説明

臭気抑制物質を含む拭い材

拭い材、特にベビーケア、女性衛生ケア、失禁ケア、ハンドケアまたはフットケア拭い材等の個人衛生用拭い材であって、臭気抑制物質として酸化脂質を含む組成物を含む拭い材。脂質は制御された条件下で酸化され、少なくとも20meq/kgの過酸化物価を有する。脂質はたとえば脂肪酸のトリグリセリドである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、以下の目的、即ち清浄化、スキンケア、臭気抑制、抗菌効果等の1つまたは複数を満たすために適合する組成物が添加されたキャリア材料を含む拭い材に関する。
【背景技術】
【0002】
臭気抑制は、個人衛生において、特に失禁ガード、生理用ナプキン、おむつ等のような吸収性物品の着用者の泌尿生殖器領域において重要な要素となってきた。臭気または不快な匂いは、たとえば細菌が蓄積した結果として起こる。これらの臭気は吸収性物品の使用者にとってきまり悪いものになり得る。したがって、吸収性物品における臭気の発生を低減または防止すること、また泌尿生殖器領域を臭気物質から清浄化でき、及び/または臭気の発生を防止できることは重要である。
【0003】
吸収性物品の着用者の泌尿生殖器領域において起こり得る臭気物質の例には、硫黄化合物、アルデヒド、インドール、アミン等がある。
【0004】
吸収性物品の中でそのような臭気が発生することを防止または低減するために、様々な方法が用いられている。これらの方法は、1)臭気の遮蔽;2)たとえば酸/塩基システムによる中和の形態の化学反応;3)臭気物質に特別の親和性を示す表面または当該の臭気物質と結合することができる大きな特定の表面/空洞の生成を含み、それにより臭気物質が気体状で残存することを防止するための、臭気物質の吸着/吸収;または4)細菌の増殖及び高い細菌数によって発生した付随する臭気物質を低減/抑制する細菌阻害剤に基づいている。
【0005】
香水または香料は、たとえば臭気/匂いを遮蔽するために用いられている。遮蔽剤は匂いを除去せず、匂いが浸透しないことまたは香水があまりに強くにおわないことを確実にするのに適当な量で添加しなければならない。たとえばゼオライト、二酸化ケイ素、粘土、活性炭及び/またはシクロデキストリンが臭気物質の吸着のために用いられている。しかし、これらのうちのいくつかは水分の影響を受けやすく、その有効性には限界がある。重炭酸ナトリウム、クエン酸及び/または低pHの超吸収材料は、臭気の中和のために用いられている。細菌は不快な匂いを有する物質を産生することがあり、酢酸銅、銀イオンを含む超吸収材料及び/または酸性超吸収材料は、細菌の増殖を低減させるために用いることができる。上述の臭気抑制物質は、様々な種類の臭気に対して効果があり、様々な機序で作用する。
【0006】
いくつかの臭気物質は疎水性であり、そのような匂いは疎水性の臭気抑制物質によって吸収及び/または吸着される。疎水性の臭気物質としては、たとえばある種の有機酸、硫黄化合物、アルデヒド、インドール、ある種のアミン等が挙げられ、これらは一般に吸収性物品の使用とともに発生する。
【0007】
これまでに開示された臭気抑制物質には、とりわけそれらがキャリア材料、たとえば繊維ウェブの全体にわたって均一に分布させることが困難であるという難点がある。これは、これまでに開示された臭気抑制材料がしばしば固体粒子からなっており、これらを製品の内外表面にわたって連続的に分布させることができず、このため保護範囲の程度が低くなるという事実に起因する。このようにして、望ましくない臭気を有効な方法でトラップする可能性は低くなる。
【0008】
US 6 479 150には、層を湿潤可能にするために界面活性物質で改質した疎水性の臭気抑制物質を含む熱可塑性繊維の材料層が記載されている。臭気抑制物質は、たとえば芳香族臭気抑制物質である。
【0009】
GB 1 282 889には、炭素を少なくとも17個有する不飽和脂肪族ヒドロキシカルボン酸のカルシウム、アルミニウム、マグネシウムまたは亜鉛の少なくとも1つの塩を含む消臭組成物が開示されている。これらの金属塩を、飽和脂肪族ヒドロキシカルボン酸及び不飽和脂肪族ヒドロキシカルボン酸と組み合わせることができることがさらに記載されている。飽和ヒドロキシカルボン酸は天然の飽和のものでもよく、またはオレイン酸、リシノール酸、リノール酸及びリノレン酸等の不飽和脂肪酸の酸化生成物から誘導されたものでもよい。これらの不飽和脂肪酸は、穏和な酸化によって、対応する純粋なヒドロキシカルボン酸に導かれる。純粋なヒドロキシカルボン酸が他の物質を酸化する能力は非常に低く、過酸化物価は0meq/kgに近い。
【0010】
細菌抑制は個人衛生において、泌尿生殖器領域及び手の衛生においても、別の重要な要素である。細菌の伝播を避けるために良好な手の衛生を保つことは、レストラン、台所、医療ケア施設、学校、デイケアセンター等において特に重要である。頻繁に手を洗う必要がある人々にとって、スキンケアはまた重要な一面である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】US 6 479 150
【特許文献2】GB 1 282 889
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Bailey’s Industrial Oil and Fat products、1巻、Daniel Swern編、John Wiley & Sons Inc.、New York、1979
【非特許文献2】Geigy、Scientific Tables、第2巻、第8版、1981、53頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
吸収性物品の着用者の泌尿生殖器領域、手拭き、足拭き等における特に個人衛生のための拭い材であって、以下の特性、即ち清浄化、スキンケア、臭気抑制、抗菌効果等の1つまたは複数を満たす拭い材を開発することに対するニーズが残っている。拭い材は、臭気抑制及び/または細菌抑制が望ましい表面を清浄化するために用いることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明において、上で定義した課題は、AOCS Official Method Cd 8-53によって測定した過酸化物価が少なくとも20meq/kgである少なくとも1つの酸化脂質を含む組成物を含む拭い材によって解決される。驚くべきことに、過酸化物価が少なくとも20meq/kgの脂質は、過酸化物価が非常に低い脂質よりも優れた臭気低減能力を示すことが見出された。
