説明

自転車のための動力支援式ペダル及びペダル充電手段

【課題】自転車のための一般的に改良された補助駆動手段を提供すること。
【解決手段】動力支援式ペダル(1)は、ギアボックス(4)を介して、駆動軸(7)を駆動する電動機(5)に電力を提供する再充電可能な一対の電池(3)を包含する。螺子の切られたスピンドル(8)は、自転車の駆動ギア(11)に結合されたクランクアーム(10)の端部にあるタップ穴(21)に係合される。ベアリング(9)は、クランクアーム(10)上において、ペダル(1)の自由回転を可能とする。駆動軸(7)は、フリーホイール装置(20)に係合されてもよい。使用時には、自転車の乗り手は、通常のペダルこぎ動作におけるように、ペダルをほぼ足のレベルに保つ。こうすると、自転車の駆動に対する動力支援を付与するために、電動機(5)から発生するトルクは、駆動軸(7)を介して、クランクアーム(10)に、かくして、駆動ギア(11)へと伝えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、補助駆動手段付きの自転車(cycle)に関する。
【背景技術】
【0002】
電動自転車や軽電動車両等のような、補助駆動手段付きの自転車は、乗り手がペダルをこぐのを支援するために、補助駆動装置(auxiliary drive arrangement)を包含している。そのような自転車は、乗り手をして、手動でペダルをこいで自転車に動力を与えるべきか、ペダルをこいでの動力を電動手段で補うべきか、又はペダルをこぐのを完全に停止して、電動手段が自転車を駆動するに任せるべきかを、選択せしめる混成電動システムを組み込んでいる。これらの混成システムは、疲れたときや坂を上るときに、乗り手にとって、役に立ち得る。
【0003】
既に市販の電動機付き自転車は、自転車のフレーム上又はフレーム内に装着された動力支援モジュール(power assisting module)を組み込んでいる。これらの動力支援モジュールは、典型的には、再充電可能な電池パック(battery pack)と電動機駆動装置(motor drive)とを包含する。電動機は、自転車のギアシステムへと結合されている。この追加の動力源は追加のトルクを車両に提供し、必要とされるとき、乗り手にかかる負荷を低減する。
【0004】
自転車及びその他のペダルこぎ動力車両は、業務用途及びレジャー用途の双方の交通手段として、ますます、使用されつつある。多くの通勤者が、運動の1つとして、自転車の有する健康上の利益を認めることもあって、ガソリン駆動車両よりも、環境的にフレンドリーな選択肢として、自転車を選択しつつある。目的地に到着したならば、車両を駐車することの困難さや費用と共に、燃料費用、維持費用、及び混雑費用や料金支払い等の追加的費用もあって、自動車を所有並びに運用する費用は、非常に、増加しつつある。都市においては、駐車は、殆どの運転者がある段階で遭遇する問題である。都市及びその他の混雑した地域で自転車に乗ることを選択することは、費用対効果以上の選択肢である。目的地に到着したならば、駐車もより一層容易である。しかしながら、自転車は乗り手によるかなりの努力を必要であって、肉体的にきついものであり、そのため、たくさんの旅行には不向きである。旅行は、たくさんの丘や坂に出くわすかも知れず、乗り手は肉体的負荷が困難となるかもしれません。
【0005】
市場に存在する典型的な電動自転車は、追加的な動力駆動手段を収容するために、自転車自身に対してたくさんの修正を包含している。そのような自転車は、しばしば、既に統合された電気的駆動装置と共に購入され、普通の自転車を購入するよりも非常により高価である。乗り手によっては、自分の既存の自転車を、補助駆動手段を組み込むように適合してもらうこととなる。しかし、やはり、この方法は、自転車それ自身の費用との関係で非常に高価であります。自転車のフレームは、自転車のバランス又は空気力学に影響を与えないようにして、補助駆動手段を収容又は支持するために、修正されなくてはなりません。電動機駆動装置は、自転車の既存の駆動ギヤに結合されなくてはならず、制御手段の幾つかもまた、組み込まれなければなりません。典型的な乗り手は、それゆえ、専門家の手助けなしに、彼らの自転車をして、この補助駆動手段を含むように、変形することはできません。
