自転車用の保持装置

【課題】安価な構成コストと良好な機能と簡単な取扱いの点で傑出している、自動車用の保持装置を提供する。
【解決手段】自動車、有利には乗用車に配置される、自転車用の保持装置であって、該保持装置が、自転車のペダル装置の起立ポジションにもたらされたクランクアームを受容するための、中空体として形成された受容エレメントを有しており、クランクアームが、受容エレメントに導入されて、横方向においてクランクアームに作用する調節装置を用いて受容エレメントの少なくとも1つのストッパ部材に固定されるようになっている形式のものにおいて、ペダル装置11のクランクアーム10と共働する調節装置15が、ストッパ部材16に接触しているクランクアーム10の互いに反対側に位置する側KaS1,KaS2を支持する調節部材17,18を有しており、該調節部材が受容エレメント8の高さ方向C−Cにおいて調節可能である。
【解決手段】自動車、有利には乗用車に配置される、自転車用の保持装置であって、該保持装置が、自転車のペダル装置の起立ポジションにもたらされたクランクアームを受容するための、中空体として形成された受容エレメントを有しており、クランクアームが、受容エレメントに導入されて、横方向においてクランクアームに作用する調節装置を用いて受容エレメントの少なくとも1つのストッパ部材に固定されるようになっている形式のものにおいて、ペダル装置11のクランクアーム10と共働する調節装置15が、ストッパ部材16に接触しているクランクアーム10の互いに反対側に位置する側KaS1,KaS2を支持する調節部材17,18を有しており、該調節部材が受容エレメント8の高さ方向C−Cにおいて調節可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車、有利には乗用車に配置される、自転車用の保持装置であって、該保持装置が、自転車のペダル装置の起立ポジションにもたらされたクランクアームを受容するための、中空体として形成された受容エレメントを有しており、クランクアームが、受容エレメントに導入されて、横方向においてクランクアームに作用する調節装置を用いて受容エレメントの少なくとも1つのストッパ部材に固定されるようになっている形式のものに関する。
【背景技術】
【0002】
DE9420632U1に基づいて公知の、乗用車用の自転車キャリアは、自転車のペダル装置のクランクアームを受容するための起立している受容エレメントを有している。クランクアームは一方ではクランクピンを介して受容エレメントのスリット切欠き内に位置していて、第1の長辺で受容エレメントのストッパに接近させられている。第1の長辺に対して間隔をおいて位置するクランクアームの第2の長辺には、調節部材が係合し、この調節部材はねじ山付ピンで、クランクアームを直接ストッパに緊締するか、又はクランクアームの軸受ブシュを受容エレメントに対して緊締する。ハンドルもしくはグリップを備えたねじ山付ピンはねじ山付ナットと共働し、このねじ山付ナットは、上から下に向かって受容エレメントに被せ嵌められるホルダに固定されている。
【0003】
US5025932に開示された自転車キャリアでは、自転車のペダル装置のクランクアームが、鉛直に方向付けられた中空の受容エレメントに導入されている。この場合ペダル装置のペダル軸受及びペダルのピンは、受容エレメントの、互いに間隔をおいて延びている壁のスリット状の切欠き内に固定されている。
【特許文献1】DE9420632U1
【特許文献2】US5025932
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、冒頭に述べた形式の自転車用の保持装置を改良して、安価な構成コストと良好な機能と簡単な取扱いの点で傑出している、自動車用の保持装置を提供することである。この場合さらにまた、自転車の長手方向に対して横方向に設けられた屈曲部(Kroepfung)、つまり種々様々な突出部を備えたクランクアームを、保持装置内に挿入できることも望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題を解決するために本発明の構成では、ペダル装置のクランクアームと共働する調節装置が、ストッパ部材に接触しているクランクアームの互いに反対側に位置する側を支持する調節部材を有しており、該調節部材が受容エレメントの高さ方向において調節可能であるようにした。本発明の別の有利な構成は、請求項2以下に記載されている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によって得られる大きな利点としては次のことが挙げられる。すなわち本発明による保持装置では、保持装置の受容エレメントと調節部材とストッパ部材とによって、自転車のペダル装置のクランクアームを模範的にかつ機能適宜に受容エレメント内に導入できるのみならず、受容エレメント内においてクランクアームを確実に固定することができる。