説明

臭化銅湿度表示カード

本発明は、湿度表示の方法を含む。この方法は、サブストレートと湿度表示領域の提供を含む。この湿度表示領域は、臭化銅と、臭化物塩と、染料と、セルロース繊維を含む。本発明の他の態様において、本発明は湿度インジケータアレイを含む。この湿度インジケータアレイは、複数の湿度表示領域を有するサブストレートを備え、各領域が臭化銅と染料と臭化物塩とを備え、各領域における臭化物イオンと銅イオンのモル比が約7.5:1である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環境中の相対湿度を示すために用いられる湿度インジケータに関し、特に、環境中の異なる相対湿度で色が変わる臭化銅湿度インジケータに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、さまざまな湿度インジケータが存在している。湿度インジケータの1つに湿度表示カードがあり、運送用コンテナ内および小包(梱包した電子製品や電気通信製品等)内の相対湿度の測定を含むさまざまな目的で用いられている。湿度表示カードには、通常、湿度感受性組成物を含浸させ、乾燥させる。今日製造される湿度表示カードのほとんどは、塩化コバルトをインジケータとして用いており、塩化コバルトの水和レベル(level of hydration)に基づいて、色が変化する。塩化コバルトの色は、一水和物の時の青色から、六水和物の時の桃色まで変化する。すなわち、水和の水が加わるごとに、青色から次第に赤味が増してくる。そのため、カードの色に基づいておよその湿度を知ることが出来る。カードに湿度表示領域のアレイ(array)を含めることが出来る。この場合、湿度レベルの上昇につれて、カード上の異なる表示領域が青色から桃色に変化する必要がある。
【0003】
塩化コバルトを用いた湿度インジケータの問題は、塩化コバルトが刺激剤として知られ、毒性を有することである。さらに、塩化コバルトの使用は、食品・医薬品に使用する場合には、規制対象となる。したがって、塩化コバルト湿度インジケータの用途は限られ、食品・医薬品分野では役に立たない。
【0004】
Cu2+イオンを放出可能なハロゲン化合物等の塩が含浸されているタイプの湿度表示カードがある。国際公開公報WO02/44712号には、銅塩、相乗作用(synergistic)の塩、および染料が含浸された湿度表示紙が開示されている。
【0005】
湿度表示ゲルを用いたタイプの湿度表示カードもある。米国特許公開公報第2004/0051081号において、Moretonは、相対湿度インジケータを提供するために銅と臭化物が含浸されたシリカゲル材料を開示している。米国特許第6,655,315号において、Gattigliaは、塩化銅と吸湿性塩(hygroscopic salt)が含浸されたシリカゲルを開示しており、このシリカゲルは、色の変化により水分の存在を示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
分かりやすい色の変化を提供し、なおかつ毒性のない、改良された湿度インジケータが、依然として求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、湿度表示の方法を備えている。この方法は、サブストレート(substrate:基体、基材)と湿度表示領域の提供を含み、この湿度表示領域は、臭化銅と、臭化物塩と、染料と、セルロース繊維を備えている。
【0008】
本発明の他の態様では、本発明は湿度インジケータアレイ(indicator array)を備えている。この湿度インジケータアレイは、複数の湿度表示領域を有するサブストレートを備え、各領域が臭化銅と染料と臭化物塩とを備え、各領域における臭化物イオン(臭素イオン;bromide ion)と銅イオンのモル比が約7.5:1である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明による湿度表示カードの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、従来技術の不利益な点を解決する。本発明は、毒性の無い湿度インジケータを提供する。本発明はまた、食品および医薬品のパッケージに利用可能なデバイス(手段、器具、device)を提供する。さらに、本発明は、乾燥剤の交換が必要な時を知らせるデバイスを提供する。本発明はまた、カードその他のサブストレートの領域に、ユーザに分かりやすい色の変化を提供する。さらに、本発明によれば、表示領域の色をかえることが可能である。これら利点および他の利点は、以下の詳細な記述により明らかになるであろう。
