説明

臭素化剤として第四級ホスホニウムトリブロミドを使用する不飽和有機化合物の臭素化プロセス

炭素−炭素不飽和を含有する化合物又はポリマーが、臭素化剤として第四級ホスホニウム トリブロミドを使用して臭素化される。この臭素化プロセスは、穏和な条件下で容易に進行する。このプロセスは高度に選択性である。基体がブタジエンポリマー又はコポリマーであるとき、臭素化生成物は優れた熱安定性を有する傾向がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件特許出願は2008年8月22日出願の米国仮特許出願第61/090,954号からの優先権を主張する。
本発明は脂肪族炭素−炭素不飽和を有する有機化合物又はポリマーの臭素化プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
臭素化は一般的な工業的プロセスである。これらは、しばしば、炭素−炭素二重結合に対して臭素を付加し、不飽和を除去し、二重結合の元の部位のそれぞれの炭素原子の上に臭素原子を導入することを含む。臭素化反応には、穏和な(mild)条件を使用することがしばしば必要である。出発材料は、条件が過酷すぎる場合には、望まない方向に反応し得る幾らかの官能基を有し得る。他の場合に、出発材料上の、臭素化されやすい多くのものの中から特定部位のみを臭素化することが望ましいであろう。望まない臭素化は、例えば芳香族環上で又は第三級若しくはアリル性炭素原子上で起こり得る。望まない反応を起こすことなく、そして臭素を望まない場所に導入することなく、所望の場所で臭素化するために、穏和な条件がしばしば使用される。従って、このような状況に於ける良好な臭素化剤は、穏和な条件下で容易な臭素化をもたらさなくてはならない。
【0003】
臭素化ブタジエンポリマー及びコポリマーが、種々のポリマーシステムのための難燃剤(FR)添加剤として関心になってきている。これらは、ポリブタジエンポリマー又はブタジエンとビニル芳香族モノマー、例えばスチレンとのコポリマーを臭素化することによって製造される。これらのFR添加剤に対する重要な属性は、熱可塑性樹脂加工温度での熱安定性である。FR添加剤は、200℃を超える、好ましくは240℃を超える温度で熱的に安定でなくてはならない。特許文献1に報告されているような最近の研究には、ブタジエンポリマーが臭素化される方法は、材料の熱的特性に大きな影響を有し得ることが示されている。芳香族環上で又は第三級若しくはアリル性炭素原子上での望まない臭素化は、臭素化反応の間に導入され得る他の不純物のように、臭素化ポリマーの熱安定性を低下させるであろう。良好な臭素化プロセスは、非常に高い比率(85%又はそれ以上)の炭素−炭素二重結合が臭素化され、存在し得る芳香族環又は第三級若しくはアリル性炭素原子上では殆ど又は全く臭素化が起きず、そして僅かな他の不純物が臭素化ポリマー中に導入されている臭素化ブタジエンポリマーを生成する。特許文献1に記載されてプロセスに於いて、臭素化剤は第四級アンモニウム化合物の種類の一つである。これらの臭素化剤は、非常に熱的に安定である臭素化ブタジエンポリマーを生成するが、臭素化反応は、脂肪族炭素−炭素不飽和部位の50〜75%が臭素化されると、著しく遅くなる傾向がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際出願公開第WO2008/021417号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
所望されるのは、或る範囲の臭素化反応に対して有効である臭素化プロセスである。この臭素化プロセスは、穏和な条件下のみで、脂肪族炭素−炭素不飽和を選択的に臭素化することができるのが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、炭素−炭素不飽和を含有する有機化合物又はポリマーの臭素化プロセスである。このプロセスは、少なくとも1種の第四級ホスホニウム トリブロミドを、炭素−炭素不飽和を含有する少なくとも1種の有機化合物又はポリマーと、この有機化合物又はポリマー上の炭素−炭素不飽和の少なくとも1個の部位が臭素化されるような条件下で接触させることを含んでなる。
【0007】
本発明の臭素化プロセスは、多くの場合に、穏和な条件下のみで、容易且つ迅速な臭素化を提供する。「臭素化」は、2個の臭素原子が、炭素−炭素不飽和の部位で、各炭素原子に1個導入されることを意味する。
【0008】
穏和な条件下で、本発明の臭素化プロセスは、脂肪族炭素−炭素二重結合の臭素化に対する優れた選択性を提供する。通常、臭化水素化、即ち条件が穏和であるときの不飽和部位に対する1個の水素原子及び1個の臭素原子の付加は殆ど又は全く存在しない。本発明は、また、連続式又は半連続式操作に容易に向いている。
【0009】