受容エレメント内においてクランクアームを確実に固定できることは、自動車に配置された保持装置の、交通安全に配慮した構成に関して、大きな意味がある。両調節エレメントの構成及び調節可能性は、受容エレメントの操作を簡単にし、また、構造形式及び市場の要求に基づいて自転車の横方向で見て真っ直ぐな又は種々異なった屈曲部を有する様々な輪郭のクランクアームの固定を可能にする。第1の調節部材のために緊締ねじを有するキャリア部材は、安価な部材であり、その第1の屈曲部によって、所望のように、受容エレメントの第2の屈曲部と共働することができる。第2の調節部材は、単純な構造と容易な取扱いの点で傑出している。さらにまた、各クランクアームと共働するストッパ部材もしくは調節エレメントの部材の材料を適宜に選択することによって、多くの場合クロムめっきされているか又は高光沢ポリッシュされている、受容エレメントに保持されるクランクアームの表面が、損傷することを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
次に図面を参照しながら本発明の1実施例を詳説する。
【0008】
自転車2用の保持装置1は、図面には単にリヤ部分4だけが示されている乗用車である自動車3の構成部分である。リヤ部分4には開口5が設けられており、この開口5を介して保持装置1は、自動車3の収納室6に格納された休止位置から進出させられた使用位置Bstに移動可能である。保持装置1の休止位置では開口5はカバー7によって覆われており、このカバー7はリヤ部分4の成形構造体に組み込まれている。保持装置1には第1及び第2の受容エレメント8,9が結合されており、両受容エレメント8,9は、水平位置(図示せず)から鉛直位置Stvに旋回させられている。第1の受容エレメント8は管状の中空体の形式で形成されており、この中空体には、車両長手方向A−Aに対して横方向に延びる自転車2のペダル装置11の、鉛直に立てられた起立ポジションPaに運動させられたクランクアーム10が導入されており、第2の自転車の別のクランクアームは第2の受容エレメント9内に収容される(図1)。クランクアーム10は少なくとも部分的に、第1の受容エレメント8の壁12,13(図9)によって取り囲まれ、クランクアーム10はまた、調節装置15と受容エレメント8のストッパ部材16とを用いて固定されている。ストッパ部材16にはクランクアーム10が接触しており、調節装置15は横方向B−Bでクランクアーム10に対して有効である。
【0009】
調節装置15は第1の調節部材17と第2の調節部材18とを有しており、両調節部材17,18は、ストッパ部材16にクランクアーム10が支持されている場合に、クランクアーム10の互いに反対の側KaS1,KaS2において支持されている。この場合少なくとも第1の調節部材17は受容エレメント8の高さ方向C−Cにおいて相対的に調節可能に構成されているので、両調節部材17,18は互いに対して整合可能である。図示の実施例では両調節部材17,18は横方向B−Bにおいてクランクアーム10に対して調節可能に構成されており、このことは、互いに逆向きの水平な矢印PF1,PF2,PF3によって示された作用によって、種々異なった自転車の相応に成形されたクランクアームの緊締もしくは固定を可能にする。
【0010】
第1の調節部材17(図8)は、受容エレメント8の高さ方向C−Cにおいて可動なキャリア部材19を有しており、このキャリア部材19は、受容エレメント8の内側20に支持されていて、緊締ねじ21を備えており、この緊締ねじ21はキャリア部材19のねじ山22にねじ込まれている。キャリア部材19は、ほぼU字形の成形体23によって形成され、この成形体23は、脚Sch1,Sch2の自由端部24,25に第1の屈曲部26,27を有している。キャリア部材19の第1の屈曲部26,27は、受容エレメント8の第2の屈曲部28,29に後ろから係合し、この場合第1の屈曲部26,27に対して間隔をおいてキャリア部材19にガイド機構30,31が設けられており、これらのガイド機構30,31は、第2の屈曲部28,29に沿ったキャリア部材19の容易な案内を可能にする。緊締ねじ21は第1の端部32に第1の回転用グリップ33を備え、第2の端部34に、クランクアーム10に向かって方向付けられた押圧部材37のボール受け(Kugelpfanne)36用のボールヘッド35を備えている。クランクアーム10と押圧部材37との間には、支持エレメントSteが設けられており、この支持エレメントSteは押圧部材37に位置固定に保持され、弾性材料から成っている。
【0011】
