説明

興味ある地点を表示する方法およびシステム

【課題】興味ある地点を表示する方法およびシステムを提供すること。
【解決手段】本発明は、地図区域および興味ある地点(POI)データをユーザに表示するディスプレイと、POIデータを格納するデータベースとを含むナビゲーションシステムを提供する。検索ユニットは、表示されるべき地図区域のためのPOIデータをデータベースから検索するために提供される。本発明の実施形態において、POIデータベースは、地図領域において、POIと、POIの数を表す代用POIとを含む。次いで、代用POIか、または代用POIが表すPOIがデータベースから検索されるかは、地図区域が表示されるべき地図縮尺により得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本発明は、異なる地図縮尺で地図を表示することが可能なナビゲーションシステムのディスプレイ上に興味ある地点(point of interest)(POI)を表示する方法および対応するナビゲーションシステムに関する。本発明は、さらに、興味ある地点(POI)データベースを含むデータキャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
近年、単純なハンドヘルドナビゲーションデバイスまたはより複雑な車内システムなどのナビゲーションシステムの使用が急増してきた。ほとんど例外なく、ナビゲーションデバイスは、ユーザに地図情報が与えられるディスプレイを含む。ナビゲーションデバイスに表示される地図は、概して、都市および都市間をつなぐ道路、都市のサイズ、およびそれぞれの図形記号によって表示されている道路のカテゴリーの図形表示を含む。
【0003】
いくつかの従来のデバイスはさらに、そのような地図上に興味ある地点(POI)を表示することが可能である。概して、興味ある地点の異なるカテゴリーは、表示のために利用可能であり、自動的にまたはユーザインタラクションによって選ばれ得る。カテゴリーは、例えば、空港、興味ある名所、ガソリンスタンド、レストラン、薬局、映画館などに対して提供され得る。従って、ユーザは、地図上の興味ある地点の場所に興味ある地点を表すアイコンを表示することによって、有用な情報が提供され得る。ユーザにとって、このことは、特定の名所またはレストランを通過する走行経路を選ぶこと、または例えば最も近いレストランへの経路を見つけることを容易にする。
【0004】
オリエンテーションおよびナビゲーションを容易にするために、ナビゲーションデバイスは、概して、いくつかのズームレベルを有する、すなわち異なる地図縮尺で地図を表示することが可能である地図表示機能が備え付けられる。複数のPOIが存在する都市において、選択されたカテゴリーのPOIは、概して、互いに妨害することなしに、より大きい地図縮尺で表示され得る。より小さい地図縮尺に対して、すなわちユーザがズームアウトした場合、より大きな地図区域が同じサイズの画面に表示され、表示されるPOIアイコンの密度の増加を引き起す。このことは、結果として表示の過密が生じ得、本質的に表示情報を役に立たなくする。
【0005】
従来のシステムにおいて、この問題は、地図上のPOIの特定のカテゴリーの特定の密度を想定することによって解決され、POIの特定のカテゴリーの特定の密度は特定の地図縮尺に対するディスプレイ画面上のアイコンの密度に対応する。ディスプレイ画面上のアイコンの想定された密度が高くなりすぎる地図縮尺において、このカテゴリーのアイコンは消され、もはや表示されない。なおまたアイコンを消すような閾値地図縮尺は過度に低く設定することはできないので、過密状態は、概して、依然として都市地域において起こる。
【0006】
他方、田園地域において、大きい縮尺では、ディスプレイに示される地図区域が有用な情報を含むには小さすぎるので、地図データを表示するために、概して、より小さい地図縮尺が用いられる。従って、特定のカテゴリーのPOIアイコンがなおも表示されている、より大きい地図縮尺において、表示される地図区域が小さすぎるので、どのアイコンも見えない。視野を拡大するために、ユーザが地図をズームアウト、すなわちより小さい地図縮尺に変更した場合、より小さい地図縮尺(および想定されたより高いアイコン密度)のためにアイコンカテゴリーが消される。一例として、レストランのカテゴリーのPOIは、1:200,000〜1:500,000の地図縮尺で既に消される。従って、ユーザは、田園地域において、近くを通ることが便利なレストランを見つけることが困難である。
【0007】
低密度インフラストラクチャのみを有するそのような田園地域に対して、従来のナビゲーションシステムは、ユーザにPOIのリストを戻すPOI探索を行うよう勧めるのみである。問題は、概して特定のPOIが地図上のどこに位置するか、またはPOIがどの方向に位置するかをユーザが知らないことである。従って、ユーザが田園地域を通って特定のルートを走行し、ユーザがレストランで止まりたい場合、そのようなPOI探索は概してそれほど助けとはならない。
【0008】
従って、ナビゲーションシステムにおけるPOIの表示を改善すること、特に、異なる地図縮尺で便利で有用なPOIの表現を提供することが望ましい。さらに、過密状態は回避されるべきであり、POIの表示は迅速で効率的な方法で行われるべき、すなわち、所要の計算労力は低く保たれるべきである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
(概要)
従って、上記に言及された欠点のうちの少なくともいくつかを除去し、ナビゲーションシステムにおけるPOIの表示を改善する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この必要は、独立請求項の特徴部によって満たされる。従属請求項において、本発明の好ましい実施形態が説明される。
【0011】
本発明の一局面に従って、異なる地図縮尺で地図を表示することが可能であるナビゲーションシステムのディスプレイ上に興味ある地点(POI)を表示する方法が提供される。ナビゲーションシステムは、POIおよびその位置を含む興味ある地点(POI)データを格納するデータベースを含み、POIデータは、異なる地図縮尺に対して提供される異なるサイズの地図領域に対する代用POIをさらに含む。特定の地図領域におけるPOIの数が閾値数を超えた場合、代用POIが特定の地図領域に提供され、代用POIは、該地図領域においてPOIを表す。方法は、ディスプレイ上に特定の地図縮尺で表示されるべき地図区域を決定するステップと、データベースから表示されるべき地図区域に対するPOIデータを検索するステップとを含み、ここで、地図区域内に位置を定められるPOIに対して、POI、または利用可能な場合、POIを表す代用POIがデータベースから検索されるかは特定の地図縮尺による。地図区域および検索されたPOIデータは、ナビゲーションデバイスのディスプレイ上に同時に表示され、ここで、検索されたPOIデータに含まれ、地図区域内に位置を定められる代用POIは、代用POIが表すPOIの代替物として表示される。
【0012】
シングルのPOIまたは代用POIいずれかが、地図区域を表示するために用いられる地図縮尺に従って、表示のために検索され得るので、ディスプレイ上におけるPOIアイコンの過密状態が回避され得る。特に、より小さい地図縮尺に対して代用POIが検索され、表示され得、その結果、田園地域においてさえ、POI情報はユーザに表示される地図上に提供され得る。他方、より大きい地図尺度でシングルPOIが検索され、その結果、ユーザは、シングルPOIの位置についての詳細な情報をディスプレイから得ることが可能である。代用POIは任意の数のPOIを表し得るので、表示される地図区域において複数のPOIを含む都市地域においてさえ小さい地図縮尺で過密状態が起らない。
【0013】
一実施形態において、特定の地図領域サイズに対するデータベースに格納されるPOIデータ点(POIおよび/または代用POI)の位置が所定の最小距離未満である距離を有する場合、次に大きいサイズの地図領域に対するPOIデータがデータベースから検索され、表示される。最小距離は、地図縮尺に依存し得、ディスプレイ上の地図領域のサイズは異なる地図縮尺に対して一定であるように選ばれ得る。その結果、所定の閾値数より多いPOIが地図領域に対応する、ディスプレイ上の地域に存在する場合、地図領域に対する代用POIが表示され、それによって、過密状態およびPOIを消す必要を回避する。
【0014】
さらなる実施形態に従って、POIデータは、木構造におけるデータベースに格納され、木構造において、POIおよび代用POIは、ノードに格納され、代用POIに対するノードは、代用ノードが表すPOIのノードにリンクされる。木構造において、異なる深度レベルは、それぞれの深度レベルのノードに格納される代用POIの地図領域の異なるサイズに対応し得る。代用POIは、直接に、または間接にすなわちさらなる代用POIを介して、リンクされ得る。木構造のエンドノード(または、葉)は、一般的にPOIノードである。代用POIノードは、代用POIが表すPOIの数、領域サイズおよびPOIの子ノードへのリンクのみを格納し得、一方、POIノードは、システムにおいてPOIに対して利用可能なすべてのデータまたそのようなデータを含む別のデータベースへのリンクを格納し得る。