【0015】
好ましくは、酸化脂質のAOCS Official Method Cd 8-53によって測定した過酸化物価は少なくとも30、好ましくは少なくとも40meq/kgである。
【0016】
本発明のさらなる態様においては、拭い材の全重量に対して計算して少なくとも0.01g/gの酸化脂質が前記拭い材に添加されている。
【0017】
またさらなる態様においては、拭い材の全重量に対して計算して0.01〜15g/g、好ましくは0.1〜8g/g、より好ましくは0.2〜4g/g、最も好ましくは0.3〜3g/gの酸化脂質が拭い材に添加されている。
【0018】
1つの実施形態によれば、脂質は脂肪酸またはその誘導体である。脂肪酸誘導体はさらなる実施形態においては脂肪酸のエステル、特にトリグリセリドである。
【0019】
さらなる実施形態によれば、前記脂肪酸及び/または脂肪酸誘導体の少なくとも一部は不飽和である。
【0020】
1つの実施形態においては、前記酸化脂質はオゾン処理によって酸化されている。
【0021】
本発明の1つの態様においては、キャリア材料は繊維ウェブ、発泡体、ネットまたはフィルムから選択される。
【0022】
本発明のさらなる態様においては、拭い材はベビーケア、女性衛生ケア、失禁ケア、ハンドケア、フットケア拭い材等の個人衛生用拭い材である。
【0023】
定義
「拭い材」という用語は、拭うための任意のデバイス、特に皮膚を拭うための個人衛生用に意図されたデバイスを意味する。本発明は主に使い捨て拭い材を指し、これは洗濯または使用後に吸収性物品として修復または再使用することを意図しない拭い材を意味する。使い捨て拭い材の例としては、洗面用タオル、パッチ、ウェットティッシュ、ナプキン、おしぼり等が挙げられる。
【0024】
「キャリア材料」という用語は、拭い材料として適合する任意の材料を意味する。適当なキャリア材料は、その構造の中に酸化脂質を保持する能力を有し、皮膚から除去すべき物質を吸収する能力をも有する多孔質材料である。適当な多孔質材料の例は、天然繊維もしくは合成繊維またはそれらの組み合わせから作製された繊維ウェブである。繊維の例としては、セルロース、再生セルロース(ビスコース、レーヨン、リヨセル等)、木綿、竹、ポリエステル、ポリオレフィン繊維及びそれらの混合物が挙げられる。拭い材における他の種類の多孔質キャリア材料は発泡体、ネット等である。
【0025】
「脂質」という用語は、脂肪、油、ワックス、コレステロール、ステロイド、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、リン脂質、その他等の全ての脂肪溶解性(親油性)の自然発生物質を意味する。
【0026】
「酸化脂質」は、脂質が脂質分子構造の中に酸素が導入される酸化プロセスを受けたことを意味する。酸化剤は、脂質構造の酸化をもたらす任意の作用物質剤、たとえば酸素ガス、オゾンまたは過酸化物である。脂質は制御された条件下で酸化される。これは、基質、即ち脂質の空気との接触による自動酸化によって引き起こされるさらなる酸化が実質的に防止される程度に酸化されたことを意味する。脂質は、それらのAOCS Official Method Cd 8-53によって測定した過酸化物価が少なくとも20meq/kgになるように酸化されている。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明によれば、酸化脂質は、吸収性物品及びそのような物品の着用者の泌尿生殖器領域で通常発生するある種の臭気物質の低減に極めて効果的であることが示された。天然の動物由来または植物由来の脂質は、モノ-、ジ-及びトリグリセリドと遊離脂肪酸との混合物であることが非常に多い。脂質は個別にまたは様々な混合物中で純化、水和、精製、改質及び使用することができる。動物起源の適当な脂質の例は、蜜蝋、エミュー油、乳脂、ラノリン、サメ肝油、ラード、鯨油、バター脂肪及び獣脂に見出すことができる。植物起源の適当な脂質の例は、杏仁油、落花生油、アボガド油/ワックス、ブラックカラント種油、ルリヂサ種油、ブラジルナッツ油、ヒマシ油、ココアバター、ココナツ油、コーン油、綿実油、ローズヒップ種油、月見草油、ブドウ種油、アマニ油、マンゴー種油、バラ油、オリーブ油、オレンジワックス、ヤシ油、落花生油、ライスワックス、ゴマ種油、シアバター、大豆油、ヒマワリ種ワックス、ピーナツ油、ゴマ油、サフラワー油、タバコ種油、ケシ種油、茶油、カポック油、米糠油、ソルガム油、ハマナ油、アマニ油、エゴマ油、麻実油、キリ油、オイチシカ油、パーム核油、甘扁桃油及び小麦胚種油に見出すことができる。脂質のさらなる例は、モノアルコールのエステルであるワックス状油、たとえばホホバ油及びリン脂質等である。
【0028】
トリグリセリドは通常、菜種油、オリーブ油、コーン油、ひまわり油、ヤシ油、ココナッツ油及びバター、ヤシ油、カカオバター、カカオ脂等の多くの天然の油脂に存在している。天然に存在するトリグリセリドの大部分は飽和及び不飽和脂肪酸の混合物を含み、飽和及び不飽和脂肪酸の比率は様々な油の間で変動する。この比率は通常、不飽和/飽和比で与えられる。不飽和脂肪酸は一価不飽和または多価不飽和のいずれかであり得る。トリグリセリド中に最も一般的に存在する脂肪酸は、飽和脂肪酸であるパルミチン酸、一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸、多価不飽和脂肪酸であるリノール酸及びリノレン酸である。
【0029】
いくつかの一般的な天然油の組成を下のTable 1(表1)に示す。これはBailey’s Industrial Oil and Fat products、1巻、Daniel Swern編、John Wiley & Sons Inc.、New York、1979から取ったものである。
【0030】
【表1】

