行して、管内を斑なく的確に観察できる自走式管内検査カメラ装置が提供できる。
【0048】
なお、本発明は、前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組合わせてもよい。
【符号の説明】
【0049】
D1…駆動モータ、D2…ウォームギア、D3…駆動伝達軸、D4…平型歯車機構、S1〜S4…駆動軸(S1…前端の駆動軸、S2,S3…中間の駆動軸、S4…後端の駆動軸)、(CA1)…第1の管径変換アダプタ、(CA2)…第2の管径変換アダプタ、(CA3)…第3の管径変換アダプタ、1…走行ユニットを構成する管径変換ユニット(管路走行台車)、1A…カメラ搭載部、2…カメラコネクタ、2a…変換コネクタ、2b…照明用コネクタ、4L…外部照明、4f…放熱フィン、5…カメラヘッド、51…撮像部、10…メインフレーム、10a…収容室、11…側板、11b…軸支部、12…駆動出力軸、13…管径変換アダプタ用取付アダプタ(カップリング機構)、131…フランジ、131a…カップリング嵌合部、131b…ボール係合孔、132…カップリング、132a…ロックピン、132b…ガイドピン、132d…ボール逃げ溝、133…ガイド板、133a…ロックピン係合孔、133b…ガイドピン係合孔、133c…切欠きガイド、134…ボール(真円球)、135…ロックレバー(操作レバー)、137…押圧バネ、138…表示ラベル、21…小車輪(第1の動輪)、21M…小車輪(中間動輪)、22…中車輪(第2の動輪)、221…シャフトケース、221c…シャフトケース切り欠き、222…駆動伝達シャフト(入力軸)、223…キー溝、sv…ボール係合溝部、23…大車輪(第3の動輪)、231…ホイール、232…タイヤフランジ、233…六角ボルト、25…減速機構、25c…切り欠き、251…入力軸、252…遊星ギア、253…出力軸、255…内歯車(outer gear)、256…キー溝、41…昇降機構(リンク機構)、41a,41b…リンクアーム、41p…リフトガイド(適用管径彫刻部)、42…リフト位置調節機構(ジャッキアップ用六角ネジ頭)、43…ガード(ガードレール)、44…カメラクランプ、45…ファスナー(留具)、C…カメラケーブル、CC…ケーブルコネクタ、Ha…取付用ネジ孔、Hb…取付用予備ネジ孔、L1…管路(φ450mm)、L2…管路(φ500mm)、L3…管路(φ600mm)、L4…管路(φ600mm)、L5…管路(φ700mm)、L6…管路(φ800mm)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば水道管、下水管、ガス管などを検査する際に適用して好適な自走式管内検査カメラ装置および管径変換ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
水道管、下水管、ガス管などを検査対象配管として、配管内を遠隔操作により配管方向に走行させ、カメラ実装部に実装したカメラで配管内を撮影する自走式の管内検査カメラ装置が存在する。
【0003】
この種自走式管内検査カメラ装置は、検査対象となる配管内を円滑にかつ適正な速度で走行して、管内を斑なく的確に観察できるよう、検査対象配管(検査対象となる配管)の管径に応じて複数種類の管内検査カメラ装置を用意し、使い分けていた。従って、例えば検査対象配管の管径が多岐に亘る場合、それぞれの管径に適合した複数種の管内検査カメラ装置を用意しておかなければならなかった。
【0004】
この種の自走式の管内検査カメラ装置として、従来では、X状に交差するように配置された一対の拡縮ロッドを用いて一対のキャタピラー間を調整する機構を備えた管内探査装置(特許文献1参照)、駆動ユニットを支持底板に沿い移動させて固定する機構を備えた伏び管内調査カメラ装置(特許文献2参照)、管路の径に応じた複数の長さ寸法を有する複数種の脚部を用意し、管路の径に応じて脚部を付け替える構造とした管内検査カメラ等が存在した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3870864号公報
【特許文献2】特開2001−247033号公報
【特許文献3】実開平07−7263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、従来では、検査対象配管の管径が多岐に亘る場合、それぞれの管径に適合した複数種の管内検査カメラ装置を用意しておかなければならないという問題があった。
【0007】
本発明は、より広範な管路径を対象に、検査対象となる配管内を円滑にかつ適正な速度で走行して、管内を斑なく的確に観察できる自走式管内検査カメラ装置および管径変換ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、カメラ搭載部を有し遠隔操作により検査対象配管内を配管方向に沿って自走する走行ユニットを構成する複数種の管路径に対応した管径変換ユニットと、前記カメラ搭載部に搭載された撮像カメラとを具備した自走式管内検査カメラ装置であって、前記管径変換ユニットは、走行方向に直交する幅方向に軸線を沿わせて幅方向と直交する方向に所定の間隔で平行に配設された、前端、後端、中間の各駆動軸と、前記各駆動軸をそれぞれ回転駆動する駆動機構と、前記中間の駆動軸の両端に軸着された中間動輪と、前記検査対象配管が予め定めた第1の適用範囲となる最小適用範囲内の管径にあるとき選択的に前記前端および後端の各駆動軸の両端にそれぞれ軸着される前記中間動輪と同径若しくは略同径の前後各一対の第1の動輪により構成される第1の管径変換アダプタと、前記検査対象配管が前記最小適用範囲より大径であるとき選択的に前記前端および後端の各駆動軸の両端にそれぞれ軸着される前後各一対の管径変換アダプタ用取付アダプタと、前記検査対象配管が前記最小適用範囲より大径で、かつ予め定めた最大適用範囲の管径に至らない第2の適用範囲に含まれる管径であるとき選択的に前記管径変換アダプタ用取付アダプタを介して前記前端および後端の各駆動軸の両端にそれぞれ軸着される前記第1の動輪より大径の第2の動輪、および前記管径変換アダプタ用取付アダプタと前記第2の動輪との間に軸着された連結シャフト機構を含む前後各一対の第2の管径変換アダプタと、前記検査対象配管が前記第2の適用範囲から前記最大適用範囲に至る第3の適用範囲に含まれる管径であるとき選択的に前記管径変換アダプタ用取付アダプタを介して前記前端および後端の各駆動軸の両端にそれぞれ軸着される前記第2の動輪より大径の第3の動輪、および前記管径変換アダプタ用取付アダプタと前記第3の動輪との間に軸着された減速機構を含む前後各一対の第3の管径変換アダプタと、前記カメラ搭載部を昇降移動可