【0015】
そのような方法でPOIおよび代用POIを格納することは、特定の地図区域に対してデータベースが地図縮尺に適切なPOIデータを検索するために少ない計算労力で探索され得るという利点を有する。木構造の異なる深度レベルが異なる地図領域サイズに対応するので、特定の地図縮尺に対する適切な代用POIは、容易に識別され得る。
【0016】
一実施形態において、POIデータを検索し表示することは、表示されるべき地図区域に対する木構造の根ノードを決定するステップと、決定された根ルートにリンクされるノードの探索を行うステップとを含み、探索は、隣り合うノードの地図位置が特定の地図縮尺に依存する最小距離より小さい距離を有する木構造の深度レベルにおいて停止される。最小距離は、最小距離がナビゲーションシステムのディスプレイ上の同じ距離に常に対応するように選ばれ得る。方法は、停止深度レベルより高いすべての深度レベルにおいて探索される木に含まれるPOIを検索することと、停止レベルより1レベル上である深度レベルにおいて探索される木に含まれる代用POIを検索することとをさらに含む。検索されたPOIおよび代用POIは、次いでPOIデータとして表示されるために提供される。探索は、例えば幅優先探索であり得るが、他のタイプの探索方法が用いられ得る。
【0017】
従って、2つの表示されるPOIデータ点間の最小距離がディスプレイ上で保たれることが確実にされ得、POIデータポイントは、POIまたは代用POIのいずれかであり得る。さらに、小さい地図縮尺で、表示される地図区域において1つのみのPOIが存在する場合でさえ、POIは、検索され、表示され、その結果、POIは、ナビゲーションデバイスのユーザによって容易に発見され得る(すなわち、POIは消されない)。2つのPOIデータポイントがナビゲーションデバイス上で保つ最小距離は、ディスプレイサイズおよび/またはディスプレイ解像度に依存し得る。最小距離は、例えば0.5cm〜4cmであり得る。
【0018】
好ましくは、探索は、表示されるべき地図区域に位置を定められるPOIのノードおよび表示されるべき地図区域内に少なくとも部分的に位置を定められる関連する地図領域を有する代用POIのノードのみを考慮する。従って探索は、加速させられ得る。
【0019】
概して、地図区域内に位置を定められるPOIおよび代用POIのみが表示される。代用POIが、検索されるが、地図区域外に位置を定められる場合、代用POIは、ディスプレイの周辺に表示され得るかまたは無視され得る。
【0020】
表示するために利用可能な最小の地図縮尺に対応し得る木構造の最高レベルにおいて、データベースのすべてのPOIを包含する領域に関連付けられる代用POIを含む根ノードが提供され得る。最高レベルにおける地図領域がシングルPOIのみを含む場合、地図領域は根ルートに直接格納され得る。従って、POIおよび代用POIは、最小地図縮尺においてさえ容易に検索され、表示され得る。一例として、ヨーロッパの地図に対して、根ノードは、ヨーロッパを包含する地図領域に関連付けられる代用POI、および従って地図領域に位置を定められるすべてのPOIを格納し得る。
【0021】
さらに、最大の地図縮尺に対応する最小の所定のサイズの地図領域に対して、POIは、最小領域のうちの1つの領域内に位置を定められるPOIの数にかかわらず、データベースに別個のPOIとして格納される。換言すると、木構造は、POI間の距離にかかわらず、POIを直接格納するノードのみを含む最低レベルを有し得る。従って、代用POIが高密度インフラストラクチャを有する地図区域に対してナビゲーションシステムの最大地図縮尺でなおも表示されることが回避され得る。従ってユーザは、最大地図縮尺でディスプレイ上においてシングルPOIを識別することが可能になり得る。
【0022】
動作時、方法は、例えば、地図区域の表示されるべき特定の地図縮尺が所定の最大地図縮尺と等しいかまたはそれより大きいかどうかを決定するステップと、肯定の場合、表示されるべきPOIデータとして、該地図区域内に位置を定められるデータベースからすべてのPOIを検索するステップとを含み得る。従って、地図区域に対して利用可能なすべてのPOIは、最大地図縮尺で表示され得る。他の実施形態において、表示するために利用可能な最大地図縮尺で、代用POIは過密状態を回避するようになおも表示され得る。
【0023】
方法は、ディスプレイに表示される代用POIをユーザ選択可能にするステップと、 ユーザ入力によって代用POIを選択時に、選択された代用POIが表すPOIの選択リストをユーザに提供するステップとをさらに含み得る。リストからから選択されたPOIは、次いでディスプレイ上に表示され得る。例えば、ナビゲーションシステムの第2の最大地図縮尺で選択が行われ得る。過密状態を回避するために最大地図尺ですべてのPOIを表示することが不能にされる場合、特に有益である。なぜならすべてのPOIは次いで選択リストによってなおも選択可能であるからである。各個々のPOIへのアクセスをなおも可能にしながら、従って過密状態は回避され得る。
【0024】
概してPOIに関して上記に説明される方法は、好ましくはPOIカテゴリーごとに行われる。特に、データベースにおけるPOIデータは、異なるPOIカテゴリーに提供され得、ここで、特定のカテゴリーに対するPOIデータは、地図領域における同じカテゴリーのPOIの数が該閾値数を超える場合、該地図領域に対する該カテゴリーの代用POIを含む。代用POIのみが表示され得る、より小さい地図縮尺においてでさえ、従ってユーザは、異なるタイプのPOI間で容易に識別することが可能になる。従って、上記に言及される特徴の各々は、POIカテゴリーごとに行われ得、POIデータを格納する木構造は、例えば各POIカテゴリーに提供され得る。従って、データベースは、各POIカテゴリーに対して根ノードを含み得る。
【0025】
方法は、次いでPOIが表示されるべき1つ以上のカテゴリーを決定するステップをさらに含み得、ここで、POIデータを表示するステップは、概観地図縮尺ですべての決定されたカテゴリーに対してPOIデータが表示されるように構成される。カテゴリーの決定は、例えば、表示される地図内容に従ってか、または例えば個々のカテゴリーもしくはカテゴリープロファイルをユーザが選択することによるなどのユーザ入力によって、自動的に行われ得るが、表示されるべきカテゴリーはまた、システムにおいて事前に規定され得る。従って、ユーザに関連するPOIのみが表示されること、および、例えば許容されるカテゴリーの最大数を規定することなどによって、多すぎる異なるPOIカテゴリーによる表示の過密状態が回避されることが確実にされ得る。
【0026】
好ましくは、カテゴリー「レストラン」および「ガソリンスタンド」のそれぞれのカテゴリーが表示されるように選択された場合、概観地図縮尺で、それらのカテゴリーのうちの少なくとも1つに対するPOIデータが表示されるように、表示が行われる。従って、従来のシステムにおいて、ガソリンスタンドおよびレストランのPOIが既に消されているような比較的小さい概観地図縮尺においてさえ、本方法は、1つまたは両方のカテゴリーに対するPOIデータをなおも表示する。従って、地図上でこれらのPOIの位置を定めることは容易にされる。
【0027】
概観地図縮尺は、約1:500,000より小さく、好ましくは約1:1,000,000より小さく、そしてさらに約1:2,000,000より小さくなり得る。一例として、概観地図縮尺は、1:2,000,000であり得る。
【0028】
一実施形態において、地図領域のサイズは、それぞれの地図領域が提供される地図縮尺でナビゲーションデバイスのディスプレイ上に地図領域が同じサイズを有するように選ばれる。地図領域のサイズは、例えば関連する地図縮尺に反比例して計られ得る。対応する地図縮尺でディスプレイ上で測定される測定されるような地図領域サイズは、例えば0.5cm×0.5cm〜4cm×4cmであり得る。地図領域は異なる長方形形状を有し得る。
【0029】
木構造のよりより高い深度レベルでの地図領域のサイズは、低い震度レベルでの地図領域のサイズより大きくなり得る。さらに、木構造の深度レベル内の地図領域のサイズの変化は、異なる深度レベル間の地図領域のサイズの変化より小さくなり得る。特に、深度レベルにおける地図領域は、異なるサイズを有し得、重なり合いことさえあり得る。
【0030】
木構造において、特定のノードに格納される代用POIに関連付けられる地図領域は、該特定のノードの親ノードに格納される代用POIに関連付けられる地図領域に部分的または完全に含まれ得る。
【0031】