【0006】
電動自転車は、典型的には、充電が必要な再充電可能な電池を組み込んでいる。動力パック(power pack)は、近くにある電力差込口(electric power outlet)へ持ち運ぶために、自転車から取り外されるか、又は自転車から取り外し可能に設計されていない場合には、ユニット全体又は少なくとも非常に大きい電池は、電力差込口へ持ち運ばれねばなりません。国内的環境下にあっては、自転車は障害物となりそうです。
【0007】
自転車の安全保障の問題もある。高価な混成自転車は、自転車ラック、レールのようなものに鎖に繋がれていると、泥棒に対しては、魅力的な誘いとなります。自転車窃盗は、いつでも問題となり、市場のトップにおいて高価な自転車ではればなおさらである。既存の電動自転車は、動力モジュール(power module)を容易に取り外し、乗り手と共に旅行に持ち運べる手段は提供していません。それゆえ、それらは自転車上に残されねばなりません。しかしながら、もしも、それらが取り外し可能であれば、これは困難な手続を必要とし、持てあますほど大きいパックは、自転車へと再び戻ってくるまで、乗り手により持ち運ばれねばなりません。
【0008】
そのような既存の混成自転車のスタイリングもまた問題である。動力パック(power pack)は扱いにくくかつ幾分見苦しいものであり、自転車の全体的な流線型のデザインに影響を与えている。自転車を選択するとき、乗り手は、性能特性(performance characteristics)と同じように外観によっても心を動かされる。持てあますほど大きい動力パックを収容する必要があるので、典型的な電動自転車は、外観度において劣るものとなっている。
【0009】
取り外し可能な動力支援パックを備えた自転車は、例えば英国特許第2,336,575号公報(Lai)のように、しばらくの間(for some time)知られており、同公報には、自転車の補助電気駆動装置(auxiliary electrical drive)が示されている(特許文献1参照)。ペダルの駆動速度にしたがって適当なトルクを車両に供給するように、太陽歯車及び傘歯車が、底部ブラケット軸に回転可能に装着されていて、それが乗り手の負荷を低減させる。太陽ギアは、傘歯車及び一方向クラッチを介して電動機により駆動可能となっている。しかしながら、そのような構成は、たくさんの自転車に適合され得る改造システム(retrofit system)を提供するものではなく、駆動システム中に統合するためには、専門家の助けを必要とするものである。
【0010】
米国特許第7,370,720号公報(Kyosuke)は、電動式動力出力ユニットの回転出力軸に結合された駆動軸に固定された第2のスプロケットを包含する、電動の動力支援自転車を示している(特許文献2参照)。このユニットは、既存の自転車システムに組み込むように設計されている。しかしながら、このユニットは、より少ない構成要素を組み込むように、より軽く、よりコンパクトな、他のシステムの代替案となるように、設計されているけれども、その装着は、なおも、自転車フレーム内である必要がある。このことは、自転車の空気力学、操舵性能、安定性能、及び外観に影響を与えている。
【0011】
米国特許出願公開公報2007,222,170(Sasnowski)は、動力支援モジュール付きの同様な自転車を示しており、それにより、このモジュールは、道具を必要とすることなく、自転車から手軽に取り外すことができるように設計されている(特許文献3参照)。動力支援モジュールの追加的重量は、それゆえ、ペダルこぎ動力のみが必要な場合、旅行者により運ばれる必要がない。自転車の安定性に関する問題を解決しようとするのであれば、使用中、パックは再びフレーム内に装着されねばならず、電動機を自転車の駆動ギアに結合するのは困難であり、幾分、面倒な手順である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】英国特許第2,336,575号公報(Lai)
【特許文献2】米国特許第7,370,720号公報(Kyosuke)