【0011】
本発明は湿度表示デバイスを含み、この湿度表示デバイスは、少なくとも1つの湿度表示領域を有する。好ましい形態においては、本発明は湿度インジケータアレイを含み、この湿度インジケータアレイは、サブストレート上に複数の湿度表示領域を備えている。各湿度表示領域は、特定の相対湿度において色が変化し得る組成物(composition)を有している。湿度を表示する組成は、臭化銅と臭化物塩と染料を、水蒸気と反応して[Cu(HO)]2+イオンを生成するための有効な配合で含んでいる。
【0012】
好ましい形態においては、上記組成物は、硫酸銅(II)五水和物、臭化ナトリウム、セルロース繊維、染料および水を混合して、作ることが出来る。サブストレートの別々の領域に溶液のアレイを供給(cast)する。この溶液のアレイにおいて、銅(II)五水和物および臭化ナトリウムの量が増加し、染料およびセルロース繊維の量は一定である。染料はほぼ紙に吸収され、以下に記すように、[Cu(HO)]2+イオンの淡い黄褐色の色が存在するときのみ、見える。
【0013】
硫酸銅(II)五水和物と臭化ナトリウムが反応して臭化銅錯体(copper bromide complex)を形成する。この臭化銅錯体は、無水状態では濃い茶色の外観を呈し、染料を隠す。臭化銅がある相対湿度にさらされると、環境中の水蒸気分子が臭化銅錯体の銅と結合して、[Cu(HO)]2+イオンを形成する。このイオンは淡い黄褐色で、実質的に無色である。これら[Cu(HO)]2+イオンは染料を隠すことが出来ない。そのため、ある相対湿度に達すると、[Cu(HO)]2+イオンの存在が湿度表示領域の色を、臭化銅錯体の濃い茶色から、ほとんど目に見えない淡い黄褐色に変化させる。すると、染料の色が見える。組成物中の硫酸銅(II)と臭化ナトリウムの量は、各湿度表示領域で増減可能であり、色の変化が起こる相対湿度レベルを調整することが出来る。すなわち、組成物中に存在する臭化銅と臭化ナトリウムの量を増やすと、色の変化が観察される相対湿度レベルが上昇する。組成物中の過剰な臭化物が水と競合して、[Cu(HO)]2+イオンの形成を遅らせることが、その理由の1つである。
【0014】
ある態様では、溶液のアレイではなく、単一の溶液をサブストレートに配し、単一の相対湿度表示領域を形成するのが望ましい。単一の表示領域により、色が変化したか否かに基づいて、相対湿度が特定の相対湿度よりも上か下かを判定することが出来る。あるいは、湿度表示領域の色を、一組の染料を有するカード上の領域と比較することによって、湿度レベルを知ることが出来る。この一組の染料は、特定の相対湿度でどの色が現れるかを示している。例えば、環境中の相対湿度が30%に達したとき、表示領域の色が茶色から黄色に変化するかも知れない。そのため、サブストレート上の領域は黄色い染料の部分と茶色の染料の部分を含み、湿度表示領域と比較出来るようになっている。一組の染料ではなく、サブストレートが一色の染料だけを含んでいてもよい。その染料は、特定の相対湿度に達したとき、上記表示領域が呈すべき色を示す。
【0015】
臭化物と混合するための好ましい硫酸銅は、硫酸銅(II)五水和物である。なぜなら、この物質は、臭化物塩と混合したとき、乾燥時には暗い色を提供し、所定の湿度レベルに達すると淡い黄褐色を提供するためであり、また、食品着色料と反応しないためである。本発明に適した他の硫酸銅(II)原料としては、無水硫酸銅(II)または、硫酸銅(II)水和物である。他の典型的硫酸銅としては、銅アミノ硫酸塩(copper amino sulfate)(アンモニア化された硫酸銅:copper sulfate,ammoniated)および三塩基性硫酸銅(copper sulfate tribasic)がある。
【0016】
硫酸銅(II)と混合するのに好ましい臭化物塩は、臭化ナトリウムまたは臭化カリウムである。なぜなら、これらの物質は、硫酸銅(II)と混合したとき、乾燥時には暗い色を提供し、所定の湿度レベルに達すると淡い黄褐色を提供するからであり、また、食品着色料と反応しないからである。本発明に適した他の臭化物塩は、臭化カルシウム、臭化マグネシウム、臭化亜鉛、または臭化アンモニウムである。驚くべきことに、臭化物塩として臭化銅を用いると、検出が容易な色の変化は得られなかった。使用可能な他の典型的な塩としては、塩化銅、ヨウ化銅、フッ化銅、硝酸銅、クロム酸塩、過マンガン酸塩等がある。