一実施形態において、地図領域におけるPOIの数に対する閾値数は、1に等しい。従って、地図領域内に1つを超えるPOI(すなわち、2つ以上のPOI)が地図領域内に位置を定められる場合、代用POIは既に提供され得る。そのような小さい閾値を選ぶことによって、過密状態は効率的に回避され得る。
【0032】
代用POIは、文字、アイコン、ピクトグラムまたはこれらの組み合わせなどの図形記号として表示され得、この図形記号は、代用POIが表すPOIの数を示す。この数は、代用POIを検索するときにデータベースから検索され得る。一例として適切なインディケータは、アイコンのスタックの高さまたはアイコン内もしくはアイコンに隣接して表示される数であり得る。POIおよび代用POIに対する木構造のノードは、従って異なる位置に格納され得るそれぞれの図形記号へのポインタを格納し得る。
【0033】
代用POIの位置は、代用POIが表すPOIの位置によって決定され得る。代用POIの位置は、例えば代用POIが表すPOIの位置の平均値または好ましくは重み付き平均であり得る。代用POIの位置は、再び木構造のそれぞれのノードに格納され得る。
【0034】
本発明のさらなる局面に従って、地図区域およびPOIデータをユーザに表示するディスプレイと、POIデータを格納するデータベースとを含むナビゲーションシステムが提供される。POIデータはPOIおよびその位置を含み、POIデータは異なる地図縮尺に対して提供される異なるサイズの地図領域に対する代用POIをさらに含み、代用POIは、該地図領域のPOIの数が閾値数を超えた場合、特定の地図領域に提供され、代用POIは該地図領域においてPOIを表す。
【0035】
ナビゲーションシステムは、特定の地図縮尺で表示されるべき地図区域を決定するように適合される地図区域決定ユニットと、表示されるべき地図区域に対するPOIデータをデータベースから検索するように適合される検索ユニットとをさらに含み、ここで、地図領域に位置を定められるPOIに対して、該POIか、または利用可能な場合、該POIを表す代用POIが表示のためにデータベースから検索されるかは地図縮尺による。ナビゲーションシステムのディスプレイ制御ユニットは、地図区域および検索されたPOIデータを同時に表示するように適合され、ここで、検索されたPOIデータに含まれ、該地図区域内に位置を定められる代用POIは、代用POIが表すPOIの代替物として表示される。そのようなナビゲーションシステムを用いて、本発明の方法に関して上記に概説される利点に類似する利点が達成され得る。
【0036】
ナビゲーションシステムの一実施形態に従って、ナビゲーションシステムは、上記に言及される任意の方法を行うように構成される。特に、ナビゲーションシステムのデータベースは、上記に説明されるように木構造にPOIデータを格納し得る。POIデータは、異なるPOIカテゴリーに対するデータベースに提供され得、従って、上記に説明されるようにカテゴリーごとにPOIデータを処理し得る。
【0037】
本発明は、計算デバイスの内部メモリの中にロードされ得るコンピュータプログラム製品を提供し、該製品は、製品が実行されたとき、上記に言及される任意の方法を行うためのソフトウェアコード部分を含む。コンピュータプログラム製品は、電子的に読み取り可能なデータキャリアに格納されるコンピュータとして提供され得る。本発明は、計算デバイスにデータキャリアを用いる場合、制御情報が上記に言及される任意の方法を行うように構成される、格納された電子的に読み取り可能な制御情報を有する電子的に読み取り可能なデータキャリアをさらに提供する。
【0038】
本発明のさらに別の局面は、電子的に読み取り可能なデータキャリアであって、そこに格納されるPOIデータベースを含む、電子的に読み取り可能なデータキャリアを提供し、POIデータベースは、異なるカテゴリーのPOIおよびその位置を含む。データベースは、異なる地図縮尺に提供される異なるサイズの地図領域に対する代用POIをさらに含み、カテゴリーの代用POIは、地図領域における同じカテゴリーのPOIの数が閾値数を超える場合、特定の地図領域に提供される。POIデータベースは、本発明の任意の局面および実施形態に関して上記に説明されるように構成され得る。
【0039】
上記に言及される特徴および以下にさらに説明される特徴が、示されるそれぞれの組み合わせに用いられ得るのみならず、本発明の範囲から離れることなく他の組み合わせまたは単独でも用いられ得ることは理解されるべきである。
【0040】
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
異なる地図縮尺で地図を表示することが可能であるナビゲーションシステムのディスプレイ上にPOIを表示する方法であって、
該ナビゲーションシステムは、POIおよびその位置を含むPOIデータを格納するデータベースを含み、
該POIデータは、異なる地図縮尺に対して提供される異なるサイズの地図領域に対する代用POIをさらに含み、
特定の地図領域内に位置を定められるPOIの数が閾値数を超えた場合、代用POIが該特定の地図領域に提供され、該代用POIは該地図領域において該POIを表し、
該方法は、
該ディスプレイ上に特定の地図縮尺で表示されるべき地図区域を決定するステップと、
該地図区域のデータベースから表示されるべきPOIデータを検索するステップであって、該POIデータの検索は、特定の地図縮尺に従ってPOIまたは代用POIのいずれかが表示のために検索されるような方法で、代用POIが該データベースに提供される該地図区域内に位置を定められるPOIに対して行われる、ステップと、
該地図区域および検索されたPOIデータを表示するステップであって、該検索されたPOIデータに含まれ、該地図区域内に位置を定められる該代用POIは、該代用POIが表す該POIの代替物として表示される、ステップと
を包含する、方法。
(項目2)
上記POIデータは、木構造で上記データベースに格納され、該データベースにおいて、POIおよび代用POIはノードに格納され、代用POIのノードは、該代用POIが表す該POIのノードにリンクされ、該木構造の異なる深度レベルは、それぞれの深度レベルの該ノードに格納される該代用POIに関連付けられる地図領域の異なるサイズに対応、上記項目に記載の方法。
(項目3)
上記POIデータを検索することおよび表示することは、
上記表示されるべき地図区域に対する上記木構造の根ノードを決定するステップと、
該決定された根ルートにリンクされるノードの探索を行うステップであって、該探索は、隣り合うノードの地図位置が上記特定の地図縮尺に依存する最小距離より小さい距離を有する該木構造の深度レベルにおいて停止される、ステップと、
該停止深度レベルより高いすべての深度レベルにおいて該探索される木に含まれるPOIを検索するステップと、
停止レベルより1レベル上である深度レベルにおいて該探索される木に含まれる上記代用POIを検索するステップと、
該検索されたPOIおよび代用POIをPOIデータとして表示されるように提供するステップと
を包含する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目4)
上記木構造の最高の深度レベルは根ノートを含み、該根ノードは上記地図領域のうちの最大領域に関連付けられる代用POIまたはPOIを格納する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目5)
上記木構造は、上記POIが該POI間の距離に関係なく上記データベースに別個のPOIとして格納される最低深度レベルを含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目6)
上記ディスプレイに表示される代用POIをユーザ選択可能にするステップと、
ユーザ入力によって該代用POIを選択したときに、該選択された代用POIが表すPOIの選択リストを該ユーザに提供するステップと
をさらに包含する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目7)
上記データベースにおける上記POIデータは、異なるPOIカテゴリーに提供され、地図領域において同じカテゴリーのPOIの数が上記閾値数を越える場合、特定のカテゴリーに対するPOIデータは、該地図領域に対する該カテゴリーの代用POIを含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目8)
表示されるべきPOIの1つ以上のカテゴリーを決定するステップをさらに包含し、該表示は、概観地図縮尺ですべての決定されたカテゴリーに対するPOIデータが表示されるように行われる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目9)
それぞれのカテゴリーが表示されるために選択される場合、表示は、概観地図縮尺でレストランおよびガソリンスタンドのカテゴリーのうちの少なくとも1つに対するPOIデータが表示されるように行われる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目10)
