説明

臭素の分析方法及びシステム

【課題】 熱分解法により、無機物中、特にセメント中の臭素を効果的に捕集し、日常の管理試験として、簡便、迅速に定量することができる臭素の分析方法及びシステムを提供する。
【解決手段】 被分析試料中の臭素を抽出し、定量分析する方法であって、被分析試料を800〜1100℃の範囲で加熱し、発生した臭化物を吸収液に捕集、定量することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、臭素の分析方法及びシステム、特にセメント等の無機物中に微量に含まれる臭素の分析方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に無機物中に含有される臭索(Br)量の定量は、塩素やフッ素に比べると微量であり高感度分析が要求される。分析方法としては、予めアルカリ分解法や加熱処理法等の前処理により臭素を抽出したのち、イオンクロマトグラフ法、イオン選択電極法、あるいはICP−MS等によって定量される。アルカリ分解法による前処理は、試料に水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウムを添加し、700℃〜1000℃に加熱して融解させる。または炭酸ナトリウムに酸化亜鉛を加えたものを添加して650℃で焼結させる方法等であり、いずれも試料を融解後、水により臭化物イオンを抽出し、臭素定量用検液とする。加熱処理法による前処理としては、特許文献1に、金属酸化物中に含まれるハロゲン化物イオンの分析方法が記載されており、例えば、酸化インジウム−酸化錫(ITO)中に不純物として含有するハロゲン化物イオンを、水素雰囲気中で加熱、還元処理することにより分離し、イオンクロマトグラフィー、イオンメーター、吸光光度法により定量することが記載されている。また、熱加水分解法は、フッ素の抽出によく知られた方法であり、セメント中のフッ素の分析として、特許文献2には、試料無機物に反応促進剤を混合して水蒸気中、1100℃を超える温度で加熱した後、公知の吸光光度法や、イオンクロマトグラフ法等によって定量することが記載されている。
【特許文献1】特開2000−121516号公報
【特許文献2】特開平2−92802号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
アルカリ分解法では、使用したアルカリ融剤が抽出する水に融解して高塩濃度となるため、イオン交換カラム等によりさらに臭化物イオンのみを分離する必要がある等、操作が煩雑となる問題がある。特許文献1は、このような煩わしさの解消を図ったものであるが、水素ガスを用いる必要があり、安全上、酸素が介在しないよう厳格な管理操作が要求される他、分離したハロゲン化物は、吸収液での捕集とともに、反応容器に付着した残留ハロゲン化物を洗浄し、これらを合わせて定量用検液としなければならないなどの問題がある。また、特許文献2に記載の方法は、フッ化物イオンの定量法として、試料の前処理時間が短縮される点で優れた方法であるが、試料は、1100℃を超える温度、例えば、セメントでは1300℃での高温で加熱処理されているほか、前処理に続く定量化は、公知の方法が列挙されているのみであり、臭素の定量化としての前処理の可否や分析システム全体としての記載はまったくない。特に近年のセメント製造においては、臭素化合物を含むプラススチック材料を燃料代替品として活用するケースが増え、セメント中の臭素定量技術の構築が望まれるが、現状、セメント中の臭素定量は、標準試験方法といったものはない。
【0004】
この発明は、熱分解法により、無機物中、特にセメント中の臭素を効果的に捕集し、日常の管理試験として、簡便、迅速に定量することができる臭素の分析方法及びシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するために、この発明の臭素の分析方法によれば、被分析試料中の臭素を抽出し、定量分析する方法であって、被分析試料を800〜1100℃の範囲で加熱し、発生した臭化物を吸収液に捕集、定量すること(請求項1)、被分析試料を加熱するにあたり、キャリヤーガスとして加湿空気を用いること(請求項2)、被分析試料を加熱するにあたり、キャリヤーガスとして非加湿の空気を用いること(請求項3)、吸収液に捕集した臭化物をフローインジェクション吸光光度法により定量すること(請求項4)、被分析試料がセメントであること(請求項5)、を特徴とし、また、この発明の臭素の分析システムによれば、被分析試料中の臭素を抽出し、定量分析するシステムであって、被分析試料を熱分解し発生した臭化物を吸収液に捕集する前処理手段と、前処理手段により捕集された臭化物イオンの定量手段を備えたこと(請求項6)、臭化物イオンの定量手段が、フローインジェクション吸光光度測定手段であること(請求項7)、を特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
この発明により、無機物、特にセメント中の臭素成分を簡便かつ迅速に、定量分析することができる。特に前処理として熱分解処理法を採用することにより、試料中の臭化物イオンの効率的な発生と捕集を行うことができると共に、後続のフローインジェクション吸光光度測定手段へのスムーズな接続と、しかもフローインジェクションの特性とも相まって、より迅速性と精度に優れ、日常管理に適した分析方法及びシステムとして好適に活用できるとともに、被分析試料の前処理から定量分析までの自動分析システムとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
この発明を図面に基づいて説明する。図1において、この発明の臭素の分析システム1は、セメント等の被分析試料Sを熱分解し臭化物を捕集する前処理手段2と、前処理手段2で捕集された臭化物イオンの定量手段3から主として構成される。前処理手段2は、流量計4、ガス加湿手段5、空気供給管6、反応管7、加熱手段8、送出管9、及び捕集手段10からなり、電気炉等の加熱手段8により800〜1100℃に加熱された反応管7の一端7aから被分析試料Sを載置した白金ボート11が反応管7のほぼ中央に挿入されるとともに、流量計4で流速が調整されたキャリヤーガスAが、ガス加湿手段5(フラスコ内の水中)を経緯して空気供給管6から反応管7内に供給される。反応管7での分解反応生成物である臭化物イオンは、送出管9を経て吸収液Bが収納された捕集手段10により捕集される。尚、12は被分析試料Sを反応管7内へ挿入後、蓋をするシリコン栓等からなるキャップである。
【0008】
キャリヤーガスAは、酸素ガス、窒素ガス、および空気(室内大気)等が制限なく使用でき、特に簡便性とコスト面で空気が好適に使用できる。キャリヤーガスAは、好適な臭化物の回収効率を得るために流量計4で流速をコントロールすることが望ましい。図1に示す径30mmの反応管7を使用する場合は、300mL/min、好ましくは500mL/min以上800mL/min以下の流速とする。この範囲を外れると、臭素化合物の捕集手段10での捕集効率が低下する。また、キャリヤーガスAは、フラスコ内の水中(ガス加湿手段5)を通されるが、水温は、加熱器13により所望の温度とすることができ、通常は、水温20℃(室温と同等)程度で温度コントロールは不要である。また、キャリヤーガスAとして加湿を施さない空気、すなわち、非加湿の通常の室内空気をそのまま反応管7へ導入することもでき、この場合は、ガス加湿手段5を省略し、蒸気コントロールが不要なシンプルな構成とすることができる。
【0009】
被分析材料Sの加熱温度及び加熱時間は、被分析材料Sとして、無機材料、特にセメントを分析する場合は、反応管7中、800〜1100℃で8〜15分間保持することでセメントの分解と臭素の発生及び回収を充分に完了させることができる。これが800℃及び8分を下回ると、臭素イオンの発生が十分でなく、1100℃、15分を超えても臭素発生量に変化がない。
【0010】
捕集手段10は、吸収液Bが収納されたフラスコ等の収納容器からなり、臭化物イオンが吸収液Bに吸収されて捕集される。吸収液Bとしては、純水、水酸化ナトリウム溶液、炭酸ナトリウム溶液、酢酸ナトリウム溶液等、各種の溶液が使用できるが、特に炭酸ナトリウム溶液は、後述するフェノールレッド吸光光度分析法を組み入れたフローインジェクション吸光光度法による臭化物イオンの定量に好適である。
【0011】