選択性が必要でない場合又は芳香族環のような炭素−炭素不飽和の低い反応性の部位を臭素化するために、より過酷な条件を使用することができる。
【0010】
ブタジエンポリマー又はポリマーを臭素化するために使用するとき、本発明プロセスは、再び穏和な条件下で、1,2−及び1,4−ブタジエン繰り返し単位の両方を臭素化する。穏和な条件下で、芳香族環又は第三級炭素原子の臭素化は、殆ど又は全く見られず、他の不純物は、一般的に、少量でのみ存在する。その結果、臭素化ブタジエンポリマー及びコポリマー、特にブタジエン/ビニル芳香族コポリマーは、下記の熱重量分析(TGA)方法によって示されるように、優れて熱安定性を示す傾向にある。本発明に従って製造された臭素化ブタジエンポリマー及びコポリマーは、しばしば、約200℃超、更に典型的に約230℃超、しばしば約240℃超、或る場合には250℃又はそれ以上の、下記に示すTGA方法に従って決定された、5%重量損失温度を示す。
【0011】
出発有機化合物又はポリマーは、場合によっては、本明細書に於いて「基体(substrate)」と参照する。この基体は、炭素−炭素不飽和(これは、炭素−炭素二重結合又は三重結合を意味し、これは、共役系又は芳香族環構造の一部を形成してよく又は形成しなくてもよい)の少なくとも1個の部位を有する。好ましい基体は、1個又はそれ以上の、脂肪族炭素−炭素不飽和の部位を含有する。「脂肪族炭素−炭素不飽和」によって、その中で隣接する炭素原子が、互いに対して二重又は三重結合されており、これらの二重結合又は三重結合が共役系又は芳香族環構造の一部を形成していない部位を意味する。脂肪族炭素−炭素不飽和を含有する基体は、また、1個又はそれ以上の芳香族環を含有することができ、1個又はそれ以上の第三級炭素原子を含有することができる。本発明の目的のための「第三級」炭素原子は、正確には、1個の水素原子及び3個の他の炭素原子に結合されている炭素原子である。脂肪族炭素−炭素不飽和並びに芳香族環及び/若しくは第三級炭素原子を含有する基体は、しばしば、穏和な条件が使用されるとき、存在するとしても、少量のみの芳香族環(群)又は第三級若しくはアリル性炭素原子を臭素化しながら、脂肪族炭素−炭素不飽和の部位(群)で選択的に臭素化されることができる。
【0012】
ブタジエンのポリマー及びコポリマーは、基体の好ましい種類である。ブタジエンコポリマーは、少なくとも10重量%の重合されたブタジエンを含有していなくてはならない。コポリマーはランダム型、ブロック型又はグラフト型であってよい。コポリマーは別のモノマーを重合することによって形成された繰り返し単位を含有するであろう。このような他のモノマーには、後で更に完全に記載するようなビニル芳香族モノマー、オレフィン、例えばエチレン及びプロピレン並びにアクリレート又はアクリルモノマー、例えばメタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸等が含まれる。これらのモノマーは、ブタジエンと共にランダムに重合させることができ、ブロックを形成するように重合させることができ又はブタジエンポリマー上にグラフトさせることができる。
【0013】
ブタジエンポリマー又はコポリマーは1,000〜400,000、好ましくは5,000〜300,000、更に好ましくは10,000〜200,000、なお更に好ましくは50,000〜175,000の範囲内の重量平均分子量(Mw)を有することができる。本発明の目的のために、分子量は、ポリスチレン標準物質に対して、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定されるような、見掛け分子量である。GPC分子量決定は、直列で連結された2個のPolymer Laboratories PLgel 5マイクロメートル Mixed−Cカラム及びAgilent G1362A屈折率検出器を取り付けたAgilent 1100シリーズ液体クロマトグラフ又は均等デバイスを使用して、溶離剤として、1mL/分の速度で流し、35℃の温度に加熱したテトラヒドロフラン(THF)で、実施することができる。
【0014】
ブタジエンは、重合して、主として2種の繰り返し単位を形成する。本明細書に於いて「1,2−ブタジエン単位」として参照される一つの種類は、形、
−CH2−CH−

CH=CH2
を取り、そうして、ポリマーに側鎖の不飽和基を導入する。本明細書に於いて「1,4−ブタジエン」単位として参照される第二の種類は、形、−CH2−CH=CH−CH2−を取り、主ポリマー鎖の中に不飽和を導入する。このブタジエン/ビニル芳香族ポリマーは、少なくとも幾らかの1,2−ブタジエン単位を含有している。このブタジエン/ビニル芳香族ポリマー中のブタジエン単位の、少なくとも10%、好ましくは少なくとも15%、更に好ましくは少なくとも20%、なお更に好ましくは少なくとも25%は、1,2−ブタジエン単位である。1,2−ブタジエン単位は、ブタジエン/ビニル芳香族コポリマー中のブタジエン単位の少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%又は少なくとも70%を構成することができる。1,2−ブタジエン単位の比率は、コポリマー中のブタジエン単位の85%よりも多く又は90%よりも多くてよい。
