説明

臭気抑制体排出液吸収体

臭気抑制体排出液吸収部材が、(a)吸収材料または基材と、(b)以下の式(I)のハロ活性芳香族スルホンアミド化合物とを含む:
【化1】


[式中、R、R、R、R、R、X、M、およびnは、本明細書に記載するとおりであり、R、R、R、R、およびRの少なくとも1つは水素ではない]。本吸収部材はさまざまな体液から生じる臭気を効果的に抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2009年2月24日に出願された米国仮特許出願第61/154,909号に基づく優先権を主張する。前記出願の開示は参照によりその全てが本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は臭気抑制特性を有する体排出液吸収部材に関する。
【背景技術】
【0003】
パッドなどの吸収部材は、生理用品、おむつ(乳児用および失禁問題を抱える人用の両方)、衛生ナプキン、タンポン、創傷被覆材、および包帯などの物品における体液(body fluid)または体排出液(bodily fluid)の吸収に広く利用される。そのような吸収部材には、高吸水性ポリマー(自重の何倍もの流体を吸収するもの)または他の繊維性材料、例えば綿、木材パルプ、および紙などを組み入れることができる。そのような吸収部材によって吸収される体排出液としては、血液、膿、汗、精液、分泌物、月経、尿、および糞便などを挙げることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
体排出液は、臭気原因分子(これらは、酸素、硫黄、または窒素を含有する脂肪族、芳香族、または複素環式化合物でありうる)のせいで、不快な臭気を持ちうる。臭気原因分子は、より快適なにおいがする分子、例えば香料を使って遮蔽するか、封入することができる。しかし、そうする代わりに臭気原因分子を改変、中和、および/または破壊することは、望ましいであろう。また、強化された臭気抑制性を有する改良された体排出液吸収部材を提供することも有益である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書では臭気抑制体排出液吸収部材をさまざまな実施形態で開示する。本臭気抑制体排出液吸収部材は、吸収材料と、以下に示す式(I)のハロ活性芳香族スルホンアミド化合物とを含む。
【化1】

[式中、R、R、R、R、およびRは、水素、COOH、COOM、COOR’、CON(R”)、アルコキシ、CN、NO、SOR”、ハロゲン、置換または無置換フェニル、スルホンアミド、ハロスルホンアミド、および置換または無置換C−C12アルキルから独立して選択され;Mはアルカリまたはアルカリ土類金属であり;R’は置換または無置換C−C12アルキルであり;R”は水素または置換もしくは無置換C−C12アルキルであって、CON(R”)中の2つのR”基は独立して選択することができ;R、R、R、R、およびRの少なくとも1つは水素ではなく;Xはハロゲンであり;Mはアルカリまたはアルカリ土類金属であり;かつ、nは本スルホンアミド化合物1分子あたりの水分子の数である]。
【0006】
吸収材料はポリマーであるか、または木材フラッフなどのセルロース系繊維でありうる。
【0007】
ある実施形態において、Mは、ナトリウムまたはカリウムであることができる。また、Xは塩素、臭素、フッ素、またはヨウ素でありうる。
【0008】
一部の特定実施形態では、R、R、R、R、およびRの少なくとも2つが水素ではない。別の実施形態では、Rがメチル、COOH、またはCOOMである。さらに別の実施形態では、Rがメチル、COOH、またはCOOMであり、R、R、R、およびRの少なくとも1つが水素ではない。
【0009】
一部の実施形態では、Rが塩素、フッ素、NO、またはメトキシである。別の実施形態では、Rがメチルまたは塩素である。
【0010】
また、スルホンアミド化合物は以下の式(IV)の構造を持ちうる。
【化2】

【0011】
別の実施形態では、Rが、COOH、COOM、COOR’、CON(R”)、CN、NO、ハロゲン、および置換または無置換C−C12アルキルから選択される。
【0012】
さらに別の実施形態では、R、R、R、R、およびRが、水素、COOH、COOM, NO、ハロゲン、および置換または無置換C−C12アルキルから独立して選択される。
【0013】
一部の実施形態では、RとRが互いに同一であり、かつ、R、R、およびRが水素である。あるいは、一部の実施形態では、RおよびRが水素であり、かつ、R、R、およびRが互いに同一である。
【0014】
特定の実施形態では、Rが、COOH、COOM、COOR’、およびCON(R”)から選択される。
【0015】
特別な実施形態では、R、R、R、R、およびRが、水素、COOH、COOM、COOR’、CON(R”)、NO、ハロゲン、および置換または無置換C−C12アルキルから独立して選択される。
【0016】
別の実施形態では、RがCOOHまたはCOOMであり、かつ、R、R、R、およびRが、水素、NO、ハロゲン、および置換または無置換C−C12アルキルから独立して選択される。さらなる特別な実施形態では、R、R、R、およびRの少なくとも1つが水素ではない。
【0017】
本臭気抑制体排出液吸収部材は、第2の異なるスルホンアミド化合物も含みうる。2つのスルホンアミド化合物の重量比は約90:10〜約10:90であることができる。特別な実施形態では、一方の化合物がN−クロロ−p−カルボキシスルホンアミドである。他方の化合物はN−クロロ−p−トルエンスルホンアミドでありうる。
【0018】
あるいは、2つのスルホンアミド化合物のうちの一方は、以下の式(VI)の化合物でありうる。
【化3】