【0017】
染料として、どのタイプの食品着色料を用いてもよいが、FD&C(米国連邦食品・医薬品・化粧品法)で認可された染料が好ましいことを理解されたい。なぜなら、これらは入手し易く、食品、化粧品および医薬品に使用しても安全だからである。好ましい染料は、FD&C黄5番とFD&C赤40番の組合せである。なぜなら、ある相対湿度に達すると、検出し易い色の変化を提供するからである。もう一つの好ましい染料は、FD&C緑3番とFD&C黄5番の組合せである。この場合、ある相対湿度に達すると、サブストレートが茶色から緑色に変化する。しかし、FD&C黄5番、FD&C緑3番またはFD&C赤40番を単独で用いてもよい。本発明に、茶色の染料以外であれば、他の染料を用いてもよいことを理解されたい。
【0018】
好ましくは、セルロース溶液がこの湿度表示溶液に含有されている。たとえば、Hercules, Inc.製のklucel(登録商標)ヒドロキシプロピルセルロースjfを用いることが出来る。Klucel(登録商標)ヒドロキシプロピルセルロースjfは粉末で、20メッシュスクリーン(851ミクロン)を99%が通過する粒子サイズ、または30メッシュスクリーン(600ミクロン)を85%が通過する粒子サイズを有する。セルロース溶液は、湿度表示溶液の粘度を高め、この溶液を湿度表示カードに供給した時、この溶液が遠くまで広がり過ぎないようにする。セルロースはまた、臭化銅錯体の凝集を最低限に抑え、色が均一に分散されるようにし、臭化銅錯体からダークスポットが形成されないようにする。セルロース繊維溶液は湿度表示溶液を封じ込め、各湿度表示領域を小さくさせ、より多くの相対湿度表示領域を一枚のカードに含められるようにする。さらに、色の変化が検出し易くなる。なぜなら、臭化銅錯体と染料が、より高濃度で均一な領域に存在するからである。湿度表示溶液中のセルロース繊維の好ましい濃度範囲は、約0.8%〜1.2%である。なぜなら、この濃度範囲は、硫酸銅(II)と臭化物塩の溶液を湿度表示カード上の好ましい領域に保持するのに適した粘度を提供するからである。しかし、湿度表示溶液中のセルロース繊維の適した濃度範囲は、約0.5%〜1.5%である。湿度表示溶液の粘度を高めるのに適した他の増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、カルボキシプロピルセルロース、カラギナン、グァーガム、キサンタンガム等が含まれる。
【0019】
本発明の好ましい実施例においては、サブストレートとして吸取紙(blotting paper)が用いられる。なぜなら、吸取紙は染料を容易に吸収し、急速に乾燥するからである。しかし、他のタイプのサブストレートを用いてもよいことを理解されたい。例えば、この湿度表示剤(湿度表示組成物、湿度表示材料;humidity indicating chemistry)は、他のタイプの紙、粘着性のスタンプ(証紙)、プラスチックシート、フィルム、または裏当て材(backing material)のコーティング層(金属等のサブストレートに施されたポリマーまたは繊維のコーティング等)に用いてもよい。さらに、湿度表示剤は、固体で用いてもよく、または、樹脂ポリマーおよびホットメルト接着剤等の材料中に用いてもよい。より具体的には、ポリビニルアセテート、エチレンビニルアセテート、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、またはポリアクリレートに、この湿度表示剤を含ませることが出来る。この湿度表示剤は、この材料全体に含ませてもよく、材料の一部分に含ませてもよい。本発明の好ましい実施形態においては、材料はほぼ透明または無色で、色の変化が見やすいものである。この湿度表示剤はまた、さまざまな粉体または凝集体を結合剤と一緒にまたは結合剤なしに加圧することにより製造した加圧部品(pressed part)またはタブレットに、含ませることが出来る。
【0020】
他の添加剤、すなわち界面活性剤、静菌剤、殺菌剤等を、この湿度表示溶液に含ませてもよいことを理解されたい。
【0021】