能に支承する昇降機構と、前記昇降機構に設けられ、前記カメラ搭載部に搭載された前記撮像カメラの高さ方向の位置を前記検査対象配管の管径と前記変換アダプタの使用状態に応じて可変制御する昇降位置調整機構と、を具備したことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、カメラ搭載部を有し遠隔操作により検査対象配管内を配管方向に沿って自走する走行ユニットを構成する複数種の管路径に対応した管径変換ユニットであって、走行方向に直交する幅方向に軸線を沿わせて幅方向と直交する方向に所定の間隔で平行に配設された、前端、後端、中間の各駆動軸と、前記各駆動軸をそれぞれ回転駆動する駆動機構と、前記中間の駆動軸の両端に軸着された中間動輪と、前記検査対象配管が予め定めた第1の適用範囲となる最小適用範囲内の管径にあるとき選択的に前記前端および後端の各駆動軸の両端にそれぞれ軸着される前記中間動輪と同径若しくは略同径の前後各一対の第1の動輪により構成される第1の管径変換アダプタと、前記検査対象配管が前記最小適用範囲より大径であるとき選択的に前記前端および後端の各駆動軸の両端にそれぞれ軸着される前後各一対の管径変換アダプタ用取付アダプタと、前記検査対象配管が前記最小適用範囲より大径で、かつ予め定めた最大適用範囲の管径に至らない第2の適用範囲に含まれる管径であるとき選択的に前記管径変換アダプタ用取付アダプタを介して前記前端および後端の各駆動軸の両端にそれぞれ軸着される前記第1の動輪より大径の第2の動輪、および前記管径変換アダプタ用取付アダプタと前記第2の動輪との間に軸着された連結シャフト機構を含む前後各一対の第2の管径変換アダプタと、前記検査対象配管が前記第2の適用範囲から前記最大適用範囲に至る第3の適用範囲に含まれる管径であるとき選択的に前記管径変換アダプタ用取付アダプタを介して前記前端および後端の各駆動軸の両端にそれぞれ軸着される前記第2の動輪より大径の第3の動輪、および前記管径変換アダプタ用取付アダプタと前記第3の動輪との間に軸着された減速機構を含む前後各一対の第3の管径変換アダプタと、前記カメラ搭載部を昇降移動可能に支承する昇降機構と、前記昇降機構に設けられ、前記カメラ搭載部に搭載された前記撮像カメラの高さ方向の位置を前記検査対象配管の管径と前記変換アダプタの使用状態に応じて可変制御する昇降位置調整機構と、を具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、より広範な管路径を対象に、検査対象となる配管内を円滑にかつ適正な速度で走行して、管内を斑なく的確に観察できる自走式管内検査カメラ装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る自走式管内検査カメラ装置における走行ユニットを構成する管径変換ユニットの構成を示す組立図。
【図2】上記実施形態における管径φ450mm〜φ600mm対応の管径変換ユニットを適用した自走式管内検査カメラ装置の外観構成を示す斜視図。
【図3】上記実施形態における管径φ600mm〜φ800mm対応の管径変換ユニットの構成を示す断面図。
【図4】上記実施形態における管径変換アダプタ用取付アダプタの組立構造を示す斜視図。
【図5】上記管径変換アダプタ用取付アダプタのカップリング(ロック/アンロック)機構を説明するための状態図。
【図6】上記実施形態において駆動出力軸に管径変換アダプタ用取付アダプタを取り付ける手順を説明するための斜視図。
【図7】上記管径変換アダプタ用取付アダプタに第1の管径変換アダプタを取り付ける手順を説明するための管径変換アダプタ用取付アダプタの状態を示す斜視図。
【図8】上記管径変換アダプタ用取付アダプタに第1の管径変換アダプタを取り付ける手順を説明するための管径変換アダプタ用取付アダプタの状態を示す側面図。
【図9】上記管径変換アダプタ用取付アダプタに第1の管径変換アダプタを取り付ける手順を説明するための取り付け状態を示す斜視図。
【図10】上記管径変換アダプタ用取付アダプタに第1の管径変換アダプタを取り付ける手順を説明するための第1の管径変換アダプタの構成を示す斜視図。
【図11】上記管径変換アダプタ用取付アダプタに第1の管径変換アダプタを取り付け手順を説明するための取り付け状態を示す斜視図。
【図12】上記管径変換アダプタ用取付アダプタに第1の管径変換アダプタを取り付ける手順を説明するための管径変換アダプタ用取付アダプタの状態を示す側面図。
【図13】上記管径変換アダプタ用取付アダプタに第2の管径変換アダプタを取り付ける手順を説明するための管径変換アダプタ用取付アダプタの状態を示す斜視図。
【図14】上記管径変換アダプタ用取付アダプタに第2の管径変換アダプタを取り付ける手順を説明するための管径変換アダプタ用取付アダプタの状態を示す側面図。
【図15】上記管径変換アダプタ用取付アダプタに第2の管径変換アダプタを取り付ける手順を説明するための取り付け状態を示す斜視図。
【図16】上記管径変換アダプタ用取付アダプタに第2の管径変換アダプタを取り付ける手順を説明するための第2の管径変換アダプタの構成を示す斜視図。
【図17】上記管径変換アダプタ用取付アダプタに第2の管径変換アダプタを取り付ける手順を説明するための取り付け状態を示す斜視図。
【図18】上記管径変換アダプタ用取付アダプタに第2の管径変換アダプタを取り付ける手順を説明するための管径変換アダプタ用取付アダプタの状態を示す側面図。
【図19】上記第1、第2の管径変換アダプタと適用管径との関係を説明するための図。
【図20】上記第1の管径変換ユニットの管径適用例を説明するための第1の管径変換ユニットの正面図。
【図21】上記第1の管径変換ユニットの管径適用例を説明するための第1の管径変換ユニットの上面図。
【図22】上記第1の管径変換ユニットの管径適用例を説明するための第1の管径変換ユニットの正面図。
【図23】上記第1の管径変換ユニットの管径適用例を説明するための第1の管径変換ユニットの側面図。
【図24】上記第2の管径変換ユニットの管径適用例を説明するための第2の管径変換ユニットの正面図。
【図25】上記第2の管径変換ユニットの管径適用例を説明するための第2の管径変換ユニットの上面図。
【図26】上記第2の管径変換ユニットの管径適用例を説明するための第2の管径変換ユニットの正面図。
【図27】上記第2の管径変換ユニットの管径適用例を説明するための第2の管径変換ユニットの側面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0013】