[式中、Mは水素、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属である]。
【0019】
2つのスルホンアミド化合物は、吸収部材の重量に基づいて約0.5〜約15重量パーセントの範囲で存在することができる。
【0020】
一般にスルホンアミド化合物は、吸収部材の重量に基づいて約0.5〜約15重量パーセントまで(約0.5〜約1.5重量パーセントまたは約7〜約13重量パーセントを含む)の範囲で存在することができる。
【0021】
本臭気抑制体排出液吸収部材は緩衝剤をさらに含みうる。
【0022】
別の実施形態では、吸収材料と以下の式(I)のハロ活性芳香族スルホンアミド化合物とを含む体排出液吸収部材が開示される。
【化4】

[式中、R、R、R、およびRは、水素、COOH、COOM、COOR’、CON(R”)、アルコキシ、CN、NO、SOR”、ハロゲン、置換または無置換フェニル、スルホンアミド、ハロスルホンアミド、および置換または無置換C−C12アルキルから独立して選択され;RはCOOH、COOM、COOR’、およびCON(R”)であり;Mはアルカリまたはアルカリ土類金属であり;R’は置換または無置換C−C12アルキルであり;R”は水素または置換もしくは無置換C−C12アルキルであって、CON(R”)中の2つのR”基は独立して選択することができ;Xはハロゲンであり;Mはアルカリまたはアルカリ土類金属であり;かつ、nは本スルホンアミド化合物1分子あたりの水分子の数である]。
【0023】
ここでも、Mはナトリウムまたはカリウムであることができ、Xは塩素、臭素、フッ素、またはヨウ素でありうる。
【0024】
一部の実施形態では、R、R、R、およびRの少なくとも1つが水素ではない。
【0025】
別の実施形態では、R、R、R、およびRが、水素、COOH、COOM、NO、ハロゲン、および置換または無置換C−C12アルキルから独立して選択される。
【0026】
さらに別の実施形態では、R、R、R、およびRが、水素、COOH、COOM、COOR’、CON(R”)、NO、ハロゲン、および置換または無置換C−C12アルキルから独立して選択される。
【0027】
より特別な実施形態では、R、R、R、およびRが、水素、NO、ハロゲン、および置換または無置換C−C12アルキルから独立して選択される。
【0028】
本臭気抑制体排出液吸収部材は、第2の異なるハロ活性芳香族スルホンアミド化合物、例えばN−クロロ−p−トルエンスルホンアミドを、さらに含みうる。
【0029】
また、臭気抑制体排出液吸収部材を製造するためのプロセスも開示する。吸収材料を用意し、混合物で処理する。次に吸収材料を造形して吸収部材を形成させる。前記混合物は式(I)のハロ活性芳香族スルホンアミド化合物を含む。
【0030】
混合物は固形物または水溶液であることができる。吸収材料は、ポリマー、セルロース系繊維、または木材フラッフでありうる。
【0031】
一部のプロセスでは、吸収材料を用意し、木部繊維のシートに混合物を適用することによって処理し、次にそのシートを粉砕して処理済み吸収材料を得る。
【0032】
また、体排出液の臭気を抑制するための方法も開示する。吸収材料と、そこに分散された式(I)のハロ活性芳香族スルホンアミド化合物とを含む臭気抑制体排出液吸収部材が提供される。吸収部材を、臭気を放つ体排出液と接触させて、スルホンアミド化合物に、体排出液中に存在する臭気原因分子を中和させる。
【0033】
本開示のこれらのおよび他の非限定的な特徴または特性を、以下にさらに詳しく説明する。
【0034】
以下に図面の簡単な説明を記載するが、これらの図面は、本明細書に開示する代表的実施形態を図解するために掲載するものであって、それらを限定しようとするものではない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本開示の吸収部材から形成されたタンポンの側面図である。
【図2】タンポンアプリケーターの斜視図である。
【図3】本開示の吸収部材を含有するおむつの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
添付の図面を参照することにより、本明細書に開示する構成要素、プロセス、および装置の、より完全な理解を得ることができる。これらの図面は、本開示を例証する際の便利さおよび容易さに基づく略図に過ぎず、したがって、器具またはその構成要素の相対的大きさおよび寸法を示そうとするものではなく、かつ/または代表的実施形態の範囲を定義もしくは限定しようとするものでもない。
【0037】
明快な記述になるように以下の説明では特別な用語を使用するが、これらの用語は、図面における図解のために選択した実施形態の特定の構造だけを言及しようとするものであって、本開示の範囲を定義または限定しようとするものではない。図面および以下の説明において、類似する番号表示は類似する機能を持つ構成要素を指すと理解すべきである。
【0038】
量に関連して使用される修飾語「約」は、明示された値を含み、その文脈に応じた意味を持つ(例えばこれは、少なくとも、その特定量の測定に付随する程度の誤差を包含する)。また、そのように修飾された値または範囲の端点も開示されていると見なすべきである。例えば、範囲「約2〜約4」は範囲「2〜4」を開示していると見なすべきである。
【0039】