湿度表示領域の色は、組成物中に存在する臭化銅と臭化ナトリウムの量によって影響を受ける。組成中に存在する臭化銅と臭化ナトリウムの量が増加するにつれて、色の変化が観察される相対湿度のレベルが上がる。好ましくは、10%から60%の範囲の相対湿度を検出するための溶液中の臭化ナトリウムの量は、硫酸銅(II)五水和物との重量比が約3:1〜5:1となる範囲である。より具体的には、10%から50%の範囲の相対湿度を検出するための溶液中における、臭化ナトリウムと硫酸銅(II)五水和物との好ましい重量比は、約3:1である。60%を超える相対湿度を検出するための溶液中における、臭化ナトリウムと硫酸銅(II)五水和物との好ましい重量比は、少なくとも5:1である。これは、相対湿度レベルが60%に達する前に臭化銅の色が変化するのを防ぐためには、より多くの過剰な臭化物が必要となるためである。
【0022】
同様に、組成物中に存在する銅イオンと臭化物イオン(臭素イオン;bromide ion)の量が増加するにつれて、色の変化が観察される相対湿度のレベルが上がる。10%から60%の範囲の相対湿度を検出するための溶液中における、臭化物イオンと銅イオンとのモル比は、約7.5:1〜約12.2:1の範囲であることが分かっている。10%から50%の範囲の湿度を検出する湿度検出溶液中における、臭化物イオンと銅イオンとの好ましいモル比は、約7.5:1であり、60%を超える湿度を検出する湿度検出溶液中における、臭化物イオンと銅イオンとのモル比は、少なくとも12.2:1である。
【0023】
本発明はさまざまな用途に利用できるよう、上手く記載されており、乾燥剤の材料がまだ活性を有しているか否かの判定等に利用できることを理解されたい。本発明はまた、製品パッケージおよび容器(食品、化粧品および医薬品のパッケージおよび容器を含む)の中の相対湿度を測定することが出来る。本発明はまた、たとえば研究室、製造施設、動物の囲いおよび施設等、好ましい相対湿度を要求する環境の相対湿度を測定することが出来る。
【0024】
図面を参照すると、図1は湿度表示カード10を示す。このカードは、6つの相対湿度表示領域12、14、16、18、20、22を有している。この構成において、領域12が含む溶液の硫酸銅(II)五水和物および臭化ナトリウムの量は最も少なく、領域22が含む溶液の硫酸銅(II)五水和物および臭化ナトリウムの量は最も多い。相対湿度検出領域12、14、16、18、20、22は、10%間隔で、それぞれ10%、20%、30%、40%、50%、60%で、茶色から黄色に色が変わる。そのため、湿度のある環境にカード10を持ち込んで、黄色の染料が見える最も高いパーセンテージの相対湿度表示領域を読むことにより、その環境の相対湿度を測定することが出来る。
【0025】
各領域12、14、16、18、20、22は円24によって画成され、この円24は、円24によって画成された内部領域を超えて移行した溶液をすべて隠す。好ましくは、この円24は不透明、たとえば黒色である。
【0026】
湿度表示カード10上の各湿度表示領域用に、異なる濃度の臭化ナトリウムを有する異なる溶液を作成する。
【0027】
例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%の相対湿度レベルを検出する相対湿度検出領域を有する表示カード10を作るためには、表1に示すように、硫酸銅(II)五水和物、臭化ナトリウム、水、および染料溶液を有する下記の溶液を、さまざまな相対湿度レベルについて、下記の濃度で加える。
【表1】

【0028】
上記染料溶液は、水、プロピレングリコール、FD&C赤40番、およびFD&C黄5番を、下の表2に示す濃度で含んでいる。
【表2】

【0029】
上記の相対湿度10%を検出する湿度表示領域用の溶液の製造方法は、以下のとおり。
1.上記10%表示領域用として、硫酸銅(II)五水和物4.1グラム、臭化ナトリウム12.3グラムおよび黄色染料溶液9.4グラムを、水900.0グラムと上述した量での10%セルロース溶液100.0グラムの中に、加える。
2.材料を10分間強く撹拌して混ぜ、すべての成分が確実に溶液中に溶けているようにする。
【0030】
同じ方法で、表1にしたがって、20%〜60%検出のための溶液を作成する。次に、カードの所望の領域に各溶液を噴霧したり、染み込ませたり、刺す。次にカードを通常のオーブンで300°F(149°C)で約2〜5分間乾燥させ、水分を蒸発させる。
【0031】
湿度表示カード10が乾燥すると、領域12、14、16、18、20、22で、溶液中に加えられていた硫酸銅(II)五水和物と臭化ナトリウムが臭化銅(II)錯体を形成する。
【0032】