上記概観地図縮尺は、約1:500,000より小さく、好ましくは約1:1,000,000より小さく、そしてより好ましくは約1:2,000,000より小さい、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目11)
代用POIに関連付けられた地図領域のサイズは、上記木構造のより高い深度レベルにおけるノードの場合が、より低い深度レベルにおけるノードに対する場合よりも大きい、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目12)
上記木構造において、ノードに格納される代用POIの地図領域は、該ノードの親ノードに格納される代用POIの地図領域に部分的または完全に含まれる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目13)
代用POIは、該代用POIが表すPOIの数を示す図形記号として表示される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目14)
地図区域およびPOIデータをユーザに表示するディスプレイと、
POIおよびその位置を含むPOIデータを格納するデータベースであって、該POIデータは異なる地図縮尺に対して提供される異なるサイズの地図領域に対する代用POIをさらに含み、該地図領域内に位置を定められるPOIの数が閾値数を超える場合、代用POIは特定の地図領域に提供され、該代用POIは該地図領域において該POIを表す、データベースと、
特定の地図縮尺で表示されるべき地図区域を決定するように適合される地図ユニットと、
該地図区域に対する該データベースから表示されるべきPOIデータを検索されるように適合される検索ユニットであって、該POIデータの検索は、該地図縮尺に従ってPOIまたは代用POIのいずれかが表示のために検索されるような方法で、代用POIが該データベースに提供される該地図区域内に位置を定められるPOIに対して行われる、検索ユニットと、
表示制御ユニットであって、該表示制御ユニットは、該検索されたPOIデータに含まれ、該地図区域内に位置を定められる代用POIは、代用POIが表す該POIの代替物として表示されるように、該地図区域および該検索されたPOIデータを表示するように適合される、表示制御ユニットと
を備えている、ナビゲーションシステム。
(項目15)
上記ナビゲーションシステムは、上記項目のいずれかに記載の方法を行うように構成される、上記項目のいずれかに記載のナビゲーションシステム。
(項目16)
プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能格納媒体であって、該プログラムは、コンピュータによって実行されると、該コンピュータに上記項目のいずれかに記載の方法を行わせる、コンピュータ読み取り可能格納媒体。
(項目17)
コンピュータ読み取り可能格納媒体であって、該コンピュータ読み取り可能格納媒体に、POIデータベースが格納され、該POIデータベースは、異なるカテゴリーおよびその位置のPOIを含み、該データベースは、異なる地図縮尺に対して提供される異なるサイズの地図領域に対する代用POIをさらに含み、該地図領域における該同じカテゴリーのPOIの数が閾値数を超えた場合、カテゴリーの代用POIは特定の地図領域に提供され、該代用POIは、該地図領域において該POIを表す、コンピュータ読み取り可能格納媒体。
(項目16A)
計算デバイスの内部メモリの中にロードされ得るコンピュータプログラム製品であって、該製品は、該製品が実行されたとき、上記項目のいずれかの方法を行うためのソフトウェアコード部分を含む、コンピュータプログラム製品。
(項目17A)
電子的に読み取り可能なデータキャリアであって、そこに格納されるPOIデータベースを含み、該POIデータベースは、異なるカテゴリーおよびその位置のPOIを含み、該データベースは、異なる地図縮尺に対して提供される異なるサイズの地図領域に対する代用POIをさらに含み、該地図領域における該同じカテゴリーのPOIの数が閾値数を超えた場合、カテゴリーの代用POIは特定の地図領域に提供され、該代用POIは、該地図領域において該POIを表す、電子的に読み取り可能なデータキャリア。
【0041】
(摘要)
(興味ある地点を表示する方法およびシステム)
本発明は、地図区域および興味ある地点(POI)データをユーザに表示するディスプレイと、POIデータを格納するデータベースとを含むナビゲーションシステムを提供する。検索ユニットは、表示されるべき地図区域のためのPOIデータをデータベースから検索するために提供される。本発明の実施形態において、POIデータベースは、地図領域において、POIと、POIの数を表す代用POIとを含む。次いで、代用POIか、または代用POIが表すPOIがデータベースから検索されるかは、地図区域が表示されるべき地図縮尺により得る。
【0042】
本発明の前述の特徴および利点ならびに他の特徴および利点は、添付の図面に関連して例示的実施形態の以下の詳細な説明が読まれると、その詳細な説明からさらに明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は、本発明に従うナビゲーションシステムの一実施形態の概略図を示す。
【図2】図2は、本発明に従う方法の一実施形態を例示するフロー図を示す。
【図3】図3は、POIデータベースからPOIデータを検索する、図2の方法のステップ250の起り得る実装のフロー図を示す。
【図4】図4Aおよび図4Bは、異なる地図縮尺でPOIおよび代用POIの表示を例示する概略図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態に従うPOIデータベースの木構造を例示する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
(詳細な説明)
図1は、ナビゲーションシステム100の概略図を示す。ナビゲーションシステム100は、例えば、車載ナビゲーションシステム、ハンドヘルドパーソナルナビゲーションデバイス(PND)、スマートフォンなどのハンドヘルト通信デバイスもしくは携帯情報端末(PDA)において実装されるナビゲーションシステム、または類似のものとして様々な方法で実装され得る。
【0045】
ナビゲーションシステム100は、メモリ102に格納される制御命令に従って動作する処理装置105によって制御される。処理装置105は、単独または複数のマイクロプロセッサとして、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)または類似のものとして実装され得る。メモリ102は、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、ハードドライブまたは類似のものなどすべてのタイプのメモリを含み得る。
【0046】
処理装置105は、メモリ102に格納される地図データベース103から地図データを検索するように適合される。この目的のために、処理装置105は、地図ユニット106を含み、地図ユニット106は、機能ユニットであり、特定の地図縮尺で表示されるべき地図区域を決定する。処理装置105は、検索ユニット107をさらに含み、検索ユニット107は、機能ユニットであり、決定された地図区域のPOIデータをメモリ102に格納されたPOIデータベース104から検索する。決定された地図区域が表示されるべき特定の地図縮尺に従って、検索ユニット107は、表示される興味ある地点(POI)または代用POIのいずれかをPOIデータベース104から検索する。検索ユニット107は、POIおよび代用POIの位置、およびPOIデータベース104においてPOIに提供されるさらなる情報をさらに検索する。表示以外の目的のために、検索ユニット107は、例えば別のタイプのメモリまたは類似のものにおけるデータをバッファリングするために、地図縮尺とは無関係にデータベース104から任意のPOIデータを検索し得る。
【0047】
処理装置105は、表示制御ユニット108をさらに含み、表示制御ユニット108は、機能ユニットであり、決定された地図区域および検索されたPOIデータから画像が表示されるようにする。描かれる画像は、地図区域内に位置を定められるPOIおよび代用POIを表す図形記号を含み、記号は、画像において地図上のPOIデータ点のそれぞれの位置(POIまたは代用POI)に決められる。図形記号は、メモリ102に格納され得、検索ユニット107または表示制御ユニット108などの処理装置105によって検索され得る。描かれる画像は、次いでディスプレイ101に与えられる。
【0048】
機能ユニット106、107および108は、処理装置105においてランするソフトウェアコード部分として実装され得る。それでも、機能ユニット106、107および108はまた、別個の物理ユニットとしてかまたは異なる物理的に別個の処理装置においてランするソフトウェアコード部分として実装され得る。