ハロ活性芳香族スルホンアミド有機化合物は知られている。クロラミンTは、多くの応用に使用されてきたスルホンアミド有機化合物の一例である。クロラミンTの有用性は、必要になると要求に応じて活性Cl+イオンを放出し、その後直ちに、活性な芳香族スルホニトレン随伴イオンを同時に生成するその能力に基づいている。活性Cl+イオンおよび随伴芳香族スルホニトレンイオンは、共同して臭気原因分子を分解するように働きうる。「Cl+」という用語は、スルホンアミド化合物から解離した時に塩素原子がとる形態である次亜塩素酸イオンClOにおいて、塩素原子が+1の形式電荷を持つという事実を表す。塩素原子は一般的には1の電荷を持つと見なされる。塩素原子が+1または1の電荷を持つという表現は、本願では、交換可能に使用することができる。なぜならこの術語は化合物そのものまたはその用途に影響を及ぼさないからである。
【0040】
大半の臭気原因分子は、メルカプタン類、スルフィド類、複素環式化合物またはアミン系化合物である。ハロ活性芳香族スルホンアミド化合物は、Cl+カチオンとCl+カチオンが生成した後に残るスルホンアミド部分とがどちらも臭気原因分子と反応するので、これらの化合物クラスから臭気を除去するための優れた薬剤である。
【0041】
本開示の臭気抑制体排出液吸収部材は、一般に、(i)吸収材料または基材と、(ii)本明細書にさらに詳しく説明するハロ活性芳香族スルホンアミド化合物とを含む。吸収材料または基材をスルホンアミド化合物で処理する。換言すると、スルホンアミド化合物を、一般的には、吸収材料内または吸収材料全体に分散させる。次に、吸収材料を造形して吸収部材を形成させる。吸収部材は例えばおむつまたは他の衛生用品に使用することができる。
【0042】
臭気抑制体排出液吸収部材の形状はその用途に応じて変えることができ、例えば平らなシートとして製造すること、または管状に製造することができる。吸収部材は、一般的には、消費者向け物品全体の一部に過ぎないことに注意すべきである。
【0043】
例えば吸収部材を使ってタンポンを形成させることができる。図1を参照して説明すると、タンポン30は、管状に圧縮または造形された吸収部材32を含む。圧縮に先だって、吸収部材は、膣への挿入が可能な形状を持つタンポンへの圧縮に適した、任意の適切な大きさおよび厚さを持ちうる。圧縮前の吸収部材は、一般的には、正方形または長方形である。圧縮前の吸収部材の典型的な大きさは、長さが約40mm〜約100mm、幅が約40mm〜約80mmでありうる。吸収部材22は、外面34と、引き抜き端38に相対する挿入端36とを持つ。紐27などの引き抜き手段は引き抜き端38から伸びる。引き抜き手段はリボン、輪、タブなどといった他の形態をとることもでき、例えば縫いつけ、接着、または既知の結合方法の組合せなど、当技術分野で知られる任意の適切な方法で取り付けることができる。引き抜き手段は、タンポン上の任意の適切な位置に接合することができる。
【0044】
タンポンは指で挿入するか、またはアプリケーターを利用して挿入することができる。そのようなアプリケーターは、典型的には、「筒とプランジャー」タイプの構成を持ち、プラスチック、紙、または他の適切な材質でありうる。また「コンパクト」タイプのアプリケーターも適切である。図2を参照して説明すると、外筒12と内筒14とを持つコンパクトタンポンアプリケーター10が図示されている。外筒12は、女性の膣内に挿入されるように設計された前方端18に形成された一連の花弁16を持つ。外筒12には、隆起部22、23および24を含む把持部分20が設けられる。内筒14は、内筒14を外筒12中に保持するのを助ける縦長の溝26を持つ。切り取られた溝26は、使用時に内筒14が外筒12に対して移動するのも助ける。引き抜き紐27は中空タンポン28の一端に取り付けられ、内筒14を通って伸びる。引き抜き紐27は、使用後に膣からタンポン28を引き抜くために使用される。この場合、最終製品はアプリケーター付きタンポンである。
【0045】
もう一つの例として、図3に、従来の使い捨ておむつ550を図解する。おむつは裏地554を含む。吸収部材は平らなシートの形状をとることができ、裏地の上側に取り付けるか、裏地の中に挿入することができる。吸収部材は、552に示すように、裏地の大部分を覆うように造形することができる。あるいは、標的ゾーン(例えば556に示すおむつの股部分)に適合するように、吸収部材を造形することもできる。この場合、最終製品はおむつである。一般論としては、吸収部材を筐体に収容して最終製品を形成させることができる。
【0046】
吸収材料または基材は天然物または合成物であることができる。吸収材料は、繊維、粉末、または顆粒の形態をとるか、より大量には、シート、マット、パッド、または管の形態をとることもできる。代表的吸収材料としては、ポリアクリレート、ポリアクリルアミドコポリマー、エチレン無水マレイン酸コポリマー、ポリビニルアルコールコポリマー、架橋ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリルのデンプングラフトコポリマー、ならびに綿、レーヨン、および木材パルプなどのセルロース系繊維を挙げることができる。特別な実施形態では、吸収材料が、木材パルプ繊維のシートを粉砕することによって製造される「フラッフ」である。また、吸収材料は、その湿潤性を強化するために界面活性剤、湿潤剤で前処理すること、または抗微生物剤、顔料などで前処理することもできる。
【0047】
ハロ活性芳香族スルホンアミド化合物は以下の式(I)の構造を持つ。
【化5】