第2の調節部材(図9)は、第1の受容エレメント8の壁14に配置されており、第2の回転用グリップ38と調節エレメント39とを有しており、この第2の回転用グリップ38と調節エレメント39とは回転対称的な形状を有していて、軸方向Rax−Raxにおいて作用するクリップ結合部(図示せず)によって互いに結合されている。この場合回転用グリップ38及び調節エレメント39は、1つの構成ユニットにまとめられた状態において、壁14の外側40及び内側41を画成しており、この構成ユニットは壁14の孔42に支承されている。調節エレメント39は、クランクアーム10に向けられた側43に支持エレメント44を有しており、また調節エレメント39はこの支持エレメント44と軸方向に延びるねじ45を介して結合されており、このねじ45は支持エレメント44のねじ山付ピン46と作用結合している。さらに調節エレメント39と支持エレメント44との間においては、圧縮ばね47と操作装置48が作用する。操作装置48を用いて、横方向B−Bにおいて支持エレメント44の軸方向調節が実施可能であり、この操作装置48は調節エレメント39における第1の歯列49(図10)と支持エレメント44における第2の歯列50(図11)とを有している。互いに向かい合う歯列49,50は、第2の調節部材18の一度調節されたポジションが、自動車の運転に起因する振動下においても維持されるように、形成されている。歯列49,50はそれぞれ3つの歯列区分51,52,53;54,55,56を有しており、これらの歯列区分は、調節エレメント39もしくは支持エレメント44の全周にわたって均一に分配配置されている。自転車2のペダル装置11のクランクアーム10が機能適宜に、つまり可撓性材料から製造された支持エレメント44によってセンタリングされて、受容されるようにするために、支持エレメント44は、クランクアーム10に向けられた側57において凹面状に構成されている。
【0012】
図5、図6及び図7から分かるように、受容エレメント8の第1の挿入体58として弾性材料から形成されているストッパ部材16は、クランクアーム10を横方向B−Bにおいてかつクランクアーム10の自由端部59のところで支持している(図5)。第1の挿入体58の上端部60は、第2の調節部材18の支持エレメント44のための回転防止装置を形成している。受容エレメント8の第2の挿入体61は受容エレメント8の自由端部22に取り付けられており、可撓性材料から成っていることに基づいて、自転車1のラッカ塗装又はクロムめっきされた高価な表面の損傷に対する保護装置として働く。第2の挿入体61は、後ろから係合して形状結合部を生ぜしめる保持装置62と、摩擦力結合部を生ぜしめるばね弾性的な舌片63とを用いて、第1の受容エレメント8において位置固定に保持される。さらにまた第2の挿入体61は、第2の回転用グリップ38に向けられた側に目盛64を備えており(図9)、この目盛64は第2の調節部材を所望のように調節するために働く。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】自動車に取り付けられた、自転車用の保持装置を示す斜視図である。
【図2】図1のXで示された領域を示す図であって、自転車のペダル装置の導入されたクランクアームの様子を示す拡大図である。
【図3】図2に相当する図であって、第1の補足的な図である。
【図4】図2に相当する図であって、第2の補足的な図である。
【図5】図4のV−V線に沿って断面した拡大図である。
【図6】ほぼ図2に相当する図であって、導入されたクランクアームなしで示す図である。
【図7】図6に相当する図であって、第1の調節部材のための導入されたキャリア部材と共に示す図である。
【図8】キャリア部材と第1の調節部材とを分解して示す斜視図である。
【図9】第2の調節部材を分解して示す斜視図である。
【図10】図9の矢印Yの方向から見た図である。
【図11】図9の矢印Zの方向から見た図である。
【図12】図11に示された支持エレメントを拡大して示す斜視図である。
【符号の説明】
【0014】
1 保持装置、 2 自転車、 3 自動車、 4 リヤ部分、 5 開口、 6 収納室、 7 カバー、 8,9 受容エレメント、 10 クランクアーム、 11 ペダル装置、 12,13 壁、 15 調節装置、 17,18 調節部材、 19 キャリア部材、 20 内側、 21 緊締ねじ、 22 ねじ山、 23 成形体、 24,25 自由端部、 26,27 第1の屈曲部、 28,29 第2の屈曲部、 30,31 ガイド機構、 33 回転用グリップ、 34 端部、 35 ボールヘッド、 36 ボール受け、 37 押圧部材、 38 回転用グリップ、 39 調節エレメント、 40 外側、 41 内側、 42 孔、 43 側、 44 支持エレメント、 45 ねじ、 46 ねじ山付ピン、 47 圧縮ばね、 48 操作装置、 49,50 歯列、 51,52,53,54,55,56 歯列区分、 57 側、 58 挿入体、 59 自由端部、 60 上端部、 61 挿入体、 62 保持装置、 63 舌片、 64 目盛