【0049】
図1に示される構成要素、ユニットまたは機能ブロック間の任意の直接の接続または結合がまた、間接の接続または結合、すなわち1つ以上の追加の介在要素との接続または結合によっても実装され得ることは理解されるべきである。さらに図1に示される構成要素、ユニットまたは機能ブロックへの分割は、これらのユニットが必ず物理的に別個のユニットとして実装されることを示すものとして解釈されるべきではなく、構成要素、ユニットまたは機能ブロックはまた、別個のユニット、回路、チップもしくは回路要素としても実装され得、または構成要素、ユニットもしくは機能ブロックは、共通の回路、チップ、回路要素もしくはユニットにおいて同様に実装され得る。例として表示制御ユニット108は、別個のグラフィックスプロセッサとインタフェースする処理装置105およびディスプレイ101として実装され得る。メモリ102は、ナビゲーションシステム100に局所的に接続されるメモリと、ネットワークまたは別のタイプの接続を介してアクセス可能であるメモリとを含み得る。例として、POIデータベース104は、有線ネットワーク接続または無線ネットワーク接続を介してナビゲーションシステムによってアクセス可能であるリモートサーバに格納され得る。
【0050】
ナビゲーションシステム100はまた、例えばGPS受信器、ユーザインタフェースなどの位置検出ユニットなど、ナビゲーションシステムに共通の構成要素をさらに含み得る。これらの構成要素の機能は当業者に公知であるので、これらの構成要素はここではさらに詳細には考察されない。
【0051】
従来のナビゲーションシステムは、概して、例えば異なるズームレベルを提供することによって異なる地図縮尺で地図を表示することが可能である。従来のナビゲーションシステムは、さらに地図データと共に複数のカテゴリーに対してPOIを表示することが可能である。各POIカテゴリーに対して、地図上のPOIの密度は、例えば都市地域におけるこれらのPOIの平均密度に基づいて想定される。ディスプレイに表示される場合、特定のカテゴリーのPOIの密度が高くなりすぎる特定の地図縮尺において、これらのPOIのアイコンはもはや示されない。すなわち、特定のカテゴリーのPOIは消される。例えば約1:200,000の地図縮尺において、レストランは消される。POIカテゴリーの消去は特定の地図縮尺に結び付けられているので、非常に高い密度のインフラストラクチャを有する地域において過密状態がなおも起り得、一方、田園地域において、POIがなおも表示される最小の地図縮尺は概して大きすぎて、その結果、対応して小さい、表示された地図区域はどのPOIをも含まない(田園地域におけるPOIの低密度による)。そのような状況においてズームアウトすると、地図縮尺は小さくなり、このことはまた、結果として、より大きい地図区域が表示されることの他にPOIの消去を引き起す。従って、田園地域でPOIを見つけることは、従来のシステムにおいてかなり困難である。
【0052】
これらの問題を回避するために、特定のカテゴリーのPOIが表示される地図縮尺まで下げられる閾値地図縮尺は、ナビゲーションシステム100における概観地図縮尺に設定される。概観地図縮尺は、ナビゲーションシステム100がより大きな地図地域にわたり概観を提供する地図縮尺である。概観地図縮尺は、概して、地図データおよびPOIデータに依存し、それらのデータを用いてナビゲーションシステムが動作させられる。国および対応するPOIデータベースに対して、国全体が概観地図縮尺で示され得る。概観地図縮尺は、1:500,000より小さい場合があり、または例えば1:2,000,000など1:1,000,000よりもさらに小さい場合がある。同じ閾値地図縮尺がすべてのPOIカテゴリーに対して設定されることが好ましい。結果としてPOIが概観地図縮尺でなおも見えるので、POIは、非常に低い密度のインフラストラクチャを有する地域においてでさえ見つけられ得る。一例として閾値地図縮尺は、POIの消去が全く起らない、できるだけ最小の地図縮尺であり得る。
【0053】
ナビゲーションシステム100は、さらに、表示された地図区域におけるPOIの過密状態を回避するように構成される。表示されるには多すぎる、カテゴリーのPOIが、表示された地図区域に対して可能な場合、過密状態が起り、その結果、POIに対する図形記号またはアイコンが重なり合い、結果として、地図情報の明確さの欠如となり、不明瞭さとなる。過密状態を回避するために、ナビゲーションシステム100は、POIデータベース104にPOIのみならず代用POIもまた格納し、POIおよび代用POIの各々は、(2つ以上の)POIのグループを表す。表示される地図区域におけるPOIの密度は地図縮尺と共に変化するので、代用POIは異なる地図縮尺に対して提供される。代用POIは、表示されるとき、例えば特定のアイコンを用いることなどによって印を付けられ得、代用POIが表すPOIの数の表示をさらに含み得る。
【0054】
地図縮尺であって、それによって地図区域がディスプレイ101に表示される、地図縮尺に従って、またディスプレイ101において測定される、POIの規定された最小距離(これ自体ディスプレイのサイズおよび/または解像度に従う)などのさらなるパラメータに従って、そして表示される地図区域内に位置を定められ得るPOIの数および位置に従って、検索ユニット107は、POIデータベース104からPOIまたは代用POIのいずれかを検索する。ディスプレイ上で測定される、POIデータ点(POIまたは代用POI)間の最小距離が保たれるように、検索が行われる。ディスプレイ上のPOIデータ点の最小距離は、例えば約3cmなど0.5cm〜4cmであり得るか、または特定のディスプレイおよびPOIデータ点を表示するために用いられる図形表現に適した任意の他の最小距離であり得る。従って表示されたPOIデータ点間の最小距離が保たれることが確実にされ、その結果、代用POIを利用することによって、高密度インフラストラクチャを含む地図区域が小さい地図縮尺で表示される場合でも、過密状態が効率的に回避され得る。
【0055】
代用POIは、概して同じPOIカテゴリーのPOIを表すのみであり、その結果、POIカテゴリーの選択的表示は使用可能の状態のままであり、情報の包括的提示が達成される。
【0056】
POIおよび代用POIは、図5に例示されるように、POIデータベース104における木構造のノードに格納され、その結果、迅速かつ効率的なアクセスが可能になる。木構造はPOIカテゴリーごとに提供される。木構造は異なる深度レベル510、520および530を含み、これらの深度レベルは、本質的に、異なる地図縮尺に対応する。実際に、木構造の異なる深度レベルにおいて、代用POIは異なるサイズの地図領域に関連付けられる。このことは、代用POIがナビゲーションシステムの異なる地図縮尺に効果的に対応することを可能にする。一例として、より小さい地図縮尺に対して、より大きい地図領域のPOIを表す、より高い深度レベルの代用POIが表示され、一方、より大きい地図縮尺において、より低い深度レベルの代用POIが表示される。従って、異なる深度レベルは異なる地図縮尺において包括的な表示を使用可能にするために提供されるが、但し、深度レベルがシステムにおける表示に利用可能な地図縮尺に実際は無関係であることは明らかである。
【0057】
各POIカテゴリーに対して、POIデータベース104は根ノードを含み、根ノードは、図5の例において代用POI S1を格納するノード501である。根ノードに格納される代用POIは、例えば最小の地図縮尺で表示され得る。最小の地図縮尺は概観地図縮尺であり得、概観地図縮尺において地図データベース103が提供される国または領域の全体が表示される。地図縮尺はまた、例えば1:2,000,000などのより大きい地図縮尺であり得、この縮尺において、ディスプレイ上の1cmは地図上の20キロメートルに対応する(すなわち、現実の世界において)。
【0058】
各POIノードは、例えば、POI位置(経度位置および緯度位置)などの利用可能なPOIデータを格納し、オプションで、POI名、POI説明などを格納する。POI位置のみと、POIについてのさらなる情報を含む別のデータベースへのリンクとを格納することもまた可能である。代用POIノードの各々は地図領域を格納し、対応する代用POIは地図領域に位置を定められるPOIを表す。地図領域は、地図上の長方形の地域として作られ、地図においてそれぞれの子ノードのPOIの位置が定められる。木構造の異なる深度レベルに対して、異なるサイズの地図領域が提供され、より深いレベルはより小さい地図領域に対応する(すなわち、代用POIに対して、子ノードは親ノードより小さい領域に関連付けられる)。根ノードに関連付けられる地図領域は、最小外接長方形(MBR)であり、MBRは、データベース104に位置を定められる特定のカテゴリーのすべてのPOIにわたり広がる。地図領域は、例えば、数万のPOIまたは数十万のPOIを表し得る。次のより低い深度レベルにおいて、代用POIに関連付けられた地図領域は、再び、上記のPOIの特定の部分にわたり各々広がる、より小さいサイズのMBRであり得る。従って、ある深度レベルの地図領域は、異なるサイズを有し得、重なり合い得、親ノードの全地図領域をカバーする必要はない。地図領域は、従って、特定のパターンもしくはグリッドまたは特定の地図縮尺に対応する必要はない。