【特許文献3】米国出願公開公報2007,222,170(Sasnowski)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の好ましい実施例は、自転車のための一般的に改良された補助駆動手段を提供することを意図している。既知の電動自転車と対照的に、それらの実施例は、市場で利用可能なシステムはたくさんの欠点があると言う事実を認識しており、それらの実施例はそれらの欠点を克服することを意図している。それゆえ、それらの実施例は、自転車の補助駆動手段を提供することを企図するものであり、それにおいては、補助駆動手段はその全体がペダル内に収容される。これらのペダルは、どのような自転車にも組み込むことができ、容易に取り付け又は取り外すことができ、充電のために手軽に取り外すことができ、自転車の外観、安定性、及び空気力学に影響しない。補助駆動手段をペダルに収容することにより、乗り手は、必要なときには、自転車をもっぱらペダルこぎ動力で使用することを選択しつつも、必要なように、及び必要なときに、動力支援にアクセスすることとなる。それらの実施例は、補助動力ペダルを手軽に持ち運びできるようにもすることにより、駐車するときにはペダルを取り外し、自転車の乗車を困難とすることにより、泥棒避け手段をも提供する。
【0014】
本発明の好ましい実施例は、自転車のための一般的に改良された補助駆動手段を提供することを意図している。既知の電動自転車と対照的に、それらの実施例は、市場で利用可能なシステムはたくさんの欠点があると言う事実を認識しており、それらの実施例はそれらの欠点を克服することを意図している。それゆえ、それらの実施例は、自転車の補助駆動手段を提供することを企図するものであり、それにおいては、補助駆動手段はその全体がペダル内に収容される。これらのペダルは、どのような自転車にも組み込むことができ、容易に取り付け又は取り外すことができ、充電のために手軽に取り外すことができ、自転車の外観、安定性、及び空気力学に影響しない。補助駆動手段をペダルに収容することにより、乗り手は、必要なときには、自転車をもっぱらペダルこぎ動力で使用することを選択しつつも、必要なように、及び必要なときに、動力支援にアクセスすることとなる。それらの実施例は、補助動力ペダルを手軽に持ち運びできるようにもすることにより、駐車するときにはペダルを取り外し、自転車の乗車を困難とすることにより、泥棒避け手段をも提供する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の1つの側面によれば、
ペダルを自転車のクランクアームに取り付けるための取り付け手段、
前記クランクアームに駆動軸を通じてトルクを加えるように構成された駆動手段、及び
電気エネルギを貯蔵すると共に、前記駆動手段に電力を供給するように構成された電気エネルギ貯蔵器とを包含する動力支援ペダルを提供する。
【0016】
好ましくは、前記ペダルは、前記クランクアームの端部と係合するように構成されたスピンドルを組み込んでおり、かつ前記ペダルは、前記クランクアームに関するペダルの回転を提供するためのベアリング手段を含んでいる。
【0017】
好ましくは、前記取り付け手段は、前記クランクアームに装着されるように構成された第1の部分と前記ペダルに装着される第2の部分とを有するバヨネット式コネクタを包含し、前記第1及び第2のむ部分は、前記ペダルを前記クランクアームに取り付けるために係合すると共に、前記クランクアームから前記ペダルを取り外すために係合を解かれるものである。
【0018】
前記駆動軸は、前記駆動軸から前記クランクアームへと動力を伝えるために、平坦な、キーを有する、又はキー溝のあるものであってもよい。
【0019】
好ましくは、前記駆動手段は電動機であってもよい。
【0020】
好ましくは、前記駆動手段は、ギアボックスに結合されていてもよい。
【0021】
前記ギアボックスは、遊星式(epicyclic)であってもよい。
【0022】
前記ギアボックスは、環状式(harmonic)であってもよい。
【0023】
好ましくは、前記電気エネルギ貯蔵器は電池であってもよい。
【0024】
前記電池は、再充電可能であってもよい。
【0025】
前記電池は、リチウムイオンであってもよい。