10%、20%、30%、40%、50%、60%の溶液に含まれる硫酸銅(II)五水和物と臭化ナトリウム量は、それぞれ順次多くなり、それにより、カード上の異なる領域が異なる湿度レベルで色が変わる。10%湿度表示領域は、湿度10%で、茶色から黄色に完全に色が変わり、10%を超える湿度レベルにおいてはずっと黄色であり続けることを理解されたい。同様に、50%湿度表示領域は、湿度50%で完全に色が変わり、50%を超える湿度レベルにおいてはずっと黄色であり続ける。50%湿度表示領域は、相対湿度が50%に達する前、たとえば相対湿度45%で色が変わり始め、茶色と黄色が混ざったような色を呈するかも知れない。しかし、この色の変化は、より低い湿度の表示領域に比べれば、わずかである。
【0033】
たとえば、表2に記した染料溶液を含む、表1に記した湿度表示溶液を用いたとき、以下の色の変化が観察された。
【表3】

【0034】
上記の表に示されるように、上記領域は、その企図した相対湿度レベルに達したとき、茶色から黄色に変化する。たとえば、相対湿度レベル15%では、10%相対湿度表示領域は黄色で、20%〜60%表示領域は茶色である。相対湿度レベル35%では、10%〜30%相対湿度表示領域は黄色で、40%〜60%湿度表示領域は茶色である。
【0035】
以上のように本発明を記載してきたが、さまざまな変形が可能であることは明白である。かかる変形は本発明の精神および範囲からの逸脱とみなされるべきではなく、以下の特許請求の範囲に含まれるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
湿度表示領域を有するサブストレートを備え、この湿度表示領域が、臭化銅、臭化物塩、染料およびセルロース繊維を備えたことを特徴とする湿度インジケータ。
【請求項2】
上記サブストレートが吸取紙であることを特徴とする、請求項1に記載の湿度インジケータ。
【請求項3】
上記臭化物塩が臭化ナトリウムであることを特徴とする、請求項1に記載の湿度インジケータ。
【請求項4】
上記セルロース繊維の濃度が約1%であることを特徴とする、請求項1に記載の湿度インジケータ。
【請求項5】
上記染料がFD&C黄色染料であることを特徴とする、請求項1に記載の湿度インジケータ。
【請求項6】
上記染料がFD&C黄色染料とFD&C赤色染料であることを特徴とする、請求項1に記載の湿度インジケータ。
【請求項7】
上記臭化銅が硫酸銅(II)五水和物と臭化物塩との反応によって生成されたことを特徴とする、請求項1に記載の湿度インジケータ。
【請求項8】
臭化物と銅とのモル比が約7.5:1〜約12.2:1の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の湿度インジケータ。
【請求項9】
臭化ナトリウムと硫酸銅五水和物との重量比が約3:1〜約5:1の範囲であることを特徴とする、請求項7に記載の湿度インジケータ。
【請求項10】
上記臭化銅が臭化銅錯体を含むことを特徴とする、請求項1に記載の湿度インジケータ。
【請求項11】
上記サブストレートが、スタンプ、プラスチックシート、ポリマーフィルム、および裏当て材の吸収性コーティング層から成る群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の湿度インジケータ。
【請求項12】
複数の湿度表示領域を有するサブストレートを備えた湿度インジケータアレイであって、各領域が臭化銅、染料および臭化物塩を備え、上記領域中の臭化物イオンと銅イオンとのモル比が約7.5:1であることを特徴とする湿度インジケータアレイ。
【請求項13】
硫酸銅(II)と臭化ナトリウムが反応して上記臭化銅が生成されることを特徴とする、請求項12に記載の湿度インジケータアレイ。
【請求項14】
各領域がセルロース繊維をさらに備えたことを特徴とする、請求項12に記載の湿度インジケータアレイ。
【請求項15】
上記染料がFD&C染料であることを特徴とする、請求項12に記載の湿度インジケータアレイ。
【請求項16】
上記湿度インジケータの複数の領域のそれぞれが、順次大きくなる量の臭化銅と臭化物塩を有し、10%〜50%の範囲の湿度を検出することを特徴とする、請求項12に記載の湿度インジケータアレイ。
【請求項17】
上記湿度インジケータの複数の領域が10%〜50%にわたり10%間隔であることを特徴とする、請求項16に記載の湿度インジケータアレイ。
【請求項18】
臭化ナトリウムと硫酸銅(II)五水和物との重量比が約3:1〜約5:1の範囲であることを特徴とする、請求項13に記載の湿度インジケータアレイ。