続いて、吸収された臭化物イオンの捕集液を検液Xとして、臭化物イオンの定量手段3で定量分析される。定量手段3としては、吸光光度法、イオン電極法、イオンクロマトグラフ法等、従来公知の方法により臭化物イオンの定量分析が可能であるが、この発明では、特にフェノールレッド吸光光度分析法を組み入れたフローインジェクション吸光光度法により定量する。フローインジェクション吸光光度法は、所謂連続流れ分析方法の一種で、検出器として吸光光度検出器を組入れたものであり、分析装置としては市販のものが使用できる。これにより、前述した簡便・迅速な前記前処理手段2と相まって、効率・効果的な全体分析システム1とすることができるとともに、被分析試料の前処理から定量分析までの自動分析システムとすることができる。
【0012】
図2は、このような定量手段3として、フローインジェクション吸光光度測定手段の概略系統図を示したものである。図2において、送液ポンプPによりC流路にキャリヤー液Cを注入するとともに、サンプルループSLからバルブVにより前記捕集した検液Xを注入し、陰イオン交換カラムICを経由後、R1流路から注入する酸化剤試液R1のクロラミンT溶液と合流の上、反応コイルRC1内で検液X中の臭化物が酸化される。次いでR2流路から注入される反応試液R2であるフェノールレッド酢酸塩緩衝液と合流し恒温槽TBで所定温度に保持された反応コイルRC2により反応試液R2との反応が促進される。生成反応物は、吸光光度検出器Dに送液され、吸光度を測定し廃液Wとなる。吸光光度検出器Dの検出信号は、臭素イオン濃度に比例したピーク(シグナル強度)を示すもので、この信号を、図示しないデータ処理手段に導き、あらかじめ標準溶液を用いて作成した検量線から臭素イオン濃度を算出(定量)する。ここで、クロラミンTは、検液中の臭化物を酸化し、次亜臭素酸塩を生成させるものであり、この次亜臭素酸塩とフェノールレッドが反応し、生成したブロモフェノールブルーの吸光度を584nmにて測定することにより、臭化物イオン濃度を求めるものである。
【0013】
陰イオン交換カラムICは、目的外成分との分離を効果的に行い、低濃度臭化物イオンに対する感度の向上を図るもので、市販のもの、例えば、東ソー(株)製の陰イオン交換カラム、TSKgel−IC−Anion−PW等が使用できる。この場合、溶離液として硫酸ナトリウム溶液を使用することが望ましく、これをC流路のキャリヤー液Cとして所定の流速、0.30mL/min〜0.8mL/minの範囲、例えば0.50mL/minで注入する。また、サンプルループSLからキャリヤー液C内に検液Xを注入する。これが0.30mL/minより少ないと測定時間が長くなりフローインジェクション法の特徴が活かせなくなり、0.8mL/minを超えて注入しても感度の上昇が期待できない。このようなサンプルループSLへの送液には図示しない市販のオートサンプラーを用いることができる。
【0014】
反応試液R2は、所謂フェノールレッド溶液に緩衝液を適宜混合して使用する。例えばフェノールレッドをエタノールで溶解し、水で定容したものに、緩衝液として吸光光度測定に好適なpHを5.0程度に調整した酢酸/酢酸ナトリウムを用いることにより、フローインジェクションの短い反応時間のなかで、前記クロラミンTとの反応で酸化生成した次亜臭素酸塩との反応速度を高め、好適なpHのもとでシグナル強度の高い吸光光度が得られる。
【0015】
前記反応コイルRC1及びRC2の長さは、0.5〜5mが望ましく、これが0.5mを下回ると反応効果が少なく、また、5mを越えて反応時間を長くしても、分散の増加により吸光光度は低下する。また反応コイルRC2は、恒温槽TB中で30℃近辺に設定しておくことで、効果的に反応させることができる。
【実施例】
【0016】
図1及び図2に示すシステムを用いて市販ポルトランドセメントの臭化物イオンを測定した。前処理手段2としては、直径30mm、長さ350mmの電気炉からなる加熱手段8、直径30mm、長さ550mmの石英ガラス製反応管7、300mlフラスコからなるガス加湿手段5、直径10mmの空気供給管6及び送出管9、捕集手段10としての吸収液Bが収納された200mlのポリエチレン製吸収ビンを用い、定量手段3は、フローインジェクション吸光光度測定手段として、平沼産業(株)製FIAイオンアナライザWIS−2000を使用し、陰イオン交換カラムICとして東ソー(株)製TSKgel−IC−Anion−PWを用いた。