本発明の実施形態に係る自走式管内検査カメラ装置における走行ユニットを構成する管径変換ユニットの構成を図1に示し、同実施形態における管径φ450mm〜φ600mm対応管径変換ユニットを適用した自走式管内検査カメラ装置の外観構成を図2に示している。
【0014】
上記実施形態に係る自走式管内検査カメラ装置は、図1および図2に示すように、カメラ搭載部1Aを有し遠隔操作により検査対象配管内を配管方向に沿って自走する走行ユニットを構成する管径変換ユニット1と、カメラ搭載部1Aに搭載された撮像カメラ(カメラヘッド)5とを具備して構成される。この実施形態では、走行ユニットを備えた自走式の管内検査用カメラヘッドを搭載した管径変換ユニットを例に示している。
【0015】
走行ユニットを構成する管径変換ユニット1は、走行方向に直交する幅方向に軸線を沿わせて幅方向と直交する方向に所定の間隔で平行に配設された、前端、中間、後端の各駆動軸S1〜S4と、各駆動軸S1〜S4をそれぞれ回転駆動する駆動機構D1〜D4と、中間の駆動軸S2,S3の各両端(駆動出力軸)に軸着された中間動輪21M,21M,…,21Mと、検査対象配管が予め定めた第1の適用範囲となる最小適用範囲(例えば350mm〜500mm)内の管径にあるとき選択的に前端および後端の各駆動軸S1,S4の両端(駆動出力軸12,12)にそれぞれ軸着される、前記中間動輪21M,21M,…,21Mと同径若しくは略同径の前後各一対の第1の動輪(小車輪)21により構成される第1の管径変換アダプタ(CA1)と、検査対象配管が最小適用範囲より大径であるとき選択的に前端および後端の各駆動軸S1,S4の両端(駆動出力軸12,12)にそれぞれ軸着される前後各一対の管径変換アダプタ用取付アダプタ13,13,…,13と、検査対象配管が前記最小適用範囲より大径で、かつ予め定めた最大適用範囲の管径に至らない第2の適用範囲(例えば450mm〜600mm)に含まれる管径であるとき選択的に管径変換アダプタ用取付アダプタ13を介して前端および後端の各駆動軸S1,S4の両端(駆動出力軸)にそれぞれ軸着される第1の動輪21より大径の第2の動輪(中車輪)22、および管径変換アダプタ用取付アダプタ13と第2の動輪22との間に軸着された連結シャフト機構(シャフトケース)221を含む前後各一対の第2の管径変換アダプタ(CA2)と、検査対象配管が第2の適用範囲から最大適用範囲に至る第3の適用範囲(例えば600mm〜800mm)に含まれる管径であるとき選択的に管径変換アダプタ用取付アダプタ13を介して前端および後端の各駆動軸S1,S4の両端(駆動出力軸12,12)にそれぞれ軸着される第2の動輪22より大径の第3の動輪(大車輪)23、および管径変換アダプタ用取付アダプタ13と第3の動輪23との間に軸着された減速機構25を含む前後各一対の第3の管径変換アダプタ(CA3)と、カメラ搭載部1Aを昇降移動可能に支承する昇降機構41と、昇降機構41に設けられ、カメラ搭載部1Aに搭載された撮像カメラ5の高さ方向の位置を検査対象配管の管径と変換アダプタの使用状態に応じて可変制御する昇降位置調整機構42と、を具備して構成される。
【0016】
この実施形態では、中間の駆動軸を2軸(S2,S3)とし、各中間の駆動軸S2,S3がそれぞれ、段差や損傷により走行が難しい管路での走行を補助して、安定した牽引力を保つ走行補助機能を実現している。この中間の駆動軸は2軸に限らず、例えば1軸または3軸以上であってもよい。
【0017】
また同実施形態では、中間動輪21Mを中間の小車輪と称し、第1の管径変換アダプタ(CA1)の構成要素である第1の動輪21を小車輪と称し、第2の管径変換アダプタ(CA2)の構成要素である第2の動輪22を中車輪と称し、第3の管径変換アダプタ(CA3)の構成要素である第3の動輪23を大車輪と称している。また管径変換アダプタと管路の管径適用範囲との関係について、第1の管径変換アダプタ(CA1)を適用した場合の管路径の適用範囲を350mm〜500mm、第2の管径変換アダプタ(CA2)を適用した場合の管路径の適用範囲を450mm〜600mm、第3の管径変換アダプタ(CA3)を適用した場合の管路径の適用範囲を600mm〜800mmとし、上記適用範囲350mm〜500mmを第1の適用範囲、適用範囲450mm〜600mmを第2の適用範囲、適用範囲600mm〜800mmを第3の適用範囲と称している。ここでは、それぞれ適用管径の一部を重複させ、検査対象配管の管路径が多岐に亘る場合に、管径変換アダプタの交換頻度を抑制して作業負担の軽減を図っている。因みに図2では第2の適用範囲(450mm〜600mm)に含まれる管路を検査対象とする第2の管径変換アダプタ(CA2)を適用した場合の自走式管内検査カメラ装置の外観構成を示している。
【0018】
また同実施形態では、中間の駆動軸S2,S3と前端および後端の各駆動軸S1,S4との各軸間距離は、それぞれ等しく、かつ中間の小車輪(中間動輪)21Mの直径より長く、中車輪(第2の動輪)22の直径、および大車輪(第3の動輪)23の半径より短い構成として曲管部の走行性の向上を図っている。従って車輪相互が接触しないよう、図2、および図20乃至図27に示すように、小車輪(中間動輪)21Mと中車輪(第2の動輪)22、小車輪(中間動輪)21Mと大車輪(第3の動輪)23の各走行時における軌道および軌道の幅をそれぞれ異らせ、軸方向および軸と直交する方向に一定の間隔を存して配設される車輪取付構造としている。
【0019】
上記走行ユニットを構成する管径変換ユニット1は、管路走行台車を構成し、走行方向に縦長のメインフレーム10と、メインフレーム10の両側に設けられた一対の側板11,11とを具備し、一対の側板11,11に、各駆動軸S1〜S4が軸支されるとともに、駆動機構に含まれる軸間駆動伝達用の平型歯車機構D4が設けられ、メインフレーム10の前部に昇降機構(リンク機構)41が設けられるとともに昇降位置調整機構を構成するリフト位置調節機構(ジャッキアップ用六角ネジ頭)42が設けられ、前記メインフレームの中央部乃至後部に、駆動機構の駆動源となる駆動モータD1および該モータの回転駆動力を平型歯車機構D4に伝達するウォームギアD2を収容した収容室10aが設けられている。さらにメインフレーム10には、昇降機構(リンク機構)41を介して放熱フィン4fを有したLED外部照明4L、ガード(ガードレール)43、カメラ締め付け用のファスナー(留め具)45等が設けられている。また収容室10aの上部には、ケーブルコネクタCCに接続されるカメラコネクタ2、変換コネクタ2a、照明用コネクタ2b等が設けられている。走行ユニットを構成する管径変換ユニット1は、カメラケーブルC、およびケーブルコネクタCCを介して、外部から遠隔操作され、管路内を配管方向に沿い走行(自走)する。なお、この実施形態においては、カメラ搭載部1Aに、管径変換ユニット1で適用可能な管径より、より小径の管路内を配管方向に沿い走行(自走)する走行ユニットを備えたカメラヘッド5が搭載されている。