【0059】
例として、根ノード501を含む最も高い深度レベル510において、領域サイズは、40km×40kmであり得、これは、(例えば、特定の地理的地域の地図に対して)概観地図縮尺でディスプレイにおいて2cm×2cmに対応し得る。根ノードに関連付けられる地図領域は、地図領域がこの地理的地域内に位置を定められるすべてのPOIをカバーするように選ばれる。閾値を超える数のPOIが上記の地図領域に位置を定められるので、代用POIは、地図領域に関連する木構造の根ノードに格納される。閾値数は、1に等しくし得る(すなわち、領域に位置を定められる2つ以上のPOIは代用POIの格納をもたらす)が、2、3、4、または5などの他の閾値数もまた選ばれ得る。
【0060】
概観地図縮尺(例えば、1:2,000,000)で表示され得る画像410は、図4Bに概略例示される。グレーの影付き領域へのズームインは、さらなる画像420および430に例示される。図4Aにおいて、グレーの影付き地域は、代用POIに関連付けられた異なるサイズの地図領域をより良く例示するために常に同じ縮尺に拡大して表示される。(点線で示される)地図領域411は、POI1、POI2およびPOI3(参照記号423、431および432)を含み、従って1つを超えるPOIを含み、その結果、代用POI S1は、上記領域411に関連する根ノード501における木構造に格納される。概観地図縮尺で地図を表示する場合、画像410に例示されるように、S1は、POIデータベースから検索され、表されたPOIの数を示す図形記号用いて地図上に代用POI 412として表示される。
【0061】
木構造の次のより低い深度レベル520において、地図領域は、例えば、再び1:1,000,000の地図縮尺でディスプレイにおいて2cm×2cmに対応する(地図上で測定されるように)20km×20kmのサイズを有し得る。領域411は、例えば次のより低い深度レベル520に対して4分の1のサイズを有する4つの領域に再分割されるか、またはMBRは各々、POIの部分にわたり広げられ、地図領域を形成する。この深度レベルにおいて、POI1(参照記号423)は上記領域のうちの1つの領域内に位置を定められ、POI2およびPOI3(参照記号431および432)は、別の領域422に位置を定められる。従って、POI1は、木500のノード502に直接格納され、一方、代用POI S2は、POI2およびPOI3を含む他の領域422に関連するノード503に格納される。従って、1:1,000,000であるより低い縮尺で描かれる、図4Bの画像420は、POI 1(参照符号423)を含み、地図領域422において代用POI S2(参照符号424)を含み、POI S2は、POI2およびPOI3を表し、POIデータ点は、それぞれの地図縮尺に対してPOIデータベース104から検索される。
【0062】
図5に示される木500の最低深度レベル530において、地図領域は、各POIが異なる地図領域に位置を定められるように十分に小さい。従って木500は、最低深度レベル530において、POI2およびPOI3のためのノードを含むが、どの代用POIも含まない。このことは、図4Bにおいて描かれる画像430(地図縮尺1:500,000)からも見られ得、図4Bは、ここで、シングルのPOI423(POI1)、431(POI2)、および432(POI3)のみを示すが、代用POIを示さない。
【0063】
最高深度レベル510において、シングルのPOIのみが対応する地図領域内に位置を定められる場合、根ノードはPOIを直接格納し得る。代用POIのノードは、(例えば、ノード503などの)他の代用POIノードを介して直接または間接のいずれかで代用POIが表すPOIのノードにリンクされる。概して、木500のすべての葉はPOIを格納する。木構造が、例えば、地図縮尺の範囲であって、その地図縮尺の範囲にわたりPOIデータが表示される、地図縮尺の範囲に従って、図5に示される深度レベルよりも多い深度レベルを含み得ることは明らかである。好ましくは、木構造は、POIノードのみが格納される最も深いレベルを含むように構成される。最も深いレベルは、従ってどの領域サイズにも関連付けられない場合があるか、または領域サイズは、無視され得るかもしくは非常に小さい値に設定され得る。
【0064】
さらに、木構造において代用POIノードに関連付けられる領域サイズは地図区域がディスプレイ101に表示され得る地図縮尺に無関係であることは明らかである。木構造は、利用可能なあらゆる地図縮尺に対する深度レベルを含み得るが、含む必要はない。木構造500の異なる深度レベルにおいて提供される地図領域サイズにかかわりなく任意の表示地図縮尺に対するPOIデータの検索は、図2および図3に関して以下に説明される。
【0065】
それぞれのノードに格納される代用POIの位置は、代用POIが表すPOIの平均位置を計算することによって決定され得る。他の実施形態において、重み付き平均は、平均位置における特定のPOIの影響を調整するように計算され得る。地図画像を描く場合、図形記号が地図上の代用POIの決定された位置に含まれる。図4に例示されるように、記号は特定のPOIカテゴリーのアイコンのスタックであり得、スタックの高さは表されたPOIの数を示す。さらにまたは代わりに、図形記号はまた、代用POIに対する図形記号内に表示されるかまたは代用POIに対する図形記号に隣接して表示される数などの表されたPOIの数の数字指示を含み得る。一般的に記号は、POIカテゴリー、図4においてはカテゴリー「レストラン」を示す。
【0066】
図4Bを参照することによって、ナビゲーションシステム100の動作は、次のとおり要約され得る。最小の地図縮尺(描かれる画像410)においてさえ、選択されたカテゴリーのすべてのPOIが示される。閾値数を超えるPOIが関連する地図領域に位置を定められる場合、代用POIが表示されるので、人口稠密な地域でさえ過密状態は起らない。概観地図縮尺で、ユーザは、その環境において選択されたカテゴリーのすべてのPOIを見ることが可能であり、従って、例えば、POIがユーザの現在のルート上または現在のルートに隣接して位置を定められる場合、特定のPOIを通ることが便利であるか否かを容易に決定し得る。特定の地図地域にズームインする場合(画像410、420および430のシーケンスで例示されるように)、地図上のシングルのPOIの位置が決定される。
【0067】
図1のナビゲーションシステム100によって行われ得る本発明の方法の実施形態は、図2および図3に関して以下のとおり説明される。図2に従う方法のステップ210において、表示されるべきPOIカテゴリーが決定される。これは、例えばユーザインタフェース(図1に示されていない)によってかまたはカテゴリーを自動的に決定するナビゲーションシステムによって、レストラン、ガソリンスタンド、薬局または類似のものなどの特定のカテゴリーをユーザが選択することによって行われ得る。表示されるべきカテゴリーは、ナビゲーションシステム100によって事前に規定され得、ナビゲーションシステム100は、ルート案内を行った場合、例えば興味深い名所およびガソリンスタンドを表示し得る。
【0068】
ステップ220において、ユーザは、特定の地図縮尺に対応するズームレベルを選択する。ナビゲーションシステムは、例えば、詳細な地図情報を提供するためにルート案内中かなり大きい縮尺で地図を表示し得る。ユーザは、より小さい地図縮尺でより大きい地図区域を見るようにズームアウトするために制御要素を作動させ得る。新しい地図縮尺に対する表示されるべき地図区域がステップ230において決定される。対応する地図データは、次いで地図ユニット106によって地図データベース103から検索され得る。
【0069】
ナビゲーションシステムは、明確で包括的な画像を生成するために保たれるべき、ディスプレイ上で測定される所定の最小POI距離を有するように構成され得る。所定の最小POI距離および新しい地図縮尺から、地図上で測定される(すなわち、実世界において)、POIデータ点に対する必要とされる最小距離が、ステップ240において決定される。ナビゲーションシステムは、隣り合うPOIデータ点が最小地図距離を保つ場合、隣り合うPOIデータ点が表示されることを可能にするのみである。一例として、新しい地図縮尺が1:2,000,000であり、ディスプレイ上の必要とされる最小距離が3cmである場合、POIデータ点は地図上において60kmの最小距離を保たなければならない。ステップ250において、POIデータベース104は、選択されたPOIカテゴリーに対するPOIデータを検索するためにアクセスされる。
【0070】