【0017】
試料及び試薬は以下のとおりである。
(前処理操作)
被分析試料S:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント(株)製)
吸収液B:4mM炭酸ナトリウム溶液(pH11.3)、20mL
(定量分析操作)
臭化物イオン標準溶液1:1000mg/L(関東化学(株)製標準溶液)
臭化物イオン標準溶液2:100mg/L(関東化学(株)製標準溶液)
検液X:前処理操作の捕集手段10で臭化物イオンを捕集した吸収液
キャリヤー液C:0.1M硫酸ナトリウム溶液
酸化剤試液R1:5.00×10−2MクロラミンT溶液(p−トルエンスルホンクロロアミドナトリウム三水和物(クロラミンT関東化学(株)製)1.408gを水で溶解し、全量を100mLとした。)
反応試液R2:フェノールレッド0.1064gをエタノール40mLで溶解し、水で全量200mLとしたものに、2.0mol/L酢酸ナトリウム溶液25mLと4.0mol/L酢酸溶液6.2mLとでpH5.0に調整し、全体を水で250mLにした緩衝材液で調整した。
【0018】
A.前処理操作
(1) 被分析試料S(普通ポルトランドセメント)1.0gを白金ボート11(W15×L70×H13mm)に移し入れ、(2)以下の試験に供した。
(2) 電気炉8で1050℃に加熱された石英ガラス管7中央部に白金ボート11を挿入し、すばやくシリコン栓(キャップ12)をする。
(3) 石英ガラス管7中に、ガス加湿手段5としてのフラスコ内の水中(20℃)を経由したキャリヤーガスA(室内空気)を常時700ml/minで通気し、流出物を吸収ビン10中の吸収液Bに捕集する。
(4) 加熱時間は試料S投入後、電気炉8が再び1050℃に達してから10分間行い捕集を終了する。
【0019】
B.定量分析操作
以下の操作は、検液Xをオートサンプラー、試液R1、R2を定量手段3にセットし、条件設定することにより自動操作・分析が行われる。
(5) 捕集された吸収液を500mLメスフラスコに移し、水で定容したものを検液Xとし、図示しないオートサンプラーによりサンプルループSL(長さ2.0m、径0.5mm)に注入する。
(6) C流路にキャリヤー液Cとして0.1M硫酸ナトリウム溶液を0.5mL/minで注入するとともに、サンプルループSLに満たされた検液XをバルブVから注入する。
(7) R1流路に酸化剤試液R1(クロラミンT溶液)を0.5mL/minで注入する。
(8) R2流路に反応試液R2を0.5mL/minで注入する。
(9) 反応試液R2と検液Xが合流し恒温槽TBで30℃に保持された反応コイルR2(長さ1.0m、径0.5mm)を経た後、吸光光度検出器Dにより、生成した臭化物イオンの吸光度を測定する。臭素イオン(Br−)濃度は、臭化物イオン標準溶液1により予め作成した検量線から求める。
【0020】
実験例1
被分析試料Sとして、数種類の普通ポルトランドセメントを用いて上記の試験を行うとともに、各セメント試料1.0gに標準液25μg(250μLの臭化物イオン標準溶液2)を添加し、臭素イオンの定量実験を行った。結果を表1に示す。標準液の単独および標準液を添加したセメント試料のいずれにおいても、添加した臭素イオン量は90%以上回収された。尚、回収率は次式により算出した。
r=(c’−c)/s×100
ただし、r :添加したBr量の回収率(%)
c’:セメント1.0gにBr25μg添加した試料のBr定量値(mg)
c :セメント1.0gのBr定量値(mg)
s :Br添加量(25μg)
【0021】
【表1】

【0022】
実験例2
被分析試料Sとして、数種類の普通ポルトランドセメントを用いて上記の試験を行う(以下、FIA法)とともに、前処理で捕集された吸収液を検液Xとしてイオンクロマトグラフィー(以下、IC法)により臭化物イオンを定量した。分析結果を表2に示す。FIA法とIC法の測定値は、ほぼ一致し、IC法の測定時間が20分であるのに対しFIA法による測定時間はわずか6分であった。FIA法は高感度分析を維持するとともに迅速な分析定量が可能であった。尚、イオンクロマトグラフィーによる定量は、日本ダイオネクス(株)製イオンクロマトグラフICS−1500、イオン交換カラムは、同IonPacAS22(カラム温度35℃)を用いて、溶離液(4.5mM NaCO/1.4mM NaHCO)を流速1mL/minとして、吸収液中の臭素イオン濃度を測定した。