【0031】
そのような油脂は通常、天然に存在するまたは供給者によって添加された抗酸化剤を含んでおり、したがって空気との接触によって起こる自動酸化は実質的に防止されまたは遅延する。
【0032】
本発明において用いられる脂質は酸化剤によって酸化される。有用な酸化剤の例はオゾン、過酸化物、酸素ガス、ペルオキシ酸及び二酸化窒素である。抗酸化剤を含む脂質に対しては、オゾン及び過酸化物のようなより強力な酸化剤が必要であるが、顕著な量の抗酸化剤をいくらかも含んでいない脂質に対しては、酸素または空気、即ち充分な時間での自動酸化で充分であろう。
【0033】
様々な脂質の反応性は二重結合の数、即ち不飽和度に依存する。飽和脂質は極めてゆっくりと酸化されるが、不飽和度の高い脂質はより迅速に酸化される。いくつかの脂肪酸(抗酸化剤で処理されていない)の温度100℃における自動酸化の相対速度は、下のTable 2(表2)に見出され、これはTable 1(表1)と同じ参考文献から取ったものである。
【0034】
【表2】

【0035】
酸化は好ましくは制御された条件下で実施され、それにより酸化プロセスの後で自動酸化は実質的に防止される。好ましくは酸化脂質はAOCS Official Method Cd 8-53によって測定した過酸化物価が少なくとも20、好ましくは少なくとも30、より好ましくは少なくとも40meq/kgであるべきである。
【0036】
脂質は任意の適当な方法によって、また任意の適当な酸化剤、たとえばオゾン、オゾン/空気の混合物またはオゾン/酸素の混合物によって酸化することができる。
【0037】
酸化プロセスにおいて、ヒドロペルオキシド、オゾニド、ジペルオキシド、ペルオキシド及びポリペルオキシド等の一連の過酸化生成物が生成され得る。ある種の副生物、たとえばケトン及びアルデヒドも生成され得るが、これらはあまり望ましくない。これらの副生物は、酸化プロセスの後で脂質を溶媒で洗浄することによって除去され得る。あるいは、揮発性の望ましくない物質は、たとえば真空下で蒸発によって除去され得る。
【0038】
本発明によれば、酸化脂質、特にオゾン化トリグリセリドで処理した繊維は、吸収性物品の着用者の泌尿生殖器領域でしばしば発生する望ましくない臭気化合物の発生を低減する顕著な能力を有することが示された。そのような臭気化合物の例は、ジメチルスルフィド(DMS)、ジメチルジスルフィド(DMDS)及びイソ吉草酸アルデヒド(IVA)である。
【0039】
添加される酸化脂質の量は、意図した用途によって変動し得る。たとえば個人衛生においては、脂質が皮膚の上に残存することが有利である泌尿生殖器領域において、少量の脂質のみが残存することが望ましい手拭きよりも多い量の酸化脂質が用いられ得る。
【0040】
拭い材は、拭い材の全重量に対して計算して0.01〜15g/g、好ましくは0.1〜8g/g、より好ましくは0.2〜4g/g、最も好ましくは0.3〜3g/gの添加酸化脂質を含んでよい。この量は意図された用途によって異なってよい。
【0041】
拭い材の使用に際して、酸化脂質を含む組成物は好ましくは皮膚に移送及び送達され、それにより特に臭気抑制及び/または細菌抑制のための皮膚処理剤として役立つ。
【0042】
酸化脂質は拭い材の至る所に均一に分布してよい。あるいは、酸化脂質は拭い材の特定の領域、特にその表面上に局在化し、それにより拭い材から容易に放出され、皮膚に移送されるようにしてもよい。
【0043】
本発明の拭い材に含浸する組成物は、酸化脂質に加えて以下の成分、即ち粘度調節剤、酸化脂質のキャリアまたは組成物の皮膚への接着を改善するための作用物質の1つまたは複数を含んでもよい。粘度調節剤の例としては、ポリエチレングリコール(PEG)及びグリセロールが挙げられる。四級界面活性剤は、皮膚への接着を改善するための作用物質として用いられ得る。組成物中に含まれ得る他の成分は、洗浄剤、スキンケア剤、抗菌剤、香料等である。