【0026】
好ましくは、前記ペダルは、前記駆動手段を起動(activate)するために制御手段を包含する。
【0027】
前記制御手段は、乗り手の足で起動されるスイッチを含むセンサを包含していてもよい。
【0028】
前記制御手段は、マイクロプロセッサを包含していてもよい。
【0029】
好ましくは、前記ペダルは、前記駆動軸の回転速度を判定するための手段を包含していてもよい。
【0030】
この目的を達成するために、前記駆動軸の回転速度及び前記クランクアームに対するペダルの位置(orientation)を判定するために、少なくとも1個の磁石が前記駆動軸に装着されていてもよい。
【0031】
手段(例えば、ローラクラッチ)が、前記駆動軸との係合を解き、かつ惰性走行を許容するように、設けられていてもよい。
【0032】
本発明は、本発明の前述の側面のいずれかによる、動力支援ペダルを少なくとも1つ組み込んだ自転車に及ぶものである。
【0033】
本発明は、本発明の前述の側面のいずれかによる、動力支援ペダルをすくなとも1つ受け入れるペダル充電手段に及ぶものであり、それにおいて、前記ペダル充電手段はドッキングステーションであり、かつ前記ペダルは充電端子を組み込んでいる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、自転車のための一般的に改良された補助駆動手段を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】動力支援式ペダルの一実施例の正面図である。
【図2】自転車のクランクアーム及びギアな接続される図1の動力支援ペダルを示す図である。
【図3】圧力感知手段、駆動軸の回転速度判定手段、充電用端子、及び駆動軸の結合器構成を有する図1の動力支援ペダルを示す図である。
【図4】図1の動力支援ペダルのための充電ステーションの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明のより深い理解のために及び本発明の実施例がどのように実行されて効果が導き出されるかを示すために、例として、添付の概略図面を参照ください。
【0037】
図において、同様な符号は、同様又は対応する部分を示すものである。
【0038】
図1に示されるように、ペダル集成体1は、本体2に装着された、たくさんの構成部品を包含する。本体2は、金属製、プラスチック製、又はその他の材料からなる骨組み(framework)からなり、ペダルの構成部品を集成体となるように一体に保持するためのブラケットを含む、金属製、プラスチック製、又はその他の構成部品を含んでいる。ペダル1は、典型的な自転車のペダルの外観を呈するように、そのような構成により一体に保持され、それらの構成部品を一体に保持し、かつそのような集成体を環境条件や天候から保護するための固定手段を提供する。それらの部品は、個々にハウジングに収容されて、一体に組立られてもよいし、部品の全てが1つのハウジングに収容されてもよい。
【0039】
ペダル1は、ペダル1のための動力源を形成する一対の電池3を包含する。その他の実施例においては、1個又は2個を越える個数の電池でもよい。電池3は再充電可能であり、かつリチウムイオン又は他の電池形式のものを包含してもよい。電池3は、ギアボックス4及びフリーホイール装置20を介して駆動軸7を駆動するように構成された電動機5へと電力を供給するために、電動機5へと動作可能に接続される。電動機5は、ブラシ付きDC、ブラシ無しDC、三相、又はその他の形式の電動機でもよい。
【0040】
ギアボックス4は、駆動軸7の回転速度を低減させるために、電動機5に結合されており、電動機5からの速度/トルク・変換作用を提供する。ギアボックスは、遊星式(epicyclic)でもよいし、環状式(cyclic)でもよいが、それらに限定されるものではない。ペダル1は、ギアボックス4無しでも、また、動作することができる。
【0041】
ペダル1には、バヨネット式コネクタ6が設けられていて、それにより、ペダル1は、自転車の駆動ギア11に結合されたクランクアーム10に解放可能に取り付けられる。バヨネット式コネクタ6は、図2に示されるように、クランクアーム10の端部にあるタップ穴21に、従来のやり方で、係合する螺子の切られたスピンドル8を有する。クランクアーム10の回転は、駆動ギア11へとトルクを与える。