【0015】
制御された1,2−ブタジエン含有量を有するブタジエン/ビニル芳香族ポリマーの製造方法は、Journal of Polymer Science(D,Macromolecular Review)、第3巻、第317頁(1968年)に於いてJ.F.Henderson及びM.Szwarcによって、J.Polym.Sci.A-2、9、43-57(1971)に於いてY.Tanaka、Y.Takeuchi、M.Kobayashi及びH.Tadokoroによって、Macromolecules、6、129-133(1973)に於いてJ.Zymona、E.Santte及びH.Harwoodによって並びにJ.Polym.Sci.Polym.Chem.、21、1853-1860(1983)に於いてH.Ashitaka等によって記載されている。
【0016】
特に関心のある基体は、ブタジエン及び少なくとも1種のビニル芳香族モノマーの、ランダム、ブロック又はグラフトコポリマーである。「ビニル芳香族」モノマーは、芳香族環の炭素原子に直接結合されている重合可能なエチレン性不飽和基を有する芳香族化合物である。ビニル芳香族モノマーには、非置換の物質、例えばスチレン及びビニルナフタレン並びにエチレン性不飽和基上で置換されている(例えばα−メチルスチレン)及び/又は環置換されている化合物が含まれる。環置換されたビニル芳香族モノマーには、芳香族環の炭素原子に直接結合されているハロゲン、アルコキシ、ニトロ又は非置換若しくは置換アルキル基を有するものが含まれる。このような環置換されたビニル芳香族モノマーの例には、2−又は4−ブロモスチレン、2−又は4−クロロスチレン、2−又は4−メトキシスチレン、2−又は4−ニトロスチレン、2−又は4−メチルスチレン及び2,4−ジメチルスチレンが含まれる。好ましいビニル芳香族モノマーはスチレン、α−メチルスチレン、パラ−メチルスチレン及びこれらの混合物である。
【0017】
「ビニル芳香族単位」は、ビニル芳香族モノマーが重合されたとき形成される出発材料中の繰り返し単位である。適切な出発ブタジエン/ビニル芳香族コポリマーには、5〜90重量%の重合されたビニル芳香族モノマー単位が含有される。
【0018】
ブタジエン/ビニル芳香族コポリマーは、コポリマーの、ランダム型、ブロック型(多ブロック、例えばジブロック又はトリブロック型を含む)又はグラフト型であってよい。スチレン/ブタジエンブロックコポリマーは、商業的量で広く入手可能である。商品名VECTOR(登録商標)でDexco Polymersから入手可能なものが適している。スチレン/ブタジエンランダムコポリマーは、Polymer、第46巻、第4166頁(2005年)中にA.F.Halasaによって記載された方法に従って製造することができる。スチレン/ブタジエングラフトコポリマーは、Journal of Polymer Science(Polymer Chemistry Edition)、第14巻、第497頁(1976年)中にA.F.Halasaによって記載された方法に従って製造することができる。スチレン/ブタジエンランダム及びグラフトコポリマーは、またAnionic Polymerization Principles and Practical Applications、Marcel Dekker,Inc.、ニューヨーク、1996年刊の第9章中に、Hsieh及びQuirkによって記載された方法に従って製造することができる。
【0019】
前記ブタジエン/ビニル芳香族ポリマーは、ブタジエン及び前記のもののようなビニル芳香族モノマー以外のモノマーを重合させることによって形成された繰り返し単位を含有していてもよい。
【0020】
ブタジエン/ビニル芳香族コポリマーの最も好ましい種類は、1個又はそれ以上のポリスチレンブロック及び1個又はそれ以上のポリブタジエンブロックを含有するブロックコポリマーである。これらの中で、ジブロックコポリマー並びに中央のポリブタジエンブロック及び末端のポリスチレンブロックを有するトリブロックコポリマーが特に好ましい。
【0021】