【0044】
拭い材中の酸化脂質の存在によって、悪臭に寄与し得る物質を次々に産生する細菌の増殖/活性も阻害され得る。望ましくない細菌の増殖/活性の阻害は、泌尿生殖器領域及び手拭きの両方においても、衛生的な理由でまた重要である。頻繁な手拭きはたとえばレストラン、台所、医療ケア施設、学校、デイケアセンター、工場、作業場等で行われる。臭気及び細菌抑制効果の他に、酸化脂質はスキンケア効果をも有し得る。
【0045】
他の臭気抑制物質、たとえばキトサン、デンプン系臭気抑制物質及びエステルを拭い材に添加することもできる。エステルは環状エステルの中から、または酢酸イソメンチル、プロピオン酸イソメンチル、イソ酪酸イソメンチル、クロトン酸イソメンチル及び酪酸イソメンチルの中から選択されるエステルから選択することができる。
【0046】
脂質は、繊維に添加する前または添加後のいずれかに酸化することができる。拭い材の中にパルプ繊維が存在する場合には、オゾンは同時にパルプの漂白剤として作用し得る。
【0047】
拭い材に用いられるキャリア材料は、それが酸化脂質をその多孔質構造の中に保持し、拭い材が用いられた際に酸化脂質を皮膚に放出することができるように選択すべきである。キャリア材料は好ましくは、皮膚から拭い取られた物質を吸収する能力も有すべきである。適当なキャリア材料の例は、ティッシュペーパー、エアレイドティッシュ及び様々な種類の不織材料等の繊維性材料である。不織材料の例は、水流絡合ウェブ、スパンボンド、メルトブローン、熱接着ウェブ等である。キャリア材料のさらなる例は、発泡体、ネット、フィルム等である。フィルムの場合には、酸化脂質はフィルム層の間に適用されてフィルム層を互いに分離する際に露出してもよく、及び/またはフィルム中の形成された凹部に適用されてもよい。
【0048】
キャリア材料の構造は、その液体物質を保持する機能のために重要である。この点において特に適当な材料は、水流絡合ウェブである。
【0049】
繊維性キャリア材料において有用な繊維はパルプ繊維、木綿繊維、竹繊維及び他の天然繊維、ビスコース、リヨセル等の再生セルロース繊維、ポリエチレン及びポリプロピレンのようなポリオレフィン繊維、ポリエステル及びそれらの混合物である。
【0050】
いわゆるおしぼりについては、適当な繊維組成物はビスコース繊維とポリエステル繊維との混合物、たとえばビスコース繊維70wt%とポリエステル30wt%の混合物であり得る。
【0051】
他の種類の拭い材における一般的な繊維組成物は、パルプ繊維とポリプロピレンとの混合物である。
【0052】
個人衛生用拭い材の適当な坪量は30〜70g/m2の間、好ましくは40〜50g/m2の間である。
【0053】
拭い材の寸法は、その意図された用途及び清浄化すべき表面がどの程度汚れているかによって変動し得る。適当な寸法の例は、10×15cm、12×20cm及び16×18cmである。
【0054】
酸化脂質を含む組成物は、噴霧、被覆及び含浸によってキャリア材料に添加してよい。
【0055】
(実施例)
油/脂のオゾン化
試験1
オゾンは、Argenotoxオゾン発生器GL型、Hamburgで、電圧150V、入口酸素流量63 l/hrで操作して発生させた。各試験油/脂200gを、2時間の間、オゾン/酸素流量0.061g/minで処理した。添加した気体のオゾン濃度は58g/m3であった。
【0056】
Table 8(表8)の、過酸化物価276.9meq/kgのより強くオゾン化されたひまわり油については、オゾンを油50gに5.5時間バブリングさせた。
【0057】
ベント付き容器に入れた油に気体をバブリングさせた。容器内でマグネティックスターラーを用いた。固体状の脂は融解温度より上に穏やかに加熱し、その後で液体の脂を通して気体をバブリングさせた。試験した油/脂は以下のTable 3(表3)に述べるものである。
【0058】
【表3】