【0042】
バヨネット式コネクタ6は、駆動軸7を受け入れる内部穴25を有する。図3に見られるように、駆動軸7には、バヨネット式コネクタ6内に取り込まれたボールベアリング23と係合する窪み24が形成されており、それにより、駆動軸7とバヨネット式コネクタ6とは互いに噛合(keyed)され、トルクは、バヨネット式コネクタ6を介して、駆動軸7からクランクアーム10へと伝達される。図に示されるように、ロックリング22がバヨネット式コネクタ6の外側に装着されており、それは左右に移動することができる。右へ移動すると、ロックリング22はボールベアリング23と係合して、それらのベアリングが半径方向外方へと移動することを妨げる。ロックリング22が左へ移動すると、ボールベアリング23は、駆動軸7の窪み24からの係合を解くために、半径方向外方へと十分な距離だけ移動するように自由となる。ロックリング22は、バヨネット式コネクタの周りを自由に回転してもよく、好ましくは、そのロック位置へと弾性的に付勢される。
【0043】
これが、ペダル1のクランクアーム10からの迅速かつ容易な係合解除手段、並びに、それに続く、再係合手段を提供する。ロッキングリング又はナットは、手により、又はスパナのような道具の使用により、バヨネット式コネクタ6を緩めるために動かすことができる。ペダル1をクランクアーム10に取り付けるためには、他の取り付け手段を使用してもよい。駆動軸7には、取り付け手段を介して、動力をクランクアームに伝達することを容易とするために、駆動軸7には、平坦な、キー(key)、又はキー溝(splines)が形成されていてもよい。
【0044】
ペダル1は、また、クランクアーム10上におけるペダル1の自由回転を可能とするために、ベアリング9を包含する。フリーホイール装置20は、動力支援手段の係合を解いた状態にて、ペダル1が乗り手の足により手動で使用されことを可能とする。フリーホイール装置20は、例えば、ラチェット式の装置、トリントン(RTM)クラッチ(ローラクラッチとも称される)、又はスプラッグ(sprag)クラッチであってもよい。
【0045】
使用にあたっては、自転車の乗り手は、通常のペダルこぎ動作として、ペダルをほぼ足のレベルに保つ。こうすると、電動機5により生成されたトルクは、自転車の駆動に対して動力支援をなすために、駆動軸7を経由して、クランクアーム10へと、及び、かくして、駆動ギア11へと伝達される。
【0046】
図3に示されるように、ペダル1は、乗り手の足を検出し、したがって、動力支援手段を起動するスイッチを含むことができる、少なくとも1つのセンサ12を組み込んでいても良い。乗り手の足は、横臥位式自転車(recumbent bicycle)に取り付けた場合においては水平にはならないかも知れないが、ペダル1をほぼ水平レベルに維持する。動力支援手段が起動されると、電動機5により駆動される駆動軸7は、クランクアーム10へとトルクを与える。動力支援手段は、ペダル1の下向きの動き(pass)にのみ係合してもよいし、留め具のないペダルに取り付ける場合には、継続的に係合してもよい。動力支援手段は、特定の速度しきい値範囲内、例えば、駆動ギア11の毎分20回転から最大毎分70回転の間、例えば、自転車レーサーの訓練のためには毎分100回転、のみで係合するものであってもよい。
【0047】
図3にも示されるように、ペダル1は、駆動軸7の回転速度、及びペダル1の位置(orientation)を検知するための手段を包含してもよい。このような手段は、回転数及びその間の経過時間をカウントする手段を提供するために、駆動軸7に装着された1又は2以上の磁石14の存在を検知するホールセンサ13を包含してもよい。ペダル1は、駆動軸7の速度を制御するためにマイクロプロセッサ19を組み込んでいてもよい。
【0048】
有益な選択肢(option)が、ペダルに対する自転車の乗り手の入力を計算し、自転車の乗り手が減速したいのか、加速したいのかを計算し、それにより、電動機を制御する手段であってもよい。この目的のために、ペダルに対する自転車の乗り手の入力を感知するための手段として、捩れセンサ27、及び/又は、加速度計26(又はその他のセンサ)が使用されてもよい。これらの制御機能は、マイクロプロセッサ19により提供されてもよい。