[式中、R、R、R、R、およびRは、水素、COOH、COOM、COOR’、CON(R”)、アルコキシ、CN、NO、SOR”、ハロゲン、置換または無置換フェニル、スルホンアミド、ハロスルホンアミド、および置換または無置換C−C12アルキルから独立して選択され;
、R、R、R、およびRの少なくとも1つは水素ではなく;
Xはハロゲンであり;
Mはアルカリまたはアルカリ土類金属であり;かつ
nは本スルホンアミド化合物1分子あたりの水分子の数である]。
【0048】
もアルカリまたはアルカリ土類金属であり、Mと同じである必要はないが、一般的にはMとMは同じである。一般的には、Mはナトリウムまたはカリウムである。Xは、一般的には、塩素、臭素、フッ素、またはヨウ素であり、特定の実施形態では塩素である。式(I)の化合物は、変数nが示すとおり、水和されている場合も、水和されていない場合もある。特定の実施形態では、式(I)の化合物が三水和物(すなわちn=3)である。別の実施形態では、化合物が粉末などの固形状である。
【0049】
R’は置換または無置換C−C12アルキルである。R”は水素または置換もしくは無置換C−C12アルキルであり、CON(R”)中の2つのR”基は独立して選択することができる。
【0050】
フェニルおよび/またはアルキル基が置換される場合は、1つまたはそれより多い水素原子を、独立してヒドロキシルまたはハロゲンで置き換えることができる。
【0051】
式(I)の一部の実施形態では、R、R、R、R、およびRの少なくとも2つが水素ではない。
【0052】
式(I)の特定の実施形態では、Rがメチル、COOH、またはCOOMであり;R、R、R、およびRが、水素、COOH、COOM、COOR’、CON(R”)、アルコキシ、CN、NO、SOR”、ハロゲン、置換または無置換フェニル、スルホンアミド、ハロスルホンアミド、および置換または無置換C−C12アルキルから独立して選択され;Xがハロゲンであり;Mがアルカリまたはアルカリ土類金属であり;かつ、nが本スルホンアミド化合物1分子あたりの水分子の数である。
【0053】
さらなる実施形態では、Rがメチル、COOH、またはCOOMであり;R、R、R、およびRが、水素、COOH、COOM、COOR’、CON(R”)、アルコキシ、CN、NO、SOR”、ハロゲン、置換または無置換フェニル、スルホンアミド、ハロスルホンアミド、および置換または無置換C−C12アルキルから独立して選択され;Xがハロゲンであり;Mがアルカリまたはアルカリ土類金属であり;nが本スルホンアミド化合物1分子あたりの水分子の数であり;かつ、R、R、R、およびRの少なくとも1つが水素ではない。
【0054】
式(I)の別の実施形態では、ハロ活性芳香族スルホンアミド化合物が、以下の式(II)の構造を持つ。
【化6】

[式中、Rは塩素、フッ素、NO、またはメトキシであり;Xはハロゲンであり;Mはアルカリまたはアルカリ土類金属であり;nは本スルホンアミド化合物1分子あたりの水分子の数である]。
【0055】
式(I)の別の実施形態では、ハロ活性芳香族スルホンアミド化合物が、以下の式(III)の構造を持つ。
【化7】

[式中、Rはメチルまたは塩素であり;Xはハロゲンであり;Mはアルカリまたはアルカリ土類金属であり;nは本スルホンアミド化合物1分子あたりの水分子の数である]。
【0056】
特別な一実施形態では、ハロ活性芳香族スルホンアミド化合物が、以下の式(IV)の構造を持つ。
【化8】