【0020】
昇降機構41は、図2に示すように、リンクを構成する複数のアーム(リフトアーム)41a,41b,…と、該アームの端点および中点を回動支点としたリンク機構により構成され、一部のリンクに、検査対象配管の適用管径に対するカメラヘッド5の高さ方向の位置調整を行うためのリフトガイド41pが設けられている。このリフトガイド41pは、アーム41a,41bの回動支点において、アーム41bに刻設された目盛り(図ではφ500、φ700、φ600の各ライン)をアーム41aのエッジegをスケール(読取ライン)として読み取る構成としている。
【0021】
この昇降機構41のリフト調整は、適用する管径変換アダプタ(CA1)〜(CA3)と検査対象配管の管路径とをもとに、リフト位置調節機構42を構成するジャッキアップ用六角ネジ頭の回転に伴う螺合位置調整により行われるもので、例えば図21および図23に示す管径変換アダプタ(CA2)を用いて、管路径が500mmの検査対象配管を検査するときは、アーム41bに刻設されたφ500の目盛り(φ500ライン)にアーム41aのエッジegを合わせる。このリフト調整の場合は、図20に実線で示すように、リフトアップによる高さ位置が少ない状態で、昇降機構41に支承されカメラ搭載部1Aに取り付けられたカメラヘッド5の高さ方向の位置が管路L2(φ500mm)の略中央に位置調整される。
【0022】
また、例えば図21および図23に示す管径変換アダプタ(CA2)を用いて、管路径が600mmの検査対象配管を検査するときは、アーム41bに刻設されたφ600の目盛り(φ600ライン)にアーム41aのエッジegを合わせる(図2参照)。このリフト調整の場合は、図20に二点鎖線で示すように、リフトアップによる高さ位置が最大となり、カメラヘッド5の高さ方向の位置が管路L3(φ600mm)の略中央に位置調整される。
【0023】
また、例えば図21および図23に示す管径変換アダプタ(CA2)を用いて、管路径が450mmの検査対象配管を検査するときは、図22に示すように、リフトアップによる高さ位置を最小とすることで、カメラヘッド5の高さ方向の位置が管路L1(φ450mm)の略中央に位置調整される。
【0024】
また、例えば図25および図27に示す管径変換アダプタ(CA3)を用いて、管路径が700mmの検査対象配管を検査するときは、アーム41bに刻設されたφ700の目盛り(φ700ライン)にアーム41aのエッジegを合わせる。このリフト調整の場合は、図24に実線で示すように、リフトアップによる高さ位置が中間位置となり、カメラヘッド5の高さ方向の位置が管路L5(φ700mm)の略中央に位置調整される。
【0025】
また、例えば図25および図27に示す管径変換アダプタ(CA3)を用いて、管路径が600mmの検査対象配管を検査するときは、図26に示すように、リフトアップによる高さ位置を最小とすることで、カメラヘッド5の高さ方向の位置が管路L4(φ600mm)の略中央に位置調整される。
【0026】
また、例えば図25および図27に示す管径変換アダプタ(CA3)を用いて、管路径が800mmの検査対象配管を検査するときは、図24に二点鎖線で示すように、リフトアップによる高さ位置を最大とすることで、カメラヘッド5の高さ方向の位置が管路L6(φ800mm)の略中央に位置調整される。
【0027】
このように、適用管径L4(φ600mm)に対しては昇降機構41のジャッキアップを最も低い位置にし、適用管径L5(φ700mm)に対しては昇降機構41に設けたリフトガイド41pのφ700mmの目盛りに合わせてジャッキアップを行い、適用管径L6(φ800mm)に対しては昇降機構41のジャッキアップを最も高い位置にすることで、各種の適用管径に合わせたカメラヘッド5の高さ位置調整を迅速かつ容易に行うことができる。
【0028】
減速機構25は、図3に示すように、入力軸251と出力軸253を同軸状に配置した遊星歯車機構により構成され、入力軸251と出力軸253との間に位置する遊星ギア252の内歯車(outer gear)255が管径変換アダプタ用取付アダプタ(カップリング機構)13に嵌合される構造としている。この減速機構25は、大車輪(第3の動輪)23による走行速度を中間の小車輪(中間動輪)21Mによる走行速度に近付けるとともに、連結した駆動軸S1,S4を軸方向に延長する延長シャフトとして作用する。管径変換アダプタ用取付アダプタ13と嵌合するめ内歯車255の周面には、管径変換アダプタ用取付アダプタ13に設けた6個のボール(真円球)134に係合するボール係合溝部svが設けられ、このボール係合溝部svに、管径変換アダプタ用取付アダプタ13のカップリング132に周方向に一定の間隔で保持された6個のボール(真円球)134が嵌め込まれることにより、減速機構25が管径変換アダプタ用取付アダプタ13に係合保持され、減速機構25が管径変換アダプタ用取付アダプタ13に軸方向に固定された状態で軸着される。すなわち、減速機構25と管径変換アダプタ用取付アダプタ13が同軸状に連結された状態でロックされる。このロックの解除(アンロック)は、管径変換アダプタ用取付アダプタ13のカップリング132に設けられたロックレバー135の操作で可能となる。このロック、アンロック操作については、図面を参照して後述する。
【0029】
管径変換アダプタ用取付アダプタ(カップリング機構)13は、図3乃至図5に示すように、カップリング嵌合部131aを有するフランジ131と、フランジ131のカップリング嵌合部131aに回転自在に嵌挿されたカップリング132と、カップリング132を介してフランジ131に固定されたガイド板133と、フランジ131のカップリング嵌合部131aに設けた6個の各ボール係合孔131bに嵌め込まれた6個のボール(真円球)134と、カップリング132の内周面に設けられたボール逃げ溝132dと、カップリング132の外周部に設けられたロックレバー(操作レバー)135と、カップリング132に設けたロックレバー135をカップリング132の軸周り方向に対して直交する管径変換アダプタの着脱方向(ロック方向)に押圧する押圧バネ137と、ロックレバー135の操作指示を示した表示ラベル138(図7、図8参照)とを具備して構成される。この表示ラベル138はフランジ131に貼着または印刷または刻設される。また、フランジ131には表示ラベル138の操作位置(ロック、解除)に対応して、図8および図12に示すように、解除位置で白マーク(W)、ロック位置で赤マーク(R)を表示する表示用の小窓が設けられている。
【0030】