【請求項19】
臭化ナトリウムと硫酸銅(II)五水和物との重量比が3:1であることを特徴とする、請求項13に記載の湿度インジケータアレイ。
【請求項20】
表示カード上に複数の湿度表示領域を提供し、各領域が臭化銅、染料および臭化物塩を備え、上記領域中の臭化物イオンと銅イオンとのモル比を約7.5:1〜12.2:1の範囲にする工程と、
上記表示カードを湿度を含む環境内に入れ、それによって、この湿度レベルより低い湿度表示領域の色が変わる工程と、
色が変わった最も高い領域の湿度を湿度として読む工程と、
を備えた湿度表示方法。
【請求項21】
上記領域がセルロース繊維をさらに備えたことを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
上記領域が10%間隔で10%〜50%の範囲の湿度を検出することを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
上記染料がFD&C黄色染料であることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
上記カードが吸取紙であることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
臭化物塩、硫酸銅(II)および染料から成る溶液群を提供する工程と、
各溶液をサブストレートの別々の領域に投入し、溶液は臭化物および硫酸銅(II)の量が異なり、染料の量が実質的に同じである工程と、
を備えたことを特徴とする湿度インジケータの製造方法。
【請求項26】
低い湿度の検出を目的とする各領域は、臭化物塩および硫酸銅(II)の濃度が低いことを特徴とする、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
高い湿度の検出を目的とする各領域は、臭化物塩および硫酸銅(II)の濃度が高いことを特徴とする、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
上記サブストレートが吸取紙であることを特徴とする、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
上記溶液群がセルロース繊維を含むことを特徴とする、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
臭化物と銅とのモル重量比が約7.5:1であることを特徴とする、請求項25に記載の方法。
【請求項31】
上記溶液群が10%〜50%の範囲の湿度を検出することを特徴とする、請求項25に記載の方法。
【請求項32】
上記溶液群が10%〜50%の範囲の湿度を10%間隔で検出することを特徴とする、請求項25に記載の方法。
【請求項33】
樹脂中に湿度インジケータを備えた湿度インジケータであって、臭化銅、臭化物塩、および染料を備えたことを特徴とする湿度インジケータ。
【請求項34】
タブレットをさらに備え、このタブレットは粉末状の樹脂が加圧されて形成されたことを特徴とする請求項33に記載の湿度インジケータ。
【請求項35】
上記樹脂がほぼ透明であることを特徴とする請求項33に記載の湿度インジケータ。
【請求項36】
上記樹脂がホットメルト接着剤であることを特徴とする請求項33に記載の湿度インジケータ。
【請求項37】
上記湿度インジケータが上記樹脂中に拡散していることを特徴とする請求項33に記載の湿度インジケータ。
【請求項38】
上記湿度インジケータが上記樹脂の少なくとも1つの領域に存在することを特徴とする請求項33に記載の湿度インジケータ。

【図1】
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【公表番号】特表2012−522991(P2012−522991A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−503691(P2012−503691)
【出願日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【国際出願番号】PCT/US2010/029567
【国際公開番号】WO2010/117865
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(509196903)マルチソーブ テクノロジーズ インク (9)
【Fターム(参考)】