ステップ250の起り得る実装は、図3のフロー図に例示される。データベースは、各カテゴリーに対する木構造を含み、木構造は、図5に関して上記に詳細に説明されるようにPOIおよび代用POIを格納する。処理はカテゴリーごとに行われる。ステップ251において、処理されているPOIカテゴリーの木構造の根ノードが決定される。特定の地理的地域に対するPOIデータベースは、概して代用POIを格納する1つの根ノードを含み、代用POIの関連する地図地域は、データベースに含まれる同じカテゴリーのすべてのPOIに及ぶ。根ノード(route node)に関連付けられる地図地域は、従って概して、表示されるべき地図区域に少なくとも部分的に含まれる。根ノードは、木構造を探索する良い開始点である。決定された根ノードの木は、ステップ252において幅優先探索を用いて探索される。POIを直接格納し、従ってどの子ノードも有しない根ノードは、もちろん探索される必要はない。
【0071】
特定の深度レベルにおいてPOIデータ点間の必要とされる最小距離がもはや保たれなくなるまで、探索は行われる。これは、上記の例において同じ深度レベルの2つのPOIデータ点(POIまたは代用POI)が60kmより小さい距離を有する場合である。幅優先探索は、まず根ノードのすべての子ノード(図5において深度レベル520)を考慮し、次いで孫ノード(図5において深度レベル530)などを考慮する。
【0072】
現在探索されている深度レベルのノードのPOIデータ点間の距離は、ステップ253において決定される。深度レベル520を探索する場合、これは、POI1と代用POI S2との間の距離である。
【0073】
さらに深度レベルを探索する場合、各POIが表示されるべき地図区域内に位置を定められるかどうかを各POIに対してチェックされ、各代用POIの関連付けられた地図領域が表示されるべき地図区域と重なり合うかどうかを各代用POIに対してチェックされる(決定ステップ254)。チェックの結果が否定であれば、考慮中のノードのトラバースは停止される(ステップ255)。すなわち、他のノードに対するこのノードの距離は決定される必要がなく、次の深度レベルを探索するときに、このノードの子ノードは考慮されない。そうでない場合、この方法は続行する。従って探索は木の関連するノードに制限され得、このことは探索を加速する。
【0074】
ノードに対して別のノードとの距離が最小距離より小さい場合(決定ステップ256)、幅優先探索は停止される(ステップ257)。そうでない場合、次の深度レベルが探索される。
【0075】
探索が停止された後、すべてのレベルにおいて停止レベルより高いと発見されたPOIおよび停止レベルより1レベル上と発見された代用POIは、それぞれのPOIカテゴリーに対するPOIデータとして提供される(ステップ258)。図5の例において、レベル520で探索が停止された場合、代用POI S1が検索され、一方、深度レベル530で停止した場合、POI1及び第用POI S2が検索される。従って、代用POIに対して選ばれた領域サイズは木構造の「深度解像度」を決定するが、それらの領域サイズは地図区域が表示される地図縮尺とは全く無関係であることは明らかである。表示地図縮尺は、POIデータ点間の最小距離を決定するために用いられ、従って、探索が停止される深度レベルおよびPOIまたは代用POIが検索されるかどうかも決定する。
【0076】
決定ステップ259において、さらなるPOIカテゴリーが処理されるべきかどうかがチェックされる。さらなるカテゴリーがある場合、方法はステップ251に戻る。そうでない場合、ステップ260において、選択されたPOIカテゴリーに対して検索されたPOIデータが、さらなる処理に対して提供される。
【0077】
POIデータベースを探索するための異なるタイプの探索アルゴリズムを用いること、木構造の深度レベルを特定の表示地図縮尺に直接に相関させること、または類似のことなどを行って、図2のステップ250の他の実装が確かに考えられる。
【0078】
いくつかの例において、代用ノードはPOIにリンクされ得、POIのいくつかは表示されるべき地図区域内に位置を定められ、POIのいくつかは地図区域外に位置を定められる。検索されたPOIは概して地図区域内に位置を定められるが(決定ステップ254による)、検索された代用POIは、地図区域内または地図区域外に位置を定められ得る。従って、ステップ270において、表示されるべき地図区域内に位置を定められる、検索されたPOIデータにおける代用POIが決定される。地図区域外に位置を定められる代用POIは、地図区域内に位置を定められるPOIになおもリンクし得るので、無視され得るか、または地図区域の周辺に表示され得る。
【0079】
そのように決定されたPOIおよび代用POIに対して、ステップ280において図形記号が検索される。上記に言及されるように、代用POIに対する図形記号は、図4に例示されるように、POIカテゴリーおよび表されたPOIの数を示し得る。ステップ250〜280は、例えば、検索ユニット107によって行われ得る。
【0080】
表示制御ユニット108はここで画像を描き得、画像において、表示のために検索されたPOIおよび代用POIの図形記号は、それぞれの地図位置に決められる。決定された地図区域ならびに検索されたPOIおよび代用POIは、次いでステップ290において同時に表示される。従って、より小さい地図縮尺で、POIカテゴリーは、消されないで、その代わりに代用POIが表示される。
【0081】
ステップ300において、ユーザが新しいズームレベルを選択した場合、すなわちユーザが地図をズームインまたはズームアウトした場合、方法は繰り返される。POI検索および表示手順はまた、地図がユーザによってパンされる場合、確かに繰り返され得る。
【0082】
方法およびナビゲーションシステムは、表示され得る最大の地図縮尺を有するように構成され得る。一実施形態において、選択されたカテゴリーのすべてのPOIが、その最大地図縮尺で表示される。これは異なる個々のPOIをユーザが区別することを可能にするが、高密度インフラストラクチャ地域において過密状態が起り得る。別の実施形態において、適用可能な場合(すなわち、木構造における2番目に低い深度レベルに対応して)、代用POIもまた、最大地図縮尺で表示される。ユーザが特定のPOIの位置を定めることを可能にするために、代用POIは選択可能に作られ得る。ユーザが、例えば表示された地図区域上にポインタを用いるなどのユーザ入力によって代用POIを選択する場合、選択された代用POIによって表されるすべてのPOIは、選択リストにおいてユーザに提示される(すなわち、対応する代用POIノードの子ノードのPOI)。選択リストにおいて、ユーザは、次いで経路指定機能における目的地として入力され得るかまたは地図区域に表示され得るPOIを選択し得る。
【0083】
POIデータベース104は、様々な方法で生成され得る。例として、異なるカテゴリーに対するPOIおよびその地図位置は、異なるPOIデータベースから検索され得る。異なる選択された地図縮尺に対して、地図領域が規定され、地図領域の縁サイズは、例えば地図縮尺に反比例する縮尺で決め得る。特定のカテゴリーのPOIが位置を定められる地図領域に対して、それぞれの地図領域における上記カテゴリーのPOIの数が決定される。地図領域に位置を定められる同じカテゴリーのPOIの数は、所定の閾値数より大きい場合、同じカテゴリーの代用POIが地図領域に関連するPOIデータベースに格納される。対応する地図縮尺に対して、代用POIは、ここで地図領域において同じカテゴリーのPOIを表す。代用POIは、表されたPOIの位置の平均値または重み付き平均値を計算することによって決定される位置に関連して格納される。データベースは、最大サイズの領域のPOIまたは代用POIを根ノードとして規定し、親ノードに関連付けられた領域内に位置を定められる次に小さいサイズの領域に対してPOIまたは代用POIを格納するノードに根ノードをリンクさせることによって、木構造に構築される。従って、図5に例示される木構造が構築される。そのような木構造を含むPOIデータベースを設定するいくつかの他の方法があることは明らかである。上記に言及されるように、MBRは、POIの部分に広がるために用いられ得、POIの部分は、木構造のより低い深度レベルでより小さくなる。
【0084】
要約すると、本発明のナビゲーションシステムおよび方法は、地図データにおける興味ある地点の表示にいくつかの改善を提供する。より小さい概観地図縮尺でさえ、選択されたカテゴリーのすべてのPOIが見られ得る。従って、適切なPOIの位置を定めることは、ナビゲーションデバイスのユーザにとって容易にされる。これらのより小さい地図縮尺においてでさえ、高密度のPOIを有する都市地域において過密状態が全く起らず、これは代用POIを用いることによって達成される。データベースの構造により、POIおおび代用POIは迅速かつ効率的に検索され得る。データベースに代用POIが備えられているので、ナビゲーションデバイスはそれ自身で代用POIを計算する必要はない。
【符号の説明】