管径変換アダプタ用取付アダプタ13に軸着(結合)される減速機構25、およびシャフトケース221の軸着(カップリング)部には、それぞれ該軸着部が軸方向に所定量嵌め込まれた際に、図5に示すように、フランジ131のカップリング嵌合部131aに設けた6個のボール(真円球)134と係合するボール係合溝部svが設けられている。このボール係合溝部svは、減速機構25、およびシャフトケース221の軸着部において、それぞれ同径かつ同形である。
【0031】
ロックレバー(操作レバー)135をロック解除(アンロック)した状態で、減速機構25またはシャフトケース221の軸着部を所定量管径変換アダプタ用取付アダプタ13のカップリング132内に挿入し、6個のボール(真円球)134がボール係合溝部svに係合した状態で、カップリング132に設けられたロックレバー135を表示ラベル138の操作指示に従い、カップリング132とともにカップリング132の周方向に所定量移動(カップリング132を周方向に回動)すると、表示ラベル138が示すロック位置において、ロックレバー135が押圧バネ137によりロック方向(軸方向)に押圧される。このロックレバー135の軸方向(軸着方向)移動に伴い、6個のボール(真円球)134がボール係合溝部svに係合した状態でボール逃げ溝132dから外れ、6個のボール(真円球)134がボール係合溝部svに嵌め込まれた状態を保持する。これによって減速機構25またはシャフトケース221が管径変換アダプタ用取付アダプタ(カップリング機構)13に軸方向結合された状態で軸着される。このロック状態を図5(a)および(b)に示している。このロック状態にある軸結合を解除(アンロック)する際は、ロック位置にあるロックレバー135を軸の離脱方向と反対の軸方向に所定量シフトした後、ロックレバー135を表示ラベル138の操作指示に従い、カップリング132とともにカップリング132の周方向に所定量移動(カップリング132を周方向に回動)する。このロックレバー135の軸方向(軸着方向)移動に伴い、6個のボール(真円球)134がボール逃げ溝132dに案内され、6個のボール(真円球)134がボール係合溝部svに対してフリー状態となる。これによって管径変換アダプタ用取付アダプタ(カップリング機構)13に軸方向結合されていた減速機構25またはシャフトケース221を管径変換アダプタ用取付アダプタ13から離脱させることができる。このロック解除(アンロック)状態を図5(c)および(d)に示している。
【0032】
管径変換アダプタ(CA1〜CA3)の交換手順を図6乃至図18を参照して説明する。図6乃至図12は第1の管径変換アダプタ(CA1)から第2の管径変換アダプタ(CA2)への交換例を示し、図13乃至図18はロック解除(フリー)状態から第3の管径変換アダプタ(CA3)への交換例を示している。
【0033】
第1の管径変換アダプタ(CA1)から第2の管径変換アダプタ(CA2)への交換作業を図6乃至図12を参照して説明する。
【0034】
(1).図6に示すように、ボックスレンチを用いて、第1の管径変換アダプタ(CA1)を構成する小車輪(第1の動輪)21を前端および後端の各駆動軸S1,S4の両端(駆動出力軸12,12)から外し、これに代わって、六角レンチを用い、管径変換アダプタ用取付アダプタ(カップリング機構)13を一対の側板11,11の各軸支部11bにネジ止めする。軸支部11bには、図示するように、通常使用する4個のネジ孔Ha,Ha,…,Hbと、このネジ孔が破損した場合を想定して上記ネジ孔と同数の予備のネジ孔Hb,Hb,…,Hbを設けている。ここでは通常使用する4個のネジ孔Ha,Ha,…,Hbを用いて管径変換アダプタ用取付アダプタ13を一対の側板11,11の各軸支部11bにネジ止めし固定する。
【0035】
(2).図7および図8に示すように、表示ラベル138の操作指示に従い、管径変換アダプタ用取付アダプタ13のロックレバー135を解除し、カップリング132を左回り(反時計方向)に回す。ここでは、解除位置の表示用の小窓に白マーク(W)が表示されるまでカップリング132を上記した反時計方向に回す。
【0036】
(3).図9および図10に示すように、管径変換アダプタ用取付アダプタ13の切欠きガイド133cに第2の管径変換アダプタ(CA2)のシャフトケース221に設けられた切り欠き221cを合わせ、駆動出力軸12に駆動伝達シャフト(入力軸)222のキー溝223が合うように中車輪(第2の動輪)22を回転させながら管径変換アダプタ用取付アダプタ13に第2の管径変換アダプタ(CA2)のシャフトケース221を挿入する。
【0037】
(4).図11および図12に示すように、管径変換アダプタ用取付アダプタ13のカップリング132を右回り(時計方向)に回し、管径変換アダプタ用取付アダプタ13に第2の管径変換アダプタ(CA2)をロックする。ここでは、ロック位置の表示用の小窓に赤マーク(R)が表示されるまでカップリング132を時計方向に回す。
【0038】
これにより、第1の管径変換アダプタ(CA1)から第2の管径変換アダプタ(CA2)への交換作業が終了する。
【0039】
ロック解除(フリー)状態から第3の管径変換アダプタ(CA3)への交換作業を図13乃至図18を参照して説明する。
【0040】
(1).図13および図14に示すように、表示ラベル138の操作指示に従い、管径変換アダプタ用取付アダプタ13のロックレバー135を解除し、カップリング132を左回り(反時計方向)に回す。ここでは、解除位置の表示用の小窓に白マーク(W)が表示されるまでカップリング132を反時計方向に回す。
【0041】
(2).図15および図16に示すように、管径変換アダプタ用取付アダプタ13の切欠きガイド133cに第3の管径変換アダプタ(CA3)の減速機構25に設けられた切り欠き切り欠き25cを合わせ、駆動出力軸12に減速機構25の入力軸251に設けられたキー溝256が合うように大車輪(第3の動輪)23を回転させながら管径変換アダプタ用取付アダプタ13に第3の管径変換アダプタ(CA3)の減速機構25を挿入する。
【0042】
(3).図17および図18に示すように、管径変換アダプタ用取付アダプタ13のカップリング132を右回り(時計方向)に回し、管径変換アダプタ用取付アダプタ13に第3の管径変換アダプタ(CA3)をロックする。ここでは、ロック位置の表示用の小窓に赤マーク(R)が表示されるまでカップリング132を時計方向に回す。
【0043】
これにより、第3の管径変換アダプタ(CA3)の取付作業または第3の管径変換アダプタ(CA3)への交換作業が終了する。
【0044】
上記した管径変換アダプタ(CA1〜CA3)を検査対象配管の管径に合わせて選択し、用いることで、1台の走行ユニットを構成する管径変換ユニット1をベースに、広範に亘る管内検査が可能になる。