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車、有利には乗用車に配置される、自転車用の保持装置であって、該保持装置が、自転車のペダル装置の起立ポジションにもたらされたクランクアームを受容するための、中空体として形成された受容エレメントを有しており、クランクアームが、受容エレメントに導入されて、横方向においてクランクアームに作用する調節装置を用いて受容エレメントの少なくとも1つのストッパ部材に固定されるようになっている形式のものに関する。
【背景技術】
【0002】
DE9420632U1に基づいて公知の、乗用車用の自転車キャリアは、自転車のペダル装置のクランクアームを受容するための起立している受容エレメントを有している。クランクアームは一方ではクランクピンを介して受容エレメントのスリット切欠き内に位置していて、第1の長辺で受容エレメントのストッパに接近させられている。第1の長辺に対して間隔をおいて位置するクランクアームの第2の長辺には、調節部材が係合し、この調節部材はねじ山付ピンで、クランクアームを直接ストッパに緊締するか、又はクランクアームの軸受ブシュを受容エレメントに対して緊締する。ハンドルもしくはグリップを備えたねじ山付ピンはねじ山付ナットと共働し、このねじ山付ナットは、上から下に向かって受容エレメントに被せ嵌められるホルダに固定されている。
【0003】
US5025932に開示された自転車キャリアでは、自転車のペダル装置のクランクアームが、鉛直に方向付けられた中空の受容エレメントに導入されている。この場合ペダル装置のペダル軸受及びペダルのピンは、受容エレメントの、互いに間隔をおいて延びている壁のスリット状の切欠き内に固定されている。
【特許文献1】DE9420632U1
【特許文献2】US5025932
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、冒頭に述べた形式の自転車用の保持装置を改良して、安価な構成コストと良好な機能と簡単な取扱いの点で傑出している、自動車用の保持装置を提供することである。この場合さらにまた、自転車の長手方向に対して横方向に設けられた屈曲部(Kroepfung)、つまり種々様々な突出部を備えたクランクアームを、保持装置内に挿入できることも望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題を解決するために本発明の構成では、ペダル装置のクランクアームと共働する調節装置が、ストッパ部材に接触しているクランクアームの互いに反対側に位置する側を支持する調節部材を有しており、該調節部材が受容エレメントの高さ方向において調節可能であるようにした。本発明の別の有利な構成は、請求項2以下に記載されている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によって得られる大きな利点としては次のことが挙げられる。すなわち本発明による保持装置では、保持装置の受容エレメントと調節部材とストッパ部材とによって、自転車のペダル装置のクランクアームを模範的にかつ機能適宜に受容エレメント内に導入できるのみならず、受容エレメント内においてクランクアームを確実に固定することができる。受容エレメント内においてクランクアームを確実に固定できることは、自動車に配置された保持装置の、交通安全に配慮した構成に関して、大きな意味がある。両調節エレメントの構成及び調節可能性は、受容エレメントの操作を簡単にし、また、構造形式及び市場の要求に基づいて自転車の横方向で見て真っ直ぐな又は種々異なった屈曲部を有する様々な輪郭のクランクアームの固定を可能にする。第1の調節部材のために緊締ねじを有するキャリア部材は、安価な部材であり、その第1の屈曲部によって、所望のように、受容エレメントの第2の屈曲部と共働することができる。第2の調節部材は、単純な構造と容易な取扱いの点で傑出している。さらにまた、各クランクアームと共働するストッパ部材もしくは調節エレメントの部材の材料を適宜に選択することによって、多くの場合クロムめっきされているか又は高光沢ポリッシュされている、受容エレメントに保持されるクランクアームの表面が、損傷することを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
次に図面を参照しながら本発明の1実施例を詳説する。
【0008】