【0085】
100 ナビゲーションシステム
101 ディスプレイ
102 メモリ
103 地図データベース
104 POIデータベース
105 処理装置
107 検索ユニット
501 ノード
510、520、530 深度レベル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる地図縮尺で地図を表示することが可能であるナビゲーションシステムのディスプレイ上にPOIを表示する方法であって、
該ナビゲーションシステムは、POIおよびその位置を含むPOIデータを格納するデータベースを含み、
該POIデータは、異なる地図縮尺に対して提供される異なるサイズの地図領域に対する代用POIをさらに含み、
特定の地図領域内に位置を定められるPOIの数が閾値数を超えた場合、代用POIが該特定の地図領域に提供され、該代用POIは該地図領域において該POIを表し、
該方法は、
該ディスプレイ上に特定の地図縮尺で表示されるべき地図区域を決定するステップと、
該地図区域のデータベースから表示されるべきPOIデータを検索するステップであって、該POIデータの検索は、特定の地図縮尺に従ってPOIまたは代用POIのいずれかが表示のために検索されるような方法で、代用POIが該データベースに提供される該地図区域内に位置を定められるPOIに対して行われる、ステップと、
該地図区域および検索されたPOIデータを表示するステップであって、該検索されたPOIデータに含まれ、該地図区域内に位置を定められる該代用POIは、該代用POIが表す該POIの代替物として表示される、ステップと
を包含する、方法。
【請求項2】
前記POIデータは、木構造で前記データベースに格納され、該データベースにおいて、POIおよび代用POIはノードに格納され、代用POIのノードは、該代用POIが表す該POIのノードにリンクされ、該木構造の異なる深度レベルは、それぞれの深度レベルの該ノードに格納される該代用POIに関連付けられる地図領域の異なるサイズに対応、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記POIデータを検索することおよび表示することは、
前記表示されるべき地図区域に対する前記木構造の根ノードを決定するステップと、
該決定された根ルートにリンクされるノードの探索を行うステップであって、該探索は、隣り合うノードの地図位置が前記特定の地図縮尺に依存する最小距離より小さい距離を有する該木構造の深度レベルにおいて停止される、ステップと、
該停止深度レベルより高いすべての深度レベルにおいて該探索される木に含まれるPOIを検索するステップと、
停止レベルより1レベル上である深度レベルにおいて該探索される木に含まれる前記代用POIを検索するステップと、
該検索されたPOIおよび代用POIをPOIデータとして表示されるように提供するステップと
を包含する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記木構造の最高の深度レベルは根ノートを含み、該根ノードは前記地図領域のうちの最大領域に関連付けられる代用POIまたはPOIを格納する、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記木構造は、前記POIが該POI間の距離に関係なく前記データベースに別個のPOIとして格納される最低深度レベルを含む、請求項2〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記ディスプレイに表示される代用POIをユーザ選択可能にするステップと、
ユーザ入力によって該代用POIを選択したときに、該選択された代用POIが表すPOIの選択リストを該ユーザに提供するステップと
をさらに包含する、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記データベースにおける前記POIデータは、異なるPOIカテゴリーに提供され、地図領域において同じカテゴリーのPOIの数が前記閾値数を越える場合、特定のカテゴリーに対するPOIデータは、該地図領域に対する該カテゴリーの代用POIを含む、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
表示されるべきPOIの1つ以上のカテゴリーを決定するステップをさらに包含し、該表示は、概観地図縮尺ですべての決定されたカテゴリーに対するPOIデータが表示されるように行われる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
それぞれのカテゴリーが表示されるために選択される場合、表示は、概観地図縮尺でレストランおよびガソリンスタンドのカテゴリーのうちの少なくとも1つに対するPOIデータが表示されるように行われる、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記概観地図縮尺は、約1:500,000より小さく、好ましくは約1:1,000,000より小さく、そしてより好ましくは約1:2,000,000より小さい、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
代用POIに関連付けられた地図領域のサイズは、前記木構造のより高い深度レベルにおけるノードの場合が、より低い深度レベルにおけるノードに対する場合よりも大きい、請求項1〜10のいずれか1項、かつ、請求項2に記載の方法。
【請求項12】
前記木構造において、ノードに格納される代用POIの地図領域は、該ノードの親ノードに格納される代用POIの地図領域に部分的または完全に含まれる、請求項1〜11のいずれか1項、かつ、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
代用POIは、該代用POIが表すPOIの数を示す図形記号として表示される、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
地図区域およびPOIデータをユーザに表示するディスプレイと、
POIおよびその位置を含むPOIデータを格納するデータベースであって、該POIデータは異なる地図縮尺に対して提供される異なるサイズの地図領域に対する代用POIをさらに含み、該地図領域内に位置を定められるPOIの数が閾値数を超える場合、代用POIは特定の地図領域に提供され、該代用POIは該地図領域において該POIを表す、データベースと、
特定の地図縮尺で表示されるべき地図区域を決定するように適合される地図ユニットと、
該地図区域に対する該データベースから表示されるべきPOIデータを検索されるように適合される検索ユニットであって、該POIデータの検索は、該地図縮尺に従ってPOIまたは代用POIのいずれかが表示のために検索されるような方法で、代用POIが該データベースに提供される該地図区域内に位置を定められるPOIに対して行われる、検索ユニットと、
表示制御ユニットであって、該表示制御ユニットは、該検索されたPOIデータに含まれ、該地図区域内に位置を定められる代用POIは、代用POIが表す該POIの代替物として表示されるように、該地図区域および該検索されたPOIデータを表示するように適合される、表示制御ユニットと
を備えている、ナビゲーションシステム。
【請求項15】
前記ナビゲーションシステムは、請求項2〜13のいずれか1項に記載の方法を行うように構成される、請求項14に記載のナビゲーションシステム。
【請求項16】
プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能格納媒体であって、該プログラムは、コンピュータによって実行されると、該コンピュータに請求項1〜13のうちのいずれか1項に記載の方法を行わせる、コンピュータ読み取り可能格納媒体。
【請求項17】
コンピュータ読み取り可能格納媒体であって、該コンピュータ読み取り可能格納媒体に、POIデータベースが格納され、該POIデータベースは、異なるカテゴリーおよびその位置のPOIを含み、該データベースは、異なる地図縮尺に対して提供される異なるサイズの地図領域に対する代用POIをさらに含み、該地図領域における該同じカテゴリーのPOIの数が閾値数を超えた場合、カテゴリーの代用POIは特定の地図領域に提供され、該代用POIは、該地図領域において該POIを表す、コンピュータ読み取り可能格納媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−42950(P2012−42950A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−171371(P2011−171371)
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(504147933)ハーマン ベッカー オートモーティブ システムズ ゲーエムベーハー (165)
【Fターム(参考)】