【0057】
式(I)のさらに別の実施形態では、Rが、COOH、COOM、COOR’、CON(R”)、CN、NO、ハロゲン、および置換または無置換C−C12アルキルから選択され;R、R、R、およびRが、水素、COOH、COOM、COOR’、CON(R”)、アルコキシ、CN、NO、SOR”、ハロゲン、置換または無置換フェニル、スルホンアミド、ハロスルホンアミド、および置換または無置換C−C12アルキルから独立して選択され;Xがハロゲンであり;Mがアルカリまたはアルカリ土類金属であり;かつ、nが本スルホンアミド化合物1分子あたりの水分子の数である。
【0058】
式(I)のさらに別の実施形態では、R、R、R、R、およびRが、水素、COOH、COOM、NO、ハロゲン、および置換または無置換C−C12アルキルから独立して選択され;Xがハロゲンであり;Mがアルカリまたはアルカリ土類金属であり;かつ、nが本スルホンアミド化合物1分子あたりの水分子の数である。
【0059】
式(I)のさらに別の実施形態では、RとRが互いに同一であり;かつ、R、R、およびRが水素である。
【0060】
式(I)のさらに別の実施形態では、RおよびRが水素であり;かつ、R、R、およびRが互いに同一である。
【0061】
式(I)のより特別な実施形態では、Rが、COOH、COOM、COOR’、およびCON(R”)から選択される。最も望ましくは、RがCOOHまたはCOOMであると同時に、R、R、R、およびRが水素である。
【0062】
式(I)の別の実施形態では、R、R、R、R、およびRが、水素、COOH、COOM、COOR’、CON(R”)、NO、ハロゲン、および置換または無置換C−C12アルキルから独立して選択され;R、R、R、R、およびRの少なくとも1つが水素ではなく;Xがハロゲンであり;Mがアルカリまたはアルカリ土類金属であり;かつ、nが本スルホンアミド化合物1分子あたりの水分子の数である。
【0063】
式(I)のさらに別の実施形態では、RがCOOHまたはCOOMであり;R、R、R、およびRが、水素、NO、ハロゲン、および置換または無置換C−C12アルキルから独立して選択され;Xがハロゲンであり;Mがアルカリまたはアルカリ土類金属であり;かつ、nが本スルホンアミド化合物1分子あたりの水分子の数である。さらなる特別な実施形態では、R、R、R、およびRの少なくとも1つが水素ではない。
【0064】
一部の実施形態では、吸収部材が2つの異なるスルホンアミド化合物を含有しうる。特に、それらのスルホンアミド化合物は、臭気抑制能力、安定性、およびコストなどの性質が異なる。臭気抑制性を、経済的要因、例えばコストおよびスルホンアミド化合物の入手可能性と釣り合わせるために、吸収部材には、1つの化合物だけでなく、2つまたはそれより多い化合物の混合物を使用することが望ましいであろう。例えば、各スルホンアミド化合物は異なる反応速度、安定性、および/または放出速度を持ちうるか、異なる臭気原因分子をより効率よく中和しうる。2つのスルホン化合物の間の重量比は、約90:10から約10:90まで、または約70:30から約30:70までの範囲にわたりうる。一部の実施形態では、スルホンアミド化合物の1つが式(I)の化合物であり;別の実施形態では、両方のスルホンアミド化合物が式(I)の化合物である。
【0065】
特別な実施形態では、2つのスルホンアミド化合物がN−クロロ−p−トルエンスルホンアミド(すなわちクロラミンT)とN−クロロ−p−カルボキシスルホンアミドである。これら2つの化合物を、以下に式(V)および(VI)として図示する。
【化9】