自転車2用の保持装置1は、図面には単にリヤ部分4だけが示されている乗用車である自動車3の構成部分である。リヤ部分4には開口5が設けられており、この開口5を介して保持装置1は、自動車3の収納室6に格納された休止位置から進出させられた使用位置Bstに移動可能である。保持装置1の休止位置では開口5はカバー7によって覆われており、このカバー7はリヤ部分4の成形構造体に組み込まれている。保持装置1には第1及び第2の受容エレメント8,9が結合されており、両受容エレメント8,9は、水平位置(図示せず)から鉛直位置Stvに旋回させられている。第1の受容エレメント8は管状の中空体の形式で形成されており、この中空体には、車両長手方向A−Aに対して横方向に延びる自転車2のペダル装置11の、鉛直に立てられた起立ポジションPaに運動させられたクランクアーム10が導入されており、第2の自転車の別のクランクアームは第2の受容エレメント9内に収容される(図1)。クランクアーム10は少なくとも部分的に、第1の受容エレメント8の壁12,13(図9)によって取り囲まれ、クランクアーム10はまた、調節装置15と受容エレメント8のストッパ部材16とを用いて固定されている。ストッパ部材16にはクランクアーム10が接触しており、調節装置15は横方向B−Bでクランクアーム10に対して有効である。
【0009】
調節装置15は第1の調節部材17と第2の調節部材18とを有しており、両調節部材17,18は、ストッパ部材16にクランクアーム10が支持されている場合に、クランクアーム10の互いに反対の側KaS1,KaS2において支持されている。この場合少なくとも第1の調節部材17は受容エレメント8の高さ方向C−Cにおいて相対的に調節可能に構成されているので、両調節部材17,18は互いに対して整合可能である。図示の実施例では両調節部材17,18は横方向B−Bにおいてクランクアーム10に対して調節可能に構成されており、このことは、互いに逆向きの水平な矢印PF1,PF2,PF3によって示された作用によって、種々異なった自転車の相応に成形されたクランクアームの緊締もしくは固定を可能にする。
【0010】
第1の調節部材17(図8)は、受容エレメント8の高さ方向C−Cにおいて可動なキャリア部材19を有しており、このキャリア部材19は、受容エレメント8の内側20に支持されていて、緊締ねじ21を備えており、この緊締ねじ21はキャリア部材19のねじ山22にねじ込まれている。キャリア部材19は、ほぼU字形の成形体23によって形成され、この成形体23は、脚Sch1,Sch2の自由端部24,25に第1の屈曲部26,27を有している。キャリア部材19の第1の屈曲部26,27は、受容エレメント8の第2の屈曲部28,29に後ろから係合し、この場合第1の屈曲部26,27に対して間隔をおいてキャリア部材19にガイド機構30,31が設けられており、これらのガイド機構30,31は、第2の屈曲部28,29に沿ったキャリア部材19の容易な案内を可能にする。緊締ねじ21は第1の端部32に第1の回転用グリップ33を備え、第2の端部34に、クランクアーム10に向かって方向付けられた押圧部材37のボール受け(Kugelpfanne)36用のボールヘッド35を備えている。クランクアーム10と押圧部材37との間には、支持エレメントSteが設けられており、この支持エレメントSteは押圧部材37に位置固定に保持され、弾性材料から成っている。
【0011】
第2の調節部材(図9)は、第1の受容エレメント8の壁14に配置されており、第2の回転用グリップ38と調節エレメント39とを有しており、この第2の回転用グリップ38と調節エレメント39とは回転対称的な形状を有していて、軸方向Rax−Raxにおいて作用するクリップ結合部(図示せず)によって互いに結合されている。この場合回転用グリップ38及び調節エレメント39は、1つの構成ユニットにまとめられた状態において、壁14の外側40及び内側41を画成しており、この構成ユニットは壁14の孔42に支承されている。調節エレメント39は、クランクアーム10に向けられた側43に支持エレメント44を有しており、また調節エレメント39はこの支持エレメント44と軸方向に延びるねじ45を介して結合されており、このねじ45は支持エレメント44のねじ山付ピン46と作用結合している。さらに調節エレメント39と支持エレメント44との間においては、圧縮ばね47と操作装置48が作用する。操作装置48を用いて、横方向B−Bにおいて支持エレメント44の軸方向調節が実施可能であり、この操作装置48は調節エレメント39における第1の歯列49(図10)と支持エレメント44における第2の歯列50(図11)とを有している。互いに向かい合う歯列49,50は、第2の調節部材18の一度調節されたポジションが、自動車の運転に起因する振動下においても維持されるように、形成されている。歯列49,50はそれぞれ3つの歯列区分51,52,53;54,55,56を有しており、これらの歯列区分は、調節エレメント39もしくは支持エレメント44の全周にわたって均一に分配配置されている。自転車2のペダル装置11のクランクアーム10が機能適宜に、つまり可撓性材料から製造された支持エレメント44によってセンタリングされて、受容されるようにするために、支持エレメント44は、クランクアーム10に向けられた側57において凹面状に構成されている。