基体が、臭素化反応の条件下で液体であり、第四級ホスホニウム トリブロミドが基体中に十分に混和性である場合、臭素化反応をそのままで(neat)実施することができる。しかしながら、殆どの場合に、反応は溶媒又は希釈剤の存在下で実施することが好ましいであろう。この溶媒は、基体のための溶媒、好ましくは同様に第四級ホスホニウム トリブロミドのための溶媒でなくてはならない。反応の間に生成する、臭素化生成物及び第四級ホスホニウム モノブロミド副生物は、この溶媒中に可溶性であってよく又は可溶性でなくてもよい。以下に検討するように、これらの物質のいずれか又は両方がプロセス溶媒中に不溶性である場合、幾つかのプロセス利点が生じるであろう。適切な溶媒には、エーテル、例えばテトラヒドロフラン;種々のカルボン酸エステル、ハロゲン化アルカン、例えば四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ブロモクロロメタン、ジブロモメタン、1,2−ジブロモエタン及び1,2−ジクロロエタン;炭化水素、例えばヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロオクタン及びトルエン並びにハロゲン化芳香族化合物、例えばブロモベンゼン、クロロベンゼン及びジクロロベンゼンが含まれる。好ましい溶媒は、100℃よりも低い(特に80℃よりも低い)(大気圧での)沸騰温度を有し、水中で実質的に非混和性であり、非プロトン性であり、そして第三級炭素原子に結合された水素原子を含有していない。穏和な反応条件が使用されるとき、ハロゲン交換反応が顕著な程度まで起こらないことが見出され、この理由のために、本発明に於いて使用するために、塩素化溶媒が非常に適している。ハロゲン化アルカン、第三級炭素原子に結合された水素原子を含有していない環式アルカン及びハロゲン化芳香族化合物が、特に好ましい溶媒である。特に好ましい溶媒は、水よりも一層揮発性であり、従って、水から容易に除去される。3種の特に好ましい溶媒は、ジクロロエタン、ジクロロメタン及びシクロヘキサンである。
【0022】
臭素化剤は、第四級ホスホニウム トリブロミドである。第四級ホスホニウム トリブロミドは、式R4+(式中、それぞれのRは炭化水素基である)によって表すことができる、第四級ホスホニウム基を有する。第四級ホスホニウム トリブロミドはテトラアルキルホスホニウム トリブロミド(この場合、各R基はアルキルである)であってよい。4個のR基は全て同じものであってよい。その代わりに、リン原子に結合された2種、3種又は4種の異なったR基が存在していてもよい。R基は、それぞれ、好ましくは炭素数1〜20のアルキルである。R基は、更に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基である。具体的な第四級ホスホニウム トリブロミドの例には、テトラメチルホスホニウム トリブロミド、テトラエチルホスホニウム トリブロミド、テトラ(n−プロピル)ホスホニウム トリブロミド、テトラ(n−ブチル)ホスホニウム トリブロミド、テトラヘキシルホスホニウム トリブロミド、テトラオクチルホスホニウム トリブロミド、トリ(ヘキシル)テトラデシルホスホニウム トリブロミド等又はこれらの混合物が含まれる。
【0023】
前記トリブロミド臭素化剤は、対応する第四級ホスホニウムモノブロミド塩を元素状臭素と混合することによって製造することができる。このモノブロミド塩は、通常、水溶性であり、それで、トリブロミドを製造する便利な方法は、元素状臭素をモノブロミド塩の水溶液に添加することである。この反応は、ほぼ室温でよく進行するが、所望により、より高い温度又はより低い温度を使用することができる。このトリブロミドは、水相中に比較的不溶性である傾向があり、従って、通常、水相から沈殿し、従って、任意の便利な固液分離方法によって、液相から回収することができる。その代わりに、このトリブロミドを、水相から、下記のような有機溶媒で抽出することによって回収することができる。このトリブロミドは、所望により、基体とのブレンドを容易にするために、このような溶媒中に溶解させることができる。
【0024】
前記反応は、基体、第四級ホスホニウム トリブロミド及び(存在する場合の)溶媒を一緒に混合し、この混合物を、脂肪族炭素−炭素不飽和部位が臭素化されるまで、反応させることによって実施される。添加の順序は、トリブロミド及びブタジエン/ビニル芳香族コポリマーを最初に混合する場合、顕著な反応が生じる前に任意の溶媒を添加することが好ましいことを除いて、特に重要ではない。
【0025】
使用するとき、反応の条件下で、基体を溶解するために充分な溶媒が存在する。必要な場合、追加量の溶媒を使用して、反応混合物の粘度を低下させるか又は希釈剤として作用することができる。溶媒中の基体の濃度は、例えば1〜50重量%、特に5〜35重量%の範囲であってよい。
【0026】
臭素化されるべき炭素−炭素不飽和の1モル当たり、約0.5〜約5モルの第四級ホスホニウム トリブロミド臭素化剤が適切に使用され、更に適切な量は約0.9〜約2.5モル/モルであり、なお更に適切な量は1〜1.5モル/モルである。
【0027】