[式中、Mは水素、または上に定義したMであり;Xはハロゲンであり、Mはアルカリまたはアルカリ土類金属であり;かつ、nは本スルホンアミド化合物1分子あたりの水分子の数である]。望ましくは、Mは水素、ナトリウム、またはカリウムである。別の実施形態では、存在する化合物の1つが式(VI)のN−クロロ−p−カルボキシスルホンアミドである。
【0066】
式(I)のハロ活性芳香族スルホンアミド化合物は安定であり、水溶液中で分解しないので、吸収部材は長い貯蔵寿命を持つことができる。式(I)の化合物は、水によく溶解し、毒性が低く、漂白剤臭はごくわずかである。
【0067】
式(I)のスルホンアミド化合物は、吸収部材中に、吸収部材の重量に基づいて約0.1〜約50重量パーセントの範囲で存在することができる。より特別な実施形態では、スルホンアミド化合物が、約0.5〜約15重量パーセント、約0.5〜約1.5重量パーセント、または約4〜約7.5重量パーセントの範囲で存在する。
【0068】
安定性および最適な性能が得られるように、吸収部材のpHは6と14の間にあるべきだが、一般的には8と9.5の間または8.5〜9にpHを保つべきである。尿が持ちうるpHは4.5から8までの範囲にわたり、一般的には酸性であるので、このpH範囲は衛生用品に集められた尿を中和するのにも役立つであろう。
【0069】
溶液をこれらのpH範囲内に維持するために、緩衝剤を吸収部材に加えてもよい。緩衝剤は、尿の酸性度、適用条件、吸収材料または基材のタイプ、および/または臭気原因分子の性質に起因しうるpHのあらゆる変化を、補償することができる。代表的緩衝剤には、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸バッファー(例えば酢酸ナトリウム)、リン酸バッファー(例えばリン酸三および二ナトリウムならびにその混合物)、pH配合リン酸塩、硫酸バッファー(例えば硫酸二および三ナトリウム)、ならびにその混合物などがある。緩衝剤は溶解度の限界まで加えることができる。緩衝剤の濃度に関して好ましい範囲は、溶液中に約5%〜約200重量%(約5%〜約50%または約25%〜約50%を含む)の活性化合物である。好ましい緩衝剤は炭酸水素カリウムおよび炭酸水素ナトリウムである。
【0070】
スルホンアミド化合物の活性を強化するために、吸収部材には低分子量アルコールも加えることができる。代表的アルコールはt−ブタノールである。このアルコールはいくつかの効果を持ちうる。アルコールは、活性芳香族N−ハロスルホンアミド基の臭気除去活性を強化する。アルコールは、表面活性を増加させることができ、または、より好ましい配合のフレグランス、表面活性化合物などの使用を可能にすることができる。ただし、使用するアルコールのタイプは、ある程度限定される。t−ブタノールまたは関連3級アルコールは、酸素アルコール部分に対してアルファ位に水素原子を含有せず、より高い安定性が得られるので好ましい。アルファ水素原子は、活性芳香族ハロスルホンアミド化合物中に含まれる活性ハロゲンとの相互作用により、安定性を損なうようである。しかし、pH>10では、エタノールやイソプロパノールなどのアルファ水素原子を含有するアルコールが、安定性に影響を及ぼさないことが見いだされた。
【0071】
アルコールは、吸収材料の約0.1〜約80重量%(約0.1〜約2.0重量パーセントを含み、特に約0.2〜約1.0重量パーセントを含む)の濃度で存在することができる。
【0072】
臭気抑制体排出液吸収部材には、界面活性剤または湿潤剤も加えることができる。界面活性剤は表面張力を低下させて、体排出液との接触時にスルホンアミド化合物をより活性化しやすくする。非イオン性界面活性剤も陰イオン性活性剤も使用することができる。ただし、特別な実施形態では、界面活性剤を使用しない。
【0073】
式(I)のハロ活性芳香族スルホンアミド化合物は、既知の方法を使って吸収材料に加えることができる。特に、吸収材料が木材フラッフである場合、スルホンアミド化合物は、フラッフ化に先だって木材がまだ木部繊維のシートの形態をとっている時に加えるか、またはフラッフ化が既に行われて木材が繊維質の綿状材料の形態をとってから加えることができる。スルホンアミド化合物は、吸収材料に含浸させるか、吸収材料全体に分散させることができる。
【0074】
一般にスルホンアミド化合物は混合物として適用される。例えば化合物を水または他の液体と混合して水溶液または他の溶液を形成させることができる。溶液は、通常、溶液状態におけるその化合物の飽和点までの、緩衝製剤中の1つまたはそれより多いスルホンアミド化合物で構成される。これは、化合物の溶解度と溶媒(アルコールその他)に依存して、水溶液では5重量%から25重量%までの範囲にわたりうる。次に、その溶液を吸収材料に噴霧する。次に溶媒を蒸発させると、活性スルホンアミド化合物が残る。吸収材料上の活性スルホンアミド化合物の量を増加させるために、複数回の噴霧を使用することができる。
【0075】
あるいは、スルホンアミド化合物を、粉末などの固形状で使用することもできる。固形状のスルホンアミド化合物は、緩衝剤、結合剤などといった他の固形添加剤とも混合することができる。極微量の適合する香料添加剤を使用することも考えられる。
【0076】
本開示の臭気抑制体排出液吸収部材は、例えばおむつ、衛生ナプキンなどの衛生用品における臭気を抑制するのに役立ち、または一般用途用の布巾として(すなわち薄い平らなシートとして)役立つ。本吸収部材は、例えば創傷被覆材、包帯などの製品にも役立つ。一般的には、吸収部材を体排出液と接触させると、スルホンアミド化合物が体排出液中の臭気原因分子を中和する。例えば、吸収部材はおむつに配置することができ、後に尿または糞便が吸収部材と接触する。あるいは、吸収部材は、膿が滲出する創傷に適用される包帯の一部であり、吸収部材はその膿と接触する。
【0077】
代表的臭気抑制体排出液吸収部材は、吸収材料、重量比が約1:2である式(V)および(VI)の2つのスルホンアミド化合物、炭酸水素ナトリウム、0.50%t−ブタノール、および極微量のフレグランスを含む。
【0078】
以下に非限定的実施例を挙げて本開示の体排出液吸収部材を例証するが、これらの実施例は例示に過ぎず、本願は、ここに挙げる材料、条件、プロセスパラメータなどに限定されるものではないと理解すべきである。全ての比率は別段の表示がない限り重量比である。
【実施例】
【0079】
1組目の実施例
木材フラッフを使って臭気抑制体排出液吸収部材を製造した。木材フラッフを、スルホンアミド化合物の3つの異なる組合せの1つで処理した。組合せAは、約70%のN−クロロ−p−カルボキシスルホンアミド(式(VIII)として以下に示す)および30%のクロラミンT(式(VII)として以下に示す)を含有した。組合せBはN−クロロ−p−カルボキシスルホンアミドのみであり、組合せCはクロラミンTのみだった。これらの組合せを、0.5wt%、1.0wt%、または1.5wt%のスルホンアミド化合物を含有する水溶液として、噴霧した。
【化10】