【0045】
上記した第2の管径変換アダプタ(CA2)および第3の管径変換アダプタ(CA3)の適用管径と車輪径の一例を図19に示している。
【0046】
上記した第2の管径変換アダプタ(CA2)と各種適用管径とのカメラ位置関係を図20乃至図23に示し、上記した第3の管径変換アダプタ(CA3)と各種適用管径とのカメラ位置関係を図24乃至図27に示している。この各カメラ位置関係は前述しているので、ここではその説明を割愛する。
【0047】
上記した第1、第2の管径変換を使い分けて選択的に適用することで、2倍強の管径差をもつ広範な管径(350mm〜800mm)を対象に、検査対象となる配管内を円滑にかつ適正な速度で走行して、管内を斑なく的確に観察できる自走式管内検査カメラ装置が提供できる。
【0048】
なお、本発明は、前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組合わせてもよい。
【符号の説明】
【0049】
D1…駆動モータ、D2…ウォームギア、D3…駆動伝達軸、D4…平型歯車機構、S1〜S4…駆動軸(S1…前端の駆動軸、S2,S3…中間の駆動軸、S4…後端の駆動軸)、(CA1)…第1の管径変換アダプタ、(CA2)…第2の管径変換アダプタ、(CA3)…第3の管径変換アダプタ、1…走行ユニットを構成する管径変換ユニット(管路走行台車)、1A…カメラ搭載部、2…カメラコネクタ、2a…変換コネクタ、2b…照明用コネクタ、4L…外部照明、4f…放熱フィン、5…カメラヘッド、51…撮像部、10…メインフレーム、10a…収容室、11…側板、11b…軸支部、12…駆動出力軸、13…管径変換アダプタ用取付アダプタ(カップリング機構)、131…フランジ、131a…カップリング嵌合部、131b…ボール係合孔、132…カップリング、132a…ロックピン、132b…ガイドピン、132d…ボール逃げ溝、133…ガイド板、133a…ロックピン係合孔、133b…ガイドピン係合孔、133c…切欠きガイド、134…ボール(真円球)、135…ロックレバー(操作レバー)、137…押圧バネ、138…表示ラベル、21…小車輪(第1の動輪)、21M…小車輪(中間動輪)、22…中車輪(第2の動輪)、221…シャフトケース、221c…シャフトケース切り欠き、222…駆動伝達シャフト(入力軸)、223…キー溝、sv…ボール係合溝部、23…大車輪(第3の動輪)、231…ホイール、232…タイヤフランジ、233…六角ボルト、25…減速機構、25c…切り欠き、251…入力軸、252…遊星ギア、253…出力軸、255…内歯車(outer gear)、256…キー溝、41…昇降機構(リンク機構)、41a,41b…リンクアーム、41p…リフトガイド(適用管径彫刻部)、42…リフト位置調節機構(ジャッキアップ用六角ネジ頭)、43…ガード(ガードレール)、44…カメラクランプ、45…ファスナー(留具)、C…カメラケーブル、CC…ケーブルコネクタ、Ha…取付用ネジ孔、Hb…取付用予備ネジ孔、L1…管路(φ450mm)、L2…管路(φ500mm)、L3…管路(φ600mm)、L4…管路(φ600mm)、L5…管路(φ700mm)、L6…管路(φ800mm)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラ搭載部を有し遠隔操作により検査対象配管内を配管方向に沿って自走する走行ユニットを構成する複数種の管路径に対応した管径変換ユニットと、前記カメラ搭載部に搭載された撮像カメラとを具備した自走式管内検査カメラ装置であって、
前記管径変換ユニットは、
走行方向に直交する幅方向に軸線を沿わせて幅方向と直交する方向に所定の間隔で平行に配設された、前端、後端、中間の各駆動軸と、
前記各駆動軸をそれぞれ回転駆動する駆動機構と、
前記中間の駆動軸の両端に軸着された中間動輪と、
前記検査対象配管が予め定めた第1の適用範囲となる最小適用範囲内の管径にあるとき選択的に前記前端および後端の各駆動軸の両端にそれぞれ軸着される前記中間動輪と同径若しくは略同径の前後各一対の第1の動輪により構成される第1の管径変換アダプタと、
前記検査対象配管が前記最小適用範囲より大径であるとき選択的に前記前端および後端の各駆動軸の両端にそれぞれ軸着される前後各一対の管径変換アダプタ用取付アダプタと、
前記検査対象配管が前記最小適用範囲より大径で、かつ予め定めた最大適用範囲の管径に至らない第2の適用範囲に含まれる管径であるとき選択的に前記管径変換アダプタ用取付アダプタを介して前記前端および後端の各駆動軸の両端にそれぞれ軸着される前記第1の動輪より大径の第2の動輪、および前記管径変換アダプタ用取付アダプタと前記第2の動輪との間に軸着された連結シャフト機構を含む前後各一対の第2の管径変換アダプタと、
前記検査対象配管が前記第2の適用範囲から前記最大適用範囲に至る第3の適用範囲に含まれる管径であるとき選択的に前記管径変換アダプタ用取付アダプタを介して前記前端および後端の各駆動軸の両端にそれぞれ軸着される前記第2の動輪より大径の第3の動輪、および前記管径変換アダプタ用取付アダプタと前記第3の動輪との間に軸着された減速機構を含む前後各一対の第3の管径変換アダプタと、
前記カメラ搭載部を昇降移動可能に支承する昇降機構と、
前記昇降機構に設けられ、前記カメラ搭載部に搭載された前記撮像カメラの高さ方向の位置を前記検査対象配管の管径と前記変換アダプタの使用状態に応じて可変制御する昇降位置調整機構と、
を具備したことを特徴とする自走式管内検査カメラ装置。
【請求項2】
前記管径変換ユニットは、前記走行方向に縦長のメインフレームと、前記メインフレームの両側に設けられた一対の側板とを具備し、前記一対の側板に、前記各駆動軸が軸支されるとともに、前記駆動機構に含まれる軸間駆動伝達用の平型歯車機構が設けられ、前記メインフレームの前部に前記昇降機構と前記昇降位置調整機構が設けられ、前記メインフレームの中央部乃至後部に、前記駆動機構の駆動源となるモータと該モータの回転駆動力を前記平型歯車機構に伝達するウォームギアを用いた駆動伝達機構を収容した収容室が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の自走式管内検査カメラ装置。
【請求項3】
前記減速機構は、入力軸と出力軸を同軸状に配置した遊星歯車機構により構成され、前記遊星歯車機構の内歯車が前記管径変換アダプタ用取付アダプタに嵌合される構造であることを特徴とする請求項1に記載の自走式管内検査カメラ装置。
【請求項4】