臭素化温度は、−20〜100℃の範囲であってよく、好ましくは0〜85℃、特に10〜40℃である。一般的に、40℃又はそれ以下の臭素化温度が、本発明の目的のための「穏和な」温度を構成すると考えられ、選択率及び副生物生成の回避が望まれるときに好ましい。芳香族環のような不飽和の、より低い反応性の部位を臭素化するために、より過酷な条件、例えば40℃よりも高い温度を使用することができ、必要であろう。より高い臭素化温度は、選択率の低下及び/又は副生物に於ける増加に至り得る。
【0028】
幾つかの態様に於いて、第四級ホスホニウム・モノブロミド塩が、固体支持体に貼り付けられ、トリブロミドが、支持体の表面で発生する。この場合に、基体は、反応条件下で支持体と接触状態で通過して、臭素化を実施する。
【0029】
前記臭素化は、殆どの場合に、約数分〜数時間で完結する傾向がある。トリブロミドは、反応が進行するとき、対応する第四級ホスホニウム モノブロミド塩に転化されるようになる。
【0030】
前記基体が、(好ましいブタジエンポリマー及びコポリマーでの場合のように)脂肪族炭素−炭素不飽和の複数の部位を有する場合、不飽和部位の一部のみが臭素化されるように、反応を実施することが可能である。
【0031】
例えば、ブタジエンポリマー又はコポリマーの臭素化を、ブタジエン単位の少なくとも50%が臭素化されるまで続けることができる。更に好ましくは、ブタジエン単位の少なくとも85%が臭素化される。好ましくは、これらのブタジエン単位の90%以下が臭素化され、そしてこれらの100%以下が臭素化され得る。臭素化ブタジエンポリマー中の残りの脂肪族炭素−炭素二重結合は、特に、押出物品(例えばフォーム、フィルム、成形物等)の製造のために、臭素化コポリマーを他のポリマーとブレンドするとき、望ましくない架橋反応に至り得る。この架橋は、ゲル形成及び加工装置の汚染になり得る。ゲルの存在は、悪化した物理的特性、汚損した表面若しくは光学的特性又は増加した色形成に至り得る。ゲルは、特にブレンドを発泡させるとき、ブレンドの溶融加工性に悪影響を与え得る。
【0032】
基体、例えばブタジエンポリマー又はコポリマーの臭素化の程度はプロトンNMR方法を使用して決定することができる。例えば、残留する二重結合パーセント、重合されたスチレンモノマー含有量及び臭素化ブタジエン/スチレンコポリマーの1,2−異性体含有量は、適切なプロトン(残留二重結合プロトンは、4.8ppmと6ppmとの間にある)(テトラメチルシラン(TMS)に対して)(スチレン芳香族プロトンは6.2〜7.6ppmの間にあり、臭素化ポリブタジエンのためのプロトンは3.0ppmと4.8ppmとの間にある)に起因する、シグナルの積分面積を比較することによって決定することができる。Varian INOVA(登録商標)300NMR分光計又は均等デバイスが、このような決定のために有用であり、定量的積分のためにプロトンの緩和を最大にするために30秒間の遅延時間で操作される。ジュウテロ(deutero)置換溶媒、例えばジュウテロ−クロロホルム又はd5−ピリジンが、NMR分析用のサンプルを希釈するために適している。
【0033】
穏和な条件下で実施するとき、臭素化反応は、幾つかの点で、高度に選択的である傾向がある。基体上に存在し得る芳香族環上では、臭素化は殆ど又は全く起こらない。臭素化は、第三級炭素原子で望ましくない臭素を導入し得るフリーラジカル機構ではなくて、イオン機構によって起こると思われる。これらの第三級臭素は、臭素化ブタジエンポリマー及びコポリマーの温度安定性に不利に影響を与えると信じられる。更に、僅かな臭化水素化、即ち炭素−炭素二重結合に対するHBrの付加が見られる。ブタジエンポリマー及びコポリマーに於いて、臭素化は、1,2−及び1,4−ブタジエン単位の両方の炭素−炭素二重結合で起こる傾向があり、第三級又はアリル性炭素原子で、臭素化は殆ど又は全く起こらない。多くの場合に、本プロセスがブタジエンのポリマー又はコポリマーを臭素化するために使用されるときのように、臭素化の10%以下、更に好ましくは5%以下が、アリル性又は第三級炭素原子で起こることが好ましい。
【0034】
臭素化速度は、基体が脂肪族炭素−炭素不飽和の複数の部位を含有するブタジエンポリマー又はコポリマーのようなものであるとき、反応の後半段階で低下する傾向がある。これは、高い転化率が望まれるとき、特にそうである。反応の後半段階で反応速度を維持することを助けるための一つの手段は、反応混合物に、第四級ホスホニウム モノブロミド副生物のための溶媒を添加することである。これは、脂肪族炭素−炭素不飽和部位の一部が臭素化された後に行われる。次いで、臭素化反応の残りが、第四級ホスホニウム モノブロミド塩のための溶媒の存在下で行われる。第四級ホスホニウム モノブロミドのための溶媒を添加することの利点は、脂肪族炭素−炭素不飽和部位の少なくとも25%が臭素化された後であるが、脂肪族炭素−炭素不飽和部位の90%が臭素化される前に、この溶媒を添加するとき、最も良く見られる。好ましくは、モノブロミドのための溶媒は、脂肪族炭素−炭素不飽和部位の50%、更に好ましくは少なくとも60%、80%以下、更に好ましくは75%以下が臭素化された後に添加する。この溶媒は、モノブロミド塩がこの溶媒中に強く分配するが、臭素化基体又はトリブロミドがこの溶媒中に強く分配しないように、臭素化基体又は第四級ホスホニウム トリブロミドのための強い溶媒であってはならない。