【0049】
自転車は、クランクアーム10に係合する1つの動力支援ペダル1、又は各クランクアーム10のそれぞれに装着される、一対の動力支援ペダル1を有していてもよい。ペダル1は、例えば、結合器6を介して、どのような自転車にも改造できる簡単な手段を提供しつつも、充電を容易とするために、クランクアーム10から結合を解くことができる。
【0050】
図4に示されるように、ペダル1は、ペダル1を受け入れる凹部16を有する、ドッキングステーション15内において充電され得る。ペダル1かドッキングステーション15のいずれか、又は双方は、一連のLED17の形態を有する充電状態表示手段を包含する。又は、各ペダル1は、充電用電線に接続されていてもよい。図3に示されるように、各ペダル1は、好ましくは、ドッキングステーション16内に装着された対応する充電用コネクタと係合する充電用コネクタ18を組み込んでいる。ペダル1は、その代わりに、充電用ソケットを組み込んでいてもよい。
【0051】
お解りのように、本発明の図解入りの実施例は、ペダル動力式車両に対して動力支援を付与する、巧み(neat)でかつ効果的な手段を提供する。性能は、電池、電動機、等々のような構成部品の性能、及び地形によって変化する。現時点では、ペダル1は約1kg又はより軽い重量、電動機5は約100Wの出力、一対のペダル1は時速15kmから最大25kmの範囲の速度となるものと予測される。
【0052】
好ましい実施例では、ペダル1は、再充電や安全保証のために、簡単に、取り外されるものであってもよい。
【0053】
「自転車」の語は、この明細書においては、ペダル動力によって推進される軽車両に言及するように、都合良く使用される。「自転車」の最も普通の形態は、二輪自転車であるが、「自転車」の語は、少なくとも一部ペダル動力によって推進される、幾つかの主車輪(road wheels)を有する軽車両を含むように解釈されるべきである。本発明の実施例は、水上自転車(pedalo)のような、ペダル動力ボートに使用されてもよい。
【0054】
この明細書において、「包含する」と言った動詞は、普通の辞書での意味であって、非排他的な含有(non-xclusive inclusion)を意味する。すなわち、1つ又はそれを越える個数の特徴を含むための、「包含(又はその派生語)」の語の使用は、さらなる特徴をも含む可能性を排除するものではない。
【0055】
この明細書(いかなる請求項、要約書、及び図面を含む)に開示されたすべての特徴、及び/又は、いかなる方法(method)又は工程(process)に同様に開示されたすべての段階(steps)は、少なくとも、そのような特徴(features)、及び/又は、段階(steps)が相互に排他的である組合せを除いて、いかなる組合せにおいて、結合されてもよい。
【0056】
この明細書(いかなる請求項、要約書、及び図面を含む)に開示された各特徴は、そうでないと明示的に述べない限り、同様に機能する代替的特徴、等価的又は同様な目的と置き換えてもよい。そのため、そうでないと明示的に述べない限り、開示された各特徴は、包括的な一連の等価物又は同様な特徴の一例に過ぎない。
【0057】
本発明は、前述の実施例の詳細に限定されるものではない。本発明は、この明細書(いかなる請求項、要約書、及び図面を含む)に開示された特徴の新規なもの、いなかる新規な組合せ、あるいは、同様に開示された、いかなる方法又は工程の段階(steps)の新規なもの、又はいかなる新規な組合せに及ぶものである。
【符号の説明】
【0058】
1 ペダル集成体
2 本体
3 電池
4 ギアボックス
5 電動機
6 バヨネット式コネクタ
7 駆動軸
8 スピンドル
9 ベアリング
10 クランクアーム
11 駆動ギア
12 センサ
13 ホールセンサ
14 磁石
15 ドッキングステーション
16 凹部
17 LED
18 充電用コネクタ
19 マイクロプロセッサ
20 フリーホイール装置
21 タップ穴
22 ロックリング
23 ボールベアリング