【0023】
【表2】

【0024】
実験例3
電気炉8の加熱時間を10分とし、加熱温度を種々変更して定量分析を行った。結果を図3に示す。反応管7中、800℃以上とすることで充分な臭素イオンの回収ができるが、1100℃を超えても臭素発生量に変化がない。
【0025】
実験例4
電気炉8の加熱温度を1050℃とし、加熱時間を種々変更して定量分析を行った。結果を図4に示す。加熱時間を8分間以上保持することでセメントの分解と臭素の発生及び回収を充分に完了させることができるが、15分を超えても臭素発生量に変化がない。
【0026】
実験例5
被分析試料として表1に示すNO2のセメント1を使用し、キャリヤーガスとして、ガス加湿手段を省略し、非加湿の室内空気(20℃)を直接石英ガラス管中に通気し定量分析を行った。加湿空気を通気した場合と併せて結果を表3に示す。加湿有無の違いによる臭素量の違いはほとんど見られなかった。
【0027】
【表3】

【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】 この発明の臭素の分析方法及びシステムを説明する概略図である。
【図2】 この発明のフローインジェクション吸光光度測定手段を説明する概略系統図である。
【図3】 加熱温度と臭素イオン量の関係を示ず図である。
【図4】 加熱時間と臭素イオン量の関係を示す図である。
【符号の説明】
【0029】
1 臭素の分析システム
2 前処理手段
3 定量手段
4 流量計
5 ガス加湿手段
6 空気供給管
7 反応管
8 加熱手段
9 送出管
10 捕集手段
11 白金ボート
12 キャップ
S 被分析試料
A キャリヤーガス
B 吸収液
X 検液
C 流路(キャリヤー液)
R1 流路(酸化剤試液)
R2 流路(反応試液)
P 送液ポンプ
SL サンプルループ
IC 陰イオン交換カラム
RC1反応コイル
RC2反応コイル
TB 恒温槽
D 吸光光度検出器
W 廃液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被分析試料中の臭素を抽出し、定量分析する方法であって、被分析試料を800〜1100℃の範囲で加熱し、発生した臭化物を吸収液に捕集、定量することを特徴とする臭素の分析方法。
【請求項2】
被分析試料を加熱するにあたり、キャリヤーガスとして加湿空気を用いることを特徴とする請求項1に記載の臭素の分析方法。
【請求項3】
被分析試料を加熱するにあたり、キャリヤーガスとして非加湿の空気を用いることを特徴とする請求項1に記載の臭素の分析方法。
【請求項4】
吸収液に捕集した臭化物をフローインジェクション吸光光度法により定量することを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の臭素の分析方法。
【請求項5】
被分析試料がセメントであることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の臭素の分析方法。
【請求項6】
被分析試料中の臭素を抽出し、定量分析するシステムであって、被分析試料を熱分解し発生した臭化物を吸収液に捕集する前処理手段と、前処理手段により捕集された臭化物イオンの定量手段を備えたことを特徴とする臭素の分析システム。
【請求項7】
臭化物イオンの定量手段が、フローインジェクション吸光光度測定手段であることを特徴とする請求項6に記載の臭素の分析システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−44033(P2010−44033A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−229044(P2008−229044)
【出願日】平成20年8月12日(2008.8.12)
【出願人】(398043285)株式会社太平洋コンサルタント (20)
【Fターム(参考)】