【0035】
その代わりに、複数の脂肪族炭素−炭素不飽和を有する基体(例えばブタジエンポリマー又はコポリマー)は、第四級ホスホニウム トリブロミドによって部分的にのみ臭素化することができ、臭素化の残りは、臭素化剤として元素状臭素を使用して実施することができる。このような態様に於いて、ホスホニウム トリブロミドによる臭素化は脂肪族炭素−炭素不飽和の50〜95%が臭素化されるまで進行する。次いで、部分的に臭素化された基体を、第四級ホスホニウム トリブロミド又はモノブロミド塩の不存在下で、脂肪族炭素−炭素不飽和部位の所望の比率が臭素化されるまで、元素状臭素と接触させる。ブタジエンポリマー及びコポリマーについて、この場合に、元素状臭素による臭素化を、この部位の少なくとも96%が臭素化されるまで続けることが好ましい。臭素化反応の第二の部分は、脂肪族アルコール、例えばC1〜C6アルカノールの存在下で実施することができる。このプロセスは、僅かな不純物を製造しながら、非常に高い転化率を得るための、迅速な反応速度及び短い反応時間を提供する。これは、非常に高い5%重量損失温度を有する臭素化ブタジエンポリマーを製造することができる。
【0036】
本発明の或る態様に於いて、第四級ホスホニウム トリブロミドは、その場で(in situ)、即ち基体の存在下で、元素状臭素及び対応する第四級ホスホニウム モノブロミド塩を、別々に、基体又は基体の溶液に添加することによって形成される。このプロセスは、添加される臭素をポリマーに運ぶように機能し、好ましい、高価な第四級ホスホニウム モノブロミド化合物のより少ない量を使用することの利点を有する。この臭素及びモノブロミド塩は、一緒に混合されてトリブロミドを生成し、次いで、得られるトリブロミドは基体と反応して、基体を臭素化し、モノブロミド塩を再生すると思われる。この反応系列に於いて元素状臭素が消費されるとき、より多くの臭素を反応混合物に連続的に又は間欠的に添加して、トリブロミドを再生し、反応を維持することができる。プロセスのこの変形に於いて、比較的少量の第四級ホスホニウム トリブロミドが、任意の時点で反応混合物中に存在する。この量は、臭素化されるべき炭素−炭素不飽和の1モル当たり、第四級ホスホニウム トリブロミド0.01モルのように少なくてよい。好ましい量は少なくとも0.05モル/モルであり、更に好ましい量は少なくとも0.1モル/モルで、0.8モル/モル以下、更に好ましくは0.5モル/モル以下である。
【0037】
その場で第四級ホスホニウム トリブロミドを形成するための能力は、トリブロミドが反応中に消費され、モノブロミド塩が再生されるので、元素状臭素が反応混合物中に連続的に又は多数の段階で供給される連続式又は半連続式プロセスの操作に役立つ。元素状臭素は、再生されたモノブロミド塩と組み合わさって、トリブロミドを再生成する。
【0038】
連続プロセスの態様に於いて、出発ブタジエンポリマーは、第四級ホスホニウム トリブロミドを使用して、トリブロミド及び出発ブタジエンポリマーに対しては良溶媒であるが、副生物として製造される第四級ホスホニウム モノブロミド塩に対しては良溶媒ではない溶媒の存在下で臭素化される。第四級ホスホニウム モノブロミド塩も含有する、臭素化ブタジエンポリマーの溶液又はスラリーが生成する。この溶液又はスラリーは、還元剤を含有する水性相によって抽出される。第四級ホスホニウム モノブロミド塩を含有する水性流が生成し、臭素化ブタジエンポリマーは、プロセス溶媒中に残留する。次いで、水性第四級ホスホニウム モノブロミド流を、元素状臭素及びプロセス溶媒の流れと接触させる。臭素とモノブロミド塩とが反応して、第四級ホスホニウム トリブロミドを再生し、これをプロセス溶媒の中に戻し分配させる。次いで、第四級ホスホニウム トリブロミド溶液を、反応工程の中に戻し循環させる。
【0039】
他の態様に於いて、プロセス溶媒を、第四級ホスホニウム モノブロミド塩がその中に可溶性であるが、臭素化基体が不溶性であるか又は僅かにのみ可溶性であるように選択する。このような場合に、条件を、臭素化生成物が、それが生成したとき沈殿し、一方、モノブロミド塩が溶液中に残留するように選択することができる。このような条件下で、臭素化生成物が沈殿したとき、新しい基体を反応ゾーンに、連続的に又は間欠的に導入することができる。新しい基体及び元素状臭素を、溶媒及び第四級ホスホニウム モノブロミド塩を含有する反応ゾーンに連続的に又は間欠的に添加し、臭素化生成物を、反応混合物から沈殿させるか又は他の方法でそれから連続的に又は間欠的に取り出す。これらの場合に、沈殿した臭素化生成物は、固体/液体分離方法、例えばデカンテーション、濾過又は遠心分離によって、反応混合物から容易に取り出される。