24 窪み
25 内部穴
26 加速度計
27 捻れセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.自転車のクランクアームにペダルを取り付けるための取り付け手段、
b.駆動軸を通じて前記クランクアームにトルクを付与するように構成された駆動手段、及び
c.電気エネルギを貯蔵すると共に、前記駆動手段に電力を供給するように構成された電気エネルギ貯蔵器、
を包含する、自転車のための動力支援式ペダル。
【請求項2】
前記ペダルは、前記クランクアームの端部に係合するように構成されたスピンドルを組み込んでおり、かつ前記ペダルは、前記クランクアームに関して、前記ペダルの回転を提供するベアリング手段を包含する、請求項1に記載の動力支援式ペダル。
【請求項3】
前記取り付け手段は、前記クランクアームに装着されるように構成された第1の部分と前記ペダルに装着される第2の部分とを包含し、それにより、前記第1及び第2の部分は、前記ペダルを前記クランクアームに取り付けるために係合され、かつ前記クランクアームから前記ペダルを取り外すために係合を解かれる、請求項1又は2に記載の動力支援式ペダル。
【請求項4】
前記駆動軸から前記クランクアームへと動力を伝えるために、前記駆動軸は、平坦な、キーを有する(keyed)、又はキー溝のある(splined)部分を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の動力支援式ペダル。
【請求項5】
前記駆動手段は、ギアボックスに結合された電動機を包含する、請求項1〜4のいずれかに記載の動力支援式ペダル。
【請求項6】
前記ギアボックスは、遊星式又は環状式である、請求項5に記載の動力支援式ペダル。
【請求項7】
前記電気エネルギ貯蔵器は、再充電可能な電池を包含する、請求項1〜6のいずれかに記載の動力支援式ペダル。
【請求項8】
前記駆動手段の動作を制御するように構成された制御手段をさらに有する、請求項1〜7のいずれかに記載の動力支援式ペダル。
【請求項9】
前記制御手段は、乗り手の足で起動されるセンサを包含する、請求項8に記載の動力支援式ペダル。
【請求項10】
前記ペダルは、前記電気エネルギ貯蔵器の充電量(charge)を表示するために、充電状態表示手段を組み込んでいる、請求項1〜9のいずれかに記載の動力支援式ペダル。
【請求項11】
前記駆動軸の回転速度、及び前記クランクアームに関する前記ペダルの位置を判定するための手段をさらに包含する、請求項1〜10のいずれかに記載の動力支援式ペダル。
【請求項12】
前記ペダルは、惰性走行を可能とするために、前記駆動軸との係合を解くための手段をさらに組み込んでいる、請求項1〜11に記載の動力支援式ペダル。
【請求項13】
前記駆動軸との係合を解くための手段は、ローラクラッチ(roller clutch)を包含する、請求項12に記載の動力支援式ペダル。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれかに記載の少なくとも1つの動力支援式ペダルを組み込んでいる自転車。
【請求項15】
少なくとも1つの、請求項1〜13に記載の動力支援式ペダルを受け入れるたのペダル充電手段であって、前記ペダル充電手段はドッキングステーション(docking station)であり、かつ前記ペダルは充電端子を組み込んでいる。
【請求項16】
上述の通り、添付図面を参照して実質的に述べられた、動力支援式ペダル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−523347(P2012−523347A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−504078(P2012−504078)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【国際出願番号】PCT/GB2010/050534
【国際公開番号】WO2010/128317
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(511241332)