【0012】
図5、図6及び図7から分かるように、受容エレメント8の第1の挿入体58として弾性材料から形成されているストッパ部材16は、クランクアーム10を横方向B−Bにおいてかつクランクアーム10の自由端部59のところで支持している(図5)。第1の挿入体58の上端部60は、第2の調節部材18の支持エレメント44のための回転防止装置を形成している。受容エレメント8の第2の挿入体61は受容エレメント8の自由端部22に取り付けられており、可撓性材料から成っていることに基づいて、自転車1のラッカ塗装又はクロムめっきされた高価な表面の損傷に対する保護装置として働く。第2の挿入体61は、後ろから係合して形状結合部を生ぜしめる保持装置62と、摩擦力結合部を生ぜしめるばね弾性的な舌片63とを用いて、第1の受容エレメント8において位置固定に保持される。さらにまた第2の挿入体61は、第2の回転用グリップ38に向けられた側に目盛64を備えており(図9)、この目盛64は第2の調節部材を所望のように調節するために働く。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】自動車に取り付けられた、自転車用の保持装置を示す斜視図である。
【図2】図1のXで示された領域を示す図であって、自転車のペダル装置の導入されたクランクアームの様子を示す拡大図である。
【図3】図2に相当する図であって、第1の補足的な図である。
【図4】図2に相当する図であって、第2の補足的な図である。
【図5】図4のV−V線に沿って断面した拡大図である。
【図6】ほぼ図2に相当する図であって、導入されたクランクアームなしで示す図である。
【図7】図6に相当する図であって、第1の調節部材のための導入されたキャリア部材と共に示す図である。
【図8】キャリア部材と第1の調節部材とを分解して示す斜視図である。
【図9】第2の調節部材を分解して示す斜視図である。
【図10】図9の矢印Yの方向から見た図である。
【図11】図9の矢印Zの方向から見た図である。
【図12】図11に示された支持エレメントを拡大して示す斜視図である。
【符号の説明】
【0014】
1 保持装置、 2 自転車、 3 自動車、 4 リヤ部分、 5 開口、 6 収納室、 7 カバー、 8,9 受容エレメント、 10 クランクアーム、 11 ペダル装置、 12,13 壁、 15 調節装置、 17,18 調節部材、 19 キャリア部材、 20 内側、 21 緊締ねじ、 22 ねじ山、 23 成形体、 24,25 自由端部、 26,27 第1の屈曲部、 28,29 第2の屈曲部、 30,31 ガイド機構、 33 回転用グリップ、 34 端部、 35 ボールヘッド、 36 ボール受け、 37 押圧部材、 38 回転用グリップ、 39 調節エレメント、 40 外側、 41 内側、 42 孔、 43 側、 44 支持エレメント、 45 ねじ、 46 ねじ山付ピン、 47 圧縮ばね、 48 操作装置、 49,50 歯列、 51,52,53,54,55,56 歯列区分、 57 側、 58 挿入体、 59 自由端部、 60 上端部、 61 挿入体、 62 保持装置、 63 舌片、 64 目盛
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車、有利には乗用車に配置される、自転車用の保持装置であって、該保持装置が、自転車のペダル装置の起立ポジションにもたらされたクランクアームを受容するための、中空体として形成された受容エレメントを有しており、クランクアームが、受容エレメントに導入されて、横方向においてクランクアームに作用する調節装置を用いて受容エレメントの少なくとも1つのストッパ部材に固定されるようになっている形式のものにおいて、
ペダル装置(11)のクランクアーム(10)と共働する調節装置(15)が、ストッパ部材(16)に接触しているクランクアーム(10)の互いに反対側に位置する側(KaS1,KaS2)を支持する調節部材(17,18)を有しており、該調節部材(17,18)が受容エレメント(8)の高さ方向(C−C)において調整可能であることを特徴とする、自転車用の保持装置。
【請求項2】
調節装置(15)が第1の調節部材(17)と第2の調節部材(18)とを有しており、両調節部材(17,18)のうちの少なくとも1つの調節部材が、横方向(B−B)においてクランクアーム(10)に対して調節可能である、請求項1記載の保持装置。
【請求項3】
第1の調節部材(17)と第2の調節部材(18)とが、横方向(B−B)においてクランクアーム(10)に対して調節可能である、請求項1又は2記載の保持装置。
【請求項4】