前記減速機構は、前記第3の動輪による走行速度を前記中間動輪による走行速度に近付けるとともに連結した駆動軸を軸方向に延長する延長シャフトとして作用する請求項1または3に記載の自走式管内検査カメラ装置。
【請求項5】
前記前端および後端の各駆動軸と前記中間の駆動軸との各軸間距離は、前記中間動輪の直径より長く、前記第2の動輪の直径、および前記第3の動輪の半径より短いことを特徴とする請求項1に記載の自走式管内検査カメラ装置。
【請求項6】
前記中間動輪と前記第2の動輪と前記第3の動輪はそれぞれ軌道および軌道の幅を異にし、軸方向および軸と直交する方向に一定の間隔を存して配設される取付構造であることを特徴とする請求項4に記載の自走式管内検査カメラ装置。
【請求項7】
前記昇降機構は、複数のアームと、該アームの端点および中点を回動支点としたリンク機構により構成され、一部のリンクに、前記検査対象配管の適用管径に対する前記カメラヘッドの高さ方向の位置調整を行うためのリフトガイドとなる目盛りが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の自走式管内検査カメラ装置。
【請求項8】
前記管径変換アダプタ用取付アダプタは、前記連結シャフト機構、または前記減速機構との結合状態をロック、アンロックするための操作レバーと、該操作レバーの操作により前記結合状態をロック、アンロックする複数の真円球を用いたカップリング機構とを具備して構成されていることを特徴とする請求項1に記載の自走式管内検査カメラ装置。
【請求項9】
前記第3の動輪は、タイヤと、該タイヤを支持する一対のタイヤホイールと、該タイヤホイールを軸着するフランジとを具備し、前記タイヤと一対のタイヤホイールを内輪側と外輪側とで対称形状にして、前記タイヤを反転して取付可能にしたことを特徴とする請求項1に記載の自走式管内検査カメラ装置。
【請求項10】
前記検査対象配管における前記第1の管径変換アダプタの適用管径は、350mm〜500mmであり、前記第2の管径変換アダプタの適用管径は、450mm〜600mmであり、前記第3の管径変換アダプタの適用管径は、600mm〜800mmであり、それぞれ適用管径の一部が重複していることを特徴とする請求項1に記載の自走式管内検査カメラ装置。
【請求項11】
前記走行ユニットを構成する管径変換ユニットは、管径φ350mm〜φ500mmの対応管径変換ユニットと、管径φ450mm〜φ600mm対応の管径変換ユニットと、管径φ600mm〜φ800mm対応の管径変換ユニットとを構成可能にしている請求項1または2に記載の自走式管内検査カメラ装置。
【請求項12】
カメラ搭載部を有し遠隔操作により検査対象配管内を配管方向に沿って自走する走行ユニットを構成する複数種の管路径に対応した管径変換ユニットであって、
走行方向に直交する幅方向に軸線を沿わせて幅方向と直交する方向に所定の間隔で平行に配設された、前端、後端、中間の各駆動軸と、
前記各駆動軸をそれぞれ回転駆動する駆動機構と、
前記中間の駆動軸の両端に軸着された中間動輪と、
前記検査対象配管が予め定めた第1の適用範囲となる最小適用範囲内の管径にあるとき選択的に前記前端および後端の各駆動軸の両端にそれぞれ軸着される前記中間動輪と同径若しくは略同径の前後各一対の第1の動輪により構成される第1の管径変換アダプタと、
前記検査対象配管が前記最小適用範囲より大径であるとき選択的に前記前端および後端の各駆動軸の両端にそれぞれ軸着される前後各一対の管径変換アダプタ用取付アダプタと、
前記検査対象配管が前記最小適用範囲より大径で、かつ予め定めた最大適用範囲の管径に至らない第2の適用範囲に含まれる管径であるとき選択的に前記管径変換アダプタ用取付アダプタを介して前記前端および後端の各駆動軸の両端にそれぞれ軸着される前記第1の動輪より大径の第2の動輪、および前記管径変換アダプタ用取付アダプタと前記第2の動輪との間に軸着された連結シャフト機構を含む前後各一対の第2の管径変換アダプタと、
前記検査対象配管が前記第2の適用範囲から前記最大適用範囲に至る第3の適用範囲に含まれる管径であるとき選択的に前記管径変換アダプタ用取付アダプタを介して前記前端および後端の各駆動軸の両端にそれぞれ軸着される前記第2の動輪より大径の第3の動輪、および前記管径変換アダプタ用取付アダプタと前記第3の動輪との間に軸着された減速機構を含む前後各一対の第3の管径変換アダプタと、
前記カメラ搭載部を昇降移動可能に支承する昇降機構と、
前記昇降機構に設けられ、前記カメラ搭載部に搭載された前記撮像カメラの高さ方向の位置を前記検査対象配管の管径と前記変換アダプタの使用状態に応じて可変制御する昇降位置調整機構と、
を具備したことを特徴とする管径変換ユニット。
【請求項1】
カメラ搭載部を有し遠隔操作により検査対象配管内を配管方向に沿って自走する走行ユニットを構成する複数種の管路径に対応した管径変換ユニットと、前記カメラ搭載部に搭載された撮像カメラとを具備した自走式管内検査カメラ装置であって、
前記管径変換ユニットは、
走行方向に直交する幅方向に軸線を沿わせて幅方向と直交する方向に所定の間隔で平行に配設された、前端、後端、中間の各駆動軸と、
前記各駆動軸をそれぞれ回転駆動する駆動機構と、
前記中間の駆動軸の両端に軸着された中間動輪と、
前記検査対象配管が予め定めた第1の適用範囲となる最小適用範囲内の管径にあるとき選択的に前記前端および後端の各駆動軸の両端にそれぞれ軸着される前記中間動輪と同径若しくは略同径の前後各一対の第1の動輪により構成される第1の管径変換アダプタと、
前記検査対象配管が前記最小適用範囲より大径であるとき選択的に前記前端および後端の各駆動軸の両端にそれぞれ軸着される前後各一対の管径変換アダプタ用取付アダプタと、
前記検査対象配管が前記最小適用範囲より大径で、かつ予め定めた最大適用範囲の管径に至らない第2の適用範囲に含まれる管径であるとき選択的に前記管径変換アダプタ用取付アダプタを介して前記前端および後端の各駆動軸の両端にそれぞれ軸着される前記第1の動輪より大径の第2の動輪、および前記管径変換アダプタ用取付アダプタと前記第2の動輪との間に軸着された連結シャフト機構を含む前後各一対の第2の管径変換アダプタと、
前記検査対象配管が前記第2の適用範囲から前記最大適用範囲に至る第3の適用範囲に含まれる管径であるとき選択的に前記管径変換アダプタ用取付アダプタを介して前記前端および後端の各駆動軸の両端にそれぞれ軸着される前記第2の動輪より大径の第3の動輪、および前記管径変換アダプタ用取付アダプタと前記第3の動輪との間に軸着された減速機構を含む前後各一対の第3の管径変換アダプタと、
前記カメラ搭載部を昇降移動可能に支承する昇降機構と、
前記昇降機構に設けられ、前記カメラ搭載部に搭載された前記撮像カメラの高さ方向の位置を前記検査対象配管の管径と前記変換アダプタの使用状態に応じて可変制御する昇降位置調整機構と、