【0059】
酸化度は、AOCS Official Method Cd 8-53 Surplus 2003の試験方法によって過酸化物価を測定することによって試験した。出発油/脂とオゾン化油/脂の両方の過酸化物価を測定した。結果を下のTable 4(表4)に示す。
【0060】
【表4】

【0061】
油/脂によるパルプの処理
品名NB416のWeyerhaeuser Inc.社のサルフェートパルプのシートに、試験油/脂のヘキサン溶液を含浸させた。重量10gのパルプシートに油4.29gのヘキサン4.29g溶液を添加した。溶液をシートの表面上に均一に分布させた。ヘキサンが蒸発した際、シートは油/脂30wt%とパルプ繊維70wt%を含んでいた。処理したシートをBraunマルチミキサーMX32で離解し、フラッフパルプを製造した。
【0062】
臭気低減の解析
処理済みパルプ1gを60mlのバイアルに入れ、その後Sigma社の0.01Mリン酸緩衝生理食塩液(pH7.4)3.9mlを添加した。次いで、0.1mlのPEG 300と、DMS(ジメチルスルフィド)、DMDS(ジメチルジスルフィド)及びIVA(イソ吉草酸アルデヒド)とを添加し、最終溶液中の各臭気物質の濃度が1000ng/mlとなるようにした。
【0063】
35℃で3時間後、SPME繊維(Supelco社製)(75μm Carboxen-PDMS)をパルプの上のヘッドスペースに注入し、さらに0.5時間後、SPME繊維をMS検出器付きのガスクロマトグラフィー(GC)(Thermo Finnigan Trace社製)で分析した。処理済みパルプと未処理参照パルプの試料について、各臭気物質のピーク面積を測定した。GCの設定は以下の通りであった。
GC温度プログラム:30℃(7分)、3℃/minで70℃(0分)まで、40℃/minで250℃(7分)まで
カラム:ZB-624(Zebron社製)、30m、0.25mm(内径)、膜厚1.40μm
入口温度:250℃
トランスファーライン:220℃
モード:スプリットレス
MS:SIM(シングルイオンモニタリング)。DMS、IVA及びDMDSを分析した際に、以下の質量数が検出された:45、46、47、57、58、61、62、79、86及び94。
【0064】
臭気低減の結果
試験によって、オゾン化油/脂は対応する非オゾン化油/脂よりも顕著に高い臭気物質低減効果を有することが示された。臭気低減の結果を下のTable 5(表5)に示す。臭気低減は、試験試料のピーク面積を、未処理参照パルプを試験した際に得られた同じピーク面積と比較することによって決定した。臭気低減百分率の計算は式
臭気低減=100×(1-実際のピーク面積/未処理パルプの試料のピーク面積)[1]
によって行なった。
【0065】
【表5】

【0066】
さらなる脂質のオゾン化
試験2
リノール酸エチル
Alrich社から得たテクニカルグレードのリノール酸エチル100gを、Argentoxオゾン発生器GL型、Hamburgを用いて電圧150V、入口酸素流量63 l/hrで操作して発生させたオゾンで6時間処理した。オゾンの添加は0.061g/minであり、添加ガスのオゾン濃度は58g/m3であった。オゾン化後、過酸化物価をAOCS Official method Cd 8-53によって測定したところ、237.4meqv/kgであった。
【0067】
オレイン酸
Fluka社製テクニカルグレードのオレイン酸100gを、Argentoxオゾン発生器GL型、Hamburgを用いて電圧150V、入口酸素流量63 l/hrで操作して発生させたオゾンで5時間処理した。オゾンの添加は0.061g/minであり、添加ガスのオゾン濃度は58g/m3であった。オゾン化後、過酸化物価をAOCS Official method Cd 8-53によって測定したところ、375.3meqv/kgであった。
【0068】
ホホバ油
Simmondsia Chinensis社で調製し、Fluka社から供給されたホホバ油100gを、Argentoxオゾン発生器GL型、Hamburgを用いて電圧150V、入口酸素流量63 l/hrで操作して発生させたオゾンで5時間処理した。オゾンの添加は0.061g/minであり、添加ガスのオゾン濃度は58g/m3であった。オゾン化後、過酸化物価をAOCS Official method Cd 8-53によって測定したところ、178.5meqv/kgであった。
【0069】
アゾレクチン
Fluka社から得た大豆製アゾレクチン粉末50gを蒸留水150gに懸濁した。アゾレクチンは様々なリン脂質の混合物である。懸濁液を、Argentoxオゾン発生器GL型、Hamburgを用いて電圧150V、入口酸素流量63 l/hrで操作して発生させたオゾンで2時間処理した。オゾンの添加は0.061g/minであり、添加ガスのオゾン濃度は58g/m3であった。オゾン化後、材料をTefcoldフリーザーTFF370型で約-20℃まで冷却し、次いでEdwards Modulyoフリーズドライヤーで凍結乾燥した。凍結乾燥後、乾燥オゾン化アゾレクチン粉末を集め、その過酸化物価をAOCS Official method Cd 8-53によって測定したところ、382.2meqv/kgであった。
【0070】
これらのオゾン化脂質を、上の試験1と同じ方法で、その処理パルプに対する臭気低減効果について試験した。実験方法における唯一の例外は、アゾレクチン(Acolectin)によるパルプの処理の方法であった。この場合には、脂質は乾燥粉末として、フラッフ済みのパルプに添加した。以下の結果が得られた。
【0071】
【表6】