第1の調節部材(17)が、受容エレメント(8)の高さ方向(C−C)において可動のキャリア部材(19)を有しており、該キャリア部材(19)が受容エレメント(8)の内側(20)に支持されていて、かつ、キャリア部材(19)のねじ山(22)にねじ込み可能な緊締ねじ(21)を備えている、請求項1から3までのいずれか1項記載の保持装置。
【請求項5】
キャリア部材(19)が、横断面ほぼU字形の成形体(23)によって形成されていて、該成形体(23)が脚(Sch1,Sch2)の自由端部(24,25)に第1の屈曲部(26,27)を有していて、該第1の屈曲部(26,27)が受容エレメント(8)の第2の屈曲部(28,29)に後ろから係合する、請求項4記載の保持装置。
【請求項6】
受容エレメント(8)の第2の屈曲部(28,29)に対して間隔をおいて、キャリア部材(19)にガイド機構(30,31)が設けられている、請求項5記載の保持装置。
【請求項7】
第1の端部(32)における緊締ねじ(21)が回転用グリップ(33)を備えていて、第2の端部(34)に、クランクアーム(10)に向かって方向付けられた押圧部材(37)のボール受け(36)のためのボールヘッド(35)を有している、請求項4記載の保持装置。
【請求項8】
第2のクランクアーム(10)と押圧部材(37)との間において、押圧部材(37)に支持エレメント(44)が設けられていて、該支持エレメント(44)が弾性材料から成っている、請求項7記載の保持装置。
【請求項9】
第2の調節部材(18)が、受容エレメント(8)の壁(14)に不動に配置されている、請求項1又は2記載の保持装置。
【請求項10】
第2の調節部材(18)が回転用グリップ(38)と調節エレメント(39)とを有していて、該回転用グリップ(38)と調節エレメント(39)とが、受容エレメント(8)の壁(14)の孔(42)に回転可能に支承されている、請求項9記載の保持装置。
【請求項11】
第2の調節エレメント(39)が、軸方向において作用する操作装置(48)を介して、クランクアーム(10)に向かって方向付けられた支持エレメント(44)を備えている、請求項10記載の保持装置。
【請求項12】
操作装置(48)が軸方向運動を生ぜしめる歯列(49,50)を調節エレメント(39)と支持エレメント(44)との間に有している、請求項11記載の保持装置。
【請求項13】
少なくとも、クランクアーム(10)と共働する支持エレメント(4)が、可撓性材料から成っている、請求項11記載の保持装置。
【請求項14】
ストッパ部材(16)がクランクアーム(10)を、横方向(B−B)においてかつクランクアーム(10)の自由端部(59)のところで支持している、請求項1記載の保持装置。
【請求項15】
ストッパエレメント(16)が、受容エレメント(8)内に取り付けられた第1の挿入体(58)として形成されている、請求項1又は14記載の保持装置。
【請求項16】
受容エレメント(8)が自由な上端部(60)に、有利には弾性材料から成る別の第2の挿入体(61)を備えている、請求項1記載の保持装置。
【請求項17】
第2の挿入体(61)が形状結合式及び/又は摩擦力結合式に受容エレメントにおいて位置固定される、請求項16記載の保持装置。
【請求項1】
自動車、有利には乗用車に配置される、自転車用の保持装置であって、該保持装置が、自転車のペダル装置の起立ポジションにもたらされたクランクアームを受容するための、中空体として形成された受容エレメントを有しており、クランクアームが、受容エレメントに導入されて、横方向においてクランクアームに作用する調節装置を用いて受容エレメントの少なくとも1つのストッパ部材に固定されるようになっている形式のものにおいて、
ペダル装置(11)のクランクアーム(10)と共働する調節装置(15)が、ストッパ部材(16)に接触しているクランクアーム(10)の互いに反対側に位置する側(KaS1,KaS2)を支持する調節部材(17,18)を有しており、該調節部材(17,18)が受容エレメント(8)の高さ方向(C−C)において調整可能であることを特徴とする、自転車用の保持装置。
【請求項2】
調節装置(15)が第1の調節部材(17)と第2の調節部材(18)とを有しており、両調節部材(17,18)のうちの少なくとも1つの調節部材が、横方向(B−B)においてクランクアーム(10)に対して調節可能である、請求項1記載の保持装置。
【請求項3】
第1の調節部材(17)と第2の調節部材(18)とが、横方向(B−B)においてクランクアーム(10)に対して調節可能である、請求項1又は2記載の保持装置。
【請求項4】
第1の調節部材(17)が、受容エレメント(8)の高さ方向(C−C)において可動のキャリア部材(19)を有しており、該キャリア部材(19)が受容エレメント(8)の内側(20)に支持されていて、かつ、キャリア部材(19)のねじ山(22)にねじ込み可能な緊締ねじ(21)を備えている、請求項1から3までのいずれか1項記載の保持装置。