【0040】
臭素化が完結した後、臭素化生成物は、(プロセス中で溶媒を使用する場合)プロセス溶液から回収する。臭素化生成物がプロセス溶媒中に不溶性である場合、前記のような固体/液体分離方法によって回収することができる。残留するプロセス溶媒は、ストリッピング又は乾燥方法によってポリマーから除去することができる。
【0041】
臭素化生成物が、反応混合物中に可溶性である場合、混合物から、種々の溶媒ストリッピング方法により、抽出方法により又は反溶媒(anti-solvent)を使用して、溶液からそれを沈殿させることにより単離することができる。このような反溶媒の例には、低級アルコール、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール及びt−ブタノールが含まれる。
【0042】
一つの適切な回収方法に於いて、溶液は微細な小滴に形成される。溶媒は、この小滴から熱的にストリップされて、臭素化生成物の粒子を形成する。熱ストリッピング工程の前又は後に、小滴又は粒子を、水中で洗浄する。別の適切な回収方法に於いて、溶液は小滴に形成され、加熱され、機械的に撹拌された、種粒子の床の上にスプレーされる。小滴は種粒子と接触し、そこで溶媒は除去され、沈殿した臭素化生成物は、個々の種粒子の周りにシェルを形成し、それによってそれらの直径を増加させる。この最後のプロセスによって、所望のサイズの粒子の形成が可能になる。このパラグラフに記載したプロセスの両方が、プロセス溶媒から臭素化ブタジエンポリマーを回収するために特に適している。
【0043】
特定用途のために、所望又は必要とするとき、単離された生成物を精製して、残留する臭素、臭素化剤、溶媒及び副生物を除去することができる。臭化物塩は、生成物を、シリカゲル又はイオン交換樹脂床に通過させることによって、除去することができる。生成物を、亜硫酸水素ナトリウム水溶液によって洗浄して、存在するかもしれない未反応の臭素化剤を中和又は急冷(quench)することができる。これは、残留する臭素又は臭素化合物のために生成物中に存在するかもしれない任意の橙色を有効に除去又は排除する。
【0044】
好ましい基体はブタジエンポリマー又はコポリマーである。これらの場合に、本発明のプロセスは、優れた熱安定性を有する臭素化ブタジエンポリマー又はコポリマー製品を製造する傾向がある。熱安定性の有用な指標は5%重量損失温度であり、これは、下記のような熱重量分析によって測定される。即ち、10ミリグラムのポリマーを、TA InstrumentsモデルHi−Res TGA2950又は均等装置を使用して、気体状窒素の60ミリリットル/分(mL/分)流及び室温(公称25℃)から600℃までの範囲に亘る10℃/分の加熱速度で分析する。このサンプルによる重量損失を、加熱工程の間モニターし、サンプルがその最初の重量の5%を失ったときの温度を、5%重量損失温度(5%WLT)として指定する。100℃又はそれ以下で生じた重量損失は、この測定に於いて無視される。この方法は、サンプルが、100℃又はそれ以下で揮発する、より少ない物質の最初のサンプル重量基準で5重量%の蓄積重量損失を受ける温度を与える。この臭素化ブタジエンポリマー又はコポリマーは、好ましくは、少なくとも200℃の5%WLTを示す。この5%WLTは、好ましくは少なくとも220℃、更に好ましくは少なくとも230℃、なお更に好ましくは少なくとも240℃、なお更に好ましくは少なくとも250℃である。ブタジエン単位の少なくとも85%が臭素化されており、このような5%WLT値を有する臭素化ブタジエンポリマー又はコポリマーが特に関心のあるものである。
【0045】
熱安定性に於ける更なる増加は、ときどき、特許文献1に記載されているように、臭素化コポリマーがアルカリ金属塩基によって処理された場合に見られる。
【0046】
本発明に従って製造された臭素化ブタジエンポリマー又はコポリマーは、種々の有機ポリマー用の難燃添加物として、有用である。興味深い有機ポリマーには、ビニル芳香族又はアルケニル芳香族ポリマー(アルケニル芳香族ホモポリマー、アルケニル芳香族コポリマー又は1種又はそれ以上のアルケニル芳香族ホモポリマー及び/若しくはアルケニル芳香族コポリマーのブレンドを含む)並びにその中に、この臭素化コポリマーが可溶性であるか又はサイズが10μmよりも小さい、好ましくは5μmよりも小さいドメインを形成するように分散させることができる他の有機ポリマーが含まれる。ブレンド重量基準で、0.1重量%〜25重量%の範囲内の臭素含有量を有するブレンドを提供するために十分な臭素化ポリマー又はポリマーが、ブレンド中に好ましく存在する。