【0072】
様々な過酸化物価を有する様々な量の添加油の試験
様々な量のオゾン化ひまわり油、それぞれ0、3、10及び30重量%を添加した処理パルプについて試験を実施した。2種の異なったオゾン化ひまわり油を用いた。一方は過酸化物価65.6meq/kg、他方は過酸化物価276.9meq/kgであった。
パルプは以下の方法で処理した。
Weyerhaeuser社によって商品名NB416として製造されている漂白クラフトパルプのシートを、適当な蒸発性溶媒に溶解した油で処理した。溶液を10gのシートの上に注いだ。シートは液体を吸収し、油を繊維ネットワークの中によく分布させた。次いで単にシートを室温に少なくとも3時間保持することによって溶媒を蒸発させた。以下の溶液を調製した。
a.過酸化物価65.5のオゾン化ひまわり油0.31gをヘキサン8.27gに溶解。この添加により、パルプシートは油3%を含むことになる。
b.過酸化物価65.5のオゾン化ひまわり油1.11gをヘキサン7.47gに溶解。この添加により、パルプシートは油10%を含むことになる。
c.過酸化物価65.5のオゾン化ひまわり油4.29gをヘキサン4.29gに溶解。この添加により、パルプシートは油30%を含むことになる。
d.過酸化物価276.9のオゾン化ひまわり油0.31gをアセトン8.27gに溶解。この添加により、パルプシートは油3%を含むことになる。
e.過酸化物価276.9のオゾン化ひまわり油1.11gをアセトン7.47gに溶解。この添加により、パルプシートは油10%を含むことになる。
f.過酸化物価276.9のオゾン化ひまわり油4.29gをアセトン4.29gに溶解。この添加により、パルプシートは油30%を含むことになる。
【0073】
溶媒を蒸発させた後、油を含浸したシートを小片に引裂き、BraunマルチミキサーMX32で乾燥離解した。離解は最大強度で、かなり均一なフラッフパルプが形成されるまで実施した。
【0074】
比較のため、未処理漂白クラフトパルプ(NB416)のシートを同じ方法で離解した。用いた化学品:
ひまわり油:地元の食料品店(COOP)から供給された食品グレード油
ヘキサン:Merck社製、Pro analysi
アセトン:Fluka社供給、Puriss
次いで上述と同じ方法で試験を実施した。これらの試験の結果を下のTable 7(表7)及びTable 8(表8)に示す。
【0075】
【表7】

【0076】
【表8】

【0077】
これらの結果より、オゾン化ひまわり油の3重量%という少量の添加でも、添加した臭気物質を大幅に低減することができることと、より高い過酸化物価を有する油によってより大幅な臭気の低減が得られることがわかる。過酸化物価が1000meq/kgより高いオゾン化ひまわり油は文献で知られていると言うことができる。
【0078】
したがって、過酸化物価が高い油を3重量%よりもっと少なく添加することによって許容できる臭気阻止が得られるということが推定できる。
【0079】
実用的臭気試験
実用的官能臭気試験も実施した。ここでは試験者がGC試験の後、上記の測定からの試料の臭気を嗅いだ。試験者はバイアルを開け、臭気物質が添加されたパルプ試料の臭気を嗅いだ。以下の結果が得られた。
試料 臭気
参照:未処理パルプ 非常に強い、不快な臭気
3%オゾン化ひまわり油、過酸化物価65.5 明確な臭気、参照に比べれば低減
10%オゾン化ひまわり油、過酸化物価65.5 弱い臭気
30%オゾン化ひまわり油、過酸化物価65.5 不快な臭気なし
3%オゾン化ひまわり油、過酸化物価276.9 弱い臭気
10%オゾン化ひまわり油、過酸化物価276.9 不快な臭気なし
30%オゾン化ひまわり油、過酸化物価276.9 不快な臭気なし
【0080】
脂質による拭い材の処理
これらの実験には、Suominen社(フィンランド)から入手可能な、商品名Fibrella 7160のスパンレース不織布を用いた。この材料はポリプロピレン繊維約60%とレーヨン繊維約40%とからなっており、坪量は約50g/m2である。このスパンレース不織シートから、重さ1g、面積0.020m2の小片を切り出した。次いでこれらの小片を脂質で処理した。脂質2gをヘキサンまたはアセトンのいずれか4gに溶解し、不織布の小片の上に均一に分布させた。全てのオゾン化油及びオレイン酸を溶解させるためにアセトンを用い、一方他の非オゾン化油はヘキサンに溶解させた。数時間後、溶媒が蒸発した時に不織布小片を折り畳んで60mlのバイアルに入れ、SPME分析に用いた。次いでバイアルを窒素ガスでフラッシュしてシールした。拭い材の処理のために用いた脂質をTable 9(表9)に挙げる。
【0081】
【表9】