を具備したことを特徴とする自走式管内検査カメラ装置。
【請求項2】
前記管径変換ユニットは、前記走行方向に縦長のメインフレームと、前記メインフレームの両側に設けられた一対の側板とを具備し、前記一対の側板に、前記各駆動軸が軸支されるとともに、前記駆動機構に含まれる軸間駆動伝達用の平型歯車機構が設けられ、前記メインフレームの前部に前記昇降機構と前記昇降位置調整機構が設けられ、前記メインフレームの中央部乃至後部に、前記駆動機構の駆動源となるモータと該モータの回転駆動力を前記平型歯車機構に伝達するウォームギアを用いた駆動伝達機構を収容した収容室が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の自走式管内検査カメラ装置。
【請求項3】
前記減速機構は、入力軸と出力軸を同軸状に配置した遊星歯車機構により構成され、前記遊星歯車機構の内歯車が前記管径変換アダプタ用取付アダプタに嵌合される構造であることを特徴とする請求項1に記載の自走式管内検査カメラ装置。
【請求項4】
前記減速機構は、前記第3の動輪による走行速度を前記中間動輪による走行速度に近付けるとともに連結した駆動軸を軸方向に延長する延長シャフトとして作用する請求項1または3に記載の自走式管内検査カメラ装置。
【請求項5】
前記前端および後端の各駆動軸と前記中間の駆動軸との各軸間距離は、前記中間動輪の直径より長く、前記第2の動輪の直径、および前記第3の動輪の半径より短いことを特徴とする請求項1に記載の自走式管内検査カメラ装置。
【請求項6】
前記中間動輪と前記第2の動輪と前記第3の動輪はそれぞれ軌道および軌道の幅を異にし、軸方向および軸と直交する方向に一定の間隔を存して配設される取付構造であることを特徴とする請求項4に記載の自走式管内検査カメラ装置。
【請求項7】
前記昇降機構は、複数のアームと、該アームの端点および中点を回動支点としたリンク機構により構成され、一部のリンクに、前記検査対象配管の適用管径に対する前記カメラヘッドの高さ方向の位置調整を行うためのリフトガイドとなる目盛りが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の自走式管内検査カメラ装置。
【請求項8】
前記管径変換アダプタ用取付アダプタは、前記連結シャフト機構、または前記減速機構との結合状態をロック、アンロックするための操作レバーと、該操作レバーの操作により前記結合状態をロック、アンロックする複数の真円球を用いたカップリング機構とを具備して構成されていることを特徴とする請求項1に記載の自走式管内検査カメラ装置。
【請求項9】
前記第3の動輪は、タイヤと、該タイヤを支持する一対のタイヤホイールと、該タイヤホイールを軸着するフランジとを具備し、前記タイヤと一対のタイヤホイールを内輪側と外輪側とで対称形状にして、前記タイヤを反転して取付可能にしたことを特徴とする請求項1に記載の自走式管内検査カメラ装置。
【請求項10】
前記検査対象配管における前記第1の管径変換アダプタの適用管径は、350mm〜500mmであり、前記第2の管径変換アダプタの適用管径は、450mm〜600mmであり、前記第3の管径変換アダプタの適用管径は、600mm〜800mmであり、それぞれ適用管径の一部が重複していることを特徴とする請求項1に記載の自走式管内検査カメラ装置。
【請求項11】
前記走行ユニットを構成する管径変換ユニットは、管径φ350mm〜φ500mmの対応管径変換ユニットと、管径φ450mm〜φ600mm対応の管径変換ユニットと、管径φ600mm〜φ800mm対応の管径変換ユニットとを構成可能にしている請求項1または2に記載の自走式管内検査カメラ装置。
【請求項12】
カメラ搭載部を有し遠隔操作により検査対象配管内を配管方向に沿って自走する走行ユニットを構成する複数種の管路径に対応した管径変換ユニットであって、
走行方向に直交する幅方向に軸線を沿わせて幅方向と直交する方向に所定の間隔で平行に配設された、前端、後端、中間の各駆動軸と、
前記各駆動軸をそれぞれ回転駆動する駆動機構と、
前記中間の駆動軸の両端に軸着された中間動輪と、
前記検査対象配管が予め定めた第1の適用範囲となる最小適用範囲内の管径にあるとき選択的に前記前端および後端の各駆動軸の両端にそれぞれ軸着される前記中間動輪と同径若しくは略同径の前後各一対の第1の動輪により構成される第1の管径変換アダプタと、
前記検査対象配管が前記最小適用範囲より大径であるとき選択的に前記前端および後端の各駆動軸の両端にそれぞれ軸着される前後各一対の管径変換アダプタ用取付アダプタと、
前記検査対象配管が前記最小適用範囲より大径で、かつ予め定めた最大適用範囲の管径に至らない第2の適用範囲に含まれる管径であるとき選択的に前記管径変換アダプタ用取付アダプタを介して前記前端および後端の各駆動軸の両端にそれぞれ軸着される前記第1の動輪より大径の第2の動輪、および前記管径変換アダプタ用取付アダプタと前記第2の動輪との間に軸着された連結シャフト機構を含む前後各一対の第2の管径変換アダプタと、
前記検査対象配管が前記第2の適用範囲から前記最大適用範囲に至る第3の適用範囲に含まれる管径であるとき選択的に前記管径変換アダプタ用取付アダプタを介して前記前端および後端の各駆動軸の両端にそれぞれ軸着される前記第2の動輪より大径の第3の動輪、および前記管径変換アダプタ用取付アダプタと前記第3の動輪との間に軸着された減速機構を含む前後各一対の第3の管径変換アダプタと、
前記カメラ搭載部を昇降移動可能に支承する昇降機構と、
前記昇降機構に設けられ、前記カメラ搭載部に搭載された前記撮像カメラの高さ方向の位置を前記検査対象配管の管径と前記変換アダプタの使用状態に応じて可変制御する昇降位置調整機構と、
を具備したことを特徴とする管径変換ユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2013−25263(P2013−25263A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−162617(P2011−162617)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(000220620)東芝テリー株式会社 (116)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(000220620)東芝テリー株式会社 (116)
【Fターム(参考)】
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