【0080】
[実施例1]
ここでは、直径が約2〜3インチの木材フラッフボールに、アカギツネ尿(悪臭の強い物質)を噴霧した後、異なる臭気抑制製剤を噴霧して、その製剤がどのくらい効率よく臭気を除去するかを見た。対照木材フラッフボールにはどの臭気抑制製剤も噴霧しなかった。
【0081】
対照ボールのにおいと処理ボールのにおいを比較して嗅いだ被験者は全員が、極めて顕著な相違を記録し、臭気が完全に消失していて検出できないという被験者もいた。
【0082】
5歳の女児から採取したヒト尿を使って試験を繰り返した。ここでも、試験製剤は臭気を非常によく除去した。
【0083】
[実施例2]
18インチ×2インチの大きさを持つ圧搾繊維木材シートに溶液A、B、またはCを噴霧した。噴霧前の木材シートの重量を測定しておき、噴霧の24時間後に木材シートの重量を再び測定して、木材シート上に存在するスルホンアミド化合物の量を決定した。
【0084】
次に、その木材シートを粉砕によって木材フラッフに変換した。下記の表1に15種類の試料を掲載し、使用した溶液と、その結果得られたスルホンアミド化合物の存在量を示す。
【0085】
【表1】

【0086】
次に、木材フラッフ試料の一部にアカギツネ尿を噴霧し、3人の被験者がそのにおいを嗅いだ。被験者Tは、まず最初に処理済みであるフラッフのにおいを嗅ぎ、次に対照フラッフのにおいを嗅いだ。被験者Jは、アカギツネ尿を噴霧した約15分後に、処理フラッフのにおいを嗅ぎ、次に対照フラッフのにおいを嗅いだ。被験者Dは、まず最初に対照フラッフのにおいを嗅ぎ、次に噴霧の約20分後に処理フラッフのにおいを嗅いだ。被験者らの評価を下記の表2に0〜10の尺度(0は臭気無しを示し、10は耐えがたい臭気を示す)で掲載する。
【0087】
【表2】

【0088】
この迅速評価により、実施例C−1、D−1、およびE1が、アカギツネ尿からの臭気を最もよく除去することが示された。もちろん、一人一人の嗅覚は異なるし、F−1、F2、およびG−1における被験者Jの逸脱した数値は、被験者Jがまず最初に対照フラッフのにおいを嗅ぐということをしなかったので、10がどんなものであるか想定できなかったという事実によるのかもしれない。
【0089】
2組目の実施例
4.5wt%のN−クロロ−p−カルボキシスルホンアミド、1.5wt%の炭酸水素ナトリウム、および94wt%の水を含有する水溶液を作製した。次に、10インチ×20インチの寸法を持つ木部繊維シートを調製した。その木部繊維シートは92〜95%乾燥しており、99〜100グラムの重量を持っていた。次に78グラムの水溶液を木部繊維シートの上面だけに加えた。水溶液を乾燥させた後、木部繊維シートを試験し、次に粉砕器でフラッフ化した。
【0090】
本開示を好ましい実施形態に関して説明した。上記の詳細な説明を読み理解すれば、誰でも変更および改変を思いつくことは明らかである。代表的実施形態は、そのような変更および改変を、それらが本願請求項またはその均等物の範囲に包含される限り、いずれも包含すると解釈されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収材料と、そこに分散された以下の式(I)のハロ活性芳香族スルホンアミド化合物とを含む、臭気抑制体排出液吸収部材:
【化1】

[式中、R、R、R、R、およびRは、水素、COOH、COOM、COOR’、CON(R”)、アルコキシ、CN、NO、SOR”、ハロゲン、置換または無置換フェニル、スルホンアミド、ハロスルホンアミド、および置換または無置換C−C12アルキルから独立して選択され;Mはアルカリまたはアルカリ土類金属であり;R’は置換または無置換C−C12アルキルであり;R”は水素または置換もしくは無置換C−C12アルキルであって、CON(R”)中の2つのR”基は独立して選択することができ;R、R、R、R、およびRの少なくとも1つは水素ではなく;
Xはハロゲンであり;
Mはアルカリまたはアルカリ土類金属であり;かつ
nは本スルホンアミド化合物1分子あたりの水分子の数である]。
【請求項2】
吸収材料がポリマー、セルロース系繊維、または木材フラッフである、請求項1に記載の吸収部材。
【請求項3】
、R、R、R、およびRの少なくとも2つが水素ではない、請求項1に記載の吸収部材。
【請求項4】
がメチル、COOH、COOM、塩素、フッ素、NO、またはメトキシである、請求項1に記載の吸収部材。
【請求項5】
が、COOH、COOM、COOR’、CON(R”)、CN、NO、ハロゲン、および置換または無置換C−C12アルキルから選択される、請求項1に記載の吸収部材。
【請求項6】
とRが互いに同一であり、かつ、R、R、およびRが水素である、請求項1に記載の吸収部材。
【請求項7】
およびRが水素であり、かつ、R、R、およびRが互いに同一である、請求項1に記載の吸収部材。
【請求項8】
が、COOH、COOM、COOR’、およびCON(R”)から選択される、請求項1に記載の吸収部材。
【請求項9】
、R、R、R、およびRが、水素、COOH、COOM、COOR’、CON(R”)、NO、ハロゲン、および置換または無置換C−C12アルキルから独立して選択される、請求項1に記載の吸収部材。
【請求項10】
がCOOHまたはCOOMであり、かつ、R、R、R、およびRが、水素、NO、ハロゲン、および置換または無置換C−C12アルキルから独立して選択される、請求項1に記載の吸収部材。
【請求項11】
吸収部材が第2の異なるスルホンアミド化合物をさらに含む、請求項1に記載の吸収部材。
【請求項12】
2つのスルホンアミド化合物の重量比が約90:10〜約10:90である、請求項11に記載の吸収部材。
【請求項13】
2つの化合物がN−クロロ−p−トルエンスルホンアミドとN−クロロ−p−カルボキシスルホンアミドである、請求項11に記載の吸収部材。
【請求項14】
2つのスルホンアミド化合物の一方が以下の式(VI)を持つ、請求項11に記載の吸収部材:
【化2】