【0082】
拭い材の臭気低減の分析
2gの脂質で処理した1gのスパンレース不織布を含む体積60mlのバイアルをこれらの試験に用いた。実験手順は、フラッフパルプの臭気低減を評価した際に先に記述したものと同じであった([0083]〜[0084]を参照)。各バイアルに、リン酸緩衝塩溶液(pH 7.4)3.9ml及びPEG300 0.1mlを、DMS、DMDS及びIVAとともに添加した。各臭気化合物の全濃度は1000ng/mlであった。
【0083】
【表10】

【0084】
細菌増殖の測定
試験液1(微生物用の増殖培地を添加した無菌の合成尿)を細菌増殖の測定に用いた。合成尿は1価及び2価のカチオン及びアニオンと尿素とを含んでおり、Geigy、Scientific Tables、第2巻、第8版、1981、53頁の情報に従って製造したものである。微生物用の増殖培地は2つの一般的な増殖培地である腸内細菌用のHook及びFSA培地に基づく。この混合物のpHは6.6であった。
【0085】
以下の方法(方法1)で、フラッフパルプの均一な混合物を調製した。
未処理及び処理済みWeyerhauserパルプ(NB416)を所望の比率で秤量し、BraunマルチミキサーMX32に入れた。パルプを約30秒、混合した。
【0086】
以下の方法(方法2)で、試験用の吸収コアを作成した。
SCAN C 33:80に従い、僅かに改変したサンプルフォーマーを用いて、吸収コアを調製した。所望の種類(単数及び複数)のフラッフパルプを秤量し、フラッフパルプ(単数及び複数)の均一な混合物を、底に金網を取り付けた径10mmのパイプを通して、負圧約75mbarの気流に導入した。フラッフパルプを金網上に集め、その後、吸収材試料を構成した。吸収材コアを圧縮し、6〜12cm3/gの範囲内の体積とした。
【0087】
2つの異なった吸収材コアを作製した。参照コアは2.0gの未処理Weyerhauserパルプ(NB416)からなっており、試験コアは、上の「油/脂によるパルプの処理」に記載した方法に従って酸化ひまわり油(過酸化物価65.5meq/kg)で処理した処理済みWeyerhauserパルプ(NB416)(油添加量30重量%)1.4gと未処理Weyerhauserパルプ(NB416)1.0gとの混合物からなっていた。吸収材コアの寸法は直径5cmであった。
【0088】
以下の方法(方法3)で、吸収材コア中の細菌増殖を測定した。
無菌のジャー(Nunc 唾液/臓器ジャー、100ml)に入れた試験コアに、細菌を含む試験液1を10ml添加し、ジャーに蓋を取り付けた。ジャーを上下にひっくり返し、温かいキャビネット中、35℃でインキュベートした。0、6及び12時間のインキュベーション後、ペプトン水を入れたプラスチック袋に試験コアを入れ、内容物をストマッカーで3分間均質化した(攪拌混合)。ホモジネートを希釈用チューブ中でペプトン水を用いて希釈し、微生物培養液を寒天プレート上に広げた。フェカリス菌(E. faecalis)にはSlanetz Bartley寒天を用い、大腸菌(E. coli)及びプロテウス・ミラビリス(P. mirabilis)にはDrigalski寒天を用いた。試料を35℃で1〜2日間インキュベートしてコロニー数を計測し、log CFU/mlを計算した(CFU=コロニー形成ユニットの計測数)。対照試験も参照コアを用いて実施した。
【0089】
試験結果:細菌増殖
細菌を栄養培養液中で培養し、試験液1で対数値3.3を有する所望の濃度に希釈した(方法3)。吸収試験コアは方法2に従って作製した。細菌増殖は方法3に従って測定した。
【0090】
結果をTable 11(表11)に示す。これは、試験コアにおいて6及び12時間後の3つの試験細菌全ての増殖が参照コアに比べて大幅に低いことを明らかに示している。表は種々の時間後のlog CFU/mlを示している。試験試料はオゾン化ひまわり油を含むパルプを意味し、参照試料は未処理パルプを意味する。
【0091】
【表11】

【0092】
カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)増殖測定
カンジダ・アルビカンスの増殖に対する効果を試験するために、上と対応する試験を実施した。増殖測定のため、上述の試験液1を調製した。方法1に従ってフラッフパルプを調製し、方法2に従って吸収コアを調製した。しかしこの場合には、オゾン化ひまわり油を溶解するためにヘキサンの代わりにアセトンを用いた他は、酸化油は「油/脂によるパルプの処理」で述べた方法による過酸化物価276.9mmol/kgの酸化ひまわり油であった。
【0093】
カンジダ・アルビカンスをTodd Hewitt培養液中で静止相まで培養し、試験液1で約104CFU/mlの所望濃度まで希釈した。
【0094】
試験コアと参照コアのそれぞれに、カンジダ・アルビカンスを含む試験液1の10mlを添加し、これらを無菌のプラスチックジャーに入れ、ジャーをアルミニウム箔で覆った。ジャーを温かいキャビネット中、37℃でインキュベートした。0、4、6及び8時間のインキュベーション後、生理食塩液20mlを入れたプラスチック袋に試験コア及び参照コアを入れ、内容物をストマッカーで3分間(高速)均質化(攪拌混合)した。ホモジネートを希釈用チューブで生理食塩液を用いて希釈し、懸濁液をSabaroud-デキストロース寒天プレート上に広げた。プレートを37℃で2日間インキュベートしてコロニー数を計測し、log CFU/mlを計算した。
【0095】
結果を下のTable 12(表12)に示す。これは2個の試験試料の平均値である。表は種々の時間後のlog CFU/mlを示している。試験試料はオゾン化ひまわり油を含むパルプを意味し、参照試料は未処理パルプを意味する。
【0096】
【表12】