【0047】
臭素化ポリマー又はコポリマーのブレンドには、他の添加剤、例えば他の難燃添加剤、難燃アジュバント、熱安定剤、紫外光安定剤、核生成剤、酸化防止剤、発泡剤、酸スカベンジャー及び着色剤が含有されてよい。
【実施例】
【0048】
下記の実施例は、本発明を例示するために提供されるが、その範囲を限定しない。全ての部及びパーセンテージは、他の方法で示されない限り重量基準である。
【0049】
実施例1
スチレン−ブタジエントリブロックコポリマー5g(ブタジエン単位0.056モル)を、クロロベンゼン100mLの中に混合する。このトリブロックコポリマーは、それぞれ、ブロックコポリマーの20重量%を構成する末端ポリスチレンブロック及びブロックコポリマーの60重量%を構成する中央ポリブタジエンブロックを含有している。テトラブチルホスホニウムモノブロミド塩22.6g(0.067モル)及び臭素3mL(0.059モル)を、別々に、クロロベンゼン100mLの中に混合する。上記の二つの溶液を一緒にし、40℃で24時間攪拌し、環境温度にまで冷却し、更に72時間攪拌する。次いで、得られる溶液を、水の2個の100mL部分で、次いで亜硫酸水素ナトリウム溶液100mLで、次いで最後に水100mLで、逐次的に洗浄する。有機相の体積を、ロータリーエバポレーター上で約50%ほど減少させ、この有機層を、次いで、撹拌したイソプロパノール300mLに滴下により添加して、臭素化ポリマーを沈殿させる。濾過によって固体を集め、イソプロパノールによって洗浄し、65℃で真空下に一夜乾燥する。臭素化ブタジエンポリマー11.8gが得られる。このポリマーは、中性子放射化分析により60.8%の全臭素を含有している。出発脂肪族炭素−炭素不飽和の88%が臭素化された。遊離ブロミドは9.1ppmであり、5%WLTは252℃である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機化合物又はポリマーの臭素化プロセスであって、少なくとも1種の第四級ホスホニウム トリブロミド及び炭素−炭素不飽和を含有する少なくとも1種の有機化合物又はポリマーを、前記有機化合物又はポリマー上の炭素−炭素不飽和の少なくとも1個の部位が臭素化されるような条件下で接触させることを含んでなるプロセス。
【請求項2】
前記炭素−炭素不飽和が脂肪族炭素−炭素不飽和の少なくとも1個の部位を含有し、脂肪族炭素−炭素不飽和の少なくとも1個の部位が臭素化される請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記有機化合物又はポリマーが、少なくとも1個の芳香族環を含有し、この芳香族環又は環群が臭素化されない請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記有機化合物又はポリマーが少なくとも1個の第三級又はアリル性炭素原子を含有し、臭素化の5%以下が前記第三級又はアリル性炭素原子で起こる請求項2又は3に記載のプロセス。
【請求項5】
前記有機化合物又はポリマーがブタジエンポリマー又はコポリマーである請求項2に記載のプロセス。
【請求項6】
前記有機化合物又はポリマーのための溶媒の存在下で実施される請求項1〜5のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記第四級ホスホニウム トリブロミドが、テトラアルキルホスホニウム トリブロミドである任意の前記請求項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記テトラアルキルホスホニウム トリブロミドがテトラメチルホスホニウム トリブロミド、テトラエチルホスホニウム トリブロミド、テトラ(n−プロピル)ホスホニウム トリブロミド、テトラ(n−ブチル)ホスホニウム トリブロミド、テトラヘキシルホスホニウム トリブロミド、テトラオクチルホスホニウム トリブロミド、トリ(ヘキシル)テトラデシルホスホニウム トリブロミド等又はこれらのいずれか2種若しくはそれ以上の混合物である請求項4に記載のプロセス。

【公表番号】特表2012−500863(P2012−500863A)
【公表日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−523880(P2011−523880)
【出願日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際出願番号】PCT/US2009/053699
【国際公開番号】WO2010/021906
【国際公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】