[式中、Mは水素、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属である]。
【請求項15】
2つのスルホンアミド化合物が吸収部材の重量に基づいて約0.1〜約50重量パーセントの範囲で存在する、請求項11に記載の吸収部材。
【請求項16】
スルホンアミド化合物が吸収部材の重量に基づいて約4〜約7.5重量パーセントの範囲で存在する、請求項1に記載の吸収部材。
【請求項17】
さらに緩衝剤を含む、請求項1に記載の吸収部材。
【請求項18】
さらにアルコールを含む、請求項1に記載の吸収部材。
【請求項19】
吸収部材が平らなシートの形態である、請求項1に記載の吸収部材。
【請求項20】
吸収部材がおむつ、衛生ナプキン、タンポン、創傷被覆材、または包帯に使用される、請求項1に記載の吸収部材。
【請求項21】
吸収材料を用意すること;
吸収材料を混合物で処理すること;および
吸収材料を造形して吸収部材を形成させること
を含む、臭気抑制体排出液吸収部材を製造するためのプロセスであって、該混合物が以下の式(I)のハロ活性芳香族スルホンアミド化合物を含むプロセス:
【化3】

[式中、R、R、R、およびRは、水素、COOH、COOM、COOR’、CON(R”)、アルコキシ、CN、NO、SOR”、ハロゲン、置換または無置換フェニル、スルホンアミド、ハロスルホンアミド、および置換または無置換C−C12アルキルから独立して選択され;
はCOOH、COOM、COOR’、およびCON(R”)であり;
はアルカリまたはアルカリ土類金属であり;R’は置換または無置換C−C12アルキルであり;R”は水素または置換もしくは無置換C−C12アルキルであって、CON(R”)中の2つのR”基は独立して選択することができ;
Xはハロゲンであり;
Mはアルカリまたはアルカリ土類金属であり;かつ
nは本スルホンアミド化合物1分子あたりの水分子の数である]。
【請求項22】
混合物が固形物または水溶液である、請求項21に記載のプロセス。
【請求項23】
吸収材料がポリマー、セルロース系繊維、または木材フラッフである、請求項21に記載のプロセス。
【請求項24】
吸収材料を用意し、木質繊維のシートに混合物を適用することによって処理し、次にそのシートを粉砕して処理済み吸収材料を得る、請求項21に記載のプロセス。
【請求項25】
請求項21に記載のプロセスによって形成される臭気抑制体排出液吸収部材。
【請求項26】
体排出液の臭気を抑制するための方法であって、
吸収材料と、そこに分散された以下の式(I)のハロ活性芳香族スルホンアミド化合物とを含む臭気抑制体排出液吸収部材を用意すること:
【化4】

[式中、R、R、R、R、およびRは、水素、COOH、COOM、COOR’、CON(R”)、アルコキシ、CN、NO、SOR”、ハロゲン、置換または無置換フェニル、スルホンアミド、ハロスルホンアミド、および置換または無置換C−C12アルキルから独立して選択され;Mはアルカリまたはアルカリ土類金属であり;R’は置換または無置換C−C12アルキルであり;R”は水素または置換もしくは無置換C−C12アルキルであって、CON(R”)中の2つのR”基は独立して選択することができ;
、R、R、R、およびRの少なくとも1つは水素ではなく;
Xはハロゲンであり;
Mはアルカリまたはアルカリ土類金属であり;かつ
nは本スルホンアミド化合物1分子あたりの水分子の数である]
および
吸収部材を、臭気を放つ体排出液と接触させて、スルホンアミド化合物に、体排出液中に存在する臭気原因分子を中和させること
を含む方法。
【請求項27】
吸収部材がおむつ、衛生ナプキン、タンポン、創傷被覆材、または包帯に配置される、請求項26に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−518491(P2012−518491A)
【公表日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−551295(P2011−551295)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/025064
【国際公開番号】WO2010/099110
【国際公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(511204463)
【氏名又は名称原語表記】SCHNEIDER,DAVID,J.
【出願人】(511204474)
【氏名又は名称原語表記】SCHNEIDER,CHARLES,A.
【Fターム(参考)】