【0097】
表から分かるように、カンジダ・アルビカンスの増殖は試験コアで強く阻害され、4時間後には既にゼロになっていた。
【0098】
拭い材の例
(実施例1)
泌尿生殖器ケア用拭い材
試験1に従ってオリーブ油(エキストラバージンオリーブ油、COOP)100gをオゾン化し、過酸化物価61.41meq/kgとした。オゾン化オリーブ油をエタノールで抽出することによって洗浄した。抽出はオゾン化オリーブ油100gとエタノール160gをビーカー中で激しく攪拌しながら混合することによって行なった。次いで混合物を遠心分離して2つの区別できる相を得た。エタノール相を除去し、オゾン化オリーブ油を同じ方法によってさらに4回抽出した。エタノールの全量は5×160g=800gであった。最後の抽出の後、オゾン化オリーブ油をロータリーエバポレーターで3時間、60℃で処理し、微量のエタノールを除去した。
【0099】
オゾン化して抽出したオリーブ油を寸法16×18cmのティッシュシート(Suominen社製Fibrella 7160、60%PP/40% Viscous、50g/m2)に噴霧し、最終濃度1.5g/g乾燥ティッシュとした。
【0100】
(実施例2)
手洗浄用拭い材
試験1に従ってひまわり油(COOP)50gをオゾン化し、過酸化物価276.9meq/kgとした。オゾン化ひまわり油をエタノールで抽出することによって洗浄した。抽出はオゾン化ひまわり油50gとエタノール80gをビーカー中で激しく攪拌しながら混合することによって行なった。次いで混合物を遠心分離して2つの区別できる相を得た。エタノール相を除去し、オゾン化ひまわり油を同じ手順によってさらに4回抽出した。エタノールの全量は5×80g=400gであった。最後の抽出の後、オゾン化ひまわり油をロータリーエバポレーターで3時間、60℃で処理し、微量のエタノールを除去した。
【0101】
オゾン化して抽出したひまわり油を寸法24×24cmのティッシュシート(SCA社製、Tork Premium多目的クロス520、70g/m2)に噴霧し、最終濃度3g/g乾燥ティッシュとした。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
清浄化、スキンケア、臭気抑制、または抗菌効果等の1つまたは複数の目的を満たす組成物が添加されたキャリア材料を含む拭い材であって、前記組成物がAOCS Official Method Cd 8-53によって測定した過酸化物価が少なくとも20meq/kgである少なくとも1つの酸化脂質を含むことを特徴とする拭い材。
【請求項2】
酸化脂質のAOCS Official Method Cd 8-53によって測定した過酸化物価が少なくとも30、好ましくは少なくとも40meq/kgであることを特徴とする、請求項1に記載の拭い材。
【請求項3】
拭い材の全重量に対して計算して少なくとも0.01g/gの酸化脂質が添加されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の拭い材。
【請求項4】
拭い材の全重量に対して計算して0.01〜15g/g、好ましくは0.1〜8g/g、より好ましくは0.2〜4g/g、最も好ましくは0.3〜3g/gの酸化脂質が添加されていることを特徴とする、請求項3に記載の拭い材。
【請求項5】
脂質が脂肪酸またはその誘導体であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の拭い材。
【請求項6】
脂肪酸誘導体が脂肪酸のエステル、特にトリグリセリドであることを特徴とする、請求項5に記載の拭い材。
【請求項7】
脂肪酸及び/または脂肪酸誘導体の少なくとも一部が不飽和であることを特徴とする、請求項5または6に記載の拭い材。
【請求項8】
前記酸化脂質がオゾン処理によって酸化されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の拭い材。
【請求項9】
キャリア材料が繊維ウェブ、発泡体、ネットまたはフィルムから選択されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の拭い材。
【請求項10】
ベビーケア、女性衛生ケア、失禁ケア、ハンドケア、フットケア拭い材等の個人衛生用拭い材であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の拭い材。

【公表番号】特表2012−504710(P2012−504710A)
【公表日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−530017(P2011−530017)
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【国際出願番号】PCT/SE2008/000546
【国際公開番号】WO2010/039064
【国際公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(506215320)エスセーアー・ハイジーン・プロダクツ・アーベー (157)
【Fターム(参考)】