【請求項5】
キャリア部材(19)が、横断面ほぼU字形の成形体(23)によって形成されていて、該成形体(23)が脚(Sch1,Sch2)の自由端部(24,25)に第1の屈曲部(26,27)を有していて、該第1の屈曲部(26,27)が受容エレメント(8)の第2の屈曲部(28,29)に後ろから係合する、請求項4記載の保持装置。
【請求項6】
受容エレメント(8)の第2の屈曲部(28,29)に対して間隔をおいて、キャリア部材(19)にガイド機構(30,31)が設けられている、請求項5記載の保持装置。
【請求項7】
第1の端部(32)における緊締ねじ(21)が回転用グリップ(33)を備えていて、第2の端部(34)に、クランクアーム(10)に向かって方向付けられた押圧部材(37)のボール受け(36)のためのボールヘッド(35)を有している、請求項4記載の保持装置。
【請求項8】
第2のクランクアーム(10)と押圧部材(37)との間において、押圧部材(37)に支持エレメント(44)が設けられていて、該支持エレメント(44)が弾性材料から成っている、請求項7記載の保持装置。
【請求項9】
第2の調節部材(18)が、受容エレメント(8)の壁(14)に不動に配置されている、請求項1又は2記載の保持装置。
【請求項10】
第2の調節部材(18)が回転用グリップ(38)と調節エレメント(39)とを有していて、該回転用グリップ(38)と調節エレメント(39)とが、受容エレメント(8)の壁(14)の孔(42)に回転可能に支承されている、請求項9記載の保持装置。
【請求項11】
第2の調節エレメント(39)が、軸方向において作用する操作装置(48)を介して、クランクアーム(10)に向かって方向付けられた支持エレメント(44)を備えている、請求項10記載の保持装置。
【請求項12】
操作装置(48)が軸方向運動を生ぜしめる歯列(49,50)を調節エレメント(39)と支持エレメント(44)との間に有している、請求項11記載の保持装置。
【請求項13】
少なくとも、クランクアーム(10)と共働する支持エレメント(4)が、可撓性材料から成っている、請求項11記載の保持装置。
【請求項14】
ストッパ部材(16)がクランクアーム(10)を、横方向(B−B)においてかつクランクアーム(10)の自由端部(59)のところで支持している、請求項1記載の保持装置。
【請求項15】
ストッパエレメント(16)が、受容エレメント(8)内に取り付けられた第1の挿入体(58)として形成されている、請求項1又は14記載の保持装置。
【請求項16】
受容エレメント(8)が自由な上端部(60)に、有利には弾性材料から成る別の第2の挿入体(61)を備えている、請求項1記載の保持装置。
【請求項17】
第2の挿入体(61)が形状結合式及び/又は摩擦力結合式に受容エレメントにおいて位置固定される、請求項16記載の保持装置。
【図1】


【図2】


【図3】


【図4】


【図5】


【図6】


【図7】


【図8】


【図9】


【図10】


【図11】


【図12】




【図2】


【図3】


【図4】


【図5】


【図6】


【図7】


【図8】


【図9】


【図10】


【図11】


【図12】


【公開番号】特開2008−13173(P2008−13173A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−175374(P2007−175374)
【出願日】平成19年7月3日(2007.7.3)
【出願人】(506292985)マグナ カー トップ システムズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (31)
【氏名又は名称原語表記】Magna Car Top Systems GmbH
【住所又は居所原語表記】Stuttgarter Strasse 59, D−74321 Bietigheim−Bissingen, Germany
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月3日(2007.7.3)
【出願人】(506292985)マグナ カー トップ システムズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (31)
【氏名又は名称原語表記】Magna Car Top Systems GmbH
【住所又は居所原語表記】Stuttgarter Strasse 59, D−74321 Bietigheim−Bissingen, Germany
【Fターム(参考)】
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